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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074221
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】機器管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230522BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187056
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 一郎
(72)【発明者】
【氏名】村田 龍俊
(72)【発明者】
【氏名】陶山 修司
(72)【発明者】
【氏名】税所 尚洋
(72)【発明者】
【氏名】石田 正浩
(72)【発明者】
【氏名】松永 吉広
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】効率的な機器の管理を支援する技術を提供する。
【解決手段】機器管理システム20は、ネットワークに接続される複数の機器(例えば第1スイッチ、第1サーバ、第1PC、第1スマートフォン等)に関する情報であって、各機器の稼働時刻を含む情報を記憶する。機器管理システム20は、複数の機器の稼働時刻に基づいて、複数の機器の中から所定時間以上稼働していない機器である非稼働機器を検出する。機器管理システム20は、検出した非稼働機器の所在を確認するよう促すための情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される複数の機器に関する情報であって、各機器の稼働時刻を含む情報を記憶する機器情報記憶部と、
前記複数の機器の稼働時刻に基づいて、前記複数の機器の中から所定時間以上稼働していない機器である非稼働機器を検出する非稼働機器検出部と、
前記非稼働機器検出部により検出された非稼働機器の所在を確認するよう促すための第1情報を出力する第1出力部と、
を備える機器管理システム。
【請求項2】
前記複数の機器の状態を監視する複数の監視装置のそれぞれで記録された被監視機器の稼働時刻を含む情報を取得する機器情報取得部と、
複数の監視装置のそれぞれで記録された前記被監視機器の稼働時刻を前記機器情報記憶部に格納する機器情報更新部と、
をさらに備える請求項1に記載の機器管理システム。
【請求項3】
前記複数の機器の状態を監視する監視装置で記録された、被監視機器の識別情報と稼働時刻とを含む情報を取得する機器情報取得部と、
取得された前記被監視機器の識別情報をもとに前記機器情報記憶部に記憶された前記被監視機器の情報を識別し、識別した情報における稼働時刻を、取得された前記被監視機器の稼働時刻に更新する機器情報更新部と、
前記取得された前記被監視機器の識別情報に一致する機器の情報が前記機器情報記憶部に記憶されていない場合、当該被監視機器の資産登録を促すための第2情報を出力する第2出力部と、
をさらに備える請求項1に記載の機器管理システム。
【請求項4】
ユーザの端末から送信された、前記非稼働機器を撮影した画像と、その撮影場所を示す情報とを含む所在情報を受け付ける受付部と、
前記非稼働機器の所在情報を前記機器情報記憶部に格納して前記非稼働機器を確認対象から除外する機器情報更新部と、
をさらに備える請求項1に記載の機器管理システム。
【請求項5】
ネットワークに接続される複数の機器に関する情報であって、各機器に関係する個人の情報を含む機器情報を記憶する機器情報記憶部と、
人事異動に関する情報を取得する異動情報取得部と、
前記複数の機器の中から関係する個人の人事異動が生じた機器を確認対象機器として検出する確認対象機器検出部と、
前記確認対象機器検出部により検出された確認対象機器の所在を確認するよう促すための情報を出力する出力部と、
を備える機器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理技術に関し、特に機器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
固定資産Wに貼付されたバーコードを読み取って、ホストコンピュータに蓄積されたデータと照合し、固定資産Wを特定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-311800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する状況下、テレワークの促進等によってオフィスへの出勤者数を削減することが各企業に求められている。これに伴い、サーバや通信機器等の機器の所在が不明になることが増加している。
【0005】
本開示は、このような状況に鑑みなされたものであり、1つの目的は、効率的な機器の管理を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の機器管理システムは、ネットワークに接続される複数の機器に関する情報であって、各機器の稼働時刻を含む情報を記憶する機器情報記憶部と、複数の機器の稼働時刻に基づいて、複数の機器の中から所定時間以上稼働していない機器である非稼働機器を検出する非稼働機器検出部と、非稼働機器検出部により検出された非稼働機器の所在を確認するよう促すための第1情報を出力する第1出力部とを備える。
【0007】
