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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007456
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】画像表示装置及び画像表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
G06T1/00 200E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100379
(22)【出願日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2021106506
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】320000148
【氏名又は名称】松本 光一
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松本 光一
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA10
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA04
5B050EA07
5B050FA02
5B050GA08
(57)【要約】
【課題】観察対象の様々な変化を観察できるようにする。
【解決手段】画像表示装置は、コンピュータ11と入力機器12とディスプレイ13とを備える。コンピュータ11の記憶部14は、観察対象を撮影した複数の画像データを記憶している。複数の上記画像データは、視差の生じる複数の撮影位置での観察対象の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行うことによって得られたものとされる。記憶部14は、複数の上記画像データを、各々の撮影位置及び撮影時期と関連付けて記憶する。コンピュータ11は、ユーザーが入力機器12の右矢印キー及び左矢印キーを通じて選択した撮影位置と、入力機器12の上矢印キー及び下矢印キーを通じて選択した撮影時期とに基づき、それら撮影位置及び撮影時期に対応した画像データを記憶部14から読み出す。コンピュータ11は、読み出した画像データをディスプレイ13に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と表示部と操作部と制御部とを備え、
前記記憶部は、観察対象を撮影した複数の画像データを記憶しており、
前記表示部は、前記画像データを表示するためのものであり、
前記操作部は、ユーザーが前記記憶部に記憶された複数の前記画像データのうちから一つの画像データを選択するためのものであり、
前記制御部は、ユーザーが前記操作部を通じて選択した画像データを前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させる画像表示装置において、
複数の前記画像データは、視差の生じる複数の撮影位置での観察対象の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行うことによって得られたものであり、
前記記憶部は、複数の前記画像データを、各々の撮影位置及び撮影時期と関連付けて記憶するものであり、
前記操作部は、ユーザーが前記撮影位置を選択するための位置選択部と前記撮影時期を選択するための時期選択部とを備え、
前記制御部は、ユーザーが前記位置選択部を通じて選択した撮影位置と前記時期選択部を通じて選択した撮影時期とに対応した画像データを前記記憶部から読み出し、読み出した前記画像データを前記表示部に表示させる画像表示装置。
【請求項2】
記憶部に記憶された複数の画像データのうちから一つの画像データを選択するためにユーザーによって操作部が操作されたとき、そのユーザーによる操作部の選択操作を受け付ける選択受付処理と、
前記選択受付処理によって受け付けられた選択操作を通じて選択された画像データを前記記憶部から読み出す読み出し処理と、
前記読み出し処理によって読み出された画像データを表示部に表示する表示処理と、
をコンピュータに実行させる画像表示プログラムにおいて、
複数の前記画像データは、視差の生じる複数の撮影位置での観察対象の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行うことによって得られたものであり、
前記記憶部は、複数の前記画像データを、各々の撮影位置及び撮影時期と関連付けて記憶するものであり、
