(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007404
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】競技における賭けを支援するためのシステム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20230111BHJP
【FI】
G06Q50/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074994
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2021106698の分割
【原出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】520208845
【氏名又は名称】株式会社クロス・デジタル・イノベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC54
(57)【要約】
【課題】適切なオッズを提示することにより、eスポーツ等の競技における賭けを支援するためのシステム等を提供すること
【解決手段】本発明の競技における賭けを支援するためのシステムは、競技の少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得する取得手段と、前記取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、前記少なくとも1人のプレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出する第1の算出手段と、前記競技の特徴を表す第2のスコアを算出する第2の算出手段と、前記第1のスコアと前記第2のスコアとに基づいて、前記競技における賭けのオッズを決定する決定手段とを備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競技における賭けを支援するためのシステム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)が普及しつつある。例えば、特許文献1は、ゲーム画像をeスポーツ用にストリーミング配信することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者は、eスポーツにおいて、ネットワークを通じて、プレーヤ同士が対戦し、その対戦を観衆が観戦することができるようなプラットフォームを提供することで、多くのユーザがeスポーツを楽しむことができるのではないかと考えた。さらに、そのようなプラットフォームで賭けを提供することで、新たなユーザ体験を提供することができるのではないかとも考えた。
【0005】
本発明は、適切なオッズを提示することにより、eスポーツ等の競技における賭けを支援するためのシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
競技における賭けを支援するためのシステムであって、
競技の少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得する取得手段と、
前記取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、前記少なくとも1人のプレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出する第1の算出手段と、
前記競技の特徴を表す第2のスコアを算出する第2の算出手段と、
前記第1のスコアと前記第2のスコアとに基づいて、前記競技における賭けのオッズを決定する決定手段と
を備える、システム。
(項目2)
前記競技のルールを変更する変更手段をさらに備え、
前記変更手段によって前記ルールが変更されると、
前記第2の算出手段は、前記変更されたルールに基づいて、前記第2のスコアを算出し、
前記決定手段は、前記第1のスコアと前記変更されたルールに基づいて算出された第2のスコアとに基づいて、前記オッズを決定する、
項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記変更手段は、
前記ルールの変更に関して、前記競技の関係人による投票を受けることと、
前記投票の結果に基づいて、前記ルールを変更することと
を行う、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記競技は、eスポーツにおける競技であり、
前記関係人は、前記競技に関するガバナンストークンを有している人である、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記競技は、eスポーツにおける競技であり、
前記少なくとも1人のプレーヤは、第1のユーザが操作する第1のプレーヤと、前記第1のユーザのアバターとを含み、
前記第1の算出手段は、前記第1のプレーヤの第1のスコアと、前記アバターの第1のスコアとを算出し、
前記決定手段は、前記第1のプレーヤの第1のスコアと、前記アバターの第1のスコアと、前記第2のスコアとに基づいて、前記オッズを決定する、
項目1~4のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
前記算出手段は、前記取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、パーソナリティに関する概念と相関する程度に応じて前記第1のスコアを算出する、項目1~5のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
前記賭けを行うユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得する第2の取得手段と、
前記取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、前記ユーザの特徴を表す第3のスコアを算出する第3の算出手段と
をさらに備え、
前記決定手段は、前記第3のスコアにさらに基づいて、前記オッズを決定する、項目1~6のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
前記第3のスコアに基づいて、前記ユーザに好適な賭けを決定する第2の決定手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記決定された賭けに関するオッズを決定する、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、改ざん不可能に記憶されている、項目1~8のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
前記取得手段は、前記少なくとも1人のプレーヤに関連付けられたデバイスから前記データを取得する、項目1~9のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
前記取得手段は、前記プレーヤが主体的に開示したインフォメーションを取得する、項目1~10のいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
競技における賭けを支援するための方法であって、
競技の少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得することと、
前記取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、前記少なくとも1人のプレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出することと、
前記競技の特徴を表す第2のスコアを算出することと、
前記第1のスコアと前記第2のスコアとに基づいて、前記競技における賭けのオッズを決定することと
を含む、方法。
(項目12A)
上記項目のうちの1つまたは複数に記載の特徴を含む、項目12に記載の方法。
(項目13)
競技における賭けを支援するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
競技の少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得することと、
前記取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、前記少なくとも1人のプレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出することと、
前記競技の特徴を表す第2のスコアを算出することと、
前記第1のスコアと前記第2のスコアとに基づいて、前記競技における賭けのオッズを決定することと
を含む処理を前記プロセッサに行わせる、プログラム。
(項目13A)
上記項目のうちの1つまたは複数に記載の特徴を含む、項目13に記載のプログラム。(項目14)
競技における賭けを支援するためのプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、プロセッサを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
競技の少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得することと、
前記取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、前記少なくとも1人のプレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出することと、
前記競技の特徴を表す第2のスコアを算出することと、
前記第1のスコアと前記第2のスコアとに基づいて、前記競技における賭けのオッズを決定することと
を含む処理を前記プロセッサに行わせる、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
(項目14A)
上記項目のうちの1つまたは複数に記載の特徴を含む、項目14に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、賭けを行うユーザに適切なオッズを提示することが可能な、競技における賭けを支援するためのシステム等を提供することができる。これにより、ユーザの賭け意欲を高め、eスポーツ等における賭けの普及につながり得る。特に、eスポーツにおける賭けを支援することにより、今までにない新たなユーザ体験を提供することができる。新たなユーザ体験は、例えば、何万人ものユーザが関与する競技において賭けを行う体験、突然開催される競技において賭けを行う体験、ルールが頻繁に変わる競技において賭けを行う体験、プレーヤが自身のアバターと対戦する競技において賭けを行う体験等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】eスポーツにおける賭けを行うためのプラットフォーム10での賭けのフローの一例を概略的に示す図
【
図1B】eスポーツにおける賭けを行うためのプラットフォーム10での賭けのフローの別の一例を概略的に示す図
【
図2A】競技における賭けを支援するためのシステム100の構成の一例を示す図
【
図2B】競技における賭けを支援するためのシステム100の具体的な構成の一例を示す図
【
図2C】データベース部200に格納される情報の関連付けを示す概念図
【
図3B】プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す図
【
図3C】プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す図
【
図4】第1の算出手段122が利用し得るニューラルネットワークモデルの構造の一例を示す図
【
図5A】競技における賭けを支援するためのシステム100における処理の一例(処理500)を示すフローチャート
【
図5B】処理500の続きの処理を示すフローチャート
【
図6】競技における賭けを支援するためのシステム100における処理の別の一例(処理600)を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
1.eスポーツにおける賭けサービス
本発明の発明者は、eスポーツにおける賭けを支援するための新たなサービスを開発した。このサービスでは、eスポーツのためのプラットフォームが提供される。プラットフォームでは、eスポーツが行われることができる。eスポーツのプレーヤは、このプラットフォームにアクセスし、eスポーツをプレイすることができる。eスポーツの観戦者は、このプラットフォームにアクセスし、eスポーツを観戦することができ、さらには、賭けを行うユーザとして、賭けを行うこともできる。例えば、eスポーツのスポンサーは、このプラットフォームに広告を出すことにより、eスポーツのプレーヤおよび観戦者に訴求することができる。
【0011】
本明細書において、「eスポーツ」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う競技を意味する。狭義には、「eスポーツ」は、コンピューターゲームまたはビデオゲームを使った勝負をスポーツ競技として捉える際のその勝負のことを意味する。eスポーツの競技は、スポーツゲームのみならず、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、格闘ゲーム、レーシングゲーム、パズルゲーム、カードゲーム、RPGを含むが、これらに限定されない。本例では、eスポーツの競技としてゴルフゲームを例に説明する。
