(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074764
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 11/00 20060101AFI20230523BHJP
B66B 1/30 20060101ALI20230523BHJP
B66B 1/34 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
B66B11/00 Z
B66B1/30 B
B66B1/34 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187883
(22)【出願日】2021-11-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠田 真也
【テーマコード(参考)】
3F306
3F502
【Fターム(参考)】
3F306DA27
3F502JB12
3F502JB16
3F502JB18
3F502KA18
(57)【要約】
【課題】 釣合錘の質量を適正にすることができるエレベータを提供する。
【解決手段】 エレベータは、上下方向に走行するかごと、かごに接続されるかごロープと、かごロープに接続される釣合錘と、かごロープが巻き掛けられる綱車と、綱車を回転させる電動機と、を備え、記釣合錘の質量は、「(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×50%」を満たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に走行するかごと、
前記かごに接続されるかごロープと、
前記かごロープに接続される釣合錘と、
前記かごロープが巻き掛けられる綱車と、
前記綱車を回転させる電動機と、を備え、
前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、エレベータ。
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×50%
【請求項2】
前記綱車を制動するブレーキを備え、
前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、請求項1に記載のエレベータ。
(釣合錘の質量)≧(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×35%
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×45%
【請求項3】
前記かごの積載荷重を検出する荷重検出部と、
前記かごの走行を制御するために、前記電動機を制御する制御装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大加速度を第1加速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大加速度を前記第1加速度よりも小さい第2加速度とし、
前記設定荷重は、以下の式を満たす、請求項1又は2に記載のエレベータ。
(設定荷重)>{(釣合錘の質量)-(かごの質量)}×2
【請求項4】
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大速度を第1速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大速度を前記第1速度以下である第2速度とし、
前記第1加速度に対する前記第2加速度の比率は、前記第1速度に対する前記第2速度の比率よりも、小さい、請求項3に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記電動機の出力トルクを検出する出力トルク検出部をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが第1設定出力トルク以下となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、請求項3又は4に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが前記第1設定出力トルクよりも小さい第2設定出力トルク以上となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、請求項5に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、かごと、釣合錘と、かごと釣合錘とを接続するかごロープと、かごロープが巻き掛けられる綱車と、綱車を回転させる電動機とを備えている。そして、釣合錘の質量は、かごの質量とかごの最大積載荷重の50%との総和となっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
これにより、かごの質量及び積載荷重の総和と釣合錘の質量との間に生じる差が大きくなることを抑制している。ところで、例えば、かごの最大積載荷重は、一般的に、かご室の床面積に基づいて、設定されている。そして、かごが走行するときに、かごの積載荷重が最大積載荷重になることは、少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、釣合錘の質量を適正にすることができるエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータは、上下方向に走行するかごと、前記かごに接続されるかごロープと、前記かごロープに接続される釣合錘と、前記かごロープが巻き掛けられる綱車と、前記綱車を回転させる電動機と、を備え、前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす。
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×50%
【0007】
