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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074183
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ホットメルト接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 109/06 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
C09J109/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187000
(22)【出願日】2021-11-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】711004506
【氏名又は名称】トーヨーケム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥山 知裕
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040DA002
4J040DM011
4J040JB01
4J040KA26
4J040MA05
4J040MA10
(57)【要約】
【課題】
本発明は、極低温に保管されて衝撃を与えられてもラベル脱落が少なく、かつ高温時の保持力が高く、被付着面を引き剥がした際の被貼付面への糊残りが少なく、さらに接着性が良好でアルカリ分散性に優れたホットメルト接着剤の提供を目的とする。
【解決手段】
特定のスチレン系エラストマー(A)、ロジン系粘着付与剤(B)、プロセスオイル(C)、アクリル酸ワックス及び無水マレイン酸ワックスからなる群より選択される1種以上である特定のワックス(D)、特定のポリエチレンワックス(E)、および特定の水素添加石油系粘着付与剤(F)を、それぞれ特定量含有することを特徴とする、ホットメルト接着剤によって解決される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト接着剤100質量%中に、スチレン系エラストマー(A)を10~30質量%、酸価が100~300mgKOH/gであるロジン系粘着付与剤(B)を26~29.5質量%、プロセスオイル(C)を20~40質量%、アクリル酸ワックス及び/又は無水マレイン酸ワックスであり、融点が100℃未満であるワックス(D)を3~18質量%、融点が70℃以上であるポリエチレンワックス(E)を1~15質量%、および軟化点が80~145℃の水素添加石油系粘着付与剤(F)を8~20質量%、含有することを特徴とする、ホットメルト接着剤。
【請求項2】
前記スチレン系エラストマー(A)の一部又は全てが水素添加スチレン系エラストマーである、請求項1に記載のホットメルト接着剤。
【請求項3】
前記スチレン系エラストマー(A)の重量平均分子量が25,000~120,000である、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤。
【請求項4】
前記ロジン系粘着付与剤(B)の酸価が140~200mgKOH/gである、請求項1~3のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項5】
前記プロセスオイル(C)がパラフィン系オイルまたはナフテン系オイルである、請求項1~4のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項6】
前記ワックス(D)の融点が70℃以上100℃未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項7】
前記ポリエチレンワックス(E)の融点が70~150℃である、請求項1~6のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項8】
前記水素添加石油系粘着付与剤(F)は水素添加脂環族系炭化水素樹脂を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主にポリエチレンテレフタレート(以下、PET)ボトルやガラス瓶に用いられるラベル用接着剤に適したアルカリ分散型ホットメルト接着剤に関するものであり、特に冷凍用に使用されPETボトルとラベルの張り合わせに利用される粘着剤として有効なアルカリ分散型ホットメルト接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年PETボトルの需要増加に伴い、飲料用のPETボトルの使用量も増加し、PETボトルの再利用技術が重要になっている。
このPETボトル容器表面には接着剤によってラベルが張り付けられており、ラベルには二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、PETフィルム、ポリ乳酸(PLA)フィルムの胴巻きラベル(ロールラベル)が多く利用されている。
【0003】
