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特開2023-73993コンポーネントキャリア構造のための穿孔自動化システム
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  • 特開-コンポーネントキャリア構造のための穿孔自動化システム 図1
  • 特開-コンポーネントキャリア構造のための穿孔自動化システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073993
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】コンポーネントキャリア構造のための穿孔自動化システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20230519BHJP
   B23B 41/00 20060101ALI20230519BHJP
   B26F 1/16 20060101ALN20230519BHJP
【FI】
H05K3/00 M
B23B41/00 D
B26F1/16
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022180599
(22)【出願日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】21208595
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519063934
【氏名又は名称】エーティーアンドエス オーストリア テクノロジー アンド システムテクニック アクツィエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ ハーベンバッハー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ グロス
【テーマコード(参考)】
3C036
3C060
【Fターム(参考)】
3C036AA01
3C036FF01
3C060AA11
3C060BA05
3C060BE07
3C060BH02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンポーネントキャリアにおけるドリルホールに、より効率的で再追跡可能な穿孔加工を提供する。
【解決手段】装置(100)は、穿孔加工に従って穿孔コンポーネントキャリア構造(101)を穿孔するように構成された穿孔ステージ(120)と、穿孔ステージ(120)においてコンポーネントキャリア構造(101)を固定および/または位置合わせするように構成されたステージ固定を含む固定システムと、を備える。装置(100)は、コンポーネントキャリア構造(101)、固定システム、および穿孔加工のうちの少なくとも1つに由来するトレーシングデータに関するトレーシングシステム(102)と、トレーシングシステム(102)に関連づけられた通信システム(160)とをさらに備え、通信システム(160)は、トレーシングシステム(102)によって取得されたトレーシングデータを管理するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネントキャリア構造を穿孔する装置であって、前記装置は、
穿孔加工に従って前記コンポーネントキャリア構造を穿孔するように構成された穿孔ステージと、
前記穿孔ステージにおいて前記コンポーネントキャリア構造を固定および/または位置合わせするように構成された、ステージ固定を含む固定システムと、
前記コンポーネントキャリア構造、前記固定システム、前記穿孔ステージおよび/または前記穿孔加工のうちの少なくとも1つに由来するトレーシングデータのための、トレーシングシステムと、
前記トレーシングシステムに関連付けられた通信システムであって、前記通信システムは、前記トレーシングシステムによって取得された前記トレーシングデータを管理するように構成された、通信システムと
を備える、装置。
【請求項2】
穿孔のためにコンポーネントキャリア構造を前記装置にローディングするように構成されたローダユニットをさらに含み、
前記ローダユニットは、トレーシングデータをやり取りすることによって前記通信システムに結合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置から穿孔されたコンポーネントキャリア構造をアンローディングするように構成されたアンローディングユニットをさらに含み、
前記アンローディングユニットは、トレーシングデータをやり取りするための通信システムに結合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記トレーシングシステムは、前記コンポーネントキャリア構造からの識別子からトレーシングデータを読み取ることによってそれぞれのコンポーネントキャリア構造をトレーシングするように構成され、
前記識別子は、特に、QRコード(登録商標)、バーコード、および英数字コードから成る群のうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記トレーシングシステムは、穿孔される複数の部品保持構造体を保持するキャリアのトレーシングデータをトレーシングするように構成された、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記トレーシングシステムは、前記キャリアのRFIDタグを読み取ることによって前記キャリアを追跡するように構成された、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
それぞれの前記コンポーネントキャリア構造の、一方の主面を穿孔した後で対向する他の主面を穿孔する前に、コンポーネントキャリア構造を上下反転するように構成された反転ユニットをさらに含み、
前記反転ユニットは、トレーシングデータをやり取りするように前記通信システムと結合された、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ローダユニットは、前記コンポーネントキャリア構造をドリル支持体上に配置および位置合わせするように構成され、
前記ドリル支持体が、装置を保護するためのストップ層として機能するように、前記ドリル支持体は、前記穿孔ステージを少なくとも通って前記コンポーネントキャリア構造と共に移動されるように構成され、
特に、前記コンポーネントキャリア構造は、反りのリスクを減少させるように、その主面でドリル支持体上に配置される、
請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記ステージ固定は固定テーブル、特に真空吸引テーブルを備え、
前記ステージ固定と前記ドリル支持体のうちの少なくとも1つは、穿孔の最中に前記固定テーブルに固定可能である、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ドリル支持体を交換するように構成されたドリル支持体交換ユニットをさらに含み、
特に、1つのドリル支持体交換ユニットは、ドリル支持体の交換のために、前記ローダユニット、前記穿孔ステージ、反転ユニットおよびアンローディングユニットのうちの少なくとも1つに結合される、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記トレーシングシステムは、第1部分の穿孔の後に、視認検査のためにコンポーネントキャリア構造をユーザに示すように構成された検査ユニットを備え、