また、エレベータは、前記綱車を制動するブレーキを備え、前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、という構成でもよい。
(釣合錘の質量)≧(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×35%
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×45%
【0008】
また、エレベータは、前記かごの積載荷重を検出する荷重検出部と、前記かごの走行を制御するために、前記電動機を制御する制御装置と、をさらに備え、前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大加速度を第1加速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大加速度を前記第1加速度よりも小さい第2加速度とし、前記設定荷重は、以下の式を満たす、という構成でもよい。
(設定荷重)>{(釣合錘の質量)-(かごの質量)}×2
【0009】
また、エレベータにおいては、前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大速度を第1速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大速度を前記第1速度以下である第2速度とし、前記第1加速度に対する前記第2加速度の比率は、前記第1速度に対する前記第2速度の比率よりも、小さい、という構成でもよい。
【0010】
また、エレベータは、前記電動機の出力トルクを検出する出力トルク検出部をさらに備え、前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが第1設定出力トルク以下となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、という構成でもよい。
【0011】
また、エレベータにおいては、前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが前記第1設定出力トルクよりも小さい第2設定出力トルク以上となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るエレベータの概要図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る巻上装置の正面図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係るエレベータの制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、エレベータにおける一実施形態について、
図1~
図4を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0014】
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、人を乗せて上下方向D3に走行するかご2と、かご2に接続されるかごロープ3と、かごロープ3に接続される釣合錘4と、かごロープ3を駆動してかご2を走行させる巻上装置5と、エレベータ1の各部を制御する制御装置6とを備えていてもよい。
【0015】
本実施形態に係るエレベータ1においては、巻上装置5は、昇降路X1の上部に設けられる機械室X2の内部に配置されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、巻上装置5は、昇降路X1の内部に配置されている、という構成でもよい。
【0016】
また、本実施形態においては、かごロープ3の一端がかご2に固定され、かごロープ3の他端が釣合錘4に固定されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ3の両端がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ3がかご2のシーブ及び釣合錘4のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ3がかご2及び釣合錘4にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0017】
また、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2をガイドするかごレール7と、釣合錘4をガイドする錘レール8と、かご2の走行速度を検出する調速機9とを備えていてもよい。また、かご2は、例えば、本実施形態のように、人が乗るかご室2aと、かご室2aに固定されるかご枠2bと、かごレール7にかご2を停止させる停止装置2cとを備えていてもよい。
【0018】
調速機9は、例えば、本実施形態のように、かご2に接続される無端環状のガバナロープ9aと、かご2の速度を検出するために、ガバナロープ9aが巻き掛けられるガバナ車9bと、ガバナロープ9aに張力を付与するために、ガバナロープ9aに吊り下げられる張り車9cと、ガバナロープ9aを把持する把持部9dとを備えていてもよい。これにより、調速機9は、ガバナ車9bの回転速度に基づいて、かご2の走行速度を検出する。
【0019】
図示しないが、停止装置2cは、例えば、かご枠2bに固定される固定子と、固定子に対して可動な可動子とを備えていてもよい。可動子は、例えば、固定子と接触することによって固定子と協働してかご2をかごレール7に停止させる停止位置と、停止位置よりも下方の待機位置との間で、固定子に対して可動であってもよい。
【0020】
そして、例えば、かご2の走行速度が設定速度を超えた場合に、把持部9dがガバナロープ9aを把持し、ガバナロープ9aの走行が停止し且つかご2が下方へ移動することによって、停止装置2cが作動する、即ち、可動子が待機位置から停止位置へ移動する、という構成でもよい。そして、例えば、可動子が停止位置に位置するときに、可動子が、固定子と協働してかごレール7に加圧して接触することによって、かご2は、かごレール7に停止する、という構成でもよい。
【0021】
図2及び
