(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074040
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】監視エリア設定システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/24 20060101AFI20230522BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186761
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】邱 進軍
(72)【発明者】
【氏名】宗正 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】細 幸広
(72)【発明者】
【氏名】土井 隆行
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015GA03
2D015GB06
2D015GB07
2D015HA03
2D015HB04
2D015HB05
(57)【要約】
【課題】監視に要する計算量を抑制することが可能な監視エリア設定システムを提供する。
【解決手段】作業機械20の周囲に監視エリア70を設定する監視エリア設定手段と、監視エリア70内に位置する物体までの距離を示す点群データを取得する点群データ取得部と、点群データに基づいて、作業機械20の動作範囲を除外エリア71として特定する特定手段と、監視エリア70から除外エリア71を除外する除外手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の周囲に監視エリアを設定する監視エリア設定手段と、
前記監視エリア内に位置する物体までの距離を示す点群データを取得する点群データ取得部と、
前記点群データに基づいて、前記作業機械の動作範囲を除外エリアとして特定する特定手段と、
前記監視エリアから前記除外エリアを除外する除外手段と、
を有することを特徴とする監視エリア設定システム。
【請求項2】
前記除外エリアが除外された後の前記監視エリア内の前記点群データに基づいて、前記監視エリア内に前記物体が侵入したのを検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の監視エリア設定システム。
【請求項3】
前記作業機械は、複数の動作を含む一連の動作を行い、
前記特定手段は、前記一連の動作の前記動作範囲を重畳させた範囲を、前記除外エリアとして特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視エリア設定システム。
【請求項4】
前記特定手段は、前記作業機械の複数の動作毎に、前記除外エリアを特定し、
前記除外手段は、現在の前記作業機械の動作に応じて、前記監視エリアから除外する前記除外エリアを切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の監視エリア設定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械以外の物体の侵入を監視する監視エリアを設定する、監視エリア設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、掘削から排土までの一連の動作を作業機械に自動で繰り返し行わせることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、作業機械以外の物体の侵入を監視する監視エリアを設定して、監視エリア内を監視する場合、監視エリア内で作業中の作業機械と、監視エリア内に侵入した物体とをそれぞれ監視する必要があり、監視に要する計算量が多くなる。
【0005】
本発明の目的は、監視に要する計算量を抑制することが可能な監視エリア設定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、作業機械の周囲に監視エリアを設定する監視エリア設定手段と、前記監視エリア内に位置する物体までの距離を示す点群データを取得する点群データ取得部と、前記点群データに基づいて、前記作業機械の動作範囲を除外エリアとして特定する特定手段と、前記監視エリアから前記除外エリアを除外する除外手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、作業機械の動作範囲が除外エリアとして特定され、監視エリアから除外エリアが除外される。監視エリアから除外エリアが除外されることで、除外エリアが除外される前と比べて、監視エリアが狭くなる。よって、監視に要する計算量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】監視エリア設定システムおよび作業機械の回路図である。
【
図6】作業機械の動作毎の監視エリアおよび除外エリアを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
(監視エリア設定システムの構成)
本発明の実施形態による監視エリア設定システムは、作業機械以外の物体の侵入を監視する監視エリアを設定するものである。監視エリア設定システム1の構成図である
図1に示すように、監視エリア設定システム1は、カメラ2と、LiDAR3と、警報装置4と、を有している。
【0011】
カメラ2は、作業現場に設けられた監視エリア70を撮像する。カメラ2は、監視エリア70外に設けられているが、監視エリア70内に設けられていてもよい。また、カメラ2は、作業現場に複数台設けられていてよい。
【0012】
ここで、監視エリア70は、作業機械20の周囲に設定される。監視エリア70内では、作業機械20が作業を行っている。この作業機械20は、オペレータが搭乗した作業機械20であってもよいし、遠隔操縦される作業機械20であってもよいし、自動運転される作業機械20であってもよい。
