(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074266
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】複合型入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 25/04 20060101AFI20230522BHJP
H01H 25/00 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
H01H25/04 A
H01H25/00 E
H01H25/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187132
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】洪 ▲みん▼▲そく▼
(72)【発明者】
【氏名】崔 東▲みん▼
【テーマコード(参考)】
5G031
【Fターム(参考)】
5G031AS10J
5G031AS10K
5G031AS10N
5G031AS10P
5G031AS23F
5G031AS23H
5G031HU02
5G031HU13
5G031HU53
5G031HU95
5G031KS03
5G031KS57
5G031QS02
5G031RS04
5G031RS24
5G031RS32
(57)【要約】
【課題】実装面積の小さい複合型入力装置を実現すること。
【解決手段】複合型入力装置は、回転操作を検出する第1検出部と、傾倒操作を検出する第2検出部と、回転操作の回転中心軸に対して垂直に設けられる基板と、を備え、基板に垂直な方向から平面視した時、第1検出部は、回転操作の回転中心軸と基板との交点を中心とし、第2検出部の中心から最も遠くに位置する外縁部を通る仮想円よりも内側に配置される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作を検出する第1検出部と、
傾倒操作を検出する第2検出部と、
前記回転操作の回転中心軸に対して垂直に設けられる基板と、を備え、
前記基板に垂直な方向から平面視した時、前記第1検出部は、前記回転操作の回転中心軸と前記基板との交点を中心とし、前記第2検出部の前記中心から最も遠くに位置する外縁部を通る仮想円よりも内側に配置される
ことを特徴とする複合型入力装置。
【請求項2】
前記第1検出部は、
操作者からの前記回転操作によって回転する第1部材と、
前記基板に設けられ、前記第1部材が遷移した時にON/OFFされる第1接点と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の複合型入力装置。
【請求項3】
前記第2検出部は、
操作者からの前記傾倒操作によって傾倒する第2部材と、
前記基板に設けられ、前記第2部材が遷移した時にON/OFFされる第2接点と、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の複合型入力装置。
【請求項4】
前記第2接点は前記基板の一方の側の面に設けられ、
前記第1接点は前記基板の他方の側の面に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の複合型入力装置。
【請求項5】
押圧操作を検出する第3検出部をさらに備える
ことを特徴とする請求項4に記載の複合型入力装置。
【請求項6】
前記第3検出部は、
操作者からの前記押圧操作によってスライドする第3部材と、
前記基板に設けられ、前記第3部材が遷移した時にON/OFFされる第3接点と、を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の複合型入力装置。
【請求項7】
前記第3接点は前記基板の前記一方の側の面に設けられる
ことを特徴とする請求項6に記載の複合型入力装置。
【請求項8】
前記基板は、貫通孔を有し、
前記第1部材は、前記貫通孔に挿通される挿通部を有し、当該挿通部において、前記第1接点をON/OFFする
ことを特徴とする請求項2に記載の複合型入力装置。
【請求項9】
前記基板に垂直な方向から平面視した時、前記貫通孔は、前記仮想円よりも内側に設けられる
ことを特徴とする請求項8に記載の複合型入力装置。
【請求項10】
前記基板に垂直な方向から平面視した時、前記貫通孔は、前記第1部材の前記回転中心軸を中心とする円弧形状を有する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の複合型入力装置。
【請求項11】
筐体をさらに備え、
前記第2部材は、球面形状を有し前記筐体に摺接する外表面を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の複合型入力装置。
【請求項12】
前記第3部材は、透光性を有するライトガイドである
ことを特徴とする請求項6または7に記載の複合型入力装置。
【請求項13】
前記第1部材と前記第2部材とのうち一方は、前記第1部材の前記回転中心軸を中心とする円周に沿って設けられた周方向から見た時、凹んだ円弧形状を有する回転被支持部を有し、
前記第1部材と前記第2部材とのうち他方は、前記回転被支持部の前記円弧形状と係合される突出した球面形状を有する回転支持部を有し、
前記第1部材と前記第2部材とは、前記回転支持部が前記回転被支持部に係合されて、互いに前記回転中心軸と平行な方向への相対移動が規制され、かつ前記周方向への相対移動が可能に接続される
ことを特徴とする請求項3に記載の複合型入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合型入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、傾倒操作、回転操作、および押圧操作の入力を受け付けるノブを備えた複合操作型電気部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回転入力の検出を行うための部材(環状回転体、及び、回転動作検出用センサー)がノブと一緒に傾倒する部材(外軸)よりも外側に設けられているため、特許文献1の複合操作型電気部品は実装面積が大きい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る複合型入力装置は、回転操作を検出する第1検出部と、傾倒操作を検出する第2検出部と、回転操作の回転中心軸に対して垂直に設けられる基板と、を備え、基板に垂直な方向から平面視した時、第1検出部は、回転操作の回転中心軸と基板との交点を中心とし、前記第2検出部の中心から最も遠くに位置する外縁部を通る仮想円よりも内側に配置される。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態によれば、実装面積の小さい複合型入力装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る複合型入力装置の外観斜視図
【
図2】一実施形態に係る複合型入力装置の分解斜視図
【
図3】一実施形態に係る複合型入力装置(筐体の図示を省略した状態)の外観斜視図
【
図4】一実施形態に係る複合型入力装置の斜視断面図
【
図5】一実施形態に係る複合型入力装置が備える押圧検出機構の構成を示す図
【
図6】一実施形態に係る複合型入力装置が備える回転検出機構の構成を示す図
【
図7】一実施形態に係る複合型入力装置が備える回転検出機構の構成を示す図
【
図8】一実施形態に係る複合型入力装置が備える基板の平面図
【
図9】一実施形態に係る複合型入力装置が備える傾倒検出機構の構成を示す外観斜視図
【
図10】一実施形態に係る複合型入力装置が備える傾倒検出機構の構成を示す平面図
【
図11】一実施形態に係る複合型入力装置が備えるホルダとアクチュエータとの嵌合構成を説明するための図
【
図12】一実施形態に係る複合型入力装置を、回転中心軸を通る平面で切断した斜視断面図
【
図13】(a)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブの斜視図、(b)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブの分解図
【
図14】一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブの下方図
【
図15】(a)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブとホルダとアクチュエータとを組立てる組立工程を説明する図、(b)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブとホルダとアクチュエータとを組立てた構成の上方斜視図、(c)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブとホルダとアクチュエータとを組立てた構成の下方斜視図
