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特開2023-7461フィルタ要素、フィルタ、濾過システムおよび洗浄システム
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  • 特開-フィルタ要素、フィルタ、濾過システムおよび洗浄システム 図1
  • 特開-フィルタ要素、フィルタ、濾過システムおよび洗浄システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007461
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】フィルタ要素、フィルタ、濾過システムおよび洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 15/02 20060101AFI20230111BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20230111BHJP
   C02F 1/28 20230101ALI20230111BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20230111BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20230111BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20230111BHJP
   B01J 20/02 20060101ALI20230111BHJP
   B01F 23/53 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 35/32 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 27/1111 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 27/1143 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 27/192 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 27/2122 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 27/921 20220101ALI20230111BHJP
   B01F 27/93 20220101ALI20230111BHJP
【FI】
B01D15/02 103
B01D15/00 N
B01D15/00 M
B01D15/00 101Z
C02F1/28 B
C02F1/28 D
C02F1/28 F
B01J20/26 E
B01J20/26 G
B01J20/20 B
B01J20/34 C
B01J20/34 G
B01J20/02 A
B01F23/53
B01F35/32
B01F35/71
B01F27/1111
B01F27/1143
B01F27/192
B01F27/2122
B01F27/921
B01F27/93
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022100888
(22)【出願日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202110718146.X
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521523202
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (スーチョウ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ダイチィオン ディアナ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ドォンチィン ゲイツ パァン
(72)【発明者】
【氏名】ヂォンシィー ファン
【テーマコード(参考)】
4D017
4D624
4G035
4G037
4G066
4G078
【Fターム(参考)】
4D017AA01
4D017BA03
4D017BA13
4D017CA01
4D017CA03
4D017CA13
4D017CB01
4D017CB05
4D017DA01
4D017DA08
4D017EA03
4D624AA04
4D624AB04
4D624AB16
4D624BA02
4D624BA05
4D624BA17
4D624BB01
4D624BB03
4D624BC01
4D624BC05
4D624CA01
4D624CA06
4D624DA07
4D624DB02
4G035AB46
4G035AE13
4G037AA02
4G037EA02
4G066AA05B
4G066AA72B
4G066AC23B
4G066AC25B
4G066AC31B
4G066AC33B
4G066CA01
4G066CA46
4G066DA08
4G066GA11
4G078AB20
4G078BA05
4G078CA18
4G078DA09
4G078DA21
4G078DA28
4G078DC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】粒状吸着担体の吸着速度を向上させ、フィルタ要素の閉塞を防止することができる、フィルタ要素、フィルタ、濾過システムおよび洗浄システムを提供する。
