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特開2023-74174燃料電池の製造方法、膜電極アッセンブリーの製造方法、膜電極アッセンブリー、膜電極アッセンブリーと通気性基材の複合体、燃料電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074174
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】燃料電池の製造方法、膜電極アッセンブリーの製造方法、膜電極アッセンブリー、膜電極アッセンブリーと通気性基材の複合体、燃料電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1004 20160101AFI20230522BHJP
   H01M 4/88 20060101ALI20230522BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20230522BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20230522BHJP
   B05D 5/12 20060101ALI20230522BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20230522BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20230522BHJP
   B05D 1/32 20060101ALI20230522BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20230522BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20230522BHJP
【FI】
H01M8/1004
H01M4/88 Z
B05D7/00 K
B05D7/00 A
B05D7/24 301M
B05D5/12 B
B05D1/02 Z
B05D3/00 D
B05D1/32 B
B05D1/36 Z
B05D3/00 C
B05D3/00 B
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186987
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】510009832
【氏名又は名称】エムテックスマート株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松永 正文
【テーマコード(参考)】
4D075
5H018
5H126
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA35
4D075AA39
4D075AA40
4D075AA63
4D075AA71
4D075AA76
4D075AA81
4D075AA84
4D075AA85
4D075AD05
4D075AD06
4D075AE03
4D075AE19
4D075BB08Z
4D075BB23X
4D075BB23Y
4D075BB23Z
4D075BB24Z
4D075CA22
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA04
4D075DC18
4D075EA05
4D075EA33
5H018BB08
5H126AA02
5H126BB06
5H126FF07
5H126HH01
(57)【要約】
【課題】 薄くて空気中でも変形する電解質膜に電解質溶液と触媒を担持したカーボンと水または水とアルコール系からなる電極インクを塗布して、変形がなく、周縁のある、燃料電池の膜・電極アッセンブリーを製造する。
【解決手段】 バックシートまたは通気性基材と積層した電解質膜の移動方向にマスキング基材を積層し、加熱吸着ロール上で、電極の塗布開始と塗布終了の時電解質膜の移動方向と直交してマスキング基材をセットし、電極インクを塗布して電極と未塗工部の周縁を形成させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜の片面に電極インクを塗布装置で直接塗布し乾燥して電極を形成し、前記電解質膜の反対面に反対極を形成した膜電極アッセンブリーからなる燃料電池の製造方法であって、前記電解質膜の移動方向と直交して移動する複数のスプレイ塗布装置を配置する工程と、該スプレイ塗布装置の移動方向に前後して複数の塗布装置を複数列配置しスプレイする工程と、片方の列のスプレイパターンの軌跡間に他列のスプレイパターンが塗布されるように設置する工程と、前記電解質膜の移動方向と直交するスプレイ塗布装置の移動はオフセットしながら移動し、連続スプレイまたはパルス的スプレイでスプレイし前記スプレイパターンは複数回積層し電解質膜の少なくとも片方の電極はマスクにより電極と未塗工部からなる周縁を形成してなる膜電極アッセンブリーを用いてなることを特徴とする燃料電池の製造方法。
