(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074191
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】顧客分析装置、顧客分析プログラム、および顧客分析システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230522BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187009
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】片倉 光洋
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 亮介
(72)【発明者】
【氏名】高原 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭司
(72)【発明者】
【氏名】酒井 慶
(72)【発明者】
【氏名】山口 裕
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 浩一
(72)【発明者】
【氏名】大江 洋二
(72)【発明者】
【氏名】坂口 美有
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】適切に顧客の動向を分析する。
【解決手段】顧客情報を取得する顧客情報取得手段101と、顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として取得する動線取得手段102と、景品獲得装置が設置されている場所情報を含む景品獲得装置に関する情報を遊技関連情報として記憶する遊技関連情報記憶部104と、景品獲得装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得手段103と、取得した顧客情報と、動線情報と、遊技関連情報と、遊技履歴とに基づいて、顧客の嗜好を分析する分析手段105と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客情報を取得する顧客情報取得手段と、
前記顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として取得する動線取得手段と、
遊技装置が設置されている場所情報を含む前記遊技装置に関する情報を遊技関連情報として記憶する遊技関連情報記憶手段と、
前記遊技装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得手段と、
前記取得した前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客の嗜好を分析する分析手段と、
を備えたことを特徴とする顧客分析装置。
【請求項2】
前記分析手段は、
前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報とに基づいて、前記遊技装置の近傍における前記顧客の滞在時間を算出し、前記滞在時間に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った前記遊技装置を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の顧客分析装置。
【請求項3】
前記分析手段は、
前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客が前記遊技装置で遊技した遊技時間を算出し、前記遊技時間に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った前記遊技装置を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の顧客分析装置。
【請求項4】
前記分析手段は、
前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客が前記遊技装置の近傍で遊技することなく滞在している非遊技時間を算出し、前記非遊技時間に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った前記遊技装置を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の顧客分析装置。
【請求項5】
前記顧客情報取得手段は、撮像手段により撮像された前記顧客の画像を前記顧客情報として取得する
ことを特徴とする請求項1記載の顧客分析装置。
【請求項6】
前記顧客を識別する顧客IDおよび前記顧客の属性情報を含む前記顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段を、さらに備え、
前記顧客情報取得手段は、
前記顧客IDが記憶されたユーザ端末のログイン動作に基づいて、前記顧客情報記憶手段から前記ユーザ端末に記憶された前記顧客IDに関連する顧客情報を取得し、
前記分析手段は、
時刻情報と前記場所情報とに基づいて、前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技履歴と、前記遊技関連情報とを関連付け、前記関連づけられた前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技履歴と、前記遊技関連情報とに基づいて、前記顧客IDが示す顧客の嗜好を分析する
ことを特徴とする請求項1記載の顧客分析装置。
【請求項7】
前記遊技装置は、景品獲得装置であり、
