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特開2023-74489移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074489
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20230522BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20230522BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20230522BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230522BHJP
   B60L 53/37 20190101ALI20230522BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20230522BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/90
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60L53/37
B60M7/00 X
B60L5/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182330
(22)【出願日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0158440
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0140460
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520493430
【氏名又は名称】忠北大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】CHUNGBUK NATIONAL UNIVERSITY INDUSTRY-ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】アン、ビアンシェール
【テーマコード(参考)】
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5H105AA01
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC07
5H105CC19
5H105DD10
5H105EE15
5H105GG05
5H105GG15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC25
5H125BE02
5H125DD03
5H125EE61
5H125FF15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線電力伝送効率を極大化するコイル整列制御装置及びコイル整列制御方法を提供する。
【解決手段】移動体無線充電のためのコイル整列制御装置の制御方法は、移動体の受電コイルの受電方向面が無線充電送電ステーションの送電コイルの送電方向面に対して平行になるように整列させるステップ、受電コイルの巻線中心領域を送電コイルの巻線中心領域に整列させるステップ及び受電コイルと送電コイルとの間の距離が予め設定された近接距離ほどに近づくように受電コイルを整列させるステップを遂行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線充電送電ステーションから移動体を無線充電するためのコイル整列制御装置であって、
無線充電送電ステーションは、
送電コイルと送電部赤外線送受信部をそれぞれ含む複数個の送電コイルパネルと、
前記複数個の送電コイルパネルのうちのいずれかを選択するための送電コイル選択スイッチと、
前記送電コイル選択スイッチを介して選択された送電コイルパネルを用いた送電を制御する送電部回路及び制御モジュールと、を含み、
移動体は、
第1の受電部赤外線送受信部、第2の受電部赤外線送受信部、及び受電コイルを含む受電コイルパネルと、
コイル整列のための前記移動体の起動を制御する移動体起動制御部と、
選択された送電コイルパネルの送電部赤外線送受信部から放射される赤外線を前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部がそれぞれ受信してそれぞれの赤外線受信電力密度を測定し、前記測定されたそれぞれの受信電力密度値が互いに同一の値を有するように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルの巻線中心領域を前記選択された送電コイルパネルの送電コイルの巻線中心領域に整列させる受電部回路及び制御モジュールと、を含み、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部は、互いに間隔をおいて設けられていることを特徴とする、移動体無線充電のためのコイル整列制御装置。
【請求項2】
前記複数個の送電コイルパネルのそれぞれは、互いに異なる高さを有し、前記移動体の受電コイルの高さに対応するいずれかが選択されて送電が行われることを特徴とする、請求項1に記載の移動体無線充電のためのコイル整列制御装置。
【請求項3】
前記受電部回路及び制御モジュールは、さらに、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部から前記選択された送電コイルパネルの送電方向面までの距離をそれぞれ測定し、測定されたそれぞれの距離値が互いに同一の値を有するように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルの受電方向面が前記送電方向面に平行になるように整列させることを特徴とする、請求項1に記載の移動体無線充電のためのコイル整列制御装置。
【請求項4】
前記受電部回路及び制御モジュールは、さらに、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部から前記選択された送電コイルパネルの送電方向面までの距離をそれぞれ測定し、測定されたそれぞれの距離値が互いに同一の値を有して全て設定された基準値になるように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルが前記選択された送電部コイルパネルの送電コイルに近接するように整列させることを特徴とする、請求項1に記載の移動体無線充電のためのコイル整列制御装置。