【請求項2】
電解質膜の両面に電極形成してなる膜電極アッセンブリーからなる燃料電池であって、電解質膜を加熱吸着する工程と、少なくとも電解質膜の片面に電極インクを直接、連続スプレイ塗布またはパルス的スプレイ塗布する工程と、塗布後の前記電極インクの溶媒を瞬時に揮発させても電極に少なくともメソポアを形成する工程とからなることを特徴とする請求項1の燃料電池の製造方法。
【請求項3】
長尺の電解質膜の移動方向と直交して横一列又は二列に10乃至25個の塗布ヘッドを配置し、該塗布ヘッドをショートトラバースしてパルス的にスプレイパターンをラップさせて膜電極アッセンブリーを用いてなることを特徴とする燃料電池の製造方法。
【請求項4】
電解質膜の両面に電極形成してなる膜電極アッセンブリーの製造方法であって、電解質膜を加熱吸着する工程と、連続スプレイ塗布法またはインパクトパルス的スプレイ法でスプレイ粒子にスピードを持って電解質膜に塗布する工程と、塗布後の前記電極インクの溶媒を瞬時に揮発させて前記スプレイ塗布をオフセットして複数層積層して電極に少なくともメソポアを形成する工程とからなることを特徴とする膜電極アッセンブリーの製造方法。
【請求項5】
電解質膜の両面に電極形成してなる膜電極アッセンブリーであって、電解質膜を加熱吸着して移動し、少なくとも電解質膜の片面に電極インクを複数列の複数のスプレイ塗布装置で前記電解質膜の移動方向と直交して移動し連続スプレイ法またはインパクトパルス的スプレイ法でスプレイ粒子にスピードを持って電解質膜に塗布し塗布後の前記電極インクの溶媒を瞬時に揮発させ乾燥し、積層を繰り返して複数層積層することで電極に少なくともメソポアを形成してなることを特徴とする膜電極アッセンブリー。
【請求項6】
長尺の電解質膜の両面に電極が形成され、少なくとも片面にはマスクにより複数の電極と電極の外に未塗工部が形成され、該電解質膜未塗工部は通気性基材に施与された剥離可能な粘着剤または接着剤が積層されてなる膜電極アッセンブリーと通気性基材の複合体。
【請求項7】
電解質膜の両面に電極形成してなる膜電極アッセンブリーからなる燃料電池であって、電解質膜を加熱吸着し移動し、少なくとも電解質膜の片面に電極インクを複数列の複数のスプレイ塗布装置を前記電解質膜の移動方向と直交して移動し連続スプレイ塗布法またはインパクトパルス的スプレイ法でスプレイ粒子にスピードを持って電解質膜に塗布し前記電極インクの溶媒を瞬時に揮発させ乾燥し、積層を繰り返して複数層積層することで電極にマイクロポア及びメソポアを形成してなる膜電極アッセンブリーを用いてなることを特徴とする燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPEFC(Polymer Electrolyte membrane Fuel Cell)型燃料電池の膜・電極アッセンブリーの製造方法、及びその方法により製造された燃料電池に関する。
更に詳細には電極インクを電解質膜に直接塗布するCCM( Catalyst coated membrane)式電解質膜への電極形成方法に係る。本発明による塗布とは特に限定しないが、ロールコート、スリットダイ(スロットノズル)コート、スクリーンプリンティング、カーテンコート、ディスペンス、インクジェット、スプレイを含む霧化(含む繊維化)施与、静電霧化(含む繊維化)施与等の粒子や繊維を被塗物に塗布する工法を含み、マイクロカーテン施与も含む。
マイクロカーテンとは広角パターンのエアレススプレイノズル等で液体などを0.3MPa前後の比較的低圧でスプレイする際、霧になる前の液膜の部分を使用して被塗物とスプレイノズルを相対移動して塗布する方法であって塗面にオーバースプレイ粒子は発生しない。被塗物を通り過ぎて距離が離れると霧状に変化する。
