(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074490
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】製造を促進するためのジオメトリフィルタリングによるコンピュータ支援設計
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20230522BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20230522BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20230522BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20230522BHJP
G06F 113/10 20200101ALN20230522BHJP
【FI】
G06F30/10 100
G06F30/20
B29C64/386
B33Y50/00
G06F113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182600
(22)【出願日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】63/280,530
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500280087
【氏名又は名称】オートデスク,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100076185
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン マクキットリック ウェイス
(72)【発明者】
【氏名】ジーザス ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】エボット エチュ ディップ-アグボール
(72)【発明者】
【氏名】ニジェール ジェド ウエスリー モリス
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン アダム トーマス ブッチャー
【テーマコード(参考)】
4F213
5B146
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL85
5B146BA04
5B146DC05
5B146DE12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造を促進する技術を使用する物理構造のコンピュータ支援設計についての、媒体符号化されたコンピュータプログラム製品を含む装置、システム及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、三次元形状を修正することと、製造工程を採用する1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、物理構造を製造する際の使用のためにモデル化済みオブジェクトの修正済み形状を提供することと、を含む。修正することは、製造工程と関連付けられた方向に沿って三次元形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対し、現在の離散的レイヤにおける三次元形状の二次元プロファイル表現を抽出することと、製造工程と関連付けられた量だけ二次元プロファイル表現をオフセットすることと、現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、次の離散的レイヤを変更することと、を含む。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ支援設計プログラムによって、モデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状を生み出すよう、製造工程を使用して、それに対して対応する物理構造が作成されることになる、前記モデル化済みオブジェクトの三次元形状を修正することであって、前記修正することは、前記製造工程と関連付けられた方向に沿って前記三次元形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対し、
現在の離散的レイヤにおける前記三次元形状の二次元プロファイル表現を抽出することであって、前記二次元プロファイル表現は、前記製造工程と関連付けられた前記方向に垂直である平面内に存在する、前記抽出することと、
前記現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するよう、前記製造工程と関連付けられた量だけ前記二次元プロファイル表現をオフセットすることと、
前記現在の離散的レイヤの前記オフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、次の離散的レイヤを変更することと、を含む、前記修正することと、
前記コンピュータ支援設計プログラムによって、前記製造工程を採用する1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、前記物理構造を製造する際の使用のために前記モデル化済みオブジェクトの前記修正済み三次元形状を提供することと、
を備えた、方法。
【請求項2】
前記製造工程は、付加製造工程を含み、前記方向は、前記付加製造工程の構築方向であり、前記オフセットすることは、前記付加製造工程についての最大オーバハング角度に従って判定された量だけ内側に前記二次元プロファイル表現をオフセットすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モデル化済みオブジェクトの前記三次元形状を受信することを備え、前記修正することは、前記付加製造工程についての前記モデル化済みオブジェクトの前記三次元形状を準備することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記三次元形状は、前記モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状であり、前記方法は、
前記コンピュータ支援設計プログラムによって、前記モデル化済みオブジェクトについての設計空間、前記モデル化済みオブジェクトについての1つ以上の設計基準を取得することと、
前記コンピュータ支援設計プログラムによって、前記1つ以上の設計基準に従って、前記設計空間内の前記モデル化済みオブジェクトの前記生成的設計済み三次元形状のジオメトリを反復的に変化させることであって、前記反復的に変化させることは、
前記モデル化済みオブジェクトの現在の数値評価を生み出すよう、前記生成的設計済み三次元形状の現在のバージョン及び前記1つ以上の設計基準のうちの少なくとも1つに従って、前記モデル化済みオブジェクトの数値シミュレーションを実行することと、
前記モデル化済みオブジェクトの前記生成的設計済み三次元形状の更新済みバージョンを生み出すよう、前記現在の数値評価に基づいて、前記生成的設計済み三次元形状の前記現在のバージョンを更新することと、
前記モデル化済みオブジェクトの前記生成的設計済み三次元形状の次のバージョンを形成するよう、前記更新済みバージョンに対して前記修正することを行うことと、
予め定義された回数の形状修正反復が実行されるまで、前記設計空間内の前記モデル化済みオブジェクトの前記生成的設計済み三次元形状が前記1つ以上の設計基準を満たすまで、またはその両方まで、少なくとも前記実行すること、前記更新すること、及び前記修正することを繰り返すことと、を含む、前記反復的に変化させることと、
を備えた、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記変更することは、
前記次の離散的レイヤについてのより大きなサイズとされた二次元プロファイルを生み出すよう、前記次の離散的レイヤとの前記オフセット済み二次元プロファイル表現のブール結合を実行することと、
前記より大きなサイズとされた二次元プロファイル及び前記生成的設計済み三次元形状と前記付加製造工程についての構築プラットフォームとの間の距離に基づいて、前記次の離散的レイヤにジオメトリを付加することと、
を備えた、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記変更することは、
前記次の離散的レイヤの外部スケルトンを計算することと、
前記付加製造工程についての最大架橋距離に従って、前記外部スケルトンを膨張させることによって、架橋可能二次元プロファイル表現を生み出すことと、
架橋済み二次元プロファイル表現を生み出すよう、前記オフセット済み二次元プロファイル表現から前記架橋可能二次元プロファイル表現を差し引くことと、
前記次の離散的レイヤについてのより大きなサイズとされた二次元プロファイルを生み出すよう、前記次の離散的レイヤとの前記架橋済み二次元プロファイル表現のブール結合を実行することと、
前記より大きなサイズとされた二次元プロファイルに基づいて、前記次の離散的レイヤにジオメトリを付加することと、
を備えた、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記抽出することは、前記現在の離散的レイヤにおける前記三次元形状から前記二次元プロファイル表現を構築するために補間を使用することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記反復的に変化させることは、前記モデル化済みオブジェクトの前記三次元形状のトポロジを最適化することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記更新することは、前記付加製造工程についての前記最大オーバハング角度を超える表面角度を有する前記生成的設計済み三次元形状の前記現在のバージョンにおける位置ごとに、
前記位置において、前記付加製造工程についての構築プラットフォームに関して、前記生成的設計済み三次元形状を低下させるよう、前記構築方向に従って前記位置における前記現在の数値評価によって示された変更の量を調節することと、
各々の位置における前記調節することに従って、前記三次元形状の前記現在のバージョンを更新することと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記調節することは、スケール因子に従って実行され、前記反復的に変化させることは、前記反復的に変化させることの複数回の反復にわたって、ゼロから非ゼロのターゲット値まで前記スケール因子を増大させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記量は、許容されたオーバハング角度によって設定され、前記オフセットすることは、前記反復的に変化させることの複数回の反復にわたって、第1の角度から前記付加製造工程についての前記最大オーバハング角度まで前記許容されたオーバハング角度を低減させることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記反復的に変化させることは、複数回の反復の各々に対し、前の反復からの前記生成的設計済み三次元形状の前記次のバージョンを前記前の反復からの前記生成的設計済み三次元形状の前記更新済みバージョンと混合することによって、前記モデル化済みオブジェクトの前記生成的設計済み三次元形状の前記現在のバージョンを生み出すことを含み、前記混合することにおいて使用される前記次のバージョンの量は、前記複数回の反復の2回以上の後続の反復の各々において、前記更新済みバージョンの量に対して増大する、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記モデル化済みオブジェクトの前記生成的設計済み三次元形状は、前記モデル化済みオブジェクトの暗黙的な表面のレベルセット表現を含み、前記更新することは、前記現在の数値評価に基づいて前記暗黙的な表面に対して計算された形状変更速度に従って前記レベルセット表現を更新することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記提供することは、
前記モデル化済みオブジェクトの前記生成的設計済み三次元形状を使用して、付加製造機械についてのツールパス仕様を生成することと、
前記ツールパス仕様を使用した前記付加製造機械により、前記物理構造の少なくとも一部分、または前記物理構造についての鋳型を製造することと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
前記製造工程は、鋳造工程または鋳型工程を含み、前記方向は、前記鋳造工程または前記鋳型工程の延伸方向であり、前記オフセットすることは、前記鋳造工程または前記鋳型工程についての最小抜き角に従って判定された量だけ外側に前記二次元プロファイル表現をオフセットすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記量は、前記三次元形状の前記2つ以上の離散的レイヤにまたがって変化する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記製造工程は、2つ以上の側を有する鋳型工程を含み、前記延伸方向は、前記2つ以上の側に対応する2つ以上の延伸方向の第1の延伸方向であり、前記モデル化済みオブジェクトの前記修正済み三次元形状は、前記モデル化済みオブジェクトの出力三次元形状であり、前記抽出すること、前記オフセットすること、及び前記変更することは、第1の修正済み三次元形状を生み出し、前記修正することは、
前記2つ以上の延伸方向の第2の延伸方向に沿った前記三次元形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対し、
第2の現在の離散的レイヤにおける前記三次元形状の第2の二次元プロファイル表現を抽出し、前記第2の二次元プロファイル表現は、前記第2の延伸方向に垂直である平面内に存在し、
前記第2の現在の離散的レイヤの第2のオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するよう、前記量だけ外側に前記第2の二次元プロファイル表現をオフセットし、
前記第2の現在の離散的レイヤの前記第2のオフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、第2の次の離散的レイヤを変更する、
ことによって、第2の修正済み三次元形状を生み出すことと、
前記モデル化済みオブジェクトの前記出力三次元形状を生み出すよう、前記第1の修正済み三次元形状及び前記第2の修正済み三次元形状のブール交差を実行することと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記提供することは、前記1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、前記物理構造を製造する際の使用のために永続的記憶装置に前記モデル化済みオブジェクトの前記三次元形状を保存することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
そこに記憶されたコンピュータ支援設計プログラムの命令を有する非一時的記憶媒体と、
前記コンピュータ支援設計プログラムの前記命令を実行するように構成された1つ以上のデータ処理装置と、を備え、前記命令は、前記1つ以上のデータ処理装置に、
コンピュータ支援設計プログラムによって、モデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状を生み出すよう、製造工程を使用して、それに対して対応する物理構造が作成されることになる、前記モデル化済みオブジェクトの三次元形状を修正することであって、前記修正することは、前記製造工程と関連付けられた方向に沿って前記三次元形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対し、
現在の離散的レイヤにおける前記三次元形状の二次元プロファイル表現を抽出することであって、前記二次元プロファイル表現は、前記製造工程と関連付けられた前記方向に垂直である平面内に存在する、前記抽出することと、
前記現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するよう、前記製造工程と関連付けられた量だけ前記二次元プロファイル表現をオフセットすることと、
前記現在の離散的レイヤの前記オフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、次の離散的レイヤを変更することと、を含む、前記修正することと、
前記コンピュータ支援設計プログラムによって、前記製造工程を採用する1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、前記物理構造を製造する際の使用のために前記モデル化済みオブジェクトの前記修正済み三次元形状を提供することと、を行わせる、
システム。
【請求項20】
1つ以上のデータ処理装置にオペレーションを実行させるように動作可能なコンピュータ支援設計プログラムを符号化した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記オペレーションは、
コンピュータ支援設計プログラムによって、モデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状を生み出すよう、製造工程を使用して、それに対して対応する物理構造が作成されることになる、前記モデル化済みオブジェクトの三次元形状を修正することであって、前記修正することは、前記製造工程と関連付けられた方向に沿って前記三次元形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対し、
現在の離散的レイヤにおける前記三次元形状の二次元プロファイル表現を抽出することであって、前記二次元プロファイル表現は、前記製造工程と関連付けられた前記方向に垂直である平面内に存在する、前記抽出することと、
前記現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するよう、前記製造工程と関連付けられた量だけ前記二次元プロファイル表現をオフセットすることと、
前記現在の離散的レイヤの前記オフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、次の離散的レイヤを変更することと、を含む、前記修正することと、
前記コンピュータ支援設計プログラムによって、前記製造工程を採用する1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、前記物理構造を製造する際の使用のために前記モデル化済みオブジェクトの前記修正済み三次元形状を提供することと、
を備えた、前記非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる「COMPUTER AIDED DESIGN WITH GEOMETRIC FILTERING TO FACILIATET MANUFACTURING」と題し、先の2021年11月17日に出願された米国出願第63/280,530号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本明細書は、付加製造、除去製造、並びに/または他の製造システム及び技術を使用して製造することができる物理構造のコンピュータ支援設計に関連する。
【背景技術】
【0003】
オブジェクトの三次元(3D)表現を生成するためにコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアが開発及び使用されてきており、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)製造技術を使用して、それらのオブジェクトの物理構造の製造を評価、計画、及び制御するためにコンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアが開発及び使用されてきた。典型的には、CADソフトウェアは、境界表現(B-Rep)フォーマットを使用してモデル化されるオブジェクトのジオメトリの3D表現を記憶する。B-Repモデルは、モデル化済み3Dオブジェクトの固体部分と非固体部分との間の境界を規定した接続された表面要素のセットである。B-Repモデル(B-Repと称されることが多い)では、CADプログラム内で作用することが困難であることがある、メッシュモデルの離散的表面及び近似表面とは対照的に、平坦且つ正確な数学的表面を使用して、ジオメトリがコンピュータに記憶される。
