(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074070
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】支援システム、支援装置、及び端末装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20230522BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20230522BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20230522BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230522BHJP
G06Q 50/10 20120101ALN20230522BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/20
G06F30/12
G06T19/00 A
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186819
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】大島 一洋
(72)【発明者】
【氏名】頭久保 衣子
(72)【発明者】
【氏名】三好 舞実子
(72)【発明者】
【氏名】橋本 みなみ
(72)【発明者】
【氏名】中川 剛
【テーマコード(参考)】
5B050
5B146
5L049
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B146AA04
5B146DE06
5B146DG02
5B146DG07
5B146DJ11
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】居住空間の内観や外観のシミュレーションを支援する。
【解決手段】支援システムは、ユーザが使用する端末装置と、ユーザによる居住空間のシミュレーションを支援する支援装置とを備える。支援装置は、居住空間のデザインのスタイルの指定をユーザから受け付けるデザインスタイル受付部と、居住空間のサイズの指定をユーザから受け付けるサイズ受付部と、デザインスタイル受付部により受け付けられた居住空間のデザインのスタイルと、サイズ受付部により受け付けられた居住空間のサイズに基づいて、居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する選定部と、を備える。端末装置は、選定部により選定された設置物及び建材が設置された居住空間の三次元形状データをレンダリングした画像を表示装置に表示する表示部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末装置と、
前記ユーザによる居住空間のシミュレーションを支援する支援装置と、
を備え、
前記支援装置は、
前記居住空間のデザインのスタイルの指定を前記ユーザから受け付けるデザインスタイル受付部と、
前記居住空間のサイズの指定を前記ユーザから受け付けるサイズ受付部と、
前記デザインスタイル受付部により受け付けられた前記居住空間のデザインのスタイルと、前記サイズ受付部により受け付けられた前記居住空間のサイズに基づいて、前記居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する選定部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記選定部により選定された設置物及び建材が設置された居住空間の三次元形状データをレンダリングした画像を表示装置に表示する表示部
を備える
支援システム。
【請求項2】
居住空間のデザインのスタイルの指定をユーザから受け付けるデザインスタイル受付部と、
前記居住空間のサイズの指定を前記ユーザから受け付けるサイズ受付部と、
前記デザインスタイル受付部により受け付けられた前記居住空間のデザインのスタイルと、前記サイズ受付部により受け付けられた前記居住空間のサイズに基づいて、前記居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する選定部と、
を備える支援装置。
【請求項3】
前記選定部は、前記居住空間のデザインのスタイルと、前記居住空間のサイズと、前記居住空間のデザインのスタイル及び前記居住空間のサイズに合った設置物及び建材の種類及び色とを対応付けて格納したデータベースを参照して、前記居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する
請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記居住空間に設置された設置物又は建材の種類又は色の変更の指示を前記ユーザから受け付ける変更受付部と、
前記変更受付部により受け付けられた指示にしたがって、前記居住空間に設置された設置物又は建材の種類又は色を変更する変更部と、
を備える請求項2又は3に記載の支援装置。
【請求項5】
前記居住空間に設置された設置物又は建材の種類又は色を変更するための基準となる設置物又は建材の指定を受け付ける基準物受付部を備え、
前記変更部は、前記基準物受付部により受け付けられた設置物又は建材の種類又は色を基準として、他の設置物又は建材の種類又は色を変更する
請求項4に記載の支援装置。
【請求項6】
前記居住空間の特定の領域に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定するために前記ユーザから受け付けた情報を、前記居住空間の別の領域に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定するために利用可能とする
