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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074565
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】走行レールの分岐構造
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/00 20060101AFI20230523BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
E05D15/00 B
E05D15/06 125A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187536
(22)【出願日】2021-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000105693
【氏名又は名称】コマニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】辻本 浩
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034CA04
2E034CA05
2E034CB01
2E034EA02
(57)【要約】
【課題】 方向転換する際に移動壁が躯体と衝突することを防止した走行レールの分岐構造を提供する。
【解決手段】 本発明の走行レールの分岐構造は、ランナー2を介して移動壁1を吊り下げる走行レール3の分岐構造であり、複数の移動壁で空間を仕切る際に使用される仕切レール50と、分岐箇所60において仕切レールに対して直交する方向にのびて格納庫Bに至る格納レール40とを備える。格納レールは分岐箇所からのびる延長部41を備える。仕切レールは格納レールを挟んで第1仕切レール51と、第1仕切レールよりも相対的に短い第2仕切レール52とに分かれており、分岐箇所において第1仕切レールの端部及び第2仕切レールの端部は湾曲しながら格納レールに接続する。分岐箇所を柱(躯体)Aから離れた位置に存在させることができるので、各移動壁は柱から離れた位置で方向転換する。したがって、方向転換する際に移動壁が躯体と衝突することを防止できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランナーを介して移動壁を吊り下げる走行レールの分岐構造であり、
複数の移動壁で空間を仕切る際に使用される仕切レールと、
分岐箇所において前記仕切レールに対して直交する方向にのびて格納庫に至る格納レールとを備えており、
前記格納レールは前記分岐箇所からのびる延長部を備えており、
前記仕切レールは前記格納レールを挟んで第1仕切レールと、前記第1仕切レールよりも相対的に短い第2仕切レールとに分かれており、
前記分岐箇所において前記第1仕切レールの端部及び前記第2仕切レールの端部は湾曲しながら前記格納レールに接続することを特徴とする走行レールの分岐構造。
【請求項2】
複数の移動壁で空間を仕切っている際に最も端に位置する2枚の移動壁のうち一方の移動壁について、当該移動壁が備える2つのランナーのうち一方のランナーが前記延長部に位置し、他方のランナーが前記第2仕切レールに位置することを特徴とする請求項1に記載の走行レールの分岐構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動壁の走行レールの分岐構造に関し、特に方向転換する際に移動壁が躯体と衝突することを防止した走行レールの分岐構造に関する。
【背景技術】
【0002】
多目的ホール等では空間を適当な大きさに仕切るために大型の移動壁(「スライディングウォール」又は「移動間仕切」と呼ぶ場合がある。)を使用する。移動壁は走行レールに前後2箇所のランナーを介して吊り下げられており、走行レールに沿ってスライド移動させることができる。
また、走行レールの一部に分岐箇所が設けてあり、走行レールは分岐箇所において格納庫へと続く格納レールに接続している。移動壁を格納する際には分岐箇所で方向転換して格納レールに沿って移動させる(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63-35983号公報
【特許文献2】実公平7-27333号公報
【特許文献3】特許第5468170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図15に示すように走行レール100の分岐箇所101の近傍に柱、壁等の躯体102が存在する場合、移動壁103を方向転換する際に矢印104で示す方向に移動壁103が揺れて図中の丸105で示す箇所で躯体102と衝突して破損するという問題がある。
このような問題は移動壁が大型で高重量のときに特に顕著に発生する。
【0005】
本発明は、このような問題を考慮して、方向転換する際に移動壁が躯体と衝突することを防止した走行レールの分岐構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の走行レールの分岐構造は、ランナーを介して移動壁を吊り下げる走行レールの分岐構造であり、複数の移動壁で空間を仕切る際に使用される仕切レールと、分岐箇所において前記仕切レールに対して直交する方向にのびて格納庫に至る格納レールとを備えており、前記格納レールは前記分岐箇所からのびる延長部を備えており、前記仕切レールは前記格納レールを挟んで第1仕切レールと、前記第1仕切レールよりも相対的に短い第2仕切レールとに分かれており、前記分岐箇所において前記第1仕切レールの端部及び前記第2仕切レールの端部は湾曲しながら前記格納レールに接続することを特徴とする。
また、複数の移動壁で空間を仕切っている際に最も端に位置する2枚の移動壁のうち一方の移動壁について、当該移動壁が備える2つのランナーのうち一方のランナーが前記延長部に位置し、他方のランナーが前記第2仕切レールに位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では分岐箇所を柱(躯体)から離れた位置に存在させることができるので、各移動壁は柱から離れた位置で方向転換する。したがって、方向転換する際に移動壁が躯体と衝突することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】複数の移動壁で空間を間仕切りした状態を示す正面図
図2】移動壁の圧接解除時の状態を示す縦断面図(a)、圧接時の状態を示す縦断面図(b)及び移動壁がランナーを介して走行レールに吊り下げられている箇所を示す部分拡大図(c)
図3】走行レールの配置を概略的に示す平面図