前記分析手段の分析結果および前記遊技関連情報に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った景品獲得装置について、前記景品獲得装置の特典情報、前記景品獲得装置に新たに載置された景品の景品入荷情報、前記景品獲得装置の設置店舗情報、および新たに前記景品獲得装置が設置された新規設置店舗情報のうち少なくともいずれか1つを生成し、生成した情報を、前記ユーザ端末へ出力する出力手段を、
さらに備えたことを特徴とする請求項6記載の顧客分析装置。
【請求項8】
前記遊技装置は、景品獲得装置であり、
前記分析手段の分析結果および前記遊技関連情報に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った景品獲得装置に関する情報、前記景品獲得装置に載置された景品に関する情報、および前記分析結果を出力する出力手段を、
さらに備えたことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の顧客分析装置。
【請求項9】
前記遊技装置は、景品獲得装置であり、
前記遊技履歴に含まれる遊技時間、遊技回数、前記景品獲得装置に載置された景品の獲得情報に基づいて、予め定められた前記顧客の不満が発生する不満発生条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記不満発生条件を満たしていると判定された場合、前記不満発生条件を満たしている旨を出力する出力手段と、
備えたことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の顧客分析装置。
【請求項10】
顧客情報を取得する顧客情報取得ステップと、
前記顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として取得する動線取得ステップと、
遊技装置が設置されている場所情報を含む前記遊技装置に関する情報を遊技関連情報として遊技関連情報記憶手段に記憶する遊技関連情報記憶ステップと、
前記遊技装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得ステップと、
前記取得した前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客の嗜好を分析する分析ステップと、
をコンピュータに実行させる顧客分析プログラム。
【請求項11】
遊技施設内に設置された遊技装置と、
前記遊技施設に来場した顧客の顧客情報を取得する顧客情報取得手段と、
前記顧客情報に対応する顧客を検出し、前記顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として生成するセンサと、
前記センサから前記動線情報を取得する動線取得手段と、
遊技装置が設置されている場所情報を含む前記遊技装置に関する情報を遊技関連情報として記憶する遊技関連情報記憶手段と、
前記遊技装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得手段と、
前記取得した前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客の嗜好を分析する分析手段と、
を備えたことを特徴とする顧客分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技装置が配置された遊技施設における顧客を分析する顧客分析装置、顧客分析プログラム、および顧客分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ゲームセンター等の遊技施設には、景品獲得装置などの様々な遊技装置が設置されている。
【0003】
遊技施設に来場し、遊技装置で遊ぶユーザの顧客満足度を向上させるためには、遊技装置に関する情報や、そのユーザの遊戯施設内での動線などを把握する必要がある。
【0004】
特許文献1には、POSシステムと、利用者が所持する情報端末と、情報端末の検出履歴情報を管理する位置情報管理サーバと、顧客の消費動向を分析する情報処理装置と、を含む情報処理システムが開示されている。
【0005】
特許文献2には、動線検出部と、決済顧客識別部と、商品認識処理部とを有するPOS端末装置であって、動線検出部が、少なくとも1つの撮像装置で撮像された画像を用いて、店舗内における顧客の動線を検出し、決済顧客識別部が、商品を決済しようとする顧客を識別し、商品認識処理部が、決済顧客識別部によって識別された顧客について検出された動線に対応する位置に陳列される商品を候補として、決済対象の商品の認識処理を行うものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6631038号公報
【特許文献2】特許第6172380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ユーザは、遊戯施設内で周遊しつつ、遊技する遊技装置を決める。特に、遊技装置が景品獲得装置である場合、景品獲得装置での景品ディスプレイだけでなく、遊技した結果どの程度景品を獲得できたか等によって、顧客の満足度が異なることになる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の情報処理システムでは、顧客の消費動向を分析するものの、遊技装置特有の遊技回数や景品獲得状態などの遊技履歴が考慮されておらず、適切に顧客の動向を分析することが困難であった。
【0009】
特許文献2に記載のPOS端末装置でも、同様に、遊技装置特有の遊技回数や景品獲得状態などの遊技履歴が考慮されておらず、適切に顧客の動向を分析することが困難であった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、適切に顧客の動向を分析する顧客分析装置、顧客分析プログラム、および顧客分析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る顧客分析装置の第1の特徴は、
