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特開2023-74411画像読取装置、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074411
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】画像読取装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187366
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】川野辺 裕明
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB40
5C062AB42
5C062AB53
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC58
5C062AE03
5C062AE15
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された設定情報を適切に設定することが可能な画像読取装置等を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された画像読取装置の設定情報及びその設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、入力画像に含まれる図形又は文字から設定情報及び識別情報を特定する特定部と、特定された識別情報を記憶部に記憶するとともに、特定された設定情報を画像読取装置に設定する設定部と、設定された設定情報に従って画像読取装置を制御する制御部と、を有し、設定部は、特定された識別情報が記憶部に既に記憶されている場合、利用者に警告を通知する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置であって、
記憶部と、
前記画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された前記画像読取装置の設定情報及び当該設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、
前記入力画像に含まれる前記図形又は文字から前記設定情報及び前記識別情報を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記識別情報を前記記憶部に記憶するとともに、前記特定部により特定された前記設定情報を前記画像読取装置に設定する設定部と、
前記設定部により設定された設定情報に従って前記画像読取装置を制御する制御部と、を有し、
前記設定部は、前記特定部により特定された前記識別情報が前記記憶部に既に記憶されている場合、利用者に警告を通知する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
出力部をさらに有し、
前記設定部は、前記特定部により特定された前記識別情報を前記出力部に出力する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記識別情報は、文字、色又は図形である、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記設定情報及び前記識別情報が対応付けられた図形は、二次元バーコードである、請求項1~3の何れか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
画像読取装置の制御方法であって、
撮像部により前記画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された前記画像読取装置の設定情報及び当該設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された媒体を撮像して入力画像を生成し、
前記入力画像に含まれる前記図形又は文字から前記設定情報及び前記識別情報を特定し、
前記特定された前記識別情報を記憶部に記憶するとともに、前記特定された前記設定情報を前記画像読取装置に設定し、
前記設定された設定情報に従って前記画像読取装置を制御することを含み、
前記設定において、前記特定された前記識別情報が前記記憶部に既に記憶されている場合、利用者に警告を通知する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
画像読取装置であって、記憶部と、前記画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された前記画像読取装置の設定情報及び当該設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部を有する画像読取装置の制御プログラムであって、
前記入力画像に含まれる前記図形又は文字から前記設定情報及び前記識別情報を特定し、
前記特定された前記識別情報を記憶部に記憶するとともに、前記特定された前記設定情報を前記画像読取装置に設定し、
前記設定された設定情報に従って前記画像読取装置を制御することを前記画像読取装置に実行させ、
前記設定において、前記特定された前記識別情報が前記記憶部に既に記憶されている場合、利用者に警告を通知する、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、媒体を撮像して画像を生成するスキャナ等の画像読取装置が、様々な用途において、様々な種類の媒体を撮像するために利用されている。画像読取装置に求められる画像の品質は、その用途又は読取対象の媒体の種類等に応じて異なる。一般に、画像読取装置では、用途又は媒体の種類等に応じた適切な画像を生成できるように、色、サイズ、解像度又は補正のように、媒体の撮像又は画像処理に関する多様な設定情報が設定される。一方、このような画像読取装置は、セキュリティ性を向上させるために、外部の情報処理装置と通信接続されない環境で利用される場合がある。画像読取装置では、設定情報を指定するための情報処理装置と通信接続されていない場合に、設定情報を適切に設定できることが要求されている。
【0003】
ユーザーによる画像読取装置の読取設定に基づいて形成された二次元画像を読み取って生成した二次元画像データを解析して、読取部の設定を行う画像読取装置が開示されている(特許文献1を参照)。
【0004】
