(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007487
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】音響装置および音響システム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20230111BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20230111BHJP
H04R 7/12 20060101ALI20230111BHJP
H04R 7/14 20060101ALI20230111BHJP
G10K 11/16 20060101ALI20230111BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20230111BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230111BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H04R1/02 101Z
H04R17/00
H04R1/02 103B
H04R7/12 Z
H04R7/14 Z
G10K11/16 140
H04R3/00 330
G09G5/00 510Q
G09G5/14 A
【審査請求】有
【請求項の数】45
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102566
(22)【出願日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0086154
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】金 大 護
(72)【発明者】
【氏名】高 有 善
(72)【発明者】
【氏名】柳 輕 烈
(72)【発明者】
【氏名】崔 榮 洛
(72)【発明者】
【氏名】朴 ▲クヮン▼ 鎬
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲ミン▼ 奎
(72)【発明者】
【氏名】李 政 範
(72)【発明者】
【氏名】鄭 仁 燦
(72)【発明者】
【氏名】孫 敏 鎬
(72)【発明者】
【氏名】全 勝 梧
(72)【発明者】
【氏名】金 光 浩
(72)【発明者】
【氏名】朴 承 烈
(72)【発明者】
【氏名】▲オ▼ 俊 錫
(72)【発明者】
【氏名】金 治 完
【テーマコード(参考)】
5C182
5D004
5D016
5D017
5D019
5D061
【Fターム(参考)】
5C182BA75
5C182CC02
5D004DD01
5D016AA07
5D016BA01
5D016EA00
5D016EC01
5D016EC22
5D017AD40
5D019FF01
5D061CC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のスピーカー間の音響干渉による音質特性、音圧特性の低下を改善する音響装置及び音響システムを提供する。
【解決手段】音響装置は、振動部材110、振動部材の背面110bを覆うハウジング150及び振動部材を振動させる1つ以上の振動素子131を有する振動装置130を含む。振動部材は、非平面構造を含むことができる。非平面構造によって領域毎に異なる固有振動周波数を有することにより、周波数領域別に反射波の重畳または干渉が防止されるか又は最小化され、これにより周波数領域別の定在波の減少による音響特性が向上する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部材と、
前記振動部材の背面を覆うように構成されたハウジングと、
前記振動部材を振動させるように構成された1つ以上の振動素子を有する振動装置とを含み、
前記振動部材は、非平面構造を含む、音響装置。
【請求項2】
前記振動部材の背面と反対側の前面は、前記非平面構造を有する、請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
前記非平面構造は、曲面構造または傾斜面構造を含む、請求項2に記載の音響装置。
【請求項4】
前記振動部材は、円形状、楕円形状、および3つ以上の頂点を有する多角形状のうちのいずれか1つの形状を含む、請求項1に記載の音響装置。
【請求項5】
前記振動部材は、1つ以上の凹部および1つ以上の凸部のうちの1つ以上によって、前記非平面構造を有する、請求項1に記載の音響装置。
【請求項6】
前記振動装置は、前記振動部材の背面に連結された第1~第n(nは2以上の自然数)振動素子を含み、
前記第1~第n振動素子間の間隔は、3mm以上5mm以下である、請求項1に記載の音響装置。
【請求項7】
水平方向の第1方向を基準に、前記第1振動素子と前記第n振動素子のそれぞれと前記振動部材の端部との間の間隔は、1つの振動素子の長さより小さく、隣接する振動素子間の間隔よりも大きい、請求項6に記載の音響装置。
【請求項8】
前記振動部材は、前記第1~第n振動素子のそれぞれに連結された第1~第n領域を含み、
前記第1~第n領域のうちの1つ以上の領域から出力される音響は、残りの領域で出力される音響とは異なる音域帯を有する、請求項6に記載の音響装置。
【請求項9】
前記振動装置は、前記振動部材の背面に連結された第1~第n(nは2以上の自然数)振動素子を含み、
前記第1~第n振動素子は、水平方向の第1方向に沿って一定の間隔で配置され、
前記第1方向を基準に、前記第1振動素子と前記第n振動素子のそれぞれと前記振動部材の端部との間の間隔は、1つの振動素子の長さより小さい、請求項1に記載の音響装置。
【請求項10】
収容空間を有するハウジングと、
前記ハウジングの収容空間を覆うように構成され、第1~第n(nは3以上の自然数)領域を有する振動部材と、
前記振動部材の第1~第n領域のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の第1~第n振動素子を有する振動装置とを含み、
前記ハウジングは、前記収容空間を前記第1~第n領域のそれぞれに対応される第1~第n空間に分離する空間分離部を含む、音響装置。
【請求項11】
前記振動部材の第1~第n領域のうちの1つ以上の領域から出力される音響は、残りの領域から出力される音響とは異なる音域帯を有する、請求項10記載の音響装置。
【請求項12】
前記振動部材は、水平方向の第1方向に沿って配置された第1~第3領域を含み、
前記空間分離部は、
前記第1空間および前記第2空間の間に配置された第1隔壁と、
前記第2空間および前記第3空間の間に配置された第2隔壁とを含む、請求項10に記載の音響装置。
【請求項13】
前記ハウジングは、
前記振動部材の背面と前記振動装置を覆う底部と、
水平方向の第1方向に平行な前記底部の第1縁部分に連結された第1側部と、
前記底部の第1縁部分に平行な前記底部の第2縁部分に連結された第2側部と、
前記第1方向に交差する第2方向に平行な前記底部の第3縁部分に連結された第3側部と、
前記底部の第3縁部分に平行な前記底部の第4縁部分に連結された第4側部とを含み、
前記空間分離部は、
前記第1側部および前記第2側部の間に連結され、前記第1空間および前記第2空間を分離する第1隔壁と、
前記第1側部および前記第2側部の間に連結され、前記第2空間および前記第3空間を分離する第2隔壁とを含む、請求項10に記載の音響装置。
【請求項14】
前記振動部材は、前記第1方向に沿って配置された前記第1~第3領域を含み、
前記1つ以上の第1振動素子は、前記振動部材の前記第1領域を振動させるように構成され、
前記1つ以上の第2振動素子は、前記振動部材の前記第2領域を振動させるように構成され、
前記1つ以上の第3振動素子は、前記振動部材の前記第3領域を振動させるように構成された、請求項13に記載の音響装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、
前記1つ以上の第1振動素子および前記第1隔壁の間の前記第1空間に配置された第1音分離部と、
前記1つ以上の第3振動素子および前記第2隔壁の間の前記第3空間に配置された第2音分離部とをさらに含む、請求項14に記載の音響装置。
【請求項16】
前記第1および第2音分離部のそれぞれは、
前記第2方向に沿って前記第1側部と前記第2側部のうちの1つ以上の内側面から突出される1つ以上のリップ(rip)と、
前記1つ以上のリップと前記振動部材の背面との間に配置された1つ以上の音分離部材とを含む、請求項15に記載の音響装置。
【請求項17】
前記第1および第2音分離部のそれぞれは、
前記第2方向に沿って互いに異なる長さを有するように、前記第1側部と前記第2側部のうちの1つ以上の内側面から突出される複数のリップと、
前記複数のリップのそれぞれと前記振動部材の背面との間に配置された複数の音分離部材とを含む、請求項15に記載の音響装置。
【請求項18】
前記複数のリップのそれぞれの長さは、前記空間分離部に行くほど異なる、請求項17に記載の音響装置。
【請求項19】
前記複数のリップのそれぞれの長さは、前記空間分離部に行くほど長い、請求項17に記載の音響装置。
【請求項20】
前記ハウジングは、
前記1つ以上の第1振動素子の周辺に配置された第1音制限部と、
前記1つ以上の第3振動素子の周辺に配置された第2音制限部とをさらに含む、請求項14に記載の音響装置。
【請求項21】
前記第1音制限部は、
前記第1空間を取り囲む前記第1~第3側部および前記第1隔壁のうちの1つ以上の内側面から前記第1空間に突出された1つ以上の第1突出部と、
前記1つ以上の第1突出部と前記振動部材の背面との間に配置された1つ以上の第1音制限部材とを含み、
前記第2音制限部は、
前記第3空間を取り囲む前記第1側部、前記第2側部、前記第4側部、および前記第2隔壁のうちの1つ以上の内側面から前記第3空間に突出された1つ以上の第2突出部、および
前記1つ以上の第2突出部と前記振動部材の背面との間に配置された1つ以上の第2音制限部材とを含む、請求項20に記載の音響装置。
【請求項22】
前記1つ以上の第1突出部は、前記1つ以上の第1振動素子および前記第1隔壁の間にある前記第1側部と前記第2側部のうちの1つ以上の内側面に向かい、
前記1つ以上の第2突出部は、前記1つ以上の第3振動素子および前記第2隔壁の間にある前記第1側部と前記第2側部のうちの1つ以上の内側面に向かう、請求項21に記載の音響装置。
【請求項23】
前記1つ以上の第1突出部は、前記第3側部および前記第1隔壁のうちの1つ以上の内側面から前記1つ以上の第1振動素子の中心部に向かい、
前記1つ以上の第2突出部は、前記第4側部および前記第2隔壁のうちの1つ以上の内側面から前記1つ以上の第3振動素子の中心部に向かう、請求項21に記載の音響装置。
【請求項24】
前記第3側部にある1つ以上の第1突出部および前記第4側部にある1つ以上の第2突出部がある空間は、高音域帯の周波数を出力する、請求項21に記載の音響装置。
【請求項25】
前記第1側部および前記第2側部にある1つ以上の第1突出部と1つ以上の第2突出部がある空間は、低音域帯の周波数を出力する、請求項21に記載の音響装置。
【請求項26】
前記振動部材の第1領域は、前記振動部材の第1縁領域を含み、前記振動部材の第n領域は、前記振動部材の第2縁領域を含み、
前記振動部材の第1~第n領域のそれぞれから出力される音響の音域帯は、前記振動部材の中間領域から前記第1領域と前記第n領域に行くほど高くなる、請求項10に記載の音響装置。
【請求項27】
前記振動部材の第1領域は、前記振動部材の第1縁領域を含み、前記振動部材の第n領域は、前記振動部材の第2縁領域を含み、
前記1つ以上の第1~第n振動素子のそれぞれの大きさは、前記振動部材の中間領域から前記第1領域と前記第n領域に行くほど小さくなる、請求項10に記載の音響装置。
【請求項28】
前記1つ以上の第1振動素子は、前記第1領域を振動させて超音波を発生させ、
前記1つ以上の第n振動素子は、前記第n領域を振動させて、互いに異なる周波数を有する複数の超音波を発生させ、
前記第n領域で出力される複数の超音波のうちのいずれか1つは、前記第1領域から出力される超音波と同じ周波数を有し、前記第n領域から出力される複数の超音波のうちの残りは、前記第1領域から出力される超音波よりも高い周波数を有する、請求項10に記載の音響装置。
【請求項29】
前記第1領域に配置された前記1つ以上の第1振動素子は、超音波を送受信するように構成され、
前記第n領域に配置された前記1つ以上の第n振動素子は、超音波を送受信するように構成された、請求項10に記載の音響装置。
【請求項30】
前記ハウジングを回転可能に支持する回転軸を有するスタンドと、
前記スタンドに配置され前記回転軸を回転させるモータと、
前記ハウジングまたは前記スタンドに配置され、聴取者の位置および動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成する感知部と、
前記感知部から供給される前記感知情報に基づいて前記モータを駆動させるモータ駆動部とをさらに含む、請求項10に記載の音響装置。
【請求項31】
前記感知部は、
超音波を送受信する超音波センサと、
前記超音波センサで受信された超音波に基づいて前記感知情報を生成する感知回路とを含む、請求項30に記載の音響装置。
【請求項32】
前記振動部材と前記ハウジングとの間に平行に配置され、互いに異なる硬度を有する第1連結部材および第2連結部材をさらに含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項33】
前記第1連結部材は、前記第2連結部材によって取り囲まれ、前記第2連結部材よりも低い硬度を有する、請求項32に記載の音響装置。
【請求項34】
前記第1連結部材は、前記第2連結部材によって取り囲まれ、前記第2連結部材よりも高い硬度を有する、請求項32に記載の音響装置。
【請求項35】
前記振動素子は、
複数の圧電部と前記複数の圧電部との間に連結された軟性部を含む圧電振動部と、
前記圧電振動部の第1面にある第1電極部と、
前記圧電振動部の第1面と反対側の第2面にある第2電極部とを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項36】
前記振動素子は、第1方向と前記第1方向に交差する第2方向とのうちの1つ以上の方向に沿って配列された2つ以上の振動発生部を含み、
前記2以上の振動発生部のそれぞれは、
複数の圧電部と前記複数の圧電部の間に連結された軟性部を含む圧電振動部と、
前記圧電振動部の第1面にある第1電極部と、
前記圧電振動部の第1面と反対側の第2面にある第2電極部とを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項37】
前記振動素子は、
前記第1電極部と前記第2電極部のそれぞれに電気的に連結された1つ以上の信号ケーブルと、
前記1つ以上の信号ケーブルに実装された信号生成回路とをさらに含む、請求項36に記載の音響装置。
【請求項38】
前記振動素子は、
前記第1電極部を覆う第1カバー部材と、
前記第2電極部を覆う第2カバー部材とをさらに含み、
前記1つ以上の信号ケーブルは、
前記第1カバー部材および前記第1電極部の間に配置され、前記第1電極部に電気的に連結された第1突出ラインと、
前記第2カバー部材および前記第2電極部の間に配置され、前記第2電極部に電気的に連結された第2突出ラインとを含む、請求項37に記載の音響装置。
【請求項39】
前記1つ以上の信号ケーブルの一部は、前記第1カバー部材および前記第2カバー部材の間に収容された、請求項38に記載の音響装置。
【請求項40】
前記振動部材は、金属、プラスチック、繊維、皮革、木材、布、紙、およびガラスのうちの1つ以上の材質を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項41】
前記振動部材は、映像を表示する画素を有するディスプレイパネル、表示装置から映像が投影されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、ガラス、および鏡のうちのいずれか1つである、請求項1~31のいずれか一項に記載の音響装置。
【請求項42】
映像を表示するディスプレイ装置と、
前記ディスプレイ装置の第1側の周辺に回転可能に配置され、音響出力装置を有する1つ以上の第1スピーカー装置と、
前記ディスプレイ装置の第2側の周辺に回転可能に配置され、音響出力装置を有する1つ以上の第2スピーカー装置とを含み、
前記ディスプレイ装置は、ディスプレイパネル、および前記ディスプレイパネルの第1および第2領域に互いに異なる映像を表示し、画面分割モード信号を前記1つ以上の第1スピーカー装置および前記1つ以上の第2スピーカー装置のそれぞれに提供するディスプレイ駆動回路を含み、
前記1つ以上の第1スピーカー装置は、前記画面分割モード信号に応答して前記音響出力装置を前記ディスプレイパネルの第1領域の周辺にいる第1聴取者に回転させ、
前記1つ以上の第2スピーカー装置は、前記画面分割モード信号に応答して前記音響出力装置を前記ディスプレイパネルの第2領域の周辺にいる第2聴取者に回転させる、音響システム。
【請求項43】
前記1つ以上の第1スピーカー装置および前記1つ以上の第2スピーカー装置のそれぞれは、
前記音響出力装置を回転可能に支持する回転軸を有するスタンドと、
前記スタンドに配置され前記回転軸を回転させるモータと、
前記音響出力装置または前記スタンドに配置され、該当する聴取者の位置および動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成する感知部と、
前記画面分割モード信号に応答して前記感知部から供給される前記感知情報に基づいて前記モータを駆動させるモータ駆動部とを含む、請求項42に記載の音響システム。
【請求項44】
前記感知部は、
超音波を送受信する超音波センサと、
前記超音波センサで受信された超音波に基づいて感知情報を生成する感知回路とを含む、請求項43に記載の音響システム。
【請求項45】
前記音響出力装置は、請求項1~31のいずれか1項に記載の音響装置を含み、
前記回転軸は、前記音響出力装置のハウジングを回転可能に支持し、
前記感知部は、前記ハウジングまたは前記スタンドに配置された、請求項43に記載の音響システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、音響装置および音響システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、1つ以上のスピーカーを介して音響を出力する音響装置またはサウンドバーに対する需要が高まっている。
【0003】
しかしながら、サウンドバーは、複数のスピーカー間の音響干渉により音質特性および/または音圧特性が低下するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それで、明細書の本発明者らは、上記の問題点を認識し、複数のスピーカー間の音響干渉を防止または最小化するための複数の実験を行い、さらに音域帯またはチャンネル音の分離によって、ステレオ音響を出力することができる音響装置を具現するためにいくつかの実験を行った。また、反射波による音響特性の低下を防止または最小化することができる音響装置を具現するためにいくつかの実験を行った。本明細書の発明者らは、複数の実験を通じて複数のスピーカー間の音響干渉を防止または最小化することができる新しい音響装置およびそれを含む音響システムを発明し、音域帯またはチャンネル音の分離によってステレオ音響を出力することができる新しい音響装置およびそれを含む音響システムを発明し、反射波による音響特性の低下を防止または最小化することができる新しい音響装置およびそれを含む音響システムを発明した。
【0005】
本明細書の一実施例による解決課題は、反射波による音響特性の低下を防止または最小化することができる音響装置およびそれを含む音響システムを提供することである。
【0006】
本明細書の一実施例による解決課題は、複数のスピーカー間の音響干渉を防止または最小化することができる音響装置およびそれを含む音響システムを提供することである。
【0007】
本明細書の一実施例による解決課題は、音域またはチャンネル音の分離によって、ステレオ音響を出力することができる新しい音響装置およびそれを含む音響システムを提供することである。
【0008】
本明細書の実施例による解決しようとする課題らは、上で言及した課題らに制限されず、言及されていないまた他の課題らは、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書のいくつかの実施例によると、音響装置は、振動部材、振動部材の背面を覆うように構成されたハウジング、および振動部材を振動させるように構成された1つ以上の振動素子を有する振動装置を含み、振動部材が非平面構造を含むことができる。
【0010】
本明細書のいくつかの実施例によると、音響装置は、収容空間を有するハウジング、ハウジングの収容空間を覆うように構成され、第1~第n(nは3以上の自然数)領域を有する振動部材、および振動部材の第1~第n領域のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の第1~第n振動素子を有する振動装置を含み、ハウジングは、収容空間を第1~第n領域のそれぞれに対応される第1~第n空間に分離する空間分離部を含むことができる。
【0011】
本明細書のいくつかの実施例によると、音響システムは、映像を表示するディスプレイ装置、ディスプレイ装置の第1側の周辺に回転可能に配置され、音響出力装置を有する1つ以上の第1スピーカー装置、およびディスプレイ装置の第2側の周辺に回転可能に配置され、音響出力装置を有する1つ以上の第2スピーカー装置を含み、ディスプレイ装置は、ディスプレイパネル、およびディスプレイパネルの第1および第2領域に互いに異なる映像を表示し、画面分割モード信号を1つ以上の第1スピーカー装置と1つ以上の第2スピーカー装置のそれぞれに提供するディスプレイ駆動回路を含み、1つ以上の第1スピーカー装置は、画面分割モード信号に応答して、音響出力装置をディスプレイパネルの第1領域の周辺にいる第1聴取者に回転させ、1つ以上の第2スピーカー装置は、画面分割モード信号に応答して音響出力装置をディスプレイパネルの第2領域の周辺にいる第2聴取者に回転させることができる。
【0012】
上で言及した課題の解決手段以外の本明細書の様々な例に係る具体的な事項は、以下の記載内容および図面らに含まれている。
【発明の効果】
【0013】
本明細書のいくつかの実施例によると、反射波による音響特性の低下を防止または最小化することができる音響装置およびそれを含む音響システムを提供することができる。
【0014】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のスピーカー間の音響干渉を防止または最小化することができる音響装置およびそれを含む音響システムを提供することができる。
【0015】
本明細書のいくつかの実施例によると、音域またはチャンネル音の分離によって、ステレオ音響を出力することができる新しい音響装置およびそれを含む音響システムを提供することができる。
【0016】
上で言及した解決しようとする課題、課題解決手段、効果の内容は、請求範囲の必須的な特徴を特定するものではなく、請求範囲の権利範囲は、発明の内容に記載された事項によって制限されない
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本明細書の一実施例による音響装置を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示した振動素子の配置構造を示す平面図である。
【
図7A】本明細書の他の実施例による音響装置を示す平面図である。
【
図7B】本明細書の他の実施例による音響装置を示す他の平面図である。
【
図7C】本明細書の他の実施例による音響装置を示す他の平面図である。
【
図8】
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
【
図9】
図8に示す振動部材および複数の振動素子を示す。
【
図11】本明細書の他の実施例による音響装置を示す平面図である。
【
図14】本明細書の他の実施例による音響装置を示す平面図である。
【
図16】本明細書の他の実施例による音響装置から出力される指向性音響を示す概念図である。
【
図17】本明細書の一実施例に係る振動素子を示す図である。
【
図20A】本明細書の他の実施例に係る圧電振動部を示す斜視図である。
【
図20B】本明細書の他の実施例に係る圧電振動部を示す斜視図である。
【
図20C】本明細書の他の実施例に係る圧電振動部を示す斜視図である。
【
図20D】本明細書の他の実施例に係る圧電振動部を示す斜視図である。
【
図21】本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
【
図23】本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
【
図26】本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
【
図27】本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
【
図29】
図27に示した線H-H’の断面に対する側面図である。
【
図30】本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
【
図32】本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
【
図33】本明細書の他の実施例による音響装置を示す平面図である。
【
図34】
図33に示したメインケーブルと第1~第n信号ケーブルを示す図である。
【
図35】
図33に示した音響データ生成回路部の出力信号を示す波形図である。
【
図36】本明細書の他の実施例による音響装置を示す図である。
【
図37】本明細書の一実施例による音響システムを示す図である。
【
図38】
図37に示したディスプレイ装置のパネル駆動回路とスピーカー装置を示す図である。
【
図39】本明細書の実施例に係る音響システムの指向性音響を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている一実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形状で実現されるものであり、単に本実施例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は、請求項の範疇によってのみ定義される。
【0019】
本明細書の実施例を説明するため、図に示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本明細書が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照の符号は同一の構成要素を指す。また、本明細書を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略することができる。本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合、「だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0020】
構成要素を解釈するに当たり、誤差範囲についての別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0021】
位置関係についての説明である場合、例えば、「上に」、「上部に」、「下部に」、「横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0022】
時間の関係についての説明である場合、「後に」、「に続いて」、「次に」、「前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0023】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0024】
本明細書の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されるか、または接続されることができるが、特に明示的な記載事項がない場合、間接的に連結、または連結することができる各構成要素の間に、他の構成要素が「介在」されることもできると理解されなければならない。
【0025】
「少なくとも1つ」の用語は、連関した構成要素の1つ以上のすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1、第2、および第3構成要素のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1、第2、または第3構成要素だけではなく、第1、第2、および第3構成要素のうちの2つ以上のすべての組み合わせを含むとすることができる。
【0026】
本明細書のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施することもでき、連関の関係で一緒に実施することもできる。
【0027】
以下、添付の図および実施例を介して本明細書の実施例を詳しく見ると、次の通りである。図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有し得るので、図に示したスケールに限定されない。
【0028】
図1は、本明細書の一実施例による音響装置を示す斜視図である。
図2は、
図1に示した線A-A’の断面図である。
図3は、
図2に示した振動素子の配置構造を示す平面図である。
【0029】
図1~
図3を参照すると、本明細書の一実施例による音響装置10は、振動部材110および振動装置130を含むことができる。
【0030】
振動部材110は、振動装置130の振動によって音響を出力することができる。例えば、振動部材110は、振動対象物、振動板、振動パネル、音響板、音響出力部材、または音響出力パネルなどの用語で表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、振動部材100は、映像を表示するように構成された画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投影されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、ガラス、または鏡のうちの1つ以上であり得る。
【0031】
振動部材110は、透明、半透明、および不透明に構成され得る。本明細書の一実施例による振動部材110は、振動によって音響を出力するのに適した材料特性を有する金属材質を含むか、または非金属材質(または複合非金属材質)を含むことができる。本明細書の一実施例による振動部材110の金属材質は、ステンレススチール(stainless steel)、アルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)合金、マグネシウム(Mg)、マグネシウム(Mg)合金、およびマグネシウムリチウム(Mg-Li)合金のうちのいずれか1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。振動部材110の非金属材質(または複合非金属材質)は、ガラス、プラスチック、繊維、皮革、木材、布、および紙のうちの1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0032】
本明細書の一実施例による振動部材110は、広告用看板、ポスター、案内板などのアナログサイネージ(analog signage)などのようなサイネージパネルを実現することができる。例えば、振動部材110がサイネージパネルを実現するとき、アナログサイネージは、文章、絵、記号などのサイネージコンテンツを含むことができる。サイネージコンテンツは、視認可能に振動部材110に配置され得る。例えば、サイネージコンテンツは、振動部材110の第1面(または前面)110a、および第1面110aと異なる(または反対の)第2面(または背面)110bのうちの1つ以上に直接付着され得る。例えば、サイネージコンテンツは、紙などの媒体に印刷され得、サイネージコンテンツが印刷された媒体は、振動部材110の第1面110aと第2面110bのうちの1つ以上に直接に付着され得る。例えば、サイネージコンテンツが振動部材110の第2面110bに付着されるとき、振動部材110は、透明な材料で構成され得る。
【0033】
本明細書の一実施例による振動部材110は、四角形状を有する板状構造を含むことができる。振動部材110は、第1方向(X)と平行な横方向の長さ、および第1方向(X)と交差する第2方向(Y)と平行な縦方向の長さを含むことができる。例えば、振動部材110は、横の長さが縦の長さよりも相対的に長い長方形の形状を含むことができる。しかし、本明細書の一実施例はこれに限定されず、振動部材110は、横の長さと縦の長さが等しい正方形の形状を含むこともできる。
【0034】
本明細書の一実施例による振動部材110は、複数の固有振動数(または固有周波数)を有するように構成され得る。振動部材110は、非平面構造を含むことで、複数の固有振動数を有することができる。振動部材110は、領域ごとに互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。例えば、振動部材110は、領域ごとの厚さによって異なる複数の固有振動数を有することができる。
【0035】
本明細書の一実施例による振動部材110は、第1面110aおよび第2面110bを含み、第1面110aおよび第2面110bのうちの1つ以上は、非平面構造を含むことができる。
【0036】
本明細書の一実施例によると、振動部材110において、第1面110aは非平面構造を含むことができ、第2面110bは平面構造を含むことができる。例えば、振動部材110の第1面110aは、傾斜面を含むことができる。例えば、振動部材110の第1面110aは、第2面110bに対して傾斜し得る。本明細書の他の実施例によると、振動部材110において、第1面110aは、平面構造を含むことができ、第2面110bは、非平面構造を含むことができる。例えば、振動部材110の第2面110bは、傾斜面を含むことができる。例えば、振動部材110の第2面110bは、第1面110aに対して傾斜した傾斜面を含むことができる。
【0037】
本明細書の一実施例によると、振動部材110において、第1縁部分(E1)の厚さ(T1)は、第1縁部分(E1)と平行、または反対の第2縁部分(E2)の厚さ(T2)と異なり得る。例えば、第1縁部分(E1)の厚さ(T1)は、第2縁部分(E2)の厚さ(T2)よりも大きいことがあり得る。例えば、振動部材110の厚さ(T1)は、第1縁部分(E1)から第2縁部分(E2)に行くほど段々に減少することができる。例えば、振動部材110において、第1縁部分(E1)は、第1先端、一側、一端、または第1短辺であり得、第2縁部分(E2)は、第2先端、他側、他端、または第2短辺であり得る。
【0038】
振動装置130は、印加される電気信号(またはボイス信号)によって自ら振動(または変位)するように構成されるか、または振動部材(または振動板、または振動対象物)110を振動(または変位)させるように構成され得る。例えば、振動装置130は、振動構造物、振動器、振動発生装置、振動発生素子、振動発生器、音響器、音響素子、音響発生素子、または音響発生器などの用語で表現され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0039】
本明細書の一実施例による振動装置130は、圧電特性を有する圧電物質(または電気活性材料)を含むことができる。振動装置130は、圧電物質に印加される電気信号(またはボイス信号)による圧電物質の振動(または変位)によって、振動部材110を振動(または変位)させることができる。例えば、振動装置130は、圧電効果(piezoelectric effect)(または圧電特性)によって、収縮と膨張を交互に繰り返すことによって振動(または変位)することができる。例えば、振動装置130は、逆圧電効果により収縮と膨張を交互に繰り返すことのよって、垂直方向(または厚み方向)(Z)に振動(または変位)することができる。
【0040】
本明細書の一実施例による振動装置130は、圧電方式を有する1つ以上の振動素子131を含むことができる。
【0041】
本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、柔軟性を有するように構成され得る。例えば、1つ以上の振動素子131は、曲面を含む非平面の形状に曲がるように構成され得る。例えば、本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルエキサイター、またはフレキシブルトランスデューサなどの用語で表現され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0042】
本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、第1方向(X)と平行な第1長さ、および第1方向(X)と交差する第2方向(Y)と平行な第2長さを有する四角形状を含むことができる。例えば、1つ以上の振動素子131は、第1長さと第2長さが等しい正方形の形状を含むことができる。しかし、本明細書の実施例はこれに限定されず、1つ以上の振動素子131は、第1長さおよび第2長さのうちのいずれか1つが、より大きい長方形の形状、非四角の形状、円形状、または楕円形状を含むことができる。
【0043】
本明細書の一実施例による振動装置130は、接着部材120を介して振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。
【0044】
接着部材120は、振動部材110と振動装置130との間に配置され得る。例えば、接着部材120は、振動部材110と1つ以上の振動素子131との間に配置され得る。例えば、接着部材120は、1つ以上の振動素子131を振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合する。
