(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074072
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】貨物自動車への貨物の積載方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230522BHJP
B65G 67/04 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G67/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186824
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133064
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 新
(72)【発明者】
【氏名】下園 悠輔
(72)【発明者】
【氏名】桑原 由樹
【テーマコード(参考)】
3F076
5L049
【Fターム(参考)】
3F076BA01
3F076CA01
3F076CA07
3F076FA01
3F076FA05
3F076FA07
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】貨物自動車の荷室での貨物の位置の正確な把握をより少ない労力で実現する。
【解決手段】RFIDリーダ30が、貨物102に取り付けられ、貨物102を特定する貨物情報13が記憶された貨物情報RFIDタグ10から貨物情報13を読み取る。RFIDリーダ30が、貨物102の荷室101での位置を特定する位置情報23が記憶された位置情報RFIDタグ20から位置情報23を読み取る。電子計算機40が貨物情報13と位置情報23とを関連付けて記憶装置43に記憶させる。電子計算機40が、RFIDリーダ30が読み取った貨物情報13に関する入力を入力装置44に受け付けさせ、電子計算機40が、入力に関する貨物情報13について、記憶装置43に貨物情報13に関連付けて記憶された位置情報23を出力装置45に出力させる。このため、貨物自動車100の荷室101での貨物102の位置の正確な把握をより少ない労力で実現できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDリーダが、貨物自動車の荷室に積載される貨物に取り付けられ、前記貨物を特定する貨物情報が記憶された貨物情報RFIDタグから、前記貨物情報を読み取る貨物情報読取工程と、
RFIDリーダが、前記荷室に積載された前記貨物の前記荷室での位置を特定する位置情報が記憶された位置情報RFIDタグから、前記位置情報を読み取る位置情報読取工程と、
電子計算機が、前記貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った前記貨物情報と、前記位置情報読取工程でRFIDリーダが読み取った前記位置情報とを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶工程と、
電子計算機が、前記貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った前記貨物情報に関する入力を入力装置に受け付けさせる貨物情報入力工程と、
電子計算機が、前記貨物情報入力工程で前記電子計算機が前記入力装置に受け付けさせた前記入力に関する前記貨物情報について、前記記憶工程で前記電子計算機が前記記憶装置に前記貨物情報に関連付けて記憶させた前記位置情報を出力装置に出力させる位置情報出力工程と、
を備えた貨物自動車への貨物の積載方法。
【請求項2】
前記位置情報読取工程では、前記RFIDリーダは、前記荷室及び前記荷室に前記貨物を積載する作業者の衣服のいずれかに取り付けられた前記位置情報RFIDタグから、前記位置情報を読み取る、請求項1に記載の貨物自動車への貨物の積載方法。
【請求項3】