請求項2から5のいずれかに記載の支援装置。
【請求項7】
前記デザインスタイル受付部により受け付けられた前記居住空間のデザインのスタイルと、前記サイズ受付部により受け付けられた前記居住空間のサイズと、前記選定部により選定され前記変更部により変更された設置物及び建材の種類及び色に関する情報とを記録する記録部を備える
請求項4から6のいずれかに記載の支援装置。
【請求項8】
前記記録部により記録された情報を学習データとして、居住空間のデザインのスタイルと前記居住空間のサイズに基づいて前記居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定するための選定アルゴリズムを学習する学習部を備え、
前記選定部は、前記選定アルゴリズムを使用して前記居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する
請求項7に記載の支援装置。
【請求項9】
コンピュータを、
居住空間のデザインのスタイルの指定をユーザから受け付けるデザインスタイル受付部と、
前記居住空間のサイズの指定を前記ユーザから受け付けるサイズ受付部と、
前記デザインスタイル受付部により受け付けられた前記居住空間のデザインのスタイルと、前記サイズ受付部により受け付けられた前記居住空間のサイズに基づいて、前記居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する選定部と、
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
ユーザによる居住空間のシミュレーションを支援する支援装置に、前記居住空間のデザインのスタイルを指定するデザインスタイル指定部と、
前記支援装置に前記居住空間のサイズを指定するサイズ指定部と、
前記居住空間のデザインのスタイルと前記居住空間のサイズに基づいて前記支援装置により選定された種類及び色の設置物及び建材が設置された前記居住空間の三次元形状データをレンダリングした画像を表示装置に表示する表示部と、
を備える端末装置。
【請求項11】
コンピュータを、
ユーザによる居住空間のシミュレーションを支援する支援装置に、前記居住空間のデザインのスタイルを指定するデザインスタイル指定部と、
前記支援装置に前記居住空間のサイズを指定するサイズ指定部と、
前記居住空間のデザインのスタイルと前記居住空間のサイズに基づいて前記支援装置により選定された種類及び色の設置物及び建材が設置された前記居住空間の三次元形状データをレンダリングした画像を表示装置に表示する表示部と、
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、居住空間のシミュレーションを支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の内観や外観をシミュレートするシステムが広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。表示形式としては二次元の静止画が主流であるが、三次元空間を自由に見渡せる機能を持ったシミュレーションシステムなども提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現在提供されているシミュレーションシステムでは、居住空間に設置する家具などの種類やレイアウトなどを検討する段階、家具や建材の色を検討する段階など、検討段階ごとにシミュレーターシステムが別になっていることが多い。そのため、検討段階ごとに見た目が異なったり操作性が変わったりするなどの課題がある。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、居住空間の内観や外観のシミュレーションを適切に支援し、ユーザの利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の支援システムは、ユーザが使用する端末装置と、ユーザによる居住空間のシミュレーションを支援する支援装置と、を備える。支援装置は、居住空間のデザインのスタイルの指定をユーザから受け付けるデザインスタイル受付部と、居住空間のサイズの指定をユーザから受け付けるサイズ受付部と、デザインスタイル受付部により受け付けられた居住空間のデザインのスタイルと、サイズ受付部により受け付けられた居住空間のサイズに基づいて、居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する選定部と、を備える。端末装置は、選定部により選定された設置物及び建材が設置された居住空間の三次元形状データをレンダリングした画像を表示装置に表示する表示部を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、支援装置である。この装置は、居住空間のデザインのスタイルの指定をユーザから受け付けるデザインスタイル受付部と、居住空間のサイズの指定をユーザから受け付けるサイズ受付部と、デザインスタイル受付部により受け付けられた居住空間のデザインのスタイルと、サイズ受付部により受け付けられた居住空間のサイズに基づいて、居住空間に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定する選定部と、を備える。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、端末装置である。この装置は、ユーザによる居住空間のシミュレーションを支援する支援装置に、居住空間のデザインのスタイルを指定するデザインスタイル指定部と、支援装置に居住空間のサイズを指定するサイズ指定部と、居住空間のデザインのスタイルと居住空間のサイズに基づいて支援装置により選定された種類及び色の設置物及び建材が設置された居住空間の三次元形状データをレンダリングした画像を表示装置に表示する表示部と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る支援システムの構成を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。