図3に示すように、巻上装置5は、例えば、本実施形態のように、かごロープ3が巻き掛けられる綱車5aと、綱車5aと一体的に回転するディスク5bと、綱車5aを制動するために、ディスク5bに加圧して接触するブレーキ5cと、綱車5aを回転させる電動機5dとを備えていてもよい。なお、電動機5dの構成は、特に限定されない。
【0022】
ブレーキ5cは、例えば、綱車5a及びディスク5bの回転軸方向である第1横方向D1でディスク5bを挟むことによって、ディスク5bに加圧して接触する、という構成でもよい。なお、ブレーキ5cの個数は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、三つとしてもよい。
【0023】
図4に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2の走行加速度を検出する加速度検出部10と、かご2の積載荷重を検出する荷重検出部11と、電動機5dの出力トルクを検出する出力トルク検出部12と、各種情報が入力される入力部13と、各種情報が出力される出力部14とを備えていてもよい。
【0024】
加速度検出部10の構成は、例えば、かご2の走行加速度を検出可能であれば、特に限定されない。加速度検出部10は、例えば、綱車5aの回転量を検出するエンコーダであってもよく、制御装置6は、加速度検出部10で検出した回転量に基づいて、かご2の走行速度及び走行加速度を演算する、という構成でもよい。即ち、加速度検出部10は、例えば、かご2の走行速度を検出する速度検出部を兼ねていてもよい。
【0025】
なお、例えば、加速度検出部10は、かご2に取り付けられる加速度センサとしてもよい。また、速度検出部は、例えば、かご2に取り付けられ、加速度検出部(加速度センサ)とは別の速度センサとしてもよく、また、例えば、速度検出部は、設けられていなくてもよい。
【0026】
荷重検出部11の構成は、例えば、かご2の内部に積載された荷重(質量)を検出可能であれば、特に限定されない。荷重検出部11は、例えば、かご室2aの床下に配置されるロードセルや重量計であってもよく、また、例えば、かごロープ3の端部に配置される引張力測定計であってもよい。
【0027】
出力トルク検出部12の構成は、例えば、電動機5dの出力トルクを検出可能であれば、特に限定されない。例えば、出力トルク検出部12は、電動機5d(又は、後述する出力トルク変更手段15)に流れる電流を検出する電流計であり、制御装置6は、出力トルク検出部12で検出した電流に基づいて、電動機5dで発生している出力トルクを演算する、という構成でもよい。
【0028】
入力部13は、例えば、本実施形態のように、かご2の内部に配置されるかご入力部13aと、乗場に配置される乗場入力部13bとを備えていてもよい。特に限定されないが、入力部13,13a,13bは、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等としてもよい。
【0029】
出力部14は、例えば、本実施形態のように、かご2の内部に配置されるかご出力部14aと、乗場に配置される乗場出力部14bとを備えていてもよい。特に限定されないが、出力部14,14a,14bは、例えば、表示部(例えば、表示板、表示灯)、音声部(例えば、ブザー、スピーカ)等としてもよい。
【0030】
制御装置6は、例えば、本実施形態のように、各情報(データ)を取得する取得部6aと、各情報を記憶する記憶部6bと、各情報を演算する演算部6cと、各部5,14を制御する制御部6dとを備えていてもよい。
【0031】
なお、制御装置6は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部6c、制御部6d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部6a、記憶部6b)、各種インターフェイス(例えば、取得部6a)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、制御装置6の各部6a~6dが実現されている。
【0032】
制御装置6は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、制御装置6の各部6a~6dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0033】
エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、電動機5dで発生させる出力トルクを変更可能な出力トルク変更手段15を備えていてもよい。出力トルク変更手段15の構成は、電動機5dの出力トルクを変更可能であれば、特に限定されない。例えば、出力トルク変更手段15は、電動機5dの周波数を変更することで電動機5dの回転数や電流等を変更し、出力トルクを変更可能なインバータとしてもよい。
【0034】
これにより、制御装置6は、出力トルク変更手段15を介して電動機5dを制御することによって、かご2の走行を制御することができる。例えば、電動機5dの回転方向を制御することによって、かご2の走行方向(上方向、下方向)を制御することができ、電動機5dの回転速度及び回転加速度を制御することによって、かご2の走行速度及び走行加速度を制御することができる。
【0035】
ここで、かご2の質量、かご2の最大積載荷重、釣合錘4の質量の関係について、説明する。
【0036】
かご2の質量及びかご2の積載荷重は、かごロープ3を介して、第1回転方向の第1力F1(
図1参照)として、綱車5aに加えられる。なお、かご2の質量とは、かごロープ3にかかる荷重の全てを含み、かご室2a、かご枠2b、停止装置2cだけでなく、例えば、かご2に取り付けられる部品(例えば、かご室2a上の空調装置)等も含む。
【0037】
一方で、釣合錘4の質量は、かごロープ3を介して、第1回転方向と反対方向の第2回転方向の第2力F2(
図1参照)として、綱車5aに加えられる。なお、釣合錘4の質量とは、かごロープ3にかかる荷重の全てを含み、錘だけでなく、例えば、錘を支持する部品等も含む。
【0038】
