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特開2023-74597水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074597
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置。
(51)【国際特許分類】
   E03D 5/08 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
E03D5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187592
(22)【出願日】2021-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】507055752
【氏名又は名称】有限会社東海樹脂加工
(72)【発明者】
【氏名】梅本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】梅本 祐希
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA01
2D039EA05
(57)【要約】
【課題】
水洗トイレにおいて、手を使わず衛生的に水洗可能とする。
【解決手段】
水洗ハンドル(B)に脱着できる割り環形状の弾性体で構成された水洗ハンドル補助具(2)とワイヤー(3)で繋がるペダル装置(4)を操作すると、水洗ハンドル(B)が回動し水洗できる水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
ペダル部(41)には、様々な水洗ハンドル(B)との距離を調整出来るワイヤー調整機構(414)や、水洗機構を壊さない為のストッパー(416)があると有利なことが多い。ペダル部(41)を敷板(42)の前面に設置することで、利用者が足の自重を利用しペダル装置(4)が移動しにくいことを備えた水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)が、設置簡単で手を使わず衛生的に水洗できることがわかった。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗ハンドル補助具(2)とワイヤー(3)とペダル装置(4)からなる水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)であって、
水洗ハンドル補助具(2)は、割り環形状の弾性体であることを特徴とする水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
【請求項2】
前記ペダル装置(4)はペダル部(41)と敷板(42)とコイルスプリング(43)から構成され、
ペダル部(41)にワイヤー固定部(412)とワイヤー調整機構(414)が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
【請求項3】
前記水洗ハンドル補助具(2)において、
水洗方法を変更できるワイヤー接続部(211)とスリット(24)を有することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに記載の水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
【請求項4】
前記水洗ハンドル補助具(2)において、
水洗ハンドル(B)と嵌合するための接触部(23)を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置であって、手を使わず衛生的にトイレで水洗できる新規な装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水洗トイレの水洗タンクに付属する水洗ハンドルは、所定の位置に移動することで水洗タンク内の水洗弁を移動させ水洗状態にする。前記方式が多くの水洗トイレで採用されており、水洗ハンドルを移動させるために手を用いるのが一般的な使用方法であった。
水洗ハンドルには回転方向により「大」「小」と水量を分けており、どちらにも流せるようにする工夫が必要であった。「小」だと水量が弱く排泄物が流れないこともあった。
【0003】
水洗ハンドルには様々な形状がある。先に出願した特願2021-067419の水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置では水洗ハンドルの形状に合わせた水洗ハンドル補助具を製作する事で様々な形状に対応し、磁石を用いるなどして水洗ハンドルに水洗ハンドル補助具を装着し、水洗ハンドルと共に回動することによって水洗が可能となり、多くの問題の解決はできた。
【0004】