【請求項5】
無線充電送電ステーションから移動体を無線充電するためのコイル整列制御方法であって、
無線充電送電ステーションの、互いに異なる高さを有する複数の送電コイルパネルのうち、移動体の受電コイルの高さに対応する送電コイルパネルを選択する選択ステップと、
前記受電コイルの受電方向面が前記選択された送電コイルパネルの送電コイルの送電方向面と平行になるように整列させる平行整列ステップと、
前記受電コイルの巻線中心領域を前記送電コイルの巻線中心領域に整列させる中心整列ステップと、
前記受電コイルが前記送電コイルに近接するように整列させる近接整列ステップと、を含み、
前記中心整列ステップは、
前記選択された送電コイルパネルの送電部赤外線送受信部から放射される赤外線を、前記移動体の第1の受電部赤外線送受信部及び前記移動体の第2の受電部赤外線送受信部がそれぞれ受信してそれぞれの赤外線受信電力密度を測定するステップ、及び、
前記測定されたそれぞれの受信電力密度値が互いに同一の値を有するように、前記移動体の移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御するステップを含むことを特徴とする、移動体無線充電のためのコイル整列制御方法。
【請求項6】
前記平行整列ステップは、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部から前記選択された送電コイルパネルの送電方向面までの距離をそれぞれ測定するステップ、及び、
測定されたそれぞれの距離値が互いに同一の値を有するように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御するステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の移動体無線充電のためのコイル整列制御方法。
【請求項7】
前記近接整列ステップは、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び第2の受電部赤外線送受信部から前記選択された送電コイルパネルの送電方向面までの距離をそれぞれ測定するステップ、及び、
測定されたそれぞれの距離値が互いに同一の値を有して全て設定された基準値となるように、前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御するステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の移動体無線充電のためのコイル整列制御方法。
【請求項8】
無線充電送電ステーションから移動体を無線充電するためのコイル整列制御装置であって、
無線充電送電ステーションは、
送電コイルと送電部赤外線送受信部を含む送電コイルパネルと、
前記送電コイルパネルを用いた送電を制御する送電部回路及び制御モジュールと、を含み、
移動体は、
第1の受電部赤外線送受信部、第2の受電部赤外線送受信部、及び受電コイルを含む受電コイルパネルと、
コイル整列のための前記移動体の起動を制御する移動体起動制御部と、
前記送電コイルパネルの送電部赤外線送受信部から放射される赤外線を前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部がそれぞれ受信してそれぞれの赤外線受信電力密度を測定し、前記測定されたそれぞれの受電電力密度値が互いに同一の値を有するように、前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルの巻線中心領域を前記送電コイルパネルの送電コイルの巻線中心領域に整列させる受電部回路及び制御モジュールと、を含み、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部は、互いに間隔をおいて設けられたことを特徴とする、移動体無線充電のためのコイル整列制御装置。
【請求項9】
前記受電部回路及び制御モジュールは、さらに、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部から前記送電コイルパネルの送電方向面までの距離をそれぞれ測定し、測定されたそれぞれの距離値が互いに同一の値を有するように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルの受電方向面が前記送電方向面に平行になるように整列させることを特徴とする、請求項8に記載の移動体無線充電のためのコイル整列制御装置。
【請求項10】
前記受電部回路及び制御モジュールは、さらに、
前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部から前記送電コイルパネルの送電方向面までの距離をそれぞれ測定し、測定されたそれぞれの距離値が互いに同一の値を有して全て設定された基準値になるように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルが前記送電コイルパネルの送電コイルに近接するように整列させることを特徴とする、請求項8に記載の移動体無線充電のためのコイル整列制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置に関する。より具体的には、送電コイルと受電コイルの平行整列と中心整列、そして近接整列を通じて無線電力伝送効率を極大化して無線充電効率を高めることができる移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
This research was supported by MSIT(Ministry of Science and ICT), Korea, under the Grand Information Technology Research Center support program(IITP-2022-2020-0-01462) supervised by the IITP(Institute for Information & communication Technology Planning & Evaluation).