また霧化(繊維化)施与とはスプレイによる粒子化以外に、固形微粒子を含む液体などを超音波により分散しながら霧化したり、エレクトロスピニングなどのスピン、回転体による遠心力で粒子化したり繊維化したりして塗布することである。メルトブローン方式などを液体に応用して粒子や繊維をつくりだす方法も含まれ、前記超音波霧化や遠心霧化では霧化した粒子の方向性が不安定であるので圧縮エアの力を借りて(air assist)対象物にそれらを付着あるいは塗布する工法を指す。本発明ではこれらを総称して以下スプレイとして説明する。
【背景技術】
【0002】
従来、電解質溶液と、カーボン粒子やカーボン繊維に担持した白金からなる微粉の触媒等を溶媒と混合し電極インクとしてGDL(Gas diffusion layer)に塗布して電解質膜に圧着したり、PTFEなどの離形フィルムに塗布して電解質膜に転写したりしていた。前記圧着方法や転写方式は液体が介在しないため電解質膜と電極の間抵抗が生じ燃料電池の性能を落としていた。それを解決する為CCM方式の電極触媒インクを電解質膜に直接塗布する方法が提案されている。
【0003】
特許文献1は本発明者により発明されたCCM方法であって、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)用の電解質膜を巻き出して加熱した吸着ドラム(ロール)や吸着ベルトに吸着した状態で電極インクをスプレイ等により積層塗布し乾燥させる方法である。吸着ドラムなどの加熱により電解質膜が吸着加熱された状態でスプレイ等により薄膜で積層されるのでスプレイ粒子は電解質膜に塗着しレベリングした瞬間に溶媒が瞬時に揮発する。そのため電解質にダメージを与えずまた密着性が高まるので電極と電解質膜の界面抵抗が極限まで低くできるので理想的なCCMとして形成できる。また吸着ドラムと電解質の間に電解質膜より幅の広い通気性の紙やフィルムを介在させて電解質膜を吸引するので吸着ドラムなどの多孔体での吸着痕を残さないようにして電解質膜面全体を均一に吸引しながら塗布できるので理想であるがスプレイの場合スプレイ粒子が飛散するのでマスクが必須であった。
【0004】
特許文献2も本発明者により発明された方法であって、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)用の電解質膜の両面に電極形状のマスクとしてのフィルムを貼り合わせたて電極形状の凹部を形成し、それを巻き出して加熱した吸着ロールや吸着ベルトで吸着しながら電極インクを積層塗布して巻き取る方法を提案している。この方式は最初からマスクが両極位置合わせできているので生産性が高く理想的であった。しかし電極部分をくり抜く構造のためくり抜いた未使用部分の材料の無駄が発生していた。また例えば電解質膜幅が250mmで電極サイズが例えば210mm × 210mmなどの真四角で未塗工部(周縁)が20mm以上と広ければ問題ないが、例えば同じ電極面積の60mm×735mmと電解質膜の長手方向に長く長方形でかつ、周縁が10mm程度と狭くかつ3つの電極を形成しようとするとくり抜かれたマスク基材そのもののハンドリングが不安定で正確なマスキングが出来なかった。
【0005】
マスキングが正確にできて、特に水の排出と酸素の取入れで理想的な三相構造が求められる特にカソード極にマイクロポア、メソポア構造が形成できるスプレイ、特にパルス的スプレイをもって行うウェット膜でのCCM方式により高性能な膜・電極アッセンブリーを自動的に製造できる装置や方法が業界では切望されていた。塗布方法はスプレイに限定するものではなくスロットノズル等も本発明では使用することができる。スロットノズルを使用する場合長手方向や交差するマスク基材の片方あるいは両方とも使用しなくてもよいケースがあるが電極の寸法制度を高めるには必須である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-351413
【特許文献2】特開2005-63780
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電解質膜は25ミクロン以下更には15ミクロン以下と薄くまた引っ張ると伸びがあり、空気中の水分でさえ簡単に変形する極めてデリケートな基材のため電極インクを直接塗布する電極形成は極めて難しく、加熱吸着ロールなどに加熱吸着した電解質膜にスプレイ法、特にインパクトパルス方式で電極インクを電解質膜界面で溶媒を瞬時に揮発させながら薄膜で積層することが求められていた。かつ電極の周囲はセパレーターやガスケットなどとアッセンブリーするための所望する寸法の未塗工部(周縁)が必要とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前述の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は高品質で耐久性のあるPEFC型燃料電池用膜・電極アッセンブリー(MEA)の製造方法とそのMEAを用いた燃料電池を提供することである。