しかし、多種多様な水洗ハンドルの形状に対応するには、別の方法も検討する必要があり、簡素化されればより汎用性が高いのではないかと、他の選択肢も追求することに至った。
【0005】
近年、センサー式水洗トイレの普及や押しボタン式での水洗も可能になった。センサー式に関しては意図せぬタイミングで水洗されることや、流れないこともあるなど、節水や性能の観点に疑問があった。そのうえ、電気を要するので常に通電状態である必要があることや便器自体が高価であるため、取り替えにコストがかかることも問題であった。また、ボタン式も同様に通電状態であることや、トイレで用を足した後の手でボタンに触れる必要があり衛生的に安心して利用出来るものではなかった。設置に関しても、専門的な知識がないと後付けできないことや、コストがかかることも難点であった。
【0006】
ペダル装置についても、先に出願した特願2021-067419では、床に固定せずとも利用出来るペダル装置であったが、操作後自重が軽いと、水洗ハンドル補助具が元に戻る力で、ワイヤーに引っ張られ設置位置が動いてしまうことやペダルが戻る反発力で、ペダル装置がワイヤーに引っ張られることもあった。
また、ペダル部の可動域が大きかったため、最小限の力で水洗可能であるにも関わらず、床面にまで操作する印象を与え、その結果、水洗に関する機構に障害を与えるおそれがあることも課題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2021-067419号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
様々な水洗ハンドルに対応する水洗ハンドル補助具と、据え置くだけで設置が簡単な、安定性の高いペダル装置が問題を解決し、手を使わず衛生的に水洗できる仕組みを得る事である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するため以下のような手段が有効である事を見出した。
水洗ハンドル補助具(2)とワイヤー(3)とペダル装置(4)からなる水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)であって、
水洗ハンドル補助具(2)は、割り環形状の弾性体であることを特徴とする水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
前記ペダル装置(4)はペダル部(41)と敷板(42)とコイルスプリング(43)から構成され、
ペダル部(41)にワイヤー固定部(412)とワイヤー調整機構(414)が設置されていることを特徴とする前記に記載の水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
前記水洗ハンドル補助具(2)において、水洗方法を変更できるワイヤー接続部(211)とスリット(24)を有することを特徴とする前記いずれかに記載の水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
水洗ハンドル補助具(2)において、
水洗ハンドル(B)と嵌合するための接触部(23)を有することを特徴とする前記いずれかに記載の水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。
【0010】
上記を具体的に説明すると、
水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)は、水洗ハンドル補助具(2)がワイヤー(3)を介してペダル装置(4)と接続されている。ペダル装置(4)を操作することによってワイヤー(3)で接続された水洗ハンドル補助具(2)を回動させ、前記が装着された水洗ハンドル(B)が連動して、水洗できる装置である。各部位について以下で説明する。
【0011】
水洗ハンドル補助具(2)は、水洗ハンドル(B)に装着する用具であって、割り環形状で形成された補助具本体部(21)とワイヤー(3)と接合するためのワイヤー接続部(22)からなり、接触部(23)やスリット(24)なども場合によって設置させるとよい。水洗ハンドル補助具(2)は、ペダル装置(4)を操作するとワイヤー(3)が水洗ハンドル補助具(2)を引張り、水洗ハンドル補助具(2)が装着された水洗ハンドル(B)を回動させることで、手を使わず衛生的に水洗できる機構になり、課題の解決になった。
【0012】
補助具本体部(21)は、取っ手(Bb)が通過できる開口部(210)を有する割り環形状である。水洗ハンドル(B)の回動胴体(Ba)は外径36~41mmの円環体が多いため、装着できるように補助具本体部(21)の内径を38mm程度にするとよく、後述する弾性力のある樹脂などで形成すると回動胴体(Ba)の外径が変化しても対応が可能となる。また、割り環形状であることから、円弧端AB(211)(212)が存在する。