本開示の別の態様もまた、機器管理システムである。この機器管理システムは、ネットワークに接続される複数の機器に関する情報であって、各機器に関係する個人の情報を含む機器情報を記憶する機器情報記憶部と、人事異動に関する情報を取得する異動情報取得部と、複数の機器の中から関係する個人の人事異動が生じた機器を確認対象機器として検出する確認対象機器検出部と、確認対象機器検出部により検出された確認対象機器の所在を確認するよう促すための情報を出力する出力部とを備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を、装置、方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術によれば、効率的な機器の管理を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例の企業システムの構成を示す図である。
図2図1の機器管理システムの機能ブロックを示すブロック図である。
図3】資産リストの例を示す図である。
図4】資産リストの例を示す図である。
図5】資産リストの例を示す図である。
図6】資産リストの例を示す図である。
図7】実施例の機器管理システムの動作を示すフローチャートである。
図8】アンマッチリストの例を示す図である。
図9】ユーザ端末に表示されるApp画面の例を示す図である。
図10】非稼働機器リストの例を示す図である。
図11】非稼働機器リストの例を示す図である。
図12】ユーザ端末に表示されるApp画面の例を示す図である。
図13】実施例の機器管理システムの動作を示すフローチャートである。
図14】ユーザ端末に表示されるApp画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示における装置または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがコンピュータプログラムを実行することによって、本開示における装置または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、コンピュータプログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC、LSI等)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的な記録媒体に記録される。コンピュータプログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限り、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
【0012】
まず実施例の概要を説明する。COVID-19が流行する状況下、オフィスに不在の社員が増加することに伴い長期間未利用の資産が増加している。また、クラウドサービスの普及に伴い使用されなくなって保管されている資産が増加している。また、人材の流動化に伴い新たなユーザによる利用のため保管されている資産が増加している。本発明者は、長時間に亘って稼働していない機器(例えば電源断の状態が長時間継続している機器)の所在が不明になりやすく、また、資産の利用者の異動(退職や配置転換等)に伴って資産の所在が不明になりやすいことを認識した。
【0013】
そこで実施例では、効率的な資産管理を支援して、資産が所在不明になることを抑制する技術を提案する。実施例の機器管理システムは、資産リスト上の複数の機器の中から所定時間以上稼働していない機器(以下「非稼働機器」とも呼ぶ。)を検出し、非稼働機器の所在を確認するよう促すための情報(後述の「非稼働機器リスト」)を出力する。また、実施例の機器管理システムは、資産リスト上の複数の機器の中から、関係する個人に人事異動が生じた機器(以下「異動者機器」とも呼ぶ。)を検出し、異動者機器の所在を確認するよう促すための情報(後述の「異動者機器リスト」)を出力する。
【0014】
なお、実施例の資産は、ネットワーク接続され得る機器である。例えば、実施例の資産は、(1)スイッチ、ハブ等の通信機器、(2)サーバ、PC、スマートフォン等のコンピュータ、(3)テレビ会議システム(例えば大型モニタとデスクトップPCの組み合わせ)等のコンピュータシステムを含む。
【0015】
実施例を詳細に説明する。図1は、実施例の企業システム10の構成を示す。企業システム10は、企業に構築された情報処理システムであり、当該企業のネットワークに接続された複数の機器(サーバ、PC、スイッチ、テレビ会議システム、スマートフォン等)を備える。なお、第1スマートフォンや第2スマートフォンのように、インターネットを介して当該企業のネットワークに接続される機器も存在する。
【0016】
また、企業システム10は、企業のネットワークに接続されたテレビ会議システム監視サーバ12、汎用監視サーバ14、ID管理システム16、ログ収集システム18、機器管理システム20をさらに備える。テレビ会議システム監視サーバ12と、汎用監視サーバ14と、ID管理システム16は、複数の機器(サーバ、PC、スイッチ、テレビ会議システム、スマートフォン等)の状態を監視する複数の監視装置として捉えられる。
【0017】
テレビ会議システム監視サーバ12は、複数のテレビ会議システムの状態を監視し、実施例では少なくともテレビ会議システムの最終稼働日時を管理する。汎用監視サーバ14は、スイッチやハブ、サーバ、PC等の状態を監視し、実施例では少なくともこれらの機器の最終稼働日時を管理する。最終稼働日時は、例えば、pingコマンド等を用いて被監視機器との疎通が最後に確認された日時であってもよい。また、最終稼働日時は、被監視機器から稼働中であることが最後に通知された日時であってもよい。
【0018】