より具体的にはロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の電解質膜に直接電極インクを薄膜で塗布し、必要により積層し、電極インク未塗工部分の周縁のある高性能の膜・電極アッセンブリーを製造し、ひいては高性能の燃料電池を製造することにある。
【0009】
本発明はバックシートまたはサポート基材に積層された長尺の電解質膜を巻き出し装置で連続的または間欠的に巻き出して移動させ電解質膜に電極インクを塗布し、電解質膜に電極を形成して巻き取り装置で巻き取る燃料電池の膜・電極アッセンブリー製造方法であって、前記巻出し工程から、塗布開始位置までの間に電解質膜の電極の縁または周縁作成のために両側に細く長尺の第一のマスキング基材を前記電解質膜に積層する工程と、電解質膜を加熱吸着しながら塗布装置で電極インクを塗布する工程と、電極インクを乾燥させる工程と、塗布終了位置から巻き取り装置までの間に前記第一のマスキング基材を除去する工程とからなることを特徴とする燃料電池の膜・電極アッセンブリーの製造方法を提供する。
【0010】
本発明は前記電解質膜に形成される電極が電解質膜の幅方向に複数あることを特徴とする燃料電池の膜・電極アッセンブリーの製造方法を提供する。
【0011】
本発明では電解質膜の移動方向と直交して第二のマスキング基材が電極パターン塗布終了位置と電極パターン塗布開始位置の間に介在することを特徴とする燃料電池の膜・電極の製造方法を提供する。
【0012】
本発明では少なくとも第一のマスキング基材の電解質膜に積層する側に粘着剤が施与されていることを特徴とする燃料電池の膜・電極アッセンブリーの製造方法を提供する。
【0013】
本発明では電解質膜上の少なくとも第一のマスキング基材はあらかじめ電解質膜と粘着剤を介して積層されて巻き取られていることを特徴とする燃料電池の膜・電極のアッセンブリーの製造方法を提供する。
【0014】
本発明では第一のマスキング基材の粘着剤は微粘着剤を含み、電極インクの溶媒と接触しない位置に施与され、ポーラス状または複数で間隔をあけたストライプ状に施与され前記粘着剤の施与面積はマスキング基材面積の1/2以下であることを特徴とする燃料電池の膜・電極アッセンブリーの製造方法を提供する。
【0015】
本発明では電解質膜の移動方向と直交に配置される第二のマスキング基材は巻き出し及び巻き取り装置と一緒に移動可能とし、電解質膜の移動方向の電極インク塗布終了時と塗布開始時に、それらの位置に自動的に移動してマスクをすることを特徴とする燃料電池の膜・電極アッセンブリーの製造方法を提供する。
【0016】
本発明はロール・ツー・ロール(Roll to Roll)で移動する燃料電池用電解質膜の片側にアノード極を、アノード極の反対側にカソード極の電極を形成した膜・電極アッセンブリー(MEA)を用いてなる燃料電池の製造を最終目的とする。そのため本発明ではバックシートが積層されている状態の電解質膜に第一の電極インクを直接塗布し、乾燥させて第一の電極を形成し、電極形成面にサポート基材などの通気性シートを積層する。また電極形成した電解質膜と積層した通気性シートがずれないように通気性シートの両サイドであって前記電解質膜上の電極に干渉しない箇所(周縁などの縁部)に剥離可能な接着剤や粘着剤を施与した通気性基材を積層して複合シートとする。複合シートとすると同時にあるいはその後、バックシートは剥離してよい。その一例として、加熱吸着ロールまたは加熱吸着ベルトに前記複合シートの通気性基材側を吸着する工程と、前記バックシートを剥離する工程と、前記電解質膜を前記通気性基材を介して加熱吸引しながら前記第一の電極の反対面の電解質膜上に第二の電極インクを塗布する工程と、前記第二の電極インクを乾燥させて第二の電極を形成する工程とからなる燃料電池の膜・電極アッセンブリーの製造方法を提供できる。更に本発明では製造したMEAにGDL(ガス拡散層)を積層することもできるし、更にガスケットやセパレーターをセットしてセルを作成し、セルを数百セット組み合わせて燃料電池にすることが出来る。
【0017】
