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特開2023-74265節電管理システム、節電管理方法及び節電管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074265
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】節電管理システム、節電管理方法及び節電管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230522BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187131
(22)【出願日】2021-11-17
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
(71)【出願人】
【識別番号】312002347
【氏名又は名称】株式会社エナリス
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 輝夫
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】需要家それぞれに適した節電レベルとそのインセンティブを設定して、各需要家固有の使用状態に合致した節電を実現する節電管理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、需要家側が、常時、システム内で発電、蓄電又は消費されている電力を計測しS101、需要家単位で測定された総消費電力の時間的変動を分析して、需要家側で稼動している電気機器を特定し、その電気機器の種別及びその時間帯と個別消費電力とを推定しS102、その実績データを管理サーバーへ送信するS103。管理サーバーが、実績データを収集しS201、予測期間における総消費電力の推移を算定しS202、目標需要カーブを生成し、価値情報と提示情報を生成しS204、需要家側に提示情報及び電力制御情報を送信し、必要に応じて電力制御を実行するS205。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の消費単位である需要家内における節電を管理する節電管理システムであって、
前記需要家内に設けられ、需要家内において発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成する実績データ生成部と、
前記実績データ生成部から収集された前記実績データを用いて、過去の所定期間における個別消費電力の推移を算定する個別電力算定部と、
前記個別電力算定部により算定された前記所定期間における個別消費電力の推移に基づいて前記所定期間における標準的な消費電力の推移である標準需要カーブを算定するとともに、前記標準需要カーブに基づいて、標準需要カーブとは異なる節電レベルの目標需要カーブを生成する需要カーブ生成部と、
前記標準需要カーブ及び前記目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出する達成電力量算出部と
を備えたことを特徴とする節電管理システム。
【請求項2】
過去の達成電力量の履歴を記録する達成記録部をさらに備え、
前記達成電力量算出部は、前記達成記録部が記録した履歴に基づいて、各需要家ごとにおける当該需要家が選択した節電レベルに応じた目標需要カーブと実際の実績データとの一致度に応じて前記達成電力量を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の節電管理システム。
【請求項3】
時間帯、季節又は気候を含む外部情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部が収集した外部情報について、電力需要の傾向を解析する外部情報解析部と、
前記目標需要カーブ及び前記実際の実績データの一致度と、前記外部情報解析部が解析した電力需要の傾向との相関を算出する相関算出部と、
前記外部情報解析部が解析した電力需要の傾向、及び前記相関算出部が算出した相関に基づいて、前記目標需要カーブ及び前記実績データの一致度を予測する需要予測部と
をさらに備え、
前記需要カーブ生成部は、前記需要予測部が予測した一致度に応じた目標需要カーブを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の節電管理システム。
【請求項4】
前記需要予測部が予測した一致度に応じて生成された目標需要カーブを提示して、需要家側においてレコメンド情報又はアラート情報を出力する情報出力部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の節電管理システム。
【請求項5】
前記達成電力量算出部が算出した達成電力量に応じた価値情報を算定する価値情報算定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の節電管理システム。
【請求項6】
電力の消費単位である需要家内における節電を管理する節電管理方法であって、
実績データ生成部が、前記需要家内に設けられ、需要家内において発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成する実績データ生成ステップと、
個別電力算定部が、前記実績データ生成部から収集された前記実績データを用いて、過去の所定期間における個別消費電力の推移を算定する個別電力算定ステップと、
需要カーブ生成部が、前記個別電力算定ステップにより算定された前記所定期間における個別消費電力の推移に基づいて前記所定期間における標準的な消費電力の推移である標準需要カーブを算定するとともに、前記標準需要カーブに基づいて、標準需要カーブとは異なる節電レベルの目標需要カーブを生成する需要カーブ生成ステップと、
達成電力量算出部が、前記標準需要カーブ及び前記目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出する達成電力量算出ステップと
を含むことを特徴とする節電管理方法。
【請求項7】
達成記録部が、過去の達成電力量の履歴を記録する達成記録ステップをさらに含み、
前記達成電力量算出ステップにおいて達成電力量算出部は、前記達成記録部が記録した履歴に基づいて、各需要家ごとにおける当該需要家が選択した節電レベルに応じた目標需要カーブと実際の実績データとの一致度に応じて前記達成電力量を算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の節電管理方法。
【請求項8】
情報収集部が、時間帯、季節又は気候を含む外部情報を収集する情報収集ステップと、
外部情報解析部が、前記情報収集ステップにおいて収集された外部情報について、電力需要の傾向を解析する外部情報解析ステップと、
相関算出部が、前記目標需要カーブ及び前記実際の実績データの一致度と、前記外部情報解析ステップにおいて解析された電力需要の傾向との相関を算出する相関算出ステップと、
需要予測部が、前記外部情報解析ステップで解析された電力需要の傾向、及び前記相関算出部が算出した相関に基づいて、前記目標需要カーブ及び前記実績データの一致度を予測する需要予測ステップと
をさらに含み、
前記需要カーブ生成ステップでは、前記需要予測部が予測した一致度に応じた目標需要カーブを生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の節電管理方法。
【請求項9】