前記操作部は、ユーザーが前記撮影位置を選択するための位置選択部と前記撮影時期を選択するための時期選択部とを備えており、
前記選択受付処理は、ユーザーによる前記位置選択部の選択操作と前記時期選択部の選択操作とを受け付け、
前記読み出し処理は、ユーザーによる前記位置選択部の選択操作を通じて選択された撮影位置と前記時期選択部の選択操作を通じて選択された撮影時期とに対応した画像データを前記記憶部から読み出す画像表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観察対象を観察するに当たり、その観察対象を撮影した画像データを記憶しておき、記憶した画像データを読み出して表示させることが行われている。こうした観察の仕方では、観察対象の様々な変化を観察したい要望があるものの、その要望を十分に満たせる技術は存在していない。
【0003】
ちなみに、特許文献1では、撮影位置を変えて観察対象を撮影した複数の画像データを記憶しておき、それら画像データのうちからユーザーの操作を通じて選択された任意の画像データを読み出し、読み出した画像を表示するようにしている。この場合、ユーザーは、撮影位置の異なる複数の画像を次々と表示させることにより、観察対象の画像を実際に観察対象を観察しているかのような視点で見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-124328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、観察対象の画像を実際に観察対象を観察しているかのような視点で見られるようにはなる。ただし、観察対象の様々な変化を観察したいというユーザーの要望を十分に満たすことは難しい。例えば、ユーザーが観察したい観察対象の様々な変化として、自転や公転といった地球の回転周期を基準とした所定の時間間隔毎の観察対象の変化があげられるが、そうした変化を観察したいという要望を満たすことは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する画像表示装置は、記憶部と表示部と操作部と制御部とを備える。記憶部は、観察対象を撮影した複数の画像データを記憶している。表示部は、画像データを表示するためのものである。操作部は、ユーザーが記憶部に記憶された複数の画像データのうちから一つの画像データを選択するためのものである。制御部は、ユーザーが操作部を通じて選択した画像データを記憶部から読み出して表示部に表示させる。複数の上記画像データは、視差の生じる複数の撮影位置での観察対象の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行うことによって得られたものとされる。上記記憶部は、複数の上記画像データを、各々の撮影位置及び撮影時期と関連付けて記憶するものとされる。上記操作部は、ユーザーが撮影位置を選択するための位置選択部と撮影時期を選択するための時期選択部とを備える。上記制御部は、ユーザーが位置選択部を通じて選択した撮影位置と時期選択部を通じて選択した撮影時期とに対応した画像データを記憶部から読み出し、読み出した画像データを表示部に表示させる。
【0007】
上記構成によれば、ユーザーが操作部における位置選択部及び時期選択部の選択操作を通じて撮影位置及び撮影時期を選択すると、選択された撮影位置及び撮影時期に対応する画像データが記憶部から読み出される。そして、読み出された画像データが表示部に表示される。
【0008】
ユーザーが操作部における位置選択部を通じて選択する撮影位置を固定しつつ、操作部における時期選択部を通じての撮影時期の選択を変更すると、表示部に表示される画像データを次のように変化させることができる。すなわち、表示部に表示される画像データを、所定の撮影位置で撮影したものに固定しつつ、異なる撮影時期に撮影したものに変えることができる。これにより、ユーザーは、表示部に表示される画像データを通して、地球の回転周期を基準とした所定の時間間隔毎の観察対象の変化を観察することができる。
【0009】
また、ユーザーが操作部における時期選択部を通じて選択する撮影時期を固定しつつ、操作部における位置選択部を通じての撮影位置の選択を変更すると、表示部に表示される画像データを次のように変化させることができる。すなわち、表示部に表示される画像データを、所定の撮影時期に撮影したものに固定しつつ、異なる撮影位置で撮影したものに変えることができる。これにより、ユーザーは、表示部に表示される画像データを通して、同じ時期に撮影された観察対象を様々な位置から観察することができる。
【0010】