【解決手段】フィルタ要素は、撹拌装置121、122と、撹拌装置121、122の周囲に配置されている連続吸着担体124と、連続吸着担体124と撹拌装置121、122との間に充填されている粒状吸着担体123とを備える。撹拌装置121、122は、フィルタ要素により液体を濾過するときに、粒状吸着担体123を撹拌するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撹拌装置(121、122)と、
前記撹拌装置(121、122)の周囲に配置されている連続吸着担体(124)と、
前記連続吸着担体(124)と前記撹拌装置(121、122)との間に充填されている粒状吸着担体(123)と
を備えるフィルタ要素であって、
前記撹拌装置(121、122)は、前記フィルタ要素により液体を濾過するときに、前記粒状吸着担体(123)を撹拌するように構成されている、
フィルタ要素。
【請求項2】
前記撹拌装置(121、122)は、
撹拌ロッドと、
前記撹拌ロッドと接続されている駆動装置と
を備え、
前記駆動装置は、前記撹拌ロッドによって前記粒状吸着担体(123)を撹拌するように、前記撹拌ロッドを駆動して回転させるように構成されている、
請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項3】
前記駆動装置は、電気駆動装置または液圧駆動装置である、
請求項2に記載のフィルタ要素。
【請求項4】
前記撹拌装置(121、122)は、
ウォーム(121)であって、螺旋形の中空内部空洞、および、前記ウォーム(121)の表面に分散し前記中空内部空洞と連通する微小孔を有するウォーム(121)と、
前記ウォーム(121)の入口に接続され、前記ウォーム(121)の前記中空内部空洞と流体連通するタービン(122)と
を備え、
前記連続吸着担体(124)は、前記ウォーム(121)および前記タービン(122)の周囲に配置され、
前記タービン(122)および前記ウォーム(121)は、前記粒状吸着担体(123)を渦流により撹拌するように、前記タービン(122)に流れ込む前記液体の衝撃を受けて駆動されて回転する、
請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項5】
前記連続吸着担体(124)は、樹脂膜、多孔質メルトブローン樹脂、多孔質セラミック焼結構造体または巻線編組体を含む、
請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項6】
前記粒状吸着担体(123)は、樹脂粒子、活性炭粒子またはそれらの混合物を含む、
請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項7】
前記粒状吸着担体(123)は、平滑な表面を有する球体の形状である、
請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項8】
液体入口パイプ(11a)および液体出口パイプ(11b)を有するバレル(11)と、
前記バレル(11)に設置されている請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタ要素(12)と
を備え、
未濾過の前記液体は、前記液体入口パイプ(11a)を通して前記フィルタ要素(12)に流れ込み、濾過された前記液体は、前記液体出口パイプ(11b)を通して流れ出る、
フィルタ。
【請求項9】
液体入口パイプ(11a)および液体出口パイプ(11b)を有するバレル(11)と、
前記バレル(11)に設置されている請求項4に記載のフィルタ要素(12)と
を備え、
未濾過の前記液体は、前記液体入口パイプ(11a)を通して前記フィルタ要素(12)の前記タービン(122)および前記ウォーム(121)に流れ込み、濾過された前記液体は、前記液体出口パイプ(11b)を通して流れ出て、
前記タービン(122)および前記ウォーム(121)は、前記粒状吸着担体(123)を渦流により撹拌するように、前記液体入口パイプ(11a)を通して前記タービン(122)に流れ込む前記液体の衝撃を受けて駆動されて回転する、
フィルタ。
【請求項10】
前記液体を濾過するとき、前記液体が前記ウォーム(121)の前記微小孔から滲出し、前記粒状吸着担体(123)および前記連続吸着担体(124)を通して流れることで、前記粒状吸着担体(123)および前記連続吸着担体(124)を通して前記液体を濾過する、
請求項9に記載のフィルタ。
【請求項11】
前記バレル(11)はまた、逆洗パイプ(11c)およびドレンパイプ(11d)を有し、前記逆洗パイプ(11c)は、前記バレル(11)の内部空洞と連通し、前記ドレンパイプ(11d)は、前記ウォーム(121)の出口と連通し、
逆洗バルブ(3)およびドレンバルブ(4)が、それぞれ前記逆洗パイプ(11c)および前記ドレンパイプ(11d)に設置され、前記逆洗バルブ(3)および前記ドレンバルブ(4)は、前記フィルタ(10)が前記液体を濾過するときに閉ざされる、
請求項9に記載のフィルタ。
【請求項12】
前記ウォーム(121)における液圧が所定の圧力まで上昇すると、前記フィルタ要素(12)を逆洗するように、前記逆洗バルブ(3)および前記ドレンバルブ(4)が開かれ、前記逆洗パイプ(11c)を通して前記バレル(11)に入る前記液体は、前記フィルタ要素(12)の外側から前記ウォーム(121)に逆方向に流れ込み、前記ウォーム(121)に逆方向に流れ込む前記液体は、前記ドレンパイプ(11d)を通して排出される、