情報出力部が、前記需要予測予測ステップで予測された一致度に応じて生成された目標需要カーブを提示して、需要家側においてレコメンド情報又はアラート情報を出力する情報出力ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の節電管理方法。
【請求項10】
価値情報算定部が、前記達成電力量算出ステップで算出された達成電力量に応じた価値情報を算定する価値情報算定ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の節電管理方法。
【請求項11】
電力の消費単位である需要家内における節電を管理する節電管理プログラムであって、コンピューターを
前記需要家内に設けられ、需要家内において発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成する実績データ生成部と、
前記実績データ生成部から収集された前記実績データを用いて、過去の所定期間における個別消費電力の推移を算定する個別電力算定部と、
前記個別電力算定部により算定された前記所定期間における個別消費電力の推移に基づいて前記所定期間における標準的な消費電力の推移である標準需要カーブを算定するとともに、前記標準需要カーブに基づいて、標準需要カーブとは異なる節電レベルの目標需要カーブを生成する需要カーブ生成部と、
前記標準需要カーブ及び前記目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出する達成電力量算出部
として機能させることを特徴とする節電管理プログラム。
【請求項12】
前記コンピューターを過去の達成電力量の履歴を記録する達成記録部としてさらに機能させ、
前記達成電力量算出部は、前記達成記録部が記録した履歴に基づいて、各需要家ごとにおける当該需要家が選択した節電レベルに応じた目標需要カーブと実際の実績データとの一致度に応じて前記達成電力量を算出する
ことを特徴とする請求項11に記載の節電管理プログラム。
【請求項13】
前記コンピューターを、
時間帯、季節又は気候を含む外部情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部が収集した外部情報について、電力需要の傾向を解析する外部情報解析部と、
前記目標需要カーブ及び前記実際の実績データの一致度と、前記外部情報解析部が解析した電力需要の傾向との相関を算出する相関算出部と、
前記外部情報解析部が解析した電力需要の傾向、及び前記相関算出部が算出した相関に基づいて、前記目標需要カーブ及び前記実績データの一致度を予測する需要予測部
としてさらに機能させ、
前記需要カーブ生成部は、前記需要予測部が予測した一致度に応じた目標需要カーブを生成する
ことを特徴とする請求項12に記載の節電管理プログラム。
【請求項14】
前記コンピューターを、前記需要予測部が予測した一致度に応じて生成された目標需要カーブを提示して、需要家側においてレコメンド情報又はアラート情報を出力する情報出力部としてさらに機能させることを特徴とする請求項13に記載の節電管理プログラム。
【請求項15】
前記コンピューターを、前記達成電力量算出部が算出した達成電力量に応じた価値情報を算定する価値情報算定部としてさらに機能させることを特徴とする請求項11に記載の節電管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力の消費単位ごとに設けられた複数のユーザーシステムにおける電力管理を行って節電を促すことのできる電力管理システム、電力管理方法及び電力管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、送電システムとしては、従来型の送電網に加えて、スマートグリッド(次世代送電網)やスマートコミュニティと呼ばれる電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できるしくみが普及しつつある。従来、このようなスマートグリッドを通じて各需要家における余剰電力を、複数のユーザー間において融通し合うことが可能な電力取引システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような、スマートグリッドでは、各需要家において消費電力や発電量を計測するスマートメーターを通じて、毎月の検針業務の自動化やHEMS(Home Energy Management System:住宅用エネルギー管理システム)等における電気使用状況が管理される。
【0003】
上記従来型の送電システムやスマートグリッドでは、住宅や業務設備などで消費される将来の電力量を予測し、予測した消費電力をモニタに表示して可視化することより、需要者の節電行動に結びつけることができるようにしたり、家電などの電気機器を自動制御して使用状態の最適化を行ったりするシステムの開発が進められている。将来の消費電力を予測することによって、瞬間的或いは局地的に消費電力が増大するのを回避するいわゆるピークカットが可能となる。一方、電力需給調整を行う方法として、火力発電所を中心として太陽光発電や風力発電に代表される再生可能電源を分散電源として組み合わせる方法が普及しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-130021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されたシステムでは、複数の需要家における電力系統の状態変化を収集して解析して各需要家における運転スケジュール(制御情報)を出力するものであることから、各需要家で個別的に節電レベルを設定することが困難である。需要家によって可能な節電レベルやそのインセンティブとなる要因も異なることから、複数の需要家に共通した節電レベルやインセンティブの手法では、有効な節電効果を得ることが難しい。
【0006】
そこで、本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、電力制御に際し、需要家それぞれに適した節電レベルとそのインセンティブを設定することにより、各需要家固有の使用状態に合致した節電を実現できる節電管理システム、節電管理方法及び節電管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、電力の消費単位である需要家内における節電を管理する節電管理システムであって、需要家内に設けられ需要家内において発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成する実績データ生成部と、実績データ生成部から収集された実績データを用いて過去の所定期間における個別消費電力の推移を算定する個別電力算定部と、個別電力算定部により算定された所定期間における個別消費電力の推移に基づいて所定期間における標準的な消費電力の推移である標準需要カーブを算定するとともに標準需要カーブに基づいて標準需要カーブとは異なる節電レベルの目標需要カーブを生成する需要カーブ生成部と、標準需要カーブ及び目標需要カーブと実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長とその時間長に係る電力量を達成電力量として算出する達成電力量算出部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、電力の消費単位である需要家内における節電を管理する節電管理方法であって、
(1)実績データ生成部が、需要家内に設けられ、需要家内において発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成する実績データ生成ステップと、
