(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074128
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】配信システム、有効化方法、及び有効化プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230522BHJP
G16H 80/00 20180101ALI20230522BHJP
【FI】
G16H10/00
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186909
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】516305053
【氏名又は名称】株式会社CureApp
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晋
(72)【発明者】
【氏名】宋 龍平
(72)【発明者】
【氏名】小羽田 諭孝
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】医療従事者からの処方を受けて治療用アプリケーションを実行できる治療用アプリケーション配信システムを提供する。
【解決手段】 医療従事者からの処方があって機能する機能部を有する治療用アプリケーションを配信する配信システムであって、患者の第1端末からの前記治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信部と、前記処方要求に応じて、医療従事者から前記第1端末の患者に対する前記治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付部と、前記処方許可情報を受け付けた場合に、前記機能部を有効化する有効化部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者からの処方があって機能する機能部を有する治療用アプリケーションを配信する配信システムであって、
患者の第1端末からの前記治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信部と、
前記処方要求に応じて、医療従事者から前記第1端末の患者に対する前記治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付部と、
前記処方許可情報を受け付けた場合に、前記機能部を有効化する有効化部と、を備える
ことを特徴とする配信システム。
【請求項2】
前記有効化部は、前記第1端末に記憶されている前記治療用アプリケーションの前記機能部を有効化する有効化信号を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記有効化部は、前記第1端末に前記機能部を有効化するための処方コードを送信し、
前記第1端末において前記治療用アプリケーションに対して前記処方コードが入力されることで前記機能部が有効化される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記受信部は、前記処方要求とともに前記第1端末の患者識別情報を受信し、
前記配信システムは、
患者を示す患者識別情報と、当該患者に関する患者情報と、を対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記受信部が受信した患者識別情報が、前記記憶部に記憶されていない場合には、前記機能部を有効化していない状態の治療用アプリケーションを配信する配信部を備える
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項5】
前記受信部が前記処方要求をとともに前記第1端末の患者識別情報を受信した場合であって、前記患者情報に、前記治療用アプリケーションに関する疾病についての事前情報が含まれるときには、前記処方要求と、前記患者情報と、を前記医療従事者の第2端末に送信する送信部を備え、
前記受付部は、前記送信部が前記処方要求と前記患者情報と、を前記第2端末に送信した後に、前記医療従事者による入力を受け付けた前記第2端末から、前記処方許可情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項4に記載の配信システム。
【請求項6】
前記記憶部は、更に、前記処方要求を受け付けることが可能な医療機関を示す医療機関情報を記憶し、
前記送信部は、前記医療機関情報に含まれる医療従事者の前記第2端末に前記処方要求と、前記患者情報と、を送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の配信システム。
【請求項7】
前記受信部は、前記医療機関情報に含まれる医療機関を指定する指定情報を受信し、
前記送信部は、前記指定情報で指定される医療機関の前記第2端末に前記処方要求と、前記患者情報と、を送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の配信システム。
【請求項8】
前記治療用アプリケーションは、前記医療従事者からの処方無しでも機能する機能として問診部を備え、
前記第1端末において実行された前記治療用アプリケーションの前記問診部は、前記治療用アプリケーションに係る疾病についての問診を前記第1端末の患者に対して行って、前記問診に対する患者の回答を送信するものであり、
前記配信システムは、前記回答を前記第1端末の患者の患者識別情報とともに受信して、当該患者識別情報に対応付けて、前記患者情報として前記回答を前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項9】
前記機能部によって利用することが可能な機能には、前記記憶部に記憶されている当該患者の患者情報の閲覧が含まれる
ことを特徴とする請求項4~8のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項10】
前記事前情報は、前記患者に対して前記治療用アプリケーションに係る疾病に関する問診結果を示す問診情報である
ことを特徴とする請求項4~9のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項11】
前記事前情報は、前記患者の前記治療用アプリケーションに係る疾病に関する検診・健診情報である
ことを特徴とする請求項4~10のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項12】
前記機能部によって利用することが可能な機能には、前記第1端末の患者の患者情報の閲覧を含む
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項13】
前記機能部によって利用することが可能な機能には、前記第1端末の患者の治療状況に応じた前記患者に対する治療手法の提案を含む
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項14】
医療従事者からの処方があって機能する機能部を有する治療用アプリケーションを配信する配信システムのコンピュータが、
患者の第1端末からの前記治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信ステップと、
前記処方要求に応じて、医療従事者から前記第1端末の患者に対する前記治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付ステップと、
前記処方許可情報を受け付けた場合に、前記機能部を有効化する有効化ステップと、を実行する治療用アプリケーションの有効化方法。
【請求項15】
医療従事者からの処方があって機能する機能部を有する治療用アプリケーションを配信する配信システムのコンピュータに、
患者の第1端末からの前記治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信機能と、
前記処方要求に応じて、医療従事者から前記第1端末の患者に対する前記治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付機能と、
前記処方許可情報を受け付けた場合に、前記機能部を有効化する有効化機能と、を実現させる治療用アプリケーションの有効化プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用アプリケーションを有効化する配信システム、及び治療用アプリケーションの有効化方法、ならびに、有効化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの健康に関する行動の改善や、疾病の治療、体調管理等を目的とした治療用アプリケーションが開発されている(例えば、特許文献1)。治療用アプリケーションとは、患者の日常の行動を記録したり、患者の行動に基づいて、患者の病状の改善を促すために患者が実行することが望まれる内容を示すメッセージを通知したりするアプリケーションである。特許文献1によれば、個人から収集したデータに基づき、健康に関する悪い行動を改善するためのメッセージを個人に提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような治療用アプリケーションは、医療に関連する可能性の高い情報を取り扱うことが有り得るため、医療従事者からの処方許可を受けた上で使用可能になるべきアプリケーションである。しかしながら、患者が治療用アプリケーションの使用を始めるために、医療従事者の診察を受けてから処方を受けるのは、患者及び医療従事者双方にとって手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、医療従事者からの処方を受けることができる治療用アプリケーションの配信システム、有効化方法及び有効化プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る治療用アプリケーションの配信システムは、医療従事者からの処方があって機能する機能部を有する治療用アプリケーションを配信する配信システムであって、患者の第1端末からの治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信部と、処方要求に応じて、医療従事者から第1端末の患者に対する治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付部と、処方許可情報を受け付けた場合に、機能部を有効化する有効化部と、を備える。
【0007】
上記配信システムにおいて、有効化部は、第1端末に記憶されている治療用アプリケーションの機能部を有効化する有効化信号を送信することとしてもよい。
【0008】
上記配信システムにおいて、有効化部は、第1端末に機能部を有効化するための処方コードを送信し、第1端末において治療用アプリケーションに対して処方コードが入力されることで機能部が有効化されることとしてもよい。
【0009】
上記配信システムにおいて、受信部は、処方要求とともに第1端末の患者識別情報を受信し、配信システムは、患者を示す患者識別情報と、当該患者に関する患者情報と、を対応付けて記憶する記憶部を備え、受信部が受信した患者識別情報が、記憶部に記憶されていない場合には、機能部を有効化していない状態の治療用アプリケーションを配信する配信部を備えることとしてもよい。
