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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074932
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】遠隔診療及び服薬指導システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20230523BHJP
   G16H 80/00 20180101ALI20230523BHJP
【FI】
G16H20/10
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188133
(22)【出願日】2021-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】516288376
【氏名又は名称】株式会社新成堂ホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100175064
【弁理士】
【氏名又は名称】相澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】新関 一成
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】利便性の高い遠隔診療及び調剤システムを提供する。
【解決手段】遠隔診療及び服薬指導システムは、患者端末と、薬局端末と、医療機関端末と、管理装置と、を有し、前記管理装置は、患者の健康診断又は各種検査結果を格納する患者情報管理部と、前記患者端末と、前記医療機関端末との間で行われる遠隔診療を制御する遠隔診療・服薬指導管理部とを有し、前記薬局端末は、前記患者の健康診断又は各種検査結果を表示し、前記患者の健康診断又は各種検査結果に異常値が含まれる場合に前記遠隔診療・服薬指導管理部を起動する患者情報閲覧部を有する。
【選択図】図1B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者端末と、薬局端末と、医療機関端末と、管理装置と、を有し、
前記管理装置は、
患者の健康診断又は各種検査結果を格納する患者情報管理部と、
前記患者端末と、前記医療機関端末との間で行われる遠隔診療を制御する遠隔診療・服薬指導管理部とを有し、
前記薬局端末は、
前記患者の健康診断又は各種検査結果を表示し、前記患者の健康診断又は各種検査結果に異常値が含まれる場合に前記遠隔診療・服薬指導管理部を起動する患者情報閲覧部を有する
遠隔診療及び服薬指導システム。
【請求項2】
患者端末と、薬局端末と、医療機関端末と、管理装置と、を有し、
前記薬局端末は、
患者に対して調剤された薬剤に関する調剤情報の入力を受け付ける調剤情報入力・閲覧部を有し、
前記医療機関端末は、
前記患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報の入力を受け付ける処方箋情報入力・閲覧部を有し、
前記管理装置は、
前記調剤情報を格納する調剤情報管理部と、
前記処方箋情報を格納する処方箋情報管理部とを有し、
前記患者端末は、
前記調剤情報管理部又は前記処方箋情報管理部から前記調剤情報又は前記処方箋情報を取得し、所定期間内に処方又は調剤された薬剤の間で相互作用が発生する可能性がある場合、アラートを表示する調剤情報入力・記憶部を有する
遠隔診療及び服薬指導システム。
【請求項3】
患者端末と、薬局端末と、管理装置と、を有し、
前記薬局端末は、
患者に対して調剤された薬剤に関する調剤情報の入力を受け付ける調剤情報入力・閲覧部を有し、
前記管理装置は、
前記調剤情報を格納する調剤情報管理部と、
前記患者端末は、
前記調剤情報管理部から前記調剤情報を取得し、所定期間内に調剤された前記薬剤と食べ合わせの良い又は悪い食材、あるいは前記薬剤に対応する献立情報を表示する調剤情報入力・記憶部を有する
遠隔診療及び服薬指導システム。
【請求項4】
薬局端末と、管理装置と、を有し、
前記管理装置は、
患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報を格納する処方箋情報管理部を有し、
前記薬局端末は、
前記処方箋情報管理部から前記処方箋情報を取得し、前記処方箋情報に含まれる項目の内容が、他の前記処方箋情報と同じである場合に警告メッセージを表示する処方箋情報閲覧部を有する
遠隔診療及び服薬指導システム。
【請求項5】
患者端末と、管理装置と、を有し、
前記管理装置は、
患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報を格納する処方箋情報管理部を有し、
前記患者端末は、
前記処方箋情報の入力を受け付け、前記処方箋情報を記憶するとともに、前記処方箋情報を前記処方箋情報管理部に送信する患者情報入力・記憶部を有し、
前記患者情報入力・記憶部は、前記入力された前記処方箋情報に含まれる項目の内容が、既に記憶されている前記処方箋情報と同じである場合に警告メッセージを表示する
遠隔診療及び服薬指導システム。
【請求項6】
医療機関端末と、管理装置と、を有し、
前記管理装置は、
患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報を格納する処方箋情報管理部を有し、
前記医療機関端末は、
前記処方箋情報の入力を受け付け、前記処方箋情報を記憶するとともに、前記処方箋情報を前記処方箋情報管理部に送信する処方箋情報入力・閲覧部を有し、
前記処方箋情報入力・閲覧部は、前記入力された前記処方箋情報に含まれる項目の内容が、既に記憶されている前記処方箋情報と同じである場合に警告メッセージを表示する
遠隔診療及び服薬指導システム。
【請求項7】
患者端末と、薬局端末又は医療機関端末と、管理装置と、を有し、
前記管理装置は、
検査・計測設備を用いて患者自らが実施した検査の結果を格納する患者情報管理部を有し、
前記患者端末は、
前記検査結果の入力を受け付ける患者情報入力・記憶部を有し、
前記薬局端末又は前記医療機関端末は、
前記患者情報管理部から前記検査結果を取得し、前記検査結果が予め定義された異常値に該当する場合に警告メッセージを表示する患者情報閲覧部を含む
