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特開2023-74469パッケージ構造、および、その形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074469
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】パッケージ構造、および、その形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20230522BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230522BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/62
【審査請求】有
【請求項の数】36
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164386
(22)【出願日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】110142699
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】314014379
【氏名又は名称】隆達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 康弘
(72)【発明者】
【氏名】林 志豪
(72)【発明者】
【氏名】郭 修邑
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA56
5F142BA32
5F142CB01
5F142CB14
5F142CD02
5F142CD32
5F142CG03
5F142CG07
5F142CG32
5F142FA18
5F142FA30
5F142FA32
5F142GA04
(57)【要約】
【課題】 パッケージ構造、および、その形成方法を提供する。
【解決手段】 パッケージ構造は、パッケージ構造は、発光領域、および、発光領域に隣接する非発光領域を有し、且つ、基板、第一発光層、第二発光層、および、第三発光層を有する。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層は、順に、基板上にスタックされる。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層は、それぞれ、発光領域中に設置される透明接着層、透明接着層上に設置される発光ダイオード(LED)チップ、LEDチップ上に形成され、発光領域から非発光領域に延伸する再分配層、および、LEDチップ、および、再分配層上に設置される平坦化層、を有する。
【選択図】 図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光領域および前記発光領域に隣接する非発光領域を有するパッケージ構造であって、
基板、および、
前記基板上に順にスタックされる第一発光層、第二発光層、および、第三発光層を有し、
前記第一発光層、前記第二発光層、および、前記第三発光層はそれぞれ、
前記発光領域中に設置される透明接着層と、
前記透明接着層上に設置される発光ダイオード(LED)チップと、
前記LEDチップ上に形成され、前記発光領域から、前記非発光領域に延伸する再分配層、および、
前記LEDチップ、および、前記再分配層上に設置される平坦化層、を有する
ことを特徴とするパッケージ構造。
【請求項2】
前記基板は、バックプレーン(backplane)、あるいは、インターポーザー基板(interposer substrate)である
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項3】
前記基板は、透明基板である
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項4】
前記第一発光層、前記第二発光層、および、前記第三発光層のそれぞれの前記LEDチップは、各LEDチップの外縁上に、少なくとも一つのテザー構造(tethered structure)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項5】
前記基板上の前記第一発光層、前記第二発光層、および、前記第三発光層の前記LEDチップの投影面は、少なくとも一部が重複する
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項6】
前記第一発光層の前記LEDチップは、第一波長の光線を発光し、
前記第二発光層の前記LEDチップは、第二波長の光線を発光し、
前記第三発光層の前記LEDチップは、第三波長の光線を発光し、且つ、
前記第一波長、前記第二波長、および、前記第三波長は、互いに異なる
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項7】
前記第一発光層、前記第二発光層、および、前記第三発光層が設置される前記基板の一側は、発光側を定義し、且つ、前記第一波長は、前記第二波長より大きく、前記第二波長は、前記第三波長より大きい
ことを特徴とする請求項6に記載のパッケージ構造。
【請求項8】
前記第一発光層、前記第二発光層、および、前記第三発光層が設置されない前記基板の一側は、発光側を定義し、且つ、前記第三波長は、前記第二波長より大きく、前記第二波長は、前記第一波長より大きい
ことを特徴とする請求項6に記載のパッケージ構造。
【請求項9】
さらに、第一電極、第二電極、第三電極、および、コモン電極を有し、前記第一電極、前記第二電極、前記第三電極、および、前記コモン電極は、前記非発光領域中の前記基板上に設置されるとともに、前記基板と物理的に接触する
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造。
【請求項10】
前記第一発光層の前記LEDチップは、前記第一発光層の前記再分配層により、前記第一電極、および、前記コモン電極に電気的に接続され、
前記第二発光層の前記LEDチップは、前記第二発光層の前記再分配層により、前記第二電極、および、前記コモン電極に電気的に接続され、且つ、
前記第三発光層の前記LEDチップは、前記第三発光層の前記再分配層により、前記第三電極、および、前記コモン電極に電気的に接続される
ことを特徴とする請求項9に記載のパッケージ構造。
【請求項11】
前記第二発光層の前記再分配層は、それぞれ、第一ビア、および、第二ビアにより、前記コモン電極、および、前記第二電極に電気的に接続され、
前記第三発光層の前記再分配層は、それぞれ、第一ビア、および、第三ビアにより、前記コモン電極、および、前記第三電極に電気的に接続され、
前記第一ビア、および、前記第三ビアは、前記非発光領域中に設置されるとともに、前記第一発光層、および、前記第二発光層の前記平坦化層から延伸し、且つ、
前記第二ビアは、前記非発光領域中に設置されるとともに、前記第一発光層の前記平坦化層から延伸する
ことを特徴とする請求項9に記載のパッケージ構造。
【請求項12】
前記第三ビアは、2:1と20:1間のアスペクト比を有する
ことを特徴とする請求項11に記載のパッケージ構造。
【請求項13】
前記第二発光層の前記再分配層は、それぞれ、第一ビア、および、第二ビアにより、前記コモン電極、および、前記第二電極に電気的に接続され、
前記第三発光層の前記再分配層は、それぞれ、第三ビア、および、第四ビアにより、前記コモン電極、および、前記第三電極に電気的に接続され、
前記第一ビア、および、前記第二ビアは、前記非発光領域中に設置されるとともに、前記第一発光層の前記平坦化層から延伸し、且つ、
前記第三ビア、および、前記第四ビアは、前記非発光領域中に設置されるとともに、前記第一発光層、および、前記第二発光層の前記平坦化層から延伸する
ことを特徴とする請求項9に記載のパッケージ構造。
【請求項14】
発光領域、および、前記発光領域に隣接する非発光領域を有するパッケージ構造であって、
基板と、
前記基板上に設置される第一発光ユニットと、
前記第一発光ユニットに設置される第一平坦化層と、
前記第一平坦化層上に設置され、互いに横向けに分離される第二発光ユニット、および、第三発光ユニット、および、
前記第二発光ユニット、および、前記第三発光ユニット上に設置される第二平坦化層、を有し、
前記第一発光ユニット、前記第二発光ユニット、および、前記第三発光ユニットはそれぞれ、
前記発光領域中に設置される透明接着層と、
前記透明接着層上に設置されるLEDチップ、および、
前記LEDチップ上に形成され、前記発光領域から、前記非発光領域に延伸する再分配層、を有する
ことを特徴とするパッケージ構造。
【請求項15】
前記基板は、バックプレーン、あるいは、インターポーザー基板である
ことを特徴とする請求項14に記載のパッケージ構造。
【請求項16】
前記基板は、透明基板である
ことを特徴とする請求項14に記載のパッケージ構造。
【請求項17】
前記基板上の前記第二発光ユニット、および、前記第三発光ユニットの前記LEDチップの投影面は、少なくとも一部が、前記基板の前記第一発光ユニットの前記LEDチップの投影面と重複する
ことを特徴とする請求項14に記載のパッケージ構造。
【請求項18】
前記第一発光ユニットの前記LEDチップは、第一波長の光線を発光し、
前記第二発光ユニット前記LEDチップは、第二波長の光線を発光し、
前記第三発光ユニットの前記LEDチップは、第三波長の波長を発光し、
前記第一波長は、前記第二波長、および、前記第三波長より大きく、且つ、前記第二波長、および、前記第三波長は異なる
ことを特徴とする請求項14に記載のパッケージ構造。
【請求項19】
さらに、第一電極、第二電極、第三電極、および、コモン電極を有し、前記第一電極、前記第二電極、前記第三電極、および、前記コモン電極は、前記非発光領域中の前記基板上に設置され、且つ、前記基板と物理的に接触する