従って、ユーザーは、表示部に表示される画像データを通して観察対象の様々な変化、すなわち撮影位置の違いによる変化、及び、地球の回転周期を基準とした所定の時間間隔毎の観察対象の変化を観察することができる。
【0011】
上記課題を解決する画像表示プログラムは、コンピュータに次の選択受付処理、読み出し処理、及び表示処理を実行させる。選択受付処理は、記憶部に記憶された複数の画像データのうちから一つの画像データを選択するためにユーザーによって操作部が操作されたとき、そのユーザーによる操作部の選択操作を受け付ける。読み出し処理は、選択受付処理によって受け付けられた選択操作を通じて選択された画像データを記憶部から読み出す。表示処理は、読み出し処理によって読み出された画像データを表示部に表示する。複数の上記画像データは、視差の生じる複数の撮影位置での観察対象の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行うことによって得られたものとされる。上記記憶部は、複数の上記画像データを、各々の撮影位置及び撮影時期と関連付けて記憶するものとされる。上記操作部は、ユーザーが撮影位置を選択するための位置選択部と撮影時期を選択するための時期選択部とを備えている。上記選択受付処理は、ユーザーによる位置選択部の選択操作と時期選択部の選択操作とを受け付ける。上記読み出し処理は、ユーザーによる位置選択部の選択操作を通じて選択された撮影位置と時期選択部の選択操作を通じて選択された撮影時期とに対応した画像データを前記記憶部から読み出す。こうして読み出された画像データが表示部に表示される。
【0012】
上記プログラムによれば、ユーザーが操作部における位置選択部及び時期選択部の選択操作を通じて撮影位置及び撮影時期を選択すると、選択された撮影位置及び撮影時期に対応する画像データが記憶部から読み出される。そして、読み出された画像データが表示部に表示される。
【0013】
ユーザーが操作部における位置選択部を通じて選択する撮影位置を固定しつつ、操作部における時期選択部を通じての撮影時期の選択を変更すると、表示部に表示される画像データを次のように変化させることができる。すなわち、表示部に表示される画像データを、所定の撮影位置で撮影したものに固定しつつ、異なる撮影時期に撮影したものに変えることができる。これにより、ユーザーは、表示部に表示される画像データを通して、地球の回転周期を基準とした所定の時間間隔毎の観察対象の変化を観察することができる。
【0014】
また、ユーザーが操作部における時期選択部を通じて選択する撮影時期を固定しつつ、操作部における位置選択部を通じての撮影位置の選択を変更すると、表示部に表示される画像データを次のように変化させることができる。すなわち、表示部に表示される画像データを、所定の撮影時期に撮影したものに固定しつつ、異なる撮影位置で撮影したものに変えることができる。これにより、ユーザーは、表示部に表示される画像データを通して、同じ時期に撮影された観察対象を様々な位置から観察することができる。
【0015】
従って、ユーザーは、表示部に表示される画像データを通して観察対象の様々な変化、すなわち撮影位置の違いによる変化、及び、地球の回転周期を基準とした所定の時間間隔毎の観察対象の変化を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】画像表示装置を示す略図である。
図2】撮影対象の撮影位置を示す略図である。
図3】撮影位置及び撮影時期を変えて撮影された画像データを示す表である。
図4】撮影対象の撮影位置の他の例を示す略図である。
図5】撮影対象の撮影位置の他の例を示す略図である。
図6】隣合う撮影位置でそれぞれ撮影された画像データを示す略図である。
図7】入力機器として機能するキーボードの右矢印キー、左矢印キー、上矢印キー、及び下矢印キーを示す平面図である。
図8】画像表示プログラムにおける一連の処理の実行手順を示すフローチャートである。
図9】ディスプレイを示す正面図である。
図10】ディスプレイを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、画像表示装置及び画像表示プログラムの一実施形態について、図1図8を参照して説明する。
図1は、画像表示装置の構成を示している。同装置は、コンピュータ11と入力機器12とディスプレイ13とを備えている。入力機器12及びディスプレイ13はコンピュータ11に接続されている。入力機器12としては、キーボード、マウス、及びタッチパネルといったものを採用することが考えられる。ディスプレイ13は、上記入力機器12の一つであるタッチパネルを組み込んだものであってもよい。
【0018】