前記記憶工程では、前記電子計算機は、前記貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った前記貨物情報と、前記貨物情報読取工程の後の前記位置情報読取工程でRFIDリーダが読み取った前記位置情報とを関連付けて記憶装置に記憶させる、請求項1又は2に記載の貨物自動車への貨物の積載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車への貨物の積載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物自動車への貨物の積載に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、配送される貨物の位置を把握するために、貨物自動車に貨物と共に積まれた配送監視装置が開示されている。特許文献1の配送監視装置は、配送監視装置の周囲に位置する貨物に取り付けられたタグ信号送信装置が送信したタグ信号を読み取り、配送監視装置の位置情報を取得し、タグ信号と位置情報とを含む管理情報を配送管理サーバに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/188434号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような貨物自動車の荷室への貨物の積載の際には、作業者が、貨物の外観及び配送の順番と、貨物自動車の荷室での貨物の位置とを関連付けながら頭で記憶する。又は、貨物自動車への貨物の積載の際には、作業者が、貨物自動車の荷室での貨物の位置を伝票の紙に手書きでメモをする。しかし、作業者が頭で貨物の位置を記憶する場合には、作業者ごとの記憶力の差が大きく、荷卸しの際に貨物を探す時間に作業者ごとの差異が発生し、安定した作業品質を保持できない。また、作業者が貨物の位置を紙にメモをする場合には、メモをする手間がかかる。
【0005】
そこで本発明は、貨物自動車の荷室での貨物の位置の正確な把握をより少ない労力で実現できる貨物自動車への貨物の積載方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、RFIDリーダが、貨物自動車の荷室に積載される貨物に取り付けられ、貨物を特定する貨物情報が記憶された貨物情報RFIDタグから、貨物情報を読み取る貨物情報読取工程と、RFIDリーダが、荷室に積載された貨物の荷室での位置を特定する位置情報が記憶された位置情報RFIDタグから、位置情報を読み取る位置情報読取工程と、電子計算機が、貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った貨物情報と、位置情報読取工程でRFIDリーダが読み取った位置情報とを関連付けて記憶装置に記憶させる記憶工程と、電子計算機が、貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った貨物情報に関する入力を入力装置に受け付けさせる貨物情報入力工程と、電子計算機が、貨物情報入力工程で電子計算機が入力装置に受け付けさせた入力に関する貨物情報について、記憶工程で電子計算機が記憶装置に貨物情報に関連付けて記憶させた位置情報を出力装置に出力させる位置情報出力工程とを備えた貨物自動車への貨物の積載方法である。
【0007】
この構成によれば、貨物情報読取工程では、RFIDリーダが、貨物自動車の荷室に積載される貨物に取り付けられ、貨物を特定する貨物情報が記憶された貨物情報RFIDタグから貨物情報を読み取るため、正確な貨物情報を少ない労力で取得できる。位置情報読取工程では、RFIDリーダが、荷室に積載された貨物の荷室での位置を特定する位置情報が記憶された位置情報RFIDタグから位置情報を読み取るため、正確な位置情報を少ない労力で取得できる。
【0008】
記憶工程では、電子計算機が、貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った貨物情報と、位置情報読取工程でRFIDリーダが読み取った位置情報とを関連付けて記憶装置に記憶させるため、少ない労力で貨物情報と位置情報とを関連付けて記憶できる。
【0009】
貨物情報入力工程では、電子計算機が、貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った貨物情報に関する入力を入力装置に受け付けさせ、位置情報出力工程では、電子計算機が、貨物情報入力工程で電子計算機が入力装置に受け付けさせた入力に関する貨物情報について、記憶工程で電子計算機が記憶装置に貨物情報に関連付けて記憶させた位置情報を出力装置に出力させるため、入力装置が貨物情報に関する入力を受け付けるだけで、位置情報を把握できる。したがって、貨物自動車の荷室での貨物の位置の正確な把握をより少ない労力で実現できる。
【0010】
この場合、位置情報読取工程では、RFIDリーダは、荷室及び荷室に貨物を積載する作業者の衣服のいずれかに取り付けられた位置情報RFIDタグから、位置情報を読み取ることが好適である。
【0011】
