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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007493
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】作業弁の取付方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/00 20060101AFI20230111BHJP
   F16L 41/06 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F16L55/00 C
F16L41/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102634
(22)【出願日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2021107692
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】玉田 聡
【テーマコード(参考)】
3H019
【Fターム(参考)】
3H019CB02
3H019CB05
(57)【要約】
【課題】作業弁の筐体への取付けの難易度を低減する作業弁の取付方法を提供する。
【解決手段】流体管1に対し密封状に取り付けられている筐体2内で所定の作業を不断流状態で行うための作業弁4の取付方法であって、作業弁4は、筐体2の開口部2aに取り付けられる弁箱41と、弁箱41に取り付けられる弁蓋43と、弁箱41及び弁蓋43内を進退可能に設けられている弁体42と、を備え、弁箱41を筐体2の開口部2aに設置する第1工程と、弁箱41に弁体42を挿入する第2工程と、弁体42と該弁体42を進退させるための操作部43aとを連結する第3工程と、弁箱41に弁蓋43を取り付ける第4工程と、からなる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管に対し密封状に取り付けられている筐体内で所定の作業を不断流状態で行うための作業弁の取付方法であって、
前記作業弁は、前記筐体の開口部に取り付けられる弁箱と、前記弁箱に取り付けられる弁蓋と、前記弁箱及び前記弁蓋内を進退可能に設けられている弁体と、を備え、
前記弁箱を前記筐体の開口部に設置する第1工程と、
前記弁箱に前記弁体を挿入する第2工程と、
前記弁体と該弁体を進退させるための操作部とを連結する第3工程と、
前記弁箱に前記弁蓋を取り付ける第4工程と、からなることを特徴とする作業弁の取付方法。
【請求項2】
前記第3工程において、前記弁箱内に挿入された前記弁体の後退を規制手段によって規制することを特徴とする請求項1に記載の作業弁の取付方法。
【請求項3】
前記第2工程において、前記弁体は、進行方向に複数の吊支部で吊支され、前記弁体の前側が前記弁箱内に挿入された後、前記吊支部が前記進行方向の前側から順次解除されることを特徴とする請求項1に記載の作業弁の取付方法。
【請求項4】
前記第4工程において、前記弁体の全体が前記弁箱の開口部内に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の作業弁の取付方法。
【請求項5】
前記第4工程において、前記弁体に連結された前記操作部を操作することで、前記弁蓋を前記弁箱に近づけることを特徴とする請求項1に記載の作業弁の取付方法。
【請求項6】
前記第2工程において、前記弁体の進行方向の前側を、前記弁箱の開口部に突出して設けられた載置部に載置した後、前記弁箱に前記弁体を挿入することを特徴とする請求項1に記載の作業弁の取付方法。
【請求項7】
前記操作部は、前記弁蓋に設けられ前記弁体を進退移動させるための弁棒を備え、
前記第3工程において、前記弁箱に挿入された前記弁体の後端部に前記弁棒の先端を取り付けることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の作業弁の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不断流状態で流体管を密封する筐体内で所定の作業を行うための作業弁の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水やガス等が流れる既設の管路を構成する流体管は、経年劣化の対処や新たな分岐路を形成するために、既設の流体管の一部を新たな流体管に変更したり、経年劣化した管路を遮断したりすることがある。このような場合には、予め設けられている既存の開口部を開放したり、切断等により形成された新規の開口部を形成したりすることがある。
【0003】
このように開口部を開放する工程を含む作業においては、作業弁を用いて不断流状態で作業を行う方法が知られている。作業弁は、流体管に対して密封状に固定されている筐体の開口部に取り付けられる弁箱と、該弁箱に取り付けられる弁蓋と、弁箱及び弁蓋内を往復移動可能な弁体と、から主に構成されており、流体管の開口部を開放している状態において、弁箱内を閉塞する閉塞位置に弁体を移動させることで筐体外部へ流体の漏出を防止する一方、弁蓋内に退避する開放位置に弁体を移動させることで開口部にアクセス可能とすることができる。
【0004】
作業弁は、一般的にクレーンを用いて設置位置まで運搬されて筐体に取り付けられる。特に流体管の管径が大きい場合には、作業弁の構造も大きくなり、重量が嵩むため、一体に組み立てられた状態で作業弁を運搬するには吊上能力の高い大型のクレーンを用意する必要があることから、クレーンの配置や取り回しに広いスペースが要求される。
【0005】
そこで、例えば特許文献1に示される作業弁の取付方法のように、作業弁を弁箱と、弁体が挿入された状態の弁蓋とに分割し、筐体の開口部に弁箱を取り付けた後、弁体が挿入された状態の弁蓋を弁箱に取り付けることで作業弁を筐体に取り付ける方法がある。この方法によれば、一度の運搬において要求される吊上能力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-159397号公報(第8頁、第14図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような特許文献1の作業弁の取付方法にあっては、吊上能力の低いクレーンを用いて分割した作業弁を組立てながら筐体に取り付けることが可能であるため、広いスペースが確保できない作業環境であっても作業弁を取り付けることができる。しかしながら、弁体が挿入された状態の弁蓋を、先に設置された弁箱と高さ位置を合わせながら水平移動させて、弁蓋よりも外方に僅かに突出している弁体の先端部を弁箱内に挿入しなければならないので、弁体の先端部を目視確認し難く、また、弁体自体をクレーンで吊っておらず、この弁体を挿入した弁蓋を直接に吊っていることから、弁蓋内の弁体が安定せずに作業時に揺動することがあり、精度よく弁体の先端を弁箱に挿入して取り付ける難易度が高くなっていた。また、弁体の先端が弁箱の開口部等に接触した場合、弁体が損傷し、作業弁自体の密封性に影響が生じる虞があった。
【0008】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、作業弁の筐体への取付けの難易度を低減する作業弁の取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の作業弁の取付方法は、
流体管に対し密封状に取り付けられている筐体内で所定の作業を不断流状態で行うための作業弁の取付方法であって、
前記作業弁は、前記筐体の開口部に取り付けられる弁箱と、前記弁箱に取り付けられる弁蓋と、前記弁箱及び前記弁蓋内を進退可能に設けられている弁体と、を備え、
前記弁箱を前記筐体の開口部に設置する第1工程と、
前記弁箱に前記弁体を挿入する第2工程と、
前記弁体と該弁体を進退させるための操作部とを連結する第3工程と、
前記弁箱に前記弁蓋を取り付ける第4工程と、からなることを特徴としている。
この特徴によれば、作業弁の弁箱と弁体と弁蓋とをそれぞれ分割して、まず、筐体に設置した弁箱に弁体を挿入し、その後に弁箱に弁蓋を取り付けるので、弁体を弁蓋とは独立して単独で弁箱に挿入することから、弁体全体を把握して、弁体の姿勢を制御できることで、弁体を精度よく弁箱の開口部に挿入することができ、また、弁体を弁箱の開口部に接触する虞を低減できるので、弁体が損傷することなく、作業弁自体の密封性を維持させることができる。さらに、作業弁を弁箱と弁体と弁蓋とに分割して個別にクレーンで吊り上げて運搬するので、クレーンで吊り上げる個々の重量が小さくて済み、小さなクレーンを用いることができるので、作業スペースが十分に確保できない状況でも作業を進めることができ、また、個々の重量が小さいので取り回しを向上させることができ、作業弁を筐体に取り付ける難易度を低減することができる。
【0010】
前記第3工程において、前記弁箱内に挿入された前記弁体の後退を規制手段によって規制することを特徴としている。
この特徴によれば、弁箱に挿入された弁体が、弁体を進退させるための操作部との連結時に後退して落下することを規制手段によって防止することができる。
【0011】
前記第2工程において、前記弁体は、進行方向に複数の吊支部で吊支され、前記弁体の前側が前記弁箱内に挿入された後、前記吊支部が前記進行方向の前側から順次解除されることを特徴としている。
この特徴によれば、弁体の進行方向の前側の吊支部が解除されても、弁体の前側の荷重が弁箱の開口部近傍で支持されているので、クレーンで吊支されている状態と同様の略平行状態を保ちながら、弁体を弁箱内にさらに挿入することができる。
【0012】
前記第4工程において、前記弁体の全体が前記弁箱の開口部内に挿入されていることを特徴としている。
