IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007443
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】無線周波数スイッチ制御回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0185 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
H03K19/0185 210
H03K19/0185 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022099416
(22)【出願日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】63/202867
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/663889
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジャン、 サチン
(72)【発明者】
【氏名】デバラジ、 アビシェク
(72)【発明者】
【氏名】バルテアヌ、 フロリネル ジー.
(72)【発明者】
【氏名】チェ、 ユンヤン
【テーマコード(参考)】
5J056
【Fターム(参考)】
5J056AA19
5J056AA29
5J056CC04
5J056CC21
5J056DD39
5J056FF10
5J056KK01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線周波数(RF)スイッチ制御のための装置及び方法を提供する。
【解決手段】RFスイッチシステム290において、RFスイッチのためのレベルシフタは、第1レベルシフトn型トランジスタと、第1スイッチ制御信号を与える第1出力と負のチャージポンプ電圧との間で第1レベルシフトn型トランジスタに直列の第1カスコードn型トランジスタと、第1レベルシフトp型トランジスタと、正のチャージポンプ電圧と第1出力との間で第1レベルシフトp型トランジスタに直列の第1カスコードp型トランジスタと、調節済み電圧と第1レベルシフトn型トランジスタのゲートとの間にあって第1スイッチ有効信号によって制御される第2カスコードp型トランジスタと、を含む。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯デバイスであって、
正のチャージポンプ電圧を生成するべく構成されるポジティブチャージポンプと、負のチャージポンプ電圧を生成するべく構成されるネガティブチャージポンプと、調節済み電圧を生成するべく構成される電圧レギュレータとを含む電力管理システムと、
第1スイッチ制御信号によって制御される無線周波数スイッチと、第1出力において前記第1スイッチ制御信号を生成するべく第1スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能なレベルシフタとを含むフロントエンドシステムと
を含み、
前記レベルシフタは、
前記負のチャージポンプ電圧と前記第1出力との間で直列の第1レベルシフトn型トランジスタ及び第1カスコードn型トランジスタと、
前記正のチャージポンプ電圧と前記第1出力との間で直列の第1レベルシフトp型トランジスタ及び第1カスコードp型トランジスタと、
前記調節済み電圧と前記第1レベルシフトn型トランジスタのゲートとの間にあって前記第1スイッチ有効信号によって制御される第2カスコードp型トランジスタと
を含む、携帯デバイス。
【請求項2】
前記レベルシフタはさらに、第2出力において第2スイッチ制御信号を生成するべく第2スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能であり、
前記第2スイッチ有効信号は前記第1スイッチ有効信号に対して相補的な極性である、請求項1の携帯デバイス。
【請求項3】
前記レベルシフタはさらに、
前記調節済み電圧と前記負のチャージポンプ電圧との間で前記第2カスコードp型トランジスタに直列の第2レベルシフトn型トランジスタと、
第3カスコードp型トランジスタと、
前記調節済み電圧と前記負のチャージポンプ電圧との間で前記第3カスコードp型トランジスタに直列の第3レベルシフトn型トランジスタと
を含む、請求項2の携帯デバイス。
【請求項4】
前記レベルシフタはさらに、
前記第2出力と前記負のチャージポンプ電圧との間で直列の第4レベルシフトn型トランジスタ及び第2カスコードn型トランジスタと、
前記正のチャージポンプ電圧と前記第2出力との間で直列の第2レベルシフトp型トランジスタ及び第4カスコードp型トランジスタと
を含む、請求項3の携帯デバイス。
【請求項5】
前記フロントエンドシステムはさらに、無線周波数信号を前記無線周波数スイッチに与えるべく構成される電力増幅器を含む、請求項1の携帯デバイス。
【請求項6】
前記電力管理システムはさらにチャージポンプクロック生成器を含み、
前記チャージポンプクロック生成器は、
複数の発振器クロック信号を生成するべく構成される多相発振器と、
前記複数の発振器クロック信号を処理して、前記多相発振器の発振器周波数よりも高い周波数の第1クロック信号を生成するように構成されるクロック位相ロジック及び結合回路と
を含み、
前記第1クロック信号は、前記ポジティブチャージポンプ又は前記ネガティブチャージポンプの少なくとも一方を制御するように動作可能である、請求項1の携帯デバイス。
【請求項7】
前記クロック位相ロジック及び結合回路はさらに、前記第1クロック信号から位相がずれた第2クロック信号を生成するように構成され、
前記第1クロック信号は前記ポジティブチャージポンプを制御するべく動作可能であり、
前記第2クロック信号は前記ネガティブチャージポンプを制御するべく動作可能である、請求項6の携帯デバイス。
【請求項8】
無線周波数スイッチシステムであって、
無線周波数信号を受信するべく構成されて第1スイッチ制御信号によって制御される無線周波数スイッチと、
正のチャージポンプ電圧を構成するべく構成されるポジティブチャージポンプと、
負のチャージポンプ電圧を構成するべく構成されるネガティブチャージポンプと、
調節済み電圧を生成するべく構成される電圧レギュレータと、
第1出力において前記第1スイッチ制御信号を生成するべく第1スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能なレベルシフタと
を含み、
前記レベルシフタは、
前記負のチャージポンプ電圧と前記第1出力との間で直列の第1レベルシフトn型トランジスタ及び第1カスコードn型トランジスタと、
前記正のチャージポンプ電圧と前記第1出力との間で直列の第1レベルシフトp型トランジスタ及び第1カスコードp型トランジスタと、
前記調節済み電圧と前記第1レベルシフトn型トランジスタのゲートとの間にあって前記第1スイッチ有効信号によって制御される第2カスコードp型トランジスタと
を含む、無線周波数スイッチシステム。
【請求項9】
前記レベルシフタはさらに、第2出力において第2スイッチ制御信号を生成するべく第2スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能であり、
前記第2スイッチ有効信号は前記第1スイッチ有効信号に対して相補的な極性である、請求項8の無線周波数スイッチシステム。
【請求項10】
前記レベルシフタはさらに、
前記調節済み電圧と前記負のチャージポンプ電圧との間で前記第2カスコードp型トランジスタに直列の第2レベルシフトn型トランジスタと、
第3カスコードp型トランジスタと、
前記調節済み電圧と前記負のチャージポンプ電圧との間で前記第3カスコードp型トランジスタに直列の第3レベルシフトn型トランジスタと
を含む、請求項9の無線周波数スイッチシステム。
【請求項11】
前記レベルシフタはさらに、
前記負のチャージポンプ電圧と前記第2出力との間で直列の第4レベルシフトn型トランジスタ及び第2カスコードn型トランジスタと、
前記正のチャージポンプ電圧と前記第2出力との間で直列の第2レベルシフトp型トランジスタ及び第4カスコードp型トランジスタと
を含む、請求項10の無線周波数スイッチシステム。
【請求項12】
前記第2レベルシフトp型トランジスタのゲートを制御する第1レベルシフト済みスイッチ有効信号を生成するべく、前記第1スイッチ有効信号をレベルシフトするように構成される第1有効レベルシフト回路と、
前記第1レベルシフトp型トランジスタのゲートを制御する第2レベルシフト済みスイッチ有効信号を生成するべく、前記第2スイッチ有効信号をレベルシフトするように構成される第2有効レベルシフト回路と
をさらに含む、請求項11の無線周波数スイッチシステム。
【請求項13】
前記第1カスコードp型トランジスタのゲートと前記第4カスコードp型トランジスタのゲートとがグランド電圧に接続される、請求項11の無線周波数スイッチシステム。
【請求項14】
前記第2レベルシフトn型トランジスタのゲートと前記第4レベルシフトn型トランジスタのゲートとが前記第3レベルシフトn型トランジスタのドレインに接続され、
前記第1レベルシフトn型トランジスタのゲートと前記第3レベルシフトn型トランジスタのゲートとが前記第2レベルシフトn型トランジスタのドレインに接続される、請求項11の無線周波数スイッチシステム。
【請求項15】
前記無線周波数スイッチは、
入力端子と出力端子との間に電気的に接続されて前記第1スイッチ制御信号によって制御される直列トランジスタスイッチと、
前記入力端子とグランド電圧との間に電気的に接続されて第2スイッチ制御信号によって制御されるシャントトランジスタスイッチと
を含む、請求項9の無線周波数スイッチシステム。
【請求項16】
チャージポンプクロック生成器をさらに含み、
前記チャージポンプクロック生成器は、
複数の発振器クロック信号を生成するべく構成される多相発振器と、
前記複数の発振器クロック信号を処理して、前記多相発振器の発振器周波数よりも高い周波数の第1クロック信号を生成するように構成されるクロック位相ロジック及び結合回路と
を含み、
前記第1クロック信号は、前記ポジティブチャージポンプ又は前記ネガティブチャージポンプの少なくとも一方を制御するように動作可能である、請求項9の無線周波数スイッチシステム。
【請求項17】
前記クロック位相ロジック及び結合回路はさらに、前記第1クロック信号から位相がずれた第2クロック信号を生成するように構成され、
前記第1クロック信号は前記ポジティブチャージポンプを制御するべく動作可能であり、
前記第2クロック信号は前記ネガティブチャージポンプを制御するべく動作可能である、請求項16の無線周波数スイッチシステム。
【請求項18】
前記電圧レギュレータは低ドロップアウトレギュレータである、請求項8の無線周波数スイッチシステム。
【請求項19】
無線周波数スイッチのためのレベルシフタであって、
第1レベルシフトn型トランジスタと、
第1スイッチ制御信号を与える第1出力と負のチャージポンプ電圧との間で前記第1レベルシフトn型トランジスタに直列の第1カスコードn型トランジスタと、
第1レベルシフトp型トランジスタと、
正のチャージポンプ電圧と前記第1出力との間で前記第1レベルシフトp型トランジスタに直列の第1カスコードp型トランジスタと、
