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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074015
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023022472
(22)【出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】天野 輝正
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳治
(72)【発明者】
【氏名】長野 雅隆
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 賢二
(57)【要約】
【課題】適切なタイミングで、遊技に関する情報を提示することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機は、第1当り遊技が付与される可能性があることを特定可能であると共に第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第1情報提示演出と、第2図柄変動ゲームで第1当り遊技が付与されることを特定可能であると共に第2図柄変動ゲームで第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第2情報提示演出とを、実行可能であり、第2情報提示演出は、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始以降に演出表示装置により実行可能であり、入球率向上状態が付与されてから第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、所定回数の第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、第2情報提示演出の実行が制限される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1当りに基づく第1当り遊技と、第2当りに基づく第2当り遊技を付与可能な遊技機において、
第1図柄変動ゲームを実行する第1表示装置と、
第2図柄変動ゲームを実行する第2表示装置と、
第1始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第1図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第1記憶手段と、
第2始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第2図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第2記憶手段と、
遊技者にとって有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、
前記有利状態は、前記第2図柄変動ゲームが実行され易い状態であり、
前記第1当り遊技は、前記第2当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい当り遊技であり、
当りとなっても前記第1当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報を提示する第1情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、演出実行手段により実行可能とされ、
前記第2図柄変動ゲームにおいて、当りとなれば前記第1当り遊技が付与されることを特定可能であると共に前記第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第2情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出実行手段により実行可能とされ、
前記第2情報提示演出には、第1態様による前記第2情報提示演出と、第2態様による前記第2情報提示演出と、があり、
前記有利状態が付与されてから前記第1態様による前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから第1回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第1態様による前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記第1回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第1態様による前記第2情報提示演出が実行可能とされており、
前記有利状態が付与されてから前記第2態様による前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから前記第1回数よりも多い第2回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第2態様による前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記第2回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第2態様による前記第2情報提示演出が実行可能とされていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技盤に配設した始動入賞口への遊技球の入球を契機に大当りか否かの大当り抽選を行い、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームにてその大当り抽選の抽選結果に対応する図柄を導出させている。すなわち、図柄変動ゲームにおいて、最終的に確定停止表示された図柄が大当り図柄である場合、遊技者は大当りを認識しうるようになっている。
【0003】
このような遊技機の中には、第1始動入賞口と、第2始動入賞口を備え、それぞれの始動入賞口に対応する図柄変動ゲームが実行されるものがある。すなわち、第1始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に、第1図柄変動ゲームが実行され、第2始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に、第2図柄変動ゲームが実行されるものがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
そして、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームを実行させる遊技機の中には、図柄変動ゲームの種類毎に、ゲーム性を異ならせたものが存在する。ゲーム性を異ならせるとは、演出態様や遊技者に付与可能な利益等を異ならせることを指し、例えば、第1図柄変動ゲームで大当りになった場合と、第2図柄変動ゲームで大当りになった場合とで、それぞれ付与可能な大当り遊技の種類や振分を異ならせたものが存在する。また、第1図柄変動ゲームと、第2図柄変動ゲームで、リーチ演出の確率や、変動時間の長さなどを異ならせたものが存在する。
【0005】
そして、このような遊技機においては、通常、所定条件の成立後、遊技者に有利な入球率向上状態を付与する機能を備えており、入球率向上状態が付与された場合には、第2始動入賞口へ遊技球が入球しやすくなり、結果として第2図柄変動ゲームが実行されやすくなっている。このような機能を有しているため、入球率向上状態の有無に応じて、ゲーム性を変更させて、遊技者の興趣を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-304932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、入球率向上状態が付与されたときに、遊技者の興趣を向上させるために、どのようなゲーム性となるか遊技に関する情報(付与されやすい大当り遊技の種類など)を提示するものがある。
【0008】
しかしながら、入球率向上状態が付与されたとしても、すぐに第2図柄変動ゲームが実行されるとは限らない。すなわち、通常状態が付与されているときには、第1図柄変動ゲームの実行が保留されている一方、第2図柄変動ゲームの保留はほぼ存在しない。この状態から、所定条件が成立し、入球率向上状態が付与された場合、すぐに第2始動入賞口に遊技球を入球させることは困難であるため、通常状態において実行が保留されていた第1図柄変動ゲームが先に実行されることとなる。この場合、入球率向上状態が付与されたときに遊技に関する情報を提示したとしても、入球率向上状態が付与された直後においては、遊技に関する情報により提示されるゲーム性とは異なるゲーム性となる可能性があり、遊技者が誤認する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する遊技機は、第1当りに基づく第1当り遊技と、第2当りに基づく第2当り遊技を付与可能な遊技機において、第1図柄変動ゲームを実行する第1表示装置と、第2図柄変動ゲームを実行する第2表示装置と、第1始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第1図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第1記憶手段と、第2始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第2図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第2記憶手段と、遊技者にとって有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、前記有利状態は、前記第2図柄変動ゲームが実行され易い状態であり、前記第1当り遊技は、前記第2当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい当り遊技であり、当りとなっても前記第1当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報を提示する第1情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、演出実行手段により実行可能とされ、前記第2図柄変動ゲームにおいて、当りとなれば前記第1当り遊技が付与されることを特定可能であると共に前記第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第2情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出実行手段により実行可能とされ、前記第2情報提示演出には、第1態様による前記第2情報提示演出と、第2態様による前記第2情報提示演出と、があり、前記有利状態が付与されてから前記第1態様による前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから第1回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第1態様による前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記第1回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第1態様による前記第2情報提示演出が実行可能とされており、前記有利状態が付与されてから前記第2態様による前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから前記第1回数よりも多い第2回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第2態様による前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記第2回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第2態様による前記第2情報提示演出が実行可能とされていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、適切なタイミングで、遊技に関する情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ遊技機を模式的に示す斜視図である。
図2】遊技盤を模式的に示す正面図である。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図4】大当り図柄の種類、及び大当りの種類を説明する説明図である。
図5】モード表示演出、及び保留数表示演出の表示態様の一例を説明する説明図である。
図6】(a)は、第1情報提示演出の表示態様の一例を説明する説明図である、(b)は、第2情報提示演出の表示態様の一例を説明する説明図である。
図7】(a)~(f)は、情報提示演出の実行態様の具体的な一例を説明する説明図である。
図8】(a)~(f)は、情報提示演出の実行態様の具体的な一例を説明する説明図である。
図9】(a)~(f)は、第5の実施形態における情報提示演出の実行態様の具体的な一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1図8にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。遊技盤YBの盤面には、正面視ほぼ円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaには、パチンコ遊技機10の前面に配設された発射ハンドルHDを遊技者が操作することによって打ち出された遊技球が流下案内されるようになっている。
【0013】
また、遊技領域YBaのほぼ中央には、画像を表示する画像表示領域GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示領域GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11では、演出図柄(飾り図柄)を用いた図柄変動ゲームなど、画像を用いた各種の表示演出が表示される。演出表示装置11は、演出表示手段に対応する。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の演出音を出力し、音声演出を行うスピーカ(音出力部)Spが設けられている。これらは演出を実行する演出装置群を構成する。
【0014】
図2に示すように、遊技盤YBの遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が配設されている。入賞口には、第1始動入賞口12と、第2始動入賞口13と、大入賞口14と、を含む。
【0015】
第1始動入賞口12は、遊技球の入球によって特別図柄(第1特別図柄)を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立しうる入球口である。また、第1始動入賞口12は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において第1始動入賞口12は、演出表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動入賞口12には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1始動入賞口12に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す始動センサ(スイッチ)SE1)が配設されている。
【0016】
第2始動入賞口13は、遊技球の入球によって特別図柄(第2特別図柄)を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立しうる入球口である。また、第2始動入賞口13は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において第2始動入賞口13は、演出表示装置11の右下方に位置している。第2始動入賞口13は、所定条件(普通図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、第2始動入賞口13は、所定条件(普通図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。第2始動入賞口13は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において第2始動入賞口13を開放させるアクチュエータは、図3に示すアクチュエータAC1である。また、第2始動入賞口13には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2始動入賞口13に入球した遊技球を検知する手段(図3に示す始動センサ(スイッチ)SE2)が配設されている。この実施形態において第2始動入賞口13は、当該第2始動入賞口13の入球口を開閉させるとともにアクチュエータによって動作する開閉部材を有する始動入賞口である。以下の説明では、第1始動入賞口12に遊技球が入球したことによって始動条件が成立する「第1特別図柄を用いた図柄変動ゲーム」を第1特別ゲームと示し、第2始動入賞口13に遊技球が入球したことによって始動条件が成立する「第2特別図柄を用いた図柄変動ゲーム」を第2特別ゲームと示す場合がある。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームとを総称して単に特別ゲームと示す場合がある。
【0017】
大入賞口14は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において大入賞口14は、第1始動入賞口12の右方に位置している。大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができるように開放される。大入賞口14は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において大入賞口14を開放させるアクチュエータは、図3に示すアクチュエータAC2である。また、大入賞口14には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には大入賞口14に入球した遊技球を検知する手段(図3に示すカウントセンサ(スイッチ)CS)が配設されている。
【0018】
また、遊技領域YBaには、作動ゲート18が配設されている。この実施形態において作動ゲート18は、遊技領域YBaの右方の領域であって、第2始動入賞口13や大入賞口14の上方に位置している。作動ゲート18には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口18aが開口されている。ゲート口18aには、入球し、通過する遊技球を検知する手段(図3に示すゲートセンサ(スイッチ)GS)が配設されている。作動ゲート18のゲート口18aは、遊技球の入球によって普通図柄を用いた普通図柄の図柄変動ゲームの始動条件が成立しうる入球口である。第2始動入賞口13は、作動ゲート18へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選において普通当りに当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄の図柄変動ゲームで導出された後、閉鎖状態から開放状態へ動作する。
【0019】
この実施形態において上記した第1始動入賞口12、第2始動入賞口13、及び大入賞口14は、遊技球の入球によって賞球を払い出す対象となる入球装置であり、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する。一方、作動ゲート18は、遊技球の入球によって賞球を払い出す対象となる入球装置ではなく、遊技球が入球しても賞球の払出条件は成立しない。
【0020】