【0004】
除去製造システム及び技術と連動してCADプログラムが使用されてきた。除去製造は、ストック材料の部分を切除することによって、ストック材料から3Dオブジェクトが作成される(概して、3Dオブジェクトよりも大きい「ブランク」または「ワークピース」)いずれかの製造工程を指す。そのような製造工程は典型的には、粗化オペレーション、任意選択の準仕上げオペレーション、及び仕上げオペレーションにより開始する、一連のオペレーションにおける複数のCNC機械切断ツールの使用を伴う。CNC機械加工に加えて、他の除去製造技術は、放電機械加工、化学機械加工、水ジェット機械加工などを含む。対照的に、固体自由造形法または3Dプリンティングとしても知られる付加製造は、一連のレイヤまたは断面内の原材料(概して、粉末、液体、懸濁液、または融解溶液)から3Dオブジェクトが構築されるいずれかの製造工程を指す。付加製造の例は、融解フィラメント造形法(FFF)及び選択的レーザー焼結法(SLS)を含む。原材料から3Dオブジェクトを構築するための他の製造技術は、鋳造及び鍛造(高温及び低温の両方)を含む。
【0005】
加えて、設計における1つ以上の部品の3Dジオメトリの自動生成(とりわけ、「トポロジ最適化」、「生成的設計」、または「生成的モデル化」として知られる)を実行するために、CADソフトウェアが設計されてきた。3Dジオメトリのこの自動化生成は、ユーザまたはCADソフトウェアによって規定された「設計ドメイン」内で作用することが多く、典型的には、設計目的を最適化し、ユーザ、CADソフトウェア、または第三者によって定義することができる、設計制約を順守することによって、ジオメトリを生成する。設計目的は、それらに限定されないが、廃棄材料を最小化すること、部品の重みを最小化すること、並びに部品の準拠性、応力、最大質量、負荷の下の最大偏位、または他の固有の特性を最小化することを含むことがあり、より良好な設計に向かって形状合成工程を駆動するために使用される。必須ではないが、設計目的が設計のシミュレーション(線形静的、流体力学、電磁気など)において定着されるのが典型である。設計制約は、いずれかの生成済み設計において満たされるべきである様々な物理特性または振る舞いを含むことがあり(個々の部品またはアセンブリ全体のいずれかに対する要件も許容可能である)、例は、最大質量、負荷の下の最大偏位、最大応力などを含む。
【0006】
例えば、生成済み形状が極めて小さな特徴を有さないこと、または特定の製造工程を使用してより容易に実現されることを保証するために、幾何学的制約も提供されることがある。更に、そのような3Dジオメトリ生成ツールへの幾何学的入力は、1つ以上の、ユーザにより提供されたもしくはCADシステムにより提供された「保存体」(最終設計において材料により充填されるべきである設計空間の容積的領域を示す)、または設計に常に存在するべきある「保存平面」(設計空間と生成済み3Dジオメトリによって接触するべきである近接するコンポーネントとの間の接合を示す)を含むことがある。「保存体」または「保存平面」は、システムの他の部品への接合または境界条件が適用されるべきである(例えば、機械的負荷及び制約)位置を表すことがある。ジオメトリが生成されるべきであり、または生成されるべきでない他の領域も同様に提供されることがある(例えば、ジオメトリが作成されるべきでない場所を示すために「障害体」が使用される)。いくつかのケースでは、形状合成工程は、CADシステムによって採用されるのとは異なるジオメトリの表現を使用して行われる。例えばCADシステムは、境界表現(「B-Rep」)を使用することがあると共に、ジオメトリ生成エンジンは、ボクセルまたは四面体メッシュに埋め込まれたレベルセット関数を採用することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、設計済み部品の物理構造を製造するために必要な支持構造を低減させることによって、付加製造システム及び技術を使用して物理構造の製造を促進するように、物理構造の三次元(3D)モデルが生み出される、生成的設計工程など、製造を促進する技術を使用した物理構造のコンピュータ支援設計に関連する技術を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概して、本明細書において説明される主題の1つ以上の態様は、コンピュータ支援設計プログラムによって、モデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状を生み出すよう、製造工程を使用して、それに対して対応する物理構造が作成されることになる、モデル化済みオブジェクトの三次元形状を修正することであって、修正することは、製造工程と関連付けられた方向に沿って三次元形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対し、現在の離散的レイヤにおける三次元形状の二次元プロファイル表現を抽出することであって、二次元プロファイル表現は、製造工程と関連付けられた方向に垂直である平面内に存在する、抽出することと、現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するよう、製造工程と関連付けられた量だけ二次元プロファイル表現をオフセットすることと、現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、次の離散的レイヤを変更することと、を含む、修正することと、コンピュータ支援設計プログラムによって、製造工程を採用する1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、物理構造を製造する際の使用のためにモデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状を提供することと、を含む、1つ以上の方法(また、データ処理装置にオペレーションを実行させるように動作可能なコンピュータプログラムを有形的に符号化した1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体)において具体化されてもよい。
【0009】
製造工程は、付加製造工程をであってもよい。それらのケースでは、方向は、付加製造工程の構築方向であり、オフセットすることは、付加製造工程についての最大オーバハング角度に従って判定された量だけ内側に二次元プロファイル表現をオフセットすることを含む。
【0010】
いくつかの実装態様では、方法は、モデル化済みオブジェクトの三次元形状を受信することを含んでもよく、修正することは、付加製造工程についてのモデル化済みオブジェクトの三次元形状を準備することを含む。三次元形状は、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状であってもよい。方法は、コンピュータ支援設計プログラムによって、モデル化済みオブジェクトについての設計空間、モデル化済みオブジェクトについての1つ以上の設計基準を取得することと、コンピュータ支援設計プログラムによって、1つ以上の設計基準に従って、設計空間内のモデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状のジオメトリを反復的に変化させることと、を含んでもよい。反復的に変化させることは、モデル化済みオブジェクトの現在の数値評価を生み出すよう、生成的設計済み三次元形状の現在のバージョン及び1つ以上の設計基準のうちの少なくとも1つに従って、モデル化済みオブジェクトの数値シミュレーションを実行することと、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状の更新済みバージョンを生み出すよう、現在の数値評価に基づいて、生成的設計済み三次元形状の現在のバージョンを更新することと、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状の次のバージョンを形成するよう、更新済みバージョンに対して修正することを行うことと、予め定義された回数の形状修正反復が実行されるまで、設計空間内のモデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状が1つ以上の設計基準を満たすまで、またはその両方まで、少なくとも実行すること、更新すること、及び修正することを繰り返すことと、を含んでもよい。
【0011】
次の離散的レイヤを変更することは、次の離散的レイヤについてのより大きなサイズとされた二次元プロファイルを生み出すよう、次の離散的レイヤとのオフセット済み二次元プロファイル表現のブール結合を実行することと、より大きなサイズとされた二次元プロファイル及び生成的設計済み三次元形状と付加製造工程についての構築プラットフォームとの間の距離に基づいて、次の離散的レイヤにジオメトリを付加することと、を含んでもよい。いくつかのケースでは、変更することは、次の離散的レイヤの外部スケルトンを計算することと、付加製造工程についての最大架橋距離に従って、外部スケルトンを膨張させることによって、架橋可能二次元プロファイル表現を生み出すことと、架橋済み二次元プロファイル表現を生み出すよう、オフセット済み二次元プロファイル表現から架橋可能二次元プロファイル表現を差し引くことと、次の離散的レイヤについてのより大きなサイズとされた二次元プロファイルを生み出すよう、次の離散的レイヤとの架橋済み二次元プロファイル表現のブール結合を実行することと、より大きなサイズとされた二次元プロファイルに基づいて、次の離散的レイヤにジオメトリを付加することと、を含んでもよい。いくつかの実装態様では、抽出することは、現在の離散的レイヤにおける三次元形状から二次元プロファイル表現を構築するために補間を使用することを含んでもよい。いくつかの実装態様では、反復的に変化させることは、モデル化済みオブジェクトの三次元形状のトポロジを最適化することを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実装態様では、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状の更新済みバージョンを生み出すよう、現在の数値評価に基づいて、生成的設計済み三次元形状の現在のバージョンを、3D形状のジオメトリを反復的に変化させることの一部として更新することは、付加製造工程についての最大オーバハング角度を超える表面角度を有する生成的設計済み三次元形状の現在のバージョンにおける位置ごとに、位置において、付加製造工程についての構築プラットフォームに関して、生成的設計済み三次元形状を低下させるよう、構築方向に従って位置における現在の数値評価によって示された変更の量が調節されることと、各々の位置における調節することに従って、三次元形状の現在のバージョンが更新されることと、を含んでもよい。いくつかの実装態様では、調節することは、スケール因子に従って実行されてもよく、反復的に変化させることは、反復的に変化させることの複数回の反復にわたって、ゼロから非ゼロのターゲット値までスケール因子を増大させることを含む。いくつかの実装態様では、量は、許容されたオーバハング角度によって設定されてもよく、オフセットすることは、反復的に変化させることの複数回の反復にわたって、第1の角度から付加製造工程についての最大オーバハング角度まで許容されたオーバハング角度を低減させることを含む。
【0013】
いくつかの例では、1つ以上の設計基準に従って、設計空間内のモデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状のジオメトリを反復的に変化させることは、複数回の反復の各々に対し、前の反復からの生成的設計済み三次元形状の次のバージョンを前の反復からの生成的設計済み三次元形状の更新済みバージョンと混合することによって、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状の現在のバージョンを生み出すことを含んでもよく、混合することにおいて使用される次のバージョンの量は、複数回の反復の2回以上の後続の反復の各々において、更新済みバージョンの量に対して増大する。
【0014】
いくつかの実装態様では、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状は、モデル化済みオブジェクトの暗黙的な表面のレベルセット表現を含んでもよく、更新することは、現在の数値評価に基づいて暗黙的な表面に対して計算された形状変更速度に従ってレベルセット表現を更新することを含む。
【0015】
いくつかの実装態様では、製造における使用のためにモデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状を提供することは、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状を使用して、付加製造機械についてのツールパス仕様を生成することと、ツールパス仕様を使用した付加製造機械により、物理構造の少なくとも一部分、または物理構造についての鋳型を製造することと、を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実装態様では、製造工程は、鋳造工程または鋳型工程を含み、方向は、鋳造工程または鋳型工程の延伸方向であり、オフセットすることは、鋳造工程または鋳型工程についての最小抜き角に従って判定された量だけ外側に二次元プロファイル表現をオフセットすることを含む。
【0017】
いくつかの実装態様では、二次元プロファイルをオフセットするための量は、三次元形状の2つ以上の離散的レイヤにまたがって変化してもよい。
【0018】
いくつかの実装態様では、製造工程は、2つ以上の側を有する鋳型工程を含み、延伸方向は、2つ以上の側に対応する2つ以上の延伸方向の第1の延伸方向であり、モデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状は、モデル化済みオブジェクトの出力三次元形状であり、抽出すること、オフセットすること、及び変更することは、第1の修正済み三次元形状を生み出す。それらの実装態様では、修正することは、2つ以上の延伸方向の第2の延伸方向に沿った三次元形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対し、第2の現在の離散的レイヤにおける三次元形状の第2の二次元プロファイル表現を抽出し、第2の二次元プロファイル表現は、第2の延伸方向に垂直である平面内に存在し、第2の現在の離散的レイヤの第2のオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するよう、量だけ外側に第2の二次元プロファイル表現をオフセットし、第2の現在の離散的レイヤの第2のオフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、第2の次の離散的レイヤを変更する、ことによって、第2の修正済み三次元形状を生み出すことと、モデル化済みオブジェクトの出力三次元形状を生み出すよう、第1の修正済み三次元形状及び第2の修正済み三次元形状のブール交差を実行することと、を含んでもよい。
【0019】
いくつかの実装態様では、製造における使用のためにモデル化済みオブジェクトの修正済み三次元形状を提供することは、1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、物理構造を製造する際の使用のために永続的記憶装置にモデル化済みオブジェクトの三次元形状を保存することを含む。
【0020】
本明細書において説明される主題の1つ以上の態様は、そこに記憶されたコンピュータ支援設計プログラムの命令を有する非一時的記憶媒体と、本明細書で説明される1つ以上の方法のいずれかを実行するようコンピュータ支援設計プログラムの命令を実行するように構成された1つ以上のデータ処理装置とを含む1つ以上のシステムにおいても具体化されてもよい。
【0021】
本明細書において説明される主題の特定の実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を実現するように実装されてもよい。生成的設計工程は、オーバハング制約を目標とすることなどによって、付加製造に良好に適合した形状を生み出し、コスト効率的な付加製造に対して必要とされる考慮事項を支持するように適合されてもよい。必要な支持構造の量を低減させるよう生成済み部品設計を修正することによって、部品についての付加製造工程がより安価且つ単純にされる。フィルタのペア(生成的モデル化済み形状に対して異なって動作する)が最適化手順に適用されてもよく、それらのフィルタは、使用されることになる付加製造工程よって課されたオーバハング制約に違反する3Dモデルにおけるジオメトリの量を低減させることによって、支持構造をあまり必要としない形状を奨励する。付加製造性、及び部品に対するそれらの形状の表面の品質(部品の付加製造の間に使用されるいずれかの支持構造の除去の後の)に関して、トポロジ最適化におけるオーバハング角度制御への慣習的なアプローチと比較して、部品の結果として生じる形状(生成的設計工程からの)の品質を改善することができる。オブジェクトの3D形状の修正は、鋳造工程及び鋳型工程などの他の製造工程に良好に適合した形状を生み出すために使用されてもよい。修正は、他の実施例の中で、製造するのにより容易であり、高品質のものであり、事後処理のために少ないリソースと関連付けられた形状を生成するよう、片面または両面鋳造工程または鋳型工程に合うように調節されてもよい。
【0022】
本明細書において説明される主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明において示される。発明の他の特徴、態様、および利点が、説明、図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】付加製造、除去製造、並びに/または他の製造システム及び技術を使用して製造を促進するように適合した物理構造を生み出すよう、生成的設計の間にジオメトリフィルタリング及び/またはシミュレーション結果フィルタリングを実行するために使用可能なシステムの実施例を示す。
【
図1B】付加製造工程を使用して物理構造を製造することに適合したジオメトリフィルタリングによる生成的設計の工程の実施例を示す。
【
図1C】オーバハングした「張り出し」課題と関連付けられた融解フィラメント造形法の工程の実施例を示す。
【
図1D】表面法線及び付加製造工程の構築方向に関連するオーバハング角度の実施例を示す。
【
図2A】付加製造工程の間に設計済み部品の物理構造を製造するために必要な支持構造を低減させる(または、取り除く)部品の新たな3Dモデルを生み出す、ジオメトリフィルタリングに基づいた生成的設計の修正のための工程の実施例を示す。
【
図2B】付加製造工程による物理構造を製造するための最適化に適切である1つ以上の制約(例えば、質量、最大応力、及び製造性)に従って、適化済み設計を生み出すよう、最適化ループの連続した反復を通じて修正されるモデル化済みオブジェクトの3D形状を提供する工程の実施例を示す。
【
図2C】オブジェクトの形状境界の移動を判定してその製造性を改善するよう形状の進化を調節するために、シミュレーション結果フィルタリング(例えば、移流速度フィルタリング)を適用することによって、モデル化済みオブジェクトの3D形状を生成する工程の実施例を示す。
【
図3】付加製造工程と互換性を有する3Dモデルを生み出すことを奨励するよう、製造工程と関連付けられた方向に沿って定義された三次元形状の離散的レイヤにおけるプロファイル表現をオフセットすることによって、レイヤにおけるモデル化済みオブジェクトの3D形状を修正する工程の実施例を示す。
【
図4】オブジェクトの製造性を改善するために使用することができる出力多角形メッシュを生成する、生成的設計の間のシミュレーション結果フィルタリング(例えば、移流速度フィルタリング)に基づいたオブジェクトの入力多角形メッシュの反復的トポロジ最適化の工程の実施例を示す。