PETボトルの再利用においては、張り付けられたラベルをはがす工程が必要になる。ラベルを剥がすためには、工場で使用後のPETボトルを回収して加熱したアルカリ水溶液に浸漬させてPETボトルとラベルを分別する必要がある。そのため、PETボトルに張り付けられるラベルに用いられるホットメルト接着剤にはアルカリ分散性が求められる。
またアルカリ分散型ホットメルト接着剤にはアルカリ分散性だけではなくPETボトルとして使用している間はラベルと容器を接着させること(保持力)が求められる。
【0004】
一方、消費者がPETボトル飲料のラベルを剥がす際には、ラベルを手で引き剥がすのが一般的である。PETボトルの再利用を考えると、ラベルを剥がした際にPETボトルに接着剤が残らない(糊残りがない)ことが望ましい。
【0005】
また飲料メーカーがPETボトルにラベルを貼付する工程を考えると、接着強度が弱すぎると生産ラインでラベル剥がれが発生し、生産に支障をきたすので接着強度は適切である必要がある。
【0006】
そこで先行文献1では所定の成分配合とすることにより、貼付物を引き剥がした際の被貼付面への糊残りが少なく、アルカリ分散性に優れ、優れた接着力を有するホットメルト接着剤が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-19811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
昨今のPETボトルは消費者のニーズの広がりとともに用途も拡大しており、冷蔵、加温条件下だけではなく、-18℃以下で使用される冷凍のPETボトル飲料も登場している。しかしながら、従来のホットメルト接着剤を使用した冷凍用PETボトルをある程度の高さから落下させると、ラベルが脱落する問題があった。
低温下におけるラベル脱落と、生産時や運送時の高温保管条件下におけるラベル剥がれの両方を同時に解決できるホットメルト接着剤はこれまでなく、かつそのような機能を持たせたホットメルト接着剤を設計することは困難であった。
【0009】
上記の事情を鑑み、本発明の目的とするところは極低温に保管されて衝撃を与えられてもラベル脱落が少なく、かつ高温時の保持力が高く、被付着面を引き剥がした際の被貼付面への糊残りが少なく、さらに接着性が良好でアルカリ分散性に優れたホットメルト接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、以下に記載のホットメルト接着剤とすることで上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0011】
本発明は、以下の〔1〕~〔8〕に関する。
〔1〕ホットメルト接着剤100質量%中に、スチレン系エラストマー(A)を10~30質量%、酸価が100~300mgKOH/gであるロジン系粘着付与剤(B)を26~29.5質量%、プロセスオイル(C)を20~40質量%、アクリル酸ワックス及び/又は無水マレイン酸ワックスであり、融点が100℃未満であるワックス(D)を3~18質量%、融点が70℃以上であるポリエチレンワックス(E)を1~15質量%、および軟化点が80~145℃の水素添加石油系粘着付与剤(F)を8~20質量%、含有することを特徴とする、ホットメルト接着剤。
〔2〕前記スチレン系エラストマー(A)の一部又は全てが水素添加スチレン系エラストマーである、〔1〕に記載のホットメルト接着剤。
〔3〕前記スチレン系エラストマー(A)の重量平均分子量が25,000~120,000である、〔1〕又は〔2〕に記載のホットメルト接着剤。
〔4〕前記ロジン系粘着付与剤(B)の酸価が140~200mgKOH/gである、〔1〕~〔3〕のいずれか記載のホットメルト接着剤。
〔5〕前記プロセスオイル(C)がパラフィン系オイルまたはナフテン系オイルである、〔1〕~〔4〕のいずれか記載のホットメルト接着剤。
〔6〕前記ワックス(D)の融点が70℃以上100℃未満である、〔1〕~〔5〕のいずれか記載のホットメルト接着剤。
〔7〕前記ポリエチレンワックス(E)の融点が70~150℃である、〔1〕~〔6〕のいずれか記載のホットメルト接着剤。
〔8〕 前記水素添加石油系粘着付与剤(F)は水素添加脂環族系炭化水素樹脂である、〔1〕~〔7〕のいずれか記載のホットメルト接着剤。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、極低温に保管されて衝撃を与えられてもラベル脱落が少なく、ラベルの保持力と糊残り性良好であり、接着性が良好でアルカリ分散性に優れたホットメルト接着剤の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のホットメルト接着剤が塗工されたラベル1の平面図
図2】ラベル1が接着された容器4の正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
【0015】
本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
【0016】
<スチレン系エラストマー(A)>