前記検査ユニットは、特に、前記コンポーネントキャリア構造を反転した後および第2部分の穿孔の後、またはアンローディングユニットの前に、視認検査をユーザに提供するようにさらに構成された、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記トレーシングシステムによって決定された前記トレーシングデータに基づいて、前記穿孔ステージ、前記固定システムおよび前記トレーシングシステムのうちの少なくとも1つを制御するように前記通信システムに結合された制御ユニットをさらに含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記コンポーネントキャリア構造において穿孔されたボアホールの直径と、前記コンポーネントキャリア構造またはドリル支持体の反りとのうちの少なくとも1つを決定するように、前記トレーシングシステムは検出器デバイス、特に検査用カメラを備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記コンポーネントキャリア構造に関するトレーシングデータを提供するように、前記通信システムが、後続の加工システム、特にめっきシステムと結合されている、
請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
自動化された方法によって穿孔加工に従ってコンポーネントキャリア構造を穿孔する方法であって、前記方法は、
固定システムの穿孔ステージ固定による、穿孔ステージにおいて前記コンポーネントキャリア構造を固定および/または位置合わせする段階と、
前記穿孔ステージにおいてコンポーネントキャリア構造を穿孔する段階と、
前記コンポーネントキャリア構造、前記固定システムおよび前記穿孔加工のうちの少なくとも1つに由来するデータをトレーシングする段階と、
トレーシングデータを管理するように構成された装置に関連づけられた通信システムによって前記トレーシングデータをやり取りする段階と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポーネントキャリア構造を穿孔する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンポーネントキャリア、例えばプリント回路基板(例えばPCB)は、1または複数のコンポーネントを備える。故に、コンポーネントキャリアの製作精度および質は、特に、そのような要素の増加する小型化の必要性により、ならびに、そのようなキャリアに接続される部品の数の増大により、増加しなければならない。さらに、より多くの機能がコンポーネントキャリア内に統合されるにつれて、コンポーネントキャリアは、厳しい条件下でも操作可能であるように、機械的に堅牢であり、電気的に信頼できるべきである。
【0003】
コンポーネントキャリアは、複数の植え込みボルト穴またはスルーホールを備え、それは、機械的な穿孔により、またはレーザ穿孔により形成されたビアである。穴の位置が非常に厳密であるべきであることを考慮に入れると、穴の数が増加して、コンポーネントキャリアがより複雑に設計されるにつれ、複雑な穿孔機械が必要とされる。細かく正確なドリルホールパターンをコンポーネントキャリアに厳密に穿孔するように、そのようなキャリアは、穿孔機械内で正確に位置決めされ、位置合わせされなければならない。その上、異なる種類のコンポーネントキャリアは異なるパターンのドリルホールを備え、その理由のため、所望のドリルホールパターンに、そのように適合する穿孔機械が提供されなければならない。故に、どのドリルパターンがコンポーネントキャリアを穿孔すべきかに関して、第1にオペレータが評価すべきである。第2に、穿孔機械が所望の位置で、求められるドリルホールパターンで穴を実施することを可能とするような方法で、コンポーネントキャリアの正確な位置合わせが必要である。
【0004】
しかしながら、所望の孔パターンおよびコンポーネントキャリアの取り扱いおよび位置合わせによる穿孔機械のプログラミングなど、複数の初期段階が必要である。その結果として、コンポーネントキャリアのための穿孔加工は、時間がかかるか、失敗しがちである。
【0005】
さらに、コンポーネントキャリアの所望のドリルホールパターンに加えて、穿孔加工に関するさらなる情報はなく、機械によって穿孔される複数のコンポーネントキャリアの組は、従来の穿孔機械によって提供される。その後、後のステージまたはコンポーネントキャリアのさらなる加工において、またはさらにそのようなキャリアの使用において失敗が発生した場合、それぞれのドリルホールが穿孔された際の穿孔加工に関するドキュメント化はない。結果として、穿孔段階の最中に発生したエラーを、例えば後で再追跡することは可能ではないであろう。
【0006】
それに応じて、コンポーネントキャリアにおけるドリルホールに、より効率的で再追跡可能な穿孔加工を提供する必要があり得る。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、コンポーネントキャリアにおけるドリルホールに、より効率的で再追跡可能な穿孔加工を提供することである。
【0008】
この目的は、独立請求項に従った、コンポーネントキャリア構造を穿孔するための装置、および、コンポーネントキャリアを穿孔する方法を使用することによって達成される。
【0009】
本発明の第1の態様に従えば、コンポーネントキャリア構造を穿孔する装置が示される。装置は、穿孔加工に従ってコンポーネントキャリア構造を穿孔するように構成された、(例えばレーザまたは機械的な)穿孔ステージを備える。装置はさらに、穿孔ステージにおいてコンポーネントキャリア構造を固定および/または位置合わせするように構成された、(クランピングデバイスまたは真空吸引固定などの)ステージ固定を含む固定システムを備える。装置はさらに、コンポーネントキャリア構造、固定システム、および穿孔加工のうちの少なくとも1つに由来するトレーシングデータのための、トレーシングシステムを備える。さらに、装置は、トレーシングシステムに関連付けられた通信システムを備え、通信システムは、トレーシングシステムによって取得されたトレーシングデータを管理するように構成される。
【0010】
さらなる態様に従えば、自動化された方法(すなわち、装置への、または装置からのローディングとアンローディングとの間に、いかなるヒューマンインタラクションもない)でコンポーネントキャリア構造を穿孔する方法である。方法は、固定システムの穿孔ステージ固定による、穿孔ステージにおけるコンポーネントキャリア構造の固定および/または位置合わせの段階と、穿孔ステージにおけるコンポーネントキャリア構造の穿孔の段階と、を備える。さらに、方法に従えば、トレーシングデータは、コンポーネントキャリア構造、固定システム、および穿孔加工のうちの少なくとも1つに由来する。トレーシングデータは、上記トレーシングデータを管理するように構成された装置に関連づけられた通信システムによってやり取りされる。
【0011】
本願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア構造」は、電子回路またはコンポーネントのための機械的支持および/または電気接続性を提供するために、上におよび/または内部に電子部品などの1または複数のコンポーネントを収容可能な任意の支持構造を特に示し得る。換言すれば、コンポーネントキャリア構造は、コンポーネントの機械的なおよび/または電子的なキャリアとして構成され得る。特に、コンポーネントキャリア構造は、プリント回路基板、有機インターポーザ、メタルコア基板、無機基板、およびIC(集積回路基板)のうちの1つであり得る。コンポーネントキャリア構造はまた、上記のタイプのコンポーネントキャリアの異なるコンポーネントキャリアを組み合わせる混載基板でもあり得る。故に、例示的な実施形態に従えば、コンポーネントキャリア構造は、パネル、アレイ、およびコンポーネントキャリア、特にプリント回路基板または集積回路基板から成る群から選択される。コンポーネントキャリア構造は、2つの対向する主面を含む、シート(プレート)状の設計を持ち得る。主面は、コンポーネントキャリア構造の2つの最大の表面積を形成する。主面は、周囲側壁によって接続される。コンポーネントキャリア構造の厚さは、2つの対向する主面の間の距離によって画定される。主面は、ICなどのさらなる要素との導電配線または導電相互接続などの、機能的セクションを備え得る。
【0012】
穿孔の最中にコンポーネントキャリア構造を固定するために、コンポーネントキャリア構造は固定システムによって、特に真空および圧力下によって、および/または機械的固定(クランプ)によって、それぞれ穿孔ステージに固定される。
【0013】