【
図16】一実施形態に係る複合型入力装置が備えるホルダの斜視図
【
図17】一実施形態に係る複合型入力装置が備えるホルダの上方図
【
図18】一実施形態に係る複合型入力装置が備えるホルダの下方図
【
図19】一実施形態に係る複合型入力装置が備える筐体の斜視図
【
図20】(a)一実施形態に係る複合型入力装置が備える筐体の下方図、(b)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブとライトガイドとホルダとトーションばねと筐体とアクチュエータとを組立てた構成の下方図
【
図21】
図20に示す切り取り線で切断した一実施形態に係る複合型入力装置が備える筐体の側方図
【
図22】(a)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるホルダの斜視図、(b)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるノブとホルダとトーションばねとを組立てた構成の斜視図、(c)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるホルダの側方図、(d)一実施形態に係る複合型入力装置が備えるホルダを
図22(c)に示す切り取り線で切断した断面図
【
図23】(a)中立位置における、一実施形態に係る複合型入力装置のホルダとアクチュエータとの配置を説明するための断面図、(b)回転操作が行われた状態における、一実施形態に係る複合型入力装置のホルダとアクチュエータとの配置を説明するための断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0009】
(複合型入力装置100の概要)
図1は、一実施形態に係る複合型入力装置100の外観斜視図である。尚、以降の説明では、便宜上、X軸方向を前後方向とし、Y軸方向を左右方向とし、Z軸方向を上下方向とする。但し、X軸正方向を前方向とし、Y軸正方向を右方向とし、Z軸正方向を上方向とする。
【0010】
図1に示す複合型入力装置100は、例えば、自動車等の車両に設置される車載装置(例えば、電動パワーシート)の操作を行うための複合型入力装置として利用することができる。
図1に示すように、複合型入力装置100は、直方体形状を有する筐体108と、筐体108の上面から上方に突出して設けられたノブ102とを備える。操作者は、複合型入力装置100に対して、ノブ102を押圧、傾倒、および、回転させる操作を行うことが可能である。操作者からの操作力から解放されたとき、複合型入力装置100のノブ102は、
図1に示す中立位置に復帰する。
【0011】
操作者は、複合型入力装置100に対して、ノブ102の第1操作部102Aを回転中心軸AXに沿って押圧方向D1(下方(Z軸負方向))へ押圧してスライドさせる操作を行うことが可能である。
【0012】
また、操作者は、複合型入力装置100に対して、ノブ102を回転中心軸AXに直交する、傾倒方向D2(前方(X軸正方向))、傾倒方向D3(後方(X軸負方向))、傾倒方向D4(右方(Y軸正方向))の各々へ傾倒させる操作を行うことが可能である。また、操作者は、ノブ102を傾倒方向D5(左方(Y軸負方向))へ傾倒させる操作を行うことが可能である。
【0013】
また、操作者は、複合型入力装置100に対して、ノブ102の第2操作部102Cを、回転中心軸AXを回転中心とする回転方向D6(時計回り方向)、および、回転方向D7(反時計回り方向)の各々へ回転させる操作を行うことが可能である。ノブ102を回転方向D6へ回転させる操作は、第2操作部102Cの角度が、
図1に示す中立位置を基準として時計回りに所定の角度(θ)遷移するストロークの範囲内で行われる。また、ノブ102を回転方向D7へ回転させる操作は、第2操作部102Cの角度が、中立位置を基準として反時計回りに所定の角度(-θ)遷移するストロークの範囲内で行われる。本実施形態において、当該所定の角度(θ)は20°である。
【0014】
(複合型入力装置100の構成)
図2は、一実施形態に係る複合型入力装置100の分解斜視図である。
図3は、一実施形態に係る複合型入力装置100(筐体108の図示を省略した状態)の外観斜視図である。
図4は、一実施形態に係る複合型入力装置100の斜視断面図である。
図13(a)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102の斜視図である。
図13(b)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102の分解図である。
図14は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102の下方図である。
図19は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える筐体108の斜視図である。
図20は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える筐体108の下方図である。
図21は、
図20に示す切り取り線E-Eで切断した一実施形態に係る複合型入力装置100が備える筐体108の側方図である。
図22(a)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるホルダ106の斜視図である。
図22(b)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102とホルダ106とトーションばね107とを組立てた構成の斜視図である。
図22(c)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるホルダ106の側方図である。
図22(d)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるホルダ106を
図22(c)に示す切り取り線F-Fで切断した断面図である。
【0015】
図2に示すように、複合型入力装置100は、ノブ102、カバー109、筐体108、ライトガイド103、ホルダ106、トーションばね107、アクチュエータ110、基板130、およびカバー104を備える。
【0016】
ノブ102は、操作者からの操作を受け付ける、合成樹脂からなる部材である。
図13(a)、
図13(b)、及び、
図14に示す様に、ノブ102は、第1操作部102Aと、軸部102Bと、第2操作部102Cと、を有する。第1操作部102Aと軸部102Bとは、一体に形成されている。第1操作部102Aと第2操作部102Cとは、別体として形成され、嵌合されることによって、相対的に上下方向にスライド可能、且つ、相対的に回転中心軸AXを中心として回転可能に接続されている。
【0017】
第1操作部102Aは、操作者からの押圧方向D1(下方)への押圧操作の操作力を受け付ける部位であり、平面状、且つ、Z軸正方向からの平面視において円形状を有する。また、第1操作部102Aは、詳しくは後述するLED134からの光によって照光表示される部位である。
【0018】
軸部102Bは、第1操作部102Aの中央から下方(Z軸負方向)に延設された部位である。軸部102Bは、アクチュエータ110の支持軸111内に挿通され、第1操作部102A、及び、軸部102Bの上下方向へのスライドをガイドする部位である。軸部102Bは、詳しくは後述するスライドガイド102Baを有する。スライドガイド102Baは、詳しくは後述するアクチュエータ110のスライドガイド111Aと接して設けられる。ノブ102のスライドガイド102Baとアクチュエータ110のスライドガイド111Aとが摺動することにより、軸部102Bは、アクチュエータ110によって上下方向(Z軸方向)にスライド可能に支持される。軸部102Bの下方側の先端部102Bc(「先端部」の一例)は、押圧検出スイッチ131の突起131Aの上方に設けられ、ノブ102の押圧操作がなされたとき、押圧検出スイッチ131の突起131Aと接して、突起131Aを押圧する。
【0019】
また、ノブ102の第1操作部102A、及び、軸部102Bは、透光性を有する合成樹脂素材により形成されている。軸部102Bはライトガイドとしての機能性を有する。ノブ102は、当該ノブ102の下端部に形成されている入射面102Bd(
図5、
図13(a)参照)から光が入射されたとき、その光をノブ102の上端面(すなわち、第1操作部102A)へ導くことができる。
【0020】
図13(a)、及び、