ことを特徴とする請求項14に記載のパッケージ構造。
【請求項20】
前記第一発光ユニットの前記LEDチップは、前記第一発光ユニットの前記再分配層により、前記第一電極、および、前記コモン電極に電気的に接続され、
前記第二発光ユニットの前記LEDチップは、前記第二発光ユニットの前記再分配層により、前記第二電極、および、前記コモン電極に電気的に接続され、且つ、
前記第三発光ユニットの前記LEDチップは、前記第三発光ユニットの前記再分配層により、前記第三電極、および、前記コモン電極に電気的に接続される
ことを特徴とする請求項19に記載のパッケージ構造。
【請求項21】
前記第二発光ユニットの前記再分配層は、それぞれ、第一ビア、および、第二ビアにより、前記コモン電極、および、前記第二電極に電気的に接続され、
前記第三発光ユニットの前記再分配層は、それぞれ、第三ビア、および、第四ビアにより、前記コモン電極、および、前記第三電極に電気的に接続され、
前記第一ビア、前記第二ビア、前記第三ビア、および、前記第四ビアは、前記非発光領域中に設置されるとともに、前記第一平坦化層から延伸する
ことを特徴とする請求項20に記載のパッケージ構造。
【請求項22】
前記第二発光ユニットの前記再分配層は、それぞれ、第一ビア、および、第二ビアにより、前記コモン電極、および、前記第二電極に電気的に接続され、
前記第三発光ユニットの前記再分配層は、それぞれ、前記第一ビア、および、第三ビアにより、前記コモン電極、および、前記第三電極に電気的に接続され、
前記第一ビア、前記第二ビア、および、前記第三ビアは、前記非発光領域中に設置されるとともに、前記第一平坦化層から延伸する
ことを特徴とする請求項19に記載のパッケージ構造。
【請求項23】
パッケージ構造の形成方法であって、
複数のLEDチップが設置されるソースウェハを提供し、前記LEDチップがそれぞれ、テザー構造により、前記ソースウェハに接続される工程と、
所定の発光領域、および、前記所定の発光領域に隣接する所定の非発光領域を有するターゲット基板を提供し、第一電極、第二電極、および、第三電極、および、コモン電極が、前記ターゲット基板の前記所定の非発光領域中に設置され、且つ、前記ターゲット基板と物理的に接触する工程、および、
前記ターゲット基板上に、順に、第一発光層、第二発光層、および、第三発光層を形成し、前記第一発光層の形成、前記第二発光層の形成、および、前記第三発光層の形成は、それぞれ、
ピックアップ装置により、前記ソースウェハ上の一LEDチップを、前記ターゲット基板の前記所定の発光領域に搬送する工程と、
前記LEDチップ上に、再分配層を形成し、前記再分配層が、前記所定の発光領域から、所定の非発光層に延伸する工程、および、
前記LEDチップ、および、前記再分配層上に、平坦化層を形成する工程、を有する
ことを特徴とするパッケージ構造の形成方法。
【請求項24】
前記LEDチップを、前記ターゲット基板の前記所定の発光領域に搬送するとき、透明接着層は、前記LEDチップの底面に取り付けられ、前記LEDチップを、前記ターゲット基板の前記所定の発光領域に搬送させた後、前記透明接着層は、前記ターゲット基板と前記LEDチップとの間に挟まれる
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記LEDチップを、前記ターゲット基板の前記所定の発光領域に搬送する前、透明接着層が、前記ターゲット基板の前記所定の発光領域中に形成されて、前記LEDチップを、前記ターゲット基板の前記所定の発光領域に搬送させた後、前記透明接着層が、前記ターゲット基板と前記LEDチップとの間に挟まれる
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記平坦化層は、有機材料を有する
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ターゲット基板は、透明基板である
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記ターゲット基板は、バックプレーン、あるいは、インターポーザー基板である
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記LEDチップは、前記テザー構造により、前記ソースウェハ上に吊るされる
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記LEDチップと前記ソースウェハは、前記テザー構造で分離され、且つ、前記テザー構造の一部は、前記LEDチップの外縁で残る
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記第一発光層の前記LEDチップは、第一波長の光線を発光し、
前記第二発光層の前記LEDチップは、第二波長の光線を発光し、
前記第三発光層の前記LEDチップは、第三波長の光線を発光し、且つ、
前記第一波長、前記第二波長、および、前記第三波長は、互いに異なる
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記第一発光層、前記第二発光層、および、前記第三発光層が設置される前記ターゲット基板の一側は、発光側を定義し、且つ、前記第一波長は、前記第二波長より大きく、前記第二波長は、前記第三波長より大きい
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第一発光層、前記第二発光層、および、前記第三発光層が設置されない前記基板の一側は、発光側を定義し、且つ、前記第三波長は、前記第二波長より大きく、前記第二波長は、前記第一波長より大きい
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記第一発光層の前記LEDチップは、前記第一発光層の前記再分配層により、前記第一電極、および、前記コモン電極により電気的に接続され、
前記第二発光層の前記LEDチップは、前記第二発光層の前記再分配層により、前記第二電極、および、前記コモン電極に電気的に接続され、
前記第三発光層の前記LEDチップは、前記第三発光層の前記再分配層により、前記第三電極、および、前記コモン電極に電気的に接続される
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項35】
さらに、前記所定の非発光領域中に、第一ビア、第二ビア、および、第三ビアを形成する工程を有し、前記第一ビア、および、前記第三ビアは、前記第一発光層、および、前記第二発光層の前記平坦化層から延伸し、且つ、前記第二ビアは、前記第一発光層の前記平坦化層から延伸する
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記第二発光層の前記再分配層は、それぞれ、前記第一ビア、および、前記第二ビアにより、前記コモン電極、および、前記第二電極に電気的に接続され、且つ、前記第三発光層の前記再分配層は、それぞれ、前記第一ビア、および、前記第三ビアにより、前記コモン電極、および、前記第三電極に電気的に接続される
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ構造、および、その形成方法に関するものであって、特に、垂直にスタックされる発光ダイオードLEDチップを有するパッケージ構造、および、その形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ技術の持続した進歩に伴い、従来の液晶ディスプレイパネルのほか、さらに多くのディスプレイパネルは、直接、RGB LEDを採用して、ディスプレイ画素、および、光源としている。LEDのエネルギー消耗は低いので、LEDを用いたディスプレイパネルは、従来の液晶ディスプレイパネルと比較して、さらに効率的に作動し、エネルギーを節約するとともに、それらはさらに、炭素放出を減少させて、環境にやさしい。これにより、LEDを用いたディスプレイパネルは、ディスプレイ領域において、さらに多くの注目を集めている。RGBディスプレイは、表面実装型装置のパッケージ技術のプロセス制限のため、小ピッチの操作を実現することが困難である。しかし、いくつかの改善は、現存のディスプレイ装置に、チップオンボード(COB)技術を導入することを求めている。ミニLED、および、マイクロLEDはともに、小ピッチの操作を実現する。
現有のパッケージ構造は、それらの本来の目的に適しているが、すべての事項において、十分に満足できるものではない。したがって、パッケージ構造、および、その形成方法をさらに改善して、市場需要に応じるディスプレイ装置を生成することが必要である。
本発明に関連する先行技術文献には、例えば下記の特許文献1~9がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0165207号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0189681号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0198565号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2018/0042110号明細書
【特許文献5】米国特許第7,982,228号明細書
【特許文献6】台湾特許第201543636号明細書