【0045】
本明細書の一実施例による接着部材120は、密着力または接着力に優れた接着層(または粘着層)を含むことができる。例えば、接着部材120は、両面接着テープ、両面接着フォームパッド、または粘着シートを含むことができる。例えば、接着部材120が粘着シート(または粘着層)を含むとき、接着部材120は、プラスチック材料などのベース部材なしで接着層または粘着層のみを含むことができる。
【0046】
本明細書の一実施例による接着部材120の接着層(または粘着層)は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acrylic)、シリコーン(silicone)、またはウレタン(urethane)を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0047】
本明細書の他の実施例による接着部材120の接着層接着層(または粘着層)は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optically clear adhesive)、またはOCR(optically clear Resin)を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0048】
本明細書の一実施例による音響装置10は、ハウジング150および連結部材140をさらに含むことができる。
【0049】
ハウジング150は、振動部材110の第2面110bと1つ以上の振動素子131を覆うように振動部材110の背面に配置され得る。ハウジング150は、振動装置130を収容するための収容空間150sを有し、一側が開口された箱形状を含むことができる。
【0050】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、金属材質または非金属材質(または複合非金属材質)のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、ハウジング150は、金属材質、プラスチック、および木材のうちのの1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、ハウジング150は、ケース、外側ケース、ケース部材、ハウジング部材、キャビネット、エンクロージャ、密閉部材、密閉キャップ、密閉ボックス、またはサウンドボックスなどの用語で表現することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、ハウジング150の収容空間150sは、ギャップ空間、エアギャップ、振動空間、音響空間、響箱、または密閉空間などの用語で表され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0051】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、振動部材110の振動時に振動部材110に作用する空気によるインピーダンス成分を一定に維持させることができる。例えば、振動部材110の周囲の空気(air)は、振動部材110の振動に対して抵抗することになり、周波数によって異なる抵抗とリアクタンス成分を有するインピーダンス成分として作用するようになる。これにより、ハウジング150は、振動装置130を取り囲む密閉空間を構成することによって、空気(air)によって振動部材110に作用するインピーダンス成分(またはエアインピーダンスまたは弾性インピーダンス)を一定に維持させ、これにより振動部材110の振動によって発生される低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させ、高音域帯の音響の音質を向上させることができる。
【0052】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、底部151および側部152を含むことができる。
【0053】
底部151は、振動部材110の第2面110bと振動装置130を覆うように振動部材110の背面に配置され得る。例えば、底部151は、振動部材110の第2面110bと振動装置130から離隔されるように配置され得る。例えば、底部151は、ハウジングプレートまたはハウジング底部などの用語で表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0054】
側部152は、底部151の縁部分に連結され得る。例えば、側部152は、底部151の縁部分から振動部材110の厚さ方向と平行な第3方向(Z)に沿って曲げられ得る。例えば、側部152は、第3方向(Z)と平行、または第3方向(Z)から傾斜し得る。例えば、側部152は、第1~第4側部を含むことができる。例えば、側部152は、ハウジング側面またはハウジング側壁などの用語で表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0055】
側部152は、底部151に一体化され得る。例えば、底部151と側部152は、一つの胴体に一体化され得、これにより、底部151上には、側部152によって取り囲まれた収容空間150sを設けることができる。したがって、底部151と側部152は、一側が開口された箱形状を有することができる。
【0056】
側部152は、連結部材140を介して、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。例えば、側部152は、連結部材140を介して、振動部材110の第2面110bの縁部分と連結されるか、または結合され得る。
【0057】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、パターン部150pをさらに含むことができる。
【0058】
パターン部150pは、底部151の底面に構成されることにより、ハウジング150の剛性を増加させることができる。例えば、パターン部150pは、底部151の底面に構成された凸凹構造を含むことができる。例えば、パターン部150pは、凸凹パターン部、底部パターン部、または補強パターン部などの用語で表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0059】
本明細書の一実施例によるパターン部150pは、複数のグルーブラインを含むことができる。複数のグルーブラインのそれぞれは、第1方向(X)、第2方向(Y)、および第1方向(X)と第2方向(Y)との間の対角線方向のうちの1つ以上の方向に沿って、予め設定された間隔を有するよう底部151の上面(または表面)から凹状に形成され得る。例えば、パターン部150pは、第1方向(X)と平行な複数のグルーブラインのそれぞれと、第2方向(Y)と平行な複数のグルーブラインのそれぞれの交差による格子パターンを含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0060】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、連結フレーム部153をさらに含むことができる。
【0061】
連結フレーム部153は、側部152に連結され得る。例えば、連結フレーム部153は、底部151と平行に配置され、側部152に連結され得る。連結フレーム部153は、側部152の先端から第1方向(X)と平行に曲げられ、第1方向(X)に沿って一定の長さを有するように延長され得る。連結フレーム部153は、側部152によって底部151上に設けられた収容空間150sに対応される開口部を含むことができる。側部152は、底部151と連結フレーム部153との間に垂直または傾斜して連結され得る。底部151、側部152、および連結フレーム部153は、一つの胴体に一体化され得、これにより、底部151、側部152、および連結フレーム部153は、一側が開口された箱形状を有することができる。例えば、連結フレーム部153は、ハウジング連結部、ハウジング軒部(housing eaves portion)、ハウジングスカート部(housing skirt portion)などの用語で表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0062】
本明細書の一実施例によると、ハウジング150が連結フレーム部153を含むとき、連結部材140は、ハウジング150の連結フレーム部153と振動部材110の第2面110bとの間に配置され得る。例えば、連結部材140は、振動部材110の第2面110bの縁部分と連結フレーム部153を連結させるか、または結合させることができる。
【0063】
本明細書の一実施例によると、ハウジング150と振動部材110との間に配置された連結部材140は、振動部材110の振動がハウジング150に伝達されることを最小限に抑えるか、または防止するように構成され得る。連結部材140は、振動の遮断に適合した材料特性を含むことができる。例えば、連結部材140は、弾性を有する材質を含むことができる。例えば、連結部材140は、振動吸収(または衝撃吸収)のために弾性を有する材質を含むことができる。本明細書の一実施例による連結部材140は、ポリウレタン(polyurethane)材質、またはポリオレフィン(polyolefin)材質で構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。本明細書の一実施例による連結部材140は、接着剤、両面テープ、両面フォームテープ、および両面クッションテープのうちの1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0064】
本明細書の一実施例による連結部材140は、振動部材110の振動が、ハウジング150に伝達されるのを最小化するか、または防止することができる厚さを有することができる。例えば、連結部材140は、振動部材110より厚い厚さを有することができる。連結部材140は、厚さと弾性によって振動部材110の振動を吸収することによって、振動部材110の振動が、ハウジング150に伝達されるのを最小限に抑えるか、または防止することができる。また、連結部材140は、振動部材110とハウジング150との間の物理的接触(または摩擦)を防止し、それによって振動部材110とハウジング150との間の物理的接触(または摩擦)による騒音(またはノイズ)の発生を防止することができる。例えば、連結部材140は、緩衝部材、弾性部材、減衰部材、振動吸収部材、または振動遮断部材などの用語で表現され得る、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0065】
本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号またはボイス信号)によって振動して、振動部材110を振動させて音響を発生させるか、または出力することができる。振動部材110の振動によって発生される音響は、振動部材110の様々な固有振動数を有する振動によって音圧特性が増加され、再生音域の帯域が拡張され得る。例えば、非平面構造を有する振動部材110の振動時に、相対的に厚い領域では高音域帯の音響が発生されるか、または出力され得、相対的に薄い領域では低音域帯の音響が発生されるか、または出力され得る。
【0066】
本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、振動部材110の中心部(CP)を除く非中心部に連結されるか、または結合され得る。例えば、1つ以上の振動素子131の中心部(CP)は、振動部材110の中心部(CP)と縁部分(E1、E2)との間に位置することができる。
【0067】
本明細書の一実施例によると、1つ以上の振動素子131の振動による振動部材110の振動によって発生される音波(または音振動)は、振動装置130から放射状に広がりながら進行することができる。この音波を進行波(progressive wave)と呼ぶことができる。この進行波は、連結部材140で反射されて進行波と反対方向に進行する反射波(reflected wave)を形成するようになる。この反射波は、進行波と重畳および干渉され得、重畳された音波が進行できずに一定の位置に停滞されている定在波(standing wave)を形成するようになる。この定在波によって音圧が減少されて音響特性が低下され得る。この定在波を低減するために、本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、振動部材110の中心部(CP)を除く非中心部に連結されるか、または結合され得る。したがって、振動素子131が、振動部材110の中心部(CP)を除く非中心部に連結され、振動部材110が非平面構造によって領域ごとに異なる固有振動周波数を有することにより、周波数領域別に反射波の重畳または干渉が防止されるか、または最小化され得、これにより周波数領域別の定在波の減少による音響特性が向上され得る。
【0068】
本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、振動部材110の中心部(CP)と第1縁部分(E1)との間に配置され得る。例えば、1つ以上の振動素子131は、振動部材110の非中心部で相対的に厚い領域に連結され得、これにより振動部材110の振動によって発生される音響は、高音域帯で高い音圧特性を有することができる。例えば、振動部材110の中心部(CP)と第1縁部分(E1)との間に配置された1つ以上の振動素子131を含む音響装置10は、振動部材110の分割振動による影響が緩和され、高音域帯の音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0069】
本明細書の他の実施例による1つ以上の振動素子131は、振動部材110の中心部(CP)と第2縁部分(E2)との間にも配置されることもありうる。例えば、1つ以上の振動素子131は、振動部材110の非中心部で相対的に薄い領域に連結され得、それによって振動部材110の振動によって発生される音響は、低音域帯で高い音圧特性を有することができる。例えば、振動部材110の中心部(CP)と第2縁部分(E2)との間に配置された1つ以上の振動素子131を含む音響装置10は、振動部材110の分割振動の影響が緩和され、低音域帯の音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0070】
本明細書の他の実施例による連結部材140は、振動部材110の振動がハウジング150に伝達されるのを最小化するか、または防止し、振動部材110の振動によって発生されて入射される音波の反射を減少させるように構成され得る。
【0071】
本明細書の他の実施例による連結部材140は、第1連結部材140aおよび第2連結部材140bを含むことができる。
【0072】
第1連結部材140aは、第2連結部材140bによって取り囲まれるように振動部材110とハウジング150との間に配置され得る。例えば、第1連結部材140aは、第2連結部材140bの内側(または中側)に配置され得る。第1連結部材140aは、第2連結部材140bよりも低い硬度を有するように構成され得る。例えば、第1連結部材140aは、両面ポリウレタンテープ(double-sided polyurethane tape)、両面ポリウレタンフォームテープ、または両面スポンジテープ(double-sided sponge tape)などを含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0073】
第2連結部材140bは、第1連結部材140aを取り囲むように振動部材110とハウジング150の間に配置され得る。例えば、第2連結部材140bは、第1連結部材140aの外側(または表側)に配置され得る。第2連結部材140bは、第1連結部材140aよりも高い硬度を有するように構成され得る。例えば、第2連結部材140bは、両面ポリオレフィンテープ(double-sided polyolefin tape)、両面ポリオレフィンフォームテープ、両面アクリルテープ(double-sided acrylic tape)、または両面アクリルフォームテープなどを含むことができ、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0074】
本明細書の他の実施例による連結部材140は、相対的に硬い第2連結部材140bの内側に配置された相対的に柔らかい第1連結部材140aによって、振動部材110の振動によって発生して入射する音波を吸収することができ、これにより連結部材140によって発生される反射音(または反射波)が最小化され得る。これにより、振動装置130の振動によって発生される音響の再生周波数帯域で発生される最高音圧と最低音圧のそれぞれを低減することができ、これにより音圧の平坦度が減少され得る。
【0075】
本明細書の他の実施例による連結部材140において、相対的に硬い第2連結部材140bは、相対的に柔らかい第1連結部材140aの内側に配置され得る。これにより、音響の特定の音域帯で音圧が減少することができる。例えば、相対的に硬い第2連結部材140bによって発生される反射音(または反射波)により、2k~5kHzおよび7k~12kHzの音域帯で音圧が低減することができる。したがって、振動部材110の形状と大きさによって、2k~5kHzおよび7k~12kHzの音域帯での音圧の低減が必要な場合、相対的に硬い第2連結部材140bは、相対的に柔らかい第1連結部材140aの内側に配置され得、第2連結部材140bによって発生される2k~5kHzおよび7k~12kHzの音域帯での音圧の減少によって音圧の平坦度が改善され得る。
【0076】
付加的に、本明細書の一実施例による音響装置10は、ハウジング150と振動装置130との間に配置された吸音部材155をさらに含むことができる。
【0077】
吸音部材155は、振動装置130の背面を覆うようにハウジング150の収容空間150sに配置され得る。
【0078】
本明細書の一実施例による吸音部材155は、ハウジング150の底部151に配置されるか、または付着され得る。例えば、吸音部材155は、ハウジング150の底部151の底面に配置されるか、または付着され得る。例えば、吸音部材155は、ハウジング150の底部151に構成されたパターン部150pを覆うように配置され得る。例えば、吸音部材155は、不織布またはフォームパッドを含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0079】
本明細書の一実施例による吸音部材155は、振動部材110とハウジング150との間の空間またはハウジング150の収容空間150sで発生される低音域帯の周波数共振を減衰させることで、低音域帯の周波数間の干渉によるブーミング(booming)現象を最小限に抑えて音質を向上させることができる。また、吸音部材155は、振動部材110の振動時、振動装置130とハウジング150の底部151との直接的な接触を防止することにより、振動装置130の損傷または破損を防止することができる。
【0080】
図4は、
図1に示したA-A’の他の断面図である。
図4は、本発明の他の実施例による音響装置を示す図である。
図4は、
図2に示した振動部材の構造を変更したものである。したがって、以下の説明では、振動部材およびそれに関連される構成を除く残りの構成についての重複する説明は省略することができる。
【0081】
図1および
図4を参照すると、本発明の他の実施例による振動部材110は、第1面110aおよび第2面110bを含み、第1面110aおよび第2面110bのうちの1つ以上は、非平面構造を含むことができる。例えば、振動部材110の第1面110aは、非平面構造を含むことができ、振動部材110の第2面110bは、平面構造を含むことができる。
【0082】
本明細書の他の実施例による振動部材110の第1面110aは、1つ以上の凸部110a1を含む曲面構造を含むことができる。
【0083】
振動部材110の第1面110aは、凸部110a1、凸部110a1と第1縁部分(E1)との間の第1曲面部110c1、および凸部110a1と第2縁部分(E2)との間の第2曲面部110c2を含むことができる。
【0084】
凸部110a1は、振動部材110の中心部(CP)と第1縁部分(E1)の間に構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されず、振動部材110の中心部(CP)と第2縁部分(E2)との間に構成され得る。
【0085】
第1曲面部110c1と第2曲面部110c2は、互いに異なる曲率(または曲率半径)を含むように構成され得る。例えば、第1曲面部110c1および第2曲面部110c2のそれぞれは、1つ以上の曲率(または曲率半径)を含むように構成され得る。
【0086】
振動部材110は、凸部110a1において最も厚い厚さ(T3)を有し、第1縁部分(E1)または第2縁部分(E2)において、最も薄い厚さ(T4)を有することができる。例えば、振動部材110は、第2縁部分(E2)において、最も薄い厚さ(T4)を有することができる。
【0087】
本明細書の他の実施例による振動部材110は、第1面110aに構成された凸部110a1を含む曲面構造により、複数の固有振動数を有することができる。振動部材110は、領域ごとに互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。例えば、振動部材110は、領域他の厚さによって、互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。
【0088】
本明細書の他の実施例による振動装置130は、振動部材110の凸部110a1を振動させるための1つ以上の振動素子131を含むことができる。
【0089】
1つ以上の振動素子131は、振動部材110の凸部110a1と対応される振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。
【0090】
1つ以上の振動素子131は、凸部110a1に対応される領域で振動部材110を振動させることにより、振動部材110の振動による音響を発生させるか、または出力することができる。振動部材110の振動によって発生される音響は、振動部材110の様々な固有振動数を有する振動によって音圧特性が増加され、再生音域の帯域が拡張され得る。例えば、非平面構造を有する振動部材110の振動時に、相対的に厚い領域では高音域帯の音響が発生されるか、または出力され、相対的に薄い領域では低音域帯の音響が発生されるか、または出力され得る。
【0091】
本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、振動部材110の凸部110a1に対応されるように、振動部材110の中心部(CP)を除く非中心部に連結されるか、または結合され得る。例えば、1つ以上の振動素子131の中心部は、振動部材110の凸部110a1の頂点部に位置するか、または整列され得る。これにより、1つ以上の振動素子131の振動時、振動部材110で発生される周波数領域別の反射波の重畳および干渉が防止されるか、または最小化され得、これにより周波数領域別の定在波の減少による音響特性が向上され得る。
【0092】
本明細書の一実施例による1つ以上の振動素子131は、振動部材110の中心部(CP)と第1縁部分(E1)との間に配置され得る。例えば、1つ以上の振動素子131は、振動部材110の非中心部で相対的に厚い領域に連結され得、これにより振動部材110の振動によって発生される音響は、高音域帯で高い音圧特性を有することができる。例えば、振動部材110の中心部(CP)と第1縁部分(E1)との間に配置された1つ以上の振動素子131を含む音響装置10は、高音域帯の音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0093】
本明細書の他の実施例による1つ以上の振動素子131は、振動部材110の中心部(CP)と第2縁部分(E2)との間に配置され得る。例えば、1つ以上の振動素子131は、振動部材110の非中心部で相対的に薄い領域に連結され得、それによって振動部材110の振動によって発生される音響は、低音域帯で高い音圧特性を有することができる。例えば、振動部材110の中心部(CP)と第2縁部分(E2)との間に配置された1つ以上の振動素子131を含む音響装置10は、低音域帯の音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0094】
図5は、
図1に示したA-A’の他の断面図である。本発明の他の実施例による音響装置を示す図である。
図5は、
図2に示した振動部材の構造を変更したものである。したがって、以下の説明では、振動部材およびそれに関連される構成を除く残りの構成についての重複する説明は省略することができる。
【0095】
図1および
図5を参照すると、本発明の他の実施例による音響装置10は、振動部材110および振動装置130を含むことができる。
【0096】
振動部材110は、第1面110aおよび第2面110bを含み、第1面110aおよび第2面110bのうちの1つ以上は、非平面構造を含むことができる。例えば、振動部材110の第1面110aは、非平面構造を含むことができ、振動部材110の第2面110bは、平面構造を含むことができる。
【0097】
本明細書の他の実施例による振動部材110の第1面110aは、複数の凸部110a1、110a2と複数の凸部110a1、110a2との間の凹部110cを含む曲面構造を含むことができる。
【0098】
本明細書の他の実施例による振動部材110の第1面110aは、第1凸部110a1、第2凸部110a2、および第1凸部110a1と第2凸部110a2の間の凹部110cを含むことができる。
【0099】
第1凸部110a1は、振動部材110の中心部(CP)と第1縁部分(E1)との間に構成され得る。例えば、第1凸部110a1は、第1縁部分(E1)に偏って構成され得る。
【0100】
第2凸部110a2は、振動部材110の中心部(CP)と第2縁部分(E2)との間に構成され得る。例えば、第2凸部110a2は、第2縁部分(E2)に偏って構成され得る。
【0101】
第1凸部110a1と第2凸部110a2は、第1方向(X)と平行な振動部材100の中間ライン(ML)(または第2方向(Y)に沿って振動部材110の中心部を通る基準ライン)を基準に、非対称構造(または左右非対称構造)を有することができる。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されず、第1凸部110a1と第2凸部110a2は、振動部材100の中間ライン(ML)を基準に、対称構造(または左右対称構造)を有することができる。
【0102】
凹部110cは、第1凸部110a1と第2凸部110a2との間に構成され得る。凹部110cは、振動部材110の中心部(CP)を含む第1凸部110a1と第2凸部110a2との間に構成され得る。凹部110cは、振動部材110の中間ライン(ML)を基準にして、非対称構造または対称構造を有することもできる。
【0103】
振動部材110は、第1凸部110a1と第2凸部110a2のうちの少なくとも1つで最も厚い厚さ(T5)を有し、凹部110cで最も薄い厚さ(T4)を有することができる。例えば、振動部材110は、第1凸部110a1において、最も厚い厚さ(T5)を有することができる。
【0104】
本明細書の他の実施例に係る振動部材110は、第1面110aに構成された第1凸部110a1と、第2凸部110a2および凹部110cに含まれる曲面構造によって、複数の固有振動数を有することができる。振動部材110は、領域ごとに互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。例えば、振動部材110は、領域他の厚さによって、互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。
【0105】
本明細書の他の実施例による振動装置130は、振動部材110の複数の凸部110a1、110a2のそれぞれを振動させるための複数の振動素子131を含むことができる。
【0106】
複数の振動素子131のそれぞれは、振動部材110に構成された複数の凸部110a1、110a2のそれぞれと対応される振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。例えば、複数の振動素子131のそれぞれは、第1凸部110a1と第2凸部110a2のそれぞれに対応される振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。
【0107】
複数の振動素子131のそれぞれは、該当する凸部110a1、110a2に対応される領域で振動部材110を振動させることにより、振動部材110の振動による音響を発生させるか、または出力することができる。振動部材110の振動によって発生される音響は、振動部材110の様々な固有振動数を有する振動によって音圧特性が増加され、再生音域の帯域が拡張され得る。例えば、非平面構造を有する振動部材110の振動時に、相対的に厚い領域では高音域帯の音響が発生されるか、または出力され得、相対的に薄い領域では低音域帯の音響が発生されるか、または出力され得る。
【0108】
したがって、本明細書の他の実施例による音響装置10は、振動部材110の複数の凸部110a1、110a2のそれぞれに対応されるように配置された複数の振動素子131を含むことにより、振動部材110の分割振動による影響を緩和され、高音域帯の音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0109】
図6は、
図1に示したA-A’の他の断面図である。本発明の他の実施例による音響装置を示す図である。
図6は、
図2に示した振動部材の構造を変更したものである。したがって、以下の説明では、振動部材およびそれに関連される構成を除く残りの構成についての重複する説明は省略することができる。
【0110】
図1および
図6を参照すると、本発明の他の実施例による音響装置10は、振動部材110および振動装置130を含むことができる。
【0111】
振動部材110は、非平面構造を含むことができる。例えば、振動部材110は、曲面構造または屈曲部を含むことができる。例えば、振動部材110は、1つ以上の凸状曲面部110a3と、1つ以上の凹状曲面部110a4とを有する屈曲部を含むことができる。例えば、振動部材110は、全体として同じ厚さ(T7)を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0112】
凸状曲面部110a3は、振動部材110の領域のうちの凸状曲面形状に曲がった領域であり得る。凹状曲面部110a4は、振動部材110の領域のうちの凹状曲面形状に曲がった領域であり得る。
【0113】
凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4は、互いに同じ曲率(または曲率半径)を含むことができるが、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、凸状曲面部110a3の曲率は、凹状曲面部110a4よりも大きくても小さくてもよい。
【0114】
凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4の境界部(または変曲部)は、第1方向(X)と平行な振動部材110の中間ライン(ML)に位置するか、または整列され得るが、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0115】
本明細書の他の実施例による振動部材110は、凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4を含む曲面構造により、複数の固有振動数を有することができる。振動部材110は、領域ごとに互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。例えば、振動部材110は、凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4のそれぞれの曲率によって、互いに異なる複数の固有振動数を有することができる。
【0116】
本明細書の他の実施例に係る振動装置130は、振動部材110の凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4のそれぞれを振動させるための複数の振動素子131を含むことができる。
【0117】
複数の振動素子131のそれぞれは、振動部材110の凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4のそれぞれと対応される振動部材110に連結されるか、または結合され得る。例えば、複数の振動素子131のそれぞれは、凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4のそれぞれと対応される振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。
【0118】
複数の振動素子131のそれぞれは、該当する凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4のそれぞれの曲率によって曲げられ、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。例えば、複数の振動素子131のそれぞれは、振動部材110の第2面110bの形状に沿った形状に曲げることができる。
【0119】
本明細書の一実施例によると、振動素子131が、凸状曲面部110a3に対応される振動部材110の凹状の第2面110bに連結されるとき、振動部材110で発生される局部的な分割振動領域が、曲率方向(または凹状の第2面)に変更され得、それによって、局部的な分割振動による音質の低下が防止されるか、または最小化され得る。そして、振動素子131が凹状曲面部110a4に対応される振動部材110の凸状の第2面110bに連結されるとき、振動部材110の曲率による振動装置130にベンディングストレスが加えられ、振動素子131のベンディング(または曲げ)方向が一方向に集中し得、これにより平面構造の振動部材と比較して音圧を増加させることができる。
【0120】
複数の振動素子131のそれぞれは、該当する凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4それぞれで振動部材110を振動させることにより、振動部材110の振動による音響を発生させるか、または出力することができる。
【0121】
したがって、本明細書の一実施例による音響装置10は、振動部材110の凸状曲面部110a3と凹状曲面部110a4のそれぞれに対応されるように配置された複数の振動素子131を含むことにより、振動部材110の分割振動による影響が緩和され、振動部材110の凸状曲面部110a3での音圧増加により、音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0122】
図7A~
図7Cは、本明細書の他の実施例による音響装置を示す平面図である。
図7A~
図7Cは、
図1~
図6に示した振動部材の形状を変更したものである。したがって、
図7A~
図7Cに対する説明では、振動部材の形状およびそれに関連される構成を除いた残りの構成についての重複する説明は省略または簡略にすることができる。
図7A~
図7Cに示す線A-A’は、
図2および
図4~
図6のうちのいずれか1つに示される。
【0123】
図7A~
図7Cを参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置10は、三角形、五角形、または14角形の形状を含むことができ、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。例えば、本明細書の他の実施例による音響装置10は、円形状、楕円形状、または3つ以上の頂点(AP)を有する多角形状を含むことができる。例えば、本明細書の他の実施例による音響装置10において、振動部材110とハウジング150のそれぞれは、互いに同一の円形状、楕円形状、または3つ以上の頂点(AP)を有する多角形状を含むことができる。
【0124】
図7Aを参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置10において、振動部材110は、三角形の形状を含むことができる。
【0125】
振動部材110は、
図2、
図4~
図6のうちのいずれか1つに示した振動部材と同じ断面構造を含むことができる。しかしながら、本明細書の実施例は、これに限定されず、振動部材110は、一定の厚さを有する平板構造、例えば三角形状の平板構造を有することができる。
【0126】
振動部材110は、第1面、第2面、3つの頂点(または角)(AP)、および3つの側面(または側壁)を含むことができる。
【0127】
振動部材110は、連結部材140で反射されて発生される反射波を吸収するか、またはトラップさせるために3つの頂点(AP)を含むことができる。例えば、振動部材110の頂点(AP)にある連結部材140に入射される進行波は、入射方向そのままに反射せずに頂点(AP)によって分散されて反射され、これにより反射波と進行波との間の重畳と干渉現象が防止されるか、または最小化されるので、定在波の形成を防止または最小化することができる。
【0128】
振動装置130は、振動部材110の中心部(CP)を除く非中心部に連結されるか、または結合され得る。これにより、振動装置130の振動によって振動部材110で発生される反射波は、振動部材110の頂点(AP)にトラップされ得る。
【0129】
したがって、振動部材110の頂点(AP)は、振動部材110の振動時に発生される反射波をトラップすることにより、反射波と進行波の干渉によって発生される定在波による音圧特性の低下を防止するか、または最小化することができる。
【0130】
図7Aに示す音響装置10は、反射波をトラップできる頂点(AP)を有する振動部材110の振動を通じて音響を出力するため、振動部材110の振動によって発生される音響の音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0131】
