(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074350
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】スキャナ装置及びエリア設定方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
G01S7/497
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187267
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒向 浩幸
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA02
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB07
5J084AC07
5J084BA20
5J084DA08
5J084EA08
5J084EA29
5J084EA34
(57)【要約】
【課題】監視エリアを設定するエリア設定者の負担を低減できるスキャナ装置を提供する。
【解決手段】監視エリアMRを設定するスキャナ装置であって、監視エリアを設定するためのエリア設定要求信号を遠隔制御装置から取得する取得部と、スキャナ装置の周囲の各検出方向に対して投光光を投光する投光部と、投光光が物体により反射又は散乱された検出光を含む光を受光して、受光信号を生成する受光部と、受光信号に基づいて、監視エリアを設定する移動可能なエリア設定者の各検出方向における各位置を認識する認識部と、取得部によるエリア設定要求信号の取得に応じて、認識部により認識されたエリア設定者の各検出方向における各位置に基づいて、監視エリアを設定するエリア設定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視エリアを設定するスキャナ装置であって、
前記監視エリアを設定するためのエリア設定要求信号を遠隔制御装置から取得する取得部と、
前記スキャナ装置の周囲の各検出方向に対して投光光を投光する投光部と、
前記投光光が物体により反射又は散乱された検出光を含む光を受光して、受光信号を生成する受光部と、
前記受光信号に基づいて、前記監視エリアを設定する移動可能なエリア設定者の各検出方向における各位置を認識する認識部と、
前記取得部による前記エリア設定要求信号の取得に応じて、前記認識部により認識された前記エリア設定者の各検出方向における各位置に基づいて、前記監視エリアを設定するエリア設定部と、
を備えるスキャナ装置。
【請求項2】
回転軸を中心に前記検出方向を回転させる回転機構部、を更に備え、
前記認識部は、前記受光信号に基づいて、前記回転機構部による回転の角度と、前記スキャナ装置から前記エリア設定者が所在する位置までの距離と、を認識し、
前記エリア設定部は、前記認識部により認識された前記角度と前記距離とに基づいて、前記監視エリアを設定する、
請求項1に記載のスキャナ装置。
【請求項3】
前記回転機構部による回転速度を変更する回転制御部、を更に備える、
請求項2に記載のスキャナ装置。
【請求項4】
記憶部、を更に備え、
前記エリア設定部は、
前記認識部により認識された前記角度と前記距離とに基づいて、前記スキャナ装置から前記監視エリアの周端までの距離に対応する角度毎の設定距離を導出し、
前記角度毎の設定距離を前記記憶部に記憶させる、
請求項2又は3に記載のスキャナ装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記受光部を含み、
前記投光部は、第1の波長を有する前記投光光を投光し、
前記受光部は、前記第1の波長を有する前記検出光及び前記エリア設定要求信号を受光する、
請求項2~4のいずれか1項に記載のスキャナ装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記受光部を含み、
前記受光部は、前記検出光と前記エリア設定要求信号とを異なるタイミングで受光し、
前記認識部は、
前記エリア設定要求信号が受光された時間位置に基づいて、前記エリア設定者が所在する位置の前記角度を認識し、
認識された前記角度と前記検出光とに基づいて、前記エリア設定者が所在する位置までの前記距離を認識する、
請求項2~5のいずれか1項に記載のスキャナ装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記受光部を含み、
前記受光部は、前記検出光と前記エリア設定要求信号とを同じタイミングで受光し、
前記認識部は、
前記エリア設定要求信号が受光された時間位置に基づいて、前記エリア設定者が所在する位置の前記角度を認識し、
認識された前記角度と前記検出光とに基づいて、前記エリア設定者が所在する位置までの前記距離を認識する、
請求項2~5のいずれか1項に記載のスキャナ装置。
【請求項8】
信号分離部、を更に備え、
前記信号分離部は、前記受光信号から前記エリア設定要求信号を分離する、
請求項7に記載のスキャナ装置。
【請求項9】
前記認識部は、前記受光部による受光可能範囲において前記エリア設定要求信号が受光された複数の時間位置の中央位置に基づいて、前記エリア設定者が所在する位置の前記角度を認識する、
請求項6~8のいずれか1項に記載のスキャナ装置。
【請求項10】
設定された前記監視エリア内に前記エリア設定者が位置するか否かを判定する判定部と、
前記監視エリア内に前記エリア設定者が位置すると判定された場合、前記監視エリア内に前記エリア設定者が検出されたことを示す設定者検出信号を出力する出力部と、を更に備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載のスキャナ装置。
【請求項11】
前記出力部は、通信部を含み、前記設定者検出信号を前記遠隔制御装置へ送信する、
請求項10に記載のスキャナ装置。
【請求項12】
前記出力部は、前記投光部を含み、
前記投光部は、
前記投光光を所定の時間間隔で投光し、
前記監視エリア内に前記エリア設定者が位置すると判定された場合、前記投光光に置換して、前記設定者検出信号を前記エリア設定者に向かって投光する、
請求項10又は11に記載のスキャナ装置。
【請求項13】
前記投光部は、前記受光部により受光された前記検出光に基づいて、前記設定者検出信号を生成する、
請求項12に記載のスキャナ装置。
【請求項14】
監視エリアを設定するエリア設定方法であって、
前記監視エリアを設定するためのエリア設定要求信号を遠隔制御装置から取得するステップと、
前記監視エリアを設定するスキャナ装置の周囲の各検出方向に対して投光光を投光するステップと、
前記投光光が物体により反射又は散乱された検出光を含む光を受光して、受光信号を生成するステップと、
前記受光信号に基づいて、前記監視エリアを設定する移動可能なエリア設定者の各検出方向における各位置を認識するステップと、
前記エリア設定要求信号の取得に応じて、認識された前記エリア設定者の各検出方向における各位置に基づいて、前記監視エリアを設定するステップと、
を有するエリア設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スキャナ装置及びエリア設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャン面上の測距位置と実空間との対応関係を把握する安全スキャナが知られている(特許文献1参照)。この安全スキャナは、検出エリアに対し検出光を投光する投光手段と、上記検出エリア内の対象物からの反射光を受光して受光信号を生成する受光手段と、上記受光信号に基づいて、上記対象物までの距離を求める距離算出手段と、回転軸を中心として上記検出光を周方向に走査させる走査手段と、上記距離及び上記検出光の走査角に対応する測距情報を求める測距手段と、上記検出エリア内において保護エリアを指定するエリア指定情報を設定支援装置から受信するエリア指定情報受信手段と、上記測距情報及び上記エリア指定情報に基づいて、上記保護エリア内の侵入物を検知する侵入検知手段と、上記検出エリア内に移動可能に配置されたマーカを判別するマーカ判別手段と、上記保護エリアを決定するためのエリア生成情報として、上記マーカの測距情報を上記設定支援装置へ送信するエリア生成情報送信手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の安全スキャナでは、設定支援装置としてのPC(Personal Computer)が安全スキャンに通信ケーブルを介して接続されている。また、人がマーカの位置を持って移動することで、保護エリアの設定を支援する。そのため、特許文献1の安全スキャナを用いて保護エリアに対応する監視エリアを設定する場合には、以下のような状況が想定される。
【0005】
具体的には、監視エリアを設定するエリア設定者は、監視エリアの設定時に検出エリアにおいてマーカを持って、保護エリアが設定される現場において移動することが必要である。また、エリア設定者は、監視エリアが設定される現場とPCとの間を移動しながら監視エリアの設定及び設定された監視エリアでの検出可否の確認を行うことが必要である。よって、エリア設定者は、最低2回はエリア設定対象の現場に出向く必要があり、エリア設定者の負担が大きく、監視エリアの確定までに時間を要する。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、監視エリアを設定するエリア設定者の負担を低減できるスキャナ装置及びエリア設定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、監視エリアを設定するスキャナ装置であって、前記監視エリアを設定するためのエリア設定要求信号を遠隔制御装置から取得する取得部と、前記スキャナ装置の周囲の各検出方向に対して投光光を投光する投光部と、前記投光光が物体により反射又は散乱された検出光を含む光を受光して、受光信号を生成する受光部と、前記受光信号に基づいて、前記監視エリアを設定する移動可能なエリア設定者の各検出方向における各位置を認識する認識部と、前記取得部による前記エリア設定要求信号の取得に応じて、前記認識部により認識された前記エリア設定者の各検出方向における各位置に基づいて、前記監視エリアを設定するエリア設定部と、を備えるスキャナ装置である。