【特許文献7】台湾特許第201114009号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2015/0333096号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2019/0081210号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パッケージ構造、および、その形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態において、パッケージ構造が提供される。パッケージ構造は、発光領域、および、発光領域に隣接する非発光領域を有するとともに、基板、第一発光層、第二発光層、および、第三発光層を有する。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層は、順に、基板上にスタックされる。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層はそれぞれ、発光領域中に設置される透明接着層、透明接着層上に設置される発光ダイオード(LED)チップ、LEDチップ上に形成されるとともに、発光領域から非発光領域に延伸する再分配層、および、LEDチップ、および、再分配層上に設置される平坦化層を有する。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態において、パッケージ構造が提供される。パッケージ構造は、発光領域、および、発光領域に隣接する非発光領域を有する。パッケージ構造は、基板、第一発光ユニット、第一平坦化層、第二発光ユニット、第三発光ユニット、および、第二平坦化層を有する。第一発光ユニットは、基板上に設置される。第一平坦化層は、第一発光ユニット上に設置される。第二発光ユニット、および、第三発光ユニットは、第一平坦化層状に設置されるとともに、互いに横向けに分離される。第二平坦化層は、第二発光ユニット、および、第三発光ユニット上に設置される。第一発光ユニット、第二発光ユニット、および、第三発光ユニットはそれぞれ、透明接着層、LEDチップ、および、再分配層を有する。透明接着層は、発光領域中に設置される。LEDチップは、透明接着層上に設置される。再分配層は、LEDチップ上に形成されるとともに、発光領域から、非発光領域に延伸する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態において、パッケージ構造の形成方法が提供される。
本方法は、複数のLEDチップが設置されるソースウェハ(source wafer)を提供する工程を有する。各LEDチップは、テザー構造によりソースウェハに接続される。本方法はさらに、所定の発光領域、および、所定の発光領域に隣接する所定の非発光領域を有するターゲット基板を提供する工程を有する。第一電極、第二電極、第三電極、および、コモン電極は、ターゲット基板の所定の非発光領域中に設置され、且つ、ターゲット基板と物理的に接触する。本方法はさらに、ターゲット基板上に、順に、第一発光層、第二発光層、および、第三発光層を形成する工程を有する。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層の形成はそれぞれ、ピックアップ装置を用いて、ソースウェハ上の一LEDチップを、ターゲット基板の所定の発光領域に搬送するとともに、再分配層を、LEDチップ上に形成する工程を有する。再分配層は、所定の発光領域から、所定の非発光層に延伸する。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層の形成はそれぞれ、さらに、LEDチップ、および、再分配層上に、平坦化層を形成する工程を有する。
【0008】
添付図面とともに、詳細な記述が以下の実施例中に与えられる。
【発明の効果】
【0009】
ソースウェハの空間利用が増加し、パッケージ構造のプロセスが簡潔化され、パッケージ構造の歩留まりが改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階のパッケージ構造の断面図である。
図2A】いくつかの実施形態による複数のLEDチップが設置されるソースウェハの断面図である。
図2B】いくつかの実施形態によるLEDチップの拡大断面図である。
図2C】いくつかの実施形態によるLEDチップをソースウェハから搬送するプロセスを示す図である。
図2D】いくつかの実施形態によるLEDチップをソースウェハから搬送するプロセスを示す図である。
図3A】透明接着層のLEDチップの底面への取り付け、あるいは、透明接着層のターゲット基板上での形成を示す図である。
図3B】透明接着層のLEDチップの底面への取り付け、あるいは、透明接着層のターゲット基板上での形成を示す図である。
図4】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図5A】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図5B】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の上面図である。
図6】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図7】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図8】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図9】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図10】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図11】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図12】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図13】いくつかの実施形態によるパッケージ構造の形成プロセスの中間段階の断面図である。
図14】その他の実施形態によるパッケージ構造の断面図である。
図15】各種実施形態によるパッケージ構造の透視図である。
図16A】各種実施形態によるパッケージ構造の透視図である。
図16B】いくつかの実施形態による図16Aの線B-B’とC-C’に沿ったパッケージ構造の断面図である。
図16C】いくつかの実施形態による図16Aの線B-B’とC-C’に沿ったパッケージ構造の断面図である。
図17】その他の実施形態によるパッケージ構造の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のパッケージ構造、および、その形成方法が、以下で詳細に記述される。理解できることは、以下の開示は、多くの異なる実施形態、あるいは、例が提供されて、本発明の異なる特徴を実行することである。素子、および、配置の特定の例が以下で記述され、簡潔な方式で、本開示をはっきりと記述する。もちろん、これらは、単なる例であり、制限を意図するものではない。
このほか、異なる実施形態は、わかりやすくするため、類似、および/または、対応する参照符号を用いて、類似、および/または、対応する素子を示す。しかし、類似、および/または、対応する参照符号は、はっきり、且つ、わかりやすくするためだけに用いられ、異なる実施形態間の任意の相互関係を意味するのではない。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によると、パッケージ構造は、基板上に順にスタックされる第一発光層、第二発光層、および、第三発光層を有する。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層はそれぞれ、透明接着層、LEDチップ、再分配層、および、平坦化層を有する。異なる色の光線を発光するLEDチップが、パッケージ構造中で、垂直方向に沿って設置されるとともに、信号をLEDチップに伝送するために用いられる電極が、基板上に設置される。これにより、スタックされたLEDチップを有するパッケージ構造は、ディスプレイ装置中の単一画素の面積を減少させて、画素の整合密度、および、ディスプレイ装置の解像度を増加させる。
さらに、本発明のいくつかの実施形態によると、パッケージ構造の形成方法は、単一のLEDチップ、あるいは、一定周期数量のLEDチップを、ソースウェハから、ターゲット基板に搬送する工程を有する。未搬送のLEDチップは、次のプロセスのために保留される。これにより、ソースウェハの空間利用率が増加し、パッケージ構造のプロセスが簡潔になり、パッケージ構造の歩留まりが改善される。
【0013】
図1は、いくつかの実施形態によるパッケージ構造10の形成プロセスの中間段階の断面図である。まず、ターゲット基板100が提供される。ターゲット基板100は、所定の発光領域100a、および、所定の発光領域100aに隣接する所定の非発光領域100bを有する。いくつかの実施形態において、所定の発光領域100aは、所定の非発光領域100bを囲む。理解すべきことは、パッケージ構造10の完成後、ターゲット基板100は、基板100と称され、且つ、所定の発光領域100a、および、所定の非発光領域100bは、それぞれ、発光領域100a、および、非発光領域100bと称されることである。
【0014】
図1に示されるように、電極102、104、106、および、コモン電極108が、ターゲット基板100の所定の非発光領域100b中に設置される。いくつかの実施形態によると、電極102、104、106、および、コモン電極108は、ターゲット基板100と物理的に接触する。
【0015】
いくつかの実施形態において、ターゲット基板100は、ディスプレイ装置のバックプレーンである。特に、ディスプレイ装置のバックプレーンは、回路基板、たとえば、薄膜トランジスタ基板、あるいは、導電線を有するガラス基板、石英基板、あるいは、シリコン基板を有する。