無線充電(wireless charging)又はワイヤレス電力伝送(wireless power transfer)技術は、小電力と大電力だけでなく、近年数十Wから数kWまでの広い電力範囲を有する重電力に対して多様な応用分野が拡大発掘されて幅広い研究が活発に行われている。スマートフォンと一般家電で、無線充電技術はすでにユーザーに親しまれている技術になっており、物流ロボット、ドローン、各種車両、飛行体や船舶などのような移動体に対する無線充電技術も急速に発展している。
【0003】
電気自動車無線充電システムの場合、既存のプラグイン方式の有線充電方式を改善し、運転者が駐車場に駐車するだけで自動的に無線充電となるシステムを具現することを目標とする。最適なシステムを具現するためには、無線充電効率、異物に対する回避及び除去方案、通信方式、課金方式などの充電インフラに関する事項と車両のバッテリー容量、無線電力受信機のモジュール化及び自動車搭載などの電気自動車に関する事項等が考慮されなければならない。無線充電システムで無線充電効率は非常に重要な要素であり、移動体に用いられる磁気共振方式の無線充電システムで、送電コイル(一次コイル)と受電コイル(二次コイル)の整列状態は、無線電力伝送効率に多くの影響を与える。
【0004】
コイル整列技術に関連する先行技術として、下記特許文献1は、2017年12月27日に公開された大韓民国公開特許10-2017-0142046として「無線電力伝送システムにおけるコイル整列方法及びこれを利用する装置」に関する技術を開示している。この先行技術は、GA(Ground Assembly)の送電コイル上に互いに直交するビームロッド対を設け、VA(Vehicle Assembly)に突出する光遮断部を備える。光遮断部が直交するビームを遮って遮断する位置に移動するように制御して送電コイルと受電コイルを整列させる。
【0005】
コイル整列技術に関する先行技術として、下記特許文献2は、2018年08月27日に公開された大韓民国公開特許10-2018-0095445として「低周波数アンテナを用いた無線充電システムの位置整列方法及び装置」に関する技術を開示している。この先行技術は、コイル整列のためにGA(Ground Assembly)とVA(Vehicle Assembly)にそれぞれ別途の複数個の低周波送受信アンテナを設け、これを用いて送電コイルと受電コイルを整列させる。
【0006】
ところで、前記先行技術は単に送電コイルの巻線中心領域と受電コイルの巻線中心領域が整列状態になるようにしており、無線電力伝送効率が極大化されにくい。すなわち、送電コイルの送電方向面と受電コイルの受電方向面に対する平行整列状態と両面の近接整列状態が考慮されていないため、平行整列状態でない場合、又は一定値以内に近接整列されていない場合、無線電力伝送効率が極大化されにくい。
【0007】
一方、無線充電技術は、AGV(Automated Guided Vehicle)又はAMR(Automated Mobile Robot)などのような物流ロボット分野でも拡大発展している。物流ロボットの場合、スマートフォンや電気自動車の充電とは異なり、送電コイルと受電コイルが地面にそれぞれ垂直方向に配置される構造が多く採用されている。
【0008】
物流ロボットのような移動体で垂直式無線充電形態を好む理由は、物流ロボットを使用するスマート工場や建物の地面に充電システムの送信部を設置するとコストが増加するだけでなく、施設の変更及び移設をするのに非常に不便だからである。また、磁気テープを使用して経路を誘導するロボットの場合、床に送信部を設置することは事実上ほとんど不可能である。そして水平式の場合、送信部表面に異物が付着する場合が頻繁で周期的な管理が必要であるが、垂直式の場合、送受信部に異物が付着しても重力により地面に落ちるため、水平式無線充電に比べて有利である。
【0009】
しかしながら、垂直式無線充電の場合であっても無線充電効率を高めるためにはコイル整列技術が要求され、前述の従来技術では無線電力伝送効率を極大化することは困難である。また、垂直式無線充電の場合、移動体の種類によって受電コイルの設置高さが異なる場合があるが、このような場合にも対応できる無線充電技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許10-2017-0142046
【特許文献2】韓国公開特許10-2018-0095445
