(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074021
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】レーザ切断装置、レーザ切断方法、及びディスプレイの製造方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/38 20140101AFI20230522BHJP
C03B 33/09 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
B23K26/38 Z
C03B33/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186715
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】521476506
【氏名又は名称】JSWアクティナシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小田嶋 保
(72)【発明者】
【氏名】下地 輝昭
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】小林 直之
【テーマコード(参考)】
4E168
4G015
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168CA06
4E168CB03
4E168CB23
4E168DA02
4E168DA04
4E168DA13
4E168GA01
4E168GA02
4E168HA01
4E168JA14
4E168JB03
4G015FA06
4G015FB01
4G015FB02
4G015FC02
(57)【要約】
【課題】効率的に切断プロセスを行うことができるレーザ切断装置、及びディスプレイの製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態にかかるレーザ切断装置1は、ワークWを吸着保持するステージ20と、ワークWを切断するためのレーザ光をワークに導く光学系30と、上面視において、第1の方向に光学系30を移動可能に保持するガイド機構と、ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる第1駆動機構と、上面視において、ガイド機構を第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2駆動機構と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを吸着保持するステージと、
前記ワークを切断するためのレーザ光を前記ワークに導く光学系と、
上面視において、第1の方向に前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、
前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる第1駆動機構と、
前記上面視において、前記ガイド機構を前記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2駆動機構と、を備えたレーザ切断装置。
【請求項2】
前記ガイド機構が複数設けられ、
それぞれの前記ガイド機構が1つ以上の前記光学系を保持している請求項1に記載のレーザ切断装置。
【請求項3】
前記ガイド機構が複数の前記光学系を保持している請求項1、又は2に記載のレーザ切断装置。
【請求項4】
前記光学系が、
第1の波長のレーザ光をワークに導く第1光学系と、
前記第1光学系と独立して設けられ、前記第1の波長とは異なる第2の波長のレーザ光を前記ワークに導く第2光学系とを備えている請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザ切断装置。
【請求項5】
前記第1の方向に移動可能に設けられた移載機構をさらに備え、
前記移載機構が前記ワークを前記ステージに移載する、又は前記ステージから前記ワークを移載する請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ切断装置。
【請求項6】
前記移載機構が、前記ワークを上側から吸着する吸着部と、
前記吸着部を上下方向に移動させる昇降機構と、を備えている請求項5に記載のレーザ切断装置。
【請求項7】
前記第1の方向において、前記ステージの両端にそれぞれ前記移載機構が配置されている請求項5、又は6に記載のレーザ切断装置。
【請求項8】
レーザ切断装置を用いてワークを切断するレーザ切断方法であって、
前記レーザ切断装置は、
前記ワークを切断するためのレーザ光を前記ワークに導く光学系と、
上面視において、第1の方向に前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、
前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる第1駆動機構と、
前記上面視において、前記ガイド機構を前記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2駆動機構と、を備え、
前記レーザ切断方法は、
ステージが前記ワークを吸着保持するステップと、
前記ワークにおける前記レーザ光の照射位置を変えるために、前記光学系を移動させるステップと、備えたレーザ切断方法。
【請求項9】
前記レーザ切断装置には、前記ガイド機構が複数設けられ、
それぞれの前記ガイド機構が1つ以上の前記光学系を保持している請求項8に記載のレーザ切断方法。
【請求項10】
前記ガイド機構が複数の前記光学系を保持している請求項8、又は9に記載のレーザ切断方法。
【請求項11】
前記光学系が、
第1の波長のレーザ光をワークに導く第1光学系と、