この構成によれば、位置情報読取工程では、RFIDリーダは、荷室又は荷室に貨物を積載する作業者の衣服に取り付けられた位置情報RFIDタグから位置情報を読み取るため、作業者が所持するRFIDリーダと位置情報RFIDタグとの距離が近くなり、正確な位置情報をより少ない労力で取得できる。
【0012】
また、記憶工程では、電子計算機は、貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った貨物情報と、貨物情報読取工程の後の位置情報読取工程でRFIDリーダが読み取った位置情報とを関連付けて記憶装置に記憶させることが好適である。
【0013】
この構成によれば、記憶工程では、電子計算機は、貨物情報読取工程でRFIDリーダが読み取った貨物情報と、貨物情報読取工程の後の位置情報読取工程でRFIDリーダが読み取った位置情報とを関連付けて記憶装置に記憶させるため、貨物情報読取工程から位置情報読取工程の順序で実行する単純な作業の手順により、貨物情報と位置情報とを関連付けて記憶できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の貨物自動車への貨物の積載方法によれば、貨物自動車の荷室での貨物の位置の正確な把握をより少ない労力で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る貨物積載システムを示す図である。
【
図2】実施形態に係る貨物自動車への貨物の積載方法が適用される貨物自動車を示す図である。
【
図3】(A)は貨物自動車の荷室に取り付けられる位置情報RFIDタグの例を示す平面図であり、(B)は貨物自動車の荷室に取り付けられる位置情報RFIDタグの例を示す側面図であり、(C)は貨物自動車の荷室に取り付けられる位置情報RFIDタグの例を示す背面図である。
【
図4】実施形態に係る貨物自動車への貨物の積載方法における作業者の装備を示す図である。
【
図5】実施形態に係る貨物自動車への貨物の積載方法の工程を示すフローチャートである。
【
図6】電子計算機の動作を示すフローチャートである。
【
図7】(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)は、電子計算機の動作に伴う記憶装置での情報の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る貨物自動車への貨物の積載方法について、図面を用いて詳細に説明する。本実施形態に係る貨物自動車への貨物の積載方法は、貨物自動車の荷室に貨物を積載した後に貨物を荷卸し又は荷室内で移動する際に適用される。
図1に示されるように、本実施形態の貨物自動車への貨物の積載方法には、貨物積載システム1が適用される。貨物積載システム1は、貨物情報RFID(radiofrequency identifier)タグ10、位置情報RFIDタグ20、RFIDリーダ30及び電子計算機40を備える。
【0017】
貨物情報RFIDタグ10は、例えば、指向性のRFIDタグである。
図2に示されるように、貨物情報RFIDタグ10は、貨物自動車100の荷室101に積載される貨物102に取り付けられ、貨物102を特定する貨物情報13が記憶されている。
図1に示されるように、貨物情報RFIDタグ10は、通信部11及び記憶部12を有する。通信部11は、RFIDリーダ30と無線通信により貨物情報13を含む情報を送受信する。記憶部12は、貨物102を特定する貨物情報13を記憶する。貨物情報13は、例えば、貨物102を特定する12345678等の数字列等からなる管理番号である。
【0018】
位置情報RFIDタグ20は、例えば、指向性のRFIDタグである。位置情報RFIDタグ20は、荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置を特定する位置情報23が記憶されている。位置情報RFIDタグ20は、通信部21及び記憶部22を有する。通信部21は、RFIDリーダ30と無線通信により位置情報23を含む情報を送受信する。記憶部22は、荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置を特定する位置情報23を記憶する。
【0019】
位置情報23は、例えば、荷室101での位置を特定するA(=前方右側部)、B(=前方左側部)及びC(=後方)等の英字又はAAAAAAAA(=前方右側部)、BBBBBBB(=前方左側部)及びCCCCCCCC(=後方)等の英字列等からなる。貨物情報RFIDタグ10と、位置情報RFIDタグ20とは、互いに同じ構造を有していてもよく、互いに異なる構造を有していてもよい。
【0020】
図2、
図3(A)、
図3(B)及び