この特徴によれば、弁体が露出していないので、弁箱に弁蓋を取り付けるための位置合わせが容易であり、弁体の後端部と弁蓋が接触することを防止することができ、弁体の後端部の損傷を回避することができる。
【0013】
前記第4工程において、前記弁体に連結された前記操作部を操作することで、前記弁蓋を前記弁箱に近づけることを特徴としている。
この特徴によれば、弁箱に挿入された弁体に対して、弁体に連結された操作部を操作することにより、弁蓋を弁箱に近づけることができ、クレーンによる吊支と協働させることで弁蓋と弁箱との接続を容易とすることができる。
【0014】
前記第2工程において、前記弁体の進行方向の前側を、前記弁箱の開口部に突出して設けられた載置部に載置した後、前記弁箱に挿入されることを特徴としている。
この特徴によれば、弁体を弁箱に挿入するにあたって、弁箱の開口部に突出して設けられた載置部に載置し、位置合わせすることができるため、弁箱に対して弁体を衝突させることなくスムースに挿入することができる。
【0015】
前記操作部は、前記弁蓋に設けられ前記弁体を進退移動させるための弁棒を備え、
前記第3工程において、前記弁箱に挿入された前記弁体の後端部に前記弁棒の先端を取り付けることを特徴としている。
この特徴によれば、弁体の後端部と弁棒の先端を取り付けることにより、弁体と該弁体を進退させるための操作部とを連結することができる。
【0016】
前記弁体は、後退方向側の端部において上下方向に連通している係止部を有し、
前記係止部には、前記弁棒の被係止部が係止されることを特徴としている。
この特徴によれば、弁棒の被係止部を上下方向に移動させて弁体の係止部に係止させることで弁体に弁棒を取り付けることができるため、取り付けが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例における筐体に作業弁の弁箱を取付ける工程(取り付け工程の第1工程)を示す側断面図及び平面図である。
図2】弁箱に弁体を取付ける様子を示す側断面図である(取り付け工程の第2工程)。
図3】弁箱に弁体を取付ける様子を示す側断面図である(取り付け工程の第2工程)。
図4】弁箱に弁体を取付ける様子を示す側断面図及び平面図である(取り付け工程の第2工程)。
図5】弁蓋に設けられた弁棒を弁箱に挿入された弁体に連結する態様を示す側断面図である(取り付け工程の第3工程)。
図6】弁蓋に設けられた弁棒を弁箱に挿入された弁体に連結する態様(変形例)を示す側断面図(取り付け工程の第3工程)。
図7】弁蓋に設けられた弁棒を弁箱に挿入された弁体に連結する態様(変形例)を示す平面図である(取り付け工程の第3工程)。
図8】弁箱に弁蓋を取付ける様子を示す側断面図である(取り付け工程の第4工程)。
図9】弁箱に弁蓋を取付ける様子を示す側断面図である(取り付け工程の第4工程)。
図10】切断機を設置する工程において、作業弁に取付フランジ筒を取付ける様子を示す側断面図である。
図11】切断機を設置する工程において、取付フランジ筒にカッタ及び蓋体を取付ける様子を示す側断面図である。
図12】切断機を設置する工程において、取付フランジ筒に蓋体を固定した様子を示す側断面図である。
図13】駆動機構の構造を示す説明図である。
図14】切断機を設置する工程において、軸部材とカッタとを接続した様子を示す側断面図である。
図15】切断機を設置する工程において、ジャッキ及び固定治具を取外す様子を示す側断面図である。
図16】切断機を設置する工程において、駆動機構のケース部と蓋体とを接続した様子を示す側断面図である。
図17】切断機により流体管を切断する様子を示す側断面図である。
図18】流体管の切片を回収した様子を示す側断面図である。
図19】弁導入機を設置する工程において、円筒部材を作業弁に取付ける様子を示す側断面図である。
図20】弁導入機を設置する工程において、バタフライ弁における仕切壁、開閉軸及び弁体を円筒部材に取付けた様子を示す側断面図である。
図21】弁導入機を設置する工程において、上蓋部を取付けてバタフライ弁を構成した様子を示す側断面図である。
図22】弁導入機を設置する工程において、円筒部材に取付フランジ筒を取付けた様子を示す説明図である。
図23】弁導入機を設置する工程において、弁吊金具及び蓋体を取付ける様子を示す側断面図である。
図24】弁導入機を設置する工程において、取付フランジ筒に蓋体を固定した様子を示す側断面図である。
図25】弁導入機を設置する工程において、軸部材と弁吊金具とを接続した様子を示す側断面図である。
図26】弁導入機を設置する工程において、ジャッキ及び固定治具を取外す様子を示す側断面図である。
図27】弁導入機を設置する工程において、バタフライ弁と弁吊金具とを接続した様子を示す側断面図である。
図28】弁導入機によりバタフライ弁を流体管の切断箇所に設置した様子を示す側断面図である。
図29】弁吊金具を円筒部材及び取付フランジ筒内に引き上げた様子を示す側断面図である。
図30】切断機の変形例を示す側断面図である。
図31】筐体より弁導入機を取り外した様子を示す側断面図である。
図32】筐体より作業弁を取り外す工程における第1態様において、弁箱より弁蓋を取り外す様子(3分割取り外し工程の第1工程)を示す側断面図である。
図33】弁箱より弁体を取り外す様子(3分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図34】弁箱より弁体を取り外す様子(3分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図35】弁箱より弁体を取り外す様子(3分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図36】弁箱より弁体を取り外す様子(3分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図37】筐体より弁箱を取り外す様子(3分割取り外し工程の第3工程)を示す側断面図である。
図38】作業弁を取り外した後の様子を示す側面図である。
図39】筐体より作業弁を取り外す工程における第2態様において、弁箱より弁蓋を取り外す様子(他の3分割取り外し工程の第1工程)を示す側断面図である。
図40】弁箱より弁体を取り外す様子(他の3分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図41】弁箱より弁体を取り外す様子(他の3分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図42】弁箱より弁体を取り外す様子(他の3分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図43】短管より弁箱を取り外す様子(他の3分割取り外し工程の第3工程)を示す側断面図である。
図44】筐体より短管を取り外す様子(他の3分割取り外し工程の第4工程)を示す側断面図である。
図45】筐体より作業弁を取り外す工程における第3態様において、弁箱より弁体及び弁蓋を取り外す様子(2分割取り外し工程の第1工程)を示す側断面図である。
図46】筐体より弁箱を取り外す様子(2分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
図47】筐体より作業弁を取り外す工程における第4態様において、弁箱より弁蓋を取り外す様子(他の2分割取り外し工程の第1工程)を示す側断面図である。
図48】短管より弁箱及び弁体を取り外す様子(他の2分割取り外し工程の第2工程)を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る作業弁の取付方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0019】
実施例においては、流路構成部材を構成する既設の流体管1の所定箇所を切断し、その切断箇所にバタフライ弁10(制流体)を設置するまでの一連の流れと、バタフライ弁10(制流体)設置後の作業弁4の取り外し工程についての一連の流れを図1から図48を参照して説明する。
【0020】
図1に示されるように、地中に埋設された流体管1の所定箇所の周囲を掘削し、上方に開口する分岐部2aを有する2分割構造の筐体2を密封状に囲繞する。尚、流体管1内の流体は、例えば、上水や工業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。さらに尚、筐体2は、本実施例では2分割構造であるが、他の複数分割構造であってもよく、分割筐体同士の接合は、溶接若しくはパッキンを介しボルトにより取付けても構わない。
【0021】
流体管1は、鋼管であって、断面視略円形状に形成されている。尚、本発明に係る流体管は、ダクタイル鋳鉄、その他鋳鉄、その他の金属製、あるいはコンクリート製、塩化ビニール製、ポリエチレン製若しくはポリオレフィン製等であってもよい。さらに尚、流体管の内周面はエポキシ樹脂層、モルタル、めっき等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。
【0022】
また、流体管1に筐体2を密封状に取付ける際には、筐体2の下方にコンクリート基礎9,9を形成し、筐体2周辺の重量を支持して流体管1の折れ曲がり等を防止する。尚、筐体2や後述する切断機5及び弁導入機6の重量を支持できるものであれば、コンクリート基礎9,9に限られず、ジャッキ等を用いてもよい。
【0023】