【
図3】実施の形態に係る支援装置の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態に係るユーザ端末の構成を示す図である。
【
図5】ユーザ端末に表示される表示画面の例を示す図である。
【
図6】ユーザ端末に表示される表示画面の例を示す図である。
【
図7】ユーザ端末に表示されるシミュレーション画面の例を示す図である。
【
図8】ユーザ端末に表示されるシミュレーション画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施の形態として、ユーザによる居住空間の内観や外観のシミュレーションを支援する技術について説明する。本実施の形態の支援システムは、居住空間のデザインのスタイルと、居住空間のサイズの指定をユーザから受け付け、それらに合わせて、居住空間に設置される設置物や建材の種類や色を選定する。支援システムは、選定した設置物や建材が設置された居住空間の三次元形状データをレンダリングした画像をユーザに提示する。これにより、ユーザは、好みのデザインのスタイルと現在又は将来に居住する居住空間のサイズを指定するだけで、それらに合わせてコーディネートされた設置物や建材が設置された居住空間の内観や外観をシミュレートすることができる。また、支援システムを提供するサービス提供者は、ユーザの嗜好や居住空間のサイズに合った魅力的な居住空間を実現するための設置物や建材などをユーザに提案することができるので、商機を増やすことができる。
【0012】
図1は、実施の形態に係る支援システムの構成を示す。支援システム1は、支援装置100、ユーザ端末200、及びそれらの装置を接続する通信網の一例であるインターネット2を備える。本実施の形態では、主に、居住空間内の特定の領域であるリビングダイニングキッチン(LDK)のシミュレーションを支援する場合について説明する。
【0013】
支援装置100は、LDKのデザインのスタイルと、LDKのサイズの指定をユーザ端末200から受け付ける。支援装置100は、ユーザ端末200から受け付けた情報に基づいて、LDKに設置される家具や設備などの設置物や建材の種類や色を選定する。
【0014】
ユーザ端末200は、LDKのデザインのスタイルと、LDKのサイズの指定をユーザから受け付け、受け付けた情報を支援装置100に送信する。ユーザ端末200は、支援装置100により選定された種類や色の設置物や建材が設置されたLDKの画像をレンダリングしてユーザに提示する。
【0015】
ユーザによる指示を支援装置100に伝達したり、LDKの画像をユーザに提示したりするためのユーザインタフェースは、支援装置100により提供されるウェブページなどにより実現されてもよいし、ユーザ端末200において実行されるアプリケーションなどにより実現されてもよい。LDKに設置される設置物や建材の種類や色を選定する機能は、支援装置100により実行されてもよいし、ユーザ端末200により実行されてもよい。また、選定された種類や色の設置物や建材が設置されたLDKの画像をレンダリングする機能も、支援装置100により実行されてもよいし、ユーザ端末200により実行されてもよい。
【0016】
図2は、実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。支援装置100は、LDKのデザインのスタイルの選択候補をユーザ端末200に提示する(S10)。ユーザ端末200は、ユーザにより指定されたLDKのデザインのスタイルを支援装置100に送信する(S12)。デザインのスタイルは、例えば、シック、スタイリッシュ、機能的、明るい色調、落ち着いた色調などであってもよい。デザインのスタイルの選択候補は、文章のみで示されてもよいし、画像のみで示されてもよいし、それらの双方で示されてもよい。
【0017】
支援装置100は、LDKのサイズの選択候補をユーザ端末200に提示する(S14)。ユーザ端末200は、ユーザにより指定されたLDKのサイズを支援装置100に送信する(S16)。LDKのサイズの選択候補は、数値で示されてもよいし、図形や間取り図などで示されてもよいし、それらの双方で示されてもよい。支援装置100は、LDKのサイズに加えて、LDKの形状、間取り、壁や窓などの位置、キッチンやダイニングテーブルなどの設置物の形状や位置などを受け付けてもよい。
【0018】
支援装置100は、ユーザ端末200から受け付けた情報に基づいて、LDKに設置される設置物や建材の種類や色を選定する(S18)。支援装置100は、LDKのデザインのスタイルと、LDKのサイズと、LDKのデザインのスタイル及びLDKのサイズに合った設置物や建材の種類や色とを対応付けて格納したデータベースを参照して、LDKに設置される設置物や建材の種類や色を選定する。例えば、広いLDKの場合、アイランド型のキッチンや、大きなダイニングテーブルや、ゆったりとしたソファなどが選定されてもよい。狭いLDKの場合、空間を効率的に活用することが可能な家具や、LDKを広く見せることが可能な明るい色合いの床材や壁材などが選定されてもよい。
【0019】