本発明のホットメルト接着剤は、ホットメルト接着剤100質量%中に、スチレン系エラストマー(A)を10~30質量%含有する。13~20質量%含有することがより好ましい。13~19質量%であることがさらに好ましい。スチレン系エラストマー(A)が10質量%未満の場合、固化後のホットメルト接着剤の凝集力が充分でなくなり、高温保管時の貼付物を引き剥がした際の、被貼付面への糊残りが多くなる。一方、スチレン系エラストマー(A)が30質量%より多く含まれていると、アルカリ分散性が悪化する。
【0017】
スチレン系エラストマー(A)としては、公知のスチレン系共重合体を好適に使用することが可能であり、特に限定はない。具体的には、スチレンーブタジエンースチレン共重合体(以下、単にSBSともいう。)、スチレン-ブタジエン-スチレン-ブタジエン共重合体(以下、単にSBSBともいう。)、スチレン-ブタジエン/ブチレン-スチレン共重合体(以下、単にSBBSともいう。)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン共重合体(以下、単にSEBSともいう。)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン共重合体(以下、単にSEPSともいう。)、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレン共重合体(以下、単にSEEPSともいう。)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(以下、単にSISともいう。)等を挙げることができる。
【0018】
また、スチレン系エラストマー(A)として、その一部又は全てに水素添加スチレン系エラストマーを含むことが好ましい。水素添加スチレン系エラストマーを含むことにより、ホットメルト接着剤をアプリケータータンク内にて長期間加熱状態に置いても粘度変化が少なくなり、接着物性の変動を少なくすることが可能である。水素添加スチレン系エラストマーとして、具体的にはスチレン-ブタジエン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)を挙げることができる。これらの中でも、各種物性のバランスがとりやすいという点で、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)を含むことが特に好ましい。
【0019】
また、スチレン系エラストマー(A)の重量平均分子量は、25,000~120,000であることが好ましい。重量平均分子量の下限は、30,000以上であることがより好ましく、45,000以上であることがさらに好ましく、60,000以上であることが特に好ましい。重量平均分子量が25,000以上であることにより、ペットラベル上の糊残りが少なくなるという効果を得ることができる。一方、重量平均分子量の上限は、90,000以下であることがより好ましく、75,000以下であることがさらに好ましく、65,000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量が120,000以下であることにより、ホットメルト接着剤の濡れ性が優れて接着性が良好になる。
【0020】
スチレン系エラストマー(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の値である。詳細は実施例の欄に記載する。
【0021】
<ロジン系粘着付与剤(B)>
本発明のホットメルト接着剤は、ロジン系粘着付与剤(B)を含有する。ロジン系粘着付与剤(B)の酸価は100~300mgKOH/gである。より好ましくは、140~200mgKOH/gである。酸価が前記範囲内にあることで、十分なアルカリ分散性の確保と高温保管後の貼付物を引き剥がした際の被貼付面への糊残りを低減することができる。
【0022】
ロジン系粘着付与剤(B)の酸価は、JIS K 2501の方法に準拠して測定した値である。詳細は実施例の欄に記載する。
【0023】
ホットメルト接着剤100質量%中のロジン系粘着付与剤(B)の含有量は、26~29.5質量%である。ロジン系粘着付与剤(B)の含有量が26質量%未満の場合、ホットメルト接着剤のアルカリ分散性が十分でなくなる。ロジン系粘着付与剤の含有量が29.5質量%を超えると、PETボトルとラベルとの接着力が過大となり、高温保管時の貼付物を引き剥がす際に、被貼付面に糊残りしやすくなる。
【0024】
ロジン系粘着付与剤(B)の軟化点は、70℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。一方、ロジン系粘着付与剤(B)の軟化点は、140℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。ロジン系粘着付与剤(B)の軟化点がかかる数値範囲内にあることにより、熱アルカリ水によってホットメルト接着剤が分散して剥がれやすくなる。
【0025】
ロジン系粘着付与剤(B)の軟化点は、JIS K 2207の方法に準拠して測定して得た値である。詳細は実施例の欄に記載する。
【0026】