外部デバイスが接続された場合に、外部デバイスに記憶された設定情報を取得し、取得した設定情報に基づいて、画像を読取るスキャナの設定を行う外部デバイス設定装置が開示されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-048070号公報
【特許文献2】特開2008-131255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像読取装置では、通信接続されていない情報処理装置で指定された設定情報を適切に設定できることが求められている。
【0007】
本発明の目的は、画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された設定情報を適切に設定することが可能な画像読取装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る画像読取装置は、画像読取装置であって、記憶部と、画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された画像読取装置の設定情報及びその設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、入力画像に含まれる図形又は文字から設定情報及び識別情報を特定する特定部と、特定部により特定された識別情報を記憶部に記憶するとともに、特定部により特定された設定情報を画像読取装置に設定する設定部と、設定部により設定された設定情報に従って画像読取装置を制御する制御部と、を有し、設定部は、特定部により特定された識別情報が記憶部に既に記憶されている場合、利用者に警告を通知する。
【0009】
また、本発明の一側面に係る制御方法は、画像読取装置の制御方法であって、撮像部により画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された画像読取装置の設定情報及びその設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された媒体を撮像して入力画像を生成し、入力画像に含まれる図形又は文字から設定情報及び識別情報を特定し、特定された識別情報を記憶部に記憶するとともに、特定された設定情報を画像読取装置に設定し、設定された設定情報に従って画像読取装置を制御することを含み、設定において、特定された識別情報が記憶部に既に記憶されている場合、利用者に警告を通知する。
【0010】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、画像読取装置であって、記憶部と、画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された画像読取装置の設定情報及びその設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部を有する画像読取装置の制御プログラムであって、入力画像に含まれる図形又は文字から設定情報及び識別情報を特定し、特定された識別情報を記憶部に記憶するとともに、特定された設定情報を画像読取装置に設定し、設定された設定情報に従って画像読取装置を制御することを画像読取装置に実行させ、設定において、特定された識別情報が記憶部に既に記憶されている場合、利用者に警告を通知する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像読取装置、制御方法及び制御プログラムは、画像読取装置と通信接続されていない情報処理装置で指定された設定情報を適切に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に従った画像処理システム1の一例の構成図である。
図2】画像読取装置100を示す斜視図である。
図3】画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図4】画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
図5】第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
図6】情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
図7】指定処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
図8】設定情報指定画面800の一例を示す模式図である。
図9】識別情報指定画面900の一例を示す模式図である。
図10】設定処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
図11】警告画面1100の一例を示す模式図である。
図12】識別情報画面1200の一例を示す模式図である。
図13】媒体読取処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
図14】他の第1処理回路340の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に係る画像読取装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、実施形態に従った画像処理システム1の一例の構成図である。
【0015】
画像処理システム1は、第1画像読取装置100a、第2画像読取装置100b、第1情報処理装置200a及び第2情報処理装置200b等を備える。第1画像読取装置100a及び第1情報処理装置200aは、作業用領域R1に配置され、第1画像読取装置100a及び第1情報処理装置200aを用いて媒体のスキャン作業を実施する作業者により使用される。作業者は、利用者の一例である。一方、第2画像読取装置100b及び第2情報処理装置200bは、設定用領域R2に配置され、第1画像読取装置100a及び第1情報処理装置200aを管理する管理者により使用される。第1画像読取装置100a、第2画像読取装置100b、第1情報処理装置200a及び第2情報処理装置200bのそれぞれの数は、一つでもよいし、複数でもよい。
【0016】
各第1画像読取装置100a及び各第1情報処理装置200aは、相互に通信接続されている。また、各第2画像読取装置100b及び各第2情報処理装置200bは、相互に通信接続されている。但し、作業用領域R1と、設定用領域R2とは、物理的に且つ電気的に分離されており、第2情報処理装置200bは、各第1画像読取装置100aと通信接続されていない。これにより、画像処理システム1では、管理者は、各第1画像読取装置100aにアクセスすることができず、各第1画像読取装置100aが生成する画像に対する機密性を向上させることができる。
【0017】