ID管理システム16は、PCやスマートフォン等に対してクラウド型ID管理サービス(いわゆるiDaaS(Identity as a Service))を提供する。例えば、ID管理システム16は、インターネット側から企業のネットワークにアクセスしようとする第1スマートフォンおよび第2スマートフォンに対して、ユーザ認証やアクセス制御等のID管理サービスを提供する。ID管理システム16は、PCやスマートフォン等の各被監視機器に対してID管理サービスを最後に提供した日時を、各被監視機器の最終稼働日時として記録する。
【0019】
ログ収集システム18は、複数の監視装置(実施例ではテレビ会議システム監視サーバ12、汎用監視サーバ14、ID管理システム16)のそれぞれで記録された、被監視機器の識別情報と稼働時刻とを含むログデータを各監視装置から取得する。ログ収集システム18は、公知の統合ログ管理ソフトウェアを用いて実装されてもよい。ログ収集システム18は、複数の監視装置から取得した複数のログデータから、各被監視機器の識別情報(実施例ではホスト名)と稼働時刻(実施例では最終稼働日時)を抽出し、各被監視機器の識別情報と稼働時刻を含む被監視機器情報を機器管理システム20へ送信する。
【0020】
機器管理システム20は、企業が保有する複数の機器(実施例ではネットワークに接続可能な機器)を資産として管理する情報処理システムであり、資産管理システムとも言える。後述するように、機器管理システム20は、非稼働機器および異動者機器の管理を支援するための機能を含む。
【0021】
なお、企業システム10は、倉庫に収納された機器を含む。典型的には、倉庫に収納された機器は、オフィスの各フロアで使用されている機器が故障した場合に、故障した機器に代えて使用するためストックされたものである。例えば、図1の第3スイッチが故障した場合、それまで倉庫にストックされた第4スイッチが第3スイッチに代えて使用されることがある。
【0022】
図2は、図1の機器管理システム20の機能ブロックを示すブロック図である。本明細書のブロック図で示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ(CPU等)、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0023】
また、機器管理システム20は、1台のコンピュータ(言い換えれば情報処理装置)により実現されてもよく、複数台のコンピュータが連携することにより実現されてもよい。すなわち、図2に示す複数の機能ブロックは、1台のコンピュータに実装されてもよく、複数台のコンピュータに分散して実装されてもよい。
【0024】
機器管理システム20は、制御部30、記憶部32、通信部34を備える。制御部30は、各種データ処理を実行する。記憶部32は、制御部30により参照または更新されるデータを記憶する。通信部34は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。例えば、制御部30は、通信部34を介して、ログ収集システム18およびユーザ端末とデータを送受信する。ユーザ端末は、企業の従業員により操作される情報端末であり、例えば、図1のPCやスマートフォンが該当する。
【0025】
記憶部32は、機器情報記憶部36を含む。機器情報記憶部36は、企業のネットワークに接続される複数の機器に関する情報であって、各機器の識別情報と稼働時刻とを含む情報(以下「資産リスト」とも呼ぶ。)を記憶する。複数の機器は、複数の監視装置(例えば、テレビ会議システム監視サーバ12、汎用監視サーバ14、ID管理システム16)により監視される複数の被監視機器(例えば、サーバ、PC、スマートフォン、スイッチ、テレビ会議システム等)を含む。資産リストは、各機器の識別情報、稼働時刻、関係する個人(例えば利用者や管理者、機器現物を確認した作業者等)の情報を少なくとも含む。資産リストの例は後述する。
【0026】
制御部30は、機器情報取得部40、機器情報更新部42、アンマッチリスト生成部44、アンマッチリスト提供部46、非稼働機器リスト生成部48、非稼働機器リスト提供部50、異動情報取得部52、異動者機器リスト生成部53、異動者機器リスト提供部54、確認情報受付部56を含む。制御部30の複数の機能ブロックの機能が実装されたコンピュータプログラムが機器管理システム20を構成するコンピュータのストレージ(記憶部32等)にインストールされてもよい。制御部30は、機器管理システム20を構成するコンピュータのプロセッサ(CPU等)により実現されてもよい。このプロセッサは、上記コンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、制御部30の複数の機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0027】
機器情報取得部40は、ログ収集システム18から送信された、複数の被監視機器に関する被監視機器情報を取得する。既述したように、被監視機器情報は、複数の監視装置のそれぞれで記録された、被監視機器ごとの識別情報と稼働時刻の組を含む。
【0028】
機器情報更新部42は、複数の監視装置のそれぞれで記録された1つ以上の被監視機器の稼働時刻を機器情報記憶部36に格納する。実施例では、機器情報更新部42は、機器情報取得部40により取得された被監視機器情報が示す各被監視機器の稼働時刻を機器情報記憶部36の資産リストに反映する。より具体的には、機器情報更新部42は、被監視機器情報が示す或る被監視機器の識別情報をもとに、資産リストに記憶された当該被監視機器のレコードを更新対象として識別し、更新対象のレコードにおける稼働時刻を、被監視機器情報が示す当該被監視機器の稼働時刻に更新する。
【0029】