ロジン系粘着付与剤(B)の具体例としては、天然ロジン、変性ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル等を挙げることができる。また、ホットメルト接着剤を長期間タンクに保管しても変色が少なくなることから、これらに水素を添加した物を使用することが好ましい。水素添加は、部分水添でもよいが、完全水添が特に好ましい。具体的には、水添ロジンエステル等を好適に使用することができる。上述したロジン系粘着付与剤(B)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併せて使用してもよい。
【0027】
<プロセスオイル(C)>
本発明のホットメルト接着剤は、プロセスオイル(C)を含有する。ホットメルト接着剤100質量%中のプロセスオイルの含有量は、20~40質量%であり、好ましくは25~30質量%である。プロセスオイルの含有量が20質量%に満たない場合、ホットメルト接着剤の濡れ性が悪くなり接着性が悪化する。一方、プロセスオイルの含有量が40質量%を超えると、ホットメルト接着剤の保持力が低下する。
【0028】
プロセスオイル(C)としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルが挙げられる。パラフィン系プロセスオイルもしくはナフテン系プロセスオイルを含むことが特に好ましい。パラフィン系プロセスオイルもしくはナフテン系プロセスオイルを含むことにより、低温での接着強度を向上させ、高温保管時の貼付物を引き剥がした際の、被貼付面への糊残りも少ないホットメルト接着剤を得ることができる。
【0029】
<アクリル酸ワックス及び/又は無水マレイン酸ワックスであり、融点が100℃未満であるワックス(D)>
本発明のホットメルト接着剤は、アクリル酸ワックス及び/又は無水マレイン酸ワックスであり、融点が100℃未満であるワックス(D)を含有する。なかでも、PETボトルに対する剥離強度がより一層優れる観点から、無水マレイン酸ワックスを含むことが好ましい。
【0030】
アクリル酸ワックスとしては、公知のアクリル酸ワックスを用いることができる。中でも、オレフィンカルボン酸共重合体からなるワックスを採用することが好ましく、エチレンアクリル酸共重合体からなるワックスを採用することがより好ましい。かかるアクリル酸ワックスとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、Honeywell社製AC-5120、Honeywell社製AC-5180等が挙げられる。
【0031】
アクリル酸ワックスは、アクリル酸にオレフィンを共重合させることにより得ることができる。共重合させる方法としては公知の方法を広く採用することが可能であり、特に限定されない。
【0032】
無水マレイン酸系ワックスとしては、公知の無水マレイン酸ワックスを用いることができる。中でも、無水マレイン酸共重合体からなるワックスが好ましく、オレフィン無水マレイン酸共重合体からなるワックスがより好ましい。特に、これらの変性ワックスが好ましい。無水マレイン酸ワックスとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、NuCera Solutions社製CERAMER67、NuCera Solutions社製CERAMER1608、日本精蝋社製MAW-0300、三菱ケミカル社製ダイヤカルナ30M等が挙げられる。
【0033】
無水マレイン酸ワックスの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、αオレフィン、エチレン、1-ブテン、1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、炭素数が8~70の1-アルケン、酢酸ビニルなど)及びそれらの共重合体からなる群より選ばれる1種以上を使用することができる。中でも、結晶性が高い点で、炭素数が24から60の共重合体を使用することが特に好ましい。
【0034】
無水マレイン酸ワックスは、例えば、無水マレイン酸をグラフト重合させることにより得ることができる。また、無水マレイン酸をグラフト重合させる方法としては、公知の方法を広く採用することが可能であり、特に限定はない。例えば、ラジカルグラフト反応(すなわち主鎖となるポリマーに対してラジカル種を生成し、そのラジカル種を重合開始点として不飽和カルボン酸および酸無水物をグラフト重合させる反応)方法を挙げることができる。
【0035】
また、ワックス(D)の融点は、100℃未満である。融点が100℃以上である場合、高温時の接着強度が高くなりすぎ、糊残り性が悪化する。融点の下限としては、ホットメルトの高温時の保持力を確保するために70℃以上であることが望ましい。
【0036】
ワックス(D)の融点は、JIS K 7121の方法に準拠して測定して得た値である。詳細は実施例の欄に記載する。
【0037】
ホットメルト接着剤100質量%中のワックス(D)の含有量は、3~18質量%であり、好ましくは5~15質量%である。ワックス(D)の含有量が3質量%に満たない場合、PETボトルに対する接着性が低下する。一方、ワックス(D)が18質量%を超えると、PETボトルに対する接着性が強くなりすぎ、糊残りが発生しやすくなってしまう。