遠隔診療及び服薬指導システム。
【請求項8】
前記管理装置は、
前記患者端末と、前記医療機関端末との間で行われる遠隔診療を制御する遠隔診療・服薬指導管理部をさらに有し、
前記患者情報閲覧部は、前記検査結果が予め定義された異常値に該当する場合に前記遠隔診療・服薬指導管理部を起動する
請求項7記載の遠隔診療及び服薬指導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠隔診療及び服薬指導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術を利用して遠隔で診療等を行うための手法が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、患者が端末装置を用いて自己問診や血圧等の自己測定を行ってサーバに結果を送信し、問診又は測定結果が異常であるとサーバが判定した場合には医師による遠隔診断が可能となるシステムが記載されている。
【0004】
特許文献2には、コールセンターのオペレータが患者と電話で会話して問診を行い、問診結果に応じて患者に適した医師が呼び出されるシステムが記載されている。
【0005】
特許文献3には、処方データに載せられている薬剤を調剤可能な調剤薬局や、調剤薬局ごとの調剤費用を検索及び表示するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-312430号公報
【特許文献2】特開2019-185518号公報
【特許文献3】特開2018-156165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、遠隔診療及び服薬指導に関する情報の利用をより円滑化することや、これらのアプリケーションの利用を積極的にサポートして遠隔診療及び服薬指導におけるユーザ体験を向上させることに着目したシステムは未だ提供されていない。
【0008】
この点、従来は紙で提供されてきた「お薬手帳」を電子化し、スマートフォンやPC(Personal Computer)等で利用可能なアプリケーション等(以下、これらを総称して「お薬手帳アプリ」という)によって患者に関する調剤履歴を管理することが、近年行われるようになっている。
【0009】
しかしながら、既存のお薬手帳アプリは主にオフラインでの調剤に関する情報を管理することを目的としていた。そのため、上述のような遠隔診療や遠隔服薬指導においてお薬手帳アプリを有効に活用する手法については、未だ十分な提案がなされていない。
【0010】
また、電子化された患者情報、調剤情報、処方箋情報、問診情報及び診断情報等を活用し、オンラインで各種医療サービスを提供することにより利便性を向上させる技術についても、未だ十分な提案がなされていない。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、利便性の高い遠隔診療及び服薬指導システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、患者端末と、薬局端末と、医療機関端末と、管理装置と、を有し、前記管理装置は、患者の健康診断又は各種検査結果を格納する患者情報管理部と、前記患者端末と、前記医療機関端末との間で行われる遠隔診療を制御する遠隔診療・服薬指導管理部とを有し、前記薬局端末は、前記患者の健康診断又は各種検査結果を表示し、前記患者の健康診断又は各種検査結果に異常値が含まれる場合に前記遠隔診療・服薬指導管理部を起動する患者情報閲覧部を有する。
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、患者端末と、薬局端末と、医療機関端末と、管理装置と、を有し、前記薬局端末は、患者に対して調剤された薬剤に関する調剤情報の入力を受け付ける調剤情報入力・閲覧部を有し、前記医療機関端末は、前記患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報の入力を受け付ける処方箋情報入力・閲覧部を有し、前記管理装置は、前記調剤情報を格納する調剤情報管理部と、前記処方箋情報を格納する処方箋情報管理部とを有し、前記患者端末は、前記調剤情報管理部又は前記処方箋情報管理部から前記調剤情報又は前記処方箋情報を取得し、所定期間内に処方又は調剤された薬剤の間で相互作用が発生する可能性がある場合、アラートを表示する調剤情報入力・記憶部を有する。
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、患者端末と、薬局端末と、管理装置と、を有し、前記薬局端末は、患者に対して調剤された薬剤に関する調剤情報の入力を受け付ける調剤情報入力・閲覧部を有し、前記管理装置は、前記調剤情報を格納する調剤情報管理部と、前記患者端末は、前記調剤情報管理部から前記調剤情報を取得し、所定期間内に調剤された前記薬剤と食べ合わせの良い又は悪い食材、あるいは前記薬剤に対応する献立情報を表示する調剤情報入力・記憶部を有する。
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、薬局端末と、管理装置と、を有し、前記管理装置は、患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報を格納する処方箋情報管理部を有し、前記薬局端末は、前記処方箋情報管理部から前記処方箋情報を取得し、前記処方箋情報に含まれる項目の内容が、他の前記処方箋情報と同じである場合に警告メッセージを表示する処方箋情報閲覧部を有する。
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、患者端末と、管理装置と、を有し、前記管理装置は、患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報を格納する処方箋情報管理部を有し、前記患者端末は、前記処方箋情報の入力を受け付け、前記処方箋情報を記憶するとともに、前記処方箋情報を前記処方箋情報管理部に送信する患者情報入力・記憶部を有し、前記患者情報入力・記憶部は、前記入力された前記処方箋情報に含まれる項目の内容が、既に記憶されている前記処方箋情報と同じである場合に警告メッセージを表示する。