【
図5】高い曲率のケースではプロファイルを生成し、製造における使用のためのオブジェクトの修正済み三次元形状を提供するためにジオメトリフィルタリングを適用することによって、オブジェクトの3D形状を修正する工程の実施例を示す。
【
図6】製造における使用のためのオブジェクトの修正済み三次元形状を提供するためにジオメトリフィルタリングを適用することによって、ボックスの三次元形状を修正する工程の実施例を示す。
【
図7A】付加製造工程により製造するときに使用される必要がある最小化された支持材料により修正済み3D形状を生成するためにジオメトリフィルタを適用する前及び後の3D形状の実施例を示す。
【
図7B】付加製造工程により製造するときに使用される必要がある最小化された支持材料により修正済み3D形状を生成するためにジオメトリフィルタを適用する前及び後の3D形状の実施例を示す。
【
図7C】付加製造工程により製造するときに使用される必要がある最小化された支持材料により修正済み3D形状を生成するためにジオメトリフィルタを適用した後に生成された、切断図において提示される、3D形状の実施例を示す。
【
図8】オーバハングしたジオメトリの領域内の架橋効果を考慮することによるジオメトリフィルタリング及び架橋効果を考慮しないジオメトリフィルタリングを使用することによって、製造物理構造に適合した出力3D形状を生成する工程の実施例を示す。
【
図9】鋳造工程についての最小抜き角に従って判定された量だけ二次元プロファイル表現を外側にオフセットすることを含む鋳造工程の実施例を示す。
【
図10A】付加製造のための設計を準備するためにジオメトリフィルタリング及び速度フィルタリングを適用するときに付加オーバハング制約を適用し、または適用しないことのいずれかによって生成されたGEブラケットオブジェクトの3D形状の比較結果を示す。
【
図10B】付加製造のための設計を準備するためにジオメトリフィルタリング及び速度フィルタリングを適用するときに付加オーバハング制約を適用し、または適用しないことのいずれかによるトリプルクランプオブジェクトの3D形状の比較結果を示す。
【
図11】クライアントまたはサーバとしてプログラムすることができる、データ処理装置を含むデータ処理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
様々な図面における同様の番号及び指定は、同様の要素を指す。
【0025】
図1Aは、付加製造、除去製造、並びに/または他の製造システム及び技術を使用した製造に適合した物理構造を生み出すよう生成的設計の間にジオメトリフィルタリング及び/またシミュレーション結果フィルタリングを実行するために使用可能なシステムの実施例を示す。コンピュータ110は、プロセッサ112及びメモリ114を含み、コンピュータ110は、ネットワーク140に接続されてもよく、ネットワーク140は、プライベートネットワーク、パブリックネットワーク、仮想プライベートネットワークなどであってもよい。プロセッサ112は、各々が複数のプロセッサコアを含むことができる、1つ以上のハードウェアプロセッサであってもよい。メモリ114は、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びフラッシュRAMなど、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含んでもよい。コンピュータ110は、様々なタイプのコンピュータ記憶媒体及びデバイスを含んでもよく、様々なタイプのコンピュータ記憶媒体及びデバイスは、三次元(3D)モデル化関数を実装し、生成的設計工程の間に使用可能な数値シミュレーション及びジオメトリフィルタリングによるトポロジ最適化(例えば、説明されるような少なくとも1つのレベルセット方法を使用した)または数値シミュレーション及びジオメトリフィルタリングなしのトポロジ最適化のため1つ以上の生成的設計工程を含む、コンピュータ支援設計(CAD)プログラム(複数可)116を含む、プロセッサ112上で稼働するプログラムの命令を記憶するためのメモリ114を含んでもよい。
【0026】
いくつかの例では、本明細書において説明されるシステム及び技術によって実行される数値シミュレーションは、1つ以上の物理特性をシミュレートすることができ、モデル化済みオブジェクトの物理応答(例えば、構造的応答)の数値評価を生み出すために、1つ以上のタイプのシミュレーションを使用することができる。例えば、線形静的有限要素分析(FEA)、有限差分法(複数可)、及び材料ポイント法(複数可)を含むFEAが使用されてもよい。更に、物理特性のシミュレーションは、計算流体力学(CFD)、音響/雑音制御、熱伝導、計算射出成形、電気もしくは電磁気束、及び/または材料固化(成形工程における相変化に有用である)シミュレーションを含んでもよい。その上、CADプログラム(複数可)116は、製造の間のクランピングを支持する孔及び/もしくは取り付け具生成技術、並びに/または製造制御関数を潜在的に実装することができる。
【0027】
本明細書で使用されるように、CADは、プログラムが製造機器とインタフェースすることが可能であるか否か、及び/またはプログラムが製造機器を制御することが可能であるか否かに関わらず、設計要件を満たす物理構造を設計するために使用されるいずれかの適切なプログラムを指す。よって、CADプログラム(複数可)116は、コンピュータ支援エンジニアリング(CAE)プログラム(複数可)、コンピュータ支援製造(CAM)プログラム(複数可)などを含んでもよい。プログラム(複数可)116は、コンピュータ110上でローカルに、1つ以上のリモートコンピュータシステム150(例えば、ネットワーク140を介してコンピュータ110によってアクセス可能な1つ以上の第三者プロバイダの1つ以上のサーバシステム)のコンピュータ上でリモートに、またはローカル及びリモートの両方で稼働してもよい。よって、コンピュータ110においてローカルに動作する1つ以上のプログラム116が、1つ以上のコンピュータ150上の1つ以上のプログラム116にオフロード済み処理オペレーションを実行させることによって、「クラウドに」処理オペレーション(例えば、生成的設計及び/または数値シミュレーションオペレーション)をオフロードすることができる点で、CADプログラム116は、2つ以上の別個のコンピュータプロセッサ上で協調して動作する2つ以上のプログラムであってもよい。いくつかの実装態様では、全ての生成的設計オペレーションは、ローカルコンピュータ上で稼働する形状表現モデラ(例えば、B-Repモデラ)においてではなく、クラウドにおいて、1つ以上のプログラムによって稼働する。その上、いくつかの実装態様では、生成的設計プログラム(複数可)は、グラフィカルユーザインタフェースを通じたユーザ入力なしに、プログラムによって呼び出されたAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)からクラウドにおいて稼働してもよい。
【0028】
CADプログラム(複数可)116は、コンピュータ110の1つ以上の入力デバイス118(例えば、キーボード及びマウス)を使用して動作することができる、コンピュータ110のディスプレイデバイス120上でユーザインタフェース(UI)122を提示する。
図1Aでは別個のデバイスとして示されるが、ディスプレイデバイス120及び/または入力デバイス118はまた、相互に、及び/またはタブレットコンピュータなどのコンピュータ110と統合されてもよい(例えば、タッチスクリーンは、入力/出力デバイス118、120であってもよい)ことに留意されよう。その上、コンピュータ110は、仮想現実(VR)システム及び/もしくは拡張現実(AR)システムを含んでもよく、またはそれらの一部であってもよい。例えば、入力/出力デバイス118、120は、VR/AR入力グルーブ118a及び/またはVR/ARヘッドセット120aを含んでもよい。いずれかのケースでは、ユーザ160は、3Dモデルドキュメント(複数可)130に記憶することができる、3Dモデル(複数可)を作成及び修正するために、CADプログラム(複数可)116と相互作用する。
【0029】
初期3Dモデル132は、生成的設計工程への入力であってもよい。いくつかの実装態様では、開始形状(または、「シードジオメトリ」)は、1つ以上の保存体を含んでもよい。例えば、3Dモデル132は、それに関して定義された境界制約を有する様々な保存体であってもよく、生成的設計についてのシードジオメトリは、保存体132の凸包として形成されてもよく、入力保存ジオメトリ132は、結合されていないモデル化済み固体であってもよく、生成的設計工程は、入力保存固体を接続する新たな3Dジオメトリを生み出すために使用される。概して、生成的設計についての設計空間131は、入力モデル132についての包含立体もしくは凸包を判定することによって取得されてもよく、または空間のボリュームである設計空間を取得するために別の技術が使用されてもよく、空間のボリュームの内側で、トポロジ最適化の間に部品が設計されることになる。いくつかのケースでは、ユーザは、設計空間131を明示的に規定することができる。
【0030】
いくつかの実装態様では、ユーザ160は、開始3Dモデルから所望の3Dモデルを生み出すよう、生成的設計工程についてのトポロジ最適化問題を定義することができ、または入力は、特定の開始3Dモデルを有さない設計空間であってもよい。概して、入力設計空間は、自動で生成されてもよく、またはユーザにより規定されてもよい。生成的設計工程自体が、設計空間内で開始ジオメトリを生み出すことができることに留意されよう。生成的設計のトポロジを修正するように形状進化の開始において孔を導入するために、生成的設計工程への入力として1つ以上のシードモデルが使用されてもよい。
【0031】
いくつかの実装態様では、形状を修正して付加製造ツール(例えば、3Dプリンタ)により部品を製造するために使用される必要がある支持材料を最小化するようオーバハング角度フィルタを実装することによって、付加製造のために生成的設計工程または生成的モデル化を使用して作成されたモデル化済みオブジェクトの形状を改善することができる。3D形状の修正は、それをより自己支持させると共に、付加製造の間に外部支持材料を必要とする領域を低減させるよう、製造済み部品設計における材料の配置を調節することができる。
【0032】
本明細書で説明されるように、CADプログラム(複数可)116は、少なくとも1つの生成的設計工程を実装し、少なくとも1つの生成的設計工程は、CADプログラム(複数可)116が、設計目的(複数可)及び設計制約(複数可)、すなわち、設計基準に基づいて、3Dモデルの1つ以上の部分(または、3Dモデルの全体)を自動で生成することを可能にし、幾何学的設計は、シミュレーションフィードバックに基づいて(例えば、数値シミュレーションに基づいて)反復的に最適化されてもよい。いくつかの例では、複数の3Dモデルは、1つ以上の生成的設計工程によって同時に作成されてもよく、新たな3Dモデルを形成するよう組み立てられてもよい。本明細書で使用されるように、「最適化」(または、「最適」)は、全てのケースにおいて全ての可能な設計の最良が達成されることを意味しないが、むしろ、利用可能な処理リソースを仮定して、配分された時間内に生成することができる可能な設計の有限セットから最良の(または、ほぼ最良の)設計が選択されることを意味することに留意されよう。
【0033】
設計基準は、ユーザ160によって、または別の当事者によって定義されてもよく、CADプログラム(複数可)116にインポートされてもよい。設計基準は、物理学/物理応答シミュレーションによりまたは物理学/物理応答シミュレーションなしに、反復的数値シミュレーション工程を使用して形状(任意選択で、トポロジ)進化を駆動する幾何学的目的を含んでもよい。設計基準はまた、3Dモデルの構造の進化の物理学目的を含んでもよい。例えば、幾何学的目的は、3Dモデルの疑似物理応答に対応してもよい。いくつかの実装態様では、生成的設計工程は、境界条件と関連付けることができる、構造的生成的設計工程であってもよく、境界条件は、物理構造の使用中負荷ケース(複数可)を規定することができる。いくつかの例では、境界条件は、圧力境界条件及び速度境界条件であってもよい。
【0034】
いくつかの実装態様では、設計基準は、個々の部品についての構造的整合性制約(例えば、部品の使用の間に予測された構造的荷重を部品が下回らないはずである要件)及びより大きなシステムによって課された物理制約(例えば、使用の間にシステム内の他の部品(複数可)と干渉しないように規定されたボリューム内に部品が包含される要件)を含んでもよい。
【0035】
様々な生成的設計工程が使用されてもよく、それらは、3Dモデルの少なくとも一部の形状及びトポロジを最適化することができる。CADプログラム(複数可)116による3Dモデル(複数可)の幾何学的設計の最適化は、トポロジ最適化を伴い、トポロジ最適化は、設計制約の影響を受ける(例えば、制約としてのボリュームへの構造的準拠性)目的関数を最小化することによって材料の最適な分布が判定される軽量化の方法である。2つの主要なカテゴリのトポロジ最適化、密度に基づくアプローチ、及び境界に基づくアプローチが存在する。密度に基づくアプローチは、部品のボリュームを離散化し、ペナルティ付きの固体等方性材料(SIMP)方法などにおいて、密度を各々の離散的セルに割り当てる。次いで、密度は、固体及び空所に向かって駆動されると共に、制約の影響を受ける目的(複数可)を最小化する。境界に基づくアプローチは代わりに、レベルセット法などにおいて、制約が満たされ、目的(複数可)が最小化されるように、固体部品の外部接合の形状を追跡し、境界を移動させる。
【0036】
本明細書で説明されるように、トポロジ最適化の間のフィルタリングは、物理構造の製造を促進する設計についての最終的な形状を生み出すよう、生成的設計工程をガイドすることができる。付加製造は、製造を実行するために外部支持構造を必要とするオーバハングした領域の効果に関連する考慮事項と関連付けられる。最小支持構造により製造することができる設計は、作成するのにより安価且つ容易である。外部支持構造を必要とするオーバハングした領域を低減させ、または取り除くことは、付加製造工程により製造するためのモデルの3D形状を定義するときの考慮事項である。
【0037】
いくつかの例では、そのようなフィルタリングは、付加製造のために提供されるときの最終的な形状の製造性を改善するよう、オーバハング角度最適化に基づいて実行されてもよい。設計されたオブジェクトは、所与の付加製造工程の間にどの領域が他に外部支持構造を必要とするかの、その付加製造工程と関連付けられたオーバハング角度を越えるオーバハングした領域を低減させ、または取り除く修正済み形状を定義するよう、オブジェクトの3D形状を調節するように修正されてもよい。
【0038】
いくつかの実装態様では、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み3D形状は、オブジェクトの生成的モデル化の間に使用されるレベルセット表現を有する。オブジェクトの生成的設計済み3D形状は、数値シミュレーション評価に基づいて形状変更速度に従って、レベルセット表現を更新するようトポロジ最適化を使用して変化してもよい。トポロジ最適化の間にモデル化済みオブジェクトの形状の境界を追跡するために、レベルセット表現方法が使用されてもよく、それは、境界の正確な知識を提供し、再メッシュ化についての必要性なしに表面が進化するにつれてトポロジ変化を可能にする利点を有する。いずれかのケースでは、形状合成工程は、3Dモデル化のためにCADプログラム(複数可)116によって採用されるのとは異なるジオメトリの表現を使用して行われてもよい(及び、行われることが多い)ことに留意されよう。例えば、CADプログラム(複数可)116は、入力ジオメトリ132についてのB-Repモデルを使用することができると共に、生成的設計工程におけるジオメトリ生成エンジン(例えば、CADプログラム(複数可)116)は、ボクセルまたは四面体メッシュに埋め込まれたレベルセット関数を採用することができる。生成的設計工程に関する更なる詳細は、
図1B、2B、及び2Cなどと関連して以下に提供される。
【0039】
ユーザ160が生成的設計済み3Dモデルに満足すると、3Dモデルは、3Dモデルドキュメント130として記憶されてもよく、及び/またはモデルの別の表現(例えば、製造工程についてのツールパス仕様)を生成するために使用されてもよい。これは、ユーザ160による要求があると、あるいは製造機械、例えば、押出付加製造(AM)170などのAM機械、または示されるように、コンピュータ110に直接接続することができ、もしくはネットワーク140を介して接続することができる他の製造機械装置に、生成的設計済み3Dモデルを送信することなどの別のアクションについてのユーザの要求に鑑みて行われてもよい。これは、生成済み3Dモデルを更に処理し(例えば、付加製造工程と関連付けられた考慮事項に基づいて)、それから製造するための電子ドキュメントに3Dモデルをエクスポートするために、例えば、クラウドにおいて稼働するクラウドサービスを起動することに基づいて、ローカルコンピュータ110上でまたは外部で実行される事後工程を伴ってもよい。電子ドキュメント(簡潔にするために、単純にドキュメントと称される)は、ファイルであってもよいが、必ずしもファイルに対応しないことに留意されよう。ドキュメントは、他のドキュメントを保持するファイルの一部に、対象のドキュメントに専用の単一のファイルに、または複数の協調されたファイルに記憶されてもよい。加えて、ユーザ160は、後の使用のために3Dモデルを保存または伝送することができる。例えば、CADプログラム(複数可)116は、生成済み3Dモデルを含むドキュメント130を記憶することができる。
【0040】
CADプログラム(複数可)116は、ストック材料から完全構造138を作成するために、製造機械170にドキュメント135(適切なフォーマットのツールパス仕様を有する)を提供することができ、物理構造138は、最適化済みトポロジ、及び製造、例えば、示されるような付加製造を促進する形状を含む。付加製造は、例えば、コンピュータ制御の下で構築ボリュームの内側で材料の増分的付加を通じて、デジタル設計を物理部品に変換することを含む。いくつかの付加製造工程では、部品の底部から開始して、上方向に作用して、部品はレイヤごとに付加されてもよい。
【0041】
いくつかの実装態様では、製造機械170は、典型的にはストック材料の固体ブロックにより開始し、ストックから材料を徐々に除去する除去製造工程を実行することができる除去機械を含んでもよい。共通除去アプローチの1つは、材料を除去するために、「ツール」または「ビット」としても知られる、回転カッタまたはルータを使用するミリングである。ミリング機械が部品を強固に保持することが必要であり、回転ビットが干渉なしに材料表面にアクセスすることが必要であることを理由に、ミリング工程は、製造することができる形状のタイプを制限することができる。考慮されるべき他の重要な考慮事項は、材料除去の間の部品の振動、及びミリング工程によるビット自体に対する応力である。
【0042】
いくつかの実装態様では、CADプログラム116における生成済み3Dモデルは、製造機械170の1つの製造機械へ、その後、付加製造によって作成された構造に対して事後処理を実行するための除去機械への付加製造のために最初に提供されてもよい。付加製造を使用して部品を製造するために、単一のオブジェクトについての異なる3Dモデルが利用可能であってもよい。付加製造を実行し、付加製造のオーバハングした角度制限を克服するために、異なる3Dモデルが支持材料についての異なる要件と関連付けられてもよい。いくつかの実装態様では、生成的設計済み3Dモデルに基づいて製造済みオブジェクトに対する自己支持をもたらすことができる3Dモデルの設計に追加の材料を組み込むことによって(ジオメトリオーバハング角度フィルタを適用することによりオブジェクトの形状を修正することによって)、外部支持材料(すなわち、オブジェクトの3Dモデルに基づいて、オブジェクトを支持するために、製造済みオブジェクトとは外側で生み出された追加の構造)に対する必要性を最小化するために、3Dモデルが生成されてもよい。そのような自己支持は、外部支持材料に対する必要性を低減させることができ、または取り除くことさえすることができる。
【0043】
例えば、円形ビーム132が物理構造138Aとして製造されることになるケースでは、ビーム(