トレーシングデータは、例えば、コンポーネントキャリア構造の製品データ、コンポーネントキャリアの部品(ID)番号、キャリア上および/または穿孔ステージ内のコンポーネントキャリア構造の位置合わせデータ、ドリルホール位置に関するデータ、(測定された)ドリルホールパターン、穿孔の最中の環境状況(例えば湿度、温度)であり得る。
【0014】
通信システムは、例えばトレーシングデータをやり取りすべく、トレーシングシステム、穿孔ステージおよび固定システムと、無線またはワイヤボンドで結合され得る。
【0015】
通信システムは、トレーシングデータを処理し、したがってトレーシングデータを管理する。トレーシングデータを管理することは、トレーシングデータ、例えば正しい部品(ID)番号が、穿孔ステージにローディングされているかどうかを評価することを意味する。さらに、通信システムは、例えば、穿孔の最中に正しい予め決められた環境条件が満たされるかどうかを、管理および評価する。さらに、通信システムは、通信されたトレーシングデータに基づいて、それぞれの動作(欠陥のある失敗した穿孔されたコンポーネントキャリア構造の拒絶など)を始め得るように、トレーシングデータをそれぞれの受け入れ先(ローディングまたはアンローディングユニット、反転ユニット、またはそれに続く加工ステージなど)ごとに管理、例えば処理および送信する。通信システムは、装置との関連付けによってトレーシングシステムと関連付けられる。
【0016】
本発明の手法によって、コンポーネントキャリア構造を穿孔する装置が提供され、自動化された穿孔加工が実施され、完全な穿孔加工の最中の、改良された品質管理およびドキュメント化が提供され得る。
【0017】
例示的な実施形態に従えば、トレーシングシステムは、
(i)正しいコンポーネントキャリア構造がローディングのための装置に供給されること、
(ii)正しい(レーザまたは機械的な)穿孔加工が、それぞれのコンポーネントキャリア構造の穿孔のために実行されること、
(iii)コンポーネントキャリア構造を穿孔する穿孔加工がドキュメント化されること、
および(iv)正しいコンポーネントキャリア構造が装置からアンローディングされること、を保証するように、装置におけるコンポーネントキャリア構造と穿孔加工との間の関連付けをトレーシングするように構成される。
【0018】
例示的な実施形態に従えば、通信システムは、トレーシングデータをやり取りするように構成されており、トレーシングデータはコンポーネントキャリア構造と穿孔加工との間の関連付けに関し、トレーシングデータは、
(i)予め決められたコンポーネントキャリア構造が、ローディングのための装置に供給されるかどうか、
(ii)予め決められた穿孔加工が、それぞれのコンポーネントキャリア構造を穿孔するように実行されるかどうか、
(iii)コンポーネントキャリア構造を穿孔するための穿孔加工がドキュメント化されるかどうか、および/または、
(iv)予め決められたコンポーネントキャリア構造が、装置からアンローディングされるかどうか、
を決定する情報を備える。
【0019】
例示的な実施形態に従えば、穿孔ステージにおいて、穿孔ユニットが、コンポーネントキャリア構造に穿孔パターンを適用するように提供される。例えば、複数の穿孔ユニットは、複数の穿孔レーザビームを提供するためのレーザ穿孔ユニットであり得る。さらに、複数の穿孔ユニットは、穿孔パターンをコンポーネントキャリア構造に形成するための複数の機械ドリルビットを有する機械的穿孔ユニットであり得る。
【0020】
例示的な実施形態に従えば、トレーシングデータは環境状況、特に温度、湿度、圧力、酸素分圧を備え、それらはローダユニット、穿孔ステージ、アンローディングユニット、および反転ユニットのうちの少なくとも1つから評価可能である。
【0021】
トレーシングデータのトレーシング情報は、特定の種類の、例えばローダユニットにローディングされたコンポーネントキャリア構造を備える。さらに、トレーシング情報は、例えば、コンポーネントキャリア構造の、品番およびシリアル番号をそれぞれ備える。さらに、トレーシング情報は、穿孔加工の種類、例えば、どの孔パターン、孔の大きさ、および穿孔速度が、特定のコンポーネントキャリア構造の穿孔加工に適用されるべきかを画定する。さらに、トレーシング情報は、レーザビームなどの動作パラメータ、または、穿孔の最中の穿孔ステージのドリルビットパラメータ、穿孔加工の最中の環境の温度または湿度などの環境状況を備える。故に、トレーシング情報は、それぞれのコンポーネントキャリア構造を識別するための特定のデータ、ならびに、穿孔手順ならびに例えば適合された穿孔プログラムの最中の環境を画定する動作パラメータを備える。
【0022】
例示的な実施形態に従えば、装置はさらに、装置への(レーザまたは機械的な)穿孔のためのコンポーネントキャリア構造をローディングするために構成されたローダユニットを備え、ローダユニットは、トレーシングデータをやり取りするための通信システムに結合されている。
【0023】
例えば、コンポーネントキャリア構造は、それぞれのコンポーネントキャリア構造を支持する複数のキャリアを備えるマガジンにおいて提供され得る。マガジンは、ローダユニットへと移動されることが可能な、移動可能な台車に配置され得る。
【0024】
ローダユニットは、それぞれのコンポーネントキャリア構造、または、1または複数のコンポーネントキャリア構造を支持するそれぞれのキャリアを把持するための、および、コンポーネントキャリア構造をローダユニット内で最初の位置に配置して位置合わせするための、マニピュレータなどのそれぞれのローダを備える。ローダにおける最初の位置で、コンポーネントキャリア構造は正しく位置合わせされ、穿孔ステージへのさらなる移動のために準備される。ローダは、例えば、所望の位置合わせが達成されるまでそれぞれのコンポーネントキャリア構造を並進および回転することによって、コンポーネントキャリア構造を位置合わせし得る。
【0025】
穿孔ステージへのさらなる移動は、コンベヤベルトまたはマニピュレータなどのハンドリングユニットによって提供される。マニピュレータは、例えば、コンポーネントキャリア構造を把持し、穿孔ステージにコンポーネントキャリア構造を移動する。マニピュレータによって、コンポーネントキャリア構造およびドリル支持体のそれぞれの位置合わせが、それぞれ行われ得る。トレーシングシステムは、コンポーネントキャリア構造および/またはキャリアからトレーシングデータを受信および決定するセンサを備える。例えば、ローダユニット、穿孔ステージおよびアンローディングユニットにおいて、カメラセンサなどの、トレーシングシステムのそれぞれの位置センサが、コンポーネントキャリア構造の向きおよび位置合わせを測定すべく設置される。
【0026】
センサ(例えば検査用カメラ)もまた、ドリルホールの直径を測定し得る。この情報もまた、最良のめっき条件を適用するためのその情報でめっきユニットをサポートするように、めっきユニットなどの後続の加工機械へ、制御ユニットによって送信され得る。
【0027】
トレーシングシステムは、装置のいくつかの段階において設置された複数の部品(センサ)を備える。部品は、例えば、コンポーネントキャリア構造のそれぞれの識別子をスキャンおよび検出するように構成された、光学または磁気検出器デバイスなどの検出器デバイスである。検出器デバイスは、カメラまたはRFIDリーダであり得る。コンポーネントキャリア構造は、一定速度で、または順次に、検出器デバイスを通過し得る。さらに、検出器デバイスは、検出器デバイスを旋回させるか、横方向に移動させるアクチュエータを備え得る。故に、アクチュエータは、検出器デバイスが例えばコンポーネントキャリア構造の動きに従うように、それぞれの検出器デバイスを調節し得る。
【0028】
コンポーネントキャリア構造をトレーシングするためのトレーシングシステムの部品が、ローダユニットに設置されている。トレーシングシステムおよびローダユニットは、ローダユニットに供給されるコンポーネントキャリア構造を識別するように構成されている。したがって、トレーシングシステムは、ローダユニットにローディングされたコンポーネントキャリア構造に関するそれぞれのトレーシング情報を検出するように、それぞれの検出器を備える。
【0029】