【0008】
本開示の一態様は、監視エリアを設定するエリア設定方法であって、前記監視エリアを設定するためのエリア設定要求信号を遠隔制御装置から取得するステップと、前記監視エリアを設定するスキャナ装置の周囲の各検出方向に対して投光光を投光するステップと、前記投光光が物体により反射又は散乱された検出光を含む光を受光して、受光信号を生成するステップと、前記受光信号に基づいて、前記監視エリアを設定する移動可能なエリア設定者の各検出方向における各位置を認識するステップと、前記エリア設定要求信号の取得に応じて、認識された前記エリア設定者の各検出方向における各位置に基づいて、前記監視エリアを設定するステップと、を有するエリア設定方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、監視エリアを設定するエリア設定者の負担を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態における監視システムの構成例を示す模式図
【
図2A】側方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図2B】上方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図3】第1の実施形態における監視装置の構成例を示すブロック図
【
図4】第1の実施形態における制御部の機能構成例を示すブロック図
【
図5】第1の実施形態における遠隔制御装置の構成例を示すブロック図
【
図6】第1の実施形態における監視装置と遠隔制御装置との間で送受される各信号の一例を示す図
【
図7A】第1の実施形態における監視システムの動作例を示すシーケンス図
【
図7B】第1の実施形態における監視システムの変形動作例を示すシーケンス図
【
図9】監視システムによるエリア設定時の信号の第1出力例を示す図
【
図10】監視システムによるエリア設定時の信号の第2出力例を示す図
【
図11】監視装置による空間的な受光可能範囲の一例を示す図
【
図14】光学的な警報出力例を示すタイミングチャート
【
図15】第2の実施形態における監視システムの構成例を示す模式図
【
図16】第2の実施形態における監視装置の構成例を示すブロック図
【
図17】第2の実施形態における制御部の機能構成例を示すブロック図
【
図18】第2の実施形態における遠隔制御装置の構成例を示すブロック図
【
図19】第2の実施形態における監視装置と遠隔制御装置との間で送受される各信号の一例を示す図
【
図20】第2の実施形態における監視システムの動作例を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
<監視システムの概要>
図1は、第1の実施形態における監視システム5の構成例を示す模式図である。監視システム5は、監視装置10と遠隔制御装置20とを含む構成である。
【0013】
監視装置10は、光学的に監視エリアMR内を監視する。監視装置10は、例えば工場内に配置され、安全な作業がされているかどうかを監視する。監視装置10は、ライダ(LiDAR)装置であり、例えば電動光機械式のライダ装置であるが、その他の方式のライダ装置でもよい。監視装置10は、設定された監視エリアMRに従って監視する。
【0014】
監視装置10は、監視環境に配置される。監視環境には、例えば、監視装置10及びロボット装置30が配置される。
図1では、ロボット装置30がベース上に配置され、監視装置10がベース上のロボット装置30の近傍に配置されているが、これに限られない。また、監視環境には、作業者やその他の物体が存在し得る。作業者には、監視装置10により監視エリアMRを設定するエリア設定者H1が含まれる。また、作業者は、例えば、監視環境を目視確認、ロボット装置30の確認又はロボット装置30により製造された製造物の確認等を行う監視者が含まれ得る。その他の物体は、例えば工場内での作業に必要な物体や車両が考えられる。
【0015】
遠隔制御装置20は、監視エリアMRを設定するための遠隔制御が可能であり、例えば携帯端末装置としてのリモコン装置である。遠隔制御装置20は、例えばエリア設定者H1によって把持される。遠隔制御装置20は、遠隔制御装置20へのエリア設定者H1による入力操作に応じて、監視エリアMRの設定を支援する。遠隔制御装置20は、例えば遠隔地にある監視装置10との間で、有線又は無線により様々な情報を通信する。
【0016】
監視装置10と遠隔制御装置20とは、協働して監視エリアMRを設定する。例えば、作業者がロボット装置30に接近すると、ロボット装置30の動作により作業者に対して危険が生じ得る。そのため、例えばロボット装置30の動作可能範囲(例えばロボットアーム等が到達可能な範囲)を基に、監視エリアMRが設定され得る。
【0017】
監視装置10は、監視エリアMR内を監視し、監視エリアMR内に作業者等の物体が存在するか否かを検出する。監視エリアMRに物体が存在することが検出された場合には、監視装置10は、監視エリアに進入した物体が存在することを示す警告情報を出力(警報出力)可能である。したがって、監視装置10は、警報出力機能付きのエリアスキャナと(スキャナ装置)して動作可能である。
【0018】
<監視装置の構成>
図2Aは、側方から見た監視装置10の外観例を示す概略図である。
図2Bは、上方から見た監視装置10の外観例を示す概略図である。
【0019】
なお、本実施形態では、x方向、y方向及びz方向を規定している。x方向は、監視装置10が設置される設置面S1に平行なxy平面における任意の方向である。y方向は、xy平面においてx方向に垂直な方向である。z方向はxy平面に垂直な方向である。xy平面は、例えば水平方向に平行である。z方向は、例えば重力方向に平行である。z方向の正側を上とも記載し、z方向の負側を下とも記載する。この方向の規定は、他の実施形態においても同様である。
【0020】
監視装置10は、下筐体15と上筐体16とを有する。下筐体15は、例えば直方体形状(箱型形状)を有するが、その他の形状であってもよい。下筐体15は、例えば、透光性を有さず、金属により構成可能である。上筐体16は、上方から見ると円形状を有しており、監視装置10の設置面S1に近い方から設置面S1に遠い方に向けて拡径する形状を有するが、その他の形状(例えば直方体形状)であってもよい。上筐体16は、例えば樹脂により構成可能であり、少なくとも一部に透光性を有する透光窓を有する。透光窓は、例えば、監視装置10の内部から外部へ及び外部から内部へ不可視光(例えば赤外光)を透過可能であり、可視光を透過可能でもよい。また、上筐体16は、上筐体16の全体が透光性を有する場合には、透光性を有する有色又は無色のカバーであってもよい。
【0021】
図3は、監視装置10の構成例を示すブロック図である。監視装置10は、制御部110、記憶部120、回転機構部130、投光部140、受光部150、信号分離部160、角度検出部170、データ入力部180、及びデータ出力部190を備える。
【0022】
制御部110は、例えばプロセッサにより構成され、記憶部120に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、等を含んでよい。制御部110は、監視装置10の各部の動作を統括し、各種処理を行う。例えば、制御部110は、監視エリアMRを設定するエリア設定動作、物体検出動作、又は回転機構部130による回転動作等を制御する。
【0023】
記憶部120は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))を含む。記憶部120は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。記憶部120は、その他の記憶装置を含んでよい。記憶部120は、各種データ、情報、又はプログラム等を記憶する。例えば記憶部120は、監視エリアMRに関する情報(例えば監視エリアMRの位置、サイズ、又は形状の情報)、監視エリアMRに照射される可視光に関する情報(例えば照射態様、波長の情報)、監視エリアMR内に照射される不可視光に関する情報(例えば照射態様、波長の情報)、等を記憶してよい。不可視光又は可視光の照射態様は、照射間隔、照射される光の周波数、又は照射パターン等を含んでよい。また、記憶部120は、後述する閾値テーブルT1を保持する。
【0024】
回転機構部130は、光学系(例えば図示しないミラー、レンズ)を、回転軸を中心にxy平面に沿って回転させる。回転軸は、例えば、監視装置10のxy平面に沿う面(例えば底面)における中心を通り、z軸に平行な軸である。光学系は、回転機構部130の回転により、投光部140による投光方向及び受光部150による受光方向(検出方向)を、xy平面に沿って変更する(走査する)。つまり、光学系は、監視装置10による物体の検出方向を監視装置10の周囲の全周又は全周の一部において変更する。なお、回転機構部130は、光学系とともに、又は光学系の代わりに、投光部140及び受光部150をxy平面に沿って回転させることで、検出方向を変更自在としてもよい。
【0025】
投光部140は、レーザダイオード等の発光素子を含み、所定の光を投光する。投光部140は、少なくとも不可視光(例えば赤外光)を投光し、可視光を投光してもよい。投光部140は、投光可能な光の波長を変更可能でよい。例えば、投光部140は、投光可能な光の波長が予め定められており、複数の波長の中から投光対象の光の波長を選択して決定されてもよい。また、投光部140は、任意の光の波長を投光可能であってもよい。投光部140により投光される光(投光光)は、例えば、検出対象の物体により反射又は散乱され得る。投光部140は、複数設けられてもよい。
【0026】
投光部140は、後述する距離測定発光同期部114(