図3(C)に示されるように、例えば、位置情報RFIDタグ20は、貨物自動車100の荷室101に取り付けられている。荷室101に取り付けられた位置情報RFIDタグ20の記憶部22に記憶された位置情報23は、位置情報RFIDタグ20の荷室101での位置を荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置として特定する。例えば、荷室101の前方右側部ドアの近傍に取り付けられた位置情報RFIDタグ20の記憶部22に記憶された位置情報23は、荷室101での前方右側部を荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置として特定する。
【0021】
また、例えば、位置情報RFIDタグ20は、荷室101の壁面等に示された荷室101の各位置を示す図面に取り付けられていてもよい、荷室101の各位置を示す図面に取り付けられた位置情報RFIDタグ20の記憶部22に記憶された位置情報23は、位置情報RFIDタグ20の図面における荷室101での位置を荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置として特定する。
【0022】
また、
図4に示されるように、例えば、位置情報RFIDタグ20は、荷室101に貨物102を積載する作業者103の衣服104に取り付けられていてもよい。作業者103の衣服104の各位置に取り付けられた位置情報RFIDタグ20の記憶部22に記憶された位置情報23は、衣服104の各位置と任意に関連付けられた荷室101の位置を荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置として特定する。例えば、衣服104の左前腕部に取り付けられた位置情報RFIDタグ20の記憶部22に記憶された位置情報23は、荷室101での前方右側部を荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置として特定する。
【0023】
また、例えば、位置情報RFIDタグ20は、板状部材に貼付されていてもよい。板状部材に貼付された位置情報RFIDタグ20は、貨物自動車100の荷室101に積載されてもよく、作業者103により携帯されてもよい。また、例えば、位置情報RFIDタグ20は、クリップボード等に固定された荷室101の各位置を示す図面等の紙面に貼付されていてもよい。クリップボード等に固定された紙面に貼付された位置情報RFIDタグ20は、貨物自動車100の荷室101に積載されてもよく、作業者103により携帯されてもよい。クリップボード等に固定された紙面を交換し、紙面に位置情報RFIDタグ20を貼付する位置を変更することにより、貨物自動車100の荷室101のレイアウトの変更に対して柔軟に対応することができる。
【0024】
図4に示されるように、RFIDリーダ30は、荷室101に貨物102を積載する作業者103により携帯され、貨物情報RFIDタグ10から貨物情報13を読み取り、位置情報RFIDタグ20から位置情報23を読み取る。RFIDリーダ30は、小型なものが好ましい。RFIDリーダ30は、例えば、指向性のRFIDリーダであり、読み取りを意図しない他の貨物情報RFIDタグ10の貨物情報13及び位置情報RFIDタグ20の位置情報23を読み取らずに、読み取りを意図する単一の貨物情報RFIDタグ10の貨物情報13及び位置情報RFIDタグ20の位置情報23を読み取る。なお、RFIDリーダ30は、無指向性のRFIDリーダであり、複数の貨物情報RFIDタグ10から一度に複数の貨物情報13を読み取ってもよい。
【0025】
図1に示されるように、RFIDリーダ30は、通信部31及び記憶部32を有する。通信部31は、貨物情報RFIDタグ10、位置情報RFIDタグ20及び電子計算機40と無線通信により情報を送受信する。記憶部32は、貨物情報RFIDタグ10及び位置情報RFIDタグ20から読み取った貨物情報13及び位置情報23を一時的に記憶する。なお、RFIDリーダ30は、例えば、荷室101に貨物102を積載する作業者103の衣服104に取り付けられていてもよい。例えば、RFIDリーダ30は、作業者103の手袋と一体化し、作業者103が荷室101に貨物102を積載する作業中に、貨物情報RFIDタグ10から貨物情報13を読み取り、位置情報RFIDタグ20から位置情報23を読み取ってもよい。
【0026】