この実施形態において、遊技者は、発射ハンドルHDの発射強度の強弱を調整することで、左方の領域及び右方の領域に遊技球を打ち分け、第2始動入賞口13、大入賞口14又は作動ゲート18へ遊技球を入球させることが可能となる。具体的には、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、右打ち)、遊技球は、右方の領域に流下案内され易く、第2始動入賞口13、大入賞口14又は作動ゲート18へ入球する可能性がある。なお、右打ちは、遊技球を右方の領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度若しくは最大強度よりも若干弱い強度で調整して行う。
【0021】
一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、左打ち)、遊技球は、左方の領域に流下案内され易く、第1始動入賞口12へ入球する可能性がある。また、左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないので、発射させた遊技球が右方の領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。この実施形態では、右打ちのとき、第1始動入賞口12に遊技球が入球しえないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。また、左打ちのとき、第2始動入賞口13、大入賞口14、及び作動ゲート18に遊技球が入球しえないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。
【0022】
この実施形態において「左方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。また、この実施形態において「右方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに前記中心線Cよりも右側に位置する領域である。パチンコ遊技機10において発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技盤YBを正面視したときの左側に位置する打出通路19で案内され、その打出通路19の最下流に位置する逆戻り防止弁20を通過して遊技領域YBaに到達される。このため、「左方の領域」とは打出通路19寄りの領域でもあり、その逆に「右方の領域」とは打出通路19から離れた領域でもある。そして、左方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する演出表示装置11の左側をとおり、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口21へ向かう。また、右方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する演出表示装置11の右側をとおり、前記アウト口21へ向かう。
【0023】
また、遊技盤YBには、図3に示す、特別図柄表示装置23a,23b、保留表示装置24a,24b、及び普通図柄表示装置25が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機10を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。例えば、これらの表示装置は、遊技盤YBの遊技領域に配設されている飾り部材や、遊技盤YBのコーナー飾り部材などに配設されている。
【0024】
特別図柄表示装置23a,23bは、特別図柄の図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を行い、当該特別ゲームにおいて当り抽選の結果に応じた特別図柄が導出される。特別図柄表示装置23aは第1特別ゲームを行う表示装置であり、特別図柄表示装置23bは第2特別ゲームを行う表示装置である。特別図柄表示装置23aは、第1特別ゲームを実行する第1表示装置に対応する。特別図柄表示装置23bは、第2特別ゲームを実行する第2表示装置に対応する。
【0025】
始動条件が成立した場合には、当り抽選の結果を導出するために特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bで特別ゲームが行われるとともに、当該特別ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する演出図柄の図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)が演出表示装置11においても演出図柄を用いて行われる。すなわち、演出ゲームは、特別ゲームに対応して実行される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、を総称して「図柄変動ゲーム」と示す場合がある。また、第1特別ゲームと、当該第1特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、を総称して「第1図柄変動ゲーム」と示す場合があるとともに、第2特別ゲームと、当該第2特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、を総称して「第2図柄変動ゲーム」と示す場合がある。
【0026】
特別図柄表示装置23a,23bは、発光体を備えた表示装置である。特別ゲームでは、表示装置を構成する発光体を任意に組み合わせたものが特別図柄として導出される。特別図柄には、当り図柄と、当り抽選において大当りに当選しなかった場合に導出されるはずれ図柄と、がある。当り図柄には、当り抽選において大当りに当選した場合に導出される大当り図柄がある。
【0027】
図4に示すように、大当り図柄には、第1特別図柄の大当り図柄と、第2特別図柄の大当り図柄と、がある。第1特別図柄の大当り図柄には、大当り図柄ZAと、大当り図柄ZBと、大当り図柄ZCと、がある。第2特別図柄の大当り図柄には、大当り図柄Zaと、大当り図柄Zbと、がある。この実施形態において、大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。大当り図柄ZAには、大当りZAが定められている。大当り図柄ZBには、大当りZBが定められている。大当り図柄ZCには、大当りZCが定められている。大当り図柄Zaには、大当りZaが定められている。大当り図柄Zbには、大当りZbが定められている。
【0028】
この実施形態では、当り抽選において大当りに当選し、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出された後、導出された大当り図柄に対応する大当りの種類に基づいて当り遊技が生起される。特別ゲームにおいて大当り図柄ZAが導出された場合には、大当りZAに基づく大当り遊技が生起される。特別ゲームにおいて大当り図柄ZBが導出された場合には、大当りZBに基づく大当り遊技が生起される。特別ゲームにおいて大当り図柄ZCが導出された場合には、大当りZCに基づく大当り遊技が生起される。特別ゲームにおいて大当り図柄Zaが導出された場合には、大当りZaに基づく大当り遊技が生起される。特別ゲームにおいて大当り図柄Zbが導出された場合には、大当りZbに基づく大当り遊技が生起される。
【0029】
大当り遊技では、大入賞口14への遊技球の入球を許容するラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。例えば、大当りZAに基づく大当り遊技、及び大当りZBに基づく大当り遊技には、規定ラウンド数として4回が定められている。また例えば、大当りZCに基づく大当り遊技、大当りZaに基づく大当り遊技、及び大当りZbに基づく大当り遊技には、規定ラウンド数として10回が定められている。すなわち、この実施形態において、大当りZC、大当りZa、及び大当りZbは、大当りZA、及び大当りZBに比して、大当り遊技に定められたラウンド遊技の回数が多いため、遊技者にとって有利な大当りである。このように、この実施形態において、大当りZC、大当りZa、及び大当りZbは、大当りZA、及び大当りZBよりも遊技者に付与される利益が大きい大当りである。大当りZC、大当りZa、及び大当りZbは、第1当りに対応する。大当りZA、及び大当りZBは、第2当りに対応する。大当りZCに基づく大当り遊技、大当りZaに基づく大当り遊技、及び大当りZbに基づく大当り遊技は、第1当りに基づく第1当り遊技に対応する。大当りZAに基づく大当り遊技、及び大当りZBに基づく大当り遊技は、第2当りに基づく第2当り遊技に対応する。
【0030】
大当り遊技が生起される場合、最初のラウンド遊技が開始する前にオープニング時間が設定され、そのオープニング時間中には大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、大当り遊技が生起される場合、最終のラウンド遊技が終了するとエンディング時間が設定され、そのエンディング時間中には大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。このように、この実施形態のパチンコ遊技機10は、第1当りに基づく第1当り遊技と、第2当りに基づく第2当り遊技を付与可能である。
【0031】
保留表示装置24aは実行が保留されている第1特別ゲームの数(始動保留数)を表示する表示装置であり、保留表示装置24bは実行が保留されている第2特別ゲームの数(始動保留数)を表示する表示装置である。普通図柄表示装置25は普通図柄を用いた普通図柄の図柄変動ゲームを行い、当該普通図柄の図柄変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の結果に応じた普通図柄が導出される。
【0032】
次に、この実施形態のパチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動機能を備えている。この実施形態では、確率変動機能が作動すると、当り抽選において大当りに当選する確率が低確率(通常確率)から高確率へと変動する。すなわち、確率変動機能は、確率状態を、大当りに当選する確率が低確率(通常確率)である状態(以下、低確率状態と示す)から大当りに当選する確率が高確率である状態(以下、高確率状態と示す)へと変動させる機能である。高確率状態は、低確率状態に比して、当り抽選において大当りに当選し易く、遊技者にとって有利な遊技状態である。高確率状態は、例えば、次回の大当り遊技が付与されるまで付与される。
【0033】
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、所定の入球口としての第2始動入賞口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が向上される状態(以下、「入球率向上状態」と示す)を付与することができる機能である。すなわち、入球率向上状態は、入球率向上状態ではない状態(以下、「非入球率向上状態」と示す)に比して第2始動入賞口13に遊技球が入球し易い状態である。上述したように、第2始動入賞口13は、第2図柄変動ゲームの始動条件が成立しうる入球口である。すなわち、入球率向上状態は、第2図柄変動ゲームが実行され易い状態である。入球率向上状態は、遊技者にとって有利な有利状態に対応する。
【0034】
入球率向上状態は、所謂「電サポ状態」、「高ベース状態」である。入球率向上状態では、第2始動入賞口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が向上するため、第2始動入賞口13に遊技球が入球し易いように右打ちで遊技を行うことが推奨される。一方、非入球率向上状態では、第2始動入賞口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が入球率向上状態に比して低いため、左打ちで遊技を行うことが推奨される。上述したように、この実施形態では、左打ちのとき、第2始動入賞口13、大入賞口14、及び作動ゲート18に遊技球が入球しえない。一方、右打ちのときには、第1始動入賞口12に遊技球が入球しえない。このため、推奨される発射領域に向けて遊技球が発射されるように遊技者が発射ハンドルHDを操作する場合、入球率向上状態では、第2始動入賞口13に遊技球が入球したことによって始動条件が成立する第2特別ゲームが実行される。一方、非入球率向上状態では、第1始動入賞口12に遊技球が入球したことによって始動条件が成立する第1特別ゲームが実行される。非入球率向上状態は、所謂「非電サポ状態」、「低ベース状態」である。このように、入球率向上機能は、入球状態を、所定の入球口としての第2始動入賞口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が低い非入球率向上状態から、所定の入球口としての第2始動入賞口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が高い入球率向上状態へと変動させる機能である。
【0035】
入球率向上状態は、例えば次に示す4つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行すること、又は複数の制御を組み合わせて実行すること、により実現できる。第1の制御は、普通図柄の図柄変動ゲームの変動時間を、非入球率向上状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率(普通当り確率)を、非入球率向上状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動入賞口13の合計開放時間を、非入球率向上状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動入賞口13の開放回数を、非入球率向上状態のときよりも多くする制御、及び普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動入賞口13の1回の開放時間を非入球率向上状態のときよりも長くする制御のうち少なくとも一方であるとよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非入球率向上状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、入球率向上状態は、所謂「変動時間短縮状態(時短状態)」となる。
【0036】
入球率向上状態は、例えば、次回の大当り遊技が付与されるまで、又は入球率向上状態が付与されてから規定上限回数の特別ゲームが実行されるまで付与される。例えば、規定上限回数は、100回である。なお、第1特別ゲームと第2特別ゲームを実行可能なパチンコ遊技機10の場合、規定上限回数は第1特別ゲームと第2特別ゲームとの合算回数である。
【0037】
この実施形態において、遊技状態には、低確率状態且つ非入球率向上状態である「低確非時短状態」と、低確率状態且つ入球率向上状態である「低確時短状態」と、高確率状態且つ入球率向上状態である「高確時短状態」と、がある。なお、この実施形態のパチンコ遊技機10は、高確率状態且つ非入球率向上状態である遊技状態を備えない。この実施形態において、低確時短状態は、確率変動機能が作動しない一方、入球率向上機能が作動する遊技状態である。すなわち、低確時短状態は、入球率向上機能が作動するため、入球率向上機能が作動しない低確非時短状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。また、高確時短状態は、確率変動機能、入球率向上機能が全て作動する遊技状態である。すなわち、高確時短状態は、確率変動機能が作動するため、確率変動機能が作動しない低確時短状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。
【0038】
この実施形態において、大当り遊技の終了後には、大当りの種類に応じた遊技状態が付与される。具体的に、大当りZAに基づく大当り遊技の終了後、及び大当りZaに基づく大当り遊技の終了後には、規定上限回数の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって、低確時短状態が付与される。一方、大当りZBに基づく大当り遊技の終了後、大当りZCに基づく大当り遊技の終了後、及び大当りZbに基づく大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって、高確時短状態が付与される。
【0039】
また、パチンコ遊技機10には、図3に示す、主制御基板30、及び副制御基板31を含む各種基板が搭載されている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムなどを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主制御基板30は、乱数生成回路30dを有する。
【0040】
主制御用CPU30aは、各種センサSE1,SE2,CS,GSの検知信号を入力するようになっている。また、主制御用CPU30aは、各種表示装置(特別図柄表示装置23a,23b、保留表示装置24a,24b、普通図柄表示装置25など)の表示内容を制御するとともに、各アクチュエータAC1,AC2の動作を制御する。
【0041】
主制御用ROM30bに格納されている情報には、遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラム、特別ゲームの変動パターン(メイン変動パターン)を特定する情報や、各種の判定値などがある。メイン変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が導出される迄の間の変動時間(演出時間)を特定可能な情報である。すなわち、メイン変動パターンは、特別ゲームの変動時間を特定可能な情報である。この実施形態において、メイン変動パターンは、大当り変動用のメイン変動パターンと、はずれ変動用のメイン変動パターンとに分類可能である。大当り変動は、当り抽選において大当りに当選した場合に行われる演出であって、特別ゲームにおいては最終的に大当り図柄が導出される。はずれ変動は、当り抽選において大当りに当選しなかった場合に行われる演出であって、特別ゲームにおいては最終的にはずれ図柄が導出される。また、各種の判定値には、当り抽選に用いる当り判定値、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ、始動保留数など)が記憶される。
【0042】
主制御用CPU30aは、各種ソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)ごとに更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。ソフトウェア乱数には、特別図柄の大当り図柄を決定するときに用いる大当り図柄乱数、メイン変動パターンを振り分けるときに用いるメイン変動パターン振分乱数などを含む。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期ごとに値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。ハードウェア乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、普通図柄の当り抽選(普通当り抽選)に用いる普通当り乱数などがある。
【0043】
また、パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。この実施形態において主制御基板30は、バックアップ機能を搭載している。バックアップ機能を搭載したパチンコ遊技機10は、電力供給が停止した場合でも、主制御基板30の主制御用RAM30cに記憶される遊技制御に関する情報(以下、バックアップ情報と示す)を所定期間保持し、電力供給が開始されたときにはバックアップ情報に基づいて復帰可能である。
【0044】