図4参照)からの距離測定同期信号に基づいて、距離測定用の光を投光してよい。投光部140は、後述する警報出力発光同期部115からの警報出力同期信号(
図4参照)に基づいて、警報出力信号を投光してよい。また、投光部140は、各種の光信号を投光してよい。
【0027】
受光部150は、フォトダイオード等の受光素子を含み、所定の光を受光する。受光部150は、少なくとも不可視光(例えば赤外光)を受光し、可視光を受光してもよい。受光部150は、受光可能な光の波長を変更可能である。例えば、受光部150は、受光可能な光の波長が予め定められており、複数の波長の中から受光対象の光の波長を選択して決定されてもよい。また、受光部150は、任意の光の波長を受光可能であってもよい。受光部150により受光される光(受光光)は、例えば、投光部140により投光された投光光が、検出対象の物体により反射又は散乱された検出光を含んでよい。また、受光部150は、各種の光信号を受光してもよいし、検出光に任意の光信号が重畳された光を受光してもよい。受光部150は、受光光から受光信号を生成する。よって、受光信号には、検出光、各種の光信号、又はこれらの合成光信号が含まれ得る。
【0028】
信号分離部160は、例えばビームスプリッタであり、受光信号を複数の信号成分に分離する。複数の信号成分には、例えば、後述する距離検出信号及びエリア設定要求信号が含まれる。距離検出信号は、監視装置10と物体の検出位置との間の距離を検出するための信号であり、例えば検出光の信号が含まれる。物体の検出位置は、投光光が物体により反射又は散乱された位置である。この検出位置は、例えば遠隔制御装置20の位置であり、遠隔制御装置20を把持するエリア設定者H1の位置であり得る。エリア設定要求信号は、監視エリアMRを設定するためのトリガ信号である。エリア設定要求信号は、データ書換要求信号として制御部110に渡される。データ書換要求信号は、監視エリアMRを規定する閾値データの書き換えを要求する信号である。閾値データの書き換えは、例えば、閾値テーブルT1に閾値データを新規に保存すること、又は既存の閾値データを変更することを含んでよい。なお、信号分離部160は、受光信号に含まれる受光信号が1つの信号成分(例えば検出光の信号)である場合には、受光信号を分離しなくてよい。
【0029】
角度検出部170は、監視装置10による検出方向(検出角度)を検出する。具体的には、角度検出部170は、監視装置10が発するエンコーダ信号(例えばエンコーダパルス)を基に、回転機構部130の回転の角度を物理的な変化量として検出する。検出角度は、例えば、監視装置10の所定の基準方向に対する角度で示され、例えば、所定の方向に対する、投光部140からの投光光の照射方向及び受光部150による受光光(例えば検出光)の受光方向(検出方向)を示してよい。例えば、監視装置10により物体を検出可能な検出範囲の中心方向が、検出方向になる。回転機構部130は、xy平面に沿って任意の速度で回転する。回転速度は一定でもよいし、可変でもよい。監視装置10が回転することで、監視装置10の周囲にある所定の位置は、周期的に検出可能である。回転速度が一定の場合には、この所定の位置は一定周期で検出可能である。
【0030】
データ入力部180は、各種データ、情報、信号等を入力する。データ入力部180は、例えば無線通信部を有し、無線通信部が、電波等によって受信することで入力してもよい。データ入力部180は、例えば音響入力部(マイクロホン)を有し、音響入力部が、音響によって入力してもよい。データ入力部180は、例えば超音波受信部を有し、超音波受信部が、超音波によって受信することで入力してもよい。なお、光学的な入力は、受光部150による受光によって行われる。データ入力部180は、例えば、遠隔制御装置20から監視エリアMRを設定するためのエリア設定要求信号を入力してよい。エリア設定要求信号は、データ書換要求信号として制御部110に渡されてよい。
【0031】
データ出力部190は、各種データ、情報、信号等を出力する。データ出力部190は、例えば無線通信部を有し、無線通信部が、電波等によって送信することで出力してもよい。データ出力部190は、例えば音響出力部(スピーカ)を有し、音響出力部が、音響によって出力してもよい。データ出力部190は、例えば超音波送信部を有し、超音波送信部が、超音波によって出力してもよい。なお、光学的な出力は、投光部140による投光によって行われる。
【0032】
データ出力部190は、例えば監視エリアMR内に物体が検出された場合、つまり後述する比較判定部113(
図4参照)から物体検出信号を取得した場合、警告情報を含む警報出力信号を出力してよい。警報出力信号は、例えば、遠隔制御装置20、エリア設定者H1、又は監視者に向かって出力されてよい。
【0033】
また、データ出力部190は、物体検出信号を取得した場合、物体検出信号をPLC(Programmable Logic Controller)装置へ送信する。PLC装置は、ロボット装置30の動作の制御を指示する。PLC装置は、監視装置10から物体検出信号を受信すると、物体検出信号に基づいてロボット装置30の動作を制限する信号(動作制限指示信号)をロボット装置30に送信する。ロボット装置30は、PLC装置から動作制限指示信号を受信すると、ロボット装置30の動作を制限する。ロボット装置30の動作の制限は、ロボット装置30の動作の停止、ロボット装置30の動作可能範囲の縮小、動作速度の低減、又はその他の動作の制限を含んでよい。このようにして、監視装置10は、監視エリアMR内にエリア設定者H1又は監視者等が存在する場合には、ロボット装置30等の危険源の動作を制限でき、作業者の安全性を確保できる。
【0034】
図4は、制御部110の機能構成例を示すブロック図である。
制御部110は、各種機能を実現する機能部として、距離計算部111、データ書換部112、比較判定部113、距離測定発光同期部114、及び警報出力発光同期部115を含む。
【0035】
距離計算部111は、例えばTOF(Time Of Flight)方式によって、距離検出信号に基づいて、監視装置10と物体の検出位置との間の距離(検出距離)を計算する。TOF方式では、投光部140から投光された投光光が、物体で反射又は散乱されて監視装置10に戻り、受光部150により検出光として受光されるまでの時間が計算され、この時間に基づいて検出距離が計算される。
【0036】
データ書換部112は、角度距離データとデータ書換要求信号を取得する。角度距離データは、角度検出部170により検出された検出角度と、距離計算部111により得られた検出距離と、を含むデータである。データ書換要求信号は、信号分離部160又はデータ入力部180から取得される。データ書換部112は、データ書換要求信号及び角度距離データに基づいて、監視エリアMRを決定してよい。この場合、データ書換部112は、監視エリアMRの位置、サイズ、又は形状等の全体を決定し、決定された監視エリアMRの周端(外縁、外周)を規定する各点を示す角度及び距離を導出する。データ書換部112は、導出された角度及び距離を、閾値データとして、記憶部120に保持された閾値テーブルT1に書き込む。例えば、データ書換部112は、導出された各角度及び各距離を、監視エリアMRの周端を構成する一点として、閾値テーブルT1に新たに閾値データとして追加して記憶させてよい。また、データ書換部112は、閾値テーブルT1に記憶された閾値データを、導出された角度及び距離で更新して記憶させてもよい。
【0037】
比較判定部113は、閾値テーブルT1に保持された閾値データと、監視モードの設定時において取得された角度距離データと、に基づいて、監視エリアMR内に物体が存在するか否かを判定する。この場合、比較判定部113は、閾値テーブルT1に保持された閾値データを取得し、設定された監視エリアMRを認識する。比較判定部113は、監視モードの設定時に得られた角度距離データに含まれる検出角度と検出距離と、に基づいて、物体の検出位置を認識する。比較判定部113は、監視エリアMR内に物体の検出位置が含まれるか否かを判定する。比較判定部113は、監視エリアMR内に物体が存在することを検出した場合、物体検出信号を警報出力発光同期部115及びデータ出力部190に送る。
【0038】
距離測定発光同期部114は、角度検出部170から検出角度を取得する。距離測定発光同期部114は、検出角度つまり投光部140による距離測定用(物体検出用)の投光方向と、投光部140による距離測定用の投光タイミングと、を同期させる。距離測定発光同期部114は、この同期を行うための距離測定同期信号を投光部140に送る。距離測定は、例えば、監視エリアMRを設定するエリア設定者H1までの距離の測定、又は、設定された監視エリアMR内の物体までの距離の測定であってよい。
【0039】
警報出力発光同期部115は、角度検出部170から検出角度を取得する。警報出力発光同期部115は、比較判定部113からの物体検出信号を取得した場合、検出角度つまり投光部140による警報出力用の投光方向と、投光部140による警報出力用の投光タイミングと、を同期させる。警報出力発光同期部115は、この同期を行うための警報出力同期信号を投光部140に送る。警報出力は、監視エリアMR内の物体(例えば作業者(例えばエリア設定者H1又は監視者))に対して危険を知らせる警告情報の出力であってよい。
【0040】
また、制御部110は、検出された物体が人(例えば作業者)であるか否かを認識してよい。この場合、制御部110は、検出された物体の形状に基づいて、人であるか否かを認識してよい。例えば、人の通常時の2つの脚の水平方向における間隔(例えば両脚を広げた際の間隔)の範囲(両脚パターンとも称する)と、人の通常時の腕の垂直方向(重力方向)長さ(例えば腕を挙上した際の長さ)の範囲(両腕パターンとも称する)と、の情報を、人を判別するためのマッチング情報として記憶部120に記憶しておく。マッチング情報は、人を判別するための他の情報を含んでもよい。制御部110は、検出された物体とマッチング情報とを比較して、検出された物体が人であるか否かを判定してよい。例えば、検出された物体とマッチング情報との一致度が所定閾値以上である場合には、検出された物体が人つまり作業者であると判定し、検出された物体とマッチング情報との一致度が所定閾値未満である場合には、検出された物体が人つまり作業者ではないと判定してよい。