【0010】
上記配信システムにおいて、受信部が処方要求をとともに第1端末の患者識別情報を受信した場合であって、患者情報に、治療用アプリケーションに関する疾病についての事前情報が含まれるときには、処方要求と、患者情報と、を医療従事者の第2端末に送信する送信部を備え、受付部は、送信部が処方要求と患者情報と、を第2端末に送信した後に、医療従事者による入力を受け付けた第2端末から、処方許可情報を受け付けることとしてもよい。
【0011】
上記配信システムにおいて、治療用アプリケーションは、医療従事者からの処方無しでも機能する機能として問診部を備え、第1端末において実行された治療用アプリケーションの問診部は、治療用アプリケーションに係る疾病についての問診を第1端末の患者に対して行って、問診に対する患者の回答を送信するものであり、配信システムは、回答を第1端末の患者の患者識別情報とともに受信して、当該患者識別情報に対応付けて、患者情報として回答を記憶部に記憶することとしてもよい。
【0012】
上記配信システムにおいて、記憶部は、更に、処方要求を受け付けることが可能な医療機関を示す医療機関情報を記憶し、送信部は、医療機関情報に含まれる医療従事者の第2端末に処方要求と、患者情報と、を送信することとしてもよい。
【0013】
上記配信システムにおいて、受信部は、医療機関情報に含まれる医療機関を指定する指定情報を受信し、送信部は、指定情報で指定される医療機関の第2端末に処方要求と、患者情報と、を送信することとしてもよい。
【0014】
上記配信システムにおいて、機能部によって利用することが可能な機能には、記憶部に記憶されている当該患者の患者情報の閲覧が含まれることとしてもよい。
【0015】
上記配信システムにおいて、事前情報は、患者に対して治療用アプリケーションに係る疾病に関する問診結果を示す問診情報であることとしてもよい。
【0016】
上記配信システムにおいて、事前情報は、患者の治療用アプリケーションに係る疾病に関する検診・健診情報であることとしてもよい。
【0017】
上記配信システムにおいて、機能部によって利用することが可能な機能には、第1端末の患者の患者情報の閲覧を含むこととしてもよい。
【0018】
上記配信システムにおいて、機能部によって利用することが可能な機能には、第1端末の患者の治療状況に応じた患者に対する治療手法の提案を含むこととしてもよい。
【0019】
また、本発明の一態様に係る治療用アプリケーションの有効化方法は、医療従事者からの処方があって機能する機能部を有する治療用アプリケーションを配信する配信システムのコンピュータが、患者の第1端末からの治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信ステップと、処方要求に応じて、医療従事者から第1端末の患者に対する治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付ステップと、処方許可情報を受け付けた場合に、機能部を有効化する有効化ステップと、を実行する。
【0020】
また、本発明の一態様に係る治療用アプリケーションの有効化プログラムは、医療従事者からの処方があって機能する機能部を有する治療用アプリケーションを配信する配信システムのコンピュータに、患者の第1端末からの治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信機能と、処方要求に応じて、医療従事者から第1端末の患者に対する治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付機能と、処方許可情報を受け付けた場合に、機能部を有効化する有効化機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様に係る治療用アプリケーションの配信システムは、患者の第1端末からの治療用アプリケーションの処方要求を受信する受信部と、処方要求に応じて、医療従事者から第1端末の患者に対する治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受け付ける受付部と、処方許可情報を受け付けた場合に、機能部を有効化する有効化部を備えることにより、医療従事者の診療を受けなくとも、患者は治療用アプリケーションの非治療的な機能を使用し始めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】治療用アプリケーション管理システムの概要を示すシステム図である。
【
図2】管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図4】配信サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図5】医療従事者端末の構成例を示すブロック図である。
【
図6】運用サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図7】管理情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【
図8】治療用アプリケーション管理システムに係る各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図9】管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図10】ユーザ端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】配信サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図12】医療従事者端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図13】運用サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図14】(a)治療用アプリケーションの表示画面例である。(b)治療用アプリケーションによる問診の例を示す表示画面例である。(c)治療用アプリケーションの機能部の表示画面例である。
【
図15】治療用アプリケーション管理システムに係る各装置間の第2のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図16】第2のやり取りの例に係る管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図17】第2のやり取りの例に係るユーザ端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図18】治療用アプリケーション管理システムに係る各装置間の第3のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図19】第3のやり取りの例に係るユーザ端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図20】第3のやり取りの例に係る管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図21】第3のやり取りの例に係る配信サーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施態様に係る情報処理装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
<実施の形態>
図1は、実施の形態1に係る治療用アプリケーション配信システム1の概要を説明する概要図であって、そのシステム構成例を示すシステム図である。
図1に示すように、治療用アプリケーション配信システム1は、管理サーバ100と、配信サーバ300とを含み、ユーザ端末200、医療従事者端末500、運用サーバ600が含まれてよい。管理サーバ100と、ユーザ端末200と、配信サーバ300と、医療従事者端末500と、運用サーバ600とは、ネットワーク400を介して互いに通信可能に接続される。なお、
図1に示す各装置について1台ずつ示しているが、各端末、各種のサーバは、1台に限定されるものではなく複数台あってよく、複数のサーバは、それぞれ同様の機能を有してもよいし、複数で1台のサーバと同等の機能を有するように構成されてもよい。
【0025】
管理サーバ100は、ユーザ端末200を保持する患者がユーザ端末200を利用して使用する治療用アプリケーションを管理するサーバ装置である。管理サーバ100は、ユーザ端末200からの処方要求情報21に応じて、医療従事者からの処方許可情報51がある場合に、ユーザ端末200において実行される治療用アプリケーションを有効化するサーバである。有効化の詳細については後述する。
【0026】
配信サーバ300は、初期状態の各種の治療用アプリケーションをユーザ端末200に配信する機能を有するサーバ装置である。
【0027】
ユーザ端末200は、患者が保持する情報処理端末であり、所謂スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、PC等により実現される。
【0028】
また、医療従事者端末500は、医療従事者が使用する情報処理装置であり、ユーザ端末200同様に、所謂スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、PC等により実現される。
【0029】
運用サーバ600は、治療用アプリケーションの実行時に、患者のユーザ端末200に、患者の治療に関する治療情報を提供するサーバ装置である。
【0030】
ここで、治療用アプリケーションとは、患者の日々の状態を管理するとともに、各患者にパーソナライズした医学的知見を伴ったガイダンスを行うアプリケーションソフトである。治療用アプリケーションは、一例として、アプリケーションソフトの指示に従って実行する禁煙療法のための禁煙アプリであってもよいし、2型糖尿病に対する食事療法を提案する糖尿病アプリであってもよいし、不眠を改善するための不眠治療アプリであってもよいが、これらに限定するものではない。治療用アプリケーションは、ユーザ端末200の患者の疾病を治療、改善することを目的の一つとしたアプリケーションであり、医師からの処方(許可)がないと実行できない機能部(医師からの処方を以て実行可能な機能部)を有するアプリケーションである。治療用アプリケーションは、医師からの処方なしで実行可能な処理を含んでもよい。治療用アプリケーションは、各種の疾病ごとに用意されてもよいし、複数の疾病に対するものであってもよい。
【0031】
また、医療従事者とは、医療に携わる人間であればよく、例えば、医師、看護師、心理士、薬剤師、理学療法士、管理栄養士などであってよいが、処方資格を有する者であることが好ましい。
【0032】
本実施形態に係る治療用アプリケーション配信システム1では、患者は、ユーザ端末200から配信サーバ300にアクセスして、治療用アプリケーション31を取得する。この治療用アプリケーション31は、医療従事者からの処方がない場合には、実行できず、医療従事者からの処方があって機能する機能部を有するアプリケーションである。この段階では、医師からの処方がないものとする。
【0033】