前記第1光学系と独立して設けられ、前記第1の波長とは異なる第2の波長のレーザ光を前記ワークに導く第2光学系とを備えている請求項8~10のいずれか1項に記載のレーザ切断方法。
【請求項12】
前記第1の方向に移動可能に設けられた移載機構が、前記ワークを前記ステージに移載するステップをさらに備えた請求項8~11のいずれか1項に記載のレーザ切断方法。
【請求項13】
前記移載機構が、前記ワークを上側から吸着する吸着部と、
前記吸着部を上下方向に移動させる昇降機構と、を備えている請求項12に記載のレーザ切断方法。
【請求項14】
前記第1の方向において、前記移載機構が前記ステージの両端にそれぞれ配置され、
前記第1の方向に移動可能に設けられた移載機構が、前記ステージから前記ワークを移載するステップをさらに備えた請求項12、又は13に記載のレーザ切断方法。
【請求項15】
表示パネルとなるワークをレーザ切断装置で切断するディスプレイの製造方法であって、
前記レーザ切断装置は、
前記ワークを切断するためのレーザ光を前記ワークに導く光学系と、
上面視において、第1の方向に前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、
前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる第1駆動機構と、
前記上面視において、前記ガイド機構を前記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2駆動機構と、を備え、
前記製造方法は、
ステージが前記ワークを吸着保持するステップと、
前記ワークにおける前記レーザ光の照射位置を変えるために、前記光学系を移動させるステップと、備えたディスプレイの製造方法。
【請求項16】
前記レーザ切断装置には、前記ガイド機構が複数設けられ、
それぞれの前記ガイド機構が1つ以上の前記光学系を保持している請求項15に記載のディスプレイの製造方法。
【請求項17】
前記ガイド機構が複数の前記光学系を保持している請求項15、又は16に記載のディスプレイの製造方法。
【請求項18】
前記光学系が、
第1の波長のレーザ光をワークに導く第1光学系と、
前記第1光学系と独立して設けられ、前記第1の波長とは異なる第2の波長のレーザ光を前記ワークに導く第2光学系とを備えている請求項15~17のいずれか1項に記載のディスプレイの製造方法。
【請求項19】
前記第1の方向に移動可能に設けられた移載機構が、前記ワークを前記ステージに移載するステップをさらに備えた請求項15~18のいずれか1項に記載のディスプレイの製造方法。
【請求項20】
前記移載機構が、前記ワークを上側から吸着する吸着部と、
前記吸着部を上下方向に移動させる昇降機構と、を備えている請求項19に記載のディスプレイの製造方法。
【請求項21】
前記第1の方向において、前記移載機構が前記ステージの両端にそれぞれ配置され、
前記第1の方向に移動可能に設けられた移載機構が、前記ステージから前記ワークを移載するステップをさらに備えた請求項19、又は20に記載のディスプレイの製造方法。
【請求項22】
第8世代以上のガラス基板を吸着保持するための、固定されたステージと、
前記ガラス基板を切断するためのレーザ光を該ガラス基板に導く光学系と、
前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、
前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる駆動機構と、
を備えたレーザ切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ切断装置、レーザ切断方法、及びディスプレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザ切断装置が開示されている。特許文献1のレーザ切断装置は、紫外線レーザ発振装置と赤外線レーザ発振装置とを備えている。ステージに載置されたガラス基板に赤外線レーザと紫外線レーザとが照射されている。基板に対する赤外線レーザと紫外線レーザとの相対位置を移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなレーザ切断装置では、より効率的にワークを切断することが望まれる。特に、ディスプレイ用の基板の大型化に伴い、より効率的にプロセスを行うことが望まれる。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、レーザ切断装置は、ワークを吸着保持するステージと、前記ワークを切断するためのレーザ光を前記ワークに導く光学系と、上面視において、第1の方向に前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる第1駆動機構と、前記上面視において、前記ガイド機構を前記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2駆動機構と、を備えている。
【0007】
一実施の形態によれば、レーザ切断方法は、レーザ切断装置を用いてワークを切断するレーザ切断方法であって、前記レーザ切断装置は、前記ワークを切断するためのレーザ光を前記ワークに導く光学系と、上面視において、第1の方向に前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる第1駆動機構と、前記上面視において、前記ガイド機構を前記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2駆動機構と、を備え、前記レーザ切断方法は、ステージが前記ワークを吸着保持するステップと、前記ワークにおける前記レーザ光の照射位置を変えるために、前記光学系を移動させるステップと、備えている。
【0008】