(2)個別電力算定部が、実績データ生成部から収集された実績データを用いて、過去の所定期間における個別消費電力の推移を算定する個別電力算定ステップと、
(3)需要カーブ生成部が、個別電力算定ステップにより算定された所定期間における個別消費電力の推移に基づいて所定期間における標準的な消費電力の推移である標準需要カーブを算定するとともに、標準需要カーブに基づいて、標準需要カーブとは異なる節電レベルの目標需要カーブを生成する需要カーブ生成ステップと、
(4)達成電力量算出部が、標準需要カーブ及び目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出する達成電力量算出ステップと
を含むことを特徴とする。
【0009】
上記発明において、過去の達成電力量の履歴を記録する達成記録部をさらに備え、達成電力量算出部は、達成記録部が記録した履歴に基づいて、各需要家ごとにおける当該需要家が選択した節電レベルに応じた目標需要カーブと実際の実績データとの一致度に応じて達成電力量を算出することが好ましい。
【0010】
上記発明において、時間帯、季節又は気候を含む外部情報を収集する情報収集部と、情報収集部が収集した外部情報について電力需要の傾向を解析する外部情報解析部と、目標需要カーブ及び実際の実績データの一致度と外部情報解析部が解析した電力需要の傾向との相関を算出する相関算出部と、外部情報解析部が解析した電力需要の傾向、及び相関算出部が算出した相関に基づいて、目標需要カーブ及び実績データの一致度を予測する需要予測部とをさらに備え、需要カーブ生成部は、需要予測部が予測した一致度に応じた目標需要カーブを生成することが好ましい。
【0011】
上記発明において、需要予測部が予測した一致度に応じて生成された目標需要カーブを提示して、需要家側においてレコメンド情報又はアラート情報を出力する情報出力部をさらに備えることが好ましい。また、上記発明において、達成電力量算出部が算出した達成電力量に応じた価値情報を算定する価値情報算定部をさらに備えることが好ましい。
【0012】
なお、上述した本発明に係る節電管理システムや節電管理方法は、所定の言語で記述された本発明の節電管理プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、本発明に係る方法を実施することができる。
【0013】
なお、本発明の節電管理プログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、標準需要カーブ及び目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出することにより、電力制御に際し、需要家それぞれに適した節電レベルとそのインセンティブを設定することができる。
【0015】
このインセンティブとしては、例えば、需要予測部が予測した一致度に応じて生成された目標需要カーブを提示して、需要家側においてレコメンド情報又はアラート情報を出力したり、達成電力量に応じた価値情報を算定し、算定された価値情報に応じたポイントや仮想通貨などをボーナスとして付与するなどが挙げられる。これらの結果、本発明によれば、各需要家固有の使用状態に合致した節電を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る節電管理システムの全体構成を示す概念図である。
図2】実施形態に係るユーザーシステムの機器構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る電力制御端末の内部構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る電力制御端末内に構築される節電管理に関するモジュールを示すブロック図である。
図5】実施形態に係る管理サーバーの内部構成を示すブロック図である。
図6】実施形態に係る節電管理システムの動作を示すフロー図である。
図7】実施形態に係る節電管理システムにおける需要カーブ生成処理の動作を示すフロー図である。
図8】実施形態に係る節電管理システムにおける需要カーブの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る節電管理システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0018】
(節電管理システムの概要)
図1は、本実施形態に係る節電管理システム1のネットワーク構成を示した図である。本実施形態に係る節電管理システムは、電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステム4,4…における電力を管理するシステムであり、各ユーザーシステム4,4…等に設置された実績データ生成部であるスマートメーター41と、インターネットや電話回線、専用回線等を介してスマートメーター41と接続された管理サーバー2とから概略構成される。
【0019】
図1に示すように、本実施形態では、各ユーザーシステム4,4…における電力管理実績を管理サーバー2側で利用できるようにしている。節電管理システム1では、管理サーバー2と、各施設(発電所、PPS、需要家、電力プロシューマ等)に設けられた電力制御部40とが通信ネットワーク3で相互に接続されている。各需要家において外部電力系統には各ユーザーシステム4のスマートメーター41が接続されている。そして、各スマートメーター41が、各ユーザーシステムにおいて各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を需要家ごとに測定して実績データD1を生成し、通信ネットワーク3を通じて、電力制御部40を通じて管理サーバー2側に送信し、管理サーバー2側で実績データD1に基づいてユーザーシステム4,4…内における電力消費を管理する。
【0020】
電力制御端末40は、例えば、CPUを備えた情報処理端末で構成されており、各需要家の他、発電所、PPS、電力プロシューマ、アグリゲーター等の各施設の電力設備を統括的に制御する装置であり、ユーザーシステム内において実績データ生成部であるスマートメーター41よりも電気機器(負荷)側に設置されるとともに、ユーザーシステム内においてスマートメーター41と配電盤45の両方に接続されている。この電力制御端末40が制御する対象設備としては、需要家や電力プロシューマ等の施設内に配備されたユーザーシステム4に含まれるスマートメーター41、蓄電池42、PV(Photovoltaics:太陽光発電)43など、発電や蓄電、電力消費を管理する装置が含まれる。
【0021】
なお、この電力制御端末40が制御対象とする各種装置は、必要に応じて省略することができる。例えば、ユーザーシステム4,4…ではその電力消費がスマートメーター41により測定されるが、需要家によっては発電設備及び蓄電設備を有するものもあれば、発電設備又は蓄電設備のいずれかの設備を有するもの、或いは発電・蓄電設備のいずれも備えずスマートメーター41だけが設けられ電力消費のみを行うものもある。また、電力プロシューマも電力消費をする立場にあるが、太陽光発電や蓄電池を備え、電力を供給する側にも位置することができる。
【0022】
通信ネットワーク3は、インターネットなど通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワーク)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークである。このIP網には、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0023】