そこで、患者は、ユーザ端末200から治療用アプリケーションを管理する管理サーバに対して、処方を要求するための処方要求情報21を送信する。これを受けて、管理サーバ100は、医療従事者20の医療従事者端末500に対して、ユーザ端末200の患者から、治療用アプリケーション31の処方が要求されていることを示す処方要求情報11を送信する。
【0034】
医療従事者20は、管理サーバ100からの処方要求情報11に応じて、ユーザ端末200の患者に対して、治療用アプリケーション31を処方してもよいと判断した場合には、医療従事者端末500から管理サーバ100に対して処方許可情報51を送信する。
【0035】
管理サーバ100は、医療従事者端末500からの処方許可情報51を受信したことを受けて、ユーザ端末200の治療用アプリケーション31を有効化するアクティベーション情報12を送信する。これにより、ユーザ端末200の治療用アプリケーション31は、患者が医療従事者の診療にかからずとも、医療従事者からの処方があって初めて実行できる機能部を実行することができる。
【0036】
以下、詳細に説明する。なお、ネットワーク400は、各種の機器との間を相互に接続させるためのネットワークであり、例えば、無線ネットワークや有線ネットワークである。具体的には、ネットワークは、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、LTE-Advanced、第4世代(4G)、第5世代(5G)、第6世代、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)、イーサネット(登録商標)などである。また、ネットワークは、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy)、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線、衛星通信網などであってもよく、どのようなネットワークであってもよい。ネットワークは、ユーザの住居に備えられる場合には、ホームネットワークと呼称されることもある。また、ネットワークは、例えば、NB-IoT(Narrow Band IoT)や、eMTC(enhanced Machine Type Communication)であってもよい。なお、NB-IoTやeMTCは、IoT向けの無線通信方式であり、低コスト、低消費電力で長距離通信が可能なネットワークである。また、ネットワークは、これらの組み合わせであってもよい。また、ネットワークは、これらの例を組み合わせた複数の異なるネットワークを含むものであってもよい。例えば、ネットワークは、LTEによる無線ネットワークと、閉域網であるイントラネットなどの有線ネットワークとを含むものであってもよい。
【0037】
<管理サーバ100の構成例>
図2は、管理サーバ100の構成例を示すブロック図である。
【0038】
図2に示すように、管理サーバ100は、通信部110と、入力部120と、制御部130と、記憶部140と、出力部150と、を備える。通信部110と、入力部120と、制御部130と、記憶部140と、出力部150とは、バス160を介して互いに通信可能に構成されてよい。
【0039】
通信部110は、他の装置と通信を実行するための機能を有する通信インターフェースである。通信部110は、他の装置と通信可能であれば、いずれの通信プロトコルにより通信を行ってもよく、有線、無線のいずれでの通信であってもよい。通信部110は制御部130からの指示にしたがって、ユーザ端末200や、配信サーバ300、医療従事者端末500、あるいは、運用サーバ600と通信を行う。通信部110は、例えば、ユーザ端末200から送信された処方要求情報を受信して、制御部130に伝達する。また、通信部110は、制御部130からの指示に従って医療従事者端末500に処方要求情報を送信する。また、あるいは、通信部110は、医療従事者端末500から送信された処方許可情報を受信して、制御部130に伝達する。また、通信部110は、制御部130からの指示に従って、ユーザ端末200の治療用アプリケーションを有効化する有効化信号を送信する。
【0040】
入力部120は、管理サーバ100のオペレータ等からの入力を受け付けて、制御部130に伝達する機能を有する入力インターフェースである。入力部120は、タッチパネル等のソフトキーにより実現されてもよいし、ハードキーにより実現されてもよい。また、あるいは、入力部120は、音声入力を受け付けるためのマイクであってもよい。入力部120は、例えば、医療従事者や管理サーバ100のオペレータ等からの入力を受けて、入力された内容を、制御部130に伝達する。
【0041】
記憶部140は、管理サーバ100が動作上必要とする各種のプログラム及びデータを記憶する機能を有する。記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現することができる。記憶部140は、管理情報141を記憶している。管理情報141は、各ユーザの各治療用アプリケーションを管理するための情報である。管理情報141の詳細については後述する。
【0042】
出力部150は、制御部130からの指示にしたがって、指定された情報を出力する機能を有する。出力部150による出力は、画像信号、音声信号のいずれでの出力であってもよい。画像信号による出力の場合、管理サーバ100に接続された(又は管理サーバ100が備える)モニタへの出力であってよい。また、音声信号による出力の場合、管理サーバ100に接続された(又は管理サーバ100が備える)スピーカーへの出力であってよい。
【0043】
制御部130は、管理サーバ100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、シングルコアにより実現されても、マルチコアにより実現されてもよい。
【0044】
制御部130は、制御部130が実現する機能として、受信部131と、受付部132と、有効化部133と、送信部134と、を備える。
【0045】
受信部131は、患者のユーザ端末200から送信された治療用アプリケーションの処方を要求する処方要求情報を受信する。処方要求情報には、患者を識別するための患者識別情報が含まれてよい。また、処方要求情報には、患者に関する情報であって治療用アプリケーションが治療の対象とする疾病等に関する患者情報が含まれてよく、更に、処方を行う医療機関を指定する指定情報も含まれてもよい。
【0046】
受信部131は、処方要求情報を受信した場合に、その処方要求情報を、処方要求を行った患者を示す患者情報とともに、医療従事者端末500に、通信部110を介して送信する。このとき、受信部131は、指定情報を受信していた場合には、指定情報で指定される医療機関の医療従事者端末500に送信し、指定情報を受信していない場合には、治療用アプリケーションの処方に対応可能な医療機関の医療従事者端末500に送信する。
【0047】
受付部132は、受信部131が送信した処方要求情報に対して医療従事者端末500から送信された処方許可情報を受け付ける。また、受付部132は、処方を許可しない処方不許可情報を受け付けることとしてもよい。受付部132は、処方許可情報を受け付けた場合には、処方許可情報が処方の許可対象としている患者を示す患者識別情報を有効化部133に伝達する。受付部132は、処方不許可情報を受け付けた場合には、処方要求情報を送信してきたユーザ端末200に対して、処方ができないことを示す処方不許可情報を、通信部110を介して送信する。
【0048】
有効化部133は、受付部132から患者識別情報を伝達されると、患者識別情報で示される患者のユーザ端末200の治療用アプリケーションを有効化する。ここで、治療用アプリケーションの有効化手法としては複数の手法が考えられ、有効化部133は以下の手法の少なくともいずれか一つの手法を実行できればよく、複数を実行できるように構成されてもよい。
【0049】
有効化の手法の第1は、ユーザ端末200に治療用アプリケーションが既にインストールされている場合に、特定の信号(以下、有効化信号)をユーザ端末200に送信し、治療用アプリケーションが受信した有効化信号を解釈して、自動的にそれまで使用できなかった機能を使用できるようにする手法である。
【0050】
有効化の手法の第2は、ユーザ端末200に治療用アプリケーションが既にインストールされている場合に、アクティベーションコードをユーザ端末200に送信し、ユーザが受信したアクティベーションコードを治療用アプリケーションに入力して、治療用アプリケーションが入力されたアクティベーションコードを認証(管理サーバ100に送信して認証)し、認証できたときにそれまで使用できなかった機能を使用できるようにする手法である。
【0051】
有効化の手法の第3は、ユーザ端末200に治療用アプリケーションがまだインストールされていない場合に、有効化された治療用アプリケーションのインストーラを送信するよう、配信サーバ300に送信するよう指示することで、ユーザ端末200において、医療従事者の処方がある(制限されていない)状態の治療用アプリケーションを実行できるようにすることができる。
【0052】
送信部134は、有効化部133からの指示に従って、通信部110を介して、ユーザ端末200に、有効化信号を送信することとしてよい。また、送信部134は、有効化部133からの指示に従って、通信部110を介して、ユーザ端末200に、アクティベーションコードを送信することとしてよい。また、送信部134は、有効化部133からの指示に従って、通信部110を介して、ユーザ端末200に、医療従事者の処方がある(制限されていない)状態の治療用アプリケーションのインストーラを対応するユーザ端末200に送信する送信指示を送信することとしてもよい。送信部134は、有効化部133が実行可能な有効化の手法に従って、ユーザ端末200において有効化された治療用アプリケーションが実行されるよう必要な信号を送信する。
【0053】
以上が、管理サーバ100の構成例の説明である。
【0054】
<ユーザ端末200の構成例>
図3は、ユーザ端末200の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、ユーザ端末200は、通信部210と、入力部220と、制御部230と、記憶部240と、出力部250と、を備える。通信部210と、入力部220と、制御部230と、記憶部240と、出力部250とは、バス260を介して互いに通信可能に構成されてよい。
【0055】
通信部210は、他の装置と通信を実行するための機能を有する通信インターフェースである。通信部210は、他の装置と通信可能であれば、いずれの通信プロトコルにより通信を行ってもよく、有線、無線のいずれでの通信であってよい。通信部210は制御部230からの指示にしたがって、管理サーバ100や配信サーバ300と通信を行う。
【0056】
入力部220は、ユーザ端末200の患者からの入力を受け付けて、制御部230に伝達する機能を有する入力インターフェースである。入力部220は、タッチパネル等のソフトキーにより実現されてもよいし、ハードキーにより実現されてもよい。また、あるいは、入力部220は、音声入力を受け付けるためのマイクであってもよい。入力部220は、患者から入力された入力内容を、制御部230に伝達する。入力部220は、例えば、患者からの治療用アプリケーションを利用するための処方を受けるための処方要求を送信する指示を受け付けて、制御部230に伝達することとしてよい。また、入力部220は、例えば、治療用アプリケーションにより行われる問診に対する回答の入力を受け付けて、制御部230に伝達することとしてよい。