材質には、弾性力のある樹脂(PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、AS(アクリロニトリル・スチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリル(アクリル))、PET(ポリエチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール))等で構成していることから、弾性力を利用し円弧端AB(211)(212)を拡径することや、水洗ハンドル(B)の取っ手(Bb)下部から、開口部(210)を通過させ水洗ハンドル補助具(2)を押し込むことで容易に装着でき様々な水洗ハンドルに装着可能である。
さらに、上記材質を採用することが好ましいが、拡径できるものなら金属、木材、合成樹脂、ゴム等、材質は問わない。
【0013】
ワイヤー接続部(22)について説明する。
通常、水洗ハンドル補助具(2)を水洗ハンドル(B)に装着時、水洗ハンドル(B)の上付近に設置されていることが好ましいが、水洗トイレの環境や水洗ハンドル(B)の形状を考慮して設置すればよい。ワイヤー接続部(22)の位置によっては、水洗ハンドル(B)若しくは水洗ハンドル補助具(2)と水洗トイレのタンク(A)の間をワイヤー(3)が通り、水洗ハンドル(B)が定位置に戻らず水洗状態が続いてしまうことにも注意が必要である。この問題を解決するため、後述するスリット(24)を設置すると有効である。
【0014】
また、水洗トイレのタンク(A)とは逆の面(外側)にワイヤー接続部(22)を設置すると水洗ハンドル補助具(2)が脱落してしまう可能性もあり好ましくない。
このような状況を踏まえ、本発明では補助具本体部(21)の円弧上に、ワイヤー接続部(22)を設け、水洗トイレのタンク(A)側に設置することが問題を解決する方法では最善策であるとわかった。
さらに、水洗ハンドル(B)には「大」「小」など水量を区別する方法が主であり、水洗方法を選択できることは利用者が求めることである。そのため、ワイヤー接続部(22)を補助具本体部(21)円弧の中央付近に位置させることで、ワイヤー(3)を水洗ハンドル(B)ないし後述するスリット(24)の「手前側から通すか、奥側から通すか」を選択でき、方向を切り替えても使用できる機構とした。
【0015】
水洗ハンドル補助具(2)に水洗ハンドル(B)を装着すると嵌合し、
水洗ハンドル補助具(2)が回動すれば共に、水洗ハンドル(B)も回動するが、割り環形状のため存在する円弧端AB(211)(212)があることによって、水洗ハンドル(B)と水洗ハンドル補助具(2)の間に隙間があっても、水洗ハンドル補助具(2)が可動する際に、取っ手(Bb)に接触することで水洗ハンドル(B)を回動させることが可能になる。
【0016】
また、補助具本体部(21)の内側に、1つ以上の接触部(23)を設置することで、水洗ハンドル補助具(2)装着時、水洗ハンドル(B)と強く嵌合できる。その接触部(23)には、隙間を埋めるような材質(ゴム、スポンジ)や小さなリブを設置することが望ましく、前記のようにペダル装置(4)の操作時に水洗ハンドル(B)と水洗ハンドル補助具(2)が共に回動し、水洗位置まで移動させられる効果を得るために設置させると良い。
そのうえ、径の小さな水洗ハンドルなどにも、厚みを設ける事によって違和感なく装着できる効果も得られる。水洗ハンドル(B)の回動胴体(Ba)の大きさによって接触部(23)を設置するか否かは選択すれば良い。
【0017】
スリット(24)について説明する。
スリット(24)は、ワイヤー接続部(22)を中心に補助具本体部(21)の円弧上に設置させると、ワイヤー(3)の一部をスリット(24)内に収納できるため操作時に水洗ハンドル(B)を正しく回動させるために設置してある方が良い。スリット内(24)を通ることで特に奥側をワイヤー(3)が通過するとき、補助具本体部(21)の円弧上に沿って通過するためワイヤー(3)の遊びがなくなり、直線的に引っ張ることができるようになるため、ワイヤー(3)の引張りによっての脱落を防ぐ効果や水洗タンク(A)との隙間に入り込むこともなく使用できるようになる。
【0018】
ペダル装置(4)は、ペダル部(41)と敷板(42)をペダル・敷板接続部(420)やコイルスプリング(43)を設置することで可動し、床に据え置くことや壁面に設置して利用する。ペダル・敷板接続部(420)をスプリング蝶番などに置き換えることも選択すれば良い。
【0019】
ペダル部(41)には、ペダル回転軸(410)とワイヤー挿入部(411)とワイヤー固定部(412)とペダル部スプリング受け(413)があり、水洗ハンドル補助具(2)とはワイヤー(3)で接続されており、敷板(42)上にペダル・敷板接続部(420)を介して設置されている。
ペダル部(41)を操作することで、水洗ハンドル補助具(2)が装着された水洗ハンドル(B)を引張り回動させられるようになっている。そのためペダル装置(4)操作後、ペダル部(41)が元の位置に戻る際に発生する反発力でペダル装置(4)が浮き上がってしまうことを抑える目的で、ペダル装置(4)操作時に敷板(42)を足の自重で押えられるよう、意図的に敷板(42)の前面に設置することが、ペダル装置(4)を固持するために有効である事がわかった。