そして、第1力F1と第2力F2との差が大きくなるほど、綱車5aを回転するために電動機5dで必要となる出力トルクは、大きくなる。これにより、かご2の走行最大速度及び走行最大加速度が同じである場合に、電動機5dで必要となる出力トルクが最大となる積載荷重の状態は、かご2の積載荷重がゼロである空状態のとき、及び、かご2の積載荷重が最大積載荷重である満状態のとき、の少なくとも一方となる。
【0039】
例えば、釣合錘4の質量は、以下の式で定義される。
(釣合錘の質量)=(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×A (式1)
そして、上記式1の係数Aが50%である場合には、空状態及び満状態のときに、電動機5dで必要な出力トルクが最大となり、上記式1の係数Aが50%未満である場合には、満状態のときに、電動機5dで必要な出力トルクが最大となり、上記式1の係数Aが50%より大きい場合には、空状態のときに、電動機5dで必要な出力トルクが最大となる。
【0040】
ところで、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることは、少ない。例えば、かご2の最大積載荷重がかご室2aの床面積に基づいて設定されているため、かご室2a内がある程度混雑した状態でも、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることは少ない。また、例えば、かご室2a内で乗客同士が密になることを拒む(かご2に乗ることを見送り、次のかご2を待つ)ことによって、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることは少ない。
【0041】
そこで、例えば、本実施形態のように、上記式1の係数Aは、50%未満としてもよい。これにより、かご2の積載荷重がゼロである空状態のときに、必要となる電動機5dの出力トルクを小さくすることができる。したがって、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることが、少ないことに対して、釣合錘4の質量を適正にすることができる。
【0042】
特に限定されないが、上記式1の係数Aは、例えば、45%未満としてもよく、また、例えば、44%以下としてもよく、また、例えば、43%以下としてもよく、また、例えば、42%以下としてもよい。これにより、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることが、少ないことに対して、釣合錘4の質量をさらに適正にすることができる。
【0043】
また、ブレーキ5cは、例えば、かご2が乗場に停止した際に、作動してもよい。これにより、第1力F1と第2力F2との差によって生ずる綱車5aの回転力に対して、ブレーキ5cが制動する。したがって、第1力F1と第2力F2との差が大きいほど、ブレーキ5cで必要となる制動力は、大きくなる。そして、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることが、少ない場合でも、安全の観点から、ブレーキ5cの最大制動力は、第1力F1と第2力F2との差が最大となる満状態で必要となる制動力とする必要がある。
【0044】
そこで、特に限定されないが、上記式1の係数Aは、例えば、35%以上としてもよく、また、例えば、36%以上としてもよく、また、例えば、38%以上としてもよく、また、例えば、40%以上としてもよい。これにより、ブレーキ5cの最大制動能力が大きくなり過ぎることを抑制することができる。したがって、例えば、適正な制動能力のブレーキ5cを設置すればよいことになる。
【0045】
また、電動機5dで発生可能な最大出力トルクは、例えば、本実施形態のように、かご2の積載荷重がゼロである空状態で、且つ、かご2が第1加速度(例えば、定格加速度)で加速して第1速度(例えば、定格速度)で走行する場合に必要となる出力トルク以上に、設定されていてもよい。
【0046】
これにより、かご2の積載荷重がゼロである空状態であるとき(例えば、かご2が、乗場で待機する乗客を迎えに走行するとき)に、かご2を第1加速度で加速して第1速度で走行させることができる。これにより、乗場で待機する乗客に対して、かご2を円滑に迎えに行かせることができる。
【0047】
しかしながら、例えば、本実施形態においては、上記式1の係数Aが50%未満に設定されているため、かご2の積載荷重が設定荷重以上になった場合に、かご2が第1加速度で加速して走行する場合に必要となる電動機5dの出力トルクは、所定の出力トルクを超えることになる。なお、設定荷重は、以下の式2で定義できる。
(設定荷重)>(かごの最大積載荷重)×A×2 (式2)
【0048】
例えば、上記式1の係数Aが40%である場合には、設定荷重は、かご2の最大積載荷重の80%よりも大きい荷重(例えば、85%、90%等)となる。即ち、設定荷重は、第1力F1と第2力F2との差が、積載荷重がゼロのときの第1力F1と第2力F2との差よりも大きくなる荷重である。なお、上記式1及び式2より、以下の式3が算出される。
(設定荷重)>{(釣合錘の質量)-(かごの質量)}×2 (式3)
【0049】
そこで、例えば、荷重検出部11が検出した積載荷重がゼロから設定荷重未満である場合に、制御装置6は、かご2の走行の最大加速度を第1加速度とする第1走行制御を行う一方で、荷重検出部11が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、制御装置6は、かご2の走行の最大加速度を第1加速度よりも小さい第2加速度とする第2走行制御を行う、という構成でもよい。これにより、電動機5dで必要となる最大出力トルクが所定の出力トルクを超えることを抑制することができる。
【0050】
なお、例えば、第2走行制御におけるかご2の最大速度である第2速度は、第1走行制御におけるかご2の最大速度である第1速度以下としてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、第1加速度に対する第2加速度の比率は、第1速度に対する第2速度の比率よりも、小さくてもよい。これにより、第2走行制御における電動機5dで必要となる最大出力トルクを適正にすることができる。しかも、第2走行制御におけるかご2の走行速度が遅くなり過ぎることを抑制することができる。