アンマッチリスト生成部44は、被監視機器情報が示す被監視機器の識別情報に一致する機器の情報が機器情報記憶部36に記憶されておらず、言い換えれば、被監視機器情報が示す被監視機器の識別情報が機器情報記憶部36の資産リストに未登録の場合、資産リストに未登録の被監視機器の情報を設定したアンマッチリストを生成する。資産リストに未登録の機器を以下「未登録機器」とも呼ぶ。
【0030】
アンマッチリスト提供部46は、未登録機器情報出力部として、アンマッチリストに設定された1つ以上の未登録機器について、各未登録機器の資産登録を促すための情報である未登録機器情報をユーザ端末に提供する。
【0031】
非稼働機器リスト生成部48は、非稼働機器検出部として、機器情報記憶部36の資産リストに記録された複数の機器の稼働時刻に基づいて、複数の機器の中から所定時間(実施例での閾値は1か月)以上稼働していない機器(非稼働機器)を検出する。非稼働機器リスト生成部48は、非稼働機器の情報を設定した非稼働機器リストを生成する。
【0032】
非稼働機器リスト提供部50は、非稼働機器情報出力部として、非稼働機器リストに設定された1つ以上の非稼働機器について、各非稼働機器の所在を確認するよう促すための情報である非稼働機器情報をユーザ端末に提供する。
【0033】
異動情報取得部52は、企業の人事異動に関する情報(例えば従業員の退職や配置転換を示す情報であり、以下「人事異動情報」とも呼ぶ。)を取得する。異動情報取得部52は、図1に不図示の人事システムから人事異動情報を取得してもよく、ユーザ端末(例えば退職者自身の端末や退職者の上長の端末)から人事異動情報を取得してもよい。
【0034】
異動者機器リスト生成部53は、確認対象機器検出部として、人事異動情報に基づいて、機器情報記憶部36の資産リストに記録された複数の機器の中から関係する個人の人事異動が生じた機器を確認対象機器として検出する。実施例では、確認対象機器を「異動者機器」と呼ぶ。異動者機器リスト生成部53は、異動者機器の情報を設定した異動者機器リストを生成する。
【0035】
異動者機器リスト提供部54は、異動者機器情報出力部として、異動者機器リストに設定された1つ以上の異動者機器について、各異動者機器の所在を確認するよう促すための情報である異動者機器情報をユーザ端末に提供する。
【0036】
確認情報受付部56は、ユーザ端末から送信された、サーバやスイッチ等の機器現物を現地で確認したことに関する情報を受け付ける。具体的には、確認情報受付部56は、ユーザ端末から送信された、非稼働機器を撮影した画像と、その撮影場所を示す情報とを含む所在情報を受け付ける。機器情報更新部42は、非稼働機器の所在情報を機器情報記憶部36の資産リストに記録し、言い換えれば、非稼働機器の所在情報に基づいて、資産リストにおける当該非稼働機器の従来情報を更新する。機器情報更新部42は、所在情報を受け付けた非稼働機器を確認対象から除外する。
【0037】
また、確認情報受付部56は、ユーザ端末から送信された、未登録機器の資産コードの値と、未登録機器を撮影した画像と、その撮影場所を示す情報とを含む資産登録情報を受け付ける。機器情報更新部42は、資産登録情報を機器情報記憶部36の資産リストに記録し、具体的には、資産登録情報に基づく未登録機器に関する新たなレコードを資産リストに追加する。機器情報更新部42は、資産登録情報を受け付けた未登録機器を確認対象から除外する。
【0038】
また、確認情報受付部56は、ユーザ端末から送信された、異動者機器の新たな利用者または管理者を示す情報と、異動者機器を撮影した画像と、その撮影場所を示す情報とを含む所在情報を受け付ける。機器情報更新部42は、異動者機器の所在情報を機器情報記憶部36の資産リストに記録し、言い換えれば、異動者機器の所在情報に基づいて、資産リストにおける当該異動者機器の従来情報を更新する。機器情報更新部42は、所在情報を受け付けた異動者機器を確認対象から除外する。
【0039】
図3は、資産リストの例を示す。資産リスト80は、資産として登録された機器に関する複数の項目として、判定、棚卸状況、読取端末、資産コード、資産名、利用状況、組織を含む。項目「判定」には、機器の現物確認作業の要否が設定される。機器の現物確認作業は、現地確認作業とも言え、機器現物が設置された現地にユーザが赴き、機器を目視確認して、機器の資産コードをスキャンする作業である。項目「棚卸状況」には、「稼働中」、「長期電源断」、「確認済み」(現物確認作業済み)を含む機器の状態が設定される。
【0040】
項目「読取装置」には、機器の現物確認作業にて使用された端末(実施例では機器の資産コードをスキャンした端末)の種類が設定される。項目「資産コード」には、機器の資産コードの値が設定される。資産コードは、資産リストのキー項目である。項目「資産名」には、機器の名称が設定される。項目「利用状況」には、「利用中」または「倉庫保管」が設定され得る。項目「組織」には、機器が使用される組織名、または、機器を管理すべき組織名が設定される。
【0041】
図4も、資産リストの例を示す。同図は、図3の資産リスト80の続きを示すが、図3の資産リスト80との関連付けを示すため資産コードを再掲している。資産リスト80は、複数の項目として、ホスト名、利用日時、利用者、利用者メールアドレス、確認作業日時、作業者をさらに含む。項目「ホスト名」には、機器の識別情報としてのホスト名が設定される。なお、機器の識別情報として、FQDN(Fully Qualified Domain Name)またはIPアドレスが用いられてもよい。
【0042】
項目「利用日時」には、機器が利用(使用)された日時が設定される。項目「利用者」には、機器の利用者(使用者)の名前が設定される。項目「利用者メールアドレス」には、機器の利用者(使用者)のメールアドレスが設定される。項目「利用者」と「利用者メールアドレス」は、典型的には、ユーザ認証に関するデータとしてID管理システム16にて記録される。