【0020】
ペダル部(41)の形状に特段指定はないが、板状であることが望ましく、ペダル部(41)にはワイヤー固定部(412)や、後述するストッパー(416)があり、水洗ハンドル(B)を可動させるだけのストロークがあれば形状は好きに選択すれば良い。
また、水洗ハンドル(B)はメーカーによって設置されている高さが異なる為、ワイヤー(3)の長さを調整する機構が必要であり、本発明ではワイヤー固定部(412)を軸にワイヤー調整機構(414)を設置したことで、様々な水洗ハンドル(B)との位置関係の調整を可能とした。
【0021】
ワイヤー調整機構(414)について説明する。
前述したよう水洗ハンドル(B)と床面までの距離は様々であり、有線式で対応するために長さを調整できる機構を取り入れることが課題であった。課題を解決するため、ペダル部(41)の裏面にワイヤー調整機構(414)を取り入れることでワイヤー(3)長の調整を可能とした。具体的に説明すると、水洗ハンドル(B)が低い位置に取り付けられている場合やワイヤー(3)を水洗ハンドル(B)の手前側を通した場合は、水洗操作ハンドル補助具(2)とペダル装置(4)の距離が長くなり最長距離に合わせて切断してあるワイヤー(3)だとペダル装置(4)は手前側に設置されてしまう。この場合、足などで接触してしまうことが容易に想定できるため、回避するためにペダル部(41)内に収納できる機構を取り入れることで課題の解決を図った。ペダル部(41)内に強度維持のため設けてあった格子にワイヤー溝(415)を作り、ワイヤー(3)を取り回す通り道を丸めることでワイヤー(3)への負担を減らし、ワイヤー固定部(412)に直結させずに迂回させ、長さを調整できる機構とした。前記、ワイヤー溝(415)はワイヤー(3)幅より若干細く設定し、ワイヤー(3)を圧入させることで工具も不要で位置を調整できる機構とした。
【0022】
ストッパー(416)について説明する。
ストッパー(416)は、ペダル部(41)裏側に設置することでペダル装置(4)操作時に敷板(42)と接触する箇所である。これは、ペダル部(41)のストロークが大きいとワイヤー(3)で繋がる水洗ハンドル補助具(2)が必要以上に回動し、水洗ハンドル(B)や水洗する機構に負荷をかけ破損させてしまうことを防ぐ目的で設置するとよい。また、ペダル装置(4)自体にも負荷を減らす目的で設置するとよい。さらには、コイルスプリング(43)の可動するストロークが大きいと操作後の反発でペダル装置(4)が浮き上がってしまう事を防ぐためにも有効であることがわかった。
水洗ハンドル補助具(2)は、ペダル装置(4)操作後、元の位置に戻る際にワイヤー(3)を介して、敷板(42)前部が持ち上がるおそれがあるため、ストッパー(416)が敷板(42)を抑えることで、持ち上がる力を打ち消す効果もある。
本発明では、ストッパー(416)の形状を半円状にすることで接地面の負荷を分散させ、敷板(42)を傷つけにくい形状とした。同時に敷板(42)の前方部分も少し高く成形し、ストロークを減らした。
【0023】
敷板(42)について説明する。
敷板(42)には、ペダル・敷板接続部(420)を介してペダル部(41)を設置できる。敷板(42)にもペダル部(41)同様に敷板スプリング受け(422)を設ける事でコイルスプリング(43)を装着できる。
敷板(42)は、水洗ハンドル補助具(2)を装着後、ワイヤー(3)を垂らし便器の横付近の床面に便器と平行になるよう据え置けるとよい。便器から離れたところに設置すると、ペダル装置(4)操作時に水洗ハンドル補助具(2)が、脱落してしまうおそれがあるため、水洗ハンドル(B)とはできる限り水平に設置することが望ましい。
敷板(42)裏面に滑り止め(421)を設置すると、ペダル装置(4)操作時に床面との摩擦力が働き滑りにくくなるので設置させるとよい。滑り止め(421)にはネオプレンゴムやシリコンゴム、合成ゴム、スポンジ、両面テープ等を用いることで用途を成しているが、可能であれば床に穴を空けて設置することも選択すれば良い。
【0024】
敷板(42)の形状に特段指定は無く、好みに応じて好きな形状や、厚みにするとよい。
また、敷板(42)とペダル部(41)の配置は、できる限り敷板(42)全体を踏めるように設置し、自重によって敷板(42)を押えられるスペースを確保した上で、ペダル部(41)を操作すると同じ場所で使い続けることに有効なことがわかった。
これらの効果は同時に得ることが可能であり、水洗ハンドル(B)の形状やコスト面、設置環境などを考慮して選択すればよい。
ペダル部(41)を床面や壁面に設置できる際は、ペダル部(41)や取付面に操作できる機構を備えれば、敷板(42)が無くても良い。
【発明の効果】
【0025】