電子計算機40は、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM([Random Access Memory)などを有する。電子計算機40は、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。電子計算機40は、荷室101に貨物102を積載する作業者103により携帯され、他の電子計算機と情報の送受信ができるものであれば、特に限定されず、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ラットトップ型パーソナルコンピュータ及び携帯電話機等の携帯情報端末である。
【0027】
電子計算機40は、通信部41、制御部42、記憶装置43、入力装置44及び出力装置45を有する。通信部41は、RFIDリーダ30及び他の電子計算機と無線通信により情報を送受信する。制御部42は、電子計算機40の各部の動作を制御する。記憶装置43は、制御部42からの指令に基づいて、RFIDリーダ30が読み取った貨物情報13と、RFIDリーダ30が読み取った位置情報23とを関連付けて記憶する。
【0028】
入力装置44は、例えば、タブレット端末及びスマートフォン等のタッチパネルであり、制御部42からの指令に基づいて、RFIDリーダ30が読み取った貨物情報13に関する入力を受け付ける。出力装置45は、例えば、タブレット端末及びスマートフォン等の液晶ディスプレイであり、入力装置44が受け付けた入力に関する貨物情報13について、記憶装置43に貨物情報13に関連付けて記憶させた位置情報23を出力する。なお、電子計算機40には、RFIDリーダ30が一体化されていてもよい。
【0029】
以下、本実施形態の貨物自動車への貨物の積載方法の各工程について説明する。まず、事前準備として、
図2に示されるように、貨物自動車100の荷室101に積載される貨物102に貨物情報RFIDタグ10が予め取り付けられる。貨物情報RFIDタグ10の記憶部12には、貨物情報13が予め記憶される。
【0030】
図2、
図3(A)、
図3(B)及び
図3(C)に示されるように位置情報RFIDタグ20が貨物自動車100の荷室101に取り付けられるか、
図4に示されるように位置情報RFIDタグ20が荷室101に貨物102を積載する作業者103の衣服104に取り付けられる。位置情報RFIDタグ20は、荷室101及び衣服104のいずれかに取り付けられればよい。位置情報RFIDタグ20の記憶部22には、位置情報23が予め記憶される。電子計算機40に以下の動作を実行するアプリケーションプログラムがインストールされる。RFIDリーダ30と電子計算機40とが無線通信により接続される。
【0031】
図5に示されるように、RFIDリーダ30が、貨物自動車100の荷室101に積載される貨物102に取り付けられ、貨物102を特定する貨物情報13が記憶された貨物情報RFIDタグ10から、貨物情報13を読み取る貨物情報読取工程が行われる(S1)。貨物情報読取工程は、貨物自動車100の荷室101に貨物102が積載される前に行われてもよく、貨物自動車100の荷室101に貨物102が積載された後に行われてもよい。RFIDリーダ30は、通信部31を介して読み取った貨物情報13を電子計算機40に送信する。
【0032】
貨物自動車100の荷室101に貨物102が積載された後に、RFIDリーダ30が、荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置を特定する位置情報23が記憶された位置情報RFIDタグ20から、位置情報23を読み取る位置情報読取工程が行われる(S2)。位置情報読取工程では、RFIDリーダ30は、荷室101及び荷室101に貨物102を積載する作業者103の衣服104のいずれかに取り付けられた位置情報RFIDタグ20から、位置情報23を読み取る。RFIDリーダ30は、通信部31を介して読み取った位置情報23を電子計算機40に送信する。
【0033】
なお、上記のように、位置情報読取工程では、RFIDリーダ30は、荷室101の壁面等に示された荷室101の各位置を示す図面に取り付けられた位置情報RFIDタグ20、板状部材に貼付された位置情報RFIDタグ20又はクリップボード等に固定された荷室101の各位置を示す図面等の紙面に貼付された位置情報RFIDタグ20から、位置情報23を読み取ってもよい。
【0034】
本実施形態では、例えば、作業者103は、貨物自動車100の荷室101に貨物102が積載される前に、その貨物102に取り付けられた貨物情報RFIDタグ10からRFIDリーダ30により貨物情報13を読み取り、荷室101にその貨物102が積載された直後に、荷室101でのその貨物102の近傍に取り付けられた位置情報RFIDタグ20又は作業者103の衣服104に取り付けられた位置情報RFIDタグ20からRFIDリーダ30により位置情報23を読み取ることができる。