【0043】
項目「確認作業日時」には、機器の現物確認作業が行われた日時が設定され、実施例では、作業者の端末から所在情報や資産登録情報を受け付けた日時が設定される。項目「作業者」には、機器の現物確認作業を実施した作業者の名前が設定される。
【0044】
図5も、資産リストの例を示す。同図は、図4の資産リスト80の続きを示している。資産リスト80は、複数の項目として、読取ファイル、現物確認管理者、最終稼働日時、フロア(現物確認前)、フロア(現物確認後)をさらに含む。項目「読取ファイル」には、機器現物を撮影した画像ファイル名が設定される。項目「現物確認管理者」には、機器の現物確認作業の管理者の名前であり、例えば作業者の上長の名前が設定される。
【0045】
項目「最終稼働日時」には、機器の稼働(例えば電源のオン/オフ、通信の疎通、認証成功等)が最後に確認された日時が設定される。項目「フロア(現物確認前)」には、機器の現物確認作業前に記録された機器の設置場所(もしくは収納場所)であり、例えば、前回の確認作業時に記録された機器の設置場所が設定される。項目「フロア(現物確認後)」には、機器の現物確認作業後に記録された機器の設置場所(もしくは収納場所)であり、言い換えれば、機器の最新の設置場所が設定される。
【0046】
図6も、資産リストの例を示す。同図は、図5の資産リスト80の続きを示している。資産リスト80は、複数の項目として、備考(現物情報)をさらに含む。項目「備考(現物情報)」には、機器の現物確認作業を実施した作業者により任意に入力された機器に関する追加情報が設定される。
【0047】
以上の構成による機器管理システム20の動作を説明する。
図7は、実施例の機器管理システム20の動作を示すフローチャートである。機器管理システム20の機器情報記憶部36には、企業の資産(機器)に関する資産リストが予め記憶されている。企業では、時間の経過に伴い使用されていた機器が使用されなくなることがあり、また、倉庫にストックされていた機器が再利用されることがある。また、人事異動に伴って、機器の利用者や管理者が変更されることがある。このように、企業システム10内の機器の構成や状態は時間の経過とともに変化していくため、資産リストの更新が必要になる。
【0048】
ログ収集システム18は、テレビ会議システム監視サーバ12、汎用監視サーバ14、ID管理システム16のそれぞれから、被監視機器の識別情報および最終稼働日時を含むログデータを収集して記憶する。機器管理システム20の機器情報取得部40は、予め定められた取得条件が満たされた場合に、被監視機器の識別情報および最終稼働日時を含む被監視機器情報をログ収集システム18から取得する。この取得条件は、被監視機器情報を前回取得してから予め定められた時間が経過した場合に満たされてもよく、機器管理システム20の管理者が被監視機器情報の取得を指示した場合に満たされてもよい。また、ログ収集システム18は、新たなログデータを取得した場合に、そのログデータに基づく被監視機器情報を機器管理システム20へ自律的に送信してもよい。
【0049】
ログ収集システム18から送信された被監視機器情報を機器情報取得部40が受け付けた場合(S10のY)、機器管理システム20の機器情報更新部42は、被監視機器情報が示す被監視機器のホスト名をキーとして資産リストのレコードを特定し、特定したレコードの最終稼働日時を、被監視機器情報が示す当該被監視機器の最終稼働日時に更新する(S11)。機器情報更新部42は、被監視機器情報に含まれるホスト名と最終稼働日時の組ごとにこの処理を繰り返す。これにより、機器管理システム20の資産リストには、各機器の最新の稼働日時が記録される。ログ収集システム18から送信された被監視機器情報を受け付けなければ(S10のN)、S11の処理をスキップする。
【0050】
S11の処理において、被監視機器情報に含まれるホスト名に一致する機器が資産リスト上に存在しない場合(S12のY)、機器管理システム20のアンマッチリスト生成部44は、資産リストに存在しない被監視機器である未登録機器の情報を設定したアンマッチリストを生成する(S13)。図8は、アンマッチリストの例を示す。アンマッチリスト82は、複数の項目として、判定、棚卸状況、利用状況、ホスト名、利用日時、利用者、利用者メールアドレスを含む。典型的なアンマッチリストでは、判定の値は「資産登録必要」となり、棚卸状況の値は「稼働中」になり、利用状況は「利用中」になる。また、利用日時、利用者、利用者メールアドレスの値は、典型的には、ID管理システム16により記録された値(例えばユーザ認証の利用日時や利用者を示す値)であってもよい。
【0051】
図7に戻り、機器管理システム20のアンマッチリスト提供部46は、アンマッチリストに含まれる未登録機器の資産登録を促すための未登録機器情報をユーザ端末に提供する。実施例のユーザ端末には、効率的な機器管理を支援するアプリケーション(以下「機器管理支援App」と呼ぶ。)がインストールされる。アンマッチリスト提供部46は、アンマッチリストが示す利用者メールアドレスを用いて、未登録機器の資産登録を促すためのアプリケーション画面へのリンクを通知する。ユーザ端末でそのリンクが選択されると、アンマッチリスト提供部46は、未登録機器の資産登録を促す内容のアプリケーション画面(App画面)のデータをユーザ端末に提供する(S14)。
【0052】