バックアップ情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報を含む。特別ゲームに関する情報としては、例えば当り抽選の結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、高確率状態であるかを特定可能な情報や入球率向上状態であるかを特定可能な情報、入球率向上状態である場合における入球率向上状態を付与可能な特別ゲームの残り回数などである。また、所定期間は、バックアップ用電源(例えば電気二重層コンデンサ)が放電され、そのバックアップ用電源が電力供給不能になるまでの期間である。なお、パチンコ遊技機10は、主制御用RAM30cへの電力供給が行われていない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電力供給が停止した後にもバックアップ情報を保持可能であってもよい。
【0045】
パチンコ遊技機10に電源を供給して起動させると(復電時を含む)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されているバックアップ情報の初期化を実行するか否かを判定する。例えば、主制御用CPU30aは、図示しない初期化スイッチからの操作信号を入力している場合に初期化を実行すると判定する。バックアップ情報の初期化を実行しないと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されているバックアップ情報が正常であるかを判定する。バックアップ情報が正常である場合、主制御用CPU30aは、バックアップ情報に基づいて復帰させる処理を実行する。これにより、パチンコ遊技機10は、主制御用RAM30cのバックアップ情報に基づいて復帰される。バックアップ情報が正常であるか、異常であるかの判定は、例えばバックアップフラグの状態確認とバックアップ情報のチェックサムの一致確認によって行われる。主制御用CPU30aは、バックアップ情報に基づいて復帰させる場合、バックアップ情報に基づいて復帰したことを特定可能な制御情報(以下、復帰コマンドと示す)を副制御用CPU31aに出力する。
【0046】
一方、バックアップ情報の初期化を実行すると判定した場合、及び主制御用RAM30cに記憶されているバックアップ情報が異常である場合、主制御用CPU30aは、バックアップ情報の初期化を実行する。その後、主制御用CPU30aは、初期化後のバックアップ情報に基づいて起動させる処理を実行する。主制御用CPU30aは、バックアップ情報の初期化を実行する場合、バックアップ情報を初期化したことを特定可能な制御情報(以下、初期化コマンドと示す)を副制御用CPU31aに出力する。なお、副制御基板31の副制御用RAM31cに記憶される情報は電力供給の停止に伴って消去される。
【0047】
副制御基板31は、主制御基板30から一方向で制御コマンドが出力されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
【0048】
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30の主制御用CPU30aから出力される制御コマンドを入力可能であるとともに、入力した制御コマンドに基づいて当該制御コマンドに応じた制御を行う。例えば、副制御用CPU31aは、演出ゲームの開始を指示する制御コマンドを入力する場合、演出表示装置11において演出ゲームを行わせるように表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10の枠や遊技盤YBに設けられた各種の装飾ランプLaの点灯/非点灯の制御、及びスピーカSpの音声出力の制御を行う。これらの装飾ランプLa、及びスピーカSpによる演出は、演出ゲームに合わせて演出モードに応じた演出態様で行われたり、待機状態に制御されているときなどに行われたりする。副制御用CPU31aは、演出表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpなどの演出装置群を制御する演出制御手段に対応する。
【0049】
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、遊技を制御するために行う処理(通常処理)について説明する。
最初にまず、各種センサSE1,SE2,CS,GSからの遊技球の検知信号の入力に関する処理(入力処理(受信処理))について説明する。
【0050】
主制御用CPU30aは、第1始動入賞口12への入球によって始動センサSE1からの検知信号を入力している場合、第1特別ゲームの始動保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数が上限数未満である場合、新たに第1特別ゲームの実行を保留する。その後、主制御用CPU30aは、第1特別ゲームの始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24aを制御する。この実施形態において、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別ゲームの始動保留数が上限数未満であるときに遊技球が始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0051】
また、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口13への入球によって始動センサSE2からの検知信号を入力している場合、第2特別ゲームの始動保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数が上限数未満である場合、新たに第2特別ゲームの実行を保留する。その後、主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24bを制御する。この実施形態において、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別図柄の始動保留数が上限数未満であるときに遊技球が始動センサSE2によって検知されると成立する。なお、主制御用CPU30aは、始動保留数が上限数に達している場合、始動保留数を加算しない。一方、主制御用CPU30aは、始動保留数を加算した場合、加算後の始動保留数を特定可能な制御コマンド(保留指定コマンドなど)を副制御用CPU31aに出力する。始動保留数を特定可能な制御コマンドを入力した副制御用CPU31aは、演出表示装置11に当該情報から特定可能な始動保留数に対応する画像を表示させる。
【0052】
また、主制御用CPU30aは、始動保留数の上限数未満で遊技球が入球した場合、その入球を契機に各種乱数の値を取得するとともに、当該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。乱数情報は、乱数の値によって構成されていてもよいし、乱数の値を、当該値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていてもよい。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、第1特別ゲーム用の乱数情報と、第2特別ゲーム用の乱数情報と、の何れであるか、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように乱数情報を記憶させる。なお、主制御用CPU30aは、乱数の値を取得する場合、当り乱数の値を乱数生成回路から取得し、大当り図柄乱数の値やメイン変動パターン振分乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。主制御用RAM30cは、第1始動入賞口12に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる第1図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第1記憶手段に対応する。また、主制御用RAM30cは、第2始動入賞口13に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる第2図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第2記憶手段に対応する。
【0053】
また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の処理において、作動ゲート18を遊技球が通過したことを特定可能なゲート通過コマンドを副制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の処理において、普通保留数(普図ゲームの数)を記憶する処理や普通当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。普通保留数は、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの各始動保留数と同様に上限数(この実施形態では4)が定められている。このため、主制御用CPU30aは、普通保留数が上限数未満である場合、普通保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の普通保留数を表示させるように図示しない普通図柄保留表示装置を制御する。
【0054】
また、主制御用CPU30aは、始動センサSE1,SE2及びカウントセンサCSからの検知信号を入力した場合の処理において、所定個数の賞球を払い出すための賞球処理を行う。賞球処理では、パチンコ遊技機10が備える図示しない払出制御基板に出力する払出指定コマンド(払出信号)を生成して、出力する。払出指定コマンドを入力した払出制御基板は、パチンコ遊技機10が備える図示しない球払出装置を作動させて、所定個数の遊技球を賞球として払い出す。
【0055】
次に、当り抽選の抽選結果を導出させる特別ゲームの実行に関する処理(特図変動処理)について説明する。なお、主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)ごとに特図変動処理を実行する。
【0056】
特図変動処理において主制御用CPU30aは、特別ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、特別ゲームの実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方で、特別ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、特図変動処理を終了する。
【0057】
主制御用CPU30aは、前述した開始条件が成立している場合、第2特別ゲームの始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、第2特別ゲームの始動保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第2特別ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数が零の場合、第1特別ゲームの始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、第1特別ゲームの始動保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第1特別ゲームを開始させるように所定の処理を行う。
【0058】
この実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる仕様である。この実施形態において、第2特別ゲームの始動条件は、特別ゲームの開始条件が成立しており、且つ、第2特別ゲームの始動保留数が零よりも大きいときに成立する。また、第1特別ゲームの始動条件は、特別ゲームの開始条件が成立しており、且つ、第2特別ゲームの始動保留数が零である場合であって、第1特別ゲームの始動保留数が零よりも大きいときに成立する。なお、第1特別ゲームの始動保留数と第2特別ゲームの始動保留数の何れもが零の場合、主制御用CPU30aは、待機状態へと制御するとともに、待機状態であることを特定可能な制御コマンド(以下、待機コマンドと示す)を副制御基板31に出力する。
【0059】
第2特別ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数を1減算して書き換えるとともに、減算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24bを制御する。また、主制御用CPU30aは、始動保留数を減算した場合、減算後の始動保留数を特定可能な制御コマンド(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に出力する。
【0060】
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。
乱数情報を取得した主制御用CPU30aは、大当り乱数の値と大当り判定値とを比較し、当り抽選を行う。当り抽選において主制御用CPU30aは、遊技状態を特定可能な情報をもとに当り抽選時(すなわち、特図変動処理の実行時)が低確率状態であるか、高確率状態であるかを判定し、その判定結果をもとに異なる当選確率で当り抽選において大当りとなるかの判定を行う。
【0061】
当り抽選において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得した大当り乱数の値が大当り判定値と一致するかを判定する。そして、大当り乱数の値と大当り判定値とが一致した場合には、当り抽選において大当りに当選する。当り抽選において大当りに当選した場合、主制御用CPU30aは、大当り処理を行う。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づき、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別ゲームで導出される確定停止図柄となる。上述したように、特別図柄の大当り図柄には、大当りの種類が対応付けられているため、大当り図柄を決定することは大当りの種類を決定することになる。この実施形態において、第1特別ゲームと第2特別ゲームでは、当り抽選において大当りに当選する確率は同一確率である。一方、第1特別ゲームと第2特別ゲームでは、当り抽選において大当りに当選した場合に決定される大当りの種類や同一種類の大当りの決定割合を異ならせることにより、当り抽選において大当りに当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、第2始動入賞口13への遊技球の入球率が向上する状態の付与期間など)が異なっている。
【0062】
また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定されるメイン変動パターン振分乱数の値に基づき、大当りに当選した場合に選択可能な大当り変動用のメイン変動パターンの中からメイン変動パターンを決定する。
【0063】
また、主制御用CPU30aは、当り抽選において大当りに当選しなかった場合(はずれの場合)、はずれ処理を行う。はずれ処理において主制御用CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別ゲームで導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定されるメイン変動パターン振分乱数の値に基づき、はずれ変動用のメイン変動パターンを決定する。はずれ変動用のメイン変動パターンを決定する場合、主制御用CPU30aは、リーチありのメイン変動パターン又はリーチなしのメイン変動パターンの何れかを決定する。
【0064】
なお、主制御用CPU30aは、第1特別ゲームを開始させる場合、第1特別図柄を対象にして、前述した第2特別図柄の制御と同様の制御を行う。つまり、主制御用CPU30aは、第1特別ゲームの始動保留数の減算、当り抽選、当り抽選の結果に基づく大当り処理又ははずれ処理を行う。当り抽選は、大当りに当選するか否かを抽選する大当り抽選に対応する。
【0065】
また、主制御用CPU30aは、特別ゲームの実行に関する処理として、前述した処理の結果をもとに、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御コマンドを生成する処理を行う。当該処理で生成された各種の制御コマンドは、主制御用CPU30aが行うコマンド出力処理によって所定タイミングで副制御用CPU31aに出力される。
【0066】
主制御用CPU30aは、特別ゲームを開始させる場合、制御コマンドとして図柄変動ゲームを開始させることを特定可能な変動開始コマンドを生成する。変動開始コマンドには、前述した大当り処理又ははずれ処理において決定したメイン変動パターンを特定可能な情報も含む。また、変動開始コマンドには、開始させる特別ゲームが第1特別ゲームであるか、第2特別ゲームであるかを特定可能な情報も含む。また、主制御用CPU30aは、特別ゲームを開始させる場合、制御コマンドとして特別図柄を特定可能な特図コマンドを生成する。特別図柄の大当り図柄は、大当りの種類と対応していることから、特図コマンドによって大当りの種類を特定可能である。このため、特図コマンドは、当否を特定可能な制御コマンドでもあり、また大当りの種類を特定可能な制御コマンドでもある。
【0067】
また、主制御用CPU30aは、特別ゲームを開始させてからの経過時間が所定の変動時間(メイン変動パターンに定められている時間)に達した場合、制御コマンドとして図柄変動ゲームを終了させることを特定可能な変動停止コマンドを生成する。なお、主制御用CPU30aは、特別ゲームを開始させる場合、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bの表示内容を制御するとともに、変動時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、決定したメイン変動パターンに定められている変動時間の経過時に、決定している特別図柄を導出させるように特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bの表示内容を制御する。
【0068】
次に、当り抽選において大当りに当選したことによって行われる大当り遊技の進行に関する処理について説明する。
この実施形態の大当り遊技は、大当り遊技の開始に伴うオープニングと、大入賞口14を開放させるラウンド遊技と、大当り遊技の終了に伴うエンディングと、から構成されている。つまり、大当り遊技は、オープニング→ラウンド遊技→エンディングというように段階的に進行する。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の進行に関する処理として、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御コマンドを生成する大当り情報生成処理と、大入賞口を開放及び閉鎖させる大当り遊技制御処理を行う。大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、オープニングの開始に伴って、オープニングの開始を特定可能なオープニングコマンドを生成し、副制御基板31に出力する。このとき、主制御用CPU30aは、何れの大当り図柄に基づく大当り遊技のオープニングを開始したかを特定可能なようにオープニングコマンドを生成する。
【0069】
また、大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始に伴って、各ラウンド遊技の開始を特定可能なラウンドコマンドを生成し、副制御基板31に出力する。このとき、主制御用CPU30aは、新たに開始されるラウンド遊技が大当り遊技を開始してから何回目のラウンド遊技であるかを特定可能なようにラウンドコマンドを生成する。また、大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、エンディングの開始に伴って、エンディングの開始を特定可能なエンディングコマンドを生成し、副制御基板31に出力する。このとき、主制御用CPU30aは、何れの大当り図柄に基づく大当り遊技のエンディングを開始したかを特定可能なようにエンディングコマンドを生成する。大当り情報生成処理で生成された各種の制御コマンドは、主制御用CPU30aが行うコマンド出力処理によって所定タイミングで副制御用CPU31aに出力される。