顧客情報を取得する顧客情報取得手段と、
前記顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として取得する動線取得手段と、
遊技装置が設置されている場所情報を含む前記遊技装置に関する情報を遊技関連情報として記憶する遊技関連情報記憶手段と、
前記遊技装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得手段と、
前記取得した前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客の嗜好を分析する分析手段と、
を備えたことにある。
【0012】
本発明に係る顧客分析装置の第2の特徴は、
前記分析手段は、
前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報とに基づいて、前記遊技装置の近傍における前記顧客の滞在時間を算出し、前記滞在時間に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った前記遊技装置を抽出することにある。
【0013】
本発明に係る顧客分析装置の第3の特徴は、
前記分析手段は、
前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客が前記遊技装置で遊技した遊技時間を算出し、前記遊技時間に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った前記遊技装置を抽出することにある。
【0014】
本発明に係る顧客分析装置の第4の特徴は、
前記分析手段は、
前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客が前記遊技装置の近傍で遊技することなく滞在している非遊技時間を算出し、前記非遊技時間に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った前記遊技装置を抽出することにある。
【0015】
本発明に係る顧客分析装置の第5の特徴は、
前記顧客情報取得手段は、撮像手段により撮像された前記顧客の画像を前記顧客情報として取得することにある。
【0016】
本発明に係る顧客分析装置の第6の特徴は、
前記顧客を識別する顧客IDおよび前記顧客の属性情報を含む前記顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段を、さらに備え、
前記顧客情報取得手段は、
前記顧客IDが記憶されたユーザ端末のログイン動作に基づいて、前記顧客情報記憶手段から前記ユーザ端末に記憶された前記顧客IDに関連する顧客情報を取得し、
前記分析手段は、
時刻情報と前記場所情報とに基づいて、前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技履歴と、前記遊技関連情報とを関連付け、前記関連づけられた前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技履歴と、前記遊技関連情報とに基づいて、前記顧客IDが示す顧客の嗜好を分析することにある。
【0017】
本発明に係る顧客分析装置の第7の特徴は、
前記遊技装置は、景品獲得装置であり、
前記分析手段の分析結果および前記遊技関連情報に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った景品獲得装置について、前記景品獲得装置の特典情報、前記景品獲得装置に新たに載置された景品の景品入荷情報、前記景品獲得装置の設置店舗情報、および新たに前記景品獲得装置が設置された新規設置店舗情報のうち少なくともいずれか1つを生成し、生成した情報を、前記ユーザ端末へ出力する出力手段を、さらに備えたことにある。
【0018】
本発明に係る顧客分析装置の第8の特徴は、
前記遊技装置は、景品獲得装置であり、
前記分析手段の分析結果および前記遊技関連情報に基づいて、前記顧客の嗜好に沿った景品獲得装置に関する情報、前記景品獲得装置に載置された景品に関する情報、および前記分析結果を出力する出力手段を、さらに備えたことにある。
【0019】
本発明に係る顧客分析装置の第9の特徴は、
前記遊技装置は、景品獲得装置であり、
前記履歴情報に含まれる遊技時間、遊技回数、前記景品獲得装置に載置された景品の獲得情報に基づいて、予め定められた前記顧客の不満が発生する不満発生条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記不満発生条件を満たしていると判定された場合、前記不満発生条件を満たしている旨を出力する出力手段と、備えたことにある。
【0020】
本発明に係る顧客分析プログラムの第1の特徴は、
顧客情報を取得する顧客情報取得ステップと、
前記顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として取得する動線取得ステップと、
遊技装置が設置されている位置情報を含む前記遊技装置に関する情報を遊技関連情報として遊技関連情報記憶手段に記憶する遊技関連情報記憶ステップと、
前記遊技装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得ステップと、
前記取得した前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客の嗜好を分析する分析ステップと、
をコンピュータに実行させることにある。
【0021】
本発明に係る顧客分析システムの第1の特徴は、
遊技施設内に設置された遊技装置と、