図7Bを参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置10において、振動部材110は五角形の形状を含むことができる。
【0132】
振動部材110は、
図2、
図4~
図6のうちのいずれか1つに示した振動部材と同じ断面構造を含むことができる。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されず、振動部材110は、一定の厚さを有する平板構造、例えば5角形状の平板構造を有することができる。
【0133】
振動部材110は、第1面、第2面、5つの頂点(または角)(AP)、および5つの側面(または側壁)を含むことができる。
【0134】
振動部材110は、連結部材140で反射して発生される反射波を吸収またはトラップさせるために5つの頂点(AP)を含むことができる。
【0135】
振動装置130は、振動部材110の中心部(CP)を除く非中心部に連結または結合され得る。これにより、振動装置130の振動によって振動部材110で発生された反射波は、振動部材110の頂点(AP)でトラップされ得る。
【0136】
したがって、
図7Bに示す音響装置10は、反射波をトラップできる頂点(AP)を有する振動部材110の振動を通じて音響を出力するので、振動部材110の振動によって発生される音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0137】
図7Cを参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置10において、振動部材110は、14角形の形状を含むことができる。
【0138】
振動部材110は、
図2、
図4~
図6のうちのいずれか1つに示した振動部材と同じ断面構造を含むことができる。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されず、振動部材110は、一定の厚さを有する平板構造、例えば14角形状の平板構造を有することができる。
【0139】
振動部材110は、第1面、第2面、14つの頂点(または角)(AP)、および隣接する2つの頂点(AP)の間に配置された14個の側面(または側壁)を含むことができる。例えば、振動部材110は、第1面、第2面、7つの頂点(または角)(AP)、7つの頂点(AP)の間に配置された7つのベント部(BP)、および隣接する頂点(AP)とベント部分(BP)との間に配置された14個の側面(または側壁)100sを含むことができる。例えば、振動部材110は、7角形状(点線)において、7つの各辺(HS)が中心部(CP)の方に尖って突出された形状を含むことができる。
【0140】
振動部材110は、連結部材140で反射されて発生される反射波を吸収するか、またはトラップさせるために14個の頂点(AP)を含むことができる。
【0141】
振動装置130は、振動部材110の中心部(CP)を除く非中心部に連結されるか、または結合され得る。これにより、振動装置130の振動によって振動する振動部材110で発生される反射波は、振動部材110の頂点(AP)でトラップされ得る。
【0142】
したがって、
図7Cに示す音響装置10は、反射波をトラップできる頂点(AP)を有する振動部材110の振動を介して音響を出力するので、振動部材110の振動によって発生される音響特性および/または音圧特性が向上され得る。
【0143】
付加的に、本明細書の他の実施例に係る音響装置10において、振動部材110は、円形状または楕円形状を有し得、この場合においても、振動部材110の曲面形態の側面にある連結部材140に入射される進行波は、入射方向そのままで射せず、頂点(AP)によって分散されて反射され、これにより反射波と進行波の間の重畳と干渉現象が防止されるか、または最小化されるので、定在波の形成を防止されるか、または最小化され得る。したがって、本明細書の他の実施例による音響装置10において、振動部材110は、円形状、楕円形状、および3つ以上の頂点を有する多角形状のうちのいずれか1つの形状を含むことができる。
【0144】
図8は、
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
図9は、
図8に示す振動部材および複数の振動素子を示す。
【0145】
図1、
図8、および
図9を参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置10は、振動部材110、および振動装置130を含むことができる。
【0146】
振動部材110は、
図2、
図4~
図6、および
図7A~
図7Cのうちのいずれか1つに示した振動部材と実質的に同一に構成され得る。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されず、振動部材110は、第1面110aおよび第2面110bのそれぞれが平面構造を有する平板構造を有することができる。
【0147】
振動装置130は、振動部材110に連結された第1~第n(nは2以上の自然数)振動素子131を含むことができる。例えば、振動装置130は、振動部材110の第2面(または背面)110bに連結された第1~第n(nは2以上の自然数)振動素子131を含むことができる。例えば、振動装置130は、第1方向(X)に沿って一定の間隔を有するように振動部材110の第2面110bに連結されるか、またはタイリングされた第1~第n振動素子131を含むことができる。
【0148】
第1~第n振動素子131のそれぞれは、横の長さ(L1)と縦の長さ(L2)が同じ正方形の形状を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、第1~第n振動素子131のそれぞれは、横の長さ(L1)が縦の長さ(L2)よりも相対的に長い長方形の形状を有することができる。
【0149】
第1~第n振動素子131のそれぞれの振動によって振動する振動部材110で発生される音響は、連結部材140で反射される反射波によって発生される補強干渉および/または相殺干渉および定在波によって、再生帯域と音圧特性が低下し得る。このような反射波の影響による音響の再生帯域および音圧特性の低下を防止または最小化するために、第1方向(X)を基準に、第1~第n振動素子131間の第1間隔(D1)は、3mm以上5mm以下であり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0150】
本明細書の一実施例によると、第1~第n振動素子131が3mm未満の第1間隔(D1)または第1間隔(D1)なしに配置されるとき、第1~第n振動素子131のそれぞれの振動時に、相互間の物理的な接触によるクラックの発生または破損により、第1~第n振動素子131のそれぞれの信頼性が低下され得る。
【0151】
本明細書の一実施例によると、第1~第n振動素子131が、5mmを超える第1間隔(D1)で配置されるとき、反射波の影響で第1~第n振動素子131のそれぞれの振動による音響特性および/または音圧特性が低下され得る。例えば、第1~第n振動素子131が、5mmを超える第1間隔(D1)で配置されるとき、低音域帯、例えば500Hz以下での音響特性と音圧特性が、それぞれ低下され得る。
【0152】
本明細書の一実施例によると、第1~第n振動素子131が、3mm以上5mm以下の第1間隔(D1)で配置されるとき、第1~第n振動素子131のそれぞれの振動に伴って発生される反射波による補強干渉および/または相殺干渉および定在波の形成が減少されるか、または最小化されることによって、音響の再生帯域が増加され、低音域帯の音響、例えば500Hz以下での音圧特性が増加され得る。
【0153】
第1方向(X)を基準として、第1~第n振動素子131のうちの第1振動素子131と第n振動素子131それぞれと振動部材110の両端(E1、E2)と間の第2間隔(D2)は、1つの振動素子131の横の長さ(L1)より小さく、第1間隔(D1)より大きくなり得る。そして、第2方向(Y)を基準として、第1~第n振動素子131のそれぞれと振動部材110の両端との間の第3間隔(D3)は、1つの振動素子131の縦の長さ(L2)より小さく、第1間隔(D1)より大きくなり得る。例えば、第2間隔(D2)が、1つの振動素子131の横の長さ(L1)よりも相対的に大きく、第3間隔(D3)が1つの振動素子131の縦の長さ(L2)よりも相対的に大きい場合、第1振動素子131と第n振動素子131のそれぞれの振動領域が相対的に増加することによって、音響特性および/または音圧特性の均一性が低下され得る。したがって、第1~第n振動素子131のそれぞれの振動による均一な音響特性および/または音圧特性を実現するために、第2間隔(D2)は、1つの振動素子131の横の長さ(L1)より小さく、第1間隔(D1)より大きくなり得、第3間隔(D3)は、1つの振動素子131の縦の長さ(L2)より小さく、第1間隔(D1)より大きくなり得る。
【0154】
第1~第n振動素子131のそれぞれは、音響処理回路から供給される振動駆動信号によって振動部材110を振動させることにより、振動部材110の振動によって発生される音響を出力することができる。例えば、第1~第n振動素子131のそれぞれは、振動駆動信号によって振動部材110を振動させて、互いに同じ音域帯の音響を出力することができるが、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、第1~第n振動素子131のうちの1つ以上は、振動駆動信号によって振動部材110を振動させて異なる音域帯の音響を出力することもできる。
【0155】
このような、本明細書の他の実施例に係る音響装置10は、反射波の影響を考慮して最適化された間隔(D1)を有するように、振動部材110の背面に連結された第1~第n振動素子131のそれぞれの振動によって、振動部材110を振動させて音響を出力することにより、音響の再生帯域および音圧特性が向上され得る。
【0156】
図10Aおよび
図10Bは、
図1に示した線A-A’の他の断面図である。
図10Aおよび
図10Bは、
図8に示した音響装置に空間分離部をさらに構成したものである。したがって、
図10Aおよび
図10Bの説明では、空間分離部およびそれに関連される構成を除いて、残りの構成に対しては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0157】
図1および
図10Aを参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置10は、空間分離部160をさらに含むことができる。
【0158】
空間分離部160は、第1~第n振動素子131のうちの1つ以上の間に構成され得る。例えば、空間分離部160は、第1~第n振動素子131のうちの隣接する2つの振動素子131の間に構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されず、隣接する2つ以上の振動素子131の間に構成されることもできる。
【0159】
本明細書の一実施例に係る空間分離部160は、第1~第n振動素子131のうちの1つ以上の周囲に密閉空間を設けることにより、第1~第n振動素子131のうちの1つ以上の振動領域を定義することができる。例えば、空間分離部160は、第1~第n振動素子131が振動したときに、音響が発生されるエアギャップまたは空間であり得る。例えば、空間分離部160は、音響を分離するか、またはチャンネルを分離することができ、音響の干渉による音響の特性の低下を防止するか、または減らすことができる。例えば、空間分離部160は、隔壁、隔壁部材、音分離部材、空間分離部材、またはバッフル(baffle)などで表現され得、本明細書の実施例は、これらの用語に限定されるものではない。
【0160】
図10Aを参照すると、本明細書の一実施例による空間分離部160は、振動部材110の第2面110bとハウジング150の底部151との間に連結され得る。例えば、空間分離部160の一側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。空間分離部160の他側(または下面)は、ハウジング150の底部151に連結されるか、または結合され得る。
【0161】
空間分離部160は、弾性を有する材質を含むことができる。例えば、空間分離部160は、振動吸収(または衝撃吸収)のために弾性を有する材質を含むことができる。本明細書の一実施例による空間分離部160は、ポリウレタン(polyurethane)材質、またはポリオレフィン(polyolefin)材質で構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されず、接着剤、両面テープ、両面フォームテープ、および両面クッションテープの1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。例えば、空間分離部160は、連結部材140と同じ材質で構成され得る。
【0162】
図10Bを参照すると、本明細書の他の実施例による空間分離部160は、隔壁161、および隔壁部材162を含むことができる。
【0163】
隔壁161は、ハウジング150の底部151から複数の振動素子131間の領域に突出され得る。例えば、隔壁161は、複数の振動素子131のうちの隣接した2つの振動素子の間のハウジング150の底部151から隣接した2つの振動素子の間の領域に突出され得る。例えば、隔壁161は、ハウジング150の連結フレーム部153と同一平面上に位置するか、または整列され得る。例えば、底部151と隔壁161の上面との間の距離は、底部151と連結フレーム部153との距離と同じであり得る。
【0164】
隔壁部材162は、隔壁161と振動部材110との間に配置され得る。例えば、隔壁部材162の上側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。隔壁部材162の下側(または下面)は、隔壁161の上側(または上面)に連結されるか、または結合され得る。
【0165】
隔壁部材162は、弾性を有する材質を含むことができる。例えば、隔壁部材162は、振動吸収(または衝撃吸収)のために弾性を有する材質を含むことができる。本明細書の一実施例による隔壁部材162は、ポリウレタン(polyurethane)材質、またはポリオレフィン(polyolefin)材質で構成され得、本明細書の実施例は、これらに限定されず、接着剤、両面テープ、両面フォームテープ、および両面クッションテープのうちの1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。例えば、隔壁部材162は、連結部材140と同じ材質で構成され得る。
【0166】
このような、本明細書の他の実施例に係る音響装置10は、空間分離部160をさらに含むことにより、第1~第n振動素子131のそれぞれの振動によって発生される音響を分離するか、またはチャンネルを分離して、2チャンネル形態のステレオ音響を出力することができ、音響の再生帯域および音圧特性がさらに向上され得る。
【0167】
図11は、本明細書の他の実施例による音響装置を示す平面図である。
図12は、
図11に示した線B-B’の断面図である。
図13は、
図11および
図12に示したハウジングを示す斜視図である。
【0168】
図11~
図13を参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置20は、振動部材110、振動装置130、およびハウジング150を含むことができる。
【0169】
振動部材110は、
図2、
図4~
図6のうちのいずれか1つに示した振動部材と実質的に同一に構成され得る。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されず、振動部材110は、第1面110aおよび第2面110bのそれぞれが平面構造を有する平板構造を有することができる。
【0170】
振動部材110は、複数の領域(A1、A2、A3)を含むことができる。例えば、振動部材110は、第1~第n(nは3以上の自然数)領域(A1、A2、A3)を含むことができる。例えば、振動部材110は、第1方向(X)に沿って配置された第1~第3領域(A1、A2、A3)を含むことができる。
【0171】
振動装置130は、複数の領域(A1、A2、A3)のそれぞれを振動させるように構成された複数の振動素子130A、130B、130Cを含むことができる。例えば、振動装置130は、振動部材110の第1~第n領域(A1、A2、A3)のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の第1~第n振動素子130A、130B、130Cを含むことができる。振動部材110の第1~第n領域(A1、A2、A3)のそれぞれは、1つ以上の第1~第n振動素子130A、130B、130Cのうちの該当する1つ以上の振動素子の振動によって振動して、音響を出力することができる。本明細書の一実施例によると、振動部材110の第1~第n領域(A1、A2、A3)のうちの1つ以上の領域から出力される音響は、残りの領域から出力される音響とは、異なる音域帯を有することができる。
【0172】
本明細書の一実施例によると、振動装置130は、第1~第3領域(A1、A2、A3)のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の第1~第3振動素子130A、130B、130Cを含むことができる。
【0173】
1つ以上の第1振動素子130Aは、振動部材110の第1領域(A1)を振動させるように第1方向(X)に沿って配置され得る。1つ以上の第2振動素子130Bは、振動部材110の第2領域(A2)を振動させるように第1方向(X)に沿って配置され得る。1つ以上の第3振動素子130Bは、振動部材110の第3領域(A3)を振動させるように第1方向(X)に沿って配置され得る。振動部材110の第1~第3領域(A1、A2、A3)のそれぞれは、1つ以上の第1~第3振動素子130A、130B、130Cのうちの該当する1つ以上の振動素子の振動によって振動して、音響を出力することができる。本明細書の一実施例によると、振動部材110の第1~第3領域(A1、A2、A3)のうちの1つ以上の領域から出力される音響は、残りの領域から出力される音響とは異なる音域帯を有することができる。
【0174】
ハウジング150は、振動部材110の第2面110bと1つ以上の振動素子131を覆うように、振動部材110の背面に配置され得る。ハウジング150は、振動装置130を収容するための収容空間を有し、一側が開口された箱形状を含むことができる。ハウジング150は、連結部材140を介して、振動部材110の第2面110bの縁部分と連結されるか、または結合され得る。これにより、ハウジング150の収容空間は、振動部材110によって覆われ得る。連結部材140は、
図1~
図3を参照して説明した連結部材140と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0175】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、底部151および側部152を含むことができる。ハウジング150は、連結フレーム部153、およびパターン部150pをさらに含むことができる。このような構成を有するハウジング150は、
図1~
図3を参照して説明したハウジング150と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0176】
本明細書の一実施例によるハウジング150の側部152は、第1方向(X)と平行な底部151の第1縁部分に連結された第1側部152a、底部151の第1縁部分と平行な底部151の第2縁部分に連結された第2側部152b、第2方向(Y)と平行な底部151の第3縁部分に連結された第3側部152c、および底部151の第3縁部分と平行な底部151の第4縁部分に連結された第4側部152dを含むことができる。第1~第4側部152a~152dのそれぞれは、底部151と連結フレーム部153との間に一定の角度で傾斜するように構成され得る。
【0177】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、空間分離部160をさらに含むことができる。
【0178】
空間分離部160は、ハウジング150の収容空間を、複数の振動部材110の複数の領域(A1、A2、A3)それぞれに対応される複数の空間(CS1、CS2、CS3)に分離することができる。例えば、空間分離部160は、ハウジング150の収容空間を、振動部材110の第1~第n領域(A1、A2、A3)それぞれに対応される第1~第n空間(CS1、CS2、CS3)に分離することができる。例えば、空間分離部160は、ハウジング150の収容空間を振動部材110の第1~第3領域(A1、A2、A3)のそれぞれに対応される第1~第3空間(CS1、CS2、CS3)に分離することができる。
【0179】
本明細書の一実施例による空間分離部160は、第1隔壁161aおよび第2隔壁161bを含むことができる。
【0180】
第1隔壁161aは、振動部材110の第1および第2領域(A1、A2)のそれぞれに対応される第1空間(CS1)と第2空間(CS2)との間に配置され得る。第1隔壁161aは、第1側部152aと第2側部152bとの間に連結され、第1空間(CS1)と第2空間(CS2)を空間的に分離することができる。例えば、第1隔壁161aは、ハウジング150の底部151から振動部材110の第1および第2領域(A1、A2)の間に突出され、第1側部152aと第2側部152bとの間に連結されることにより、第1空間(CS1)と第2空間(CS2)を空間的に分離することができる。
【0181】
第2隔壁161bは、振動部材110の第2および第3領域(A2、A3)のそれぞれに対応される第2空間(CS2)と第3空間(CS3)との間に配置され得る。第2隔壁161bは、第1側部152aと第2側部152bとの間に連結され、第2空間(CS2)と第3空間(CS3)を空間的に分離することができる。例えば、第2隔壁161bは、ハウジング150の底部151から振動部材110の第2および第3領域(A2、A3)の間に突出され、第1側部152aと第2側部152bとの間に連結されることにより、第2空間(CS2)と第3空間(CS3)を空間的に分離することができる。
【0182】
本明細書の一実施例による空間分離部160は、第1隔壁部材162aおよび第2隔壁部材162bを含むことができる。
【0183】
第1隔壁部材162aは、第1隔壁161aと振動部材110との間に配置され得る。例えば、第1隔壁部材162aの上側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。第1隔壁部材162aの下側(または下面)は、第1隔壁161aの上側(または上面)に連結されるか、または結合され得る。
【0184】
第2隔壁部材162bは、第2隔壁161bと振動部材110との間に配置され得る。例えば、第2隔壁部材162bの上側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。第2隔壁部材162bの下側(または下面)は、第2隔壁161bの上側(または上面)に連結されるか、または結合され得る。
【0185】
第1隔壁部材162aおよび第2隔壁部材162bのそれぞれは、弾性を有する材質を含むことができる。例えば、第1隔壁部材162aおよび第2隔壁部材162bのそれぞれは、振動吸収(または衝撃吸収)のために弾性を有する材質を含むことができる。本明細書の一実施例による第1隔壁部材162aおよび第2隔壁部材162bのそれぞれは、ポリウレタン(polyurethane)材質、またはポリオレフィン(polyolefin)材質で構成することができ、本明細書の実施例は、これらに限定されず、接着剤、両面テープ、両面フォームテープ、および両面クッションテープのうちの1つ以上を含み得る。例えば、第1隔壁部材162aおよび第2隔壁部材162bのそれぞれは、連結部材140と同じ材質で構成され得る。
【0186】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、第1音分離部171および第2音分離部173をさらに含むことができる。
【0187】
第1音分離部171は、1つ以上の第1振動素子130Aと第1隔壁161aとの間の第1空間(CS1)に配置され得る。第2音分離部173は、1つ以上の第3振動素子130Cと第2隔壁162aとの間の第3空間(CS3)に配置され得る。
【0188】
第1音分離部171および第2音分離部173のそれぞれは、1つ以上のリップ(rip)171a、171b、および1つ以上の音分離部材173a、173bを含むことができる。
【0189】
1つ以上のリップ171a、171bは、第2方向(Y)および第3方向(Z)に沿って第1側部152aと第2側部152bのうちの1つ以上の内側面から突出され得る。
【0190】
本明細書の一実施例によると、1つ以上のリップ171a、171bは、第1側部152aと第2側部152bのうちのいずれか1つの内側面から突出され得る。ここで、1つ以上のリップ171a、171bの突出長さは、第1側部152aと第2側部152bとの間の距離より短くし得る。本明細書の一実施例によると、1つ以上のリップ171a、171bは、第1側部152aと第2側部152bのそれぞれの内側面から突出され得る。ここで、1つ以上のリップ171a、171bの突出長さは、第1側部152aと第2側部152bとの間の距離の半分未満であり得る。
【0191】
本明細書の一実施例によると、1つ以上のリップ171a、171bが、第1側部152aと第2側部152bとの間に連結されるように突出された場合、第1~第3空間(CS1、CS2、CS3)間の音分離効果により、第1および第3空間(CS1、CS3)のそれぞれから第2空間(CS2)に伝達される振動が、最大に抑制されることにつれて、高音域帯の音響特性および音圧特性の低下に伴うステレオ音響特性が低下され得る。したがって、高音域帯の音響特性と音圧特性の低下を最小限に抑えてステレオ音響特性を向上させるために、1つ以上のリップ171a、171bの突出長さは、第1側部152aと第2側部152bとの距離の半分未満であり獲る。
【0192】
1つ以上の音分離部材173a、173bは、1つ以上のリップ171a、171bと振動部材110の第2面110bとの間に配置され得る。例えば、1つ以上の音分離部材173a、173bの上側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。1つ以上の音分離部材173a、173bの下側(または下面)は、1つ以上のリップ171a、171bの上側(または上面)に連結されるか、または結合され得る。1つ以上の音分離部材173a、173bは、振動吸収(または衝撃吸収)のための弾性を有する材質を含むか、または第1隔壁部材162aと第2隔壁部材162bおよび連結部材140のうちのいずれかと同じ材質を含むことができる。
【0193】
本明細書の一実施例によると、第1音分離部171と第2音分離部173のそれぞれは、第1方向(X)に沿って、予め設置された間隔を有するように配置された複数のリップ171a、171bを含むことができる。複数のリップ171a、171bのそれぞれは、第1側部152aと第2側部152bのうち1つ以上の内側面から第2方向(Y)に沿って、互いに異なる長さを有するように突出され得る。複数のリップ171a、171bのそれぞれの突出長さは、第1側部152aと第2側部152bとの間の距離の半分未満であり得る。本明細書の一実施例によると、複数のリップ171a、171bのそれぞれの突出長さは、第1方向(X)に沿って、空間分離部160または第2空間(CS2)の方に行くほど異なり得る。例えば、複数のリップ171a、171bのそれぞれの突出長さは、第1方向(X)に沿って、空間分離部160または第2空間(CS2)の方に行くほど長くなり得る。
【0194】
本明細書の一実施例によると、第1音分離部171と第2音分離部173のそれぞれは、複数の音分離部材173a、173bを含むことができる。
【0195】
複数の音分離部材173a、173bのそれぞれは、複数のリップ171a、171bのそれぞれと振動部材110の第2面110bとの間に配置され得る。例えば、複数の音分離部材173a、173bのそれぞれの上側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。複数の音分離部材173a、173bのそれぞれの下側(または下面)は、複数のリップ171a、171bのそれぞれの上側(または上面)に連結されるか、または結合され得る。複数の音分離部材173a、173bは、振動吸収(または衝撃吸収)のために弾性を有する材質を含むか、または第1隔壁部材162aと第2隔壁部材162bおよび連結部材140のうちのいずれか1つと同じ材質を含むことができる。
【0196】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、第1音制限部175および第2音制限部176をさらに含むことができる。
【0197】
第1音制限部175は、1つ以上の第1振動素子130Aの周囲に配置され得る。第1音制限部175は、1つ以上の第1振動素子130Aの振動によって発生される反射波をトラップすることにより、反射波と進行波の干渉によって発生される定在波による音圧特性の低下を防止するか、または最小化することができる。
【0198】
本明細書の一実施例による第1音制限部175は、1つ以上の第1突出部175a、および1つ以上の第1音制限部材175bを含むことができる。
【0199】
1つ以上の第1突出部175aは、第1空間(CS1)を取り囲む第1~第3側部152a、152b、152c、および第1隔壁161aのうちの1つ以上の内側面から第1空間(CS1)に突出され得る。例えば、1つ以上の第1突出部175aは、1つ以上の第1振動素子130Aと第1隔壁161aとの間にある第1側部152aと第2側部152bのうちの1つ以上の内側面に向くことができる。例えば、1つ以上の第1突出部175aは、第3側部152cと第1隔壁161aのうちの1つ以上の内側面から1つ以上の第1振動素子130Aの中心部に向くことができる。
【0200】
本明細書の一実施例によると、第1音制限部175は、第1空間(CS1)を取り囲む第1~第3側部152a、152b、152c、および第1隔壁161aそれぞれの内側面から第1空間(CS1)に突出された4つ以上の第1突出部175aを含むことができる。例えば、第1および第2側部152a、152bのそれぞれの内側面から第2方向(Y)に沿って、突出された1つ以上の第1突出部175aは、第1振動素子130Aおよび第1音分離部171との間に構成され得る。第3側部152cの内側面から第1方向(X)に沿って突出された1つ以上の第1突出部175aは、第1振動素子130Aの中心部の方に突出され得る。第1隔壁161aの内側面から突出された1つ以上の第1突出部175aは、第1振動素子130Aの中央部の方に突出され得る。
【0201】
1つ以上の第1音制限部材175bは、1つ以上の第1突出部175aと振動部材110の第2面110bとの間に配置され得る。例えば、1つ以上の第1音制限部材175bの上側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。1つ以上の第1音制限部材175bの下側(または下面)は、1つ以上の第1突出部175aの上側(または上面)に連結されるか、または結合され得る。1つ以上の第1音制限部材175bは、振動吸収(または衝撃吸収)のための弾性を有する材質を含むか、または第1隔壁部材162aおよび第2隔壁部材162bおよび連結部材140のうちのいずれか1つと同じ材質を含むことができる。
【0202】
本明細書の一実施例によると、第1~第3側部152a、152b、152cのそれぞれの内側面から突出された第1突出部175aと第1音制限部材175bは、連結部材140によって発生される反射波をトラップするように構成され得る。第1隔壁161aの内側面から突出された第1突出部175aと第1音制限部材175bは、第1隔壁部材162aによって発生される反射波をトラップするように構成され得る。
【0203】
第2音制限部176は、1つ以上の第3振動素子130Cの周囲に配置され得る。第2音制限部176は、1つ以上の第3振動素子130Cの振動によって発生される反射波をトラップすることにより、反射波と進行波の干渉によって発生される定在波による音圧特性の低下を防止するか、または最小化することができる。
【0204】
本明細書の一実施例による第2音制限部176は、1つ以上の第2突出部176a、および1つ以上の第2音制限部材176bを含むことができる。
【0205】
1つ以上の第2突出部176aは、第3空間(CS3)を取り囲む第1、第2、および第4側部152a、152b、152d、および第2隔壁161bのうちの1つ以上の内側面から第3空間(CS3)に突出され得る。例えば、1つ以上の第2突出部176aは、1つ以上の第3振動素子130Cと第2隔壁162aの間にある第1側部152aと第2側部152bのうちの1つ以上の内側面に向くことができる。例えば、1つ以上の第2突出部176aは、第4側部152dおよび第2隔壁161bのうちの1つ以上の内側面から1つ以上の第3振動素子130Cの中心部に向くことができる。
【0206】
本明細書の一実施例によると、第2音制限部176は、第3空間(CS3)を取り囲む第1、第2、および第4側部152a、152b、152d、および2隔壁161bのそれぞれの内側面から第3空間(CS3)に突出される4つ以上の第2突出部176aを含むことができる。例えば、第1および第2側部152a、152bのそれぞれの内側面から第2方向(Y)に沿って突出された1つ以上の第2突出部176aは、第3振動素子130Cと第2音分離部173との間に構成され得る。第4側部152dの内側面から第1方向(X)に沿って突出された1つ以上の第2突出部176aは、第3振動素子130Cの中央部の方に突出され得る。第2隔壁162aの内側面から突出された1つ以上の第2突出部176aは、第3振動素子130Cの中央部の方に突出され得る。
【0207】
1つ以上の第2音制限部材176bは、1つ以上の第2突出部176aと振動部材110の第2面110bとの間に配置され得る。例えば、1つ以上の第2音制限部材176bの上側(または上面)は、振動部材110の第2面110bに連結されるか、または結合され得る。1つ以上の第2音制限部材176bの下側(または下面)は、1つ以上の第2突出部176aの上側(または上面)に連結されるか、または結合され得る。1つ以上の第2音制限部材176bは、振動吸収(または衝撃吸収)のための弾性を有する材質を含むか、または第1隔壁部材162aと第2隔壁部材162bおよび連結部材140のうちのいずれか1つと同じ材質を含むことができる。
【0208】
本明細書の一実施例によると、第1、第2、および第4側部152a、152b、152dのそれぞれの内側面から突出された第2突出部176aおよび第2音制限部材176bは、連結部材140によって発生される反射波をトラップするように構成され得る。第2隔壁162aの内側面から突出された第2突出部176aと第2音制限部材176bは、第2隔壁部材162bによって発生される反射波をトラップするように構成され得る。
【0209】
本明細書の一実施例によると、ハウジング150に設けられた空間のうち、第3側部152cにある1つ以上の第1突出部175aおよび、第4側部152dにある1つ以上の第2突出部176aがある空間は、高音域帯の周波数を出力するように構成され得る。本明細書の一実施例によると、ハウジング150に設けられた空間のうちの第1側部152aおよび第2側部152bにある1つ以上の第1突出部175a、第1側部152aおよび第2側部152bにある1つ以上の第2突出部176a、1つ以上の第1音制限部材175b、および1つ以上の第2音制限部材176bがある空間は、低音域帯の周波数を出力するように構成され得る。
【0210】
本明細書の一実施例によると、1つ以上の第2振動素子130Bがある第2空間(CS2)は、中低音域帯の周波数を出力するように構成され得る。
【0211】
本明細書の他の実施例による音響装置20は、ハウジング150の第2空間(CS2)に配置された音響駆動回路部180をさらに含むことができる。
【0212】
音響駆動回路部180は、外部から供給される音響ソース(またはデジタル音響ソース)に基づいて音響データを生成し、音響データに対応される振動駆動信号を生成して振動装置130の1つ以上の第1~第3振動素子130A、130B、130Cを個別に振動させるか、または同時に振動させることができる。
【0213】
本明細書の一実施例に係る音響駆動回路部180は、外部から供給される音響ソース(またはデジタル音響ソース)に基づいて、音響データを生成する音響データ生成回路部、および音響データ生成回路部から提供される音響データに基づいて、振動駆動信号を生成して振動装置130の1つ以上の第1~第3振動素子130A、130B、130Cに供給する音響処理回路を含むことができる。また、本明細書の一実施例に係る音響駆動回路部180は、電源発生回路、無線通信回路、およびバッテリなどの音響装置の駆動に必要な周辺回路をさらに含むことができる。
【0214】
付加的に、ハウジング150の第2空間(CS2)に配置された1つ以上の第2振動素子130Bは、省略され得、これにより、空間分離部160は、第1空間(CS1)と第3空間(CS3)から出力される音響を分離することにより、音響出力特性をさらに向上させることができ、これにより、音響装置20は、空間分離部160による左右音響の分離により、2チャンネル形態のステレオサウンドを出力することができる。
【0215】
このような、本明細書の他の実施例に係る音響装置20は、空間分離部160によって空間的に分離された複数の空間(A1、A2、A3)に対応する振動部材110の領域ごとの振動によって音響を分離して出力することで、音響を分離するか、またはチャンネルを分離して出力することができ、音響の干渉による音響の特性低下が防止されるか、または最小化され得る。さらに、本明細書の他の実施例による音響装置20は、音制限部175、176による反射波のトラップによって、反射波による音響特性および/または音圧特性の低下が防止されるか、または最小化され得る。そして、本明細書の他の実施例による音響装置20は、空間分離部160による左右の音響の分離により、2チャンネル形態のステレオ音響を出力することができ、音分離部171、173による高音域帯の音響の分離を介してステレオ音響特性が向上され得る。