【0057】
制御部230は、ユーザ端末200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部230は、シングルコアにより実現されても、マルチコアにより実現されてもよい。制御部230は、患者からの入力にしたがって、治療用アプリケーションを使用するための処方要求情報を、通信部210を介して、配信サーバ300に送信する。
【0058】
また、制御部230は、制御部230が実現する機能として、アプリ実行部231を備える。
【0059】
アプリ実行部231は、配信サーバ300からダウンロードした治療用アプリケーションを実行する。アプリ実行部231は、治療用アプリケーションを実行して、患者からの入力にしたがって、各種の情報を治療用アプリケーションに登録するとともに、管理サーバ100または治療情報を保持する運用サーバ600から治療に関する情報を取得して表示する。アプリ実行部231は、医療従事者からの処方がある場合には、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を実行可能な状態で治療用アプリケーション241を実行する。また、アプリ実行部231は、医療従事者からの処方がない場合には、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を実行不可能な状態で治療用アプリケーション241を実行する。
【0060】
また、アプリ実行部231は、管理サーバ100からの有効化信号を受け付けた場合には、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を有効化し、当該機能部の機能を患者に提供できるようにする。また、アプリ実行部231は、患者からアクティベーションコードの入力を受け付けた場合には、入力されたアクティベーションコードを管理サーバ100に送信して認証を行い、認証に成功した場合に、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を有効化し、当該機能部の機能を患者に提供できるようにする。
【0061】
記憶部240は、ユーザ端末200が動作上必要とする各種のプログラム及びデータを記憶する機能を有する。記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現することができる。
図3には、記憶部240が、治療用アプリケーション241を記憶している例を示している。患者が複数の異なる疾病に罹患している場合には、それぞれの疾病に応じて異なる治療用アプリケーションが、記憶部240に記憶されていてもよい。
【0062】
出力部250は、制御部230からの指示にしたがって、指定された情報を出力する機能を有する。出力部250による出力は、画像信号、音声信号のいずれでの出力であってもよい。画像信号による出力の場合、ユーザ端末200が備える(又はユーザ端末200に接続された)モニタへの出力であってよい。また、音声信号による出力の場合、ユーザ端末200が備える(又はユーザ端末200に接続された)スピーカーへの出力であってよい。出力部250は、例えば、アプリ実行部231による治療用アプリケーションの実行に伴って、治療用アプリケーション241が提供する情報を、ユーザ端末200のモニタに表示する。
【0063】
以上が、ユーザ端末200の構成例の説明である。
【0064】
<配信サーバ300の構成例>
図4は、配信サーバ300の構成例を示すブロック図である。配信サーバ300は、管理サーバ100から指定されている治療用アプリケーションを保持し、ユーザ端末200からの要求に応じて、治療用アプリケーションを配信するダウンロードサーバである。
【0065】
図4に示すように、配信サーバ300は、通信部310と、入力部320と、制御部330と、記憶部340と、出力部350と、を備える。通信部310と、入力部320と、制御部330と、記憶部340と、出力部350とは、バス360を介して互いに通信可能に構成されてよい。
【0066】
通信部310は、他の装置と通信を実行するための機能を有する通信インターフェースである。通信部310は、他の装置と通信可能であれば、いずれの通信プロトコルにより通信を行ってもよく、有線、無線のいずれでの通信であってよい。通信部310は制御部130からの指示にしたがって、管理サーバ100やユーザ端末200と通信を行う。
【0067】
入力部320は、配信サーバ300のオペレータ等からの入力を受け付けて、制御部330に伝達する機能を有する入力インターフェースである。入力部320は、タッチパネル等のソフトキーにより実現されてもよいし、ハードキーにより実現されてもよい。また、あるいは、入力部320は、音声入力を受け付けるためのマイクであってもよい。
【0068】
制御部330は、ユーザ端末200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部330は、シングルコアにより実現されても、マルチコアにより実現されてもよい。
【0069】
制御部330は、制御部330が実現する機能として配信部331を備える。
【0070】
配信部331は、通信部310から伝達された要求情報で示される治療用アプリケーションのインストーラを特定し、記憶部340から読み出す。そして、配信部331は、読み出した治療用アプリケーションのインストーラを、要求情報を送信したユーザ端末200に対して、通信部310を介して送信する。この場合に配信する治療用アプリケーションのインストーラは、医療従事者の処方がなく、機能部の実行が制限された状態で起動する治療用アプリケーションのインストーラである。
【0071】
また、配信部331は、通信部310を介して管理サーバ100から、医療従事者からの処方がある状態の治療用アプリケーションのインストーラの配信を指示された場合に、指定されているユーザ端末200に対して、医療従事者からの処方がある状態の治療用アプリケーションのインストーラを送信する。即ち、この場合に配信する治療用アプリケーションのインストーラは、医療従事者の処方があり、機能部の実行が制限されていない状態で起動する治療用アプリケーションのインストーラである。
【0072】
記憶部340は、配信サーバ300が動作上必要とする各種のプログラム及びデータを記憶する機能を有する。記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現することができる。記憶部340は、管理サーバ100から依頼された全ての治療用アプリケーション(のインストーラ)を記憶している。
図4には、第1治療用アプリケーションインストーラ341と、第2治療用アプリケーションインストーラ342とを保持している例を示している。ここで、第1治療用アプリケーションインストーラ341と、第2治療用アプリケーションインストーラ342とは、互いに異なる疾病に対する治療用のアプリケーションであり、例えば、禁煙アプリや禁酒アプリ、糖尿病アプリなどであってもよい。なお、ここでは、2つのインストーラを記憶している例を示しているが、インストーラの数は2つに限定するものではなく、各種の疾病ごとのアプリケーションのインストーラが記憶されていてよい。
【0073】
出力部350は、制御部330からの指示にしたがって、指定された情報を出力する機能を有する。出力部350による出力は、画像信号、音声信号のいずれでの出力であってもよい。画像信号による出力の場合、配信サーバ300に接続された(又は配信サーバ300が備える)モニタへの出力であってよい。また、音声信号による出力の場合、配信サーバ300が備える(又は配信サーバ300に接続された)スピーカーへの出力であってよい。
【0074】
以上が配信サーバ300の構成例の説明である。
【0075】
<医療従事者端末500の構成例>
図5は、医療従事者端末500の構成例を示すブロック図である。医療従事者端末500は、医療従事者が使用する情報処理端末である。
図5に示すように、医療従事者端末500は、通信部510と、入力部520と、制御部530と、記憶部540と、出力部550とを備える。通信部510と、入力部520と、制御部530と、記憶部540と、出力部550とは、バス560を介して互いに通信可能に構成されてよい。
【0076】
通信部510は、他の装置と通信を実行するための機能を有する通信インターフェースである。通信部510は、他の装置と通信可能であれば、いずれの通信プロトコルにより通信を行ってもよく、有線、無線のいずれでの通信であってよい。通信部510は制御部530からの指示にしたがって、管理サーバ100や、配信サーバ300、運用サーバ600と通信を行う。
【0077】
入力部520は、ユーザ端末200の患者からの入力を受け付けて、制御部530に伝達する機能を有する入力インターフェースである。入力部520は、タッチパネル等のソフトキーにより実現されてもよいし、ハードキーにより実現されてもよい。また、あるいは、入力部520は、音声入力を受け付けるためのマイクであってもよい。入力部520は、患者から入力された入力内容を、制御部230に伝達する。
【0078】
入力部520は、医療従事者から、治療用アプリケーションを利用する患者から、治療用アプリケーションの処方要求があった場合に、当該患者に対して、治療用アプリケーションを処方するか否かの入力を受け付けて制御部530に伝達する。
【0079】
制御部530は、医療従事者端末500の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部530は、シングルコアにより実現されても、マルチコアにより実現されてもよい。
【0080】
制御部530は、制御部530が実現する機能として、処方許否情報送信部531を備える。
【0081】
処方許否情報送信部531は、入力部520を介して、医療従事者により処方要求を行った患者に対して、処方するか否かを示す入力を受け付けて、処方するとの入力を受け付けた場合に、処方許可情報を、処方しないとの入力を受け付けた場合に、処方不許可情報を、通信部510を介して、管理サーバ100に送信する。
【0082】
記憶部540は、医療従事者端末500が動作上必要とする各種のプログラム及びデータを記憶する機能を有する。記憶部540は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現することができる。
【0083】
出力部550は、制御部530からの指示にしたがって、指定された情報を出力する機能を有する。出力部550による出力は、画像信号、音声信号のいずれでの出力であってもよい。画像信号による出力の場合、医療従事者端末500に接続された(又は医療従事者端末500が備える)モニタへの出力であってよい。また、音声信号による出力の場合、医療従事者端末500が備える(又は医療従事者端末500に接続された)スピーカーへの出力であってよい。出力部550は、例えば、管理サーバ100から送信された処方要求情報や処方要求を行った患者に関する患者情報を画像データとして表示することとしてよい。
【0084】
以上が、医療従事者端末500の構成例の説明である。
【0085】
<運用サーバ600の構成例>