調節済み電圧と前記第1レベルシフトn型トランジスタのゲートとの間にあって第1スイッチ有効信号によって制御される第2カスコードp型トランジスタと
を含む、レベルシフタ。
【請求項20】
前記レベルシフタはさらに、
前記調節済み電圧と前記負のチャージポンプ電圧との間で前記第2カスコードp型トランジスタに直列の第2レベルシフトn型トランジスタと、
第3カスコードp型トランジスタと、
前記調節済み電圧と前記負のチャージポンプ電圧との間で前記第3カスコードp型トランジスタに直列の第3レベルシフトn型トランジスタと
を含む、請求項19のレベルシフタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は電子システムに関し、詳しくは無線周波数(RF)通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲の周波数の信号を送信及び/又は受信するべく無線周波数(RF)通信システムを使用することができる。例えば、第5世代(5G)通信規格の周波数レンジ1(FR1)のための約400MHz~約7.125GHzの範囲、又は5G通信規格の周波数レンジ2(FR2)のための約24.250GHz~約71.000GHzの範囲のような、約30kHz~300GHzの周波数範囲にあるRF信号を無線通信するべく、RF通信システムを使用することができる。
【0003】
RF通信システムの複数例は、携帯電話機、タブレット、基地局、ネットワークアクセスポイント、顧客宅内機器(CPE)、ラップトップ、及びウェアラブル電子機器を含むがこれらに限られない。
【発明の概要】
【0004】
所定の実施形態において、本開示は携帯デバイスに関する。携帯デバイスは電力管理システムを含み、当該電力管理システムは、正のチャージポンプ電圧を生成するべく構成されるポジティブチャージポンプと、負のチャージポンプ電圧を生成するべく構成されるネガティブチャージポンプと、調節済み電圧を生成するべく構成される電圧レギュレータとを含む。携帯デバイスはさらにフロントエンドシステムを含み、当該フロントエンドシステムは、第1スイッチ制御信号によって制御される無線周波数スイッチと、第1出力において第1スイッチ制御信号を生成するべく第1スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能なレベルシフタとを含む。レベルシフタは、負のチャージポンプ電圧と第1出力との間で直列の第1レベルシフトn型トランジスタ及び第1カスコードn型トランジスタと、正のチャージポンプ電圧と第1出力との間で直列の第1レベルシフトp型トランジスタ及び第1カスコードp型トランジスタと、調節済み電圧と第1レベルシフトn型トランジスタのゲートとの間にあって第1スイッチ有効信号によって制御される第2カスコードp型トランジスタとを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、レベルシフタはさらに、第2出力において第2スイッチ制御信号を生成するべく第2スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能である。第2スイッチ有効信号は、第1スイッチ有効信号に対して相補的な極性である。一定数の実施形態によれば、レベルシフタはさらに、調節済み電圧と負のチャージポンプ電圧との間で第2カスコードp型トランジスタに直列の第2レベルシフトn型トランジスタと、第3カスコードp型トランジスタと、調節済み電圧と負のチャージポンプ電圧との間で第3カスコードp型トランジスタに直列の第3レベルシフトn型トランジスタとを含む。様々な実施形態によれば、レベルシフタはさらに、第2出力と負のチャージポンプ電圧との間で直列の第4レベルシフトn型トランジスタ及び第2カスコードn型トランジスタと、正のチャージポンプ電圧と第2出力との間で直列の第2レベルシフトp型トランジスタ及び第4カスコードp型トランジスタとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、フロントエンドシステムはさらに、無線周波数信号を無線周波数スイッチに与えるべく構成される電力増幅器を含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、電力管理システムはさらにチャージポンプクロック生成器を含み、当該チャージポンプクロック生成器は、複数の発振器クロック信号を生成するべく構成される多相発振器と、当該複数の発振器クロック信号を処理して、当該多相発振器の発振器周波数よりも高い周波数の第1クロック信号を生成するように構成されるクロック位相ロジック及び結合回路とを含み、第1クロック信号は、ポジティブチャージポンプ又はネガティブチャージポンプの少なくとも一方を制御するように動作可能である。一定数の実施形態によれば、クロック位相ロジック及び結合回路はさらに、第1クロック信号から位相がずれた第2クロック信号を生成するように構成される。第1クロック信号はポジティブチャージポンプを制御するべく動作可能であり、第2クロック信号はネガティブチャージポンプを制御するべく動作可能である。
【0008】
所定の実施形態において、本開示は無線周波数スイッチシステムに関する。無線周波数スイッチシステムは、無線周波数信号を受信するべく構成されて第1スイッチ制御信号によって制御される無線周波数スイッチと、正のチャージポンプ電圧を生成するべく構成されるポジティブチャージポンプと、負のチャージポンプ電圧を生成するべく構成されるネガティブチャージポンプと、調節済み電圧を生成するべく構成される電圧レギュレータと、第1出力において第1スイッチ制御信号を生成するべく第1スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能なレベルシフタとを含む。レベルシフタは、負のチャージポンプ電圧と第1出力との間で直列の第1レベルシフトn型トランジスタ及び第1カスコードn型トランジスタと、正のチャージポンプ電圧と第1出力との間で直列の第1レベルシフトp型トランジスタ及び第1カスコードp型トランジスタと、調節済み電圧と第1レベルシフトn型トランジスタのゲートとの間にあって第1スイッチ有効信号によって制御される第2カスコードp型トランジスタとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、レベルシフタはさらに、第2出力において第2スイッチ制御信号を生成するべく第2スイッチ有効信号をレベルシフトするように動作可能であり、第2スイッチ有効信号は、第1スイッチ有効信号に対して相補的な極性である。一定数の実施形態によれば、レベルシフタはさらに、調節済み電圧と負のチャージポンプ電圧との間で第2カスコードp型トランジスタに直列の第2レベルシフトn型トランジスタと、第3カスコードp型トランジスタと、調節済み電圧と負のチャージポンプ電圧との間で第3カスコードp型トランジスタに直列の第3レベルシフトn型トランジスタとを含む。いくつかの実施形態によれば、レベルシフタはさらに、負のチャージポンプ電圧と第2出力との間で直列の第4レベルシフトn型トランジスタ及び第2カスコードn型トランジスタと、正のチャージポンプ電圧と第2出力との間で直列の第2レベルシフトp型トランジスタ及び第4カスコードp型トランジスタとを含む。様々な実施形態によれば、無線周波数スイッチシステムはさらに、第2レベルシフトp型トランジスタのゲートを制御する第1レベルシフト済みスイッチ有効信号を生成するべく、第1スイッチ有効信号をレベルシフトするように構成される第1有効レベルシフト回路と、第1レベルシフトp型トランジスタのゲートを制御する第2レベルシフト済みスイッチ有効信号を生成するべく、第2スイッチ有効信号をレベルシフトするように構成される第2有効レベルシフト回路とを含む。一定数の実施形態によれば、第1カスコードp型トランジスタのゲートと第4カスコードp型トランジスタのゲートとはグランド電圧に接続される。いくつかの実施形態によれば、第2レベルシフトn型トランジスタのゲートと第4レベルシフトn型トランジスタのゲートとが第3レベルシフトn型トランジスタのドレインに接続され、第1レベルシフトn型トランジスタのゲートと第3レベルシフトn型トランジスタのゲートとが第2レベルシフトn型トランジスタのドレインに接続される。様々な実施形態によれば、無線周波数スイッチは、入力端子と出力端子との間に電気的に接続されて第1スイッチ制御信号によって制御される直列トランジスタスイッチと、当該入力端子とグランド電圧との間に電気的に接続されて第2スイッチ制御信号によって制御されるシャントトランジスタスイッチとを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、無線周波数スイッチシステムはさらにチャージポンプクロック生成器を含み、当該チャージポンプクロック生成器は、複数の発振器クロック信号を生成するべく構成される多相発振器と、当該複数の発振器クロック信号を処理して、当該多相発振器の発振器周波数よりも高い周波数の第1クロック信号を生成するように構成されるクロック位相ロジック及び結合回路とを含み、第1クロック信号は、ポジティブチャージポンプ又はネガティブチャージポンプの少なくとも一方を制御するように動作可能である。一定数の実施形態によれば、クロック位相ロジック及び結合回路はさらに、第1クロック信号から位相がずれた第2クロック信号を生成するように構成される。第1クロック信号はポジティブチャージポンプを制御するべく動作可能であり、第2クロック信号はネガティブチャージポンプを制御するべく動作可能である。
【0011】
様々な実施形態において、電圧レギュレータは、低ドロップアウトレギュレータである。
【0012】
所定の実施形態において、本開示は、無線周波数スイッチのためのレベルシフタに関する。レベルシフタは、第1レベル-シフトn型トランジスタと、第1スイッチ制御信号を与える第1出力と負のチャージポンプ電圧との間で第1レベルシフトn型トランジスタに直列の第1カスコードn型トランジスタと、第1レベルシフトp型トランジスタと、正のチャージポンプ電圧と第1出力との間で第1レベルシフトp型トランジスタに直列の第1カスコードp型トランジスタと、調節済み電圧と第1レベルシフトn型トランジスタのゲートとの間にあって第1スイッチ有効信号によって制御される第2カスコードp型トランジスタとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、レベルシフタはさらに、調節済み電圧と負のチャージポンプ電圧との間で第2カスコードp型トランジスタに直列の第2レベルシフトn型トランジスタと、第3カスコードp型トランジスタと、調節済み電圧と負のチャージポンプ電圧との間で第3カスコードp型トランジスタに直列の第3レベルシフトn型トランジスタとを含む。一定数の実施形態によれば、レベルシフタはさらに、第2出力と負のチャージポンプ電圧との間で直列の第4レベルシフトn型トランジスタ及び第2カスコードn型トランジスタと、正のチャージポンプ電圧と第2出力との間で直列の第2レベルシフトp型トランジスタ及び第4カスコードp型トランジスタとを含む。様々な実施形態によれば、レベルシフタはさらに、第2レベルシフトp型トランジスタのゲートを制御する第1レベルシフト済みスイッチ有効信号を生成するべく、第1スイッチ有効信号をレベルシフトするように構成される第1有効レベルシフト回路と、第1レベルシフトp型トランジスタのゲートを制御する第2レベルシフト済みスイッチ有効信号を生成するべく、第2スイッチ有効信号をレベルシフトするように構成される第2有効レベルシフト回路とを含む。いくつかの実施形態によれば、第1カスコードp型トランジスタのゲートと第4カスコードp型トランジスタのゲートとがグランド電圧に接続される。一定数の実施形態によれば、第2レベルシフトn型トランジスタのゲートと第4レベルシフトn型トランジスタのゲートとが第3レベルシフトn型トランジスタのドレインに接続され、第1レベルシフトn型トランジスタのゲートと第3レベルシフトn型トランジスタのゲートとが第2レベルシフトn型トランジスタのドレインに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】通信ネットワークの一例の模式的な図である。