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、医療機関端末と、管理装置と、を有し、前記管理装置は、患者に対して処方された薬剤に関する処方箋情報を格納する処方箋情報管理部を有し、前記医療機関端末は、前記処方箋情報の入力を受け付け、前記処方箋情報を記憶するとともに、前記処方箋情報を前記処方箋情報管理部に送信する処方箋情報入力・閲覧部を有し、前記処方箋情報入力・閲覧部は、前記入力された前記処方箋情報に含まれる項目の内容が、既に記憶されている前記処方箋情報と同じである場合に警告メッセージを表示する。
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、患者端末と、薬局端末又は医療機関端末と、管理装置と、を有し、前記管理装置は、検査・計測設備を用いて患者自らが実施した検査の結果を格納する患者情報管理部を有し、前記患者端末は、前記検査結果の入力を受け付ける患者情報入力・記憶部を有し、前記薬局端末又は前記医療機関端末は、前記患者情報管理部から前記検査結果を取得し、前記検査結果が予め定義された異常値に該当する場合に警告メッセージを表示する患者情報閲覧部を含む。
一実施の形態によれば、遠隔診療及び服薬指導システムは、前記管理装置は、前記患者端末と、前記医療機関端末との間で行われる遠隔診療を制御する遠隔診療・服薬指導管理部をさらに有し、前記患者情報閲覧部は、前記検査結果が予め定義された異常値に該当する場合に前記遠隔診療・服薬指導管理部を起動する。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、利便性の高い遠隔診療及び服薬指導システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】遠隔診療及び服薬指導システム1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図1B】遠隔診療及び服薬指導システム1を利用する典型的なユーザの相関図である。
図2A】遠隔診療及び服薬指導システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2B】遠隔診療及び服薬指導システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2C】遠隔診療及び服薬指導システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2D】遠隔診療及び服薬指導システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2E】遠隔診療及び服薬指導システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】遠隔診療及び服薬指導システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】遠隔診療及び服薬指導システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】遠隔診療及び服薬指導システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1Aは、本発明の実施の形態にかかる遠隔診療及び服薬指導システム1のハードウェア構成の一例を示す図である。遠隔診療及び服薬指導システム1は、患者が利用する患者端末10、コンシェルジュ端末20、管理装置30、医療機関が利用する医療機関端末50、及び薬局が利用する薬局端末70を含む。管理装置30は、ネットワーク90を介し、患者端末10、医療機関端末50、薬局端末70と通信可能に接続される。
【0017】
図1Bは、システム1を利用する典型的なユーザの相関図である。患者端末10を利用する患者は自ら、又はコンシェルジュ端末20を使うコンシェルジュのサポートを受けて事前問診を行う。その後、医療機関端末50を利用する医師にアクセスし、遠隔で診療を受ける。医師が薬剤を処方すると、医師から薬局端末70を利用する薬剤師に処方データが送信される。なお処方データは、医師から薬局(薬剤師)に直接送られることもあれば、コンシェルジュを介して送られることもある。薬剤師は薬剤を調製し、薬剤を患者に配送し、遠隔で服薬指導を行う。なお本稿では、薬剤の調製や服薬指導等を含む、薬局(薬剤師)が患者に提供するサービスを調剤と称する。問診、診療、処方、調剤の各記録は管理装置10に蓄積される。患者端末10、医療機関端末50、薬局端末70のそれぞれは管理装置10上の必要な情報にアクセスできる。
【0018】
患者端末10、コンシェルジュ端末20、医療機関端末50又は薬局端末70は、典型的にはスマートフォン、タブレット、ウェアラブル装置、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置である。管理装置30は、典型的にはサーバコンピュータ、クラウドコンピューティング環境、エッジコンピューティング環境、フォグコンピューティング環境等のネットワーク90を介してアクセス可能な情報処理資源である。これらの情報処理装置(情報処理環境)は、CPU(中央処理装置)、記憶装置、通信装置、表示装置、入力装置等のハードウェアを含み、CPUが記憶装置に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、以下に示すような所定の機能を実現することが可能である。
【0019】
図2A乃至図2Eは、実施の形態にかかる遠隔診療及び服薬指導システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。遠隔診療及び服薬指導システム1は、情報提供部101、遠隔診療・服薬指導申込部102、患者情報入力・記憶部103、調剤情報入力・記憶部105、問診情報入力部107、問診情報記憶部109、評価情報入力部111、決済処理部113、患者情報入力・閲覧部201、問診情報入力・閲覧部203、診断情報入力・閲覧部205、処方箋情報入力・閲覧部207、調剤情報入力・閲覧部209、会計情報入力・閲覧部211、患者情報管理部300、調剤情報管理部301、問診情報管理部303、評価情報管理部305、診断情報管理部307、処方箋情報管理部309、決済代行処理部311、遠隔診療・服薬指導管理部313、患者情報閲覧部500、問診情報閲覧部501、調剤情報閲覧部503、診断情報入力・閲覧部505、処方箋情報入力・閲覧部507、会計処理部509、患者情報閲覧部700、問診情報閲覧部701、調剤情報入力・閲覧部703、処方箋情報閲覧部705、会計処理部709を有する。以下に、各処理部の典型的な実装例を示す。但し、各処理部を図1に示したハードウェアのいずれに実装するかは基本的に任意であり、例えばある処理部を複数のハードウェアに分散して実装しても構わない。