前記遊技施設に来場した顧客の顧客情報を取得する顧客情報取得手段と、
前記顧客情報に対応する顧客を検出し、前記顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として生成するセンサと、
前記センサから前記動線情報を取得する動線取得手段と、
遊技装置が設置されている位置情報を含む前記遊技装置に関する情報を遊技関連情報として記憶する遊技関連情報記憶手段と、
前記遊技装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得手段と、
前記取得した前記顧客情報と、前記動線情報と、前記遊技関連情報と、前記遊技履歴とに基づいて、前記顧客の嗜好を分析する分析手段と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る顧客分析システムによれば、適切に顧客の動向を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例1である顧客分析システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の実施例1である顧客分析システムの機能構成図である。
【
図3】本発明の実施例1である顧客分析システムにおける動作を説明した説明図である。
【
図4】本発明の実施例2である顧客分析システムの全体構成図である。
【
図5】本発明の実施例2である顧客分析システムの機能構成図である。
【
図6】本発明の実施例2である顧客分析システムにおける動作を説明した説明図である。
【
図7】本発明の実施例2である顧客分析システムの出力手段により店舗端末に出力され、店舗端末に表示された出力画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0025】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0026】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1である顧客分析システム100の全体構成図であり、
図2は、本発明の実施例1である顧客分析システム100の機能構成図である。
【0027】
図1に示すように、本発明の実施例1である顧客分析システム100は、顧客分析装置1と、遊技装置である景品獲得装置2A,2B,2C,2Dと、センサーカメラ3A,3Bと、カメラ4と、店舗端末5とを備えている。
【0028】
景品獲得装置2A,2B,2C,2Dは、クレーンを用いて景品を獲得するゲームを提供する遊技装置の一種である。景品獲得装置2A,2B,2C,2Dとは、同一の構成を有するので、景品獲得装置2Aについて説明する。
【0029】
景品獲得装置2Aは、投入口からコインが投入されると、顧客の操作に基づいてクレーン機構を動作させ、フロア上に載置された景品を把持することにより顧客へ景品を払い出す遊技装置である。
【0030】
センサーカメラ3A,3Bは、遊技施設内の上部に設置されており、遊技施設内を移動する顧客をセンシングし追跡するセンサーカメラである。センサーカメラ3A,3Bは、0.1(秒)単位で顧客の座標を特定するので、顧客が遊技施設内を移動したり、遊技装置前で立ち止まったりする動作を検出することができる。これにより、センサーカメラ3A,3Bは、顧客が遊技施設に来場してから退場するまでの顧客の動線を検出することができる。
【0031】
カメラ4は、遊技施設の入り口に設置されており、遊技施設に来場した顧客を撮像することにより画像データを生成する撮像手段である。
【0032】
店舗端末5は、遊技施設のオペレータが閲覧可能なコンピュータである。後述するように、店舗端末5には、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置に関する情報、景品獲得装置に載置された景品に関する情報、および顧客分析装置1による分析結果を表示したり、顧客が不満を感じていることを示すアラートを表示したりする。なお、店舗端末5は、設置型でもよいし、オペレータが携帯するポータブル型でもよいし、オペレータが身に着けるウェアラブル型でもよい。
【0033】
顧客分析装置1は、遊技施設に来場した顧客の分析を行う装置である。顧客分析装置1は、図示しないCPUが顧客分析プログラムを実行することにより、その機能上、顧客情報取得手段101と、動線取得手段102と、遊技履歴取得手段103と、遊技関連情報記憶部104と、分析手段105と、出力手段106とを備える。
【0034】
顧客情報取得手段101は、カメラ4により撮像された顧客の画像を顧客情報として取得する。
【0035】
顧客情報取得手段101により顧客情報が取得されると、センサーカメラ3A,3Bは、取得された時刻とその時刻における顧客の座標に基づいて、来場した顧客を特定し、顧客の動線の検出を開始する。この動線の検出は、特定した顧客が遊技施設に来場してから退場するまで継続される。
【0036】
動線取得手段102は、センサーカメラ3A,3Bにより検出された顧客の動線を動線情報として取得する。
【0037】
遊技履歴取得手段103は、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dから遊技履歴情報を取得する。遊技履歴情報には、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dが設置された場所を示す場所情報、顧客が遊技した開始時刻、終了時刻、投入金額、景品名、景品を払い出したか否かを示すペイアウト情報が含まれている。
【0038】