【0012】
図1Aは、eスポーツにおける賭けを行うためのプラットフォーム10での賭けのフローの一例を概略的に示す。
【0013】
ステップS1では、2人のプレーヤ20A、20Bがプラットフォーム10にアクセスし、プラットフォーム10でのゴルフゲームにエントリーする。2人のプレーヤ20A、20Bは、例えば、自身の端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、スマートグラス、パーソナルコンピュータ)を用いて、プラットフォーム10にアクセスすることができる。ゴルフゲームでは、プレーヤ20Aは、キャラクターAを操作し、プレーヤ20Bは、キャラクターB(図示せず)を操作して、プレーヤ20A、20Bが対戦することになる。
【0014】
本例では、2人のプレーヤ20A、20Bによるゴルフゲーム対戦を示しているが、プレーヤの人数および対戦形式はこれに限定されない。例えば、3人以上のプレーヤによる対戦であってもよいし、1人のプレーヤによるコンピュータプレーヤ(non player character:NPU)との対戦であってもよい。コンピュータプレーヤは、例えば、プレーヤの特徴をコピーしたアバターまたはデジタルクローンであってもよい。対戦は、チーム戦であってもよいし、個人戦であってもよい。
【0015】
ゴルフゲームには、ルールが存在し、プラットフォーム10では、ルール11が示される。2人のプレーヤ20A、20Bは、ルール11に従って、ゴルフゲームをプレイすることになる。
【0016】
2人のプレーヤ20A、20Bは、ゴルフゲームにエントリーするとき、プレーヤ20A、20Bに関するデータおよび/またはインフォメーションをプラットフォーム10に提供することができる。
【0017】
ここで、プレーヤに関するデータは、プレーヤに関する客観的な情報をいう。プレーヤに関するデータは、例えば、プレーヤの端末装置および/またはプレーヤの端末装置と通信可能なIoTデバイスから取得され得る。ユーザに関するデータは、例えば、プレーヤの行動履歴(例えば、運動履歴、健康活動履歴、購買履歴、節約行動履歴、食事履歴、Webページの閲覧履歴、AIスピーカとの会話履歴、SNS利用履歴等)、健康情報(例えば、身長、体重、血圧、心拍数、罹患している病気等)、DNAに関する情報等を含むがこれらに限定されない。プレーヤに関するデータは、プレーヤの個人情報を含み得る。ゲームの戦績等のゲームに関する情報は、プラットフォーム10に格納されているため、プレーヤに関するデータに含まれなくてもよい。
【0018】
ここで、プレーヤに関するインフォメーションは、プレーヤを主体とする主観的な情報をいう。プレーヤに関するインフォメーションは、例えば、プレーヤが端末装置に直接入力することによって取得され得る。あるいは、プレーヤに関するインフォメーションは、例えば、プレーヤに対する問診または質問等から間接的に導出され得る。プレーヤに関するインフォメーションは、例えば、趣味、好み、行動理由(例えば、現在または過去の職業の志望動機、過去の職業からの転職理由等)等を含むがこれらに限定されない。
【0019】
プレーヤ20A、20Bはそれぞれ、例えば、自身の端末装置を介して、それぞれに関するデータおよび/またはインフォメーションをプラットフォーム10に提供することができる。あるいは、プレーヤ20A、20Bはそれぞれ、例えば、それぞれに関連付けられたIoTデバイスを介して、それぞれに関するデータおよび/またはインフォメーションをプラットフォーム10に提供することができる。
【0020】
プレーヤ20A、20Bがゲームにエントリーすると、ゴルフゲームのルール11と、各プレーヤ20A、20Bに関するデータおよび/またはインフォメーションとに基づいて、ゴルフゲームにおける賭けのオッズが決定される。本明細書において、オッズとは、賭けに勝った場合の配当の倍率のことをいう。例えば、オッズが2.5倍の賭けに勝った場合、配当は、賭け金の2.5倍となる。
【0021】
オッズは、ゴルフゲームのルール11と、各プレーヤ20A、20Bに関するデータおよび/またはインフォメーションとに加えて、ゴルフゲームでの戦績も考慮されてもよい。しかしながら、ゲームの戦績は必須ではない。従って、プレーヤ20Aとプレーヤ20Bとが初めて対戦する場合(すなわち、プレーヤ20Aとプレーヤ20Bとの対戦成績が存在しない場合)であっても、適切なオッズが決定されることができる。さらには、プレーヤ20Aおよびプレーヤ20Bのうちの一方または両方がゴルフゲーム自体を初めてプレイする場合(すなわち、プレーヤ20Aおよびプレーヤ20Bのうちの一方または両方の戦績が存在しない場合)であっても、適切なオッズが決定されることができる。
【0022】
プラットフォーム10では、決定されたオッズ12が示される。
図1Aに示される例では、キャラクターAがゴルフゲームに勝つ場合のオッズが2.5倍であり、キャラクターBがゴルフゲームに勝つ場合のオッズが1.8倍として示されている。ルール11におけるゴルフゲームでは、プレーヤ20Bの方が有利であると判断されたことから、キャラクターBのオッズがキャラクターAのオッズよりも低くなっている。
【0023】
なお、本例では、キャラクターA、キャラクターBのゴルフゲームでの勝敗について賭けを行うことを説明するが、賭けの内容は、これに限定されない。ゴルフゲームでの勝敗以外の任意の事項について、賭けを行うようにしてもよい。例えば、最長飛距離(最長飛距離を出すキャラクターはどちらか?最長飛距離は300ヤード以上か?等)について賭けを行うことができ、例えば、ピンまでの距離(第一打が最もピンに近いキャラクターはどちらか?ピンまでの最短距離は5ヤード以下か?等)について賭けを行うことができる。
【0024】
ステップS2では、少なくとも1人のユーザ30が、プラットフォーム10にアクセスし、2人のプレーヤ20A、20Bによるゴルフゲームに対して賭けを行う。少なくとも1人のユーザ30は、例えば、自身の端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、スマートグラス、パーソナルコンピュータ)を用いて、プラットフォーム10にアクセスすることができる。
【0025】
少なくとも1人のユーザ30は、ルール11とオッズ12とを確認し、2人のプレーヤ20A、20Bのうちどちらが勝つかを予想し、勝つと思うキャラクターに賭け金を賭ける。賭け金は、例えば、プラットフォーム10専用の通貨(またはポイント)であってもよいし、仮想通貨であってもよいし、法定通貨であってもよい。少なくとも1人のユーザ30は、任意の手段で、賭け金をプラットフォーム10に提供することができる。
【0026】
図1Aに示される例では、3人のユーザ30が示されているが、ユーザ30の数は、これに限定されない。任意の数のユーザ30がプラットフォーム10にアクセスし、賭けを行うことができる。
【0027】
ユーザ30による賭けが完了すると、ステップS3で、2人のプレーヤ20A、20Bは、プラットフォーム10上でゴルフゲームをプレイする。少なくとも1人のユーザ30は、プラットフォーム10にアクセスし、2人のプレーヤ20A、20Bによるゴルフゲームを観戦することができる。少なくとも1人のユーザ30は、例えば、自分が賭けた方のプレーヤが勝つように自分が賭けた方のプレーヤを応援しながら観戦することになる。このとき、例えば、eスポーツのスポンサーは、ゲーム内に広告を出すことにより、プレーヤ20A、20Bおよび少なくとも1人のユーザ30に訴求することができる。
【0028】
ゴルフゲームが完了すると、賭けの勝敗が決まり、ステップS4で、賭けの結果が少なくとも1人のユーザ30に通知される。少なくとも1人のユーザ30が賭けに勝った場合には、配当も提供される。配当は、例えば、プラットフォーム10専用の通貨(またはポイント)であってもよいし、仮想通貨であってもよいし、法定通貨であってもよい。配当は、賭け金と同じ通貨であることが好ましい。配当は、任意の手段で、少なくとも1人のユーザ30に提供されることができる。ゴルフゲームに勝ったプレーヤには、賞金が提供されてもよい。これにより、プレーヤのゲームへの参加意欲を促進することができる。
【0029】
このように、プラットフォーム10を提供することで、プレーヤ20A、20Bは、ゴルフゲームをプレイすることができ、少なくとも1人のユーザ30は、ゴルフゲームを観戦し、かつ、ゴルフゲームにおける賭けを行うことができ、スポンサーは、ゴルフゲーム内に広告を出すことができる。特に、ゴルフゲームにおける賭けのオッズが、ゴルフゲームのルール11と、各プレーヤ20A、20Bに関するデータおよび/またはインフォメーションとに基づいて適切に決定されることで、ユーザ30は適正な賭けを行うことができる。さらに、オッズの決定にゲームにおける戦績が必須ではないため、プレーヤ同士の対戦が初めての場合であっても、さらには、プレーヤが初めてゲームをプレイする場合であっても、オッズが適切に決定されることで、ユーザに、新たな賭け体験を提供することができる。
【0030】
図1Bは、eスポーツにおける賭けを行うためのプラットフォーム10での賭けのフローの別の一例を概略的に示す図である。
図1Bに示される例は、ゴルフのルールが関係人(ステークホルダ)によって変更されることができるという点を除いて、
図1Aに示される例と同様である。
【0031】
ステップS11では、少なくとも1人の関係人(ステークホルダ)40がプラットフォーム10にアクセスし、ゴルフゲームのルールを変更するための投票を行う。関係人40は、投票権(例えば、ガバナンストークン)を有している。例えば、関係人40は、有しているガバナンストークンの量に応じた投票権を有することになる。従って、多くのガバナンストークンを有している関係人40は、多くの投票権を有することになり、投票で有利になり得る。ガバナンストークンは、プラットフォーム10のサービスプロバイダによって発行され得る。
【0032】
例えば、プラットフォーム10において、いくつかのルール変更候補が提示され、少なくとも1人の関係人40は、変更を希望するルール変更候補に投票する。例えば、ゴルフゲームにおいて、OBなしをルールに含めるか否か、マリガンをルールに含めるか否か、6インチプレースをルールに含めるか否か等について、投票が行われる。
【0033】
投票によって賛成多数となったルール変更候補が採用され、それに従って、ルールが変更される。プラットフォーム10では、変更後のルール11’が示される。ゴルフゲームは、変更後のルール11’に従って、プレイされることになる。
【0034】
ステップS12では、上述したステップS1と同様に、2人のプレーヤ20A、20Bがプラットフォーム10にアクセスし、プラットフォーム10でのゴルフゲームにエントリーする。上述したステップS1と同様に、2人のプレーヤ20A、20Bは、ゴルフゲームにエントリーするとき、プレーヤ20A、20Bに関するデータおよび/またはインフォメーションをプラットフォーム10に提供することができる。
【0035】
プレーヤ20A、20Bがゲームにエントリーすると、ゴルフゲームの変更されたルール11’と、各プレーヤ20A、20Bに関するデータおよび/またはインフォメーションとに基づいて、ゴルフゲームにおける賭けのオッズが決定される。
【0036】
プラットフォーム10では、決定されたオッズ12が示される。
図1Bに示される例では、キャラクターAがゴルフゲームに勝つ場合のオッズが2.1倍であり、キャラクターBがゴルフゲームに勝つ場合のオッズが2.4倍として示されている。変更後のルール11’におけるゴルフゲームでは、プレーヤ20Aの方がいくらか有利であると判断されたことから、キャラクターAのオッズがキャラクターBのオッズよりも低くなっている。
【0037】
ステップS13では、上述したステップS2と同様に、少なくとも1人のユーザ30が、プラットフォーム10にアクセスし、2人のプレーヤ20A、20Bによるゴルフゲームに対して賭けを行う。ルール変更のための投票を行った少なくとも1人の関係人40は、ユーザ30であってもよく、投票を行ったうえで、賭けを行うようにしてもよい。
【0038】
ユーザ30による賭けが完了すると、ステップS14で、上述したステップS3と同様に、2人のプレーヤ20A、20Bが、プラットフォーム10上でゴルフゲームをプレイする。少なくとも1人のユーザ30は、プラットフォーム10にアクセスし、2人のプレーヤ20A、20Bによるゴルフゲームを観戦することができる。少なくとも1人のユーザ30は、例えば、自分が賭けた方のプレーヤが勝つように自分が賭けた方のプレーヤを応援しながら観戦することになる。少なくとも1人の関係人40は、ユーザとして、プラットフォーム10にアクセスし、2人のプレーヤ20A、20Bによるゴルフゲームを観戦することができる。このとき、例えば、eスポーツのスポンサーは、ゲーム内に広告を出すことにより、プレーヤ20A、20B、少なくとも1人のユーザ30、および少なくとも1人の関係人40に訴求することができる。
【0039】
ゴルフゲームが完了すると、賭けの勝敗が決まり、ステップS15で、上述したステップS4と同様に、賭けの結果が少なくとも1人のユーザ30に通知される。少なくとも1人のユーザ30が賭けに勝った場合には、配当も提供される。
【0040】
このように、プラットフォーム10を提供することで、プレーヤ20A、20Bは、ゴルフゲームをプレイすることができ、少なくとも1人のユーザ30および少なくとも1人の関係人40は、ゴルフゲームを観戦し、かつ、ゴルフゲームにおける賭けを行うことができ、スポンサーは、ゴルフゲーム内に広告を出すことができる。特に、ゴルフゲームにおける賭けのオッズが、ゴルフゲームの変更後のルール11’と、各プレーヤ20A、20Bに関するデータおよび/またはインフォメーションとに基づいて適切に決定されることで、ユーザ30は適正な賭けを行うことができる。さらに、投票によりルールが変更されることで、ゲームのマンネリ化が抑制され、プレーヤ20A、20Bおよびユーザ30に、常に新鮮で、かつ予期できないユーザ体験を提供することができる。