図2A】キャリアアグリゲーションを使用する通信リンクの一例の模式的な図である。
図2B図2Aの通信リンクのためのアップリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。
図2C図2Aの通信リンクのためのダウンリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。
図3A】多入力・多出力(MIMO)通信を使用するダウンリンクチャネルの一例の模式的な図である。
図3B】MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの一例の模式的な図である。
図3C】MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの他例の模式的な図である。
図4】一実施形態の電力増幅器システムの模式的なブロック図である。
図5A】一実施形態のレベルシフタの模式的な図である。
図5B図5Aのレベルシフタの波形の一例のグラフである。
図6】一実施形態のチャージポンプの模式的な図である。
図7A】一実施形態のチャージポンプクロック生成器の模式的な図である。
図7B】一実施形態のチャージポンプクロック生成器のための周波数逓倍ロジックの模式的な図である。
図7C】異なるクロック周波数で動作するポジティブチャージポンプ及びネガティブチャージポンプのための波形の一例のグラフである。
図8A】他実施形態のチャージポンプクロック生成器の模式的な図である。
図8B】一実施形態のチャージポンプクロック生成器のための周波数逓倍ロジックの模式的な図である。
図8C】チャージポンプクロック生成器のための波形の一例のグラフである。
図9】一実施形態に係る無線周波数(RF)スイッチシステムの模式的なブロック図である。
図10A】一実施形態のパッケージモジュールの模式的な図である。
図10B図10Aの10B-10B線に沿ったパッケージモジュールの断面の模式的な図である。
図11】他実施形態に係るRFスイッチネットワークの模式的な図である。
図12】一実施形態の携帯デバイスの模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
所定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な記載を提示する。しかしながら、ここに記載されるイノベーションは、例えば特許請求の範囲により画定かつカバーされる数多くの異なる態様で具体化することができる。本明細書において、同じ参照番号が同一の又は機能的に同様の要素を示す図面が参照される。理解されることだが、図面に示される要素は必ずしも縮尺どおりとは限らない。さらに理解されることだが、所定の実施形態は、図面に示されるよりも多くの要素、及び/又は図面に示される要素の部分集合を含み得る。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせも含み得る。
【0016】
国際電気通信連合(ITU)は、国連(UN)の専門機関であり、無線周波数帯の世界的な共用を含む情報通信技術に関する世界的な問題の責任を負っている。
【0017】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))は、無線工業会(ARIB)、電気通信技術委員会(TTC)、中国通信規格協会(CCSA)、電気通信業界ソリューション同盟(ATIS)、電気通信技術協会(TTA)、欧州電気通信規格協会(ETSI)、インド電気通信規格開発協会(TSDSI)のような、世界中の電気通信規格団体のグループ間での共同プロジェクトである。
【0018】
3GPPは、ITUの範囲内で、例えば、第2世代(2G)技術(例えばグローバルシステム・フォー・モバイルコミュニケーションズ(GSM)(登録商標)及びエンハンストデータレート・フォー・GSMエボリューション(EDGE))、第3世代(3G)技術(例えばユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)及びハイスピードパケットアクセス(HSPA))、第4世代(4G)技術(例えばロングタームエボリューション(LTE)及びLTEアドバンスト)を含む、様々な移動通信技術の技術仕様を開発及び維持する。
【0019】
3GPPにより管理される技術仕様は仕様リリースによって拡張及び改訂することができる。この仕様リリースは、多数年にわたってよく、かつ、幅の広い新たな機能及び進化を指定してよい。
【0020】
一例において、3GPPは、リリース10においてLTEのためのキャリアアグリゲーション(CA)を導入した。3GPPは、初期には2つのダウンリンクキャリアを導入したが、リリース14においては5つまでのダウンリンクキャリア及び3つまでのアップリンクキャリアを含むように拡張した。3GPPリリースにより与えられる新たな特徴及び進化の他例は、ライセンス・アシステッド・アクセス(LAA)、エンハンストLAA(eLAA)、狭帯域インターネットオブシングス(NB-IOT)、ビークル・ツー・エブリシング(V2X)、及びハイパワーユーザ機器(HPUE)を含むがこれらに限られない。
【0021】
3GPPは、リリース15において第5世代(5G)技術のフェーズ1を導入し、リリース16において5G技術のフェーズ2を導入した。その後の3GPPリリースは、5G技術をさらに進化及び拡張させるであろう。5G技術はここでは、5Gニューラジオ(NR)とも称する。
【0022】
5GNRは、ミリメートル波スペクトルによる通信、ビームフォーミング能力、高スペクトル効率波形、低レイテンシ通信、多重ラジオヌメロロジー、及び/又は非直交多重アクセス(NOMA)のような様々な特徴をサポートし又はサポート予定である。かかるRF機能がネットワークに柔軟性を与えてユーザデータレートを向上させるにもかかわらず、かかる特徴をサポートするには一定数の技術的な課題がある。
【0023】
ここでの教示は、LTEアドバンスト、LTEアドバンストプロ及び/又は5GNRのようなアドバンストセルラー技術を使用する通信システムを含むがこれらに限られない多種多様な通信システムに適用可能である。
【0024】
図1は、通信ネットワーク10の一例の模式的な図である。通信ネットワーク10は、マクロセル基地局1、スモールセル基地局3、及びユーザ機器(UE)の様々な例を含む。ユーザ機器(UE)は、第1携帯デバイス2a、無線接続車両2b、ラップトップ2c、静止無線デバイス2d、無線接続列車2e、第2携帯デバイス2f、及び第3携帯デバイス2gを含む。
【0025】
基地局及びユーザ機器の特定例が図1に示されるにもかかわらず、通信ネットワークは、多種多様なタイプ及び/又は数の基地局及びユーザ機器を含んでよい。
【0026】
例えば、図示の例において、通信ネットワーク10はマクロセル基地局1及びスモールセル基地局3を含む。スモールセル基地局3は、マクロセル基地局1と比べて相対的に低い電力、短い距離、及び/又は少ない同時ユーザで動作し得る。スモールセル基地局3、フェムトセル、ピコセル又はマイクロセルと称してもよい。通信ネットワーク10が2つの基地局を含むように示されるにもかかわらず、通信ネットワーク10は、これよりも多い又は少ない基地局及び/又は他のタイプの基地局を含むように実装してよい。
【0027】
ユーザ機器の様々な例が示されるにもかかわらず、ここでの教示は、携帯電話機、タブレット、ラップトップ、インターネットオブシングス(IoT)デバイス、ウェアラブル電子機器、加入者宅内機器(CPE)、無線接続車両、無線リレー、及び/又は多種多様な他の通信デバイスを含むがこれらに限られない多種多様なユーザ機器に適用可能である。さらに、ユーザ機器は、セルラーネットワークにおいて動作する現在利用可能な通信デバイスのみならず、ここに記載されかつ特許請求の範囲に請求される本発明のシステム、プロセス、方法及びデバイスに容易に実装可能な、その後開発される通信デバイスをも含む。
【0028】
図1の例示の通信ネットワーク10は、例えば4GLTE及び5GNRを含む様々なセルラー技術を使用する通信をサポートする。所定の実装例において、通信ネットワーク10はさらに、WiFiのような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を与えるように適合される。通信技術の様々な例が与えられてきたにもかかわらず、通信ネットワーク10は、多種多様な通信技術をサポートするように適合され得る。
【0029】
通信ネットワーク10の様々な通信リンクが図1に描かれている。通信リンクは、例えば、周波数分割二重化(FDD)及び/又は時分割二重化(TDD)を使用することを含む多種多様な方法で二重化(デュプレクシング)することができる。FDDは、信号の送信及び受信に異なる周波数を使用するタイプの無線周波数通信である。FDDは、高いデータレート及び低いレイテンシのような一定数の利点を与えることができる。これとは対照的に、TDDは、信号の送信及び受信にほぼ同じ周波数を使用するタイプの無線周波数通信であり、送信通信と受信通信とが時間で切り替わる。TDDには、スペクトルの効率的な使用、及び送受信方向間のスループットの可変的配分のような一定数の利点を与えることができる。
【0030】
所定の実装例において、ユーザ機器は、4GLTE、5GNR及びWiFi技術の一以上を使用して基地局と通信することができる。所定の実装例において、エンハンスト・ライセンス・アシステッド・アクセス(eLAA)が、一以上のライセンスされた周波数キャリア(例えばライセンスされた4GLTE及び/又は5GNR周波数)を、一以上の未ライセンスキャリア(例えば未ライセンスWiFi周波数)と集約するべく使用される。
【0031】
図1に示されるように、通信リンクは、UEと基地局との間の通信リンクのみならず、UE対UE通信及び基地局対基地局通信をも含む。例えば、通信ネットワーク10は、セルフフロントホール及び/又はセルフバックホールをサポートするように実装することができる。
【0032】
通信リンクは、多種多様な周波数にわたって動作することができる。所定の実装例において、通信は、6ギガヘルツ(GHz)未満の一以上の周波数帯域にわたって及び/又は6GHz超過の一以上の周波数帯域にわたって、5GNR技術を使用してサポートされる。例えば、通信リンクは、周波数レンジ1(FR1)、周波数レンジ2(FR2)、又はこれらの組み合わせを与えることができる。
【0033】
