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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074198
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ホースリール
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/40 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
B65H75/40 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187018
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(72)【発明者】
【氏名】小林 晋
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA06
3F068CA00
3F068DA02
3F068FA02
3F068JB06
(57)【要約】
【課題】 分割されたパーツのつなぎ目がホースを収納する本体の中央付近に表れることがなく、美観に優れたホースリールを提供する。
【解決手段】 直方体形状の箱体で、内部に散水ホースを巻き取るためのドラム3を収納可能な空間と、一側面を開口して形成される側部開口部12と、天面を開口して形成される上部開口部11とを有する散水ホース収納部1と、散水ホース収納部1の側部開口部12に取り付けられ、開口された散水ホース収納部1の一側面を覆うパネル状部材であるサイドホース収納部2と、ホースリールを持ち上げる際に把持する把手51を有する把手ユニット5とを備え、サイドホース収納部2は、側部開口部11に取り付けられる側の面から取り付け方向へ垂直に突出する突出部21を備え、把手ユニット5は、上部開口部11を挿通して突出部21にも取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状の箱体で、内部に散水ホースを巻き取るためのドラムを収納可能な空間と、一側面を開口して形成される側部開口部と、天面を開口して形成される上部開口部とを有する散水ホース収納部と、
散水ホース収納部の側部開口部に取り付けられ、開口された散水ホース収納部の一側面を覆うパネル状部材と、
散水ホース収納部の上部開口部に取り付けられ、ホースリールを持ち上げる際に把持する把手を有する把手ユニットとを備え、
前記パネル状部材は、側部開口部に取り付けられる側の面から取り付け方向へ垂直に突出し、散水ホース収納部とパネル状部材とが組み合わされたときに上部開口部の直下に配置される突出部を備え、
前記把手ユニットは、上部開口部を挿通して突出部にも取り付けられる
ことを特徴とするホースリール。
【請求項2】
前記把手ユニットは、把手ユニットの外側へ突出し、把手ユニットの外側へ突出する長さよりも幅が小さい板状の係合爪を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のホースリール。
【請求項3】
前記係合爪は、把手ユニットの把手の支持部近傍に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載のホースリール。
【請求項4】
前記パネル状部材は、側部開口部に取り付けられる側の面と突出部との接続部分に補強用リブを複数備え、
突出部の側端側に位置する補強用リブが、その内側に位置する補強用リブよりも大きい
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のホースリール。
【請求項5】
前記把手ユニットは、
上部開口部の縁に設けられた孔である係止受け部に係止される第1係止爪と、
突出部の内側縁に設けられた孔である係止受け部に係止される第2係止爪とを備える
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のホースリール。
【請求項6】
前記散水ホース収納部は、
開口されていない側面を凹状に形成してなる凹部を備え、
当該凹部に、化粧用の板状部材である外装パネルが配置可能になっている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のホースリール。
【請求項7】
前記散水ホース収納部と前記パネル状部材とが組み合わされたときに、底部に内部の水を排出するための排水孔が形成される
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のホースリール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースリールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