次いで、筐体2の分岐部2a(開口部)に分岐部2aの開口を閉塞可能な作業弁4を取付ける工程について順に説明する。ここで本実施例の作業弁4は、後述するように弁箱41、弁体42、及び弁蓋43から主として構成され、筐体2の分岐部2aを開閉可能とする弁である。先ず、弁箱41を筐体2の分岐部2a(開口部)に設置する取り付け工程の第1工程について説明する。図1に示されるように、作業弁4を構成する弁箱41を上方から図示しないクレーンに吊支されるフックを備えた吊り具C及びワイヤWにより吊持して分岐部2aのフランジ2b上に載置し、フランジ2b上で弁箱41の位置調整をしながらフランジ2bと弁箱41とを図示しないボルトナットで固定する(取り付け工程の第1工程終了)。次に、弁箱41の開口部41aの下側側方に載置部としての弁体仮受け台41bを幅方向に離間して複数取り付ける。この弁体仮受け台41b(載置部)は、垂直面と水平面とを有し、正面視で略直角三角形状を成すものであり、垂直面は弁箱41の開口部41aの下端面に当接しており、水平面は弁箱41の内部に設けられるスライド溝41eから延設されるように、該スライド溝41eの面と略面一になるように、弁箱41の開口部41aに取り付けられる。これらの弁体仮受け台41bは、本実施例のように弁箱41を筐体2の分岐部2aに固定した後に、当該弁箱41に取り付けてもよいし、または弁箱41に予め弁体仮受け台41bを取付けた状態で、当該弁箱41を筐体2の分岐部2aに固定してもよい。尚、本実施例で使用されるクレーンは、例えば移動式のラフテレーンクレーンが好適であり、言うまでもなくその吊上能力に応じて大型化し、後述する各部材の中で最も重量の大きい部材を吊り上げ可能な仕様が、旋回半径における許容吊り上げ荷重を検討しながら選択されるものである。またクレーンの設置面積は、アウトリガー等を含めると、流体管1の掘削面積よりも広い面積を要する場合が多い。
【0024】
尚、本実施例では、弁箱41を分岐部2aのフランジ2b上に載置した後も、安全性確保のために弁箱41にワイヤWを若干緩めた状態でクレーンに接続しているが、これに限られず、吊り具C及びワイヤWを弁箱41から取外してもよい。また、弁箱41を位置調整しやすくするために、クレーンにより弁箱41を若干吊った状態でフランジ2bに対して位置調整を行うようにしてもよい。
【0025】
この弁箱41は、上下方向に貫通する略筒状を成し、一方の側方に設けられた開口部41aから略水平方向に延びるスライド溝41eが形成されている。このスライド溝41eは、後述する弁体42の下部に設けられる前輪42c及び後輪42dの走行を案内するものである。本実施例における弁箱41の重量は、本実施例では略4500kgとなっている。尚、フランジ2bと弁箱41との間には、図示しないOリングが圧接されるため、分岐部2aと弁箱41とが密封状に接続される。以降、各部材の重量はあくまでも一例に過ぎず、適宜の重量に変更可能である。
【0026】
次に、この弁箱41に弁体42を挿入する取り付け工程の第2工程について説明する。図2に示されるように、作業弁4を構成する弁体42の上部の四隅に、挿入方向前側(図示左側)の2箇所に吊支部としての前側アイボルト42a、挿入方向後側(図示右側)の2箇所に吊支部としての後側アイボルト42bをそれぞれ取り付け、また弁体42の下部に前輪42c、後輪42dを、側部に複数の側輪42iをそれぞれ取り付けておく。この前輪42c、後輪42dが、弁箱41内に設けられるスライド溝41eに沿って案内され、また、これら複数の側輪42iが、弁箱41内の内側面に当接して案内されることで、弁箱41内への弁体42の挿入、走行が円滑に行われる。さらに、前側アイボルト42a及び後側アイボルト42bに、それぞれ前側ワイヤW1、後側ワイヤW2を通し、これら前側ワイヤW1、後側ワイヤW2で弁体42が水平になるように吊り具Cで吊り上げ、弁箱41の開口部41aの側方まで下降させ、弁体42の前輪42cを、弁箱41の開口部41aの側方に取り付けられた弁体仮受け台41bに搭載する。ここで、前側ワイヤW1にはチェーンブロックBを予め取り付けておくことで、前側ワイヤW1の長さを伸縮可能にしておく。図2では、前側ワイヤW1の長さ及び後側ワイヤW2の長さが略同じであるため、弁体42を安定して水平に吊ることができる。そして、先ず弁体42の前輪42cを弁体仮受け台41bに載置した後に、弁体42が後方に移動・落下しないように弁体42の前輪42c用の車輪止め41cを弁体仮受け台41bに差し込む。
【0027】
このように、弁体42を弁箱41に挿入するにあたって、弁箱41の開口部41aに突出して設けられた弁体仮受け台41b(載置部)に載置し、位置合わせすることができるため、弁箱41に対して弁体42を衝突させることなくスムースに挿入することができる。
【0028】
次に、図3に示されるように、後側ワイヤW2が略垂直になるまで、前側ワイヤW1に取り付けられているチェーンブロックBを用いて前側ワイヤW1の長さを伸長方向調整する。この時、弁体42が常に水平状態を保つようにクレーンで調整する。後側ワイヤW2が垂直になり、前側ワイヤW1の緩みが確認できたら前側ワイヤW1及び前側アイボルト42aを弁体42から取り外す。このとき、弁体42の前側の荷重を弁体仮受け台41bによって受け、また弁体42の後側の荷重を後側ワイヤW2によって吊支しているため、前側アイボルト42aの取り外し時に、弁体42が水平方向に移動することなく、安定した状態を維持できる。
【0029】
次に、図4(a)に示すように、弁体42の後端の上部に引き込み用アイボルト42eを設け、弁箱41と弁体42を弁体引き込み用のワイヤW3及びチェーンブロックB’で繋ぐ。そして、ワイヤW2で吊支した状態と協働させ、ワイヤW3の長さをチェーンブロックB’で短縮するように調整して引き込むと、弁体42が弁箱41内に水平方向に漸次引き込まれる。弁体42の後輪42dが弁箱41の中に入り、弁体42の後端が弁箱合わせフランジ面から約200mmの位置まで来るように弁体42を弁箱41内に引き込んだ後、弁体42の後退を規制する規制手段としての弁体抜止め板41dを弁箱41の開口部41aにボルトで取り付け、チェーンブロックB、B’、ワイヤW2、W3、後側アイボルト42b、引き込み用アイボルト42eを取り外す。図4(b)に示すように、弁体抜止め板41d(規制手段)は、弁箱41の開口部41a端面に取り付けられる縦長の板状部材であり、弁箱41内に挿入された弁体42が抜け出さないように弁箱41の開口部41aの一部(2箇所)を塞いでいる。そして、弁体42の後端部を、図示しないバール等を用いて弁箱41内に完全に押し込み、弁体仮受け台41bを弁箱41の開口部41aから取り外す(取り付け工程の第2工程終了)。
【0030】
このように、弁体42の進行方向の前側のアイボルト42a(吊支部)が解除されても、弁体42の前側の荷重が弁箱41の開口部41a近傍で支持されているので、クレーンで吊支されている状態と同様の略平行状態を保ちながら、弁体42を弁箱41内にさらに挿入することができる。
【0031】
次に、弁体42と該弁体を進退させるための操作部としての弁棒を連結する取り付け工程の第3工程について説明する。図5に示すように、ワイヤW及びチェーンブロックBを用い弁蓋43が水平になるように吊り上げる。弁蓋43の内部には長尺の送りネジ43a(弁棒)が水平方向に内蔵されている。この送りネジ43aは、弁蓋43内にて回転可能且つ軸方向に進退不能に軸支されており、該送りネジ43aの先端は、弁蓋43よりも前方に突出しており、弁箱41に挿入された弁体42の後端に設けられている送りナット42fにネジ込み可能となっている。送りネジ43aの先端が弁体42の後端に設けられた送りナット42fに軸心を合わす位置にて弁体42を吊支し、弁蓋43の後端に取り付けた電動ドライバ43bを用いて、弁蓋43内の送りネジ43aを微速で回転させ、送りネジ43aの先端を弁体42内の送りナット42fにネジ込んで、弁体42と送りネジ43aとを連結する(取り付け工程の第3工程終了)。尚、必ずしも電動ドライバ43bを用いて送りネジ43aを回すものに限られず、図示しないハンドル等を使用して手動で回しても良い。
【0032】
このように、弁体42の後端部と送りネジ43a(弁棒)の先端を取り付けることにより、弁体42とこの弁体42を進退させるための操作部とを連結することができる。
【0033】
またこのように、送りナット42fが送りネジ43aの先端から漸次基端側(図示右側)にネジ込まれることで、弁蓋43の先端開口が漸次弁箱41の開口部41aに近づく。送りネジの速度に合わせてクレーンを協働させ、弁蓋43をクレーンの操作にて弁箱41側に微速で移動させる。
【0034】
このとき、弁箱41に挿入された弁体42が、弁体42を進退させるための送りネジ43a(操作部)との連結時に後退して落下することを、先に取り付けた弁体抜止め板41d(規制手段)によって防止することができる。
【0035】
図6及び図7は、弁体42と送りネジ43aとを連結する変形例を示している。図5と同様に、新たなワイヤW及びチェーンブロックBを用い弁蓋43が水平になるように吊り上げる。弁蓋43には長尺の送りネジ43a(弁棒)が内蔵されており、該送りネジ43aの先端には、予め被係止部としての送りナット42f’が螺合している。一方、弁体42は、図7に示すように、平面視で後端が突出する略矩形状の形状を有しており、弁体42の後端には、送りナット42f’が上方から回転不能に収まるように上方が開放された係止部としての収納部42gが設けられている。また、収納部42gの後方には、送りナット42f’が抜け出さないように一対のナット抜止め板42hが、上方が開放するように相互に離間して設けられ、一対のナット抜止め板42hの間隔は、送りネジ43aの径寸法より若干大きく、送りナット42f’の幅寸法より小さい幅寸法を有している。図7に示すように、送りナット42f’を先端に螺合した送りネジ43aを弁体42の収納部42gに挿入することで、送りナット42f’の前面、後面及び側面が収納部42gの内壁面及びナット抜止め板42hの内面に当接し、回転不能に送りナット42f’が収納されるとともに、送りナット42f’に連続する送りネジ43aがナット抜止め板42h間に挟まれ、送りナット42f’とともに移動が規制される。このように、クレーンにより、弁蓋43を鉛直上方から吊り下ろすことで、該収納部42gに送りネジ43aの先端に螺合されている送りナット42f’を上方から嵌め込んで、弁体42と送りネジ43aとを連結する(変形例における取り付け工程の第3工程終了)。電動ドライバ43bを用いて、弁蓋43内の送りネジ43aを微速で回転させ、この送りネジの速度に合わせてクレーンを協働させ、弁蓋43をクレーンの操作にて弁箱41側に微速で移動させる。