【0041】
例えば、プレーヤ20Aが、プレーヤ20Aの特徴をコピーしたアバターまたはデジタルクローンと対戦する場合、プレーヤ20Aおよびユーザ30に、よりエキサイティングなユーザ体験を提供することができる。アバターまたはデジタルクローンがプレーヤ20Aの特徴をより正確にコピーするほど、アバターまたはデジタルクローンの能力がプレーヤ20Aの能力と拮抗し、どちらが勝つか分からなくなるからである。さらに、ルールが変更されると、勝負の行方はますます分からなくなる。このような場合でも、賭けのオッズが適切に決定されるため、ユーザ30は、エキサイティングでありつつも適正な賭けを行うことができる。
【0042】
eスポーツの競技は、場所および時間を選ばず、任意の時間に仮想空間上で開催されることができる。また、ネットワークで接続されている限り、世界中のあらゆる場所から、誰でもeスポーツの競技に参加することができる。上述したプラットフォーム10では、突然eスポーツの競技が開催されても、誰がeスポーツの競技に参加しても、何万人のプレーヤがeスポーツの競技に参加しても、ルールが頻繁に変更されても、参加者のデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、適切なオッズを決定することができる。ユーザは、このような賭けを通して、これまでにない新たなエンターテインメントを体験することができる。
【0043】
上述した例では、eスポーツにおける賭けを対象に説明したが、本発明は、これに限定されない。本発明は、任意の競技における賭けを対象とすることができる。本明細書において、競技とは、ルールに従って、プレーヤが勝敗または優劣を競うことを言う。ここで、プレーヤは、人間のみならず、動物、植物、ロボット等の現実世界の物体、およびアバター等の仮想世界の物体を含み得る。従って、競技は、上述したような仮想世界で行われるeスポーツの他に、現実世界で行われるスポーツ、競馬、競輪、競艇等の公営競技、カジノゲーム、麻雀を含むが、これらに限定されない。
【0044】
上述したプラットフォーム10は、後述するような、競技における賭けを支援するためのシステムによって実現され得る。
【0045】
2.競技における賭けを支援するためのシステムの構成
図2Aは、競技における賭けを支援するためのシステム100の構成の一例を示す。
【0046】
システム100は、データベース部200に接続されている。また、システム100は、少なくとも1つのプレーヤ端末装置300、少なくとも1つのユーザ端末装置400、少なくとも1つの投票者端末装置500にネットワーク600を介して接続されている。
【0047】
なお、
図2Aでは、2つのプレーヤ端末装置300、2つのユーザ端末装置400、2つの投票者端末装置500が示されているが、プレーヤ端末装置300、ユーザ端末装置400、および投票者端末装置500の数はこれに限定されない。任意の数のプレーヤ端末装置300、ユーザ端末装置400、投票者端末装置500が、ネットワーク600を介してシステム100に接続され得る。例えば、プレーヤが投票者を兼ねる場合またはユーザが投票者を兼ねる場合には、投票者端末装置500は省略され得る。
【0048】
ネットワーク600は、任意の種類のネットワークであり得る。ネットワーク600は、例えば、インターネットであってもよいし、LANであってもよい。ネットワーク600は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよい。
【0049】
システム100はさらに、ブロックチェーンネットワーク700に接続されている。ブロックチェーンネットワーク700は、ブロックチェーンの技術によって構築されたネットワークであり、プレーヤおよび/またはユーザの情報を管理するために利用され得る。ブロックチェーンの技術を用いることで、管理される情報の改ざんを容易に検出することができるため、ブロックチェーンネットワーク700によって管理される個人情報は、改ざんが実質的に不可能である。ブロックチェーンネットワーク700で管理される情報は、プレーヤの特徴を表す第1のスコアおよび/またはユーザの特徴を表す第3のスコアを算出するために利用され得る。
【0050】
なお、ブロックチェーンの技術によって個人情報を管理することを説明したが、本発明はブロックチェーンの技術によるものに限定されない。情報を実質的に改ざん不可能に管理することができる限り、任意の技術を利用して、ブロックチェーンネットワーク700を構築することができる。
【0051】
システム100の一例は、eスポーツのためのプラットフォームを提供するサービスプロバイダに設置されているコンピュータ(例えば、サーバ装置)であるが、これに限定されない。プレーヤ端末装置300の一例は、競技のプレーヤが利用するコンピュータ(例えば、端末装置)であるが、これに限定されない。ユーザ端末装置400の一例は、競技を観戦し、かつ/または競技における賭けを行うユーザが利用するコンピュータ(例えば、端末装置)であるが、これに限定されない。投票者端末装置500は、競技のルールを変更するための投票を行う権利を有する投票者(または関係人、ステークホルダ)が利用するコンピュータ(例えば、端末装置)であるが、これに限定されない。ここで、コンピュータ(サーバ装置または端末装置)は、任意のタイプのコンピュータであり得る。例えば、端末装置は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートグラス、スマートウォッチ等の任意のタイプの端末装置であり得る。
【0052】
データベース部200には、例えば、競技の特徴を表す第2のスコアを算出するために利用される種々の情報(例えば、競技のルール、競技の特性、競技に有利な能力、競技に不利な能力等)が格納されている。データベース部200には、例えば、プレーヤの特徴を表す第1のスコアおよび/またはユーザの特徴を表す第3のスコアを算出するために利用される種々の情報が格納されてもよい。データベース部200には、システム100によって決定された競技におけるオッズが格納されてもよい。
【0053】
図2Bは、競技における賭けを支援するためのシステム100の具体的な構成の一例を示す。
【0054】
システム100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ130部とを備える。
【0055】
インターフェース部110は、システム100の外部と情報のやり取りを行う。システム100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、システム100の外部から情報を受信することが可能であり、システム100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
【0056】
インターフェース部110は、例えば、システム100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でシステム100に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部が受信器である場合、受信器がネットワークを介してシステム100の外部から情報を受信することにより入力してもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、システム100に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。
【0057】
インターフェース部110は、例えば、システム100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部が送信器である場合、送信器がネットワークを介してシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。あるいは、出力部がデータ書き込み装置である場合、システム100に接続された記憶媒体に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。
【0058】
システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に情報を送信し、かつ/または、データベース部200から情報を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、プレーヤ端末装置300に情報を送信し、かつ/または、プレーヤ端末装置300から情報を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400に情報を送信し、かつ/または、ユーザ端末装置400から情報を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、投票者端末装置500に情報を送信し、かつ/または、投票者端末装置500から情報を受信することができる。
【0059】
システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを受信することができる。
【0060】
システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、競技のルールを変更するための投票を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、賭けの情報(例えば、何にいくら賭けるかの情報)を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、賭けの結果を送信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザに好適な賭けの情報を送信することができる。
【0061】
プロセッサ部120は、システム100の処理を実行し、かつ、システム100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、システム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0062】
メモリ部130は、システム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部130は、競技における賭けを支援するための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する
図5A、
図5B、
図6に示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部130は、任意の記憶手段によって実装され得る。あるいは、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、これを読み取ることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。
【0063】
データベース部200には、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが格納され得る。
【0064】
プレーヤに関するデータは、プレーヤに関する客観的な情報である。プレーヤに関するデータは、プレーヤ本人しか知らないプライベートな情報であってもよいし、第三者と共有されているパブリックな情報であってもよい。プレーヤに関するデータは、例えば、プレーヤの端末装置および/またはプレーヤの端末装置と通信可能なIoTデバイスから取得され得る。プレーヤに関するデータは、例えば、ネットワーク上の任意の場所から取得され得る。プレーヤに関するデータは、例えば、プレーヤの行動履歴(例えば、運動履歴、健康活動履歴、購買履歴、節約行動履歴、食事履歴、Webページの閲覧履歴、AIスピーカとの会話履歴、SNS利用履歴等)、健康情報(例えば、身長、体重、血圧、心拍数、罹患している病気等)、DNAに関する情報、他人による評価等を含むがこれらに限定されない。プレーヤに関するデータは、プレーヤの個人情報を含み得る。ゲームの戦績等のゲームに関する情報は、プレーヤに関するデータに含まれなくてもよく、好ましくは、プレーヤに関するデータに含まれない。
【0065】
プレーヤに関するインフォメーションは、プレーヤを主体とする主観的な情報である。プレーヤに関するインフォメーションは、プレーヤ本人しか知らないプライベートな情報であってもよいし、第三者と共有されているパブリックな情報であってもよい。プレーヤに関するインフォメーションは、例えば、プレーヤが主体的に開示した情報であり得、例えば、プレーヤが端末装置に直接入力することによって取得され得る。あるいは、プレーヤに関するインフォメーションは、例えば、プレーヤに対する問診または質問等から間接的に導出され得る。プレーヤに関するインフォメーションは、例えば、趣味、好み、行動理由(例えば、現在または過去の職業の志望動機、過去の職業からの転職理由等)等を含むがこれらに限定されない。
【0066】
データベース部200には、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが格納され得る。
【0067】