【0041】
また、制御部110は、監視システム5の動作モードを設定する。監視システム5の動作モードは、物体を検出するための監視モードと、監視エリアを設定するためのエリア設定モードと、を含む。監視モードでは、物体検出用の光信号の送受が行われるが、エリア設定用の信号の送受が行われる。監視モードでは、物体検出時の警報出力が行われる。エリア設定モードでは、物体検出用の光信号の送受が行われるとともに、エリア設定用の信号の送受も行われる。エリア設定モードでは、物体検出時の警報出力は行われない。制御部110は、エリア設定要求信号の取得されている期間、動作モードをエリア設定モードに設定してよい。制御部110は、エリア設定要求信号が取得されていない期間、動作モードを監視モードに設定してよい。また、制御部110は、監視モードからエリア設定モードへの切り替えでは、遠隔制御装置20からエリア設定要求信号を受けると、設定要求信号をトリガとした割り込みルーチンとして、監視モードに対応するフローのメインルーチンから、エリア設定モードに対応するサブルーチンに一定時間遷移してもよい。なお、制御部110は、監視装置10が備える操作部(不図示)を介して、遠隔制御装置20からの信号によらずに、動作モード(例えばエリア設定モード、監視モード)を設定してもよい。
【0042】
また、制御部110は、回転機構部130による回転速度を一定に制御しても変更してもよい。例えば、エリア設定モードでは回転機構部130による回転速度を変更することで、監視エリアMRの設定精度を調整できる。例えば、監視装置10は、この回転速度を低速にすることで、エリア設定時の角度分解能を高くでき、監視エリアMRの設定精度を向上できる。また、制御部110は、エリア設定モードの設定時よりも監視モードの設定時の方が回転機構部130による回転速度を高速にするよう制御してもよい。この場合、監視装置10は、監視エリアMRにおける物体検出を高速に実現できる。
【0043】
図5は、遠隔制御装置20の構成例を示すブロック図である。遠隔制御装置20は、受光部210と、表示部220と、操作部230と、投光部240と、制御部250と、データ入力部260と、データ出力部270と、を含む構成である。また、遠隔制御装置20は、データ出力部270を含んでもよい。
【0044】
受光部210は、受光素子を含み、所定の光を受光する。受光部210は、少なくとも不可視光(例えば赤外光)を受光し、可視光を受光してもよい。受光部210は、受光可能な光の波長を変更可能である。例えば、受光部210は、受光可能な光の波長が予め定められており、複数の波長の中から受光対象の光の波長を選択して決定されてもよい。また、受光部210は、任意の光の波長を受光可能であってもよい。受光部210により受光される光(受光光)は、例えば、監視装置10からの投光光、警報出力信号を含み得る。受光部210は、受光光から受光信号を生成する。
【0045】
表示部220は、各種情報を表示する。表示部220は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであってもよいし、単に光を発するLED等であってもよい。表示部220は、例えば、受光部210又はデータ入力部260を介して警報出力信号を入力した場合、警報出力信号に含まれる警告情報に基づいて各種情報を表示してもよい。表示される情報は、例えば、物体(例えばエリア設定者H1又は監視者)が検出されたことを示す情報、物体の検出位置(検出角度、検出位置)が含まれてよい。これにより、例えばエリア設定者H1又は監視者は、自分が監視エリアMR内に位置していることを把握できる。
【0046】
操作部230は、各種ボタン、キー、スイッチ、タッチパネル、マイクロホン、又はその他の入力デバイスを含んでよい。操作部14は、各種データや情報の入力を受け付ける。制御部250は、例えば、操作部230としてのスイッチの押下を検出することで、投光部240又はデータ出力部270を介して、エリア設定要求信号を監視装置10に出力してよい。
【0047】
投光部240は、発光素子を含み、所定の光を投光する。投光部240は、少なくとも不可視光(例えば赤外光)を投光し、可視光を投光してもよい。投光部240は、投光可能な光の波長を変更可能でよい。例えば、投光部240は、投光可能な光の波長が予め定められており、複数の波長の中から投光対象の光の波長を選択して決定されてもよい。また、投光部240は、任意の光の波長を投光可能であってもよい。投光部240により投光される光(投光光)は、例えば、監視装置10に向かって出力される。また、投光部240は、エリア設定要求信号を投光してよい。
【0048】
制御部250は、例えばプロセッサにより構成され、記憶部(不図示)に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、等を含んでよい。制御部250は、遠隔制御装置20の各部の動作を統括し、各種処理を行う。
【0049】
データ入力部260は、各種データ、情報、信号等を入力する。データ入力部260は、例えば無線通信部を有し、無線通信部が、電波等によって受信することで入力してもよい。データ入力部260は、例えば音響入力部(マイクロホン)を有し、音響入力部が、音響によって入力してもよい。データ入力部260は、例えば超音波受信部を有し、超音波受信部が、超音波によって受信することで入力してもよい。なお、光学的な入力は、受光部210による受光によって行われる。データ入力部260は、例えば、監視装置10からの警報出力信号を入力してよい。
【0050】
データ出力部270は、各種データ、情報、信号等を出力する。データ出力部270は、例えば無線通信部を有し、無線通信部が、電波等によって送信することで出力してもよい。データ出力部270は、例えば音響出力部(スピーカ)を有し、音響出力部が、音響によって出力してもよい。データ出力部270は、例えば超音波送信部を有し、超音波送信部が、超音波によって出力してもよい。なお、光学的な出力は、投光部240による投光によって行われる。データ出力部270は、例えば、エリア設定要求信号を出力してよい。
【0051】
図6は、監視装置と遠隔制御装置との間で送受される各信号の一例を示す図である。
【0052】
図6に示すように、監視装置10から遠隔制御装置20へ、例えば、物体検出用の監視光(投光光)と、警報出力信号と、が送られる。警報出力信号は、光学的に投光されてもよいし、光学的な方法以外の方法で、出力されてもよい。また、遠隔制御装置20から監視装置10へ、例えば、投光光に対する監視光(検出光)と、エリア設定要求信号と、が送られる。エリア設定要求信号は、光学的に投光されてもよいし、光学的な方法以外の方法で、出力されてもよい。
【0053】
<監視システムの動作>
次に、監視システム5の動作例について説明する。
図7Aは、監視システム5の動作例を示すシーケンス図である。
【0054】
エリア設定者H1は、監視装置10の周囲を移動可能である。エリア設定者H1が検出エリア内に所在する場合には、制御部110は、エリア設定者H1を検出可能である。検出エリア内に、監視エリアMRが設定される。
【0055】
まず、エリア設定者H1が、監視エリアMRを設定するための任意の1つの基準位置rpに、遠隔制御装置20を把持して移動する。1つの基準位置rpは、例えば、監視装置10に対してA1度(例えば100度)であり、監視装置10から距離A2(例えば2000mm)である位置である。
【0056】
監視装置10は、投光部140が、任意のタイミングで、物体検出用の投光光の投光を開始し、受光部150が、投光光に応じた検出光の受光を開始する(S11)。投光光の投光及び検出光の受光は、エリア設定モードにおいても監視モードにおいても継続される。
【0057】
遠隔制御装置20は、操作部230に対して、エリア設定者H1からの監視エリアMRを設定するためのエリア設定操作を受けていないとする。エリア設定操作は、例えばエリア設定者H1によるスイッチの押下でよい。この場合、遠隔制御装置20は、受光部210を介して投光光を検出しても、エリア設定要求信号を出力しない。一方、制御部250は、操作部230を介してエリア設定操作を受けたとする(S12)。この場合に、制御部250は、受光部210を介して投光光を検出すると、投光光に応じて、投光部240又はデータ出力部270を介して、エリア設定要求信号を出力する(S13)。エリア設定操作が継続されている期間、エリア設定要求信号の送信が継続されてよい。
【0058】
監視装置10は、制御部110が、受光部150又はデータ入力部180を介してエリア設定信号を取得すると、動作モードをエリア設定モードに変更する(S14)。この場合、制御部110は、監視装置10が備える表示装置(不図示)又は外部表示装置(不図示)を介して、エリア設定モードに設定されたことを示す情報を表示してもよい。制御部110は、エリア設定モードに設定されると、基準位置rpについての検出距離や検出角度を導出し(S15)、閾値データとして閾値テーブルT1に保持させる(S16)。閾値テーブルT1には、閾値データとして、角度毎の距離閾値が保持される。例えば、100度の場合の距離閾値2000mmが登録される。角度毎の距離閾値は、監視装置10から監視エリアMRの周端までの距離に対応する角度毎の設定距離を示す。
【0059】
エリア設定者H1が検出エリア内で移動すると、異なる基準位置rpについての検出角度及び検出距離が導出され得る。制御部110は、ステップS15の場合と異なる検出角度及び検出距離が導出された場合(S17のYes)、この検出角度及び検出距離に基づく閾値データを閾値テーブルT1に保持させる。エリア設定者H1が検出エリア内で移動を継続することで、制御部110は、ステップS16,S17の処理を繰り返し実行できる。
【0060】