(各装置の構成)
次いで、各装置の構成について説明する。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組合せなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0024】
(1)ユーザーシステム4
ユーザーシステム4は、需要家や電力プロシューマが有する電力設備全般であり、電力を消費する単位でもある。需要家とは、電力の供給を受けて使用している電力設備に関する契約単位であり、契約電力が500kW以上の高圧大口需要家、50kW以上500kW未満の高圧小口需要家、一般家庭などの50kW未満の低圧需要家が含まれる。また、ユーザーシステム4は、発電や蓄電の設備を備える場合がある。発電の設備としては、例えば太陽光発電や風力発電等が挙げられる。このユーザーシステム4には、電力制御端末40と、実績データ生成部としてのスマートメーター41とが含まれる。また、電力を消費する設備としては、各種家電製品や工場設備、オフィス機器のみならず、電力制御装置(IoT機器)等の制御装置全般が含まれる。
【0025】
各需要家に設置される電力制御端末40は、需要家のユーザーシステム4内において実績データ生成部であるスマートメーター41よりも電気機器(蓄電池42、PV43,その他負荷441~44n)側に設置され、配電盤45に接続されてユーザーシステム4内で流通される電力に関する電力の電流、電圧、電力波形、周波数等が取得可能となっているとともに、各電気器、ユーザーシステム4(需要家)内に配置されたPV43や蓄電池42の発電や充放電を実際に制御する装置である。具体的に電力制御端末40は、通信機能やCPUを備えた情報処理端末であり、OS或いはファームウェア、各種アプリケーションソフトをインストールすることにより様々な機能が実装可能であり、本実施形態では、アプリケーションをインストールして実行することによって電力管理部として機能する。この情報処理端末としては、パーソナルコンピューターの他、例えば、スマートフォンや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機が含まれる。
【0026】
スマートメーター41は、需要単位であるユーザーシステム内における発電・蓄電・電力消費を統括的に管理する実績データ生成部であり、需要家のユーザーシステム4内において、各需要家での電力消費を計測する他、ユーザーシステム内の他の設備、例えば蓄電池や太陽光発電による蓄電や発電も制御・管理し、需要家において各電力使用期間中に発電、蓄電又は消費した電力量を測定して実績データD1を生成し、定期的に電力制御端末40を経由して管理サーバー2に送出する。この実績データD1の送信は、通信ネットワーク3や電話回線、専用回線等を通じて管理サーバー2に対して行われる。なお、本実施形態では、実績データ生成部としてスマートメーター41を用いるが、本発明はこれに限定されず、例えば、電力制御端末40や、需要家内に配置された各種家電製品、工場設備、オフィス機器など、電力制御装置(IoT機器)等の制御装置を備えて自機の状態を実績データとして通信ネットワークに送信する機能を有する電子機器全般が含まれる。
【0027】
(2)管理サーバー2の構成
管理サーバー2は、節電管理サービスの提供業者が管理運用するサーバー装置であり、図5に示すように、ユーザー管理部22と、通信インターフェース23と、データ管理部24、需要管理部25と、外部情報管理部26と、個別サービス実行部27とを備えている。
【0028】
通信インターフェース23は、通信ネットワーク3を通じて、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、本実施形態では、本サービスを提供するために各電力制御端末40及びスマートメーター41、及び外部情報源5に接続されている。
【0029】
ユーザー管理部22は、本システムにより提供される節電サービスの利用者であるユーザーに関する情報を管理するモジュール群であり、本実施形態では、ユーザーデータベース21bと、認証部22aと、会員登録部22bとを備えている。ユーザーデータベース21bは、各需要家のユーザーや、アグリゲーター等の業者に関する情報を蓄積する記憶装置である。また、認証部22aは、節電管理に係るアクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、通信ネットワーク3を通じてアクセス者の端末装置からユーザーID及びパスワードを取得し、ユーザーデータベース21bを照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が契約者であるか否かなどを確認する。
【0030】
また、会員登録部22bは、会員登録用のWebページなどのユーザーインターフェースに対する入力操作に基づいて、利用者に対する会員登録を受け付けるモジュールであり、利用者の氏名、住所、電話番号、決済情報の他、認証部22aにおける認証処理に必要なIDやパスワード等をユーザー情報として取得する。そして、会員登録部22bで受け付けたユーザー情報は、ユーザーデータベース21bに蓄積される。
【0031】
外部情報管理部26は、通信ネットワーク3上に分散配置された各外部情報源5から情報を収集するモジュール群である。具体的に外部情報管理部26は、外部情報データベース21aと、データ蓄積制御部26aと、外部情報解析部26bと、情報収集部26cとを備えている。
【0032】
外部情報データベース21aは、収集された外部情報を分類して蓄積する記憶装置であり、各外部情報と、その種別や時間情報、キーワード等の付加情報とを紐付けて蓄積する。
【0033】
情報収集部26cは、通信ネットワーク3上に分散配置された外部情報源5から外部情報(電力市場における価格変動、気象情報、気候情報その他の外部環境情報等)を収集するモジュールである。この情報収集部26cは、いわゆるクローリング処理によって通信ネットワーク3上の外部情報源を巡回して、定期的に所定の情報を収集する他、関連するキーワードによって通信ネットワーク上の情報源を検索し、突発的なニュースや気象変動も収集し、これらの情報をビッグデータとして蓄積する機能も備えている。この情報収集部26cによって収集された情報はデータ蓄積制御部26aを通じて外部情報データベース21aに蓄積される。
【0034】
データ蓄積制御部26aは、情報収集部26cが収集したデータ、及び外部情報解析部26bが解析した情報を分類して外部情報データベース21aに蓄積するモジュールであり、収集された各外部情報と、その種別や時間情報、キーワード等の付加情報とを紐付けて外部情報データベース21aに蓄積するとともに、キーワード等の付加情報等に基づいて各外部情報に検索用のインデックスを付与して蓄積する。また、データ蓄積制御部26aは、需要管理部25などの他のモジュールからの検索要求に応じて外部情報データベース21aを検索し、検出された情報を返す機能も備えている。例えば、データ蓄積制御部26aは、需要管理部25の需要予測部25bなどからの検索要求に応じて、要求に係る情報を検索して返答し、需要予測部25bに返答された情報は需要予測に供される。
【0035】
データ管理部24は、各需要家から実績データD1を収集し解析するモジュールであり、実績管理データベース21cと、実績データ収集部24bと稼動電気機器特定部24aとを備えている。
【0036】