コンピュータ11は、観察対象を撮影した複数の画像データを記憶する記憶部14を備えている。コンピュータ11としては、デスクトップ型、ノート型、及びタブレット型等のパーソナルコンピュータを採用したり、スマートフォン等の携帯型のコンピュータを採用したりすることが考えられる。ノート型、タブレット型、及び携帯型のコンピュータの場合、入力機器12及びディスプレイ13がコンピュータ11と一体化されている。
【0019】
画像表示装置は、記憶部14にされた複数の画像データのうち、ユーザーの望む画像データをディスプレイ13に表示させる。同装置のコンピュータ11は、記憶部14に記憶された複数の画像データのうち、ユーザーの望む画像データをディスプレイ13に表示させるための画像表示プログラムを実行することが可能となっている。同装置において、コンピュータ11は制御部として機能し、ディスプレイ13は表示部として機能する。
【0020】
ユーザーは、上記観察対象を観察するために画像表示装置を用いる。詳しくは、ユーザーは、入力機器12を用いて記憶部14に記憶された複数の画像データから一つの画像データを選択する。コンピュータ11は、画像表示プログラムを通じて、ユーザーによって選択された画像データを記憶部14から読み出し、読み出した画像データをディスプレイ13に表示させる。ユーザーは、このようにディスプレイ13に画像データを表示させることにより、観察対象を観察することができる。
【0021】
次に、記憶部14に記憶される画像データについて詳しく説明する。
記憶部14に記憶される複数の画像データは、視差の生じる複数の撮影位置での観察対象の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行うことによって得られたものである。なお、地球の回転周期を基準とした時間間隔とは、地球の自転や公転に基づく時間間隔のことである。こうした時間間隔としては、地球の公転に伴う1年毎、季節毎、月毎、及び週毎といったものや、地球の自転に伴う1日毎及び所定時間毎といったものがあげられる。記憶部14は、こうして得られた複数の画像データを、各々の撮影位置及び撮影時期と関連付けて記憶する。
【0022】
例えば、図2に示すように、観察対象15の周りを移動しながら、その観察対象15を視差の生じる複数の撮影位置x1、x2、x3・・・xnでそれぞれカメラ16を用いて撮影する。こうした観察対象15の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行う。これにより、複数の撮影時期t1、t2、t3・・・tnに、撮影位置x1、x2、x3・・・xnで、それぞれ観察対象15を撮影した複数の画像データGが得られる。こうして得られた複数の画像データGを図3に示す。これら画像データGは、各々の撮影位置x1、x2,x3・・・xn及び撮影時期t1、t2、t3・・・tnと関連付けて記憶部14に記憶される。
【0023】
図4に示すように、観察対象15が広範囲に及ぶ場合には、次のように画像データGを得るようにしてもよい。すなわち、カメラ16を回転させて同カメラ16の角度位置を変えながら、その観察対象15の異なる箇所を異なる撮影位置x1、x2、x3・・・xnで撮影する。こうした観察対象15の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行う。これにより、複数の撮影時期t1、t2、t3・・・tnに、撮影位置x1、x2、x3・・・xnで、それぞれ観察対象15を撮影した複数の画像データGが得られる。
【0024】
図5に示すように、観察対象15が広範囲に及ぶ場合には、次のように画像データGを得るようにしてもよい。すなわち、カメラ16を所定の移動経路Lに沿って移動させながら、その観察対象15の異なる箇所を異なる撮影位置x1、x2、x3・・・xnで撮影する。こうした観察対象15の撮影を、地球の回転周期を基準とした時間間隔をもって時期をずらして複数回行う。これにより、複数の撮影時期t1、t2、t3・・・tnに、撮影位置x1、x2、x3・・・xnで、それぞれ観察対象15を撮影した複数の画像データGが得られる。
【0025】
なお、図2図4図5における複数の撮影位置x1、x2、x3・・・xnは、例えば以下のような位置とすることが考えられる。すなわち、複数の撮影位置x1、x2、x3・・・xnは、隣合う撮影位置でそれぞれ撮影された画像データGに重なり合う部分があり、且つ、それら画像データGを目視によって異なるものと識別できる位置とされる。図6は、上記隣合う撮影位置xn-1,xnでそれぞれ撮影された画像データGを示している。図6において、実線で示す画像データGは撮影位置xn-1で撮影されたものであり、破線で示す画像データGは撮影位置xnで撮影されたものである。これら画像データGは、互いに重なり合う部分があり、且つ、目視によって異なるものと識別できるものとなっている。これにより、撮影位置x1、x2、x3・・・xnでそれぞれ撮影された画像データGを、撮影された位置x1、x2、x3・・・xnの順で表示したとき、表示された画像が連続性をもって変化する。すなわち、そうした画像データGが得られるよう、隣合う撮影位置xn-1,xnが定められている。