第1画像読取装置100aの構成と第2画像読取装置100bの構成とは同様である。以下では、第1画像読取装置100a及び第2画像読取装置100bを画像読取装置100と称する場合がある。また、第1情報処理装置200aの構成と第2情報処理装置200bの構成とは同様である。以下では、第1情報処理装置200a及び第2情報処理装置200bを情報処理装置200と称する場合がある。
【0018】
画像読取装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像するイメージスキャナ等である。媒体は、用紙、厚紙、プラスチックカード、パスポート又は冊子等である。なお、画像読取装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。また、画像読取装置100は、媒体を搬送せずに撮像するフラットベッドタイプのイメージスキャナ、ファクシミリ、複写機、MFP等でもよい。また、画像読取装置100は、人物、物体、風景等を撮像する携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等でもよい。情報処理装置200は、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等である。なお、情報処理装置200は、サーバ等でもよい。
【0019】
図2は、イメージスキャナとして構成された画像読取装置100を示す斜視図である。
【0020】
画像読取装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、第1操作装置105及び第1表示装置106等を備える。図1において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0021】
上側筐体102は、画像読取装置100の上面を覆う位置に配置され、下側筐体101に係合している。載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。なお、排出台104は、上側筐体102に係合していてもよい。
【0022】
第1操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、作業者又は管理者による入力操作を受け付け、作業者又は管理者の入力操作に応じた操作信号を出力する。
【0023】
第1表示装置106は、出力部の一例である。第1表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0024】
図3は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0025】
画像読取装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、撮像装置116、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
【0026】
下側筐体101の上面は媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。
【0027】
媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0028】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112と対向して配置され、媒体給送方向の反対方向に回転する。
【0029】
第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側且つ撮像装置116より上流側に設けられる。第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、それぞれ上側筐体102及び下側筐体101に相互に対向して設けられ、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置116に搬送する。
【0030】
撮像装置116は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118より上流側に配置される。撮像装置116は、第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを含む。第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bは、それぞれ下側筐体101及び上側筐体102に、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置される。
【0031】
第1撮像装置116aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置116aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置116aは、搬送された媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0032】
同様に、第2撮像装置116bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置116bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置116bは、搬送された媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0033】
画像読取装置100は、第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0034】
第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118は、撮像装置116より下流側に設けられる。第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118は、それぞれ上側筐体102及び下側筐体101に相互に対向して設けられ、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115により搬送され、撮像装置116により撮像された媒体を排出台104に排出する。
【0035】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図3の矢印A2の方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体給送時、矢印A3の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0036】