例えば、5GNRは、4Gの固定ヌメロロジと比べ、柔軟ヌメロロジを備える仕様を含む5Gの周波数帯域にわたって異なる仕様で動作し得る。FR1(400MHz~7125MHz)帯域は、15kHz、30kHz及び60kHzのヌメロロジ副搬送波間隔で動作する。加えて、FR2はFR2-1(24GHz~52GHz)及びFR2-2(52GHz~71GHz)を含み、60kHz、120kHz及び240kHzのヌメロロジ副搬送波間隔で動作するので、(例えば500km/hまでの列車アプリケーションに対する)高い位相ノイズ及びドップラー効果を取り扱うことができる。
【0034】
所定の実装例において、基地局及び/又はユーザ機器はビームフォーミングを使用して通信する。例えば、ビームフォーミングは、高い信号周波数にわたる通信に関連付けられる高い損失のような、経路損失を克服するべく信号強度を収束させるべく使用することができる。所定の実施形態では、一以上の携帯電話機のようなユーザ機器は、30GHz~300GHzの範囲のミリメートル波周波数帯域において、及び/又は6GHz~30GHz、詳しくは24GHz~30GHzの範囲の上側センチメートル波周波数において、ビームフォーミングを使用して通信する。一実施形態において、携帯デバイスの一以上が、HPUE電力クラス仕様をサポートする。
【0035】
通信ネットワーク10の異なるユーザが、利用可能な周波数スペクトルのような利用可能なネットワークリソースを、多種多様な態様で共有することができる。
【0036】
一例において、一周波数帯域を分割して多重周波数キャリアにするべく周波数分割多重接続(FDMA)が使用される。加えて、一以上のキャリアが特定の一ユーザに配分される。FDMAの例は、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)及び直交FDMA(OFDMA)を含むがこれらに限られない。OFDMAは、利用可能な帯域幅を多数の相互に直交する狭帯域サブキャリアに分割するマルチキャリア技術であり、異なるユーザに別々に配分することができる。
【0037】
共有アクセスの他の例は、周波数リソースを使用するべくユーザに特定のタイムスロットが配分される時分割多重接続(TDMA)、各ユーザに固有の符号を配分することにより周波数リソースを異なるユーザ間で共有する符号分割多重接続(CDMA)、空間分割による共有アクセスを与えるべくビームフォーミングが使用される空間分割多重接続(SDMA)、多重アクセスを目的としてパワードメインが使用される非直交多重接続(NOMA)を含むが、これらに限られない。例えば、NOMAは、同じ周波数、時間及び/又は符号であるが異なる電力レベルにより多数のユーザにサービスを提供するべく使用され得る。
【0038】
エンハンストモバイルブロードバンド(eMBB)は、LTEネットワークのシステムキャパシティを増加させる技術を言及する。例えば、eMBBは、各ユーザに対して少なくとも10Gbpsのピークデータレートかつ最小100Mbpsの通信を言及してよい。超高信頼性低レイテンシ通信(uRLLC)は、例えば2ミリ秒未満の非常に低いレイテンシの通信のための技術を言及する。uRLLCは、自動運転及び/又は遠隔手術アプリケーション目的のようなミッションクリティカルな通信に使用することができる。大規模機械タイプ通信(mMTC)は、日常的な物体との無線接続に関連付けられる低コストかつ低データレートの通信、例えばインターネットオブシングス(IoT)アプリケーションに関連付けられる通信を言及する。
【0039】
図1の通信ネットワーク10は、eMBB、uRLLC及び/又はmMTCを含むがこれらに限られない多種多様なアドバンスト通信機能をサポートするべく使用することができる。
【0040】
図2Aは、キャリアアグリゲーションを使用する通信リンクの一例の模式的な図である。キャリアアグリゲーションを使用することで、多数の周波数キャリアにわたる通信をサポートすることにより通信リンクの帯域幅を広げることができ、これにより、ユーザデータレートを増加させることができ、フラグメント化されたスペクトル配分を利用することによってネットワーク容量を向上させることができる。
【0041】
図示の例において、通信リンクは、基地局21と携帯デバイス22との間に与えられる。図2Aに示されるように、通信リンクは、基地局21から携帯デバイス22へのRF通信に使用されるダウンリンクチャネル(DL)と、携帯デバイス22から基地局21へのRF通信に使用されるアップリンクチャネル(UL)とを含む。
【0042】
図2AがFDD通信の文脈でキャリアアグリゲーションを示すにもかかわらず、キャリアアグリゲーションはTDD通信のために使用することもできる。
【0043】
所定の実装例において、通信リンクは、ダウンリンクチャネル及びアップリンクチャネルに対して非対称データレートを与えることができる。例えば、通信リンクは、携帯デバイスへのマルチメディアコンテンツの高速ストリーミングを可能にするべく相対的に高いダウンリンクデータレートをサポートすることができる一方、携帯デバイスからクラウドへのデータアップロードのための相対的に低いデータレートを与えることができる。
【0044】
図示の例において、基地局21と携帯デバイス22とは、通信リンクの帯域幅を選択的に増加させるべく使用することができるキャリアアグリゲーションを介して通信する。キャリアアグリゲーションは、同じ動作周波数帯域内に連続キャリアが集約される連続アグリゲーションを含む。キャリアアグリゲーションは不連続でもよく、共通帯域内又は異なる帯域内で周波数が分離したキャリアを含んでもよい。
【0045】
図2Aに示される例において、アップリンクチャネルは、3つの集約されたコンポーネントキャリアfUL1、fUL2及びfUL3を含む。加えて、ダウンリンクチャネルは、5つの集約されたコンポーネントキャリアfDL1、fDL2、fDL3、fDL4及びfDL5を含む。一例のコンポーネントキャリアアグリゲーションが示されるにもかかわらず、これよりも多い又は少ないキャリアをアップリンク及び/又はダウンリンクのために集約することができる。さらに、所望のアップリンクデータレート及びダウンリンクデータレートを達成するべく、集約されるキャリアの数を経時的に変化させることもできる。
【0046】
例えば、特定の携帯デバイスに関するアップリンク通信及び/又はダウンリンク通信のために集約されるキャリアの数が、経時的に変化し得る。例えば、集約されるキャリアの数は、デバイスが通信ネットワークを通るように動くときに、及び/又はネットワーク使用状況が経時的に変化するときに、変化し得る。
【0047】
図2Bは、図2Aの通信リンクのためのアップリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。図2Bは、第1キャリアアグリゲーションシナリオ31、第2キャリアアグリゲーションシナリオ32、及び第3キャリアアグリゲーションシナリオ33を含み、これらは、3タイプのキャリアアグリゲーションを模式的に描く。
【0048】
キャリアアグリゲーションシナリオ31~33は、第1コンポーネントキャリアfUL1、第2コンポーネントキャリアfUL2、及び第3コンポーネントキャリアfUL3に対する異なるスペクトル配分を示す。図2Bが、3つのコンポーネントキャリアを集約する文脈で示されるにもかかわらず、キャリアアグリゲーションは、これよりも多い又は少ないキャリアを集約するべく使用することもできる。さらに、アップリンクの文脈で示されるにもかかわらず、アグリゲーションシナリオは、ダウンリンクにも適用可能である。
【0049】
第1キャリアアグリゲーションシナリオ31は、隣接周波数でありかつ共通周波数帯域内にあるコンポーネントキャリアが集約される帯域内連続キャリアアグリゲーションを示す。例えば、第1キャリアアグリゲーションシナリオ31は、連続して第1周波数帯域BAND1内に位置するコンポーネントキャリアfUL1、fUL2及びfUL3の集約を描く。
【0050】
引き続き図2Bを参照すると、第2キャリアアグリゲーションシナリオ32が、非隣接の周波数だが共通周波数帯域内にある2つ以上のコンポーネントキャリアが集約される帯域内不連続キャリアアグリゲーションを示す。例えば、第2キャリアアグリゲーションシナリオ32は、不連続であるが第1周波数帯域帯域内に位置するコンポーネントキャリアfUL1、fUL2及びfUL3の集約を描く。
【0051】
第3キャリアアグリゲーションシナリオ33は、非隣接の周波数でありかつ多数の周波数帯域内にあるコンポーネントキャリアが集約される帯域内不連続キャリアアグリゲーションを示す。例えば、第3キャリアアグリゲーションシナリオ33は、第1周波数帯域BAND1のコンポーネントキャリアfUL1及びfUL2と、第2周波数帯域BAND2のコンポーネントキャリアfUL3との集約を描く。
【0052】
図2Cは、図2Aの通信リンクのためのダウンリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。これらの例は、第1コンポーネントキャリアfDL1、第2コンポーネントキャリアfDL2、第3コンポーネントキャリアfDL3、第4コンポーネントキャリアfDL4及び第5コンポーネントキャリアfDL5の異なるスペクトル配分のための様々なキャリアアグリゲーションシナリオ34~38を描く。図2Cが、5つのコンポーネントキャリアを集約する文脈で示されるにもかかわらず、キャリアアグリゲーションは、これよりも多い又は少ないキャリアを集約するべく使用することもできる。さらに、ダウンリンクの文脈で示されるにもかかわらず、アグリゲーションシナリオは、アップリンクにも適用可能である。
【0053】
第1キャリアアグリゲーションシナリオ34は、連続して同じ周波数帯域内に位置するコンポーネントキャリアの集約を描く。加えて、第2キャリアアグリゲーションシナリオ35及び第3キャリアアグリゲーションシナリオ36は、不連続であるが同じ周波数帯域内に位置するアグリゲーションの2つの例を描く。さらに、第4キャリアアグリゲーションシナリオ37及び第5キャリアアグリゲーションシナリオ38は、非隣接の周波数でありかつ多数の周波数帯域内にあるコンポーネントキャリアが集約されるアグリゲーションの2つの例を描く。集約されるコンポーネントキャリアの数が増加するにつれて、可能なキャリアアグリゲーションシナリオの複雑性も増加する。
【0054】
図2A~2Cを参照すると、キャリアアグリゲーションにおいて使用される個々のコンポーネントキャリアが、例えば、同じ帯域における又は多数の帯域における周波数キャリアを含む様々な周波数を有し得る。加えて、キャリアアグリゲーションは、個々のコンポーネントキャリアがほぼ同じ帯域幅を有する実装例に適用可能であり、個々のコンポーネントキャリアが異なる帯域幅を有する実装例に対しても適用可能である。
【0055】
所定の通信ネットワークが、アップリンクのためのプライマリコンポーネントキャリア(PCC)又はアンカーキャリア、及びダウンリンクのためのPCCを特定のユーザデバイスに配分する。加えて、携帯デバイスが、アップリンク又はダウンリンクのための単数周波数キャリアを使用して通信する場合、当該ユーザデバイスはPCCを使用して通信する。アップリンク通信のための帯域幅を向上させるべく、アップリンクPCCは、一以上のアップリンクセカンダリコンポーネントキャリア(SCC)によって集約することができる。加えて、ダウンリンク通信のための帯域幅を向上させるべく、ダウンリンクPCCは、一以上のダウンリンクSCCによって集約することができる。
【0056】
所定の実装例において、通信ネットワークが、各コンポーネントキャリアのためにネットワークセルを与える。加えて、プライマリセルがPCCを使用して動作する一方、セカンダリセルはSCCを使用して動作する。プライマリセル及びセカンダリセルは、キャリアの周波数及び/又はネットワーク環境の違いに起因して、異なるカバレッジエリアを有し得る。