【0216】
図14は、本明細書の他の実施例による音響装置を示す平面図である。
図15は、
図14に示したC-C’線の断面図である。
図16は、本明細書の他の実施例による音響装置から出力される指向性音響を示す概念図である。
【0217】
図14~
図16を参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置30は、振動部材110、振動装置230、およびハウジング150を含むことができる。
【0218】
振動部材110は、
図2、
図4~
図6のうちのいずれか1つに示した振動部材と実質的に同一に構成され得る。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されず、振動部材110は、第1面110aおよび第2面110bのそれぞれが平面構造を有する平板構造を有することができる。
【0219】
振動部材110は、複数の領域(A1~A5)を含むことができる。例えば、振動部材110は、第1~第n(nは5以上の自然数)領域(A1~A5)を含むことができる。例えば、振動部材110は、第1方向(X)に沿って配置された第1~第5領域(A1~A5)を含むことができる。
【0220】
振動装置230は、振動部材110の第1~第n領域(A1~A5)のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の振動素子231-1~231-5を含むことができる。
【0221】
振動部材110の第1~第n領域(A1~A5)のそれぞれは、1つ以上の振動素子231-1~231-5の振動によって、振動して音響を出力することができる。本明細書の一実施例によると、振動部材110の第1~第n領域(A1~A5)のうちの1つ以上の領域から出力される音響は、残りの領域から出力される音響とは異なる音域帯を有することができる。
【0222】
本明細書の一実施例によると、振動部材110の第1領域(A1)は、振動部材110の第1縁部分(E1)を含み、振動部材110の第n領域(A5)は、振動部材100の第2縁部分(E2)を含むことができる。例えば、振動部材110の第1領域(A1)は、振動部材110の第1縁部分(E1)であり、振動部材110の第n領域(A5)は、振動部材100の第2縁部分(E2)であり得る。
【0223】
本明細書の一実施例によると、振動部材110の第1~第n領域(A1~A5)のそれぞれから出力される音響の音域帯は、振動部材110の中間領域から第1領域(A1)と第n領域(A5)に行くほど高くなり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、振動部材110が、第1~第5領域(A1~A5)を含む場合、振動部材110の第1領域(A1)と第5領域(A5)のそれぞれから出力される音響は、可聴周波数以上の音域帯を有するか、または特定周波数信号(または超音波)の音域帯を有し、振動部材110の中間領域にある第3領域(A3)から出力される音響は、中低音域帯を有し、振動部材110の第2領域(A2)と第4領域(A4)のそれぞれから出力される音響は、高音域帯を有することができる。例えば、中低音域帯は200Hz~1kHzであり得、高音域帯は1kHz以上または3kHz以上の周波数を有し得、特定周波数信号(または超音波)の音域帯は30kHz以上の周波数を有し得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。以下、本明細書の実施例についての説明において、特定周波数信号は、超音波であると見なすことができる。
【0224】
本明細書の一実施例によると、振動部材110において、第1~第n領域(A1~A5)の大きさ(または面積)は、第1領域(A1)および第n領域(A5)それぞれから中間領域に行くほど、相対的に大きく増加することができる。したがって、本明細書の他の実施例による音響装置30は、相対的に広い面積を有する振動部材110の中間領域を介して重低音域帯の音響を出力し、振動部材110の中間領域と、第1領域(A1)と第n領域(A5)の間の領域を介して高音域帯の音響を出力することにより、使用者(または聴取者)に音質と音響の立体感をさらに大きく提供することができる。
【0225】
本明細書の一実施例によると、振動装置130は、第1~第n領域(A1~A5)のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5を含むことができる。
【0226】
本明細書の一実施例によると、1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの大きさは、振動部材110の中間領域から第1領域(A1)と第n領域(A5)に行くほど小さくなり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0227】
1つ以上の第1振動素子231-1は、振動部材110の第1領域(A1)を振動させて超音波(UW)を発生させるか、または出力するように構成され得る。1つ以上の第n振動素子231-5は、振動部材110の第n領域(A5)を振動させて、互いに異なる周波数を有する複数の超音波(UW、UW1)を生成させるか、または出力するように構成され得る。
【0228】
本明細書の一実施例によると、振動部材110の第n領域(A5)から出力される複数の超音波(UW、UW1)のうちのいずれか1つは、振動部材110の第1領域(A1)から出力される超音波(UW)と同じ周波数を有することができる。振動部材110の第n領域(A5)から出力される複数の超音波(UW、UW1)のうちの残りの超音波(UW1)は、振動部材110の第1領域(A1)から出力される超音波(UW)よりも高い周波数を有することができる。これにより、使用者(または聴取者)は、第1領域(A1)から出力される超音波(UW)と振動部材110の第n領域(A5)から出力される超音波(UW、UW1)との差周波数(または差異周波数)歪曲に相当する周波数の差音を聴取することができる。例えば、振動部材110の第1領域(A1)から40kHzの超音波(UW)が出力され、振動部材110の第n領域(A5)から42kHzの超音波(UW1)が出力されるとき、聴取者は、40kHzの超音波(UW)と42kHzの超音波(UW1)の差周波数(または差異周波数)歪曲に相当する2kHzの差音を聴取することができる。したがって、本明細書の一実施例による音響装置30は、超音波の出力を介して指向性音響を出力することによって、特定の聴音領域以外の非聴音領域では音響を聞くことができないようにする使用者のプライバシー保安機能を実現することができる。
【0229】
本明細書の一実施例によると、振動部材110の第1領域(A1)に配置された1つ以上の第1振動素子231-1は、超音波を送受信するように構成され得る。振動部材110の第n領域(A5)に配置された1つ以上の第n振動素子231-5は、超音波を送受信するように構成され得る。例えば、1つ以上の第1振動素子231-1は超音波を受信するように構成され得、1つ以上の第n振動素子231-5は超音波を送信するように構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。したがって、本明細書の一実施例による音響装置30は、1つ以上の第1振動素子231-1および1つ以上の第n振動素子231-5のうちの1つ以上を介して、超音波を送受信することによって、使用者(または聴取者)の位置および/または動き情報を感知し、それによって使用者(または聴取者)の位置および/または動きに最適化された音響または指向性音響を出力することができる。
【0230】
ハウジング150は、振動部材110の第2面110bと振動装置230を覆うように振動部材110の背面に配置され得る。ハウジング150は、振動装置230を収容するための収容空間150sを有し、一側が開口された箱形状を含むことができる。ハウジング150は、連結部材140を介して、振動部材110の第2面110bの縁部分と連結されるか、または結合され得る。これにより、ハウジング150の収容空間150sを振動部材110によって覆われ得る。連結部材140は、
図1~
図3を参照して説明した連結部材140と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0231】
本明細書の一実施例によるハウジング150は、底部151および側部152を含むことができる。ハウジング150は、連結フレーム部153、およびパターン部150pをさらに含むことができる。このような構成を有するハウジング150は、
図1~
図3を参照して説明したハウジング150と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0232】
このような、本明細書の他の実施例に係る音響装置30は、振動部材110の中間領域で中低音域帯の音響を出力し、振動部材110の縁部分で高音域帯の音響を出力することにより、使用者(または聴取者)に音質と音響の立体感をさらに大きく提供することができる。また、本明細書の他の実施例による音響装置30は、特定周波数信号(または超音波)の出力を介して指向性音響を出力することによって、特定の聴音領域以外の非聴音領域では、音響を聞くことができないようにする使用者のプライバシー保安機能を実現することができる。そして、本明細書の他の実施例による音響装置30は、特定周波数信号(または超音波)の送受信を介して、使用者(または聴取者)の位置および/または動き情報に最適化された音響または指向性音響を出力することができる。
【0233】
【0234】
図17~
図19を参照すると、本明細書の一実施例に係る振動素子131は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカー、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0235】
本明細書の一実施例に係る振動素子131は、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを有する振動発生部を含むことができる。
【0236】
圧電振動部131aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力またはねじれ現象が作用しながら陽(+)イオンと陰(-)イオンの相対的な位置の変化による誘電分極によって電位差が発生され、逆に印加される電圧による電界によって振動が発生される特性を有することができる。例えば、圧電振動部131aは、圧電層、圧電層、圧電物質層、電気活性層、振動部、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表現され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。圧電振動部131aは、透明、半透明、または不透明な圧電物質からなり得るので、透明、半透明、または不透明であることがある。
【0237】
本明細書の実施例に係る圧電振動部131aは、複数の第1部分131a1および複数の第2部分131a2を含むことができる。例えば、複数の第1部分131a1および複数の第2部分131a2は、第1方向(X)(または第2方向(Y))に沿って交互に繰り返して配置され得る。例えば、第1方向(X)は、圧電振動部131aの横方向であり、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する圧電振動部131aの縦方向であり得、これに限定されるものではない。例えば、第1方向(X)は、圧電振動部131aの縦方向であり得、第2方向(Y)は、圧電振動部131aの横方向であり得る。
【0238】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、無機物質部で構成され得る。無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。例えば、第1部分131a1は、圧電部、圧電物質部、複合圧電物質部、活性部、または電気活性部などと表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0239】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系の物質で構成するか、またはペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有する圧電セラミックで構成され得る。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の化学式で表現され、Aサイトは、2価の金属元素からなり、Bサイトは、4価の金属元素からなることができる。本明細書の一実施例として、ABO3の化学式で、AサイトおよびBサイトは、カチオン(cations)であり得、Oは,アニオン(anions)であり得る。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0240】
本明細書の一実施例に係る圧電振動部131aまたは第1部分131a1は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、およびチタン(Ti)を含むPZT(lead zirconate titanate)系物質、または鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(lead zirconate nickel niobate)系物質を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。または、圧電振動部131aまたは第1部分131a1は、鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも1つ以上を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0241】
本明細書の一実施例に係る複数の第1部分131a1のそれぞれは、複数の第2部分131a2の間に配置され、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第1幅(W1)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行な長さを有することができる。複数の第2部分131a2のそれぞれは、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第2幅(W2)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行な長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同一または異なり得る。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)よりも大きいことがあり得る。例えば、第1部分131a1と第2部分131a2は、互いに同一または異なる大きさを有するライン形状またはストライプ形状を含むことができる。したがって、圧電振動部131aは、2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体(composite)構造を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、圧電振動部131aの共振周波数は、形状、長さ、および厚さなど少なくとも1つ以上に応じて変更され得る。
【0242】
圧電振動部131aで、複数の第1部分131a1と複数の第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。複数の第2部分131a2のそれぞれは、隣接する2つの第1部分131a1の間のギャップを埋めるように構成されることによって、隣接する第1部分131a1と連結されるか、または接着され得る。これにより、圧電振動部131aは、第1部分131a1と第2部分131a2の側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張され得る。
【0243】
圧電振動部131aで、複数の第2部分131a2のそれぞれの幅(W2)は、圧電振動部131aまたは振動素子131の中間部分から両縁部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少することができる。
【0244】
本明細書の一実施例によると、複数の第2部分131a2のうちで、最も大きな幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aまたは振動素子131が上下方向(Z)(または厚さ方向)に振動するとき、最も大きな応力が集中され部分に位置することができる。複数の第2部分131a2のうちで、最も小さい幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aまたは振動素子131が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さな応力が発生され部分に位置することができる。例えば、複数の第2部分131a2のうちで、最も大きな幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aの中間部分に配置され、複数の第2部分131a2のうちで、最も小さい幅(W2)を有する第2部分131a2は、圧電振動部131aの両縁部分に配置され得る。これにより、圧電振動部131aまたは振動素子131が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きな応力が集中され部分で発生される音波の干渉または共振周波数の重畳が最小限に抑えされ得、これにより、低音域帯で発生され音圧の低下(dipping)現象が改善され得、低音域帯で音響特性の平坦度が改善され得る。例えば、音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧との間の偏差の大きさであり得る。
【0245】
圧電振動部131aで、複数の第1部分131a1のそれぞれは、互いに異なる大きさ(または幅)を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれの大きさ(または幅)は、圧電振動部131aまたは振動素子131の中間部分から両縁部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少するか、または増加することができる。これにより、圧電振動部131aは、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分131a1のそれぞれの振動による様々な固有振動周波数によって音響の音圧特性が向上され得、音響の再生帯域が拡大され得る。
【0246】
複数の第2部分131a2のそれぞれは、複数の第1部分131a1の間に配置され得る。これにより、圧電振動部131aまたは振動素子131は、第2部分131a2によって第1部分131a1の単位格子内のリンクによる振動エネルギーが増加されることができるので、振動特性が増加することができ、圧電特性と柔軟性が確保され得る。例えば、第2部分131a2は、エポキシ(epoxy)系ポリマー、アクリル(acrylic)系ポリマー、およびシリコーン(silicone)系ポリマーのうちの1つ以上であり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0247】
本明細書の一実施例に係る複数の第2部分131a2のそれぞれは、有機物質部で構成され得る。例えば、有機物質部は、無機物質部の間に配置されることによって、無機物質部(または第1部分)に印加される衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中されストレス(stress)をリリーシング(releasing)して、圧電振動部131aまたは振動素子131の耐久性を向上させることができ、また、圧電振動部131aまたは振動素子131に柔軟性を提供することができる。
【0248】
本明細書の一実施例に係る第2部分131a2は、第1部分131a1と比較して、低いモジュラス(modulus)(またはYoung‘s modulus)と粘弾性を有することができ、これにより、第1部分131a1の脆性特性により衝撃に弱い第1部分131a1の信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分131a2は、0.01~1の損失係数と0.1~10GPa(Giga Pascal)のモジュラスを有する物質で構成され得る。
【0249】
第2部分131a2に構成される有機物質部は、第1部分131a1である無機物質部と比較して、柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、または有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分131a2は、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0250】
本明細書の実施例に係る圧電振動部131aは、複数の第1部分131a1と第2部分131a2が同一平面上に配置(または連結)されることで、単一の薄いフィルムの形状を有することができる。例えば、圧電振動部131aは、複数の第1部分131a1が一側に連結された構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1は、圧電振動部131aの全体で第2部分131a2を介して互いに連結された構造を有することができる。例えば、圧電振動部131aは、振動特性を有する第1部分131a1によって上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分131a2によって曲面形状に曲がることができる。また、本明細書の実施例に係る圧電振動部131aにおいて、第1部分131a1の大きさおよび第2部分131a2の大きさは、圧電振動部131aまたは振動素子131に要求される圧電特性および柔軟性によって設定され得る。本明細書の一実施例として、柔軟性より圧電特性を要求する圧電振動部131aの場合、第1部分131a1の大きさは、第2部分131a2の大きさよりも大きく構成され得る。本明細書の他の実施例として、圧電特性よりも柔軟性を要求する圧電振動部131aの場合、第2部分131a2の大きさは、第1部分131a1の大きさよりも大きく構成され得る。したがって、圧電振動部131aの大きさが要求される特性によって調節され得るので、圧電振動部131aの設計が容易であるという長所がある。
【0251】
第1電極部131bは、圧電振動部131aの第1面(または上面)に配置され得る。第1電極部131bは、複数の第1部分131a1のそれぞれの第1面と、複数の第2部分131a2のそれぞれの第1面に共通して配置されるか、または結合され得、複数の第1部分131a1のそれぞれの第1面と電気的に連結され得る。例えば、第1電極部131bは、圧電振動部131aの第1面の全体に配置された単一電極(または1つの電極)の形状を有することができる。例えば、第1電極部131bは、圧電振動部131aと実質的に同一の形状を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0252】
本明細書の一実施例に係る第1電極部131bは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。不透明導電性物質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはこれらの合金からなり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0253】
第2電極部131cは、圧電振動部131aの第1面とは異なる(または反対の)第2面(または背面)上に配置され得る。第2電極部131cは、複数の第1部分131a1のそれぞれの第2面と、複数の第2部分131a2のそれぞれの第2面に共通して配置されるか、または結合され得、複数の第1部分131a1のそれぞれの第2面と電気的に連結され得る。例えば、第2電極部131cは、圧電振動部131aの第2面全体に配置された単一電極(または1つの電極)の形状を有することができる。例えば、第2電極部131cは、圧電振動部131aと同一の形状を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。本明細書の一実施例に係る第2電極部131cは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、第2電極部131cは、第1電極部131bと同一の物質からなり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。本明細書の他の実施例として、第2電極部131cは、第1電極部131bと異なる物質で構成され得る。
【0254】
圧電振動部131aは、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化される温度雰囲気で、第1電極部131bと第2電極部131cに印加される一定の電圧によって分極化され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、圧電振動部131aは、外部から第1電極部131bと第2電極部131cに印加される音響信号(またはボイス信号または駆動信号)による逆圧電効果により収縮および/または膨張を交互に繰り返すことにより、振動することができる。例えば、圧電振動部131aは、第1電極部131bと第2電極部131cに印加される音響信号によって垂直方向(または厚さ方向)の振動(d33)および平面方向の振動(d31)により振動することができる。圧電振動部131aは、平面方向の収縮および/または膨張によって振動部材(または振動板、または振動対象物)の変位を増加させることができ、これにより振動部材の振動をより向上させることができる。
【0255】
本明細書の一実施例に係る振動素子131は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。
【0256】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1電極部131bを覆うように構成され得る。したがって、第1カバー部材131dは、第1電極部131bおよび/または圧電振動部131aを保護することができる。
【0257】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2電極部131cを覆うように構成され得る。したがって、第2カバー部材131eは、第2電極部131cおよび/または圧電振動部131aを保護することができる。
【0258】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、同一または異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate;PET)フィルムであり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0259】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1電極部131bに連結されるか、または結合され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1接着層131fを媒介とするフィルムラミネート工程により、第1電極部131bに連結されるか、または結合され得る。
【0260】
本明細書の一実施例に係る第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して、第2電極部131cに連結されるか、または結合され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2接着層131gを媒介とするフィルムラミネート工程により、第2電極部131cに連結されるか、または結合され得る。
【0261】
第1接着層131fは、第1電極部131bと第1カバー部材131dとの間に配置され得る。第2接着層131gは、第2電極部131cと第2カバー部材131eとの間に配置され得る。例えば、第1接着層131fと第2接着層131gは、圧電振動部131aと第1電極部131bおよび第2電極部131cを完全に取り囲むように、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。例えば、圧電振動部131aと第1電極部131bおよび第2電極部131cは、第1接着層131fと第2接着層131gとの間に埋め込まれるか、または内蔵され得る。
【0262】
本明細書の実施例に係る第1接着層131fと第2接着層131gのそれぞれは、接着性を有しながら圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1接着層131fと第2接着層131gのそれぞれは、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acrylic)樹脂、シリコーン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0263】
第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかは、接着部材を介して振動部材(または振動板、または振動対象物)に付着されるか、または結合され得る。
【0264】
本明細書の一実施例によると、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかは、
図1~
図13を参照して説明したように、接着部材120を介して振動部材110(または振動板、または振動対象物)に付着されるか、または結合され得る。
【0265】
本明細書の一実施例に係る振動素子131は、第1電源供給ライン(PL1)、第2電源ライン(PL2)、およびパッド部131pをさらに含むことができる。
【0266】
第1電源供給ライン(PL1)は、第1電極部131bと第1カバー部材131dとの間に配置され、第1電極部131bと電気的に連結され得る。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、第1カバー部材131dに配置され得る。第1電源供給ライン(PL1)は、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1電極部131bの中央部分と電気的に連結され得る。本明細書の一実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、異方性導電フィルムを媒介として、第1電極部131bと電気的に連結され得る。本明細書の他の実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、第1接着層131fに含有された導電性物質(または粒子)を介して第1電極部131bと電気的に連結され得る。
【0267】
第2電源供給ライン(PL2)は、第2電極部131cと第2カバー部材131eとの間に配置され、第2電極部131cと電気的に連結され得る。例えば、第2電源供給ライン(PL2)は、第2カバー部材131eに配置され得る。第2電源供給ライン(PL2)は、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第2電極部131cの中央部分と電気的に連結され得る。本明細書の一実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、異方性導電フィルムを媒介として、第2電極部131cと電気的に連結され得る。本明細書の他の実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、第2接着層131gに含有された導電性物質(または粒子)を介して第2電極部131cと電気的に連結され得る。例えば、第2電源供給ライン(PL2)は、第1電源供給ライン(PL1)と重畳されないことがあり得る。第2電源供給ライン(PL2)が第1電源供給ライン(PL1)と重畳ならないように配置された場合、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)との間のショートが防止され得る。
【0268】
パッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)に連結されるように構成され得る。パッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に構成され得る。
【0269】
本明細書の一実施例に係るパッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結された第1パッド電極、および第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結された第2パッド電極を含むことができる。
【0270】
第1パッド電極は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に配置され、第1電源供給ライン(PL1)の一端に連結され得る。例えば、第1パッド電極は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかを貫通して第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結され得る。
【0271】
第2パッド電極は、第1パッド電極と並んで配置され、第2電源供給ライン(PL2)の一端に連結され得る。例えば、第2パッド電極は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかを貫通して第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結され得る。
【0272】
本明細書の一実施例によると、第1電源供給ライン(PL1)、第2電源供給ライン(PL2)、およびパッド部131pのそれぞれは、透明、半透明、または不透明になるように構成され得る。
【0273】
本明細書の一実施例に係るパッド部131pは、信号ケーブル132と電気的に連結され得る。
【0274】
信号ケーブル132は、振動素子131に配置されたパッド部131pと電気的に連結され、音響処理回路(または振動駆動回路)から提供される振動駆動信号(または音響信号またはボイス信号)を振動素子131に供給することができる。本明細書の一実施例に係る信号ケーブル132は、パッド部131pの第1パッド電極と電気的に連結された第1端子、およびパッド部131pの第2パッド電極と電気的に連結された第2端子を含むことができる。例えば、信号ケーブル132は、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路ボード、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路ボードで構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0275】
音響処理回路は、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データに基づいて、第1振動駆動信号および第2振動駆動信号を含む交流形の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり得る。例えば、第1振動駆動信号は、信号ケーブル132の第1端子とパッド部131pの第1パッド電極および第1電源供給ライン(PL1)を介して、第1電極部131bに供給され得る。第2振動駆動信号は、信号ケーブル132の第2端子とパッド部131pの第2パッド電極および第2電源供給ライン(PL2)を介して、第2電極部131c に供給され得る。
【0276】
本明細書の一実施例によると、信号ケーブル132は、透明、半透明、または不透明になるように構成され得る
【0277】
このような、本明細書の一実施例に係る振動素子131は、圧電特性を有する第1部分131a1と柔軟性を有する第2部分131a2が交互に繰り返し連結されることにより、薄いフィルム形状に実現され得る。これにより、振動部材または振動対象物の形状に対応される形状に曲げることができる。例えば、振動素子131が接着部材を介して、様々な曲面部を含む振動部材に連結されるか、または結合されるとき、振動素子131は、振動部材110の曲面部の形状に沿って曲面形状に曲げられ得、曲面形状に曲げられても損傷または破損等の信頼性が低下しない。
【0278】
図20A~
図20Dは、本明細書の他の実施例に係る圧電振動部で、他の実施例に係る圧電振動部を示す斜視図である。
【0279】
図20Aを参照すると、本明細書の他の実施例に係る圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分(または1つ以上の第2部分)131a2を含むことができる。
【0280】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って互いに離隔されるように配置され得る。例えば、複数の第1部分131a1それぞれは、互いに同じ大きさを有する六面体の形状を有しながら格子の形状に配置され得る。複数の第1部分131a1のそれぞれは、
図17~