【0035】
また、本実施形態では、例えば、作業者103は、荷室101に貨物102が積載された直後に、その貨物102に取り付けられた貨物情報RFIDタグ10からRFIDリーダ30により貨物情報13を読み取り、続いて、荷室101でのその貨物102の近傍に取り付けられた位置情報RFIDタグ20又は作業者103の衣服104に取り付けられた位置情報RFIDタグ20からRFIDリーダ30により位置情報23を読み取ることができる。なお、貨物情報13を読み取るRFIDリーダ30と、位置情報23を読み取るRFIDリーダ30とは、同じ作業者103が所持する同じ物でもよく、異なる作業者103が所持する異なるものでもよい。
【0036】
電子計算機40の制御部42が、貨物情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った貨物情報13と、位置情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った位置情報23とを関連付けて記憶装置43に記憶させる記憶工程が行われる(S3)。記憶工程の際の電子計算機40の動作の詳細については、後述する。貨物102の荷卸しのときに、電子計算機40の制御部42が、貨物情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った貨物情報13に関する入力を入力装置44に受け付けさせる貨物情報入力工程が行われる(S4)。
【0037】
貨物情報入力工程では、例えば、入力装置44であるタッチパネルに、貨物102を特定する貨物情報13である12345678等の数字列が入力される。貨物情報13に関する入力は、必ずしも貨物情報13の全てである必要はなく、貨物102を特定できる最小限の数字列又は文字列の入力でよい。また、貨物情報入力工程では、入力が必ずしも手動でのタッチパネル及びキーボード等への打ち込みである必要はなく、例えば、タッチパネル中のリストからの選択、リーダによるバーコードの読み取り又はリーダによる二次元コードの読み取りにより、入力が行われてもよい。
【0038】
また、貨物情報入力工程では、貨物102に取り付けられた貨物情報RFIDタグ10又は貨物102に取り付けられた貨物情報RFIDタグ10以外の貨物102を特定する貨物情報13が記憶されたRFIDタグから、貨物情報読取工程及び位置情報読取工程のいずれかで用いられたRFIDリーダ30又は貨物情報読取工程及び位置情報読取工程のいずれかで用いられたRFIDリーダ30以外のRFIDリーダによる読み取りにより、入力が行われてもよい。
【0039】
電子計算機40の制御部42が、貨物情報入力工程で電子計算機40の制御部42が入力装置44に受け付けさせた入力に関する貨物情報13について、記憶工程で電子計算機40の制御部42が記憶装置43に貨物情報13に関連付けて記憶させた位置情報23を出力装置45に出力させる位置情報出力工程が行われる(S5)。位置情報出力工程では、例えば、出力装置45である液晶ディスプレイに、「管理番号12345678の荷積み位置は、前方右側部」等の情報が表示される。
【0040】
なお、荷室101に積載した貨物102の位置を変更する際には、当該貨物102について、貨物情報入力工程及び位置情報出力工程が行われて当該貨物102の位置が特定され、特定された貨物102の荷室101内での位置の移動の終了後に、再度、当該位置について、貨物情報読取工程、位置情報読取工程、記憶工程が行われることにより、貨物102の位置の変更後の貨物情報13と位置情報23とを関連付けて記憶できる。
【0041】
以下、記憶工程において、電子計算機40で実行される処理の詳細について、説明する。本実施形態では、記憶工程では、電子計算機40の制御部42は、貨物情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った貨物情報13と、貨物情報読取工程の後の位置情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った位置情報23とを関連付けて記憶装置43に記憶させる。
図6に示されるように、貨物情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った貨物情報13及び位置情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った位置情報23のいずれかのデータを電子計算機40が通信部41を介して受信する(S11)。