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ矢印A4及び矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置116aと第2撮像装置116bの間に送り込まれる。第1撮像装置116a及び第2撮像装置116bにより読み取られた媒体は、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0037】
図4は、画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0038】
画像読取装置100は、前述した構成に加えて、モータ121、第1通信装置122、第1記憶装置130及び第1処理回路140等をさらに有する。
【0039】
モータ121は、一又は複数のモータを含み、第1処理回路140からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115のうちの一方のローラは、モータからの駆動力によって回転するのでなく、他方のローラの回転に従って従動回転するように設けられてもよい。また、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118のうちの一方のローラは、モータからの駆動力によって回転するのでなく、他方のローラの回転に従って従動回転するように設けられてもよい。
【0040】
第1通信装置122は、出力部の一例である。第1通信装置122は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、情報処理装置200と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。なお、第1通信装置122は、所定の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、情報処理装置200と通信接続して入力画像及び各種の情報を送受信してもよい。所定の通信プロトコルは、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。また、第1通信装置122は、無線信号を送受信するアンテナと、所定の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、情報処理装置200と通信接続してもよい。所定の無線通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)等である。
【0041】
第1記憶装置130は、記憶部の一例である。第1記憶装置130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶装置130には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置130にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0042】
第1処理回路140は、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第1処理回路140は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1処理回路140として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0043】
第1処理回路140は、第1操作装置105、第1表示装置106、媒体センサ111、撮像装置116、モータ121、第1通信装置122及び第1記憶装置130等と接続され、これらの各部を制御する。第1処理回路140は、第1操作装置105の入力制御、第1表示装置106の表示制御、第1通信装置122の通信制御及び第1記憶装置130の制御等を行う。また、第1処理回路140は、第1操作装置105から又は第1通信装置122を介して情報処理装置200から受信した信号に従って、画像読取装置100の設定制御、モータ121の駆動制御、撮像装置116の撮像制御等を行い、入力画像を取得する。第1処理回路140は、取得した入力画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。
【0044】
図5は、第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
【0045】
図5に示すように、第1記憶装置130には、制御プログラム131、取得プログラム132、特定プログラム133及び設定プログラム134等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第1処理回路140は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部141、取得部142、特定部143及び設定部144として機能する。
【0046】
図6は、情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0047】
情報処理装置200は、第2操作装置201、第2表示装置202、第2通信装置203、第2記憶装置210及び第2処理回路220等を有する。
【0048】
第2操作装置201は、キーボード、マウス等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、作業者又は管理者による操作を受け付け、作業者又は管理者の入力操作に応じた信号を第2処理回路220に出力する。
【0049】
第2表示装置202は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。なお、タッチパネル式の入力デバイスを用いて、表示装置と操作装置を、一体に設けてもよい。
【0050】
第2通信装置203は、画像読取装置100の第1通信装置122と同様の構成を有し、画像読取装置100と通信接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。
【0051】
第2記憶装置210は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又は、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第2記憶装置210には、情報処理装置200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置210にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM、DVD-ROM等である。