図1Aにおける断面に示される)が付加製造の間に使用される構築板をオーバハングするので、外部支持構造139Aが必要とされる。支持構造139Aの量を低減させる1つの様式は、構築板により近くになるようにビームを低下させることである。これは、外部支持構造139Aのボリュームを低減させるが、生成的設計工程の間に非常に厳格に施行される場合に、設計の性能にも影響を与える。それにも関わらず、生成的設計モデル化の間に部品設計を低下させる傾向があるフィルタを提供することは、外部支持材料要件を低減させることに役立つ。
【0044】
支持構造の量を低減させる別の様式は、オーバハング角度に違反する領域のサイズを最小化するようビームの断面を変更することである。示されるように、ボールではなくバルーン(または、反転したティアドロップ)のように見えるよう(断面において)物理構造138が再形状付けられており、それは、外部支持構造139のボリューム全体を著しく低減させる。その上、部品138と支持構造139との間の接触エリアも著しく低減させることに留意されるべきである。支持構造139が取り外される必要があるエリアが少ないこと、及び取り外した後、更に処理される必要がある場合がある部品138の表面エリアが少ないこと(例えば、取り外しのポイントにおいてバリ及び不備を除去する、仕上げの、除去製造工程の使用)の両方であるので、これは、付加製造工程が完了した後に外部支持構造139を除去することになるときに利点をもたらす。この反転されたティアドロップ形状断面をビーム及び他の構造に適用する工程の実施例は、以下で更に詳細に説明される。
【0045】
様々な実装態様では、システム100のCADプログラム(複数可)116は、本明細書において説明されるような1つ以上の生成的設計工程を実装することができる。生成的設計工程は、最適な幾何学的形状、トポロジ、またはその両方を模索する。例えば、生成的設計工程は、
【0046】
【0047】
【0048】
になるような制約に影響される性能関連目的関数を最小化することによって、代替的な設計の中で最適な幾何学的形状を模索し、sは、ドメインの幾何学的形状に関連する設計変数のベクトルであり、uは、sに依存した状態変数(例えば、変位)のベクトルである。追加の制約(例えば、平衡)は、セットgiによって表される。簡単にするために、ここでは等式制約が想定される。式(1)を最小化するために使用される数学的プログラミング方法は、勾配に基づいたもの、または勾配に基づかないものであってもよい。勾配に基づく方法(勾配に基づかない方法に対する)は、設計感度と関連付けられたより多くの情報、例えば、設計変数に関して性能関連目的関数の派生である、
【0049】
【0050】
を全体的に使用する。レベルセットに基づくトポロジ最適化方法では、sは、固体領域の境界を表す。
図1Bは、付加製造工程を使用して物理構造を製造することに適合したジオメトリフィルタリングによる生成的設計の工程175の実施例を示す。175Aにおいて、1つ以上の設計基準を含むオブジェクトについての設計空間は、生成的3Dモデルを生み出す際の使用のための、
図1AのCADプログラム(複数可)116などのCADプログラムによって取得されてもよい。モデル化済みオブジェクトについての設計空間は、その内側で部品が設計されることになるボリュームである。設計空間は、オブジェクトについての3Dトポロジの1つ以上の外部形状の初期仕様を包含した包含した境界ボリュームを含んでもよい。上述したように、設計空間は、説明された生成的設計工程の最適化ドメインのサブ空間としての役割を果たす、CADプログラム(複数可)116において設計され、もしくはCADプログラム(複数可)116にロードされる、3Dモデル(複数可)、並びに/または生成的設計ジオメトリを生み出すための境界条件を規定するために使用される、入力固体のセット、例えば、保存体、例えば、より大きな3Dモデルもしくは別個の3Dモデル(複数可)内の他のコンポーネントとの接続ポイント(複数可)としての使用のために保存されるサブ空間(複数可)を規定するためにUI122などのユーザインタフェースを通じてユーザによって選択されるB-Repを含んでもよい。
【0051】
設計基準は、オブジェクトについての設計目的(複数可)及び設計制約(複数可)を含んでもよい。設計目的は、それらに限定されないが、廃棄材料を最小化すること、部品の重量を最小化すること、部品の準拠性、応力、または他の固有の特性を最小化することを含んでもよく、より良好な設計に向けた形状合成工程を駆動するために使用される。必須ではないが、設計目的が設計のシミュレーション(線形静的、流体力学、電磁気など)において定着されるのが典型である。設計制約は、いずれかの生成済み設計において満たされるべきである様々な幾何学的特性及び物理特性または振る舞いを含んでもよく(個々の部品またはアセンブリ全体のいずれかに対する要件も許容可能である)、例は、最大質量、負荷の下での最大偏位、最大応力などを含む。
【0052】
設計基準はまた、形状についての幾何学的目的及び幾何学的制約を含んでもよい。幾何学的制約は、製造するのにより容易である形状を提供するよう形状の特定の特性を保証するために、ユーザによって、またはCADプログラム(複数可)116から設けられてもよい。例えば、生成済み形状が極めて小さな特徴を有さないことができることを保証するために、幾何学的制約が定義されてもよい。入力ジオメトリは、システムの他の部品への接合を表すように設計に存在するべきであり、またはどの境界条件が適用されるべきかの位置(例えば、機械的負荷及び制約)を識別するべきである「保存体」についての詳細を含むことができる。
【0053】
更に設計パラメータ及び設計変数の異なる組み合わせを使用することによって、異なる生成的設計工程が定式化されてもよい。いくつかの実装態様では、設計パラメータは、システム100におけるCADプログラム(複数可)によって利用可能とされた異なる生成的設計合成方法の中での選択など、UI122を通じて受信された様々なタイプの入力を含んでもよい。いくつかの実装態様では、利用可能な生成的設計合成方法は、トポロジ最適化のための基本的なレベルセット方法を提供するレベルセットに基づくトポロジ最適化を含んでもよい。他の生成的設計合成方法も可能であり、システム100におけるCADプログラム(複数可)116によって提供されてもよい。ユーザ160からの入力に応答して、例えば、CADプログラム(複数可)116によって、設計パラメータ及び設計変数の異なる組み合わせが使用されてもよい。例えば、ユーザ160は、単一の3Dモデル内のそれぞれの異なる設計空間内で使用するよう、異なる生成的設計合成方法を選択してもよい。
【0054】
更に、取得された(175A)1つ以上の設計基準は、生成的設計済み部品から製造されることになる物理構造についての1つ以上の使用中負荷ケース(例えば、1つ以上の使用中負荷ケースを規定した1つ以上の境界条件)を含んでもよい。1つ以上の使用中負荷ケースは、数値シミュレーションのためのセットアップ、例えば、生成的に設計される部品の最適化済み3Dトポロジにより使用されることになるFEAモデルにおける要素の密度と関連付けられてもよい。しかしながら、本明細書で使用されるように、「使用中負荷ケース」は、その下で部品性能が評価される負荷及び制約の別個のグループを全体的に差し、流量シミュレーション、電磁気(EM)振る舞いシミュレーション、マルチフィジックスシミュレーションなど、様々なタイプの物理学シミュレーションのための境界条件の1つ以上のセットに対応する。よって、様々なタイプの境界条件、例えば、圧力境界条件及び/または速度境界条件が使用されてもよい。
【0055】
概して、数値シミュレーションのためのセットアップは、シミュレートされることになる1つ以上の物理特性及び実行されることになる1つ以上のタイプのシミュレーションと共に、潜在的な代理モデル化または近似の他の方法を含んでもよい。いくつかの実装態様では、プログラムの全ての使用に対し、またはそれから生成的設計工程が開始されたプログラムにおける特定のコンテキストを仮定してのいずれかで、数値シミュレーションのタイプが予め定義される。更に、数値シミュレーションのためのセットアップは、少なくとも1つの荷重条件のセット、及び/または実行されることになる数値シミュレーションのタイプと関連付けられた他の物理環境情報を含んでもよい。
【0056】
規定された生成的設計空間及び設計基準により、175Bにおいて、1つ以上の生成的設計工程を使用して、例えば、CADプログラム(複数可)116によって1つ以上の3Dモデル(複数可)が生み出されてもよい。いくつかの実装態様では、生み出された3Dモデル(複数可)は、付加製造、除去製造(例えば、2.5軸除去製造工程を使用して製造された)、並びに/または他の製造システム及び技術における使用のために設計されてもよい。
【0057】
例えば、CADプログラム(複数可)116によって実行される1つ以上の生成的設計工程は、トポロジ最適化の境界に基づく生成的設計工程(例えば、レベルセット方法を使用した)、密度に基づく生成的設計工程(例えば、SIMP方法を使用した)、またはその両方を含んでもよい。いくつかの実装態様では、1つ以上の生成的設計工程は、説明されたレベルセット方法を使用してもよく、式(1)、(2)、及び(3)からのsは、バックグラウンドグリッドまたはメッシュに対するサンプリングされた値をして記憶することができる、1つ以上のレベルセットを使用して暗黙的に表される固体領域の境界を表す。符号付き距離フィールドは、そのようなレベルセット関数の例であり、ゼロ輪郭は、形状境界を表し、関数の正の値は、材料ドメインの外側のポイントに対応し、ポイントと最も近いドメイン表面との間の距離を定量化し、負の値は、材料ドメインの内側のポイントに対応し、ポイントと最も近いドメイン表面との間の距離を定量化する。レベルセットに基づくトポロジ最適化方法では、構造の外部形状は、レベルセット関数の輪郭によって表され、形状及び構成における変更は、レベルセット関数値における変更によって表される。
【0058】
いずれかのケースでは、3Dモデル(複数可)を生み出すこと(175B)は、例えば、CADプログラム(複数可)116によって、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み3D形状を反復的に修正することを伴う。これは、3D形状のジオメトリを修正すること(例えば、SIMPまたはレベルセット方法により)、及び3D形状のトポロジを修正すること(例えば、裂傷なく持続的な変形によって影響されない表面の空間特性を修正するために孔または空洞を付加し、よって、3Dモデルにおいて形状要素がどのように境界付けられ、接続されるかを変更すること)の両方を含む。いくつかの実装態様では、3Dモデル(複数可)を生み出すこと(175B)は、外部支持構造に対する要件を低減させ、または取り除くことにより1つ以上の生成的3Dモデルを生み出すために、トポロジ最適化ループにおけるジオメトリフィルタリング及び/またはシミュレーション結果フィルタリング(本明細書において詳細に説明されるような)を採用してもよい。
【0059】
生成的設計処理の結果は、設計を承服または拒否するオプションに従って、例えば、ディスプレイデバイス120上のUI122においてユーザに提示されてもよい。設計を承服または拒否するオプションは、175Cにおいて提供されてもよい。例えば、生成的設計処理によって生み出される3Dモデルは、UI122においてユーザ160に提示されてもよい。いくつかの実装態様では、ユーザは、設計調査ごとに最終設計または様々な前の反復のいずれかから選択することができる。いくつかの実装態様では、生成的設計工程から結果として生じる2つ以上の3Dモデルは、例えば、必要な外部支持構造の量、または対象の様々な他の量のいずれかに基づいて、設計複雑度に対する製造のコストのトレードオフ分析に沿ってユーザに提示されてもよい。トレードオフ分析は、提示された3Dモデルの中で1つ以上の3Dモデルをユーザ160が承服または拒否することを支援することができる。
【0060】
設計が拒否される場合、
図1Bの工程は、例えば、CADプログラム(複数可)116によって、新たな生成的3Dモデルを生み出す際の使用のための新たな設計空間及び/または新たな設計基準を取得すること(175A)に戻ってもよい。設計が拒否されないと(175C)、
図1Bの工程は、例えば、CADプログラム(複数可)116によって、付加製造により設計を構築するための低減した外部支持構造要件を有する生成的設計済み形状及びトポロジをオブジェクトの3Dモデルに提供してもよい(175D)。いくつかの例では、設計済みモデルは、支持構造をあまり必要としないことによって、付加製造を改善するように調節されるよう更に事後処理されてもよい。言い換えると、本明細書において説明されるフィルタリングは、生成的設計工程の形状最適化ループの間、及び/または生成的設計工程が終了した後に実行されてもよい。
【0061】
175Eにおいて、ジオメトリフィルタを適用することによって修正済み3Dモデルが生成される。ジオメトリフィルタは、事後工程(示されるような)において生成的設計工程を使用して作成された(例えば、175Bにおいて)形状の付加製造性を改善するオーバハング角度フィルタを実装することができ、及び/または生成的設計工程175Bの反復的最適化ループ内でジオメトリフィルタが適用されてもよい(175E)。いずれかまたは両方のケースでは、本開示の全体を通じて説明されるような外部支持構造を必要とする領域を低減させ、または取り除くよう3Dモデルが修正される。修正は、
図2Aの方法200に対して説明されたように実行されてもよい。175Dにおいて提供された3Dモデルは、175Bにおいて生成的設計合成方法及び/または生成的設計出力の事後処理されたバージョンによって生み出された(175B)3Dモデルであってもよいことに留意されよう。よって、修正すること(175E)は、生成的設計処理175B及び/または提供すること(175D)に含まれてもよい。
【0062】
175Fにおいて、修正済み3Dモデルは、出力フォーマットにエクスポートされてもよい。例えば、生成的設計工程175Bにおいて修正された(175E)3Dモデルは、他の実施例の中で、レベルセットフィールド、多角形メッシュ、またはB-Repボディ(変換のためのメッシュ-B-Rep技術からの支援による)としてエクスポートされてもよい。いくつかの実装態様では、境界に基づく生成的設計工程による出力から抽出することができるポリゴンメッシュ、または境界に基づく生成的設計工程から直接取得された生成的設計データは、例えば、CADプログラム(複数可)116によって、境界表現(B-Rep)モデル及び/またはパラメトリック特徴モデルに変換されてもよい。例えば、生成的設計データは、境界に基づく生成的設計工程から直接取得されたレベルセット距離フィールドデータであってもよい。境界表現モデルまたはパラメトリック特徴モデルは、スケッチジオメトリ及びパラメトリック特徴として編集可能であってもよい。いくつかの実装態様では、生成的設計合成方法によって生み出された3Dメッシュモデルは、提供される(175D)前に、ウォータタイトB-Rep 3Dモデルに変換されてもよい。
【0063】
175Gにおいて、エクスポート済みモデルは、物理構造の少なくとも一部分を製造するために使用される。いくつかの実装態様では、付加製造機械についてのツールパス仕様は、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み三次元形状の少なくとも一部分に対して生成され(175G)、物理構造の一部分(または、物理構造についての鋳型)は、ツールパス仕様を使用して付加製造機械により製造される(175G)。その上、修正すること(175E)と同様に、エクスポートすること(175F)及び製造すること(175G)の両方は、提供すること(175D)に含まれてもよい。
【0064】
付加製造は、それらの直下に直接材料を有さない領域(「支持されない」または「オーバハングした」領域)を含む形状を製造する課題と関連付けられてもよい。不具合を回避するために、そのような領域は、その主要な目的がレイヤごとに実行される付加製造の間に次のレイヤを機械的に支持することである、支持されていない領域の下で製造される犠牲的ジオメトリである、外部支持材料の付加によって製造可能にされる。例えば、
図1Cは、オーバハングした「張り出し」課題と関連付けられた融解フィラメント造形法の工程の実施例を示す。
【0065】
融解フィラメント造形法工程は、部品の底部から開始し、材料を供給するために上方向に移動する、レイヤごとに材料が付加された部品を生み出すときの課題と関連付けられた実施例の付加製造工程である。この工程では、プリンタまたは他の付加製造ツールは、最初は空のプリントベッド177及び数値的に制御されたプリントヘッド176を含む。プリントヘッド176は、一時的に溶解し、ノズルを通じて絞り出されたフィードストックフィラメント178を受ける。フィラメントが冷却するにつれて、それは、押し出された材料の真下にあり、押し出された材料に近接する材料(部品の前に置かれたフィラメントなど)または支持構造(例えば、プリントベッド177もしくは部品の設計の外側の人工的に付加された支持構造)に付着する。フィラメントがノズル179を離れるときに液体の形態にあることを理由に、ノズル179からそれが落ちるときにフィラメントの直下に何もない(または、ほぼ何もない)場合、フィラメントは、180において提示されるように下垂することになる。
【0066】
部品が製造されるとき、プリントベッドは、フィラメントが堆積した支持構造としての役割を果たすことができる。後続のレイヤ上では、現在の堆積したレイヤの直下の前のレイヤからの材料がある場合、フィラメントは、前のレイヤによって支持される。不具合を回避するために、工程の計画の間、それらの直下に材料を有さない領域(「支持されていない」または「オーバハングした」領域)は、支持されていない領域の下で製造される犠牲的ジオメトリである、支持材料の付加によって製造可能にされる。プリントヘッド176から配置された新たな後続のレイヤを機械的に支持するために支持材料が使用されてもよい。
【0067】
支持材料が物理オブジェクトの3Dモデルに含まれないので(すなわち、支持材料/構造が3Dモデルによって定義された物理構造の外側である)、支持材料は、製造済み物理オブジェクトの部品でない支持構造である。支持材料は、生成済み3Dモデルに基づいて製造するために提供された、既に定義されたオブジェクトを支持するように設計された外部構造である。そのような支持材料は、付加製造の後に除去されてもよい。対照的に、オブジェクトは、付加製造工程による物理オブジェクトの製造を促進するよう、モデル化済みオブジェクトの物理構造を修正する(すなわち、支持部分が物理オブジェクトの3Dモデルにおいて定義される)部分(3Dモデル設計の内側の)を含むように設計されてもよい。
【0068】
よって、オブジェクトの3Dモデル(本明細書の全体を通じて説明されるように生成的設計工程により生成された)は、外部支持構造を必要とするモデル化済み形状における領域を最小化し、よって、付加製造による設計を生み出すために必要な外部支持材料の量を低減させる(または、取り除く)ように調節または修正されてもよい。モデル化済み形状における領域でのそのような最小化は、付加製造の後の製造済みオブジェクトに対する事後処理作業に対して費やされるより少ないリソースと関連付けられてもよく、例えば、外部支持構造の後のより少ない仕上げ作業が分離される。その上、そのような最小化は、付加製造のための外部支持構造を設計し、準備し、及び提供するために費やされるより少ないリソースと関連付けられてもよい。このため、付加製造工程は、付加製造により物理オブジェクトを製造するために使用される3D形状を修正することによって改善する。要するに、製造の間、例えば、3Dプリンティング、鋳型、または鋳造の間に物理オブジェクトを、より自己支持させることを支援するように3Dが修正されてもよい(生成的設計の間及び/または後)。
【0069】
図1Dは、表面法線及び付加製造工程の構築方向に関連する実施例のオーバハング角度を示す。典型的には、最大オーバハング角度があり、最大オーバハング角度を上回って、製造が成功することを保証するために外部支持材料が必要とされる。
図1Dの実施例では、オーバハング角度がα196として識別される。概して、オーバハング角度は、その部品に対して使用される構築方向への部品に対する表面法線に関連する。最大オーバハング角度は、所与の付加工程を使用して製造することができる、最大オーバハング角度である。
【0070】
オーバハング角度α196は、構築方向bに対応する垂直軸からの部品の構築面(または、壁、表面)の傾きとして定義されてもよい。オーバハング角度α196は、付加製造工程により製造するために使用される部品の3D形状の表面のポイントAにおいて判定される。