図13(b)に示す様に、ノブ102の軸部102Bは、第1操作部102Aと接続する位置に設けられた光拡散部102Beを有している。本実施形態において、基板130と垂直な方向から見た第1操作部102Aの面積は軸部102Bの面積より大きい。しかし、第1操作部102Aと軸部102Bとの間に光拡散部102Beが有ることによって、軸部102B内を導光された光は、光拡散部102Beで拡散されてから、第1操作部102Aへと導光される。そのため、軸部102Bの入射面102Bdから入光した光は、第1操作部102Aの全体を満遍なく照光表示する。ノブ102の光拡散部102Beの形状、及び、その作用効果については後述する。
【0021】
ノブ102の第1操作部102Aには、操作者に傾倒方向D2~D5、または、回転方向D6、D7を認識し易くするさせるための表示マーカ(図示省略)が表示されていても良い。当該表示マーカは、印刷や刻印等の手法によって形成することが出来る。本実施形態において、第1操作部102Aと軸部102Bとは一体に形成されているが、第1操作部102Aと軸部102Bとは別体として形成した後に接合した構成であっても良い。別体として形成する場合、例えば、第1操作部102Aに装飾を施すことが容易になる。
【0022】
図13(b)に示す様に、ノブ102の第2操作部102Cは、把持部102Caと、把持部102Caと固定的に接続されるホルダ接続部102Cbと、を有する。第2操作部102Cは、操作者からの傾倒方向D2~D5への傾倒操作、および、回転方向D6、D7への回転操作の操作力を受け付ける部材である。把持部102Caは、第1操作部102Aの周囲を取り囲む円環状の部位であり、傾倒操作、および、回転操作が行われたとき、操作者によって把持される部位である。ホルダ接続部102Cbは、
図11(a)に示すホルダ106の第1筒部106Bに設けられた接続部106Baに係止される部位である。本実施形態において、把持部102Caとホルダ接続部102Cbとは、別体として形成された後、組立てられるが、これらは一体的に形成されていても良い。
【0023】
操作者が第1操作部102Aに対して押圧方向D1(下方)への操作力を加えたとき、第1操作部102A、及び、軸部102Bは一体的に下方へスライドする。また、このとき、第2操作部102Cは下方へスライドしない。具体的に説明すると、第1操作部102Aと第2操作部102Cとは相対的に上下方向にスライド可能に嵌合されている。また更に、第2操作部102Cのホルダ接続部102Cbがホルダ106に接続されている。
ホルダ106は、回転中心軸AXを中心として回転するが、上下方向にスライドし難い構成となっている。そのため、ホルダ106に接続された第2操作部102Cは、ホルダ106と共に回転するが、上下方向にスライドし難くなる。そのため、操作者が第1操作部102Aに対して押圧方向D1(下方)への操作力を加えたとき、第1操作部102Aは押圧方向D1(下方)へスライドするが、第2操作部102Cは下方へスライドしない。
【0024】
操作者が第2操作部102Cに対して傾倒方向D2~D5の何れか一方への操作力を加えたとき、第1操作部102Aと第2操作部102Cとは一体的に傾倒する。
【0025】
操作者が第2操作部102Cに対して回転方向D6、D7の何れか一方への操作力を加えたとき、第2操作部102Cは回転する。また、その操作力は、ホルダ接続部102Cbと接続されたホルダ106に伝達され、ホルダ106は回転する。このとき、第2操作部102Cは回転するが、第1操作部102Aはアクチュエータ110のスライドガイド111Aと接しているスライドガイド102Baによって回転が規制されるため、第1操作部102Aは回転しない。
【0026】
第2操作部102Cの表面の一部または全部には、装飾性を高めるための表面加工等が施されていてもよい。第2操作部102Cは、第1操作部102Aに対して着脱可能となる構成を有していても良い。すなわち、複合型入力装置100は、ユーザーが加飾デザインの異なる複数の第2操作部102Cの中から1つの第2操作部102Cを選択し、交換することの可能な構成を有していても良い。
【0027】
図1、
図2、
図19~
図21に示す様に、筐体108は、外形が直方体形状を有し、中空構造を有する容器状の部材である。筐体108は合成樹脂製の部材である。筐体108の内部には、ノブ102の軸部102B、ライトガイド103、ホルダ106、トーションばね107、アクチュエータ110、および基板130が収容される。筐体108の上面108Aの中央部には、一定の高さを有する台座部108Bが形成されている。台座部108Bには、平面視において回転中心軸AXを中心とする円形状の開口部108Cが形成されている。筐体108の開口部108Cには、ノブ102の支持軸111とホルダ106の第1筒部106Bとが挿通される。台座部108Bには、台座部108Bの上面および外周面を覆う円環状のカバー109が取り付けられる。カバー109には、平面視において回転中心軸AXを中心とする円形状の開口部109Aが形成されている。カバー109は、透光性を有する白色の合成樹脂からなる成形体を含む部材である。カバー109の該成形体の上方側の表面、及び、側方側の表面は塗装膜によって被覆されている。また、カバー109は、レーザー加工を用いて該塗装膜の一部を除去することによって形成された照光表示部(図示省略)を有している。該照光表示部は、
図1に示す傾倒方向D2~D5を示唆する矢印形状を有している。尚、該照光表示部は、回転方向D6、D7を示唆する形状を有していてもよい。筐体108は、アクチュエータ110の第1壁部110Bと接して設けられ、アクチュエータ110を回転可能に支持する支持面114を有する。支持面114は、凹状の球面形状を有する。筐体108は、詳しくは後述するアクチュエータ110の押圧部113と接して設けられるガイド面108Ea、及び、ガイド面108Eaを含んで構成されるガイド壁部108Eを有する。
【0028】
ライトガイド103は、透光性を有する合成樹脂からなる部材である。ライトガイド103は、基板130の上方に配置される。ライトガイド103は、基板130の上面130Aに設けられている4つのLED135-1~135-4の各々から出射された光を導光し、カバー109の裏側から照光表示部に向けて出光することによって、カバー109の照光表示部を点灯させる。ライトガイド103は、台座部108Bの下方に配置される環状の本体部103Aと、4本の脚部103Bとを有する。4本の脚部103Bは、本体部103Aに対して90°間隔で設けられている。4本の脚部103Bは、本体部103Aから下方へ延出して設けられている。4本の脚部103Bの各々の下面は、4つのLED135-1~135-4の各々と対向しており、4つのLED135-1~135-4の各々から光を入射する入射面となっている。
【0029】
ホルダ106は、ノブ102の第2操作部102Cを支持する部材である。ホルダ106は、回転操作の操作力を伝達する部材である。ホルダ106は、合成樹脂からなる部材である。
図11(a)に示す様に、ホルダ106は、概ね円筒状を有する。ホルダ106は、詳しくは後述する第2筒部106Cに形成された回転被支持部106Dにアクチュエータ110の回転支持部112が嵌合されることにより、アクチュエータ110によって回転可能に支持される。また、ホルダ106は、詳しくは後述する突部106Fがアクチュエータ110の基部110Dに当接することによって、アクチュエータ110に支持される。ホルダ106の第1筒部106Bの内側にアクチュエータ110の支持軸111が挿通され、第1筒部106Bと支持軸111のとは当接している。このことにより、ホルダ106はアクチュエータ110の支持軸111によって回転をガイドされる。ホルダ106の第1筒部106Bに設けられた接続部106Baはノブ102の第2操作部102Cに係止されるため、操作者がノブ102に対して回転操作を行ったとき、ホルダ106はノブ102の第2操作部102Cとともに回転するようになっている。
【0030】
図22(b)に示す様に、トーションばね107は、本体部107Aと、本体部107Aの一端側から回転中心軸AXを中心とする円の法線方向に延設された延設部107B1を有している。また、トーションばね107は、本体部107Aの他端側から回転中心軸AXを中心とする円の法線方向に延設された延設部107B2と、延設部107B1,107B2の先端側に設けられた係合部107Cと、を有している。トーションばね107の本体部107Aは、コイル状に巻回された部位であり、ホルダ106の突部106Fを軸心として、突部106Fの周りに配置される。トーションばね107の延設部107B1は、ホルダ106のアーム106A1に接して設けられる。トーションばね107の延設部107B2は、ホルダ106のアーム106A2に接して設けられる。トーションばね107の2つの係合部107Cは、
図17、及び、