【0026】
次に、ユーザーによる入力機器12を用いた画像データGの選択について、詳しく説明する。
図7は、入力機器12として機能するキーボードの右矢印キー17、左矢印キー18、上矢印キー19、及び下矢印キー20を示している。右矢印キー17、左矢印キー18、上矢印キー19、及び下矢印キー20は、記憶部14に記憶された複数の画像データGのうちから一つの画像データをユーザーが選択するための操作部としての役割を担う。ユーザーは、記憶部14に記憶された複数の画像データGのうちから一つの画像データを選択するに当たり、その画像データが撮影された撮影位置及び撮影時期を選択する。
【0027】
右矢印キー17及び左矢印キー18は、ユーザーが画像データの撮影位置を選択するために用いる位置選択部として機能する。ユーザーは、上記撮影位置を選択するために右矢印キー17及び左矢印キー18を用いる。詳しくは、ユーザーが右矢印キー17を押圧すると、ユーザーによって選択された撮影位置が、上記押圧に基づいてx1→x2→x3→・・・→Xnの順に一つずつずれる。一方、ユーザーが左矢印キー18を押圧すると、ユーザーによって選択された撮影位置が、上記押圧に基づいてxn→・・・→x3→x2→X1の順に一つずつずれる。従って、ユーザーは、記憶部14に記憶された複数の画像データGのうちから一つの画像データを選択するに当たり、その画像データが撮影された撮影位置を右矢印キー17及び左矢印キー18の押圧によって選択することができる。
【0028】
上記撮影時期の選択は、ユーザーが画像データの撮影時期を選択するために用いる時期選択部として機能する。ユーザーは、上記撮影時期を選択するために上矢印キー19及び下矢印キー20を用いる。詳しくは、ユーザーが上矢印キー19を押圧すると、ユーザーによって選択された撮影時期が、上記押圧に基づいてtn→・・・→t3→t2→t1の順に一つずつずれる。一方、ユーザーが下矢印キー20を押圧すると、ユーザーによって選択された撮影時期が、上記押圧に基づいてt1→t2→t3→・・・→tnの順に一つずつずれる。従って、ユーザーは、記憶部14に記憶された複数の画像データGのうちから一つの画像データを選択するに当たり、その画像データが撮影された撮影時期を上矢印キー19及び下矢印キー20の押圧によって選択することができる。
【0029】
次に、ユーザーによって選択された画像データの表示について、詳しく説明する。
コンピュータ11は、ユーザーが右矢印キー17及び左矢印キー18の押圧を通じて選択した撮影位置と、上矢印キー19及び下矢印キー20を通じて選択した撮影時期とに対応した画像データを記憶部14から読み出す。コンピュータ11は、記憶部14から読み出した画像データをディスプレイ13に表示させる。
【0030】
ここで、ユーザーが右矢印キー17及び左矢印キー18を通じて選択する撮影位置を固定しつつ、上矢印キー19及び下矢印キー20を通じての撮影時期の選択を変更すると、ディスプレイ13に表示される画像データを次のように変化させることができる。すなわち、ディスプレイ13に表示される画像データを、所定の撮影位置で撮影したものに固定しつつ、異なる撮影時期に撮影したものに変えることができる。
【0031】
また、ユーザーが上矢印キー19及び下矢印キー20を通じて選択する撮影時期を固定しつつ、右矢印キー17及び左矢印キー18を通じての撮影位置の選択を変更すると、ディスプレイ13に表示される画像データを次のように変化させることができる。すなわち、ディスプレイ13に表示される画像データを、所定の撮影時期に撮影したものに固定しつつ、異なる撮影位置で撮影したものに変えることができる。
【0032】
次に、コンピュータ11によって実行される画像表示プログラムについて説明する。
図8は、画像表示プログラムにおける選択受付処理、読み出し処理、及び表示処理といった一連の処理の実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートにおけるステップ101(S101)の処理は上記選択受付処理に相当し、S102の処理は上記読み出し処理に相当し、S103の処理は上記表示処理に相当する。
【0033】