図19を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0281】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、隣接した2つの第1部分131a1間のギャップを埋めるか、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、隣接した第1部分131a1と連結されるか、または接着され得る。本明細書の一実施例によると、第1方向(X)に沿って隣接した2つの第1部分131a1間に配置された第2部分131a2の幅は、第1部分131a1の幅と同じか、または異なっていて、第2方向(Y)に沿って隣接する2つの第1部分131a1間に配置された第2部分131a2の幅は、第1部分131a1の幅と同じか、または異なることができる。第2部分131a2は、
図17~
図19を参照して説明した第2部分131a2と実質的に同一の有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0282】
このような、本明細書の他の実施例に係る圧電振動部131aは、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体の構造を含むことにより、30MHz以下の共振周波数を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、圧電振動部131aの共振周波数は、形状、長さ、および厚さなど少なくとも1つ以上に応じて変更され得る。
【0283】
図20Bを参照すると、本明細書の他の実施例に係る圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分(または1つ以上の第2部分)131a2を含むことができる。
【0284】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、円の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、円板の形状を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、楕円形状、多角形状、またはドーナツ形状などを含む点形状を有することができる。複数の第1部分131a1のそれぞれは、
図17~
図19を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0285】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、複数の第1部分131a1のそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分131a1と第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分131a2は、
図17~
図19を参照して説明した第2部分131a2と実質的に同一の有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0286】
図20Cを参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動素子131で、圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分(または1つ以上の第2部分)131a2を含むことができる。
【0287】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角板の形状を有することができる。複数の第1部分131a1のそれぞれは、
図17~
図19を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0288】
本明細書の一実施例によると、複数の第1部分131a1のうちの隣接した4つの第1部分131a1は、四角の形状(または正四角の形状)をなすように隣接して配置され得る。四角の形状をなす隣接した4つの第1部分131a1のそれぞれの頂点は、四角の形状の中央部(または正中央部)に隣接して配置され得る。
【0289】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、複数の第1部分131a1のそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分131a1と第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分131a2は、
図17~
図19を参照して説明した第2部分131a2と実質的に同一の有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0290】
図20Dを参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動素子131で、圧電振動部131aは、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔された複数の第1部分131a1、および複数の第1部分131a1の間に配置された第2部分(または1つ以上の第2部分)131a2を含むことができる。
【0291】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角の形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、三角板の形状を有することができる。複数の第1部分131a1のそれぞれは、
図17~
図19を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0292】
本明細書の一実施例によると、複数の第1部分131a1のうちの隣接した6つの第1部分131a1は、六角の形状(または正六角の形状)をなすように隣接して配置され得る。六角の形状をなす隣接した6つの第1部分131a1のそれぞれの頂点は、六角の形状の中央部(または正中央部)に隣接して配置され得る。
【0293】
第2部分131a2は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分131a1間に配置され得る。第2部分131a2は、複数の第1部分131a1のそれぞれを取り囲むように構成されることによって、複数の第1部分131a1のそれぞれの側面と連結されるか、または接着され得る。複数の第1部分131a1と第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)され得る。例えば、第2部分131a2は、
図17~
図19を参照して説明した第2部分131a2と実質的に有機物質からなり得るので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0294】
図21は、本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
図22は、
図21に示した線E-E’の断面図である。
図21および
図22は、
図1~
図13のうちの1つ以上に図示された振動素子の他の実施例を示す図面である。
【0295】
図21および
図22を参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、第1および第2振動部131-1、131-2を含むことができる。
【0296】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、第1方向(X)に沿って互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、圧電効果によって収縮および/または膨張を交互にまたは繰り返すことにより、振動することができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2は、第1方向(X)に沿って一定の間隔(SD1)で配置されるか、またはタイリングされ得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2がタイリングされた振動素子131は、振動アレイ、振動アレイ部、振動モジュールアレイ部、振動アレイ構造物、タイリング振動アレイ、タイリング振動アレイモジュール、またはタイリング振動フィルムであり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0297】
本明細書の実施例に係る第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、四角の形状を有することができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、5cm以上の幅を有する四角の形状を有することができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、5cm×5cm以上の大きさを有する正方形の形状を有することができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0298】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、同一平面上に配置されるか、またはタイリングされることにより、振動素子131は、相対的小さい大きさを有する第1および第2振動発生部131-1、131-2のタイリングによって大面積化され得る。
【0299】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、一定の間隔(SD1)で配置されるか、またはタイリングされることによって、独立して駆動せず、完全な1つの単一体の形態で駆動される1つの振動装置(または単一振動装置)として実現され得る。本明細書の一実施例によると、第1方向(X)を基準に、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間の第1離隔距離(または第1距離、または第1間隔)(SD1)は、0.1mm以上3cm未満であり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0300】
本明細書の一実施例によると、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、0.1mm以上3cm未満の離隔距離(または間隔)(SD1)を有するように配置されるか、またはタイリングされることにより、1つの振動装置として駆動され得、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動に連動されて発生される音響の再生帯域および音響の音圧特性のそれぞれが増加され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動に連動されて発生される音響の再生帯域を増加させ、低音域帯音響、例えば、500Hz以下での音圧特性を増加させるために、第1および第2振動発生部131-1、131-2は、0.1mm以上5mm未満の間隔(SD1)で配置され得る。
【0301】
本明細書の一実施例によると、第1および第2振動発生部131-1、131-2が0.1mm未満の間隔(SD1)、または間隔(SD1)なしに配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの振動時に互いの間の物理的な接触によるクラックの発生または破損によって、第1および第2振動発生部131-1、131-2または振動素子131の信頼性が低下され得る。
【0302】
本明細書の一実施例によると、第1および第2振動発生部131-1、131-2が3cm以上の間隔(SD1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの独立した振動によって、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1つの振動装置として駆動されないことがあり得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2の振動によって発生される音響の再生帯域および音響の音圧特性が低下され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2が3cm以上の間隔(SD1)で配置されるとき、低音域帯、例えば、500Hz以下での音響特性と音圧特性のそれぞれが低下され得る。
【0303】
本明細書の一実施例によると、第1および第2振動発生部131-1、131-2が5mmの間隔(SD1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれが1つの振動装置として駆動されないため、低音域帯、例えば、200Hz以下で音響特性と音圧特性のそれぞれが低下され得る。
【0304】
本明細書の他の実施例に係ると、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1mmの間隔(SD1)で配置されるとき、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1つの振動装置として振動されることにより、音響の再生帯域が増加して低音域帯の音響、例えば、500Hz以下での音圧特性が増加され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2が1mmの間隔(SD1)で配置されるとき、振動素子131は、第1および第2振動発生部131-1、131-2間の離隔距離が最適化されることによる大面積化された振動体で実現され得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動による大面積の振動体として駆動することができ、これにより、振動素子131の大面積の振動に連動されて発生される音響の再生帯域と低音域帯の音響特性および音圧特性のそれぞれが増加されるが、または向上され得る。
【0305】
したがって、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動(または1つの振動装置)を実現するために、第1および第2振動発生部131-1、131-2間の離隔距離(SD1)は、0.1mm以上3cm未満に設定され得る。また、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動(または1つの振動装置)を実現して、低音域帯の音響の音圧特性を増加させるために、第1および第2振動発生部131-1、131-2間の離隔距離(SD1)は、0.1mm以上5mm未満に設定され得る。
【0306】
本明細書の一実施例に係る第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを含むことができる。
【0307】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの圧電振動部131aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの圧電振動部131aは、
図19、および
図20A~
図20Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかと実質的に同様に構成されるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0308】
本明細書の一実施例によると、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、
図19、および
図20A~
図20Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかの圧電振動部131aを含むか、または互いに異なる圧電振動部131aを含むことができる。
【0309】
第1電極部131bは、圧電振動部131aの第1面に配置され、圧電振動部131aの第1面と電気的に連結され得る。第1電極部131bは、
図18を参照して説明した第1電極部131bと実質的に同一であるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0310】
第2電極部131cは、圧電振動部131aの第2面に配置され、圧電振動部131aの第2面と電気的に連結され得る。第2電極部131cは、
図18を参照して説明した第2電極部131cと実質的に同一であるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0311】
本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。
【0312】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に配置された第1電極部131bを覆うことにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に共通して連結されるか、または第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面を共通に支持することができる。これにより、第1カバー部材131dは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面または第1電極部131bを保護することができる。
【0313】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に配置された第2電極部131cを覆うことにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に共通して連結されるか、または第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面を共通に支持することができる。これにより、第2カバー部材131eは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面または第2電極部131cを保護することができる。
【0314】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材のうちの1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、互いに同一または異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate;PET)フィルムであり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0315】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1接着層131fを媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、一定の間隔(SD1)を有するように、第1カバー部材131dに一体化(または配置)されるか、またはタイリングされ得る。
【0316】
本明細書の一実施例に係る第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2接着層131gを媒介とするフィルムラミネート工程により、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に直接に配置され得る。したがって、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、一定の間隔(SD1)を有するように、第2カバー部材131eに一体化(または配置)されるか、またはタイリングされ得る。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eにより、振動素子131は、1つのフィルムで実現され得る。
【0317】
第1接着層131fは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間に配置され、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に配置され得る。例えば、第1接着層131fは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面と向き合う第1カバー部材131dの背面(または内部面)に形成されて、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間に充填され、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面と第1カバー部材131dとの間に配置され得る。
【0318】
第2接着層131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間に配置され、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第2接着層131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面と向き合う第2カバー部材131eの前面(または内部面)に形成されて、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間に充填され、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面と第2カバー部材131eとの間に配置され得る。
【0319】
第1および第2接着層131f、131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間で相互に連結されるか、または結合され得る。これにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、第1および第2接着層131f、131gによって取り囲まれ得る。例えば、第1および第2接着層131f、131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれを完全に取り囲むように、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。例えば、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、第1接着層131fと第2接着層131gとの間に埋め込まれるか、または内蔵され得る。
【0320】
本明細書の一実施例に係る第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、接着性を有しながら、圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acrylic)樹脂、シリコーン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、透明、半透明、または不透明になるように構成され得る。
【0321】
本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、第1電源供給ライン(PL1)、第2電源ライン(PL2)、およびパッド部131pをさらに含むことができる。
【0322】
第1電源供給ライン(PL1)は、第1カバー部材131dに配置され得る。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面と向き合う第1カバー部材131dの背面に配置され得る。第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと直接に配置され得る。本明細書の一実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、異方性導電フィルムを媒介として、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。本明細書の他の実施例として、第1電源供給ライン(PL1)は、第1接着層131fに含有された導電性物質(または粒子)を介して第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。
【0323】
本明細書の一実施例に係る第1電源供給ライン(PL1)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2上部電源ライン(PL11、PL12)を含むことができる。例えば、第1上部電源ライン(PL11)は、第1振動発生部131-1の第1電極部131bと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。第2上部電源ライン(PL12)は、第2振動発生部131-2の第1電極部131bと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。
【0324】
第2電源供給ライン(PL2)は、第2カバー部材131eに配置され得る。例えば第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面と向き合う第2カバー部材131eの前面に配置され得る。第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。例えば、第2電源供給ライン(PL2)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと直接に配置され得る。本明細書の一実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、異方性導電フィルムを媒介として、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。本明細書の他の実施例として、第2電源供給ライン(PL2)は、第2接着層131gに含有された導電性物質(または粒子)を介して第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る
【0325】
本明細書の一実施例に係る第2電源供給ライン(PL2)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2下部電源ライン(PL21、PL22)を含むことができる。例えば、第1下部電源ライン(PL21)は、第1振動発生部131-1の第2電極部131cと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第1下部電源ライン(PL21)は、第1上部電源ライン(PL11)と重畳され得る。例えば、第1下部電源供給ライン(PL21)は、第1上部電源供給ライン(PL11)と重畳されないことがあり得る。第1下部電源供給ライン(PL21)が第1上部電源供給ライン(PL11)と重畳ならないように配置された場合、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)との間のショートが防止され得る。第2下部電源ライン(PL22)は、第2振動発生部131-2の第2電極部131cと連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第2下部電源ライン(PL22)は、第2上部電源ライン(PL12)と重畳され得る。例えば、第2下部電源供給ライン(PL22)は、第2上部電源供給ライン(PL12)と重畳されないことがあり得る。第2下部電源供給ライン(PL22)が第2上部電源供給ライン(PL12)と重畳ならないように配置された場合、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)との間のショートが防止され得る。
【0326】
パッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)に電気的に連結されるように構成され得る。パッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に構成され得る。
【0327】
本明細書の一実施例に係るパッド部131pは、第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結された第1パッド電極、および第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結された第2パッド電極を含むことができる。
【0328】
第1パッド電極は、第1電源供給ライン(PL1)の第1および第2上部電源ライン(PL11、PL12)のそれぞれの一端に共通して連結され得る。例えば、第1および第2上部電源ライン(PL11、PL12)のそれぞれの一端は、第1パッド電極から分岐され得る。第2パッド電極は、第2電源供給ライン(PL2)の第1および第2下部電源ライン(PL21、PL22)のそれぞれの一端に共通して連結され得る。例えば、第1および第2下部電源ライン(PL21、PL22)のそれぞれの一端は、第2パッド電極から分岐され得る。
【0329】
本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、信号ケーブル132をさらに含むことができる。
【0330】
信号ケーブル132は、振動素子131に配置されたパッド部131pと電気的に連結され、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号またはボイス信号)を振動素子131に供給することができる。本明細書の一実施例に係る信号ケーブル132は、パッド部131pの第1パッド電極と電気的に連結された第1端子、およびパッド部131pの第2パッド電極と電気的に連結された第2端子を含むことができる。例えば、信号ケーブル132は、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路ボード、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路ボードで構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0331】
音響処理回路は、音響データに基づいて、第1振動駆動信号および第2振動駆動信号を含む交流形の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のうちのいずれかであり得る。例えば、第1振動駆動信号は、信号ケーブル132の第1端子とパッド部131pの第1パッド電極および第1電源供給ライン(PL1)を介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131b に供給され得る。第2振動駆動信号は、信号ケーブル132の第2端子とパッド部131pの第2パッド電極および第2電源供給ライン(PL2)を介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131c に供給され得る。
【0332】
このような、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、
図17~
図19を参照して説明した振動素子131と同様に、薄いフィルム形状で実現され得、これにより、振動部材または振動対象物の形状に対応される形状に曲げられ得、様々な曲面部を含む振動部材を容易に振動させることができ、振動部材の振動によって発生される低音域帯での音響特性および/または音圧特性が向上され得る。また、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、独立して駆動せずに、1つの単一の振動体として実現されるように一定の間隔(SD1)で配列(またはタイリング)された第1および第2振動発生部131-1、131-2を含むことにより、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動による大面積振動体として駆動され得る。
【0333】
図23は、本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
図23は、
図21および
図22に示した振動素子に4つの振動発生部を構成したものである。したがって、以下では、4つの振動発生部とそれに関連された構成を除いて、残りの同じ構成についての同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
図23に示した線E-E’の断面は、
図22に示す。
【0334】
図23を
図22と結び付けると、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を含むことができる。
【0335】
複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、第1方向(X)および第2方向(Y)それぞれに沿って、互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。例えば、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれが、同一平面上にi×jの形態で配置されるか、またはタイリングされることにより、振動素子131は、相対的に小さい大きさを有する複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のタイリングにより、大面積化され得る。例えば、iは、第1方向(X)に沿って配置された振動発生部の数で、2以上の自然数であり、jは、第2方向(Y)に沿って配置された振動発生部の数で、iと同じか、または異なる2以上の自然数であり得る。例えば、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、2×2の形態で配置されるか、またはタイリングすることができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。以下の説明では、振動素子131が、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を含むものと仮定して説明する。
【0336】
本明細書の一実施例によると、第1および第2振動発生部131-1、131-2は、第1方向(X)に沿って互いに離隔され得る。第3および第4振動発生部131-3、131-4は、第1方向(X)に沿って互いに離隔しながら第2方向(Y)に沿って、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれから離隔され得る。第1および第3振動発生部131-1、131-3は、互いに向かい合って第2方向(Y)に沿って互いに離隔され得る。第2および第4振動発生部131-2、131-4は、互いに向かい合って第2方向(Y)に沿って互いに離隔され得る。
【0337】
第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4は、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を連結するか、または共通して支持することにより、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を1つの振動装置(または単一の振動装置)として駆動させる役割をすることができる。例えば、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4は、カバー部材131d、131eに一定の間隔でタイリングすることによって、1つの振動装置(または単一の振動装置)として駆動され得る。
【0338】
本明細書の一実施例によると、
図21と
図22を参照して説明したように、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4は、完全な単一体振動または大面積の振動のために、第1方向(X)および第2方向(Y)のそれぞれに沿って0.1mm以上3cm未満の間隔で配置(またはタイリング)され得、より望ましくは0.1mm以上5mm未満の間隔で配置(またはタイリング)され得る。
【0339】
第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを含むことができる。
【0340】
第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの圧電振動部131aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの圧電振動部131aは、
図19、および
図20A~
図20Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかと実質的に同様に構成されるので、これについて同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0341】
本明細書の一実施例によると、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、
図19、および
図20A~
図20Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちのいずれかの圧電振動部131aを含むか、または互いに異なる圧電振動部131aを含むことができる。
【0342】
本明細書の他の実施例に係ると、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうちの1つ以上は、
図19、および
図20A~
図20Dを参照して説明した圧電振動部131aのうちの異なる圧電振動部131aを含むことができる。
【0343】
第1電極部131bは、該当する圧電振動部131aの第1面に配置され、圧電振動部131aの第1面と電気的に連結され得る。第1電極部131bは、
図30を参照して説明した第1電極部131bと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、重複する説明は省略することができる。
【0344】
第2電極部131cは、該当する圧電振動部131aの第2面に配置され、圧電振動部131aの第2面と電気的に連結され得る。第2電極部131cは、
図30を参照して説明した第2電極部131cと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、重複する説明は省略することができる。