【0038】
<融点が70℃以上であるポリエチレンワックス(E)>
本発明のホットメルト接着剤は融点が70℃以上ポリエチレンワックス(E)を含有する。融点が70℃以上であるポリエチレンワックスであれば特に限定されない。中でも極低温での耐衝撃性向上には融点が80℃以上であることが好ましく、融点が85℃以上であることがより好ましい。融点の上限は糊残り性の観点から150℃以下が好ましく、130℃以下が特に好ましい。
かかるポリエチレンワックスとしては市販品を用いてもよい。市販品としては NuCera Solutions社製POLYWAXシリーズや三井化学社製Hiwaxシリーズ、三井化学社製エクセレックスシリーズ、三洋科学社製酸ワックスシリーズを挙げられる。
【0039】
ポリエチレンワックス(E)の融点は、JIS K 7121 の方法に準拠して測定して得た値である。詳細は実施例の欄に記載する。
【0040】
ホットメルト接着剤100質量%中のポリエチレンワックス(E)の含有量は、1~15質量%であり、好ましくは2~10質量%である。ポリエチレンワックスの含有量が1質量%に満たない場合、極低温での耐衝撃性が低下する。一方、ポリエチレンワックスが15質量%以上含まれているとホットメルト接着剤が固くなり、PETボトルへの接着が強くなりすぎ、糊残り性が悪化する。
【0041】
このようなポリエチレンワックスは、例えば、ICI法(最も代表的な方法)、BASF法、du Pont法、Union Carbide法のような高圧法、フィリップス法、スタンダード(インジアナ)法のような中圧法、チーグラー法のような低圧法等を用いて合成することができる。
【0042】
<水素添加石油系粘着付与剤(F)>
本発明のホットメルト接着剤は水素添加石油系粘着付与剤(F)を含有する。水素添加石油系粘着付与剤(F)の軟化点は、80~145℃であり、好ましくは、85~130℃である。軟化点が80℃に満たない水素添加石油系粘着付与剤を使用すると、耐熱クリープ性が低下する。軟化点が145℃を超える水素添加石油系粘着付与剤を使用すると、PETボトルとの濡れ性が低下してしまい接着性が悪化する。
【0043】
水素添加石油系粘着付与剤(F)の軟化点は、JIS K 2207の方法に準拠して測定して得た値である。詳細は実施例の欄に記載する。
【0044】
ホットメルト接着剤100質量%中の水素添加石油系粘着付与剤(F)の含有量は、8~20質量%であり、好ましくは12~19質量%である。水素添加石油系粘着付与剤の含有量が8質量%に満たない場合、ホットメルト接着剤の濡れが悪くなり接着性が悪化する。一方、水素添加石油系粘着付与剤が20質量%以上含まれていると、アルカリ分散性が低下する。
【0045】
使用する水素添加石油系粘着付与剤(F)としては、公知の水素添加石油系粘着付与剤を挙げることができ、特に限定はない。具体的には、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの三次元ポリマー、天然テルペンのコポリマーの水素化誘導体、テルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、及び、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の石油樹脂からなる群より選ばれる一種以上の石油樹脂に水素を添加した部分水添石油樹脂及び/又は完全水添石油樹脂を挙げることができる。
【0046】
<添加剤>
本発明のホットメルト接着剤は、上述した成分(A)~(F)に加えて、所望の性質を付与するために、添加剤を適宜加えてもよい。かかる添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。添加剤の含有量は、上述した成分(A)~(F)のホットメルト接着剤中における含有量を満たす範囲で、適宜調整すればよい。
【0047】
本発明のホットメルト接着剤は、上述した成分を用いて公知の方法を広く採用して製造することが可能である。例えば、上述した成分を、それぞれの配合量で、加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した後、160℃で2時間に亘って加熱・撹拌することにより、製造することが可能である。
【実施例0048】
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
また、(A)の重量平均分子量、(B)の酸価、(D)および(E)の融点、(B)および(F)の軟化点の測定方法は以下の通りである。
【0049】
[重量平均分子量]