【0052】
第2処理回路220は、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第2処理回路220は、例えばCPUである。第2処理回路220として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0053】
第2処理回路220は、第2操作装置201、第2表示装置202、第2通信装置203及び第2記憶装置210等と接続され、これらの各装置を制御する。第2処理回路220は、各装置を制御して、画像読取装置100の設定情報を指定し、又は、画像読取装置100の撮像制御を実行する。
【0054】
図7は、第2情報処理装置200bによる指定処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
【0055】
以下、図7に示したフローチャートを参照しつつ、第2情報処理装置200bの指定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づき主に第2処理回路220により第2情報処理装置200bの各要素と協働して実行される。
【0056】
最初に、第2処理回路220は、管理者により、第2操作装置201を用いて、第1画像読取装置100aの設定情報を指定する設定情報指定信号を受信するまで待機する(ステップS101)。設定情報は、色、サイズもしくは解像度等の媒体の撮像に関する項目、及び/又は、傾き補正もしくはノイズ除去等の画像処理に関する項目等を含む。設定情報指定信号には、管理者により第2操作装置201を用いて指定された設定情報(項目毎の設定内容)が含まれる。第2処理回路220は、設定情報を指定するための設定情報指定画面を第2表示装置202に表示する。
【0057】
図8は、設定情報指定画面800の一例を示す模式図である。
【0058】
図8に示すように、設定情報指定画面800では、複数の項目毎の設定内容801が指定可能に表示され、さらに、決定ボタン802、読取ボタン803及び終了ボタン804等が表示される。各設定内容801は、設定情報に含まれる複数の項目毎の設定内容を指定するためのボタンを含む。決定ボタン802は、各設定内容801において指定された内容を設定情報として決定するためのボタンである。読取ボタン803は、各設定内容801において指定された内容に従って、第2情報処理装置200bに接続された第2画像読取装置100bに媒体を撮像させて入力画像を生成させるためのボタンである。終了ボタン804は、設定情報指定画面800の表示を終了させるためのボタンである。
【0059】
各設定内容801が指定されて、決定ボタン802が押下された場合、第2処理回路220は、第2操作装置201から、各設定内容801において指定された設定情報を含む設定情報指定信号を受信する。
【0060】
また、読取ボタン803が押下された場合、第2処理回路220は、第2操作装置201から読取指示信号を受信する。読取指示信号には、各設定内容801において指定された設定情報が含まれる。第2処理回路220は、読取指示信号を受信した場合、第2通信装置203を介して第2画像読取装置100bに、読取指示信号に含まれる設定情報を設定することを要求する設定要求信号を送信する。また、第2処理回路220は、第2通信装置203を介して第2画像読取装置100bに、媒体の読み取りを要求する読取要求信号を送信する。第2画像読取装置100bは、第1通信装置122を介して第2情報処理装置200bから設定要求信号及び読取要求信号を受信した場合、設定要求信号で指定された設定に従って入力画像を生成し、生成した入力画像を第2情報処理装置200bに送信する。第2処理回路220は、第2通信装置203を介して第2画像読取装置100bから入力画像を受信した場合、受信した入力画像を第2表示装置202に表示する。これにより、管理者は、各設定内容801において指定した設定情報が適切であるか否かを確認することができる。
【0061】
終了ボタン804が押下された場合、第2処理回路220は、設定情報指定画面800の表示を終了させる。
【0062】
次に、第2処理回路220は、設定情報指定信号を受信した場合、管理者により、第2操作装置201を用いて、設定情報を識別するための識別情報を指定する識別情報指定信号を受信するまで待機する(ステップS102)。識別情報は、文字、色又は図形である。識別情報は、文字、色又は図形のうちの少なくとも一つを含む。識別情報は、文字、色又は図形のうちの二つ以上の組合せでもよい。図形は、記号又は形状等の任意の形式の図形を含む。識別情報指定信号には、管理者により第2操作装置201を用いて指定された識別情報が含まれる。第2処理回路220は、識別情報を指定するための識別情報指定画面を第2表示装置202に表示する。
【0063】
図9は、識別情報指定画面900の一例を示す模式図である。
【0064】
図9に示すように、識別情報指定画面900では、文字列指定ボックス901、色指定ボックス902、画像指定ボックス903、決定ボタン904及び終了ボタン905等が表示される。文字列指定ボックス901は、識別情報の文字列を指定するためのボックスである。色指定ボックス902は、識別情報の色を指定するためのボックスである。画像指定ボックス903は、識別情報の図形が含まれる画像を指定するためのボックスである。決定ボタン904は、文字列指定ボックス901、色指定ボックス902又は画像指定ボックス903において指定された情報を識別情報として決定するためのボタンである。終了ボタン905は、識別情報指定画面900の表示を終了させるためのボタンである。
【0065】
文字列指定ボックス901、色指定ボックス902又は画像指定ボックス903に情報が入力されて、決定ボタン904が押下された場合、第2処理回路220は、第2操作装置201から、入力された識別情報を含む識別情報指定信号を受信する。
【0066】
終了ボタン905が押下された場合、第2処理回路220は、識別情報指定画面900の表示を終了させる。
【0067】
次に、第2処理回路220は、識別情報指定信号を受信した場合、設定情報及びその設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が含まれる設定用画像を生成する(ステップS103)。設定情報及び識別情報が対応付けられた図形として、予め定められた規則に従ってその設定情報及び識別情報を示す図形が生成される。識別情報が文字又は色を含む場合、設定情報及び識別情報が対応付けられた図形は、例えばその識別情報に対応する二次元バーコードである。識別情報が図形を含む場合、識別情報が対応付けられた図形は、その識別情報自体を示す図形を含んでもよい。設定情報及び識別情報が対応付けられた文字は、例えばその設定情報及び識別情報自体を示す文字である。