遊技関連情報記憶部104は、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dに関する情報を遊技関連情報として記憶する。遊技関連情報には、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dが設置されている遊技施設名、設置年月日、場所情報、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dが設置されている遊技施設内における位置座標、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dの特典情報、景品獲得装置2A,2B,2C,2D内へ入荷された景品ごとの入荷年月日を含んでいる。
【0039】
分析手段105は、顧客情報取得手段101により取得した顧客情報と、動線取得手段102により取得した動線情報と、遊技関連情報記憶部104に記憶された遊技関連情報と、遊技履歴取得手段103により取得した遊技履歴とに基づいて、顧客の嗜好を分析する。
【0040】
具体的には、分析手段105は、顧客情報と、動線情報と、遊技関連情報とに基づいて、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dの近傍における顧客の滞在時間を算出し、滞在時間に基づいて、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置を抽出する。例えば、景品獲得装置2Aの内部に載置された景品と、景品獲得装置2Cの内部に載置された景品とが同じであったとする。顧客が、景品獲得装置2Aの近傍で滞在しているとすると、遊技しているかまたは遊技装置を観察していると推測できる。この滞在時間が長いほど、顧客は、景品獲得装置2Aに興味を持っていると考えられるので、景品獲得装置2Aと同一の景品が載置された景品獲得装置2Cについても、この顧客は興味を持つ可能性が高いと判定できる。そこで、分析手段105は、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置として、景品獲得装置2A,2Cを抽出する。
【0041】
また、分析手段105は、顧客情報と、動線情報と、遊技関連情報と、遊技履歴とに基づいて、顧客が景品獲得装置2A,2B,2C,2Dで遊技した遊技時間を算出し、遊技時間に基づいて、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置を抽出するようにしてもよい。例えば、景品獲得装置2Aの内部に載置された景品と、景品獲得装置2Cの内部に載置された景品とが同じであったとする。顧客が、景品獲得装置2Aの近傍で滞在しており、かつ顧客が、景品獲得装置2Aの近傍にいる時間と同一時間にコインが投入されている場合、その顧客が遊技していると推測できる。この遊技時間が長いほど、顧客は、景品獲得装置2Aに興味を持っていると考えられるので、景品獲得装置2Aと同一の景品が載置された景品獲得装置2Cについても、この顧客は興味を持つ可能性が高いと判定できる。そこで、分析手段105は、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置として、景品獲得装置2A,2Cを抽出する。
【0042】
また、分析手段105は、顧客情報と、動線情報と、遊技関連情報と、遊技履歴とに基づいて、顧客が景品獲得装置2A,2B,2C,2Dの近傍で遊技することなく滞在している非遊技時間を算出し、非遊技時間に基づいて、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置を抽出するようにしてもよい。例えば、景品獲得装置2Aの内部に載置された景品と、景品獲得装置2Cの内部に載置された景品とが同じであったとする。顧客が、景品獲得装置2Aの近傍で滞在しており、かつ顧客が、景品獲得装置2Aの近傍にいる時間帯にコインが投入されていない場合、その顧客は遊技することなく観察していると推測できる。この非遊技時間が長いほど、顧客は、景品獲得装置2Aに興味を持っているが遊技するかどうか迷っていると考えられるので、景品獲得装置2Aと同一の景品が載置された景品獲得装置2Cについても、この顧客は興味を持つ可能性が高いと判定できる。そこで、分析手段105は、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置として、景品獲得装置2A,2Cを抽出する。
【0043】
出力手段106は、分析手段105による分析結果に基づいた情報を店舗端末5に出力する。例えば、出力手段106は、分析手段105による分析結果および遊技関連情報に基づいて、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置に関する情報、景品獲得装置に載置された景品に関する情報、および分析結果を出力する。
【0044】
図3は、本発明の実施例1である顧客分析システム100における動作を説明した説明図である。
【0045】
遊技施設A10には、入口G101が設けられている。入口G101から来場した顧客の顔を撮像可能な位置に、カメラ4が設置されており、顧客が入口エリアA101に入ったとき、ここでは、顧客がポジションP1にいるときに、カメラ4は顧客を撮像する。
【0046】
顧客情報取得手段101が、カメラ4により撮像された顧客の画像を顧客情報として取得すると、センサーカメラ3A,3Bは、来場した顧客の動線F1の検出を開始する。
【0047】
動線取得手段102は、センサーカメラ3A,3Bにより検出された顧客の動線を動線情報として取得し、分析手段105は、時刻情報と場所情報とに基づいて、取得された動線情報と、顧客情報と、遊技関連情報と、遊技履歴とを関連付ける。
【0048】
これにより、カメラ4により撮像された顧客が、遊技施設A10内を巡回しながら、いつどこに設置された景品獲得装置で遊技したかを把握することができる。
【0049】