図18に示すアクチュエータ110の開口部110Gに挿通され、係止される。操作者がノブ102に対して回転方向D6への回転操作を行ったとき、その操作力はノブ102のホルダ接続部102Cbを介してホルダ106に伝達され、ホルダ106は時計回りに回転する。ホルダ106が時計回りに回転したとき、ホルダ106のアーム106A1はトーションばね107の延設部107B1を押圧してトーションばね107の本体部107Aを弾性変形させる。回転方向D6への回転操作の操作力から解放されたとき、トーションばね107の延設部107B1は、トーションばね107の本体部107Aからの復帰力によってホルダ106が中立位置へと復帰する向きにホルダ106のアーム106A1を押圧する。トーションばね107の延設部107B1から復帰力を伝達されたとき、ホルダ106は反時計回りに回転して中立位置に復帰する。操作者がノブ102に対して回転方向D7への回転操作を行ったとき、その操作力はノブ102のホルダ接続部102Cbを介してホルダ106に伝達され、ホルダ106は反時計回りに回転する。ホルダ106が半時計回りに回転したとき、ホルダ106のアーム106A2はトーションばね107の延設部107B2を押圧してトーションばね107の本体部107Aを弾性変形させる。回転方向D7への回転操作の操作力から解放されたとき、トーションばね107の延設部107B2は、トーションばね107の本体部107Aからの復帰力によってホルダ106が中立位置へと復帰する向きにホルダ106のアーム106A2を押圧する。
【0031】
図16~
図18に示す様に、アクチュエータ110は、円環状の基部110Dと、基部110Dの中央から上方に延設され、概ね円筒形状を有する支持軸111を有する。支持軸111は、ノブ102の軸部102Bを挿通して配置され、ノブ102の軸部102Bを上下方向にスライド可能に保持する部位である。
【0032】
アクチュエータ110は、基部110Dの外縁部から上方に延設される第1壁部110Bを有する。第1壁部110Bは、球面形状から一部を切り取った形状を有している。アクチュエータ110の第1壁部110Bは、筐体108の支持面114に当接して配置される。このことにより、アクチュエータ110は、該球面形状の中心を中心として回転可能にガイドされる。このことにより、操作者がノブ102に対して傾倒操作を行ったとき、アクチュエータ110は、該球面形状の中心を中心として回転する。
【0033】
アクチュエータ110は、第1壁部110Bの上端部から上方に向けて延設される第2壁部110Cを有する。第2壁部110Cは、概ね円筒形状を有している。アクチュエータ110の第2壁部110Cは、内部にホルダ106が挿通される部位であり、ホルダ106の第2筒部106Cの外周面と対向配置される部位である。アクチュエータ110は、第2壁部110Cから、ホルダ106の第2筒部106Cに向かって突出した回転支持部112を有する。アクチュエータ110は、回転支持部112がホルダ106の回転被支持部106Dに嵌合されることによってホルダ106を回転可能に支持する。アクチュエータ110は、樹脂からなる部材である。
【0034】
また、アクチュエータ110は、第1壁部110Bから前後左右の4方向に向けて突出した4つの押圧部113を有する。アクチュエータ110の押圧部113は、ノブ102が傾倒方向D2~D5へ傾倒してアクチュエータ110が第1壁部110Bのなす球面形状の中心を中心として回転したとき、傾倒検出スイッチ132-1~132-4を押圧する部位である。また、アクチュエータ110の押圧部113は、筐体108のガイド面108Eaと当接することによって、アクチュエータ110が回転方向D6,D7へ回転しないように規制するストッパ形状である。アクチュエータ110の4つの押圧部113は、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の上方に設けられる。4つの押圧部113と傾倒検出スイッチ132-1~132-4とは接して設けられる。押圧部113と接した傾倒検出スイッチ132-1~132-4は、アクチュエータ110を上方に向けて押圧している。このことにより、押圧されたアクチュエータ110は、第1壁部110Bが筐体108の支持面114に付勢される。
図20(b)に示す様に、アクチュエータ110の押圧部113は、筐体108のガイド壁部108Eに接して設けられる。
図20(a)に示す様に、筐体108は対向配置される2つのガイド面108Eaを4組有しており、アクチュエータ110の押圧部113は、対向配置される2つのガイド面108Eaの間に配置され、ガイド面108Eaと接して設けられる。そのため、操作者がノブ102に対して操作力を加えることによって、アクチュエータ110に対してアクチュエータ110を回転方向D6、D7に回転させる向きの操作力が伝達されたとき、アクチュエータ110は回転方向D6、D7へ回転しない。尚、操作者がノブ102に対して傾倒操作の操作力を加えたとき、アクチュエータ110は、第1壁部110Bのなす球面形状の中心を中心として回転する。そして、アクチュエータ110の押圧部113は、傾倒検出スイッチ132-1~132-4を何れかを押圧する。尚、アクチュエータ110の詳細な構成については、
図9~
図11を用いて後述する。
【0035】
基板130は、平板状の部材である。基板130は、硬質な合成樹脂からなることが好ましく、エポキシ基板であることが好ましい。基板130は、基板130と垂直な方向から見た平面視において四角形状を有する。基板130は、回転中心軸AXと垂直な姿勢で筐体108の内部に配置される。基板130の下方にはカバー104が配置され、基板130は、任意の固定方法(例えば、スナップフィット係合、ネジ止め等)により、カバー104に固定される。基板130には、導電性材料からなる配線回路が設けられる。基板130には、貫通孔(133-1、133-2)が設けられている。貫通孔(133-1、133-2)は、基板130に垂直な方向から平面視した時、回転中心軸AXとの交点を中心とする円周に沿って形成された円弧形状を有する。
図8に示す様に、基板130と垂直な方向から平面視したとき、基板130の貫通孔(133-1、133-2)は、回転中心軸AXと基板130との交点を中心とし、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の該中心から最も遠くに位置する外縁部(132-1A、132-2A、132-3A、132-4A)を通る円Cよりも内側に配置される。円Cは「仮想円」の一例である。また、基板130と垂直な方向から平面視したとき、基板130の貫通孔(133-1、133-2)は、傾倒検出スイッチ(132-1~132-4)と押圧検出スイッチ131との間の領域Bに形成される。
【0036】
図2に示すように、基板130の上面130A(「一方の側の面」の一例)には、押圧検出スイッチ131、傾倒検出スイッチ132-1~132-4、LED134、およびLED135-1~135-4が実装されている。押圧検出スイッチ131は、基板130の上面130Aの中央(回転中心軸AX上)に配置されている。押圧検出スイッチ131は、突起131Aが、上方(Z軸正方向)に突出して設けられている。押圧検出スイッチ131は、突起131Aの上面が押圧されることにより、スイッチオン状態に切り替わる。
【0037】
傾倒検出スイッチ132-1~132-4は、「第2検出部」の一例である。傾倒検出スイッチ132-1は、押圧検出スイッチ131よりも前側(X軸正側)に配置されている。傾倒検出スイッチ132-2は、押圧検出スイッチ131よりも後側(X軸負側)に配置されている。傾倒検出スイッチ132-3は、押圧検出スイッチ131よりも右側(Y軸正側)に配置されている。傾倒検出スイッチ132-4は、押圧検出スイッチ131よりも左側(Y軸負側)に配置されている。傾倒検出スイッチ132-1~132-4の各々は、突起132Aが、上方(Z軸正方向)に突出して設けられている。傾倒検出スイッチ132-1~132-4の各々は、突起132Aの上面が押圧されることにより、スイッチオン状態に切り替わる。
【0038】
カバー104は、筐体108の下側開口部108Dを閉塞する、合成樹脂からなる平板状の部材である。カバー104は、任意の固定方法(例えば、スナップフィット係合、ネジ止め等)により、筐体108の下側開口部108Dを閉塞した状態で筐体108に固定される。
【0039】
(押圧検出機構の構成)
図5は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える押圧検出機構の構成を示す図である。
図15(a)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102とホルダ106とアクチュエータ110とを組立てる組立工程を説明する図である。