【0057】
ライセンスアシステッドアクセス(LAA)とは、移動体通信事業者iに関連付けられる認可周波数キャリアが、WiFiのような未認可スペクトルの周波数キャリアとともに集約されるダウンリンクキャリアアグリゲーションのことである。LAAが、通信リンクに関連付けられる制御及び信号伝達の情報を搬送する認可スペクトルにおいてダウンリンクPCCを用いる一方、未認可スペクトルは、利用可能な場合に、広いダウンリンク帯域幅のために集約される。LAAは、WiFiユーザを回避するべく及び/又はWiFiユーザと共存するべく、セカンダリキャリアの動的調整によって動作し得る。エンハンストライセンスアシステッドアクセス(eLAA)とは、ダウンリンク及びアップリンクの双方に対して認可及び未認可スペクトルを集約するLAAの進化形のことである。さらに、NR-Uが、5GHz帯域(5150~5925MHz)及び/又は6GHz帯域(5925MHz~7125MHz)を経由してLAA/eLAAの上で動作し得る。
【0058】
図3Aは、多入力・多出力(MIMO)通信を使用するダウンリンクチャネルの一例の模式的な図である。図3Bは、MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの一例の模式的な図である。
【0059】
MIMO通信は、多数のデータストリームと同時に通信するべく共通周波数スペクトルを経由して多数のアンテナを使用する。所定の実装例において、データストリームは、受信器におけるデータ受信を強化するべく異なる基準信号によって動作する。MIMO通信は、無線環境の空間的多重化(マルチプレクシング)に起因して高SNR、改善されたコーディング、及び/又は信号干渉低減からの利益を受ける。
【0060】
MIMOオーダーは、送信又は受信される別個のデータストリームの数を言及する。例えば、ダウンリンク通信のMIMOオーダーは、基地局の送信アンテナの数、及び携帯デバイスのようなUEの受信アンテナの数によって記述することができる。例えば、ツーバイツー(2×2)DLMIMOは、2つの基地局アンテナ及び2つのUEアンテナを使用するMIMOダウンリンク通信を言及する。加えて、フォーバイフォー(4×4)DLMIMOは、4つの基地局アンテナ及び4つのUEアンテナを使用するMIMOダウンリンク通信を言及する。
【0061】
図3Aに示される例において、ダウンリンクMIMO通信は、基地局41のMアンテナ43a、43b、43c、…43mを使用して送信し、携帯デバイス42のNアンテナ44a、44b、44c、…44nを使用して受信することによって与えられる。したがって、図3Aは、m×nDLMIMOの一例を示す。
【0062】
同様に、アップリンク通信のMIMOオーダーは、携帯デバイスのようなUEの送信アンテナの数、及び基地局の受信アンテナの数によって記述することができる。例えば、2×2ULMIMOは、2つのUEアンテナ及び2つの基地局アンテナを使用するMIMOアップリンク通信を言及する。加えて、4×4ULMIMOは、4つのUEアンテナ及び4つの基地局アンテナを使用するMIMOアップリンク通信を言及する。
【0063】
図3Bに示される例において、アップリンクMIMO通信は、携帯デバイス42のNアンテナ44a、44b、44c、…44nを使用する送信、及び基地局41のMアンテナ43a、43b、43c、…44mを使用する受信によって与えられる。したがって、図3Bは、n×mULMIMOの一例を示す。
【0064】
MIMOのレベル又はオーダーを増加させることによって、アップリンクチャネル及び/又はダウンリンクチャネルのデータ帯域幅を増加させることができる。
【0065】
MIMO通信は、FDD通信リンク及びTDD通信リンクのような様々なタイプの通信リンクに適用可能である。
【0066】
図3Cは、MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの他例の模式的な図である。図3Cに示される例において、アップリンクMIMO通信は、携帯デバイス42のNアンテナ44a、44b、44c、…44nを使用する送信によって与えられる。加えて、アップリンク送信の第1部分が第1基地局41aのMアンテナ43a1、43b1、43c1、…43m1を使用して受信される一方、アップリンク送信の第2部分が第2基地局41bのMアンテナ43a2、43b2、43c2、…43m2を使用して受信される。加えて、第1基地局41a及び第2基地局41bは、有線、光及び/又は無線のリンクを経由して互いに通信し合う。
【0067】
図3CのMIMOシナリオは、多数の基地局が協調してMIMO通信を容易にする一例を示す。
【0068】
図4は、一実施形態の電力増幅器システム140の模式的なブロック図である。図示の電力増幅器システム140は、直列スイッチトランジスタ125及びシャントスイッチトランジスタ126を含むRFスイッチング回路127を含む。図示の電力増幅器システム140はさらに、チャージポンプ122、レベルシフタ123、方向性結合器124、電力増幅器バイアス回路130、電力増幅器132及び送信器133を含む。図示の送信器133は、ベース帯域プロセッサ134、I/Q変調器137、混合器138、及びアナログデジタル変換器(ADC)139を含む。明確性のため図4に示されないが、送信器133は、送受信器機能が達成されるように一以上の受信経路を経由して信号を受信することに関連付けられる回路を含んでよい。
【0069】
ベース帯域プロセッサ134は、所望の振幅、周波数及び位相の正弦波又は正弦信号を表すべく使用され得る同相(I)信号及び直角位相(Q)信号を生成するべく使用され得る。例えば、I信号は正弦波の同相成分を表すべく使用され、Q信号は正弦波の直角成分を表すべく使用される。これらにより正弦波の等価表現が与えられる。所定の実装例において、I信号及びQ信号は、デジタル形式でI/Q変調器137に与えられる。ベース帯域プロセッサ134は、ベース帯域信号を処理するべく構成される任意の適切なプロセッサとしてよい。例えば、ベース帯域プロセッサ134は、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラミング可能コア、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。さらに、いくつかの実装例において、2つ以上のベース帯域プロセッサ134が電力増幅器システム140に含まれてよい。
【0070】
I/Q変調器137は、I信号及びQ信号をベース帯域プロセッサ134から受信し、当該I信号及びQ信号を処理してRF信号を生成するように構成される。例えば、I/Q変調器137は、I信号及びQ信号を変換してアナログ形式にする複数のデジタルアナログ変換器(DAC)、I信号及びQ信号を無線周波数までアップコンバートする混合器、並びにアップコンバートされたI信号及びQ信号を結合して電力増幅器132による増幅に適切なRF信号にする信号結合器を含み得る。所定の実装例において、I/Q変調器137は、処理される信号の周波数成分をフィルタリングするべく構成される一以上のフィルタを含み得る。
【0071】
電力増幅器バイアス回路130は、電力増幅器132のために一以上のバイアス信号を生成するべく使用され得るベース帯域プロセッサ134から、一以上の制御信号を受信することができる。制御信号は、例えば、バイアス設定、又はレベル及び/若しくは有効機能を含み得る。電力増幅器132は、送信器133のI/Q変調器137からRF信号を受信することができる。
【0072】
レベルシフタ123は、直列スイッチトランジスタ125及びシャントスイッチトランジスタ126を相補的態様でオン及びオフにすることができる。例えば、レベルシフタ123は、直列スイッチトランジスタ125をオンにしてシャントスイッチトランジスタ126をオフにすることにより、電力増幅器132が、増幅されたRF信号を、直列スイッチトランジスタ125を介してアンテナ114に与えるように使用することができる。加えて,レベルシフタ123は、直列スイッチトランジスタ125をオフにしてシャントスイッチトランジスタ126をオンにすることにより、電力増幅器132の出力とアンテナ114との間に高インピーダンス経路を与える一方で電力増幅器の出力に終端を与えるように使用することができる。RFスイッチング回路127の状態を制御するべく、レベルシフタ123は、送信器133のような任意の適切な回路からスイッチ有効信号(図4には示さず)を受信することができる。
【0073】
方向性結合器124を、電力増幅器132の出力と直列スイッチトランジスタ125のソースとの間に配置することができ、これにより、直列スイッチトランジスタ125の挿入損失を含まない電力増幅器132の出力電力測定が可能となる。方向性結合器124からの検知された出力信号が、混合器138に与えられる。混合器138は、当該検知された出力信号に、制御周波数の基準信号を乗算することにより、当該検知された出力信号の周波数成分をダウンシフトしてダウンシフト信号を生成することができる。ダウンシフト信号はADC139に与えられてよく、ADC139はダウンシフト信号を、ベース帯域プロセッサ134による処理に適切なデジタル形式に変換することができる。
【0074】
ベース帯域プロセッサ134は、電力増幅器132の出力とベース帯域プロセッサ134との間にフィードバック経路を含むことにより、I信号及びQ信号を動的に調整して電力増幅器システム140の動作を最適化するように構成され得る。例えば、この態様で電力増幅器システム140を構成することにより、電力付加効率(PAE)、及び/又は電力増幅器132の線形性の制御が支援され得る。
【0075】
図示の構成において、チャージポンプ122は、正のチャージポンプ電圧及び負のチャージポンプ電圧をレベルシフタ123に与える。所定の構成において(例えばスイッチがn型トランジスタを実装する場合)、オンの場合に直列スイッチトランジスタ125及び/又はシャントスイッチトランジスタ126のゲート電圧にバイアスをかけるべく正のチャージポンプ電圧が使用される一方、オフの場合に直列スイッチトランジスタ125及び/又はシャントスイッチトランジスタ126のゲート電圧にバイアスをかけるべく負のチャージポンプ電圧が使用される。
【0076】
直列スイッチトランジスタ125及びシャントスイッチトランジスタ126それぞれが単一トランジスタとして描かれるにもかかわらず、典型的には、直列スイッチトランジスタ125及びシャントスイッチトランジスタ126のそれぞれを実装するべく複数トランジスタの積層が使用される。例えば、トランジスタを積層することにより、所望の電力処理能力を満たすことが支援される。さらに、ゲート抵抗器及び他のバイアスのような、直列スイッチトランジスタ125及びシャントスイッチトランジスタ126の所定バイアスの詳細は、簡潔のため図4に描かれていない。
【0077】
図5Aは、一実施形態のレベルシフタ210の回路図である。レベルシフタ210は、第1n型金属酸化膜半導体(NMOS)レベルシフトトランジスタ171、第2NMOSレベルシフトトランジスタ172、第3NMOSレベルシフトトランジスタ173、第4NMOSレベル-シフトトランジスタ174、第1NMOSカスコードトランジスタ181、第2NMOSカスコードトランジスタ182、第1p型金属酸化膜半導体(PMOS)レベルシフトトランジスタ191、第2PMOSレベルシフトトランジスタ192、第1PMOSカスコードトランジスタ193、第2PMOSカスコードトランジスタ194、第3PMOSカスコードトランジスタ195、第4PMOSカスコードトランジスタ196、第1有効レベルシフタ207、及び第2有効レベルシフタ208を含む。