図3に示した例では、顧客は景品獲得装置2A,2B,2C,2Dの北側(紙面上側)を通過して、景品獲得装置2Dの近傍のポジションP2の位置まで移動している。
【0050】
この動線F1に基づいた追跡データD101が動線取得手段102の内部メモリに記憶される。
【0051】
追跡データD101は、時刻と場所情報とが関連付けられて記憶されている。場所情報は、動線F1に基づいて検出された位置座標が含まれる領域に対応する景品獲得装置や入口などの場所を示す情報である。
【0052】
ここで、エリアA111は、場所情報が「750412」である景品獲得装置2Aの手前(紙面上側)に対応する領域であり、エリアA112は、場所情報が「750413」である景品獲得装置2Bの手前(紙面上側)に対応する領域であり、エリアA113は、場所情報が「750414」である景品獲得装置2Cの手前(紙面上側)に対応する領域であり、エリアA114は、場所情報が「750415」である景品獲得装置2Dの手前(紙面上側)に対応する領域である。
【0053】
追跡データD101によれば、場所情報が「750412」および「750415」での滞在時間が長いことが分かる。
【0054】
そのため、顧客は、景品獲得装置2Aと景品獲得装置2Dに興味を持っていると考えられる。そこで、分析手段105は、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置として、景品獲得装置2Aと景品獲得装置2Dを抽出する。さらに、景品獲得装置2Aと景品獲得装置2Dと同一の景品が載置された遊技装置を抽出してもよい。
【0055】
遊技履歴D102は、顧客が遊技した時刻、場所情報、投入金額、景品名、景品を払い出したか否かを示すペイアウト情報(POで示す)が含まれている。
【0056】
分析手段105は、時刻情報と場所情報とに基づいて、追跡データD101と遊技履歴D102と関連付ける。
【0057】
遊技履歴D102から、顧客は、景品獲得装置2Aと景品獲得装置2Dで遊技していることがわかる。また、追跡データD101と遊技履歴D102とから、顧客が、景品獲得装置2Aの近傍で滞在しており、かつ顧客が、景品獲得装置2Aの近傍にいる時間と同一時間にコインが投入されている場合、その顧客が遊技していると推測できる。場所情報が「750412」での遊技時間が最も長いので、顧客は、景品獲得装置2Aに興味を持っていると考えられる。そこで、分析手段105は、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置として、景品獲得装置2Aを抽出する。
【0058】
以上のように、本発明の実施例1である顧客分析システム100によれば、顧客情報を取得する顧客情報取得手段101と、顧客情報に対応する顧客の動線を動線情報として取得する動線取得手段102と、景品獲得装置が設置されている場所情報を含む景品獲得装置に関する情報を遊技関連情報として記憶する遊技関連情報記憶部104と、景品獲得装置における遊技履歴を取得する遊技履歴取得手段103と、取得した顧客情報と、動線情報と、遊技関連情報と、遊技履歴とに基づいて、顧客の嗜好を分析する分析手段105と、を備えるので、景品獲得装置特有の遊技履歴や顧客の動線に基づいて、顧客がどのような景品獲得装置に興味を持つのかを分析することができるので、適切に顧客の動向を分析することができる。
【0059】
<実施例2>
図4は、本発明の実施例2である顧客分析システム100Aの全体構成図であり、
図5は、本発明の実施例2である顧客分析システム100Aの機能構成図である。
【0060】
図4に示すように、本発明の実施例2である顧客分析システム100Aは、顧客分析装置1Aと、遊技装置である景品獲得装置2A,2B,2C,2Dと、センサーカメラ3A,3Bと、店舗端末5と、ユーザ端末8とを備えている。これらの構成のうち、景品獲得装置2A,2B,2C,2Dと、センサーカメラ3A,3Bと、店舗端末5については、本発明の実施例1である顧客分析システム100が備える構成と同一であるので、説明を省略する。
【0061】
ユーザ端末8は、ネットワーク9を介して顧客分析装置1Aと接続されている。
【0062】
図5に示すように、ユーザ端末8は、カメラ81と、送信部82と、顧客ID記憶部83と、表示部84とを備える。
【0063】
カメラ81は、撮像することにより画像データを生成する撮像手段である。例えば、遊技施設内の壁面に貼付されたシールに印刷された2次元コードQ1を撮像する。
【0064】
送信部82は、カメラ81により撮像した2次元コードQ1を画像認識することで店舗IDを抽出し、抽出した店舗IDと、顧客ID記憶部83に記憶された顧客IDを、顧客分析装置1Aへ送信する。
【0065】
顧客ID記憶部83は、ユーザ端末8を一意に識別する顧客IDを記憶している。
【0066】
表示部84は、アプリケーションプログラムを実行することにより、顧客分析装置1Aから送信される様々な情報を表示する。表示される情報には、例えば、景品獲得装置の特典情報、景品獲得装置に新たに載置された景品の景品入荷情報、景品獲得装置の設置店舗情報、および新たに景品獲得装置が設置された新規設置店舗情報などが含まれる。
【0067】
図5に示すように、顧客分析装置1Aは、遊技施設に来場した顧客の分析を行う装置であり、その機能上、顧客情報取得手段101Aと、動線取得手段102と、遊技履歴取得手段103と、遊技関連情報記憶部104と、分析手段105Aと、出力手段106Aと、判定手段107と、顧客情報記憶部108とを備える。これらの構成のうち、動線取得手段102と、遊技履歴取得手段103と、遊技関連情報記憶部104とについては、本発明の実施例1の顧客分析装置1が備える構成と同一であるので、説明を省略する。
【0068】
顧客情報記憶部108は、顧客を識別する顧客IDおよび顧客の氏名、性別、生年月日、好きなキャラクター等の属性情報を含む顧客情報を記憶する。
【0069】