図6は、運用サーバ600の構成例を示すブロック図である。運用サーバ600は、治療用アプリケーションを利用する患者の治療に関する情報を管理運用する情報処理装置(サーバ)である。運用サーバ600は、運用サーバ600によって管理される患者の治療に関する情報として、患者の疾病ごと、あるいは、患者の診療を行う治療施設(病院や施療院など)ごとに設けられてもよいし、治療用アプリケーションを提供する運用会社それぞれで設けられてもよいし、一つのサーバにまとめて管理されることとしてもよい。
図6に示すように、運用サーバ600は、通信部610と、入力部620と、制御部630と、記憶部640と、出力部650とを備える。通信部610と、入力部620と、制御部630と、記憶部640と、出力部650とは、バス560を介して互いに通信可能に構成されてよい。
【0086】
通信部610は、他の装置と通信を実行するための機能を有する通信インターフェースである。通信部610は、他の装置と通信可能であれば、いずれの通信プロトコルにより通信を行ってもよく、有線、無線のいずれでの通信であってよい。通信部610は制御部630からの指示にしたがって、管理サーバ100や、ユーザ端末200と通信を行う。
【0087】
入力部620は、ユーザ端末200の患者からの入力を受け付けて、制御部630に伝達する機能を有する入力インターフェースである。入力部620は、タッチパネル等のソフトキーにより実現されてもよいし、ハードキーにより実現されてもよい。また、あるいは、入力部620は、音声入力を受け付けるためのマイクであってもよい。入力部620は、患者から入力された入力内容を、制御部230に伝達する。
【0088】
入力部620は、医療従事者(主に医師)から、診察対象の患者に関する情報の入力を受け付けて制御部630に伝達する。診察対象の患者に関する情報とは、患者に関する情報であればどのようなものであってもよく、また、医療従事者による患者の病状や、患者に対して処方した薬剤、治療経過、既往歴など、の情報であってもよい。具体的には、入力部620は、入力する情報の対象である患者を示す患者IDと、その患者IDが示す患者に関する情報の入力を受け付けて、制御部630に伝達する。
【0089】
制御部630は、運用サーバ600の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部630は、シングルコアにより実現されても、マルチコアにより実現されてもよい。制御部630は、入力部620から、患者IDと、患者に関する情報を伝達されると、伝達された患者IDに対応付けて、患者に関する情報を、記憶部640の治療情報641として記録する。
【0090】
制御部630は、制御部630が実現する機能として、治療情報提供部631を備える。
【0091】
治療情報提供部631は、通信部610を介して、ユーザ端末200から、治療情報の送信要求を受信した場合に、当該治療情報の送信要求が示す患者IDに対応付けられている患者に関する情報を、治療情報641から特定する。治療情報提供部631は、特定した治療情報(患者に関する情報)を、通信部610を介して、ユーザ端末200に送信する。
【0092】
記憶部640は、運用サーバ600が動作上必要とする各種のプログラム及びデータを記憶する機能を有する。記憶部640は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現することができる。記憶部640は、患者の治療に関する治療情報641を記憶している。治療情報は、各患者の患者IDに対応付けて、当該患者に関する情報が対応付けられている。治療情報は、所謂、電子カルテであってもよい。また、治療情報は、患者により入力される患者自身の治療に関連する行動が入力された情報を含んでよい。また、この治療情報は、患者が利用している治療用アプリケーションのアプリIDと対応付けられていてもよい。
【0093】
出力部650は、制御部630からの指示にしたがって、指定された情報を出力する機能を有する。出力部650による出力は、画像信号、音声信号のいずれでの出力であってもよい。画像信号による出力の場合、運用サーバ600に接続された(又は運用サーバ600が備える)モニタへの出力であってよい。また、音声信号による出力の場合、運用サーバ600が備える(又は運用サーバ600に接続された)スピーカーへの出力であってよい。出力部650は、例えば、ユーザ端末200で実行されている治療用アプリケーションからの要求に応じて、患者の治療情報を出力することとしてよい。
【0094】
以上が、運用サーバ600の構成例の説明である。
【0095】
<データ>
ここから、管理情報141について説明する。上述の通り、管理サーバ100が、各患者が使用している各治療用アプリケーションを管理するための情報である。また、管理情報141は、運用サーバ600と共用されてもよい。
【0096】
図7は、管理情報141のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図7に示すように、管理情報141は、管理ID701と、患者名702と、アプリID703と、生年月日704と、性別705と、アクティベーション706と、治療情報707とが対応付けられた情報である。
【0097】
管理ID701は、管理情報141に含まれる各患者が使用している各治療用アプリケーションを管理するために管理サーバ100が便宜上付与する管理用の識別情報である。
【0098】
患者名702は、治療用アプリケーションを使用している患者の名称を示す情報である。患者名702は、患者の名称ではなく患者を一意に識別可能な識別子であってもよい。
【0099】
アプリID703は、対応する患者名702で示される患者により使用されている治療用アプリケーションを一意に識別可能な識別情報である。
【0100】
生年月日704は、対応する患者名702で示される患者の生年月日を示す情報である。生年月日704は、患者の年齢を特定可能な情報として用いることができる。
【0101】
性別705は、対応する患者名702で示される患者の性別を示す情報である。
【0102】
アクティベーション706は、対応するアプリID703で示される治療用アプリケーションが、ユーザ端末200において、有効化されているか否かを示す情報である。ここでいう有効化とは、医療従事者からの処方がおりていることを意味し、医療従事者からの処方がない場合に実行できない機能部の機能が実行できるようになっていることを意味する。
図7においては、有効化されている場合には「○」を、有効化されていない場合には「×」を示しているが、これは表現の一態様であり、これに限定するものではない。
【0103】
治療情報707は、対応する患者名702で示される患者が使用している、アプリID703で示される治療用アプリケーションとして、確認することができる治療に関する情報の実データ、または、当該実データを確認することができる装置のアドレスを示す情報である。ここでいう実データを確認することができる装置とは、実際に患者が治療を受けている医療機関等による診察情報等の情報を保持するサーバ装置であり、管理サーバ100と提携している医療機関等のサーバ装置である。なお、治療情報707について全て運用サーバ600で運用管理する場合には、管理情報141に登録されていなくともよい。また、治療情報707と運用サーバ600が保持する治療情報641とは、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。治療情報が互いに異なる一例として、例えば、管理サーバ100では、患者の禁煙に関する治療の情報が保持され、運用サーバ600では、糖尿の治療に関する情報が保持されるというような態様であってもよい。
【0104】
なお、管理情報141には、同一の患者が、異なる治療用アプリケーションを使用している場合には、それぞれ個別に登録される。また、管理情報141には、これらの情報の他、各患者のユーザ端末200のアドレスや、患者の性格に関する情報、連絡先としての電話番号等の情報が記録されていてもよい。
【0105】
<動作>
ここから、治療用アプリケーション配信システム1及び当該システムに含まれる各装置の動作について説明する。
(処方例1)
【0106】
図8は、治療用アプリケーション配信システム1に係る各装置間のやり取りの一例を示すシーケンス図である。
【0107】
図8に示すように、ユーザ端末200は、ユーザ端末200の患者からの入力にしたがって、配信サーバ300に対してユーザ情報とともに治療用アプリケーションを要求する要求情報を送信する(ステップS801)。ここでユーザ情報は、ユーザ端末200の患者を特定できる情報であって、患者を識別できる情報であればよい。
【0108】
配信サーバ300は、ユーザ端末200からの要求情報を受信し、要求情報で指定されている治療用アプリケーション(治療用アプリケーションのインストーラ)を、ユーザ端末200に送信する(ステップS802)。ここで送信する治療用アプリケーションは、医療従事者の処方がない状態の治療用アプリケーションであり、医療従事者の処方がないと実行できない機能部の実行が制限された状態の治療用アプリケーションである。ユーザ端末200は、治療用アプリケーションを受信すると、これを実行してもよいが、医療従事者の処方がないため、機能部の実行が制限された状態となる。
【0109】
ユーザ端末200は、患者からの入力に従って、患者識別情報と、治療用アプリケーションを使用するための処方要求情報を、管理サーバ100に送信する(ステップS803)。患者識別情報は、患者の名前や治療用アプリケーション配信システム1において患者を一意に特定可能な識別情報であってもよい。
【0110】
管理サーバ100は、ユーザ端末200から処方要求情報を受信すると、医療従事者端末500に、患者識別情報で示される患者の患者情報と処方要求情報とを送信する(ステップS804)。なお、医療従事者端末500で患者の患者情報を得られる場合には、患者識別情報を送信することとしてもよい。ここでいう患者情報は、ユーザ端末200の患者が、処方を要求している治療用アプリケーションに係る疾病に罹患しているか否かを特定可能な情報であればよく、問診に対する回答や、医療機関等のサーバ(例えば、運用サーバ600)等に保存されている患者識別情報で示される患者の検診・健診情報や電子カルテなどであってよい。
【0111】
患者情報を確認した医療従事者は、治療用アプリケーションを当該患者に処方してよいと判断した場合には、医療従事者端末500に処方許可を入力する(ステップS805)。そして、医療従事者端末500は、処方許可情報を管理サーバ100に送信する(ステップS806)。
【0112】
処方許可情報を医療従事者端末500から受信すると、管理サーバ100は、処方要求を行った患者のユーザ端末200に、治療用アプリケーションのうち、医療従事者からの処方がないと実行できない機能部を有効化するための有効化情報(有効化信号)を生成し、送信する(ステップS807)。
【0113】
管理サーバ100からの有効化情報を受信すると、ユーザ端末200のアプリ実行部231は、治療用アプリケーションを有効化する。即ち、医療従事者の処方があることで機能する機能部を実行できる状態にする(ステップS808)。
【0114】
図9は、
図8に示すやり取りを実現するための管理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。
【0115】