その他の実施形態において、ターゲット基板100は、インターポーザー基板である。インターポーザー基板は、複数の金属線層、および、金属線層を接続する複数のビアを有する。このほか、いくつかの実施形態において、ターゲット基板100は、透明基板である。特に、透明基板は、波長が200nm~1100nmの光線に対し、90%以上、あるいは、好ましくは、95%以上の光線透過率を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、ターゲット基板100の所定の非発光領域100b中に設置される電極102、104、106、および、コモン電極108の材料は、任意の適当な導電材、たとえば、Al、Cu、W、Ti、Cr、Pt、Au、Ta、Ni、TiN、TaN、NiSi、CoSi、TaC、TaSiN、TaCN、TiAl、TiAlN、インジウムスズ酸化物(ITO)、その他の適当な導電材、あるいは、それらの組み合わせを有する。
【0017】
図2Aは、いくつかの実施形態による複数のLEDチップ300が設置されるソースウェハ200の断面図であり、図2Bは、いくつかの実施形態によるLEDチップ300の拡大断面図である。図2Aを参照すると、ソースウェハ200が提供される。複数のLEDチップ300が、ソースウェハ200上に設置され、且つ、各LEDチップ300は、テザー構造(tethered structure)315により、ソースウェハ200に接続される。いくつかの実施形態によると、図2Aに示されるように、各LEDチップ300は、テザー構造315により、ソースウェハ200上で吊り下げられる。
いくつかの実施形態において、ソースウェハ200は、シリコンウェハである。
いくつかの実施形態において、ソースウェハ200上に設置されるLEDチップ300は、青色光、赤色光、あるいは、緑色光を発光するLEDチップである。
【0018】
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態によると、LEDチップ300は、下から上に、ベース層302、n型半導体層304、発光層306、p型半導体層308、抵抗接点層310、および、保護層312を有する。
特に、保護層312は、n型半導体層304、および、抵抗接点層310の上表面の一部上に形成されるとともに、共形で、ベース層302、n型半導体層304、発光層306、p型半導体層308、および、抵抗接点層310の側壁に延伸する。
LEDチップ300はさらに、第一電極314、および、第二電極316を有する。
第一電極314、および、第二電極316は、保護層312上に形成され、且つ、さらに、それぞれ、抵抗接点層310、および、n型半導体層304と物理的に接触する保護層312の一部を貫通する。
【0019】
いくつかの実施形態によると、LEDチップ300のベース層302は、サファイヤ基板である。本発明のいくつかの実施形態によると、n型半導体層304は、nドープIII-V半導体層である。たとえば、III-V半導体層は、GaAs、GaN、GaP、InAs、GaAsP、AlGaAs、InGaP、InGaN、AlInGaP、InGaAsP、適当なIII-V半導体エピタキシャル材、あるいは、それらの組み合わせを有する。さらに、くつかの実施形態において、III-V半導体層は、IVA族元素(たとえば、シリコン)がドープされて、nドープIII-V半導体層を形成する。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によると、p型半導体層308は、pドープIII-V半導体層である。III-V半導体層は、GaAs、GaN、GaP、InAs、AlN、InN、InP、GaAsP、AlGaAs、InGaP、InGaN、AlInGaP、InGaAsP、適当なIII-V半導体エピタキシャル材、あるいは、それらの組み合わせを有する。さらに、いくつかの実施形態において、III-V半導体層は、IIA族元素(たとえば、Be、Mg、Ca、あるいは、Sr)をドープして、pドープ半導体層を形成する。
【0021】
いくつかの実施形態において、発光層306は、多重量子井戸(MQW)、単一量子井戸構造(SQW)、ホモ接合、ヘテロ接合等を有する。いくつかの実施形態において、抵抗接点層310は、透明導電材、あるいは、不透明な導電材を有する。たとえば、透明導電材は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、その他の透明導電材、あるいは、それらの組み合わせを有する。不透明な導電材は、Ni、Ag、あるいは、Ni/Au合金を有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、保護層312は、任意の適当な絶縁材、たとえば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、エポキシ、フォトレジスト材、その他の適当材料、あるいは、それらの組み合わせを有する。いくつかの実施形態において、第一電極314、および、第二電極316の材料は、Al、Cu、Ni、Au、Pt、Ti、それらの任意の合金、あるいは、その他の適当な導電材を有する。
【0023】
いくつかの実施形態によると、まず、犠牲層(図示しない)が、ソースウェハ200上に形成され、且つ、LEDチップ300(たとえば、ベース層302、n型半導体層304、発光層306、p型半導体層308、および、抵抗接点層310)の各層が、犠牲層上に形成される。
次に、犠牲層の一部が、適当なエッチングプロセスを用いて除去されて、ソースウェハ200を露出するLEDチップ300周辺に開口を形成する。保護層312が、n型半導体層304、および、抵抗接点層310上に形成される。保護層312は、さらに、共形で、ベース層302、n型半導体層304、発光層306、p型半導体層308、および、抵抗接点層310の側壁、一部の犠牲層上、および、上述の開口中に形成される。
続いて、犠牲層が、適当なエッチング方法を用いて除去される。図2Bに示されるように、犠牲層の除去後、保護層312の一部がテザー構造315として形成されるとともに、LEDチップ300が、テザー構造315により、ソースウェハ200上に吊るされる。犠牲層の除去後、被覆構造が、テザー構造315だけによりサポートされる。これにより、テザー構造315は容易に崩壊して、LEDチップ300とソースウェハ200を分離する。
【0024】
図2C、および、図2Dは、いくつかの実施形態によるソースウェハ200から、LEDチップ300を搬送するプロセスを示す図である。LEDチップ300は、ピックアップデバイス401を用いてピックアップされる。いくつかの実施形態において、図2Cに示されるように、ピックアップデバイス401は、ベース402を有する。
ベース402は、特定の周期で形成される突起部分402aを有する。たとえば、いくつかの実施形態において、図2Cに示されるように、突起部分402は、二個のLEDチップ300の周期毎に形成されるが、本発明は、それらに制限されない。突起部分402は、実際のプロセスの必要に応じて、異なる周期で形成される。
たとえば、突起部分402aは、三個毎、四個毎、五個毎、あるいは、それ以上のLEDチップ毎に形成される。ベース402は、特定周期で形成された突起部分402aを有して、単一のLEDチップ300、あるいは、特定周期数量のLEDチップ300を、ターゲット基板に搬送する。残りの未搬送LEDチップは、プロセスの次の段階に用いられる。このように、ソースウェハ200の空間利用率が増加し、パッケージ構造のプロセスが簡潔化されるとともに、パッケージ構造歩留まりが増加する。
【0025】
いくつかの実施形態によると、ベース402は、可撓性ポリマー接着剤材料、たとえば、可撓性ポリマー材を有し、テザー構造315が壊れた後、LEDチップ300に取り付けられる。特に、可撓性ポリマー材は、ポリシロキサンベース材(poly-siloxane-based material)、たとえば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を有する。しかし、その他の実施形態において、ベース402は、粘着性がない材料を有する。たとえば、いくつかの実施形態において、粘着性がない材料には、酸化ケイ素(silicon oxide、SiO)、窒化ケイ素(silicon nitride、SiN)、酸窒化ケイ素(silicon oxynitride、SiO)、あるいは、その他の適当な材料が含まれる。
【0026】
ベース402が、粘着性がない材料を有する実施形態において、図2Cに示されるように、ピックアップデバイス401はさらに、ベース402の突起部分402aの表面上に設けられる接着層404を有する。いくつかの実施形態において、接着層404は、ポリカーボネート、ポリカルボジイミド、エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリエステル、その他の適当な接着剤、あるいは、それらの組み合わせを有する。
【0027】
図2Cを再度参照すると、ピックアッププロセス500が実行される。ピックアッププロセス500期間中、ピックアップデバイス401は、LEDチップ300に圧力を加えて、LEDチップ300とソースウェハ200を接続するテザー構造315を破壊する。テザー構造315が断裂後、LEDチップ300は、テザー構造315において、ソースウェハ200から分離される。
【0028】
図2Dを参照すると、ピックアップデバイス401とLEDチップ300との間の接触表面(たとえば、突起部分402a、あるいは、接着層404)は粘着性があり、したがって、サポートがないLEDチップ300は、ピックアップデバイス401に貼り付けられる。このほか、いくつかの実施形態において、テザー構造315が破壊された後、図2C中のテザー構造315の一部(テザー構造317とも称される)が、LEDチップ300の外縁に残る。注意すべきことは、断面図は、テザー構造317を有するパッケージ構造の断面ではないので、テザー構造317は以下の図面中で示されないことである。
【0029】
図3A、および、図3Bは、各種実施形態によるLEDチップ300の底面への透明接着層318の取り付け、あるいは、ターゲット基板100上、および、所定の発光領域100aに透明接着層318の形成を説明する図である。