散水ホースを巻き取る装置であるホースリールには、ホースを露出させたままドラムに巻き取るものや、直方体形状の箱の中に収容されたドラムに巻き取るものがある。直方体形状の箱の中に収容されたドラムに巻き取るホースリールでは、直方体形状の本体を長手方向の中央付近で分割した構成のホースリールがある。例えば、特許文献1では、給水側ホースの経年劣化を防止するものとして、本体内に設けられ、散水側ホースを収納するメイン収納部と、給水側ホースを収納するサブ収納部と、サブ収納部に収納された給水側ホースを覆うカバーとを備えたホース収納装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3225597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のホースリールでは、分割されたパーツのつなぎ目がホースを収納する本体の中央付近に表れるため、デザイン性に劣るという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、分割されたパーツのつなぎ目がホースを収納する本体の中央付近に表れることがなく、美観に優れたホースリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係るホースリールは、直方体形状の箱体で、内部に散水ホースを巻き取るためのドラムを収納可能な空間と、一側面を開口して形成される側部開口部と、天面を開口して形成される上部開口部とを有する散水ホース収納部と、散水ホース収納部の側部開口部に取り付けられ、開口された散水ホース収納部の一側面を覆うパネル状部材と、散水ホース収納部の上部開口部に取り付けられ、ホースリールを持ち上げる際に把持する把手を有する把手ユニットとを備え、前記パネル状部材は、側部開口部に取り付けられる側の面から取り付け方向へ垂直に突出し、散水ホース収納部とパネル状部材とが組み合わされたときに上部開口部の直下に配置される突出部を備え、前記把手ユニットは、上部開口部を挿通して突出部にも取り付けられることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記把手ユニットは、把手ユニットの外側へ突出し、把手ユニットの外側へ突出する長さよりも幅が小さい板状の係合爪を備えるのが好ましい。
【0008】
そして、前記係合爪は、把手ユニットの把手の支持部近傍に配置されているのが好ましい。
【0009】
また、前記パネル状部材は、側部開口部に取り付けられる側の面と突出部との接続部分に補強用リブを複数備え、突出部の側端側に位置する補強用リブが、その内側に位置する補強用リブよりも大きいのが好ましい。
【0010】
さらに、前記把手ユニットは、上部開口部の縁に設けられた孔である係止受け部に係止される第1係止爪と、突出部の内側縁に設けられた孔である係止受け部に係止される第2係止爪とを備えるのが好ましい。
【0011】
また、前記散水ホース収納部は、開口されていない側面を凹状に形成してなる凹部を備え、当該凹部に、化粧用の板状部材である外装パネルが配置可能になっているのが好ましい。
【0012】
さらに、前記散水ホース収納部と前記パネル状部材とが組み合わされたときに、底部に内部の水を排出するための排水孔が形成されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るホースリールによれば、直方体形状の箱体の散水ホース収納部の一側面を開口し、その側面にパネル状部材を取り付ける構成としているので、分割されたパーツのつなぎ目がホースを収納する本体の中央付近に表れることがなく、美観に優れたホースリールが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係るホースリールを主な構成パーツに分解して示す図である。
図2】把持ユニットと把持ユニットの一部を拡大して示す図である。
図3】把持ユニットの裏側を示す斜視図である。
図4】把持ユニットを散水ホース収納部に取り付けた状態およびその一部を拡大して示す図である。
図5】サイドホース収納部とサイドホース収納部の一部を拡大して示す図である。
図6】散水ホース収納部とサイドホース収納部と把持ユニットとの係合関係を示す図である。
図7】散水ホース収納部と散水ホース収納部に取り付けられる外装パネルとの係合関係を示す図である。
図8】ホースリールの底面側とその一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るホースリールについて、実施の形態に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係るホースリールを主な構成パーツに分解して示す図である。
【0017】
本実施の形態のホースリールは、散水ホースを直方体形状の箱の中に収容されたドラムに巻き取って収納するホース収納装置であり、主な構成パーツとして、散水ホース収納部1と、サイドホース収納部2と、ドラム3と、ドラムハンドル4と、把手ユニット5とを備えている。
【0018】
散水ホース収納部1は、ホースリールの本体部分を構成する直方体形状の箱体で、散水ホースが巻きつけられるドラム3を内部に収納可能な空間を有しており、上部開口部11と、側部開口部12と、ホース開口部13と、底部開口部14とを備えている。