図15(b)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102とホルダ106とアクチュエータ110とを組立てた構成の上方斜視図である。
図15(c)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102とホルダ106とアクチュエータ110とを組立てた構成の下方斜視図である。
【0040】
図5に示すように、ノブ102の軸部102Bの下方側の先端部102Bcは、基板130の上面130Aに設けられている押圧検出スイッチ131の突起131Aに接触している。ノブ102の軸部102Bは、
図11(a)に示すアクチュエータ110の支持軸111内に挿通される。このことにより、ノブ102は、上下方向(Z軸方向)にスライド可能に保持されている。
図13(a)、及び、
図14に示す様に、ノブ102の軸部102Bは、外形が、回転中心軸AXを中心軸とした円筒形状を有している。また、ノブ102の軸部102Bには、軸部102Bの外周面に沿って上下方向に延在し、且つ、回転中心軸AXを中心とする円と交差する面(スライドガイド102Ba)によって構成される溝が形成されている。ノブ102のスライドガイド102Baは、
図11(a)に示すアクチュエータ110の支持軸111から回転中心軸AXに向けて突出したスライドガイド111Aと接して設けられる。アクチュエータ110のスライドガイド111Aとノブ102のスライドガイド102Baとは、摺動することによって、ノブ102の第1操作部102A、及び、軸部102Bの上下方向へのスライドをガイドする形状である。ノブ102のスライドガイド102Baは、ノブ102の回転を規制する形状である。ノブ102のスライドガイド102Baは回転中心軸AXを中心とする円と交差する向きに配置されるため、ノブ102の軸部102Bが回転方向D6、または、回転方向D7へ回転しようとしたとき、アクチュエータ110のスライドガイド111Aと干渉する。
図13(a)、及び、
図14に示す様に、ノブ102は、軸部102Bから図中XY平面方向において回転中心軸AXとは遠ざかる向きに突出した当接部102Bbを有する。当接部102Bb、及び、
図11に示すアクチュエータ110から突設された当接部111Bは、当接することによって、ノブ102の上下方向のスライドのストロークの上端側の限界位置を規定するストッパ形状である。第1操作部102Aに対して操作者からの押圧操作力が加えられていないとき、ノブ102は押圧検出スイッチ131からの復帰力によって上方へ押し上げられ、当接部102Bbが、アクチュエータ110の当接部111Bに付勢される。このことにより、ノブ102は、押圧検出スイッチ131とアクチュエータ110とによって保持される。尚、ノブ102の当接部102Bbとアクチュエータ110の当接部111Bとは、スナップイン形状を有していることが好ましい。当接部102Bbと当接部111Bとがスナップイン形状を有している場合、
図15(a)、及び、
図15(b)に示す態様によってノブ102を組立てることが出来るため、ノブ102を組立てる工程が容易になる。このとき、ノブ102は、ホルダ106とアクチュエータ110とが嵌合された構成物の上方に配置された後、下方へスライドし、当該構成物と組合わされる。このとき、
図15(c)に示す様に、ノブ102の先端部102Bcは、アクチュエータ110の基部110Dの中央に設けられた開口部110Fに挿通される。
【0041】
操作者がノブ102を押圧操作していないとき、
図5に示すように、押圧検出スイッチ131の突起131Aはノブ102の先端部102Bcと接している。このとき、押圧検出スイッチ131の突起131Aは、ノブ102の先端部102Bcによって僅かに押下された状態になっている。このとき、押圧検出スイッチ131の突起131Aは、押圧検出スイッチ131の内部に設けられた弾性変形部(図示省略)の復帰力によって、ノブ102の先端部102Bcを上方に押し上げている。このとき、該弾性変形部は、僅かに撓んでいるが、押圧検出スイッチ131がオン状態となる程には撓んでおらず、押圧検出スイッチ131は、オフ状態となっている。
【0042】
操作者がノブ102を押圧方向D1 (下方)へ押圧したとき、ノブ102は下方へスライドし、ノブ102の軸部102Bの先端部102Bcが、押圧検出スイッチ131の突起131Aを押圧する。これにより、押圧検出スイッチ131は、オン状態となる。押圧操作の操作力から解放されたとき、ノブ102は、押圧検出スイッチ131からの復帰力によって、中立位置へと復帰する。
【0043】
尚、
図5に示すように、ノブ102の軸部102Bの下端部(X軸負側の部位)には、当該下端部の一部が切り欠かれることによって形成される曲面状の入射面102Bdが形成されている。入射面102Bdは、基板130の上面130A(押圧検出スイッチ131よりもX軸負側の位置)に設けられているLED134の上方に配置される。LED134は、LED134から発せられた光が、ノブ102の入射面102Bdから入射される位置に配置される。
【0044】
尚、ノブ102は、「第3部材」の一例である。また、押圧検出スイッチ131は、「第3接点」の一例である。基板130と垂直な方向から平面視したとき、押圧検出スイッチ131は、回転中心軸AXと基板130が交差する交点と重なる位置に設けられる。また、ノブ102および押圧検出スイッチ131を含む押圧検出に係る構成は、「第3検出部」の一例である。一実施形態に係る複合型入力装置100は、「第3検出部」を備えることにより、操作者がノブ102に対して押圧操作を行ったとき、その操作が行われたことを検出することができる。
【0045】
(回転検出機構の構成)
図6および
図7は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える回転検出機構の構成を示す図である。
図6は、基板130の上面130A側から見た回転検出機構を示す。
図7は、基板130の下面130B側から見た回転検出機構を示す。
図16は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるホルダ106の斜視図である。
図17は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるホルダ106の上方図である。
図18は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるホルダ106の下方図である。
図19は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える筐体108の斜視図である。
図20(a)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える筐体108の下方図である。
図20(b)は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるノブ102とライトガイド103とホルダ106とトーションばね107と筐体108とアクチュエータ110とを組立てた構成の下方図である。
【0046】
図6および
図7に示すように、ホルダ106は、ノブ102と連結されており、ノブ102の回転操作に伴って、ノブ102とともに回転する部材である。
図15(a)~
図15(c)に示す様に、ホルダ106は、ノブ102とアクチュエータ110との間に配置される。ホルダ106は、詳しくは後述する回転被支持部106Dがアクチュエータ110の回転支持部112に支持されることによって、アクチュエータ110に支持されている。
【0047】
また、
図6および
図7に示すように、ホルダ106は、詳しくは後述する基部106Eから下方(Z軸負方向)に向けて延設された2本のアーム106A1,106A2を有する。アーム106A1,106A2は、ホルダ106に一体的に形成されている。アーム106A1,106A2は、ホルダ106が回転したとき、ホルダ106と一体に、回転中心軸AXの軸回りに回転する。アーム106A1,106A2は、「挿通部」の一例である。
図15(c)に示す様に、アーム106A1,106A2は、アクチュエータ110の開口部110Eに挿通される。
【0048】
図6および
図7に示すように、基板130は、回転中心軸AXと基板130との交点を中心とする円周に沿った円弧形状を有する貫通孔133-1、133-2を有する。ホルダ106のアーム106A1は、貫通孔133-1に挿通される。ホルダ106が回転中心軸AXを中心として回転したとき、ホルダ106のアーム106A1は貫通孔133-1内を円周方向に移動可能となっている。また、ホルダ106のアーム106A2は、貫通孔133-2に挿通される。ホルダ106が回転中心軸AXを中心として回転したとき、ホルダ106のアーム106A2は貫通孔133-2内を円周方向に移動可能となっている。