図3Aを参照すると、いくつかの実施形態において、LEDチップ300のターゲット基板100への搬送中に、透明接着層318は、LEDチップ300の底面に取り付けられる。図3Bを参照すると、その他の実施形態において、透明接着層318は、また、LEDチップ300をターゲット基板100に搬送する前に、所定の発光領域100a、および、ターゲット基板100上に、直接形成される。
【0030】
いくつかの実施形態において、透明接着層318の材料は、有機材料、たとえば、有機ポリマー材を有する。いくつかの特定の実施形態において、透明接着層318の材料は、フォトレジスト材を有する。いくつかの実施形態によると、透明接着層318は、波長が500nm~1100nmの光線に対し、90%以上、あるいは、好ましくは、95%以上の光線透過率を有する。いくつかの実施形態において、透明接着層318の厚さは、約2μm~約20μmの間、たとえば、約10μmである。
【0031】
透明接着層318、ターゲット基板100、および/または、LEDチップ300間の接着力は、LEDチップ300とピックアップデバイス401との間の接着力より大きいので、LEDチップ300が、ターゲット基板100に取り付けられた後、LEDチップ300は、ピックアップデバイス401から取り外される。
【0032】
続いて、図4、および、図5Aは、いくつかの実施形態によるパッケージ構造10の形成プロセスの中間段階の断面図である。図4に示されるように、LEDチップ300は、ターゲット基板100の所定の発光領域100a中に搬送される。図4において、搬送後のLEDチップは、LEDチップ300aとも称される。このほか、図4に示されるように、どの方法が用いられて、透明接着層318を形成しても、LEDチップ300aを、ターゲット基板100の所定の発光領域100aに搬送させた後、透明接着層318は、ターゲット基板100とLEDチップ300aとの間に挟まれる。
いくつかの実施形態において、LEDチップ300a、および、透明接着層318のターゲット基板100上の投影面は、完全に重複する。
このほか、図4において、ターゲット基板100上のLEDチップ300aの投影面積は、ターゲット基板100上の透明接着層318と同じとして説明されている。
しかし、その他の実施形態において、LEDチップ300aのターゲット基板100上の投影面積は、透明接着層318のターゲット基板100上の投影面積よりも大きい、あるいは、小さい。
【0033】
次に、図5Aを参照すると、再分配層320aが、LEDチップ300a上に形成される。再分配層320は、ターゲット基板100の所定の発光領域100aから、ターゲット基板100の所定の非発光領域100bに延伸する。
さらに、いくつかの実施形態において、再分配層320aは、LEDチップ300a上に形成されるのに加え、共形で、LEDチップ300aの側壁上、ターゲット基板100上、電極106、および、コモン電極108上に形成される。
いくつかの実施形態によると、再分配層320aは、LEDチップ300aと電極106、および、コモン電極108を電気的に接続する。
【0034】
パッケージ構造中の分配層(および、後に形成される追加の再分配層)は、高密度でスタックされたLEDチップを、直接、ターゲット基板(たとえば、ディスプレイ装置のインターポーザー基板のバックプレーン)に形成することを実現する。LEDチップの電気的接続は、再分配層により、パッケージ構造中の所定の発光領域から所定の非発光領域に延伸する。LEDチップを直接、ウェハ上に形成する従来のパッケージプロセスと比較して、プロセスウィンドウ(process window)、および、得られたパッケージ構造の信頼性が増加する。
【0035】
いくつかの実施形態によると、再分配層320aの材料は、Al、Cu、W、Ti、Cr、Pt、Au、Ta、Ni、TiN、TaN、NiSi、CoSi、TaC、TaSiN、TaCN、TiAl、TiAlN、インジウムスズ酸化物(ITO)、その他の適当な導電材、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明は、それらに制限されない。電気メッキ(electro-plating)、物理的気相成長法(PVD)、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、その他の適当な蒸着技術、あるいは、それらの組み合わせを用いて、再分配層320aの材料が蒸着される。
次に、適当なエッチングプロセスを用いて、再分配層320aの材料の一部を除去し、LEDチップ300aの二個の電極を露出させる。あるいは、その他の実施形態において、まず、パターン化されたフォトレジストが形成されて、再分配層320aを形成したい領域を定義し、且つ、この領域中に、再分配層320aの材料を蒸着して、再分配層320aを形成する。続いて、フォトレジストが除去されるとともに、さらなるプロセスが実行される。
【0036】
図5Bを参照すると、図5Bは、図5Aに示されるパッケージ構造10の上面図である。図5Aは、図5Bの線A-A’に沿って取得される。注意すべきことは、図2D、および、図3Aの断面図中のLEDチップ300は、一個のテザー構造317だけを有するように説明されているが、本発明は、それらに制限されないことである。各LEDチップ300は、少なくとも一つのテザー構造317を有する。
たとえば、図5Bに示されるように、いくつかのその他の実施形態において、LEDチップ300a(および、後に設置されるその他のLEDチップ)は、二個以上のテザー構造317、たとえば、二個のテザー構造317を有する。
図5B中、パッケージ構造10中のテザー構造317が、LEDチップ300aの両端に形成されることを示しているが、本発明は、それらに制限されない。
その他の実施形態において、図5Bに示される上面図中で、再分配層320aと完全に重複しない限り、テザー構造317は、LEDチップ300aの外縁の任意の場所で形成される。
【0037】
図6図13は、いくつかの実施形態によるパッケージ構造10の形成プロセスの中間段階の断面図である。図6を参照すると、再分配層320aの形成後、平坦化層110aが、LEDチップ300a、および、再分配層320a上に形成される。
特に、図6に示されるように、平坦化層110aは、ターゲット基板100、電極102、104、106、コモン電極108、LEDチップ300a、および、再分配層320a上に形成される。平坦化層110aの形成後、透明接着層318、LEDチップ300a、再分配層320a、および、平坦化層110は、まとめて、第一発光層400aと称される。
【0038】
いくつかの実施形態において、平坦化層110aは、透明である。特に、平坦化層110aは、波長が200nm~1100nmの範囲の光線に対し、90%以上、あるいは、好ましくは、95%以上の光線透過率を有する。
いくつかの実施形態において、平坦化層110aの材料は、有機材料、あるいは、無機材料を有する。
いくつかの特定の実施形態において、平坦化層110aの材料は、有機材料を有する。
いくつかの実施形態において、有機材料は、フォトレジスト、あるいは、ベンゾシクロブテン(BCB)を有する。
いくつかの実施形態において、無機材料は、ケイ酸塩ガラス(silicate glass)、あるいは、蛍光体ケイ酸塩ガラス(phosphor-silicate glass)を有する。平坦化層110aは、任意の適当な蒸着プロセス、たとえば、スピンオンコートプロセス、化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)プロセス、PVDプロセス、ALDプロセス、その他の応用可能な蒸着方法、あるいは、それらの組み合わせを用いて形成される。
【0039】
次に、図7を参照すると、第一発光層400aの平坦化層110の一部が除去されて、平坦化層110aに、開口112、114、および、116が形成される。開口112、114、および、116はそれぞれ、コモン電極108上で、電極102、および、104、および、再分配層320aを露出する。平坦化層110aの一部は、任意の適当な方法を用いて除去される。
たとえば、平坦化層110aが有機材料、たとえば、フォトレジストを有する実施形態において、フォトリソグラフィプロセスを用いて、平坦化層110aの一部が除去される。いくつかの実施形態において、フォトリソグラフィプロセスは、ソフトベイク(soft baking)、ハードベイク(hard baking)、マスク整合(mask aligning)、露光(exposure)、露光後ベイク(post-exposure baking、PEB)、現像フォトレジスト、リンス(rinsing)、乾燥(drying)、および/または、その他の適当なプロセスを有する。
【0040】
図8を参照すると、上述の方法を用いて、LEDチップ300bが、第一発光層400aの平坦化層110a上に設けられるとともに、透明接着層318が、平坦化層110aとLEDチップ300bとの間に挟まれる。注意すべきことは、透明接着層318、および、LEDチップ300bも、ターゲット基板100の所定の発光領域100aに設けられることである。
【0041】
次に、図9を参照すると、再分配層320bが、LEDチップ300b上に形成される。再分配層320bは、ターゲット基板100の所定の発光領域100aから、ターゲット基板100の所定の非発光領域100bに延伸する。
このほか、いくつかの実施形態において、再分配層320bは、LEDチップ300b上に形成されるのに加え、共形で、LEDチップ300bの側壁、および、平坦化層110a上に形成され、且つ、さらに、開口114、および、116中に延伸する。
いくつかの実施形態によると、図9に示されるように、開口114、および、116中に延伸する再分配層320bは、共形で、開口114、および、116の側壁と底面上に形成される。