遠隔制御装置20は、制御部250が、エリア設定者H1からのエリア設定操作の受け付けが終了すると、投光部240又はデータ出力部270を介したエリア設定要求信号の出力を終了する。監視装置10は、制御部110が、受光部150又はデータ入力部180を介したエリア設定要求信号の取得を終了すると、動作モードをエリア設定モードから監視モードに変更する(S18)。なお、遠隔制御装置20は、エリア設定要求信号の送信終了により間接的に動作モードを監視モードに遷移にさせるのではなく、動作モードを監視モードとするための指示信号を投光部240又はデータ出力部270を介して出力してもよい。
【0061】
監視装置10は、制御部110の例えば比較判定部113が、閾値テーブルT1に保持された各閾値データとしての角度毎の距離閾値を取得し、角度毎の距離閾値に基づいて、監視エリアMRを設定する(S19)。
【0062】
エリア設定者H1は、監視モードに変更後においても、検出エリア内に留まっていることが可能である。監視装置10は、制御部110の比較判定部113が、監視エリアMR内でエリア設定者H1が検出されたか否かを判定する(S20)。監視エリアMR内でエリア設定者H1が検出された場合、投光部140又はデータ出力部190が、設定者検出情報を含む警報出力信号を出力する(S21)。設定者検出情報は、監視エリアMR内でエリア設定者H1が検出されたこと、又は、エリア設定者H1が検出された検出角度及び検出位置、等を含んでよい。
【0063】
遠隔制御装置20は、制御部250が、受光部210又はデータ入力部260を介して警報出力信号を取得した場合、表示部220を介して設定者検出情報を表示する(S22)。
【0064】
また、監視エリアMRの確認時においても、エリア設定者H1が検出エリア内で移動可能である。そのため、エリア設定者H1の位置に対応して異なる検出角度及び検出距離が導出され得る。したがって、エリア設定者H1が所在する位置が移動する度に、制御部110は、異なる検出角度及び検出距離が導出された場合、ステップS20における監視エリアMR内でエリア設定者H1が検出されたか否かの判定を繰り返してよい。
【0065】
このように、監視システム5は、エリア設定者H1は、遠隔制御装置20を把持して監視装置10の周囲を移動しながら、各基準位置rpについて監視装置10の位置を基準とした角度及び距離のデータが収集される。監視装置10は、収集された各角度距離データに基づいて、各閾値データを容易に閾値テーブルT1に登録できる。
【0066】
また、監視モードに遷移して設定された監視エリアを確認する際も、エリア設定者H1は、検出エリア内を引き続き移動できる。監視装置10は、検出エリア内でエリア設定者H1が所在するそれぞれの確認位置が、監視エリアMRの内側か外側かを判別し、警報出力信号を遠隔制御装置20に出力する。これにより、エリア設定者H1は、エリア設定時とエリア確認時において、長い距離を移動することなく、各確認位置が検出エリア内であるかどうかを容易に確認できる。
【0067】
また、設定者検出情報は、エリア設定者H1が検出されたことを示す情報ではなく、エリア設定者H1が検出されなかったことを示す情報を含んでもよい。この場合、遠隔制御装置20は、エリア設定者H1の移動に応じて、エリア設定者H1が検出されたことを示す情報、又はエリア設定者H1が検出されなかったことを示す情報を、連続的に表示してもよい。これにより、エリア設定者H1は、監視エリアMRの境界付近を容易に確認できる。
【0068】
なお、各確認位置での確認結果が、エリア設定者H1の意図と異なる場合には、遠隔制御装置20を用いて再度エリア設定要求信号を出力することで、エリア設定モードに遷移させ、閾値テーブルT1に保持される閾値データを更新したり追加したりすることで、設定される監視エリアMRの形状を容易に変更できる。これにより、監視システム5は、エリア設定者H1が所望する監視エリアMRとすることができ、所望の監視を実現できる。
【0069】
図7Bは、監視システム5の変形動作例を示すシーケンス図である。
図7Bにおいて、
図7Aの処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0070】
監視システム5は、ステップS11~S18の処理を行う。監視モードに移行後、制御部110は、監視モードに変更してから(つまりエリア設定要求信号の取得を終了してから)所定時間が経過したか否かを判定する(S26)。所定時間が経過していない場合、所定時間が経過するまで待機する。
【0071】
監視モードに変更してから所定時間が経過した場合(ステップS26のYes)、制御部110は、エリア設定要求信号を再取得したか否かを判定する(S27)。エリア設定要求信号が再取得された場合には、ステップS14に進む。エリア設定要求信号が再取得されなかった場合には、ステップS19に進む。その後、監視システム5は、ステップS19~S22の処理を行う。
【0072】
図7Bの変形動作例によれば、監視装置10は、一度エリア設定要求信号の取得が終了した後であっても、監視エリアMRについての閾値データの閾値テーブルT1への登録を再開できる。よって、エリア設定者H1は、例えば、遠隔制御装置20の操作部230を常時操作したまま監視現場を移動して各位置における閾値データを登録するのではなく、各位置に移動してから操作部230を操作して各位置での閾値データを登録することができる。したがって、監視装置10は、エリア設定者H1による各位置での閾値データの登録時の負担を低減でき、監視エリアMRの設定時の負担を低減できる。
【0073】
図8は、閾値テーブルT1の一例である。閾値テーブルT1には、閾値データとして、角度毎に、距離閾値が保持される。距離閾値は、その検出角度の方向において、監視装置10から監視エリアMRの周端位置までの距離を規定する。
【0074】
<エリア設定時の信号出力>
次に、監視システム5によるエリア設定時の信号の出力例について説明する。ここでは、エリア設定要求信号が光学的に投光される場合における2種類の信号出力について例示する。
【0075】
図9は、監視システム5によるエリア設定時の信号の第1出力例を示す図である。
図9では、各信号がパルス信号として示されている。
図9では、縦軸はパルス信号の大きさを示し、横軸は時間を示す。第1出力例では、物体検出用の光(投光光及び受光光)の光の送受のタイミングと、エリア設定用の光の送受(エリア設定要求信号を示す光発振信号)のタイミングと、が異なり、一定時間毎に切り替わることが示されている。
【0076】
図9では、パルス信号として各信号が示されており、各信号には、監視装置10が発生させるエンコーダ信号と、投光部140が発する投光光と、受光部150により受光される検出光と、遠隔制御装置20の投光部240が発する光発振信号と、監視装置10が受光する遠隔制御装置20からの光発振信号と、が含まれる。
【0077】
図9では、投光光と投光光に対する検出光とが同時刻に出現しているが、実際には、投光光の投光後に検出光が受光されるので、微小時間ずれている。投光光と検出光との時刻のずれに応じて、検出距離が導出される。光発振信号は、遠隔制御装置20からエリア設定操作に応じて送信されるエリア設定要求信号である。よって、光発振信号は、遠隔制御装置20においてエリア設定操作が継続されている間、継続的に遠隔制御装置20から監視装置10へ送信される。
【0078】
また、
図9では、受光部150によりリモコン同期信号を時間的に受光可能な受光可能範囲が示されており、つまり受光可能タイミングが示されている。受光可能範囲は、監視装置10により物体を検出可能な角度特性(受光角度特性)に対応し、時間的な検出可能範囲(検出可能タイミング)に相当する。つまり、受光部150による受光可能タイミングで受光された光発振信号が、リモコン同期信号となる。受光可能範囲は、時間軸上で一定期間表れているが、これは回転機構部130が回転する間に一定期間継続して受光部150により受光可能であることを意味する。角度検出部170は、受光可能範囲の中央位置にあるリモコン同期信号P1に対応する角度が、検出対象の物体としてのエリア設定者H1が所在する角度の位置であると判定する。
【0079】
また、光発振信号の投光タイミング及び光発振信号の受光タイミングは、監視装置10がエリア設定のための同期をとるための光の送受を行うタイミングであり、監視装置10が物体検出のために光の送受を行うタイミングではない。よって、光発振信号に、監視装置10から遠隔制御装置20までの距離の元となる検出光は含まれていない。そのため、制御部110は、例えば、リモコン同期信号P1の直前の検出光P2に基づいて、エリア設定者H1の位置に対応する検出距離を導出する。なお、制御部110は、リモコン同期信号P1の直後の検出光に基づいて、エリア設定者H1の位置に対応する検出距離を導出してもよい。なお、リモコン同期信号P1が取得されたタイミングの角度をエリア設定者H1の位置に対応する検出角度とすることを例示したが、角度検出部170は、リモコン同期信号P1の直前又は直後の検出距離の元となる検出光が受光されたタイミングの角度を算出し、この角度をエリア設定者H1の位置に対応する検出角度としてもよい。
【0080】
このように、この第1出力例によれば、監視装置10は、検出光を受光しないタイミングで、エリア設定用の光発振信号を受光でき、エリア設定者H1が所在する角度を判別できる。また、監視装置10は、受光可能範囲の中央位置にあるリモコン同期信号P1の直前に受信された検出光P2に基づいて距離データを取得し、この距離データを距離閾値とすることができる。監視装置10は、監視装置10の周囲においてこのような距離データの取得を繰り返し、監視装置10の角度毎の距離閾値を決定して、閾値テーブルT1に保持させることができる。
【0081】
図10は、監視システム5によるエリア設定時の信号の第2出力例を示す図である。
図10では、各信号がパルス信号として示されている。
図10では、縦軸はパルス信号の大きさを示し、横軸は時間を示す。
図10では、第1出力例では、物体検出用の光(投光光及び受光光)の光の送受のタイミングと、エリア設定用の光の送受(エリア設定要求信号を示す光発振信号)のタイミングと、が重複することが示されている。
図10では、
図9と同様の事項については、その説明を省略又は簡略化する。
【0082】