水洗トイレの水洗ハンドル(B)には様々な形状のものがある。その多くは使用する為に手での接触を余儀なくされているのが現状であるが、本発明は、手で触れる事なく水洗できる装置を容易に得られる利点がある。
【0026】
水洗ハンドル補助具(2)の代替の機器は存在するが、誰もが簡単に低コストで設置利用できるようなモノでは無い。本発明は既存の水洗トイレに後付けできるうえ、簡単かつ低コストで衛生対策が行える発明品として、様々なお手洗いでの感染症対策や手が不自由な方をはじめ、子育て世代や介護など手が空かない方の利便性の向上に繋がる。

【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)の説明図。(実施例1)
図2】水洗トイレに設置した水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)の横図と正面図。(実施例1)
図3】水洗ハンドル(B)の拡大図。(実施例1)
図4】水洗ハンドル補助具(2)の拡大図。(実施例1)
図5】水洗ハンドル補助具(2)の装着図。Aは奥側、Bは手前側に水洗ハンドル(B)が回動する説明図。(実施例1)
図6】ワイヤー接触部(23)とスリット(24)の説明図である。(実施例1)
図7】水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)の操作説明図。(実施例1)
図8】ペダル部(41)の説明図。(実施例1)
図9】敷板(42)の説明図。(実施例1)
図10】ペダル装置(4)の拡大説明図。(実施例1)
図11】ワイヤー調整機構(414)とワイヤー溝(415)の説明図。(実施例1)
図12図8とは逆側に水洗ハンドル(B)を操作させた説明図。(実施例1)
図13】接触部(23)の説明図である。(実施例2)
図14図1とは異なる水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)。(実施例3)
図15図14の水洗ハンドル補助具(2)の拡大図。(実施例3)
図16図14の実施例3のペダル装置(4)の説明図。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に具体的な実施例1~3で説明する。
【実施例0029】
図1は、水洗ハンドル補助具(2)とワイヤー(3)とペダル装置(4)を有する水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)であって、図2のように水洗トイレに設置する。
【0030】
本発明品は、図3のような回動胴体(Ba)と取っ手(Bb)がある形状の水洗ハンドル(B)に装着でき、汎用性を高めるため図4のように水洗ハンドル補助具(2)を割り環形状で形成した。水洗ハンドル補助具(2)は、割り環形状の弾性体で構成された補助具本体部(21)と開口部(210)と円弧端AB(211)(212)が存在し、開口部(210)より取っ手(Bb)を通過させ、図5のように装着可能とした。
【0031】
図5のようにワイヤー(3)を水洗ハンドル(B)の手前側を通すか、奥側を通すかで水洗ハンドル(B)を回動させる方向を選べるようになっている。また、補助具本体部(21)の外側円弧上面には図6のように、ペダル装置(4)と接続するためのワイヤー接続部(22)と、ワイヤー(3)を通過させるためのスリット(24)を設けた。スリット(24)があることによってペダル装置(4)を操作時に真っすぐと水洗ハンドル補助具(2)を引っ張るため、水洗ハンドル補助具(2)の脱落などを防ぐ効果もあり、設置させるとよい。
【0032】
図7は、奥側を選択した時の操作説明図であり、水洗ハンドル補助具(2)とワイヤー(3)で繋がっているペダル装置(4)を操作することで、水洗ハンドル補助具(2)が回動する際、回動胴体(Ba)の円弧上を回動し円弧端A(211)またはB(212)が取っ手(Bb)に接触し水洗ハンドル(B)を回動させる。
【0033】
図8のようにペダル部(41)にはペダル回転軸(410)とワイヤー挿入口(411)とワイヤー固定部(412)とペダル部スプリング受け(413)がある。ペダル部(41)にペダル回転軸(410)を設置し、ペダル・敷板接続部(420)に装着することでペダル部(41)が可動し、ペダル部スプリング受け(413)と敷板スプリング受け(422)にコイルスプリング(43)を挿入し、バネの特性で操作後に回帰する機構とした。
ワイヤー挿入口(411)よりワイヤー(3)を通しワイヤー固定部(412)で固定し、水洗ハンドル補助具(2)と接続した際、ワイヤー挿入口(411)にキャップ(31)を装着することも有効である。これは、ペダル装置(4)操作時にワイヤー(3)が屈折し発生する摩擦を低減させる役割と、ワイヤー(3)固定のために設置させた。
【0034】
図9のように敷板(42)には、ペダル(41)と敷板(42)を接続し回転軸受けの機構を持たせたペダル・敷板接続部(420)と、裏面には滑り止め(421)を設置し、図10のようにコイルスプリング(43)を採用しコイルスプリング(43)を設置するための敷板スプリング受け(422)を設置することで操作後もペダル部(41)がバネの特性で回帰する。