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、送電コイルの送電方向面と受電コイルの受電方向面が平行状態に整列され、無線電力伝送効率を極大化することができる移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、垂直式無線充電方式にて無線電力伝送効率を極大化することができる移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、受電コイルの高さが互いに異なる高さを有する移動体の場合にもそれぞれ対応して無線電力伝送効率を極大化できる移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例によると、移動体無線充電のためのコイル整列制御装置は、無線充電送電ステーションから移動体を無線充電するためのコイル整列制御装置であり、無線充電送電ステーションは、送電コイルと送電部赤外線送受信部をそれぞれ含む複数個の送電コイルパネルと、前記複数個の送電コイルパネルのうちのいずれかを選択するための送電コイル選択スイッチ、及び、前記送電コイル選択スイッチを通じて選択された送電コイルパネルを用いて送電を制御する送電部回路及び制御モジュールを含み、移動体は、第1の受電部赤外線送受信部、第2の受電部赤外線送受信部及び受電コイルを含む受電コイルパネルと、コイル整列のための前記移動体の起動を制御する移動体起動制御部、及び、選択された送電コイルパネルの送電部赤外線送受信部から放射される赤外線を前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部がそれぞれ受信し、それぞれの赤外線受信電力密度を測定し、前記測定されたそれぞれの受電電力密度値が互いに同一の値を有するように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルの巻線中心領域を前記選択された送電コイルパネルの送電コイルの巻線中心領域に整列させる受電部回路及び制御モジュールを含み、前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部は、互いに間隔を空けて設けられていることを特徴とする移動体無線充電のためのコイル整列制御装置を提供する。
【0015】
本発明の他の実施例によると、無線充電送電ステーションから移動体を無線充電するためのコイル整列制御方法であって、無線充電送電ステーションの、互いに異なる高さを有する複数の送電コイルパネルのうち、移動体の受電コイルの高さに対応する送電コイルパネルを選択する選択ステップと、前記受電コイルの受電方向面が前記選択された送電コイルパネルの送電コイルの送電方向面に平行するように整列させる平行整列ステップと、前記受電コイルの巻線中心領域を前記送電コイルの巻線中心領域に整列させる中心整列ステップ、及び、前記受電コイルが前記送電コイルに近接するように整列させる近接整列ステップと、を含み、前記中心整列ステップは、前記選択された送電コイルパネルの送電部赤外線送受信部から放射される赤外線を前記移動体の第1の受電部赤外線送受信部及び前記移動体の第2の受電部赤外線送受信部がそれぞれ受信してそれぞれの赤外線受信電力密度を測定するステップ、及び、前記測定されたそれぞれの受信電力密度値が互いに同一の値を有するように、前記移動体の移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御するステップを含むことを特徴とする移動体無線充電のためのコイル整列制御方法を提供する。
【0016】
本発明のまた他の実施例によると、無線充電送電ステーションから移動体を無線充電するためのコイル整列制御装置であって、無線充電送電ステーションは、送電コイルと送電部赤外線送受信部を含む送電コイルパネルと、前記送電コイルパネルを用いた送電を制御する送電部回路及び制御モジュールを含み、移動体は、第1の受電部赤外線送受信部、第2の受電部赤外線送受信部、及び受電コイルを含む受電コイルパネルと、コイル整列のための前記移動体の起動を制御する移動体起動制御部、及び、前記送電コイルパネルの送電部赤外線送受信部から放射される赤外線を前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部がそれぞれ受信してそれぞれの赤外線受信電力密度を測定し、前記測定されたそれぞれの受電電力密度値が互いに同一の値を有するように前記移動体起動制御部を介して前記移動体の起動を制御し、前記受電コイルの巻線中心領域を前記送電コイルパネルの送電コイルの巻線中心領域に整列させる受電部回路及び制御モジュールを含み、前記第1の受電部赤外線送受信部及び前記第2の受電部赤外線送受信部は互いに間隔を空けて設けられていることを特徴とする移動体無線充電のためのコイル整列制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の移動体無線充電のためのコイル整列制御方法及び装置によると、送電コイルの送電方向面と受電コイルの受電方向面を平行状態で送電コイルの巻線中心領域と受電コイルの巻線中心領域が近接して整列されることで、無線電力伝送効率を極大化することができる。
【0018】
また、垂直型無線充電方式の移動体の場合でも、送電コイルと受電コイルが平行整列と中心整列及び近接整列がなされた状態で無線充電が行われることで無線電力伝送効率を極大化することができる。