【0051】
なお、第1加速度に対する第2加速度の比率は、例えば、50%~80%としてもよく、また、例えば、60%~80%としてもよい。また、第1速度に対する第2速度の比率は、例えば、80%~100%としてもよく、また、例えば、90%~100%としてもよい。なお、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第2速度は、第1速度と、同じであってもよい。
【0052】
また、例えば、第2走行制御においては、出力トルク検出部12が検出した出力が第1設定出力トルク以下となるように、制御装置6は、かご2の走行の最大加速度を制御してもよい。これにより、電動機5dで発生する出力トルクが第1設定出力トルクを超えることを確実に抑制することができる。
【0053】
一方で、例えば、第2走行制御においては、出力トルク検出部12が検出した出力トルクが第1設定出力よりも小さい第2設定出力以上となるように、制御装置6は、かご2の走行の最大加速度を制御してもよい。これにより、電動機5dで発生する出力トルクを小さくし過ぎることを抑制することができるため、かご2の走行加速度が小さくなり過ぎることを抑制することができる。
【0054】
なお、第1設定出力は、特に限定されず、電動機5dで発生可能な最大出力トルクに対して、例えば、100%であってもよく、また、例えば、95%であってもよく、また、例えば、90%であってもよい。また、第2設定出力は、特に限定されず、電動機5dで発生可能な最大出力トルクに対して、例えば、50%であってもよく、また、例えば、60%であってもよく、また、例えば、70%であってもよい。
【0055】
また、特に限定されないが、例えば、第2走行制御においては、制御装置6は、荷重検出部11が検出した積載荷重に基づいて、かご2の走行の最大加速度を制御してもよい。例えば、かご2の積載荷重に応じて、かご2の走行の最大加速度が設定されており、それに基づいて、制御装置6がかご2の走行の加速度を制御してもよい。
【0056】
以上より、本実施形態のように、エレベータ1は、上下方向D3に走行するかご2と、前記かご2に接続されるかごロープ3と、前記かごロープ3に接続される釣合錘4と、前記かごロープ3が巻き掛けられる綱車5aと、前記綱車5aを回転させる電動機5dと、を備え、前記釣合錘4の質量は、以下の式を満たす、という構成が好ましい。
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×50%
【0057】
斯かる構成によれば、釣合錘4の質量は、かご2の質量とかご2の最大積載荷重の50%との総和よりも、小さくなっている。これにより、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることが、少ないことに対して、釣合錘4の質量を適正にすることができる。
【0058】
また、本実施形態のように、エレベータ1は、前記綱車5aを制動するブレーキ5cを備え、前記釣合錘4の質量は、以下の式を満たす、という構成が好ましい。
(釣合錘の質量)≧(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×35%
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×45%
【0059】
斯かる構成によれば、釣合錘4の質量は、かご2の質量とかご2の最大積載荷重の45%との総和よりも、小さくなっている。これにより、かご2の積載荷重が最大積載荷重になることが、少ないことに対して、釣合錘4の質量をさらに適正にすることができる。しかも、釣合錘4の質量は、かご2の質量とかご2の最大積載荷重の35%との総和以上となっている。これにより、ブレーキ5cの最大制動能力が大きくなり過ぎることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態のように、エレベータ1は、前記かご2の積載荷重を検出する荷重検出部11と、前記かご2の走行を制御するために、前記電動機5dを制御する制御装置6と、をさらに備え、前記制御装置6は、前記荷重検出部11が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かご2の走行の最大加速度を第1加速度とし、前記荷重検出部11が検出した積載荷重が前記設定荷重以上である場合に、前記かご2の走行の最大加速度を前記第1加速度よりも小さい第2加速度とし、前記設定荷重は、以下の式を満たす、という構成が好ましい。
(設定荷重)>{(釣合錘の質量)-(かごの質量)}×2
【0061】
斯かる構成によれば、荷重検出部11が検出した積載荷重が、設定荷重以上である場合に、かご2の走行の最大加速度は、第1加速度よりも小さい第2加速度となる。これにより、電動機5dで必要となる出力トルクが所定の出力トルクを超えることを抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記制御装置6は、前記荷重検出部11が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かご2の走行の最大速度を第1速度とし、前記荷重検出部11が検出した積載荷重が前記設定荷重以上である場合に、前記かご2の走行の最大速度を前記第1速度以下である第2速度とし、前記第1加速度に対する前記第2加速度の比率は、前記第1速度に対する前記第2速度の比率よりも、小さい、という構成が好ましい。
【0063】
斯かる構成によれば、第2加速度を小さくすることによって、第2走行制御において、電動機5dで必要となる最大出力トルクを適正にすることができる。しかも、第2速度が小さくなり過ぎることを抑制することができるため、第2走行制御において、かご2の走行速度が遅くなり過ぎることを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態のように、エレベータ1は、前記電動機5dの出力トルクを検出する出力トルク検出部12をさらに備え、前記制御装置6は、前記荷重検出部11が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部12が検出した出力トルクが第1設定出力トルク以下となるように、前記かご2の走行の最大加速度を制御する、という構成が好ましい。