本発明品は自重でペダル装置(4)を押さえるため固定はしていないが、滑り止め(421)に加工をしているため誤った操作をしなければ場所は移動せずに使用できる。設置工事などが可能であれば床面に固定することも選択すればよい。
【0035】
ペダル部(41)の裏面にストッパー(416)を設けることも有効であり、後付けの装置として水洗機構の損傷を防ぐため、ストロークを最小限に設置した。また、水洗ハンドル(B)の回動不足の際は設置位置のズレなどで無理に流れないようにし、誤操作による水洗機構の破壊を防ぐ事にも貢献した。
【0036】
水洗ハンドル(B)の位置や仕様は統一されておらず、メーカーやデザインをはじめ、水洗ハンドル(B)と床面までの位置や、水洗方向も異なる。
そのため、ワイヤー(3)の長さを調整させる機構が必要であり、図11のようにペダル部(41)の裏面にワイヤー調整機構(414)を設けた。本件では3通りの長さ調整機構を設けたが、増やすことも可能である。図11Aのようにワイヤー(3)をワイヤー固定部(412)に直結すると最長になる。そして、図11Bのようにすることで30mm長さを短く、図11Cのようにするとさらに30mm長さを短く調整することができる。これらはペダル部(41)に設けた、格子溝(415)を入れることでワイヤー(3)を指などで圧入でき、工具不要で長さ調整できる機構とした。
これらの機構によって図12のように水洗ハンドル(B)の手前側からワイヤー(3)を通しても適度な位置で操作することが可能となる。
【実施例0037】
水洗ハンドル(B)には様々な種類が存在し、回動胴体(Ba)の径が異なるものや、形状そのものが違うものも存在する。図13のように補助具本体部(21)の内面に接触部(23)を設置することで回動胴体(Ba)の径が小さい水洗ハンドル(B)に対応させた。
【実施例0038】
図14のような水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)を用いても水洗操作は可能で、図15水洗ハンドル補助具(2)の拡大図、図16はペダル操作装置(4)の拡大図である。図15では、スリット(24)を設けていなくてもワイヤー接続部(22)を軸に水洗ハンドル(B)の回動方向を変換することが可能である。接触部(23)なども場合に応じて設置させると良い。
また、図16のようにペダル・敷板接続部(420)にスプリング蝶番を使用することでも用途を成し、ペダル部(41)側面にユリヤネジ(417)を用いることでワイヤー調整機構(414)を設置し、それらを補う各部位を設置することで、水洗ハンドル(B)を手で操作するかわりに足で踏む水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置(1)を入手でき、手を使わず衛生的に水洗できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以下のように利用価値は高くニーズがある。
1.接触リスクを減らし、衛生対策が特に必要とされる公衆トイレや食品加工会社や衛生対策に取り組む企業への設置。
2.病院や介護施設をはじめとする、生活弱者が利用するトイレへの設置。
3.様々な事情で手が不自由な人や手を使えない人や状況でも水洗できるようにしたいところ。
4.自宅のトイレや企業などで、新しい便器に変えなくても、業者を使わなくても低コストかつ簡易に感染症対策ができる。
5.手軽に設置できるので賃貸住宅をはじめとする壁や床に穴を開けれない事情がある方や、DIYが苦手な人向け。
6.保育園や幼稚園、こども園など幼児でも簡単に操作でき、トイレの水洗が楽しくできるようになることなどトイレトレーニングの一環としての利用。
7.他人が触る恐れがある箇所であり、水洗ハンドル(B)やボタン式の洗浄装置への接触に過敏に反応する人への推奨。
など上記のような所での利用価値が高いと考えられる。
















【符号の説明】
【0040】
1 水洗トイレの水洗ハンドル遠隔操作装置
2 水洗ハンドル補助具
21 補助具本体部
210 開口部
211 円弧端A
212 円弧端B
22 ワイヤー接続部
23 接触部
24 スリット
3 ワイヤー
31 キャップ
4 ペダル装置
41 ペダル部
410 ペダル回転軸
411 ワイヤー挿入部
412 ワイヤー固定部
413 ペダル部スプリング受け
414 ワイヤー調整機構
415 ワイヤー溝
416 ストッパー
417 ユリヤネジ
42 敷板
420 ペダル・敷板接続部
421 滑り止め
422 敷板スプリング受け
43 コイルスプリング
A 水洗トイレのタンク
B 水洗ハンドル
Ba 回動胴体
Bb 取っ手



図1
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