実績管理データベース21cは、発電所や需要家、アグリゲーター等の電力の授受に関係する者による実績データを収集し蓄積して管理する記憶装置である。各スマートメーターから受信した各実績データは、この実績管理データベースに蓄積され、個別サービス実行部27における個別電力の算定、及び需要管理部25における相関算出の用に供される。
【0037】
実績データ収集部24bは、実績データ生成部であるスマートメーター41から電力制御部40を通じて実績データD1を収集するモジュールであり、収集された実績データD1は、実績管理データベース21cに蓄積される。
【0038】
稼動電気機器特定部24aは、スマートメーター41によって需要家単位で測定された実績データD1を分析して、需要家内で稼動している個別機器とその消費電力である個別消費電力とを推定するモジュールである。また、この稼動電気機器特定部24aは、生成した推定結果の履歴である推定履歴情報D2を、特定の期間を表す情報と関連付けて実績管理データベース21cに記憶する。
【0039】
ここで、仮想した個別機器とは、住宅内に実際に存在する電気機器の1つ1つであってもよく、推定分解電力の大きさに対応した仮想上の電気機器であってもよい。例えば、総電力測定装置300により測定された総消費電力がある周期において50W上昇している場合、50Wの消費電力を有する電気機器(具体的な機器を特定する必要はない)が稼動したと分析する。また、スマートメーター41により測定された総消費電力がある周期において100W下降している場合、100Wの消費電力を有する電気機器が停止したと分析する。すなわち、この場合における仮想した個別機器とは、推定分解電力50Wの電気機器、推定分解電力100Wの電気機器をいう(以下、これらを個別機器[50W]、個別機器[100W]などと表記する)。
【0040】
また、分析の対象とする特定の期間とは、個別住宅での電気機器の使用パターン(1日の使用パターン、週間の使用パターンなど)をカバーする期間であり、例えば、季節ごとに3~7日周期とするなどが挙げられる。また、電源状態パラメータを算出する所定の時間単位とは、1日を複数の時間帯に分けたものであり、例えば、家庭内の1日の電力使用パターンを考慮して、朝、昼、夕方、夜の4個の時間帯とすることが可能である。なお、これは一例に過ぎない。例えば、所定の時間単位を1時間としてもよいし、それより短い時間単位としてもよい。或いは、所定の時間単位を1日よりも長い単位、例えば数日としてもよい。要は、どのくらいの粒度で将来の総消費電力を予測したいかに応じて、所定の時間単位を決めればよい。
【0041】
さらに稼動電気機器特定部24aは、実績データD1から算出される総消費電力に対し、機器リストT1を利用して、各個別機器の電源オン状態を推定する。また、稼動電気機器特定部24aは、各需要家単位で得られた総消費電力に対して機器リストを適用することにより、実時間の総消費電力から予測開始時点での個別機器の稼動台数を推定する。
【0042】
需要管理部25は、情報収集部26cが収集した外部情報について、電力需要の傾向を解析するモジュール群であり、相関算出部25aと、需要予測部25bとを備えている。
【0043】
相関算出部25aは、目標需要カーブ及び実際の実績データの一致度と、外部情報解析部26bが解析した電力需要の傾向との相関を算出するモジュールである。
【0044】
需要予測部25bは、外部情報解析部26bが解析した電力需要の傾向、及び相関算出部25aが算出した相関に基づいて、目標需要カーブ及び実績データの将来的な一致度を予測するモジュールである。
【0045】
個別サービス実行部27は、各需要家に対する節電サービスを個別的に実施するモジュール群であり、本実施形態では、達成記録データベース21eと、個別電力算定部27aと、需要カーブ生成部28と、提示情報生成部27bと、情報出力制御部27cと、達成電力量算出部27dと、価値情報算定部27eとを備えている。
【0046】
達成記録データベース21eは、過去の達成電力量の履歴を記録する記憶装置である。個別電力算定部27aは、実績データ生成部から収集された実績データD1を用いて、需要家ごとの、過去の所定期間における個別消費電力の推移を算定するモジュールである。
【0047】
需要カーブ生成部28は、個別電力算定部により算定された所定期間における個別消費電力の推移に基づいて所定期間における標準的な消費電力の推移である標準需要カーブを算定するとともに、標準需要カーブに基づいて、標準需要カーブとは異なる節電レベルの目標需要カーブを生成するモジュールであり、本実施形態では、需要予測部25bが予測した一致度に応じた目標需要カーブを生成する。
【0048】
提示情報生成部27bは、ユーザーに向けて提示される提示情報を生成するモジュールであり、ここで生成された提示情報は、情報出力制御部27cを通じて需要家側に送信され、需要家側に備えられたディスプレイ等の出力デバイスを通じて表示又は出力される。
【0049】
ここで生成される提示情報としては、目標需要カーブの達成に対して協力すべく出力・表示される目標需要カーブやレコメンド情報、アラートの他、蓄電池を備えた需要家であれば蓄電池制御情報が含まれる。レコメンド情報又はアラートとしては、節電を要請するメッセージや具体的な家電機器の操作(オン又はオフ)に関する情報などが挙げられ、例えば、需要家との契約やユーザーの設定に従って、節電レベルに応じて「いつも通りの利用形態でも達成可能」、「無理なく達成可能」或いは「無理すれば達成可能」などのメッセージを提示する。また、節電要請通りに需要カーブが形成されれば、価値情報算定ステップで算定された価値情報をボーナスとして付与する旨の情報や、蓄電池に充電された電力量相当分の電力料を無償としたり割引したり、ポイントを還元したりなどの特典情報を表示して、インセンティブを喚起させるようにしてもよい。
【0050】
情報出力制御部27cは、需要予測部が予測した一致度に応じて生成された目標需要カーブを提示して、需要家側においてレコメンド情報又はアラート情報を出力するモジュールである。また、この情報出力制御部27cは、出力したレコメンド情報またはアラート情報について、当該需要家のユーザーが所望する節電レベルを選択する入力信号を受け付ける機能を備えている。本実施形態では、節電レベルを普段と同程度のレベルである「ソフト」、無理なく達成できるレベルである「ミドル」及び無理すれば達成できるであろうレベルとして「ハード」の3種類が選択可能となっている。
【0051】
達成電力量算出部27dは、標準需要カーブ及び目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出するモジュールであり、本実施形態では、達成記録データベース21eが記録した履歴に基づいて、各需要家における当該需要家が選択した節電レベルに応じた目標需要カーブと実際の実績データとの一致度に応じて達成電力量を算出する。具体的には、情報出力制御部27cが、需要家のユーザーが選択した節電レベルを受け付け、その受け付けた節電レベルに応じて目標需要カーブを設定し、設定された目標需要カーブと実際の実績データとの一致度に応じて達成電力量を算出する。
【0052】
価値情報算定部27eは、達成電力量算出部が算出した達成電力量に応じた価値情報を算定するモジュールである。この価値情報としては、例えば、管理サーバー側からの節電要請通りに需要カーブが形成されることにより達成された節電量相当分の電力料や、蓄電池に充電された電力量相当分の電力料などの価額が含まれ、この算定された価値情報に従って、その価額分をボーナスとして無償としたり割引したり、ポイントとして還元したりするなどのインセンティブが付与される。このボーナスとしては、例えば、PPSやアグリゲータなどが要望するタイミングで目標需要カーブ通りに需要カーブが形成された場合、もしくはPPSやアグリゲータが要望するタイミングかつ節電要請に応じた需要カーブが形成された場合などに提供することができ、例えば蓄電池の充電に要した相当分を月々の電気料金から控除する方式や、インセンティブとして、月ごとにまとめて商品券やポイントを付与する方式が挙げられる。