【0065】
斯かる構成によれば、出力トルク検出部12が電動機5dの出力トルクを検出し、制御装置6が、かご2の走行の最大加速度を制御することによって、出力トルク検出部12で検出される出力トルクは、第1設定出力トルク以下となる。これにより、電動機5dの出力トルクが第1設定出力トルクを超えることを確実に抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記制御装置6は、前記荷重検出部11が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部12が検出した出力トルクが前記第1設定出力トルクよりも小さい第2設定出力トルク以上となるように、前記かご2の走行の最大加速度を制御する、という構成が好ましい。
【0067】
斯かる構成によれば、制御装置6が、かご2の走行の最大加速度を制御することによって、出力トルク検出部12で検出される出力トルクは、第2設定出力トルク以上となる。これにより、電動機5dの出力トルクが小さくなり過ぎることを抑制することができるため、かご2の走行加速度が小さくなり過ぎることを抑制することができる。
【0068】
なお、エレベータ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0069】
(1)上記実施形態に係るエレベータ1においては、第2速度は、第1速度と、同じである、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2速度は、第1速度よりも、小さい、という構成でもよい。
【0070】
(2)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、第1加速度に対する第2加速度の比率は、第1速度に対する第2速度の比率よりも、小さい、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1加速度に対する第2加速度の比率は、第1速度に対する第2速度の比率よりも、大きい、という構成でもよい。また、例えば、第1加速度に対する第2加速度の比率は、第1速度に対する第2速度の比率と、同じ、という構成でもよい。
【0071】
(3)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、制御装置6は、かご2の積載荷重に応じて予め設定された最大加速度に基づいて、かご2の走行の加速度を制御する、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、制御装置6は、フィードバック制御等によって、出力トルク検出部12が検出した出力トルクに基づいて、かご2の走行の最大加速度を変更する、という構成でもよい。
【0072】
(4)また、上記実施形態に係るエレベータ1は、ブレーキ5cは、ディスク5bに加圧して接触する、所謂、ディスク式ブレーキである、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、ブレーキ5cは、所謂、ドラム式ブレーキ等でもよく、ブレーキ5cの機構は、特に限定されない。また、ブレーキ5cは、綱車5aに直接に加圧して接触する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…エレベータ、2…かご、2a…かご室、2b…かご枠、2c…停止装置、3…かごロープ、4…釣合錘、5…巻上装置、5a…綱車、5b…ディスク、5c…ブレーキ、5d…電動機、6…制御装置、6a…取得部、6b…記憶部、6c…演算部、6d…制御部、7…かごレール、8…錘レール、9…調速機、9a…ガバナロープ、9b…ガバナ車、9c…張り車、9d…把持部、10…加速度検出部、11…荷重検出部、12…出力トルク検出部、13…入力部、13a…かご入力部、13b…乗場入力部、14…出力部、14a…かご出力部、14b…乗場出力部、15…出力トルク変更手段、X1…昇降路、X2…機械室
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に走行するかごと、
前記かごに接続されるかごロープと、
前記かごロープに接続される釣合錘と、
前記かごロープが巻き掛けられる綱車と、
前記綱車を回転させる電動機と、を備え、
前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、エレベータであって、
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×50%
前記エレベータは、
前記かごの積載荷重を検出する荷重検出部と、
前記かごの走行を制御するために、前記電動機を制御する制御装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大加速度を第1加速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大加速度を前記第1加速度よりも小さい第2加速度とし、
前記設定荷重は、以下の式を満たし、
(設定荷重)>{(釣合錘の質量)-(かごの質量)}×2
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大速度を第1速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大速度を前記第1速度よりも小さい第2速度とし、
前記第1加速度に対する前記第2加速度の比率は、前記第1速度に対する前記第2速度の比率よりも、小さい、エレベータ。
【請求項2】
上下方向に走行するかごと、
前記かごに接続されるかごロープと、
前記かごロープに接続される釣合錘と、
前記かごロープが巻き掛けられる綱車と、