【0013】
LiDAR(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)(点群データ取得部)3は、カメラ2とともに監視エリア70外に設けられているが、監視エリア70内に設けられていてもよい。LiDAR3は、LiDAR3が取り付けられている位置から監視エリア70内に位置する物体(作業機械20や侵入物)までの距離を示す点群データを取得する。LiDAR3は、作業現場に複数台設けられていてよい。なお、LiDAR3の代わりに、ステレオカメラやTOF(Time Of Flight)センサを用いてもよい。
【0014】
警報装置4は、警報を発することが可能である。具体的には、警報装置4は、ランプおよびスピーカを備え、ランプの点灯や、スピーカからの警告音の発生によって、作業現場内にいる作業者などに警告を行う。
【0015】
(作業機械の構成)
作業機械20の側面図である
図2に示すように、作業機械20は、アタッチメント30で作業を行う機械であり、例えば油圧ショベルである。作業機械20は、下部走行体21と上部旋回体22とを備えた機械本体25と、アタッチメント30と、シリンダ40と、を有している。
【0016】
下部走行体21は、作業機械20を走行させる部分であり、例えばクローラを備える。上部旋回体22は、下部走行体21の上部に旋回装置24を介して旋回可能に取り付けられる。上部旋回体22の前部には、キャブ(運転室)23が設けられている。
【0017】
アタッチメント30は、上下方向に回動可能に上部旋回体22に取り付けられる。アタッチメント30は、ブーム31と、アーム32と、バケット33と、を備える。ブーム31は、上下方向に回動可能(起伏可能)に上部旋回体22に取り付けられる。アーム32は、上下方向に回動可能にブーム31に取り付けられる。バケット33は、前後方向に回動可能にアーム32に取り付けられる。バケット33は、土砂(運搬物)の、掘削、均し、すくい、などの作業を行う部分である。なお、バケット33が保持する運搬物は、土砂に限定されず、石でもよく、廃棄物(産業廃棄物など)でもよい。
【0018】
シリンダ40は、アタッチメント30を油圧で回動させることが可能である。シリンダ40は、油圧式の伸縮シリンダである。シリンダ40は、ブームシリンダ41と、アームシリンダ42と、バケットシリンダ43と、を備える。
【0019】
ブームシリンダ41は、上部旋回体22に対してブーム31を回動させる。ブームシリンダ41の基端部は、上部旋回体22に回動可能に取り付けられる。ブームシリンダ41の先端部は、ブーム31に回動可能に取り付けられる。
【0020】
アームシリンダ42は、ブーム31に対してアーム32を回動させる。アームシリンダ42の基端部は、ブーム31に回動可能に取り付けられる。アームシリンダ42の先端部は、アーム32に回動可能に取り付けられる。
【0021】
バケットシリンダ43は、アーム32に対してバケット33を回動させる。バケットシリンダ43の基端部は、アーム32に回動可能に取り付けられる。バケットシリンダ43の先端部は、バケット33に回動可能に取り付けられたリンク部材34に、回動可能に取り付けられる。
【0022】
また、作業機械20は、角度センサ52と、傾斜角センサ60と、を有している。
【0023】
角度センサ52は、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度を検出する。角度センサ52は、例えば、エンコーダ、レゾルバ、又は、ジャイロセンサである。本実施形態では、上部旋回体22の前方が下部走行体21の前方と一致するときの上部旋回体22の旋回角度を0°としている。
【0024】
傾斜角センサ60は、アタッチメント30の姿勢を検出する。傾斜角センサ60は、ブーム傾斜角センサ61と、アーム傾斜角センサ62と、バケット傾斜角センサ63と、を備える。
【0025】
ブーム傾斜角センサ61は、ブーム31に取り付けられ、ブーム31の姿勢を検出する。ブーム傾斜角センサ61は、水平線に対するブーム31の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、ブーム傾斜角センサ61は、ブームフットピン(ブーム基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、ブームシリンダ41のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0026】
アーム傾斜角センサ62は、アーム32に取り付けられ、アーム32の姿勢を検出する。アーム傾斜角センサ62は、水平線に対するアーム32の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、アーム傾斜角センサ62は、アーム連結ピン(アーム基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、アームシリンダ42のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0027】
バケット傾斜角センサ63は、リンク部材34に取り付けられ、バケット33の姿勢を検出する。バケット傾斜角センサ63は、水平線に対するバケット33の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、バケット傾斜角センサ63は、バケット連結ピン(バケット基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、バケットシリンダ43のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0028】