【0053】
(3)電力制御端末40
具体的に電力制御端末40は、図3に示すように、CPU402と、メモリ403と、入力インターフェース404と、ストレージ401と、出力インターフェース405と、通信インターフェース406とを備えている。なお、本実施形態では、これらの各デバイスは、CPUバス400を介して接続されており、相互にデータの受渡しが可能となっている。
【0054】
メモリ403及びストレージ401は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す記憶装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。特に、本実施形態においてストレージ401は個別機器推定部である稼動電気機器特定部402dによる推定結果に基づいて個別機器の電源の状態を時系列で記録した推定履歴情報D2を記録するデータ記録部としての機能を果たすとともに、需要家内において実際に消費された電力に関する実消費電力情報D5を需要家内側で蓄積する実消費電力蓄積部としての機能も果たしている。
【0055】
入力インターフェース404は、ユーザーシステム内に設置された各設備から制御信号を受信するモジュールであり、受信された制御信号はCPU402に伝えられ、OSや各アプリケーションによって処理される。他方、出力インターフェース405は、ユーザーシステム内に設置された各設備へ制御信号を出力するモジュールである。かかるユーザーシステム内に設置される各設備は、その需要家やプロシューマなどの形態によって異なり、例えば、需要家では、電力消費についてはスマートメーター41により測定され、発電・蓄電については、太陽光発電及び蓄電設備の両方を有するものもあれば、太陽光発電又は蓄電池のいずれかの設備を有するもの、発電・蓄電設備のいずれも備えないものもある。また、プロシューマでは、電力消費をスマートメーター41により計測し、太陽光発電(PV)42や蓄電池42に対する制御信号が入出力される。
【0056】
通信インターフェース406は、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、通信方式としては、例えば、電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークが含まれる。
【0057】
CPU402は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU11上に仮想的に各種モジュールを構築する。このCPU402上では、OS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによって各電力制御端末40の基本的な機能が管理・制御されている。また、このOS上では種々のアプリケーションが実行可能になっており、CPU402でOSプログラムが実行されることによって、種々の機能モジュールがCPU上に仮想的に構築される。
【0058】
本実施形態では、CPU402上でブラウザソフトを実行することによって、このブラウザソフトを通じて、システム上の情報を閲覧したり、情報を入力したりできるようになっている。詳述すると、このブラウザソフトは、Webページを閲覧するためのモジュールであり、通信ネットワーク3を通じて管理サーバー2からHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。このブラウザソフトにより、フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバーに送信したり、JavaScript(登録商標)やFlash、及びJava(登録商標)などで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能であり、このブラウザソフトを通じて、各ユーザーは、管理サーバー2が提供する節電管理サービスを利用することができる。
【0059】
図4に示すように、CPU402上には、入力インターフェース404を通じて需要家内の負荷441~44nの稼動状況を検出するための実消費電力管理モジュールとして、総電力使用量取得部402aと、電力波形情報取得部402bと、時間変動算出部402cとを備えている。また、需要家内で稼動中の電気機器を特定して、消費電力の予測を行うためのモジュールとして、稼動電気機器特定部402dと、尤度推定部402eと、電力予測部402fとを備えている。また、電力予測部402fに対して機械学習を行わせるためのモジュールとして、学習部402gを有している。そして、需要家に配置されたPV43や蓄電池42の発電や充放電を実際に制御するモジュールとして充放電制御部402hを備えている。
【0060】
総電力使用量取得部402aは、入力インターフェース404を介し、分電盤45に接続されてユーザーシステム4内で流通される電力に関する電力の電流、電圧等を計測し取得するモジュールであり、電力波形情報取得部402bは、分電盤45を通じてユーザーシステム4内で流通される電力に関する電力の波形や周波数を計測し取得するモジュールである。時間変動算出部402cは、総電力使用量取得部402aで計測された総消費電力の時間的変動を算出するモジュールである。総電力使用量取得部402a,電力波形情報取得部402b及び時間変動算出部402cによって、実消費電力蓄積部である実消費電力管理モジュールが構成され、総電力使用量取得部402a,電力波形情報取得部402b及び時間変動算出部402cによって得られた各種情報は、実際に消費された電力に関する実消費電力情報D5としてストレージ401に蓄積される。この実消費電力情報D5は、推定履歴情報D2とともに電力予測部402fの人工知能を学習させる教師データとして用いられる。
【0061】
稼動電気機器特定部402dは、需要家内において実績データ生成部であるスマートメーター41よりも電気機器(負荷)側に設置され、スマートメーター41によって需要家単位で測定され、時間変動算出部402cで算出された総消費電力の時間的変動を分析して、需要家内で稼動している個別機器とその消費電力である個別消費電力とを推定する個別機器推定部としての機能を果たすモジュールである。また、稼動電気機器特定部402dは、生成した推定結果の履歴である推定履歴情報D2を、特定の期間を表す情報と関連付けてストレージ401に記憶する。この稼動電気機器特定部402dによる推定の尤度については、尤度推定部402eによって検証される。
【0062】
ここで、仮想した個別機器とは、住宅内に実際に存在する電気機器の1つ1つであってもよく、推定分解電力の大きさに対応した仮想上の電気機器であってもよい。例えば、総電力測定装置300により測定された総消費電力がある周期において50W上昇している場合、50Wの消費電力を有する電気機器(具体的な機器を特定する必要はない)が稼動したと分析する。また、スマートメーター41により測定された総消費電力がある周期において100W下降している場合、100Wの消費電力を有する電気機器が停止したと分析する。すなわち、この場合における仮想した個別機器とは、推定分解電力50Wの電気機器、推定分解電力100Wの電気機器をいう(以下、これらを個別機器[50W]、個別機器[100W]などと表記する)。
【0063】