顧客情報取得手段101Aは、ユーザ端末8の送信部82から送信された顧客IDに関連する顧客情報を取得する。具体的には、顧客情報取得手段101Aは、顧客IDが記憶されたユーザ端末8において、アプリケーションプログラムが起動され、このアプリケーションプログラムへのログイン動作に基づいて、顧客情報記憶部108からユーザ端末8に記憶された顧客IDに関連する顧客情報を取得する。
【0070】
顧客情報取得手段101Aにより顧客情報が取得されると、センサーカメラ3A,3Bは、取得された時刻とその時刻における顧客の座標に基づいて、来場した顧客を特定し、顧客の動線の検出を開始する。この動線の検出は、特定した顧客が遊技施設に来場してから退場するまで継続される。
【0071】
分析手段105Aは、時刻情報と場所情報とに基づいて、顧客情報と、動線情報と、遊技履歴と、遊技関連情報とを関連付け、関連づけられた顧客情報と、動線情報と、遊技履歴と、遊技関連情報とに基づいて、顧客IDが示す顧客の嗜好を分析する。
【0072】
判定手段107は、遊技履歴に含まれる遊技時間、遊技回数、景品獲得装置に載置された景品の獲得情報に基づいて、予め定められた顧客の不満が発生する不満発生条件を満たしているか否かを判定する。この不満発生条件は、例えば、1つの景品獲得装置において、30(分)以上の間、5回以上遊技を継続しており、かつ一度も払い出ししていないこと、とすることができる。
【0073】
出力手段106Aは、判定手段107により、不満発生条件を満たしていると判定された場合、不満発生条件を満たしている旨を店舗端末5に出力する。これにより、店舗端末5を閲覧したオペレータは、遊技している顧客が不満を感じ始めている可能性が高いことを把握することができる。
【0074】
また、出力手段106Aは、分析手段105Aによる分析結果および遊技関連情報に基づいて、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置に関する情報、景品獲得装置に載置された景品に関する情報、および分析結果を店舗端末5に出力する。これにより、店舗端末5を閲覧したオペレータは、顧客が上手く遊技できず不満を感じていることを検出することができるため、景品獲得装置の点検や顧客が上手く遊技できるような接客ができたり、顧客が興味を持ちそうな他の景品獲得装置を紹介することができる。
【0075】
また、出力手段106Aは、分析手段の分析結果および遊技関連情報に基づいて、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置について、景品獲得装置の特典情報、景品獲得装置に新たに載置された景品の景品入荷情報、景品獲得装置の設置店舗情報、および新たに景品獲得装置が設置された新規設置店舗情報のうち少なくともいずれか1つを生成し、生成した情報を、ユーザ端末8へ出力する。
【0076】
なお、本発明の実施例2である顧客分析システム100Aでは、カメラ4を備えていない例について説明したが、本発明の実施例1である顧客分析システム100と同様にカメラ4を備えるようにしてもよい。その場合、顧客情報取得手段101Aが、顧客情報記憶部108からユーザ端末8に記憶された顧客IDに関連する顧客情報を取得し、この取得した顧客情報に、カメラ4により撮像された顧客の画像を追加する。
【0077】
図6は、本発明の実施例2である顧客分析システム100Aにおける動作を説明した説明図である。
【0078】
遊技施設A10には、入口G101が設けられている。入口G101から来場した顧客は、チェックインエリアA102へと移動し、所有するユーザ端末8を用いて、遊技施設内の壁面に貼付されたシールに印刷された2次元コードQ1を撮像する。
【0079】
送信部82は、カメラ81により撮像した2次元コードQ1を画像認識することで店舗IDを抽出し、抽出した店舗IDと、顧客ID記憶部83に記憶された顧客IDを、顧客分析装置1Aへ送信する。これにより顧客の遊技施設へのチェックインが完了する。
【0080】
顧客情報取得手段101Aが、ユーザ端末8の送信部82から送信された顧客IDに関連する顧客情報を取得すると、センサーカメラ3A,3Bは、来場した顧客の動線F1の検出を開始する。
【0081】
分析手段105Aは、時刻情報と場所情報とに基づいて、顧客情報と、動線F1とを関連付ける。
【0082】
これにより、チェックインした顧客が、現在、遊技施設A10内のどこにいるのかを把握することができる。
【0083】
図6に示した例では、顧客は景品獲得装置2A,2B,2C,2Dの北側(紙面上側)を通過して、景品獲得装置2Dの近傍のポジションP2の位置まで移動している。
【0084】
この動線F1の追跡データD101が動線取得手段102の内部メモリに記憶される。
【0085】
追跡データD101は、実施例1で説明した
図3に示す追跡データD101と同一であり、遊技履歴D102は、実施例1で説明した
図3に示す遊技履歴D102と同一であるので、説明を省略する。
【0086】
顧客情報D103は、顧客がチェックインした時刻と、チェックインした顧客の顧客IDと、遊技施設への過去のチェックイン回数とが関連付けられて記憶されている。
【0087】
ここで、追跡データD101では、顧客は、時刻が12:50において、場所情報が「CI箇所」、すなわちチェックインエリアA102にいることを示している。
【0088】
また、顧客情報D103では、顧客IDが「1857335」である顧客が、時刻が12:50においてチェックインしており、過去、3回チェックインしたことのあるリピーターであることを示している。
【0089】
分析手段105Aは、時刻情報と場所情報とに基づいて、追跡データD101と、顧客IDが「1857335」である顧客情報D103とを関連付ける。
【0090】