一実施の形態によれば、製造方法は、表示パネルとなるワークをレーザ切断装置で切断するディスプレイの製造方法であって、前記レーザ切断装置は、前記ワークを切断するためのレーザ光を前記ワークに導く光学系と、上面視において、第1の方向に前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる第1駆動機構と、前記上面視において、前記ガイド機構を前記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2駆動機構と、を備え、前記製造方法は、ステージが前記ワークを吸着保持するステップと、前記ワークにおける前記レーザ光の照射位置を変えるために、前記光学系を移動させるステップと、備えている。
【0009】
本実施の形態にかかるレーザ切断装置は、第8世代以上のガラス基板を吸着保持するための、固定されたステージと、前記ガラス基板を切断するためのレーザ光を該ガラス基板に導く光学系と、前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる駆動機構と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
前記一実施の形態によれば、効率良くワークを切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】施の形態にかかるレーザ切断装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】実施の形態にかかるレーザ切断装置を模式的に示す上面図である。
【
図3】実施の形態にかかるレーザ切断装置を模式的に示す側面図である。
【
図4】実施の形態にかかるレーザ切断装置を模式的に示す側面図である。
【
図5】レーザ切断装置とその移載システムを模式的に示す上面図である。
【
図6】レーザ切断装置とその移載システムを模式的に示す側面図である。
【
図7】レーザ切断装置とその移載システムを模式的に示す側面図である。
【
図8】移載機構がステージの上方にある状態を模式的に示す側面図である。
【
図9】吸着プレートが下降した状態を模式的に示す側面図である。
【
図10】変形例にかかる移載システムを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施の形態にかかるレーザ切断装置は、例えば、フレキシブルディスプレイのフィルムを切断するフィルムレーザカッティング装置(FLC装置)である。具体的には、フレキシブルフィルムを吸着ステージで吸着保持した状態で、レーザ光をフレキシブルフィルムに照射する。そして、フレキシブルフィルムに対するレーザ光の相対的な位置を移動させることで、フィルムを切断することができる。
【0013】
従って、本実施の形態では、ワークとしてはフレキシブルフィルム(単にフィルムともいう)が用いられている。レーザ切断装置がディスプレイのパネルサイズに合わせて、ワークを切断する。そして、1枚のワークから1つ又は複数の表示パネルが切り出される。つまり、ワークは多面取りのマザー基板になっている。以下、図面を参照して本実施の形態にかかる、レーザ切断装置、レーザ切断方法、及びディスプレイの製造方法について説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1~
図4を用いて、本実施の形態にかかるレーザ切断装置の構成について説明する。
図1は、レーザ切断装置1の構成を模式的に示す斜視図ある。
図2は、レーザ切断装置1の構成を模式的に示す上面図である。
図3は、レーザ切断装置1の構成を模式的に示すYZ平面図である。
図4は、レーザ切断装置1の構成を模式的に示すXZ平面図である。
【0015】
なお、以下に示す図では、説明の簡略化のため、適宜、XYZ3次元直交座標系を示している。Z方向は鉛直上下方向であり、ワークWの主面に直交する方向である。X方向及びY方向は、上面視において矩形状のワークWの端辺と平行な方向である。なお、ワークWの切断線はX方向又はY方向と平行な方向であるとする。
【0016】
レーザ切断装置1は、架台10,ステージ20、光学系30、光学系31、ガントリーステージ40、ガントリーステージ41を備えている。架台10は、ステージ20等を保持するテーブルである。ステージ20は、架台10の上に固定されている。
【0017】
ステージ20は、ワークWを吸着保持する吸着ステージである。つまり、ステージ20は、バキュームチャックを行うためのチャックステージとなっている。ステージ20の上面が吸着面となっている。吸着面はXY平面と平行な平面になっている。例えば、ステージ20は図示しない真空ポンプなどの排気手段に接続されている。そして、ステージ20の吸着面から気体を吸引することで、ステージ20がワークWを吸着保持することができる。ワークWがステージ20の上に載せられた状態で、ステージ20がワークWを吸着する。これにより、フィルムのしわや反りが発生するのを防ぐことができる。
【0018】
具体的には、ステージ20は、多孔質体を有している。例えば、ステージ20は、多孔質アルミナや多孔質SiC等のセラミック材料で形成されている。ステージ20をポーラス材料で形成することで、ワークWを確実に吸着保持することができる。なお、ステージ20は、アルミニウムやステンレスなどの金属材料などで形成されていてもよい。つまり、ステージ20は、金属加工により複数の吸引口が形成されたメタルステージであってもよい。また、ステージ20において、切断線となる箇所には、溝が設けられていても良い。このようにすることで、レーザ照射によるステージ20に対するダメージを抑制することができる。
【0019】
さらに、架台10の上面には、測定器15が設けられている。測定器15は、ワークWを撮像するカメラ等を有している。測定器15は、上面視において、矩形状のステージ20の角部近傍に配置されている。測定器15は、ステージ20上のワークWを撮像する。ワークWを撮像した画像により、ワークWが位置合わせされてもよい。
【0020】