コンピュータ11は、S101の処理として、ユーザーが表示したい画像データを選択するための撮影位置及び撮影時期の選択操作を受け付ける。詳しくは、コンピュータ11は、入力機器12であるキーボードの右矢印キー17、左矢印キー18、上矢印キー19、及び下矢印キー20からの信号を入力する。コンピュータ11は、右矢印キー17及び左矢印キー18からの信号に基づき、ユーザーによる撮影位置の選択操作、すなわち右矢印キー17及び左矢印キー18の押圧操作を受け付ける。コンピュータ11は、上矢印キー19及び下矢印キー20からの信号に基づき、ユーザーによる撮影時期の選択操作、すなわち上矢印キー19及び下矢印キー20の押圧操作を受け付ける。
【0034】
ユーザーは、右矢印キー17及び左矢印キー18の押圧を通じて画像データの撮影位置を選択するとともに、上矢印キー19及び下矢印キー20押圧を通じて画像データの撮影時期を選択する。コンピュータ11は、S102の処理として、ユーザーが選択した撮影位置と撮影時期とに基づき、それら撮影位置及び撮影時期に対応した画像データを記憶部14から読み出す。コンピュータ11は、続くS103の処理として、上述したように記憶部14から読み出された画像データをディスプレイ13に表示する。
【0035】
次に、本実施形態における画像表示装置及び画像表示プログラムの作用効果について説明する。
ユーザーは、入力機器12であるキーボードの右矢印キー17、左矢印キー18、上矢印キー19、及び下矢印キー20を用いて、表示したい画像データの撮影位置及び撮影時期を選択する。これにより、選択された撮影位置及び撮影時期に対応する画像データが記憶部14から読み出される。そして、読み出された画像データがディスプレイ13に表示される。
【0036】
ユーザーが右矢印キー17及び左矢印キー18を通じて選択する撮影位置を固定しつつ、上矢印キー19及び下矢印キー20を通じての撮影時期の選択を変更すると、ディスプレイ13に表示される画像データは、次のように変化する。すなわち、同画像データが所定の撮影位置で撮影したものに固定されつつ、異なる撮影時期に撮影したものに変わる。このため、ユーザーは、ディスプレイ13に表示される画像データを通して、地球の回転周期を基準とした所定の時間間隔毎の観察対象15の変化を観察できる。
【0037】
また、ユーザーが上矢印キー19及び下矢印キー20を通じて選択する撮影時期を固定しつつ、右矢印キー17及び左矢印キー18を通じての撮影位置の選択を変更すると、ディスプレイ13に表示される画像データは、次のように変化する。すなわち、同画像データが所定の撮影時期に撮影したものに固定され、異なる撮影位置で撮影したものに変わる。このため、ユーザーは、ディスプレイ13に表示される画像データを通して、同じ時期に撮影された観察対象を様々な位置から観察できる。
【0038】
従って、ユーザーは、ディスプレイ13に表示される画像データを通して観察対象15の様々な変化、すなわち撮影位置の違いによる変化、及び、地球の回転周期を基準とした所定の時間間隔毎の観察対象の変化を観察することができる。
【0039】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ディスプレイ13上に撮影位置及び撮影時期を選択するための操作ボタンを表示し、そうした操作ボタンをユーザーがマウスでクリックすることにより、撮影位置及び撮影時期を選択するようにしてもよい。
【0040】
この場合、入力機器12として機能するマウスとディスプレイ13とが、記憶部14に記憶された複数の画像データGのうちから一つの画像データをユーザーが選択するための操作部としての役割を担う。そして、ディスプレイ13上に表示される操作ボタンのうち、上記実施形態における右矢印キー17及び左矢印キー18に相当する操作ボタン、及び、マウスが位置選択部として機能する。また、ディスプレイ13上に表示される操作ボタンのうち、上記実施形態における上矢印キー19及び下矢印キー20に相当する操作ボタン、及び、マウスが時期選択部として機能する。
【0041】
上記ディスプレイ13が入力機器12としてタッチパネルを組み込んだものである場合には、ユーザーがマウスを用いて操作ボタンをクリックする代わりに、ユーザーが上記操作ボタンを手でタッチするようにしてもよい。この場合、ディスプレイ13(タッチパネル)が記憶部14に記憶された複数の画像データGのうちから一つの画像データをユーザーが選択するための操作部としての役割を担う。そして、ディスプレイ13上に表示される操作ボタンのうち、上記実施形態における右矢印キー17及び左矢印キー18に相当する操作ボタン、及び、タッチパネルが位置選択部として機能する。また、ディスプレイ13上に表示される操作ボタンのうち、上記実施形態における上矢印キー19及び下矢印キー20に相当する操作ボタン、及び、タッチパネルが時期選択部として機能する。