本発明では前記電極を形成するに当たり電解質膜に自動的にマスキング基材を長手方向に積層して電解質の流れ方向に電極の未塗布部(縁)を形成できる。マスキング基材の電解質膜と接触する前記縁には粘着剤を施与できる。特に剥離後粘着剤の残渣が残りにくいような微粘着剤や、それらをポーラス状あるいは接着面積を少なくするために間隔をあけて細いストライプ状に塗工することができる。また長手方向の第一のスキング基材と直交するようにその上に、必要な個所に粘着剤を施与した第二のマスキング基材を特に第一のマスキング基材上に粘着積層し、電極形状マスク付電解質膜として塗布と同一ライン上で作成しながら、または別途作成しておき、その上から電極インクを塗布し乾燥することにより周縁のある電極を形成できる。マスキング作業は前記のように電極インク塗布のロール・ツー・ロール(Roll to Roll)ラインで行ってもよく、予め別工程で行ってもよい。
【0018】
本発明では加熱吸着ロールを使用できるので、吸引して電解質膜に塗布された電極インクが電解質膜を濡らした後瞬時に、例えば3秒以内に溶媒量の99パーセント以上を揮発することができるので、膜と電極の密着性を高め、界面抵抗を低くできるので理想的である。またマスキング基材は溶媒がほぼ蒸発した箇所以降で巻き取りなどして除去できる。
【0019】
また本発明ではスプレイ法に属するパルス的スプレイであってスプレイ粒子に更にスピードを付加した工法でありエムテックスマート株式会社の商標登録であるインパクトパルス工法を採用すれば電解質膜への触媒の密着性は更に高まる。
【0020】
更に本発明ではスプレイ法、特にインパクトパルス工法により平方センチメートル当たりの1層の電極量を0.001~0.15ミリグラムに調整できるので例えば2~30層の電極インクの薄膜積層ができる。インパクトパルスによるスプレイ法と加熱吸着ドラムなどとの組み合わせで1層当たりの塗布量を少なくできるが、更に1層当たりの塗布量を少なくするには例えば白金触媒担持のカーボンと、電解質溶液と、水とアルコールからなる溶媒の電極インクの不揮発分量を重量比で10%以下にすることができる。さらに加熱吸着ドラム上の電解質膜への熱伝導と加熱吸着ドラムの0.5平方メートルの表面積に対して1.5乃至4kW・時の熱量を加えるので、50乃至80℃に加熱した電解質膜の溶媒の蒸発による気化熱での冷却も極めて少なくできるので不揮発分を5%以下更には1%以下にすることさえできる。
【0021】
固形分濃度を上記のようにするメリットはより薄膜にして積層すればするほど均一な触媒層が形成できる。また薄膜で積層できるので、電解質膜への負荷が少なく燃料電池の性能アップにつながる。
【0022】
さらに本発明では加熱吸着ロール上の特に片方の電極が形成された面にサポート基材例えば通気性基材、例えば無塵紙などのマイクロポーラス基材を介して電解質膜を例えば50乃至120℃で加熱し、例えば市販の安価な60~100KPa程度の真空度の真空ポンプで吸引できるので片側に電極形成された電解質膜にダメージを与えないばかりか欠陥のない膜・電極アッセンブリーを製造できる。また前記通気性基材の両サイドに粘着剤を施与する方法は加熱吸着ロールで吸着する前のずれ防止が目的であるがグラビアロールなどを使用して粘着剤を粗に点在させてポーラス状にすることができ、電解質膜は通気性基材を通して均一に吸着される。また粘着剤は後工程で剥離させやすい微粘着剤を使用することができる。
【0023】
真空ポンプは市販の比較的安価な例えば2002年ごろから燃料電池業界のCCMアプリケーションで採用されている60~100KPa程度の真空度がだせるオリオン社のKRF、KHA、KHHシリーズなどから選択するとよい。
【0024】
本発明では25マイクロメートル更には15マイクロメートル以下で変形しやすく扱いづらい電解質膜に直接電極インクをスプレイ方法やスロットノズル方式等により塗布する方法であっても上記の理由で、薄膜で塗布して品質的に安定した膜・電極アッセンブリーを製造することができる。
【発明の効果】
【0025】
上記のように本発明によればデリケートな電解質に電極インクを直接塗布しても理想的な膜・電極の界面を得ることができ、さらには高品質の電極未塗工の周縁のある膜・電極アッセンブリーを製造でき、ひいてはそのMEAを使用した燃料電池を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態に係る加熱吸着ロールで吸着した電解質膜移動方向にその上からマスキング基材を積層した構造の略断面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る加熱吸着ロールで吸着した電解質膜移動方向にその上からマスキング基材を積層した幅方向に関する略図である。
図3】本発明の実施の形態に係る電解膜の移動方向に関する電極と未塗工部に関する図である。