【0078】
図示の実施形態において、レベルシフタ210は、スイッチ有効信号SWEN、反転スイッチ有効信号SWENB、(低ドロップアウトレギュレータのような電圧レギュレータからの)調節済み電圧VREG、(ネガティブチャージポンプからの)負のチャージポンプ電圧VNEG、及び(ポジティブチャージポンプからの)正のチャージポンプ電圧VPOSを受信する。レベルシフタ210は、RFスイッチング回路を制御する相補的極性のスイッチ制御信号(例えば図4の構成においてのように一方が直列スイッチの制御のため、他方がシャントスイッチの制御のため)を生成するべく、非反転スイッチ制御出力SWCTL及び反転スイッチ制御出力SWCTLBを含む。これらの出力が双方とも所定のアプリケーションにおいて使用されるにもかかわらず、他のアプリケーションにおいてはレベルシフタ出力の一方のみが使用される。
【0079】
第1有効レベルシフタ207は、スイッチ有効信号SWENをレベルシフトし、ポジティブチャージポンプの電圧ドメインにあるレベルシフトスイッチ有効信号を生成する(第1有効レベルシフタ207及び第2有効レベルシフタ208はVPOS及びグランドによって電力を受ける)。加えて、第2有効レベルシフタ208は、反転スイッチ有効信号SWENBをレベルシフトし、ポジティブチャージポンプの電圧ドメインにあるレベルシフト反転スイッチ有効信号を生成する。相補的極性の一対のスイッチ有効信号を受信するように示されるにもかかわらず、他実施形態において、レベルシフタ210は、当該一対のスイッチ有効信号を生成するべく(例えば反転器を使用して)反転され得る単一スイッチ有効信号を受信する。
【0080】
図5Aに示されるように、第1NMOSレベルシフトトランジスタ171及び第1NMOSカスコードトランジスタ181は、負のチャージポンプ電圧VNEGと反転スイッチ制御出力SWCTLBとの間で(ソースからドレインまで)直列にされる一方、第1PMOSレベルシフトトランジスタ191及び第1PMOSカスコードトランジスタ193は、正のチャージポンプ電圧VPOSと反転スイッチ制御出力SWCTLBとの間で(ソースからドレインまで)直列にされる。さらに、第4NMOSレベルシフトトランジスタ174及び第2NMOSカスコードトランジスタ182は、負のチャージポンプ電圧VNEGと非反転スイッチ制御出力SWCTLとの間で(ソースからドレインまで)直列にされる一方、第2PMOSレベルシフトトランジスタ192及び第4PMOSカスコードトランジスタ196は、正のチャージポンプ電圧VPOSと非反転スイッチ制御出力SWCTLとの間で(ソースからドレインまで)直列にされる。
【0081】
図示の実施形態において、第1NMOSレベルシフトトランジスタ171のゲートと第3NMOSレベルシフトトランジスタ173のゲートとが、第2NMOSレベルシフトトランジスタ172のドレインに接続される。加えて、第2NMOSレベルシフトトランジスタ172のゲートと第4NMOSレベルシフトトランジスタ174のゲートとが、第3NMOSレベルシフトトランジスタ173のドレインに接続される。第2NMOSレベルシフトトランジスタ172及び第3NMOSレベルシフトトランジスタ173のゲート及びドレインはクロス結合される。
【0082】
第1NMOSカスコードトランジスタ181のゲートと第2NMOSカスコードトランジスタ182のゲートとが、調節済み電圧VREGに接続される。加えて、第2PMOSカスコードトランジスタ194のゲートがスイッチ有効信号SWENによって制御される一方、第3PMOSカスコードトランジスタ195のゲートが反転スイッチ有効信号SWENBによって制御される。
【0083】
第1PMOSカスコードトランジスタ193及び第4PMOSカスコードトランジスタ196のゲートは接地される。加えて、第1PMOSレベルシフトトランジスタ191のゲートがレベルシフト反転スイッチ有効信号を受信する一方、第2PMOSレベルシフトトランジスタ192のゲートがレベルシフトスイッチ有効信号を受信する。
【0084】
レベルシフタ210は、チャージポンプ電圧VPOS及びVNEGからの低い電流引き込み、低い電圧ヘッドルーム、及び低電圧動作中の(クロス結合トランジスタ172及び173)のロバストなラッチを含む一定数の利点を与える。さらに、調節済み電圧VREGは、ロバストな動作を維持する低いインピーダンスであり、起動後迅速にアクティブにもなる。すなわち、レベルシフタ210は、急速な起動時間に関連付けられるので、電力供給シーケンス及び/又は起動の直後のようなチャージポンプ電圧VPOS及び/又はVNEGが定常状態値でない場合であっても、レベルシフトを行うことができる。
【0085】
図5Bは、図5Aのレベルシフタ210の波形の一例のグラフである。グラフは、ポジティブチャージポンプ及びネガティブチャージポンプが、多くのレベルシフタを駆動することで、スイッチの状態変更に関連付けられる所定の時間インスタンス(このシミュレーションでは約12マイクロ秒(μs)及び27μs)において(例えば、時分割デュプレクシング(TDD)アプリケーションでの送信又は受信の時間枠の終わりにおいて)大きな電流引き込みを被る一例に対する、正のチャージポンプ電圧VPOS、負のチャージポンプ電圧VNEG、スイッチ制御出力SWCTL、及び反転スイッチ制御出力SWCTLBの波形を含む。
【0086】
図5Bに示されるように、大きな電流がチャージポンプ電源に引き込まれても、レベルシフタ210は適切に動作し続ける。
【0087】
図6は、一実施形態のチャージポンプ220の模式的な図である。チャージポンプ220は、第1群のクロック反転器211a/212a/213a、第2群のクロック反転器211b/212b/213b、第1フライングキャパシタCfly1、第2フライングキャパシタCfly2、第1NMOSトランジスタ215、第2NMOSトランジスタ216、第1PMOSトランジスタ217、及び第2PMOSトランジスタ218を含む。
【0088】
引き続き図6を参照すると、チャージポンプ220は、第1群のクロック反転器211a/212a/213aを駆動するべく非反転クロック信号を受信する第1クロック入力CLKと、第2群のクロック反転器211b/212b/213bを駆動するべく反転クロック信号を受信する第2クロック入力CLK_Bとを含む。第1群のクロック反転器211a/212a/213aは、第1フライングキャパシタCfly1の第1端を駆動するのに十分な駆動強度を与えるべく非反転クロック信号をバッファするようなサイズにされる。同様に、第2群のクロック反転器211b/212b/213bは、第2フライングキャパシタCfly2の第1端を駆動するのに十分な駆動強度を与えるべく反転クロック信号をバッファするようなサイズにされる。
【0089】
クロック反転器群は、任意の適切な数の反転器を含んでよく、任意の適切な態様でスケーリング(この例において1x、4x及び12x)してよい。すなわち、4xスケーリングを備える3つの反転器の一例が示されるにもかかわらず、これよりも多い又は少ない反転器、及び/又は異なるスケーリングが使用されてよい。所定の実装例において、フライングキャパシタを駆動するべく使用されるバッファされたクロック信号は、一対の非重畳クロック信号に対応する。
【0090】
図6に示されるように、チャージポンプ220は第1端子VP及び第2端子VNを含む。第1端子VPと第2端子VNとの接続性に基づいて、チャージポンプ220は、ポジティブチャージポンプ(例えば、ダイのピンに与えられる通常の供給電圧に接続される第2端子VNと比べてブーストされた電圧を有するVPOSが第1端子VPにおいて生成される)、又はネガティブチャージポンプ(例えば、グランドに接続される第1端子VPと比べて低減された電圧又はバック電圧を有するVNEGが第2端子VNにおいて生成される)としての役割を果たすことができる。
【0091】
図7Aは、一実施形態のチャージポンプクロック生成器230の模式的な図である。チャージポンプクロック生成器230は、多相発振器(この例では7位相リング発振器221に対応)を含む。チャージポンプクロック生成器230はさらに、クロック位相ロジック回路222(この例ではANDゲート222a、222b、222c、222d、222e、222f及び222gとして実装される)、及びクロック位相結合回路223を含む。
【0092】
図示の実施形態において、リング発振器221は、クロック信号clk<1>、clk<2>、clk<3>、clk<4>、clk<5>、clk<6>及びclk<7>を生成する。これらのクロック信号は、周波数が共通であるが位相が異なる(例えば均等に分離される)。加えて、ANDゲート222a、222b、222c、222d、222e、222f及び222gは、隣接するクロック信号位相に対して論理演算を行い、クロック位相信号ph1、ph2、ph3、ph4、ph5、ph6及びph7を生成する。これらのクロック位相信号は、位相結合回路223によって処理され、リング発振器221の発信周波数に対して逓倍された周波数のクロック信号CLKが生成される。
【0093】
この例において、ANDゲートはそれぞれが、対応する有効信号EN1、EN2、EN3、EN4、EN5、EN6、及びEN7によって動作し、それぞれがクロック位相信号ph1、ph2、ph3、ph4、ph5、ph6及びph7のうちの一以上を選択的に有効にする。
【0094】
チャージポンプクロック生成器230は有利なことに、発振器221よりも高い周波数のクロック信号を合成する。これにより今度は、ポンピングを制御するべくクロック信号を使用するチャージポンプが生成するチャージポンプ出力電圧(例えばVPOS又はVNEG)において周波数スプリアス及び/又は望ましくないクロックノイズが低減される。
【0095】
図7Bは、チャージポンプクロック生成器のための一実施形態の周波数逓倍ロジック240の模式的な図である。周波数逓倍ロジック240は、クロック位相ロジック回路232(この例ではANDゲート232a、232b、232c、232d、232e、232f、232g、232h及び232iとして実装される)、及びクロック位相結合回路233(この例ではORゲート233a、233b、234及び235として実装される)を含む。
【0096】
図示の実施形態において、クロック位相ロジック回路は、多相発振器(例えばリング発振器)からの9つのクロック信号(CLK<1>、CLK<2>、CLK<3>、CLK<4>、CLK<5>、CLK<6>、CLK<7>、CLK<8>及びCLK<9>)を処理してクロック信号位相CLK_a<1>、CLK_a<2>、CLK_a<3>、CLK_a<4>、CLK_a<5>、CLK_a<6>、CLK_a<7>、CLK_a<8>及びCLK_a<9>を生成する。位相結合回路233は、クロック信号位相の論理ORを行い、多相発振器からの受信クロック信号の周波数よりも高い周波数のブーストクロック信号FCLK_BOOSTを生成する。
【0097】
図7Cは、異なるクロック周波数で動作するポジティブチャージポンプ及びネガティブチャージポンプのための波形の一例のグラフである。波形により示されるように、速いクロック速度は、高い出力駆動能力及び/又は初期ランプアップ時間を備えるチャージポンプを与えるのに有利である。