管理サーバ100の通信部110は、信号を受信した場合に、その信号が患者識別情報と処方要求情報とであるか否かを確認する。通信部110は、患者識別情報と、処方要求情報を受信した場合には(ステップS901のYES)、制御部130に患者識別情報と処方要求情報とを伝達する。そして、制御部130は、患者識別情報に対応する患者の情報である患者情報と、処方要求情報と、を医療従事者端末に送信する(ステップS902)。ここで、患者情報は、患者識別情報に基づいて、管理情報141から取得することとしてもよいし、ユーザ端末200から患者識別情報及び処方要求情報とともに送信されてきたものを取得することとしてもよいし、運用サーバ600の治療情報642から取得することとしてもよいし、患者情報を保持するその他の医療機関の情報処理装置や他のサーバから取得することとしてもよい。受信した信号が、患者識別情報と処方要求情報ではない場合には(ステップS901のNO)、ステップS903の処理に移行する。
【0116】
通信部110は、信号を受信した場合に、その信号が、医療従事者端末500からの処方許可情報であるか否かを確認する。通信部110は、処方許可情報を受信した場合には(ステップS903のYES)、受信した信号を制御部130に伝達する。制御部130は、処方許可情報を伝達されると、処方許可情報が対応する患者のユーザ端末200に、治療用アプリケーションを有効化するための有効化情報を送信することで、患者のユーザ端末200の治療用アプリケーションを有効化する。治療用アプリケーションの有効化とはこれまでにも述べているように、医療従事者の処方が下りている状態にすることであって、医療従事者の処方があって初めて機能する機能部が機能する(実行できる)ようにすることであり、当該機能部の実行制限を解除することであってよい。
【0117】
処方許可情報ではなく処方不許可情報を受信した場合には(ステップS903のNO)、制御部130は、通信部110を介して、患者識別情報で示される患者のユーザ端末200に、処方ができないことを示す不許可情報を送信し(ステップS905)、ステップS901の処理に戻る。
【0118】
なお、ステップS901、S902の処理と、ステップS903~S905の処理とは、互いに並列に実行されてよい。以上が、管理サーバ100の動作例である。
【0119】
図10は、
図8に示すやり取りを実現するためのユーザ端末200の動作例を示すフローチャートである。
【0120】
ユーザ端末200の入力部220は、患者から、治療用アプリケーションのダウンロードを指示する入力を受け付ける(ステップS1001)。入力部220は、受け付けた入力内容を、制御部230に伝達する。制御部230は、伝達された入力内容にしたがって、通信部210を介して、治療用アプリケーションを保持する配信サーバ300に、指定されている治療用アプリケーションを要求する要求情報を送信する(ステップS1002)。アプリ要求情報には、どの治療用アプリケーションを要求しているのかを特定するためのアプリIDと、治療用アプリケーションを要求しているユーザ(患者)を特定するための患者識別情報とが含まれる。要求情報を受けて、配信サーバ300は、指定された治療用アプリケーションのインストーラ(実行プログラムでもよい)が送信される。
【0121】
通信部210は、配信サーバ300から送信された治療用アプリケーションのインストーラを受信する(ステップS1003)。通信部210は、受信した治療用アプリケーションのインストーラを、制御部230に伝達する。制御部230は、伝達された治療用アプリケーションを実行してもよい。ただし、この段階においては、治療用アプリケーションは、医療従事者からの処方が下りておらず、一部の機能(機能部)を実行できない状態である。
【0122】
入力部220は、患者から、治療用アプリケーションに対する医療従事者からの処方を要求するための処方要求の入力を受け付け(ステップS1004)、制御部230に伝達する。制御部230は、通信部210を介して、管理サーバ100に、処方要求情報を送信する(ステップS1005)。このとき、制御部230は、通信部210を介して、管理サーバ100に、処方要求情報の他、ユーザ端末200の患者を識別可能な患者識別情報を送信する。また、制御部230は、通信部210を介して管理サーバ100に、治療用アプリケーションに対応する疾病に関する患者の情報を示す患者情報を送信してもよい。
【0123】
通信部210は、管理サーバ100から信号を受信する。通信部210は、受信した信号が有効化情報であるか否かを判定する(ステップS1006)。受信した信号が有効化情報である場合に(ステップS1006のYES)、通信部210は、制御部230に有効化情報を伝達する。制御部230のアプリ実行部231は、有効化情報を受け付けると、医療従事者の処方があって初めて実行が可能な機能部を有効化し(ステップS1007)、処理を終了する。
【0124】
一方、通信部210は、受信した信号が有効化情報でなかった場合に(ステップS1006のNO)、受信した信号が不許可情報であるか否かを判定する(ステップS1008)。受信した信号が不許可情報でない場合には(ステップS1008のNO)、ステップS1006の処理に戻る。
【0125】
受信した信号が不許可情報であった場合には(ステップS1008のYES)、通信部210は、不許可情報を制御部230に伝達し、制御部230は、出力部250に治療用アプリケーションを有効化するための医療従事者からの処方がおりなかったことを示す情報を出力(表示)させ(ステップS1009)、処理を終了する。
【0126】
以上が、
図8に示すシーケンス図に対応するユーザ端末200の動作例の説明であり、ユーザ端末200の、治療用アプリケーションを使用するための処方を医療従事者から受ける際の動作例の説明である。
【0127】
図11は、
図8に示すやり取りを実現するための配信サーバ300の動作例を示すフローチャートである。
【0128】
図11に示すように、配信サーバ300の通信部310は、ユーザ端末200からの治療用アプリケーションを要求する要求信号を受信する(ステップS1101)。通信部310は、受信した要求信号を制御部330に伝達する。
【0129】
制御部330の配信部331は、要求信号を伝達されると、患者が所望している治療用アプリケーションであって、伝達された要求信号に含まれる治療用アプリケーションを示すアプリIDを、抽出する。そして、配信部331は、抽出したアプリIDを示す治療用アプリケーションのインストーラを記憶部340から取得する。配信部331は、取得した治療用アプリケーションのインストーラを、通信部310を介して、要求信号を送信したユーザ端末200に配信する(ステップS1102)。これにより、患者は、治療用アプリケーションを取得することができるが、この段階の治療用アプリケーションは、医療従事者の処方が下りていない状態のアプリケーションであり、医療従事者の処方がないと実行できない機能部の実行が制限された状態のアプリケーションである。
【0130】
以上が、配信サーバ300の動作例である。
【0131】
図12は、
図8に示すやり取りを実現するための医療従事者端末500の動作例を示すフローチャートである。
【0132】
図12に示すように、医療従事者端末500の通信部510は、管理サーバ100から送信された処方要求情報と患者情報とを受信する(ステップS1201)。通信部510は、受信した処方要求情報と患者情報とを制御部530に伝達する。
【0133】
制御部530は、処方要求情報と患者情報とを伝達されると、出力部550に、患者情報を出力、即ち、医療従事者端末500に接続されているモニタ等に表示させる(ステップS1202)。医療従事者は、表示された患者情報を見て、治療用アプリケーションを処方してよいか否かを判断する。
【0134】
医療従事者から入力部520に対して処方許可を受け付けた場合には(ステップS1203のYES)、制御部530は、通信部510を介して、管理サーバ100に処方許可情報を送信し(ステップS1204)、処理を終了する。
【0135】
一方で、医療従事者から入力部520に対して処方できないことを示す入力を受け付けた場合には(ステップS1203のNO)、制御部530は、通信部510を介して、管理サーバ100に処方不許可情報を送信し(ステップS1205)、処理を終了する。
【0136】
以上が、医療従事者端末500の動作例である。
【0137】
図13は、運用サーバ600の動作例を示すフローチャートである。
図13に示すように、運用サーバ600の通信部610は、ユーザ端末200から送信された治療情報の送信要求を受け付ける(ステップS1301)。ここでいう治療情報は、治療用アプリケーションが患者に提示する治療に関する情報であり、例えば、過去に行った治療の内容やその成否、使用した薬剤や、患者の行動に関する情報など様々な情報を含んでよい。この送信要求には、少なくとも、ユーザを特定可能なユーザID(患者ID)が含まれ、その他に、治療情報を閲覧するためのパスワードが含まれてもよい。通信部610は、治療情報の送信要求を受信すると、制御部630に伝達する。
【0138】
制御部630の治療情報提供部631は、伝達された治療情報の送信要求から患者IDを特定する。そして、治療情報提供部631は、特定した患者IDに対応する治療情報641を記憶部640から特定する(ステップS1302)。そして、治療情報提供部631は、特定した治療情報を、通信部610を介して、ユーザ端末200に送信する(ステップS1303)。ここでいう治療情報641は、管理サーバ100が管理する管理情報141と同じものであってもよいし、別の物であってもよい。別のものである場合には、少なくとも、患者IDが管理情報141と共通するなどして、患者を一意に特定可能にさえなっていればよい。
【0139】
これにより、運用サーバ600は、ユーザ端末200に対して、ユーザの治療に関する情報を提供することができる。なお、ユーザ端末200からの治療情報の送信要求にパスワードが含まれる場合に、ステップS1302において、先に、そのパスワードの認証を行い、パスワードが正しければ、治療情報の特定を行うようにすればよい。これにより、治療用アプリケーションは、医療従事者の処方があって初めて実行可能な機能部の一例として、医療従事者による診療情報の閲覧を行うことができる。
【0140】
<表示例>
図14(a)~(c)は、治療用アプリケーションによる表示例を示す図である。
図14(a)~(c)は、あくまで一例であり、表示態様はその他の態様をとってもよい。
図14(a)~(c)においては、治療用アプリケーションとして、禁煙アプリの表示例を示しているが、治療用アプリケーションは、禁煙アプリに限定するものではなく、その他の疾病や症状に対するアプリケーションであってよいが、いずれの場合であっても、少なくとも医療従事者からの処方がないと実行できない機能部を備えていることとしてよく、医療従事者の処方がなくとも実行できる処理があってよい。医療従事者の処方がなくとも実行できる処理とは、非治療的な機能のことであってよい。ここでいう非治療的な機能とは、一般的な疾病、治療に関する説明機能や問診機能など、患者に直接的かつ個別的な行動変容を促さない機能であってよい。
【0141】
図14(a)は、治療用アプリケーションによる表示例の一例を示す図であって、治療用アプリケーションが提供する機能を選択するための画面例である。なお、
図14(a)に示す機能はあくまで一例であり、これ以外の機能を含んでもよいし、
図14(a)に示す機能を含まなくてもよい。
【0142】