請求項11に記載のフィルタ。
【請求項13】
前記フィルタ要素(12)を逆洗するとき、前記タービン(122)および前記ウォーム(121)は、前記粒状吸着担体(123)を渦流により撹拌するように、前記液体入口パイプ(11a)を通して前記タービン(122)に流れ込む前記液体の衝撃を受けて駆動されて回転する、
請求項12に記載のフィルタ。
【請求項14】
前記タービン(122)の入口は、第1の軸受(125)を介して前記バレル(11)の前記液体入口パイプ(11a)に回転可能に設置され、前記液体入口パイプ(11a)と流体連通し、
前記ウォーム(121)の前記出口は、第2の軸受(126)を介して前記バレル(11)の前記ドレンパイプ(11d)に回転可能に設置され、前記ドレンパイプ(11d)と流体連通する、
請求項11に記載のフィルタ。
【請求項15】
前記フィルタ要素(12)はまた、円筒形の外部フレーム(120)を備え、前記連続吸着担体(124)および前記粒状吸着担体(123)は、前記外部フレーム(120)に収容されて支持され、前記外部フレーム(120)の両端部が、それぞれ前記バレル(11)の前記液体入口パイプ(11a)および前記ドレンパイプ(11d)に着脱可能に固定されている、
請求項11に記載のフィルタ。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか一項に記載の前記フィルタ(10)と、
前記フィルタ(10)に液体を供給するための液体供給タンク(5)と、
前記液体供給タンク(5)に接続されている入口(1a)、前記フィルタ(10)の前記液体入口パイプ(11a)に接続されている第1の出口(1b)、および前記フィルタ(10)の前記逆洗パイプ(11c)に接続されている第2の出口(1c)を有するポンプ(1)と
を備える濾過システム。
【請求項17】
前記液体を前記フィルタ(10)により濾過するとき、前記ポンプ(1)の前記第1の出口(1b)から圧送される前記液体は、前記フィルタ(10)の前記液体入口パイプ(11a)を通して前記フィルタ要素(12)の前記タービン(122)および前記ウォーム(121)に流れ込む、
請求項16に記載の濾過システム。
【請求項18】
前記フィルタ(10)の前記ドレンパイプ(11d)が接続されている廃水タンク(2)
をさらに備え、
前記フィルタ要素(12)を逆洗するとき、前記ウォーム(121)の前記中空内部空洞における前記液体は、前記ドレンパイプ(11d)を通して前記廃水タンク(2)に排出される、
請求項16に記載の濾過システム。
【請求項19】
前記フィルタ要素(12)を逆洗するとき、前記ポンプ(1)の前記第1の出口(1b)から圧送される前記液体は、前記フィルタ(10)の前記液体入口パイプ(11a)を通して前記フィルタ要素(12)の前記タービン(122)および前記ウォーム(121)に流れ込み、前記ポンプ(1)の前記第2の出口(1c)から圧送される前記液体が、前記フィルタ(10)の前記逆洗パイプ(11c)を通して前記フィルタ(10)の前記バレル(11)に流れ込む、
請求項18に記載の濾過システム。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか一項に記載の前記濾過システムと、
前記濾過システムの前記フィルタ(10)の前記液体出口パイプ(11b)と連通する入口を有する洗浄タンク(6)と
を備え、
濾過された前記液体は、前記洗浄タンクにおけるワークピースを洗浄するために、前記フィルタ(10)の前記出口パイプ(11b)を通して前記洗浄タンク(6)に流れ込む、
洗浄システム。
【請求項21】
洗浄された前記液体が前記液体供給タンク(5)に戻って前記フィルタ(10)により再び濾過されることが可能となるように、前記洗浄タンク(6)の出口が前記液体供給タンク(5)と連通する、
請求項20に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2021年6月28日に出願された中国特許出願第CN202110718146.X号の利益を主張し、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、フィルタ要素、フィルタ要素を含むフィルタ、フィルタを含む濾過システム、および濾過システムを含む洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、産業洗浄は、構成要素の表面の残留金属イオンおよび有機汚染物質を除去する(電気めっき構成要素、無電解めっき構成要素、および様々な電子的構成要素の洗浄など)ために、大量の水を使用する。廃水の回収および処理の主な方法は、標準的な産業フィルタ要素を用いて、オンラインかつリアルタイムでの大まかな濾過を行うことである。洗浄水中の汚染物質がより高濃度に蓄積すると、洗浄効果が低下し、むしろ洗浄される構成要素の汚染を悪化させ、汚染物質が高度に蓄積した廃水を定期的に交換および捕集しなければならず、廃水を排出基準までライン外で(例えば排水処理ステーションにより)集約的に処理しなければならない。
【0004】
既存の産業フィルタ要素の欠点は、フィルタ要素が単純な構造、単一のフィルタ材料、および低い吸着飽和度を有することである。一般に、これは巻線またはメルトブローンのポリプロピレン樹脂または活性炭を用い、適時性は、清浄な家庭用水道水の濾過にかろうじて足りる程度である。しかしながら、産業洗浄水中の汚染物質成分は複合的であり、濃度は継続的に増大していく。フィルタ要素は、非常に容易に飽和して閉塞し、長期間にわたって効率的に汚染物質を吸収することができず、そのため、産業洗浄のオンライン濾過の効果が非常に小さく、結果として構成要素の清浄度が不十分になる。洗浄効果を確保するためには、水を頻繁に交換してライン外で再生利用する必要があるが、これは高い処理コストおよび大量の廃棄物排出を伴い、環境保護を脅かすことになる。