前記綱車を回転させる電動機と、を備え、
前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、エレベータであって、
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×50%
前記エレベータは、
前記かごの積載荷重を検出する荷重検出部と、
前記かごの走行を制御するために、前記電動機を制御する制御装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大加速度を第1加速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大加速度を前記第1加速度よりも小さい第2加速度とし、
前記設定荷重は、以下の式を満たし、
(設定荷重)>{(釣合錘の質量)-(かごの質量)}×2
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大速度を第1速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大速度を前記第1速度よりも小さい第2速度とし、
前記エレベータは、前記電動機の出力トルクを検出する出力トルク検出部をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが、電動機で発生可能な最大出力トルクである第1設定出力トルク以下となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、エレベータ。
【請求項3】
前記第1加速度に対する前記第2加速度の比率は、前記第1速度に対する前記第2速度の比率よりも、小さい、請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記電動機の出力トルクを検出する出力トルク検出部をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが、電動機で発生可能な最大出力トルクである第1設定出力トルク以下となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが前記第1設定出力トルクよりも小さい第2設定出力トルク以上となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、請求項1又は4に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記綱車を制動するブレーキを備え、
前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、請求項1~5の何れか1項に記載のエレベータ。
(釣合錘の質量)≧(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×35%
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×45%
【手続補正書】
【提出日】2023-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に走行するかごと、
前記かごに接続されるかごロープと、
前記かごロープに接続される釣合錘と、
前記かごロープが巻き掛けられる綱車と、
前記綱車を回転させる電動機と、を備え、
前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、エレベータであって、
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×50%
前記エレベータは、
前記かごの積載荷重を検出する荷重検出部と、
前記かごの走行を制御するために、前記電動機を制御する制御装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大加速度を第1加速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大加速度を前記第1加速度よりも小さい第2加速度とし、
前記設定荷重は、以下の式を満たし、
(設定荷重)>{(釣合錘の質量)-(かごの質量)}×2
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重未満である場合に、前記かごの走行の最大速度を第1速度とし、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記かごの走行の最大速度を前記第1速度よりも小さい第2速度とし、
前記エレベータは、前記電動機の出力トルクを検出する出力トルク検出部をさらに備え、
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが、電動機で発生可能な最大出力トルクである第1設定出力トルク以下となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、エレベータ。
【請求項2】
前記第1加速度に対する前記第2加速度の比率は、前記第1速度に対する前記第2速度の比率よりも、小さい、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記制御装置は、前記荷重検出部が検出した積載荷重が設定荷重以上である場合に、前記出力トルク検出部が検出した出力トルクが前記第1設定出力トルクよりも小さい第2設定出力トルク以上となるように、前記かごの走行の最大加速度を制御する、請求項1又は2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記綱車を制動するブレーキを備え、
前記釣合錘の質量は、以下の式を満たす、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベー
タ。
(釣合錘の質量)≧(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×35%
(釣合錘の質量)<(かごの質量)+(かごの最大積載荷重)×45%