ユーザに関するデータは、ユーザに関する客観的な情報であるユーザに関するデータは、ユーザ本人しか知らないプライベートな情報であってもよいし、第三者と共有されているパブリックな情報であってもよい。ユーザに関するデータは、例えば、ユーザの端末装置および/またはユーザの端末装置と通信可能なIoTデバイスから取得され得る。ユーザに関するデータは、例えば、ネットワークN上の任意の場所から取得され得る。ユーザに関するデータは、例えば、ユーザの行動履歴(例えば、運動履歴、健康活動履歴、購買履歴、節約行動履歴、食事履歴、Webページの閲覧履歴、AIスピーカとの会話履歴、SNS利用履歴等)、健康情報(例えば、身長、体重、血圧、心拍数、罹患している病気等)、DNAに関する情報、他人による評価等を含むがこれらに限定されない。ユーザに関するデータは、ユーザの個人情報を含み得る。
【0068】
ユーザに関するインフォメーションは、ユーザを主体とする主観的な情報である。ユーザに関するインフォメーションは、ユーザ本人しか知らないプライベートな情報であってもよいし、第三者と共有されているパブリックな情報であってもよい。ユーザに関するインフォメーションは、例えば、ユーザが主体的に開示した情報であり得、例えば、ユーザが端末装置に直接入力することによって取得され得る。あるいは、ユーザに関するインフォメーションは、例えば、ユーザに対する問診または質問等から間接的に導出され得る。ユーザに関するインフォメーションは、例えば、趣味、好み、行動理由(例えば、現在または過去の職業の志望動機、過去の職業からの転職理由等)等を含むがこれらに限定されない。
【0069】
データベース部200には、競技の特徴を表す第2のスコアを算出するために利用される種々の情報(例えば、競技のルール、競技の特性、競技に有利な能力、競技に不利な能力等)が格納されている。
【0070】
データベース部200には、プレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出するために利用される種々の情報が格納されている。
【0071】
ここで、プレーヤの特徴は、プレーヤがどのような人物であるか、すなわち、プレーヤの人となりを表す概念であり得る。プレーヤの特徴は、プレーヤの性格の観点からプレーヤの人となりを表すこともできる。例えば、プレーヤの特徴は、「パーソナリティ」に関する観点からプレーヤの人となりを表すことができる。これに加えて、プレーヤの特徴は、「お金」に関する観点からプレーヤの人となりを表すことができ、かつ/または、「健康」に関する観点からプレーヤの人となりを表すことができる。従って、プレーヤの特徴を表すスコアは、「パーソナリティ」に関する特徴量を含むことができ、プレーヤの特徴を表すスコアは、「お金」に関する特徴量、および/または、「健康」に関する特徴量を追加的に含む多次元スコアであることができる。スコアの多次元の軸は、例えば、「パーソナリティ」に関する観点の軸、「お金」に関する観点の軸、および/または、「健康」に関する観点の軸を含むことができる。ここで、「パーソナリティ」は、その人の性格および/または人格が信頼できるかどうかを表す情報であり、例えば、他人からの評価を含む。「お金」は、その人のお金に関する情報であり、例えば、年収、資産、節約しているか等の情報を含む。「健康」は、その人の健康に関する情報であり、例えば、病気、食生活、健康のための活動等の情報を含む。
【0072】
一例として、プレーヤの特徴を表すスコアが「パーソナリティ」に関する観点の軸を有する場合、「パーソナリティ」に関する複数の項目について点数が付けられ、複数の項目のそれぞれの点数に基づいて、「パーソナリティ」に関してその人の人となりが表されることになる。例えば、怒りっぽいが正直な性格を有する人物では、「パーソナリティ」に関する項目のうち、「正直者」に関する項目の点数が高いかまたは「嘘つき」に関する項目の点数が低く、かつ、「短気」に関する項目の点数が高いかまたは「気長」に関する項目の点数が低くなる。
【0073】
別の例として、プレーヤの特徴を表すスコアが「お金」に関する観点の軸を有する場合、「お金」に関する複数の項目について点数が付けられ、複数の項目のそれぞれの点数に基づいて、「お金」に関してその人の人となりが表されることになる。例えば、無駄遣いが多い人物では、「お金」に関する項目のうち、「倹約家」に関する項目の点数が高いかまたは「浪費家」に関する項目の点数が低くなる。
【0074】
別の例として、プレーヤの特徴を表すスコアが「健康」に関する観点の軸を有する場合、「健康」に関する複数の項目について点数が付けられ、複数の項目のそれぞれの点数に基づいて、「健康」に関してその人の人となりが表されることになる。例えば、肥満体型を有する人物では、「健康」に関する項目のうち、「肥満度」または「BMI」に関する項目の点数が高くなる。
【0075】
これらの項目は一例であり、多次元の軸の各々は、任意の項目を有することができる。各軸が有する項目を多くするほど、その軸の観点について、プレーヤの人となりをより細かく表すことができるようになるが、その分データ量も多くなる。各軸が有する項目を少なくするほど、プレーヤの特徴を表すスコアのデータ量が少なくなって取扱い易くなるが、プレーヤの人となりをより概略的に表すようになる。例えば、プレーヤの特徴を表すスコアは、例えば、多数の項目を有する複数の軸について表されるスコア(プレーヤの人となりを詳細に表すスコア)から、複数の軸のうちの少なくとも2つの軸について特定の項目を抽出することによって導出されるスコア(プレーヤの人となりを概略的に表すスコア)であってもよい。
【0076】
例えば、データベース部200には、スコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。スコアの算出に用いられるパラメータは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」を含み得る。
【0077】
例えば、「パーソナリティ」というパラメータについて、データベース部200には、パーソナリティに関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。例えば、「パーソナリティ」に関する「利他的」(または「トランスパーソナル」)という概念には、「ボランティア」、「寄付」、「心配り」、「相談」等のキーワード、「ボランティアに頻繁に参加する」、「相談を頻繁に受ける」、「寄付経験がある」等のステータス等が関連付けて格納され得る。例えば、「パーソナリティ」に関する「SDGs」(Sustainable Development Goals、または「持続可能な開発目標」)という概念には、17の
目標および/または169のターゲットに関連するキーワード(例えば、「平等」、「環境保全」等)、「17の目標および/または169のターゲットに関連する行動を行っている」、「17の目標および/または169のターゲットに関連する思想を持っている」等のステータス等が関連付けて格納され得る。
【0078】
例えば、「お金」というパラメータについて、データベース部200には、お金に関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。例えば、「お金」に関する「お金持ち」(または「キャッシュフローリッチ」)という概念には、「ハーバード大学」、「MBA」等のキーワード、「年収2000万円以上」等のステータス等が関連付けて格納され得る。例えば、「お金」に関する「お金持ち」(または「ストックリッチ」)という概念には、「地主」、「株主」等のキーワード、「資産1億円以上」等のステータス等が関連付けて格納され得る。
【0079】
例えば、「健康」というパラメータについて、データベース部200には、健康に関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。例えば、「健康」に関する「優良体」(または「身体的健康」)という概念には、「非喫煙」、「正常血圧」等のキーワード、「BMI18~27」等のステータス等が関連付けて格納され得る。例えば、「健康」に関する「マインドフルネス」(または「精神的健康」)という概念には、「やりがい」、「ストレスレス」等のキーワード、「ストレスチェック結果が所定値未満」、「首尾一貫感覚(SOC:Sense of coherence)が高い」等のステータス等が関連付けて格納され得る。
【0080】
図2Cは、データベース部200に格納される情報の関連付けを示す概念図である。
【0081】
図2Cに示される例では、パーソナリティに関する「利他的」という概念に対して、例えば、「ボランティア」、「寄付」、「心配り」、「相談」等のキーワードが関連付けられている。さらに、これらのキーワードに対して、別のキーワード(例えば、「悩み」、「緊張」、「丁寧」等)が関連付けられる。さらに、これらのキーワードに対して、さらに別のキーワードが関連付けられ得る。
【0082】
このような関連付けは、例えば、セマンティック検索を行うことが可能な人工知能(AI)、すなわち、キーワード間の相関関係を学習した人工知能を用いてなされ得る。
【0083】
この人工知能は、大量の文章からキーワード間の相関関係を学習している。例えば、この人工知能は、文章を構文解析することにより、文章内の複数のキーワードを抽出し、その文章内での複数のキーワードの関係を特定する。例えば、この人工知能は、或るキーワードが多くの文章において別の或るキーワードと併用されている場合には、それらのキーワードを、相関関係が強いものとして学習する。このようにしてキーワード間の相関関係を学習した人工知能は、学習した相関関係に基づいて、入力されたキーワードに相関するキーワードを出力することができる。
【0084】
例えば、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に「利他的」というキーワードを入力すると、「利他的」に相関するキーワードとして、「ボランティア」、「寄付」、「心配り」、「相談」等が出力され得る。例えば、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に、「利他的」および「心配り」というキーワードを入力すると、「利他的」および「心配り」に相関するキーワードとして、「丁寧」等が出力され得る。
【0085】
このように、データベース部200には、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に入力されたキーワードと、出力されたキーワードとが関連付けられて格納され得る。
【0086】
上述したプレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出するために利用される種々の情報についての説明は、ユーザの特徴を表す第3のスコアを算出するために利用される種々の情報についても当てはまる。
【0087】
ユーザの特徴は、ユーザがどのような人物であるか、すなわち、ユーザの人となりを表す概念であり得る。ユーザの特徴は、ユーザの性格の観点からユーザの人となりを表すこともできる。例えば、ユーザの特徴は、「パーソナリティ」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。これに加えて、ユーザの特徴は、「お金」に関する観点からユーザの人となりを表すことができ、かつ/または、「健康」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。従って、ユーザの特徴を表すスコアは、「パーソナリティ」に関する特徴量を含むことができ、ユーザの特徴を表すスコアは、「お金」に関する特徴量、および/または、「健康」に関する特徴量を追加的に含む多次元スコアであることができる。スコアの多次元の軸は、例えば、「パーソナリティ」に関する観点の軸、「お金」に関する観点の軸、および/または、「健康」に関する観点の軸を含むことができる。ここで、「パーソナリティ」は、その人の性格および/または人格が信頼できるかどうかを表す情報であり、例えば、他人からの評価を含む。「お金」は、その人のお金に関する情報であり、例えば、年収、資産、節約しているか等の情報を含む。「健康」は、その人の健康に関する情報であり、例えば、病気、食生活、健康のための活動等の情報を含む。
【0088】
図2Aおよび
図2Bに示される例では、データベース部200は、システム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200の少なくとも一部をシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200の少なくとも一部は、メモリ部130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200の少なくとも一部は、システム100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、システム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよいし、ブロックチェーン技術等を利用する分散型ネットワークとして構成されてもよい。
【0089】
例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、ブロックチェーン技術等を利用する分散型ネットワークとして構成されるデータベース部200に格納され、このとき、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、改ざんが実質的に不可能となる。これにより、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションの信頼性が担保されることになる。競技の戦績のデータもブロックチェーン技術等を利用する分散型ネットワークとして構成されるデータベース部200に格納されることができ、競技の戦績のデータも改ざんが実質的に不可能となる。なお、改ざんが実質的に不可能とは、改ざんが行われたとしても容易に検出可能であることを意味する。