例えば、重イオン汚染は、電子構成要素の低絶縁抵抗および短絡をもたらすが、半導体などの高精密産業は、そのほとんどが流水で洗浄され、大量の廃水排出および環境保護への高い負荷を伴う。電気めっきなどの高汚染プロセスは、清浄度の問題のみならず、塗膜密着性の低下、穿孔の増加およびさらには剥離にもつながる。その故障メカニズムは、金属電気めっき堆積の前に、銀イオンおよび金イオンなどの高電位の金属イオンが容易に置換されて高電位のめっき対象金属構成要素の表面に堆積するというものであり、置換層は、極端に不均一、不安定で、脆く、多孔質である。
【0005】
既存のフィルタ要素は通常、以下の欠点を有する。
【0006】
1)複合的な汚染物質を含む水の濾過には好適でない。すなわち、フィルタ要素担体が単一で、主として物理的吸着性である。主な濾過対象物は、金属イオンへの吸着性がより低い、高分子のポリマーまたはコロイドおよび他の微細粒子である。
【0007】
2)吸着濾過が不十分であり、廃水排出量が多い。すなわち、フィルタ要素の構造が単純であり、フィルタ要素の高圧水チャンバが単純な中空円筒である。フィルタ要素の表面近くの担体の連続的な吸着を防止するために、高圧水チャンバの近くの吸着担体が選択的に閉塞し、同時に高圧水チャンバ内の圧力が上昇する。圧力解放の後にフィルタ要素を逆洗し、吸着担体を浚渫し、浚渫された廃水を集約処理のために重度汚染廃水プールに流すために、圧力解放ドレンバルブおよび逆洗バルブを頻繁に作動させる必要がある。
【0008】
3)貴金属イオンを回収することができない。すなわち、吸着された金属イオンを回収することが容易でなく、貴金属イオンの回収に用いることができない。
【0009】
4)フィルタ要素を脱着し再利用することができない。すなわち、フィルタ要素は、ほとんどの場合使い捨てであり、固体廃棄物として処理される。これは大量の廃棄物になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の不利点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、撹拌装置と、撹拌装置の周囲に配置されている連続吸着担体と、連続吸着担体と撹拌装置との間に充填されている粒状吸着担体とを備えるフィルタ要素が提供される。撹拌装置は、フィルタ要素により液体を濾過するときに、粒状吸着担体を撹拌するように構成される。
【0012】
本発明の例示的実施形態によれば、撹拌装置は、撹拌ロッドと、撹拌ロッドと接続されている駆動装置とを備え、駆動装置は、撹拌ロッドによって粒状吸着担体を撹拌するように、撹拌ロッドを駆動して回転させるように構成される。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態によれば、駆動装置は、電気駆動装置または液圧駆動装置である。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態によれば、撹拌装置は、ウォームであって、螺旋形の中空内部空洞、および、ウォームの表面に分散し中空内部空洞と連通する微小孔を有するウォームと、ウォームの入口に接続され、ウォームの中空内部空洞と流体連通するタービンとを備える。連続吸着担体は、ウォームおよびタービンの周囲に配置され、タービンおよびウォームは、粒状吸着担体を渦流により撹拌するように、タービンに流れ込む液体の衝撃を受けて駆動されて回転する。
【0015】
本発明の別の例示的実施形態によれば、連続吸着担体は、樹脂膜、多孔質メルトブローン樹脂、多孔質セラミック焼結構造体または巻線編組体を含む。
【0016】
本発明の別の例示的実施形態によれば、粒状吸着担体は、樹脂粒子、活性炭粒子またはそれらの混合物を含む。
【0017】
本発明の別の例示的実施形態によれば、粒状吸着担体は、平滑な表面を有する球体の形状である。
【0018】
本発明の別の態様によれば、液体入口パイプおよび液体出口パイプを有するバレルと、バレルに設置されている上記のフィルタ要素とを備え、未濾過の液体は、液体入口パイプを通してフィルタ要素に流れ込み、濾過された液体は、液体出口パイプを通して流れ出る、フィルタが提供される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、液体入口パイプおよび液体出口パイプを有するバレルと、バレルに設置されている上記のフィルタ要素とを備えるフィルタが提供される。未濾過の液体は、液体入口パイプを通してフィルタ要素のタービンおよびウォームに流れ込み、濾過された液体は、液体出口パイプを通して流れ出て、タービンおよびウォームは、粒状吸着担体を渦流により撹拌するように、液体入口パイプを通してタービンに流れ込む液体の衝撃を受けて駆動されて回転する。
【0020】
本発明の例示的実施形態によれば、液体を濾過するとき、液体がウォームの微小孔から滲出し、粒状吸着担体および連続吸着担体を通して流れることで、粒状吸着担体および連続吸着担体を通して液体を濾過する。
【0021】
本発明の別の例示的実施形態によれば、バレルはまた、逆洗パイプおよびドレンパイプを有し、逆洗パイプは、バレルの内部空洞と連通し、ドレンパイプは、ウォームの出口と連通し、逆洗バルブおよびドレンバルブが、それぞれ逆洗パイプおよびドレンパイプに設置され、逆洗バルブおよびドレンバルブは、フィルタが液体を濾過するときに閉ざされる。