【0019】
そして、受電コイルの高さが、互いに異なる高さを有する移動体の場合でも、それぞれの高さに合った複数個の送電コイルを無線充電する送電ステーションに選択可能に備え、選択された1つの送電コイルに対応して受電コイルを平行整列と中心整列及び近接整列させることで無線電力伝送効率を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の好ましい実施例に係る移動体無線充電のためのコイル整列制御装置の主要構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の好ましい実施例に係る移動体無線充電のためのコイル整列制御方法の主要段階を順次に示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の好ましい実施例に係るコイルを平行整列させる動作メカニズムを説明するための図である。
図4図4は、本発明の好ましい実施例に係るコイルを中心整列させる動作メカニズムを説明するための図である。
図5図5は、本発明の好ましい実施例に係るコイルを近接整列させる動作メカニズムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を十分に理解するために、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。本発明の実施例は様々な形態に変更され得、本発明の範囲が以下に詳しく説明する実施例に限定されると解釈されるべきではない。本実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。本発明の要旨を不必要に曖昧にする判断される公知の機能及び構成に関する詳しい技術は省く。
【0022】
図1は、本発明の好ましい実施例に係る移動体無線充電のためのコイル整列制御装置の主要構成を示すブロック図である。
【0023】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施例に係る移動体無線充電のためのコイル整列装置は、無線充電送電ステーション10と移動体20から構成される。
【0024】
無線充電送電ステーション10は、複数個の送電コイルパネル11、12、13、14、15と、送電コイル選択スイッチ16、そして送電部回路及び制御モジュール17を含む。
【0025】
複数個の送電コイルパネル11、12、13、14、15は、それぞれ送電コイルS1、S2、S3、S4、S5と送電部赤外線送受信部C1、C2、C3、C4、C5を有する。送電部赤外線送受信部C1、C2、C3、C4、C5は、それぞれ赤外線発生源としてLEDと赤外線受信素子として光ダイオードを用いる。送電部赤外線送受信部C1、C2、C3、C4、C5は、測定モードだけでなく赤外線通信モードでも動作する。
【0026】
送電部回路及び制御モジュール17は、送電コイル選択スイッチ16を介して複数個の送電コイルパネル11、12、13、14、15のうちのいずれかを選択して送電を行う。
【0027】
移動体20は、受電コイルパネル21、受電部回路及び制御モジュール22、移動体起動制御部23及び充電バッテリー24を含む。
【0028】
受電コイルパネル21は、互いに間隔を空けて設けられた第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qと受電コイルRを有する。第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qは、それぞれ赤外線発生源としてLEDと赤外線受信素子として光ダイオードを用いる。LEDの赤外線は、互いに異なる周波数(例えば、32kHz、82kHz)でオン/オフ変調される。密集された空間で多数の無線電力伝送が行われる場合には、赤外線センサ間の干渉を防ぐために追加のコード変調を実行するコード分割多重接続(CDMA)技法を適用することができる。第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qは、測定モードだけでなく赤外線通信モードでも動作する。
【0029】
移動体起動制御部23は、コイル整列のための移動体起動を制御する。受電部回路及び制御モジュール22は、例えば、選択された送電コイルパネル14の送電部赤外線送受信部C4と、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P,Qを用いて選択された送電コイルパネル14の送電コイルS4と受電コイルRの整列状態を測定する。受電部回路及び制御モジュール22は、測定された整列状態に応じて移動体起動制御部23によるコイル整列制御を行う。具体的なコイル整列制御動作は後述される。コイル整列後、受電部回路及び制御モジュール22は充電バッテリー24の充電を制御する。