【0020】
<患者端末>
患者端末10は、情報提供部101、遠隔診療・服薬指導申込部102、患者情報入力・記憶部103、調剤情報入力・記憶部105、問診情報入力部107、問診情報記憶部109、評価情報入力部111、決済処理部113を含む。これらの処理部は、患者端末10で動作するお薬手帳アプリの一機能として実現されうる。お薬手帳アプリは、例えばローカルアプリケーションやウェブアプリケーションなど任意の形態で実装されて良い。なお、本発明はお薬手帳アプリへの実装に限定されるものでなく、例えば遠隔診療及び服薬指導に特化した専用アプリなど、任意の形態で提供することができる。
【0021】
情報提供部101は、患者に対し各種情報を提供する。典型的にはお薬手帳アプリにおいてニュース配信機能及び名医紹介機能を提供することができる。
【0022】
ニュース配信機能:情報提供部101は、管理装置30や他の配信サーバ等から受信したニュース、及びスポンサーが提供する広告等を画面に表示する。
【0023】
名医紹介機能:情報提供部101は、システム1による遠隔診療を提供している医師のプロフィール等とともに、評価情報管理部305(後述)から取得した評価情報を表示することができる。医師のプロフィールには、例えば診療実績のある疾患等を含めても良い。
【0024】
遠隔診療・服薬指導申込部102は、患者による遠隔診療及び服薬指導の申込みを受け付ける。例えば、遠隔診療・服薬指導申込部102は、お薬手帳アプリに設けられた「オンライン診療・服薬指導」メニューが選択されたことを検出して、管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313(後述)に遠隔診療・服薬指導プロセスの開始を要求する。
【0025】
遠隔診療・服薬指導申込部102は、申込みに際し以下のような要求を受け付けることができる。
薬局の指定:遠隔服薬指導を行う薬局の事前指定を受け付ける。
医師の指定:遠隔診療を行う医師の事前指定を受け付ける。例えば、情報提供部101の名医紹介機能から特定の医師を選択させ、遠隔診療の依頼先として指定することができる。
【0026】
また、遠隔診療・服薬指導申込部102は、特定の慢性疾患等に限って遠隔診療及び服薬指導を受け付けることとしても良い。慢性疾患は、診療の内容や、処方すべき薬剤の種類をある程度想定しておくことが可能であるため、例えば特定の慢性疾患の診療に通じた医師や、特定の薬剤を在庫している薬局等をアサインすることが容易である。換言すれば、遠隔診療及び服薬指導の対象を慢性疾患に限定することにより、医師が幅広い疾患の遠隔診療に対応しなければならないことに対する負担や、薬局が多くの薬剤を在庫しなければならないことに対する負担を軽減することができる。この場合、遠隔診療・服薬指導申込部102は、例えばお薬手帳アプリに設けられた「慢性疾患特化型のオンライン診療・服薬指導」メニューが選択されたことを検出し、予め定められた幾つかの慢性疾患名を表示させる。患者が特定の慢性疾患名を選択したことを検出すると、遠隔診療・服薬指導申込部102は、管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313(後述)に、特定の慢性疾患に関する遠隔診療・服薬指導プロセスの開始を要求する。
【0027】
患者情報入力・記憶部103は、患者情報の入力を受け付ける。患者情報には、例えば患者の健康保険証情報(健康保険証番号又はマイナンバー等、健康保険証に紐づけられた識別情報を含む)、決済情報(クレジットカード情報等、キャッシュレス決済を実施するために必要な情報を含む)、属性情報(氏名、年齢、性別、住所等)、過去に受診した検診等の結果情報、既往症、副作用歴、アレルギー歴等が含まれる。患者情報入力・記憶部103は、入力された患者情報を患者IDと対応づけて管理装置30の患者情報管理部300に送信する。患者情報管理部300は、受信した患者情報を記憶する。
【0028】
また、患者は、患者情報(例えば健康保険証、クレジットカード、又は過去に受診した検診等の結果等)を含む書類等を、FAXやEメール等の任意の手段でコンシェルジュに送信しても良い。患者情報入力・記憶部103が、これらの画像をアップロードするための手段を備えることもできる。送信された画像に含まれる情報は、コンシェルジュによって患者情報入力・閲覧部201から入力される。又は、患者情報入力・閲覧部201は、OCR等の自動化手段によりデータ化された患者情報を入力しても良い。
【0029】
また、患者は、任意のデータソースから自身に関する各種医療データ等をインポートし、患者情報として登録することができる。例えば、患者情報入力・記憶部103は、検査会社等のサーバ(図示しない)に対し、当該サーバが保持している患者の検査データの送信を要求する。この際、必要であれば患者による同意を示す情報(ID、パスコード等)を送信することができる。患者情報入力・記憶部103は、受信した検査データを管理装置30の患者情報管理部300に送信し、記憶させる。このような検査データの一例として、健康保険組合が「マイナポータル(登録商標)」で提供する健康診断結果がある。患者情報入力・記憶部103は、患者のマイナンバー等の識別情報をマイナポータルに送信し、患者に紐づけられた健康診断結果を要求する。そして受信した健康診断結果を管理装置30の患者情報管理部300に記憶させる。
【0030】