図4】走行レールの分岐構造の平面図
図5】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図6】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図7】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図8】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図9】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図10】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図11】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図12】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図13】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図14】移動壁を格納庫に格納する際の動作を示す図
図15】方向転換する際に移動壁が揺れて躯体と衝突することを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の走行レールの分岐構造の実施の形態について説明する。
図1及び図2に示すように移動壁1(1a~1e)はランナー2を介して走行レール3に吊り下げられており、走行レール3に沿ってスライド移動させることができる。1枚の移動壁1に対して左右2つのランナー2が取り付けられる。図1及び図2中の符号5は天井面を指している。
【0010】
移動壁1はパネル本体10、上部及び下部の二つの圧接体20及び駆動機構30を備える。また、移動壁1は複数枚を左右方向に連結して1枚の大型の壁として使用することになるが、最も右端(又は左端)に位置することになる1つの移動壁1aに関しては上部及び下部の圧接体20以外に右部(又は左部)の圧接体20も備えている。図1は右部に圧接体20を備える場合を示している。
【0011】
圧接体20はパネル本体10の内部、詳細には縁部材11の内部に出退自在に格納される。作業者は移動壁1を所定位置まで移動させて駆動機構30を操作することで上部の圧接体20を走行レール3に、下部の圧接体20を床面4に圧接させて固定する。
駆動機構30の構造は周知のものを使用すればよく特に限定されないが、例えば操作者がパネル本体10の表面又は側面の操作孔にハンドルを差し込んで回転させるとその動力がギヤ・ナット等を介して上下方向及び右方向にのびるシャフト31に伝達されてシャフト31が軸回りに回転し、シャフト31にギヤ・ナット等を介して連結された圧接体20が上下及び左右に移動する仕組みになっている。他にはパンタグラフ構造の駆動機構も知られている。
【0012】
図3及び図4に示すように走行レール3は格納レール40と仕切レール50を備える。符号Aは柱(躯体)を示している。
格納レール40は分岐箇所60から仕切レール50に対して直交する方向にのびて格納庫Bに至る。
格納レール40は分岐箇所60からのびる延長部41を備えている。
【0013】
仕切レール50は複数の移動壁1a~1eで空間を仕切る際に使用される。図1に示しているのは走行レール3のうち仕切レール50にあたる。
仕切レール50は格納レール40を挟んで第1仕切レール51と、第1仕切レール51よりも相対的に短い第2仕切レール52とに分かれている。
第1仕切レール51の端部及び第2仕切レール52の端部は分岐箇所60において湾曲しながら格納レール40に接続する。
【0014】
図1及び図5に示すように複数の移動壁1a~1eで空間を仕切っている状態で最も端に位置する2枚の移動壁のうち一方の移動壁(図1では右端の移動壁1a)について、当該移動壁1aが備える2つのランナーのうち一方のランナー(左のランナー2L)が延長部41に位置し、他方のランナー(右のランナー2R)が第2仕切レール52に位置する。他の移動壁1b~1eは全て第1仕切レール51に吊り下げられる。
【0015】
次に、移動壁1a~1eを格納庫Bに格納する際の動作について説明する。
まず、図5に示す複数の移動壁1a~1eで空間を仕切っている状態から、図6に示すように右端の移動壁1aの圧接体20を退避させる。
次に、図7に示すように右端の移動壁1aの左側を押すことで、延長部41に位置している左のランナー2Lを前方に移動させる。これに伴い、第2仕切レール52に位置している右のランナー2Rは左方向に移動する。右端の移動壁1aは時計回りに回転することになる。
図8に示すように左のランナー2Lは分岐箇所60を通過して格納レール40に至り、右のランナー2Rは第2仕切レール52の湾曲箇所52a(図4)を通過し、図9に示すように両ランナー2L,2Rは格納レール40に至る。そして、図10に示すように移動壁1aは格納庫Bに格納される。
【0016】
次に、図11に示すように移動壁1bを右方向に移動させると、右のランナー2Rは第1仕切レール51の湾曲部51a(図4)に至り、左のランナー2Lは右方向に移動する。移動壁1bは反時計回りに回転することになる。
図12に示すように右のランナー2Rは分岐箇所60を通過して格納レール40に至り、左のランナー2Lは第1仕切レール51の湾曲箇所51aを通過し、図13に示すように両ランナー2L,2Rは格納レール40に至る。
移動壁1bと同じ要領で移動壁1c~1eも移動させて図14に示すように格納庫Bに格納する。
移動壁1a~1eを格納庫Bから出す際には上記手順を逆に行えばよい。
このように、本発明では分岐箇所60が柱(躯体)Aから離れた位置に存在しており、各移動壁1a~1eは柱Aから離れた位置で方向転換する。したがって、方向転換する際に移動壁1a~1eが躯体Aと衝突することを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、方向転換する際に移動壁が躯体と衝突することを防止した走行レールの分岐構造であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0018】
A 柱(躯体)
B 格納庫
1(1a~1e) 移動壁
2 ランナー
3 走行レール
4 床面
5 天井面
10 パネル本体
11 縁部材
20 圧接体
30 駆動機構
31 シャフト
40 格納レール
41 延長部
50 仕切レール
51 第1仕切レール
51a 湾曲部
52 第2仕切レール
52a 湾曲箇所
60 分岐箇所
100 走行レール
101 分岐箇所
102 躯体
103 移動壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15