図10では、パルス信号として各信号が示されており、各信号には、監視装置10が発生させるエンコーダ信号と、投光部140が発する投光光と、遠隔制御装置20の投光部240が発するエリア設定要求信号を示す光発振信号と、受光部150により受光される受光光と、が含まれる。
【0083】
図10では、
図9とは異なり、光発振信号のタイミング及びその受光信号のタイミングは、監視装置10がエリア設定のための同期をとるための光の送受を行うタイミングと、監視装置10が物体検出のために光の送受を行うタイミングとが、分離されていない。具体的には、監視装置10がエリア設定のための同期をとるための光の送受が連続的に行われている。
【0084】
図10では、物体検出に用いる投光光のパルス幅Tよりも、光発振信号のパルス幅tが小さくなっている。受光光には、投光光に対する検出光とともに光発振信号が含まれ得る。つまり、受光光は、光発振信号、又は光発振信号と検出光との合成信号であり、この合成信号が受光信号となる。信号分離部160は、受光信号の波形を分析し、この波形の立ち上がり及び立下りの時間位置によってパルス幅を測定することで、光発振信号と検出光の信号とを分離する。また、光発振信号の信号レベルはほぼ一定であり、検出光の信号レベルもほぼ一定である。したがって、合成信号の部分では光発振信号のみの部分と比較すると、信号レベルが大きくなる。よって、信号分離部160は、受光信号の信号レベルに基づいて、光発振信号と検出光の信号とを分離してもよい。さらに、上述のように、合成信号の部分と光発振信号のみの部分とは信号レベル(つまり受光量)が異なるので、合成信号の部分に光発振信号が含まれることが判別可能である。よって、制御部110は、信号分離部160により信号分離を行わない場合でも、光発振信号に対応するエリア設定要求信号の時間位置を特定可能である。
【0085】
また、
図10では、
図9と同様に、受光部150によりリモコン同期信号を時間的に受光可能な受光可能範囲(受光角度特性)が示されている。受光部150は、受光可能タイミングにおいて、光発振信号を受光可能である。角度検出部170は、受光可能範囲の中央位置にある光発振信号P3に対応する角度が、検出対象の物体としてのエリア設定者H1が所在する角度の位置であると判定する。
【0086】
また、光発振信号P3の位置では検出光の信号も含まれる。そのため、制御部110は、光発振信号P3と同じ時間位置における検出距離を導出し、この距離データを距離閾値とすることができる。この検出距離は、対応する投光光の時間位置と検出光の時間位置とを基に導出可能である。制御部110は、監視装置10の周囲においてこのような検出距離の導出を繰り返し、監視装置10の角度毎の距離閾値を決定して、閾値テーブルT1に保持させる。また、第2出力例では、角度が導出された時間位置と距離が導出された時間位置とが同じ時間位置であるので、角度距離データが高精度に導出されているので、監視エリアMRの設定精度が高い。
【0087】
次に、監視装置10による空間的な受光可能範囲について説明する。
図11は、監視装置10による空間的な受光可能範囲の一例を示す図である。記憶部120は、監視装置10による受光角度特性(受光可能範囲)と、監視装置10の死角に対応する角度である死角角度範囲と、を保持している。つまり、監視装置10は、受光角度特性と死角角度範囲とを認識している。
【0088】
監視装置10では、監視装置10の周囲の一部において、回転機構部130によって回転する投光部140及び受光部150によって、光の送受が可能である。光の送受が可能な範囲が、受光可能範囲(検出可能範囲)である。受光可能範囲は、監視装置10により投光部140及び受光部150が光の送受が不可能である死角以外の範囲の少なくとも一部である。回転機構部130の回転に応じて、受光可能範囲も回転して移動する。
【0089】
投光部140は、監視装置10の位置(投光部140の位置)を基準として、監視装置10から遠ざかるにつれて広がるように、投光光を照射可能である。受光部150は、監視装置10の位置(受光部150の位置)を基準として、監視装置10から遠ざかるにつれて広がるように、検出対象の物体からの光を受光可能である。また、受光可能範囲は、監視装置10の周囲を回転する。よって、検出対象の物体が、回転する受光可能範囲の一端から他端まで移動することになる。制御部110は、受光可能範囲の一端E1と他端E2の間の中央位置C1に対応する角度が、検出対象の物体が存在する角度であると判定する。つまり、制御部110は、監視装置10の受光角度特性内の全域で遠隔制御装置20からの光が受光される場合、受光角度特性の中央方向となる角度が、遠隔制御装置20が所在する角度であると判定する。そして、距離計算部111は、この角度に対応して得られた検出光に基づいて、検出距離を算出する。
【0090】
なお、受光角度特性が死角と重なる位置(角度)では、制御部110は、受光部150により検出光が受光されてから受光角度特性分の光が受光されるものとみなして、この受光角度特性の中央方向となる角度が、遠隔制御装置20が所在する角度であると判定してよい。つまり、制御部110は、受光角度特性と死角角度範囲と受光部150により検出光の受光が開始又は終了された角度とに基づいて、遠隔制御装置20が所在する角度を判定してよい。例えば、検出光の受光開始角度に、受光角度特性に対応する角度範囲の半分の角度を回転方向に加えた角度が、遠隔制御装置20が所在する角度となる。例えば、検出光の受光終了角度に、受光角度特性に対応する角度範囲の半分の角度を回転方向とは反対方向に加えた角度が、遠隔制御装置20が所在する角度となる。そして、距離計算部111は、遠隔制御装置20が所在する角度に対応して得られた検出光に基づいて、検出距離を算出してよい。
【0091】
次に、監視エリアMRの決定例について説明する。
図12は、監視エリアMRの第1設定例を示す図である。
図13は、監視エリアMRの第2設定例を示す図である。
【0092】
エリア設定者H1は、遠隔制御装置20を把持して監視装置10の周囲を移動しながら、エリア設定操作に基づくエリア設定要求信号を送信した状態で、監視エリアMRの設定のための基準位置rpを指定できる。
図12及び
図13では、5つの基準位置rpが指定されている。基準位置rpは、監視装置10により検出される検出位置となり、監視装置10を基準とした検出角度及び検出距離が導出される。制御部110は、この検出角度及び検出距離に基づいて、閾値データとしての角度毎の距離閾値を、閾値テーブルT1に保持させる。
【0093】
そして、制御部110は、閾値データつまり角度毎の距離閾値に基づいて、監視エリアMRを設定する。この場合、制御部110は、角度毎の距離閾値に対応する各基準位置rpを通るように、監視エリアMRを設定してよい。制御部110は、
図12に示すように、各基準位置rpを曲線で滑らかに接続して監視エリアMRの周端を生成することで、監視エリアMRを設定してよい。制御部110は、
図13に示すように、各基準位置rpが直線で接続して監視エリアMRの周端を生成することで、監視エリアMRを設定してよい。この場合、
図12の監視エリアMRの方が、
図13の監視エリアMRよりも広範囲となる。このように、監視エリアMRの周縁部は、直線的に形成されてもよいし、曲線的に形成されてもよいし、各基準位置rpが円弧によって接続されることで形成されてもよい。なお、各基準位置rpを通ってどのような形状の監視エリアを生成するかを示す情報は、記憶部120に保持されていてもよい。なお、監視エリアMRの周縁部が直線的に形成される場合に、基準位置rpが直線状に3つ以上並んでいる場合がある。この場合、両端の2つの基準位置rpのみで監視エリアMRを構成するようにしてもよく、その場合には、基準位置rp以外の点は、監視エリアMRの周縁部の形成に直接寄与しない構成点となるが、この基準位置rp以外の構成点に対応する角度の距離閾値も記憶部120に保持されてよい。ここでの構成点には、例えば、基準位置rpの他、監視エリアMRを構成する頂点、変曲点、又はその他の何らかの特徴点等が含まれてよい。
【0094】
次に、警報出力の具体例について説明する。
【0095】
図14は、光学的な警報出力例を示すタイミングチャートである。
図14では、各信号がパルス信号として示されている。
図14では、縦軸はパルス信号の大きさを示し、横軸は時間を示す。
【0096】
図14では、エンコーダ信号と1周目の検出光と2周目の投光光とが示されている。n周目(n=1,2,…)であるとは、回転機構部130による回転がn周目であることを示している。一部図示が省略されているが、実際には、1周目の投光光に対して1周目の検出光が受光され、2周目の投光光に対して2周目の検出光が受光される。3周目以降も同様である。
【0097】
図14では、閾値テーブルT1に保持された3つの角度に対応する3つの距離閾値(
図14では設定された監視警報)を、この角度に対応する1周目に受光された同じ時間位置での検出光に基づく3つの検出距離が、超えている。この場合、比較判定部113は、この3つの角度を含む角度範囲において、設定された監視エリアMR内にエリア設定者H1が存在すると判定する。
【0098】
監視エリアMR内にエリア設定者H1が存在すると判定されると、次周(ここでは2周目)の投光波において、この角度範囲において、警報出力信号を遠隔制御装置20又はエリア設定者H1に対して出力する。この場合、投光部140は、検出光に基づいて、警報出力信号を生成する。例えば、投光部140は、検出光を変調して、警報出力信号を生成してよい。この場合、投光部140は、検出光の周波数を高くしたり検出光の信号レベルを変更したりして警報出力信号を生成してよく、例えば、検出光のパルス幅を小さくして、警報出力信号を生成してよい。また、投光部140は、検出光の波長を変更して、検出光の色を変更してもよい。投光部140は、例えば、エンコーダ信号に従って、上記の3つの角度のそれぞれにおいて、警報出力信号を示す光パルス信号を1つ以上(例えば3つ連続して)送信してよい。また、上記3つの角度のうち、少なくとも1つの角度において、警報出力信号を示す光パルス信号を1つ以上(例えば3つ連続して)送信してもよい。
【0099】