また、患者情報入力・記憶部103は、患者が過去に医師から発行を受けた紹介状の登録を受け付けることができる。紹介状は、オンライン、オフラインのいずれで発行されたものであっても良い。患者情報入力・記憶部103は、紹介状の記載内容をテキストデータとして受け付けても良い。又は、紹介状の記載内容が格納されているオンライン上のロケーション情報の入力を受け付けても良い。又は、これらの情報がエンコードされたデータ(QRコード(登録商標)等)の入力を受け付けても良い。あるいは、紹介状の画像の入力を受け付けても良い。画像に含まれる情報は、コンシェルジュによって患者情報入力・閲覧部201から入力されても良く、患者情報入力・閲覧部201がOCR等の自動化手段によりデータ化して入力しても良い。
【0031】
好ましくは、患者情報入力・記憶部103は、紹介状に記載された医師に対して、予め患者の個人情報へのアクセス許可を与えることができる。すなわち、管理装置30においては、患者の意志に基づいて発行されたパスコードを入力した場合にのみ、患者情報管理部300、調剤情報管理部301、問診情報管理部303、診断情報管理部307及び処方箋情報管理部309等に保存された各種個人情報へアクセスできるよう制約が設けられる。患者情報入力・記憶部103は、管理装置30の各処理部にアクセスするためのパスコードを、当該医師の医療機関端末50に対して送信する。当該医師は、受信したパスコードを使用して、医療機関端末50から管理装置30にアクセスし各種個人情報を閲覧する。パスコードは、1回限りのアクセスが可能なワンタイムパスコードであっても良く、永久に又は所定の期間にわたりアクセスが可能なパスコードであっても良い。これにより、紹介状に記載された医師はいつでも、例えば患者に不測の事態が生じたときであっても、患者の医療情報にアクセスすることが可能となる。
【0032】
なお、患者は事前に特定の相手に対するパスコードを発行することなく、管理装置30に蓄積された自らの個人情報へのアクセス許可を不特定の相手に与えることもできる。この機能については後述する。
【0033】
また、患者情報入力・記憶部103は、患者が医師から発行を受けた処方箋の登録を受け付けることができる。処方箋は、オンライン、オフラインのいずれで発行されたものであっても良い。オンラインで発行された処方箋の場合、患者情報入力・記憶部103は電子的な処方箋(例えば患者ID、処方日、薬剤の名称及び量等が含まれる)の登録を受け付ける。電子的な処方箋が格納されているオンライン上のロケーション情報の入力を受け付けても良い。又は、これらの情報がエンコードされたデータ(QRコード(登録商標)等)の入力を受け付けても良い。オフラインで発行された、紙に印刷された処方箋の場合、患者情報入力・記憶部103は処方箋を撮影した画像のアップロードを受け付けることができる。患者情報入力・記憶部103は、受信した情報を管理装置30の処方箋情報管理部309に処方箋情報として格納する。処方箋の画像を受け付けた場合、患者情報入力・記憶部103は、処方箋からOCR等により認識した文字情報を処方箋情報として格納することができる。
【0034】
また、患者情報入力・記憶部103は、過去に患者が登録した処方箋情報を図示しない記憶領域に蓄積しておくことが好ましい(この情報を処方箋情報の履歴と称する)。患者情報入力・記憶部103は、新たに登録しようとする処方箋情報が、処方箋情報の履歴に含まれる処方箋情報と同内容である場合、「同じ内容の処方箋情報が既に登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示することが好ましい。ここで処方箋情報が同内容であるとは、複数の処方箋情報において、処方箋を発行した医療機関名、処方日、処方内容、保険番号等の項目の全部が一致することをいう。これにより、患者が同じ処方箋を使用して複数の薬局に調剤を依頼することにより、患者が必要量を超える薬剤を受け取ってしまうといった事故を防止することができる。
【0035】
なお、管理装置30の処方箋情報管理部309側で、同様の重複チェックを行うことも考えられる。その場合であっても、患者情報入力・記憶部103が重複チェックを行うことには一定の意義がある。例えば、患者情報入力・記憶部103においては、処方箋情報管理部309よりも厳しい基準で処方箋情報の一致判定を行うことができる。また、管理装置30が複数存在する環境下では、患者情報入力・記憶部103が、患者が複数の異なる管理装置30の処方箋情報管理部309に同内容の処方箋情報を登録しようとした場合、処方箋情報管理部309側ではこのことを検出できないが、患者情報入力・記憶部103であればこれを検出することが可能である。例えば、ある患者端末10が、サービスプロバイダAが運営する管理装置30(30Aとする)と、サービスプロバイダBが運営する管理装置30(30B)と、の双方に接続している場合を考える。この患者端末10の患者情報入力・記憶部103は、管理装置30Aの処方箋情報管理部309にある処方箋情報を登録した後、管理装置30Bの処方箋情報管理部309に同内容の処方箋情報を登録しようとすると、重複チェックによりこれを検出する。これにより、管理装置30Aの処方箋情報管理部309、及び管理装置30Bの処方箋情報管理部309のそれぞれでは検出できなかった処方箋情報の重複を、患者端末10において検出することができる。
【0036】
なお、このようにして患者により登録された処方箋に基づく調剤プロセスについては後述する。
【0037】
また、患者情報入力・記憶部103は、患者情報管理部300が管理する患者情報の複製や、患者情報管理部300が発行した患者IDを患者端末10内に保存することができる。また、保存した情報を編集し、患者情報管理部300に再度送信することができる。患者情報管理部300は、受信した患者情報を記憶する。
【0038】
調剤情報入力・記憶部105は、お薬手帳アプリの主要な機能であり、患者の調剤情報を記憶及び表示する。調剤情報とは、薬局が患者に対してこれまでに実施した調剤の履歴であり、例えば患者ID、調剤日、薬剤の名称や量、服薬指導の記録等が含まれる。調剤情報は、典型的には薬局端末70の調剤情報入力部705から調剤の都度入力されて、管理装置30の調剤情報管理部301に蓄積される。調剤情報入力・記憶部105は、調剤情報管理部301から自己の患者IDにかかる調剤情報を複製して患者端末10内に記憶したり、表示装置に表示したりすることができる。
【0039】
また、調剤情報入力・記憶部105は、調剤情報管理部301に格納された服薬指導のための各種コンテンツ(服薬方法等を患者に説明するために予め用意された動画やテキスト等)を閲覧したり、薬局端末70の調剤情報入力・閲覧部703との間でメッセージを送受信して遠隔服薬指導を受けたりするための手段を備えていても良い。