【0022】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ウォームにおける液圧が所定の圧力まで上昇すると、フィルタ要素を逆洗するように、逆洗バルブおよびドレンバルブが開かれ、逆洗パイプを通してバレルに入る液体は、フィルタ要素の外側からウォームに逆方向に流れ込み、ウォームに逆方向に流れ込む液体は、ドレンパイプを通して排出される。
【0023】
本発明の別の例示的実施形態によれば、フィルタ要素を逆洗するとき、タービンおよびウォームは、粒状吸着担体を渦流により撹拌するように、液体入口パイプを通してタービンに流れ込む液体の衝撃を受けて駆動されて回転する。
【0024】
本発明の別の例示的実施形態によれば、タービンの入口は、第1の軸受を介してバレルの液体入口パイプに回転可能に設置され、液体入口パイプと流体連通し、ウォームの出口は、第2の軸受を介してバレルのドレンパイプに回転可能に設置され、ドレンパイプと流体連通する。
【0025】
本発明の別の例示的実施形態によれば、フィルタ要素はまた、円筒形の外部フレームを備え、連続吸着担体および粒状吸着担体は、外部フレームに収容されて支持され、外部フレームの両端部が、それぞれバレルの液体入口パイプおよびドレンパイプに着脱可能に固定される。
【0026】
本発明の別の態様によれば、上記のフィルタと、フィルタに液体を供給するための液体供給タンクと、液体供給タンクに接続されている入口、フィルタの液体入口パイプに接続されている第1の出口、およびフィルタの逆洗パイプに接続されている第2の出口を有するポンプとを備える濾過システムが提供される。
【0027】
本発明の例示的実施形態によれば、液体をフィルタにより濾過するとき、ポンプの第1の出口から圧送される液体は、フィルタの液体入口パイプを通してフィルタ要素のタービンおよびウォームに流れ込む。
【0028】
本発明の別の例示的実施形態によれば、濾過システムは、フィルタのドレンパイプが接続されている廃水タンクをさらに備え、フィルタ要素を逆洗するとき、ウォームの中空内部空洞における液体は、ドレンパイプを通して廃水タンクに排出される。
【0029】
本発明の別の例示的実施形態によれば、フィルタ要素を逆洗するとき、ポンプの第1の出口から圧送される液体は、フィルタの液体入口パイプを通してフィルタ要素のタービンおよびウォームに流れ込み、ポンプの第2の出口から圧送される液体が、フィルタの逆洗パイプを通してフィルタのバレルに流れ込む。
【0030】
本発明の別の態様によれば、上記の濾過システムと、濾過システムのフィルタの液体出口パイプと連通する入口を有する洗浄タンクとを備える洗浄システムが提供される。濾過された液体は、洗浄タンクにおけるワークピースを洗浄するために、フィルタの出口パイプを通して洗浄タンクに流れ込む。
【0031】
本発明の例示的実施形態によれば、洗浄された液体が液体供給タンクに戻ってフィルタにより再び濾過されることが可能となるように、洗浄タンクの出口が液体供給タンクと連通する。
【0032】
本発明に係る前述の例示的実施形態においては、粒状吸着担体を撹拌装置により撹拌することができる。したがって、本発明は、粒状吸着担体の吸着速度を向上させ、フィルタ要素の閉塞を防止することができる。
【0033】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面に関してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の例示的実施形態に係る濾過システムの模式図である。
図2】本発明の例示的実施形態に係る洗浄システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
添付の図面に関して、本開示の例示的実施形態を以下詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分かつ完全となるように提供されており、本開示の概念を当業者に完全に伝達するであろう。
【0036】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の十分な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例においては、図面を簡略化するために、周知の構造および装置が模式的に示されている。
【0037】
本発明の一般概念によれば、撹拌装置と、撹拌装置の周囲に配置されている連続吸着担体と、連続吸着担体と撹拌装置との間に充填されている粒状吸着担体とを備えるフィルタ要素が提供される。撹拌装置は、フィルタ要素により液体を濾過するときに、粒状吸着担体を撹拌するように構成される。
【0038】
図1は、本発明の例示的実施形態に係る濾過システムの模式図を示す。
【0039】
図1に示すように、例示の実施形態において、濾過システムは、ポンプ1と、フィルタ10と、液体供給タンク5とを主に含む。フィルタ10は、バレル11と、バレル11に設置されたフィルタ要素12とを主に含む。交換を容易にするために、フィルタ要素12は、バレル11において着脱可能に設置される。
【0040】
図1に示すように、例示の実施形態において、フィルタ要素12は、撹拌装置121および122と、連続吸着担体124と、粒状吸着担体123とを主に含む。連続吸着担体124は、撹拌装置121および122の周囲に配置される。粒状吸着担体123は、連続吸着担体124と撹拌装置121および122との間に充填される。液体を濾過するとき、撹拌装置121および122は、粒状吸着担体123を撹拌する。これにより、粒状吸着担体123の吸着速度を向上させることができ、フィルタ要素12の閉塞を防止することができる。