遠隔制御装置20は、受光部150が、警報出力信号を受光することで、表示部220が、警報出力信号に基づいて表示してよい。エリア設定者H1が監視エリアMRの内側又は外側等を移動することで、表示部220は、エリア設定者H1が監視エリアMR内に所在することを示す設定者検出信号を受けて表示したたり、設定者検出信号を受けずに表示しなかったりする。これにより、エリア設定者H1は、設定された監視エリアMRが所望の範囲で設定されているか否かを容易に確認できる。
【0100】
なお、監視装置10は、制御部110が、動作モードがエリア設定モードから監視モードに遷移した後の一定期間、エリア設定者H1が検出された角度範囲では、物体検出用の投光光の投光と警報出力信号の投光とを交互に切り替えて実施してよい。これにより、監視システム5は、設定された監視エリアMRにおける物体検出を継続しながら、エリア設定者H1に対して、エリア設定者H1が所在する確認位置が監視エリアMR内である監視エリアMR外であるかを通知できる。
【0101】
(第1の実施形態のバリエーション)
次に、本実施形態のバリエーションについて説明する。
【0102】
本実施形態では、エリア設定要求信号の波長は、物体検出に使用される投光光及び検出光の波長と同じであってよい。この場合、監視装置10は、エリア設定用と物体検出用とで受光部150を共用でき、受光部150に要するコストを低減できる。また、警報出力信号の波長は、物体検出に使用される投光光及び検出光の波長と同じであってよい。この場合、監視装置10は、エリア設定用と物体検出用とで投光部140を共用でき、投光部140に要するコストを低減できる。
【0103】
また、エリア設定要求信号の波長は、物体検出に使用される投光光及び検出光の波長と異なってもてよい。この場合、監視装置10は、複数の波長を受光可能な受光部150を共用するか、又は複数の受光部150を備えてもよい。また、警報出力信号の波長は、物体検出に使用される投光光及び検出光の波長と異なってもよい。この場合、監視装置10は、複数の波長を受光可能な投光部140を共用するか、又は複数の投光部140を備えてもよい。
【0104】
また、データ出力部190は、遠隔制御装置20又はエリア設定者H1の位置を加味せずに、警報出力を行ってもよい。例えば、データ出力部190は、監視エリアMR内に物体が検出されていない状態の出力態様(例えば光消灯又は警報音出力無し)から、単に、監視エリアMR内に物体が検出された状態の出力態様(例えば光点滅又は警報音出力)からに変更してもよい。
【0105】
このように、第1の実施形態の監視システム5によれば、エリア設定者H1自身が検出対象となり、エリア設定者H1の位置に対応する距離と角度とを監視エリアMRの周端部を規定する閾値データとして保存でき、監視エリアRを設定できる。また、エリア設定モードから監視モードに移行しても、引き続きエリア設定者H1自身が検出対象となり、監視装置10が、設定された監視エリアMR内にエリア設定者H1の位置が含まれるか否かを判別できる。よって、エリア設定者H1は、遠隔制御装置20を持って現場を移動することで、監視エリアMRの設定と、監視エリアMRの確認との2つの作業を容易に実施できる。したがって、エリア設定者H1の監視エリアMRの設定に係る負担を低減できる。また、監視エリアMRの設定時及び確認時におけるエリア設定者H1の移動距離が小さくなるので、監視エリアMRを確定するまでに要する時間を短縮できる。
【0106】
また、監視システム5は、遠隔制御装置20を用いてエリア設定を行うことで、例えば監視装置10が高所に設置されている場合でも、容易に且つ安全に監視エリアMRを設定できる。
【0107】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、監視装置10が、閾値データ(監視装置10の角度毎の距離閾値)を決定することを説明した。第2の実施形態では、遠隔制御装置20が閾値データを決定することを説明する。
【0108】
図15は、第2の実施形態の監視システム5Aの構成例を示す模式図である。監視システム5Aは、監視装置10Aと遠隔制御装置20Aとを含む構成である。監視装置10Aは、例えばライダ装置である。遠隔制御装置20Aは、監視エリアMRを設定するための遠隔制御が可能であり、例えばリモコン装置とタブレット端末とを組み合わせた装置である。
【0109】
図16は、監視装置10Aの構成例を示すブロック図である。
図16の監視装置10Aの構成は、
図3の監視装置10の構成と同様であるが、監視装置10Aは、監視装置10と比較すると、制御部110の代わりに制御部110Aを備える。
図16において、
図3と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0110】
図17は、制御部110Aの機能構成例を示すブロック図である。
図17の制御部110Aの構成は、
図4の制御部110の構成と同様であるが、制御部110Aは、制御部110と比較すると、データ書換部112を備えていない。
図17において、
図4と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0111】
データ入力部180は、例えば、エリア設定要求信号と、遠隔制御装置20Aにより導出された角度毎の距離閾値(閾値データ)と、遠隔制御装置20Aから入力してよい。データ入力部180による入力方法は、第1の実施形態と同様である。なお、エリア設定要求信号と閾値データとは、受光部150により光学的に入力してもよい。
【0112】
データ出力部190は、例えば、角度検出部170により検出された検出角度と距離計算部111により計算された検出距離とを含む角度距離データと、データ書換要求信号と、を遠隔制御装置20Aへ出力してよい。データ出力部190による出力方法は、第1の実施形態と同様である。なお、角度距離データとデータ書換要求信号とは、投光部140により光学的に出力してもよい。
【0113】
図18は、遠隔制御装置20Aの構成例を示すブロック図である。
図18の遠隔制御装置20Aの構成は、
図5の遠隔制御装置20Aの構成と同様であるが、遠隔制御装置20Aは、遠隔制御装置20と比較すると、制御部250の代わりに制御部250Aを備える。
図18において、
図5と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0114】
受光部210は、例えば、角度距離データ又はデータ書換要求信号等を示す光信号を受光してよい。投光部240は、例えば、閾値データ又はエリア設定要求信号等を示す光信号を投光してよい。データ入力部260は、例えば、角度距離データ又はデータ書換要求信号等を監視装置10Aから入力してよい。データ入力部260による入力方法は、第1の実施形態と同様である。データ出力部270は、例えば、閾値データ又はエリア設定要求信号等を監視装置10Aへ出力してよい。データ出力部270による出力方法は、第1の実施形態と同様である。
【0115】
制御部250Aは、閾値制御部251を含む。閾値制御部251は、取得されたデータ書換要求信号及び角度距離データに基づいて、上述の閾値データ(角度毎の距離閾値)を導出する。この閾値データの導出方法は、第1の実施形態における監視装置10のデータ書換部112が行う閾値データの導出方法と同様でよい。閾値制御部251は、投光部240又データ出力部270Aを介して、導出された閾値データを監視装置10へ出力する。
【0116】
図19は、監視装置10Aと遠隔制御装置20Aとの間で送受される各信号の一例を示す図である。
【0117】
図19に示すように、監視装置10Aから遠隔制御装置20Aへ、例えば、物体検出用の監視光(投光光)、データ書換要求信号、角度距離データ、及び警報出力信号が送られる。データ書換要求信号、角度距離データ、及び警報出力信号は、光学的に投光されてもよいし、光学的な方法以外の方法で、出力されてもよい。また、遠隔制御装置20Aから監視装置10Aへ、例えば、物体検出用の監視光(検出光)、エリア設定要求信号、及び閾値データが送られる。エリア設定要求信号及び閾値データは、光学的に投光されてもよいし、光学的な方法以外の方法で、出力されてもよい。
【0118】
図20は、監視システム5Aの動作例を示すシーケンス図である。
図20において、
図7A及び
図7Bの処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0119】
まず、監視装置10A及び遠隔制御装置20Aは、
図7に示したステップS11~S15の処理を行う。監視装置10Aは、投光部140又はデータ出力部190が、ステップS15で導出された検出角度と検出距離とを含む角度距離データと、データ書換要求信号と、を遠隔制御装置20Aに出力する(S31)。遠隔制御装置20Aは、受光部210又はデータ入力部260が、監視装置10Aからの角度距離データと、データ書換要求信号と、を取得する。制御部250Aの閾値制御部251が、データ書換要求信号に従って、角度距離データに基づいて閾値データを導出する(S32)。投光部240又はデータ出力部270が、導出された閾値データを監視装置10Aに出力する。この後、ステップS16以降の処理が行われる。なお、ステップS17において異なる検出位置と検出距離が導出された場合、ステップS31に進む。
【0120】
このように、本実施形態の監視システム5によれば、遠隔制御装置20Aが閾値データを生成して監視装置10Aの閾値テーブルT1に保持させることができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0121】
なお、監視システム5Aは、遠隔制御装置20,20Aとは別体で、エリア設定動作を支援する装置(例えばPC)を備えてもよい。この場合、遠隔制御装置20,20Aは、エリア設定者H1による操作を受け付けること、トリガ信号としてのエリア設定要求信号を送信すること、警報出力信号に基づく表示を行うことに専念し、その他の処理(例えば角度距離データの取得、閾値データの生成、閾値データの閾値テーブルT1への保存の指示)をPCが実施してもよい。
【0122】