図1Dに対して示されるように、tは、ポイントAにおいて接線を識別し、接線と構築方向bとの間でオーバハング角度が定義される。表面法線は、nにより識別される。示される実施例では、区画197及び198(薄いグレーで網掛けされた)は、支持構造が必要な可能性が高いエリアに対応し、区画199(中間のグレーで網掛けされた)は、部品を製造するための支持構造を確かに必要とする形状の領域を定義する。提示を容易にするために、
図1Dの実施例が二次元にあるが、三次元では、表面法線nに垂直な接線の完全平面があり、接線(nに垂直な平面内のそれらの異なる接線からの)は、構築方向bにより最小角度を形成するラインであることに留意されよう。更に、オーバハング角度を定義する同等の様式は90度-<n,b>であり、<n,b>は、nとbとの間のより小さい角度である。
【0071】
図2Aは、付加製造工程の間に設計済み部品の物理構造を製造するために必要な支持構造を低減させる(または、取り除く)部品の新たな3Dモデルを生み出す、ジオメトリフィルタリングに基づいた生成的設計の修正のための工程200の実施例を示す。
図2Aの工程は、
図1Bの175Eにおける修正の工程の実施例である。よって、
図2Aの工程は、例えば、トポロジ最適化を使用して、生成的設計済み3D形状の反復的修正の間に生成的設計工程175Bの後及び/または生成的設計工程175B内で実行されてもよい。いずれかのケースでは、モデル化済みオブジェクトの修正済み3D形状は、付加製造の間に外部支持構造をあまり必要としないことによって(または、取り除くことによって)、3Dモデルについての物理構造を製造することを促進する。工程200は、
図1AのCADプログラム(複数可)116と同様のCADプログラムによって実行されてもよい。3D形状の修正は、3D形状の離散的レイヤごとに実行されてもよく、離散的レイヤは、製造工程と関連付けられた方向(例えば、付加製造工程の構築方向)に沿って定義されてもよい。よって、離散的レイヤは、モデル化済みオブジェクトが製造される構築板に対するオブジェクトの方位に従って定義されてもよい。いくつかの実装態様では、負のAM構築方向に沿ってボリュームにおけるより上位の離散的レイヤから開始してより下位の離散的レイヤまで修正が実行されてもよい。
【0072】
工程200は、
図3に示されるように、本明細書における説明されたフィルタリングに基づいて、立方体の生成的設計を修正するように実行されてもよい。205において、現在の離散的レイヤにおける3D形状の二次元プロファイル表現が抽出される。二次元プロファイル表現は、製造工程と関連付けられた方向に垂直である平面内に存在する。3D形状は、少なくとも2つの離散的レイヤを含む。製造工程が付加製造工程である場合、方向は、その工程の構築方向である。
【0073】
210において、二次元プロファイル表現は、現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するよう、製造工程と関連付けられた量だけオフセットされる。いくつかの実装態様では、その製造性を改善するよう3D形状が修正されるとき、オフセットすることは、製造工程に従って判定された量だけ内側に二次元プロファイル表現をオフセットすることを含んでもよい。いくつかの例では、3D形状は、付加製造における使用のために修正されてもよい。他の例では、3D形状は、鋳造工程または鋳型工程における使用のために修正されてもよい。付加製造のケースでは、離散的レイヤは、構築方向に従って判定されてもよく、内側に二次元プロファイル表現をオフセットすることは、付加製造工程についての最大オーバハング角度に従って判定された量だけであってもよい。鋳造工程または鋳型工程のケースでは、離散的レイヤは、鋳造工程または鋳型工程の延伸方向(
図9上で提示されるような)に従って判定されてもよく、外側に二次元プロファイル表現をオフセットすることは、鋳造工程または鋳型工程についての最小抜き角に従って判定された量だけであってもよい。
【0074】
いくつかの実装態様では、部品の付加製造は、異なる材料により実行されてもよい。異なる材料が異なる物理学特性(例えば、溶解した形式にあるとき、材料の異なる粘度及び粘性)を有することがあるので、異なる材料は同様に、異なるオーバハング角度を有することがある。いくつかの例では、異なる製造工程(FFF、SLA、SLMなど)は、オーバハング角度の判定に影響を及ぼすことがあり、よって、異なるオーバハング角度と関連付けられてもよい。いくつかの例では、工程条件(例えば、FFFにおける溶解温度)は、オーバハング角度の判定に影響を及ぼす因子であってもよい。
【0075】
215において、現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、次の離散的レイヤが変更される。次の離散的レイヤは、最上部レイヤから底部レイヤまでスイープされた後続のレイヤとして判定されてもよく、レイヤは、構築方向の反対方向においてスイープされる。
【0076】
いくつかの実装態様では、次の離散的レイヤについてのより大きなサイズとされた二次元プロファイルを生み出すよう、次の離散的レイヤとの現在の離散的レイヤのオフセット済み二次元プロファイル表現のブール結合を実行することによって、次の離散的レイヤへの変更が行われてもよく、より大きなサイズとされた二次元プロファイルに基づいて、ジオメトリが次の離散的レイヤに付加される。レイヤが反復的に変更されると共に、その所与のレイヤの上のレイヤに対する支持を付加製造工程が必要としないケース、または所与のレイヤとその下のレイヤとの間で鋳造工程もしくは鋳型工程についての抜き角が違反されないケースでは、いずれの所与のレイヤのサイズも変更されなくてもよいことに留意されよう。
【0077】
いくつかの実装態様では、レイヤが変更されるとき、面の2つの自己支持ビームを接続するときにオーバハングしたジオメトリの小さな領域が存在することを可能にする形状を生み出すよう、ジオメトリへの変更を実行するとき、架橋の考慮事項が考慮されてもよい。3D形状の修正の間に次の離散的レイヤを変更するとき、次の離散的レイヤの外部スケルトンが計算されてもよい。外部スケルトンに基づいて、モデル化済みオブジェクトを製造するために使用されることになる付加製造工程についての最大架橋距離に従って外部スケルトンを膨張させることによって、架橋可能二次元プロファイル表現が生み出されてもよい。架橋可能二次元プロファイル表現は、架橋済み二次元プロファイル表現を生み出すよう、オフセット済み二次元プロファイル表現から差し引かれてもよい。次の離散的レイヤについてのより大きなサイズとされた二次元プロファイルを生み出すよう、架橋済み二次元プロファイル表現のブール結合が次の離散的レイヤにより実行されてもよい。より大きなサイズとされた二次元プロファイルに基づいて、ジオメトリが次の離散的レイヤに付加されてもよい。架橋の考慮事項によるまたは架橋の考慮事項のない付加製造に関連する更なる詳細は、
図8に関連して説明される。
【0078】
217において、3D形状の全ての離散的レイヤが処理されるかどうかが判定される。全てのレイヤが処理されないと判定される場合、工程200は215に進み、オペレーション205、210、及び215を実行することによって、次の識別済みレイヤに対して反復する。よって、オペレーション205、210、及び215は、3D形状の離散的レイヤの各々を処理するように反復的に実行される。3D形状の全てのレイヤが、その上のレイヤのオフセット済み二次元プロファイルに基づいて各々の下位のレイヤを変更するよう処理されたと判定されると、220において、製造における使用のために修正済み3D形状が提供される。
【0079】
いくつかの実装態様では、それが製造における使用のために送信される前に、付加的修正、シミュレーション、または他の再作業工程のために、修正済み3D形状も提供される。修正済み3D形状の実行された生成と関連付けられたCADプログラムにおいて、または外側で追加の処理が実行されてもよい。付加的処理は、生成済み3Dモデルの修正についての更なるユーザ入力に基づいてもよい。更に、修正済み3Dモデルは、他の実施例の中で、作業材料、及び製造工程と関連付けることができる定義済みシミュレーション基準に基づいて、3Dモデルを調節し、修正し、及び/または改善するよう、本明細書において説明されるようなシミュレーション手順及び評価を受けてもよい。
【0080】
いくつかの実装態様では、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み3D形状を使用するために、付加製造機械についてのツールパス仕様の生成のために修正済み3D形状が提供されてもよい。物理構造の少なくとも一部分(または、物理構造についての鋳型)は、ツールパス仕様を使用して付加製造機械により生成されてもよい。更に、1つ以上のコンピュータにより制御された製造システムを使用して、物理構造を製造する際の使用のために永続的記憶装置への保存のために、修正済み3D形状が提供されてもよい。
【0081】
図2Bは、付加製造工程により物理構造を製造するための最適化に適切である1つ以上の制約(例えば、質量、最大応力、及び製造性)に従って、最適化済み設計を生み出すよう、最適化ループの連続した反復を通じて修正されたモデル化済みオブジェクトの3D形状を提供する工程228の実施例を示す。
【0082】
図2Bの工程は、
図1Bからの定義済み工程175Bの実施例である。よって、工程228は、上記に詳述されたように、設計空間、数値シミュレーションセットアップ、及び1つ以上の設計基準を含む入力に基づいて、規定済み生成的設計工程を使用して、生成的設計済み3D形状の反復的修正を実行することを含む。いくつかの実装態様では、形状合成工程は、開始形状またはシードジオメトリにより開始する形状最適化の境界に基づく(例えば、レベルセット)方法を採用し、開始形状またはシードジオメトリは次いで、何らかの制約(例えば、質量、最大応力、及び製造性)の影響を受ける対象の何らかの量(例えば、歪みエネルギー)を最小化する「最適化済み設計」を生み出すよう、最適化ループの連続した反復を通じて修正される。
【0083】
そのような修正済み設計は次いで、付加製造工程の間の設計済み部品の物理構造を生成するために必要な支持構造を低減させる(または、取り除く)新たな3Dモデルを生み出すよう、ジオメトリフィルタリングに基づいて更に修正されてもよい。低減した支持構造要件による付加製造における使用のために3Dモデルを適合するためのそのような更なる修正は、
図2Aからの工程200に対して説明されるように実行されてもよい。
【0084】
図2B上で提示されるような形状最適化ループは、設計空間内で、及び設計基準に従って、モデル化済みオブジェクトの3D形状のジオメトリを反復的に変化させることを含む。
【0085】
230において、オブジェクトの現在の3D形状及び1つ以上の設計基準に従って、オブジェクトの現在のモデル(例えば、3D形状の暗黙的な表面のレベルセット表現)に対して数値シミュレーションが実行される。設計基準は、モデル化済みオブジェクトの現在の数値評価を生み出すよう、使用中負荷ケースまたは他の要件(例えば、圧力境界条件及び速度境界条件、トポロジ進化についての幾何学的目的)を定義することができる境界条件を含んでもよい。現在の数値評価は、モデル化済みオブジェクトの物理応答(例えば、構造的応答)に対するものであってもよい。上述したように、様々なタイプの数値シミュレーションが実行されてもよい。例えば、FEAシミュレーションは、3D形状の現在のバージョンのボリュームの内側のいずれかにある歪みエネルギーを計算してもよい。いずれかのケースでは、現在の3D形状の物理学シミュレーションは、現在の数値評価を生み出し、現在の数値評価は次いで、設計基準に鑑みて3D形状を変更するために使用されてもよい。
【0086】
実行された数値シミュレーションに応答して、235において、現在の3D形状が次いで更新される。更新は現在の数値評価に基づいている。いくつかの実装態様では、モデル化済みオブジェクトの生成的設計済み3D形状は、モデル化済みオブジェクトの暗黙的な表面のレベルセット表現を含み、更新すること(235)は、現在の物理評価に基づいて暗黙的な表面に対して計算された形状変更速度に従って、レベルセット表現を更新することを含む。例えば、ボリュームの内側の歪みエネルギー場(数値シミュレーションによって判定されるような)は、ボリュームの表面の速度場に変換されてもよく、各々のポイントにおける速度は、より最適な形状に向かってジオメトリを移動させ、その速度に従って境界の各々の部分を移動させることによって、形状を更新するよう3D形状を移流させることができる。
【0087】
様々なタイプの更新する(235)工程が使用されてもよい。例えば、更新すること(235)は、
図4と関連して以下に詳述されるように、シミュレーション結果フィルタリングを実行することを含んでもよい。更に、モデル化済みオブジェクトの3D形状は、シミュレーションのための立方体ボクセルのグリッドを使用して、形状更新のための暗黙的な形状を使用して、及び生成的設計のエクスポートのための多角形メッシュを使用して3D形状を表すことなど、異なる処理段階の間に異なるフォーマットにおいて表されてもよい。
【0088】
240において、モデル化済みオブジェクトの3D形状の次のバージョンを形成する修正のために、更新済み3D形状が提供される(235において)。修正すること(240)は、付加製造のための3D形状のトポロジを最適化するためのものであってもよい。いくつかの実装態様では、修正することは、本明細書の全体を通じて説明されるような支持構造をあまり必要としない付加製造技術による物理構造を生み出すことを支持することができる、新たな3Dモデルを定義するよう付加製造工程と関連付けられた予め定義された量だけ、形状のレイヤからプロファイルをオフセットするために3D形状に対してジオメトリフィルタを適用することである。修正すること(240)は、
図2Aの工程200の実行済みオペレーション205、210、215、及び217と同一または実質的に類似であってもよい。240における修正は、製造することを実行するための外部支持構造を低減させる(または、取り除く)ことによって、付加製造を促進するよう3D形状を変更させるために実行される。最適化ループ(オペレーション230、235、及び245)を通じて生成された修正済みモデルは、設計基準を満たし、また、付加製造ツールを使用して製造するための必要な支持構造を低減させることによってより自己支持するように改善された形状(及び、任意選択でトポロジ)を有してもよい。
【0089】
修正の各々の反復が完了した後(オペレーション230、235、及び240を通る処理の反復)、245において、処理された反復の回数が完了されることになる形状修正最適化の予め定義された回数に対応するかどうかが評価されてもよい。加えてまたは代わりに、245において、生成的に設計された3D形状が3D形状を定義するための設計基準を満たすかどうか(収束)が評価されてもよい。予め定義された回数に到達し、及び/または現在のモデルが設計基準を満たす不変の解決策に収束しなかった場合、方法228は、オペレーション230、235、及び240を実行するための後続の反復を進めてもよい。予め定義された回数の反復が完了し、及び/または3Dモデルが設計基準を満たす不変の解決策に収束すると、250において、製造、例えば、付加製造における使用のためにモデル化済みオブジェクトの修正済み3D形状が提供される。いくつかの例では、修正が3D形状を変更しない(または、著しく変更しない)ケースでは、3D形状の最適化が停止されてもよい。
【0090】
図2Bにおけるループ最適化を通じて生成された修正済みモデルは、
図2Aの工程200において説明されたような更なる修正のためにCADプログラムに提供されてもよい。よって、
図2Bからの結果モデルは、後続の修正のための入力として提供されてもよく、次いで、付加製造における使用のために提供されてもよい。いくつかのケースでは、
図2Bにおけるループ最適化を通じて生成された修正済みモデルは、モデル化済みオブジェクトの物理構造を製造するために付加製造ツールに直接提供されてもよい。
【0091】
図2Cは、オブジェクトの形状境界の移動を判定して、その製造性を改善するよう形状の進化を調節するために、シミュレーション結果フィルタリング(例えば、数値シミュレーションの出力からオプティマイザによって生成された移流速度場のフィルタリング)を適用することによって、モデル化済みオブジェクトの3D形状を生成する工程258の実施例を示す。260において、オブジェクトの現在の3D形状及び1つ以上の設計基準に従って、オブジェクトの現在のモデル(例えば、3D形状の暗黙的な表面のレベルセット表現)に対して数値シミュレーションが実行される。設計基準は、モデル化済みオブジェクトの現在の数値評価を生み出すために、使用中負荷ケースまたは他の要件(例えば、圧力境界条件及び速度境界条件、トポロジ進化についての幾何学的目的)を定義することができる境界条件を含んでもよい。数値シミュレーション260は、
図2Bの230における説明された数値シミュレーションと同一であってもよく、または実質的に類似であってもよい。1つ以上の設計基準に従って、設計空間内の3D形状のジオメトリを変化させることによって、ループ最適化を実行するコンテキストにおいて工程258が実行されてもよい。ジオメトリを変化させることは、モデル化済みオブジェクトの3D形状のトポロジ進化を含んでもよい。
【0092】
実行済み数値シミュレーション及びモデル化済みオブジェクトの生み出された現在の数値評価に基づいて、265において現在の3Dバージョン(生成的に設計された)が更新される。付加製造を実行するための最大オーバハング角度(前に議論されたような)を超える表面角度を有する3D形状の現在のバージョンにおける位置ごとに更新すること(265)が実行される。現在の3D形状のジオメトリを更新すること(265)は、構築方向に従った位置において、付加製造工程の構築プラットフォームに対して生成的設計済み3D形状を低下させるよう、その位置における現在の数値評価によって示された変更の量を調節する(270において)ことを含む。更に、更新すること(265)は、各々の位置において調節することに従って、3D形状の現在のバージョンを更新すること(275)を含む。275において説明されるような現在のバージョンを更新することは、
図4の420において以下に説明されるように、形状を低下させるように、ボリュームの表面への適用の前に、フィルタされた速度場に従ってボリュームの実行された変換に対応してもよい。
【0093】
形状の表面上の各々のポイントにおける適用された調整は、それをより製造可能にさせ、「低」設計を奨励するよう形状の進化を調節し、「低」設計は、更新済み形状のジオメトリが付加製造機械における構築板に全体的に近いことを理由に、設計基準をなおも満たすことができるが、付加製造の間に支持材料をあまり必要としない。
【0094】
3D形状のバージョンを更新するためにシミュレーション結果フィルタリング(例えば、移流速度フィルタリング)を適用した後、生成的設計3D形状の次のバージョンを形成するよう、ジオメトリフィルタに基づいて更なる修正のために更新済み3D形状が提供されてもよい。278における更なる修正は、任意選択の修正であってもよく、それらは、付加製造工程に対して準備されることになる3D形状の更なる改善に関連する。278における修正は、
図2Bのオペレーション240に対して説明された修正に対応してもよい。
【0095】
修正の各々の反復が完了した後(オペレーション260、265、任意選択で278を通る処理の反復)、280において、予め定められた回数の形状修正反復が完了した後に、生成的に設計された3D形状が3D形状を定義するための設計基準を満たすかどうか(収束)が評価されてもよい。他のケースでは、280における評価は、
図2Bの245において実行された評価に対応してもよい。予め定義された回数に到達せず、及び/または現在のモデルが設計基準を満たす不変の解決策に収束しなかった場合、方法258は、オペレーション260、265、任意選択で278を実行するための後続の反復を進めてもよい。予め定義された回数の反復が完了し、及び/または3Dモデルが設計基準を満たす不変の解決策に収束すると、285において、更なる修正のためにモデル化済みオブジェクトの修正済み3D形状が提供される。他のケースでは、製造、例えば、付加製造における使用のために、修正済み3D形状が直接提供されてもよい。
【0096】