さらに、架台10の上には、レーザ光をワークWに照射するための光学系30,及び光学系31が設けられている。光学系30、及び光学系31は、X方向及びY方向に移動可能に設けられている。光学系30、及び光学系31は、X方向及びY方向に移動することで、ワークWの任意の位置にレーザ光を照射することができる。具体的には、光学系30,及び光学系31を切断線に沿って移動することで、レーザ光が切断線に沿って照射される。切断線は、ワークWにおけるパネルサイズ及びパネル数により予め設定されている。
【0021】
光学系30、及び光学系31はステージ20よりも上方に配置されている。光学系30、及び光学系31は、上側からワークWにレーザ光を照射する。光学系30、及び光学系31がそれぞれガントリーステージ40、41に支持されている。よって、光学系30,31がそれぞれXY方向に移動する。以下、ガントリーステージ40,41による光学系30,31のXY駆動について説明する。
【0022】
架台10の上面には、Xガイド溝11が設けられている。Xガイド溝11は、X方向と平行に形成されている。
図2に示すように、Y方向におけるステージ20の両側にそれぞれ、Xガイド溝11が形成されている。つまり、架台10は、ステージ20の+Y側に配置されたXガイド溝11と-Y側に配置されたXガイド溝11とを有している。
【0023】
Xガイド溝11を有する架台10は、ガントリーステージ40、41をX方向に移動可能に保持するXガイド機構となる。なお、Xガイド溝11は架台10に直接形成されていてもよく、架台10と別体として形成されていても良い。例えば、架台10に取り付けられたガイドレールが、Xガイド機構となっていてもよい。
【0024】
このように、ガントリーステージ40とガントリーステージ41とは、Xガイド溝11にガイドされて、架台10の上を移動する。Xガイド溝11は、ガントリーステージ40とガントリーステージ41とで共通となっている。ガントリーステージ41ガントリーステージ40とは同様の構成となっている。ガントリーステージ40とガントリーステージ41とは、X方向に離間して配置されている。具体的には、ガントリーステージ41は、ガントリーステージ40の-Y側に配置される。
【0025】
ガントリーステージ40、及びガントリーステージ41は、Xガイド溝11に沿って移動する。具体的には、ガントリーステージ40は、X駆動機構401と、ガントリー軸402とを備えている。X駆動機構401は、ガントリー軸402をX方向に移動可能に支持している。Y方向において、X駆動機構401は、ガントリー軸402の両端に配置されている。X駆動機構401は、ガントリー軸402をX方向に移動するためのアクチュエータを有している。例えば、X駆動機構401のモータなどが動作することで、ガントリー軸402がX方向に移動する。
【0026】
ガントリー軸402はY方向に沿って延在している。具体的には、Y方向において、ガントリー軸402の一端はステージ20よりも+Y側に配置され、ガントリー軸402の他端はステージ20よりも-Y側に配置されている。ガントリー軸402の直下には、ステージ20よりも高い空間が形成されている。ガントリー軸402は、ステージ20の上方で、X方向に沿って移動する。つまり、ガントリー軸402は、ステージ20の上方を移動する。
【0027】
ガントリー軸402にはYガイド溝403が形成されている。Yガイド溝403はY方向と平行に形成されている。ガントリー軸402は、Yガイド溝403を介して、光学系30を保持している。したがって、ガントリー軸402は光学系30をY方向に移動可能に保持している。Y駆動機構303が光学系30を駆動することで、光学系30がYガイド溝403に沿って移動する。Yガイド溝403を有するガントリー軸402は、光学系30をY方向にガイドするYガイド機構となる。
【0028】
したがって、光学系30がX方向及びY方向に移動する。つまり、ワークWの上方の空間において、光学系30が移動する。これにより、ワークWにおける任意の位置にレーザ光を照射することができる。
【0029】
ガントリーステージ41は、ガントリーステージ40と独立して移動する。ガントリーステージ41は、ガントリーステージ40と同様の構成となっている。具体的には、ガントリーステージ41は、X駆動機構411と、ガントリー軸412とを備えている。X駆動機構411は、ガントリー軸412をX方向に移動可能に支持している。Y方向において、X駆動機構411は、ガントリー軸412の両端に配置されている。X駆動機構411は、ガントリー軸412をX方向に移動するためのアクチュエータを有している。例えば、X駆動機構411のモータなどが動作することで、ガントリー軸412がX方向に移動する。
【0030】
ガントリー軸412はY方向に沿って延在している。具体的には、Y方向において、ガントリー軸412の一端はステージ20よりも+Y側に配置され、ガントリー軸412の他端はステージ20よりも-Y側に配置されている。ガントリー軸412の直下には、ステージ20よりも高い空間が形成されている。ガントリー軸412は、ステージ20の上方で、X方向に沿って移動する。つまり、ガントリー軸412は、ステージ20の上方を移動する。
【0031】
ガントリー軸412にはYガイド溝413が形成されている。Yガイド溝413はY方向と平行に形成されている。ガントリー軸412は、Yガイド溝413を介して、光学系31を保持している。したがって、ガントリー軸412は光学系31をY方向に移動可能に保持している。Y駆動機構313が光学系31を駆動することで、光学系31がYガイド溝413に沿って移動する。Yガイド溝413を有するガントリー軸412は、光学系31をY方向にガイドするYガイド機構となる。
【0032】
したがって、光学系31がX方向及びY方向に移動する。つまり、ワークWの上方の空間において、光学系31が移動する。これにより、ワークWにおける任意の位置にレーザ光を照射することができる。
【0033】
次に、
図2、及び