また、分析の対象とする特定の期間とは、個別住宅での電気機器の使用パターン(1日の使用パターン、週間の使用パターンなど)をカバーする期間であり、例えば、季節ごとに3~7日周期とするなどが挙げられる。また、電源状態パラメータを算出する所定の時間単位とは、1日を複数の時間帯に分けたものであり、例えば、家庭内の1日の電力使用パターンを考慮して、朝、昼、夕方、夜の4個の時間帯とすることが可能である。なお、これは一例に過ぎない。例えば、所定の時間単位を1時間としてもよいし、それより短い時間単位としてもよい。或いは、所定の時間単位を1日よりも長い単位、例えば数日としてもよい。要は、どのくらいの粒度で将来の総消費電力を予測したいかに応じて、所定の時間単位を決めればよい。
【0064】
さらに稼動電気機器特定部402dは、総電力使用量取得部402aにより取得され総消費電力に対し、ストレージ401に記憶された機器リストT1を利用して、各個別機器の電源オン状態を推定する。また、稼動電気機器特定部402dは、総電力使用量取得部402aにより取得された総消費電力に対して機器リストを適用することによって、実時間の総消費電力から予測開始時点での個別機器の稼動台数を推定する。
【0065】
電力予測部402fは、学習部402gにより生成された学習データを用いて、将来の予測したい期間(予測期間)における個別機器の消費電力(以下、個別消費電力という)を予測するモジュールである。
【0066】
詳述すると、電力予測部402fは、仮想した個別機器とその消費電力である個別消費電力とを推定することによって機器リストT1を得るとともに、この機器リストT1を用いて個別機器の稼動台数を推定し、この推定結果をもとに個別機器の電源の状態を表す電源状態パラメータを所定の時間単位で算出することにより、個別機器の消費電力に関する学習データを生成する。また、電力予測部402fは、ストレージ401に記録された推定履歴情報D2を用いて、実時間で測定された総消費電力について実時間の総消費電力から予測開始時点での個別機器の稼動台数を推定するとともに、予測期間に対応する期間の電源状態パラメータを用いて、予測開始時点からの予測期間における個別消費電力の推移を予測する個別電力予測部としての機能も果たす。
【0067】
さらに、電力予測部402fは、総電力使用量取得部402a及び電力波形情報取得部402bにより実時間で測定された総消費電力及び電力波形等に対して、時間変動算出部402cによりこれらの時間変動を算出させる。そして、予測期間に対応する期間に関してストレージ401に記憶された機器リストT1(仮想した個別機器とその個別消費電力)を適用することによって、実時間の総消費電力から予測開始時点での個別機器の稼動台数を推定する。そして、電力予測部402fは、予測期間に対応する期間について電源状態パラメータを用い、上記予測開始時点からの予測期間における個別消費電力の推移を予測する。
【0068】
また、本実施形態において電力予測部402fは、稼動電気機器特定部402dにより予測された予測期間における個別消費電力の推移をもとに、当該予測期間における総消費電力の推移を予測する。具体的には、電力予測部402fは、稼動電気機器特定部402dにより予測された予測期間の各時刻における個別消費電力をそれぞれの時刻ごとに合計することにより、当該予測期間における総消費電力の推移を予測する。
【0069】
充放電制御部402hは、出力インターフェース405を通じてPV43や蓄電池42に対して発電や充放電を制御する他、例えば、電力予測部402fにより予測された総消費電力をユーザーに通知する機能も備えている。又は、電力予測部402fにより予測された総消費電力がしきい値を超える場合に、どの時間帯にどの程度しきい値を超えるかの情報を含めて、警告メッセージを通知するようにしてもよい。
【0070】
(節電管理システムの動作)
以上説明した節電管理システムを動作させることによって、本発明の節電管理方法を実施することができる。図6は節電管理システムの動作を示すフロー図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0071】
図6に示すように、需要家側のユーザーシステム4内では、常時、システム内で発電、蓄電又は消費されている電力を計測している(S101)。この電力の計測では、電力波形の時間的変動も計測され、随時記録されている。一方、管理サーバー側では、この需要家側での消費電力計測に併せて、外部情報の収集及び分類を常時行っている。そして、周期的に、或いは所定量の情報が蓄積され次第、収集・分類された外部情報を外部情報データベース21aに蓄積する。
【0072】
次いで、稼動電気機器特定部402dが、需要家単位で測定された総消費電力の時間的変動を分析して、ユーザーシステム4内で稼動している電気機器を特定するとともに、その特定された電気機器の種別、及びその時間帯(日時や年月日等を含む)と、その消費電力である個別消費電力とを推定する(S102)。この推定履歴情報を用いて、実時間で測定された総消費電力に関し、実時間の総消費電力から予測開始時点での個別機器の稼動台数を推定する。このとき、稼動電気機器特定部402dは、スマートメーター41で計測された電力波形及びその時間的な変化を分析し、周波数成分及び電力の変動パターンの特性を抽出することによって、稼動している個別機器とその消費電力である個別消費電力及びその継続時間を推定する。
【0073】
そして、スマートメーター41による計測結果及び特定された電気機器に関する情報は集積されて実績データD1として生成され、各ユーザーシステムからそれぞれ管理サーバー2へ送信され(S103)、管理サーバー2にて収集される(S201)。
【0074】
次いで、予測期間に対応する期間の電源状態パラメータを用いて、予測開始時点からの予測期間における個別消費電力の推移を算定するとともに、稼動電気機器特定部402dにより予測された予測期間における個別消費電力の推移に基づいて予測期間における総消費電力の推移を算定する(S202)。また、この稼動電気機器特定部402dによる算定結果に基づいて、標準需要カーブを算定するとともに、目標需要カーブを生成する(S203)。
【0075】
具体的には、図8に示すように、普段の電気の使用状況からその日の天候・曜日から標準需要カーブC0を作成し、この標準需要カーブに基づいて、標準需要カーブとは異なる節電レベルの目標需要カーブC1~C3を生成する。例えば、同図に示すように、節電レベルに応じた節電可能範囲を想定し、推奨する節電レベルを設定した上でユーザーが選択可能に提示する。本実施形態では、節電レベルを普段と同程度のレベルである「ソフト」、無理なく達成できるレベルである「ミドル」及び無理すれば達成できるであろうレベルとして「ハード」の3種類が選択可能となっている。そして、選択した節電レベルの目標需要カーブを達成(例えばプラスマイナス5%以内)できたらボーナスを付与するなどの特典が用意されている。
【0076】
この標準需要カーブの算定及び目標需要カーブの生成について詳述すると、図7に示すように、管理サーバーにおいて外部情報の収集及び分類する情報収集ステップを常時行っている(S301)。この収集された外部情報については、周期的に、或いは所定量の情報が蓄積され次第、収集・分類された外部情報を外部情報データベース21aに蓄積している。
【0077】
次いで、電力需要の傾向を解析する外部情報解析ステップを実行する(S302)。この外部情報解析ステップでは、外部情報解析部26bが、情報収集ステップにおいて収集された外部情報に基づいて、電力需要の傾向を解析する。その後、達成電力量算出部27dが算出し記録した過去の標準需要カーブ及び目標需要カーブを参照し、過去の標準需要カーブ及び目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として取得する(S303)。