図8に示す様に、基板130と垂直な方向から平面視したとき、回転検出スイッチ137,138は、回転回転中心軸AXと基板130との交点を中心とし、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の外縁部を通る円Cよりも内側に配置される。
【0049】
図7および
図8に示すように、基板130の下面130B(「他方の側の面」の一例)には、2つの回転検出スイッチ137,138が設けられている。回転検出スイッチ137は、貫通孔133-1よりも時計回り方向の外側に配置されており、アーム106A1の先端部の側面に向かって突出した突起137Aを有する。回転検出スイッチ138は、貫通孔133-2よりも反時計回り方向の外側に配置されており、アーム106A2の先端部の側面に向かって突出した突起138Aを有する。
【0050】
図6および
図7に示すように、アーム106A1およびアーム106A2の下端部は、ノブ102に対して回転操作の操作力が加えられていないとき、回転検出スイッチ137の突起137Aと、回転検出スイッチ138の突起138Aとの間に位置している。これにより、回転検出スイッチ137,138は、オフ状態となっている。
【0051】
そして、ノブ102の時計回り方向の回転操作がなされると、ノブ102とともに、ホルダ106、アーム106A1、およびアーム106A2が時計回り方向に回転する。これにより、アーム106A1の先端部の側面は、回転方向にある回転検出スイッチ137の突起137Aを押圧する。その結果、回転検出スイッチ137がオン状態となる。
【0052】
一方、ノブ102の反時計回り方向の回転操作がなされると、ノブ102とともに、ホルダ106、アーム106A1、およびアーム106A2が反時計回り方向に回転する。これにより、アーム106A2の先端部の側面は、回転方向にある回転検出スイッチ138の突起138Aを押圧する。その結果、回転検出スイッチ138がオン状態となる。
【0053】
尚、ホルダ106は、「第1部材」の一例である。また、回転検出スイッチ137,138は、「第1接点」の一例である。また、ホルダ106および回転検出スイッチ137,138は、「第1検出部」を構成する。一実施形態に係る複合型入力装置100は、「第1検出部」を備えることにより、ノブ102による回転操作を検出することができる。
図10に示す様に、ホルダ106および回転検出スイッチ137,138は、基板130と垂直な方向から平面視したとき、回転中心軸AXと基板130との交点を中心とし、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の外縁部を通る円Cよりも内側に配置される。
【0054】
(回転検出スイッチ137,138の配置)
図8は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える基板130の平面図である。
【0055】
図8に示すように、上方からの平面視において、基板130の下面130Bに設けられている回転検出スイッチ137,138は、基板130の上面130Aに設けられている傾倒検出スイッチ132-1~132-4よりも内側に配置される。これにより、一実施形態に係る複合型入力装置100は、実装面積の小さい複合型入力装置を実現することができる。
【0056】
特に、一実施形態に係る複合型入力装置100において、傾倒検出スイッチ132-1~132-4(第2接点)および押圧検出スイッチ131(第3接点)は、基板130の下面130Bに設けられ、回転検出スイッチ137,138(第1接点)は、基板130の下面130Bに設けられる。これにより、一実施形態に係る複合型入力装置100は、
図8に示すように上方からの平面視において回転検出スイッチ137,138を傾倒検出スイッチ132-3,132-4と重ねて配置することができ、よって、実装面積のより小さい複合型入力装置を実現することができる。
【0057】
また、
図8に示すように、上方からの平面視において、基板130に設けられている貫通孔133-1,133-2は、基板130の上面130Aに設けられている傾倒検出スイッチ132-1~132-4よりも内側に配置される。これにより、一実施形態に係る複合型入力装置100は、実装面積の小さい複合型入力装置を実現することができる。
【0058】
(傾倒検出機構の構成)
図9は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える傾倒検出機構の構成を示す外観斜視図である。
図10は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備える傾倒検出機構の構成を示す平面図である。
【0059】
複合型入力装置100が備える「傾倒検出機構」は、アクチュエータ110と、傾倒検出スイッチ132-1~132-4とを有して構成されている。
【0060】
図9および
図10に示すように、アクチュエータ110は、概ね、回転中心軸AXを中心として回転中心軸AXに沿って上下方向(Z軸方向)に延在する円筒形状を有する。アクチュエータ110は、
図9に示すように、筒内にホルダ106の第2筒部106Cが嵌め込まれることにより、ノブ102の傾倒操作に伴って、ノブ102およびホルダ106とともに傾倒操作方向に傾倒するようになっている。また、アクチュエータ110の外周面の下端部には、90°間隔で配置された4つの押圧部113が、半径方向における外側に突出して設けられている。押圧部113は、円柱を平面で縦に2分割した形状を有し、平面形状を有する切断面は下方を向いて配置されている。
【0061】
また、
図9および
図10に示すように、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の各々は、基板130の上面130Aにおいて、アクチュエータ110の4つの押圧部113の各々の押圧面113Aと対向する位置に配置されている。
【0062】
(傾倒検出機構の動作)
図9および
図10に示すように、ノブ102による傾倒操作がなされていないとき、アクチュエータ110は、ノブ102およびホルダ106とともに、垂直に起立した状態(すなわち、回転中心軸AXに対して傾きの無い状態)にある。
【0063】
このとき、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の各々の突起132Aは、いずれもアクチュエータ110の押圧部113によって押圧されていない。このため、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の各々は、スイッチオフ状態にある。
【0064】
そして、ノブ102による傾倒操作がなされると、アクチュエータ110は、ノブ102およびホルダ106とともに、傾倒操作方向に傾倒した状態(すなわち、回転中心軸AXに対して傾いた状態)となる。
【0065】
このとき、傾倒検出スイッチ132-1~132-4のうち、傾倒操作方向にある一のスイッチの突起132Aが、傾倒操作方向にある一の押圧部113の押圧面113Aによって押圧される。これにより、傾倒操作方向にある一のスイッチが、スイッチオン状態になる。
【0066】
尚、アクチュエータ110は、「第2部材」の一例である。また、傾倒検出スイッチ132-1~132-4は、「第2接点」の一例である。また、アクチュエータ110および傾倒検出スイッチ132-1~132-4は、「第2検出部」を構成する。一実施形態に係る複合型入力装置100は、「第2検出部」を備えることにより、ノブ102による傾倒操作を検出することができる。基板130と垂直な方向から平面視したとき、傾倒検出スイッチ132-1~132-4は、夫々、回転中心軸AXと基板130が交差する交点を中心とする円周に沿って、90°おきに配置される。傾倒検出スイッチ132-1~132-4の配置は、
図1に示す傾倒方向D2~D5に対応している。
【0067】
(ホルダ106とアクチュエータ110との嵌合構成)
図11は、一実施形態に係る複合型入力装置100が備えるホルダ106とアクチュエータ110との嵌合構成を説明するための図である。
【0068】
図11(a)、
図11(b)、及び、
図22(a)に示すように、ホルダ106は、第1筒部106Bと、第2筒部106Cと、基部106Eと、突部106Fを有する。第1筒部106Bは、回転中心軸AXを中心として回転中心軸AXに沿って上下方向(Z軸方向)に延在する円筒形状を有する。第2筒部106Cは、第1筒部106Bの下端部と一体的に設けられており、回転中心軸AXを中心とする第1筒部106Bよりも大径の円筒形状を有する。第2筒部106Cの外周面には、回転被支持部106Dが形成されている。基部106Eは、第1筒部106Bと第2筒部106Cとを連結して、第1筒部106Bと第2筒部106Cとの間に設けられる部位であり、XY平面方向と平行な平面形状を有する。突部106Fは、第1筒部106Bの下端から下方に向けて突出しており、アクチュエータ110の基部110Dと当接する部位である。また、突部106Fは、トーションばね107の本体部107Aの巻き芯となる部位である。