図4を参照して、光学系30の構成について説明する。光学系30には、レーザ光源304、ミラー305、及びレンズ306が設けられている。レーザ光源304は、ガントリー軸402の上側に配置されている。レーザ光源304は、レーザ光L1を発生する。ここでは、レーザ光源304からのレーザ光L1はX方向に沿って進んでいる。つまり、レーザ光源304の光軸はX方向と平行になっている。
【0034】
レーザ光源304からレーザ光L1は、ミラー305に入射する。ミラー305はレーザ光源304,及びガントリー軸402よりも-X側に配置されている。ミラー305は、レーザ光L1を下方に反射する。ミラー305は、X軸に対して45°傾いて配置されている。ミラー305で反射したレーザ光L1は-Z方向に進んでいく。ミラー305で反射したレーザ光L1は、レンズ306に入射する。レンズ306はレーザ光をワークWに集光する。つまり、レンズ306は、ワークWに集光スポットが形成されるようにレーザ光L1を集光する。
【0035】
このように光学系30は、レーザ光L1をワークWに導くことができる。レーザ光L1が上側からワークWに照射される。レーザ光源304,ミラー305、及びレンズ306は筐体などに固定されている。よって、レーザ光源304、ミラー305、及びレンズ306が一体となって、X方向及びY方向に移動する。
【0036】
X方向に沿ってワークWを切断する場合、X駆動機構401がX方向にガントリーステージ40を駆動する。これにより、ガントリーステージ40上の光学系30がX方向に移動する。よって、ワークWにおいて、レーザ照射位置がX方向に移動する。
【0037】
Y方向に沿ってワークWを切断する場合、Y駆動機構303がY方向に光学系30を駆動する。これにより、光学系30がY方向に移動する。よって、ワークWにおいて、レーザ照射位置がY方向に移動する。このように、X方向又はY方向の切断線に沿ってワークWを切断することが可能になる。
【0038】
なお、光学系31の構成は、光学系30と同様になっている。光学系31は、Y駆動機構313によって、Y方向に移動する。つまり、光学系31は、ガントリーステージ41上をYガイド溝413に沿って移動する。さらに、X駆動機構411がガントリー軸412をX方向に移動する。これにより、光学系31は、X方向及びY方向に移動する。
【0039】
光学系31は、レーザ光源314、ミラー315、及びレンズ316が設けられている。レーザ光源314からのレーザ光L2がミラー315、レンズ316によりワークWに導かれる。光学系31がワークWの上方において、X方向及びY方向に移動することで、ワークWの任意の位置にレーザ光L2を照射することができる。
【0040】
X方向に沿ってワークWを切断する場合、X駆動機構411がX方向にガントリーステージ41を駆動する。これにより、ガントリーステージ41上の光学系31がX方向に移動する。よって、ワークWにおいて、レーザ照射位置がX方向に移動する。
【0041】
Y方向に沿ってワークWを切断する場合、Y駆動機構313がY方向に光学系31を駆動する。これにより、光学系31がY方向に移動する。よって、ワークWにおいて、レーザ照射位置がY方向に移動する。このように、X方向又はY方向の切断線に沿ってワークWを切断することが可能になる。
【0042】
なお、上記の説明では、光学系30,31にレーザ光源304,314が搭載されていたが、レーザ光源304、314は光学系30,31に搭載されていなくてもよい。つまり、レーザ光源304、314は光学系30,31の外側に搭載されていてもよい。この場合、光ファイバなどを用いて、レーザ光L1、L2を光学系30,光学系31に導くことができる。従って、光学系30,31は、レーザ光をワークWに導くための光学素子が搭載されていればよい。例えば、光学系30,31には、レンズ306、316やミラー305,315等が搭載されていればよい。
【0043】
本実施の形態では、ステージ20に吸着保持されているワークWにレーザ光が照射されている。ステージ20を吸着ステージとすることで、ワークWであるフィルムを平坦な状態で保持することができる。例えば、ワークWの反りやしわが発生するのを防ぐことができる。レーザ光の焦点位置をワークWに一致させることができる。よって、適切にワークWを切断することができる。
【0044】
さらに、ステージ20を移動させずに、光学系30、31を移動させている。つまり、ステージ20よりも小型で軽量な光学系30,31を移動させている。よって、駆動機構などを小型化することができる。さらに、光学系30,31を高速に移動させることができるため、高速なプロセスが可能となる。
【0045】
また、ステージ20が固定されているため、レーザ切断装置1のフットプリントを小さくすることができる。つまり、光学系30、31を移動させることで、ワークWにおけるレーザ照射位置が変化している。このようにすることで、大型のワークWを移動させる必要がなくなるため、レーザ切断装置1のフットプリントを小さくことができる。
【0046】
また、レーザ切断装置1は2つのガントリーステージ40,41を備えている。そして、ガントリーステージ40、ガントリーステージ41のそれぞれに光学系30、光学系31が取り付けられている。このようにすることで、このようにすることで、効率良くワークWを切断することができる。例えば、ワークWの2箇所以上に同時にレーザ光を照射することができる。よって、切断プロセスのタクトタイムを短縮することができる。もちろん、架台10に保持されているガントリーステージの数は1つでもよく、3つ以上であってもよい。
【0047】
さらに、本実施の形態では、1つのガントリーステージ40に2つの光学系30が設けられている。同様に、1つのガントリーステージ41に2つの光学系31が設けられている。このようにすることで、効率良くワークWを切断することができる。例えば、ワークWの2箇所以上に同時にレーザ光を照射することができる。よって、切断プロセスのタクトタイムを短縮することができる。もちろん、1つのガントリーステージ40、41に保持されている光学系30、31の数は1つでもよく、3つ以上であってもよい。
【0048】