図2Bにおいて説明されたようなシミュレーション結果フィルタリング(例えば、移流速度フィルタリング)及び任意選択でジオメトリフィルタに基づいてループ最適化を通じて生成されたモデル化済みオブジェクトの更新済み3D形状は、
図2Aの工程200において説明されたような更なる修正のためにCADプログラムに提供されてもよく、または付加製造工程における使用のために直接提供されてもよい。よって、
図2Cからの結果モデルは、後続の修正のための入力として提供されてもよく、次いで、付加製造における使用のために提供されてもよい。代わりに、工程258において定義された更新オペレーション及び修正オペレーションを通じて生成された新たな3D形状は、モデル化済みオブジェクトの物理構造を製造するための付加製造ツールに直接提供されてもよい。
【0097】
支持材料は、オブジェクトの部品ではない追加の材料であり、例えば、レイヤにおいて生み出されるときに、オブジェクトの付加製造を支持するよう提供される。生成的に設計された3D形状は、製造のための支持材料についての要件を低減させることによって付加製造のための形状を改善する様式において、上記議論されたように、並びに
図1A、1B、2A、2B、及び2Cに関連して修正及び/または調節されてもよい。
【0098】
例えば、
図1Aの138Aにおいて示されるように、構築板に関してオブジェクトの位置付けを調節することによって、付加製造の間に必要な支持材料の量を低減させることができる。
図1Aのこの実施例のビーム138Aでは、ビームを製造するために必要とされる支持材料のボリュームが低減される。しかしながら、支持材料のそのような低減は、生み出された物理部品の設計の性能及び最終結果の品質に影響を与えることがある(例えば、低減基準に応じて)。ビームの3D形状は、最適化済み設計におけるジオメトリを低下させるよう変更されてもよい。例えば、そのような低下させることは、
図2Cにおいて説明されたシミュレーション結果フィルタリング(例えば、移流速度フィルタリング)と関連して説明されるように実行されてもよい。ジオメトリが構築板により近くに最適化済み設計において低下される場合、支持材料要件を低減させることができ、またはいくつかのケースでは、除去することができる。
【0099】
別の実施例として、オーバハング角度に違反する領域のサイズを最小化するよう、
図1Aの物理構造138において示されるように、オブジェクトの3D形状が変更されてもよい。オーバハング角度に違反した領域のサイズを最小化する3D形状のそのような修正は、例えば、
図2Aの工程200に対して説明されたように、3D形状に対して適用されるジオメトリフィルタリングに基づいて実行されてもよい。物理構造138は、支持構造139についての接触エリアと共に、その全体ボリュームの両方を低減させる修正済みビーム形状を提示する。
図2Aにおけるジオメトリフィルタリング修正(オペレーション205、210、及び215)に基づいて物理構造138のティアドロップ形状を形成するよう、元のビームの形状が修正されてもよい。
【0100】
いくつかの実装態様では、3D形状を修正して支持材料を必要とするオブジェクトの領域を最小化するようジオメトリフィルタリングを実行するために、致命的なオーバハング角度(すなわち、それを下回って物理オブジェクトを構築するよう製造工程を信頼して実行することができない角度)、及び構築方向(すなわち、部品が製造される構築板上の方位)を含む初期入力が提供されてもよい。致命的なオーバハング角度及び構築方向は、特定の製造工程及び製造構成に依存してもよい。
【0101】
図3は、付加製造工程と互換性を有する3Dモデルを生み出すことを奨励する製造工程と関連付けられた方向に沿って定義された三次元形状の離散的レイヤにおけるプロファイル表現をオフセットすることによって、レイヤにおけるモデル化済みオブジェクト310の3D形状を修正する実施例の工程300を示す。実施例の工程300は、
図2Aの工程200に実質的に対応する。実施例の工程300は、付加製造工程の間に設計済み部品の物理構造を製造するために必要な支持構造を低減させる(または、取り除く)部品の新たな3Dモデルを生み出す、ジオメトリフィルタリングに基づいた生成的設計の修正のためのオペレーションを含む。
【0102】
プロファイルオフセッティングを使用したジオメトリフィルタリングに基づいて、CADプログラムによって、オブジェクト310の3D形状が修正されてもよい。製造工程と関連付けられた量だけプロファイルをオフセットするよう3D形状に対してジオメトリフィルタリングが実行されるとき、例えば、
図2Bに説明されるように、3D形状が生成的設計済み3D形状であってもよく、3D形状のジオメトリは、設計基準に従って設計空間内で反復的に変化してもよい。いくつかの実装態様では、3D形状が付加製造における使用のためのものであるとき、プロファイルオフセッティングのための量は、付加製造工程についての最大オーバハング角度に従って判定されてもよい。
【0103】
いくつかの実装態様では、モデル化済みオブジェクトの3D形状に対してジオメトリフィルタリングを実行することは、付加製造の間に支持材料または構造を必要とする部品のエリアを最小化することができる。
【0104】
3D形状の3Dジオメトリは、構築板315に並列して切断されてもよい。製造工程と関連付けられた方向に沿って3D形状の離散的レイヤを形成するよう、スライス平面320などの複数のスライス平面が定義されてもよい。所与の離散的レイヤにおける3D形状310の二次元プロファイル表現が抽出されてもよい(例えば、
図2Aのオペレーション205において実行されるように)。330において、スライス平面320に基づいたそのようなプロファイル表現が提示される。
【0105】
支持なしで(または、そのための低減した要件により)製造可能にされることになる現在の離散的レイヤ内のプロファイルについて、そのプロファイルの下にあるレイヤは、製造と関連付けられた致命的な値よりも大きい、下にあるレイヤに関してオーバハング角度を有さないようプロファイルを支持する、現在の離散的レイヤの少なくともいくつかの部分の下にあるいくつかの領域(ジオメトリ)を提供するべきである。特定の技術による異なる製造工程及び/またはツールは、実行されることになる製造に対して許容可能であるオーバハング角度についての異なる制限要件と関連付けられてもよい。
【0106】
いくつかの実装態様では、製造されることになるオブジェクト内のいくつかの領域または位置は、異なるオーバハング角度と関連付けられてもよく、よって、単一のプロファイル表現を評価するとき、そのような領域を異なってオフセットすることが関連してもよい。
【0107】
330において、スライス平面320に対応する現在のレイヤにおける3D形状の現在の2Dプロファイル表現が抽出及び提示される。製造と関連付けられた方向に垂直なレイヤ(スライス平面320に対応する)から2Dプロファイル表現330が取られる。いくつかの例では、製造の方向は、構築板315に垂直であってもよい。
【0108】
2Dプロファイル表現330について、プロファイルのオフセット曲線340が定義される。オフセット曲線340は、
図2Aのオペレーション210において説明されるように判定されてもよい。3D形状310に対して定義された離散的レイヤの間の距離が評価されてもよい。2Dプロファイル330のレイヤ320とその下のレイヤ(図示せず)との間の距離がhである場合、以下の式(4)に従って判定された値に等しい量により2Dプロファイル320をオフセットするよう、オフセット曲線340が定義されてもよい。
【0109】
【0110】
2Dプロファイル330を含むレイヤとその下にあるレイヤ(すなわち、hに等しい)との間の距離と共に、製造工程のオーバハング角度に基づいて、オフセット曲線340を定義するために使用されるオフセット量が判定される場合、オフセット曲線340を含む2Dプロファイル330の下にあるレイヤは、ほとんどの場所において2Dプロファイル330を含む現在のレイヤを支持する。
【0111】
実施例の工程300では、負の構築方向に沿ってボリュームの最上部から底部にレイヤをスウィープすることによって、3D形状310の定義済み離散的レイヤに対して、プロファイルオフセッティングを使用したジオメトリフィルタが実装されてもよい。例えば、この実施例において説明されるように、付加製造工程がジオメトリフィルタに基づいた、修正済み3D形状に基づいてオブジェクトを製造するためにまさに使用される場合、構築方向は、最も下のレイヤから最も上のレイヤまでである。この実施例では、3D形状のレイヤが処理されるとき、構築方向に反転して、すなわち、最上部レイヤから開始して、底部レイヤに到達するまで下にあるレイヤを通って、それらのレイヤが処理される。
【0112】
スライス平面(例えば、構築板315に並列した)のボクセル部品のレイヤごとに、部品のプロファイルが抽出される(330において示されるように)。プロファイルは、製造工程と関連付けられた量だけ内側にオフセットされ(例えば、式(4)に説明されるように)、その下にあるレイヤから抽出された2Dプロファイルを有するオフセット済みプロファイルのブール結合が実行されてもよい(330において)。
【0113】
いくつかの実装態様では、プロファイルオフセッティングを使用したそのようなジオメトリフィルタリングは、予め定義された設計基準を満たす設計空間内の3D形状を生成的に設計するための反復的ループ最適化工程の一部として適用されてもよい。そのような工程の一部としてのジオメトリフィルタリングの組み込みは、
図2B及び2Cにおける説明された工程と類似してもよい。
【0114】
数値評価に基づいて、3D形状の各々の離散的レイヤにジオメトリフィルタリングが反復的に適用されてもよい。設計基準を満たし、部品のトポロジを進化させるよう、3D形状を反復的に更新することの一部としてジオメトリフィルタリングを組み込むことによって、修正の最終的な成果は、成果の3D形状(シミュレーション評価に従って更新され、プロファイルオフセッティングを使用してジオメトリフィルタリングに基づいて修正された)が必要とされる支持を最小にすることを保証することができる。更に、形状がシミュレーション及び最適化の考慮事項に基づいて生成されるので、形状の修正の工程の反復的性質は、例えば、部品を強化するために、追加の材料を組み込むことを利用することができる(工程300において説明されるように形状がオフセットされるように)。
【0115】
モデル化済みオブジェクトの生成された修正済み3D形状は、必ずしも完全に自己支持構造ではない。いくつかのケースでは、オフセット曲線は、距離フィールドにおいて衝撃(または、尖点)に直面するとき、その上のレイヤを支持することができない。これは、高い曲率のエリアがあるとき(
図5において提示されるような)、または表面のセットが相互に陥没するとき(
図6において提示されるような)に発生することがある。それらのケースでは、オーバハング違反の小さな領域が存在し、支持構造が必要とされる。しかしながら、支持構造を必要とする領域は、大きなエリアの代わりに主としてライン及びポイントであってもよく、よって、必要な支持材料の量を最小化する。支持材料要件を最小化することができるので、それらの最小化は、外側にある支持材料を除去するよう、製造済み部品を事後処理するコストを低下させることと関連付けられてもよい。
【0116】
図4は、オブジェクトの製造性を改善するために使用することができる出力された多角形メッシュを生成する、生成的設計の間のシミュレーション結果フィルタリング(例えば、移流速度フィルタリング)に基づいたオブジェクトの入力多角形メッシュの反復的トポロジ最適化の工程400の実施例を示す。いくつかの実装態様では、シミュレーション結果フィルタリングは、
図2Cのオペレーション265において説明されるように実行されてもよい。
【0117】
実施例の工程400は、製造工程(例えば、除去製造または付加製造)と互換性を有する3Dモデルを生み出すことを奨励する、生成的設計の間のシミュレーションフィルタリングのためのものである。工程400は、設計制約(例えば、他の実施例の中で、質量、最大応力、及び製造性)の影響を受ける対象の何らかの量(例えば、歪みエネルギー)を最小化する「最適化済み」設計または「最終的な成果」を生み出すために使用することができる特定のレベルセットトポロジ最適化工程である。
【0118】
工程400は、製造されることになるオブジェクトの現在の3D形状の物理及び/または物理学シミュレーションを実行すること(410)を含む反復的工程である。オブジェクトのボリュームの内側の歪みエネルギーを計算するよう、シミュレーションが実行されてもよい。入力多角形メッシュとして提供することができる入力形状400に対してシミュレーションが実行されてもよい。シミュレーションは、オブジェクトの物理応答の現在の数値評価415を生み出すことができる。示される実施例では、物理応答の数値評価415は、歪みエネルギー場であるが、本明細書で説明されるシステム及び技術により他のタイプの物理評価も使用されてもよい。物理学シミュレータは、モデル化済み部品のボリュームの内側のいずれかの場所で応力、歪みエネルギーなどの場を生み出すことができ、形状オプティマイザは、これを速度場に変換することができる。シミュレーション場から速度へのこの変換は、所望のボリューム低減を達成する場のスケーリング及びオフセットと同程度に単純であることができる。420において、形状を改善するために、モデル化済み部品の内側の歪みエネルギー場が、ボリュームの表面に対する速度場に変換される。変換は、シミュレーション評価に従ってより良好な最適化済み形状に向かって部品のジオメトリを移動させることによって、各々のポイントにおける速度に従って形状の進化をサポートする。
【0119】
425において、その速度に従って境界の各々の部分を移動させることによって、形状が更新される。形状が更新されるとき、形状は暗黙的な形状として表されてもよい(例えば、レベルセット表現において)。いくつかの実装態様では、3D形状が後続の反復の間で不変のままである形式を達成するまで、シミュレーション、変換、及び更新のオペレーションが反復的に実行される。他の例では、退出条件が満たされるまで、オペレーションが反復される。退出条件は、3Dモデルの最適化済み結果についての予め定義された条件であってもよい。最適化工程(ステップ410、415、420、及び425)の間、修正を受ける形状は、固定済み設計ドメイン内に留まることが必要とされる。設計ドメインは、最適化工程の全体を通じて材料により埋められたままであることが必要とされる「保存体」などのユーザにより規定された領域を含んでもよい。
【0120】
速度に従って形状が改善されるとき(420において)、形状の表面に関して速度場435が定義される。形状境界が各々のポイントにおいてどのよいに移動するべきであるかが判定される。速度場がスカラ場として定義され、形状の進化を調節して、それをより製造可能にするよう速度場がフィルタされる。構築方向に従って設計の位置を低下させる3D形状の調節は、
図2Cの270において説明されるように実行されてもよい。
図2Cに説明されたような速度フィルタリングの使用は、設計基準(例えば、機械的基準)を満たすが、付加製造の間に支持材料をあまり必要としない「低」設計の生成を奨励する。形状を修正するよう速度フィルタリングに基づいて生成された形状は、製造ツールの構築板により近いジオメトリを提供する。速度場の修正は、表面法線方向、構築方向、及び致命的なオーバハング角度に依存した量を差し引くことを含む。修正は、オーバハング角度を超える形状のそれらの表面に適用されてもよい。形状の進化を監視するためにスカラ因子を適用することによって、形状への変更に対する速度フィルタリングの効果の強度が制御されてもよい。
【0121】
例えば、式(5)に従って速度場が定義されてもよく、
【0122】
【0123】
Vnは速度場であり、∇φは、差し引かれた表面に依存した量であり、dは構築方向であり、致命的なオーバハング角度は、α0により表される。Rは、オーバハング角度を超える領域にのみ変更が適用されることを保証するランプ関数である。式(5)に定義されるような速度場を適用することによって、設計基準をなおも満たすより低い設計が生成されてもよい。
【0124】
別の実装態様では、速度場をフィルタするために、単純な一定の下方向速度も使用されてもよい。そのような単純な速度が、式(6)に従ってもよく、
【0125】
【0126】
フィルタ済み物理評価により、暗黙的な表面(例えば、レベルセット表現における)についての計算済み形状変更速度に従って3D形状の現在のバージョンが更新される。モデル化済みオブジェクトの現在の3D形状の速度場を使用して3D形状が修正されてもよい。
【0127】
計算済み形状変更速度に従って3D形状の境界を移動させることによって現在の3D形状が更新され(425)、予め定義された回数の反復が完了するまで、収束が達成されるまで、または予め定められた回数の反復にわたって形状への著しい変更が行われなくなるまで、最適化ループが繰り返される。最適化ループが形状を処理することを終了すると、出力(例えば、オブジェクトの形状の多角形メッシュ表現)が提供される(430)。
【0128】
図5は、高い曲率を有するプロファイルを生成し、製造における使用のためにオブジェクトの修正済み3D形状を提供するためにジオメトリフィルタリングを適用することによって、オブジェクト510の3D形状を修正する実施例の工程500である。オブジェクト510の修正は、例えば、
図2A、2B、2C、及び
図3において説明されたように実行されてもよい。実施例の工程500は、前に議論されたようなティアドロップ形状を作成するために、プロファイルオフセッティングを使用したジオメトリフィルタリングを適用する。いくつかの実装態様では、付加製造工程と関連付けられた最大オーバハング角度に対応する量によりプロファイルをオフセットすることによって、そのようなティアドロップ形状の生成が実行されてもよい。オブジェクト510の3D形状は、高い曲率のエリアと関連付けられる。スライスに対応する離散的レイヤの各々において3D形状の二次元プロファイル表現をオフセットするよう、3D形状を切断すること(及び、製造の方向に沿って3D形状の離散的レイヤを定義すること)に基づいて、レイヤごとにビームが処理されてもよい。生み出されたプロファイルは、高い曲率を有する。例えば、520は、実施例の抽出済み2Dプロファイル及びそのオフセットを提示する。オフセットは、
図3において説明されたように定義されてもよい。530において、ジオメトリフィルタリングに基づいて生成された修正済み3D形状が提供される。
【0129】
図6は、製造における使用のためのオブジェクトの修正済み三次元形状を提供するためにジオメトリフィルタリングを適用することによって、ボックス660の三次元形状を修正する実施例の工程600である。ボックス660の3D形状は、相互に陥没した面を有する。3D形状660は、例えば、
図2A、2B、2C、及び3において上記説明されたように処理されてもよい。製造工程の方向に沿って3D形状の判定済み離散的レイヤの各々に、
図3において議論されたような製造と関連付けられた量だけオフセットすることを実行することによって、3D形状660が修正されてもよい。プロファイル670は、3D形状660から切断された実施例の2Dプロファイルに対応する。いくつかのケースでは、プロファイル670などのプロファイルは、オフセットする量に基づいて直線にオフセットされてもよい。
【0130】
プロファイルオフセッティングを使用したジオメトリフィルタリングに基づいて、新たな3D形状680を提供するよう3D形状660が修正されてもよい。
【0131】
プロファイルオフセットを使用してジオメトリフィルタリングから出力された形状530及び680の両方は、自己支持構造をもたらさないが、付加製造などの製造の間に使用されることになる支持構造に対する必要性を低減させる。
【0132】
以下の表1は、本明細書の全体を通じて、例えば、
図2A、2B、2C、3、5、及び6において説明されるようなプロファイルオフセットを使用したジオメトリフィルタリングについての疑似コードを含む。
【0133】
【0134】
ユーティリティ関数SliceVolumeTopToBottom(表1のライン1にある)は、3Dボクセルボリュームを1つのボクセル厚レイヤ(または、スライス)に分割し、レイヤリストにおける各々のエントリは、3Dボリュームの対応するスライスと同一の値を含むボクセルの2Dアレイである。スライスは、構築方向に垂直(または、実質的に垂直)に取られてもよい。軸整列され、上から下に順序付けられる(すなわち、負の構築方向に沿って)ようにそれらを設けるよう、垂直であるとしてスライスを定義することが必要とされることがある。