【0042】
・上述した操作ボタンの代わりに、図9に示すようにディスプレイ13に操作領域21~24を設定する。そして、それら操作領域21~24をユーザーがマウスを用いてクリックしたり手でタッチしたりすることにより、ユーザーが撮影位置及び撮影時期を選択するようにしてもよい。この場合、ディスプレイ13上に表示される操作領域21~24のうち、ディスプレイ13の右部及び左部の操作領域21及び操作領域22が、上記実施形態における右矢印キー17及び左矢印キー18に相当する役割を担う。また、操作領域21~24のうち、ディスプレイ13上部及び下部の操作領域23及び操作領域24が、上記実施形態における上矢印キー19及び下矢印キー20に相当する役割を担う。
【0043】
・ディスプレイ13に、撮影時期一覧用の操作ボタン、及び、撮影位置一覧用の操作ボタンを表示する。更に、ディスプレイ13上に、図10に示すようにサムネイル表示領域25及びサムネイル表示領域26を設定する。
【0044】
上記撮影時期一覧用の操作ボタンをクリックまたはタッチしたときには、現在表示している画像データと撮影位置が同じで且つ撮影時期が異なる複数の画像データを、サムネイル表示領域25にサムネイル表示する。そして、サムネイル表示領域25にサムネイル表示された画像データのうちのいずれかがクリックまたはタッチされたとき、そのクリックまたはタッチされた画像データをディスプレイ13上に大きく表示するようにしてもよい。
【0045】
上記撮影位置一覧用の操作ボタンをクリックまたはタッチしたときには、現在表示している画像データと撮影時期が同じで且つ撮影位置が異なる複数の画像データを、サムネイル表示領域26にサムネイル表示する。そして、サムネイル表示領域26にサムネイル表示された画像データのうちのいずれかがクリックまたはタッチされたとき、そのクリックまたはタッチされた画像データをディスプレイ13上に大きく表示するようにしてもよい。
【0046】
・撮影位置は、水平面上で変化させるだけでなく高さ方向に変化させてもよい。
・撮影された複数の画像データを各々の撮影位置及び撮影時期と関連付けて記憶部14に記憶したが、撮影位置及び撮影時期といった項目以外の別の項目も合わせて画像データと関連付けて記憶部14に記憶する。更に、ユーザーがディスプレイ13に画像データを表示させる際に選択する項目として、撮影位置及び撮影時期の他に上記別の項目も加える。上記別の項目としては、例えば天候という項目があげられる。また、天候等の上記別の項目を選択するための操作としては、キーボードにおける所定のキー操作、タッチパネルにおける所定位置でのタッチ、ピンチ、及びフリック等の操作、並びに、マウスボタンの操作等によって実現することが考えられる。こうした操作が行われるキーボードの操作ボタン、タッチパネル、及びマウスボタンといった操作対象は、別項目選択部として機能する。そして、ユーザーが撮影位置、撮影時期、及び天候等を適宜選択し、選択された撮影位置、撮影時期、及び天候等に対応する画像を記憶部14から読み出してディスプレイ13に表示させるようにしてもよい。この場合、天候等の違いによる観察対象15の変化も観察することができる。
【0047】
上記別の項目として、観察対象15の種類に応じて異なるものを採用することも考えられる。以下、上記別の項目の例をあげる。観察対象15が所定の商品である場合には、グレード、カラー、背景、及びオプションといったものが上記別の項目としてあげられる。観察対象15が植物である場合には、種、根、幹、枝、葉、花、種子、果実、及び生涯といったものが上記別の項目としてあげられる。観察対象15が動物である場合には、種別、雌雄、生涯、生態、及び行動といった項目があげられる。観察対象15がスポーツ選手や職人である場合には、それら人物の動きといった項目があげられる。これら別の項目に関しても、上述した選択をするための上記別項目選択部の操作を通じて、対応する画像を記憶部14から読み出してディスプレイ13に表示させるようにする。更に、上記別の項目に関しては、上述した複数の項目の間で切り換えられるようにしてもよい。こうした切り換えについては、上記別項目選択部の切り換え操作を通じて行うことが考えられる。
【符号の説明】
【0048】
11…コンピュータ
12…入力機器
13…ディスプレイ
14…記憶部
15…観察対象
16…カメラ
17…右矢印キー
18…左矢印キー
19…上矢印キー
20…下矢印キー
21~24…操作領域
25,26…サムネイル表示領域
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