また、光学系30,及び光学系31には、レーザ光をスキャンする光スキャナが設けられていても良い。例えば、ミラー305、315をそれぞれガルバノミラーにすることができる。ガルバノミラーをX方向及びY方向に走査可能な2軸の光スキャナとする。光スキャナがレーザ光を切断線に沿ってスキャンする。つまり、光学系30,31の移動とともに、光スキャナがレーザ光を往復スキャンする。このようにすることで、レーザ光の照射位置を高速に変化させることができる。よって、レーザ照射による発生する煤の量を低減することができる。
【0049】
また、ガントリーステージ40又はガントリーステージ41には、位置合わせ用のカメラが設けられていても良い。ワークWにおいて、切断線の近傍にアライメントを予め形成しておく。例えば、カメラの画角内に、アライメントマーク及び切断線が含まれるように形成する。光学系30に設けられたカメラが、ワークWのアライメントマークを撮像する。そして、撮像したXY位置に基づいて、光学系30が移動する。このようにすることで、切断位置の精度を向上することができる。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態2では、レーザ切断装置1は、異なる波長のレーザ光源を用いている。そして、プロセスに応じて、レーザ波長を切り替えている。つまり、レーザ切断プロセスに応じて、異なる波長のレーザ光を照射する。なお、レーザ切断装置1の基本的な構成については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0051】
2つのレーザ光源304,及び2つのレーザ光源314のうち、一つ以上を、CO2レーザ等の赤外線レーザ光源とし、他を紫外線レーザ光源とする。例えば、レーザ光L1を赤外線レーザとし、レーザ光L2を紫外線レーザとすることができる。このようにすることで、切断プロセスに応じて適切な波長のレーザ光を照射することができる。例えば、切断箇所においてフィルム上の積層された膜の構成等に応じて、レーザ波長を切替えて使用すればよい。
【0052】
例えば、実装端子部については紫外線レーザで切断プロセスを行うことで、端子間の短絡を防ぐことができる。実装端子部以外の部分については赤外線レーザで切断プロセスを行うことができる。
【0053】
実施の形態3.
次に、レーザ切断装置1に対するワークWの移載システムについて
図5、
図6、及び
図7を用いて説明する。
図5は、レーザ切断装置1と、その移載システム2を模式的に示す上面図である。
図6は、レーザ切断装置1と、その移載システム2を模式的に示すYZ平面図である。
図7は、レーザ切断装置1と、その移載システム2を模式的に示すXZ平面図である。レーザ切断装置1の基本的な構成は、
図1~
図4で示した構成と同様であるため詳細な説明を省略する。もちろん、レーザ切断装置1は、実施の形態1と異なる構成であってもよい。
【0054】
移載システム2は、可動フレーム3と、ガイドフレーム4と、移載機構7と、移載機構8とを備えている。ガイドフレーム4はY方向に沿って設けられている。ガイドフレーム4は、レーザ切断装置1の上方に吊されている。
【0055】
ガイドフレーム4は、可動フレーム3を移動可能に保持している。可動フレーム3は、ガイドフレーム4に沿ってY方向に移動する。可動フレーム3はモータなどのアクチュエータを有しており、移載機構7、又は移載機構8とともに、Y方向に移動する。ガイドフレーム4は、移載機構7、及び移載機構8のY方向の移動をガイドする。
【0056】
ここでは、
図5に示すように、2つの可動フレーム3がガイドフレーム4に取付けられている。一方の可動フレーム3は、レーザ切断装置1の-Y側に配置され、他方の可動フレーム3はレーザ切断装置1の+Y側に配置されている。一方の可動フレーム3は移載機構7を保持しており、他方の可動フレームは移載機構8を保持している。よって、一方の可動フレーム3の移動により、移載機構7が移動する。他方の可動フレーム3の移動により、移載機構8が移動する。
【0057】
可動フレーム3のモータが動作することで、移載機構7、又は移載機構8のY方向位置が変化する。移載機構7が移載ステージ70の真上にある時の移載機構7のY方向位置を退避位置とする。移載機構8が移載ステージ80の真上にある時の移載機構8のY方向位置を退避位置とする。
図5,
図6は移載機構7、移載機構8が退避位置にある状態を示している。移載機構7又は移載機構8がステージ20の真上にある時のY方向位置を搬入搬出位置とする。
図9は、移載機構7が搬入搬出位置にある状態を模式的に示す側面断面図である。
【0058】
図6に示されるように、移載ステージ70には、切断プロセス前のワークWが載せられている。移載機構7は、移載ステージ70上のワークWをレーザ切断装置1にロードする。切断プロセスが終了すると、移載機構8は、ワークWを移載ステージ80にアンロードする。これにより、切断処理済みのワークWが移載ステージ80に移載される。つまり、パネルサイズに切り分けられたワークWが移載ステージ80に移載される。
【0059】
移載機構7がワークWをレーザ切断装置1に搬入するローダであり、移載機構8がレーザ切断装置1からワークWを搬出するアンローダとして説明する。もちろん、移載機構7がアンローダ、移載機構8がローダとなっていても良い。さらには、移載機構7及び移載機構8の少なくとも一方がワークWの搬入及び搬出を行う移載機(ローダ/アンローダ)であっても良い。例えば、移載機構7がワークWをレーザ切断装置1に搬入した後、移載機構7がレーザ切断装置1からワークWを搬出しても良い。
【0060】
移載機構7の構成について説明する。移載機構7は、ホルダ712、吸着プレート713、昇降機構715を備えている。吸着プレート713は、ワークWを吸着する吸着部である。具体的には、吸着プレート713の下面が吸着面となっており、吸着プレート713は、上側からワークWを吸着する。吸着プレート713はステージ20と同様にワークWを真空吸着することができる。あるいは、吸着プレート713は吸着パッドなどを有していてもよい。