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)をテトラヒドロフラン(THF) に0.1mg/mlとなるように溶解した後、得られた溶液を孔径0.5μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過することでTHF試料溶液を得た。次に、40℃でカラムを安定化させた後、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μL注入して、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)の重量平均分子量を測定した。カラムはPolymer Laboratories 社製 PLgel 5μm MIXD-D)を用いて標準ポリマーとしてポリスチレン換算法で行なった。
【0050】
[酸価]
JIS K 2501(指示薬滴定法)に準拠して測定した。具体的には、試料を精密に量り、250mlのフラスコに入れ、エタノールまたはエタノールおよびエーテルの等容量混液50mlを加え、加温して溶かし、しばしば振り混ぜながら0.1N水酸化カリウム液で滴定した( 指示薬:フェノールフタレイン)。滴定の終点は、液の淡紅色が30秒残存する点とした。次いで、同様の方法で空試験を行って補正し、次の式(1)から酸価の値を求める。
(式1)
酸価(mgKOH/g)=〔0.1N 水酸化カリウム液の消費量(ml)×5.611〕/〔試料量(g)〕
【0051】
[融点]
測定装置としてパーキンエルマー社製パーキンエルマーPysis1 を用い、その測定は、はじめに0℃で5 分保持した後、170℃まで10℃/分のスピードで昇温後、170℃ を1分間保持し、その後0℃ まで40℃/分のスピードで降温し、1分間1℃を保持した後に、170℃ まで再度10℃/ 分のスピードで昇温したときの融点測定値を融点とした。
【0052】
[軟化点]
JIS K 2207で規定された環と球を用いて試験を行った。規定の環に資料を充填し、グリセリン浴中に水平に支え、資料の中央に規定の球を置き、浴温を毎分5分の速さで上昇させ、球を包み込んだ試料が環台の底板に触れた時の温度を軟化点とした。
【0053】
表1~3に記載した重合性モノマーの略称は下記の通りである。
≪スチレン系エラストマー(A)≫
A1:G-1650(クレイトン社製スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体、水素添加エラストマー、重量平均分子量96,000)
A2:G-1652(クレイトン社製スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体、水素添加エラストマー、重量平均分子量69,000)
A3:G-1657(クレイトン社製スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体、水素添加エラストマー、重量平均分子量110,000)
A4:G-1726(クレイトン社製スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体、水素添加エラストマー、重量平均分子量46,000)
A5:タフテック P-1500(旭化成社製スチレン-ブタジエン/ブチレン-スチレンブロック共重合体、水素添加エラストマー、重量平均分子量76,000)
A6:セプトン 2063(クラレ社製スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体、水素添加エラストマー、重量平均分子量110,000)
A7:アサプレンT-438(旭化成社製スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、水素未添加エラストマー、重量平均分子量84,000)
≪ロジン系粘着付与剤(B)≫
B1:ハリタックF(ハリマ化成社製水添ロジン酸、酸価170~175mgKOH/g、軟化点78~82℃)
B2:KE-604(荒川化学社製酸変性ロジン、酸価230~245mgKOH/g、軟化点124-134℃)
B3:フォーラル AX―E(イーストマンケミカル社製水素化ガムロジン、酸価165mgKOH/g、軟化点80℃)
≪その他ロジン系粘着付与剤(B’)≫
B’1:スーパーエステルA―100(荒川化学社製特殊ロジンエステル、酸価0~10mgKOH/g、軟化点95-105℃)
≪プロセスオイル(C)≫
C1:PW-90(出光興産社製パラフィン系オイル)
C2:PW-380(出光興産社製パラフィン系オイル)
C3:NYFLEX 222B(Nynas社製ナフテン系オイル)
C4:NYFLEX 223(Nynas社製ナフテン系オイル)
≪ワックス(D)≫
D1:CERAMER67(NuCera Solutions社製マレイン酸変性アルケンワックス、融点97℃)
D2:CERAMER1608(NuCera Solutions社製マレイン酸変性アルケンワックス、融点77℃)
D3:MAW-0300(日本精蝋社製マレイン酸変性アルケンワックス、融点75℃)
D4:AC-5120(Honeywell社製アクリル酸ワックス、融点92℃)
D5:AC-5180(Honeywell社製アクリル酸ワックス、融点76℃)
≪その他ワックス (D’)≫
D’1:AC-540(Honeywell社製アクリル酸ワックス、融点105℃)
D’2:リコセンPPMA6652(クライリアントケミカルズ社製アクリル酸ワックス、融点122℃)
≪ポリエチレンワックス(E)≫