ハンドリングユニットは、例えばトレーシングシステムが、穿孔ステージに挿入されるべき正しい所望のコンポーネントキャリア構造が提供されることを保証した後、コンポーネントキャリア構造をローダユニットから穿孔ステージに移動する。ハンドリングユニットは、穿孔ステージ内部の予め定められた位置にコンポーネントキャリア構造を配置および位置合わせする。
【0030】
穿孔ステージは、レーザ穿孔によって、または機械式穿孔加工によって、コンポーネントキャリア構造にボアホールパターンを穿孔するように構成され得る。例えば、1回に1つずつ、または複数の部品保持構造体が同時に、穿孔加工によって扱われ得る。例えば、レーザ穿孔デバイスの使用によって、高出力密度の短レーザパルスが、迅速にコンポーネントキャリア構造にエネルギを供給し得、コンポーネントキャリア構造の材料を融解および蒸発させる。レーザ穿孔デバイスによって、1または複数の穿孔穴が、複数のレーザパルスによって同時に穿孔され得る。
【0031】
穿孔ステージは、トレーシングシステムのさらなる部品、例えば、穿孔を扱うコンポーネントキャリア構造に関するトレーシング情報を検出するための、さらなる検出器を備える。例えば、トレーシングシステムは、コンポーネントキャリア構造の、品番およびシリアル番号をそれぞれ検出する。さらに、トレーシングシステムは、どの種類の穿孔加工、例えば、どの孔パターン、孔の大きさ、および穿孔速度が、特定のコンポーネントキャリア構造の穿孔加工に適用されるべきかの、穿孔ステージからのトレーシング情報を受信する。
【0032】
例示的な実施形態に従うと、装置はさらに、穿孔されたコンポーネントキャリア構造を装置から(例えば、穿孔状態および/または反転ユニットから)アンローディングするように構成されたアンローディングユニットを備える。アンローディングユニットは、トレーシングデータをやり取りするように通信システムに結合されている。
【0033】
ドリルホールパターンをコンポーネントキャリア構造に穿孔した後、コンベヤベルトまたはさらなるハンドリングユニットが、ドリルホールを含むコンポーネントキャリア構造を、穿孔ステージからアンローディングユニットに移動する。ハンドリングユニットは、アンローディングユニット内部の予め定められた位置に、コンポーネントキャリア構造を配置および位置合わせする。さらに詳細に以下に記載されるように、穿孔ステージとアンローディングユニットとの間に、コンポーネントキャリア構造および/または検査ユニットを反転するための反転ユニットが配置され得る。
【0034】
アンローディングユニットは、それぞれのコンポーネントキャリア構造またはコンポーネントキャリア構造を支持するそれぞれのキャリアを把持するための、および、コンポーネントキャリア構造を支持するためのマガジンおよび/またはキャリアなどの所望の位置にコンポーネントキャリア構造を移動するための、マニピュレータなどのそれぞれのローダを備える。
【0035】
その上、コンポーネントキャリア構造をトレーシングするためのトレーシングシステムのさらなる部品が、アンローディングユニットに設置されている。トレーシングシステムは、穿孔ステージから送られるコンポーネントキャリア構造を識別するように、および、それぞれのコンポーネントキャリア構造がどこに送られるか、例えばマガジンを識別するように、構成されている。故に、穿孔されたスルーホールをめっきするめっきシステムなどの、後続の製造ステージは、コンポーネントキャリア構造のどの組が穿孔ステージから到達するかに関するトレーシング情報を受信する。
【0036】
まとめれば、トレーシングシステムにより、完全な穿孔ステージに関する品質管理およびドキュメント化が提供される。トレーシングシステムは、所望の正しいコンポーネントキャリア構造が穿孔ステージに投入されたことを保証する。さらに、トレーシングシステムは、既知の提供されたコンポーネントキャリア構造により、コンポーネントキャリア構造に所望のドリルホールパターンを穿孔するために正しい穿孔プログラムが使用されることを保証する。その上、すべてのステージにおいて、特にローダユニット、穿孔ステージ、およびアンローディングユニットにおいて、トレーシングシステムのそれぞれの部分が設置され、穿孔されたコンポーネントキャリア構造の完全な文書が提供される。さらに、トレーシングシステムから受信されたすべてのトレーシング情報が完全な穿孔ステージのために使用され得るので、完全な穿孔加工の自動制御が提供され得る。さらに、正しい穿孔プログラムの選択などの、所望の制御コマンドの基礎がそれに関して与えられ得る、すべての必要なトレーシング情報は、トレーシングシステムによって検出および受信されているので、ローダユニットと穿孔ステージとの間などのステージの間の、例えばオペレータによるさらなるチェックは、もはや必要ではない。
【0037】
さらなる例示的な実施形態に従うと、トレーシングシステムは、コンポーネントキャリア構造から識別子を読み取ることによって、それぞれのコンポーネントキャリア構造をトレーシングするように構成されている。識別子は、例えば、各コンポーネントキャリア構造上に、または、コンポーネントキャリア構造を支持するキャリア上に位置し得る。さらに、識別子は、コンポーネントキャリア構造またはキャリアの表面上に形成され得る。代替的に、識別子は、それぞれのコンポーネントキャリア構造またはキャリアの表面の下または内部に形成され得る。トレーシングシステムは、コンポーネントキャリア構造を特徴づけるトレーシング情報を検出するための、カメラ、RFIDリーダなどのそれぞれの検出器を備える。識別子はまた、パネルまたはドリル支持体のエッジ上にアンテナ素子をも備え得、それをRFIDタグとして使用する。
【0038】
さらなる例示的な実施形態に従うと、識別子は、QRコード(登録商標)、バーコード、および英数字コードから成る群のうちの少なくとも1つである。トレーシングシステムは、コンポーネントキャリア構造をトレーシングするようにそれぞれのトレーシング情報を識別するための、制御ユニットまたはそれぞれのデータベースに接続され得る。例えば、決定された識別子に基づいて、穿孔されるコンポーネントキャリア構造およびドリルホールパターンのそれぞれの構成が、選択され得る。
【0039】
さらなる例示的な実施形態に従うと、トレーシングシステムは、穿孔される複数の部品保持構造体を保持するキャリアのトレーシングデータをトレーシングするように構成されている。例えば、キャリアは、複数のそれぞれのコンポーネントキャリア構造を支持し得る。キャリア自体は、移動され得る移動可能な台車のマガジン、例えばローダユニットに配置され得る。コンポーネントキャリア構造は、装置を通ってキャリアと共に移動し得る。代替的に、ローダユニットは、キャリアなしで単一のコンポーネントキャリア構造によって供給され得る。キャリアは、ローダユニットの外側に配置されてよく、アンローディングユニットへと移動されてよく、キャリアは、穿孔されたコンポーネントキャリア構造を改めて受け入れる。トレーシングシステムは、それにより、例えばキャリア上の識別子、および、例えばコンポーネントキャリア構造の識別子を検出する。故に、トレーシングシステムドキュメントは、どの種類のコンポーネントキャリア構造がそれぞれのキャリアでローディングされるかである。
【0040】
さらなる例示的な実施形態に従うと、トレーシングシステムは、キャリアのRFIDタグを読み取ることによってキャリアを追跡するように構成されている。
【0041】
さらなる例示的な実施形態に従うと、装置はさらに、それぞれのコンポーネントキャリア構造の、一方の主面を穿孔した後で対向面を穿孔する前に、コンポーネントキャリア構造を上下反転するように構成された反転ユニットを備える。例えば、コンポーネントキャリア構造は、機械またはレーザ穿孔ユニットが、ドリルホールの予め定められた深さに達するまでコンポーネントキャリアの上部面又は下部面から穿孔を行うような方法で、穿孔ステージにおける機械またはレーザ穿孔によって扱われる。完全なスルーホールを形成するように、コンポーネントキャリア構造は、穿孔ユニットから反転ユニットへと移動され得る。反転ユニットにおいて、コンポーネントキャリア構造は、回転して反転され、穿孔ユニットへと戻されるように移動される。反転されたコンポーネントキャリア構造は、穿孔ユニットに位置合わせされる。次に、穿孔ユニットは、ドリルホールに達してスルーホールが作成されるまで、コンポーネントキャリア構造の他面を扱う。所望のドリルホールパターンが穿孔ステージによって穿孔された後、反転されたコンポーネントキャリア構造は、アンローディングユニットへと直接移動され得るか、反転ユニットを通ってアンローディングユニットに移動され得る。反転ユニットは、コンポーネントキャリア構造およびドリル支持体を保持し、両者を回転して反転する。反転ユニットは、圧力下によってコンポーネントキャリア構造(および、例えばドリル支持体)を保持するための吸引カップを備える。さらに、反転ユニットは、反転の最中にコンポーネントキャリア構造およびドリル支持体をクランピングするための機械的なクランプを備え得る。