【0041】
図1に示すように、本発明の例示的実施形態において、撹拌装置121および122は、撹拌ロッドおよび駆動装置を含んでよい。駆動装置は、撹拌ロッドと接続され、撹拌ロッドを介して粒状吸着担体123を撹拌するように撹拌ロッドを駆動して回転させるために用いられる。駆動装置は、電気駆動装置(例えばモータ)または液圧駆動装置であってよい。
【0042】
図1に示すように、例示の実施形態において、撹拌装置121および122の撹拌ロッドはウォーム121であり、撹拌装置121および122の駆動装置はタービン122である。ウォーム121は、螺旋形の中空内部空洞、および、その表面に分散し中空内部空洞と連通する微小孔を有する。タービン122は、ウォーム121の入口に接続され、ウォーム121の中空内部空洞と流体連通する。連続吸着担体124は、ウォーム121およびタービン122の周囲に配置される。例示の実施形態において、連続吸着担体124は円筒形である。粒状吸着担体123は、連続吸着担体124とウォーム121との間に充填される。
【0043】
図1に示すように、例示の実施形態において、タービン122およびウォーム121は、流入する液体の作用を受けて回転して、粒状吸着担体123を渦流により撹拌するように適合される。例示の実施形態において、ポンプ1により送出される液体は、液体がタービン122に入るときに一定の圧力を有しているので、タービン122を駆動して回転させ、ウォーム121を駆動してタービン122を介して共に回転させる。これにより、液体を濾過またはフィルタ要素を逆洗しながら、粒状吸着担体123を連続的に撹拌することができる。それにより、フィルタ要素の濾過効果および逆洗効果が向上し、フィルタ要素の閉塞が防止される。
【0044】
図1に示すように、例示の実施形態において、フィルタ10のバレル11は、液体入口パイプ11aおよび液体出口パイプ11bを有する。未濾過の液体は、液体入口パイプ11aを通してフィルタ要素12のタービン122およびウォーム121に流れ込み、濾過された液体が液体出口パイプ11bを通して流れ出る。液体を濾過するとき、タービン122およびウォーム121は、液体入口パイプ11aを通して流れる液体の作用を受けて回転して、粒状吸着担体123を撹拌する。
【0045】
図1に示すように、例示の実施形態において、液体を濾過するとき、液体がウォーム121の微小孔から滲出し、粒状吸着担体123および連続吸着担体124を通して流れることで、粒状吸着担体123および連続吸着担体124を通して液体を濾過する。濾過された液体は、連続吸着担体124からバレル11の内部空洞へと浸出し、最終的にバレル11の液体出口パイプ11bから流れ出る。
【0046】
図1に示すように、例示の実施形態において、バレル11はまた、逆洗パイプ11cおよびドレンパイプ11dを有する。逆洗パイプ11cは、バレル11の内部空洞と連通する。ドレンパイプ11dは、ウォーム121の出口と接続される。逆洗バルブ3は逆洗パイプ11cに設置され、ドレンバルブ4はドレンパイプ11dに設置される。逆洗バルブ3およびドレンバルブ4は、フィルタ10が液体を濾過するときに閉ざされる。
【0047】
図1に示すように、例示の実施形態において、フィルタ要素12における粒状吸着担体123および連続吸着担体124が飽和または閉塞すると、ウォーム121における液圧が上昇する。ウォーム121における液圧が所定の圧力まで上昇すると、逆洗バルブ3およびドレンバルブ4が開くように作動する。このとき、液体が逆洗パイプ11cを通してバレル11に入る。逆洗パイプ11cを通してバレル11に入る液体は、フィルタ要素12の外側からウォーム121に逆方向に流れ込み、ウォーム121に逆方向に流れ込む液体は、ドレンパイプ11dを通して排出される。それにより、フィルタ要素12の逆洗が実現される。
【0048】
図1に示すように、例示の実施形態において、フィルタ要素12を逆洗するとき、タービン122およびウォーム121は、液体入口パイプ11aを通して流れる液体の作用を受けて回転して、粒状吸着担体123を撹拌する。これにより、粒状吸着担体123および連続吸着担体124の逆洗効果を向上させることができ、フィルタ要素12の耐用寿命を長くすることができる。
【0049】
図1に示すように、例示の実施形態において、タービン122の入口は、第1の軸受125を介してバレル11の液体入口パイプ11aに回転可能に設置され、液体入口パイプ11aと流体連通する。ウォーム121の出口は、第2の軸受126を通してバレル11のドレンパイプ11dに回転可能に装着され、ドレンパイプ11dと流体連通する。
【0050】
図1に示すように、例示の実施形態において、フィルタ要素12はまた、円筒形の外部フレーム120を含む。連続吸着担体124および粒状吸着担体123は、外部フレーム120に収容されて支持される。本発明の例示的実施形態において、外部フレーム120の両端部は、それぞれバレル11の液体入口パイプ11aおよびドレンパイプ11dに着脱可能に固定される。
【0051】
図1に示すように、例示の実施形態において、撹拌時における粒状吸着担体123の転動性能を向上させるために、粒状吸着担体123は、平滑な表面を有する球体の形状であってよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、粒状吸着担体123が他の好適な形状を有していてもよい。
【0052】