【0061】
ホルダ712は可動フレーム3に固定されている。ホルダ712には、昇降機構715が取付けられている。昇降機構715には、吸着プレート713が取り付けられている。つまり、吸着プレート713は、昇降機構715を介して、ホルダ712に取り付けられている。
【0062】
ホルダ712は、吸着プレート713をZ方向に移動可能に保持している。具体的には、昇降機構715はモータやシリンダなどのアクチュエータを備えており、吸着プレート713を昇降させる。すなわち、昇降機構715が吸着プレート713の高さを変えることができる。
図9は、搬入搬出位置において、昇降機構715が吸着プレート713を下降させた状態を模式的に示す側面断面図である。
【0063】
移載機構8の構成は、移載機構7と同様になっている。移載機構8は、ホルダ812、吸着プレート813、昇降機構815を備えている。ホルダ812は、可動フレーム3に固定されている。可動フレーム3のモータが動作することで、移載機構8がY方向に移動する。つまり、移載機構8は、
図5,
図7に示す退避位置からステージ20上の搬入搬出位置まで移動する。
【0064】
昇降機構815が吸着プレート813を昇降させる。ホルダ812、吸着プレート813、昇降機構815は、移載機構7のホルダ712、吸着プレート713、昇降機構715と同様であるため、詳細な説明については省略する。
【0065】
移載機構7が、移載ステージ70にあるワークWをレーザ切断装置1に搬入する動作について説明する。退避位置において、昇降機構715が
図7に示す高さから吸着プレート713を下降させる。これにより、
図9に示す構成となる。吸着プレート713がワークWの上面に接触するまで、昇降機構715が吸着プレート713を下降させる。
【0066】
吸着プレート713がワークWに接触したら、昇降機構715が昇降動作を停止させる。そして、吸着プレート713がワークWを吸着保持する。すなわち、吸着プレート713が上側からワークWを保持する。昇降機構715が吸着プレート713を上昇させる。これにより、移載ステージ70上にあったワークWが移載機構7に受け渡される。
【0067】
可動フレーム3が移載機構7を+Y方向に移動させる。可動フレーム3が移載機構7をステージ20の真上まで移動させる。可動フレーム3が搬入搬出位置に到達したら、Y方向の移動が停止する。次に、昇降機構715が吸着プレート713を下降させる。これにより、
図8に示す構成となる。ワークWがステージ20の上面に接触したら、昇降機構715が動作を停止する。つまり、吸着プレート713が受け渡し可能高さまで下降する。そして、吸着プレート713の吸着動作を停止するとともに、ステージ20がワークWを吸着する。これにより、吸着プレート713の吸着が開放され、ステージ20がワークWを吸着保持することができる。
【0068】
そして、昇降機構715が吸着プレート713を上昇させるとともに、可動フレーム3が-Y方向に移載機構7を移動させる。これにより、移載機構7が、退避位置に戻る。このようにすることで、移載機構7からステージ20上にワークWを移載することができる。そして、レーザ切断装置1による切断プロセスが実行される。
【0069】
次に、移載機構8が、ステージ20にあるワークWを移載ステージ80に搬出する動作について説明する。可動フレーム3が-Y方向に移動することで、移載機構8が搬入搬出位置まで移動する。搬入搬出位置において、昇降機構815が吸着プレート813を下降させる。吸着プレート813がワークWの上面に接触するまで、昇降機構815が吸着プレート813を下降させる。吸着プレート813がワークWに接触したら、昇降機構715が昇降動作を停止させる。そして、ステージ20がワークWの吸着を解除するとともに、吸着プレート813がワークWを吸着する。
【0070】
吸着プレート813が上側からワークWを吸着保持する。そして、昇降機構815が吸着プレート813を上昇させる。これにより、ステージ20上のワークWが移載機構8に受け渡される。可動フレーム3が移載機構8を+Y方向に移動させる。
【0071】
可動フレーム3が移載機構7を移載ステージ80の真上まで移動させる。可動フレーム3が退避位置で停止したら、昇降機構815が吸着プレート813を下降させる。ワークWが移載ステージ80の上面に接触したら、昇降機構815が動作を停止する。そして、吸着プレート813の吸着動作を停止する。これにより、吸着プレート813の吸着が解除され、移載ステージ80上に処理済みのワークWが搬出される。
【0072】
このように、吸着プレート713又は吸着プレート813が上側からワークWを吸着保持している。移載機構7、及び移載機構8は、ステージ20の真上の搬入搬出位置まで移動している。そして、ステージ20の上側から移載機構7、及び移載機構8がワークWの受け渡しを行っている。このようにすることで、ワークWとなるフィルムにしわが形成されることを防ぐことができる。
【0073】
Y方向において、レーザ切断装置1の両側に移載機構7、8が設けられている。つまり、レーザ切断装置1の-Y側に移載機構7が設けられ、+Y側に移載機構8が設けられている。このようにすることで、ワークWの搬入、搬出を効率的に行うことができる。例えば、移載機構8がワークWを搬出している間に、移載機構7がワークWの搬入プロセスを開始することができる。つまり、搬出プロセスと搬入プロセスの少なくとも一部を同時に実行することができる。よって、タクトタイムを短縮することができる。
【0074】
さらに、可動フレーム3が移載機構7、又は移載機構8をY方向に移動させている。このようにすることで、移載機構7、移載機構8がガントリーステージ40、及びガントリーステージ41と干渉することを防ぐことができる。例えば上面視において、ガントリーステージ40とガントリーステージ41とをステージ20の外側に退避させた状態で、移載機構7及び移載機構8がワークWを移載する。よって、簡便にワークWを移載することができる。
【0075】
変形例1.