【0040】
また、調剤情報入力・記憶部105は、調剤された薬剤により相互作用等が発生する可能性を判定する機能を備えても良い。具体例を幾つか示す。
【0041】
相互作用の判定例(1):薬剤同士の相互作用、副作用及びアレルギー等のチェック
相互作用に関する判定を行う場合、調剤情報入力・記憶部105は、この患者に対する過去の所定期間の調剤情報又は処方箋情報を取得する。具体的には、管理装置30の調剤情報管理部301又は処方箋情報管理部309が記憶している調剤情報又は処方箋情報であって、調剤対象の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、所定期間内に処方又は調剤された薬の間で望ましくない相互作用が発生する可能性がある場合、画面にアラートを表示する。ここで、調剤情報入力・記憶部105は、相互作用の発生する可能性のある薬の組み合わせを定義したテーブルを予め保持し、当該テーブルを参照することで相互作用の発生可能性の有無を判定することができる。例えば調剤情報入力・記憶部105は、患者が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤と、調剤日から過去1ヶ月以内に作成された他の調剤情報に含まれる薬剤と、の相互作用をチェックすることができる。
【0042】
副作用又はアレルギーに関する判定を行う場合、調剤情報入力・記憶部105は、管理装置30の患者情報管理部300又は問診情報管理部303が記憶している副作用歴、アレルギー歴等の情報であって、この患者の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、調剤された薬と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬とが一致する場合、画面にアラートを表示する。例えば調剤情報入力・記憶部105は、患者が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤によって患者が副作用やアレルギーを発症する可能性の有無をチェックする。
【0043】
なお調剤情報入力・記憶部105は、このように相互作用、アレルギー及び副作用等のチェックを行う際、薬剤名だけでなく薬剤の系統を確認することが好ましい。これにより、患者に投与すべきでない薬剤をより網羅的に発見することができる。この場合、調剤情報入力・記憶部105は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを有しているものとする。また、相互作用に関する判定に際しては、相互作用の発生する可能性のある薬の系統の組み合わせを定義したテーブルを使用する。副作用又はアレルギーに関する判定に際しては、今回調剤される薬の系統と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬の系統とが一致する場合にアラートを発出する。
【0044】
相互作用の判定例(2):薬剤と食材の相性(食べ合わせ)のチェック
食べ合わせに関する判定を行う場合、調剤情報入力・記憶部105は、薬剤名又は薬剤の系統と、相性の良い食材又は相性の悪い食材と、の対応関係を定義した食べ合わせテーブルを予め保持するものとする。そして調剤情報入力・記憶部105は、患者に対して調剤された薬又はその薬剤の系統に対応する相性の良い食材又は相性の悪い食材を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば調剤情報入力・記憶部105は、患者が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤と相性の良い食材又は相性の悪い食材をチェックする。
【0045】
この仕組みを利用して、調剤情報入力・記憶部105は、所定の薬剤を服用している患者に特化した献立情報すなわち料理のレシピを提供することも可能である。例えば、調剤情報に抗がん剤が含まれている場合、調剤情報入力・記憶部105は、抗がん剤治療中の患者におすすめの献立情報を画面に表示することができる。この機能を実現するため、調剤情報入力・記憶部105の食べ合わせテーブルは、薬剤名又は薬剤の系統と、おすすめの献立情報と、を対応づけて記憶しているものとする。そして調剤情報入力・記憶部105は、患者に対して調剤された薬又はその薬剤の系統に対応するおすすめの献立情報を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば調剤情報入力・記憶部105は、患者が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤に対応するおすすめ献立情報をチェックする。
【0046】
同様に、この仕組みを利用して、調剤情報入力・記憶部105は、口腔、皮膚その他の形で摂取されうるあらゆる物質と、患者の服用している薬剤との組み合わせに関する判定結果を患者に提示することができる。例えば、薬剤Xを服用している患者に対し、物質Yを摂取することは推奨しない、といった判定結果を提示できる。この場合、調剤情報入力・記憶部105は、薬剤名又は薬剤の系統と、判定対象の物質と、判定結果とを対応づけた判定テーブルを予め保持するものとする。そして調剤情報入力・記憶部105は、患者に対して調剤された薬又はその薬剤の系統に対応づけられた物質と、その物質に関する判定結果とを、判定テーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば調剤情報入力・記憶部105は、患者が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、上述の判定及び表示を行うことができる。
【0047】
いずれの場合も、調剤情報入力・記憶部105は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを保持していることが好ましい。調剤情報入力・記憶部105はこのテーブルを参照することで、調剤された薬の系統と相性の良い食材又は相性の悪い食材、あるいは献立情報等の情報を提供することができる。