【0042】
例えば、荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置が荷積位置A、荷積位置B及び荷積位置Cのいずれかである場合において、受信データが荷積位置A、荷積位置B及び荷積位置Cのいずれかを特定する位置情報23ではないときは(S12、S13及びS14)、電子計算機40は受信データを貨物情報13と認識する(S15)。電子計算機40は受信データを記憶装置43に構築されたデータベースにおける貨物情報13の列の最後尾に格納する(S16)。電子計算機40は、格納した受信データの荷積位置の値を仮登録データに書き換え(S17)、受信データが荷積位置A、荷積位置B及び荷積位置Cのいずれかを特定する位置情報23であるまで、S11~S17の処理を繰り返す。
【0043】
一方、受信データが荷積位置Aを特定する位置情報23であるときは(S12)、格納した貨物情報13の仮登録データとなっていた荷積位置の値を荷積位置Aに書き換える(S18)。同様に、受信データが荷積位置Bを特定する位置情報23であるときは(S13)、格納した貨物情報13の仮登録データとなっていた荷積位置の値を荷積位置Bに書き換える(S19)。同様に、受信データが荷積位置Cを特定する位置情報23であるときは(S14)、格納した貨物情報13の仮登録データとなっていた荷積位置の値を荷積位置Bに書き換える(S20)。
【0044】
電子計算機40の記憶装置43に構築されたデータベース上では、以下のような処理が行われる。
図7(A)に示されるように、記憶装置43には、一時保存データベースと正式保存データベースとが構築されている。
図7(A)に示されるように、電子計算機40がRFIDリーダ30から受信した受信データが位置情報23であり、一時保存データベースに他に仮登録された貨物情報13が無い場合には、
図7(B)に示されるように、電子計算機40の制御部42は、一時保存データベースの全データを消去する。
【0045】
図7(C)に示されるように、電子計算機40がRFIDリーダ30から受信した受信データが貨物情報13であるときには、電子計算機40の制御部42は、一時保存データベースの最後尾に当該貨物情報13を格納する。
図7(D)に示されるように、電子計算機40がRFIDリーダ30から受信した受信データが貨物情報13であった後に、電子計算機40がRFIDリーダ30から受信した受信データが貨物情報13であるときには、電子計算機40の制御部42は、一時保存データベースの最後尾に当該貨物情報13を順次格納する。
【0046】
図7(E)に示されるように、電子計算機40がRFIDリーダ30から受信した受信データが貨物情報13であった後に、電子計算機40がRFIDリーダ30から受信した受信データが位置情報23であるときには、
図7(F)に示されるように、電子計算機40の制御部42は、一時保存データベースに仮登録された全ての貨物情報13と受信データの位置情報23とを関連付けて、正式保存データベースに格納する。電子計算機40の制御部42は、一時保存データベースの全データを消去する。
【0047】
以下、本実施形態の貨物自動車への貨物の積載方法の作用及び効果について説明する。上記のように、作業者が頭で貨物の位置を記憶する場合には、作業者ごとの記憶力の差が大きく、荷卸しの際に貨物を探す時間に作業者ごとの差異が発生し、安定した作業品質を保持できない。また、作業者が貨物の位置を紙にメモをする場合には、メモをする手間がかかる。
【0048】
作業者が頭で貨物の位置を記憶する場合に安定した作業品質を保持できない原因は、せっかく貨物の位置を記憶しても、時間が経つと記憶が薄れて忘れてしまうためである。また、そもそも貨物の数が多い場合には貨物の位置を記憶することが困難である。また、配送順が突発で変更になり、貨物を降ろす順番が当初計画と変わり、奥の方にある貨物を取り出すために、手前の貨物の荷積み位置が変更される場合には、その変更位置の記憶が困難であるためである。また、貨物自動車の走行中の振動による荷崩れ防止のために、配送中に貨物102の荷室101での位置が変更される場合には、その変更された位置を記憶することが困難であるからである。
【0049】
また、作業者が貨物の位置を紙にメモをする場合にはメモをする手間がかかる原因は、ペンと紙とを手に持ちながら荷室101に貨物102を積載する作業はできないため、一つの貨物102を積載するごとに、ペン及び紙と貨物102とを持ち替える必要があるためである。
【0050】