ユーザ端末の機器管理支援Appは、App画面を表示部に表示させる。図9は、ユーザ端末に表示されるApp画面の例を示す。同図のApp画面60は、未登録機器の資産登録を促す内容を含み、具体的には、コードスキャンエリア62と、未登録機器情報エリア64とを含む。コードスキャンエリア62は、ユーザ端末のカメラを用いて、機器の筐体に貼付された資産コードシール上のバーコードや二次元コードをスキャンするエリアである。機器管理支援Appは、スキャン結果をデコードして資産コードの値を導出し、導出した資産コードの値をコードスキャンエリア62に表示させる。未登録機器情報エリア64には、アンマッチリストに設定された未登録機器の情報が表示される。具体的には、未登録機器情報エリア64には、未登録機器のホスト名に加えて、機器特定のヒントとして、図8に示した未登録機器の利用日時と利用者の情報が表示される。
【0053】
作業者(上記の利用者)は、未登録機器の筐体に貼付された資産コードシール上のバーコードや二次元コードをユーザ端末にスキャンさせ、所定の送信操作を入力する。ユーザ端末の機器管理支援Appは、未登録機器のホスト名と資産コードの値の組を含む資産登録情報を機器管理システム20へ送信する。資産登録情報は、(1)未登録機器の現物確認作業を行った従業員名(もしくは従業員コード)、(2)未登録機器を撮影した画像データ、(3)撮影日時、(4)撮影を行った緯度および経度、(5)撮影場所(ビル名、フロア位置等)をさらに含む。
【0054】
資産登録情報の(1)~(4)の値は機器管理支援Appにより自動設定される。例えば、(4)の緯度および経度は、GPS等の公知の測位技術により自動設定されてもよい。機器管理支援Appは、(4)の緯度および経度をもとに、(5)撮影場所の複数の候補を示すプルダウンメニューを表示させ、作業者は、プルダウンメニュー内の複数の候補の中から撮影場所を選択する。例えば、機器管理支援Appは、(4)の緯度および経度に整合するオフィスやビルを検索し、該当するオフィスやビルの各フロアを撮影場所の候補として示すプルダウンメニューを表示させてもよい。
【0055】
図7に戻り、機器管理システム20の確認情報受付部56は、ユーザ端末から送信された資産登録情報を受け付ける。機器管理システム20の機器情報更新部42は、ユーザ端末から送信された資産登録情報をもとに、機器情報記憶部36の資産リストを更新する。具体的には、機器情報更新部42は、資産登録情報が示す未登録機器に関する新たなレコードを資産リストに追加する(S15)。
【0056】
資産登録情報の項目と資産リスト(図3~5)の項目との対応関係を示す。
資産登録情報のホスト名 →資産リストのホスト名
資産登録情報の資産コード →資産リストの資産コード
資産登録情報の従業員名 →資産リストの作業者
資産登録情報の画像データ →資産リストの読取ファイル
資産登録情報の撮影日時 →資産リストの確認作業日時
資産登録情報の撮影場所 →資産リストのフロア(現物確認後)
なお、機器情報更新部42は、資産リストの最終稼働日時に、被監視機器情報が示す当該機器の利用日時を設定してもよい。
【0057】
さらに、機器情報更新部42は、資産リストに登録した未登録機器のレコードにおいて、項目「判定」の値を「確認不要」に設定し、項目「棚卸状況」の値を「確認済み」に設定することにより、当該未登録機器を確認対象から除外する。アンマッチリスト提供部46は、資産リストに登録した未登録機器の情報を除外した未登録機器情報エリア64のデータをユーザ端末に提供して、ユーザ端末のApp画面60を更新させる。これにより、資産登録済みの機器は、App画面60の未登録機器情報エリア64から順次除外されていく。S11の処理において、被監視機器情報に含まれるホスト名が全て資産リストに存在すれば(S12のN)、S13~S15の処理をスキップする。
【0058】
機器管理システム20の非稼働機器リスト生成部48は、処理開始条件が満たされた場合に、資産リストに記録された複数の機器の中から最終稼働日時から現在日時までの経過時間が所定時間以上(実施例では1か月以上)になった機器を非稼働機器として検出する。非稼働機器は、非稼働期間が所定時間以上の機器とも言え、電源切断状態が所定時間以上継続する機器とも言える。処理開始条件は、S11において資産リストが更新された場合に満たされてもよく、非稼働機器検出処理を前回実行してから所定時間(例えば1か月等)が経過した場合に満たされてもよく、システム管理者等から明示的に非稼働機器検出指示が入力された場合に満たされてもよい。
【0059】
資産リストから非稼働機器を検出した場合(S16のY)、非稼働機器リスト生成部48は、資産リストから非稼働機器の情報を抽出した非稼働機器リストであり、言い換えれば、資産リストに記録された非稼働機器の情報を設定した非稼働機器リストを生成する(S17)。図10は、非稼働機器リストの例を示す。非稼働機器リスト84は、複数の項目として、判定(典型的な値は「要確認」)、資産コード、資産名、組織、ホスト名、確認作業日時、作業者を含む。図11も、非稼働機器リストの例を示す。非稼働機器リスト84は、複数の項目として、読取ファイル、現物確認管理者、最終稼働日時、フロア(現物確認前)、フロア(現物確認後)をさらに含む。
【0060】
図7に戻り、機器管理システム20の非稼働機器リスト提供部50は、非稼働機器リストに含まれる非稼働機器の所在確認を促すための非稼働機器情報をユーザ端末に提供する。具体的には、非稼働機器リスト提供部50は、非稼働機器リストに設定された作業者により識別されるユーザ端末に対して、非稼働機器の所在確認を促す内容のApp画面のデータを提供する(S18)。
【0061】
ユーザ端末の機器管理支援Appは、App画面を表示部に表示させる。図12は、ユーザ端末に表示されるApp画面の例を示す。同図のApp画面60は、非稼働機器の所在確認を促す内容を含み、具体的には、既述のコードスキャンエリア62と、非稼働機器情報エリア66とを含む。非稼働機器情報エリア66には、非稼働機器リストが示す非稼働機器の情報が表示される。具体的には、非稼働機器情報エリア66には、非稼働機器のホスト名、資産コードの値、資産名が表示される。