【0090】
【0091】
プロセッサ部120は、取得手段121と、第1の算出手段122と、第2の算出手段123と、決定手段124とを備える。
【0092】
取得手段121は、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するように構成されている。
【0093】
取得手段121は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。あるいは、取得手段121は、例えば、インターフェース部110を介して、プレーヤ端末装置300から受信されたプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。取得されたプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、第1の算出手段122に渡される。
【0094】
取得手段121はさらに、競技の戦績のデータを取得するように構成されてもよい。取得された競技の戦績のデータは、第1の算出手段122に渡され得る。
【0095】
第1の算出手段122は、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、プレーヤの特徴を表す第1のスコアを算出するように構成されている。プレーヤの特徴は、プレーヤがどのような人物であるか、すなわち、プレーヤの人となりを表す概念であり得る。プレーヤの特徴は、プレーヤの性格の観点からプレーヤの人となりを表すこともできる。例えば、プレーヤの特徴は、「パーソナリティ」に関する観点からプレーヤの人となりを表すことができる。プレーヤの特徴は、これに加えて、「お金」に関する観点からプレーヤの人となりを表すことができ、かつ/または、「健康」に関する観点からプレーヤの人となりを表すことができる。従って、プレーヤの特徴を表す第1のスコアは、「パーソナリティ」に関する特徴量を含むことができ、プレーヤの特徴を表す第1のスコアは、「お金」に関する特徴量、および/または、「健康」に関する特徴量を追加的に含む多次元スコアであることができる。「デジタルツイン」という言葉が知られているが、プレーヤの特徴を多次元的に表す第1のスコアは、プレーヤのデジタルツインを表すスコアであるとも言える。
【0096】
第1のスコアの多次元の軸は、例えば、「パーソナリティ」に関する観点の軸、「お金」に関する観点の軸、および/または、「健康」に関する観点の軸を含むことができる。
【0097】
一実施形態において、第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが第1のスコアの算出に用いられるパラメータと相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。第1の算出手段122は、例えば、第1のスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する種々の情報を格納しているデータベース部200を参照し、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが第1のスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する程度を決定する。プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報を含み得る。
【0098】
第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが「パーソナリティ」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「パーソナリティ」に関する概念のうちの特定の概念と大きく相関する場合、第1の算出手段122は、その概念に対応する特徴量を第1のスコアに含めるまたはその概念に対応する項目の点数を高くするようにすることができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「利他的」(または「トランスパーソナル」)により強く相関するほど、「利他的」に対応する特徴量をより多くまたはより強く第1のスコアに含めるまたは「利他的」に対応する項目の点数を高くすることができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「プレッシャーに強い」により強く相関するほど、「プレッシャーの強さ」に対応する特徴量をより多くまたはより強く第1のスコアに含めるまたは「プレッシャーの強さ」に対応する項目の点数を高くすることができる。
【0099】
第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが「お金」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「お金」に関する概念のうちの特定の概念と大きく相関する場合、第1の算出手段122は、その概念に対応する特徴量を第1のスコアに含めるまたはその概念に対応する項目の点数を高くするようにすることができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「キャッシュフローリッチ」により強く相関するほど、「キャッシュフローリッチ」に対応する特徴量をより多くまたはより強く第1のスコアに含めるまたは「キャッシュフローリッチ」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「ストックリッチ」により強く相関するほど、「ストックリッチ」に対応する特徴量をより多くまたはより強く第1のスコアに含めるまたは「ストックリッチ」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。
【0100】
第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが「健康」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「健康」に関する概念のうちの特定の概念と大きく相関する場合、第1の算出手段122は、その概念に対応する特徴量を第1のスコアに含めるまたはその概念に対応する項目の点数を高くするようにすることができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「優良体」(または「身体的健康」)により強く相関するほど、「優良体」に対応する特徴量をより多くまたはより強く第1のスコアに含めるまたは「優良体」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが、「マインドフルネス」(または「精神的健康」)により強く相関するほど、「マインドフルネス」(または「精神的健康」)に対応する特徴量をより多くまたはより強く第1のスコアに含めるまたは「マインドフルネス」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。
【0101】
一実施形態において、第1の算出手段122は、例えば、複数のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションと第1のスコアとの関係を学習した機械学習モデルを利用して、プレーヤの特徴を多次元的に表す第1のスコアを算出することができる。プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」に関する情報を含み、「お金」、「健康」に関する情報をさらに含んでもよい。
【0102】
機械学習モデルは、任意の機械学習モデルを用いて構築することができる。機械学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークモデルであり得る。
【0103】
図4は、第1の算出手段122が利用し得るニューラルネットワークモデルの構造の一例を示す。
【0104】
ニューラルネットワークモデルは、入力層と、少なくとも1つの隠れ層と、出力層とを有する。ニューラルネットワークモデルの入力層のノード数は、入力されるプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションの次元数に対応する。ニューラルネットワークモデルの隠れ層は、任意の数のノードを含むことができる。ニューラルネットワークモデルの出力層のノード数は、出力されるデータの次元数に対応する。例えば、プレーヤの特徴を表す第1のスコアを出力する場合、出力層のノード数は、1であり得る。
【0105】
ニューラルネットワークモデルは、取得手段121が取得したプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを使用して予め学習処理がなされ得る。学習処理は、取得手段121が予め取得したプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを使用して、ニューラルネットワークモデルの隠れ層の各ノードの重み係数を計算する処理である。
【0106】
学習処理は、例えば、教師あり学習である。教師あり学習では、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを入力用教師データとし、そのプレーヤの特徴を表す第1のスコアを出力用教師データとして、複数のプレーヤの情報を使用してニューラルネットワークモデルの隠れ層の各ノードの重み係数を計算することにより、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションと第1のスコアとを相関させることが可能な機械学習モデルを構築することができる。
【0107】
例えば、教師あり学習のための(入力用教師データ,出力用教師データ)の組は、(第1のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーション,第1のプレーヤの第1のスコア)、(第2のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーション,第2のプレーヤの第1のスコア)、・・・(第iのプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーション,第iのプレーヤの第1のスコア)、・・・等であり得る。このような学習済のニューラルネットワークモデルの入力層にプレーヤから新たに取得されたプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを入力すると、そのプレーヤの第1のスコアが出力層に出力される。
【0108】
教師あり学習では、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが第1のスコアの算出に用いられるパラメータと相関する程度を入力用教師データとすることもできる。
【0109】
算出された第1のスコアは、決定手段124に渡される。
【0110】
再び
図3Aを参照する。第2の算出手段123は、競技の特徴を表す第2のスコアを算出するように構成されている。競技の特徴を表す第2のスコアは、競技の特徴を多次元的に表すスコアであり得る。例えば、第2のスコアは、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性によって競技の特徴を表すことができる。
【0111】
一例において、第2のスコアは、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な心技体(すなわち、精神力-技術力-体力)のパラメータを含む。別の例において、第2のスコアは、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な筋力、筋持久力、柔軟性、敏捷性、瞬発力、跳躍力、巧緻性のパラメータを含む。
【0112】
競技の各々には、通常のルールを前提にして、予め基準スコアが設定され得る。例えば、競技のルールが前提とされた通常のルールと同一である場合には、第2の算出手段123は、基準スコアを第2のスコアとみなし得る。例えば、競技のルールが前提とされた通常のルールと異なる場合には、第2の算出手段123は、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に競技のルールが及ぼす影響を考慮して、基準スコアを調節することによって第2のスコアを算出することができる。例えば、第2の算出手段123は、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に競技が行われる状況が及ぼす影響を考慮して、基準スコアを調節することによって第2のスコアを算出することができる。状況は、例えば、競技の開催規模、観衆の人数、賞金額等を含むが、これらに限定されない。
【0113】
例えば、第2の算出手段123は、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に競技のルールおよび/または状況が及ぼす影響を学習した機械学習モデルを利用して、第2のスコアを算出することができる。例えば、機械学習モデルは、基準スコアと、ルールと、状況とを入力すると、そのとき競技の第2のスコアを出力することができるように、学習処理を施され得る。
【0114】
算出された第2のスコアは、決定手段124に渡される。
【0115】
決定手段124は、第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、競技における賭けのオッズを決定するように構成されている。