【0042】
その上、トレーシングシステムのさらなる部品が、反転ユニットに設置される。故に、トレーシングシステムは、反転ユニットのコンポーネントキャリア構造が既に回転して反転されたかどうか、または、コンポーネントキャリア構造を反転する必要がなく、したがって、コンポーネントキャリア構造を反転ユニットを通ってアンローディングユニットへと移動し得るかどうかを、検出する。故に、トレーシングシステムの使用により、例えば、コンポーネントキャリア構造を回転して反転しなければならないか、アンローダデバイス上へ移動しなければならないかをオペレータが判断する必要がない。
【0043】
さらなる例示的な実施形態に従うと、ローダユニットは、コンポーネントキャリア構造をドリル支持体上に配置および位置合わせするように構成され、ドリル支持体は、穿孔ステージを通ってコンポーネントキャリア構造と共に移動されるように構成される。特に、コンポーネントキャリア構造は、反りのリスクを減少させるように、その主面でドリル支持体上に配置される。
【0044】
例示的な実施形態において、穿孔ステージは固定テーブル、特に真空吸引テーブルを備え、ドリル支持体は穿孔の最中に固定テーブルに固定可能である。コンポーネントキャリア構造は、高精度穿孔を保証するように、ドリル支持体にクランプすることによって固定されてもよい。穿孔機械を保護するようにドリル支持体は使用され得、それはレーザドリルビームまたはドリルビットの機械的衝撃に対するストップ層として作用する。しかしながら、ある点において、ドリル支持体はレーザビームまたはドリルビットによって損傷されることもある。制御ユニットと協働した統合カメラシステムが、損傷したドリル支持体を検出し得、例えば、反転ステーションにおいて、ドリル支持体は、穿孔加工で高精度を保証する新しいものと交換され得る。
【0045】
さらなる例示的な実施形態に従えば、装置はさらに、穿孔の最中に真空吸引テーブルとコンポーネントキャリア構造との間に挟まれてドリル支持体を交換するように構成された、ドリル支持体交換ユニットを備える。さらなる例示的な実施形態に従えば、1つのドリル支持体交換ユニットは、ドリル支持体を穿孔ステージに提供するように、ローダユニットおよび/または穿孔ステージと結合されている。
【0046】
さらなる例示的な実施形態に従えば、1つのドリル支持体交換ユニットは、ドリル支持体を穿孔ステージから受け入れるように、アンローディングユニットおよび/または穿孔ステージと結合されている。例えば、レーザが意図せずドリル支持体に当たったとき、穿孔レーザは停止するようトリガされる。ドリル支持体が損傷した場合、損傷したドリル支持体は、損傷の検出のとき、または予め定められた保守時間(例えば、ドリル支持体が例えば50穿孔サイクル使用された場合)で交換され得る。故に、コンポーネントキャリア構造およびドリル支持体は、ローダユニットに個別に供給される。
【0047】
さらなる例示的な実施形態に従うと、トレーシングシステムは、ドリル支持体を検査するためのドリル支持体検査ユニットを備え、ドリル支持体検査ユニットは、ドリル支持体の欠陥が検出されたとき、ドリル支持体がドリル支持体交換ユニットによって置き換えられるように、ドリル支持体交換ユニットに結合される。ドリル支持体検査ユニットによって、ドリル支持体のステータス(例えば欠陥)およびコンポーネントキャリア構造の欠陥(例えば反り)もまた、ローダユニットに入る前に、および、コンポーネントキャリア構造がドリル支持体上に配置される前に検出され得る。
【0048】
穿孔の最中のコンポーネントキャリア構造を固定するために、コンポーネントキャリア構造は固定システムによって、特に、真空によっておよび圧力下で、および/または機械的固定(クランプ)によって、それぞれドリル支持体上に固定される。故に、ドリル支持体は、ドリル支持体上に位置決めされたコンポーネントキャリア構造によって一方の面が覆われる真空スルーホールを備える。ドリル支持体自体は、真空吸引テーブルの表面上に配置される。真空吸引テーブルは、真空ポンプに結合されるそれぞれのスルーホールを備える。具体的には、ドリル支持体のスルーホールは、真空吸引テーブルのスルーホールと合致(match)する。故に、圧力下で適用するとき、ドリル支持体ならびにコンポーネントキャリア構造は、真空吸引テーブルに吸引され、したがって、所望の位置に固定され得る。ドリル支持体は、真空吸引テーブル上に着脱可能に位置決めされ、ドリル支持体は、ドリル支持体が例えば穿孔加工によって損傷した場合、または、異なるドリル支持体を必要とする異なる種類のコンポーネントキャリア構造が穿孔されなければならない場合、交換され得る。コンポーネントキャリア構造を保持して下げる、適用された真空によって、反転後の例えば2回目に穿孔されるとき、穿孔されたスルーホールの清浄効果が発生する。生成された真空フロー(例えば乱流)により、ドリルホールの中に残る残留物が、より少なくなるか、または最良の場合は全くなくなる。故に、製造の最中のデスミア処理ステップが回避され得る。
【0049】
したがって、ドリル支持体を提供するための第1の入口ドリル支持体交換ユニットと、ドリル支持体を受け入れるためのさらなる出口ドリル支持体交換ユニットとが、穿孔ステージと直接または間接的に結合される。
【0050】
加工されたコンポーネントキャリア構造が予め定められた数となった後、ドリル支持体は自動に交換され得る。このことは、加工の最中、例えば、穿孔の最中のレーザビームによる処置の最中に、ドリル支持体の表面が損傷するという理由により必要とされ得る。したがって、新しいドリル支持体および使用されたドリル支持体の位置は、装置と統合され得る。例えば、水平インタフェース伝達(horizontal interface communication)を介して、例えば、マニピュレータまたはコンベヤベルトによって通知されると、新しいドリル支持体および使用されたドリル支持体は、穿孔機械から、または穿孔機械へ搬送され得、それぞれのドリル支持体の個別の交換を提供し得る。
【0051】
さらなる例示的な実施形態に従えば、検査ユニットは、第1部分の穿孔の後にユーザへの視認検査のためにコンポーネントキャリア構造を示すように、構成される。さらなる例示的な実施形態に従えば、検査ユニットはさらに、コンポーネントキャリア構造を反転した後で、アンローディングユニットの前に、例えば完全な穿孔加工の後に、ユーザに視認検査を提供するように構成される。例えば、ユーザまたはオペレータが、ドリルホールが正しく穿孔されたかどうかを目視で検査できるように、検査ユニットが穿孔ステージ内に配置される。検査ユニットは、コンポーネントキャリア構造の反りを測定することも可能である。反りが検出された場合、コンポーネントキャリア構造(例えばパネル)はさらなる加工をされない。多くの熱がパネルに導入されるので、穿孔の最中にも反りは発生し得る。
【0052】
検査ユニットは、例えば、穿孔ステージの内部を見ることを可能にする透明な部分によって形成され得る。さらに、検査ユニットは、コンポーネントキャリア構造を受け入れ得る別個のユニットであり得る。例えば、穿孔ステージの後で、レビューすべきコンポーネントキャリア構造が、装置の製造ラインから分離され得、個別の検査ユニットの内部に配置され得る。故に、抽出されたコンポーネントキャリア構造を検査しながら、コンポーネントキャリア構造は加工され、すなわち穿孔され得、さらに、反転および/またはアンローディングへと移動され得る。オペレータがコンポーネントキャリア構造を検査した後、コンポーネントキャリア構造は、一般的な穿孔手順で戻され得る。スルーホールパターンは、コンポーネントキャリア構造の両側から検査されるであろう。ドリルホール間のオフセットは、ドリルホールを通るz-相互接続または信号搬送の信頼性を減少させる。そうして、検査ユニットの視認検査は、ドリルホールの適切な位置合わせを保証し、位置ずれを減少させ、スタック全体の信頼性を増加させる。検査ユニットは、高解像度カメラまたはX線カメラなどのカメラもまた備え得る。検査写真は、例えば(UCAM)システムにおいて比較される。例えば、コンポーネントキャリア構造におけるドリルホールの現在の実際の配置が検査され得、一方の面の実際の孔パターンに基づいて、コンポーネントキャリア構造の他方側が穿孔され得、ドリルホールパターンは、位置ずれを減少するように他方側のドリルホールパターンに合わせられる。