【0078】
そして、相関算出部25aにおいて、目標需要カーブ及び実際の実績データの一致度と、外部情報解析ステップにおいて解析された電力需要の傾向との相関を算出する相関算出ステップを実行する(S304)。この相関算出ステップと合わせて、需要予測ステップを実行する(S305)。この需要予測ステップでは、需要予測部25bが、外部情報解析ステップで解析された電力需要の傾向、及び前記相関算出部が算出した相関に基づいて、目標需要カーブ及び実績データの一致度を予測する。その後、このように需要予測部25bが予測した一致度に応じた目標需要カーブを生成する需要カーブ生成ステップを実行する(S306)。
【0079】
このようにして生成された標準需要カーブ及び目標需要カーブに基づいて、価値情報算定ステップ及び提示情報生成ステップを実行する(S204)。具体的に、価値情報算定ステップでは、価値情報算定部27eが、達成電力量算出ステップで算出された達成電力量に応じた価値情報を算定するとともに、提示情報生成ステップでは、情報出力制御部27cによって、需要予測予測ステップで予測された一致度に応じて生成された目標需要カーブと合わせて、節電のレコメンド情報又はアラート情報を提示情報として生成する。また、この提示情報には、価値情報算定ステップで算定された仮想通貨の価額などの価値情報を含めてもよい。
【0080】
ここで生成される提示情報としては、目標需要カーブの達成に対して協力すべく出力・表示される目標需要カーブやレコメンド情報、アラートの他、蓄電池を備えた需要家であれば蓄電池制御情報が含まれる。レコメンド情報又はアラートとしては、節電を要請するメッセージや具体的な家電機器の操作(オン又はオフ)に関する情報などが挙げられ、例えば、需要家との契約やユーザーの設定に従って、節電レベルに応じて「いつも通りの利用形態でも達成可能」、「無理なく達成可能」或いは「無理すれば達成可能」などのメッセージを提示する。
また、節電要請通りに需要カーブが形成されれば、価値情報算定ステップで算定された価値情報をボーナスとして付与する旨の情報や、蓄電池に充電された電力量相当分の電力料を無償としたり割引したり、ポイントを還元したりなどの特典情報を表示して、インセンティブを喚起させるようにしてもよい。このボーナスとしては、例えば、PPSやアグリゲータなどが要望するタイミングで目標需要カーブ通りに需要カーブが形成された場合、もしくはPPSやアグリゲータが要望するタイミングかつ節電要請に応じた需要カーブが形成された場合などに提供することができ、例えば蓄電池の充電に要した相当分を月々の電気料金から控除する方式や、インセンティブとして、月ごとにまとめて商品券やポイントを付与する方式が挙げられる。
【0081】
その後、情報出力制御部27cによって、需要家側に提示情報及び電力制御情報を送信するとともに、需要家側において目標需要カーブを提示するとともに、レコメンド情報又はアラート情報を出力したり、必要に応じて電力制御を実行する(S205及びS104)。また、この情報出力ステップでは、価値情報算定ステップで算定された仮想通貨の価額などの価値情報を提示するようにしてもよい。
次いで、この情報出力制御部27cによって出力されたレコメンド情報またはアラート情報について、当該需要家のユーザーに対し、所望する節電レベルを選択させ、その選択をする入力信号を受け付ける(S105)。そして、選択された節電レベルに応じて達成電力量を算出する達成電力量算出ステップを実行する(S206)。この達成電力量算出ステップでは、需要家のユーザーが選択した節電レベルに応じて目標需要カーブを設定し、達成電力量算出部27dが、過去の標準需要カーブもしくは設定された目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、設定された目標需要カーブと実際の実績データとの一致度に応じ、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出する。
【0082】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、標準需要カーブ及び目標需要カーブと、実際の実績データとを比較して、各需要カーブを上回った又は下回った時間長と、その時間長に係る電力量を達成電力量として算出することにより、電力制御に際し、需要家それぞれに適した節電レベルとそのインセンティブを設定することができる。
【0083】
特に、本実施形態ではインセンティブとして、目標需要カーブを提示するとともに、例えば、節電レベルに応じた節電を要請するメッセージや具体的な家電機器の操作(オン又はオフ)に関する情報、節電要請通りに需要カーブが形成された際のボーナス、充電量相当分の特典情報を表示する。これらの結果、本実施形態によれば、各需要家固有の使用状態に合致した節電を実現できる。
【0084】
なお、本実施形態では、総消費電力の時間変動や、電力波形(周波数)を計測して分析し、ユーザーシステム内で稼動している個別機器とその消費電力を推定し、それぞれの個別機器の特性に基づいて、その後の総消費電力を予測して、目標需要カーブを生成する。これにより本実施形態によれば、スマートグリッドを利用した電力制御や、個別住宅又は小規模ビルなどの小単位の施設で消費される将来の電力の予測精度をローカル側で電力制御端末を使い自立的に行わせて、各需要家に個別的且つ短期的に生じる各需要家固有の状態変化をカバーした、節電を実施できる。
【0085】
また、個別機器の推定履歴や、総消費電力の予測については、外部情報との相関も分析し、周波数成分及び電力の変動パターンの特性を抽出することによって、稼動している個別機器とその消費電力である個別消費電力とを推定し、機械学習を通じて次の予測処理に反映させることから、各需要家に固有の電力の消費パターンに応じて個別的な電力制御を実現することができ、さらに予測の精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0086】
D1…実績データ
D2…推定履歴情報
D5…実消費電力情報
T1…機器リスト
1…節電管理システム
2…管理サーバー
3…通信ネットワーク
4,4…ユーザーシステム
5…外部情報源
11…CPU
21a…外部情報データベース
21b…ユーザーデータベース
21c…実績管理データベース
21d…需給類型データベース
21e…達成記録データベース
22…ユーザー管理部
22a…認証部
22b…会員登録部
23…通信インターフェース
24…データ管理部
24a…稼動電気機器特定部
24b…実績データ収集部
25…需要管理部
25a…相関算出部
25b…需要予測部
26…外部情報管理部
26a…データ蓄積制御部
26b…外部情報解析部
26c…情報収集部
27…個別サービス実行部
27a…個別電力算定部
27b…提示情報生成部
27c…情報出力制御部
27d…達成電力量算出部
27e…価値情報算定部
28…需要カーブ生成部
40…電力制御部
41…スマートメーター
42…蓄電池
43…PV
45…分電盤
300…総電力測定装置
400…CPUバス
401…ストレージ
402…CPU
402a…総電力使用量取得部
402b…電力波形情報取得部
402c…時間変動算出部
402d…稼動電気機器特定部
402e…尤度推定部
402f…電力予測部
402g…学習部
402h…充放電制御部
403…メモリ
404…入力インターフェース
405…出力インターフェース
406…通信インターフェース
441~44n…負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8