E1:POLYWAX500(NuCera Solutions社製ポリエチレンワックス、融点88℃)
E2:POLYWAX655(NuCera Solutions社製ポリエチレンワックス、融点99℃)
E3:POLYWAX1000(NuCera Solutions社製ポリエチレンワックス、融点113℃)
E4:POLYWAX2000(NuCera Solutions社製ポリエチレンワックス、融点126℃)
E5:Hiwax 420P(三井化学社製ポリエチレンワックス、融点93℃)
E6:エクセレックス 07500(三井化学社製ポリエチレンワックス、融点115℃)
E7:エクセレックス 20700 (三井化学社製ポリエチレンワックス、融点124℃)
≪水素添加石油系粘着付与剤(F)≫
F1:アルコンP-90(荒川化学社製水添脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点90℃)
F2:アルコンP-100(荒川化学社製水添脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点100℃)
F3:アルコンP-140(荒川化学社製水添脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点140℃)
F4:ECR5380(EXXON社製水添脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点103℃)
F5:ECR5600(EXXON社製水添脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点93℃)
≪その他粘着付与剤(F’)≫
F’1:Quintone DX390N(日本ゼオン社製未水添石油樹脂、軟化点93℃)
【0054】
(実施例1)
表1に示す材料および配合量(表中の数値の単位は全て、得られたホットメルト接着剤に対する質量%である)で、加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した後、160℃で2時間に亘って加熱して、ホットメルト接着剤を得た。
【0055】
(実施例2~31、比較例1~18)
材料および配合(表中の数値の単位は全て、得られたホットメルト接着剤に対する質量%である)を表1~6のように変更した以外は、実施例1と同様に、実施例2~31、比較例1~18のホットメルト接着剤を製造した。
【0056】
製造された各実施例及び比較例のホットメルト接着剤について、以下方法により特性を評価した。
【0057】
[-20℃耐寒衝撃性試験]
裏面に印刷が施されている二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)(縦65mm×横230mm)ラベル1を用意した(図1)。OPPラベル1の裏側にホットメルト接着剤を、アプリケーターにより幅10mmで20~25μmの厚みになるように、横方向における始端部2及び終端部3にそれぞれ塗工した。次にホットメルト接着剤を塗工したOPPラベル1の始端部2を水が500ml入ったPETボトル4の表面に張り付けた後、OPPラベル1をPETボトル4に巻き付けた。その際OPPラベル1の終端部3をOPPラベル1の始端部2上に張り付けた。その後ラベル上に2kgのゴムローラーを1往復させて加重をかけて、図2で示すPETボトル4を得た。このサンプルボトルを10本用意し、得られたボトルを-20℃の環境で3時間放置した。その後-20℃から取り出した直後に23℃環境で高さ80cmから自由落下させた。用意した10本のボトルでそれぞれ一回ずつ10回試験を行った。
尚、評価が△以上であれば、実使用において問題ないと評価できる。
◎:ラベルが全く脱落しない。極めて良好。
○:1本ラベルが脱落する。良好。
△:2本ラベルが脱落する。実用可。
×:3本以上ラベルが脱落する。実用不可。
【0058】
[アルカリ剥離性]
各実施例及び比較例のホットメルト接着剤を厚み25μmのOPPフィルムにハンドコーターで接着剤を20~25μmの厚みに塗工し、厚さ250μmのPETフィルムを重ね、質量2kgの圧着ローラーで一往復させて貼り合わせた。貼り合わせたサンプルを約8mm×8mm角に切断してラベル付きペレットを得た。500mlステンレス製ビーカーに、85℃の1.5wt%水酸化ナトリウム水溶液300g、ラベル付きペレット10gを入れて、300rpmで攪拌(攪拌羽:プロペラ)した。15分後フィルターで濾過し試料の状態を目視観察し、下記基準で判断した。
○:ペレットからOPPフィルムが剥がれ、ホットメルト接着剤がPETペレット上に全く残らない。良好。
△:ホットメルト接着剤がPETペレット上に残ったものが1個~3個である。実用可。
×:ホットメルト接着剤がPETペレット上に残ったものが4個以上である。実用不可。
【0059】
[糊残り]
前記接着強度評価試験においてPETフィルムに残った接着剤の残存率(面積%)を目視で観察し、下記基準で評価した。尚、評価が△以上であれば、実使用において問題ないと評価できる。
◎:0%。極めて良好。
○:0%を超えて10%未満。良好。
△:10%以上50%未満。実用可。
×:50%以上。実用不可。