【0036】
このように、送りネジ43a(弁棒)に螺合した送りナット42f’(被係止部)を上下方向に移動させて弁体42の収納部42g(係止部)に係止させることで弁体42に送りネジ43a(弁棒を)取り付けることができるため、取り付けが容易である。
【0037】
次に、弁箱41に弁蓋43を取付ける取り付け工程の第4工程について説明する。図8に示すように、引き続き、電動ドライバ43bを用いて送りネジ43aを微速で回転させるとともに、弁蓋43をクレーンの操作にて弁箱41側に引き寄せ、弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジ間の隙間が僅か(例えば100mm程度)になったところで弁体抜止め板41dを取り外す。
【0038】
次に、図9に示すように、弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジが接合するまで、電動ドライバ43bで送りネジ43aを回転させて弁蓋43を引き寄せ、弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジを接合後、ボルト・ナット44で固定する(取り付け工程の第4工程終了)。
【0039】
このように取り付け工程の第4工程において、弁箱41に挿入された弁体42に対して、弁蓋43に設けられた送りネジ43a(操作部)を操作することにより、弁蓋43を弁箱41に近づけることができ、クレーンによる吊支と協働させることで弁蓋43と弁箱41との接続を容易とすることができる。
【0040】
このとき、弁体42の全体が弁箱41の開口部41a内に挿入された状態で、取り付け工程の第4工程を実行することで、弁体42が露出していないので、弁箱41に弁蓋43を取り付けるための位置合わせが容易であり、弁体42の後端部と弁蓋43が接触することを防止することができ、弁体42の後端部の損傷を回避することができる。接合・固定が確認されたら、弁蓋43を保持していたワイヤW、チェーンブロックBを取り外す。最後に電動ドライバ43bを用いて、弁蓋43内の送りネジ43aを回転させ、弁箱41内の弁体42を弁蓋43側に完全に引き寄せ、すなわち弁体42を「開」位置まで後退させる。
【0041】
このように、作業弁4は、弁箱41から構成される第1の分割体と、弁体42から構成される第2の分割体と、弁蓋43から構成される第3の分割体と、で主として構成されており、筐体2の分岐部2aに対して、これらを順番に組み立てることで作業弁4を構成するようになっている。つまり、第1の分割体と第2の分割体と第3の分割体とを別々に吊り具C及びワイヤWで運搬できることから、第1の分割体と第2の分割体と第3の分割体とを重量バランスよく運搬することができるとともに、作業弁4を組み立てた状態で分岐部2aに設置する場合(総重量が10500kgの作業弁4)に比べて、クレーンへの負荷を分散して軽減できるため、クレーンを小型化することができ、作業弁4を設置する作業スペースを省スペース化できる。また、吊り具C及びワイヤWへの負荷も軽減されるため、太い吊り具C及びワイヤWを用意する必要がなく、使用する吊り具C及びワイヤWのコストも抑えることができる。
【0042】
また、後述のように、流体管1を切断する手段として本実施例のカッタ52のようなホールソーを用いる場合、当該ホールソーが流体管1の外径よりも大径となるため、これに伴い作業弁4の構造も大きくなるが、このような場合でも第1の分割体と第2の分割体と第3の分割体とを別々に吊り具C及びワイヤWで運搬できることから、クレーンを好適に小型化できる。
【0043】
また、作業弁4は、分岐部2aの上方に設置される弁箱41と、弁箱41から側方に膨出される弁体42と弁蓋43と、が分割されて構成されており、弁箱41を分岐部2aに固定した後、弁箱41に弁体42を挿入し、その後に弁箱41に弁蓋43を固定するため、弁箱41を分岐部2aに設置するときに重量バランスにより吊荷が傾くことなく、弁箱41の分岐部2aへの設置が簡便になる。また、弁蓋43を弁箱41に接続する際も同様に重量バランスにより吊荷が傾くことなく、弁箱41への弁蓋43の接続が簡便になる。
【0044】
また、弁箱41に弁蓋43を接続するときには、弁体42を弁箱41の開口部41aに挿入した後、弁蓋43の送りネジ43aを弁箱41内の弁体42の送りナット42fにネジ込み、弁箱41に当接するまで弁蓋43を側方からガイドされ移動させることができるので、弁蓋43を弁箱41に対し精度よく進行させて配置できる。
【0045】
尚、本実施例では、弁蓋43と弁箱41とがボルトナットにより固定される形態を例示したが、これに限られず、例えば、万力等の別の固定手段により固定されてもよいし、溶接等で固着されていてもよい。
【0046】
このように、本発明の作業弁4の取付方法によれば、作業弁4の弁箱41と弁体42と弁蓋43とをそれぞれ分割して、まず、筐体2に設置した弁箱41に弁体42を挿入し、その後に弁箱41に弁蓋43を取り付けるので、弁体42を弁蓋43とは独立して単独で弁箱41に挿入することから、弁体42全体を把握して、弁体42の姿勢を制御できることで、弁体42を精度よく弁箱41の開口部41aに挿入することができ、また、弁体42を弁箱41の開口部41aに接触する虞を低減できるので、弁体42が損傷することなく、作業弁4自体の密封性を維持させることができる。さらに、作業弁4を弁箱41と弁体42と弁蓋43とに分割して個別にクレーンで吊り上げて運搬するので、クレーンで吊り上げる個々の重量が小さくて済み、小さなクレーンを用いることができるので、作業スペースが十分に確保できない状況でも作業を進めることができ、また、個々の重量が小さいので取り回しを向上させることができ、作業弁4を筐体2に取り付ける難易度を低減することができる。
【0047】
次に、作業弁4の上方に流体管1を切断するための切断機5を設置する工程について説明する。図10に示されるように、先ず、上下方向に貫通する取付フランジ筒51(筒状体)を吊り具C及びワイヤWにより吊持して弁箱41の上方まで下降させ、弁箱41の上方に取付フランジ筒51を図示しないボルトナット等により固定する。本実施例における取付フランジ筒51の重量は、略2600kgとなっている。また、取付フランジ筒51と弁箱41との間には、図示しないOリングが圧接されるため、弁箱41と取付フランジ筒51とが密封状に接続される。
【0048】
次に、図11に示されるように、取付フランジ筒51に対してカッタ52を仮設置する。詳しくは、カッタ52の上方に取付フランジ筒51の蓋体53を接続した状態で吊り具C及びワイヤWにより吊持して取付フランジ筒51の上方まで下降させる。カッタ52は、周端に切断刃を備えた円筒部材52aと、この円筒部材52aに同軸に配設され穿孔刃よりも先方に突出したセンタードリル52bと、からなり、円筒部材52aとセンタードリル52bとは固定されている。また、円筒部材52aとセンタードリル52bとの上方には、上端に環状突部54aが形成されたアダプタ54が相対回転不能に取付けられている。
【0049】
また、蓋体53は、中心部に上下方向に貫通する貫通孔53aが形成されており、貫通孔53aにアダプタ54が挿通されている。また、蓋体53は、貫通孔53aの内周面から外径方向に凹設される凹部53bが周方向に複数形成されており、凹部53bには、貫通孔53aの径方向に進退可能な固定治具55が配設されている。固定治具55が貫通孔53aの内径方向に突出し、アダプタ54の環状突部54aの下面に係止することで、カッタ52と蓋体53とが一体化されている。
【0050】
本実施例におけるカッタ52の重量は、略2910kgとなっており、蓋体53の重量は、略1900kgとなっており、アダプタ54の重量は、略290kgとなっており、これらの総重量は略5100kgとなっている。
【0051】
図12に示されるように、取付フランジ筒51の上方に蓋体53を載置した状態で取付フランジ筒51と蓋体53との位置合わせを行い、図示しないボルトナット等により固定する。このとき、カッタ52は、取付フランジ筒51の内部に収容されることとなる。
【0052】
また、図12の拡大部に示されるように、取付フランジ筒51と蓋体53との間には、パッキンS2が周方向に亘って圧接されるため、取付フランジ筒51と蓋体53との間の密封性を確保できる。尚、本実施例では、蓋体53側に設けられた凹溝にパッキンS2が圧入されている形態を例示したが、これに限られず、取付フランジ筒51側に凹溝を設け、該凹溝にパッキンS2が圧入されていてもよい。
【0053】
次に、切断機5の駆動機構8(駆動部)をカッタ52に接続する。先ず、駆動機構8の構造について図13に基づいて説明する。
【0054】
図13に示されるように、駆動機構8は、軸部材81と、軸部材81を把持若しくは把持解除可能な把持部材82と、把持部材82を軸部材81の軸方向の範囲内で進退移動させる進退部材83と、進退部材83よりも下方の位置で軸部材81を移動規制若しくは規制解除可能な規制部材84と、進退部材83及び規制部材84が取付けられる基部材85と、から主に構成されている。本実施例における駆動機構8の重量は、略6060kgとなっている。
【0055】
また、進退部材83の一部には、回転モータ87が固設されており、回転モータ87によって軸部材81を把持した状態の把持部材82に対して回転力を付与することによって軸部材81に回転を伝えることができるとともに、軸部材81が回転することにより、カッタ52を回転させることができるようになっている。尚、軸部材81は、複数用意することで、軸方向に継ぎ足して軸方向の長さを長くできるようになっており、このような継ぎ足し構造のため、重量と高さを軽減することができる。
【0056】