【0070】
このように、当り抽選において大当りに当選した場合、大当り遊技が付与される。すなわち、この実施形態では、当り抽選の結果に応じて大当り遊技が付与される。大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるため、遊技者にとって有利な状態である。
【0071】
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
この処理において主制御用CPU30aは、制御コマンドとして遊技状態を特定可能な制御コマンドを生成し、副制御用CPU31aに出力する。
【0072】
主制御用CPU30aは、遊技状態を低確非時短状態とする場合、遊技状態が低確非時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態1指定コマンドと示す)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を低確時短状態とする場合、遊技状態が低確時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態2指定コマンドと示す)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を高確時短状態とする場合、遊技状態が高確時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態3指定コマンドと示す)を生成する。
【0073】
この実施形態において、状態指定コマンドは、電力供給が開始されたとき(初期化時、及び復電時)、及び遊技状態の変遷時に生成される。また、生成された状態指定コマンドは、副制御用CPU31aに出力される。例えば、大当り遊技終了後の遊技状態を高確時短状態とする場合、大当り遊技の終了に伴って高確時短状態に制御されるとともに、状態3指定コマンドが副制御用CPU31aに出力される。なお、状態指定コマンドは、例示した制御コマンドに限らず、副制御用CPU31aに認識させる必要のある遊技状態ごとに設定されていてもよい。主制御用CPU30aは、遊技者にとって有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段に対応する。
【0074】
次に、普通当り抽選の抽選結果を導出させる普通図柄の図柄変動ゲームの実行に関する処理(普図変動処理)について説明する。
普図変動処理において主制御用CPU30aは、普通図柄の図柄変動ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、普通図柄の図柄変動ゲームの実行中ではなく、且つ普通図柄の当り遊技中ではない場合に普通図柄の図柄変動ゲームの開始条件が成立したと判定する一方、普通図柄の図柄変動ゲームの実行中、又は普通図柄の当り遊技中である場合に普通図柄の図柄変動ゲームの開始条件が成立していないと判定する。主制御用CPU30aは、普通図柄の図柄変動ゲームの開始条件が成立していない場合、普図変動処理を終了する。
【0075】
主制御用CPU30aは、普通図柄の図柄変動ゲームの開始条件が成立している場合、普通保留数を読み出し、その読み出した普通保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、普通保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、普通図柄の図柄変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、普通保留数が零の場合、普図変動処理を終了する。
【0076】
普通図柄の図柄変動ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、普通保留数を1減算して書き換える。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報(普通当り乱数)のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数の値と普通当り判定値とを比較し、普通当り抽選を行う。この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。このため、入球率向上機能が作動している状態(入球率向上状態)において普通図柄の確率変動制御を実行するように構成する場合、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、普通当り抽選時に入球率向上状態であるか、非入球率向上状態であるかによって異なる当選確率で普通当り抽選を行う。
【0077】
この実施形態では、非入球率向上状態時の当選確率を零(普通当りなし)としており、入球率向上状態時の当選確率を100%(はずれなし)としている。普通当り抽選における普通当りの当選確率は、普通当り乱数の取りうる数値に対して普通当りに当選する値(普通当り判定値)の個数の割合によって規定できる。
【0078】
普図変動処理の説明に戻り、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得した普通当り乱数の値が普通当り判定値と一致するかを判定する。主制御用CPU30aは、普通当り乱数の値と普通当り判定値とが一致した場合には、普通当り抽選において普通当りに当選したと判定する。普通当り抽選において普通当りに当選した場合、主制御用CPU30aは、普通当り処理を行う。普通当り処理において主制御用CPU30aは、普通図柄の当り図柄を決定するとともに、普通図柄の図柄変動ゲームの変動時間を特定可能な普通図柄の変動パターンを決定する。この決定した普通図柄の当り図柄が、普通図柄の図柄変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。一方、主制御用CPU30aは、普通当り抽選において普通当りに当選しなかった場合(はずれの場合)、普通はずれ処理を行う。普通はずれ処理において主制御用CPU30aは、普通図柄のはずれ図柄を決定するとともに、普通図柄の変動パターンを決定する。この決定した普通図柄のはずれ図柄が、普通図柄の図柄変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。
【0079】
そして、主制御用CPU30aは、普通当り抽選の結果に基づいて行う普通当り処理又は普通はずれ処理での決定結果にしたがい、普通図柄表示装置25で普通図柄の図柄変動ゲームを実行させるとともに、変動時間の経過後に普通図柄の当り図柄又は普通図柄のはずれ図柄を導出させる。また、主制御用CPU30aは、普通当り抽選に当選している場合、普通図柄の図柄変動ゲームの終了後、普通当り遊技を生起させる。普通当り遊技では、第2始動入賞口13を所定の開放態様で開放させることにより、遊技球の入球を許容する許容状態をとりうるように制御する。
【0080】
このように、主制御用CPU30aは、入球率向上状態においてアクチュエータAC1の動力により第2始動入賞口13が開放状態をとりうるように制御する。一方、主制御用CPU30aは、非入球率向上状態において第2始動入賞口13が開放状態をとらないように制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、非入球率向上状態において第2始動入賞口13が継続して閉鎖状態(非開放状態)をとるように制御する。なお、主制御用CPU30aは、非入球率向上状態において、入球率向上状態に比して低い確率で第2始動入賞口13が開放状態をとりうるように制御してもよい。すなわち、主制御用CPU30aは、非入球率向上状態時、入球率向上状態時の当選確率よりも低い確率で普通当り抽選において普通当りに当選するようにしてもよい。
【0081】
次に、演出制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから制御コマンドを入力すると、その制御コマンドに応じて各種処理を実行する。
【0082】
まず、演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御用CPU31aは、特図コマンドを受信すると、特図コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。この実施形態において、演出図柄の組み合わせを導出するとは、演出図柄の組み合わせを停止表示させることである。なお、以下の説明では、演出図柄の組み合わせを略して図柄組み合わせと示す場合がある。
【0083】
副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合には、当該特別図柄の大当り図柄の種類に応じた大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合には、変動開始コマンドから特定されるメイン変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる図柄組み合わせを決定する。具体的にいえば、副制御用CPU31aは、演出内容として、「ノーマルリーチ演出」、又は「スーパーリーチ演出」が定められたはずれ用のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、演出内容として「リーチなし」が定められたはずれ用のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0084】
この実施形態において演出ゲームは、左列、中列、右列からなる3列の演出図柄による組み合わせを演出ゲームの結果として導出させる。この実施形態において図柄組み合わせを構成する識別情報は、アラビア数字を模した意匠で構成されている。具体的に例示すれば、各列の識別情報は[1]~[9]までのアラビア数字である。これにより、図柄組み合わせは、例えば全列の識別情報を同一とした[111]などの組み合わせや、全列の識別情報が同一ではない[479],[337],[121]などの組み合わせになる。
【0085】
この実施形態において、大当りの図柄組み合わせは、全列の識別情報を同一とした図柄組み合わせである。また、はずれの図柄組み合わせは、全列の識別情報が同一ではない図柄組み合わせである。また、はずれの図柄組み合わせのうちリーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせは、リーチ形成列(この実施形態では左列と右列の2列)に同一の識別情報が導出(停止表示)される図柄組み合わせである。また、はずれの図柄組み合わせのうちリーチ形成図柄を含まないはずれの図柄組み合わせは、リーチ形成列に同一ではない識別情報が導出される図柄組み合わせである。この実施形態において、演出ゲームでは、リーチ形成列に同一の識別情報が導出(停止表示)されることによってリーチが形成されると、残りの列(この実施形態では中列の1列)を導出(停止表示)させるためのリーチ演出が行われる。
【0086】
パチンコ遊技機10で実行されるリーチ演出には、ノーマルリーチ演出とノーマルリーチ演出から発展するスーパーリーチ演出とがある。ノーマルリーチ演出は、リーチの形成後、残りの列(中の1列)の演出図柄を導出(停止表示)させることによって図柄組み合わせを導出(停止表示)させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出によって残りの列の演出図柄を導出(停止表示)した後、若しくはノーマルリーチ演出の途中から演出を発展させ、その発展後の演出によって図柄組み合わせを導出(停止表示)させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高い演出として位置付けられている。大当り期待度は、はずれの場合の出現率と大当りの場合の出現率を合算した全体出現率に対する大当りの場合の出現率の割合によって算出することができる。
【0087】
また、副制御用CPU31aは、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能なメイン変動パターンの種類をもとに、演出表示装置11の表示内容などを制御するためのサブ変動パターンを決定する。サブ変動パターンを決定した副制御用CPU31aは、そのサブ変動パターンで特定される変動内容で演出ゲームが表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、メイン変動パターンから特定される変動時間の経過により、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出(停止表示)させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、この実施形態では、変動停止コマンドの受信を契機として、演出ゲームを終了させているが、副制御用CPU31aの制御によりメイン変動パターンから特定される変動時間を計時し、演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から変動停止コマンドを送信せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
【0088】
また、演出表示装置11の制御において副制御基板31の副制御用CPU31aは、実行させる画像を選択し、その選択した画像に必要なデータをROMから読み出す。なお、副制御基板31には、演出表示装置11に表示させるキャラクタ画像データ、具体的には人物、文字、図形又は記号(飾り図柄を含む)を予め格納したキャラクタROMを備え、キャラクタROMから必要なデータを読み出してもよい。そして、副制御基板31の副制御用CPU31aは、読み出したデータをVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力する。VDPは、入力されたデータに基づいて表示制御を実行し、演出表示装置11の画像表示領域GHに画像を表示させる。
【0089】
次に、副制御用CPU31aが行う当り演出処理について説明する。
当り演出処理において、副制御用CPU31aは、オープニングコマンドを受信すると、オープニング演出を実行させるように、演出表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpのうち少なくとも1つを制御する。また、当り演出処理において、副制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを受信すると、ラウンド演出を実行させるように、演出表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpのうち少なくとも1つを制御する。また、当り演出処理において、副制御用CPU31aは、エンディングコマンドを受信すると、エンディング演出を実行させるように、演出表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpのうち少なくとも1つを制御する。なお、オープニング演出の演出態様、ラウンド演出の演出態様、及びエンディング演出の演出態様のそれぞれは、大当りの種類に応じて異ならせてもよい。
【0090】
次に、パチンコ遊技機10が実行可能な演出について説明する。
図5に示すように、この実施形態においてパチンコ遊技機10が実行可能な演出には、モード表示演出と、保留数表示演出と、がある。
【0091】
モード表示演出は、演出表示装置11においてモード画像Gmを表示する表示演出である。モード画像Gmは、現在の演出モードを特定可能な画像である。この実施形態では、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。例えば、演出モードには、通常演出モードと、チャンスモードと、確変演出モードと、がある。すなわち、モード画像Gmには、通常演出モードを特定可能なモード画像Gmと、チャンスモードを特定可能なモード画像Gmと、確変演出モードを特定可能なモード画像Gmと、がある。通常演出モードは、現在の遊技状態が低確非時短状態であるときに制御可能な演出モードである。チャンスモードは、現在の遊技状態が低確時短状態であるときに制御可能な演出モードである。確変演出モードは、現在の遊技状態が高確時短状態であるときに制御可能な演出モードである。なお、パチンコ遊技機10では、現在の演出モードに応じた背景画像の表示など、現在の演出モードに対応する演出を実行可能である。
【0092】
保留数表示演出は、演出表示装置11において、第1特別ゲームの始動保留数を特定可能な第1保留数画像Gs1と、第2特別ゲームの始動保留数を特定可能な第2保留数画像Gs2と、を表示する表示演出である。例えば、第1保留数画像Gs1、及び第2保留数画像Gs2は、アラビア数字を模した画像である。すなわち、保留数表示演出では、現在の第1特別ゲームの始動保留数に応じて、「0」~「4」の何れかのアラビア数字を模した第1保留数画像Gs1が表示される。また、保留数表示演出では、現在の第2特別ゲームの始動保留数に応じて、「0」~「4」の何れかのアラビア数字を模した第2保留数画像Gs2が表示される。
【0093】
また、図6に示すように、この実施形態においてパチンコ遊技機10が実行可能な演出には、情報提示演出がある。情報提示演出は、現在の演出モードに固有の情報(固有情報)を提示する演出である。この実施形態において、情報提示演出は、入球率向上状態であるとき、すなわち、チャンスモード、又は確変演出モードであるときに固有の情報を提示する演出である。例えば、チャンスモード、又は確変演出モードであるときに固有の情報とは、チャンスモード、又は確変演出モードであるときのゲーム性に関する情報である。
【0094】
情報提示演出には、第1情報提示演出と、第2情報提示演出と、がある。この実施形態において、情報提示演出は、所定時間が経過したことを契機として演出態様が変化する。この実施形態において、情報提示演出は、遊技状態が低確時短状態であるとき、又は遊技状態が高確時短状態であるときに実行可能な演出である。
【0095】
まず、第1情報提示演出について説明する。
図6(a)に示すように、第1情報提示演出が開始されると、演出表示装置11では、第1情報提示画像Gj1が表示される。例えば、第1情報提示画像Gj1は、「4Rかも」の文字列を模した画像である。第1情報提示画像Gj1は、当りとなっても規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報である。また、第1情報提示画像Gj1は、当りとなれば規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与される可能性があることを特定可能な情報である。第1情報提示演出は、第2情報提示演出が開始されるか、スーパーリーチ演出が開始されるか、非入球率向上状態に制御されるかを契機として終了する。
【0096】
第2情報提示演出について説明する。
第2情報提示演出には、第1態様による第2情報提示演出と、第2態様による第2情報提示演出とがある。
【0097】
図6(b)に示すように、第2情報提示演出は、最初に、第1態様で実行される。第1態様による第2情報提示演出が開始されると、演出表示装置11では、キャラクタ画像Gcと、第1態様による第2情報提示画像Gj2aと、が表示される。例えば、キャラクタ画像Gcは、男の子のキャラクタを模した画像である。また、例えば、第1態様による第2情報提示画像Gj2aは、「このモードでの大当りは全部10Rだよ」の文字列を模した画像である。第1態様による第2情報提示画像Gj2aは、当りとなれば規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されることを特定可能な情報である。また、第1態様による第2情報提示画像Gj2aは、当りとなっても規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されないことを特定可能な情報である。
【0098】