【0345】
本明細書の一実施例によると、第1および第2接着層131f、131gは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4の間で互いに連結されるか、または結合され得る。これにより、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、第1および第2接着層131f、131gによって取り囲まれ得る。例えば、第1および第2接着層131f、131gは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれを完全に取り囲むように、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。例えば、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、第1接着層131fと第2接着層131gとの間に埋め込まれるか、または内蔵され得る。
【0346】
本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、第1電源供給ラインPL1、第2電源供給ラインPL2、およびパッド部131pをさらに含むことができる。
【0347】
第1電源供給ラインPL1および第2電源供給ラインPL2のそれぞれは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4との電気的な連結構造を除いては、
図33および
図34を参照して説明した第1電源供給ラインPL1および第2電源供給ラインPL2のそれぞれと実質的に同じであるため、以下の説明では、第1電源供給ラインPL1と第2電源供給ラインPL2のそれぞれと第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4との電気的な連結構造についてのみ簡単に説明することができる。
【0348】
本明細書の一実施例に係る第1電源供給ラインPL1は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2上部電源供給ラインPL11、PL12を含むことができる。例えば、第1上部電源供給ラインPL11は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第1列に配置された第1および第3振動発生部131-1、131-3(または第1グループ、または第1振動発生グループ)のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。第2上部電源供給ラインPL12は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第2列に配置された第2および第4振動発生部131-2、131-4(または第2グループ、または第2振動発生グループ)のそれぞれの第1電極部131bと電気的に連結され得る。
【0349】
本明細書の一実施例に係る第2電源供給ラインPL2は、第2方向(Y)に沿って配置された第1および第2下部電源供給ラインPL21、PL22を含むことができる。例えば、第1下部電源供給ラインPL21は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第1列に配置された第1および第3振動発生部131-1、131-3(または第1グループ、または第1振動発生グループ)のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。第2下部電源供給ラインPL22は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のうち、第2方向(Y)と平行な第2列に配置された第2および第4振動発生部131-2、131-4(または第2グループ、または第2振動発生グループ)のそれぞれの第2電極部131cと電気的に連結され得る。
【0350】
パッド部131pは、第1電源供給ラインPL1および第2電源供給ラインPL2のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれかの一側の縁部分に構成され得る。パッド部131pは、
図21および
図22を参照して説明したパッド部131pと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、重複する説明は省略することができる。
【0351】
このような、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、
図17~
図22を参照して説明した振動素子131と同様の効果を有するので、これに対する重複する説明は省略する。
【0352】
【0353】
図24および
図25を参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動装置230は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカー、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0354】
振動装置230は、振動部材の第1~第n領域(A1~A5)のそれぞれに対応される1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5を含むことができる。
【0355】
1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5は、
図21~
図23を参照して説明したような理由で、1つの振動装置で駆動され得るように、0.1mm以上3cm未満の間隔または0.1mm以上5mm未満の間隔を有するように配置されるか、またはタイリングすることができる。
【0356】
1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれは、圧電振動部231a、第1電極部231b、および第2電極部231cを有する振動発生部を含むことができる。
【0357】
1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの圧電振動部231aは、複数の第1部分231a1および複数の第1部分231a1の間の第2部分231a2を含むことができる。例えば、1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの圧電振動部231aは、複数の第1部分231a1および複数の第1部分231a1のそれぞれの側面を取り囲む第2部分231a2を含むことができる。
【0358】
1つ以上の第1振動素子231-1において、複数の第1部分231a1は、互いに同じ大きさ(または直径)を有するように構成され、同じ超音波を出力するのに適した円板形状に構成され得る。第2部分231a2は、円板形状を有する複数の第1部分231a1のそれぞれの側面を取り囲むように構成され得る。例えば、1つ以上の第1振動素子231-1の圧電振動部231aは、第2方向(Y)に沿って一列に配置されることを除いては、
図20Bに示した圧電振動部131aと実質的に同じように構成され得る。
【0359】
1つ以上の第2振動素子231-2において、複数の第1部分231a1は、第1方向(X)に沿って異なる幅を有し、第2方向(Y)に沿って互いに同じ長さを有しながら、第1方向(X)に沿って一定の間隔で配列され得る。例えば、複数の第1部分231a1のそれぞれの幅は、第1方向(X)に沿って、振動部材の中間領域に行くほど増加することができる。第2部分231a2は、ライン形状の複数の第1部分231a1のそれぞれの側面を取り囲むように構成され得る。例えば、1つ以上の第2振動素子231-2の圧電振動部231aは、第1方向(X)に沿って互いに異なる幅を有することを除いては、
図19に示した圧電振動部131aと実質的に同じように構成され得る。
【0360】
1つ以上の第3振動素子231-3において、複数の第1部分231a1は、第1方向(X)に沿って異なる幅を有し、第2方向(Y)に沿って互いに同じ長さを有しながら、第1方向(X)に沿って一定の間隔で配列され得る。例えば、複数の第1部分231a1のそれぞれの幅は、第1方向(X)に沿って、振動部材の中間領域に行くほど増加することができる。例えば、複数の第1部分231a1のそれぞれの幅は、第2方向(Y)と平行な振動部材の中間ラインを基準に、左右対称構造を有することができる。第2部分231a2は、ライン形状の複数の第1部分231a1のそれぞれの側面を取り囲むように構成され得る。例えば、1つ以上の第3振動素子231-3の圧電振動部231aは、第1方向(X)に沿って互いに異なる幅を有することを除いては、
図19に示した圧電振動部131aと実質的に同じように構成され得る。
【0361】
1つ以上の第4振動素子231-4において、複数の第1部分231a1は、第1方向(X)に沿って異なる幅を有し、第2方向(Y)に沿って互いに同じ長さを有しながら、第1方向(X)に沿って一定の間隔で配列され得る。例えば、複数の第1部分231a1のそれぞれの幅は、第1方向(X)に沿って振動部材の中間領域に行くほど増加することができる。第2部分231a2は、ライン形状の複数の第1部分231a1のそれぞれの側面を取り囲むように構成され得る。例えば、1つ以上の第4振動素子231-4の圧電振動部231aは、振動部材の中間ラインを基準に、1つ以上の第2振動素子231-2の圧電振動部231aと、左右対称構造を有することができる。例えば、1つ以上の第4振動素子231-4の圧電振動部231aは、第1方向(X)に沿って互いに異なる幅を有することを除いては、
図19に示した圧電振動部131aと実質的に同じように構成され得る。
【0362】
1つ以上の第5振動素子231-5において、複数の第1部分231a1は、互いに異なる大きさ(または直径)を有するように構成され、互いに異なる超音波を出力するのに適した円板形状に構成され得る。第2部分231a2は、円板形状を有する複数の第1部分231a1のそれぞれの側面を取り囲むように構成され得る。例えば、1つ以上の第5振動素子231-5の圧電振動部231aは。互いに異なる大きさを有すること除いては、1つ以上の第1振動素子231-1の圧電振動部231aと実質的に同じように構成され得る。
【0363】
1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの圧電振動部231aにおいて、複数の第1部分231a1は、
図17~
図19を参照して説明した第1部分131a1と実質的に同一の圧電物質からなるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0364】
1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの圧電振動部231aにおいて、第2部分231a2は、1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの圧電振動部231aに構成された複数の第1部分231a1間のギャップを埋めるように構成され、
図20A~
図20Dに示した第2部分131a2と同様に全体的に連結された構造を有することができる。第2部分231a2は、
図17~
図19を参照して説明した第2部分231a2と実質的に同一の有機物質からなるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0365】
第1電極部231bは、1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれに配置された圧電振動部231aの第1面に配置され、圧電振動部231aに配置された複数の第1部分231a1のそれぞれに個別に連結され得る。これは、第1電極部231bが該当する圧電振動部131aに配置された複数の第1部分231a1のそれぞれに個別に連結することを除いては、
図18を参照して説明した第1電極部131bと実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0366】
第2電極部231cは、1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5にそれぞれ配置された圧電振動部231aの第2面に配置され、圧電振動部231aに配置された複数の第1部分231a1に共通に連結され得る。これは、第2電極部231cが該当する圧電振動部231aに配置された複数の第1部分231a1に共通に連結されることを除いては、
図18を参照して説明した第2電極部131cと実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0367】
本明細書の他の実施例による振動装置230は、第1接着層131fを介して1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの第1面に配置された第1カバー部材131d、および第2接着層131gを介して1以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれの第2面に配置された第2カバー部材131eをさらに含むことができる。第1カバー部材131d、第2カバー部材131e、第1接着層131f、および第2接着層131gのそれぞれは、
図21~
図23を参照して説明した第1カバー部材131d、第2カバー部材131e、第1接着層131f、および第2接着層131gのそれぞれと実質的に同一であるので、これに対しては同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0368】
本明細書の他の実施例に係る振動装置230は、第1カバー部材131dに配置された複数の第1電源供給ライン(PL1)、第2カバー部材131eに配置された1つの第2電源供給ライン(PL2)、および複数の第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)に電気的に連結されたパッド部131pをさらに含むことができる。
【0369】
複数の第1電源供給ライン(PL1)のそれぞれは、1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれに構成された複数の第1電極部231bのそれぞれと個別に連結されることを除いては、
図21~
図23を参照して説明した第1電源供給ライン(PL1)と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0370】
1つの第2電源供給ライン(PL2)は、1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれに共通に構成された第2電極部231cと連結されることを除いては、
図21~
図23を参照して説明した第2電源供給ライン(PL2)と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0371】
パッド部131pは、複数の第1電源供給ライン(PL1)および第2電源供給ライン(PL2)のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結されるように、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのうちのいずれか1つの一側の縁部分に構成され得る。
【0372】
本明細書の一実施例によるパッド部131pは、複数の第1電源供給ライン(PL1)のそれぞれの一端と電気的に連結された複数の第1パッド電極、および第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結された第2パッド電極を含むことができる。このようなパッド部131pは、複数の第1パッド電極を有することを除いては、
図21~
図23を参照して説明したパッド部131pと実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0373】
本明細書の他の実施例による振動装置230は、信号ケーブル132をさらに含むことができる。
【0374】
信号ケーブル132は、パッド部131pと電気的に連結され、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号、またはボイス信号)を1つ以上の第1~第n振動素子231-1~231-5のそれぞれに供給することができる。一実施例による信号ケーブル132は、パッド部131pの複数の第1パッド電極と電気的に連結された複数の第1端子、およびパッド部131pの第2パッド電極と電気的に連結された第2端子を含むことができる。このような信号ケーブル132は、複数の第1端子を有することを除いては、
図21~
図23を参照して説明した信号ケーブル132と実質的に同一であるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0375】
このような、本明細書の他の実施例による振動装置230は、
図17~
図19を参照して説明した振動素子131を含む振動装置と同様の効果を有することができる。
【0376】
図26は、本明細書の他の実施例による振動素子を示す図である。
図26は、
図17~
図20Dに示した振動素子の信号ケーブルを変更したものである。したがって、以下では、信号ケーブルとそれに関連される構成を除いて、残りの同じ構成についての同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
図26に示した線D-D’の断面は、
図18に示す。
【0377】
図26を
図18と結び付けると、本明細書の他の実施例による振動素子131において、信号ケーブル132は、音響処理回路137を含むことができる。
【0378】
音響処理回路(または信号生成回路、またはサウンド生成回路)137は、信号ケーブル132に実装され得る。例えば、音響処理回路137は、振動素子131のパッド部131pに隣接する信号ケーブル132の縁部分に実装され得る。音響処理回路137は、信号ケーブル132に一体化(または実装)されることにより、音響処理回路137と信号ケーブル132は、一つの部品として実現され得る。
【0379】
信号ケーブル132は、両面フレキシブルプリント回路で構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されず、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路基板、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路基板で構成され得る。
【0380】
本明細書の一実施例による信号ケーブル132は、ベースフィルム上にある配線層、接着剤を介して配線層の第1面に結合された下部フィルム、接着剤を介して配線層の第2面に結合された上部フィルム、および上部フィルムに配置され、配線層に連結された複数のコンタクトパッドと第1および第2端子を含むことができる。
【0381】
配線層は、ベースフィルムの前面と下面のうちの1以上に形成された複数の信号ラインと、第1駆動信号供給ラインおよび第2駆動信号供給ラインなどを含むことができる。例えば、複数の信号ラインと第1駆動信号供給ラインおよび第2駆動信号供給ラインなどは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、または銅(Cu)と銀(Ag)の合金物質を含む導電性材料であり得、本明細書の実施例は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0382】
複数のコンタクトパッドのそれぞれは、下部フィルムと上部フィルムのうちのいずれか1つに配置され、ビアホールを介して複数の信号ラインと第1駆動信号供給ラインおよび第2駆動信号供給ラインなどに選択的に連結され得る。
【0383】
第1および第2端子のそれぞれは、振動素子131に構成されたパッド部131pの第1および第2パッド電極のそれぞれに電気的に接続され得る。
【0384】
音響処理回路137は、信号ケーブル132に実装され、複数のコンタクトパッドと電気的に連結され得る。音響処理回路137は、複数のコンタクトパッドのうちの一部を介して、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データ(またはデジタル音響データ)、クロック、イネーブル信号、各種駆動電圧などを受信することができる。音響処理回路137は、音響データに基づいて、第1および第2振動駆動信号を生成し、生成された第1および第2振動駆動信号のそれぞれを該当するコンタクトパッドおよび該当する駆動信号供給ラインのそれぞれを介して、第1および第2端子のそれぞれに出力することができる。したがって、振動素子131は、信号ケーブル132に実装された音響処理回路137から信号ケーブル132の信号ライン、第1および第2端子、パッド部131p、第1および第2電源供給ライン(PL1、PL2)のそれぞれを介して供給される第1および第2振動駆動信号によって振動することができる。
【0385】
本明細書の一実施例に係る音響処理回路137は、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データを受信するデコーディング部、デコーディング部から供給される音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成して出力するオーディオアンプ回路、オーディオアンプ回路の設定値を貯蔵するメモリ回路、デコーディング部とオーディオアンプ回路およびメモリ回路それぞれの動作を制御する制御回路、および抵抗などの受動素子などを含むことができる。
【0386】
オーディオアンプ回路は、音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成するプリアンプ回路、およびプリアンプ回路から供給される第1および第2振動駆動信号のそれぞれの電圧および/または電流を振動素子131の駆動に適したレベルに変換するパワーアンプ回路を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0387】
デコーディング部、オーディオアンプ回路、メモリ回路、および制御回路のそれぞれは、集積回路の形態で実現され、信号ケーブル132に実装され得る。例えば、デコーディング部、オーディオアンプ回路、メモリ回路、および制御回路は、1つの集積回路(IC)または1つの半導体チップで実現され得る。
【0388】
このような、本明細書の他の実施例による振動素子131は、信号ケーブル132に実装された音響処理回路137を含むことにより、振動素子131、音響処理回路137、信号ケーブル132および音響データ生成回路部の間の連結構造が簡略化されるか、または単純化され得、音響処理回路137が振動素子131に隣接して配置されるので、音響処理回路137と振動素子131間の距離による信号ケーブル132の長さによって発生される電磁干渉(EMI)などを防止するためのインダクタとキャパシタを含むフィルタ回路が省略され得る。
【0389】
付加的に、本明細書の他の実施例による振動素子131において、音響処理回路137が実装されるか、または一体化された信号ケーブル132は、
図17~
図13のうちの1つ以上を参照して説明した振動素子131または
図24および
図25に示した振動装置230の信号ケーブル132にも同様に適用され得る。例えば、
図17~
図25のうちの1つ以上を参照して説明した信号ケーブル132は、音響処理回路137を含んで構成され得、これに対する重複する説明は省略する。
【0390】
【0391】
図27~
図29を参照すると、本明細書の他の実施例による振動素子131は、振動発生部および信号ケーブル132を含むことができる。
【0392】
振動発生部は、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを含むことができ、このような振動発生部は、
図17~
図20Dを参照して説明した振動素子131の振動発生部と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明を省略することができる。
【0393】
信号ケーブル132は、振動素子131の一側で第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結されることにより、振動発生部に一体化され得る。例えば、信号ケーブル132は、第1および第2電極部131b、131cと電気的に直接に連結され得る。例えば、信号ケーブル132は、
図17~
図20Dを参照して説明した電源供給ラインとパッド部を経由せずに、第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。
【0394】
本明細書の一実施例による信号ケーブル132は、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を含むことができる。例えば、第1突出ライン(FLa)は、第1電極部131bの少なくとも一部と重畳され、第1電極部131bと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。第2突出ライン(FLb)は、第2電極部131cの少なくとも一部と重畳され、第2電極部131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、該当する電極部131b、131cの方に曲げられ得るが、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。例えば、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、突出電極、延長ライン、延長電極、フレキシブル突出電極、フレキシブル連結ライン、フレキシブル導電性ライン、フィンガーライン、またはフィンガー電極などの用語で表され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0395】
本明細書の一実施例による信号ケーブル132は、胴体部、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)、および音響処理回路137を含むことができる。
【0396】
胴体部は、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路基板、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路基板から構成され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0397】
本明細書の一実施例に係る胴体部は、ベースフィルム上にある配線層132a、第1接着剤132cを介して配線層132aの第1面に結合された下部フィルム132b、第2接着剤132eを介して配線層132aの第2面に結合された上部フィルム132d、および上部フィルム132dに配置され、配線層132aに連結された複数のコンタクトパッドを含むことができる。
【0398】
配線層132aは、ベースフィルムの前面と下面のうちの1つ以上に形成された複数の信号ラインと、第1駆動信号供給ラインおよび第2駆動信号供給ラインなどを含むことができる。例えば、複数の信号ラインと第1駆動信号供給ラインおよび第2駆動信号供給ラインなどは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、または銅(Cu)と銀(Ag)の合金物質を含む導電性材料であり得、本明細書の実施例は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0399】
複数のコンタクトパッドのそれぞれは、下部フィルムと上部フィルムのうちのいずれか1つに配置され、ビアホールを介して複数の信号ラインと第1駆動信号供給ラインおよび第2駆動信号供給ラインなどに選択的に連結され得る。
【0400】
第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、配線層132aに配置された第1および第2駆動信号供給ラインのそれぞれと電気的に連結されるか、または第1および第2駆動信号供給ラインのそれぞれから胴体部の一側面132sを通って外部に延長されるか、または突出され得る。第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、胴体部の一側面132sから一定の長さを有するように突出され得る。例えば、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、第1および第2電極部131b、131cのそれぞれの少なくとも一部と重畳される長さを有するように、胴体部の一側面132sから第2方向(Y)に沿って延長されるか、または突出され得る。
【0401】
第1突出ライン(FLa)は、胴体部の一側面132s(または振動素子131の一側)から第1電極部131b上に曲がり、第1電極部131bの少なくとも一部と電気的に連結され得る。例えば、第1突出ライン(FLa)は、第1電極部131bの少なくとも一部と電気的に直接に連結されるか、または電気的に直接に接触され得る。例えば、第1突出ライン(FLa)は、導電ボールまたは導電性両面テープなどのような導電部材を介して、第1電極部131bと電気的に連結され得る。
【0402】
第2突出ライン(FLb)は、胴体部の一側面132s(または振動素子131の一側)から第2電極部131c上に曲がり、第2電極部131cの少なくとも一部と電気的に連結され得る。例えば、第2突出ライン(FLb)は、第2電極部131cの少なくとも一部と電気的に直接に連結されるか、または電気的に直接に接触され得る。例えば、第2突出ライン(FLb)は、導電ボールまたは導電性両面テープなどの導電部材を介して、第2電極部131cと電気的に連結され得る。
【0403】
音響処理回路137は、信号ケーブル132に実装されて複数のコンタクトパッドと電気的に連結され得る。音響処理回路137は、複数のコンタクトパッドのうちの一部を介して、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データ(またはデジタル音響データ)、クロック、イネーブル信号、および各種駆動電圧などを受信することができる。音響処理回路137は、音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成し、生成された第1および第2振動駆動信号のそれぞれを、該当するコンタクトパッドと該当する駆動信号供給ラインのそれぞれを介して、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれに出力することができる。したがって、振動素子131は、信号ケーブル132に実装された音響処理回路137から信号ケーブル132の信号ライン、第1および第2駆動信号供給ライン、および第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれを介して供給される第1および第2振動駆動信号によって振動することができる。
【0404】
本明細書の一実施例による音響処理回路137は、デコーディング部、オーディオアンプ回路、メモリ回路、制御回路、および抵抗などの受動素子等を含むことができ、これは
図26を参照して説明した音響処理回路137と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0405】
本明細書の一実施例による信号ケーブル132は、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれを介して、第1および第2電極部131b、131cのそれぞれに振動駆動信号を直接に供給することができ、これを介して第1および第2電極部131b、131cのそれぞれの面抵抗の特性による電圧降下を減少させることができ、第1および第2電極部131b、131cのそれぞれの電気的な特性を補完することができ、第1および第2電極部131b、131cに用いられる導電性物質の選択自由度を高めることができる。
【0406】
本明細書の他の実施例による振動素子131は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。
【0407】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置される。例えば、第1カバー部材131dは、第1電極部131bと信号ケーブル132の第1突出ライン(FLa)を覆うように構成され得る。したがって、第1カバー部材131dは、第1電極部131bと信号ケーブル132の第1突出ライン(FLa)を保護することができ、信号ケーブル132の第1突出ライン(FLa)を第1電極部131bに電気的に連結させ、または信号ケーブル132の第1突出ライン(FLa)と第1電極部131bの間の電気的な連結状態を維持させることができる。
【0408】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2電極部131cと信号ケーブル132の第2突出ライン(FLb)を覆うように構成され得る。したがって、第2カバー部材131eは、第2電極部131cと信号ケーブル132の第2突出ライン(FLb)を保護することができ、信号ケーブル132の第2突出ライン(FLb)を第2電極部131cに電気的に連結させ、または信号ケーブル132の第2突出ライン(FLb)と第2電極部131cの間の電気的な連結状態を維持させることができる。
【0409】
本明細書の一実施例による第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材のうちの1つ以上の材質を含むことができ、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。例えば、第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれは、同じかまたは異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、ポリイミド(polyimide;PI)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)フィルムであり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0410】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1電極部131bと信号ケーブル132の第1突出ライン(FLa)に連結されるか、または結合され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1接着層131fを媒介とするフィルムラミネート工程により、第1電極部131bと信号ケーブル132の第1突出ライン(FLa)に連結されるか、または結合され得る。したがって、信号ケーブル132の第1突出ライン(または第1フィンガーライン)(FLa)は、第1電極部131bと第1カバー部材131dとの間に配置され、振動素子131と一体化され得る。
【0411】
本明細書の一実施例に係る第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して第2電極部131cと信号ケーブル132の第2突出ライン(FLb)に連結されるか、または結合され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2接着層131gを媒介とするフィルムラミネート工程により、第2電極部131cと信号ケーブル132の第2突出ライン(FLb)に連結されるか、または結合され得る。したがって、信号ケーブル132の第2突出ライン(または第2フィンガーライン)(FLb)は、第2電極部131cと第2カバー部材131eとの間に配置され、振動素子131と一体化され得る。
【0412】
本明細書の一実施例による第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれは、信号ケーブル132から振動駆動信号を受信するためのパッド部と電源供給ラインを含まないか、または必要としないため、圧電振動部131aと電極部131b、131cなどを保護するための保護フィルムまたは絶縁フィルムであり得る。例えば、第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれは、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate;PET)フィルムであり得るが、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0413】
本明細書の他の実施例による第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれは、接着層131f、131gによって、電極部131b、131cから電気的に絶縁されるため、第1および第2カバー部材131d、131eのうちの1つ以上は、金属材質からなる金属フィルムまたは金属プレートを含むこともできる。金属材質の第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれは、振動素子131または圧電振動部131aの質量(mass)を補強し、質量増加による振動素子131または圧電振動部131aの共振周波数を減少させることにより、振動素子131または圧電振動部131aの振動によって発生される低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させることができる。例えば、金属材質の第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれは、ステンレス鋼(stainless steel)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)合金、マグネシウムリチウム(Mg-Li)合金、およびアルミニウム(Al)合金のうちのいずれか1つ以上の材質で構成され得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0414】