図14に示されるように、駆動機構8をカッタ52と接続する際には、蓋体53の上部フランジ53cの周方向にジャッキ7(スペーサ)を複数配置しておき、軸部材81を予め所定長さ下方に進行させ、軸部材81の下端部がケース部86よりも下方に突出した状態とし、吊り具C及びワイヤWにより駆動機構8を吊り下げ、ケース部86をジャッキ7上に載置する。次いで、ジャッキ7により形成されるケース部86と蓋体53の上部フランジ53cとの隙間から作業者がアクセスして、軸部材81とアダプタ54とをボルトナットN1により接続する。
【0057】
次に、図15に示されるように、駆動機構8、アダプタ54、カッタ52をクレーンにより僅かに上方に吊り上げ、ジャッキ7をケース部86と蓋体53の間から取外すとともに、固定治具55を凹部53b内に退避させる。このときには、カッタ52(略2910kg)、アダプタ54(略290kg)、駆動機構8(略6060kg)をクレーンにより吊り上げるため、クレーンにかかる重量は、略9260kgとなっている。この際、蓋体53の下部フランジ53dの周方向にジャッキ7(スペーサ)を複数配置しておき、駆動機構8をジャッキ7の上に載置して、重量を受けるようにして、クレーンにかかる重量を軽減してもよい。
【0058】
続いて、図16に示されるように、クレーンによりケース部86が蓋体53の上部フランジ53cに載置されるように駆動機構8を吊り降ろして図示しないボルトナットによりケース部86と蓋体53とを固定する。これにより、取付フランジ筒51、カッタ52、蓋体53、アダプタ54及び駆動機構8により切断機5が構成され、筐体2、作業弁4及び切断機5により切断装置が構成される。この際、センタードリル52bが弁体42と接触しないように調整されるのは言うまでもない。
【0059】
次に、切断機5により流体管1を切断する工程について説明する。図17に示されるように、先ず、作業弁4の弁体42を退避させて分岐部2aを開放するとともに、上述した把持部材82により軸部材81における後端側の外周面を把持する。次いで、回転モータ87を駆動させ、軸部材81及びカッタ52を回転させる。そして、軸部材81及びカッタ52が回転された状態で進退部材83を流体管1に向けて進行させる。これによると、先ずカッタ52のセンタードリル52bが流体管1の管壁を穿設する。
【0060】
図18に示されるように、カッタ52により流体管1が切断されると、流体管1が切断されることにより形成された切片1aが円筒部材52a内に保持された状態となる。そして、軸部材81及びカッタ52を上記工程と逆の手順で退行移動させることで、切片1aとともに取付フランジ筒51の内部に引き上げ、作業弁4の弁体42により分岐部2aを閉塞することで、流体管1の切断作業が完了する。
【0061】
次に、流体管1を切断した箇所にバタフライ弁10を設置するための弁導入機6を設置する工程について説明する。図19に示されるように、先ず、作業弁4の弁体42により分岐部2aを閉塞した状態のまま、上下方向に貫通する円筒部材61(筒状体)を吊り具C及びワイヤWにより吊持して作業弁4の上方まで下降させ、作業弁4の上方に円筒部材61を図示しないボルトナット等により固定する。本実施例における円筒部材61の重量は、略3000kgとなっている。また、円筒部材61と作業弁4(弁箱41)との間には、図示しないOリングが圧接されるため、円筒部材61と作業弁4とが密封状に接続される。
【0062】
次に、円筒部材61に対してバタフライ弁10を仮設置する工程を説明する。先ず、バタフライ弁10の構造について図21に基づいて説明する。
【0063】
図21に示されるように、バタフライ弁10は、流体管1の流路を流体が通過可能状態と通過不能状態とに制御するものであり、ほぼ中央部に開口を有する仕切壁11と、仕切壁11の上端部に回動可能に取付けられる開閉軸12と、開閉軸12を中心に回動して仕切壁11の開口を開閉可能に設けられた弁体13と、仕切壁11の上端部に密封状に接続される略水平方向に延びる略円形の上蓋部14(蓋体部)と、を備える。仕切壁11には、その両側面及び底面に亘ってパッキンS5が固着され、上蓋部14には、その外周面の全周に亘ってパッキンS6が固着されており、パッキンS5,S6は連続するように接続される。尚、本実施例におけるバタフライ弁10の総重量は、略9540kgとなっている。さらに尚、仕切壁11と上蓋部14との間がパッキン等で密封されていることは言うまでもない。
【0064】
図20に示されるように、バタフライ弁10を円筒部材61に仮設置する際には、先ず、仕切壁11、開閉軸12及び弁体13(本体部)を一体化した状態で吊り具C及びワイヤWにより吊持して円筒部材61内に収容される位置まで下降させる。このとき、弁体13は、管軸方向と略平行(仕切壁11の開口を開放した状態)となるように配置する。
【0065】
そして、円筒部材61の周方向に複数形成された窓部61aを介して外部から円筒部材61内に一部突出するように係止部材62(係止部、保持部)を挿入する。これにより、仕切壁11から外側に突出する突出片11aが係止部材62の先端部に載置(係止)されるようになり、仕切壁11、開閉軸12及び弁体13が円筒部材61に保持されることとなる。尚、係止部材62の先端側下部には、弁体13の一部を収容可能な凹部62aが形成されているため、係止部材62と弁体13とが干渉しない。
【0066】
次いで、図21に示されるように、上蓋部14を吊り具C及びワイヤWにより吊持して開閉軸12を挿通させた状態で仕切壁11の上部に載置する。そして、図示しない固定手段により上蓋部14と仕切壁11とを密封状に接続してバタフライ弁10を構成する。
【0067】
次に、図22に示されるように、上下方向に貫通する取付フランジ筒63を吊り具C及びワイヤWにより吊持して円筒部材61の上方まで下降させ、円筒部材61の上方に取付フランジ筒63を図示しないボルトナット等により固定する。本実施例における取付フランジ筒63の重量は、略2600kgとなっている。
【0068】
また、図22の拡大図に示されるように、取付フランジ筒63の下面には、環状溝63aが形成されており、該環状溝63aには、環状のパッキンS7が圧入されている。円筒部材61と取付フランジ筒63とを固定したときには、パッキンS7が円筒部材61と取付フランジ筒63との間で圧接されるため、円筒部材61と取付フランジ筒63との間の密封性を確保できる。尚、本実施例では、取付フランジ筒63の下面に形成された環状溝63aにパッキンS7が圧入されている形態を例示したが、これに限られず、円筒部材61側に環状溝を設け、該環状溝にパッキンS7が圧入されていてもよい。
【0069】
次に、図23に示されるように、取付フランジ筒63に対してバタフライ弁10と接続される弁吊金具64を仮設置する。詳しくは、弁吊金具64の上方に取付フランジ筒63の蓋体65を接続した状態で吊り具C及びワイヤWにより吊持して取付フランジ筒63の上方まで下降させる。弁吊金具64は、略水平方向を向く取付面部64aと、取付面部64aの略中心に設けられる貫通孔64bから上方に延びる筒状の軸部64cと、取付面部64aと軸部64cとの間に亘って設けられる補強用のリブ64dと、を備えている。また、軸部64cの上端部には、アダプタ66が接続されている。
【0070】
また、蓋体65は、中心部に上下方向に貫通する貫通孔65aが形成されており、貫通孔65aにアダプタ66が挿通されている。また、蓋体65は、貫通孔65aの内周面から外径方向に凹設される凹部65bが周方向に複数形成されており、凹部65bには、貫通孔65aの径方向に進退可能な固定治具67が配設されている。固定治具67が貫通孔65aの内径方向に突出し、アダプタ66の環状突部66aの下面に係止することで、弁吊金具64と蓋体65とが一体化されている。
【0071】
図24に示されるように、取付フランジ筒63の上端に蓋体65を載置した状態で取付フランジ筒63と蓋体65との位置合わせを行い、図示しないボルトナット等により固定する。尚、本実施例では、蓋体65を取付フランジ筒63の上に載置した後も、安全性確保のために蓋体65にワイヤWを若干緩めた状態でクレーンに接続しているが、これに限られず、吊り具C及びワイヤWを蓋体65から取外してもよい。また、蓋体65を位置調整しやすくするために、クレーンにより蓋体65を若干吊った状態で取付フランジ筒63と蓋体65との位置調整を行うようにしてもよい。
【0072】
図24の拡大部に示されるように、取付フランジ筒63と蓋体65との間には、パッキンS8が周方向に亘って圧接されるため、取付フランジ筒63と蓋体65との間の密封性を確保できる。尚、本実施例では、蓋体65側に設けられた凹溝にパッキンS8が圧入されている形態を例示したが、これに限られず、取付フランジ筒63側に凹溝を設け、該凹溝にパッキンS8が圧入されていてもよい。
【0073】
次に、弁導入機6の挿入機としての駆動機構8を弁吊金具64に接続する。尚、駆動機構8は、流体管1の切断作業時に用いたものと同一のものを使用しているため、駆動機構8の構造の説明を省略する。
【0074】
図25に示されるように、駆動機構8を弁吊金具64と接続させる際には、軸部材81を予め所定長さ下方に進行させ、軸部材81の下端部がケース部86よりも下方に突出した状態とするとともに、蓋体65の上部フランジ65cの周方向にジャッキ7(スペーサ)を複数配置し、クレーンにより駆動機構8を吊り下げ、ケース部86をジャッキ7上に載置する。次いで、ジャッキ7により形成されるケース部86と蓋体65の上部フランジ65cとの隙間から作業者がアクセスして、軸部材81とアダプタ66とをボルトナットN2により接続する。
【0075】
次に、図26に示されるように、駆動機構8、アダプタ66、弁吊金具64をクレーンにより僅かに上方に吊り上げ、ジャッキ7をケース部86と蓋体65の間から取外すとともに、固定治具67を凹部65b内に退避させる。このときには、弁吊金具64(略2000kg)、アダプタ66(略270kg)、駆動機構8(略6060kg)を吊り具C及びワイヤWにより吊り上げるため、吊り具C及びワイヤWにかかる重量は、略8330kgとなっている。この際、蓋体65の下部フランジ65dの周方向にジャッキ7(スペーサ)を複数配置しておき、駆動機構8をジャッキ7の上に載置して、重量を受けるようにして、クレーンにかかる重量を軽減してもよい。