その後、第1態様による第2情報提示演出が開始してから所定時間が経過したことを契機として、第1態様による第2情報提示演出が終了するとともに、第2態様による第2情報提示演出が開始される。演出表示装置11では、キャラクタ画像Gc及び第1態様による第2情報提示画像Gj2aが非表示となるとともに、第2態様による第2情報提示画像Gj2bが表示される。第2態様による第2情報提示画像Gj2bは、「当れば10R」の文字列を模した画像である。第2態様による第2情報提示画像Gj2bは、当りとなれば規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されることを特定可能な情報である。また、第2態様による第2情報提示画像Gj2bは、当りとなっても規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されないことを特定可能な情報である。この実施形態では、第1態様による第2情報提示画像Gj2aを第2態様による第2情報提示画像Gj2bに比して強調して表示している。具体的に、第1態様による第2情報提示画像Gj2aは、第2態様による第2情報提示画像Gj2bに比して演出表示装置11の画像表示領域GHの中心に近い位置に表示される。また、第1態様による第2情報提示画像Gj2aは、第2態様による第2情報提示画像Gj2bに比して大きい。その後、予め定められた回数の図柄変動ゲームが終了するか、スーパーリーチ演出が開始されるか、非入球率向上状態に制御されるかを契機として第1情報提示演出が終了する。
【0099】
このように、この実施形態では、第1情報提示演出が、入球率向上状態が付与された後、演出表示装置11により実行可能であるとともに、第2情報提示演出が、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出表示装置11により実行可能である。第1情報提示演出は、当りとなっても規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報を提示する演出である。また、第1情報提示演出は、当りとなれば規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与される可能性があることを特定可能な情報を提示する演出である。一方、第2情報提示演出は、当りとなれば規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されることを特定可能な情報を提示する演出である。また、第2情報提示演出は、当りとなっても規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する演出である。
【0100】
次に、上述した各種演出を実行するために副制御用CPU31aが実行する処理について説明する。
まず、モード表示演出を実行するために副制御用CPU31aが実行する処理について説明する。
【0101】
副制御用CPU31aは、状態指定コマンドを入力すると、当該状態指定コマンドから特定可能な遊技状態に基づいて演出モードを制御する。具体的に、状態指定コマンドから低確非時短状態を特定した場合、すなわち、状態1指定コマンドを入力したとき、副制御用CPU31aは、通常演出モードに制御する。このとき、副制御用CPU31aは、通常演出モードに対応するモード画像Gmを表示させるように演出表示装置11を制御する。状態指定コマンドから低確時短状態を特定した場合、すなわち、状態2指定コマンドを入力したとき、副制御用CPU31aは、チャンスモードに制御する。このとき、副制御用CPU31aは、チャンスモードに対応するモード画像Gmを表示させるように演出表示装置11を制御する。状態指定コマンドから高確時短状態を特定した場合、すなわち、状態3指定コマンドを入力したとき、副制御用CPU31aは、確変演出モードに制御する。このとき、副制御用CPU31aは、確変演出モードに対応するモード画像Gmを表示させるように演出表示装置11を制御する。なお、副制御用CPU31aは、所定の演出モードに滞在中、当該演出モードに対応するモード画像Gmを継続して表示するようにしてもよく、特定の演出の実行中には、モード画像Gmの表示を制限するようにしてもよい。例えば、特定の演出は、スーパーリーチ演出などである。
【0102】
次に、保留数表示演出を実行するために副制御用CPU31aが実行する処理について説明する。
副制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、当該保留指定コマンドから特定可能な第1特別ゲームの始動保留数に対応する第1保留数画像Gs1を表示させるように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、入力した保留指定コマンドから特定可能な第2特別ゲームの始動保留数に対応する第2保留数画像Gs2を表示させるように演出表示装置11を制御する。なお、副制御用CPU31aは、第1保留数画像Gs1、及び第2保留数画像Gs2を継続して表示するようにしてもよく、特定の演出の実行中には、第1保留数画像Gs1、及び第2保留数画像Gs2のうち一方又は両方の表示を制限するようにしてもよい。
【0103】
次に、情報提示演出を実行するために副制御用CPU31aが実行する処理について説明する。
入球率向上状態において、副制御用CPU31aは、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される図柄変動ゲームが第1図柄変動ゲームである場合、当該第1図柄変動ゲームが開始されることを契機として第1情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。具体的に、副制御用CPU31aは、入球率向上状態において、変動開始コマンドを入力したとき、当該変動開始コマンドから第1図柄変動ゲームの開始を特定した場合には、入球率向上状態が付与された後、第1情報提示演出、又は第2情報提示演出が実行されたか否かを判定する。例えば、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに記憶されている情報提示演出実行情報に基づいて、入球率向上状態が付与された後、第1情報提示演出、又は第2情報提示演出が実行されたか否かを判定する。情報提示演出実行情報は、入球率向上状態が付与された後、情報提示演出が既に実行されたか否か、及び情報提示演出が既に実行されている場合における情報提示演出の種類を特定可能な情報である。副制御用CPU31aは、入球率向上状態が付与されたと判定するとき、副制御用CPU31aは、情報提示演出を実行可能であること、すなわち、入球率向上状態が付与されてから情報提示演出が未だ実行されていないことを特定可能なように、副制御用RAM31cに記憶されている情報提示演出実行情報を更新する。副制御用CPU31aは、状態2指定コマンドが入力されたとき、及び状態3指定コマンドが入力されたときに入球率向上状態が付与されたと判定する。
【0104】
入球率向上状態が付与された後、情報提示演出が既に実行されている場合、副制御用CPU31aは、情報提示演出を実行するための処理を終了する。入球率向上状態が付与された後、情報提示演出が未だ実行されていない場合、副制御用CPU31aは、第1情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。このとき、副制御用CPU31aは、現在の演出モードがチャンスモードであるか、確変演出モードであるかにかかわらず、第1情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、第1情報提示演出を開始させるとき、既に第1情報提示演出を実行していることを特定可能なように、副制御用RAM31cに記憶されている情報提示演出実行情報を更新する。副制御用CPU31aは、第1情報提示演出を開始した後、第2情報提示演出が開始されるか、スーパーリーチ演出が開始されるか、非入球率向上状態に制御されるかを契機として第1情報提示演出を終了させるように演出表示装置11を制御する。
【0105】
入球率向上状態において、副制御用CPU31aは、入球率向上状態が付与された後、最初の第2図柄変動ゲームが開始される場合、当該第2図柄変動ゲームにおいて、第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。具体的に、副制御用CPU31aは、入球率向上状態において、変動開始コマンドを入力したとき、当該変動開始コマンドから第2図柄変動ゲームの開始を特定した場合には、情報提示演出実行情報に基づいて、入球率向上状態が付与された後、第2情報提示演出が実行されたか否かを判定する。
【0106】
入球率向上状態が付与された後、第2情報提示演出が既に実行されている場合、副制御用CPU31aは、情報提示演出を実行するための処理を終了する。入球率向上状態が付与された後、第2情報提示演出が未だ実行されていない場合、副制御用CPU31aは、第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。このとき、副制御用CPU31aは、現在の演出モードがチャンスモードであるか、確変演出モードであるかにかかわらず、第1態様による第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、第2情報提示演出を開始させるとき、第2情報提示演出を既に実行していることを特定可能なように、副制御用RAM31cに記憶されている情報提示演出実行情報を更新する。
【0107】
その後、副制御用CPU31aは、第1態様による第2情報提示演出が開始してから所定時間が経過したことを契機として第2態様による第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。このとき、副制御用CPU31aは、現在の演出モードがチャンスモードであるか、確変演出モードであるかにかかわらず、第2態様による第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。副制御用CPU31aは、第2情報提示演出を開始した後、予め定められた回数(例えば、2回)の図柄変動ゲームが終了するか、スーパーリーチ演出が開始されるか、非入球率向上状態に制御されるかを契機として第2情報提示演出を終了させるように演出表示装置11を制御する。
【0108】
また、副制御用CPU31aは、電力供給が再開されたとき、入球状態が入球率向上状態である場合、第1情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。具体的に、副制御用CPU31aは、復帰コマンドが入力されたとき、第1情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。その後、副制御用CPU31aは、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として、第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。具体的に、副制御用CPU31aは、復帰コマンドが入力されたとき、所定回数の第2図柄変動ゲームの終了回数を計数する。そして、副制御用CPU31aは、所定回数の第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間では、情報提示演出実行情報の内容にかかわらず情報提示演出を実行させない。これにより、副制御用CPU31aは、所定回数の第2図柄変動ゲームの終了を計数した後、新たな第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として、第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。所定回数は、規定上限回数よりも少ない任意の回数であると良い。例えば、所定回数は、第2図柄変動ゲームの始動保留数の上限数(例えば、4)である。所定回数は、電力供給が再開されたときにおいて情報提示演出の実行を制限する第2図柄変動ゲームの回数であるといえる。
【0109】
次に、この実施形態のパチンコ遊技機10の作用について説明する。
図7(a)には、大当りZAに基づく大当り遊技が終了する状況を示している。このとき、第1図柄変動ゲームの始動保留数は2であるものとする。またこのとき、第2図柄変動ゲームの始動保留数は0であるものとする。
【0110】
図7(b)に示すように、大当り遊技が終了したことを契機として、遊技状態が低確時短状態に制御されるとともに、演出モードがチャンスモードに制御される。大当り遊技が終了したことによって図柄変動ゲームの開始条件が成立するものの、第2図柄変動ゲームの始動保留数は0であるため、第2図柄変動ゲームは実行されない。一方、第1図柄変動ゲームの始動保留数は2であるため、第1図柄変動ゲームが実行される。そして、入球率向上状態に制御されてから、最初の第2図柄変動ゲームが開始されるよりも前(第2情報提示演出が開始されるよりも前)に、第1図柄変動ゲームが開始されたことによって、演出表示装置11では、第1情報提示演出が実行される。これにより、遊技者は、当りとなっても規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能である。また、遊技者は、当りとなれば規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与される可能性があることを特定可能である。
【0111】
第1図柄変動ゲームの実行中、現在の遊技状態が低確時短状態であるため、推奨される発射領域に向けて遊技球が発射されるように遊技者が発射ハンドルHDを操作する場合、第2始動入賞口13に遊技球が入球することによって、図7(c)に示すように、第2図柄変動ゲームの実行が保留される。ここでは、複数(4回)の第2図柄変動ゲームの実行が保留され、第2図柄変動ゲームの始動保留数が4になったものとする。
【0112】
図7(d)に示すように、大当り遊技が終了して最初に開始された第1図柄変動ゲームが終了したことによって図柄変動ゲームの開始条件が成立する。このとき、第2図柄変動ゲームの始動保留数は4であるため、第2図柄変動ゲームが実行される。すなわち、入球率向上状態における最初の第2図柄変動ゲームが実行される。
【0113】
図7(e)に示すように、演出表示装置11では、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として、第1情報提示演出に代えて第2情報提示演出(第1態様による第2情報提示演出)が実行される。これにより、遊技者は、当りとなれば規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されることを特定可能である。また、遊技者は、当りとなっても規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されないことを特定可能である。上述したように、第2特別図柄の大当り図柄である大当り図柄Za、及び大当り図柄Zbは、何れも規定ラウンド数として10回が定められている。そして、遊技状態が入球率向上状態であるとき、推奨される発射領域に遊技者が遊技球を発射させる場合には、第2図柄変動ゲームが実行される。ここで、入球率向上状態が付与された後、最初の第2図柄変動ゲームが実行された場合、推奨される発射領域に遊技者が遊技球を発射させていることが想定される状況である。このような状況において、第1情報提示演出を終了するとともに、第2情報提示演出を実行されることによって、入球率向上状態におけるゲーム性を遊技者が勘違いしてしまうことを抑制することができる。
【0114】
図7(f)に示すように、第1態様による第2情報提示演出が開始してから所定時間が経過したことを契機として、第2態様による第2情報提示演出が実行される。演出表示装置11では、第2情報提示画像(第2態様による第2情報提示画像Gj2b)が表示される。これにより、入球率向上状態におけるゲーム性を継続して提示しつつも、図柄変動ゲームなどの情報提示演出とは別の演出の実行を制限してしまうことを抑制することができる。
【0115】
図8(a)には、大当り遊技が終了したことを契機として、遊技状態が高確時短状態に制御されるとともに、演出モードが確変演出モードに制御される状況が示されている。大当り遊技が終了したとき、第1図柄変動ゲームの始動保留数は2であるものとする。また、大当り遊技が終了したとき、第2図柄変動ゲームの始動保留数は0であるものとする。このため、大当り遊技が終了したことによって図柄変動ゲームの開始条件が成立するものの、第2図柄変動ゲームの始動保留数は0であるため、第2図柄変動ゲームは実行されない。一方、第1図柄変動ゲームの始動保留数は2であるため、第1図柄変動ゲームが実行される。入球率向上状態に制御されてから、最初の第2図柄変動ゲームが開始されるよりも前(第2情報提示演出が開始されるよりも前)に、第1図柄変動ゲームが開始されたことによって、演出表示装置11では、第1情報提示演出が実行される。
【0116】
第1図柄変動ゲームの実行中、現在の遊技状態が高確時短状態であるため、推奨される発射領域に向けて遊技球が発射されるように遊技者が発射ハンドルHDを操作する場合、第2始動入賞口13に遊技球が入球することによって、第2図柄変動ゲームの実行が保留される。ここでは、複数(4回)の第2図柄変動ゲームの実行が保留され、第2図柄変動ゲームの始動保留数が4になったものとする。ここで、第1図柄変動ゲームの実行中、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開されたとする。電力供給が再開されたことに伴って、パチンコ遊技機10では、第1図柄変動ゲームが再開される。電力供給が再開されたとき、入球状態が入球率向上状態であることに伴って、パチンコ遊技機10では、第1情報提示演出が実行される。これにより、電力供給が開始されたときに再開される図柄変動ゲームが第1図柄変動ゲームである場合であっても、第1情報提示演出が実行されることによって、遊技者は、当りとなっても規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能である。また、遊技者は、当りとなれば規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与される可能性があることを特定可能である。その後、第1図柄変動ゲームは、変動時間が経過したことに伴って終了する。
【0117】
図8(b)、及び図8(c)には、電力供給が再開されてから最初の第2図柄変動ゲームが実行されている状況を示している。このとき、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了していないため、第2図柄変動ゲームでは、第2情報提示演出が実行されない。このため、第2図柄変動ゲームでは、第1情報提示演出が実行される。このように、入球率向上状態が付与されてから第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、第2情報提示演出の実行が制限される。
【0118】
図8(d)には、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後の状況を示している。電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了したとき、第2図柄変動ゲームの始動保留数は4であるものとする。電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了すると、当該第2図柄変動ゲームが終了したことによって図柄変動ゲームの開始条件が成立する。このとき、第2図柄変動ゲームの始動保留数は4であるため、第2図柄変動ゲームが実行される。すなわち、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初の第2図柄変動ゲームが実行される。
【0119】
図8(e)に示すように、演出表示装置11では、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として、第1情報提示演出に代えて第2情報提示演出が実行される。これにより、遊技者は、当りとなれば規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されることを特定可能である。また、遊技者は、当りとなっても規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されないことを特定可能である。