【0019】
上部開口部11は、散水ホース収納部1の天面に設けられた開口部であり、散水ホース収納部1と把手ユニット5との接続部となる。すなわち、上部開口部11から把手ユニット5を嵌合することで、把手ユニット5が散水ホース収納部1に取り付けられるようになっている。把手ユニット5の取り付けについては、後に詳述する。
【0020】
側部開口部12は、散水ホース収納部1の一側面全体を開口して形成される開口部であり、散水ホース収納部1とサイドホース収納部2との接続部である。この側部開口部12にサイドホース収納部2を取り付けて、側部開口部12をサイドホース収納部2で覆い、開口された散水ホース収納部1の一側面全体を塞ぐことによりホースリールの本体が構成されることになる。なお、ここでは、ドラムハンドル4が取り付けられる側面と対向する側面に側部開口部12が形成される例を示している。このようにドラム3の回転方向と平行する側面に側部開口部12を設けるのが好ましい。ただし、ドラム3の回転方向と交差する側面を開口することにより側部開口部12を設けることを排除する趣旨ではない。
【0021】
ホース開口部13は、散水ホース収納部1の側面のうちドラム3の回転方向と交差する側面を開口して形成され、散水ホースの出し入れをするための開口部である。ホース開口部13は、ドラム3の回転方向と交差する側面を開口して形成されるので、散水ホース収納部1の内部にあるドラム3に散水ホースを巻き付ける際の散水ホースの入り口、また、ドラム3に巻き付けられている散水ホースを散水ホース収納部1の外へ取り出す際の散水ホースの取り出し口となる。
【0022】
底部開口部14は、散水ホース収納部1の底面を開口して形成される開口部である。底部開口部14は、散水ホース収納部1の内部の水、例えばドラム3に巻き付けられた散水ホースに付着している水等を散水ホース収納部1の外へ排出するためのものである。
【0023】
サイドホース収納部2は、散水ホース収納部1の側部開口部12に取り付けられて、側部開口部12を塞ぐことでホースリールの本体の一側面を形成するパネル状部材である。散水ホース収納部1とサイドホース収納部2とのつなぎ目はホースリール本体の中央付近ではなく、端部側に表れることになるので、ホースリール本体は美観に優れたものとなる。
【0024】
サイドホース収納部2のパネル面の外側には、ホースリールから露出した散水ホースを保持し収納するために散水ホースの引っ掛け具が設けられている。そして、サイドホース収納部2のパネル面の内側、つまり、散水ホース収納部1の側部開口部12に取り付けられる側のパネル面の上部には、パネル内側面から垂直に突出する突出部21が設けられている。
【0025】
突出部21は、サイドホース収納部2の内側面上部から、側部開口部12への取り付け方向に向かって垂直に突出する部材であり、天面には凹部が形成されている。突出部21は、サイドホース収納部2が散水ホース収納部1に取り付けられたときに、散水ホース収納部1の上部開口部11と合致し、天面に形成された凹部が把手ユニット5を取り付ける受け皿となる。
【0026】
ドラム3は、散水ホース収納部1内に収納され、散水ホースが巻き付けられるドラムであり、散水ホース収納部1とサイドホース収納部2とにより軸支される。
【0027】
ドラムハンドル4は、ドラム3を回転させて散水ホースの巻き取り、取り出しを可能にするためのハンドルである。
【0028】
把手ユニット5は、ホースリールを持ち運ぶ際に把持する持ち手を備えた部材であり、上部開口部11に取り付けられるとともに、上部開口部11から挿通して上部開口部11の直下に位置する突出部21にも取り付けられるように構成されている。把手ユニット5は、ホースリールを持ち運ぶ際に把持する持ち手となる把手51と、把手ユニット5を突出部21に係止するための板状爪52および第1係止爪53と、把手ユニット5を上部開口部11の縁に係止するための第2係止爪54(図3および図6に示す)とを備えている。なお、ここでは、把手51は、把手ユニット5の天面に形成された凹部に収納されており、把持する際に取り出せるように構成されている例を示している。
【0029】
図2は把持ユニット5と把持ユニット5の一部、具体的には板状爪52の部分を拡大して示す図である。図3は把持ユニット5の裏側を示す斜視図である。また、図4は把持ユニット5を散水ホース収納部1に取り付けた状態およびその一部を拡大して示す図である。なお、図2では、把手51を省略して示している。
【0030】
把手ユニット5の長手方向の側部には、第1係止爪53が複数個設けられ、突出部21の根元側(サイドホース収納部2側)に係止される。第1係止爪53は把手ユニット5の長手方向に沿った幅を有しており、この幅が把手ユニット5の外側へ突出する爪の長さよりも大きくなっている。
【0031】
把手ユニット5の短手方向の側部には、板状爪52が複数個設けられ、突出部21の短手方向の側部に係止される。板状爪52は、第1係止爪53と異なり、薄い板状の爪である。すなわち、板状爪52の爪の幅は、把手ユニット5の外側へ突出する爪の長さよりも小さくなっている。