【0053】
まとめれば、予め定められた数の加工されたコンポーネントキャリア構造の後で、視認検査などの連続的な品質管理が実施され得る。したがって、本発明に従う装置は、コンポーネントキャリア構造を主要生産ラインから分離し、これらを検査ユニットに配置する。続いて、オペレータは、コンポーネントキャリア構造を品質管理のために加工から抽出し得る。検査の最中に、穿孔機械は加工を続けることが可能である。チェックの後、抽出されたコンポーネントキャリア構造は、それぞれ加工へと戻され得る。
【0054】
さらなる例示的な実施形態に従うと、装置は、ローダユニット、アンローディングユニット、穿孔ステージ、反転ユニット、検査ユニット、およびトレーシングシステムの間でコンポーネントキャリア構造を取り扱うように構成された、上記のハンドリングユニットを備える。ハンドリングユニットは、コンベヤベルトまたはマニピュレータであり得る。マニピュレータは、例えばコンポーネントキャリア構造を把持し、コンポーネントキャリア構造を穿孔ステージへと移動する。
【0055】
さらなる例示的な実施形態に従うと、装置は、ローダユニット、穿孔ステージ、固定システム、反転ユニット、およびアンローディングユニットを制御する通信システムと結合された、制御ユニットをさらに備える。制御ユニットは、トレーシングシステムによって決定されたトレーシング情報に基づいてローダユニット、穿孔ステージ、固定システム、反転ユニット、およびアンローディングユニットを制御するための、トレーシングシステムと結合される。その上、制御ユニットは、トレーシングシステムによって受信されたトレーシング情報に基づいてコンポーネントキャリアの反転を制御する、反転ユニットに結合され得る。さらに、制御ユニットは、検査ユニットに結合され得る。故に、制御ユニットは、穿孔ステージ後のコンポーネントキャリア構造を、ドリルホールの質を検査する検査ユニットへ移動するように、ハンドリングユニットを制御し得る。同時に、制御ユニットは、検査と同時にさらなるコンポーネントキャリア構造の穿孔がさらに進むように、穿孔ステージユニットを制御し得る。制御ユニットは、ローダユニット、アンローディングユニット、反転ステーション、穿孔ステージ、ハンドリングユニット、検査ユニット、それぞれのドリル支持体交換ユニットのうち少なくとも1つと、信号転送のために結合される。制御ユニットは、それぞれのユニット無線に結合され得る。さらに、制御ユニットは、製造ラインにおける他の機械とも結合され得、したがって、通信し得る。
【0056】
さらなる例示的な実施形態に従うと、トレーシングシステムは、コンポーネントキャリア構造において穿孔されたボアホールの直径、および、コンポーネントキャリア構造またはドリル支持体の反りのうちの少なくとも1つを決定する検出器デバイス、特に検査用カメラを備える。
【0057】
さらなる例示的な実施形態に従うと、通信システムは、コンポーネントキャリア構造に関する情報を提供するための、後続のめっきユニットなどの後続の加工システムに結合される。例えば、特定のトレーシング可能な構成要素キャリア構造における穿孔ステージに穿孔されたスルーホールの真の正確な穴直径に関する情報が、後続のめっきラインに提供され得る。さらに、制御ユニットもまた、オペレータによって手動で装置を制御する(キーボードおよびモニタなどの)ユーザインターフェースを備える。
【0058】
故に、基板生産(例えばコンポーネントキャリア構造)のための完全に自動化された穿孔加工が提供され得る。トレーシングシステムによって、(ローダユニットなどの)完全に自動化されたユニット、穿孔ステージ、またはアンローディングユニットは、穿孔機械の不稼働期間なしで複数の生産業務を連続して加工する。
【0059】
さらに、本発明により、トレーサビリティの概念が提供される。コンポーネントキャリア構造は、穿孔加工全体内で追跡される。したがって、例えばローダユニット、穿孔ステージ、およびアンローディングユニットの間の各ゲートにおいて、トレーシングシステムは、生産実行システム(すなわちトレーシングシステム)の情報に基づいて、一体化された視覚系で検証される識別コードを決定する。例えば品質管理のために主要加工から抽出されるコンポーネントキャリア構造もまた、それぞれの製造ステージの前または後に、加工に戻され得る。加工エラーの場合において、コンポーネントキャリア構造はNG(「不良」)とマークされ、主要生産ラインから自動的に分離されるであろう。
【0060】
本発明に用いる装置および方法に従って、後続の例示的な加工フローが提供され得る。まず第1に、ロードポートユニットにおいて、キャリアにおいて支持されるキャリアまたはコンポーネントキャリア構造が、ロードポートユニットに引き渡されるであろう。次に、トレーシングシステムが、キャリアまたはコンポーネントキャリア構造上のRFIDタグを読み取る。次に、コンポーネントキャリア構造が、キャリアから拾われ得る。次に、識別情報(ID)および追跡情報がそれぞれ、読み取られ、検証される。
【0061】
ローダユニットにおいて、穿孔ステージへのコンポーネントキャリア構造の引き渡しのための位置合わせ前動作が行われ、その後、コンポーネントキャリア構造が穿孔ステージにローディングされる。次に、具体的には、コンポーネントキャリア構造の第1の層は、コンポーネントキャリア構造が穿孔ステージからアンローディングされる前に加工される。次に、追跡情報が、穿孔されたコンポーネントキャリア構造を検証するように読み取られる(例えばパネルID)。次に、反転ユニットにおいて、コンポーネントキャリア構造が反転されて穿孔ステージに戻るよう移動され得る。次に、コンポーネントキャリア構造がキャリアおよびアンローディングポートから拾われ、トレーシングシステムが、コンポーネントキャリア構造のトレーシング情報を読み取る。さらに、コンポーネントキャリア構造の位置合わせ前動作が、穿孔ステージへの引き渡しのために提供される。次に、コンポーネントキャリア構造の第2の対向面が穿孔される。次に、コンポーネントキャリア構造が穿孔ステージからアンローディングされ、ID読み取り/認証、例えばトレーシング情報の読み取りが行われる。次に、第2の対向面の穿孔が行われる。所望のドリルホールパターンがコンポーネントキャリア構造に作成された後、コンポーネントキャリア構造は穿孔ステージからアンローディングされ、トレーシングシステムはIDを読み取り得る。次に、コンポーネントキャリア構造がアンローディングユニットのそれぞれのキャリア上に配置され、したがって、さらなる搬送のための準備となるであろう。
【0062】
発明の実施形態は異なる主題を記載することに留意しなければならない。特に、いくつかの実施形態は装置に係る請求項を参照しているのに対して、他の実施形態は、方法に係る請求項に関して記載されている。しかしながら、当業者は、上記及び以下の説明から、他に注記のない限り、あるタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせ、特に装置に係る請求項の特徴と、方法に係る請求項の特徴との間の任意の組み合わせも、本願で開示されているとみなされるということを察知する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
本発明の上記で定義された態様およびさらなる態様は、以下で記載される実施形態の例から明らかであり、実施形態の例を参照して説明される。本発明は、実施形態の例を参照して以下により詳細に説明されるが、本発明はそれらに限定されない。
【0064】