なお、第1の実施形態で説明した
図7Bの変形動作例と同様に、一度エリア設定要求信号の取得が終了した後であっても、監視エリアMRについての閾値データの閾値テーブルT1への登録を再開できる。具体的には、ステップS18の処理後つまり監視モードに移行後、制御部110は、監視モードに変更してから(つまりエリア設定要求信号の取得を終了してから)所定時間が経過したか否かを判定し、監視モードに変更してから所定時間が経過した場合、エリア設定要求信号を再取得したか否かを判定し、エリア設定要求信号が再取得された場合には、ステップS14に進み、エリア設定要求信号が再取得されなかった場合には、ステップS19に進んでよい。よって、第2の実施形態においても、エリア設定者H1は、監視現場の各位置に移動してから操作部230を操作して各位置での閾値データを登録することができる。したがって、監視システム5Aは、エリア設定者H1による各位置での閾値データの登録時の負担を低減でき、監視エリアMRの設定時の負担を低減できる。
【0123】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0124】
上記実施形態では、CPU等のプロセッサは、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、上記実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。
【0125】
以上のように、上記実施形態の監視装置10(スキャナ装置の一例)は、監視エリアMRを設定する。監視装置10は、監視エリアMRを設定するためのエリア設定要求信号を遠隔制御装置20から取得する取得部(例えば受光部150又はデータ入力部180)を備える。監視装置10は、監視装置10の周囲の各検出方向に対して投光光を投光する投光部140と、投光光が物体により反射又は散乱された検出光を含む光を受光して、受光信号を生成する受光部150と、を備える。監視装置10は、受光信号に基づいて、監視エリアMRを設定する移動可能なエリア設定者H1の各検出方向における各位置を認識する認識部(例えば距離計算部111又は角度検出部170)を備える。監視装置10は、取得部によるエリア設定要求信号の取得に応じて、認識部により認識された各検出方向における各位置に基づいて、監視エリアMRを設定するエリア設定部(例えば制御部110)を備える。
【0126】
これにより、監視装置10は、エリア設定者H1が、監視エリアMRの設定時に監視予定においてマーカを持って移動することを不要にできる。また、エリア設定者H1は、検出エリア内をしながら監視エリアMRの設定後に続けて監視エリアMRでの検出可否の確認を遠隔で実施できる。そのため、監視装置10は、監視エリアMRと監視エリアMRを設定する装置との間を移動しながら、監視エリアMRの設定及び設定された監視エリアMRでの検出可否の確認を行うことを不要にできる。よって、エリア設定者H1は、エリア設定対象の現場に出向くことを1回にできる。したがって、監視装置10は、エリア設定者H1の負担を軽減でき、監視エリアMRの確定までに要する時間を短縮できる。
【0127】
また、監視装置10は、回転軸を中心に検出方向を回転させる回転機構部130、を備えてよい。認識部は、受光信号に基づいて、回転機構部による回転の角度と、監視装置10からエリア設定者H1までの距離と、を認識してよい。エリア設定部は、認識部により認識された角度と距離とに基づいて、監視エリアMRを設定してよい。
【0128】
これにより、監視装置10は、回転機構部130により検出方向を回転させてエリア設定者H1を検出することで、各検出方向へ投光光を投光する多数の投光部140及び各検出方向からの検出光を受光する多数の受光部150を備えることなく、監視装置10の周囲において上記の角度と距離とを導出できる。よって、監視装置10は、監視装置10の周囲を移動可能なエリア設定者H1の各位置を高精度に検出でき、高精度に監視エリアMRを設定できる。
【0129】
また、監視装置10は、回転機構部130による回転速度を変更する回転制御部(例えば制御部110)を備えてよい。これにより、監視装置10は、例えば監視エリアMRの設定精度を調整できる。
【0130】
また、監視装置10は、記憶部120を備えてよい。エリア設定部は、認識部により認識された角度と距離とに基づいて、監視装置10から監視エリアMRの周端までの距離に対応する角度毎の設定距離を導出し、角度毎の設定距離を記憶部120に記憶させてよい。
【0131】
これにより、監視装置10は、監視エリアMRを規定する角度毎の距離閾値を保持しておくことができる。
【0132】
取得部は、受光部150を含んでよい。投光部140は、第1の波長を有する投光光を投光してよい。受光部150は、第1の波長を有する検出光及びエリア設定要求信号を受光してよい。
【0133】
これにより、監視装置10は、汎用的な受光部150を、物体検出用の光信号の受光と、監視エリアMRを設定するためのトリガ信号の受光と、において共用できる。よって、監視装置10は、コストを抑えて物体検出と監視エリアMRの設定とを実施できる。
【0134】
取得部は、受光部150を含んでよい。受光部150は、検出光とエリア設定要求信号とを異なるタイミングで受光してよい。認識部は、エリア設定要求信号が受光された時間位置に基づいて、エリア設定者H1が所在する位置の角度を認識(決定)し、認識(決定)された角度と検出光とに基づいて、エリア設定者H1が所在する位置までの距離を認識(決定)してよい。
【0135】
これにより、監視装置10は、物体検出用の光信号とトリガ信号としてのエリア設定要求信号とが相互に干渉することを抑制して、取得できる。よって、監視エリアの設定精度が高くなる。
【0136】
また、受光部150は、検出光とエリア設定要求信号とを同じタイミングで受光してよい。認識部は、エリア設定要求信号が受光された時間位置に基づいて、エリア設定者H1が所在する位置の角度を認識し、認識された角度と検出光とに基づいて、エリア設定者H1が所在する位置までの距離を認識してよい。また、監視装置10は、信号分離部160、を備え、信号分離部160は、受光信号からエリア設定要求信号を分離してよい。
【0137】
これにより、監視装置10は、検出光とエリア設定要求信号とを同じタイミングで受光しても、エリア設定者H1の位置に対応する角度と距離を導出可能である。
【0138】
また、認識部は、受光部150による受光可能範囲においてエリア設定要求信号が受光された複数の時間位置の中央位置に基づいて、エリア設定者H1が所在する位置の角度を認識してよい。
【0139】
回転機構部130が回転することで、受光部150による受光可能範囲も回転し得る。この場合、所定の位置にエリア設定者H1が所在する場合、受光可能範囲においてエリア設定者H1が把持する遠隔制御装置20からのエリア設定信号が連続的に検出され得る。この場合でも、エリア設定者H1の位置を高精度に推定可能である。
【0140】
また、監視装置10は、設定された監視エリアMR内にエリア設定者H1が位置するか否かを判定する判定部(例えば比較判定部113)と、監視エリアMR内にエリア設定者H1が位置すると判定された場合、監視エリアMR内にエリア設定者H1が検出されたことを示す設定者検出信号(警報出力信号の一例)を出力する出力部(例えば投光部140又はデータ出力部190)と、を備えてよい。
【0141】
これにより、監視装置10は、監視エリアMRが設定された現場に留まって、引き続き設定された監視エリアMRにおいてエリア設定者H1自身を検出可能であるか否かを判別できる。よって、監視装置10は、エリア設定者H1が、現場と監視エリアMRを設定するための現場以外の位置とを行き来することを不要にできる。
【0142】
また、出力部は、通信部(例えばデータ出力部190)を含み、設定者検出信号を遠隔制御装置20へ送信してよい。これにより、監視装置10は、投光される投光光と設定者検出信号とが光干渉することを抑制して、設定者が検出されたことを高精度に確認できる。
【0143】
また、出力部は、投光部140を含んでよい。投光部140は、投光光を所定の時間間隔で投光し、監視エリアMR内にエリア設定者H1が位置すると判定された場合、投光光に置換して、設定者検出信号をエリア設定者H1に向かって投光してよい。
【0144】
これにより、監視エリアMR内の物体検出を所定の時間間隔で実施できる。また、エリア設定者H1が検出された場合、その検出方向における監視エリアMRの設定が無事に完了している。監視装置10は、エリア設定者H1が検出された検出方向に対して物体検出のための投光光を出力することを抑制でき、エリア設定者H1に対して無事にエリア設定者H1が検出され、監視エリアMRが設定されたことを通知できる。
【0145】
また、投光部140は、受光部150により受光された検出光を変調して設定者検出信号を生成してよい。これにより、監視装置10は、受光した検出光を利用して、物体検出用の検出光とは異なる波長を有する光信号としての設定者検出信号によって、エリア設定者H1に監視エリアMR内で検出されたことを通知できる。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本開示は、監視エリアを設定するエリア設定者の負担を低減できるスキャナ装置及びエリア設定方法等に有用である。
【符号の説明】
【0147】
10,10A 監視装置
20,20A 遠隔制御装置
30 ロボット装置
110 制御部
111 距離計算部
112 データ書換部
113 比較判定部
114 距離測定発光同期部
115 警報出力発光同期部
120 記憶部
130 回転機構部
131 外側筒状部
132 内側筒状部
133 磁石
134 コイル
135 ミラー固定部
136 ベアリング
140 投光部
143 回転ミラー
144 レンズ
150 受光部
160 信号分離部
170 角度検出部
180 データ入力部
190 データ出力部
210 受光部
220 表示部
230 操作部
240 投光部
250,250A 制御部
251 閾値制御部
260 データ入力部
270 データ出力部
MR 監視エリア