【0030】
複数個の送電コイルパネル11、12、13、14、15と移動体20の受電コイルパネル21は、地面にそれぞれ垂直方向に配置される垂直式無線充電構造である。受電コイルRは、移動体20の種類によって地面からの高さが互いに異なり得る。互いに異なる高さを有するいろいろな種類の移動体にそれぞれ対応するために、無線充電送電ステーション10に設けられた複数個の送電コイルS1、S2、S3、S4、S5も、その高さに合わせて互いに異なる高さに離間されて設置される。したがって、互いに異なる高さに設置された受電コイルを有する移動体に対して1つの無線充電送電ステーション10で対応が可能である。図1に移動体20と対応する高さに設けられた送電コイルパネル14との間に無線電力伝送が行われる場合が例示されている。
【0031】
図2は、本発明の好ましい実施例に係る移動体無線充電のためのコイル整列制御方法の主要段階を順次に示すフローチャートであり、図3は、本発明の好ましい実施例に係るコイルを平行整列させる動作メカニズムを説明するための図である。図4は、本発明の好ましい実施例に係るコイルを中心整列させる動作メカニズムを説明するための図である。図5は、本発明の好ましい実施例に係るコイルを近接整列させる動作メカニズムを説明するための図である。
【0032】
図1及び図2を参照し、ステップS10で無線充電が必要な移動体20が無線充電送電ステーション10の近傍に移動する。
【0033】
ステップS20では、移動体平面ZMを無線充電送電ステーション平面ZTと平行に整列する制御ステップが行われる。無線充電送電ステーション平面ZTは実質的に送電コイルの送電方向面であり、移動体平面ZMは実質的に受電コイルの受電方向面である。
【0034】
具体的に、図3を参照し、ステップS20の平行整列制御段階で受電部回路及び制御モジュール22は、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qを測定モードで動作させる。すなわち、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qから赤外線を放射して送電コイルの送電方向面ZTまでの距離DP、DQをそれぞれ測定する。測定された距離DP、DQを用いて受電コイルRの受電方向面ZMと選択された送電コイルパネル14の送電コイルS4の送電方向面ZTが互いに平行になるように、つまり、距離DP、DQが等しくなるように移動体起動制御部23が動作するように制御する。平行整列制御工程を通じて無線充電送電ステーション10と移動体20との距離が指定された値D1(例えば、15cm)となるように移動体20が制御される。指定された値D1は、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qと送電部赤外線送受信部C4を用いてX軸方向で第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qが整列されるのに適した値とする。第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qと送電部赤外線送受信部C4の両方を用いる方法については後述する。
【0035】
ステップS30にて、受電部回路及び制御モジュール22は、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qを測定モードで動作させる。すなわち、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qのそれぞれが選択された送電コイルパネル14の送電部赤外線送受信部C4から放射される赤外線を受信して赤外線受信電力密度VP、VQのそれぞれを測定する。第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qは、受信角度に応じた赤外線受信電力密度に対して同じ特性を有する。送電部赤外線送受信部C4から放射される赤外線を第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qがそれぞれ受信した赤外線受信電力密度VP、VQを図4にグラフ(b)で例示した。
【0036】
具体的には、図4を参照し、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qと送電部赤外線送受信部C4は、Y軸基準で同じ高さを有する。前の段階で、送電コイルS4と受電コイルRは平行に整列されている。このとき、送電部赤外線送受信部C4の座標を基準点に設定する。第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qの離間距離の中心点が基準点に整列されると、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qは、X軸を基準にしてそれぞれX=-FとX=F点に位置するようになる。