本明細書の一実施例によると、第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、接着性を有しながら、圧縮および復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1および第2接着層131f、131gのそれぞれは、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acrylic)樹脂、シリコーン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができ、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0415】
選択的に、信号ケーブル132の少なくとも一部は、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に配置されるか、または挿入され得る。例えば、信号ケーブル132の胴体部の一側面132s(または胴体部の一側の縁部分)および第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eとの間に配置されるか、または挿入され得る。例えば、信号ケーブル132の胴体部の一側面132sと第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれが、振動素子131の内部に収納されるか、または挿入され得る。したがって、信号ケーブル132および第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれの少なくとも一部は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのそれぞれの外部に露出せず、これによって信号ケーブル132の動きや曲げなどのストレスによる第1および第2突出ライン(FLa、FLb)の断線が防止され得る。
【0416】
このような、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、電極部131b、131cと信号ケーブル132との一体化構造によって、カバー部材131d、131eに電源供給ラインとパッド部を形成するパターニング工程と、パッド部と信号ケーブル132との間のはんだ付け工程が必要ないので、構造と製造工程が簡素化され得る。また、本明細書の他の実施例による振動素子131は、信号ケーブル132から突出された突出ライン(FLa、FLb)を介して、電極部131b、131cに振動駆動信号が直接に供給されることにより、第1および第2電極部131b、131cのそれぞれの電気的な特性が補完され得る。そして、本明細書の他の実施例による振動素子131は、信号ケーブル132に実装された音響処理回路137を含むことで、振動素子131、音響処理回路137、信号ケーブル132および音響データ生成回路部の間の連結構造が簡略化されるか、または単純化され得、音響処理回路137が振動素子131に隣接して配置されることで、音響処理回路137と振動素子131の間の距離による信号ケーブル132の長さによって発生される電磁干渉(EMI)などを防止するためのインダクタとコンデンサを含むフィルタ回路が省略され得る。
【0417】
付加的に、本明細書の他の実施例による振動素子131において、突出ライン(FLa、FLb)を含む信号ケーブル132は、
図24および
図25に示した振動装置230の信号ケーブル132にも同様に適用され得るので、これに対する重複する説明は省略する。
【0418】
図30は、本明細書の他の実施例による振動素子を示す図である。
図31は、
図30に示した線I-I’の断面図である。
図30に示した線G-G’の断面は、
図28に示す。
図30および
図31は、
図1~
図13のうちの1つ以上に示した振動素子の他の実施例を示す図である。
図30および
図31は、
図23に示した電極部と信号ケーブルの連結構造を変更したものである。したがって、以下の説明では、電極部と信号ケーブルとそれに関連される構成を除いて、残りの同じ構成についての同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
【0419】
図30および
図31を参照すると、本明細書の他の実施例による振動素子131は、第1および第2振動発生部131-1、131-2、第1信号ケーブル132-1、および第2信号ケーブル132-2を含むことができる。
【0420】
第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、第1方向(X)に沿って、互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを含むことができる。このような第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれは、
図21および
図22を参照して説明した振動素子131の第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0421】
第1信号ケーブル132-1は、振動素子131の一側で第1振動発生部131-1の第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結されることにより、第1振動発生部131-1に一体化され得る。例えば、第1信号ケーブル132-1は、
図21および
図22を参照して説明した電源供給ラインとパッド部を経由せず、第1振動発生部131-1の第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結され得る。
【0422】
第2信号ケーブル132-2は、振動素子131の一側で第2振動発生部131-2の第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結されることにより、第2振動発生部131-2に一体化され得る。例えば、第2信号ケーブル132-2は、
図21および
図22を参照して説明した電源供給ラインとパッド部を経由せず、第2振動発生部131-2の第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結され得る。
【0423】
本明細書の一実施例による第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれは、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を含むことができる。例えば、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、突出電極、延長ライン、延長電極、フレキシブル突出電極、フレキシブル連結ライン、フレキシブル導電性ライン、フィンガーライン、またはフィンガー電極などの用語で表され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0424】
第1信号ケーブル132-1の第1突出ライン(FLa)(または第1上部突出ライン(FLa1))は、第1振動発生部131-1の第1電極部131bの少なくとも一部と重畳され、第1電極部131bと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。第1信号ケーブル132-1の第2突出ライン(FLb)(または第1下部突出ライン(FLb1))は、第1振動発生部131-1の第2電極部131cの少なくとも一部と重畳され、第2電極部131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第1信号ケーブル132-1の第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、第1振動発生部131-1の該当する電極部131b、131cの方に曲げることができる。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0425】
第2信号ケーブル132-2の第1突出ライン(FLa)(または第2上部突出ライン(FLa2))は、第2振動発生部131-2の第1電極部131bの少なくとも一部と重畳され、第1電極部131bと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。第2信号ケーブル132-2の第2突出ライン(FLb)(または第2下部突出ライン(FLb2))は、第2振動発生部131-2の第2電極部131cの少なくとも一部と重畳され、第2電極部131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第2信号ケーブル132-2の第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、第2振動発生部131-2の該当する電極部131b、131cの方に曲げることができる。しかし、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0426】
本明細書の一実施例による第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれは、胴体部、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)、および音響処理回路137a、137bを含むことができる。このような第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれは、
図37~
図39を参照して説明した信号ケーブル132と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略するかまたは簡略にすることができる。
【0427】
第1信号ケーブル132-1に実装または一体化された音響処理回路(または第1音響処理回路、または第1信号生成回路、または第1サウンド生成回路)137aは、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成し、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を介して、第1振動発生部131-1の第1および第2電極部131b、131cに、第1および第2振動駆動信号を供給することができる。第1信号ケーブル132-2に実装された音響処理回路137aは、デコーディング部、オーディオアンプ回路、メモリ回路、制御回路、および抵抗などの受動素子などを含むことができ、これは
図26または
図28を参照して説明した音響処理回路137と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0428】
第2信号ケーブル132-2に実装または一体化された音響処理回路(または第2音響処理回路、または第2信号生成回路、または第2サウンド生成回路)137bは、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成し、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を介して、第2振動発生部131-2の第1および第2電極部131b、131cに、第1および第2振動駆動信号を供給することができる。第2信号ケーブル132-2に実装された音響処理回路137bは、デコーディング部、オーディオアンプ回路、メモリ回路、制御回路、および抵抗などの受動素子などを含むことができ、これは
図36または
図38を参照して説明した音響処理回路137と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0429】
本明細書の他の実施例による振動素子131は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。第1および第2カバー部材131d、131eは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれと第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を覆うように構成されることを除いては、
図21および
図22、または
図27~
図29を参照して説明した第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
【0430】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bおよび第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1突出ライン(FLa)を覆うように構成され得る。
【0431】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cおよび第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第2突出ライン(FLb)を覆うように構成され得る。
【0432】
本明細書の一実施例に係る第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1突出ライン(FLa)に連結されるか、または結合され得る。したがって、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1突出ライン(または第1フィンガーライン)(FLa)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1電極部131bと第1カバー部材131dとの間に配置され、振動素子131と一体化され得る。
【0433】
本明細書の一実施例による第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部分131cと、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第2突出ライン(FLb)に連結されるか、または結合され得る。したがって、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第2突出ライン(または第2フィンガーライン)(FLb)は、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2電極部131cと第2カバー部材131eとの間に配置され、振動素子131と一体化され得る。
【0434】
第1接着層131fは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間、および第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第1面に配置され得る。第2接着層131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2の間、および第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第1および第2接着層131f、131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2のそれぞれを完全に取り囲むように、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。第1および第2接着層131f、131gは、第1および第2振動発生部131-1、131-2との間で互いに連結されるか、または結合され得る。
【0435】
選択的に、
図27~
図29を参照して説明したように、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの少なくとも一部は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eとの間に配置されるか、または挿入され得、これにより、信号ケーブル132の動きや曲げなどのストレスによる第1および第2突出ライン(FLa、FLb)の断線が防止され得る。
【0436】
このような、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、
図21および
図22を参照して説明した振動素子131と同様に、第1および第2振動発生部131-1、131-2の単一体振動による大面積振動体として駆動され得る。また、本明細書の他の実施例による振動素子131は、
図27~
図29を参照して説明した振動素子131と同様に、構造と製造工程が簡素化され得、電極部131b、131cそれぞれの電気的な特性が補完され得、振動発生部131-1、131-2、音響処理回路137a、137b、信号ケーブル132-1、132-2、および音響データ生成回路部間の連結構造が簡素化されるか、または簡略化され得、電磁干渉(EMI)などを防止するためのインダクタとコンデンサを含むフィルタ回路が省略され得る。
【0437】
選択的に、本明細書の他の実施例による振動素子131において、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2は、
図30に示す点線のように、1つの信号ケーブル132に変更されるか、または構成され得る。本明細書の一実施例による1つの信号ケーブル132は、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2が、構造変更なしに単純に1つに構成され得、それによって第1および第2信号ケーブル132-1、132-2それぞれの幅の合計よりも広い幅を有することができる。本明細書の他の実施例による1つの信号ケーブル132は、第1および第2音響処理回路137a、137bが実装される胴体部の一側の縁部分が相対的に広い幅を有し、胴体部の一側の縁部分を除いて、残りの部分は、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のうちのいずれかと同じ幅を有するように構成され得る。
【0438】
付加的に、本明細書の他の実施例による振動素子131において、突出ライン(FLa、FLb)を含む第1および第2信号ケーブル132-1、132-2は、
図24および
図25に示した振動装置230の信号ケーブル132にも同様に適用され得るので、これに対する重複する説明は省略する。
【0439】
図32は、本明細書の他の実施例に係る振動素子を示す図である。
図32は、
図30および
図31に示した振動素子に4つの振動発生部を構成したものである。したがって、以下では、4つの振動発生部とそれに関連された構成を除いて、残りの同じ構成についての同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
図32に示した線G-G’の断面は、
図28に示し、
図32に示した線I-I’の断面は、
図31に示す。
【0440】
図32を
図28および
図31と結び付けると、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4、第1信号ケーブル132-1、および第2信号ケーブル132-2を含むことができる。
【0441】
複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、第1方向(X)および第2方向(Y)それぞれに沿って、互いに離隔しながら電気的に分離配置され得る。例えば、複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、同一平面上にi×jの形態で配置されるか、またはタイリングされ得る。複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、圧電振動部131a、第1電極部131b、および第2電極部131cを含むことができる。複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれは、
図23を参照して説明した振動素子131の複数の振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、重複する説明は省略することができる。以下の説明では、振動素子131が、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4を含むものと仮定して説明する。
【0442】
第1信号ケーブル132-1は、振動素子131の一側で第1および第3振動発生部131-1、131-3のそれぞれの第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結されることにより、第1および第3振動発生部131-1、131-3に一体化され得る。例えば、第1信号ケーブル132-1は、
図23を参照して説明した電源供給ラインとパッド部を経由せず、第1および第3振動発生部131-1、131-3のそれぞれの第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結され得る。
【0443】
第2信号ケーブル132-2は、振動素子131の一側で第2および第4振動発生部131-2、131-4のそれぞれの第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結されることにより、第2および第4振動発生部131-2、131-4に一体化され得る。例えば、第2信号ケーブル132-2は、
図23を参照して説明した電源供給ラインとパッド部を経由せず、第2および第4振動発生部131-2、131-4のそれぞれの第1および第2電極部131b、131cと電気的に連結され得る。
【0444】
本明細書の一実施例による第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれは、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を含むことができる。例えば、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、突出電極、延長ライン、延長電極、フレキシブル突出電極、フレキシブル連結ライン、フレキシブル導電性ライン、フレキシブル突出電極、フレキシブル連結ライン、フレキシブル導電性ライン、フィンガーライン、またはフィンガー電極などの用語で表され得、本明細書の実施例は、これらに限定されるものではない。
【0445】
第1信号ケーブル132-1の第1突出ライン(FLa)(または第1上部突出ラインFLa1)は、第1および第3振動発生部131-1、131-3のそれぞれの第1電極部131bの少なくとも一部と重畳され、第1電極部131bと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。第1信号ケーブル132-1の第2突出ライン(FLb)(または第1下部突出ラインFLb1)は、第1および第3振動発生部131-1、131-3のそれぞれの第2電極部131cの少なくとも一部と重畳され、第2電極部131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第1信号ケーブル132-1の第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、第1および第3振動発生部131-1、131-3のそれぞれの該当する電極部131b、131cの方に曲げられ得るが、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0446】
第2信号ケーブル132-2の第1突出ライン(FLa)(または第2上部突出ライン(FLa2))は、第2および第4振動発生部131-2、131-4のそれぞれの第1電極部131bの少なくとも一部と重畳され、第1電極部131bと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。第2信号ケーブル132-2の第2突出ライン(FLb)(または第2下部突出ライン(FLb2))は、第2および第4振動発生部131-2、131-4のそれぞれの第2電極部131cの少なくとも一部と重畳され、第2電極部131cと電気的に連結されるか、または電気的に直接に連結され得る。例えば、第2信号ケーブル132-2の第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、第2および第4振動発生部131-2、131-4のそれぞれの該当する電極部131b、131cの方に曲げられ得るが、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0447】
本明細書の一実施例による第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれは、胴体部、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)、および音響処理回路137a、137bを含むことができる。第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれは、
図27~
図29を参照して説明した信号ケーブル132と実質的に同一であるので、同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
【0448】
第1信号ケーブル132-1に実装されるか、または一体化された音響処理回路(または第1音響処理回路)137aは、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成し、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を介して、第1および第3振動発生部131-1、131-3のそれぞれの第1および第2電極部131b、131cに、第1および第2振動駆動信号を供給することができる。第1信号ケーブル132-1に実装された音響処理回路137aは、デコーディング部、オーディオアンプ回路、メモリ回路、制御回路、抵抗などの受動素子などを含むことができ、これは
図26~
図28を参照して説明した音響処理回路137と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0449】
第2信号ケーブル132-2に実装されるか、または一体化された音響処理回路(または第2音響処理回路)137bは、外部の音響データ生成回路部から供給される音響データに基づいて第1および第2振動駆動信号を生成し、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を介して、第2および第4振動発生部131-2、131-4のそれぞれの第1および第2電極部131b、131cに、第1および第2振動駆動信号を供給することができる。第2信号ケーブル132-2に実装された音響処理回路137bは、デコーディング部、オーディオアンプ回路、メモリ回路、制御回路、抵抗などの受動素子などを含むことができ、これは
図26~
図28を参照して説明した音響処理回路137と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0450】
本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。第1および第2カバー部材131d、131eは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれと第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を覆うように構成されることを除いては、
図23、または
図27~
図29を参照して説明した第1および第2カバー部材131d、131eのそれぞれと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0451】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第1電極部131bと第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1突出ライン(FLa)を覆うように構成され得る。
【0452】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第2電極部131cと第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第2突出ライン(FLb)を覆うように構成され得る。
【0453】
本明細書の一実施例による第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第1電極部131bと第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1突出ライン(FLa)に連結されるか、または結合され得る。したがって、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第1突出ライン(または第1フィンガーライン)(FLa)は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第1電極部131bと第1カバー部材131dとの間に配置されて振動素子131と一体化され得る。
【0454】
本明細書の一実施例による第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第2電極部131cと第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第2突出ライン(FLb)に連結されるか、または結合され得る。したがって、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの第2突出ライン(または第2フィンガーライン)(FLb)は、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第2電極部131cと第2カバー部材131eとの間に配置されて振動素子131と一体化され得る。
【0455】
第1接着層131fは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4の間、および第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第1面に配置され得る。第2接着層131gは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4の間、および第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれの第2面に配置され得る。例えば、第1および第2接着層131f、131gは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4のそれぞれを完全に取り囲むように第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に構成され得る。第1および第2接着層131f、131gは、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4の間で互いに連結されるか、または結合され得る。
【0456】
選択的に、
図27~
図29を参照して説明したように、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のそれぞれの少なくとも一部は、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eとの間に配置されるか、または挿入され得、それにより信号ケーブル132の動きや曲げなどのストレスによる第1および第2突出ライン(FLa、FLb)の断線が防止され得る。
【0457】
このような、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、
図23を参照して説明した振動素子131と同様に、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4の単一体振動による大面積振動体として駆動され得る。また、本明細書の他の実施例に係る振動素子131は、
図27~
図29を参照して説明した振動素子131と同様に、構造と製造工程が簡略化され得、電極部131b、131cそれぞれの電気特性が補完され得、第1~第4振動発生部131-1、131-2、131-3、131-4の、音響処理回路137a、137b、信号ケーブル132-1、132-2、および音響データ生成回路部間の連結構造が簡素化されるか、または単純化され得、電磁干渉(EMI)などを防止するためのインダクタおよびコンデンサを含むフィルタ回路が省略され得る。
【0458】
選択的に、本明細書の他の実施例に係る振動素子131において、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2は、
図32に示す点線のように、1つの信号ケーブル132に変更されるか、または構成され得る。本明細書の一実施例による1つの信号ケーブル132は、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2が、構造変更なしに単純に1つに構成され得、それによって第1および第2信号ケーブル132-1、132-2それぞれの幅の合計よりも広い幅を有することができる。本明細書の他の実施例による1つの信号ケーブル132は、第1および第2音響処理回路137a、137bが実装される胴体部の一側の縁部分が相対的に広い幅を有し、胴体部の一側の縁部分を除いて、残りの部分は、第1および第2信号ケーブル132-1、132-2のうちのいずれかと同じ幅を有するように構成され得る。
【0459】
付加的に、本明細書の他の実施例による振動素子131において、突出ライン(FLa、FLb)を含む第1および第2信号ケーブル132-1、132-2は、
図24および
図25に示した振動装置230の信号ケーブル132にも同様に適用され得るので、これに対する重複する説明は省略する。
【0460】
図33は、本明細書の他の実施例による音響装置を示す図である。
図34は、
図33に示したメインケーブルと第1~第n信号ケーブルを示す図である。
図35は、
図33に示した音響データ生成回路部の出力信号を示す波形図である。
図33~
図35は、
図1~
図32のうちの1つ以上に示した音響装置を含むかまたは適用した装置を示す。
【0461】
図33~
図35を参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置は、振動装置130、230、音響データ生成回路部180、メインケーブル185、および第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]を含むことができる。
【0462】
振動装置130、230は、
図1~
図35を参照して説明した音響装置10、20、30のうちのいずれか1つに構成された振動装置であり得る。
【0463】
振動装置130、230は、第1~第n振動素子131[1]~131[n]を含むことができる。第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれは、
図26~
図32を参照して説明した振動素子131、231-1~231-5のうちのいずれか1つを含むことができる。例えば、第1~第n振動素子131[1]~131[n]は、同一かまたは互いに異なり得る。第1~第n振動素子131[1]~131[n]のうちの1つ以上は、異なり得る。したがって、第1~第n振動素子131[1]~131[n]に対する重複する説明は省略することができる。
【0464】
音響データ生成回路部180(またはサウンドカード)は、音響ソース(またはデジタル音響ソース)に基づいて、音響データ(Sdata)を生成することができる。音響データ生成回路部180は、音響ソースまたは音響データに基づいて、装置の駆動モードに対応する第1~第nイネーブル信号(EN[1]~EN[n])を生成することができる。音響データ生成回路部180は、基準クロック(CLK)と音響データ(Sdata)および第1~第nイネーブル信号(EN[1]~EN[n])を予め設定されたシリアルインターフェース方式(またはデジタルシリアルインターフェース)方式)で符号化(エンコーディング)して、第1~第n振動素子131[1]~131[n]に供給することができる。例えば、音響データ生成回路部180は、シリアルインターフェース方式に基づいて、第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれに該当する音響データ(Sdata)をシリアルインターフェース方式で伝送することができる。例えば、シリアルインターフェース方式は、I2S(Intergrated Interchip Sound)であり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0465】
メインケーブル185は、音響データ生成回路部180に連結され得る。例えば、メインケーブル185は、第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれと音響データ生成回路部180との間の距離のうちで、最長距離に対応する長さを有することができる。
【0466】
本明細書の一実施例によるメインケーブル185は、第1~第nイネーブル信号ライン(ESL[1]~ESL[n])、クロックライン(CL)、およびデータライン(DL)を含むことができる。
【0467】
音響データ生成回路部180は、第1~第nイネーブル信号ライン(ESL[1]~ESL[n])それぞれに該当するイネーブル信号(EN[1]~EN[n])を供給し、クロックライン(CL)に基準クロック(CLK)を供給し、データライン(DL)に音響データ(Sdata)を供給することができる。
【0468】
第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれは、第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれとメインケーブル185との間に連結され得る。