【0062】
作業者は、非稼働機器の筐体に貼付された資産コードシール上のバーコードや二次元コードをユーザ端末にスキャンさせ、所定の送信操作を入力する。ユーザ端末の機器管理支援Appは、非稼働機器のホスト名と資産コードの値の組を含む非稼働機器の所在情報を機器管理システム20へ送信する。所在情報は、(1)非稼働機器の現物確認作業を行った従業員名(もしくは従業員コード)、(2)非稼働機器を撮影した画像データ、(3)撮影日時、(4)撮影を行った緯度および経度、(5)撮影場所(ビル名、フロア位置等)をさらに含む。既述の資産登録情報と同様に、所在情報の(1)~(4)の値は機器管理支援Appにより自動設定され、(5)の値は作業者により設定されてもよい。
【0063】
図7に戻り、機器管理システム20の確認情報受付部56は、ユーザ端末から送信された非稼働機器の所在情報を受け付ける。機器管理システム20の機器情報更新部42は、ユーザ端末から送信された所在情報をもとに、機器情報記憶部36の資産リストを更新する(S19)。例えば、機器情報更新部42は、資産リストにおける非稼働機器の各項目値を、当該非稼働機器の所在情報が示す各項目値に更新する。所在情報の項目と資産リストの項目との対応関係は、資産登録情報の項目と資産リストの項目との対応関係と同様である。
【0064】
さらに、機器情報更新部42は、所在情報が更新された非稼働機器のレコードにおいて、項目「判定」の値を「確認不要」に設定し、項目「棚卸状況」の値を「確認済み」に設定することにより、当該非稼働機器を確認対象から除外する。非稼働機器リスト提供部50は、所在情報が更新された非稼働機器の情報を除外した非稼働機器情報エリア66のデータをユーザ端末に提供し、ユーザ端末のApp画面60を更新させる。これにより、所在情報更新済みの機器は、App画面60の非稼働機器情報エリア66から順次除外される。非稼働機器を未検出であれば(S16のN)、S17~S19の処理をスキップする。
【0065】
図13は、実施例の機器管理システム20の動作を示すフローチャートである。機器管理システム20の異動情報取得部52が、人事異動情報の入力を受け付けると(S20のY)、機器管理システム20の異動者機器リスト生成部53は、人事異動の対象者が関係する機器(異動者機器)が資産リストに登録されているか否かを判定する。例えば、異動者機器リスト生成部53は、資産リストに登録された機器のうち、作業者(実施者)と現物確認管理者の少なくとも一方が人事異動の対象者に該当する機器を異動者機器として検出する。
【0066】
異動者機器が資産リストに登録されている場合(S21のY)、異動者機器リスト生成部53は、資産リストから異動者機器の情報を抽出した異動者機器リストであり、言い換えれば、資産リストに記録された異動者機器の情報を設定した異動者機器リストを生成する(S22)。例えば、図3図6に示した資産リスト80の例では、全機器の作業者(実施者)が「渡邊一郎」である。そのため、人事異動情報が「渡邊一郎」の退職を示す場合、資産リスト80の全機器の情報を設定した異動者機器リストが生成される。
【0067】
異動者機器リスト提供部54は、異動者機器リストに含まれる異動者機器の所在確認を促す異動者機器情報をユーザ端末に提供する。具体的には、異動者機器リスト提供部54は、異動者機器リストが示す作業者により識別されるユーザ端末に対して、異動者機器の所在確認を促す内容のApp画面のデータを提供する(S23)。異動者機器の所在確認を促す内容は、人事異動の対象者(退職予定者等)から別の個人(引継者)への異動者機器の引継を支援する内容とも言える。異動者機器を未検出であれば(S21のN)、S22とS23の処理をスキップする。人事異動情報を受け付けなければ(S20のN)、S21~S23の処理をスキップする。
【0068】
ユーザ端末の機器管理支援Appは、App画面を表示部に表示させる。図14は、ユーザ端末に表示されるApp画面の例を示す。同図のApp画面60は、異動者機器の所在確認を促す内容を含み、具体的には、既述のコードスキャンエリア62と、異動者機器情報エリア68とを含む。異動者機器情報エリア68には、異動者機器リストが示す異動者機器の情報が表示される。具体的には、異動者機器情報エリア68には、異動者機器のホスト名、資産コードの値、資産名が表示される。
【0069】
作業者は、異動者機器の筐体に貼付された資産コードシール上のバーコードや二次元コードをユーザ端末にスキャンさせ、所定の送信操作を入力する。この作業者は、人事異動の対象者であってもよく、人事異動の対象者から異動者機器を引き継ぐ引継者であってもよい。なお、人事異動の対象者と引継者の両名で異動者機器の現物確認作業を行うことが望ましい。
【0070】
ユーザ端末の機器管理支援Appは、異動者機器のホスト名と資産コードの値の組を含む異動者機器の所在情報(引継情報とも言える)を機器管理システム20へ送信する。所在情報は、(1)異動者機器の現物確認作業を行った従業員名(もしくは従業員コード)、(2)非稼働機器を撮影した画像データ、(3)撮影日時、(4)撮影を行った緯度および経度、(5)撮影場所(ビル名、フロア位置等)をさらに含む。既述の資産登録情報と同様に、所在情報の(1)~(4)の値は機器管理支援Appにより自動設定され、(5)の値は作業者により設定されてもよい。ただし、(1)の従業員名には、引継者の名前が設定される。
【0071】