図14(a)では、治療用アプリケーションが提供する機能の一例として、基本情報252と、問診情報253と、診療情報254とを選択するためのボタンを表示した画面例251を示している。基本情報252は、治療用アプリケーションを使用する患者に関する基本的な情報のことである。基本情報252を選択することで、患者の基本的な情報を入力するための画面や、あるいは、基本的な情報示す画面を表示する。基本情報252は、医療従事者の処方なく実行できる機能(提供できる情報)であってよく、治療用アプリケーションが関連する疾病とは関与が低い、患者に関する情報として、患者の名前や、年齢、体重、身長等の情報であってよい。
【0143】
問診情報253は治療用アプリケーションが関連する疾病についての問診を患者に対して行うための機能であり、問診情報253を選択すると、一例として、
図14(b)に示すような問診と、それに対する患者の回答を入力するためのUI(User Interface)画面を表示することとしてよい。問診情報253は、医療従事者の処方なく実行できる機能(提供できる情報、アプリケーションとして患者が使用できる情報)であってよい。
【0144】
図14(b)に示すように、問診情報253を表示する画面例255は、治療用アプリケーションとして、対応する疾病や症状の状態、あるいは、それに対する患者の心象や心構えを問うものであってよい。
図14(b)に示す例では、治療用アプリケーションは、禁煙のためのアプリケーションであり、問診の一例として、喫煙の習慣の有無、禁煙の意欲、喫煙の量と、それに対する回答の例を示している。これらの問診情報には、医療従事者が、患者に対して治療用アプリケーションを処方してよいかどうかを判断するための判断基準となる問診と回答が含まれる。
【0145】
図14(c)は、診療情報254を選択した場合に表示される画面例256を示している。診療情報254は、医療従事者の処方なく実行できない機能部の一例である。逆に言えば、医療従事者の処方があって管理サーバ100により有効化されている場合には、実行可能な機能の一例である。医療従事者の処方があって実行できる機能部としては、治療の詳細な情報の閲覧機能や、治療の経過情報の閲覧機能、治療のために患者がとるべき行動等のアドバイス機能など、治療の根幹に関連する機能であってよいが、これらに限定するものではない。医療従事者の処方があって実行できる機能部の内容は、医療従事者と治療用アプリケーションの作成者等の間で取り決めることとしてよい。
【0146】
(処方例2)
処方例1においては、管理サーバ100から、医療従事者からの処方に基づき、ユーザ端末200の治療用アプリケーションを有効化する例を説明したが、処方例2においては、処方コード(アクティベーションコードと呼称してもよい)を用いた有効化の例を説明する。
【0147】
ここで、処方コード(アクティベーションコード)とは、治療用アプリケーションを有効化、即ち、治療用アプリケーションの中の医療従事者の処方がないと実行できない機能部を使用可能にする情報であればよく、処方コードとの名称に限定するものではない。一例として、処方コードは、パスコードやパスフレーズ、シリアルコードなどと呼称されて、代用されてもよい。
【0148】
図15は、処方例2に係る治療用アプリケーション配信システムにおける各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図であって、処方コードを用いた機能部の有効化を実現する手法を示す図である。
図15に示すシーケンス図においては、ステップS806までの処理は、
図8と共通するので、そこまでの説明は割愛し、ステップS1507以降の処理について説明する。
【0149】
図15に示すように、医療従事者端末500から処方許可情報を受信すると、管理サーバ100は、機能部を有効化するための処方コードを生成し、ユーザ端末200に送信する(ステップS1507)。
【0150】
管理サーバ100から送信された処方コードを受信すると、ユーザ端末200は、受信した処方コードを表示する。表示された処方コードを見たユーザ端末200の患者は、治療用アプリケーションに処方コードを入力する(ステップS1508)。処方コードの入力を受け付けたユーザ端末200は、入力された処方コードを管理サーバ100に送信する(ステップS1509)。
【0151】
管理サーバ100は、ユーザ端末200から処方コードを受信すると、受信した処方コードの認証を行う。一例として、管理サーバ100は、受信した処方コードが自身で生成した処方コードに一致するか否かに応じて認証を行う。そして、認証に成功した場合に管理サーバ100は、認証成功を示す情報をユーザ端末200に送信する(ステップS1510)。
【0152】
認証成功の情報を受信するとユーザ端末200の治療用アプリケーション、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を有効化する(ステップS1511)。
【0153】
なお、ここでは、ユーザ端末200に患者により入力された処方コードを管理サーバ100が認証する態様をとっているが、これはその限りではない。例えば、治療用アプリケーションが処方コードに対応する認証情報を予め保持し、管理サーバ100は、処方コードとしてその認証情報に対応する処方コードをユーザ端末200に送信し、ユーザ端末200は、入力された処方コードが治療用アプリケーションに予め記憶されている認証情報に対応すると認証された場合に、治療用アプリケーションが機能部を有効化するようにしてもよい。
【0154】
図15に示すやり取りを実現するための、管理サーバ100の動作例は、
図16に示すフローチャートに示すものになる。
図16に示すフローチャートは、
図9に示したフローチャートと比して、医療従事者端末500から処方許可情報を受信した以降の処理、即ち、捨てプS1604以降の処理が異なり、それ以外の処理については共通するので、ここでは、ステップS1604以降の処理についてのみ説明する。
【0155】
図16に示すように、管理サーバ100の制御部130は、医療従事者端末500からユーザ端末200の治療用アプリケーションの処方を許可する処方許可情報を受信した場合に(ステップS903のYES)、患者識別情報で示される患者のユーザ端末200の治療用アプリケーションの機能部を有効化するための処方コードを生成し、通信部110を介して、ユーザ端末200に送信する(ステップS1604)。
【0156】
通信部10は、ユーザ端末200から処方コードを受信したか否かを判定する(ステップS1605)。受信していない場合は(ステップS1605のNO)、待機する。
【0157】
ユーザ端末200から処方コードを受信した場合には(ステップS1605のYES)、通信部110は、受信した処方コードを制御部130に伝達する。制御部130は、処方コードを伝達されると、伝達された処方コードが正規の処方コードであるか否かを認証する(ステップS1606)。
【0158】
制御部130は、処方コードが正規の処方コードであると判定した場合、即ち、処方コードの認証に成功した場合(ステップS1606のYES)、認証成功を示す情報をユーザ端末200に送信し(ステップS1607)、処方コードの認証に失敗した場合(ステップS1606のNO)、認証失敗を示す情報をユーザ端末200に送信し(ステップS1608)、ステップS901の処理に戻る。
【0159】
図15に示すやり取りを実現するための、ユーザ端末200の動作例は、
図17に示すフローチャートに示すものになる。
図17に示すフローチャートは、
図10に示すフローチャートとの間において、ステップS1005まで共通し、ステップS1706以降の処理が異なるので、ここでは、ステップS1706以降の処理について説明する。
【0160】
図17に示すように、処方要求情報を管理サーバ100に送信した後(ステップS1005)、ユーザ端末200は、管理サーバ100から情報を待つ。
【0161】
ユーザ端末200の通信部210は、管理サーバ100から処方コードを受信したか否かを判定する(ステップS1706)。処方コードを受信した場合には(ステップS1706のYES)、通信部210は、受信した処方コードを制御部230に伝達する。制御部230は、伝達された処方コードを、出力部250に出力する様に指示する。即ち、出力部250は、モニタに処方コードを表示する(ステップS1707)。
【0162】
表示された処方コードを見たユーザ端末200の患者は、表示された処方コードを治療用アプリケーションに、入力部220を介して、入力する。そして、制御部230は、入力された処方コードを、通信部210を介して、管理サーバ100に送信する(ステップS1708)。
【0163】
ユーザ端末200の制御部230は、処方コードの認証に成功したか否かを、管理サーバ100から、認証に成功したことを示す情報を受信したか否かによって判定する(ステップS17089)。
【0164】
処方コードの認証に成功した場合には(ステップS1709のYES)、治療用アプリケーションは、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を有効化して(ステップS1710)、処理を終了する。処方コードの認証に失敗した場合には(ステップS1709のNO)、機能部を有効化できない旨を表示する(ステップS1712)。この後、患者はユーザ端末200に再度処方コードを入力しなおしてもよい。
【0165】
一方、処方コードを受信していない場合(ステップS1706のNO)、制御部230は、治療用アプリケーションを処方できないことを示す不許可情報を受信したか否かを判定する(ステップS1711)。不許可情報を受信していない場合には(ステップS1711のNO)、待機する。
【0166】
不許可情報を受信した場合には(ステップS1711のYES)、制御部230は、出力部250に、機能部を有効化できない旨を示す情報を表示させ(ステップS1712)、処理を終了する。
【0167】
このように、治療用アプリケーションの医療従事者の処方がないと実行できない機能部は、処方コードによって有効化されてもよい。
【0168】
(処方例3)
処方例1、2においては、ユーザ端末200に医療従事者からの処方がない状態の治療用アプリケーションがインストールされている場合での、治療用アプリケーションの有効化の例を説明したが、処方例3においては、治療用アプリケーションがまだユーザ端末200においてインストールされていない場合の、効率的な治療用アプリケーションの実行例を説明する。
【0169】
図18は、処方例3に係る治療用アプリケーション配信システムの各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
図18に示すように、ユーザ端末200は、治療用アプリケーションがインストールされていない状態で、処方要求を行う点において、
図8に示すシーケンス図と相違する。ステップS803からステップS806の処理内容自体は、
図8を用いて説明した内容と同様であるので説明を省略し、ステップS1807以降の処理について説明する。
【0170】
図18に示すように、処方許可情報を医療従事者端末500から受信した管理サーバ100は、患者識別情報と、処方許可情報と、を配信サーバ300に送信する(ステップS1807)。ここで送信する患者識別情報には、ユーザ端末200のネットワーク上の送信先のアドレスが含まれる。
【0171】
管理サーバ100から、患者識別情報と、処方許可情報とを受信した配信サーバ300は、患者識別情報で示される患者に対して治療用アプリケーションを処方してもよいと判断し、患者識別情報で示されるユーザ端末200に、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を実行可能に有効化した治療用アプリケーションをユーザ端末200に送信する(ステップS1808)。