【0116】
例えば、決定手段124は、第1のスコアと第2のスコアとの相関に基づいて、オッズを決定することができる。このとき、決定手段124は、第2のスコアと対比可能な特徴量を第1のスコアから抽出し、抽出された特徴量と第2のスコアとの相関を取ることができる。第1のスコアから抽出される特徴量は、例えば、プレーヤの心技体(すなわち、精神力-技術力-体力)のパラメータを表す特徴量であってもよいし、プレーヤの筋力、筋持久力、柔軟性、敏捷性、瞬発力、跳躍力、巧緻性のパラメータを表す特徴量であってもよい。第1のスコアがプレーヤの人となりを表すスコアであるため、第1のスコアからこのような特徴量を抽出することが可能である。
【0117】
決定手段124は、例えば、第1のスコアと第2のスコアとの相関が高いほど、オッズを低くし、第1のスコアと第2のスコアとの相関が高いほど、オッズを高くすることができる。第1のスコアと第2のスコアとの相関が高いほど、プレーヤが競技でうまくプレイすることができる可能性が高く、従って、競技で勝つ可能性が高いと考えられるからである。他方で、第1のスコアと第2のスコアとの相関が低いほど、プレーヤが競技でうまくプレイすることができる可能性が低く、従って、競技で勝つ可能性が低いと考えられるからである。
【0118】
競技において複数のプレーヤが存在する場合には、決定手段124は、それぞれのプレーヤについて独立して、オッズを決定するようにしてもよいし、それぞれのプレーヤの第1のスコアの相関を考慮して、オッズを決定するようにしてもよい。例えば、第1のプレーヤの第1のスコアと第2のプレーヤの第1のスコアとを比較し、第1のプレーヤが第2のプレーヤに対して相性がいいと判断されると、第1のプレーヤのオッズから減算し、第2のプレーヤのオッズに加算するようにすることができる。
【0119】
決定手段124は、上述したようにルールベースでオッズを決定してもよいし、後述するように、機械学習モデルを利用してオッズを決定してもよい。
【0120】
機械学習モデルは、任意の機械学習モデルを用いて構築することができる。機械学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークモデルであり得る。
【0121】
ニューラルネットワークモデルは、入力層と、少なくとも1つの隠れ層と、出力層とを有する。ニューラルネットワークモデルの入力層のノード数は、入力される第1のスコアおよび第2のスコアの合計した次元数に対応する。ニューラルネットワークモデルの隠れ層は、任意の数のノードを含むことができる。ニューラルネットワークモデルの出力層のノード数は、出力されるデータの次元数に対応し、ここではオッズが出力されるので、出力層のノード数は、1であり得る。
【0122】
ニューラルネットワークモデルは、複数のプレーヤの第1のスコアおよび少なくとも1つの競技についての第2のスコアを使用して予め学習処理がなされ得る。学習処理は、複数のプレーヤの第1のスコアおよび少なくとも1つの競技についての第2のスコアを使用して、ニューラルネットワークモデルの隠れ層の各ノードの重み係数を計算する処理である。
【0123】
学習処理は、例えば、教師あり学習である。教師あり学習では、例えば、或るプレーヤの第1のスコアおよび或る競技についての第2のスコアを入力用教師データとし、その競技における賭けのオッズを出力用教師データとして、複数のプレーヤの情報を使用してニューラルネットワークモデルの隠れ層の各ノードの重み係数を計算することにより、第1のスコアと第2のスコアとオッズとを相関させることが可能な機械学習モデルを構築することができる。機械学習モデルは、1つの競技特有のモデルであってもよいし、複数の競技に使用され得る汎用のモデルであってもよい。汎用のモデルは、例えば、複数のプレーヤの第1のスコアと複数の競技の第2のスコアとの組み合わせを使用した学習により構築されることができる。
【0124】
例えば、1つの競技特有のモデルの教師あり学習のための(入力用教師データ,出力用教師データ)の組は、((第1のプレーヤの第1のスコア、競技の第2のスコア),オッズ)、((第2のプレーヤの第1のスコア、競技の第2のスコア),オッズ)、・・・((第iのプレーヤの第1のスコア、競技の第2のスコア),オッズ)、・・・等であり得る。このような学習済のニューラルネットワークモデルの入力層に新たなプレーヤの第1のスコアおよび競技の第2のスコアを入力すると、そのプレーヤについてのその競技における賭けのオッズが出力層に出力される。
【0125】
例えば、複数の競技の汎用のモデルの教師あり学習のための(入力用教師データ,出力用教師データ)の組は、((第1のプレーヤの第1のスコア、第1の競技の第2のスコア),オッズ)、((第2のプレーヤの第1のスコア、第1の競技の第2のスコア),オッズ)、・・・((第iのプレーヤの第1のスコア、第1の競技の第2のスコア),オッズ)、・・・((第1のプレーヤの第1のスコア、第2の競技の第2のスコア),オッズ)、((第2のプレーヤの第1のスコア、第2の競技の第2のスコア),オッズ)、・・・((第iのプレーヤの第1のスコア、第2の競技の第2のスコア),オッズ)、・・・((第1のプレーヤの第1のスコア、第jの競技の第2のスコア),オッズ)、((第2のプレーヤの第1のスコア、第jの競技の第2のスコア),オッズ)、・・・((第iのプレーヤの第1のスコア、第jの競技の第2のスコア),オッズ)等であり得る。このような学習済のニューラルネットワークモデルの入力層に新たなプレーヤの第1のスコアおよび複数の競技のうちの1つの競技の第2のスコアを入力すると、そのプレーヤについてのその競技における賭けのオッズが出力層に出力される。
【0126】
競技において複数のプレーヤが存在する場合には、決定手段124は、それぞれのプレーヤについて独立して、機械学習モデルを利用して、オッズを決定するようにしてもよいし、それぞれのプレーヤの第1のスコアを機械学習モデルに入力して、オッズを決定するようにしてもよい。これは、例えば、複数のプレーヤのそれぞれの第1のスコアおよび競技の第2のスコアを利用した学習による構築された機械学習モデルを利用して行われ得る。
【0127】
複数のプレーヤは、例えば、人間以外のプレーヤ、例えば、コンピュータプレーヤ(non player character:NPU)であってもよく、好ましくは、人間のプレーヤの特徴をコピーしたアバターまたはデジタルクローンであり得る。この場合、第1の算出手段122は、人間である第1のプレーヤの第1のスコアと、第1のプレーヤのアバターの第1のスコアとを算出することになる。第1のプレーヤのアバターの第1のスコアは、第1のプレーヤのデータおよび/またはインフォメーションに基づいて算出されることになるため、第1のプレーヤの第1のスコアと、第1のプレーヤのアバターの第1のスコアとは同一となるか略同一となる。決定手段124は、第1のプレーヤの第1のスコアと、第1のプレーヤのアバターの第1のスコアと、第2のスコアとに基づいて、オッズを決定することになる。このとき、決定手段124は、人間が状況等に左右されやすい不確定な要素を有していること、アバターが初見のルールへの対応が苦手な一方で人間は初見のルールへの対応が得意であること、および/または、その他の要因を考慮して、第1のプレーヤの第1のスコアおよび第1のプレーヤのアバターの第1のスコアに重み付けをしてオッズを決定することができる。
【0128】
このようにして決定されたオッズは、システム100の外部に出力されることになる。例えば、オッズは、インターフェース部110を介してユーザ端末装置400に送信されて、ユーザに提供される。
【0129】
図3Bは、プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す。
【0130】
プロセッサ部120’は、変更手段125を備える点を除いて、プロセッサ部120と同一の構成を有する。
図3Bでは、
図3Aを参照して上述した構成と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、ここでは、説明を省略する。
【0131】
プロセッサ部120’は、取得手段121と、第1の算出手段122と、第2の算出手段123と、決定手段124と、変更手段125とを備える。
【0132】
変更手段125は、競技のルールを変更することが可能なように構成されている。
【0133】
変更手段125は、例えば、外部からの要求に応じて競技のルールを変更することができる。例えば、変更手段125は、インターフェース部110を介してシステム100の外部から投票を受け、投票の結果に基づいて、競技のルールを変更することができる。投票者は、例えば、上述した関係人40であり得る。関係人40は、投票権(例えば、ガバナンストークン)を有している。関係人40は、例えば、プレーヤ20であってもよいし、ユーザ30であってもよいし、プレーヤ20でもユーザ30でもない人であってもよい。例えば、関係人40は、有しているガバナンストークンの量に応じた投票権を有することになる。従って、多くのガバナンストークンを有している関係人40は、多くの投票権を有することになり、投票で有利になり得る。ガバナンストークンは、システム100によって発行され得る。
【0134】
変更手段125は、例えば、少なくとも1つのルール変更候補をインターフェース部110を介して投票者端末装置500に提示することができる。そして、変更手段125は、投票者端末装置500からの少なくとも1つのルール変更候補に対する投票をインターフェース部110を介して受信することができる。投票を集計した結果、少なくとも1つのルール変更候補への変更が賛成多数であった場合にそのルール変更候補が採用され、現在のルールが変更される。または、複数のルール変更候補のうち最多得票数を獲得したルール変更候補が採用され、現在のルールが変更される。
【0135】
ガバナンストークンを有する関係人による投票は、当該技術分野において公知の技術を用いて行われ得る。例えば、ブロックチェーン技術を用いて行われることができる。
【0136】
変更手段125は、例えば、外部からの要求とは無関係に競技のルールを変更することができる。変更手段125は、例えば、所定の条件が満たされたとき(例えば、所定の時刻、所定の観衆人数、所定のプレーヤ人数、所定の賭け金総額のうちの少なくとも1つが満たされたとき)、競技のルールを変更することができる。変更手段125は、例えば、予め定められたルールに現在のルールを変更するようにしてもよいし、所定の条件を満たす程度に応じたルールに現在のルールを変更するようにしてもよい。
【0137】
変更手段125によってルールが変更されると、第2の算出手段123は、変更されたルールに基づいて、第2のスコアを算出することができる。
【0138】
第2の算出手段123は、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に変更後のルールが及ぼす影響を考慮して、基準スコアを調節することによって第2のスコアを算出することができる。第2の算出手段123は、例えば、構築された機械学習モデルに、変更後のルールを入力することにより、第2のスコアの出力を得ることができる。
【0139】
そして、決定手段124は、この出力されたスコアに基づいて、変更後のルール下での競技における賭けのオッズを決定することになる。
【0140】
このようにプロセッサ部120’による処理により、競技におけるルールが変更され、変更されたルールにおいても適切なオッズが決定されることになる。これにより、ユーザは、常に新鮮で、予期できない体験を提供することができるとともに、依然として適正な賭けを行うことができる。
【0141】
図3Cは、プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す。
【0142】
プロセッサ部120’’は、第2の取得手段126、第3の算出手段127を備える点を除いて、プロセッサ部120と同一の構成を有する。
図3Cでは、
図3Aを参照して上述した構成と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、ここでは、説明を省略する。
【0143】
プロセッサ部120’は、取得手段121と、第1の算出手段122と、第2の算出手段123と、決定手段124’と、第2の取得手段126と、第3の算出手段127とを備える。プロセッサ部120’’は、
図3Bを参照して上述した変更手段125をさらに備えるようにしてもよい。また、プロセッサ部120’’は、第2の決定手段128をさらに備えるようにしてもよい。
【0144】
第2の取得手段126は、賭けを行うユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するように構成され得る。
【0145】
第2の取得手段126は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。あるいは、取得手段121は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400から受信されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、第3の算出手段127に渡される。
【0146】