図13に戻り、機器管理システム20の確認情報受付部56は、ユーザ端末から送信された異動者機器の所在情報を受け付ける。異動者機器の所在情報が受け付けられると(S24のY)、機器管理システム20の機器情報更新部42は、異動者機器の所在情報をもとに、機器情報記憶部36の資産リストを更新する(S25)。例えば、機器情報更新部42は、資産リストにおける異動者機器の各項目値を、当該異動者機器の所在情報が示す各項目値に更新する。所在情報の項目と資産リストの項目との対応関係は、資産登録情報の項目と資産リストの項目との対応関係と同様である。資産登録情報に設定された引継者の名前は、異動者機器の作業者に反映される。すなわち、異動者機器の作業者が、人事異動の対象者から引継者に変更される。
【0072】
さらに、機器情報更新部42は、所在情報が更新された異動者機器のレコードにおいて、項目「判定」の値を「確認不要」に設定し、項目「棚卸状況」の値を「確認済み」に設定することにより、当該異動者機器を確認対象から除外する。異動者機器リスト提供部54は、所在情報が更新された異動者機器の情報を除外した異動者機器情報エリア68のデータをユーザ端末に提供し、ユーザ端末のApp画面60を更新させる。これにより、所在情報更新済みの機器は、App画面60の異動者機器情報エリア68から順次除外される。異動者機器の所在情報を受け付けなければ(S24のN)、S25の処理をスキップする。
【0073】
実施例の機器管理システム20によると、長期間稼働していない機器の所在確認をユーザに促すことにより、機器(資産)の紛失や盗難を効果的に防止できる。また、機器管理システム20によると、人事異動の対象者に関係する機器の所在確認をユーザに促すことにより、機器の確実な引継を支援でき、また、人事異動に伴う機器の紛失や盗難を効果的に防止できる。また、機器管理システム20によると、監視装置により検出されたが資産リストに未登録の機器の資産登録をユーザに促すことにより、新たに導入された機器や再利用された機器の管理漏れを効果的に防止できる。
【0074】
また、機器管理システム20によると、ユーザ端末と連携して、機器の所在情報登録や資産登録をユーザが効率的に実施できるよう支援するユーザインタフェースを提供する。また、機器管理システム20によると、ログ収集システム18と連携して、複数の監視装置(例えばテレビ会議システム監視サーバ12、汎用監視サーバ14、ID管理システム16)のそれぞれで記録された被監視機器の情報を取得でき、企業のネットワークに接続される様々な機器を網羅的に管理することができる。
【0075】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。実施例に記載の内容は例示であり、実施例の構成要素や処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0076】
上記実施例のログ収集システム18の機能は、機器管理システム20の機器情報取得部40に組み込まれてもよい。例えば、機器管理システム20の機器情報取得部40は、複数の監視装置(実施例ではテレビ会議システム監視サーバ12、汎用監視サーバ14、ID管理システム16)のそれぞれで記録された、被監視機器の識別情報と稼働時刻とを含むログデータを各監視装置から取得してもよい。機器情報取得部40は、複数の監視装置から取得した複数のログデータから、各被監視機器の識別情報と稼働時刻を抽出してもよい。
【0077】
上記実施例では、ログ収集システム18から送信された被監視機器情報を機器情報取得部40が受け付けた場合、機器管理システム20の機器情報更新部42は、被監視機器情報が示す被監視機器のホスト名をキーとして資産リストのレコードを特定し、特定したレコードの最終稼働日時を、被監視機器情報が示す当該被監視機器の最終稼働日時に更新するとする構成としたが、機器管理システム20の特定のタイミング(ユーザからの要求、又は、資産管理実施時期)で、機器管理システム20側からログ収集システム18に対して、資産管理の対象となる被監視機器のホスト名をキーとし、ホスト名毎の稼働日時のリストを収集してそのリストの中で最新の稼働日時を最終稼働日時として資産リストの対象ホストのレコードを更新する構成であってもよい。また、ホスト名毎の稼働日時のリストをログ収集システム18から機器管理システム20が取得する旨を説明したが、機器管理システム20側から対象ホストの最新の稼働日時のみの抽出要求をログ収集システム18に行って、その最新の稼働日時で更新する構成であってもよい。
【0078】
上記実施例では、ユーザ端末の機器管理支援Appが、確認対象機器の資産コード値を導出し、ユーザ端末から機器管理システム20へ資産コード値を送信した。変形例として、ユーザは、確認対象機器の資産コードシールを撮影し、ユーザ端末の機器管理支援Appは、確認対象機器の資産コードシールが写る画像を機器管理システム20へ送信してもよい。機器管理システム20(例えば確認情報受付部56または機器情報更新部42)は、ユーザ端末から送信された資産コードシールが写る画像を解析して、確認対象機器の資産コード値を導出してもよい。
【0079】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0080】
10 企業システム、 18 ログ収集システム、 20 機器管理システム、 36 機器情報記憶部、 40 機器情報取得部、 42 機器情報更新部、 44 アンマッチリスト生成部、 46 アンマッチリスト提供部、 48 非稼働機器リスト生成部、 50 非稼働機器リスト提供部、 52 異動情報取得部、 53 異動者機器リスト生成部、 54 異動者機器リスト提供部、 56 確認情報受付部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14