図1】例示的な実施形態に従う、コンポーネントキャリア構造を穿孔するための装置の概略図を示す。
図2】例示的な実施形態に従う、穿孔ステージにコンポーネントキャリア構造を保持する真空吸引テーブルの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図面における図示は、概略図である。異なる図面において、類似又は同一の要素には、同じ参照符号が提供される。
【0066】
図1は、例示的な実施形態に従う、コンポーネントキャリア構造101を穿孔する装置100の概略図を示す。
【0067】
装置100は、穿孔加工に従ったコンポーネントキャリア構造101を穿孔するために構成された、(例えばレーザまたは機械的な)穿孔ステージ120を備える。装置100は、穿孔ステージ120においてコンポーネントキャリア構造101を固定および/または位置合わせするために構成された、(クランピングデバイスまたは真空吸引固定などの)ステージ固定205(図2参照)を含む固定システムをさらに備える。装置100は、コンポーネントキャリア構造101、固定システムおよび穿孔ステージ120のうちの少なくとも1つに由来するトレーシングデータのためのトレーシングシステム102をさらに備える。さらに、装置100は、トレーシングシステム102に関連付けられた通信システム160を備え、通信システム160は、トレーシングシステム102によって取得されたトレーシングデータを管理するように構成される。
【0068】
さらに、装置100は、穿孔するためのコンポーネントキャリア構造101を装置100へローディングするために構成された、ローダユニット110を備える。さらに、装置は、穿孔されたコンポーネントキャリア構造101を装置100の外にアンローディングするように構成された、アンローディングユニット130を備える。
【0069】
トレーシングシステム102は、(i)正しいコンポーネントキャリア構造101がローディングのための装置100に供給されること、(ii)正しい穿孔加工が、それぞれのコンポーネントキャリア構造101の穿孔のために実行されること、(iii)コンポーネントキャリア構造101を穿孔する穿孔加工がドキュメント化されること、および(iv)正しいコンポーネントキャリア構造(101)が装置(100)からアンローディングされること、を保証するように、装置100におけるコンポーネントキャリア構造101をトレーシングするように構成される。
【0070】
トレーシングデータは、例えば、コンポーネントキャリア構造の製品データ、コンポーネントキャリアの部分(ID)番号、キャリア上および/または穿孔ステージ内のコンポーネントキャリア構造の位置合わせデータ、ドリルホール位置に関するデータ、(測定された)ドリルホールパターン、穿孔の最中の環境状況(例えば湿度、温度)であり得る。
【0071】
通信システム160は、例えばトレーシングデータをやり取りすべく、トレーシングシステム102、穿孔ステージ120および固定システムと、無線またはワイヤボンドで結合され得る。
【0072】
通信システム160は、トレーシングデータを処理し、したがってトレーシングデータを管理する。通信システム160は、通信されたトレーシングデータに基づいて、それぞれの動作(欠陥のある失敗した穿孔されたコンポーネントキャリア構造101の拒絶など)を始め得るように、トレーシングデータをそれぞれの受け入れ先(ローダまたはアンローディングユニット110、130、反転ユニット140、またはそれに続く加工ステージなど)ごとに処理および送信する。
【0073】
コンポーネントキャリア構造101は、1または複数のそれぞれのコンポーネントキャリア構造101を支持する複数のキャリア104を備えるマガジンにおいて提供される。マガジンは、ローダユニットへと移動されることが可能な、移動可能な台車に配置され得る。本例において、2つのキャリア104が並んで配置され得、したがって、2つのコンポーネントキャリア構造が、同時にローダユニット110に提供され得る。
【0074】
ローダユニット110は、それぞれのコンポーネントキャリア構造101、または、1または複数のコンポーネントキャリア構造101を支持するそれぞれのキャリア104を把持するための、マニピュレータなどのそれぞれのローダを備える。ローダは、コンポーネントキャリア構造101をローダユニット110内で最初の位置に配置して位置合わせする。ローダユニット110における最初の位置で、コンポーネントキャリア構造101は正しく位置合わせされ、穿孔ステージ120へのさらなる移動のために準備される。
【0075】
マニピュレータなどのハンドリングユニット109は、コンポーネントキャリア構造101を把持し、穿孔ステージ120にコンポーネントキャリア構造101を移動する。
【0076】
その上、コンポーネントキャリア構造101をトレーシングするためのトレーシングシステム102の部品またはユニットが、ローダユニット110に設置されている。トレーシングシステム102は、ローダユニット110にローディングされたコンポーネントキャリア構造101に関するそれぞれのトレーシング情報を検出するように、それぞれの検出器を備える。
【0077】
ハンドリングユニット109は、例えばトレーシングシステム102が、穿孔ステージ120に挿入されるべき正しい所望のコンポーネントキャリア構造101が提供されることを保証した後、コンポーネントキャリア構造をローダユニット110から穿孔ステージ120に移動する。ハンドリングユニット109は、穿孔ステージ120の予め定められた位置にコンポーネントキャリア構造101を配置および位置合わせする。
【0078】
穿孔ステージ120は、コンポーネントキャリア構造101におけるそれぞれのドリルホールパターンを穿孔するための、穿孔デバイス201(図2参照)を備える。例えば、1回に1つずつ、または図1に示されるように2つのコンポーネントキャリア構造101が同時に、穿孔加工によって扱われ得る。
【0079】
穿孔ステージ120は、トレーシングシステム102のさらなる部品/ユニット、例えば、穿孔を扱うコンポーネントキャリア構造101に関するさらなるトレーシング情報を検出するための、さらなる検出器を備える。例えば、トレーシングシステム102は、コンポーネントキャリア構造101の、品番およびシリアル番号をそれぞれ検出する。さらに、トレーシングシステム102は、どの種類の穿孔加工、例えば、レーザまたは機械式穿孔加工、どの孔パターン、孔の大きさ、および穿孔速度が、特定のコンポーネントキャリア構造101の穿孔加工に適用されるべきかの、穿孔ステージ120からのトレーシングデータ情報を受信する。
【0080】
ドリルホールパターンをコンポーネントキャリア構造101に穿孔した後、コンベヤベルトまたはさらなるハンドリングユニット109が、ドリルホールを含むコンポーネントキャリア構造101を、穿孔ステージ120から、それぞれのコンポーネントキャリア構造101の一方の主面を穿孔した後で対向する他の主面を穿孔する前にコンポーネントキャリア構造101を上下反転するように構成された反転ユニット140へ、移動する。例えば、コンポーネントキャリア構造101は、レーザまたはドリルビットが、ドリルホールの予め定められた深さに達するまでコンポーネントキャリア構造101の上部面又は下部面から穿孔を行うように、穿孔ステージ120における穿孔によって扱われる。ドリルホールの完全なスルーホールを形成するべく、コンポーネントキャリア構造101は、穿孔ステージ120から反転ユニット140へと移動され得る。反転ユニット140において、コンポーネントキャリア構造101は、回転して反転され、その後に穿孔ステージ120へと戻されるように移動される。次に、穿孔ステージ120における穿孔デバイス201は、ドリルホールに達してスルーホールが作成されるまで、コンポーネントキャリア構造101の他面を扱う。所望のドリルホールパターンが穿孔ステージ120によって穿孔された後、反転されたコンポーネントキャリア構造101は、反転ユニット140を通ってアンローディングユニット130に移動され得る。
【0081】