【0069】
図16~
図18に示す様に、アクチュエータ110は、XY平面と平行に設けられた円環状の基部110Dと、基部110Dの外縁部から上方向に延在する第1壁部110Bと、第1壁部110Bの上端部から上方向に延在する第2壁部110Cとを有する。
また、アクチュエータ110は、基部110Dから上方へ延在する、回転中心軸AXを中心とする円筒形状を有する支持軸111を有する。また、アクチュエータ110は、第1壁部110Bから前後左右に突出した4つの押圧部113を有する。アクチュエータ110の押圧部113は、傾倒検出スイッチ132-1~132-4の上方に配置され、傾倒検出スイッチ132-1~132-4に接して設けられる。
【0070】
アクチュエータの110の第1壁部110Bは、球面形状から一部を切出した形状を有し、
図12に示す筐体108の支持面114と接して設けられる部位である。傾倒検出スイッチ132-1~132-4の復帰力によって、アクチュエータ110の第1壁部110Bは、筐体108の支持面114に付勢される。このことにより、アクチュエータ110は、第1壁部110Bが筐体108の支持面114と摺動して、第1壁部110Bのなす球面形状の中心を中心として筐体108に対して回転する。
【0071】
図16、及び、
図17に示す様に、アクチュエータ110の第2壁部110Cは、第1壁部110Bの上端部から上方向に延在する複数の板形状体によって構成された集合体である。第2壁部110Cを構成している各々の板形状体は回転中心AXを中心軸とした円筒形状の外周に沿って配置されている。第2壁部110Cを構成する各々の板形状体は、繋げると、回転中心AXを中心軸とした円筒形状を有する。アクチュエータ110は、第2壁部110Cから回転中心軸AXに向けて突出した回転支持部112を有している。
【0072】
アクチュエータ110は、第2壁部110Cによって構成される開口部110Aを有する。アクチュエータ110の第2壁部110Cによって支持されるホルダ106は、開口部110A内に配置される。アクチュエータ110の第2壁部110Cとホルダ106の第2筒部106Cとは対向配置される。
【0073】
支持軸111は、支持軸111のなす円筒形状の内部にノブ102の軸部102Bを挿通して、ノブ102を上下スライド可能に支持する部位である。また、支持軸111は、ホルダ106の第1筒部106Bの内部に挿通される部位であり、外周面がホルダ106の第1筒部106Bの内周面と接することにより、ホルダ106の回転軸となってホルダ106の回転をガイドする部位である。
【0074】
アクチュエータ110の基部110Dは、第1壁部110Bと支持軸111とを連結する部位である。また、アクチュエータ110の基部110Dは、
図22(a)、及び、
図22(b)に示すホルダ106の突部106Fと接して、ホルダ106を支持する部位である。アクチュエータ110の基部110Dには、ホルダ106のアーム106A1、106A2が挿通される開口部110Eが設けられている。開口部110Eは、回転中心軸AXを中心とする円弧形状を有する。アクチュエータ110の基部110Dには、ノブ102の軸部102Bの先端部102Bcが挿通される開口部110Fが設けられている。開口部110Fは、アクチュエータ110の基部110Dの回転中心軸AXと交差する位置に設けられている。アクチュエータ110の基部110Dには、トーションばね107の係合部107Cが挿通され、係止される開口部110Gが2つ設けられている。開口部110Gは、回転中心軸AXを中心とする円弧形状を有する。開口部110Gのなす円弧の半径は、開口部110Fのなす円弧の半径よりも大きい。
【0075】
図19~
図20(b)に示す様に、筐体108は、8つのガイド壁部108Eを有している。筐体108のガイド面108Eaは、ノブ102が傾倒したとき、アクチュエータ110が傾倒方向D2~D5へ回転することを妨げる事無く、且つ、アクチュエータ110が回転方向D6、D7へ回転しないように規制する形状である。筐体108のガイド壁部108Eは、傾倒方向D2~D5の何れか一方と平行な、且つ、上下方向に延在した平板形状を有している。筐体108のガイド壁部108Eは、傾倒方向D2~D5の夫々の方向につき、2つ設けられている。2つのガイド壁部108Eは、間にアクチュエータ110の押圧部113を挟んで対向配置される。ガイド壁部108Eは、アクチュエータ110の押圧部113と接して設けられるガイド面108Eaを有する。筐体108は、アクチュエータ110の第1壁部110Bと接して設けられる支持面114を有している。筐体108の支持面114は、第1壁部110Bに対応した凹形状を有する。
【0076】
ホルダ106は、
図11(a)に示すように、第2筒部106Cがアクチュエータ110の開口部110Aの上方に配置されてから、
図11(b)に示すように、アクチュエータ110の第2壁部110Cのなす円筒形状内に嵌め込まれる。同時に、ホルダ106の第1筒部106Bのなすの円筒形状内に、アクチュエータ110の支持軸111が挿通される。また同時に、ホルダ106のアーム106A1、106A2が、アクチュエータ110の基部110Dに形成された開口部110Eに挿通される。また同時に、アクチュエータ110の回転支持部112とホルダ106の回転被支持部106Dとが嵌合される。また同時に、
図22(a)、及び、
図22(b)に示すホルダ106の突部106Fがアクチュエータ110の基部110Dに当接する。また、このとき、トーションばね107が、ホルダ106とアクチュエータ110との間に組み込まれる。このように、ホルダ106とアクチュエータ110とは、回転をガイドする部位同士組み合わせることによって、一体化される。このことにより、ホルダ106は、アクチュエータ110によって、回転中心軸AXを中心とする円周方向に回転可能に保持される。
【0077】
アクチュエータ110の回転支持部112は、ホルダ106を回転可能に支持する形状であると共に、ノブ102に対して傾倒操作が行われたときにアクチュエータ110とホルダ106とを係止する形状である。回転支持部112は球形状から一部を切出した半球形状を有している。アクチュエータ110の回転支持部112は、ホルダ106を回転可能に支持する部位である。上方から見たとき、アクチュエータ110の回転支持部112は、第2壁部110Cのなす円周に沿って、90°おきに設けられる。ホルダ106の第2筒部106Cの外周面には、4つの回転支持部112の各々と対向する位置に、回転被支持部106Dが形成されている。回転被支持部106Dは、アクチュエータ110の回転支持部112が嵌合される凹形状である。ホルダ106の回転被支持部106Dは、第2筒部106Cの外周面に沿って形成された曲面形状を有する凹形状であり、回転中心軸AXを中心とする円周に沿って、XY平面方向と平行に形成されている。ホルダ106の回転被支持部106Dは、第2筒部106Cの外周面の周方向から見たとき、凹んだ円弧形状を有している。アクチュエータ110の回転支持部112とホルダ106の回転被支持部106Dとは、互いに接して設けられるガイド形状である。ホルダ106は、回転被支持部106Dがアクチュエータ110の回転支持部112に嵌合されることによって、回転中心軸AXを中心とする円周に沿って回転可能に支持されている。ホルダ106は、4つの回転被支持部106Dの各々に、4つの回転支持部112の各々が嵌め込まれることにより、アクチュエータ110から上方へ抜け落ちないように抜け止めがなされる。そのため、操作者がノブ102に対して傾倒操作を行ったとき、ホルダ106とアクチュエータ110とは、分解することなく、一体的に傾倒する。言い換えると、ホルダ106とアクチュエータ110とは、互いに回転中心軸AXと平行な方向への相対移動が規制され、かつ、ホルダ106の第2筒部106Cの外周面の周方向への相対移動が可能に接続されている。
【0078】
尚、本実施形態において、複合型入力装置100は、回転被支持部106Dが凸形状であり回転被支持部106Dが凹形状である構成を備えるが、回転被支持部106Dが凹形状であり回転被支持部106Dが凸形状である構成であっても良い。
【0079】
図22(d)に示す通り、回転中心軸AXと平行な方向からの平面視において、ホルダ106の回転被支持部106Dは、第2筒部106Cの外周面に形成されている。ホルダ106の回転被支持部106Dは、回転中心軸AXを中心とする円周に沿って形成されている。ホルダ106の回転被支持部106Dは、4つ設けられている。この数は、アクチュエータ110の回転支持部112の数と同数である。1つの回転被支持部106Dは、第2筒部106Cの外周に、回転中心軸AXを中心とした円周に沿って、50°の角度範囲に形成される。