図4】本発明の実施の形態に係る吸着加熱ロールで吸着した電解質膜移動方向と直交方向のマスキング基材の、配置略断面図である。
図5】本発明の実施の形態に関する吸着加熱ロール上の電解質膜移動方向と直交して設けたマスキング装置の略断面図である。
図6図5の応用例の断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る電解質膜上に電極と周縁を形成した図である。
図8】本発明の実施の形態に係るバックシート、電解質膜、電解質膜の移動方向マスキング基材を積層した略断面図である。
図9】本発明の実施の形態に係るサポート基材(通気性シート等)と、片面に電極形成した電解質膜と電解質膜の移動方向に積層したマスキング基材との該略図である。
図10】本発明の実施の形態に係る電解質膜に両極の電極を未塗工部(周縁)分を残して形成した概略断面図である。
図11】本発明の実施の形態に係る3ヘッドの配置図である。
図12】本発明の実地の形態に係る3ヘッド直下のスプレイパターンの図である。
図13】本発明の実施の形態に係る3ヘッドの制御スプレイ塗布パターンの図である。
図14】本発明の実施の形態に係る3ヘッドの制御スプレイ塗布パターンによる往移動のパルス的スプレイ塗布パターンである。
図15】本発明の実施の形態に係る3ヘッドの制御スプレイ塗布パターンによる復移動のパルス的スプレイ塗布パターンである。
図16】本発明の実施の形態に係る3ヘッドの制御スプレイ塗布パターンでの往復移動によるパルス的スプレイ塗布パターンである。
図17】本発明の実施の形態に係る3ヘッドの制御スプレイ塗布パターンでの往復移動による連続スプレイ塗布パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は発明の理解を容易にするための一例にすぎず本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加、置換、変形等を施すことを排除するものではない。
【0028】
図面は本発明の好適な実施の形態を概略的に示している。
【0029】
図1において電解質膜2を巻き出し装置8から巻き出し、加熱吸着ロール1で吸着し移動させる。加熱吸着ロールの移動は連続的に移動しても間欠的に移動しても良い。塗布装置5の手前でマスキング基材3をロール7でガイドしながら電解質膜に積層し、加熱吸着ロール上の電解質膜と一緒に移動し、塗布装置5で電極インクを電解質膜に塗布する。塗布装置はスロットノズルにすると電極インクを液膜で塗布できるのでマスキング基材にほとんど付着させずに塗布でき、塗布開始、終了も直線的な電極パターンにできることでも効果的だが、薄膜で積層するためには超音波や2流体のスプレイヘッドにすることが好ましい。所望するスプレイ流6でスプレイし塗布を行う。スプレイパターン幅は例えば5mm乃至30mmの円パターンやドーナツパターン、楕円パターンを電解質膜と直交(略直交も含むものとする)して複数例えば10乃至25個を横一列または二列に並べて空中でパターンが干渉しないようにパルス的に塗布しながら積層出来る。また同時にスプレイした時パターンが干渉しないように配置し2.5乃至15mmショートトラバースしてスプレイパターンをラップさせることができる。
スプレイヘッドは1個または数個にして電解質膜と直交してトラバースしながら連続的にまたはパルス的にスプレイ塗布することが出来る。特に少数のスプレイヘッドのそれぞれのスプレイ流が干渉しないように配置し、トラバース(往復移動)してスプレイ塗布する間は加熱吸着ロールの移動(回転)は停止する。往移動してスプレイ後、電解質膜の移動方向に所望する長さ往でスプレイした電解質膜上の電極スプレイパターンと復でスプレイするスプレイパターンがラップするように加熱吸着ロールを移動(回転)して停止させ、復移動させながらスプレイ塗布しこれを繰り返す。少数ヘッドでトラバースして塗布する方法で電解質膜を連続的に移動させて塗布したい場合、片方移動で塗布し逆移動は塗布しない方法でそれを繰り返すと均一塗布が可能である。例えば3ヘッドのトータル有効パターンが45mmの場合は往でスプレイし、復はスプレイせず、往復の所要時間で45mm進むようにすればよい。また塗着効率の観点からスプレイ時の往のスピードは100mm/秒以下が良く、復のスピードは2倍の200mm/秒以上にすると生産性の面で好適である。
マスキング基材を積層する場所は巻き出し装置8の巻き出し部から塗布位置までの間のいずれの場所でもよい。また塗布装置や手段は前記したようにスロットノズルなどでもよくスプレイに限定するものでない。