【0135】
オブジェクトの3D形状のボリュームは、1つのボクセル厚レイヤに切断されてもよく、各々のレイヤにおける(2Dドメインにおける)画素と3Dドメインにおけるボクセルとの間の1対1の対応関係を維持する。
【0136】
ボリュームから抽出されたがジオメトリを有さないレイヤと同一のサイズ及び形状の2Dレイヤを生み出すよう、MakeEmptyLayer関数が起動されてもよい。いくつかの実装態様では、2Dプロファイル表現は、2Dレベルセットである。BooleanUnionは、画素様最小値を取ることによって、2つの2Dプロファイル表現を組み合わせることができる(例えば、レベルセットとして)ルーチン(または、手順)である。
【0137】
組み合わされた2Dプロファイル表現に繰り込みが適用されてもよい。例えば、レベルセット繰り込みルーチンは、BooleanUnionから出力された2Dレベルセットを符号付き距離フィールドに変えることができ、ゼロ輪郭位置を固定したままにし、レベルセット値における値を更新し、その結果、勾配は、いずれかの場所の単位規模を有する。正のオフセット値に対してゼロ輪郭の位置を外側にシフトさせ、負の値に対してゼロ輪郭の位置を内側にシフトさせるよう、あらゆるボクセルの値に規定済み定数を差し引くことによって、符号付き距離フィールドに対してオフセットを実行するためにオフセット関数が使用される。
【0138】
AssembleVolumeFromSlices手順は、スライスデータから3D形状を再構築する。以下の表2は、AssembleVolumeFromSlices手順についての疑似コードを含む。
【0139】
【0140】
AssembleVolumeFromSlices手順において実装されるアルゴリズムは、layersOutリストからの値に基づいて(ライン9にあるmin()関数の起動に基づいて)、画素についての入力ジオメトリボクセルの形式において追加のジオメトリを入力に付加することができる。支持ジオメトリが部品の本質的な底部を越えて延長する場合、そのようなジオメトリがボリュームの底部まで続かないように、明示的な「構築板」オペレーションが実行される。それを提供するために、構築方向から見られるような部品の底部座標が、GetBottomDepthにより計算されてもよい。次いで、レイヤごとに、部品の底部からの距離が計算され(distFromBottom変数に基づいて)、底部深度における構築方向に垂直な平面によって定義された半空間との支持済み形状に対するブール交差を実行するために(これは、ライン9にあるmax関数により実装される)、計算済み距離が使用される。
【0141】
閾値(ライン7にある)は、ジオメトリの更新を制限し、その結果、出力レイヤが入力レイヤとは著しく異なる領域内でのみ更新を行うことができる。閾値は、ゼロまたは何らかの小さな値であってもよい。いくつかのケースでは、閾値は、最も狭い帯域幅に定義されてもよい。代わりに、入力レイヤと出力レイヤとの間の画素様差が評価されてもよく、閾値と比較されてもよい。
【0142】
GetBottomDepth()関数は、ポイント座標ドット積の表面上のポイント及びbdirベクトルに対する最小値を発見する。同様に、平面の深度は、平面上のポイントとbdirベクトルとの間のドット積である。VoxelFromPixel関数は、レイヤの画素をポピュレートするために元々使用されるソースボクセルを回復するよう、SliceVolumeTopToBottom関数において使用されるマッピングを反転させる。いくつかの実装態様では、元の切断することがランタイムで後に実行及び使用されるとき、そのようなデータはルックアップテーブルとして記憶されてもよい。
【0143】
図7A及び7Bは、付加製造工程により製造するときに使用される必要がある最小化された支持材料により修正済み3D形状を生成するために、ジオメトリフィルタを適用する前及び後の実施例の3D形状を示す。
図7A及び7Bは、ジオメトリフィルタを適用する前の3D形状700及びジオメトリフィルタを適用した後に提供される3D形状710を含む。適用済みジオメトリフィルタは、本明細書の全体を通じて、例えば、
図2A、2B、2C、5、6A、及び6Bにおいて議論されたようなプロファイルオフセッティングを使用することができる。製造工程と関連付けられた方向に沿って定義された、3D形状700の各々の離散的レイヤに修正を適用した後の3D形状710が提供される。3D形状710は、生成された形状であり、設計に対する量により(例えば、オーバハング角度に基づいた)プロファイルオフセッティングを使用したジオメトリフィルタの効果を示す。
【0144】
図7Bは、
図7Aと関連付けられた1つと同一の設計を示すが、元の設計との差720が明るい網掛けでハイライトされたジオメトリフィルタを適用した後の生成済み形状が提供される。ジオメトリフィルタは、
図7Aの元の設計に対して適用されるとき、修正されていないジオメトリに対して必要なより大きなエリアの支持ではなく、形状が支持構造の小さなカラムによって支持されることを可能にするよう、元の設計に対応する円筒状領域の下に位置する修正済み形状710において尖点特徴を生成する(
図7BにおけるラベルAを参照)。
【0145】
よりかさばったエリアの支持を代わりに、支持を必要とするラインにおいて終端する先細ったジオメトリにより修正された710の凹形領域Bの周りで、3D形状700に対してオフセットすることを適用した同様の結果を認識することができる。
【0146】
ラベルCは、所望の先細ったまたはティアドロップ形状プロファイルを有する、ビームを指す。
【0147】
図7Cは、付加製造工程を使用して製造するときに使用される必要がある最小化された支持材料により修正済み3D形状を生成するためにジオメトリフィルタを適用した後に生成された、切断図において提示される、実施例の3D形状を示す。
【0148】
図7Cは、3D形状710の断面
図730を示す。断面
図730は、プロファイルオフセッティングを使用してジオメトリフィルタリングに基づいて、3D形状710において実行される修正に関連するティアドロップ形状プロファイル修正(例えば、ティアドロップ形状プロファイル740)を示す。
【0149】
図7Bの3D形状710のラベルEは、完全に補正され得たオーバハングした領域を元の設計が有していた領域を示す。領域Eにある修正済み3D形状710の部分は、ジオメトリフィルタによって生成され、修正済み3D形状710の既存のジオメトリによって支持されたエリアである。
【0150】
いくつかの実装態様では、プロファイルオフセッティングによるジオメトリフィルタの実装態様は、各々のレイヤにおける画素と3Dボリュームにおけるボクセルとの間の1対1の対応関係を必要とすることがある。そのような対応関係を提供することを可能にするために、主方向(X,Y,Z)の1つに沿ってもよい、構築方向に対して何らかの制約が実装されてもよい。いくつかのケースでは、構築方向を制約するよう入力ボリュームからレイヤを構築すると共に、必要とされる1対1の対応関係を維持するために、三線補間が使用されてもよい。そのようなケースでは、レイヤは、入力ボクセルボリュームに対して回転するボクセルボリュームを形成することができる。レイヤからボリュームを再度組み立てるとき、layersOutデータからのデータに基づいて、構築方向に整列されたボリュームを構築することができ、次いで、元のボリュームジオメトリにおける各々の画素に対応する新たな値を判定するために、三線補間が適用されてもよい。
【0151】
いくつかの実装態様では、生成的設計工程の間に、最適化の反復ごとにオーバハング角度に基づいたフィルタリングが適用されてもよい。そのようなフィルタリングは、速度フィルタリング(例えば、
図2Cにおいて説明されたような)、ジオメトリフィルタリング(
図2A、2B、2C、5、6A、及び6Bにおいて説明されたような)、またはその両方を含んでもよい。いくつかの他の実装態様では、反復のセット(または、形状の部分)が実行され、形状の一部分が何らかの最適化(例えば、シミュレーション評価に基づいた)を通った後のみ施行されるよう、フィルタリングが実装されてもよい。そのような実装態様では、フィルタリングは、最適化工程の特定の段階においてランプアップされてもよく、工程の最後に施行されてもよい。
【0152】
速度フィルタが3D形状の最適化工程に組み込まれる実装態様について、μの値は、0からそのターゲット値にゆっくりと増大してもよく、それは、速度フィルタが形状進化に影響を及ぼす度合をゆっくりと増大させる。
【0153】
ジオメトリフィルタが3D形状の最適化工程に組み込まれる実装態様について、使用されるオーバハング角度がターゲット値に到達するまで、非常に高いオーバハング角度(「全てのハングが許容される」ことに対応する90度に近い)と関連付けられた修正を開始し、次いで、プロファイルをオフセットするために使用されるオーバハング角度をゆっくりと低減させることによって、フィルタリングが施行されてもよい。交互に、ジオメトリフィルタの結果を入力ボリュームに直接適用する代わりに、スカラ融合因子βと融合した量によりオフセットすることによって、ジオメトリフィルタリングが実装されてもよく、その結果、オフセットした結果は、入力(処理されていない)符号付き距離フィールドのβ倍に、出力(処理された)符号付き距離フィールドの(1-β)倍を加えたものの合計である。いくつかの実装態様では、融合することに基づいて、前の反復からの3D形状の次のバージョンを前の反復からの3D形状の更新済みバージョンと混合することによって、3D形状の現在のバージョンが生み出されてもよい。混合することにおいて使用することができる次のバージョンの量は、多反復工程からの複数回の後続の反復の各々における更新済みバージョンの量まで相対的に増大することができる。
【0154】
いくつかの実装態様では、変化する(または、修正する)次の反復における3D形状の現在のバージョンとして更新済みバージョンのいずれもが使用されず、次のバージョンの全てが使用されるまで、混合する工程が実行されてもよい。そのような基準に到達するまで融合することを続行するかどうかの判定は、例えば、閾値融合として考えることができる特定の割合の融合まで減少してもよく、到達するとき、融合することが終了してもよい。
【0155】
生成的設計工程の間のフィルタリングの導入及び施行は、線形的または非線形的のいずれかで実行されてもよい。固体融合によるジオメトリフィルタが適用されるいくつかの例では、前の反復におけるフィルタリングによる付加された材料の一部がなおも存在し、よって、複合効果を生じさせるので、ジオメトリフィルタのランプアップは準線形ランプとして実行されてもよい。
【0156】
いくつかの実装態様では、付加製造は、面の2つの自己支持ビームを接続するとき、オーバハングしたジオメトリの小さな領域が存在することを可能にする「架橋」を可能にする。
図7B及び7Cに存在するジオメトリフィルタリングは、そのような「架橋」効果を考慮しない。いくつかの実装態様では、架橋に適合するジオメトリフィルタリングがもたらされてもよい。
【0157】
図8は、オーバハングしたジオメトリの領域における架橋効果を考慮することによるジオメトリフィルタリング及びオーバハングしたジオメトリの領域における架橋効果を考慮しないジオメトリフィルタリングを使用することによって、製造物理構造に適合した出力3D形状を生成する実施例の工程800を示す。実施例の工程800は、
図2Aの工程200において、
図2Bの工程228、
図2Cの工程258において、及び本明細書の全体を通じて説明されたように生成された部品の生成的設計済み3D形状を修正し、出力モデルの生成は、「架橋」効果を施行することを可能にし、自己支持領域もしくは面を接続するとき(820における右側上で提示されるような)、オーバハングしたジオメトリが存在することを可能にし、またはまたは可能にしない(810における左側上の)、のいずれかである。
【0158】
実施例の工程800は、モデル化済みオブジェクトの3D形状の処理の間に各々の2Dレイヤの外部形状スケルトンを計算すること、及びスケルトンがその上のレイヤのオフセットと有意に交差する領域を識別することを伴う。それらのケースでは、スケルトンをリフレッシュし、その上のレイヤを支持するために必要なジオメトリから小さなツールジオメトリを差し引くことによって、小さなツールジオメトリを構築することができる。
【0159】
入力モデル805が受信される。入力モデル805はアーチであり、815において、アーチは、鳥瞰図から提示され、ページから外に出る構築方向により上位レイヤのはるかに真下に形状が伸長することを想定することができる。いくつかの実装態様では、アーチの中心におけるオーバハングのエリアを低減させ、製造するのにより容易である形状においてそれを提供するために、そのようなジオメトリが僅かに修正されてもよい。
【0160】
いくつかの実装態様では、アーチを製造するために使用することができる3Dモデルを生成するために、本明細書で説明されるように、及びプロファイルオフセッティングを使用したジオメトリフィルタなどのフィルタリングを適用する実装態様に従って、3Dモデルが実装されてもよい。「架橋」効果を考慮することなく、3Dモデルのそのような修正が実行されてもよい。
【0161】
810において、出力修正済み3D形状を生成するよう入力モデル805を修正するためにジオメトリフィルタリングが使用される場合、815において示されるように3D形状が切断されてもよい(前に議論されたように)。現在のレイヤ(a)815の下のレイヤによって支持される必要があるジオメトリを取得するよう、オフセット、すなわち、
【0162】
【0163】
が判定されてもよい。
【0164】
現在のレイヤ815の下の次の(構築の方向に沿ったその後識別されるレイヤ)レイヤは、2Dプロファイルスライスb(プロファイルb825)を有することができ、
【0165】
【0166】
とのbの結合は、レイヤb、プロファイル830の出力コンテンツを設定することができる。そのようなジオメトリフィルタリングに基づいて、出力モデル840が生成されてもよい。入力モデル805に適用されるジオメトリフィルタは、架橋の考慮事項を適用しないとき、アーチの内側全体を充填し、固体ブロックを残す。
【0167】
いくつかの実装態様では、フィルタリングを実装するときに架橋の考慮事項が考慮されてもよい。例えば、架橋を実装するか否かは、生成的設計工程についての構成パラメータであってもよい。構成パラメータは、ユーザによって設定されてもよく、または別のシステムもしくはアプリケーションから提供されてもよいかのいずれかである。
【0168】
820において、入力モデル805を修正するときに架橋の考慮事項が考慮される。架橋を実装するために、結合
【0169】
【0170】
(830)を直接計算する代わりに、形状bの外部スケルトンが計算されてもよい。bの外側全体であり、少なくとも2つの平面にある表面に触れる円のセットの中心として外部スケルトンが定義されてもよい。外部スケルトンは、2つの接触ポイントへのベクトルの間の角度(ψ850)が予め定義された度(例えば、110度)よりも大きいようにフィルタされてもよい。
【0171】
860においてスケルトンが示される。最大架橋距離によって設定されたボール直径により、各々のスケルトンポイントの周りのボールを膨張させることによって、スケルトンが「リフレッシュ」されてもよい。最大架橋距離は、固定された値であってもよく、または工程依存であってもよい(例えば、出力モデルに基づいて部品を製造するために使用される特定の付加製造工程に依存した)。この「リフレッシュ済み」外部スケルトン870は、その上のレイヤを支持するために必要な形状から差し引かれてもよく、レイヤb870の新たな形状及び880において示されるプロファイルbの下の後続のプロファイル(レイヤ)における最終的な部品形状を与える。「架橋」の考慮事項によるジオメトリフィルタリングを実装することに基づいて、出力モデル890が生成されてもよい。
【0172】
図9は、鋳造工程についての最小抜き角に従って判定された量だけ外側に二次元プロファイル表現をオフセットすることを含む実施例の鋳造工程900を示す。いくつかの実装態様では、本開示の全体を通じて説明されたフィルタリングに従って修正に基づいた生成済み3D形状は、付加製造以外の製造工程における使用のために提供されてもよい。そのような工程は、鋳造工程または鋳型工程を含んでもよい。元の形状から切断された離散的レイヤを定義するために使用することができる方向は、鋳造工程または鋳型工程のいずれかの延伸方向940であってもよい。鋳造工程または鋳型工程に適合した3D形状を生み出すフィルタリングを実装するために、フィルタリングの一部として行われるオフセットすることは、鋳造工程または鋳型工程についての最小抜き角に従って判定された量だけ外側にオフセットすることであってもよい。
【0173】
本開示において説明されたフィルタリングは、1つまたは複数の延伸方向鋳造可能部品を生み出すよう異なる構成に調節されてもよい。表1に示されたように、ジオメトリフィルタリングの実装を調節することによって、そのような異なる構成が実装されてもよい。実装における変更は、鋳造工程または鋳型工程の負の延伸方向になる方向に沿って形状が進行するにつれて、抜き角α(最小抜き角など)と共に外側に先細ることを生じさせるよう、ライン8におけるオフセットオペレーションの符号を切り替えることに基づいてもよい。
【0174】
最小抜き角に従って判定された量だけ元の形状910の各々の離散的レイヤにおけるプロファイル表現へのプロファイルオフセッティングを使用してジオメトリフィルタを実装することに基づいて、修正についての入力として元の形状910が使用されてもよい。920において、上記説明されたようなジオメトリフィルタリングを実行することによって定義された片面鋳型工程または鋳造工程のために3D修正済み形状が最適化される。
【0175】
各々の延伸方向に対して1回、ジオメトリフィルタリングを2回実行し、930に示されるような結果のブール交差を取ることによって、両面鋳型工程が近似されてもよい。製造のための結果出力モデルを判定するよう実質的に類似の修正を実行することによって、多部品鋳型工程も近似されてもよい。
【0176】
いくつかの実装態様では、オフセットする値は、レイヤの識別に依存する(例えば、レイヤのIDの関数)オーバハング角度(表1におけるalpha)を構成することによって、異なるレイヤにまたがって変化してもよい。
【0177】
いくつかの例では、オフセットする量は、単一のレイヤ内で変化してもよい。例えば、保存体を特定の抜き角に合致させるようジオメトリを付加することが望ましくない場合にこれが行われてもよい。例えば、行われる変更へのそのような考慮事項または制約は、鋳造制約についてのユーザ入力及び/またはユーザにより予め定義された要件に基づいてもよい。その実施例では、1つのオフセット値が保存体から離れた設計空間と関連付けられてもよく、第2の(異なる)オフセット値が保存体の近くで使用されてもよい。いくつかのケースでは、第2のオフセット値を保存体の近くの形状のより僅かな補正と関連付けることができるように、それは相対的に小さくてもよい。いくつかの例では、全体的な「オフセット」フィールドを連続したままにするよう、2つのオフセット値の間で遷移領域(または、ゾーン)が維持されてもよい。いくつかの他の例では、単一のレイヤ内の異なるオフセット値の使用は、レイヤ自体におけるジオメトリに関連する評価に応答したものであってもよい。いくつかの実装態様では、オフセットすることは、2D空間的に変化するオフセットとして実装されてもよい。そのケースでは、表1に提示されるようなオフセット関数は、再定式化されてもよい。スライスにおける各々のポイントにおいて2Dプロファイルをオフセットするための量を含む(潜在的に)空間的変化する2D「オフセットフィールド」を承服するようオフセット関数が定義されてもよい。次いで、例えば、定数アルファの単純な減算としてオフセットを適用する代わりに、オフセットフィールドにおける対応する位置内で画素ごとに値が減算されてもよい。いくつかのケースでは、実装態様は、速度場の種類として「オフセットフィールド」を使用してもよく、プロファイルの正規方向に沿って速度場が一様であることを保証するために正規拡大を実行してもよく(例えば、レベルセットトポロジ最適化における標準的な慣習)次いで、実際のオフセットすることを実行するために移流を使用してもよい(例えば、1.0に固定された移流時間により)。
【0178】
いくつかの実装態様では、製造工程は、複数の延伸方向の第1の延伸方向が複数の側に対応する2つ以上の面鋳型工程である。第1の修正済み3D形状を生成するようプロファイルオフセッティングを使用してフィルタを実装することによって、