【0080】
図23(a)は、中立位置における、一実施形態に係る複合型入力装置100のホルダ106とアクチュエータ110との配置を説明するための断面図である。
図23(b)は、回転操作が行われた状態における、一実施形態に係る複合型入力装置100のホルダ106とアクチュエータ110との配置を説明するための断面図である。
【0081】
図23(a)に示す通り、操作力から解放されて中立位置まで復帰した状態において、回転中心軸AXと平行な方向からの平面視したとき、アクチュエータ110の回転支持部112は、ホルダ106の回転被支持部106Dの中央に位置している。このとき、ホルダ106の回転被支持部106Dの端部の角度位置θ
1は、アクチュエータ110の回転支持部112の端部の角度位置θ
0を基準(0°)として、所定の角度(θ)に位置している。操作者がノブ102の第2操作部102Cに対して回転方向D7への回転操作を行ったとき、ホルダ106はその操作力によって回転中心軸AXを中心として反時計回りに回転する。
図23(b)に示す様に、ホルダ106が回転操作の終端位置まで回転したとき、ホルダ106の回転被支持部106Dの端部とアクチュエータ110の回転支持部112とは当接し、ホルダ106はそれ以上回転しなくなる。その後、操作力から解放されると、ホルダ106は、トーションばね107からの復帰力によって中立位置まで復帰するとともに、その復帰力をノブ102の第2操作部102Cへ伝達し、第2操作部102Cを中立位置へと復帰させる。このことにより、操作者は、ノブ102の第2操作部102Cに対して、回転方向D7への回転操作を0°から20°のストロークで行うことが出来る。
【0082】
同様に、操作者がノブ102の第2操作部102Cに対して回転方向D6への回転操作を行ったとき、ホルダ106はその操作力によって回転中心軸AXを中心として時計回りに回転し、終端位置まで回転し、それ以上回転しなくなる。操作者は、ノブ102の第2操作部102Cに対して、回転方向D6への回転操作を0°から20°のストロークで行うことが出来る。
【0083】
(その他特徴的な構成)
以下、
図12、及び、
図24を参照して、一実施形態に係る複合型入力装置100が有するその他の特徴的な構成について説明する。
図12は、一実施形態に係る複合型入力装置100を、回転中心軸AXを通る平面で切断した斜視断面図である。
図24は、一実施形態に係る複合型入力装置100の上面図である。
図12は、一実施形態に係る複合型入力装置100を
図24に示す切り取り線G-Gで切断した断面図である。
【0084】
図12に示すように、ホルダ106の回転支持部112とアクチュエータ110の回転支持部112とが係合することにより、アクチュエータ110はホルダ106に支持される。ここで、
図12に示すように、アクチュエータ110の回転支持部112は、球形状から一部を切出した半球形状を有しているため、回転中心軸AXを通る平面で切断して断面視したとき、回転支持部112の断面は半円形状を有する。一方、ホルダ106の回転被支持部106Dは、断面が半円形状を有し、回転支持部112と嵌合する凹形状を有する。そのため、回転支持部112と回転被支持部106Dとの接点は、断面が半円形状であり、その半円形状は上方向(Z軸正方向)に対して略垂直な部位と下方向(Z軸負方向)に対して略垂直な部位とを両方含んでいる。また、回転被支持部106Dと回転支持部112とは、詳しくは後述する支持面114の成す円弧を延長した仮想線から近い位置に設けられる。これにより、一実施形態に係る複合型入力装置100は、操作者がノブ102に対して傾倒操作が行って回転支持部112と回転被支持部106Dとの接点に上方向(Z軸正方向)への力が掛かったとき、回転支持部112と回転被支持部106Dとの係止が外れることは無い。同様に、これにより、一実施形態に係る複合型入力装置100は、操作者がノブ102に対して傾倒操作が行って回転支持部112と回転被支持部106Dとの接点に下方向(Z軸負方向)への力が掛かったとき、回転支持部112と回転被支持部106Dとの係止が外れることは無い。別の言葉で表現すると、例えば、操作者がノブ102に対して傾倒操作を行って、
図12の紙面に対して左右方向に操作力を加えたとき、ホルダ106、及び、アクチュエータ110は、
図12の紙面に対して時計回り、及び、反時計周りの方向に一体的に回転する。この時、回転被支持部106Dと回転支持部112との接点には、上方向(Z軸正方向)の力、または、下方向(Z軸負方向)の力が掛かる。しかしながら、回転被支持部106Dと回転支持部112とは、上下方向の何れの力が加わった場合でも、その力の方向に対して略垂直な部位を含んでいるため、傾倒操作の操作力によってホルダ106とアクチュエータ110との係合状態が解除されることは無い。そのため、ホルダ106とアクチュエータ110との部品間に位置ずれが生じることは無い。また、ホルダ106とアクチュエータ110とが分解することは無い。
【0085】
また、
図12、及び、
図14に示すように、ノブ102の軸部102Bは、回転中心軸AXを中心軸とした円柱形状を有してアクチュエータ110の支持軸111内に挿通される。また、ノブ102は、軸部102Bと第1操作部102Aとの中間部分に形成された光拡散部102Beを有する。光拡散部102Beの外形は、二次曲面形状を有し、一葉性双曲面形状を有する。尚、本実施形態において、光拡散部102Beを回転中心軸AXと垂直に切断したとき、光拡散部102Beのどこを切断しても、その切断面の外形は真円であるが、これは楕円であってもよい。
【0086】
回転中心軸AXと垂直に切断した軸部102Bの面積は、回転中心軸AXと平行な方向からの平面視した第1操作部102Aの面積よりも小さい。そして、半径が最も小さくなる高さ位置において回転中心軸AXと垂直に切断した光拡散部102Beの面積は、回転中心軸AXと垂直に切断した軸部102Bの面積よりも小さい。このことにより、軸部102Bの内部で導光されるLED134からの光は、大部分が第1操作部102Aに到達するより前に光拡散部102Beに当たって反射され、進行方向が変り、拡散されてから第1操作部102Aに到達する。そのため、照光表示された第1操作部102Aの輝度分布は、偏りが無く均一となる。
【0087】
また、
図12に示すように、アクチュエータ110の第1壁部110Bは、球面形状から一部を切り出した形状を有する。また、筐体108の内部において、アクチュエータ110の第1壁部110Bと対向して設けられている支持面114は、アクチュエータ110の第1壁部110Bと同一の曲率半径を有する球面形状を有する凹形状を有する。これにより、一実施形態に係る複合型入力装置100は、操作者がノブ102に対して傾倒操作を行ったとき、アクチュエータ110は、第1壁部110Bの外表面が筐体108の支持面114と摺接する。そして、アクチュエータ110は、第1壁部110Bのなす球面形状の中心を中心として回転する。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 複合型入力装置
102 ノブ
102A 第1操作部
102B 軸部
102Ba スライドガイド
102Bb 当接部 102Bc 先端部
102Bd 入射面
102Be 光拡散部
102C 第2操作部
103 ライトガイド
103A 本体部
103B 脚部
104 カバー
106 ホルダ
106A1,106A2 アーム
106B 第1筒部 106Ba 接続部
106C 第2筒部
106D 回転被支持部
106E 基部
106F 突部
107 トーションばね
107A 本体部
107B1、107B2 延設部
107C 係合部
108 筐体
108A 上面
108B 台座部
108C 開口部
108D 下側開口部
108E ガイド壁部
108Ea ガイド面
109 カバー
109A 開口部
110 アクチュエータ
110A 開口部
110B 第1壁部
110C 第2壁部
110Ca 内周面
110D 基部
110E 開口部
110F 開口部
110G 開口部
111 支持軸
111A スライドガイド
111B 当接部
112 回転支持部
113 押圧部
113A 押圧面
114 支持面
130 基板
130A 上面
130B 下面
131 押圧検出スイッチ
131A 突起
132-1~132-4 傾倒検出スイッチ
132-1A、132-2A、132-3A、132-4A 外縁部
132A 突起
133-1,133-2 貫通孔
134,135-1~135-4 LED
137,138 回転検出スイッチ
137A,138A 突起
AX 回転中心軸
B 領域
C 円