変形例1にかかる移載システム2について、
図10を用いて説明する。
図10は、レーザ切断装置1とその移載システム2を示す上面図である。変形例1では、移載システム2が1つの移載機構7を有している。換言すると、
図5~
図9で示された移載機構8が設けられていない構成となっている。
【0076】
移載機構7は、
図5~
図9で示した移載機構7と同様の構成となっている。そして、移載機構7は、ワークWの搬入及び搬出を行うローダ/アンローダとなっている。この構成により、移載機構の数を1つとすることができるため、装置コストを削減することができる。さらに、レーザ切断装置1のフットプリントを小さくすることができる。
【0077】
実施の形態1~3で示したレーザ切断装置によるレーザ切断方法は、ステージ20がワークWを吸着保持するステップと、レーザ光の照射位置を変えるために光学系30又は光学系31を移動するステップを備えている。また、レーザ切断方法は、Y方向に移動可能に設けられた移載機構7が、ワークWをステージ20に移載するステップをさらに備えていてもよい。レーザ切断方法は、Y方向に移動可能に設けられた移載機構8が、ステージ20からワークWを移載するステップをさらに備えていてもよい。
【0078】
実施の形態1~3で示したレーザ切断装置によるレーザ切断方法は、ディスプレイの製造方法に適用可能である。つまり、レーザ切断方法をディスプレイの製造方法における切断工程に用いることができる。具体的には、ワークWとして表示パネルとなるフィルムや基板を用いることができる。つまり、レーザ切断装置1は、表示パネルとなるワークWを切断する。これにより、ワークWから所定のサイズの表示パネルが切り出される。つまり、ワークWを複数の表示パネルに分割することができる。上記のレーザ切断方法を、フレキシブルディスプレイの製造方法に適用することで、生産性を向上することができる。もちろん、ワークWはフレキシブルフィルムに限らず、ガラス基板などであってもよい。
【0079】
上記のレーザ切断装置は、第8世代以上のガラス基板の切断に好適である。ここで、第8世代の基板サイズは、2160mm×2460mmである。レーザ切断装置は、2160mm×2460mm以上のサイズのガラス基板を効率良く切断することができる。なお、第6世代の基板サイズは、1500mm×1850mmである。第8.5世代の基板サイズは、2250mm×2500mmである。第10世代は、2950mm×3400mmである。レーザ切断装置は、上記のサイズ以上のガラス基板の切断に適用することができる。
【0080】
本実施の形態にかかるレーザ切断装置は、第8世代以上のガラス基板を吸着保持するための、固定されたステージと、前記ガラス基板を切断するためのレーザ光を該ガラス基板に導く光学系と、前記光学系を移動可能に保持するガイド機構と、前記ガイド機構に沿って前記光学系を移動させる駆動機構と、を備えている。
【0081】
ガラス基板の面積はその世代とともに増大している。特に第8世代以上の大型基板を扱う場合に吸着ステージを移動させる構成とすると、装置が大型化し設置面積が増大するという問題が顕著になる。これに対し、本実施例のように吸着ステージを固定した構成とすることで設置面積の増大を抑制することができる。
【0082】
実施の形態1~3の一部又は全部は適宜組み合わせて使用することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 レーザ切断装置
3 可動フレーム
4 ガイドフレーム
7 移載機構
8 移載機構
10 架台
11 Xガイド溝
15 測定器
20 ステージ
30 光学系
303 Y駆動機構
304 レーザ光源
305 ミラー
306 レンズ
31 光学系
313 Y駆動機構
314 レーザ光源
315 ミラー
316 レンズ
40 ガントリーステージ
401 X駆動機構
402 ガントリー軸
403 Yガイド溝
41 ガントリーステージ
411 X駆動機構
412 ガントリー軸
413 Yガイド溝
70 移載ステージ
80 移載ステージ
712 ホルダ
713 吸着プレート
715 昇降機構
812 ホルダ
813 吸着プレート
815 昇降機構