【0469】
本明細書の一実施例による第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれは、メインケーブル185から第1~第n振動素子131[1]~ 131[n]のうちの該当する振動装置に分岐されるか、または延長され得る。例えば、第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれは、メインケーブル185から分岐されて、第1~第n振動素子131[1]~131[n]に個別に連結され得る。
【0470】
本明細書の他の実施例による第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれは、コネクタ方式でメインケーブル185に連結され得る。例えば、メインケーブル185は、第1~第nコネクタ186[1]~186[n]をさらに含むことができる。
【0471】
第1~第nコネクタ186[1]~186[n]のそれぞれは、第1~第3連結端子を含むことができる。第1~第nコネクタ186[1]~186[n]のそれぞれの第1連結端子は、第1~第nイネーブル信号ライン(ESL[1]~ESL[n])のうちの該当するイネーブル信号ラインと電気的に連結され得る。第1~第nコネクタ186[1]~186[n]のそれぞれの第2連結端子は、クロックライン(CL)に共通に連結され得る。第1~第nコネクタ186[1]~186[n]のそれぞれの第3連結端子は、データライン(DL)に共通に連結され得る。
【0472】
本明細書の一実施例によると、コネクタ方式でメインケーブル185に連結される第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれの少なくとも一部は、
図28を参照して説明したように、振動素子131の第1および第2カバー部材131d、131eとの間に挿入され得、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0473】
本明細書の一実施例による第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれは、胴体部、第1および第2突出ライン(FLa、FLb)、および音響処理回路137を含むことができる。
【0474】
胴体部は、
図28に示すように、ベースフィルム上にある配線層132a、第1接着剤132cを介して、配線層132aの第1面に結合された下部フィルム132b、第2接着剤132eを介して配線層132aの第2面に結合された上部フィルム132d、および上部フィルム132dに配置され配線層132aに連結された複数のコンタクトパッドを含むことができる。
【0475】
配線層132aは、第1~第3信号ライン(SL1、SL2、SL3)と、第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)とを含むことができる。
【0476】
第1~第3信号ライン(SL1、SL2、SL3)のそれぞれは、互いに平行になるように配置され得る。
【0477】
第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]それぞれの第1信号ライン(SL1)は、メインケーブル185の第1~第nイネーブル信号ライン(ESL[1]~ESL[n])のうち、該当するイネーブル信号ラインに個別に連結され得る。例えば、第1信号ケーブル132[1]の第1信号ライン(SL1)は、メインケーブル185の第1イネーブル信号ライン(ESL[1])と電気的に連結され得、第n信号ケーブル132[n]の第1信号ライン(SL1)は、メインケーブル185の第nイネーブル信号ライン(ESL[n])と電気的に連結され得る。
【0478】
第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれの第2信号ライン(SL2)は、メインケーブル185のクロックライン(CL)に共通に連結され得る。
【0479】
第1~第n信号ケーブル132[1]~第132[n]のそれぞれの第3信号ライン(SL3)は、メインケーブル185のデータライン(DL)に共通に連結され得る。
【0480】
第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)のそれぞれは、該当する信号ケーブル132[1]~132[n]の先端部に互いに平行に配置され得る。
【0481】
第1および第2突出ライン(FLa、FLb)のそれぞれは、第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)のそれぞれと電気的に連結されるか、または第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)それぞれから胴体部の一側面132sを過ぎて外部に延長されるか、または突出され得る。
【0482】
第1突出ライン(FLa)は、該当する振動装置の振動素子131、231-1~231-5の第1電極層と電気的に連結され、第2突出ライン(FLb)は、該当する振動装置の振動素子131、231-1~231-5の第2電極層と電気的に連結され得る。これは上述したのと同じであるので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0483】
音響処理回路137は、第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれに実装され、第1~第3信号ライン(SL1、SL2、SL3)のそれぞれと第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)のそれぞれに電気的に連結され得る。
【0484】
音響処理回路137は、第1~第3信号ライン(SL1、SL2、SL3)を介して、音響データ生成回路部180から供給されるイネーブル信号(EN[1]~EN[n])、基準クロック(CLK)および音響データ(Sdata)をデコーディングし、デコーディングされたイネーブル信号(EN[1]~EN[n])と基準クロック(CLK)および音響データ(Sdata)に基づいて、第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれを振動させるための第1および第2振動駆動信号を生成して、第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)に出力することができる。これにより、第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれは、該当する信号ケーブル132[1]~132[n]の第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)と第1および第2突出ライン(FLa、FLb)を介して供給される第1および第2振動駆動信号によって振動して、音響データ(Sdata)に対応される音響を出力することができる。例えば、第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれは、該当するイネーブル信号(EN[1]~EN[n])に基づいて、順次に駆動されるか、または同時に駆動され得る。
【0485】
本発明の実施例によると、第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれに実装された音響処理回路137は、該当する信号ケーブルの第1信号ライン(SL1)を介して供給される第1ロジックレベル(LL1)のイネーブル信号によってイネーブル(enable)されて第1および第2振動駆動信号を生成することができ、第2ロジックレベル(LL2)のイネーブル信号によってディセーブル(disenable)され得る。例えば、第1信号ケーブル132[1]に実装された音響処理回路137は、第1信号ケーブル132[1]の第1信号ライン(SL1)を介して供給される第1ロジックレベル(LL1)の第1イネーブル信号(EN[1])によってイネーブルされ、基準クロック(CLK)および音響データ(Sdata)に基づいて、第1および第2振動駆動信号を生成して、第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)に出力することができる。これと同様に、第n信号ケーブル132[n]に実装された音響処理回路137は、第n信号ケーブル132[n]の第1信号ライン(SL1)を介して供給される第1ロジックレベル(LL1)の第nイネーブル信号(EN[n])によってイネーブルされ、基準クロック(CLK)および音響データ(Sdata)に基づいて、第1および第2振動駆動信号を生成して、第1および第2駆動信号供給ライン(VLa、VLb)に出力することができる。
【0486】
このような、本明細書の一実施例に係る振動装置によると、音響データ生成回路部180から出力される音響データ(Sdata)が、メインケーブル185と第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]を用いたシリアルインターフェース方式を介して、第1~第n振動素子131[1]~131[n]のそれぞれに伝送されることにより、音響データ生成回路部180と第1~第n振動素子131[1]~131[n]との間の配線構造が単純化され、組み立て性が向上され得る。また、第1~第n信号ケーブル132[1]~132[n]のそれぞれに音響処理回路137が実装されることによって、回路構成が簡素化され得、メインケーブル185と信号ケーブル132[1]~132[n]の長さによって発生される電磁干渉(EMI)などを防止するためのインダクタとキャパシタを含むフィルタ回路が省略され得る。
【0487】
図36は、本明細書の他の実施例による音響装置を示す図である。
【0488】
図36を参照すると、本明細書の他の実施例による音響装置40は、スタンド190、モータ191、感知部192、およびモータ駆動部193を含むことができる。
【0489】
スタンド190は、
図1~
図35のうちの1つ以上を参照して説明した音響装置10、20、30のハウジング150を回転可能に支持することができる。例えば、スタンド190は、ハウジング150の側部に回転可能に連結された回転軸を含むことができる。
【0490】
モータ191は、回転軸と連結するようにスタンド190の内部に収納され得る。モータ191は、回転軸を回転させることによって、ハウジング150を回転させ、これにより振動部材110の前面を回転させることができる。
【0491】
感知部192は、ハウジング150またはスタンド190に配置され、聴取者(または使用者)の位置および/または動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成することができる。
【0492】
本明細書の一実施例による感知部192は、超音波センシングを介して、聴取者(または使用者)の位置および/または動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成することができる。例えば、感知部192は、超音波を送受信する超音波センサ192a、およびスタンド190(またはハウジング150)に収納され、超音波センサ192aから受信された超音波に基づいて、感知情報を生成する感知回路192bを含むことができる。
【0493】
本明細書の他の実施例による感知部192は、モーショントラッキングカメラを介して聴取者(または使用者)の位置および/または動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成することができる。例えば、感知部192は、聴取者(または使用者)の位置および/または動きのうちの1つ以上を追跡するモーショントラッキングカメラ、およびモーショントラッキングカメラからのデータ信号に基づいて、聴取者(または使用者)の位置および/または動きの1つ以上に対応される感知情報を生成するデータ処理回路を含むことができる。
【0494】
モータ駆動部193は、感知部192から供給される感知情報に基づいて、モータ駆動信号を生成してモータ191を駆動することができる。これにより、モータ191は、モータ駆動部193から供給されるモータ駆動信号に応答して、振動部材110の前面が聴取者(または使用者)の位置および/または動きのうちの1つ以上に対応されるように回転軸を回転させることができる。
【0495】
このような、本明細書の他の実施例による音響装置40は、感知部192を介して感知された聴取者(または使用者)の位置および/または動きのうちの1つ以上の感知情報によってハウジング150を回転させることによって、聴取者(または使用者)の位置および/または動きのうちの1つ以上に最適化された音響を聴取者(または使用者)に提供することができる。
【0496】
図37は、本明細書の一実施例による音響システムを示す図である。
図38は、
図37に示したディスプレイ装置のパネル駆動回路とスピーカー装置を示す図である。
図39は、本明細書の実施例に係る音響システムの指向性音響を示す概念図である。
【0497】
図37~
図39を参照すると、本明細書の一実施例による音響システムは、ディスプレイ装置300、1つ以上の第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)、および1つ以上の第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)を含むことができる。
【0498】
ディスプレイ装置300は、ディスプレイパネル310およびディスプレイ駆動回路350を含むことができる。
【0499】
ディスプレイパネル310は、映像を表示するための複数の画素を有する画面を含むことができる。
【0500】
ディスプレイ駆動回路350は、入力される映像ソースに対応される映像をディスプレイパネル310に表示することができる。また、ディスプレイ駆動回路350は、ディスプレイパネル310の画面の第1領域(DA1)と第2領域(DA2)に互いに異なる映像を表示し、画面分割モード信号を生成し、近距離無線通信を介して、画面分割モード信号を1つ以上の第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)と1つ以上の第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)に送信することができる。そして、ディスプレイ駆動回路350は、画面の第1領域(DA1)および第2領域(DA2)のそれぞれに表示される映像に対応される音響データを、画面分割モード信号と共に送信することができる。
【0501】
1つ以上の第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)は、ディスプレイ装置300の第1側の周辺に回転可能に配置され、音響出力装置195を含むことができる。例えば、1つ以上の第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)は、1つ以上の左側スピーカーであり得る。1つ以上の第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)は、ディスプレイ装置300のディスプレイ駆動回路350から送信される画面分割モード信号と音響データに応答して、音響出力装置195をディスプレイパネル310の第1領域の周辺にいる第1聴取者(LM1)の方に回転させることができる。
【0502】
1つ以上の第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)は、ディスプレイ装置300の第2側の周りに回転可能に配置され、音響出力装置195を含むことができる。例えば、1つ以上の第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)は、1つ以上の右側スピーカーであり得る。1つ以上の第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)は、ディスプレイ装置300のディスプレイ駆動回路350から送信される画面分割モード信号と音響データに応答して、音響出力装置195をディスプレイパネル310の第2領域の周辺にいる第2聴取者(LM2)の方に回転させることができる。
【0503】
本明細書の一実施例による1つ以上の第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)および1つ以上の第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)のそれぞれは、音響出力装置195のハウジング150を回転可能に支持する回転軸を有するスタンド190、スタンド190に配置され、回転軸を回転させるモータ191、音響出力装置195またはスタンド190に配置され、該当する聴取者(LM1、LM2)の位置および動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成する感知部192、および画面分割モード信号に応答して感知部192から供給される感知情報に基づいて、モータ191を駆動させるモータ駆動部193を含むことができる。
【0504】
本明細書の一実施例によると、音響出力装置195は、
図1~
図35のうちの1つ以上を参照して説明した音響装置10、20、30と実質的に同一であるか、または
図35を参照して説明した音響装置40と実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
【0505】
本明細書の一実施例によると、スタンド190、モータ191、感知部192、およびモータ駆動部193のそれぞれは、ディスプレイ装置300のディスプレイ駆動回路350から送信される画面分割モード信号に応答して、音響出力装置195をさらに回転させることを除いては、
図35を参照して説明した音響装置40のスタンド190、モータ191、感知部192、およびモータ駆動部193のそれぞれと実質的に同一であるので、これに対して同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略または簡略にすることができる。
【0506】
図38を参照すると、本明細書の一実施例による音響システムは、ディスプレイパネル310の第1領域(DA1)と第2領域(DA2)に互いに異なる映像を表示するディスプレイ装置300の画面分割モードに基づいて、1つ以上の第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)の音響出力方向を、ディスプレイパネル310の第1領域(DA1)の周辺にいる第1聴取者(LM1)の方に回転させ、1つ以上の第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)の音響出力方向を、ディスプレイパネル310の第2領域(DA2)の周辺にいる第2聴取者(LM2)の方に回転させることにより、ディスプレイパネル310の画面分割モード時にも第1および第2聴取者(LM1、LM2)それぞれの視聴画面に対応される音響を提供することができる。
【0507】
また、本明細書の一実施例による音響システムは、ディスプレイ装置300の単一画面モードに基づいて、第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)と第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)のそれぞれに構成される感知部192を介して感知された聴取者(LM1、LM2)の位置および/または動きのうちの1つ以上の感知情報によって、第1スピーカー装置(LSP1、LSP2)と第2スピーカー装置(RSP1、RSP2)のそれぞれの音響出力方向を自動的に調整することによって、聴取者(LM1、LM2)の位置および/または動きのうちの1つ以上に最適化された音響を聴取者(LM1、LM2)に提供することができる。
【0508】
本明細書の実施例による音響装置は、すべての電子機器に有線または無線で連結される電子機器の音響装置として使用され得る。例えば、本明細書の実施例による音響装置と連結可能な装置は、モバイルデバイス、映像電話器、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブルデバイス(flexible apparatus)、カーブ・ド・機器(curved apparatus)、スライディング機器(sliding apparatus)、可変機器(variable apparatus)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション、(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、車両用装置、劇場用装置、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー(wall paper)表示装置、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などを含むことができる。
【0509】
本明細書の実施例に係る音響装置とそれを含む音響システムは、以下のように説明され得る。
【0510】
本明細書のいくつかの実施例による音響装置は、振動部材、振動部材の背面を覆うように構成されたハウジング、および振動部材を振動させるように構成された1つ以上の振動素子を有する振動装置を含み、振動部材は、非平面構造を含むことができる。
【0511】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材の背面と反対側の前面は、非平面構造を有することができる。
【0512】
本明細書のいくつかの実施例によると、非平面構造は、曲面構造または傾斜面構造を含むことができる。
【0513】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、円形状、楕円形状、および3つ以上の頂点を有する多角形状のうちのいずれか1つの形状を含むことができる。
【0514】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、1つ以上の凹部と1つ以上の凸部のうちの1つ以上によって、非平面構造を有することができる。
【0515】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、振動部材の背面に連結された第1~第n(nは2以上の自然数)振動素子を含み、第1~第n振動素子間の間隔は、3mm以上5mm以下であり得る。
【0516】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1方向を基準に、第1振動素子と第n振動素子のそれぞれと振動部材の端部との間の間隔は、1つの振動素子の長さより小さく、隣接する振動素子間の間隔よりも大きくなり得る。
【0517】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、第1~第n振動素子のそれぞれに連結された第1~第n領域を含み、第1~第n領域のうちの1つ以上の領域から出力される音響は、残りの領域で出力される音響とは異なる音域帯を有することができる。
【0518】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動装置は、振動部材の背面に連結された第1~第n(nは2以上の自然数)振動素子を含み、第1~第n振動素子は、第1方向に沿って一定の間隔で配置され、第1方向を基準に、第1振動素子と第n振動素子のそれぞれと振動部材の端部との間の間隔は、1つの振動素子の長さより小さくなり得る。
【0519】
本明細書のいくつかの実施例による音響装置は、収容空間を有するハウジング、 ハウジングの収容空間を覆うように構成され、第1~第n(nは3以上の自然数)領域を有する振動部材、および振動部材の第1~第n領域のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の第1~第n振動素子を有する振動装置を含み、ハウジングは、収容空間を第1~第n領域のそれぞれに対応される第1~第n空間に分離する空間分離部を含むことができる。
【0520】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材の第1~第n領域のうちの1つ以上の領域から出力される音響は、残りの領域から出力される音響とは異なる音域帯を有することができる。
【0521】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、第1方向に沿って配置された第1~第3領域を含み、空間分離部は、第1空間と第2空間との間に配置された第1隔壁、および第2空間と第3空間との間に配置された第2隔壁を含むことができる。
【0522】
本明細書のいくつかの実施例によると、ハウジングは、振動部材の背面と振動装置を覆う底部、第1方向と平行な底部の第1縁部分に連結された第1側部、底部の第1縁部分と平行な底部の第2縁部分に連結された第2側部、第1方向と交差する第2方向と平行な底部の第3縁部分に連結された第3側部、および底部の第3縁部分と平行な底部の第4縁部分に連結された第4側部を含み、空間分離部は、第1側部と第2側部との間に連結され、第1空間と第2空間を分離する第1隔壁、および第1側部と第2側部との間に連結され、第2空間と第3空間を分離する第2隔壁を含むことができる。
【0523】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、第1方向に沿って配置された第1~第3領域を含み、1つ以上の第1振動素子は、振動部材の第1領域を振動させるように構成され、1つ以上の第2振動素子は、振動部材の第2領域を振動させるように構成され、1つ以上の第3振動素子は、振動部材の第3領域を振動させるように構成され得る。
【0524】
本明細書のいくつかの実施例によると、ハウジングは、1つ以上の第1振動素子と第1隔壁との間の第1空間に配置された第1音分離部、および1つ以上の第3振動素子と第2隔壁との間の第3空間に配置された第2音分離部をさらに含むことができる。
【0525】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1および第2音分離部のそれぞれは、第2方向に沿って第1側部と第2側部のうちの1つ以上の内側面から突出される1つ以上のリップ、および1つ以上のリップと振動部材の背面との間に配置された1つ以上の音分離部材を含むことができる。
【0526】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1および第2音分離部のそれぞれは、第2方向に沿って互いに異なる長さを有するように、第1側部と第2側部のうちの1つ以上の内側面から突出される複数のリップ、および複数のリップのそれぞれと振動部材の背面との間に配置された複数の音分離部材を含むことができる。
【0527】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のリップのそれぞれの長さは、空間分離部に行くほど異なり得る。
【0528】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のリップのそれぞれの長さは、空間分離部に行くほど長くなり得る。
【0529】
本明細書のいくつかの実施例によると、ハウジングは、1つ以上の第1振動素子の周辺に配置された第1音制限部、および1つ以上の第3振動素子の周辺に配置された第2音制限部をさらに含むことができる。
【0530】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1音制限部は、第1空間を取り囲む第1~第3側部および第1隔壁のうちの1つ以上の内側面から第1空間に突出された1つ以上の第1突出部、および1つ以上の第1突出部と振動部材の背面との間に配置された1つ以上の第1音制限部材を含み、第2音制限部は、第3空間を取り囲む第1側部、第2側部、第4側部、および第2隔壁のうちの1つ以上の内側面から第3空間に突出された1つ以上の第2突出部、および1つ以上の第2突出部と振動部材の背面との間に配置された1つ以上の第2音制限部材を含むことができる。
【0531】
本明細書のいくつかの実施例によると、1つ以上の第1突出部は、1つ以上の第1振動素子と第1隔壁との間にある第1側部と第2側部のうちの1つ以上の内側面に向かい、1つ以上の第2突出部は、1つ以上の第3振動素子と第2隔壁の間にある第1側部と第2側部のうちの1つ以上の内側面に向くことができる。
【0532】
本明細書のいくつかの実施例によると、1つ以上の第1突出部は、第3側部と第1隔壁のうちの1つ以上の内側面から1つ以上の第1振動素子の中心部に向かい、1つ以上の第2突出部は、第4側部と第2隔壁のうちの1つ以上の内側面から1つ以上の第3振動素子の中心部に向くことができる。
【0533】
本明細書のいくつかの実施例によると、第3側部にある1つ以上の第1突出部および第4側部にある1つ以上の第2突出部がある空間は、高音域帯の周波数を出力することができる。
【0534】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1側部および第2側部にある1つ以上の第1突出部と1つ以上の第2突出部がある空間は、低音域帯の周波数を出力することができる。
【0535】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材の第1領域は、振動部材の第1縁領域を含み、振動部材の第n領域は、振動部材の第2縁領域を含み、振動部材の第1~第n領域のそれぞれから出力される音響の音域帯は、振動部材の中間領域から第1領域と第n領域に行くほど高くなり得る。
【0536】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材の第1領域は、振動部材の第1縁領域を含み、振動部材の第n領域は、振動部材の第2縁領域を含み。1つ以上の第1~第n振動素子のそれぞれの大きさは、振動部材の中間領域から第1領域と第n領域に行くほど小さくなり得る。
【0537】
本明細書のいくつかの実施例によると、1つ以上の第1振動素子は、第1領域を振動させて超音波を発生させ、1つ以上の第n振動素子は、第n領域を振動させて、互いに異なる周波数を有する複数の超音波を発生させ、第n領域で出力される複数の超音波のうちのいずれか1つは、第1領域から出力される超音波と同じ周波数を有し、第n領域から出力される複数の超音波のうちの残りは、第1領域から出力される超音波よりも高い周波数を有することができる。
【0538】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1領域に配置された1つ以上の第1振動素子は、超音波を送受信するように構成され、第n領域に配置された1つ以上の第n振動素子は、超音波を送受信するように構成され得る。
【0539】
本明細書のいくつかの実施例による音響装置は、ハウジングを回転可能に支持する回転軸を有するスタンド、スタンドに配置され回転軸を回転させるモータ、ハウジングまたはスタンドに配置され、聴取者の位置および動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成する感知部、および感知部から供給される感知情報に基づいてモータを駆動させるモータ駆動部をさらに含むことができる。
【0540】
本明細書のいくつかの実施例によると、感知部は、超音波を送受信する超音波センサ、および超音波センサで受信された超音波に基づいて感知情報を生成する感知回路を含むことができる。
【0541】
本明細書のいくつかの実施例による音響装置は、振動部材とハウジングとの間に平行に配置され、互いに異なる硬度を有する第1連結部材および第2連結部材をさらに含むことができる。
【0542】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1連結部材は、第2連結部材によって取り囲まれ、第2連結部材よりも低い硬度を有することができる。
【0543】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1連結部材は、第2連結部材によって取り囲まれ、第2連結部材よりも高い硬度を有することができる。
【0544】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動素子は、複数の圧電部と複数の圧電部との間に連結された軟性部を含む圧電振動部、圧電振動部の第1面にある第1電極部、および圧電振動部の第1面と反対側の第2面にある第2電極部を含むことができる。
【0545】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動素子は、第1方向と第1方向と交差する第2方向のうちの1つ以上の方向に沿って配列された2つ以上の振動発生部を含み、2以上の振動発生部のそれぞれは、複数の圧電部と複数の圧電部の間に連結された軟性部を含む圧電振動部、圧電振動部の第1面にある第1電極部、および圧電振動部の第1面と反対側の第2面にある第2電極部を含むことができる。
【0546】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動素子は、第1電極部と第2電極部のそれぞれに電気的に連結された1つ以上の信号ケーブル、および1つ以上の信号ケーブルに実装された信号生成回路をさらに含むことができる。
【0547】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動素子は、第1電極部を覆う第1カバー部材、および第2電極部を覆う第2カバー部材をさらに含み、1つ以上の信号ケーブルは、第1カバー部材と第1電極部との間に配置され、第1電極部に電気的に連結された第1突出ライン、および第2カバー部材と第2電極部との間に配置され、第2電極部に電気的に連結された第2突出ラインを含むことができる。
【0548】
本明細書のいくつかの実施例によると、1つ以上の信号ケーブルの一部は、第1カバー部材と第2カバー部材との間に収容され得る。
【0549】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、金属、プラスチック、繊維、皮革、木材、布、紙、およびガラスのうちの1つ以上の材質を含むことができる。
【0550】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、映像を表示する画素を有するディスプレイパネル、表示装置から映像が投影されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、ガラス、および鏡のうちのいずれか1つであり得る。
【0551】
本明細書のいくつかの実施例による音響システムは、映像を表示するディスプレイ装置、ディスプレイ装置の第1側の周辺に回転可能に配置され、音響出力装置を有する1つ以上の第1スピーカー装置、およびディスプレイ装置の第2側の周辺に回転可能に配置され、音響出力装置を有する1つ以上の第2スピーカー装置を含み、ディスプレイ装置は、ディスプレイパネル、およびディスプレイパネルの第1および第2領域に互いに異なる映像を表示し、画面分割モード信号を1つ以上の第1スピーカー装置と1つ以上の第2スピーカー装置のそれぞれに提供するディスプレイ駆動回路を含み、1つ以上の第1スピーカー装置は、画面分割モード信号に応答して音響出力装置をディスプレイパネルの第1領域の周辺にいる第1聴取者に回転させ、1つ以上の第2スピーカー装置は、画面分割モード信号に応答して音響出力装置をディスプレイパネルの第2領域の周辺にいる第2聴取者に回転させることができる。
【0552】
本明細書のいくつかの実施例によると、1つ以上の第1スピーカー装置および1つ以上の第2スピーカー装置のそれぞれは、音響出力装置を回転可能に支持する回転軸を有するスタンド、スタンドに配置され回転軸を回転させるモータ、音響出力装置またはスタンドに配置され、該当する聴取者の位置および動きのうちの1つ以上を感知して感知情報を生成する感知部、および画面分割モード信号に応答して感知部から供給される感知情報に基づいてモータを駆動させるモータ駆動部を含むことができる。
【0553】
本明細書のいくつかの実施例によると、感知部は、超音波を送受信する超音波センサ、および超音波センサで受信された超音波に基づいて感知情報を生成する感知回路を含むことができる。
【0554】
本明細書のいくつかの実施例によると、音響出力装置は、音響装置を含み、回転軸は、音響出力装置のハウジングを回転可能に支持し、感知部は、ハウジングまたはスタンドに配置され得、音響装置は、振動部材、振動部材の背面を覆うように構成されたハウジング、および振動部材を振動させるように構成された1つ以上の振動素子を有する振動装置を含み、振動部材が非平面構造を含むことができる。
【0555】
本明細書のいくつかの実施例によると、音響出力装置は、音響装置を含み、回転軸は、音響出力装置のハウジングを回転可能に支持し、感知部は、ハウジングまたはスタンドに配置され得、音響装置は、収容空間を有するハウジング、ハウジングの収容空間を覆うように構成され、第1~第n(nは3以上の自然数)領域を有する振動部材、および振動部材の第1~第n領域のそれぞれを振動させるように構成された1つ以上の第1~第n振動素子を有する振動装置を含み、ハウジングは、収容空間を第1~第n領域のそれぞれに対応される第1~第n空間に分離する空間分離部を含むことができる。
【0556】
以上を参照して説明した本明細書は、前述した実施例および添付された図に限定されるものではなく、本明細書の技術的思想を逸脱しない範囲内で、多様に置換、変形および変更が可能であることが本明細書の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が、本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0557】
10、20、30、40:音響装置
110:振動部材
120:接着部材
130、230:振動装置
131:振動素子
140:連結部材
150:ハウジング
300:ディスプレイ装置