また、追跡データD101と遊技履歴D102とから、顧客が、景品獲得装置2Aの近傍で滞在しており、かつ顧客が、景品獲得装置2Aの近傍にいる時間と同一時間にコインが投入されている場合、その顧客が遊技していると推測できる。
【0091】
そこで、分析手段105Aは、時刻情報と場所情報とに基づいて、追跡データD101と遊技履歴D102とを関連付ける。
【0092】
これにより、時刻情報と場所情報とに基づいて、追跡データD101と、遊技履歴D102と、顧客情報D103とが関連付けられる。また、図示しない遊技関連情報にも場所情報が含まれているので、場所情報に基づいて遊技関連情報も関連付けられる。
【0093】
このように関連付けられることにより、例えば、顧客IDが「1857335」である顧客が、時刻13:01から時刻13:04まで「750412」に対応する景品獲得装置2Aで遊技し、時刻13:03に、景品を獲得したことがわかる。これにより、分析手段105Aは、客単価、景品獲得単価、景品獲得率などを算出し分析することが可能となる。
【0094】
また、顧客IDが「1857335」である顧客は、場所情報が「750412」での遊技時間が最も長いので、顧客は、景品獲得装置2Aに興味を持っていると考えられる。そこで、分析手段105Aは、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置として、景品獲得装置2Aを抽出する。
【0095】
さらに、追跡データD101によれば、場所情報が「750412」および「750415」での滞在時間が長いことが分かる。
【0096】
そのため、顧客IDが「1857335」である顧客は、景品獲得装置2Aと景品獲得装置2Dに興味を持っていると考えられる。そこで、分析手段105Aは、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置として、景品獲得装置2Aと景品獲得装置2Dを抽出する。さらに、景品獲得装置2Aと景品獲得装置2Dと同一の景品が載置された遊技装置を抽出してもよい。
【0097】
出力手段106Aは、分析手段105Aによる分析結果、顧客情報、および遊技関連情報に基づいて、顧客情報に加えて、顧客の嗜好に沿った景品獲得装置に関する情報、景品獲得装置に載置された景品に関する情報、および分析結果を店舗端末5に出力する。
【0098】
また、上述したように、出力手段106Aは、判定手段107により、不満発生条件を満たしていると判定された場合、不満発生条件を満たしている旨を店舗端末5に出力する。
【0099】
図7は、本発明の実施例2である顧客分析システム100Aの出力手段106Aにより店舗端末5に出力され、店舗端末5に表示された出力画面の一例を示した図である。
【0100】
図7に示すように、出力画面200には、顧客の画像201が表示されている。画像201は、顧客情報に含まれている画像を用いてもよいし、カメラ4を備える場合には、カメラ4により撮像された画像を用いてもよい。
【0101】
画像201から顔認識された顔画像には顔認識枠202が表示されている。この顔認識枠202は、判定手段107により不満発生条件を満たしていると判定された場合には、黄枠として表示し、不満発生条件を満たしていると判定された場合には、赤枠として表示する。
【0102】
また、出力画面200には、顧客情報を表示する顧客情報表示領域203と、顧客嗜好を表示する顧客嗜好表示領域204とを、画像201に重畳表示している。
【0103】
顧客情報表示領域203には、顧客の氏名、年齢、性別、生年月日、好きなキャラクタジャンルなどの顧客情報が表示されている。
【0104】
顧客嗜好表示領域204には、前回来場日、お好みの遊技装置(顧客の嗜好に沿った景品獲得装置に関する情報)、お好みの景品(景品獲得装置に載置された景品に関する情報)、前回来場分析結果など、顧客嗜好が表示されている。
【0105】
以上のように、本発明の実施例2である顧客分析システム100によれば、顧客を識別する顧客IDおよび顧客の属性情報を含む顧客情報を記憶する顧客情報記憶部108を、さらに備え、顧客情報取得手段101Aは、顧客IDが記憶されたユーザ端末のログイン動作に基づいて、顧客情報記憶手段からユーザ端末に記憶された顧客IDに関連する顧客情報を取得し、分析手段105Aは、時刻情報と場所情報とに基づいて、顧客情報と、動線情報と、遊技履歴と、遊技関連情報とを関連付け、関連づけられた顧客情報と、動線情報と、遊技履歴と、遊技関連情報とに基づいて、顧客IDが示す顧客の嗜好を分析する。
【0106】
これにより、景品獲得装置特有の遊技履歴、顧客の動線、および顧客の属性情報に基づいて、顧客がどのような景品獲得装置に興味を持つのかを分析することができるので、適切に顧客の動向を分析することができる。
【0107】
なお、実施例1および実施例2では、遊技装置として景品獲得装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、景品獲得装置に設定されている獲得方法、ビデオゲーム装置、メダルゲーム装置、音楽ゲーム装置や、カプセル販売機、カード販売機、メダル販売機などを適用させることもでき、顧客が景品獲得装置のどの獲得方法に興味を持つのかや、どのゲームの種類に興味を持つのかなども分析することができるので、様々な種類の装置においても適切に顧客の動向を分析することができる。
【符号の説明】
【0108】
1,1A 顧客分析装置
2A,2B,2C,2D 景品獲得装置
3A,3B センサーカメラ
4 カメラ
5 店舗端末
8 ユーザ端末
9 ネットワーク
81 カメラ
82 送信部
83 顧客ID記憶部
84 表示部
100,100A 顧客分析システム
101,101A 顧客情報取得手段
102 動線取得手段
103 遊技履歴取得手段
104 遊技関連情報記憶部
105,105A 分析手段
106,106A 出力手段
107 判定手段
108 顧客情報記憶部