【0032】
水が入ったまま散水ホースが巻き取られた状態で把手51を把持してホースリールを持ち上げようとすれば、係止部である爪に大きな荷重がかかる。第1係止爪53のように、把手ユニット5の長手方向に沿った幅が、把手ユニット5の外側へ突出する爪の長さよりも大きくなっている爪では、大きな荷重がかかると板の厚さ方向に曲がって変形してしまい、突出部21の係合孔から外れてしまうおそれがある。一方、薄い板状の爪で構成された板状爪52では、大きな荷重がかかっても板状爪52は変形しにくく、爪が突出部21の係合孔から外れることが抑えられるという効果を奏する。すなわち、板状爪52を構成する板面に直交する方向(図2のA方向)には変形する可能性があるものの、板面に沿った方向(図2のB方向)には、変形しにくいため前述の効果が得られる。そのため、第1係止爪53だけで把持ユニット5と突出部21とを係止させるのではなく、把手51を持ち上げる力に対して抜けを防止すべく、板状爪52を用いて把持ユニット5と突出部21とを係止するのが好ましい。
【0033】
また、板状爪52は、図4に示すように、把手ユニット5において把手51の支持部の近傍に配置されるのが好ましい。把手51が軸支されている支持部から板状爪52までの距離が離れていると、板状爪52そのものが変形しなくても、把手51の支持部から板状爪52までの間のいずれかの箇所に変形が生じてしまい、爪が突出部21の係合孔から外れてしまうおそれがある。そのため、板状爪52を把手51の支持部のなるべく近傍に配置し、把手51の支持部から板状爪52までに至る経路を短くすることで、爪が突出部21の係合孔から外れることを防止するのが好ましいといえる。
【0034】
さらに、図3に示すように、把手ユニット5の裏側には、把手51の支持部近傍に、板状爪52と反対側方向、つまり、把手ユニット5の内側へ突出して係止される内側爪55が設けられている。把手51を持ち上げたとき、把手51の支持部は内側方向へ向かう力が働く。2つの内側爪55をそれぞれ把手ユニット5の内側へ対向するように配置し係止させることで、把手51が支持部の内側から抜け外れることを防止することができる。
なお、内側爪55も、板状爪52と同様に、把手ユニット5において把手51の支持部のなるべく近傍に配置するのが好ましく、さらにいえば、把手52を軸支する直線(軸線)とほぼ同一線上に、板状爪52と内側爪55とが位置するよう配置するのが好ましい。
【0035】
図5は、サイドホース収納部2の内側とサイドホース収納部2の一部、具体的には下方から見た突出部21の根元側を拡大して示す図である。
【0036】
図5に示すように、サイドホース収納部2の内側の突出部21との接続部には、突出部外側リブ22と突出部内側リブ23とが設けられている。突出部21には把手51を有する把手ユニット5が取り付けられるので、把手51を把持してホースリールを持ち上げる操作をすると、突出部21とサイドホース収納部2との接続部にも荷重がかかる。このとき、上方向に力がかかるので、突出部21とサイドホース収納部2の内側のパネル面との角度は垂直から鈍角に広がる方向へ変形する力が働くことになる。そのため、突出部21とサイドホース収納部2の接続部に、突出部外側リブ22および突出部内側リブ23の複数の補強用リブを設けることで、突出部21とサイドホース収納部2の内側のパネル面との角度が広がる方向への変形が生じることを抑制している。なお、突出部21の側端側に位置する突出部外側リブ22は、突出部外側リブ22よりも内側に位置する突出部内側リブ23と比べて大きくなっている。裏を返せば、突出部内側リブ23は突出部外側リブ22よりも小さくなっている。補強用のリブは大きい方が補強効果は高くなるが、リブがドラム3と干渉しないようにする必要もある。そのため、突出部21の側端側に位置するリブを大きくする一方、ドラム3と干渉しやすい内側のリブを小さくすることで、リブとドラム3との干渉を避けるようにするのが好ましい場合がある。
【0037】
図6は、散水ホース収納部1とサイドホース収納部2と把持ユニット5との係合関係を示す図である。
【0038】
把手ユニット5は、散水ホース収納部1とサイドホース収納部2とを組み合わせた後、散水ホース収納部1の上部開口部11を挿通してサイドホース収納部2の突出部21の天面に形成された凹部に嵌め入れて取り付けられる。このとき、把手ユニット5の板状爪52は、突出部21の短手方向の側部に係止される。また、第1係止爪53は、サイドホース収納部2の突出部21の凹部内側縁に設けられた係合孔に係止される。さらに、第2係止爪54は、散水ホース収納部1の上部開口部11の縁に設けられた係合孔に係止される。
【0039】
このように把手ユニット5の側周に、散水ホース収納部1に係止させる係止爪と、サイドホース収納部2に係止させる係止爪とをそれぞれ設け、これの係止爪に対応する係止受け部を上部開口部11の縁と突出部21の内側縁に設けて、散水ホース収納部1とサイドホース収納部2との両方にそれぞれ係止させるようにすることで、各係止爪と各係合孔との嵌合部の剛性が高まるので、把手51を把持してホースリールを持ち上げても、把手ユニット5と散水ホース収納部1およびサイドホース収納部2との係合が容易に解けることが無くなる。