【0068】
次に、第2処理回路220は、生成した設定用画像を印刷し(ステップS104)、一連のステップを終了する。第2処理回路220は、第2情報処理装置200bに接続された不図示のプリンタ装置に設定用画像を送信し、プリンタ装置に、設定用画像が印刷された設定用媒体を出力させる。設定用媒体は、管理者及び作業者により持ち運び可能な用紙である。管理者は、設定用媒体を、各第1画像読取装置100aを使用する作業者に手渡すとともに、識別情報の文字、色、図形等の特徴を作業者に伝える。
【0069】
図10は、第1画像読取装置100aによる設定処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
【0070】
以下、図10に示したフローチャートを参照しつつ、第1画像読取装置100aの設定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路140により第1画像読取装置100aの各要素と協働して実行される。
【0071】
最初に、制御部141は、作業者により、第1操作装置105を用いて、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから設定信号を受信するまで待機する(ステップS201)。設定信号は、第1画像読取装置100aに設定情報を設定することを要求するための信号である。
【0072】
次に、制御部141は、載置台103に媒体が載置されるまで待機する(ステップS202)。作業者は、載置台103に、第1画像読取装置100aと通信接続されていない第2情報処理装置200bで指定された第1画像読取装置100aの設定情報及びその設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された設定用媒体を載置する。設定用媒体は、事前に管理者から作業者に手渡される。制御部141は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する。なお、載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部141は、載置台103に媒体を載置させることを作業者に促すための通知を第1表示装置106に、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aに表示してもよい。
【0073】
次に、制御部141は、モータ121を駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117、第2排出ローラ118を回転させ、載置台103に載置された媒体を搬送させる(ステップS203)。制御部141は、初期設定として予め設定された設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、モータ121の回転速度を制御する。
【0074】
次に、取得部142は、撮像装置116に媒体の撮像を開始させ、媒体の搬送が完了したときに、撮像装置116から入力画像を取得する(ステップS204)。取得部142は、初期設定として予め設定された設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、撮像装置116を制御する。なお、取得部142は、初期設定として予め設定された設定情報で指定された設定内容に従って、取得した入力画像に対して画像処理を実行してもよい。
【0075】
このように、撮像装置116は、第2情報処理装置200bで指定された第1画像読取装置100aの設定情報及びその設定情報の識別情報が対応付けられた図形又は文字が印刷された設定用媒体を撮像して入力画像を生成する。
【0076】
次に、取得部142は、撮像装置116による撮像を停止させる。また、制御部141は、モータ121を停止させて、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117、第2排出ローラ118を停止させる(ステップS205)。
【0077】
次に、特定部143は、入力画像に含まれる図形又は文字から設定情報及び識別情報を特定する(ステップS206)。設定用媒体に印刷された設定用画像に2次元バーコード等の図形が含まれる場合、特定部143は、その図形について予め定められた規則に従って、入力画像内の図形を解析し、設定情報及び識別情報を特定する。識別情報がその識別情報自体を示す図形を含む場合、特定部143は、識別情報としてその図形自体を特定する。設定用媒体に印刷された設定用画像に文字が含まれる場合、特定部143は、公知のOCR(Optical Character Reader)技術を利用して入力画像内の文字を認識し、設定情報及び識別情報を特定する。
【0078】
次に、設定部144は、特定部143により特定された識別情報が第1記憶装置130に既に記憶されているか否かを判定する(ステップS207)。識別情報がその識別情報自体を示す図形を含む場合、設定部144は、公知の画像処理技術を利用して、特定部143により特定された図形と、第1記憶装置130に既に記憶されている図形との類似度を算出する。類似度は、例えば正規化相互相関である。設定部144は、算出した類似度が閾値以上である場合、特定部143により特定された識別情報が第1記憶装置130に既に記憶されていると判定する。特定部143により特定された識別情報が第1記憶装置130に記憶されていない場合、設定部144は、処理をステップS210へ移行する。
【0079】
一方、特定部143により特定された識別情報が第1記憶装置130に既に記憶されている場合、設定部144は、作業者に警告を通知する(ステップS208)。設定部144は、警告画面を第1表示装置106に表示することにより、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aに送信して第2表示装置202に表示させることにより、作業者に警告を通知する。
【0080】
図11は、警告画面1100の一例を示す模式図である。
【0081】