さらに、開口114、および、116中に延伸する再分配層320bはそれぞれ、電極104、および、コモン電極108上の再分配層320aと物理的に接触して、再分配層320bは、LEDチップ300bと電極104、および、コモン電極108を電気的に接続する。注意すべきことは、開口114中に延伸する再分配層320bの一部は、ここで、ビア150と称される。
いくつかの実施形態において、図9に示されるように、ビア150は、第一発光層400aの平坦化層110aから延伸する。再分配層320bの材料と方法は、再分配層320aに類似する、あるいは、同じであり、ここで説明を繰り返さない。
【0042】
次に、図10を参照すると、再分配層320bの形成後、平坦化層110bは、LEDチップ300b、および、平坦化層320a上に形成される。特に、図10に示されるように、平坦化層110bが、LEDチップ300b、および、再分配層320b上に形成され、且つ、さらに、ビア150中の再分配層320bで充填されない空間中に延伸して、充填する。このほか、平坦化層110bはさらに、開口112、および、116を充填する。しかし、平坦化層110bを形成した後、上述の方法を用いて、再び、開口112、および、116が形成されて、追加の再分配層の後続の形成のための空間を残す。平坦化層110bの形成後、第一発光層400a上に設けられる透明接着層318、LEDチップ300b、再分配層320b、および、平坦化層110bは、まとめて、第二発光層400bと称される。
【0043】
次に、図11を参照すると、図8で示される工程と類似の工程が繰り返される。LEDチップ300cは、第二発光層400bの平坦化層110b上に設置されるとともに、透明接着層318が、平坦化層110bとLEDチップ300cとの間に挟まれる。同様に、第二発光層400b上の透明接着層318、および、LEDチップ300cも、ターゲット基板100の所定の発光領域100aに設けられる。
【0044】
図12を参照すると、図9で示される工程と類似する工程が繰り返される。再分配層320cが、LEDチップ300c上に形成される。再分配層320cは、ターゲット基板100の所定の発光領域100aからターゲット基板100の所定の非発光領域100bに延伸する。
このほか、いくつかの実施形態において、再分配層320cは、LEDチップ300c上に形成されるのに加えて、共形で、LEDチップ300cの側壁、および、平坦化層110b上に形成され、且つ、さらに、開口112、および、116中に延伸する。
いくつかの実施形態によると、図12に示されるように、開口112、および、116中に延伸する再分配層320cは、共形で、開口112、および、116の側壁、および、底面上に形成される。
さらに、開口112、および、116中に延伸する再分配層320cは、それぞれ、電極102、および、開口116中の再分配層320bと物理的に接触するので、再分配層320cは、LEDチップ300cと電極102、および、コモン電極108を電気的に接続する。
注意すべきことは、開口116中に延伸する再分配層320b、および、320cの部分は、ここで、ビア152と称され、且つ、開口112中に延伸する再分配層320cの部分は、ここで、ビア154と称される。
いくつかの実施形態において、図12に示されるように、ビア152、および、154は、第一発光層400aの平坦化層110a、および、第二発光層400bの平坦化層110bから延伸する。
【0045】
さらに、いくつかの実施形態によると、再分配層320bは、それぞれ、ビア150、および、152により、電極104、および、コモン電極108に電気的に接続されるとともに、再分配層320cは、それぞれ、ビア154、および、152により、電極102、および、コモン電極108に電気的に接続される。
図12に示されるように、第二発光層400bの再分配層320b、および、第三発光層400cの再分配層320cは、同じビア152により、コモン電極108に電気的に接続される。したがって、ターゲット基板100上に形成される電気的に接続されるコンタクトの数量は減少する。
【0046】
図13を参照すると、いくつかの実施形態において、ビア154の深さ154Dとビア154の幅154W(すなわち、最小幅)の比率(アスペクト比)は、約2:1と約20:1の間である。同様に、いくつかの実施形態において、再分配層320b、および、320cとコモン電極108を電気的に接続するビア152は、約2:1~約20:1のアスペクト比(すなわち、ビア152の深さとビア152の最小幅の比率)を有する。上記の範囲のアスペクト比を有するビア152、および、154は、パッケージ構造中のビアにより占有される空間を減少させ、これにより、パッケージ構造中のLEDチップの信号インテグリティを改善する。
【0047】
次に、図13を再度参照すると、平坦化層110cは、再分配層320c、および、LEDチップ300c上に形成される。特に、平坦化層110cは、再分配層320c、LEDチップ300c、および、第二発光層400bの平坦化層110b上に形成され、且つ、さらに、再分配層320cにより充填されないビア152、および、154中の空間中に延伸するとともに、充填する。平坦化層110c形成後、第二発光層400b上に設置される透明接着層318、LEDチップ300c、再分配層320c、および、平坦化層110cは、まとめて、第三発光層400cと称される。
【0048】
いくつかの実施形態において、第一発光層400aのLEDチップ300aは、第一波長の光線を発光し、第二発光層400bのLEDチップ300bは、第二波長の光線を発光し、第三発光層400cのLEDチップ300cは、第三波長の光線を発光する。第一波長、第二波長、および、第三波長は、互いに異なる。さらに、上記のように、いくつかの実施形態において、各LEDチップ300a、300b、および、300cは、青色光、緑色光、あるいは、赤色光のLEDチップである。
【0049】
図13において、いくつかの実施形態によると、第一発光層400a、第二発光層400b、および、第三発光層400cが設置されるターゲット基板100の第一側100Hは、パッケージ構造10の発光側として定義される。
これらの実施形態において、LEDチップ300aにより発光される光線の第一波長は、LEDチップ300bにより発光される光線の第二波長より大きく、LEDチップ300bにより発光される光線の第二波長は、LEDチップ300cにより発光される光線の第三波長より大きい。
たとえば、これらの実施形態において、LEDチップ300a、300b、および、300cは、それぞれ、赤色光LEDチップ、緑色光LEDチップ、および、青色光LEDチップである。
【0050】
図13に示される第一側100Hが発光側であるとき、より低い層に位置するLEDチップ(たとえば、第一発光層400aのLEDチップ300a)により発光される光線は、長い波長を有し、より上の層に位置するLEDチップ(たとえば、第三発光層400cのLEDチップ300c)により発光される光線は、短い波長を有する。このように、上の発光層中のLEDチップにより発光される光線が、より低い発光層を通過するのを防止し、これにより、より低い層中のLEDチップにより発光される光線は、影響されない。
【0051】
しかし、その他の実施形態において、第一発光層400a、第二発光層400b、および、第三発光層400cが設置されないターゲット基板100の第二側100Lは、パッケージ構造10の発光側として定義される。
第二側100Lは、第一側100Hと反対である。これらの実施形態において、LEDチップ300cにより発光される光線の第三波長は、LEDチップ300bにより発光される光線の第二波長より大きく、LEDチップ300bにより発光される光線の第二波長は、LEDチップ300aにより発光される光線の第一波長より大きい。
たとえば、これらの実施形態において、LEDチップ300a、300b、および、300cは、それぞれ、青色光LEDチップ、緑色光LEDチップ、および、赤色光LEDチップである。
【0052】
図13に示される第二側100Lが、発光側であるとき、より上の層に位置するLEDチップ(たとえば、第三発光層400cのLEDチップ300c)により発光される光線は、長い波長を有し、低い層(たとえば、第一発光層400aのLEDチップ300a)に位置するLEDチップにより発光される光線は、短い波長を有する。このように、低い発光層中のLEDチップにより発光される光線が、上の発光層を通過するのを防止し、これにより、上の層中のLEDチップにより発光される光線は、影響されない。
【0053】
図13に示されるように、本発明のいくつかの実施形態によると、パッケージ構造10は、発光領域100a(つまり、上記の所定の発光領域100a)、および、発光領域100aに隣接する非発光領域100b(つまり、上記の所定の非発光領域100b)を有する。パッケージ構造10は、基板100(つまり、上記のターゲット基板100)、および、順にスタックされる第一発光層400a、第二発光層400b、および、第三発光層400cを有する。各第一発光層400a、第二発光層400b、および、第三発光層400cは、透明接着層318、透明接着層318上のLEDチップ(LEDチップ300a、300b、あるいは、300c)、LEDチップ上に位置するとともに、発光領域100aから、非発光領域100bに延伸する再分配層(再分配層320a、320b、あるいは、320c)、および、平坦化層(平坦化層110a、110b、あるいは、110c)を有する。
【0054】
図1図2A図2D図3A図3B図4図5A図5B、および、図6図13に示される実施形態において、各自LEDチップはソースウェハ上で形成され、且つ、LEDチップは、ターゲット基板上に垂直にスタックされる。よって、異なる色の光線を発するLEDチップは、パッケージ構造中で、垂直方向に沿って設置されて、ディスプレイ装置中の単一画素の面積を減少させる。
さらに、LEDチップは、透明接着層により、発光層中のターゲット基板、および、平坦化層に取り付けられる。LEDチップを、別のLEDチップに接着することが不要であり、よって、パッケージ構造のパッケージのプロセス複雑性が減少する。