【0076】
次いで、図27に示されるように、駆動機構8により弁吊金具64を下降させ、弁吊金具64の取付面部64aとバタフライ弁10の上蓋部14とを図示しないボルトナットにより接続する。これにより、円筒部材61、取付フランジ筒63、弁吊金具64、蓋体65、アダプタ66及び駆動機構8により弁導入機6が構成され、筐体2、作業弁4及び弁導入機6により弁設置装置が構成される。尚、このとき、バタフライ弁10の開閉軸12は、弁吊金具64の軸部64cに挿入される。
【0077】
その後、駆動機構8により弁吊金具64及びバタフライ弁10を僅かに上方に吊り上げ、係止部材62を退行させて円筒部材61の窓部61aから引き抜く。尚、図示しないが、窓部61aには、密封状に閉塞するように栓がされる。この際、バタフライ弁10の下端部が弁体42と接触しないように調整されるのは言うまでもない。
【0078】
次に、弁導入機6により流体管1の切断された箇所にバタフライ弁10を設置する工程について説明する。図28に示されるように、作業弁4の弁体42を退避させて分岐部2aを開放するとともに、上述した把持部材82により軸部材81における後端側の外周面を把持する。そして、進退部材83を流体管1に向けてスライドさせることで軸部材81及びバタフライ弁10を流体管1に向けて進行させる。
【0079】
軸部材81及びバタフライ弁10の進行移動は、把持部材82が軸部材81を把持位置から規制部材84に近接する位置までの範囲で行われ、進行移動完了後の軸部材81及びバタフライ弁10は、規制部材84によって移動規制される。その後、軸部材81の上端に別の軸部材81’,81’を連結し、上記工程を繰り返すことでバタフライ弁10を流体管1の切断箇所に配置する。バタフライ弁10を流体管1の切断箇所に配置した後、図29に示されるように、所定の抑え手段15によりバタフライ弁10を筐体2に固定する。この際、必ずしも別の軸部材81’を連結するとは限らず、予め所定長さの軸部材81を用いて、配置を完了してもよい。
【0080】
抑え手段15について詳しくは、抑え手段15は、筐体2の周壁を貫通し、雌ネジを有する貫通部と、貫通部に挿通され、その雌ネジに螺合されるボルト状部材と、から主に構成されており、貫通部及びボルト状部材は周方向に複数等配されている。これにより、ボルト状部材を所定方向に回動させることで筐体2の内径側に進出させ、バタフライ弁10の上蓋部14における角部よりも上方に配置する。これにより、ボルト状部材の先端部が上蓋部14における角部の上面に当接することで、バタフライ弁10の抜け止めをなすことができる。尚、抑え手段は、貫通部の雌ネジに螺合される進出手段と、流体弁に当接する当接手段が別体であってもよく、その数や配置を含め、適宜変更されてもよい。
【0081】
尚、バタフライ弁10を筐体2に固定した状態にあっては、仕切壁11のパッキンS5が筐体2の両内側面及び内底面に亘って圧接されるとともに、上蓋部14のパッキンS6が分岐部2aの内周面に亘って圧接されるため、流体管1を流れる流体が仕切壁11と筐体2との間から回り込むことが防止されるとともに、分岐部2aから流体が漏れることが防止される。
【0082】
次いで、図29に示されるように、円筒部材61及び取付フランジ筒63内の流体を外部に排出するとともに、円筒部材61の作業孔部61bからアクセスして弁吊金具64の取付面部64aとバタフライ弁10の上蓋部14とのボルトナットによる接続を解除する。そして、軸部材81を上記工程と逆の手順で退行移動させ、弁吊金具64を円筒部材61及び取付フランジ筒63の内部に引き上げることで、バタフライ弁10を流体管1の切断箇所に設置する作業が完了する。
【0083】
また、前記実施例では、カッタ52が円筒部材52aとセンタードリル52bとから構成されるホールソーである形態を例示したがこれに限られず、自由に変更することができる。例えば、図30に示されるように、変形例における切断機500は、筐体20内で流体管1の所定箇所に外嵌されるカッタ機構501と、作業弁402の上方に取付けられる作業ケース502と、カッタ機構501を駆動させ且つ作業ケース502内に引き上げ可能な駆動機構800と、から構成されている。
【0084】
カッタ機構501は、流体管1の外周方向に回転自在に設けられる2つのスプロケット501a,501aと、スプロケット501a,501aに駆動力を伝える駆動伝達部501bと、を備えており、スプロケット501a,501aには、流体管1を切削する切削バイト(図示略)が取付けられている。また、駆動機構800は、駆動伝達部501bに接続されるロッド801と、ロッド801を回転駆動させるモータ802と、ロッド801を引き上げ可能な引上機構803と、を備えている。
【0085】
モータ802を駆動させることで、ロッド801及び駆動伝達部501bを介してスプロケット501a,501aが回転し流体管1を切断できる。また、スプロケット501a,501aが流体管1の切片を保持したまま、引上機構803によりカッタ機構501を作業ケース502内に引き上げることができるようになっている。
【0086】
次に、作業弁4の取り外し工程について以下に説明する。図31に示されるように、円筒部材61及び取付フランジ筒63内の流体を外部に排出し、バタフライ弁10によって筐体2の分岐部2aが止水されていることが確認されると、弁導入機6を作業弁4より取り外し、作業弁4を分岐部2aから取り外す(図32以降参照)。
【0087】
弁導入機6を取り外すにあたっては、弁導入機6を構成するときとほぼ逆の手順で作業が行われる。簡略して説明すると、図29に示される状態から、吊り具C及びワイヤWにより駆動機構8、アダプタ66、及び弁吊金具64を僅かに上方に吊り上げ、蓋体65の上部フランジ65cの周方向に配置した複数のジャッキ7上にケース部86を載置する(図25参照)。次いで、固定治具67をアダプタ66に係止させ(図23参照)、ケース部86と上部フランジ65cとの隙間を通じボルトナットN2によるアダプタ66との締結を解除した駆動機構8を吊り具C及びワイヤWにより吊り上げ取り外す(図24参照)。さらに、ボルトナット等による取付フランジ筒63と蓋体65との締結を解除して、弁吊金具64、蓋体65、及びアダプタ66を吊り具C及びワイヤWにより吊り上げ取り外す(図23参照)。そして、ボルトナット等による円筒部材61との締結を解除した取付フランジ筒63を吊り具C及びワイヤWにより吊り上げ取り外した後、ボルトナット等による作業弁4との締結を解除した円筒部材61を吊り具C及びワイヤWにより吊り上げ取り外す(図19参照)。
【0088】
[3分割取り外し工程]
次に、筐体2の分岐部2aより作業弁4を取り外す工程について説明する。先ず3分割取り外し工程について説明する。3分割取り外し工程は、弁体42の少なくとも一部を収納した弁箱41から弁蓋43を取り外す第1工程と、弁箱41から弁体42を抜き出して取り外す第2工程と、分岐部2aから弁箱41を取り外す第3工程と、からなる。
【0089】
先ず、3分割取り外し工程の第1工程について説明する。図32に示されるように、電動ドライバ43bで送りネジ43aを回転させて弁体42を弁箱41内に進出させ、弁箱41の上方側の開口部を通じて、弁体42の前端と弁箱41を挿入方向における規制手段であるワイヤW4及びチェーンブロックB1で繋ぐ。このとき、弁体42が弁箱41内に位置するバタフライ弁10の開閉軸12に接触することを規制できるように、ワイヤW4の長さをチェーンブロックB1で調整する。これにより、弁体42が開閉軸12に接触することによる損傷や、筐体2の分岐部2aからの漏洩を防止することができる。尚、挿入方向における規制手段は、ワイヤW4及びチェーンブロックB1に限られず、例えば所定の長さに調整され、筐体2や弁体42に係止可能な係止部を有する棒状や紐状の部材であってもよく、適宜変更されてもよい。
【0090】
弁体42を開閉軸12近傍まで進出させたら、弁蓋43に吊り具C、ワイヤW及びチェーンブロックBを取り付け、弁箱41との締結が解除された弁蓋43を締結解除前と同様に水平に吊持できるようにワイヤWの長さをチェーンブロックBで調整し、ボルト・ナット44(図9参照)による弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジの締結を解除する。
【0091】
次いで、弁蓋43をクレーンの操作にて弁箱41から離間させる方向に引き寄せながら、電動ドライバ43bで送りネジ43aを回転させて弁体42の位置を保持する。そして、弁体42の後端が弁蓋43外に露出すると、当該後端にアイボルト42jを設け、弁箱41と弁体42を離脱方向における規制手段であるワイヤW5及びチェーンブロックB2で繋ぐ。そして、弁体42の一部が弁箱41内に収納され、残りが弁箱41の外部に露出する位置にて、弁体42が傾くことや、弁体42が弁箱41から意図せず抜け出すことを規制できるように、ワイヤW5の長さをチェーンブロックB2で調整する。これにより、容易かつ安全に作業することができる。尚、離脱方向における規制手段は、ワイヤW5及びチェーンブロックB2に限られず、例えば所定の長さに調整され、筐体2や弁体42に係止可能な係止部を有する棒状や紐状の部材であってもよく、適宜変更されてもよい。
【0092】
さらに弁蓋43をクレーンの操作にて弁箱41から離間させる方向に引き寄せながら、電動ドライバ43bを用いて送りネジ43aを回転させて、送りネジ43aの先端を弁体42内の送りナット42fから離脱させる。そして、図33に示されるように、弁蓋43を取り外す(3分割取り外し工程の第1工程終了)。
【0093】