【0120】
図8(f)には、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームにおいてスーパーリーチ演出が実行される状況を示している。この実施形態において、第2情報提示演出は、スーパーリーチ演出が実行されたことを契機として終了する。このため、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームにおいてスーパーリーチ演出が実行される場合には、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームにおいて第2情報提示演出が終了する。これにより、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出に遊技者が注意を向け易くなる。
【0121】
このように、この実施形態において、第2情報提示演出は、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出表示装置11により実行可能とされる。また、入球率向上状態において電力供給が遮断される場合、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始以降に、第2情報提示演出が実行可能とされる。
【0122】
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(1-1)この実施形態によれば、当りとなれば規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されることを第2情報提示演出よって遊技者に認識させることができる。また、当りとなっても規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されないことを第2情報提示演出により遊技者に認識させることができる。また、入球率向上状態が付与された後、最初の第2図柄変動ゲームの開始時以降に、第2情報提示演出が実行されるため、入球率向上状態が付与された直後に第2情報提示演出が実行される場合と比較して、第2情報提示演出が実行された後に第1図柄変動ゲームが実行される可能性を少なくすることができる。これにより、当りとなっても規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されないことを提示する第2情報提示演出が実行された後に、第1図柄変動ゲームが実行されて規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与されるという事態が生じる可能性を低くし、遊技者が混乱することを抑制することができる。
【0123】
また、電力供給が開始された直後に第2情報提示演出が実行される場合、電力供給が遮断されたときの状況によっては、第2情報提示演出が実行された後に第1図柄変動ゲームが実行される可能性がある。このような可能性があるところ、所定回数の第2図柄変動ゲームが実行された後、最初の第2図柄変動ゲームの開始時以降に、第2情報提示演出が実行される。このため、電力供給が開始された直後に第2情報提示演出が実行される場合と比較して、第2情報提示演出が実行された後に第1図柄変動ゲームが実行される可能性を少なくすることができる。
【0124】
また、入球率向上状態が付与された後、最初の第2図柄変動ゲームの開始よりも前には、第1情報提示演出が実行されることがある。これにより、当りとなっても規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与されない可能性がある状況において、それを遊技者に認識可能にさせている。この結果、入球率向上状態において、規定ラウンド数として4回が定められた大当り遊技が付与される場合であっても、遊技者が混乱することを抑制することができる。
【0125】
(1-2)この実施形態によれば、チャンスモードと、確変演出モードとで、演出モードにかかわらず同じ情報提示演出を実行させることで、遊技者は、入球率向上状態におけるゲーム性を認識し易い。
【0126】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する場合がある。
【0127】
第2の実施形態では、第1の実施形態において第2情報提示演出を実行させるための条件に加えて情報提示演出実行抽選に当選したときに第2情報提示演出を実行可能である。情報提示演出実行抽選は、第2情報提示演出を実行させるか否かを決定するための抽選である。この実施形態において、情報提示演出実行抽選に当選する確率は、演出モードによって異なっている。すなわち、この実施形態において、チャンスモードにおける第2情報提示演出の実行確率は、確変演出モードにおける第2情報提示演出の実行確率と異なる。この実施形態では、チャンスモードであるときには、確変演出モードであるときに比して情報提示演出実行抽選に当選する確率が低い。すなわち、大当り遊技が付与され易い確変演出モードでは、第2情報提示演出が実行され易い。一方、大当り遊技が付与され難いチャンスモードでは、第2情報提示演出が実行され難い。この実施形態において、副制御用CPU31aは、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲーム以降の図柄変動ゲームにおいて第2情報提示演出が実行されるまで情報提示演出実行抽選を行う。また、副制御用CPU31aは、電力供給が再開されたとき、入球状態が入球率向上状態である場合、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲーム以降の図柄変動ゲームにおいて第2情報提示演出が実行されるまで情報提示演出実行抽選を行う。そして、副制御用CPU31aは、情報提示演出実行抽選に当選した場合、第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。
【0128】
このように、この実施形態において、確率状態が異なるチャンスモード(低確時短状態)と、確変演出モード(高確時短状態)とでは、第2情報提示演出の実行確率と異なる。一方、確率状態が異なるチャンスモード(低確時短状態)と、確変演出モード(高確時短状態)とで入球状態は同じである。このため、チャンスモード(低確時短状態)と、確変演出モード(高確時短状態)とで、当り抽選において大当りとなる確率は異なるものの、大当りとなった際に第1当り遊技が付与される確率は同じである。すなわち、チャンスモード(低確時短状態)であるときと、確変演出モード(高確時短状態)であるときとで、大当りの全体に占める第1当りの割合は同じである。
【0129】
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(2-1)これによれば、演出モードに応じた実行確率で第2情報提示演出を実行させることができるため、興趣を向上させることができる。
【0130】
(2-2)また、チャンスモード(低確時短状態)であるときと、確変演出モード(高確時短状態)であるときとで、第2情報提示演出の実行確率が異なることによって、大当りとなった際に第1当りとなる割合は同じであるにもかかわらず異なる印象を遊技者に与えることができる。
【0131】
(2-3)また、第2情報提示演出の実行確率は、規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与される確率に比例しているため、規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与される前に入球率向上状態におけるゲーム性を好適に提示することができる。
【0132】
(2-4)この実施形態によれば、第1情報提示演出の平均的な実行期間は、第2情報提示演出の実行確率に比例する。つまり、第1情報提示演出の平均的な実行期間は、チャンスモード(低確時短状態)であるときと、確変演出モード(高確時短状態)であるときとで、異なる。これにより、チャンスモード(低確時短状態)であるときと、確変演出モード(高確時短状態)であるときとで、大当りとなった際に第1当りとなる割合は同じであるにもかかわらず異なる印象を強く遊技者に与えることができる。
【0133】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
第3の実施形態では、電力供給が再開されたときにおいて第2情報提示演出の実行を制限する第2図柄変動ゲームの回数が第1の実施形態と異なる。すなわち、所定回数が第1の実施形態と異なる。具体的に、この実施形態では、第1態様による第2情報提示演出と、第2態様による第2情報提示演出とで所定回数が異なる。以下、詳細に説明する。
【0134】
副制御用CPU31aは、電力供給が再開されたとき、入球状態が入球率向上状態である場合、電力供給が開始されてから第1回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として、第1態様による第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。一方、副制御用CPU31aは、電力供給が再開されたとき、入球状態が入球率向上状態である場合、電力供給が開始されてから第1回数よりも多い第2回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として、第2態様による第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。例えば、第1回数は、1である。また例えば、第2回数は、4である。
【0135】
このように、この実施形態では、入球率向上状態が付与されてから第1態様による第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから第1回数の第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、第1態様による第2情報提示演出の実行が制限される。その後、電力供給が再開されてから第1回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として、第1態様による第2情報提示演出が実行可能とされる。また、入球率向上状態が付与されてから第2態様による第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから第2回数の第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、第2態様による第2情報提示演出の実行が制限される。その後、電力供給が開始されてから第2回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始以降に、第2態様による第2情報提示演出が実行可能とされる。
【0136】
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(3-1)これによれば、電力供給が開始されたとき、実行が制限される期間を、第1態様による第2情報提示演出と、第2態様による第2情報提示演出とで異ならせることで、演出態様に応じた制限期間を設けることができる。
【0137】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
第4の実施形態では、情報提示演出実行抽選に、第1態様による第2情報提示演出を実行させるか否かを決定する第1情報提示演出実行抽選と、第2態様による第2情報提示演出を実行させるか否かを決定する第2情報提示演出実行抽選と、がある点で第2の実施形態と異なる。すなわち、第4の実施形態では、第2情報提示演出が実行されるとき、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出のうち何れか一方のみが実行されることがある点で第2の実施形態と異なる。以下、詳細に説明する。
【0138】
この実施形態において、副制御用CPU31aは、情報提示演出実行抽選を行う場合、まず第1情報提示演出実行抽選を行う。第1情報提示演出実行抽選に当選した場合、副制御用CPU31aは、第1態様による第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。第1情報提示演出実行抽選を終了した場合、副制御用CPU31aは、第2情報提示演出実行抽選を行う。第2情報提示演出実行抽選に当選した場合、副制御用CPU31aは、第2態様による第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。これにより、第2情報提示演出が実行されるとき、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出のうち何れか一方のみが実行されるときと、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出の両方が実行されるときと、がある。
【0139】
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(4-1)第2情報提示演出が実行される際には、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出のうち何れか一方のみが実行されるときと、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出の両方が実行されるときとがある。これにより、情報提示演出に多様性を持たせることができる。
【0140】
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
第5の実施形態では、低確非時短状態においても第2情報提示演出を実行可能となっている。低確非時短状態は、第2図柄変動ゲームの保留条件が成立しないが、低確時短状態から低確非時短状態に制御されるときには、低確時短状態において保留条件が成立した第2図柄変動ゲームが保留されている状況が想定される。この実施形態では、低確非時短状態に制御されたときに保留されている第2図柄変動ゲームで第1当り遊技が付与される場合に、低確非時短状態であっても第2情報提示演出を実行可能である。
【0141】
この実施形態において、主制御用CPU30aは、乱数を取得した際、取得した乱数の値が、当り抽選において大当りとなる値であるかを事前判定する。主制御用CPU30aは、事前判定の結果に基づいて先読みコマンドを生成する。すなわち、先読みコマンドは、保留した図柄変動ゲームで大当り遊技が付与されるかを特定可能な情報である。また、主制御用CPU30aは、第1図柄変動ゲームと、第2図柄変動ゲームとのうち何れの図柄変動ゲームを保留したかを特定可能なように先読みコマンドを生成する。すなわち、先読みコマンドは、保留した図柄変動ゲームの種類を特定可能な情報である。また、主制御用CPU30aは、生成した先読みコマンドを副制御用CPU31aに出力する。
【0142】
副制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力した場合、当該先読みコマンドから特定可能な情報(以下、保留情報と示す)を、対応する図柄変動ゲームの種類及び記憶順序を特定可能となるように、副制御用RAM31cに記憶させる。これにより、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに記憶されている保留情報を参照することによって、保留中である各図柄変動ゲームの種類、及び各図柄変動ゲームのそれぞれで大当り遊技が付与されるかを特定可能である。
【0143】
この実施形態において、副制御用CPU31aは、低確時短状態に制御されているときに状態1指定コマンドを入力した場合、低確非時短状態に制御されたと判定する。副制御用CPU31aは、低確非時短状態に制御されたとき、保留情報を参照して、保留中の第2図柄変動ゲームで大当り遊技が付与されるか否かを判定する。保留中の第2図柄変動ゲームで大当り遊技が付与されるとき、低確非時短状態において第2情報提示演出を実行可能であることを特定可能な情報(以下、特定情報と示す)を副制御用RAM31cに記憶させる。なお、低確非時短状態に制御されたとき、保留中の第2図柄変動ゲームで大当り遊技が付与される場合、当該低確非時短状態では、継続してチャンスモードに制御される。
【0144】
低確非時短状態(非入球率向上状態)において、副制御用CPU31aは、第2図柄変動ゲームが開始されるとき、第2情報提示演出が実行可能であるか否かを判定する。副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに記憶されている情報提示演出実行情報、及び特定情報に基づいて第2情報提示演出が実行可能であるか否かを判定する。そして、副制御用CPU31aは、第22情報提示演出が実行可能である場合、第2情報提示演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。また、副制御用CPU31aは、第2情報提示演出を開始させるとき、第2情報提示演出を既に実行していることを特定可能なように、副制御用RAM31cに記憶されている情報提示演出実行情報を更新する。
【0145】
次に、この実施形態のパチンコ遊技機10の作用について説明する。
図9(a)には、低確時短状態に制御されてから特定回数目の図柄変動ゲームが実行されている状況を示している。特定回数は、低確時短状態に制御可能な図柄変動ゲームの回数の上限である規定上限回数以下であって、且つ、規定上限回数と所定回数の差以上の回数である。ここで、特定回数目の図柄変動ゲームの実行中、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開されたとする。
【0146】
図9(b)、及び図9(c)には、電力供給が再開されてから最初の第2図柄変動ゲームが実行されている状況を示している。電力供給が再開されたとき、入球状態が入球率向上状態であることに伴って、パチンコ遊技機10では、第1情報提示演出が実行される。一方、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了していないため、パチンコ遊技機10では、第2情報提示演出が実行されない。
【0147】
図9(d)には、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後の状況を示している。このとき、大当り遊技が付与される第2図柄変動ゲームを保留中であるとする。上述したように、特定回数は、低確時短状態に制御可能な図柄変動ゲームの回数の上限である規定上限回数未満であって、且つ、規定上限回数と所定回数の差以上の回数である。このため、特定回数目の図柄変動ゲームの実行中、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開された場合、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了したときの遊技状態は低確非時短状態である。なお、低確非時短状態となったことで、第1情報提示演出は終了している。
【0148】
図9(e)、及び図9(f)には、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初の第2図柄変動ゲームが実行される状況を示している。このとき、演出表示装置11では、低確非時短状態に制御された際に大当り遊技が付与される第2図柄変動ゲームを保留中であったため、演出表示装置11では、電力供給が再開されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として第2情報提示演出が実行される。また、低確非時短状態に制御されているものの、演出表示装置11では、チャンスモードに制御されていることを特定可能なモード画像Gmが表示されるため、遊技者は、第2情報提示演出によって提示されたゲーム性がチャンスモードにおけるゲーム性であることを認識可能である。
【0149】