【0098】
速いクロック速度が望ましいにもかかわらず、高速共振器を使用すると周波数スプリアス及び/又は望ましくないクロックノイズが導入されてしまう。ここでの教示に従って、遅いランニング発振器を使用してチャージポンプのための速いクロック信号を合成することにより、速いポンピング、小さな周波数スプリアス、及び/又は低いクロックノイズが達成される。
【0099】
図8Aは、他実施形態のチャージポンプクロック生成器250の模式的な図である。チャージポンプクロック生成器250は、多相発振器(この例では7位相リング発振器241に対応)を含む。チャージポンプクロック生成器230はさらに、クロック位相ロジック及び結合回路242(この例では排他的ORゲート242a、242b及び242cとして実装される)を含む。
【0100】
クロック位相ロジック及び結合回路242は、多相発振器からの発振器クロック信号を処理することにより、ポジティブチャージポンプを駆動する第1逓倍クロック信号(CLK_DBL<1>又はpvg)を生成し(例えば、CLK_DBL<1>を反転させて図6のチャージポンプ220への一対の入力クロック信号CLK及びCLKBを生成することができる)、及びネガティブチャージポンプを駆動する第2逓倍クロック信号(CLK_DBL<3>又はnvg)を生成する。
【0101】
有利なことに、第1逓倍クロック信号及び第2逓倍クロック信号は周波数が共通であるが、ポジティブチャージポンプ及びネガティブチャージポンプの電流引き込みの時間インスタンスを広げるべく位相がずれている。すなわち、ポジティブチャージポンプ及びネガティブチャージポンプへのクロック信号が同じ位相(位相整合)とされる構成と比べて向上した性能が達成される。
【0102】
図8Bは、一実施形態のチャージポンプクロック生成器260のための周波数逓倍ロジック260の模式的な図である。この例において、クロック信号位相(CLK<1>、CLK<3>、CLK<5>及びCLK<8>)を処理するべくXORゲート251及び252が使用され、それぞれが2倍の周波数(2倍化)のクロック信号CLK_DBL1及びCLK_DBL2が合成される。加えて、クロック信号CLK_DBL1及びCLK_DBL2を処理するべくORゲート253が使用され、元のクロック信号位相(CLK<1>、CLK<3>、CLK<5>及びCLK<8>)に対して周波数が4倍(周波数4倍化)のクロック信号CLK_4xが生成される。
【0103】
図8Cは、チャージポンプクロック生成器のための波形の一例のグラフである。波形は、図8Bの周波数逓倍ロジック260を含むチャージポンプクロック生成器に対応する。図8Cに示されるように、周波数4倍化が達成される。
【0104】
図9は、一実施形態に係るRFスイッチシステム290の模式的なブロック図である。RFスイッチシステム290は、RFスイッチ291a、291b、…291n、スイッチ制御器292、正のチャージポンプ電圧VPOSを生成するポジティブチャージポンプ293、負のチャージポンプ電圧VNEGを生成するネガティブチャージポンプ294、及びチャージポンプクロック生成器295を含む。
【0105】
図9に示されるように、スイッチ制御器292は、調節済み電圧VREGを生成する電圧レギュレータ(この例では低ドロップアウトレギュレータ297に対応)、及びレベルシフタ298a、298b、…298nを含む。
【0106】
レベルシフタ298a、298b、…298nは、スイッチ有効信号SWENa、SWENb、…SWENnをレベルシフトし、RFスイッチ291a、291b、…291nそれぞれのためのスイッチ制御信号SWCTLa、SWCTLb、…SWCTLnを生成するように動作する。図9に示されるように、レベルシフタ298a、298b、…298nはそれぞれが、調節済み電圧VREG、正のチャージポンプ電圧VPOS、及び負のチャージポンプ電圧VNEGを受ける。加えて、チャージポンプクロック生成器295は、ポジティブチャージポンプ293及びネガティブチャージポンプ294のためのクロック信号を生成する。
【0107】
レベルシフタ298a、298b、…298n及び/又はチャージポンプクロック生成器295は、ここでの実施形態のいずれかに従って実装することができる。
【0108】
図示のRFスイッチシステム290が3つのレベルシフタ及び3つのスイッチを含むにもかかわらず、任意数のレベルシフタ及びスイッチを含んでもよい。
【0109】
図10Aは、一実施形態のパッケージモジュール300の模式的な図である。図10Bは、図10Aの10B-10B線に沿ったパッケージモジュール300の断面の模式的な図である。
【0110】
パッケージモジュール300は、IC又はダイ301、表面実装コンポーネント303、ワイヤボンド308、パッケージ基板320、及び封入構造物340を含む。パッケージ基板320は、中に配置された導体から形成されるパッド306を含む。加えて、ダイ301はパッド304を含み、ワイヤボンド308は、ダイ301のパッド304をパッケージ基板301のパッド306に電気的に接続するべく使用されている。
【0111】
図10A及び図10Bに示されるように、ダイ301は、前述したものとしてよいチャージポンプ122、レベルシフタ123及びスイッチ127を含む。
【0112】
パッケージ基板320は、例えば表面実装キャパシタ及び/又はインダクタを含み得るダイ301、及び表面実装コンポーネント303のような、複数のコンポーネントを受容するように構成され得る。
【0113】
図10Bに示されるように、パッケージモジュール300は複数のコンタクトパッド332を含む。複数のコンタクトパッド332は、パッケージモジュール300の、半導体ダイ301を取り付けるべく使用される側の反対側に配置される。パッケージモジュール300をこの態様で構成することにより、無線デバイスの電話機基板のような回路基板にパッケージモジュール300を接続することが支援され得る。コンタクトパッド332の例は、RF信号、バイアス信号、電力低電圧及び/又は電力高電圧をダイ301及び/又は表面実装コンポーネント303に与えるように構成することができる。図10Bに示されるように、コンタクトパッド332とダイ301との電気接続は、パッケージ基板320を通る接続部333によって容易となり得る。接続部333は、多層積層パッケージ基板のビア及び導体に関連付けられる接続部のような、パッケージ基板320を通るように形成される電気経路を表し得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、パッケージモジュール300はまた、例えばパッケージモジュール300の保護を与え及び/又は取り扱いを容易にする一以上のパッケージ構造物を含み得る。かかるパッケージ構造物は、パッケージ基板320とその上に配置されるコンポーネント及びダイとの上に形成されるオーバーモールド又は封入構造物340を含み得る。
【0115】
理解されることだが、パッケージモジュール300がワイヤボンドに基づく電気接続の文脈で描かれるにもかかわらず、本開示の一以上の特徴は、例えばフリップチップ構成のような他のパッケージ構成に実装することもできる。
【0116】
図11は、他実施形態に係るRFスイッチネットワーク420の模式的な図である。RFスイッチネットワーク420は、第1直列トランジスタスイッチ361、第2直列トランジスタスイッチ365、第1入力シャントトランジスタスイッチ381、第2入力シャントトランジスタスイッチ385、第1出力シャントトランジスタスイッチ401、及び第2出力シャントトランジスタスイッチ405を含む。
【0117】
図11のRFスイッチネットワーク420は、図4のRFスイッチシステム120のようなRFスイッチシステムにおける使用にとって適切なRFスイッチネットワークの他実施形態を示す。しかしながら、これよりも多い又は少ない直列トランジスタスイッチ及び/又はこれよりも多い又は少ないシャントトランジスタスイッチを含むRFスイッチネットワークを含むがこれに限られない他の実装例も可能である。
【0118】
図示の実施形態において、第1直列トランジスタスイッチ361は第1RF入力端子RF_IN1とRF出力端子RF_OUTとの間に電気的に接続され、第2直列トランジスタスイッチ365は第2RF入力端子RF_IN2とRF出力端子RF_OUTとの間に電気的に接続される。加えて、第1入力シャントトランジスタスイッチ381は第1RF入力端子RF_IN1とグランドとの間に電気的に接続され、第2入力シャントトランジスタ385は第2RF入力端子RF_IN2とグランドとの間に電気的に接続される。さらに、第1出力シャントトランジスタスイッチ401は、RF出力端子RF_OUTとグランドとの間に電気的に接続され、第2出力シャントトランジスタスイッチ405はRF出力端子RF_OUTとグランドとの間に電気的に接続される。
【0119】
図11に示されるように、第1スイッチ制御電圧VCTL1が第1直列トランジスタスイッチ361を制御し、第1反転スイッチ制御電圧VCTL1Bが第1入力シャントトランジスタスイッチ381及び第1出力シャントトランジスタスイッチ401を制御する。さらに、第2スイッチ制御電圧VCTL2が第2直列トランジスタスイッチ365を制御し、第2反転スイッチ制御電圧VCTL2Bが第2入力シャントトランジスタスイッチ385及び第2出力シャントトランジスタスイッチ405を制御する。所定の実装例において、第1レベルシフタが第1スイッチ制御電圧VCTL1及び第1反転スイッチ制御電圧VCTL1Bを生成する一方、第2レベルシフタが第2スイッチ制御電圧VCTL2及び第2反転スイッチ制御電圧VCTL2Bを生成する。
【0120】
描かれるトランジスタスイッチはそれぞれが、所望の電力処理能力を達成するべく直列の一定数のトランジスタを含み、これらのトランジスタには、対応するゲート抵抗器及びチャネル抵抗器を使用してバイアスがかけられる。
【0121】
例えば、第1直列トランジスタスイッチ361は、NFET371a、371b、…371n、ゲート抵抗器372a、372b、…372n、及びチャネル抵抗器373a、373b、…373nを含む。加えて、第2直列トランジスタスイッチ365は、NFET375a、375b、…375n、ゲート抵抗器376a、376b、…376n、及びチャネル抵抗器377a、377b、…377nを含む。.さらに、第1入力シャントトランジスタスイッチ381は、NFET391a、391b、ゲート抵抗器392a、392b、及びチャネル抵抗器393a、393bを含む。加えて、第2入力シャントトランジスタスイッチ385は、NFET395a、395b、ゲート抵抗器396a、396b、及びチャネル抵抗器397a、397bを含む。さらに、第1出力シャントトランジスタスイッチ401は、NFET411a、411b、ゲート抵抗器412a、412b、及びチャネル抵抗器413a、413bを含む。加えて、第2出力シャントトランジスタスイッチ405は、NFET415a、415b、ゲート抵抗器416a、416b、及びチャネル抵抗器417a、417bを含む。
【0122】
図12は、一実施形態の携帯デバイス800の模式的な図である。携帯デバイス800は、ベース帯域システム801、送受信器802、フロントエンドシステム803、アンテナ804、電力管理システム805、メモリ806、ユーザインタフェイス807、及び電池808を含む。
【0123】