本実施の形態において、作業機械20は、土砂を掘削して排土する一連の動作を行う。一連の動作には、掘削動作、持ち上げ旋回動作、排土動作、および、復帰旋回動作が含まれる。掘削動作は、バケット33で土砂を掘削する動作である。持ち上げ旋回動作は、土砂を保持した状態で上部旋回体22を旋回させる動作である。排土動作は、ダンプカーの荷台などに土砂を排土する動作である。復帰旋回動作は、排土後に掘削位置まで上部旋回体22を旋回させる動作である。
【0029】
(監視エリア設定システムおよび作業機械の回路構成)
監視エリア設定システム1および作業機械20の回路図である
図3に示すように、作業機械20は、作業機械側コントローラ11と、記憶装置12と、作業機械側通信装置14と、を有している。
【0030】
作業機械側コントローラ11には、角度センサ52が検出した、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度(姿勢)に関する情報が入力される。また、作業機械側コントローラ11には、ブーム傾斜角センサ61が検出した、ブーム31の姿勢に関する情報が入力される。また、作業機械側コントローラ11には、アーム傾斜角センサ62が検出した、アーム32の姿勢に関する情報が入力される。また、作業機械側コントローラ11には、バケット傾斜角センサ63が検出した、バケット33の姿勢に関する情報が入力される。
【0031】
自動運転される作業機械20の場合、作業機械側コントローラ11は、作業機械20を自動制御する。作業機械側コントローラ11は、一連の動作を上部旋回体22およびアタッチメント30が行うように、上部旋回体22およびアタッチメント30を制御する。具体的には、作業機械側コントローラ11は、角度センサ52および傾斜角センサ60の検出値に基づいて、旋回装置24およびアタッチメント30を自動で動作させる。
【0032】
自動運転される作業機械20の場合、記憶装置12は、上記の一連の動作を記憶する。一連の動作は、例えば、作業者によるティーチングにより設定される。
【0033】
作業機械側通信装置14は、監視エリア設定システム1の後述する通信装置6と通信可能である。
【0034】
監視エリア設定システム1は、コントローラ5と、通信装置6と、を有している。
【0035】
通信装置6は、作業機械20の作業機械側通信装置14と通信可能である。
【0036】
コントローラ5は、監視エリア設定部81と、特定部82と、除外部83と、検出部85と、対策部86と、を有している。
【0037】
監視エリア設定部(監視エリア設定手段)81は、監視エリア70を設定する。具体的には、監視エリア設定部81は、カメラ2が撮像した二次元の画像に、LiDAR3が取得した点群データの各点の二次元座標を重畳させることで、作業機械20の位置を三次元で取得する。そして、監視エリア設定部81は、作業機械20の位置を中心とする監視エリア70を作業機械20の周囲に設定する。
【0038】
ここで、
図1に示すように、監視エリア70は、後述する除外エリア71の周囲に安全エリアを加えたエリアとして設定される。安全エリアは、作業機械20を停止させるのに要する時間などを考慮して設定される。なお、監視エリア70は、手動で設定されてもよい。
【0039】
図3に戻って、特定部(特定手段)82は、LiDAR3が取得した、作業機械20に対応する点群データに基づいて、作業機械20の動作範囲を除外エリア71として特定する。
図1に除外エリア71を図示する。具体的には、点群データを示す図である
図4に示すように、特定部82は、異なる時刻(時刻1、時刻2、・・・)毎に、作業機械20に対応する点群データを取得し、これらの差分を取ることで、作業機械20の動作範囲を特定し、これを除外エリア71とする。
【0040】
図3に戻って、除外部(除外手段)83は、監視エリア70から除外エリア71を除外する。監視エリア70から除外エリア71が除外されることで、除外エリア71が除外される前と比べて、監視エリア70が狭くなる。よって、監視に要する計算量を抑制することができる。
【0041】
検出部(検出手段)85は、除外エリア71が除外された後の監視エリア70内の点群データに基づいて、監視エリア70内に物体が侵入したのを検出する。対策部86は、除外エリア71が除外された後の監視エリア70内に物体が侵入した場合に、対策を行う。具体的には、対策として、作業機械20の動作が制限されたり、警報装置4から警報が発生されたりする。対策として作業機械20の動作制限が行われる場合、通信装置6を介して作業機械20に動作制限指示が送信される。作業機械20の作業機械側コントローラ11は、動作制限指示を受け取ると、アタッチメント30および旋回装置24の動作を制限したり停止させたりする。
【0042】
監視エリア70から除外エリア71が除外されることで、作業機械20が侵入物として誤検出されることがなくなる。よって、監視エリア70内で検出される物体は侵入物であり、作業機械20に干渉する可能性がある。そこで、侵入物が検出された場合に、作業機械20の動作を制限するなどの対策を行うことで、作業機械20と侵入物との干渉を抑制することができる。
【0043】
ここで、特定部82は、一連の動作の動作範囲を重畳させた範囲を、除外エリア71として特定する。具体的には、特定部82は、掘削動作、持ち上げ旋回動作、排土動作、および、復帰旋回動作の各々の動作範囲を重畳させた範囲を、除外エリア71として特定する。作業機械20の各動作の情報は、通信装置6を介して作業機械20から受信する。除外エリア71を
図5に示す。この除外エリア71には、一連の動作を行う作業機械20の動作範囲がすべて含まれる。
【0044】
除外部83は、除外エリア71を監視エリア70から除外する。これにより、一連の動作を行う作業機械20の動作範囲の全てが監視エリア70から除外されることになる。よって、一連の動作のうち一部のみの動作の動作範囲を除外エリア71として除外するよりも、監視エリア70から除外される範囲が広くなる。その結果、監視に要する計算量を好適に抑制することができる。