支援装置100は、選定された設置物や建材の種類、色、設置位置などを示すデータや、LDK、設置物、建材などの三次元形状データなどをユーザ端末200に送信する(S20)。ユーザ端末200は、支援装置100から取得したデータを使用して、選定された設置物や建材が設置されたLDKの三次元形状データを生成する。ユーザ端末200は、視点位置及び視線方向を設定し、生成した三次元形状データをレンダリングすることにより、LDKの画像を生成する(S22)。ユーザ端末200は、生成した画像を表示装置に表示する(S24)。ユーザ端末200は、ユーザから視点位置又は視線方向の変更指示を受け付けると、視点位置又は視線方向を変更してLDKの三次元形状データを再レンダリングし、LDKの画像を更新する。これにより、ユーザは、自身の好みやLDKのサイズに合わせて提案されたLDKの画像を、視点位置や視線方向を変更しながら表示してシミュレートすることができる。
【0020】
支援装置100は、ユーザから設置物や建材の種類や色などの変更指示を受け付けると(S28)、設置物や建材の種類や色を変更する(S30)。このとき、支援装置100は、LDK全体が、デザインのスタイルやLDKのサイズに合ったレイアウトや色調となるように、他の設置物や建材の種類や色も合わせて変更する。ユーザが複数の設置物や建材の種類や色をばらばらに変更していくと、統一感のないレイアウトや色調になりがちであるが、支援装置100が、変更された設置物や建材の種類や色に合わせて他の設置物や建材の種類や色も自動的に変更することにより、デザインのスタイルやLDKのサイズに合った統一感のあるLDKをシミュレーションすることができる。
【0021】
ユーザは、LDKのトータルコーディネートの基準となる設置物や建材がある場合は、その基準物を事前に支援装置100に指定することができる(S26)。例えば、床材は変更せずにLDKをリフォームしたい場合や、気に入ったシステムキッチンを基準としてLDK全体をコーディネートしたい場合などには、その床材やシステムキッチンを基準物として指定する。この場合、支援装置100は、指定された基準物の種類や色は変更せずに、その基準物の種類や色に合うように他の設置物や建材の種類や色を変更する。
【0022】
支援装置100は、変更した設置物や建材の種類や色を示すデータをユーザ端末200に送信する(S32)。ユーザ端末200は、支援装置100から取得したデータにしたがって、LDKの三次元形状データにおいて設置物や建材の種類や色を変更し、変更した三次元形状データをレンダリングすることにより、LDKの画像を生成する(S34)。ユーザ端末200は、生成した画像を表示装置に表示する(S36)。これにより、ユーザは、設置物のレイアウトのシミュレーションと、設置物や建材の色のシミュレーションをシームレスに実行することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
図3は、実施の形態に係る支援装置100の構成を示す。支援装置100は、通信装置101、表示装置102、入力装置103、処理装置110、及び記憶装置160を備える。支援装置100は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0024】
通信装置101は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置101は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置102は、処理装置110により生成される画面を表示する。表示装置102は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置103は、担当者による指示入力を処理装置110に伝達する。入力装置103は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置102及び入力装置103は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0025】
記憶装置160は、処理装置110により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置160は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置160には、設置物データベース161、建材データベース162、及び実績情報保持部163を含む。
【0026】
設置物データベース161は、LDKに設置可能なキッチン、テーブル、椅子、食器棚、ソファなどの商品の種類、名称、色、デザイン、サイズ、価格、機能、仕様、三次元形状データなどを格納する。設置物データベース161は、LDKのデザインのスタイルと、LDKのサイズと、LDKのデザインのスタイル及びLDKのサイズに合った設置物の種類や色などの情報とを対応付けて格納する。
【0027】
建材データベース162は、LDKの床、壁、天井、柱などに設置可能な建材の種類、名称、色、模様、デザイン、サイズ、価格、仕様、三次元形状データなどを格納する。建材データベース162は、LDKのデザインのスタイルと、LDKのサイズと、LDKのデザインのスタイル及びLDKのサイズに合った建材の種類や色などの情報とを対応付けて格納する。
【0028】
実績情報保持部163は、ユーザがシミュレーションしたLDKに設置された設置物や建材などの情報と、シミュレーションの際に設定されていたデザインのスタイル及びLDKのサイズと、情報を一意に識別するためのIDを格納する。実績情報保持部163は、支援装置100が選定した設置物や建材などの情報や、ユーザによる変更履歴などを更に格納してもよい。
【0029】
処理装置110は、デザインスタイル受付部111、サイズ受付部112、選定部113、基準物受付部114、変更受付部115、変更部116、見積処理部117、購入処理部118、記録部119、実績情報読み出し部120、及び学習部121を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、回路、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0030】