携帯デバイス800は、2G、3G、4G(LTE、LTEアドバンスト、及びLTEアドバンストプロ)、5GNR、WLAN(例えばWiFi)、WPAN(例えばBluetooth(登録商標)及びZigBee(登録商標))、WMAN(例えばWiMax)、及び/又はGPS技術を含むがこれらに限られない多種多様な通信技術を使用して通信するように使用することができる。
【0124】
送受信器802は、送信のためのRF信号を生成し、アンテナ804から受信した入来RF信号を処理する。理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連付けられる様々な機能は、図12においてまとめて送受信器802として代表される一以上のコンポーネントによって達成することができる。一例において、所定タイプのRF信号を取り扱うべく別個のコンポーネント(例えば別個の回路又はダイ)を設けてもよい。
【0125】
フロントエンドシステム803は、アンテナ804に送信し及び/又はアンテナ804から受信する信号のコンディショニングを補助する。図示される実施形態において、フロントエンドシステム803は、複数のレベルシフタ810、複数の電力増幅器(PA)801、複数の低雑音増幅器(LNA)812、複数のフィルタ813、複数のスイッチ814、及び信号分割/結合回路815を含む。しかしながら、他の実装例も可能である。
【0126】
例えば、フロントエンドシステム803は、送信信号の増幅、受信信号の増幅、信号のフィルタリング、異なる帯域間のスイッチング、異なる電力モード間のスイッチング、送信モード及び受信モード間のスイッチング、信号のデュプレクシング、信号のマルチプレクシング(例えばダイプレクシング又はトライプレクシング)、又はこれらの何らかの組み合わせを含むがこれらに限られない一定数の機能を与えることができる。
【0127】
所定の実装例において、携帯デバイス800は、キャリアアグリゲーションをサポートするので、ピークデータレートを増加させる柔軟性が得られる。キャリアアグリゲーションは、周波数分割デュプレクシング(FDD)及び時間分割デュプレクシング(TDD)の双方に使用することができるので、複数のキャリア又はチャネルを集約(アグリゲーション)するべく使用してよい。キャリアアグリゲーションは、同じ動作周波数帯域内に連続キャリアが集約される連続アグリゲーションを含む。キャリアアグリゲーションは不連続でもよく、共通帯域内又は異なる帯域内で周波数が分離したキャリアを含んでもよい。
【0128】
複数のアンテナ804は、多種多様なタイプの通信のために使用されるアンテナを含み得る。例えば、アンテナ804は、多種多様な周波数及び通信規格に関連付けられる信号の送信及び/又は受信のためのアンテナを含み得る。
【0129】
所定の実装例において、アンテナ804は、MIMO通信及び/又はスイッチ式ダイバーシティ通信をサポートする。例えば、MIMO通信は、単数の無線周波数チャネルを経由して多重データストリームを通信する多重アンテナを使用する。MIMO通信は、無線環境の空間的多重化(マルチプレクシング)に起因して高信号対雑音比、改善されたコーディング、及び/又は信号干渉低減からの利益を受ける。スイッチ式ダイバーシティとは、特定の時刻に動作する特定のアンテナが選択される通信を言及する。例えば、観測ビット誤り率及び/又は信号強度指標のような様々な因子に基づいて一群のアンテナから特定のアンテナを選択するようにスイッチを使用することができる。
【0130】
携帯デバイス800は、所定の実装例においてビームフォーミングとともに動作し得る。例えば、フロントエンドシステム803は、制御可能利得を有する増幅器と、アンテナ804を使用する信号の送信及び/又は受信のためのビームフォーミング及び指向性を与えるべく制御可能な位相を有する位相シフタとを含み得る。例えば、信号送信の文脈において、アンテナ804に与えられる送信信号の振幅及び位相が、アンテナ804から放射される信号が建設的及び破壊的な干渉を使用して結合されるように、制御され、所与の方向に伝播する強い信号強度を有するビームのような品質を示す集約送信信号が生成される。信号受信の文脈において、振幅及び位相は、信号が特定の方向からアンテナ804に到達するときに多くの信号エネルギーが受信されるように制御される。所定の実装例において、アンテナ804は、ビームフォーミングを強化するべく一以上のアレイのアンテナ素子を含む。
【0131】
ベース帯域システム801は、音声及びデータのような様々なユーザ入出力(I/O)の処理を容易にするユーザインタフェイス807に結合される。ベース帯域システム801は、送受信器802に送信信号のデジタル表現を与え、これを送受信器802が処理して送信用のRF信号が生成される。ベース帯域システム801はまた、送受信器802により与えられる受信信号のデジタル表現も処理する。図12に示されるように、携帯デバイス800の動作を容易にするべく、ベース帯域システム801がメモリ806に結合される。
【0132】
メモリ806は、携帯デバイス800の動作を容易にするべく及び/又はユーザ情報の格納を与えるべく、データ及び/又は命令の格納のような多種多様な目的のために使用することができる。
【0133】
電力管理システム805は、携帯デバイス800の一定数の電力管理機能を与える。所定の実装例において、電力管理システム805は、複数の電力増幅器811の供給電圧を制御するPA供給制御回路を含む。例えば、電力管理システム805は、電力付加効率(PAE)のような効率を改善するべく複数の電力増幅器811のうちの一以上に与えられる供給電圧を変化させるように構成してよい。
【0134】
図12に示されるように、電力管理システム805は、電池808から電池電圧を受ける。電池808は、携帯デバイス800における使用のための、例えばリチウムイオン電池を含む任意の適切な電池としてよい。
【0135】
携帯デバイス800は、本開示の特徴の任意の組み合わせを含み得る。例えば、所定の実施形態において、電力管理システム805は、正のチャージポンプ電圧を生成するポジティブチャージポンプ、負のチャージポンプ電圧を生成するネガティブチャージポンプ、及び調節済み電圧を生成する電圧レギュレータを含む。加えて、フロントエンドシステム803は、(複数のレベルシフタ810のうちの)レベルシフタによって制御される(複数のスイッチ814のうちの)RFスイッチを含み、当該レベルシフタは、正のチャージポンプ電圧、負のチャージポンプ電圧、及び調節済み電圧を受信する。
【0136】
おわりに
【0137】
上述の実施形態のいくつかが、携帯デバイスに関連する例を与えてきた。しかしながら、これらの実施形態の原理及び利点は、RFスイッチングを必要とする任意の他のシステム又は装置のために使用することができる。
【0138】
文脈が明確にそうでないことを要求しない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む」、「備える」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは逆の、包括的な意味で、すなわち「~を含むがこれに限られない」意味で解釈されるべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、2つ以上の要素が、直接に接続されるか、又は一以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかとなり得ることを言及する。同様に、ここで一般に使用される用語「接続」も、2以上の要素が、直接に接続されるか、又は一以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかとなり得ることを言及する。加えて、本願において使用される場合、用語「ここで」、「上」、「下」、及び同様の意味の用語は、本願全体を言及するものとし、本願のいずれか特定の部分を言及するわけではない。文脈上許容される場合、単数又は複数の数を使用する上記の詳細な説明における用語は、それぞれ複数又は単数の数も含み得る。2つ以上の項目のリストを参照する「又は」及び「若しくは」という用語は、その用語の以下の解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、及びリスト内の項目の任意の組み合わせ、のすべてをカバーする。
【0139】
さらに、具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内でそうでないと理解されない限り、とりわけ「してよい」、「し得る」、「できる」、「かもしれない」、「例えば」、「のような」等のようなここで使用される条件的言語は一般に、所定の実施形態が所定の特徴、要素、及び/又は状態を含む一方で他の実施形態がこれらを含まないことを意図する。すなわち、かかる条件的言語は一般に、特徴、要素及び/若しくは状態が、一以上の実施形態に必要な任意の態様で存在すること、又は一以上の実施形態が、著者のインプット若しくはプロンプトあり若しくはなしで、これらの特徴、要素及び/若しくは状態が含まれるか否か、若しくは任意の特定の実施形態において行われるべきか否かを決定する論理を必ず含むこと、を含意することが意図されていない。
【0140】
本発明の実施形態の上記説明は、網羅的であることを意図したものではなく、又は上記開示の正確な形態に本発明を限定することを意図したものでもない。本発明の特定の実施形態及び例は、説明目的のために上述されているが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な等価な修正例が可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示される一方、代替の実施形態が異なる順序でステップを有するルーチンを実行し又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合及び/又は修正され得る。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装してよい。また、プロセス又はブロックは、直列に実行されるように示されることがある一方、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに並列に実行されてもよく、又は異なる時刻に実行されてもよい。
【0141】
ここに与えられる本発明の教示は、必ずしも上述のシステムというわけではない他のシステムに適用することができる。上述の様々な実施形態の要素及び作用は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせてよい。
【0142】
本発明の所定の実施形態が記載されてきたが、これらの実施形態は例としてのみ提示されており、本開示の範囲を限定することを意図しない。実際のところ、ここに記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形式で具体化してよく、さらには、ここに記載される方法及びシステムの形式の様々な省略、置換及び変更を、本開示の要旨から逸脱することなく行ってよい。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び要旨に収まるような形式又は修正をカバーすることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図11
図12
【外国語明細書】