図11に示すように、警告画面1100では、警告テキスト1101、継続ボタン1102及び中止ボタン1103等が表示される。警告テキスト1101は、設定用媒体から特定された識別情報が、過去に適用されたことがある設定情報に対応付けられた識別情報と一致することを示す文字列である。継続ボタン1102は、設定用媒体から特定された設定情報を第1画像読取装置100aに設定するためのボタンである。中止ボタン1103は、設定用媒体から特定された設定情報を第1画像読取装置100aに設定することを中止するためのボタンである。
【0082】
警告画面1100が表示されることにより、作業者は、今回管理者から手渡された設定用媒体と間違えて、過去に管理者から手渡された設定用媒体を第1画像読取装置100aに読み取らせてしまうことを抑制できる。したがって、画像処理システム1は、第1画像読取装置100aに誤った設定情報が設定されることを抑制できる。
【0083】
継続ボタン1102が押下された場合、設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから継続信号を受信する。一方、中止ボタン1103が押下された場合、設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから中止信号を受信する。
【0084】
次に、設定部144は、作業者から、設定用媒体から特定された設定情報を第1画像読取装置100aに設定するための設定指示を受け付けたか、設定を中止するための中止指示を受け付けたかを判定する(ステップS209)。設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから継続信号を受信した場合、作業者から設定指示を受け付けたと判定する。一方、設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから中止信号を受信した場合、作業者から中止指示を受け付けたと判定する。設定部144は、作業者から中止指示を受け付けた場合、設定用媒体から特定された設定情報を第1画像読取装置100aに設定せずに、一連のステップを終了する。
【0085】
一方、作業者から設定指示を受け付けた場合、設定部144は、特定部143により特定された識別情報を出力する(ステップS210)。設定部144は、識別情報を第1表示装置106に表示することにより、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aに送信して第2表示装置202に表示させることにより出力する。
【0086】
図12は、識別情報画面1200の一例を示す模式図である。
【0087】
図12に示すように、識別情報画面1200では、文字列1201、図形1202、設定内容1203、継続ボタン1204及び中止ボタン1205等が表示される。文字列1201は、特定された識別情報の文字列を示す。文字列1201又は文字列1201の背景は、特定された識別情報の色で表示される。なお、識別情報において色が指定されていない場合、文字列1201及び文字列1201の背景は、予め定められた色(例えば黒色及び白色)で表示される。また、識別情報において文字列が指定されていない場合、文字列1201は表示されない。その場合、予め定められた文字列又はその文字列の背景が、特定された識別情報の色で表示される。図形1202は、特定された識別情報の図形を示す。設定内容1203は、特定された設定情報に示される複数の項目毎の設定内容である。継続ボタン1204は、設定用媒体から特定された設定情報を第1画像読取装置100aに設定するためのボタンである。中止ボタン1205は、設定用媒体から特定された設定情報を第1画像読取装置100aに設定することを中止するためのボタンである。
【0088】
設定用媒体に対応する識別情報が表示されることにより、作業者は、その設定用媒体が適切な媒体であるか否かを判定することが可能となる。作業者は、管理者から設定用媒体を手渡されたときに、識別情報の特徴を聞いておくことにより、第1画像読取装置100aで読み取った設定用媒体が、管理者から手渡された設定用媒体であることを確認できる。これにより、作業者は、今回管理者から手渡された設定用媒体と間違えて、過去に管理者から手渡された設定用媒体を第1画像読取装置100aに読み取らせてしまうことを抑制できる。したがって、画像処理システム1は、第1画像読取装置100aに誤った設定情報が設定されることを抑制できる。
【0089】
継続ボタン1204が押下された場合、設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから継続信号を受信する。一方、中止ボタン1205が押下された場合、設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから中止信号を受信する。
【0090】
次に、設定部144は、作業者から設定指示を受け付けたか中止指示を受け付けたかを判定する(ステップS211)。設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから継続信号を受信した場合、作業者から設定指示を受け付けたと判定する。一方、設定部144は、第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから中止信号を受信した場合、作業者から中止指示を受け付けたと判定する。設定部144は、作業者から中止指示を受け付けた場合、設定用媒体から特定された設定情報を第1画像読取装置100aに設定せずに、一連のステップを終了する。
【0091】
一方、作業者から設定指示を受け付けた場合、設定部144は、特定部143により特定された識別情報を第1記憶装置130に記憶する(ステップS212)。これにより、以降、この識別情報と同一の識別情報に対応する設定用画像が印刷された設定用媒体が読み取られた場合、ステップS207において、特定された識別情報が第1記憶装置130に既に記憶されていると判定される。
【0092】
次に、設定部144は、特定部143により特定された設定情報を第1記憶装置130に記憶することにより、第1画像読取装置100aに設定し(ステップS213)、一連のステップを終了する。
【0093】
図13は、画像読取装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0094】
以下、図13に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路140により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
【0095】
最初に、制御部141は、第1操作装置105を用いて、又は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から、媒体の読み取りを指示する読取信号を受信するまで待機する(ステップS301)。