デザインスタイル受付部111は、LDKのデザインのスタイルの選択候補をユーザ端末200に提示し、ユーザにより指定されたLDKのデザインのスタイルを受け付ける。
【0031】
サイズ受付部112は、LDKのサイズの選択候補をユーザ端末200に提示し、ユーザにより指定されたLDKのサイズを受け付ける。
【0032】
選定部113は、ユーザ端末200から受け付けたLDKのデザインのスタイルとLDKのサイズに基づいて、LDKに設置される設置物や建材の種類や色を選定する。選定部113は、設置物データベース161及び建材データベース162を参照して、LDKに設置される設置物や建材の種類や色を選定してもよい。選定部113は、後述する学習部121により学習された選定アルゴリズムを使用して、LDKに設置される設置物や建材の種類や色を選定してもよい。選定部113は、選定した設置物や建材の種類、色、設置位置などを示すデータや、LDK、設置物、建材などの三次元形状データなどをユーザ端末200に送信する。
【0033】
基準物受付部114は、設置物や建材の種類や色などを変更するための基準となる基準物の指定をユーザ端末200から受け付ける。
【0034】
変更受付部115は、設置物や建材の種類や色などの変更指示をユーザ端末200から受け付ける。
【0035】
変更部116は、変更受付部115により受け付けられた変更指示にしたがって、設置物や建材の種類や色を変更する。変更部116は、全体としてデザインのスタイルやLDKのサイズに合ったレイアウトや色調となるように、他の設置物や建材の種類や色も合わせて変更する。例えば、統一感のあるデザインスタイルが設定され、白を基調としたキッチンと明るいベージュの床材が選定されたLDKにおいて、キッチンが黒を基調としたキッチンに変更されたときに、変更部116は、床材の色をキッチンの色に合わせてダークブラウンに変更してもよい。基準物受付部114により基準物の指定が受け付けられている場合は、変更部116は、指定された基準物の種類や色は変更せずに、その基準物の種類や色に合うように他の設置物や建材の種類や色を変更する。変更部116は、変更した設置物や建材の種類や色を示すデータをユーザ端末200に送信する
【0036】
見積処理部117は、選定部113により選定され、又は変更部116により変更された設置物又は建材の見積金額を、設置物データベース161又は建材データベース162を参照して算出し、ユーザ端末200に提示する。
【0037】
購入処理部118は、選定部113により選定され、又は変更部116により変更された設置物又は建材の購入をユーザ端末200から要求されたときに、代金の決済や商品の配送の手配など、購入に必要な処理を実行する。購入処理部118は、設置物や建材を販売するサーバにユーザが購入を希望する設置物や建材の情報を送信して設置物や建材の販売を要求してもよい。
【0038】
記録部119は、選定部113により選定され、又は変更部116により変更された設置物や建材の情報を実績情報として実績情報保持部163に記録する。記録部119は、実績情報にIDを付与し、ユーザ端末200に通知する。記録部119は、選定部113により選定された設置物や建材の情報や、変更部116により変更された設置物や建材の情報などを、IDと対応付けて実績情報保持部163に格納する。
【0039】
実績情報読み出し部120は、ユーザ端末200から実績情報保持部163に格納された実績情報の読み出しを要求されたときに、実績情報IDをユーザ端末200から取得し、実績情報IDに対応する実績情報を実績情報保持部163から読み出す。これにより、ユーザは、後日に実績情報を読み出してシミュレーションを再開したり、別の端末装置により実績情報を読み出してシミュレーションを実行したりすることができる。
【0040】
学習部121は、実績情報保持部163に格納された情報を学習データとして、LDKのデザインのスタイルとLDKのサイズに基づいてLDKに設置される設置物及び建材の種類及び色を選定するための選定アルゴリズムを学習する。学習部121は、教師なし学習により選定アルゴリズムを学習してもよいし、実績情報保持部163に格納された情報を教師データとして教師あり学習により選定アルゴリズムを学習してもよい。これにより、ユーザにより実際にシミュレーションされたLDKの情報を反映した選定アルゴリズムを生成することができるので、よりユーザの好みに合った魅力的なLDKを提案することができる。
【0041】
支援装置100は、LDKだけでなく、居室、寝室、浴室、洗面室、玄関、外構を含む外観など、居住空間の他の領域の内観や外観のシミュレーションを支援してもよい。複数の領域のシミュレーションを可能とする場合、支援装置100は、特定の領域に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定するためにユーザから受け付けた情報を、居住空間の別の領域に設置される設置物及び建材の種類及び色を選定するために利用可能としてもよい。これにより、居住空間の複数の領域のシミュレーションをシームレスに実行し、それらの領域を総合的にコーディネートすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0042】
図4は、実施の形態に係るユーザ端末200の構成を示す。ユーザ端末200は、通信装置201、表示装置202、入力装置203、処理装置210、及び記憶装置260を備える。ユーザ端末200は、パーソナルコンピュータなどの端末装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0043】