【0040】
図7は、散水ホース収納部1と散水ホース収納部1に取り付けられる外装パネルとの係合関係を示す図である。
【0041】
散水ホース収納部1は、側部開口部12と対向する側の側面を凹状に形成してなる凹部15を備えている。この凹部15は、ホースリールを装飾するための板状の外装パネル6を配置可能にするためのものである。すなわち、凹部15の外周縁には凹部嵌合孔16が設けられ、この凹部嵌合孔16に外装パネル6の外周縁に設けられた外装パネル係止爪61を嵌め入れることで、外装パネル6が凹部15に嵌合され、これによりホースリールの美観の向上が図られている。取り付けの手順としてはドラムハンドル4を取り付ける前に外装パネル6を凹部15に嵌合することになるが、このとき外装パネル6が凹部15から飛び出ることがないよう外装パネル6の厚みと凹部15の深さとが設定されている。外装パネル6がドラムハンドル4の回動操作の干渉とならないようにするためである。
【0042】
図8は、ホースリールの底面側とその一部を拡大して示す図である。
【0043】
ホースリールの底部には、散水ホース収納部1とサイドホース収納部2とを組み合わせたときに、排水孔17が形成される。本実施の形態のホースリールでは、分割されたパーツのつなぎ目が中央ではなく、散水ホース収納部1とサイドホース収納部2との接合部が端部に位置することになる。そのため、端部からホースリールの本体内に水が入り込みやすくなり、入り込んだ水は端部に溜まりやすくなる。内部に雨水等の水が溜まるとボウフラや藻の発生等を招くことがあり、これらの発生を予防するため内部の水を排出する必要がある。
【0044】
排水孔17は、ホースリールの本体内部から水を外へ排出するためのもので、散水ホース収納部1の端部とサイドホース収納部2の端部にそれぞれ切欠き部分を設け、両者を組み合わせたときに双方の切欠き部分が合致することで、ホースリールの下部接触面に形成されるものである。また、散水ホース収納部1の下面の内側には、サイドホース収納部2との接合部、すなわち、側部開口部12に向かう溝が緩やかに下方へ傾斜して形成されている。この溝が内部の水の排出を促すことになる。さらに、この溝の端に排水孔17を配置するように構成することで、より内部の水の排出がスムーズに行われることになる。
【0045】
このように、本実施の形態のホースリールによれば、本体部分を構成する直方体形状の箱体の散水ホース収納部の一側面を開口し、その側面にパネル状部材であるサイドホース収納部を取り付ける構成としているので、分割されたパーツのつなぎ目が本体中央付近に現出することがなく、美観に優れたホースリールが得られる。また、サイドホース収納部の上部から垂直方向に突出した突出部分に、ホースリール運搬時に把持する把手のユニットが取り付けられるように構成し、この把手ユニットの爪を板状の爪としたり、散水ホース収納部およびサイドホース収納部の双方に係合させたりすることで、大きな荷重にも耐えうるホースリールが得られる。このとき、サイドホース収納部と突出部分との接続部分に補強用のリブが設けられていることで、ホースリール持ち上げ時の荷重によって変形することも防止されている。さらに、散水ホース収納部のドラムハンドルが取り付けられる側面に凹部を設け、この凹部に化粧用の外装パネルを嵌合可能とすることで、より一層の美観の向上を図ることも可能になっている。また、散水ホース収納部とサイドホース収納部とを組み合わせたときに、ホースリールの底部に排水孔が形成されるので、ホースリール内部の水を外へ排出し、内部に水が溜まりにくい構造になっている。
【0046】
以上、本発明に係るホースリールについて実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
【0047】
例えば、上記実施の形態では、散水ホース収納部の側部開口部を覆うパネル状部材としてサイドホース収納部を例示して説明したが、必ずしもサイドホースを収納可能なパネル状部材でなければならないということではなく、その他のパネル状部材であってもよい。また、散水ホース収納部の側部開口部は、散水ホース収納部の一側面全体が開口されているとしたが、一側面全体に限られるものでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るホースリールは、長尺のホースを収納するホース収納装置等に適している。
【符号の説明】
【0049】
1 散水ホース収納部
2 サイドホース収納部
3 ドラム
4 ドラムハンドル
5 把手ユニット
6 外装パネル
11 上部開口部
12 側部開口部
13 ホース開口部
14 底部開口部
15 凹部
16 凹部嵌合孔
17 排水孔
21 突出部
22 突出部外側リブ
23 突出部内側リブ
51 把手
52 板状爪
53 第1係止爪
54 第2係止爪
55 内側爪
61 外装パネル係止爪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8