図1に示すように、例示の実施形態において、ポンプ1は、液体供給タンク5中の液体をフィルタ10に圧送する。ポンプ1は、液体供給タンク5に接続された入口1a、フィルタ10の液体入口パイプ11aに接続された第1の出口1b、およびフィルタ10の逆洗パイプ11cに接続された第2の出口1cを有する。
【0053】
図1に示すように、例示の実施形態において、液体がフィルタ10により濾過されるとき、ポンプ1の第1の出口1bから圧送される液体が、フィルタ10の液体入口パイプ11aを通してフィルタ要素12のタービン122およびウォーム121に流れ込む。
【0054】
図1に示すように、例示の実施形態において、濾過システムはまた、廃水タンク2を含む。フィルタ10のドレンパイプ11dは、廃水タンク2に接続される。フィルタ要素12が逆洗されると、ウォーム121の中空内部空洞における液体が、ドレンパイプ11dを通して廃水タンク2に排出される。
【0055】
図1に示すように、例示の実施形態において、フィルタ要素12を逆洗するとき、ポンプ1の第1の出口1bから圧送される液体が、フィルタ10の入口パイプ11aを通してフィルタ要素12のタービン122およびウォーム121に流れ込み、ポンプ1の第2の出口1cから圧送される液体が、フィルタ10の逆洗パイプ11cを通してフィルタ10のバレル11に流れ込む。
【0056】
図2は、本発明の例示的実施形態に係る洗浄システムの模式図を示す。
【0057】
図2に示すように、例示の実施形態において、洗浄システムは、図1の濾過システムと、洗浄タンク6とを主に含む。洗浄タンク6は、濾過システムのフィルタ10の液体出口パイプ11bと連通する入口を有する。濾過された液体は、洗浄タンクにおけるワークピースを洗浄するために、フィルタ10の出口パイプ11bを通して洗浄タンク6に流れ込む。本発明の例示的実施形態において、洗浄対象のワークピースは、電気めっきされたワークピースであってよい。
【0058】
図2に示すように、例示の実施形態において、洗浄された液体が液体供給タンク5に戻ってフィルタ10により再び濾過されることが可能となるように、洗浄タンク6の出口が液体供給タンク5と接続される。これにより、洗浄システムが形成される。
【0059】
図1および図2に示すように、本発明の例示的実施形態において、電気めっき水洗浄水の精製から開始して、新たなタイプのフィルタ要素が開発される。その外層は、樹脂膜、多孔質メルトブローン樹脂、多孔質セラミック焼結構造体、巻線編組体、および他の一体的な連続構造体で充填されてよく、中間層は、1つまたは複数の種類の樹脂粒子または活性炭粒子の不規則な混合物で充填されてよい。これは同時に、物理的吸着性および化学的吸着性を有する。内部構造は、従来の中空円筒形構造ではなくなっており、タービンおよび中空渦流ロッドである。これはまた、水の流入路として、水の水力を用いてタービンおよび中空渦流ロッドを駆動して回転させ、渦流を生成し、樹脂および他の粒子を撹拌し、樹脂の吸着速度を向上させ、閉塞を防止する。
同時に、渦流撹拌を用いて、吸着担体の逆洗を強化し、フィルタ要素の再利用回数を増加させることもできる。フィルタ要素フレームを物理的に破損するまで再利用することができ、樹脂膜または樹脂粒子などの新たな吸着担体のみを交換することができる。選択された吸着担体を、廃水の汚染成分に従って選択的に吸着することができる。例えば、エンジンオイルまたは無機沈殿物などの高分子群を吸着するためにポリプロピレン樹脂を用いることができ、重金属イオンおよび顔料を吸着するために活性炭を用いることができる。金、銀および他の貴金属イオンがチオ尿素樹脂で飽和した場合、脱着および貴金属の回収のためにフィルタ要素を取り出すことができる。渦流撹拌により、脱着をより十分にすることができる。新たなフィルタ要素の外観設計は、フィルタのフィルタバレルを交換することなく、市場におけるほとんどのフィルタのフィルタバレルに適合し得る。
【0060】
図1および図2に示すように、例示の実施形態において、新たなフィルタ要素12がフィルタバレル11に設置され、フィルタ要素12の両端部における軸受125、126が、それぞれフィルタバレル11の液体入口パイプ11aおよび圧力解放ドレンパイプ11dの口輪と固定される。ここで、軸受125、126は、使い捨て製品でないセラミックまたはダイス鋼などの耐摩耗性材料から作製される。フィルタ要素12を交換するとき、反復使用のために新たなフィルタ要素と交換することができる。
【0061】
図1および図2に示すように、例示の実施形態において、液体は、高圧下で水ポンプ1により圧送され、液体入口パイプ11aを通してタービン122に入る。タービン122は、ウォーム121を駆動して回転させることで、粒状吸着担体123を撹拌する。ここで、タービン122およびウォーム121は、プラスチックまたは金属から作製され、3Dプリントまたは機械加工される。多孔質担体121および多孔質担体124は、連続的に吸着されることで液体を吸収する。ここで、粒状吸着担体は、物理的吸着性および化学的吸着性を同時に有する、1つまたは複数の種類の樹脂粒子または活性炭粒子の不規則または規則的な混合物である。滑らかな転動のために、球形が好適である。
【0062】
図1および図2に示すように、例示の実施形態において、粒状吸着担体により濾過された液体は、連続吸着担体124に到達し、多重濾過の後にフィルタバレル11に流れ込み、液体出口パイプ11bから流れ出る。連続吸着担体は、樹脂膜、多孔質メルトブローン樹脂、多孔質セラミック焼結構造体、巻線編組体などの一体的な連続構造体であってよい。
【0063】