このように、この実施形態では、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始される場合、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが実行された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始前に入球率向上状態が終了するとき、入球率向上状態が終了する際に実行が保留されている第2図柄変動ゲームで大当り遊技が付与される場合には、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが実行された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始時以降に、第2情報提示演出が実行可能である。一方、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが実行された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームの開始前に入球率向上状態が終了するとき、入球率向上状態が終了する際に実行が保留されている第2図柄変動ゲームで第1当り遊技が付与されない場合には、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームの実行が終了する際に実行が保留されている第2図柄変動ゲームの実行が終了するまで第2情報提示演出の実行が制限される。
【0150】
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(5-1)入球率向上状態が終了しているにもかかわらず、第2情報提示演出を実行するように構成する場合、入球率向上状態が終了した状態におけるゲーム性を遊技者が勘違いしてしまう虞がある。このような虞があるところ、入球率向上状態が終了する際に保留中の第2図柄変動ゲームで規定ラウンド数として10回が定められた大当り遊技が付与される場合にのみ第2情報提示演出を実行可能とすることで、入球率向上状態が終了した状態におけるゲーム性を遊技者が勘違いしてしまうことを抑制することができる。
【0151】
(5-2)特に、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始される場合、第2情報提示演出が実行されないときには、入球率向上状態におけるゲーム性を遊技者に十分に提示することができない虞がある。このような虞があるところ、電力供給が開始された際の状況に応じて第2情報提示演出を実行可能とすることにより、好適にゲーム性を遊技者に提示することができる。
【0152】
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
第6の実施形態では、変動パターンの種類によって第2情報提示演出が実行されるか否かが決定されるようになっている。この実施形態において、第2情報提示演出は、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲーム以降の第2図柄変動ゲームの変動パターンが特定変動パターンであるときに実行可能である。特定変動パターンは、定められた変動時間が特定時間以上である変動パターンである。例えば、特定時間は、第1態様による第2情報提示演出の演出時間の2倍の時間である。この実施形態において、定められた変動時間が特定時間未満である非特定変動パターンの第2図柄変動ゲームでは、第2情報提示演出が実行不能である。
【0153】
副制御用CPU31aは、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲーム以降の第2図柄変動ゲームの変動パターンが特定変動パターンであるとき、副制御用RAM31cに記憶されている情報提示演出実行情報に基づいて情報提示演出を実行可能である。また、主制御用CPU30aは、低確時短状態であるときと、高確時短状態であるときとで、異なる確率で特定変動パターンを決定可能である。すなわち、この実施形態では、チャンスモードであるときと、確変演出モードであるときとで、特定変動パターンの第2図柄変動ゲームが実行される確率が異なる。このため、この実施形態では、第2情報提示演出を実行可能な図柄変動ゲームの実行確率が異なることにより、チャンスモードにおける第2情報提示演出の実行確率が確変演出モードにおける第2情報提示演出の実行確率と異なる。
【0154】
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(6-1)第2情報提示演出は、図柄変動ゲームの種類によって実行可能となる。このため、チャンスモードと、確変演出モードとで、第2情報提示演出を実行可能な図柄変動ゲームの実行確率を異ならせることによって、演出モードに応じた実行確率で第2情報提示演出を実行させることができる。
【0155】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態、及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0156】
・第2の実施形態において、チャンスモードであるときには、確変演出モードであるときに比して情報提示演出実行抽選に当選する確率が高いようにしてもよい。
・第3の実施形態において、第1情報提示演出実行抽選の結果にかかわらず第2情報提示演出実行抽選を行うようにしてもよい。すなわち、第3の実施形態において、第1態様による第2情報提示演出と、第2態様による第2情報提示演出とのうち第2態様による第2情報提示演出のみが実行されうるようにしてもよい。この場合、第2態様による第2情報提示演出は、任意のタイミングで実行されるようにしてもよい。例えば、第2態様による第2情報提示演出の開始タイミングは、第1態様による第2情報提示演出の開始タイミングよりも早くてもよく、第1態様による第2情報提示演出の開始タイミングと同じであってもよい。
【0157】
・第4の実施形態において、第1態様による第2情報提示演出の実行確率は、チャンスモードと、確変演出モードとで、同じであってもよく、異なっていてもよい。
・第4の実施形態において、第2態様による第2情報提示演出の実行確率は、チャンスモードと、確変演出モードとで、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0158】
・第4の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせて実施する場合、第1態様による第2情報提示演出のみが実行されない変動パターンがあってもよい。例えば、定められた変動時間が特定時間未満の変動パターンであるときには、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出のうち第2態様による第2情報提示演出のみが実行可能であってもよい。また、第4の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせて実施する場合、第2態様による第2情報提示演出のみが実行されない変動パターンがあってもよい。例えば、所定のスーパーリーチ演出が定められた変動パターンであるときには、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出のうち第1態様による第2情報提示演出のみが実行可能であってもよい。
【0159】
・第5の実施形態において、低確非時短状態に制御されたとき、保留中の第2図柄変動ゲームで大当り遊技が付与される場合であっても、当該低確非時短状態において、通常演出モードに制御されるようにしてもよい。
【0160】
・上記各実施形態において、情報提示演出を実行させるための条件は任意に変更してもよい。例えば、入球率向上状態が付与された後、2回目以降である所定の第2図柄変動ゲームが開始されたことを契機として第2情報提示演出を実行可能としてもよい。この場合、入球率向上状態が付与された後、最初に実行される第2図柄変動ゲームで大当り遊技が付与されるときには、当該第2図柄変動ゲームでは、第2情報提示演出が実行されない。すなわち、入球率向上状態が付与された後、第2情報提示演出が開始されることなく第2図柄変動ゲームで第1当り遊技が付与されることがある。これによれば、第2図柄変動ゲームで大当り遊技が付与されることが確定している状況では第2情報提示演出の実行を制限することで、第2情報提示演出によるゲーム性の提示を遊技者が煩わしく感じてしまうことを抑制することができ、興趣の低下を抑制することができる。
【0161】
・上記各実施形態において、第2情報提示演出は、第2図柄変動ゲームの開始を契機として開始されるようにしてもよく、第2図柄変動ゲームが開始してから所定時間が経過したことを契機として開始されるようにしてもよい。また、第1態様による第2情報提示演出と、第2態様による第2情報提示演出と、で第2情報提示演出の開始タイミングが異なっていてもよい。例えば、第1態様による第2情報提示演出及び第2態様による第2情報提示演出のうち一方は、第2図柄変動ゲームの開始を契機として開始され、他方は、第2図柄変動ゲームが開始してから所定時間が経過したことを契機として開始されるようにしてもよい。また例えば、第1態様による第2情報提示演出及び第2態様による第2情報提示演出のうち一方は、第2図柄変動ゲームが開始してから第1時間が経過したことを契機として開始され、他方は、第2図柄変動ゲームが開始してから第1時間よりも長い第2時間が経過したことを契機として開始されるようにしてもよい。
【0162】
・上記各実施形態において、各情報提示演出の実行態様は任意に変更してもよい。具体的に、各情報提示演出が実行される確率は、任意に変更してもよく、各情報提示演出の演出態様は、任意に変更してもよい。また、具体的に、各情報提示演出は、演出表示装置11による表示演出に加えて又は代えて、1又は複数である別の演出を含んで構成されていてもよい。例えば、別の演出には、スピーカSpによる音声演出があってもよい。また、例えば、別の演出には、装飾ランプLaによる発光演出があってもよい。また、例えば、別の演出には、可動体による可動体演出があってもよい。また、例えば、別の演出には、所定の振動手段による振動演出があってもよい。つまり、各情報提示演出には、視覚によって認識可能な演出に加えて、又は代えて、聴覚によって認識可能な演出、及び触覚によって認識可能な演出があってもよい。
【0163】
・上記各実施形態では、各情報提示演出は、実行されないことによって制限されたがこれに限らない。例えば、各情報提示演出に演出表示装置11による表示演出を含む場合、当該表示演出の一部の表示が制限されるようにしてもよい。この場合、表示演出を構成する画像のうち所定の画像が表示されないようにしてもよく、表示演出を構成する画像のうち所定の画像の一部が表示されないようにしてもよい。第1態様による第2情報提示演出を用いてより具体的に例示すれば、キャラクタ画像Gc、及び第1態様による第2情報提示画像Gj2aのうち一方又は両方が表示されないようにしてもよく、キャラクタ画像Gcの一部、及び第1態様による第2情報提示画像Gj2aの一部のうち一方又は両方が表示されないようにしてもよい。また、各情報提示演出に演出表示装置11による表示演出を含む場合であって、当該表示演出の表示が制限される場合、可動体などの別の演出実行手段により、前記表示演出の視認性が低下する結果、当該表示演出の実行が制限されるようにしてもよい。
【0164】
・また例えば、各情報提示演出にスピーカSpによる音声演出を含む場合、当該音声演出を構成する演出音の一部又は全部の出力が制限されるようにしてもよい。この場合、前記演出音の一部又は全部を出力しないようにしてもよく、前記演出音の一部又は全部の音量を小さくするようにしてもよい。また、各情報提示演出にスピーカSpによる音声演出を含む場合、当該音声演出を構成する演出音とは別の演出音を出力することによって情報提示演出の実行を制限してもよい。
【0165】
・また例えば、各情報提示演出に装飾ランプLaによる発光演出を含む場合、当該発光演出を実行する装飾ランプLaの一部又は全部の発光を制限してもよい。この場合、前記発光演出を実行する装飾ランプLaの一部又は全部を発光させないようにしてもよく、前記発光演出を実行する装飾ランプLaの一部又は全部の光量を低下させるようにしてもよい。また、各情報提示演出に装飾ランプLaによる発光演出を含む場合であって、当該発光演出の実行が制限される場合、可動体などの別の演出実行手段により、前記発光演出の視認性が低下する結果、当該発光演出の実行が制限されるようにしてもよい。
【0166】
・また例えば、各情報提示演出に可動体による可動体演出を含む場合、当該可動体の動作を制限するようにしてもよい。この場合、前記可動体を動作させないようにしてもよく、前記可動体の動作速度を変更してもよく、前記可動体を収納するようにしてもよい。
【0167】
・また例えば、各情報提示演出を複数の演出実行手段による複数の演出によって構成する場合、当該複数の演出のうち一部又は全部の実行を制限してもよい。このように、各情報提示演出の実行を制限する場合、各情報提示演出を構成する演出要素のうち一部又は全部の実行が制限されるようにしてもよい。
【0168】
・また例えば、各情報提示演出の実行を制限する場合、各情報提示演出の実行確率を低下させるようにしてもよい。この場合、各情報提示演出が複数の演出によって構成される場合、当該複数の演出の一部又は全部の実行確率が低下するようにしてもよい。なお、複数の演出の実行確率を低下させる場合、その実行確率が異なっていてもよい。
【0169】
・上記各実施形態において、所定回数は任意に設定してもよい。例えば、所定回数は、第2図柄変動ゲームの始動保留数の上限数以上であって、第1図柄変動ゲームの始動保留数の上限数と第2図柄変動ゲームの始動保留数の上限数の和以下であってもよい。また例えば、所定回数は、電力供給が再開されたときの状況に応じて変化してもよい。例えば、所定回数は、電力供給が再開されたときの第2図柄変動ゲームの始動保留数であってもよく、電力供給が再開されたときの第1図柄変動ゲームの始動保留数と電力供給が再開されたときの第2図柄変動ゲームの始動保留数との和であってもよい。またこの場合、予め定められたゆとり回数との和を所定回数としてもよい。この変更例において、ゆとり回数は、想定した状況で第2情報提示演出を実行させるための所謂「マージン」を持たせるための回数である。例えば、ゆとり回数は、1や2などである。
【0170】
・上記各実施形態において、電力供給が再開された後、所定回数の第2図柄変動ゲームが終了する前に待機状態に制御される場合、待機状態に制御されてから最初の第2図柄変動ゲームの開始以降に第2情報提示演出を実行可能にしてもよい。
【0171】
・上記各実施形態において、第2図柄変動ゲームで当選したときの方が、第1図柄変動ゲームで当選したときよりも高確率で有利な遊技状態が付与されるようにしてもよい。例えば、第2図柄変動ゲームで当選したときの方が、第1図柄変動ゲームで当選したときよりも、ラウンド数や開放時間が長い大当り遊技が付与される確率を高くしてもよい。また、第2図柄変動ゲームで当選したときの方が、第1図柄変動ゲームで当選したときよりも、長い期間、入球率向上状態や高確率状態が付与される又は付与されやすくしてもよい。
【0172】
・上記各実施形態において、大当りの種類を任意に変更してもよい。また、各大当り遊技の規定ラウンド数を任意に変更してもよい。また、大当りの割合を任意に変更してもよい。例えば、第2図柄変動ゲームでは、第1図柄変動ゲームに比して第1当り(規定ラウンド数が10回の大当り)が付与され易いようにしてもよい。すなわち、第2図柄変動ゲームで第2当り(規定ラウンド数が4回の大当り)が付与されうるようにしてもよい。この場合、第1情報提示演出は、第1当り遊技が付与され難いことを特定可能な情報を提示する演出であってもよく、第2情報提示演出は、第1当り遊技が付与され易いことを特定可能な情報を提示する演出であってもよい。また上記の場合、第1情報提示演出は、第2当り遊技が付与され易いことを特定可能な情報を提示する演出であってもよく、第2情報提示演出は、第2当り遊技が付与され難いことを特定可能な情報を提示する演出であってもよい。
【0173】
・上記各実施形態では、遊技者に付与される利益が異なる大当りとして規定ラウンド数が異なる大当りを例示したがこれに限らない。例えば、ラウンド遊技の終了条件が異なる大当りであってもよく、入球率向上状態に制御可能な規定上限回数が異なる大当りであってもよく、入球率向上状態に制御されるか否かが異なる大当りであってもよく、高確率状態に制御されるか否かが異なる大当りであってもよい。
【0174】
・上記各実施形態において、低確非時短状態において、第2情報提示演出を実行中であるとき、第1図柄変動ゲームが実行される場合には、当該第2情報提示演出を終了させてもよい。
【0175】
・上記各実施形態において、低確時短状態において、第2情報提示演出を実行中であるとき、第1図柄変動ゲームが実行される場合には、当該第2情報提示演出を終了させてもよい。
【0176】
・上記各実施形態において、低確非時短状態において、第1情報提示演出を実行可能であってもよい。すなわち、第1情報提示演出は、非入球率向上状態においても実行可能な演出であってもよい。
【0177】
・上記各実施形態において、低確時短状態において、第2情報提示演出を実行後(開始後)、第1図柄変動ゲームが実行される場合には、第1情報提示演出を実行可能であってもよい。低確時短状態において、第2情報提示演出を実行後(開始後)、第1図柄変動ゲームが実行される状況では、第2当り遊技が付与され得る。すなわち、第2当り遊技が付与される可能性がある場合、第1情報提示演出を実行可能であってもよい。
【0178】
・上記各実施形態において、入球率向上状態における最初の第2図柄変動ゲーム以降に実行される第1図柄変動ゲームが開始されたことを契機として第2情報提示演出が開始されるようにしてもよい。この場合、保留中の第1図柄変動ゲームで第2当り遊技が付与されないときに第2情報提示演出が実行可能であるとよい。すなわち、保留中の第1図柄変動ゲームで第2当り遊技が付与されるときには第2情報提示演出が実行不能であるとよい。
【0179】
・上記各実施形態において、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出の両方が同じ図柄変動ゲームで実行されるようにしなくてもよい。具体的に、所定の図柄変動ゲームにおいて、第1態様による第2情報提示演出が実行されるときには、当該所定の図柄変動ゲームにおいて第2態様による第2情報提示演出は実行されないようにしてもよい。また、所定の図柄変動ゲームにおいて、第2態様による第2情報提示演出が実行されるときには、当該所定の図柄変動ゲームにおいて第1態様による第2情報提示演出は実行されないようにしてもよい。
【0180】
・上記各実施形態において、第1情報提示演出、及び第2情報提示演出に加えて、1又は複数である別の情報提示演出を実行可能であってもよい。例えば、別の情報提示演出は、1の図柄変動ゲームにおいて実行可能な演出であってもよく、複数の図柄変動ゲームに跨って実行可能な演出であってもよい。また例えば、別の情報提示演出には、1の図柄変動ゲームにおいて実行可能な情報提示演出と、複数の図柄変動ゲームに跨って実行可能な情報提示演出と、があってもよい。また、1又は複数の別の情報提示演出を実行可能に構成する場合、第1情報提示演出、及び第2情報提示演出の一方、又は両方は実行不能であってもよい。
【0181】
・上記各実施形態において、入球率向上状態に制御されているとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開される場合、電力供給が遮断される前に第2情報提示演出が実行されていないときにのみ、電力供給が開始されてから所定回数の第2図柄変動ゲームが終了した後の最初の第2図柄変動ゲームの開始以降に第2情報提示演出を実行可能にしてもよい。この場合、電力供給が遮断される前に第2情報提示演出が実行されていたか否かは、副制御用RAM31cに記憶される第2情報提示演出実行情報をバックアップするようにしてもよく、第2情報提示演出を実行させるか否かを主制御用CPU30aが決定するとともに、主制御用RAM30cが第2情報提示演出実行情報を記憶するようにしてもよい。
【0182】
・上記各実施形態において、入球率向上状態に制御されているとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開される場合、電力供給が開始された後、最初の第2図柄変動ゲームの開始以降に第2情報提示演出を実行可能にしてもよい。