次に、3分割取り外し工程の第2工程について説明する。図33に示されるように、弁箱41の開口部41aに複数の弁体仮受け台41bを取り付け、弁体仮受け台41bに車輪止め41cを差し込む。
【0094】
図34に示されるように、弁体42の上部の挿入方向後側(図示右側)の2箇所に設けた後側アイボルト42bに後側ワイヤW2を通し、後側ワイヤW2を弁体42が水平になるように吊り具Cで吊り上げ、ワイヤW4,W5、チェーンブロックB1,B2を取り外す。
【0095】
その後、クレーンを操作して弁体42を弁箱41から離間させる方向、すなわち抜出方向に略水平に移動させる。このとき、弁体42の前輪42cが弁箱41内に設けられるスライド溝41eに沿って案内され、また、複数の側輪42iが、弁箱41内の内側面に当接して案内されることで、弁箱41から弁体42の抜き出し、走行が円滑に行われる。
【0096】
図35に示されるように、前側アイボルト42aを取り付け可能な位置まで弁体42を抜出方向に略水平に移動させる。このとき、弁体42は、前輪42cが弁箱41の外、かつ複数の弁体仮受け台41b上に移動した状態となるため、弁体42は、弁箱41内に挿入されている状態と同じ高さ位置に保持される。これにより、クレーンに急激な負荷が作用することが防止されている。さらに、車輪止め41cに移動が規制されるまで弁体42を移動させることにより、抜け出しが防止されるばかりでなく、前側アイボルト42aを取り付け可能な位置に弁体42を配置することができる。すなわち、前側アイボルト42aを取り付け可能な位置への位置合わせを容易にすることができる。
【0097】
そして、弁体42の上部の挿入方向前側(図示左側)の2箇所に前側アイボルト42aを設け、前側ワイヤW1を通し、前側ワイヤW1の長さをチェーンブロックBで調整し、かつクレーンを操作することで、前側ワイヤW1、後側ワイヤW2によって弁体42を水平に吊持する。図35では、前側ワイヤW1の長さ及び後側ワイヤW2の長さが略同じであるため、弁体42を安定して水平に吊ることができる。
【0098】
図36に示されるように、車輪止め41cを取り外し、弁体42をクレーンの操作にて弁箱41から離間方向に水平移動させ、弁箱41内から弁体42を離脱させる(3分割取り外し工程の第2工程終了)。
【0099】
次に、3分割取り外し工程の第3工程について説明する。図37に示されるように、弁体仮受け台41bを取り外し、弁箱41に吊り具C及びワイヤWを取り付け、ボルトナットによる分岐部2aのフランジ2bとの締結を解除した弁箱41をクレーンで取り外す(3分割取り外し工程の第3工程終了)。
【0100】
その後、図38に示されるように、フランジ2bには、環状の補強具16が図示しないボルトナットにより固定される。補強具16は、フランジ2bに固定された状態にて軸方向に延びる環状凸部がバタフライ弁10の上蓋部14に当接するため、バタフライ弁10の抜け止めを補強している。
【0101】
このように、3分割取り外し工程では、作業弁4を、弁蓋43から構成される第1の分割体と、弁体42から構成される第2の分割体と、弁箱41から構成される第3の分割体に分割して、筐体2の分岐部2aから、これらを順番に取り外すことで、作業弁4を取り外すことが可能となっている。これにより、作業弁4を組み立てた状態で分岐部2aより取り外す場合(総重量が10500kgの作業弁4)や、複数の部材から成る作業弁4を部材数未満の数に分割して取り外す場合(例えば、3つの部材であれば2つの分割体に分割して取り外す場合)に比べて、クレーンへの重量負荷を分散して軽減できるため、クレーンを小型化することができ、作業弁4を取り外す作業スペースを省スペース化できる。
【0102】
また、作業弁4の組み立て時には、弁蓋43から構成される第1の分割体と、弁体42から構成される第2の分割体と、弁箱41から構成される第3の分割体と、を個別に運搬し、作業弁4の取り外し時には、弁蓋43から構成される第1の分割体と、弁体42から構成される第2の分割体と、弁箱41から構成される第3の分割体と、を個別に運搬する。すなわち作業弁4の組み立て時の分割体と、作業弁取り外し時の分割体が同じであるため、作業弁4の組み立て時及び取り外し時において、同じクレーンを用いて、同じ作業スペースで作業することが可能であるため、作業の手間や複数のクレーンを手配する等のコストを削減することができる。
【0103】
尚、図6及び図7にて示される、弁体42と送りネジ43aとを連結する変形例の場合には、送りネジ43aの先端に螺合されている送りナット42f’を弁体42の収納部42gから上方側に抜き出すことで弁体42と弁蓋43の連結を解除することができる。それ以外の手順については、上述した手順と同様である。
【0104】
[他の3分割取り外し工程]
次に、筐体2の分岐部2aより作業弁4及び短管45を取り外す工程である、他の3分割取り外し工程について説明する。他の3分割取り外し工程は、弁体42が収納された弁箱41から弁蓋43を取り外す第1工程と、弁箱41から弁体42を抜き出す第2工程と、短管45から弁箱41を取り外す第3工程と、分岐部2aから短管45を取り外す第4工程と、からなる。
【0105】
尚、短管45は、分岐部2aのフランジ2bと弁箱41の間に取り付けられた管部材である。短管45の上に作業弁4を配置することで、バタフライ弁10の開閉軸12より上方を弁体42が移動可能になるため、開閉軸12と弁体42の接触が未然に回避されている。また、上述した3分割取り外し工程と重複する説明については簡略する。
【0106】
先ず、他の3分割取り外し工程の第1工程について説明する。図39に示されるように、電動ドライバ43bで送りネジ43aを回転させて弁体42をその後端まで弁箱41内に進出させる。すなわち弁箱41内に弁体42の全体が収納される。そして、弁蓋43に吊り具C、ワイヤW及びチェーンブロックBを取り付け、ボルト・ナット44(図9参照)による弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジの締結を解除する。弁箱41との締結が解除された弁蓋43は、締結解除前と同様に水平に吊持される。
【0107】
次いで、弁蓋43を弁箱41から離間させる方向に引き寄せながら、電動ドライバ43b(図32参照)で送りネジ43aを回転させて弁体42の位置を保持する。そして、弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジ間の隙間(例えば100mm程度)を通じて弁体抜止め板41dを弁箱41の開口部41aにボルトで取り付ける。
【0108】
さらに、電動ドライバ43bを用いて送りネジ43aを回転させ、送りネジ43aの先端を弁体42内の送りナット42fから離脱させ、図40に示されるように、弁蓋43を取り外す(他の3分割取り外し工程の第1工程終了)。
【0109】
次に、他の3分割取り外し工程の第2工程について説明する。図39を参照して、先ず筐体2の分岐部2aの開口部を通じて弁体42をバール等で抜出方向へと押圧する。このとき、弁体42の前輪42c、複数の側輪42iにより、人力であっても弁体42を移動させることができる。さらに、弁体抜止め板41dに当接するまで弁体42を移動させることにより、抜け出しが防止されるばかりでなく、後側アイボルト42bを取り付け可能な位置に弁体42を配置することができる。尚、弁体42の位置調整については、弁体抜止め板41dに当接させなくともよく、適宜変更されてもよい。
【0110】
弁体42に設けた後側アイボルト42bに後側ワイヤW2を通し、弁体42が水平になるように吊り具Cで吊り上げる。そして、図40に示されるように、弁体抜止め板41dを取り外して、弁箱41の開口部41aに複数の弁体仮受け台41bを取り付け、弁体仮受け台41bに車輪止め41cを差し込む。その後、クレーンを操作して弁体42を抜出方向に移動させる。
【0111】
図41に示されるように、前側アイボルト42aを取り付け可能な位置まで弁体42を移動させ、弁体42に前側アイボルト42aを設け、これに前側ワイヤW1を通し、前側ワイヤW1、後側ワイヤW2によって弁体42を水平に吊持する。そして、車輪止め41cを取り外し、弁体42をクレーンの操作にて弁箱41から離間方向に水平移動させ、図42に示されるように、弁箱41内から弁体42を離脱させる(他の3分割取り外し工程の第2工程終了)。
【0112】
次に、他の3分割取り外し工程の第3工程について説明する。図43に示されるように、弁体仮受け台41bを取り外し、弁箱41に吊り具C及びワイヤWを取り付け、ボルトナットによる短管45のフランジとの締結を解除した弁箱41をクレーンで取り外す(他の3分割取り外し工程の第3工程終了)。
【0113】
次に、他の3分割取り外し工程の第4工程について説明する。図44に示されるように、短管45に吊り具C及びワイヤWを取り付け、ボルトナットによる分岐部2aのフランジ2bとの締結を解除した短管45をクレーンで取り外す(他の3分割取り外し工程の第4工程終了)。その後、図38に示されるように、フランジ2bには、補強具16が図示しないボルトナットにより固定される。
【0114】
このように、筐体2における分岐部2aと作業弁4の間には、第2分割体である弁体42が、流体弁であるバタフライ弁10に接触することを防止する接触防止手段として短管45が配置されているため、作業弁4の組み立て時とほぼ逆の手順で作業弁4を取り外すことができる。これにより、作業弁4の組み立て時と取り外し時とで共通の機器を用いて作業を行うことができるため、作業を簡便にするとともに、作業に係るコストを低減することができる。
【0115】
尚、上述した他の3分割取り外し工程の第4工程を省き、その前段の第3工程において、弁箱41と共に該弁箱41に接続された短管45を一緒にクレーンで取り外してもよい。
【0116】
また、接触防止手段は、短管45に限られず、例えば弁体42が流体弁に接触しないように弁箱の軸方向寸法を長尺にしてもよく、適宜変更されてもよい。
【0117】