一方、本発明により提供されるパッケージ構造の形成方法は、単一LEDチップ、あるいは、一定周期数量のパッケージ構造のLEDチップを、ソースウェハから、ターゲット基板に搬送する工程を有する。未搬送のLEDチップは、次のプロセスのために保留される。これにより、ソースウェハの空間利用が増加し、パッケージ構造のプロセスが簡潔化され、パッケージ構造の歩留まりが改善される。
【0055】
図14は、その他の実施形態によるパッケージ構造20の断面図である。図14に示されるパッケージ構造20は、インターポーザー基板(基板100)が、パッケージ構造20のベース構造として用いられることを除いて、図13に示されるパッケージ構造10と類似する。この実施形態において、インターポーザー基板として用いられる基板100だけでなく、パッケージ構造20はさらに、基板100下方に設けられる導電構造103を有する。上記のように、図14で図示されないが、インターポーザー基板として用いられる基板100は、複数の金属線層、および、各金属線層を接続する複数のビアを有する。パッケージ構造20は、基板100、および、導電構造103により、別のターゲット基板(たとえば、ディスプレイ装置の別のバックプレーン)に電気的に接続される。
いくつかの実施形態において、導電構造103の材料は、任意の適当な導電材、たとえば、Al、Cu、W、Ti、Cr、Pt、Au、Ta、Ni、TiN、TaN、NiSi、CoSi、TaC、TaSiN、TaCN、TiAl、TiAlN、インジウムスズ酸化物(ITO)、その他の適当な導電材、あるいは、それらの組み合わせを有する。図14に示される実施形態によると、パッケージ構造20は、最小ユニットとして用いられるとともに、別のターゲット基板に搬送して、随時、画素密度、および、ディスプレイ装置の解像度を調整し、これにより、プロセスフレキシブル性を増加させる。
【0056】
図15は、いくつかの実施形態によるパッケージ構造10の透視図である。図15に示されるパッケージ構造10において、再分配層320b、および、320cは、同じビア152により、コモン電極108に電気的に接続されているが、本発明は、それらに制限されない。その他の実施形態において、再分配層320b、および、320cは、各自ビアにより、コモン電極108に電気的に接続される。これらのビアも、上述の基板100の非発光領域中に設置され、平坦化層110a、および、110bから延伸する。再分配層320b、および、320cを電気的に接続するのに用いるビアの配置は、これらのビアが、上述の基板100の非発光領域中に設置されるとともに、コモン電極108に電気的に接続されるのであれば、特に制限されない。
【0057】
このほか、いくつかの実施形態において、基板100上のLEDチップ300a、300b、および、300cの投影面は、少なくとも一部が重複する。いくつかの特定の実施形態において、図15に示されるように、基板100のLEDチップ300a、300b、および、300cの投影面は、完全に重複する。
【0058】
図16Aは、いくつかの実施形態によるパッケージ構造30の透視図である。理解すべきことは、図16Aにおいて、上記の実施形態中の同じ参照番号を有する素子、および/または、特徴は、同じ材料を有し、且つ、類似のプロセスを用いて、これらの素子、および/または、特徴を形成し、ここで詳述を繰り返さない。図16Aに示されるパッケージ構造30と図15に示されるパッケージ構造10間の差異は、パッケージ構造30が、二個の平坦化層(平坦化層110a、および、110b)を有することである。LEDチップ300aは、平坦化層110a中に設置され、LEDチップ300b、および、300cは、平坦化層110b中に設置される。
【0059】
いくつかの実施形態において、図16Aに示されるように、LEDチップ300b、および、300cは、LEDチップ300a上にスタックされる。いくつかの実施形態において、LEDチップ300aのサイズは、LEDチップ300b、あるいは、300cのサイズより大きい。特に、いくつかの実施形態によると、基板100上のLEDチップ300aの投影面積は、基板100上のLEDチップ300b、あるいは、300cの投影面積より大きい。さらに、基板100上のLEDチップ300aの投影面積は、基板100上のLEDチップ300b、および、300cの投影面積の合計より大きい。
【0060】
いくつかの実施形態において、基板100上のLEDチップ300b、および、300cの各投影面は、少なくとも一部が、基板100上のLEDチップ300aの投影面と重複する。いくつかの特定の実施形態において、基板100上のLEDチップ300b、および、300cの各投影面は、基板100上のLEDチップ300aの投影面を完全に重複する。
【0061】
図16B、および、図16Cは、いくつかの実施形態によるそれぞれ、図16Aの線B-B’とC-C’に沿ったパッケージ構造30の断面図である。図16B、および、図16Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態によると、基板100上の透明接着層318、LEDチップ300a、および、再分配層320aは、まとめて、第一発光ユニット350aと称される。平坦化層110a上の透明接着層318、LEDチップ300b、および、再分配層320bは、まとめて、第二発光ユニット350bと称される。平坦化層110a上の透明接着層318、LEDチップ300c、および、再分配層320cは、まとめて、第三発光ユニット350cと称される。
【0062】
特に、パッケージ構造30は、基板100上の第一発光ユニット350a、第一発光ユニット350a上の平坦化層110a、第二発光ユニット350b、第三発光ユニット350c、第二発光ユニット350b、および、第三発光ユニット350c上に設置される平坦化層110bを有する。
上記のように、第一発光ユニット350a、第二発光ユニット350b、および、第三発光ユニット350cは、基板100の発光領域100a中に設置される透明接着層318、透明接着層318上に設置されるLEDチップ300a、300b、および、300c、および、再分配層320a、320b、および、320cを有する。
発光ユニット350b、および、発光ユニット350cは、平坦化層110a上に設置され、且つ、互いに横向けに分離される。
図16A図16Cに示されるように、第一発光ユニット350a、第二発光ユニット350b、および、第三発光ユニット350cの再分配層320a、320b、および、320cはそれぞれ、LEDチップ300a、300b、および、300c上に形成されるとともに、基板100の発光領域100aから、基板100の非発光領域100bに延伸する。
【0063】
いくつかの実施形態によると、図16A図16Cに示されるように、パッケージ構造30はさらに、電極102、104、および、106、および、コモン電極108を有する。電極102、104、および、106、および、コモン電極108は、基板100の非発光領域100b中に設けられ、且つ、基板100と物理的に接触する。
いくつかの実施形態において、第一発光ユニット350aの再分配層320aは、LEDチップ300aと電極106、および、コモン電極108を電気的に接続する。
いくつかの実施形態において、第二発光ユニット350bの再分配層320bは、LEDチップ300bと電極102、および、コモン電極108を電気的に接続する。
いくつかの実施形態において、第三発光ユニット350cの再分配層320cは、LEDチップ300cと、電極104およびコモン電極108とを電気的に接続する。
【0064】
このほか、いくつかの実施形態において、図16A図16Cに示されるように、第二発光ユニット350bの再分配層320bは、それぞれ、ビア152、および、154により、コモン電極108、および、電極102に電気的に接続され、且つ、第三発光ユニット350cの再分配層320cは、それぞれ、ビア150、および、156により、電極104、および、コモン電極108に電気的に接続される。
いくつかの実施形態において、ビア150、152、154、および、156はすべて、基板100の非発光領域100b中に設けられるとともに、平坦化層110aから延伸する。いくつかの実施形態において、ビア150、152、154、および、156は、約2:1~約20:1のアスペクト比(つまり、ビア150、152、154、あるいは、156の深さとビア150、152、154、あるいは、156の最小幅の比率)を有する。上記の範囲のアスペクト比を有するビア150、152、154、および、156は、パッケージ構造中のビアにより占有される空間を減少させ、これにより、パッケージ構造中のLEDチップの信号インテグリティを改善する。
【0065】
図16A図16Cにおいて、第二発光ユニット350bの再分配層320b、および第三発光ユニット350cの再分配層320cは、それぞれ、ビア152、および、156により、同じコモン電極108に電気的に接続されるが、本発明は、それらに制限されない。
その他の実施形態において、第二発光ユニット350bの再分配層320b、および、第三発光ユニット350cの再分配層320cは同じビア(図示しない)に延伸し、且つ、このビアにより、コモン電極108に電気的に接続される。同様に、このビアは、基板100の非発光領域100b中に設置され、且つ、平坦化層110aにより延伸する。
【0066】
さらに、いくつかの実施形態において、図16Cに示されるように、第一発光ユニット350a、第二発光ユニット350b、および、第三発光ユニット350cが設置される基板100の第一側100Hは、パッケージ構造30の発光側として定義される。
いくつかの実施形態において、第一発光ユニット350aのLEDチップ300aは、第一波長の光線を発光し、第二発光ユニット350bのLEDチップ300bは、第二波長の光線を発光し、発光ユニット350cのLEDチップ300cは、第三波長の光線を発光する。第一波長、第二波長、および、第三波長は、互いに異なる。