塗布が終了したら所望する位置でマスキング基材を巻き取るなどの除去を行えばよい。マスキング基材の除去は塗布終了位置から巻き取り装置9までの間のいずれの箇所でも良い。またマスキング基材3には電解質膜と接する面に接着剤や粘着剤を施与してもよい。加熱や溶媒雰囲気に耐え、剥離した時電解質膜上に残渣の残らないものであれば尚良い。またマスキング基材の粘着剤は電解質膜から剥離しやすいようにポーラス状にまたは間隔をあけた細いストライプ上にしてマスキング基材の面積の2/3以下好ましくは1/3以下にするとよい。更に粘着剤はズレ防止で良いので移動方向に間隔を10乃至100mmあけてスポット的に施与して粘着面積は1/100以下にしても良い。
【0030】
図2図1の構成の詳細であって加熱吸着ロール1で吸着された電解質膜2にマスキング基材3をガイドロール7で電解質膜2に押し付けながら積層できる。マスキング基材はテープで予め粘着剤が施与されていてもよい。3列のマスキング基材3で真ん中のマスキング基材3’の幅は両端のマスキング基材幅の2倍にして電極の移動方向の未塗工部を形成でき、2列の未塗工部幅が同じ周縁の片面の電極や両極を形成したMEAを製造できる。
3列の電極形成を所望する場合、マスキング部材3は4列必要になる。また両サイドのマスキング基材幅より中央寄りのマスキング基材幅はMEAの所望する未塗工部にするため広く例えば2倍にしたらよい。
塗布装置5は電解質膜の進行方向と直交してトラバース装置でトラバースしながら連続的にまたはパルス的にスプレイ塗布できる。トラバースして塗布する間、加熱吸着ロールは回転を停止することが出来る。1個の塗布装置5によるスプレイパターン6または複数の塗布装置による複合パターンで塗布できる。電解質膜を連続的に移動する場合はトラバース装置による往復移動の片方移動のみ、つまり往路のみ、または復路のみスプレイ塗布を行うと塗布分布を均一にできる。その場合、塗布移動する例えば往路のスピードを遅く例えば100mm/秒以下にして塗着効率を高め、塗布しない復路のスピードを2倍以上の200mm/秒以上にすると生産性を高めることが出来る。電解質膜2の外側で図示していない基材に電極インクをパルス的に塗布して、塗布ブース外に移動して塗布重量測定室のシャッターを閉にして塗布重量を計測できる。塗布重量は目標の塗布重量でない場合はパルス数、吐出時間、トラバーススピード、液圧等を微調整できるがパルスの吐出時間を0.01乃至0.1mm/秒刻みで調整するとより微調整が可能で都度計量できるので容易である。
【0031】
図3は電解質膜に電極インクを塗布しマスキング部材を外した電極10と電極インク未塗工部11(電解質膜)である。
【0032】
図4図1で移動する電解質膜に直交して配置する第二のマスキング基材12を付加している。第二のマスキング基材12は電解質膜への未塗工部を設けるタイミングで塗布装置6の下に移動する。電解質移動方向の第一のマスキング基材の上に配置して電極インクをスプレイして四角形のパターンを製造してよく、また第二のマスキング基材のみを使用してスロットノズルで電極インクを電解質膜の進行方向はシャープに塗布して、低圧で電極インクの塗布開始時に流量が多くパターンがハンマーのように広がるハンマーヘッドパターン部のみを第二のマスキング基材部への塗布で電解質膜への影響を解消し、または塗布終了も同じように第二のマスキング基材上で終了することにより電極インクを均一に塗布し電極形成ができる。
【0033】
図5は第二のマスキング基材12を所望するタイミングで移動させる。塗布装置5で第二のマスキング基材上に塗布された電極インクは所望する塗布回数または時間ごとに第二のマスキング基材12の巻き出し装置15で巻き出され、自動的に巻き取り装置16で電極インクが、ある厚みに付着した第二のマスキング基材を巻き取ることができる。
【0034】
図6図5の応用タイプで第2のマスキング基材の巻き出し装置15と巻き取り装置16は片側にあって図示されないブラケット等でつながっているフリーロール30とガイドロール31経由で巻き取ることが出来る。
【0035】
図7は電解質膜2上の第一のマスキング基材と第二のマスキング基材の複合で形成された電極10と未塗工部11とからなり、未塗工部が裁断されて周縁11が形成される。
【0036】
図8はバックシート17に積層された電解質膜2上にマスキングフィルムが積層された構成であって、この構成で加熱吸着ロールにより吸着され第一の電極インクが塗布される。
【0037】