【0183】
・上記各実施形態において、演出モードには、通常演出モード、チャンスモード、及び確変演出モードに加えて又は代えて別の演出モードがあってもよい。この場合、別の演出モードでは、任意の情報提示演出が実行されるようにしてもよく、情報提示演出が実行されないようにしてもよい。
【0184】
・上記各実施形態において、第2情報提示演出は、所定の演出モードに制御されてから最初の第2図柄変動ゲームの開始以降に実行されるようにしてもよい。この場合、所定の演出モードには、入球率向上状態に制御された際に制御される演出モードから制御されるようにしてもよい。
【0185】
・上記各実施形態では、第1態様による第2情報提示演出を第2態様による第2情報提示演出に比して強調して実行するように構成したが、これに限らない。例えば、第2態様による第2情報提示演出を第1態様による第2情報提示演出に比して強調して実行するように構成するようにしてもよく、第1態様による第2情報提示演出及び第2態様による第2情報提示演出の一方のみを強調して実行しないように構成してもよい。
【0186】
・上記各実施形態において、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出は、構成する演出要素の全てが共通であってもよく、構成する演出要素の全てが共通でなくてもよい。
【0187】
・上記各実施形態において、第1態様による第2情報提示演出、及び第2態様による第2情報提示演出は、構成する演出要素の全てが共通であってもよく、構成する演出要素の一部が共通であってもよい。
【0188】
・上記各実施形態において、第1情報提示演出の終了条件は任意に変更してもよい。例えば、第1情報提示演出は、所定の演出が開始されることを契機として終了してもよい。
・上記各実施形態において、第1態様による第2情報提示演出の終了条件は任意に変更してもよい。例えば、第1態様による第2情報提示演出は、所定の演出が開始されることを契機として終了してもよい。
【0189】
・上記各実施形態において、第2態様による第2情報提示演出の終了条件は任意に変更してもよい。例えば、第2態様による第2情報提示演出は、予め定められた演出時間が経過したことを契機として終了するようにしてもよい。また例えば、第2態様による第2情報提示演出は、当該第2態様による第2情報提示演出を開始する際に保留されている第2図柄変動ゲームの回数を上限として実行可能であってもよい。
【0190】
・上記各実施形態において、第2情報提示演出は、複数の第2図柄変動ゲーム実行が保留されていることを条件として実行可能であってもよい。
・上記各実施形態において、第1情報提示演出が実行されている期間、又は第2情報提示演出が実行されるまでの期間では、モード画像Gmの表示が制限されるようにしてもよく、別の演出モード(例えば、通常演出モード)を特定可能なモード画像Gmが表示されるようにしてもよい。
【0191】
・上記各実施形態において、第1情報提示演出、及び第2情報提示演出の一方又は両方は、演出モード、又は遊技状態に応じて異なる情報提示演出を実行可能であってもよい。
・遊技部品は、右打ちを行ったときには第1始動入賞口12への入球を規制するように配置されていてもよく、右打ちを行ったときには左打ちを行ったときに比べて第1始動入賞口12へ入球し難い(入球する確率を極めて低くする)ように配置されていてもよい。また、遊技部品は、左打ちを行ったときには第2始動入賞口13、大入賞口14、及び作動ゲート18への入球を規制するように配置されていてもよく、左打ちを行ったときには右打ちを行ったときに比べて第2始動入賞口13、大入賞口14、及び作動ゲート18へ入球し難い(入球する確率を極めて低くする)ように配置されていてもよい。
【0192】
・副制御基板31に加えて、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板、及び演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板を設けてもよい。また、このようなサブ副制御基板とその他の演出、及び報知を制御する基板を含めて副制御基板としてもよい。
【0193】
・また、主制御基板30の主制御用CPU30aと、副制御基板31の副制御用CPU31aとを単一の基板に搭載してもよい。また、上記の別例において、発光制御基板、音声制御基板、及び表示制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
【0194】
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様(転落機)、あるいは予め定めた回数分の図柄変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様(ST機)がある。また、確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様(V確変機)がある。実施形態のパチンコ遊技機10は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。
【0195】
・当り図柄には、大当り図柄に加えて、又は代えて小当り図柄があってもよい。小当り図柄は、当り抽選において小当りに当選した場合に導出される。当り抽選において小当りに当選し、特別ゲームにおいて小当り図柄が導出された後、導出された小当り図柄に対応する小当りの種類に基づいて当り遊技(小当り遊技)が生起される。小当り遊技では、入球装置(大入賞口)の開閉部材が所定の開放パターンで開放される。小当り遊技を付与可能に構成する場合、小当り遊技には、第1小当りに基づく第1小当り遊技と、第2小当りに基づく第2小当り遊技と、があってもよい。例えば、第1小当り遊技は、第2小当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい小当り遊技である。また、例えば、第1小当り遊技は、第2図柄変動ゲームにおいて導出され得る小当り図柄に基づく小当り遊技であり、第2小当り遊技は、第1図柄変動ゲームにおいて導出され得る小当り図柄に基づく小当り遊技である。当り抽選において、小当りに当選するように構成する場合、小当り遊技を利用した状態(例えば、小当りRUSH)を生起可能に構成してもよい。例えば、小当り遊技を利用した状態は、高ベース状態に比して、有利な状態であってもよい。
【0196】
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球や、小当りを契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置に入球した遊技球が特別入球口に入球することによって大当り遊技が生起される。小当り(小当り遊技)を契機に大当り遊技が生起されるように構成する場合、第2小当り遊技よりも大当り遊技が生起され易いことによって、第2小当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい第1小当り遊技があってもよい。また、小当り遊技を契機に大当り遊技が生起されるように構成する場合、第2小当り遊技を契機に生起される大当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい大当り遊技が付与される契機となることによって、第2小当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい第1小当り遊技があってもよい。第1小当り遊技は、第2図柄変動ゲームにおいて導出され得る小当り図柄に基づく小当り遊技であり、第2小当り遊技は、第1図柄変動ゲームにおいて導出され得る小当り図柄に基づく小当り遊技である。
【0197】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)第1当りに基づく第1当り遊技と、第2当りに基づく第2当り遊技を付与可能な遊技機において、第1図柄変動ゲームを実行する第1表示装置と、第2図柄変動ゲームを実行する第2表示装置と、第1始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第1図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第1記憶手段と、第2始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第2図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第2記憶手段と、遊技者にとって有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、前記有利状態は、前記第2図柄変動ゲームが実行され易い状態であり、前記第1当り遊技は、前記第2当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい当り遊技であり、当りとなっても前記第1当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報を提示する第1情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、演出実行手段により実行可能とされ、前記第2図柄変動ゲームにおいて、当りとなれば前記第1当り遊技が付与されることを特定可能であると共に前記第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第2情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出実行手段により実行可能とされ、前記有利状態が付与されてから前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから所定回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記所定回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第2情報提示演出が実行可能とされていることを特徴とする遊技機。
【0198】
(ロ)第1当りに基づく第1当り遊技と、第2当りに基づく第2当り遊技を付与可能な遊技機において、第1図柄変動ゲームを実行する第1表示装置と、第2図柄変動ゲームを実行する第2表示装置と、第1始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第1図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第1記憶手段と、第2始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第2図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第2記憶手段と、遊技者にとって有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、前記有利状態は、前記第2図柄変動ゲームが実行され易い状態であり、前記第1当り遊技は、前記第2当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい当り遊技であり、当りとなっても前記第1当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報を提示する第1情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、演出実行手段により実行可能とされ、前記第2図柄変動ゲームにおいて、当りとなれば前記第1当り遊技が付与されることを特定可能であると共に前記第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第2情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出実行手段により実行可能とされ、前記第2情報提示演出には、第1態様による前記第2情報提示演出と、第2態様による前記第2情報提示演出と、があり、前記有利状態が付与されてから前記第1態様による前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから第1回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第1態様による前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記第1回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第1態様による前記第2情報提示演出が実行可能とされており、前記有利状態が付与されてから前記第2態様による前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから前記第1回数よりも多い第2回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第2態様による前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記第2回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第2態様による前記第2情報提示演出が実行可能とされていることを特徴とする遊技機。
【0199】
(ハ)第1当りに基づく第1当り遊技と、第2当りに基づく第2当り遊技を付与可能な遊技機において、第1図柄変動ゲームを実行する第1表示装置と、第2図柄変動ゲームを実行する第2表示装置と、第1始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第1図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第1記憶手段と、第2始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第2図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第2記憶手段と、遊技者にとって有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、前記有利状態は、前記第2図柄変動ゲームが実行され易い状態であり、前記第1当り遊技は、前記第2当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい当り遊技であり、当りとなっても前記第1当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報を提示する第1情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、演出実行手段により実行可能とされ、前記第2図柄変動ゲームにおいて、当りとなれば前記第1当り遊技が付与されることを特定可能であると共に前記第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第2情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出実行手段により実行可能とされ、前記有利状態が付与されてから前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから所定回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記所定回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第2情報提示演出が実行可能とされ、前記第2情報提示演出には、第1態様による前記第2情報提示演出と、第2態様による前記第2情報提示演出と、があり、前記第2情報提示演出が実行されるとき、前記第1態様による前記第2情報提示演出、及び前記第2態様による前記第2情報提示演出のうち何れか一方のみが実行されることがあることを特徴とする遊技機。
【0200】
(ニ)第1当りに基づく第1当り遊技と、第2当りに基づく第2当り遊技を付与可能な遊技機において、第1図柄変動ゲームを実行する第1表示装置と、第2図柄変動ゲームを実行する第2表示装置と、第1始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第1図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第1記憶手段と、第2始動入賞口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留されうる前記第2図柄変動ゲームを特定可能な保留情報を記憶する第2記憶手段と、遊技者にとって有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、前記有利状態は、前記第2図柄変動ゲームが実行され易い状態であり、前記第1当り遊技は、前記第2当り遊技よりも遊技者に付与される利益が大きい当り遊技であり、当りとなっても前記第1当り遊技が付与されない可能性があることを特定可能な情報を提示する第1情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、演出実行手段により実行可能とされ、前記第2図柄変動ゲームにおいて、当りとなれば前記第1当り遊技が付与されることを特定可能であると共に前記第2当り遊技が付与されないことを特定可能な情報を提示する第2情報提示演出が、前記有利状態が付与された後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、演出実行手段により実行可能とされ、前記有利状態が付与されてから前記第2情報提示演出が未だ実行されていないとき、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されると、電力供給が開始されてから所定回数の前記第2図柄変動ゲームが終了するまでの期間において、前記第2情報提示演出の実行が制限され、電力供給が開始されてから前記所定回数の前記第2図柄変動ゲームが終了した後、最初に実行される前記第2図柄変動ゲームの開始以降に、前記第2情報提示演出が実行可能とされ、前記第2情報提示演出には、第1態様による前記第2情報提示演出と、第2態様による前記第2情報提示演出と、があり、前記第2情報提示演出が実行されるとき、前記第1態様による前記第2情報提示演出、及び前記第2態様による前記第2情報提示演出のうち何れか一方のみが実行されるときと、前記第1態様による前記第2情報提示演出、及び前記第2態様による前記第2情報提示演出の両方が実行されるときがあることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0201】
AC1…アクチュエータ AC2…アクチュエータ C…中心線 CS…カウントセンサ Gc…キャラクタ画像 GH…画像表示領域 Gj1…第1情報提示画像 Gj2a…第2情報提示画像 Gj2b…第2情報提示画像 Gm…モード画像 GS…ゲートセンサ Gs1…第1保留数画像 Gs2…第2保留数画像 HD…発射ハンドル La…装飾ランプ SE1,SE2…始動センサ Sp…スピーカ YB…遊技盤 YBa…遊技領域 ZA…大当り図柄 Za…大当り図柄 ZB…大当り図柄 Zb…大当り図柄 ZC…大当り図柄 10…パチンコ遊技機 11…演出表示装置 12…第1始動入賞口 13…第2始動入賞口 14…大入賞口 18…作動ゲート 18a…ゲート口 19…打出通路 20…逆戻り防止弁 21…アウト口 23a…特別図柄表示装置 23b…特別図柄表示装置 24a…保留表示装置 24b…保留表示装置 25…普通図柄表示装置 30…主制御基板 30a…主制御用CPU 30b…主制御用ROM 30c…主制御用RAM 30d…乱数生成回路 31…副制御基板 31a…副制御用CPU 31b…副制御用ROM 31c…副制御用RAM
図1
図2
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図9