【0096】
次に、制御部141は、図10のステップS202の処理と同様にして、載置台103に媒体が載置されるまで待機する(ステップS302)。作業者は、載置台103に、読取対象の媒体を載置する。
【0097】
次に、制御部141は、第1記憶装置130に設定された設定情報を読み出す(ステップS303)。
【0098】
次に、制御部141は、モータ121を駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117、第2排出ローラ118を回転させ、載置台103に載置された媒体を搬送させる(ステップS304)。制御部141は、読み出した設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、モータ121の回転速度を制御する。
【0099】
次に、制御部141は、撮像装置116に媒体の撮像を開始させ、媒体の搬送が完了したときに撮像装置116から入力画像を取得し、撮像装置116による撮像を停止させる(ステップS305)。制御部141は、読み出した設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、撮像装置116を制御する。なお、制御部141は、読み出した設定情報で指定された設定内容に従って、取得した入力画像に対して画像処理を実行してもよい。次に、制御部141は、入力画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力する。
【0100】
このように、制御部141は、設定部144により設定された設定情報に従って画像読取装置100を制御する。
【0101】
次に、制御部141は、媒体センサ111から取得する媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS306)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部141は、ステップS305へ処理を戻し、ステップS305~S306の処理を繰り返す。
【0102】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部141は、モータ121を停止させ(ステップS307)、一連のステップを終了する。これにより、制御部141は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117、第2排出ローラ118を停止させ、媒体の搬送を停止させる。
【0103】
以上詳述したように、第1画像読取装置100aは、第1画像読取装置100aと通信接続されていない第2情報処理装置200bで指定された設定情報及び識別情報が含まれる媒体を撮像した入力画像に基づいて設定情報を設定する。第1画像読取装置100aは、識別情報が過去に設定された設定情報に対応する場合、作業者に警告を通知する。これにより、作業者は、過去に管理者から受け取った媒体を用いて誤って第1画像読取装置100aの設定を行うことを抑制することが可能となる。したがって、第1画像読取装置100aは、第1画像読取装置100aと通信接続されていない第2情報処理装置200bで指定された設定情報を適切に設定することが可能となった。
【0104】
特に、画像処理システム1において、第1画像読取装置100aの設定情報は、第1画像読取装置100aと通信接続されていない第2情報処理装置200bで指定される。そのため、画像処理システム1では、第1画像読取装置100aの設定情報を指定する管理者が第1画像読取装置100aにアクセスすることが防止され、画像処理システム1は、第1画像読取装置100aのセキュリティ性を向上させることが可能となった。
【0105】
また、作業者は、設定情報及び識別情報が印刷された媒体を用いて、第1画像読取装置100aの設定を容易に行うことが可能となり、第1画像読取装置100aは、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0106】
図14は、他の実施形態に係る画像読取装置における第1処理回路340の概略構成を示す図である。第1処理回路340は、画像読取装置100の第1処理回路140の代わりに使用され、第1処理回路140の代わりに、設定処理及び画像読取処理等を実行する。第1処理回路340は、制御回路341、取得回路342、特定回路343及び設定回路344等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0107】
制御回路341は、制御部の一例であり、制御部141と同様の機能を有する。制御回路341は、第1操作装置105又は第1通信装置122から設定信号又は読取信号を、媒体センサ111から媒体信号を受信し、受信した各信号に基づいて、モータ121を制御する。
【0108】
取得回路342は、取得部の一例であり、取得部142と同様の機能を有する。取得回路342は、撮像装置116から入力画像を受信し、特定回路343に、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aに出力する。
【0109】
特定回路343は、特定部の一例であり、特定部143と同様の機能を有する。特定回路343は、取得回路342から入力画像を受信し、受信した入力画像から設定情報及び識別情報を特定し、特定結果を設定回路344に出力する。
【0110】
設定回路344は、設定部の一例であり、設定部144と同様の機能を有する。設定回路344は、特定回路343から設定情報及び識別情報の特定結果を受信し、特定結果に基づいて、設定情報及び識別情報を第1記憶装置130に記憶する。設定回路344は、警告画面及び識別情報を第1表示装置106に表示し、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aに送信する。設定回路344は、継続信号及び中止信号を第1操作装置105から、又は、第1通信装置122を介して第1情報処理装置200aから受信する。
【0111】
以上詳述したように、第1画像読取装置は、第1処理回路340を使用する場合も、第1画像読取装置と通信接続されていない第2情報処理装置200bで指定された設定情報を適切に設定することが可能となった。
【符号の説明】
【0112】
100 画像読取装置、106 第1表示装置、116 撮像装置、122 第1通信装置、130 第1記憶装置、141 制御部、143 特定部、144 設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14