さらに、トレーシングシステム102のさらなる部品/ユニットが、反転ユニット140に設置されている。故に、トレーシングシステム102は、反転ユニット140のコンポーネントキャリア構造101が既に回転して反転されたかどうか、またはコンポーネントキャリア構造101を反転する必要がなく、したがって、コンポーネントキャリア構造101を反転ユニット140を通ってアンローディングユニット130へと移動するかどうかを、検出する。
【0082】
反転ユニット140を通過した後、アンローディングユニット130が配置される。ハンドリングユニット109は、アンローディングユニット内部の予め定められた位置に、コンポーネントキャリア構造101を配置および位置合わせする。アンローディングユニット130は、それぞれのコンポーネントキャリア構造101またはコンポーネントキャリア構造101を支持するそれぞれのキャリア104を把持するための、および、コンポーネントキャリア構造を支持するためのマガジンおよび/またはキャリア104などの所望の位置にコンポーネントキャリア構造101を移動するための、マニピュレータなどのそれぞれのローダを備える。
【0083】
トレーシングシステム102のさらなる部品/ユニットが、アンローディングユニット130に設置されている。トレーシングシステム102は、反転ユニット140または穿孔ステージ120から送られるコンポーネントキャリア構造101を識別するように構成されている。さらに、トレーシングシステム102は、それぞれのコンポーネントキャリア構造101がどこに送られるか、例えばマガジンを識別するように、構成されている。
【0084】
コンポーネントキャリア構造は、識別子103を読み取ることによってそれぞれのコンポーネントキャリア構造101をトレーシングするように構成された、識別子103およびトレーシングシステム102を備える。したがって、トレーシングシステム102は、コンポーネントキャリア構造101を特徴づける情報を検出するための、カメラおよびRFIDリーダなどのそれぞれの検出器を備える。故に、識別子103は、QR、バーコード、またはRFIDタグであり得る。トレーシングシステム102は、トレーシングされたコンポーネントキャリア構造101に関するそれぞれの情報を識別するように、制御ユニット150またはそれぞれのデータベースに接続され得る。例えば、決定された識別子103に基づいて、穿孔されるコンポーネントキャリア構造101およびドリルホールパターンのそれぞれの構成が、選択され得る。
【0085】
さらに、検査ユニット108が、第1部分の穿孔の後で第2部分の穿孔の前にユーザへの視認検査のためにコンポーネントキャリア構造101を示すように、提供される。検査ユニット108は、コンポーネントキャリア構造101を受け入れ得る別個のユニットであり得る。例えば、穿孔ステージ120の後で、レビューすべきコンポーネントキャリア構造101が、装置100の製造ラインが分離され得、個別の検査ユニット108の内部に配置され得る。故に、抽出されたコンポーネントキャリア構造101を検査しながら、さらなるコンポーネントキャリア構造101が加工され得、すなわち穿孔され得、さらに、反転および/またはアンローディングへと移動され得る。オペレータがコンポーネントキャリア構造101を検査した後、コンポーネントキャリア構造101は、一般的な穿孔手順、すなわち、反転ユニット140の前に戻され得る。検査ユニット108またはさらなる検査ユニット108は、ローダユニット110、穿孔ステージ120、アンローディングユニット130、および反転ユニット140のうちの少なくとも1つに設置され得る。
【0086】
通信システム160は、ローダユニット110、穿孔ステージ120、固定ステージ、反転ユニット140、およびアンローディングユニット130を制御する制御ユニット150をさらに備える。制御ユニット150は、トレーシングシステム102によって決定されたトレーシングデータに基づいてローダユニット110、穿孔ステージ120、およびアンローディングユニット130を制御するための、トレーシングシステム102と結合される。その上、制御ユニット150は、トレーシングシステム102によって受信されたトレーシング情報に基づいてコンポーネントキャリア構造101の反転を制御する、反転ユニット140に結合されている。さらに、制御ユニット150は検査ユニット108に結合されている。故に、制御ユニット150は、穿孔ステージ120後のコンポーネントキャリア構造101を、ドリルホールおよびコンポーネントキャリア構造101のそれぞれの質を検査する検査ユニット108に移動するように、ハンドリングユニット109を制御する。同時に、制御ユニット150は、検査と同時にさらなるコンポーネントキャリア構造101の穿孔がさらに進むように、穿孔ステージユニット120を制御する。
【0087】
さらに、装置100は、穿孔の最中に真空吸引テーブル204とコンポーネントキャリア構造101との間に挟まれてドリル支持体105を交換するように構成された、ドリル支持体交換ユニット106、107をさらに備える。入口ドリル支持体交換ユニット106は、ローダユニット110を介してドリル支持体を穿孔ステージ120に提供するように、ローダユニット110と結合されている。出口ドリル支持体交換ユニット107は、例えば反転ユニット140およびアンローディングユニット130を介して、穿孔ステージ120からドリル支持体を受け入れるように、アンローディングユニット130に結合されている。さらに、さらなるドリル支持体交換ユニット111は、損傷したドリル支持体105を交換すべく、穿孔ステージ120および反転ユニット140に結合され得る。
【0088】
図2は、例示的な実施形態に従った、穿孔ステージ120にコンポーネントキャリア構造101を保持する真空吸引テーブル204の概略図を示す。
【0089】
コンポーネントキャリア構造101は、レーザ穿孔の最中、特に真空および圧力下によってそれぞれ、ドリル支持体105上に固定される。故に、ドリル支持体105は、ドリル支持体105上に位置決めされたコンポーネントキャリア構造101によって一方の面が覆われる真空スルーホールを備える。ドリル支持体105自体は、真空吸引テーブル204の表面上に配置される。真空吸引テーブル204は、真空ポンプに結合されるそれぞれのスルーホールを備える。具体的には、ドリル支持体105のスルーホールは、真空吸引テーブル204のスルーホールと合致する。故に、圧力下で適用するとき、ドリル支持体105ならびにコンポーネントキャリア構造101は、真空吸引テーブル204に吸引され、したがって、所望の位置に固定され得る。ドリル支持体105は、真空吸引テーブル204上に着脱可能に位置決めされ、ドリル支持体105はドリル支持体105が例えば穿孔加工によって損傷した場合、または、異なるドリル支持体105を必要とする異なる種類のコンポーネントキャリア構造101が穿孔されなければならない場合、交換され得る。図2に参照され得るように、レーザ穿孔ステージ120のレーザ素子201のレーザビーム202がコンポーネントキャリア構造101のボアホール203を通って放射する場合、ドリル支持体105への損傷が生じ得る。さらに、ドリル支持体105は、真空システムがオフのとき(例えばコンポーネントキャリアの交換の最中)はいつもクランピングシステムによって固定され得る。
【0090】
「備える(comprising)」という用語は、他の要素又は段階を排除するものではなく、「a」又は「an」は、複数を排除するものではないとうことに留意されたい。また、異なる実施形態と関連付けられて記載される要素が組み合わされてもよい。特許請求の範囲における参照符号が、特許請求の範囲の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0091】
参照符号
100 装置
101 コンポーネントキャリア構造
102 トレーシングシステム
103 識別子
104 キャリア
105 ドリル支持体
106 入口ドリル支持体交換ユニット
107 出口ドリル支持体交換ユニット
108 検査ユニット
109 ハンドリングユニット
111 さらなるドリル支持体交換ユニット
110 ローダユニット
120 穿孔ステージ
130 アンローディングユニット
140 反転ユニット
150 制御ユニット
160 通信システム
201 レーザ素子
202 レーザビーム
203 ボアホール
204 真空吸引テーブル
205 ステージ固定
図1
図2
【外国語明細書】