【0060】
[接着強度]
厚み25μmのOPPフィルムにハンドコーターで接着剤を20~25μmの厚みに塗工し、厚さ250μmのPETフィルムを重ね、質量2kgの圧着ローラーで一往復させて貼り合わせた。これを温度23℃、相対湿度65%の恒温室中で、180度剥離試験(島津製作所社製:装置名オートグラフ AGS-X 1kN、剥離速度:300mm/分)により接着強度を測定し、下記基準で判断した。尚、評価が△以上であれば、実使用において問題ないと評価できる。
◎:2.0N/15mm以上。極めて良好。
○:1.5N/15mm以上2.0N/15mm未満。良好。
△:0.5N/15mm以上1.5N/15mm未満。実用可。
×:0.5N/15mm未満。実用不可。
【0061】
[保持力]
厚み25μmのOPPフィルムにハンドコーターで接着剤を20~25μmの厚みに塗工し塗工し、厚さ25μmのOPPフィルムを重ね、質量2kgの圧着ローラーで一往復させて貼り合わせた(接着部分の面積25mm×20mm。)。50℃環境下にて吊り下げて、OPPフィルムの端部にせん断方向に荷重200gをかけ、試験片が落下するまでの時間を計測した。評価は、下記評価基準にしたがって、実施した。尚、評価が△以上であれば、実使用において問題ないと評価できる。
◎:保持時間が8時間以上。極めて良好。
○:保持時間が6時間以上8時間未満。良好。
△:保持時間が4時間以上6時間分未満。実用可。
×:保持時間が4時間未満。実用不可。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
表1~3に示すように、各実施例のホットメルト接着剤は、各比較例のホットメルト接着剤と比較し、極低温に保管されて衝撃を与えられてもラベル脱落が少なく、ラベルの保持力と糊残り性良好であり、接着性が良好なアルカリ分散性に優れていることが確認された。
【符号の説明】
【0066】
1 OPPラベル:二軸延伸されたポリプロピレンフィルムでできたラベル
2 始端部:ラベルをPETボトルに貼って巻き付ける時に最初にラベルとPETが接するラベルの端の部分
3 終端部:ラベルをPETボトルに貼って巻き付ける時に巻き付け終わりにラベルの始端部の裏側に重なるラベルの端の部分
4 PETボトル:ポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成型して作られる主に液体を入れる容器

図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト接着剤100質量%中に、スチレン系エラストマー(A)を10~30質量%、酸価が100~300mgKOH/gであるロジン系粘着付与剤(B)を26~29.5質量%、プロセスオイル(C)を20~40質量%、アクリル酸ワックス及び/又は無水マレイン酸ワックスであり、融点が70℃以上100℃未満であるワックス(D)を3~18質量%、融点が70℃以上150℃以下であるポリエチレンワックス(E)を1~15質量%、および軟化点が80~145℃の水素添加石油系粘着付与剤(F)を8~20質量%、含有することを特徴とする、ホットメルト接着剤。
【請求項2】
前記スチレン系エラストマー(A)の一部又は全てが水素添加スチレン系エラストマーである、請求項1に記載のホットメルト接着剤。
【請求項3】
前記スチレン系エラストマー(A)の重量平均分子量が25,000~120,000である、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤。
【請求項4】
前記ロジン系粘着付与剤(B)の酸価が140~200mgKOH/gである、請求項1~3のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項5】
前記プロセスオイル(C)がパラフィン系オイルまたはナフテン系オイルである、請求項1~4のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項6】
前記ワックス(D)の融点が70℃以上100℃未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項7】
前記ポリエチレンワックス(E)の融点が70~150℃である、請求項1~6のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【請求項8】
前記水素添加石油系粘着付与剤(F)は水素添加脂環族系炭化水素樹脂を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
使用する水素添加石油系粘着付与剤(F)としては、公知の水素添加石油系粘着付与剤を挙げることができ、特に限定はない。具体的には、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、及び、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の石油樹脂からなる群より選ばれる一種以上の石油樹脂に水素を添加した部分水添石油樹脂及び/又は完全水添石油樹脂を挙げることができる。