[2分割取り外し工程]
次に、筐体2の分岐部2aより作業弁4を取り外す工程である、2分割取り外し工程について説明する。2分割取り外し工程は、弁箱41から弁体42が収納された弁蓋43を一緒に取り外す第1工程と、分岐部2aから弁箱41を取り外す第2工程と、からなる。
【0118】
尚、本説明では、クレーンの配置変更等により、作業半径が作業弁4の組み立て時よりも小さくでき、クレーンが弁体42と共に弁蓋43を吊持するに足る吊り上げ能力(重量制限)を十分に満たしているものとする。また、上述した3分割取り外し工程と重複する説明については簡略する。
【0119】
先ず、2分割取り外し工程の第1工程について説明する。図45に示されるように、弁体42が収容された状態の弁蓋43に吊り具C、ワイヤW及びチェーンブロックBを取り付け、ボルト・ナット44による弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジの締結を解除する。弁箱41との締結が解除された弁蓋43は、ワイヤW及びチェーンブロックBにより、締結解除前と同様に水平に吊持される。そして、弁蓋43をクレーンの操作にて弁箱41から離間方向に水平移動させ、弁箱41内から弁体42を離脱させ、弁蓋43を弁体42と共に取り外す(2分割取り外し工程の第1工程終了)。
【0120】
次に、2分割取り外し工程の第2工程について説明する。図46に示されるように、弁箱41に吊り具C及びワイヤWを取り付け、ボルトナットによる分岐部2aのフランジ2bとの締結を解除した弁箱41を取り外す(2分割取り外し工程の第2工程終了)。その後、図38に示されるように、フランジ2bには、補強具16が図示しないボルトナットにより固定される。
【0121】
このように、2分割取り外し工程では、作業弁4を、弁体42及び弁蓋43から構成される第1の分割体と、弁箱41から構成される第2の分割体と、に分割して、筐体2の分岐部2aから、これらを順番に取り外すことで、作業弁4を取り外すことが可能となっている。これにより、作業弁4を組み立てた状態で分岐部2aより取り外す場合(総重量が10500kgの作業弁4)に比べて、クレーンへの重量負荷を分散して軽減できるため、クレーンを小型化することができ、作業弁4を取り外す作業スペースを省スペース化できる。
【0122】
また、2分割取り外し工程の第1工程では、弁蓋43を水平方向に移動させることで、弁体42を弁箱41内から離脱させることができるため、チェーンブロックB1、B2、ワイヤW2~W5、弁体仮受け台41b、前側アイボルト42a、後側アイボルト42b、アイボルト42j等を使用して弁体42を弁箱41内から離脱させる構成と比較して、弁体42を取り外す作業を簡便にすることができる。
【0123】
また、2分割取り外し工程の第1工程では、抜止手段としての弁体42の送りナット42fには弁蓋43の送りネジ43aがネジ込まれており、弁蓋43から離脱することが防止されることから、作業弁取り外し工程の第1工程を簡便かつ安全に実施することができる。
【0124】
また、2分割取り外し工程の第1工程では、弁体42が収容されている状態で弁蓋43が取り外されることから、弁体42を弁箱41内に進出させなくてもよいため、弁体42がバタフライ弁10の開閉軸12に接触することが未然に回避されている。
【0125】
また、作業弁4の組み立て時には、弁蓋43から構成される第1の分割体と、弁体42から構成される第2の分割体と、弁箱41から構成される第3の分割体と、を個別に運搬し、作業弁4の取り外し時には、弁体42及び弁蓋43から構成される第1の分割体と、弁箱41から構成される第2の分割体と、を個別に運搬する。すなわち作業弁4の組み立て時の分割体よりも作業弁4の取り外し時の分割体が少ないため、取り外し時の作業工数を低減することができる。
【0126】
加えて、作業弁4の組み立て時には、例えば特許文献1のように、弁体が挿入された状態の弁蓋を、弁箱に取付けるような構成と比較して、高い精度で作業弁4を組み立てることができる。そのため、特に要求される密封性能が高い場合に好適である。
【0127】
さらに、作業弁4の取り外し時には、筐体2の分岐部2aがバタフライ弁10によって止水されている。そのため、作業弁4の組み立て時より取り外し時の分割体数を低減しても支障が生じにくくなっているため、作業効率を高めることができる。
【0128】
[他の2分割取り外し工程]
次に、筐体2の分岐部2aより作業弁4及び短管45を取り外す工程である、他の2分割取り外し工程について説明する。他の2分割取り外し工程は、弁体42が収納された弁箱41から弁蓋43を取り外す第1工程と、短管45から弁体42が収納された弁箱41を一緒に取り外す第2工程と、分岐部2aから短管45を取り外す第3工程と、からなる。尚、上述した2分割取り外し工程と重複する説明については簡略する。
【0129】
先ず、他の2分割取り外し工程の第1工程について説明する。図47に示されるように、電動ドライバ43bで送りネジ43aを回転させて弁体42の後端が弁箱41内に位置するまで進出させる。そして、弁蓋43に吊り具C、ワイヤW及びチェーンブロックBを取り付け、ボルト・ナット44による弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジの締結を解除する。弁箱41との締結が解除された弁蓋43は、ワイヤW及びチェーンブロックBにより、締結解除前と同様に水平に吊持される。
【0130】
次いで、弁蓋43をクレーンの操作にて弁箱41から離間させる方向に引き寄せながら、電動ドライバ43bで送りネジ43aを回転させて弁体42の位置を保持する。そして、弁箱41の側端と弁蓋43の側端の合わせフランジ間の隙間(例えば100mm程度)を通じて弁体抜止め板41dを弁箱41の開口部41aにボルトで取り付ける。
【0131】
さらに、電動ドライバ43bを用いて送りネジ43aを回転させ、送りネジ43aの先端を弁体42内の送りナット42fから離脱させ、弁蓋43を取り外す(他の2分割取り外し工程の第1工程終了)。
【0132】
次に、他の2分割取り外し工程の第2工程について説明する。図48に示されるように、弁体42が収容された状態の弁箱41に吊り具C及びワイヤWを取り付け、ボルトナットによる短管45との締結を解除した弁箱41を弁体42と共に取り外す(他の2分割取り外し工程の第2工程終了)。
【0133】
次に、他の2分割取り外し工程の第3工程について説明する。図44を参照して、短管45に吊り具C及びワイヤWを取り付け、ボルトナットによる分岐部2aのフランジ2bとの締結を解除した短管45をクレーンで取り外す(他の2分割取り外し工程の第3工程終了)。その後、図38に示されるように、フランジ2bには、補強具16が図示しないボルトナットにより固定される。
【0134】
このように、他の2分割取り外し工程では、作業弁4を、弁蓋43から構成される第1の分割体と、弁体42及び弁箱41から構成される第2の分割体と、に分割して、筐体2の分岐部2aから、これらを順番に取り外すことで、作業弁4を取り外すことが可能となっている。これにより、作業弁4を組み立てた状態で分岐部2aより取り外す場合(総重量が10500kgの作業弁4)に比べて、クレーンへの重量負荷を分散して軽減できるため、クレーンを小型化することができ、作業弁4を取り外す作業スペースを省スペース化できる。
【0135】
また、他の2分割取り外し工程の第2工程では、抜止手段としての弁体抜止め板41dによって弁箱41内に収容された弁体42の抜け止めがなされていることから、チェーンブロックB1、B2、ワイヤW2~W5、弁体仮受け台41b、前側アイボルト42a、後側アイボルト42b、アイボルト42j等を使用して弁体42を弁箱41内から離脱させる構成と比較して、弁体42を取り外す作業を簡便にすることができる。尚、上述した他の2分割取り外し工程の第3工程を省き、その前段の第2工程において、弁箱41及び弁体42と共に該弁箱41に接続された短管45を一緒にクレーンで取り外してもよい。
【0136】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0137】
例えば、前記実施例では、作業弁4の取付方法において、弁蓋43に操作部としての送りネジ43aや電動ドライバ43bを設け、送りネジ43aの先端を弁箱41内の送りナット42fにネジ込んで、弁体42と送りネジ43aとを連結する形態を例示したが、本発明は、これに限られず、弁箱41に操作部を設け、弁体42と送りネジとを連結する形態であってもよい。
【0138】
例えば、前記実施例では、制流体としてバタフライ弁10を用いる形態を例示したが、本発明はこれに限られず、例えば、制流体は、仕切弁、プラグ、または切換弁等であってもよい。例えば前記実施例では、バタフライ弁10を複数の分割体から構成される態様を例示したが、これに限らず制流体を一体に構成してもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 流体管
2 筐体
2a 分岐部(開口部)
2b フランジ(係止部)
4 作業弁
5 切断機
6 弁導入機
7 ジャッキ
8 駆動機構
10 バタフライ弁
11 仕切壁
12 開閉軸
13 弁体
14 上蓋部
15 抑え手段
20 筐体
41 弁箱
41a 開口部
41b 弁体仮受け台(載置部)
41c 車輪止め
41d 弁体抜止め板(規制手段)
41e スライド溝
42 弁体
42a 前側アイボルト(吊支部)
42b 後側アイボルト(吊支部)
42f 送りナット
42g 収納部
42h ナット抜止め板
43 弁蓋
43a 送りネジ(弁棒、操作部)
43b 電動ドライバ(操作部)
51 取付フランジ筒
52 カッタ
53 蓋体
61 円筒部材
62 係止部材
63 取付フランジ筒
65 蓋体
81,81’ 軸部材
86 ケース部
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