【0067】
第一側100Hが、パッケージ構造30の発光側である実施形態において、LEDチップ300aにより発光される光線の第一波長は、LEDチップ300bにより発光される光線の第二波長、および、LEDチップ300cにより発光される光線の第三波長より大きい。第二波長と第三波長は異なる。たとえば、いくつかの実施形態において、LEDチップ300aは、赤色光LEDチップであり、LEDチップ300b、および、300cはそれぞれ、緑色光LEDチップ、および、青色光LEDチップであるか、あるいは、LEDチップ300b、および、300cはそれぞれ、青色光LEDチップ、および、緑色光LEDチップである。
【0068】
第一側100Hが、パッケージ構造30の発光側として用いられるとき、第二発光ユニット350b、および、第三発光ユニット350cのLEDチップ300b、および、300cにより発光される光線の波長は、第一発光ユニット350aのLEDチップ300aにより発光される光線よりも短い。このように、第二発光ユニット350b、および、第三発光ユニット350cのLEDチップ300b、および、300cにより発光される光線が、下方の平坦化層110aを通過するのを防止し、これにより、LEDチップ300b、および、300c下方にあるLEDチップ300aにより発光される光線は、影響を受けない。
【0069】
図16A図16C中に示される実施形態によると、小さいサイズのLEDチップ(たとえば、第二発光ユニット350b、および、第三発光ユニット350cのLEDチップ300b、および、300c)は、垂直に、大きいサイズのLEDチップ(たとえば、第一発光ユニット350aのLEDチップ300a)にスタックされ、且つ、小さいサイズのLEDチップは、互いに横向けに分離される。
上記の実施形態中で記述される長所に加え、スタックされたLEDチップを有するパッケージ構造は、全体のサイズが小さく(たとえば、高さが低い)、よって、このパッケージ構造が設置されるディスプレイ装置の厚さが減少する。
【0070】
図17は、その他の実施形態によるパッケージ構造40の透視図である。図17に示されるパッケージ構造40は、大きいサイズのLEDチップ300aが、小さいサイズのLEDチップ300b、および、300c上に設置されることを除いて、図16に示されるパッケージ構造30に類似する。
特に、これらの実施形態において、LEDチップ300b、および、300cは、平坦化層110b中に設置されるとともに、互いに分離され、且つ、LEDチップ300aが平坦化層110a中に設置される。
いくつかの実施形態において、基板100上のLEDチップ300aの投影面は少なくとも一部が、基板100上のLEDチップ300b、および、300cの投影面と重複する。
いくつかの特定の実施形態において、基板100上のLEDチップ300aの投影面は、基板100上のLEDチップ300b、および、300cの投影面と完全に重複する。
いくつかの実施形態において、基板100上のLEDチップ300aの投影面積は、基板100上のLEDチップ300b、および、300cの投影面積の合計より大きい。
【0071】
いくつかの実施形態において、LEDチップ300a、300b、および、300cが設置されない基板100の第二側100Lは、パッケージ構造40の発光側として定義される。第二側100Lが、パッケージ構造40の発光側として用いられる実施形態において、LEDチップ300aにより発光される光線の第一波長は、LEDチップ300bにより発光される光線の第二波長、および、LEDチップ300cにより発光される光線の第三波長より大きい。
たとえば、いくつかの実施形態において、LEDチップ300aは、赤色光LEDチップであり、LEDチップ300b、および、300cは、それぞれ、緑色光LEDチップ、および、青色光LEDチップであるか、あるいは、LEDチップ300b、および、300cは、青色光LEDチップ、および、緑色光LEDチップである。
【0072】
第二側100Lが、パッケージ構造40の発光側として用いられるとき、LEDチップ300b、および、300cにより発光される光線の波長は、LEDチップ300aにより発光される光線の波長より短い。これにより、平坦化層110a中のLEDチップ300b、および、300cにより発光される光線が、上記の平坦化層110bを通過するのを防止し、これにより、平坦化層110a中のLEDチップ300aにより発光される光線は影響を受けない。
【0073】
このほか、図17に示される実施形態において、LEDチップ300aは、再分配層320aにより、電極106、および、コモン電極108に電気的に接続され、LEDチップ300bは、再分配層320bにより、電極102、および、コモン電極108に電気的に接続され、LEDチップ300cは、再分配層320cにより、電極104、および、コモン電極108に電気的に接続される。
特に、いくつかの実施形態において、再分配層320aは、それぞれ、ビア158、および、160により、コモン電極108、および、電極106に電気的に接続される。
つまり、LEDチップ300aは、再分配層320a、および、ビア158と160により、コモン電極108、および、電極106に電気的に接続される。ビア158、および、160を形成する材料と方法は、上記の実施形態中のビア152、154、および、156に類似する、あるいは、同じであるので、ここで説明を繰り返さない。
さらに、いくつかの実施形態によると、ビア158、および、160は、平坦化層110aから延伸する。このほか、図16Aに関連する上記実施形態中で記述されるように、図17中のビア158、および、160はさらに、約2:1~約20:1のアスペクト比(つまり、ビア158、および、160の深さとビア158、および、160の最小幅の比率)を有する。
【0074】
総合すると、本発明のいくつかの実施形態によると、パッケージ構造は、基板上に順にスタックされる第一発光層、第二発光層、および、第三発光層を有する。第一発光層、第二発光層、および、第三発光層はそれぞれ、透明接着層、LEDチップ、再分配層、および、平坦化層を有する。異なる色を有する光線を発光するLEDチップは、パッケージ構造中で、垂直方向に沿って設置されるとともに、信号をLEDチップに送るのに用いられる電極は、基板上に設置される。これにより、スタックされたLEDチップを有するパッケージ構造は、ディスプレイ装置中の単一画素の面積を減少させ、且つ、画素の整合密度、および、ディスプレイ装置の解像度を増加させる。
さらに、本発明のいくつかの実施形態によると、パッケージ構造を形成する方法は、単一のLEDチップ、あるいは、一定周期数量のLEDチップを、ソースウェハからターゲット基板に搬送させ、且つ、発光領域から非発光領域に延伸する再分配層を形成するとともに、平坦化層を形成する工程を有する。
上記のプロセスが、垂直にスタックされたLEDチップ上に設置された基板上で繰り返される。ソースウェハ上の未搬送LEDチップは、次のプロセスのために保留される。
本発明の実施形態により提供されるパッケージ構造の形成方法を用いることにより、ソースウェハの空間利用が増加し、パッケージ構造のプロセスが簡潔化され、パッケージ構造の歩留まりが改善される。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態、および、それらの長所が詳細に記述されているが、注意すべきことは、本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、各種変化、置換、および、修正が可能であることである。たとえば、当業者なら理解できるように、ここで開示される多くの特徴、機能、プロセス、および、材料は、本発明の範囲内で変化する。
さらに、本発明の範囲は、明細書中で記述される特定の実施形態のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および、ステップに制限することを意図しない。当業者なら、本発明から分かるように、現行の、あるいは、将来発展するプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、あるいは、ステップは、ここで開示される対応する実施形態が、ほぼ同じ機能を実行する、あるいは、ほぼ同じ結果を達成すれば、本発明にしたがって用いることができる。
したがって、本発明の保護範囲は、このようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、あるいは、ステップを有する。
さらに、添付のクレームの範囲は、広義の解釈が認められるべきであり、このような修正、および、類似する配置すべてを包含する。
【符号の説明】
【0076】
10,20,30,40 パッケージ構造、100 ターゲット基板(基板)、100a 所定の発光領域(発光領域)、100b 所定の非発光領域(非発光領域)、100H 第一側、100L 第二側、102,104,106 電極、103 導電構造、108 コモン電極、110a,110b,110c 平坦層、112,114,116 開口、150,152,154,156v158 ビア、154D 深さ、154W 幅、200 ソースウェハ、300,300a,300b,300c LEDチップ、302 ベース層、304 n型半導体層、306 発光層、308 p型半導体層、310 抵抗接点層、312 保護層、314 第一電極、315、317 テザー構造、316 第二電極、318 透明接着層、320a,320b,320c 再分配層、350a 第一発光ユニット、350b 第二発光ユニット、350c 第三発光ユニット、400a 第一発光層、400b 第二発光層、400c 第三発光層、401 ピックアップデバイス、402 ベース、402a 突起部分、404 接着層、500 ピックアッププロセス、A-A’、B-B’、C-C’ 線。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17