【0045】
また、特定部82は、作業機械20の複数の動作毎に、除外エリア71を特定する。例えば、作業機械20の作業機械側コントローラ11が、下部走行体21を走行させているか否か、旋回装置24を旋回させているか否か、アタッチメント30を動作させているか否かといった内容から、作業機械20が現在どのような動作を行っているかがわかる。特定部82は、その情報を通信装置6経由で取得し、動作毎に、除外エリア71を特定する。
【0046】
除外部83は、現在の作業機械20の動作に応じて、監視エリア70から除外する除外エリア71を切り替える。例えば、下部走行体21が走行しているときと、走行していないときとで、除外エリア71を切り替える。これにより、作業機械20の動作に応じた適切な広さの除外エリア71を設定することができる。
【0047】
監視エリア設定部81は、現在の作業機械20の動作に応じた監視エリア70を設定する。具体的には、監視エリア設定部81は、現在の作業機械20の動作に応じた除外エリア71に基づいて、監視エリア70を設定する。これにより、作業機械20の動作に応じた適切な広さの監視エリア70を設定することができる。
【0048】
作業機械20の動作毎の監視エリア70および除外エリア71を示す図である
図6に示すように、作業機械20が走行していないとき(
図6(a))と、走行しているとき(
図6(b))とで、除外エリア71が切り替えられる。そして、作業機械20が走行していないときの除外エリア71aは、作業機械20が走行しているときの除外エリア71bよりも狭い。よって、作業機械20が走行していないときの監視エリア70aを、作業機械20が走行しているときの監視エリア70bよりも狭くしても、侵入物に対する対策を十分に行うことができる。そして、監視エリア70を狭くすることで、監視に要する計算量を好適に抑制することができる。
【0049】
ここで、
図6(a)では、作業機械20の上下左右において、除外エリア71aに追加される安全エリアが最小にされることで、監視エリア70aが狭くされている。一方、
図6(b)では、作業機械20の進行方向(図中左側)に追加される安全エリアが、作業機械20の走行速度に応じて広くされることで、監視エリア70bが監視エリア70aよりも広くされている。
【0050】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る監視エリア設定システム1によれば、作業機械20の動作範囲が除外エリア71として特定され、監視エリア70から除外エリア71が除外される。監視エリア70から除外エリア71が除外されることで、除外エリア71が除外される前と比べて、監視エリア70が狭くなる。よって、監視に要する計算量を抑制することができる。
【0051】
また、除外エリア71が除外された後の監視エリア70内の点群データに基づいて、監視エリア70内に物体が侵入したのが検出される。監視エリア70から除外エリア71が除外されることで、作業機械20が侵入物として誤検出されることがなくなる。よって、監視エリア70内で検出される物体は侵入物であり、作業機械20に干渉する可能性がある。そこで、侵入物が検出された場合に、例えば、作業機械20の動作を制限するなどの対策を行うことで、作業機械20と侵入物との干渉を抑制することができる。
【0052】
また、一連の動作の動作範囲を重畳させた範囲が、除外エリア71として特定され、監視エリア70から除外される。これにより、一連の動作を行う作業機械20の動作範囲の全てが監視エリア70から除外されることになる。よって、一連の動作のうち一部のみの動作の動作範囲を除外エリア71として除外するよりも、監視エリア70から除外される範囲が広くなる。その結果、監視に要する計算量を好適に抑制することができる。
【0053】
また、作業機械20の複数の動作毎に、除外エリア71が特定され、現在の作業機械20の動作に応じて、監視エリア70から除外される除外エリア71が切り替えられる。これにより、作業機械20の動作に応じた適切な広さの除外エリア71を設定することができる。その結果、作業機械20の動作に応じた適切な広さの監視エリア70を設定することができる。例えば、作業機械20が走行しているときと、走行していないときとで、除外エリア71が切り替えられる。そして、作業機械20が走行していないときの除外エリア71は、作業機械20が走行しているときの除外エリア71よりも狭い。よって、作業機械20が走行していないときの監視エリア70を、作業機械20が走行しているときの監視エリア70よりも狭くしても、侵入物に対する対策を十分に行うことができる。そして、監視エリア70を狭くすることで、監視に要する計算量を好適に抑制することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
1 監視エリア設定システム
2 カメラ
3 LiDAR(点群データ取得部)
4 警報装置
5 コントローラ
6 通信装置
11 作業機械側コントローラ
12 記憶装置
14 作業機械側通信装置
20 作業機械
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 キャブ
24 旋回装置
25 機械本体
30 アタッチメント
31 ブーム
32 アーム
33 バケット
34 リンク部材
40 シリンダ
41 ブームシリンダ
42 アームシリンダ
43 バケットシリンダ
52 角度センサ
60 傾斜角センサ
61 ブーム傾斜角センサ
62 アーム傾斜角センサ
63 バケット傾斜角センサ
70 監視エリア
71 除外エリア
81 監視エリア設定部(監視エリア設定手段)
82 特定部(特定手段)
83 除外部(除外手段)
85 検出部(検出手段)
86 対策部