第3の算出手段127は、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、ユーザの特徴を表す第3のスコアを算出するように構成されている。ユーザの特徴は、ユーザがどのような人物であるか、すなわち、ユーザの人となりを表す概念であり得る。ユーザの特徴は、ユーザの性格の観点からユーザの人となりを表すこともできる。例えば、ユーザの特徴は、「パーソナリティ」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。ユーザの特徴は、これに加えて、「お金」に関する観点からユーザの人となりを表すことができ、かつ/または、「健康」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。従って、ユーザの特徴を表す第3のスコアは、「パーソナリティ」に関する特徴量を含むことができ、ユーザの特徴を表す第3のスコアは、「お金」に関する特徴量、および/または、「健康」に関する特徴量を追加的に含む多次元スコアであることができる。「デジタルツイン」という言葉が知られているが、ユーザの特徴を多次元的に表す第3のスコアは、ユーザのデジタルツインを表すスコアであるとも言える。
【0147】
第3のスコアの多次元の軸は、例えば、「パーソナリティ」に関する観点の軸、「お金」に関する観点の軸、および/または、「健康」に関する観点の軸を含むことができる。
【0148】
第3の算出手段127は、第1の算出手段122について上述した手法と同様の手法を用いることにより、第3のスコアを算出することができる。ここでは、詳細な説明は省略する。
【0149】
算出された第3のスコアは、決定手段124’に渡される。
【0150】
決定手段124’は、第1のスコアおよび第2のスコアに加えて、第3のスコアにも基づいて競技における賭けのオッズを決定することができることを除き、決定手段124と同様である。決定手段124’は、第3のスコアにも基づくため、ユーザに応じたオッズを決定することができる。例えば、優良なユーザまたは常連のユーザに対しては、優遇されたオッズを決定するようにすることができ、劣悪なユーザまたは一見のユーザに対しては、通常のオッズまたは冷遇されたオッズを決定することができる。
【0151】
決定手段124’は、例えば、第1のスコアおよび第2のスコアに基づいて決定されたオッズを、第3のスコアに基づいて調節することによって、オッズを決定することができる。例えば、第3のスコアに含まれる所定の特徴量が平均よりも高いかまたは低いかに応じて、第1のスコアおよび第2のスコアに基づいて決定されたオッズを高くするかまたは低くすることができる。
【0152】
あるいは、決定手段124’は、例えば、第1のスコアと第2のスコアと第3のスコアと、オッズとの関係を学習した機械学習モデルを利用して、オッズを決定することができる。
【0153】
このようにして決定されたオッズは、システム100の外部に出力されることになる。例えば、オッズは、インターフェース部110を介してユーザ端末装置400に送信されて、ユーザに提供される。
【0154】
一実施形態において、プロセッサ部120’’は、第2の決定手段128をさらに備えることができる。
【0155】
第2の決定手段128は、第3のスコアに基づいて、ユーザに好適な賭けを決定するように構成されている。
【0156】
一例において、第3のスコアに含まれ得る複数の特徴量のそれぞれに特定の競技またはその競技における賭けが関連付けられており、第2の決定手段128は、第3のスコアに含まれる特徴量に対応する競技における賭けを、ユーザに好適な賭けとして決定することができる。
【0157】
別の例において、第2の決定手段128は、第3のスコアから特定の特徴量を導出し、導出された特徴量に基づいて、賭けを決定することができる。例えば、第3のスコアから導出され得る複数の特徴量のそれぞれに特定の競技または競技における賭けが関連付けられており、第2の決定手段128は、第3のスコアから導出された特徴量に対応する競技における賭けを、ユーザに好適な賭けとして決定することができる。例えば、第3のスコアから導出され得る複数の特徴量のうちのいくつかの特徴量の組み合わせのそれぞれに特定の競技または競技における賭けが関連付けられており、第2の決定手段128は、第3のスコアから導出された特徴量の組み合わせに対応する競技における賭けを、ユーザに好適な賭けとして決定することができる。
【0158】
第2の決定手段128は、任意の手法で、第3のスコアから特定の特徴量を導出することができる。一例において、第2の決定手段128は、第3のスコアに含まれる特徴量から特定の特徴量を抽出することができる。ここで、特徴量の抽出とは、特徴量の値を変更することなく、特徴量をそのまま抜き出すことを意味する。別の例において、第2の決定手段128は、第3のスコアまたは第3のスコアに含まれる特徴量に対して特定の関数を適用することにより、特定の特徴量を導出することができる。ここで、特定の関数は、任意の関数であり得る。例えば、特定の関数は、ハッシュ関数であり得る。
【0159】
第3のスコアから抽出される特徴量は、賭けの対象となる競技に応じて変更されることができる。例えば、第2の決定手段128は、第3のスコアに含まれる特徴量から、競技に応じた特定の特徴量を抽出することができる。例えば、第2の決定手段128は、スコアまたはスコアに含まれる特徴量に対して、競技に応じた特定の関数を適用することによって特定の特徴量を導出することができる。
【0160】
このようにプロセッサ部120’’による処理により、賭けを行うユーザの特徴も考慮して競技における賭けのオッズが決定されることになり、ユーザに適した賭け体験を提供することができる。また、ユーザが行う賭け自体も、ユーザに適したものとすることができる。
【0161】
上述した
図3A、
図3B、
図3Cに示される例では、プロセッサ部120、120’、120’’の各構成要素が同一のプロセッサ部120内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。プロセッサ部120、120’、120’’の各構成要素が複数のプロセッサ部に分散される構成も本発明の範囲内である。このとき、複数のプロセッサ部は、同一のハードウェア部品内に位置してもよいし、近傍または遠隔の別個のハードウェア部品内に位置してもよい。
【0162】
なお、上述したシステム100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120、120’、120’’をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
【0163】
3.競技における賭けを支援するためのシステムにおける処理
図5Aは、競技における賭けを支援するためのシステム100における処理の一例(処理500)を示す。処理500は、システム100のプロセッサ部120において行われる。処理500は、プロセッサ部120’またはプロセッサ部120’’においても同様の処理によって行われることができる。処理500は、例えば、
図1Aを参照して上述した例において、ステップS1でプレーヤ20A、20Bがエントリーした後、ステップS2でユーザが賭けを行う前に行われる。
【0164】
ステップS501では、プロセッサ部120の取得手段121が、少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得する。取得手段121は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。あるいは、取得手段121は、例えば、インターフェース部110を介して、プレーヤ端末装置300から受信されたプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。取得手段121はさらに、競技の戦績のデータを取得してもよい。
【0165】
ステップS502では、プロセッサ部120の第1の算出手段122が、ステップS501で取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、第1のスコアを算出する。ステップS501で複数のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが取得された場合には、複数のプレーヤのそれぞれについて、第1のスコアを算出する。第1のスコアは、プレーヤの特徴を表すスコアである。第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが第1のスコアの算出に用いられるパラメータと相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。第1の算出手段122は、例えば、第1のスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する種々の情報を格納しているデータベース部200を参照し、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが第1のスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する程度を決定する。プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報を含み得る。
【0166】
第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが「パーソナリティ」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが「お金」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。第1の算出手段122は、例えば、プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションが「健康」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第1のスコアを算出することができる。
【0167】
第1の算出手段122は、例えば、複数のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションと第1のスコアとの関係を学習した機械学習モデルを利用して、プレーヤの特徴を多次元的に表す第1のスコアを算出することができる。プレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」に関する情報を含み、「お金」、「健康」に関する情報をさらに含んでもよい。
【0168】
例えば、ステップS501で取得されたプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを機械学習モデルに入力すると、プレーヤの第1のスコアが出力される。
【0169】
ステップS503では、プロセッサ部120の第2の算出手段123が、第2のスコアを算出する。第2のスコアは、競技の特徴を表すスコアである。
【0170】
第2の算出手段123は、例えば、競技毎に予め設定された基準スコアに基づいて、第2のスコアを算出することができる。例えば、競技のルールが通常のルールと同一である場合には、第2の算出手段123は、基準スコアを第2のスコアとみなし得る。例えば、競技のルールが通常のルールと異なる場合には、第2の算出手段123は、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に競技のルールが及ぼす影響を考慮して、基準スコアを調節することによって第2のスコアを算出することができる。例えば、第2の算出手段123は、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に競技が行われる状況が及ぼす影響を考慮して、基準スコアを調節することによって第2のスコアを算出することができる。
【0171】
例えば、第2の算出手段123は、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に競技のルールおよび/または状況が及ぼす影響を学習した機械学習モデルを利用して、第2のスコアを算出することができる。
【0172】
ステップS504では、プロセッサ部120の決定手段124が、ステップS502で算出された第1のスコアと、ステップS503で算出された第2のスコアとに基づいて、競技における賭けのオッズを決定する。決定手段124は、ステップS501で取得され得る競技の戦績のデータにも基づいて賭けのオッズを決定するようにしてもよいが、競技の戦績のデータは必須ではない。むしろ、競技の戦績のデータを用いなくとも、賭けのオッズを適切に決定することができる。
【0173】
例えば、決定手段124は、第1のスコアと第2のスコアとの相関に基づいて、オッズを決定することができる。このとき、決定手段124は、第2のスコアと対比可能な特徴量を第1のスコアから抽出し、抽出された特徴量と第2のスコアとの相関を取ることができる。決定手段124は、例えば、第1のスコアと第2のスコアとの相関が高いほど、オッズを低くし、第1のスコアと第2のスコアとの相関が高いほど、オッズを高くすることができる。
【0174】
ステップS502で複数のプレーヤのそれぞれについて第1のスコアが算出された場合には、決定手段124は、それぞれのプレーヤについて独立して、オッズを決定するようにしてもよいし、それぞれのプレーヤの第1のスコアの相関を考慮して、オッズを決定するようにしてもよい。例えば、第1のプレーヤの第1のスコアと第2のプレーヤの第1のスコアとを比較し、第1のプレーヤが第2のプレーヤに対して相性がいいと判断されると、第1のプレーヤのオッズから減算し、第2のプレーヤのオッズに加算するようにすることができる。
【0175】
決定手段124は、ルールベースでオッズを決定してもよいし、機械学習モデルを利用してオッズを決定してもよい。
【0176】
例えば、第1のスコアおよび第2のスコアを機械学習モデルに入力することによりオッズが出力される。
【0177】