【0037】
送電部赤外線送受信部C4が赤外線を放射すると、X軸方向に対称的な放射電力密度特性を有する。移動体20がX軸方向から左側又は右側に移動しながら、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qでそれぞれ受信される赤外線受信電力密度VP、VQを比較する。 2つの値が同じ値(VP = VQ = VC)になると、X軸方向に中心整列がなされたものと判定する。同じ測定値VCに対する基準値VTは、VCの0.5~0.8倍に設定する。
【0038】
このような測定基準を有し、それぞれ測定された2つの受信電力密度VP、VQの値が同じ測定値VCを有するまで移動体起動制御部が動作するように制御する。すると、受電コイルRの巻線中心領域が選択された送電コイルパネル14の送電コイルS4の巻線中心領域に整列される。すなわち、移動体20の受電コイルRが、無線充電送電ステーション10の選択された送電コイル(S1ないしS5のいずれか)に中心整列が行われる。
【0039】
ステップS40にて、受電部回路及び制御モジュール22は、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qを測定モードで動作させる。すなわち、第1及び第2の受電部赤外線送受信部P、Qから選択された送電コイルパネル14の送電方向面ZTまでの距離をそれぞれ測定する。測定された距離DP、DQが等しくなり、設定された近接距離になるまで(例えば、DP=DQ=1cm)、前記移動体起動制御部が動作するように制御する。すなわち、移動体20の受電コイルRが、選択された送電コイルS4に設定された近接距離まで近接されるように整列される。このとき、X軸方向の平行整列状態と中心整列状態を維持するために、以前の制御ステップS20とS30が繰り返し実行される。
【0040】
ステップS20からS40に至るコイル整列制御ステップが進行されると、移動体20が選択された送電コイルパネル14に整列される。その後、無線充電のための制御ステップが進行する。
【0041】
ステップS50にて、無線充電送電ステーション10と移動体20との間の通信リンクが構成される。通信リンクを構成するために、選択された送電コイルパネル14の送電部赤外線送受信部C4と第1の受電部赤外線送受信部Pは通信モードで動作する。
【0042】
送電部赤外線送受信部C4と第1の受電部赤外線送受信部Pとの間の赤外線通信リンクが構成されると、ステップS60にて受電部回路及び制御モジュール22は通信リンクを介して充電バッテリー24の充電仕様(例えば、充電バッテリー形式、充電電圧、充電電流など)を無線充電送電ステーション10に伝送する。
【0043】
ステップS70にて、送電部回路及び制御モジュール17は、充電仕様に対する充電レシピに従って送電コイルS4を介して充電電力を送電するように制御し、受電部回路及び制御モジュール22は受電コイルRを介して受電された電力で充電バッテリー24を充電するように制御する。
【0044】
以上の上述した実施例では、互いに異なる高さを有するいろいろな種類の移動体にそれぞれ対応するために無線充電送電ステーションに設けられる複数個の送電コイルも、その高さに合わせて互いに異なる高さに離間されて設けられた例を説明した。しかしながら、一種類の移動体のみを使用する環境では、無線充電送電ステーションにも1つの送電コイルのみを備えることも可能である。また、垂直型無線充電構造を例示しているが、本発明の思想に基づくと、水平式構造に変形して実施が可能であることがよく分かるであろう。
【0045】
以上説明された本発明の移動体無線充電のためのコイル整列装置及び方法の実施例は例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることをよくわかるであろう。
【0046】
したがって、本発明は、前記の詳細な説明で言及された形態のみに限定されるものではないことをよく理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。さらに、本発明は、添付された特許請求の範囲によって定義される本発明の精神とその範囲内にあるすべての変形物と均等物及び代替物を含むものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
10 無線充電送電ステーション
11、12、13、14、15 送電コイルパネル
16 送電コイル選択スイッチ
17 送電回路及び制御モジュール
20 移動体
21 受電コイルパネル
22 受電部回路及び制御モジュール
23 移動体起動制御部
24 移動体バッテリー
S1、S2、S3、S4、S5 送電コイル
C1、C2、C3、C4、C5 送電部赤外線送受信部
R 受電コイル
P 第1の受電部赤外線送受信部
Q 第2の受電部赤外線送受信部
図1
図2
図3
図4
図5