図2Aの工程200において説明されたように、入力3D形状が修正されてもよい。第1の修正済み3D形状に基づいて、更なる修正が実装されてもよい。2つ以上の延伸方向の第2の延伸方向に沿って3D形状の2つ以上の離散的レイヤの各々に対して修正が実行されてもよい。修正は、第2の現在の離散的レイヤにおける3D形状の第2の二次元プロファイル表現を抽出することによって、第2の修正済み3D形状を生み出すことを含む。第2の二次元プロファイル表現は、第2の延伸方向に垂直である平面内に存在する。修正は更に、第2の現在の離散的レイヤの第2のオフセット済み二次元プロファイル表現を形成するための量だけ外側に第2の二次元プロファイル表現をオフセットすることを含む。次いで、第2の現在の離散的レイヤの第2のオフセット済み二次元プロファイル表現を使用して、第2の次の離散的レイヤが変更される。第2の修正済み3D形状を生み出すことに基づいて、モデル化済みオブジェクトの出力3D形状を生み出すために、第1の修正済み3D形状とのブール交差に対してその第2の修正済み3D形状が使用される。
【0179】
図10Aは、付加製造のための設計を準備するためにジオメトリフィルタリング及び速度フィルタリングを適用するとき、付加オーバハング制約を適用するか、または付加オーバハング制約を適用しないことのいずれかによって生成されたGEブラケットオブジェクトの3D形状の比較結果を示す。いくつかの実装態様では、付加製造ツールを使用して物理構造を製造する際の使用のためであるオブジェクトの3D形状を修正するようフィルタリングが実行されるとき、付加オーバハング制約が考慮されてもよい。オフセットすることの反復において形状に対して行われる修正の一部を制限するようフィルタリングを実行するとき、付加オーバハング制約が使用されてもよい。例えば、
図2Aの工程200、
図2Bの228、または
図2Cの258において説明されるように、修正済み3D形状を生成するために付加オーバハング制約が使用される場合、ボリュームの中心におけるオーバハングした空洞を、空洞としてそれらを維持する代わりに除去することができる(例えば、材料の薄いシートにより充填される)。
【0180】
例として、1010及び1020などにおける付加オーバハング制約を考慮した制限なしに、または1030及び1040に示されるような付加制約によりフィルタリングを実装するために、
図10Aに対して示されるGEブラケット問題1000が使用される。部品1010及び1030は、付加制約制限なしまたは付加制約制限による部品の正面図を示す。部品1020及び1040は、オーバハング制約なしまたはオーバハング制約による部品の底面図を提示する。部品1030及び1040において、特定の入力された致命的なオーバハング角度に対するオーバハングについてのオーバハング制約が定義される。
【0181】
部品を製造するのにより容易にするよう形状を修正するために、ジオメトリ、速度、またはその両方を含む、フィルタリングに基づいて、
図10Aに対して示されるような部品の形状が生成される。ジオメトリフィルタ及び速度フィルタは、構築板により近くに、設計の一部の領域を下方に至らせ、定義済み基準(例えば、付加制約などの製造制約)を支持するために上方への形状に対する一様な製造可能ドラフトを保証するよう共に作用することができる。
【0182】
1020及び1040において、より暗くハイライトされた領域は、55度よりも大きくオーバハングした領域である。付加制約によるジオメトリフィルタリング及び速度フィルタリングを使用することによって、オーバハングに違反したエリア(1040におけるより暗い網掛けに示されるような)は、オーバハングに違反したエリア(1020におけるより暗い網掛けに示されるような)と比較して少ない。
【0183】
図10Bは、付加製造のための設計を準備するためにジオメトリフィルタリング及び速度フィルタリングを適用するとき、付加オーバハング制約を適用する(1060)か、または付加オーバハング制約を適用しない(1050)ことのいずれかによるトリプルクランプオブジェクトの3D形状の比較結果を示す。
【0184】
ジオメトリフィルタリング及び速度フィルタリングが
図10Bに示されるようなトリプルクランプの修正済み3D形状を提供することに適用されるとき、ジオメトリフィルタ及び速度フィルタは、構築板に向かってジオメトリを下方に至らせ、追加の支持を必要とするバーを除去するよう共に作用する。代わりに、より大きな支持可能面が提供される。このケースでは、ドメインの中間において支持を必要とする領域がなおも存在するが、ビームの底部のティアドロップ形状は、必要とされる支持を最小にすることができることを保証する。
【0185】
図11は、クライアントまたはサーバとしてプログラムすることができる、データ処理装置1100を含むデータ処理システムの概略図である。データ処理装置1100は、ネットワーク680を通じて1つ以上のコンピュータ1190と接続される。1つのコンピュータのみがデータ処理装置1100として
図11に示されるが、複数のコンピュータが使用されてもよい。データ処理装置1100は、アプリケーションレイヤとオペレーティングシステムとの間で分散することができる様々なソフトウェアモジュールを含む。それらは、上記説明されたシステム及び技術を実装する1つ以上の3Dモデル化プログラム1104のツール及びサービスを含む、実行可能及び/または解釈可能ソフトウェアプログラムまたはライブラリを含んでもよい。よって、3Dモデル化プログラム(複数可)1104は、CADプログラム(複数可)1104(CADプログラム(複数可)116など)であってもよく、複数のミリング方向(例えば、複数の部品セットアップ)によりまたは複数のミリング方向なしに、ジオメトリフィルタリング、シミュレーション結果フィルタリング、並びに/または空洞生成及び挿入を組み込んだトポロジ最適化及び物理シミュレーションオペレーション(有限要素分析(FEA)またはその他)のために1つ以上の生成的設計工程を実装してもよい(例えば、生成的設計のためのレベルセットに基づく方法方法(複数可)を使用して)。更に、プログラム(複数可)1104は、製造制御オペレーションを潜在的に実装してもよい(例えば、設計されたオブジェクトの製造に影響を与えるツールパス仕様を生成及び/または適用する)。使用されるソフトウェアモジュールの数は、1つの実装態様と別の実装態様とで変化してもよい。その上、ソフトウェアモジュールは、1つ以上のコンピュータネットワークまたは他の適切な通信ネットワークによって接続された1つ以上のデータ処理装置上で分散されてもよい。
【0186】
データ処理装置1100はまた、1つ以上のプロセッサ1112、1つ以上の追加のデバイス1114、コンピュータ可読媒体1116、通信インタフェース1118、及び1つ以上のユーザインタフェースデバイス1120を含むハードウェアデバイスまたはファームウェアデバイスを含む。各々のプロセッサ1112は、データ処理装置1100内での実行のための命令を処理することが可能である。いくつかの実装態様では、プロセッサ1112は、シングルスレッドプロセッサまたはマルチスレッドプロセッサである。各々のプロセッサ1112は、コンピュータ可読媒体1116または追加のデバイス1114の1つなどの記憶装置に記憶された命令を処理することが可能である。データ処理装置1100は、例えば、ネットワーク1180を通じて1つ以上のコンピュータ1190を通信するために通信インタフェース1118を使用する。ユーザインタフェースデバイス1120の例は、ディスプレイ、カメラ、スピーカ、マイクロフォン、触知フィードバックデバイス、キーボード、マウス、並びにVR及び/またはAR機器を含む。データ処理装置1100は、例えば、コンピュータ可読媒体1116または1つ以上の追加のデバイス1114、例えば、ハードディスクデバイス、光学ディスクデバイス、テープデバイス、及びソリッドステートメモリデバイスに、上記説明されたプログラム(複数可)と関連付けられたオペレーションを実装する命令を記憶してもよい。
【0187】
本明細書において説明された主題及び機能的オペレーションは、本明細書において開示された構造及びそれらの構造的同等物、またはそれらの1つ以上の組み合わせの構造を含む、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて実装されてもよい。本明細書において説明された主題の実施形態は、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置のオペレーションを制御するために、非一時的コンピュータ可読媒体上で符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールを使用して実装されてもよい。コンピュータ可読媒体は、小売チャネルを通じて販売されたコンピュータシステムにおけるハードドライブもしくは光学ディスク、または組み込みシステムなどの製造済み製品であってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、有線ネットワークまたは無線ネットワークを通じてコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールの配信の後、コンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールにより、別個に獲得されてもよく、後に符号化されてもよい。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、メモリデバイス、またはそれらの1つ以上の組み合わせであってもよい。
【0188】
用語「データ処理装置」は、例として、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、対象のコンピュータプログラムについての実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、ランタイム環境、またはそれらの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含んでもよい。加えて、装置は、ウェブサービス、分散コンピューティング、及びグリッドコンピューティングインフラストラクチャなど、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを採用してもよい。
【0189】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、コンパイルされた言語またはインタープリットされた言語、宣言型言語または手続型言語を含む、いずれかの適切な形式のプログラミング言語において記述されてもよく、それは、スタンドアロンプログラムもしくはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境における使用に適切な他のユニットとしてを含む、いずれかの適切な形式において展開されてもよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステムにおけるファイルに必ずしも対応しない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータを保持したファイルの一部(例えば、マークアップ言語ドキュメントに記憶された1つ以上のスクリプト)に、対象のプログラムに専用の単一のファイルに、または複数の協調されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を記憶したファイル)に記憶されてもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに位置し、もしくは複数のサイトにまたがって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開されてもよい。
【0190】
本明細書において説明された処理及びロジックは、入力データに対して動作する機能を実行するよう1つ以上のコンピュータプログラムを実行し、出力を生成する1つ以上のプログラム可能プロセッサによって実行されてもよい。処理及びロジックフローも、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実行されてもよく、装置も、FPGAまたはASICとして実装されてもよい。
【0191】
コンピュータプログラムの実行に適切なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサ及び特殊目的マイクロプロセッサの両方、並びにいずれかの種類のデジタルコンピュータのいずれかの1つ以上のプロセッサを含む。概して、プロセッサは、リードオンリメモリもしくはランダムアクセスメモリ、またはその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須の要素は、命令を実行するためのプロセッサ並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大規模記憶装置、例えば、磁気ディスク、磁気光学ディスク、もしくは光学ディスクを含み、あるいはそれらからデータを受信し、もしくはそれらにデータを転送し、またはその両方のために動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。その上、コンピュータは、別のデバイス、例えば、いくつか挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオもしくはビデオプレイヤ、ゲームコンソール、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、またはポータブル記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)に組み込まれてもよい。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するために適切なデバイスは、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM(消去可能プログラマブルリードオンリメモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ)、及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクまたは着脱可能ディスク;磁気光学ディスク;並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む、全ての形式の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスを含む。プロセッサ及びメモリは、特殊目的論理回路によって補完されてもよく、または特殊目的論理回路に組み込まれてもよい。
【0192】
ユーザとの相互作用をもたらすために、本明細書において説明される実施形態は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイデバイス、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイデバイス、または別のモニタ、並びにそれによってユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス、例えば、マウスもしくはトラックボールを有するコンピュータ上で実装されてもよい。ユーザに相互作用をもたらすためにも他の種類のデバイスが使用されてもよく、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、いずれかの適切な形式の知覚的フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触知フィードバックであってもよく、ユーザからの入力は、音響入力、発話入力、または触知入力を含む、いずれかの適切な形式において受信されてもよい。
【0193】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含んでもよい。クライアント及びサーバは概して、相互にリモートであり、典型的には、通信ネットワークを通じて相互作用する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で稼働し、相互にクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムのおかげで生じる。本明細書において説明される主題の実施形態は、例えば、データサーバとしてバックエンドコンポーネントを含み、またはミドルウェアコンポーネント、例えば、アプリケーションサーバを含み、またはフロントエンドコンポーネント、例えば、それを通じてユーザが本明細書において説明される主題の実装態様と相互作用することができるグラフィカルユーザインタフェースもしくはブラウザユーザインタフェースを有するクライアントコンピュータを含み、あるいは1つ以上のそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、またはフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含む、コンピューティングシステムにおいて実装されてもよい。システムのコンポーネントは、いずれかの適切な形式または媒体のデジタルデータ通信、例えば、通信ネットワークによって相互接続されてもよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及びワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、並びにピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)を含む。
【0194】
本明細書は多くの実装の詳細を包含するが、それらは、特許請求されている、または特許請求される可能性のあるものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、開示された主題の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態のコンテキストで本明細書において説明される特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態のコンテキストにおいて説明される様々な特徴も、複数の実施形態において別個に、またはいずれかの適切な二次的な組み合わせで実装されてもよい。その上、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上記説明され、最初にそのように特許請求されることがあるが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかのケースでは、組み合わせから切り出されてもよく、特許請求された組み合わせは、二次的な組み合わせまたは二次的な組み合わせの変形に向けられてもよい。
【0195】
同様に、オペレーションが特定の順序において図面に表されると共に、そのようなオペレーションが示された特定の順序において、もしくは特列の順序において実行されること、または所望の結果を達成するために全ての例示されたオペレーションが実行されることを必要とするとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が利点を有することがある。その上、上記説明された実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離を必要とするとして理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネント及びシステムは全体的に、単一のソフトウェア製品において共に統合されてもよく、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されてもよいことが理解されるべきである。
【0196】
よって、発明の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の請求項の範囲内にある。加えて、請求項に記載されたアクションは、異なる順序において実行されてもよく、所望の結果をなおも達成することができる。