処理500によって決定されたオッズは、システム100の外部に出力されることになる。例えば、オッズは、インターフェース部110を介してユーザ端末装置400に送信されて、ユーザに提供される。ユーザは、このオッズを参照して、賭けを行うことができる。
【0178】
処理500では、競技の戦績のデータは必須ではないため、例えば、プレーヤ同士の対戦が初めての場合であっても、さらには、プレーヤが初めてゲームをプレイする場合であっても、オッズを適切に決定することができる。これは、特に、eスポーツの競技において有用である。いつeスポーツの競技が開催されても、誰がeスポーツの競技に参加しても、処理500によって適切なオッズを決定することができるからである。
【0179】
図5Bは、処理500の続きの処理を示す。この処理は、ステップS504の後に、競技のルールを変更し、これに従って、オッズも変更するための処理である。この処理は、プロセッサ部120’において行われることができる。この処理は、プロセッサ部120’’においても同様の処理によって行われることができる。
【0180】
ステップS505では、プロセッサ部120’の変更手段125が、競技のルールを変更する。変更手段125は、例えば、外部からの要求に応じて、または、外部からの要求とは無関係に、競技のルールを変更することができる。
【0181】
例えば、変更手段125は、インターフェース部110を介してシステム100の外部から投票を受け、投票の結果に基づいて、競技のルールを変更することができる。変更手段125は、例えば、少なくとも1つのルール変更候補をインターフェース部110を介して投票者端末装置500に提示し、投票者端末装置500からの少なくとも1つのルール変更候補に対する投票をインターフェース部110を介して受信する。そして、変更手段125は、投票を集計した結果、少なくとも1つのルール変更候補への変更が賛成多数であった場合にそのルール変更候補を採用して、競技のルールを変更することができる。または、変更手段125は、複数のルール変更候補のうち最多得票数を獲得したルール変更候補を採用し、競技のルールを変更することができる。
【0182】
変更手段125は、例えば、所定の条件が満たされたとき(例えば、所定の時刻、所定の観衆人数、所定のプレーヤ人数、所定の賭け金総額のうちの少なくとも1つが満たされたとき)、競技のルールを変更することができる。変更手段125は、例えば、予め定められたルールに現在のルールを変更するようにしてもよいし、所定の条件を満たす程度に応じたルールに現在のルールを変更するようにしてもよい。
【0183】
ステップS506では、プロセッサ部120’の第2の算出手段123が、ステップS505で変更されたルールに基づいて、第2のスコアを変更することができる。第2の算出手段123は、例えば、競技で勝つために、または、競技でうまくプレイするために必要なまたは好適な能力または特性に変更後のルールが及ぼす影響を考慮して、既に算出されていた第2のスコアを調節することができる。第2の算出手段123は、例えば、構築された機械学習モデルに、変更後のルールを入力することにより、第2のスコアの出力を新たに得るようにしてもよい。
【0184】
ステップS507では、プロセッサ部120’の決定手段124が、ステップS502で算出された第1のスコアと、ステップS506で変更された第2のスコアとに基づいて、オッズを決定し更新することができる。ステップS507の処理は、ステップS504の処理と同様である。
【0185】
このようにして、競技におけるルールが変更された場合であっても、適切なオッズが決定されることになる。これにより、ユーザに、常に新鮮で、予期できないユーザ体験を提供することができるとともに、ユーザは、依然として適正な賭けを行うことができる。これは、特に、eスポーツの競技において有用である。eスポーツの競技では、競技におけるルール変更を特に容易に行うことができ、ルールが頻繁に変更される中でも、適正な賭けを提供することができるからである。
【0186】
上述した例では、賭けのオッズが決定された後に、ルールを変更することによって、オッズを更新することを説明したが、例えば、
図1Bを参照して説明した例のように、賭けのオッズが決定される前に、ルールを変更し、変更されたルールに基づいてオッズを決定することも本発明の範囲内である。
【0187】
図6は、競技における賭けを支援するためのシステム100における処理の別の一例(処理600)を示す。処理600は、システム100のプロセッサ部120’’においても行われる。
【0188】
ステップS601では、プロセッサ部120’’の取得手段121が、少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得する。ステップS601は、ステップS501と同様である。
【0189】
ステップS602では、プロセッサ部120’’の第1の算出手段122が、ステップS601で取得された少なくとも1人のプレーヤに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、第1のスコアを算出する。ステップS602は、ステップS502と同様である。
【0190】
ステップS603では、プロセッサ部120’’の第2の算出手段123が、第2のスコアを算出する。ステップS603は、ステップS503と同様である。
【0191】
ステップS604では、プロセッサ部120’’の第2の取得手段126が、少なくとも1人の賭けを行うユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得する。第2の取得手段126は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。あるいは、第2の取得手段126は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400から受信されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。
【0192】
ステップS605では、プロセッサ部120’’の第3の算出手段127が、ステップS501で取得された少なくとも1人のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションに基づいて、第3のスコアを算出する。ステップS604で複数のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが取得された場合には、複数のユーザのそれぞれについて、第3のスコアを算出する。第3のスコアは、ユーザの特徴を表すスコアである。第3の算出手段127は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが第3のスコアの算出に用いられるパラメータと相関する程度に応じて、第3のスコアを算出することができる。第3の算出手段127は、例えば、第3のスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する種々の情報を格納しているデータベース部200を参照し、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが第3のスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する程度を決定する。ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報を含み得る。
【0193】
第3の算出手段127は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが「パーソナリティ」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第3のスコアを算出することができる。第3の算出手段127は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが「お金」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第3のスコアを算出することができる。第3の算出手段127は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが「健康」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、第3のスコアを算出することができる。
【0194】
第3の算出手段127は、例えば、複数のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションと第3のスコアとの関係を学習した機械学習モデルを利用して、ユーザの特徴を多次元的に表す第3のスコアを算出することができる。ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」に関する情報を含み、「お金」、「健康」に関する情報をさらに含んでもよい。
【0195】
例えば、ステップS604で取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを機械学習モデルに入力すると、ユーザの第3のスコアが出力される。
【0196】
ステップS606では、プロセッサ部120’’の決定手段124’が、ステップS602で算出された第1のスコアと、ステップS603で算出された第2のスコアと、ステップS605で算出された第3のスコアとに基づいて、競技における賭けのオッズを決定する。決定手段124’は、ステップS601で取得され得る競技の戦績のデータにも基づいて賭けのオッズを決定するようにしてもよいが、競技の戦績のデータは必須ではない。むしろ、競技の戦績のデータを用いなくとも、賭けのオッズを適切に決定することができる。
【0197】
例えば、決定手段124’は、例えば、第1のスコアおよび第2のスコアに基づいて決定されたオッズを、第3のスコアに基づいて調節することによって、オッズを決定することができる。例えば、第3のスコアに含まれる所定の特徴量が平均よりも高いかまたは低いかに応じて、第1のスコアおよび第2のスコアに基づいて決定されたオッズを高くするかまたは低くすることができる。これにより、優良なユーザまたは常連のユーザに対しては、優遇されたオッズを決定するようにすることができ、劣悪なユーザまたは一見のユーザに対しては、通常のオッズまたは冷遇されたオッズを決定することができる。
【0198】
ステップS602で複数のプレーヤのそれぞれについて第1のスコアが算出された場合には、決定手段124’は、それぞれのプレーヤについて独立して、オッズを決定するようにしてもよいし、それぞれのプレーヤの第1のスコアの相関を考慮して、オッズを決定するようにしてもよい。例えば、第1のプレーヤの第1のスコアと第2のプレーヤの第1のスコアとを比較し、第1のプレーヤが第2のプレーヤに対して相性がいいと判断されると、第1のプレーヤのオッズから減算し、第2のプレーヤのオッズに加算するようにすることができる。
【0199】
決定手段124’は、ルールベースでオッズを決定してもよいし、機械学習モデルを利用してオッズを決定してもよい。
【0200】
例えば、第1のスコア、第2のスコア、および第3のスコアを機械学習モデルに入力することによりオッズが出力される。
【0201】
処理600によって決定されたオッズは、システム100の外部に出力されることになる。例えば、オッズは、インターフェース部110を介してユーザ端末装置400に送信されて、ユーザに提供される。ユーザは、このオッズを参照して、賭けを行うことができる。
【0202】
処理600では、競技の戦績のデータは必須ではないため、例えば、プレーヤ同士の対戦が初めての場合であっても、さらには、プレーヤが初めてゲームをプレイする場合であっても、オッズを適切に決定することができる。これは、特に、eスポーツの競技において有用である。いつeスポーツの競技が開催されても、誰がeスポーツの競技に参加しても、処理600によって適切なオッズを決定することができるからである。さらに、処理600では、賭けを行うユーザの特徴も考慮して競技における賭けのオッズが決定されることになり、ユーザに適した賭け体験を提供することができる。
【0203】
図5A、
図5B、
図6を参照して上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われ得る。例えば、ステップS501を行う前に、ステップS503を行うことができる。例えば、ステップS601を行う前に、ステップS603またはステップS604を行うことができる。
【0204】
図5A、
図5B、
図6を参照して上述した例では、
図5A、
図5B、
図6に示される各ステップの処理は、プロセッサ部120、120’、または120’’とメモリ部130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。
図5A、
図5B、
図6に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0205】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本発明は、賭けを行うユーザに適切なオッズを提示することが可能な、競技における賭けを支援するためのシステム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0207】
10 プラットフォーム
11 ルール
12 オッズ
20A、20B プレーヤ
30 ユーザ
40 関係人
100 システム
200 データベース部
300 プレーヤ端末装置
400 ユーザ端末装置
500 投票者端末装置