【0048】
また、調剤情報入力・記憶部105は、薬局から配送された薬剤を受領したときに、薬剤の受領通知を管理装置30に対して送信する手段を備えていても良い。例えば、薬剤の到着予定日近くになると、管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313が「お薬は届きましたか?」等のメッセージと、発送された薬剤のリストとを含む通知を送信する。メッセージやリストは、文字、画像、写真、動画又は音声等を含む任意の形式であり得る。調剤情報入力・記憶部105は、受信した通知を画面表示し、発送リストの内容と実際に受領した薬剤とを照合するようユーザに促す。ユーザは、発送リストの内容と受領した薬剤とが種類と数において一致しているかを自ら確認し、確認結果を遠隔診療・服薬指導管理部313に通知する。典型的には、調剤情報入力・記憶部105は「合っている」「間違っている」等のボタンを画面表示し、ユーザが選択したボタンの内容を遠隔診療・服薬指導管理部313に通知する。「間違っている」が選択された場合、調剤情報入力・記憶部105は、患者に受領した薬剤の情報を入力させ、遠隔診療・服薬指導管理部313にアップロードする機能を提供しても良い。受領した薬剤の情報は、文字、画像、写真、動画又は音声等を含む任意の形式で入力できる。
【0049】
問診情報入力部107は、患者による問診情報の入力を受け付ける。問診とは、遠隔診療及び服薬指導を受けるに先立って行われる質問のことをいい、問診情報とは、その質問に対する回答のことをいう。問診情報には、例えば「今日の症状は何ですか?」(主訴)、「過去にどのような病気にかかったことがありますか?」(既往歴)、「過去にアレルギーを起こしたことはありますか?」(アレルギー歴)といった質問への回答が含まれる。質問は、典型的には管理装置30の問診情報管理部303から送信される。問診情報入力部107は、これらの質問を患者端末10の画面に表示し、患者が選択又は自由入力する回答を取得できる。問診情報入力部107は、取得した問診情報を管理装置30の問診情報管理部303に送信する。問診情報管理部303は、受信した問診情報を、送信元の患者IDと対応づけて記憶する。
【0050】
問診情報記憶部109は、過去に患者が入力した問診情報のうち、再利用可能なものを記憶しておくための手段である。例えば、既往歴やアレルギー歴等の情報は頻繁に変わるものではなく、問診の度に同じ情報を入力する可能性が高い。よって、これらの問診情報は再利用可能である。問診情報記憶部109は、患者が問診の際に入力した再利用可能な問診情報を記憶しておき、次回の問診の際に、問診情報入力部107の回答入力欄に再利用可能な回答を予め入力した状態としておくことができる。これにより、問診情報の入力の手間を大幅に軽減することができる。
【0051】
なお、患者は記憶された問診情報を適宜編集することも可能である。すなわち、問診情報入力部107は、問診情報の入力を受け付ける際、予め入力されている初期値の編集を許容する。問診情報記憶部109は、編集された問診情報を記憶し、次回の問診の際には編集後の問診情報を初期値として再利用することができる。これにより、患者は問診情報の内容を更新したり、深化させたりすることが可能となる。
【0052】
なお、本実施の形態では問診情報記憶部109を患者端末10内に設けたが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば管理装置30内に設けても構わない。この場合、再利用可能な問診情報は患者IDと対応づけて記憶される。これにより、同一の患者が複数の異なる患者端末10を使用するような場合でも、問診情報の一部を再利用することが可能となる。
【0053】
評価情報入力部111は、患者による医師に対する評価の入力を受け付ける。典型的には、評価情報入力部111は、遠隔診療が終了した後に、診療を担当した医師に対する評価を、例えば評価値を数段階から選択させる形で入力させる。自由なコメントを入力させても良い。個々の患者が入力した評価は、管理装置30の評価情報管理部305に対し評価情報として送信される。評価情報は評価情報管理部305により蓄積及び加工されて、上述の情報提供部101等により利用される。また、評価情報入力部111は、入力された評価の内容を医療機関端末50に通知しても良い。このようなフィードバックにより、医師は自己の診療の内容を向上させることが可能となる。
【0054】
また、評価情報入力部111は、薬局に対する評価、コンシェルジュに対する評価、及び患者端末10を実現するアプリ(お薬手帳アプリ等)に対する評価を同様の手法で入力させても良い。これらの評価は、薬局端末70、コンシェルジュ端末20等に通知され、各ユーザにフィードバックされる。なお、評価情報入力部111は、患者端末10を実現するアプリ(お薬手帳アプリ等)に対する所定の基準以上(例えば、5段階の3以上)である場合には、アプリ配信プラットフォームにおける当該アプリの評価も記入するよう患者に促しても良い。
【0055】
決済処理部113は、遠隔診療及び服薬指導等にかかる会計金額を、管理装置30の決済代行処理部311から取得する。すなわち、管理装置30の決済代行処理部311が、遠隔診療及び服薬指導等に関連して患者が医療機関や薬局に支払うべき金額を自動的に計算し、決済処理部113に通知する。決済処理部113は、取得した会計金額を患者から収受する。例えば、決済処理部113は、患者によるクレジットカード、デビットカード、電子マネー、その他の決済代行サービス等を用いた決済を実行する機能を有する。このようないわゆるオンラインキャッシュレス決済は公知技術であるため、本稿では具体的な実装手法についての説明は省略する。
【0056】
<コンシェルジュ端末>
コンシェルジュ端末20は、患者情報入力・閲覧部201、問診情報入力・閲覧部203、診断情報入力・閲覧部205、処方箋情報入力・閲覧部207、調剤情報入力・閲覧部209、会計情報入力・閲覧部211を含む。これらの処理部は、コンシェルジュ端末20で動作するコンシェルジュ用アプリケーションの一機能として実現されうる。コンシェルジュ用アプリケーションは、例えばローカルアプリケーションやウェブアプリケーションなど任意の形態で実装されて良い。コンシェルジュは、例えばコールセンター等において各ユーザ(患者、医師又は薬剤師)とコミュニケーションをとりながら各種業務を補助することができる。