【0172】
これにより、ユーザ端末200は、機能部が有効化された治療用アプリケーションを実行することができる(ステップS1809)。即ち、最初から機能部を実行できる状態で治療用アプリケーションを起動することができる。
【0173】
図19は、
図18に示すやり取りを実現するためのユーザ端末200の動作例を示すフローチャートである。
【0174】
図19に示すように、入力部220は、患者から、治療用アプリケーションに対する医療従事者からの処方を要求するための処方要求の入力を受け付け(ステップS1901)、制御部230に伝達する。制御部230は、通信部210を介して、管理サーバ100に、処方要求情報を送信する(ステップS1902)。このとき、制御部230は、通信部210を介して、管理サーバ100に、処方要求情報の他、ユーザ端末200の患者を識別可能な患者識別情報を送信する。また、制御部230は、通信部210を介して管理サーバ100に、治療用アプリケーションに対応する疾病に関する患者の情報を示す患者情報を送信してもよい。
【0175】
通信部210は、管理サーバ100から信号を受信する。通信部210は、受信した信号が医療従事者の処方がないと実行できない機能部が有効化された治療用アプリケーションであるか否かを判定する(ステップS1903)。受信した信号が、機能部が有効化された治療用アプリケーションである場合に(ステップS1903のYES)、通信部210は、制御部230に治療用アプリケーションを伝達する。制御部230のアプリ実行部231は、治療用アプリケーションを受け付けると、医療従事者の処方があって初めて実行が可能な機能部が有効化された状態の治療用アプリケーションを実行し(ステップS1904)、処理を終了する。
【0176】
一方、通信部210は、受信した信号が機能部を有効化した治療用アプリケーションでなかった場合に(ステップS1903のNO)、受信した信号が不許可情報であるか否かを判定する(ステップS1904)。受信した信号が不許可情報でない場合には(ステップS1904のNO)、ステップS1903の処理に戻る。
【0177】
受信した信号が不許可情報であった場合には(ステップS1904のYES)、通信部210は、不許可情報を制御部230に伝達し、制御部230は、出力部250に治療用アプリケーションを有効化するための医療従事者からの処方がおりなかったことを示す情報を出力(表示)させ(ステップS1906)、処理を終了する。これにより、ユーザ端末200は、医療従事者からの処方が下りた状態(機能部が有効化された状態)の治療用アプリケーションを、最初から使用することができる。
【0178】
図20は、
図18に示すやり取りを実現するための管理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。
図20に示すフローチャートは、
図9に示すフローチャートとで、医療従事者端末500から、処方許可情報を受信した場合(ステップS903のYES)のステップS2004の処理のみが異なる。したがって、ここでは、ステップS2004の処理内容について説明する。
【0179】
医療従事者端末500から処方許可情報を受信すると(ステップS903のYES)、管理サーバ100の制御部130は、処方許可が下りた患者のユーザ端末200のアドレスを含む患者識別情報と、医療従事者端末500から受信した処方許可情報と、を、通信部110を介して、配信サーバ300に送信する(ステップS2004)。これにより、配信サーバ300から機能部が有効化された治療用アプリケーションをユーザ端末200に送信することができるようにすることができる。
【0180】
図21は、
図18に示すやり取りを実現するための配信サーバ300の動作例を示すフローチャートである。
図21に示すように、配信サーバ300の通信部310は、管理サーバ100から送信された送信された患者識別情報と処方許可情報とを受信する(ステップS2101)。通信部310は受信した情報を制御部330に伝達する。
【0181】
制御部330は、患者識別情報と処方許可情報と、を受信すると、患者識別情報で示される患者に対して医療従事者から治療用アプリケーションが処方されたものと判断する。そして、制御部330は、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を有効化した状態の治療用アプリケーションを、通信部310を介して、患者識別情報で示される患者のユーザ端末200に送信し(ステップS2102)、処理を終了する。
【0182】
これにより、ユーザ端末200は、機能部が有効された状態の治療用アプリケーションを最初から使用することができる。
【0183】
処方例3に示したように、ユーザ端末200にまだ治療用アプリケーションがインストールされていない場合に、医療従事者が処方を許可した場合には、処方が許可された状態(機能部の制限が解除されて有効化されている状態)の治療用アプリケーションを、配信サーバ300からユーザ端末200に送信するように構成してもよい。
【0184】
<まとめ>
上記実施形態に示したように、本実施形態に係る治療用アプリケーション配信システムでは、ユーザ端末200の患者が処方要求を行い、医療従事者が患者の情報を確認することによりワンタッチで、治療用アプリケーションを処方する(治療用アプリケーションの中の医療従事者の処方がないと実行できない機能部を有効化する)ことができる。即ち、医療従事者は、実際に患者を診察せずとも治療用アプリケーションを一手間だけで処方することができるので、医療従事者の負担を軽減することができる。また、同時に、患者側もわざわざ医療従事者の診療を受けずとも治療用アプリケーションを使用することができ、治療用アプリケーションが関連する疾病等の改善のために治療用アプリケーションを利用することができる。このことから、本発明に係る治療用アプリケーション配信システムは、従前の対面診療に代替する遠隔診療の導入も容易となる。特に、通院の困難者、隔離者等の医療支援に対しても効果的である。また、上記実施形態に示した態様であれば、医療従事者が、治療用アプリケーションについて、ユーザ端末200の患者に対して、説明する手間を軽減することができる。
【0185】
<補足>
上記実施の形態においては、医療従事者からの処方に基づいて治療用アプリケーションをユーザ端末200の患者に処方する例を説明したが、治療用アプリケーション配信システムの実施例は上記に限定するものではない。以下、各種の変形例について説明する。
【0186】
(1) 上記実施の形態において、管理サーバ100は、処方要求情報を医療従事者端末500に送信する際に、患者情報を送信することとしているが、この患者情報は、一例として問診情報であってもよいことは説明した通りであるが、この問診情報は、治療用アプリケーションの一機能であって、医療従事者からの処方がなくても実行可能な機能の一部であってよい。そして、治療用アプリケーションは、
図14(b)に示されるような問診情報を表示し、問診情報の設問に対するユーザ端末200の患者からの回答の入力を受け付けて記憶しておき、患者からの処方要求の入力を受け付けた場合に、記憶しておいた問診情報とその回答を、患者情報として、処方要求情報と共に管理サーバ100に送信することとしてもよい。こうすることで、管理サーバ100において、ユーザ端末200の患者の治療用アプリケーションが対応する疾病に対する患者の情報を探索する必要がなくなり、管理サーバ100の処理負荷を軽減することができる。
【0187】
(2) 上記実施の形態において、管理サーバ100は、医療従事者端末500に処方要求情報を送信しているが、治療用アプリケーションを処方可能な医療従事者がいる医療機関の数は多いので、対応可能な医療従事者端末500の中から任意の医療従事者端末500を選択できるように構成してもよい。
【0188】
一例として、管理サーバ100は、記憶部140に対応可能な医療機関を示す情報と、その医療機関に設置されている医療従事者端末500を特定できる医療機関情報を保持していてもよい。そして、ユーザ端末200から処方要求情報があった場合に、医療機関情報に含まれる医療従事者端末500から任意に選択し、選択した医療従事者端末500に処方要求情報を送信してもよい。このとき、処方要求情報を送信してきたユーザ端末200の情報としてユーザ端末200の患者の住所、所在地、エリア等がわかる場合に、その近隣の医療機関を選択するようにしてもよい。
【0189】
また、処方要求行う段階において、ユーザ端末200の患者が、医療機関を選択できるようにしてもよい。即ち、処方要求を行う治療用アプリケーションの画面、あるいは、管理サーバ100が提供するウェブ画面において、治療用アプリケーションの処方が可能な医療機関のリスト情報を提供し、提供したリスト情報の中から、患者が医療機関を選択し、選択した医療機関の情報を、処方要求情報とともに、管理サーバ100に送信することとしてもよい。そして、管理サーバ100は、受信した医療機関の情報に対応する医療従事者端末500に、処方要求情報を送信することとしてもよい。
【0190】
このように、処方要求を行う医療機関は、ユーザ端末200の患者、あるいは、管理サーバ100が、適宜選択できるように構成されていてもよい。
【0191】
(3) 上記実施の形態においては、ユーザ端末200による治療用アプリケーションの有効化方法として、ユーザ端末200を含む各装置のプロセッサが治療用アプリケーションや治療用アプリケーションを有効化するためのプログラム等を実行することにより、医療従事者の処方がないと実行できない機能部を実行できるようにしているが、これは装置に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能は1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0192】
また、上記プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記管理プログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。つまり、例えば、スマートフォン等の情報処理機器を利用して、ネットワーク上から管理プログラムをダウンロードして実行する構成としてもよい。本発明は、上記管理プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0193】
なお、上記プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)、C++、Python、Rなどのオブジェクト指向プログラミング言語などを用いて実装できるが、これに限定するものではない。
【符号の説明】
【0194】
100 管理サーバ
110、210、310、510 受信部
120、220、320、520 入力部
130、230、330、530 制御部
131 受信部
132 受付部
133 有効化部
134 送信部
140、240、340、540 記憶部
141 管理情報
150、250、350、550 出力部
200 ユーザ端末
231 アプリ実行部
300 配信サーバ
331 配信部
341 第1治療用アプリケーションインストーラ
342 第2治療用アプリケーションインストーラ
400 ネットワーク
500 医療従事者端末
531 処方許否情報送信部