図9は第一の電極が形成された電解質膜にマスキング基材3が積層され第一の電極側にサポート基材18が積層してある。サポート基材18の両サイドには粘着剤19が施与されており、粘着剤19と電解質膜が接触している。サポート基材は多孔性フィルムや無塵紙などの通気性基材が電解質膜の未塗工部や電極を吸着できるので第二の電極インクを塗布する際、電解質膜の変形を防止できるので望ましい。通気性フィルムや無塵紙は電極の白金などが担持されたカーボンに粒子が移行しない通気のサイズや構造であることが望ましい。通気性フィルムや市販の無塵紙を使用することで加熱吸着ドラムの吸着孔径は0.1mm乃至0.6mmでよく、ピッチも千鳥パターンで0.7mm乃至2mmで真空度60乃至100KPaの真空ポンプを使用することで十分な吸着効果が得られ、電極インクを50乃至120℃程度の内50乃至80℃程度に加熱した電解質膜に塗布することで電解質膜を変形することはない。
【0038】
図10は本発明により電解質膜2の両面に第一の電極10と第二の電極10’と未塗工部を形成し、未塗工部を裁断してMEA20を製造する図である。
【0039】
図11は電解質膜の進行方向と直交して移動しスプレイする3つのヘッド5-a,5-b,5-cの配置である。塗布ヘッドは1個でも良く5個でもそれ以上でも良い。スプレイパターンを一定の大きさにした時ヘッド数を増やすことにより生産スピードを上げることができる。複数ヘッドにする時それぞれのスプレイ流が干渉しないように配置することが均一な塗布を行う上で重要である。
【0040】
図12は3つのヘッドの直下のスプレイ塗布パターン41,42,43である。それぞれパターンは干渉しないように配置されている。
【0041】
図13は3つのヘッドが電解質膜の移動方向と直交して往復移動してスプレイを行う際、塗布パターンが電解質膜の移動方向に一列に並ぶように塗布タイミングを制御している。塗布パターン41,42,43は少しラップするようにそれぞれのヘッドを配置したほうが重ね塗りの観点から良い。
【0042】
図14はスプレイヘッドの往移動でそれぞれのヘッドからパルス的にスプレイされヘッドの移動方向のパルス的パターン41,42,43は十分重ね塗りを行っている。往移動の間、電解質膜及び図示しない加熱吸着ロールは停止している。
【0043】
図15は復移動するにあたりパターン41,42,43を十分ラップさせるために加熱吸着ロールと一緒に電解質膜をオフセット移動させる。それぞれのパターン幅が例えば20mmの時は10mmオフセット移動し、例えば30mmの時は15mmオフセット移動させると良い。
次の往移動のスプレイ開始は各パターンが例えば20mmの時は3ヘッドの制御パターンの合計60mmより半分のパターン10mmを差し引いた50mmだけ加熱吸着ロールと一緒に電解質膜を移動させて行うと均一な電極の形成ができる。
【0044】
図16は電解質膜2の両サイドにマスキング基材3が積層されている。電極インクはパルス的にスプレイされる。周縁近くの電極インクの塗布量も均一にするにはスプレイパターンの半分以上がマスキング基材に付着する構成にするとよい。マスキング基材にほとんどパターンが付着しないようにして周縁付近の塗布量を少なめにすることもできる。
【0045】
図17図16のパルス的スプレイを連続的にスプレイできる構成にしている。連続スプレイのメリットはパルス的スプレイの50~100mm/秒の往復移動スピードを例えば1.5~10倍にできるので電極形成の処理量を多くできる。しかしスピードが速ければ早いほどスプレイ流が移動風に煽られ塗着効率は激減する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば周縁のあるPEFC燃料電池用膜・電極アッセンブリー(MEA)を製造でき、電解膜に直接電極インクを塗布して乾燥して電極形成するCCM方式で行うので高品質をもって製造できる。
【符号の説明】
【0047】
1 加熱吸着ロール
2 電解質膜
3 第一のマスキング基材
4 電極付き電解質膜
5 塗布装置
6 スプレイ流
7 ガイドロール
8 電解質膜巻き出し装置
9 電解質膜巻き取り装置
10 第一の電極
10’ 第二の電極
11 電極インク未塗工部(周縁部)
12 第二の(直交)マスキング基材
15 第二のマスキング基材巻き出し装置
16 第二のマスキング部材巻き取り装置
17 バックシート
18 サポート基材(通気性基材)
19 粘着剤
20 膜・電極アッセンブリー(MEA)
30 フリーロール
31 ガイドロール
41、42、43 スプレイパターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17