通信装置201は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置201は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置202は、処理装置210により生成される画面を表示する。表示装置202は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置203は、ユーザによる指示入力を処理装置210に伝達する。入力装置203は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置202及び入力装置203は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0044】
記憶装置260は、処理装置210により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置260は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置260には、設置物・建材データ保持部261、及び実績情報ID保持部262を含む。
【0045】
設置物・建材データ保持部261は、支援装置100から取得した設置物や建材の種類、色、配置位置などを示すデータや、三次元形状データなどを格納する。
【0046】
実績情報ID保持部262は、支援装置100に記録された実績情報のIDを格納する。
【0047】
処理装置210は、デザインスタイル指定部211、サイズ指定部212、設置物・建材データ取得部213、レンダリング部214、表示部215、変更指示部216、実績情報ID取得部217、及び実績情報読み出し要求部218を備える。これらの構成も、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、回路、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。
【0048】
デザインスタイル指定部211は、表示装置202に表示されたLDKのデザインのスタイルの選択候補の中からユーザにより指定されたLDKのデザインのスタイルを支援装置100に通知する。
【0049】
サイズ指定部212は、表示装置202に表示されたLDKのサイズの選択候補の中からユーザにより指定されたLDKのサイズを支援装置100に通知する。
【0050】
設置物・建材データ取得部213は、LDKに設置された設置物や建材の種類、色、配置位置などのデータや、三次元形状データなどを支援装置100から取得して、設置物・建材データ保持部261に格納する。
【0051】
レンダリング部214は、視点位置及び視線方向を設定し、LDKの三次元形状データをレンダリングすることにより、LDKの画像を生成する。
【0052】
表示部215は、レンダリング部214により生成された画像を表示装置202に表示する。表示部215は、ユーザから視点位置又は視線方向の変更指示を受け付けると、視点位置又は視線方向を変更してLDKの三次元形状データをレンダリング部214にレンダリングさせ、LDKの画像を更新する。
【0053】
変更指示部216は、設置物や建材の種類や色などの変更指示をユーザから受け付けて、支援装置100に送信する。
【0054】
実績情報ID取得部217は、支援装置100から実績情報IDを取得して、実績情報ID保持部262に格納する。
【0055】
実績情報読み出し要求部218は、実績情報ID保持部262に格納された実績情報IDを支援装置100に送信して、実績情報の読み出しを要求する。
【0056】
図5は、ユーザ端末200に表示される表示画面の例を示す。LDKのサイズを指定する際に、支援装置100は、LDKのサイズの選択候補をユーザ端末200に提示する。選択候補は、左側に示すように、LDKの形状のみを示す図形で示されてもよいし、右側に示すように、LDKに設置された設置物などのレイアウトの例を含む間取り図で示されてもよい。
【0057】
図6は、ユーザ端末200に表示される表示画面の例を示す。LDKのサイズの選択候補として、長方形や正方形だけでなく、L字型など、様々な形状の選択候補を指定可能としてもよい。これにより、ユーザが自宅のLDKに近い形状及びサイズのLDKをシミュレーションすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0058】
図7及び
図8は、ユーザ端末200に表示されるシミュレーション画面の例を示す。
図7は、
図6の一番上の選択候補(23m
2)が指定された場合に、選定部113により選定された設置物及び建材が設置されたLDKの画像を示す。
図8は、
図6の一番下の選択候補(37.5m
2)が指定された場合に、選定部113により選定された設置物及び建材が設置されたLDKの画像を示す。LDKのサイズに合ったダイニングテーブルやソファなどが選定されている。これにより、ユーザは、好みのデザインスタイルや、自宅のLDKのサイズに合った設置物や建材が選定されたLDKをシミュレートし、新築やリフォームを検討することができる。
【0059】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 支援システム、100 支援装置、111 デザインスタイル受付部、112 サイズ受付部、113 選定部、114 基準物受付部、115 変更受付部、116 変更部、117 見積処理部、118 購入処理部、119 記録部、120 実績情報読み出し部、121 学習部、161 設置物データベース、162 建材データベース、163 実績情報保持部、200 ユーザ端末、211 デザインスタイル指定部、212 サイズ指定部、213 設置物・建材データ取得部、214 レンダリング部、215 表示部、216 変更指示部、217 実績情報ID取得部、218 実績情報読み出し要求部、261 設置物・建材データ保持部、262 実績情報ID保持部。