図1および図2に示すように、例示の実施形態において、表面における連続吸着担体が飽和し閉塞すると、ウォーム121の空洞における液圧が上昇し、それにより、圧力解放ドレンバルブ4および逆洗バルブ3が作動して開き、圧力解放の後にフィルタ要素12が逆洗され、粒状吸着担体123および連続吸着担体124が浚渫(dredging)され、浚渫された廃水が集約処理のために重度汚染廃水タンク2に流れることが可能となる。連続吸着担体124は、ここで大部分が浚渫される。粒状吸着担体は浚渫される必要がなく、特に化学的吸着が球形の液薬によって脱着されなければならない。したがって、逆洗によって貴金属イオンが脱着することを懸念する必要はなく、逆洗は貴金属イオンおよび重金属イオンを吸着するようにのみ継続する。
【0064】
図1および図2に示すように、例示の実施形態において、粒状吸着担体が飽和すると、これを取り出してライン外回収システムにより脱着することができ、連続吸着担体は交換することができる。脱着の後、粒状吸着担体は、吸着効果が著しく低下するまで、3~5回再利用されてよい。
【0065】
図1および図2に示すように、例示の実施形態において、本発明のフィルタ要素は、複合的な汚染物質を含む液体の濾過に好適である。これは、廃液の種類に従って様々なフィルタ要素担体を充填することができ、物理的吸着性および化学的吸着性を同時に有する。本発明のフィルタ要素は、高い吸着性および濾過効率ならびに小さい排出量を有する。水圧により新規なタービンおよび中空渦流ロッドを駆動して回転させることで、渦流を生成して樹脂および他の粒子を撹拌し、それにより樹脂の吸着速度を向上させ、閉塞を防止する。本発明のフィルタ要素は、貴金属イオンを回収することができ、金および銀などの貴金属の化学的吸着のために樹脂粒子を選択的に充填することができ、高い吸着速度を有し、逆洗時に脱着することがなく、後の段階になっても高い脱着回収率を有する。加えて、本発明のフィルタ要素は、脱着して再利用することができる。
【0066】
結論として、本発明のフィルタ要素は主に、以下の利点のうちの少なくとも1つを有する。
【0067】
1)複合的な汚染物質を含む液体の濾過に好適である。すなわち、廃液の種類に従って、様々なフィルタ要素担体を充填することができる。外層には、樹脂膜、多孔質メルトブローン樹脂、多孔質セラミック焼結構造体、および巻線編組体などの一体的な連続構造体が充填されてよい。中間層には、物理的吸着性および化学的吸着性を同時に有する、1つまたは複数の種類の樹脂粒子または活性炭粒子が充填されてよい。
【0068】
2)吸着濾過効率が高く、排出量が小さい。すなわち、フィルタ要素が洗練された構造を有する。フィルタ要素における高圧液体空洞は、タービンおよび中空渦流ロッドである。これはまた、水の流入路として、水の水力を用いてタービンおよび中空渦流ロッドを駆動して回転させ、渦流を生成し、樹脂および他の粒子を撹拌し、それにより樹脂の吸着速度および閉塞防止性が向上する。同時に、渦流撹拌を用いて、吸着担体の逆洗を強化し、フィルタ要素の再利用回数を増加させることもできる。
【0069】
3)貴金属イオンを回収することができる。すなわち、金および銀などの貴金属の化学的吸着のために樹脂粒子を選択的に充填することができる。例えば、本実施形態では、ポリエステル系チオ尿素樹脂が用いられる。チオ尿素の分子構造は、金イオンおよび銀イオンに関する良好な選択的錯化吸着性を有する(金イオンおよび銀イオンの吸着飽和度は5mmol/gに達し得る)NおよびSの配位原子を含み、一方で静止した樹脂は吸着飽和に達しにくい。渦流撹拌は、吸着飽和を促進するだけではない。後の脱着プロセスにおいて、金イオンおよび銀イオンを完全に回収することができる。
【0070】
4)フィルタ要素を脱着して再利用することができる。すなわち、逆洗および再利用が簡単であり、渦流撹拌を用いて、吸着担体の逆洗を強化し、フィルタ要素の再利用回数を増加させることもできる。フィルタ要素フレームを物理的に破損するまで再利用することができ、樹脂膜または樹脂粒子などの新たな吸着担体のみを交換することができる。
【0071】
5)ほとんどの既存のフィルタのフィルタバレルに適合し得る。すなわち、新たなフィルタ要素の外観設計は、フィルタのフィルタバレルを交換することなく、市場におけるほとんどのフィルタのフィルタバレルに適合し得る。
【0072】
上記の実施形態は、例示であって限定ではないように意図されていることが、当業者には理解されるべきである。例えば、当業者によって多数の修正が上記の実施形態に対してなされてよく、種々の実施形態において説明されている様々な特徴は、構成または原理に矛盾しない限りにおいて互いに自由に組み合わされてよい。
【0073】
いくつかの例示的実施形態を示して説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱しない限りにおいて、様々な変更または修正がこれらの実施形態においてなされてよいことが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物において定められる。
【0074】
本明細書において用いる場合、単数形で記載される「a」または「an」の語に続く要素は、複数の当該要素またはステップを除外することが明示されていない限り、そのような除外をしないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」という言及は、記載の特徴を同様に組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。加えて、そうでないことが明示されていない限り、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その性質を有しないさらなるそのような要素を含み得る。
図1
図2
【外国語明細書】