一方、本実施形態では、貨物情報読取工程では、RFIDリーダ30が、貨物自動車100の荷室101に積載される貨物102に取り付けられ、貨物102を特定する貨物情報13が記憶された貨物情報RFIDタグ10から貨物情報13を読み取るため、正確な貨物情報13を少ない労力で取得できる。位置情報読取工程では、RFIDリーダ30が、荷室101に積載された貨物102の荷室101での位置を特定する位置情報23が記憶された位置情報RFIDタグ20から位置情報23を読み取るため、正確な位置情報23を少ない労力で取得できる。
【0051】
記憶工程では、電子計算機40の制御部42が、貨物情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った貨物情報13と、位置情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った位置情報23とを関連付けて記憶装置43に記憶させるため、少ない労力で貨物情報と位置情報とを関連付けて記憶できる。
【0052】
貨物情報入力工程では、電子計算機40の制御部42が、貨物情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った貨物情報13に関する入力を入力装置44に受け付けさせ、位置情報出力工程では、電子計算機40の制御部42が、貨物情報入力工程で電子計算機40の制御部42が入力装置44に受け付けさせた入力に関する貨物情報13について、記憶工程で電子計算機40の制御部42が記憶装置43に貨物情報13に関連付けて記憶させた位置情報23を出力装置45に出力させるため、入力装置44が貨物情報13に関する入力を受け付けるだけで、位置情報23を把握できる。したがって、貨物自動車100の荷室101での貨物102の位置の正確な把握をより少ない労力で実現できる。
【0053】
つまり、本実施形態では、小型のRFIDリーダ30と貨物情報RFIDタグ10及び位置情報RFIDタグ20を活用することにより、作業性が損なわれることなく、正確な荷積み位置を記録できる。また、本実施形態では、RFIDを使用する仕組みにより、作業者103の記憶力に依存する必要が無くなり、どの作業者103でも荷積み位置の記億作業において、一定の品質を維持できる。また、本実施形態では、作業者103が記憶する作業が無くなり荷積み時間を短縮できる。また、本実施形態では、携帯情報端末に貨物102の荷積み位置を記憶させ、後で貨物102の荷積み位置を閲覧できる仕組みのため、配達時における荷室101で貨物102を探す時間の短縮につながる。また、本実施形態では、積載後に荷室101での貨物102の積載位置が変更される場合にも対応できる。
【0054】
また、本実施形態では、位置情報読取工程では、RFIDリーダ30は、荷室101又は荷室101に貨物102を積載する作業者103の衣服104に取り付けられた位置情報RFIDタグ20から位置情報23を読み取るため、作業者103が所持するRFIDリーダ30と位置情報RFIDタグ20との距離が近くなり、正確な位置情報をより少ない労力で取得できる。
【0055】
また、本実施形態では、記憶工程では、電子計算機40の制御部42は、貨物情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った貨物情報13と、貨物情報読取工程の後の位置情報読取工程でRFIDリーダ30が読み取った位置情報23とを関連付けて記憶装置43に記憶させるため、貨物情報読取工程から位置情報読取工程の順序で実行する単純な作業の手順により、貨物情報13と位置情報23とを関連付けて記憶できる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。例えば、電子計算機40の記憶装置43に記憶された貨物情報13及び位置情報23は、電子計算機40の外部の他の電子計算機に送信され、共有されることにより、管理されてもよい。この場合、上記実施形態の貨物自動車への貨物の積載方法は、ブロックチェーンシステム、車両管理システム(FMS:Fleet Management System)及び倉庫管理システム(WMS:WarehouseManagement System)と連携させてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…貨物積載システム、10…貨物情報RFIDタグ、11…通信部、12…記憶部、13…貨物情報、20…位置情報RFIDタグ、21…通信部、22…記憶部、23…位置情報、30…RFIDリーダ、31…通信部、32…記憶部、40…電子計算機、41…通信部、42…制御部、43…記憶装置、44…入力装置、45…出力装置、100…貨物自動車、101…荷室、102…貨物、103…作業者、104…衣服。