【0057】
患者情報入力・閲覧部201は、コンシェルジュが患者から聞き取った患者情報の入力を受け付ける。患者から聞き取る、とは電話、ビデオ通話、文字又は画像等の電子的な送信その他の遠隔通信手段を介して又は対面により患者から情報を取得することをいう。入力可能な患者情報には、例えば健康保険証情報(健康保険証番号等)、決済情報(クレジットカード情報等)、属性情報等が含まれる。患者情報入力部201は、入力された患者情報を患者IDと対応づけて管理装置30の患者情報管理部300に送信する。患者情報管理部300は、受信した患者情報を記憶する。
【0058】
また、コンシェルジュは、任意のデータソースから患者に関する各種医療データ等をインポートし、患者情報として登録することができる。例えば、患者情報入力・閲覧部201は、検査会社のサーバ(図示しない)に対し、当該サーバが保持している患者の検査データの送信を要求する。この際、必要であれば患者又は医師による同意を示す情報(ID、パスコード等)を送信することができる。ここで患者情報入力・閲覧部201は、患者又は医師による同意を示す情報を予め保持しているか、患者又は医師から聞き取るものとする。患者情報入力・閲覧部201は、受信した検査データを管理装置30の患者情報管理部300に送信し、記憶させる。
【0059】
また、患者情報入力・閲覧部201は、患者が過去に医師から発行を受けた紹介状の登録を受け付けることができる。紹介状は、オンライン、オフラインのいずれで発行されたものであっても良い。患者情報入力・閲覧部201は、紹介状の記載内容をテキストデータとして受け付けても良い。又は、紹介状の記載内容が格納されているオンライン上のロケーション情報の入力を受け付けても良い。又は、これらの情報がエンコードされたデータ(QRコード(登録商標)等)の入力を受け付けても良い。あるいは、紹介状の画像の提供を受けるなどして、紹介状の記載内容を患者から聞き取ることとしても良い。紹介状の記載内容は、コンシェルジュによって患者情報入力・閲覧部201から入力されても良く、患者情報入力・閲覧部201がOCR等の自動化手段により画像をデータ化して入力しても良い。
【0060】
好ましくは、患者情報入力・閲覧部201は、紹介状に記載された医師に対して、予め患者の個人情報へのアクセス許可を与えることができる。すなわち、管理装置30においては、患者の意志に基づいて発行されたパスコードを入力した場合にのみ、各種個人情報へアクセスできるよう制約が設けられる。患者情報入力・閲覧部201は、管理装置30の各処理部にアクセスするためのパスコードを、当該医師の医療機関端末50に対して発行する。パスコードは、1回限りのアクセスが可能なワンタイムパスコードであっても良く、永久に又は所定の期間にわたりアクセスが可能なパスコードであっても良い。これにより、紹介状に記載された医師はいつでも、例えば患者に不測の事態が生じたときであっても、患者の医療情報にアクセスすることが可能となる。
【0061】
また、患者情報入力・閲覧部201は、患者の依頼に応じたコンシェルジュによる、患者が医師から発行を受けた処方箋の登録を受け付けることができる。処方箋は、オンライン、オフラインのいずれで発行されたものであっても良い。オンラインで発行された処方箋の場合、患者情報入力・閲覧部201は電子的な処方箋(例えば患者ID、処方日、薬剤の名称及び量等が含まれる)の登録を受け付ける。電子的な処方箋が格納されているオンライン上のロケーション情報の入力を受け付けても良い。又は、これらの情報がエンコードされたデータ(QRコード(登録商標)等)の入力を受け付けても良い。オフラインで発行された、紙に印刷された処方箋の場合、患者情報入力・閲覧部201は処方箋を撮影した画像のアップロードを受け付ける。患者情報入力・閲覧部201は、受信した情報を管理装置30の処方箋情報管理部309に処方箋情報として格納する。
【0062】
また、患者情報入力・閲覧部201は、過去にコンシェルジュが登録した処方箋情報を図示しない記憶領域に蓄積しておくことが好ましい(この情報を処方箋情報の履歴と称する)。患者情報入力・閲覧部201は、新たに登録しようとする処方箋情報が、処方箋情報の履歴に含まれる処方箋情報と同内容である場合、「同じ内容の処方箋情報が既に登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示することが好ましい。ここで処方箋情報が同内容であるとは、複数の処方箋情報において、処方箋を発行した医療機関名、処方日、処方内容、保険番号等の項目の全部が一致することをいう。これにより、コンシェルジュが同じ処方箋を使用して複数の薬局に調剤を依頼することにより、患者が必要量を超える薬剤を受け取ってしまうといった事故を防止することができる。
【0063】
なお、このようにしてコンシェルジュにより登録された処方箋に基づく調剤プロセスについては後述する。
【0064】
また、患者情報入力・閲覧部201は、管理装置30の患者情報管理部300に蓄積された特定の患者情報を閲覧することができる。閲覧可能な患者情報には、患者情報管理部300が発行した患者IDも含まれる。蓄積された患者情報の編集機能や複製機能を提供しても良い。これにより、患者情報を更新したり、新たな患者情報を簡便に入力したりすることができる。
【0065】
問診情報入力・閲覧部203は、コンシェルジュが患者から聞き取った問診情報の入力を受け付ける。問診の際に用いる質問は、管理装置30の問診情報管理部303から送信される。問診情報記憶部107は、これらの質問をコンシェルジュ端末20の画面に表示し、コンシェルジュによる回答の入力を受け付ける。問診情報入力部203は、取得した問診情報を患者IDとともに管理装置30の問診情報管理部303に送信する。問診情報管理部303は、受信した問診情報を記憶する。
【0066】
また、問診情報入力・閲覧部203は、管理装置30の問診情報管理部303に蓄積された特定の問診情報を閲覧することができる。蓄積された問診情報の編集機能や複製機能を提供しても良い。これにより、問診情報を更新したり、新たな問診情報を簡便に入力したりすることができる。
【0067】
診断情報入力・閲覧部205は、コンシェルジュが医師から聞き取った診断情報の入力を受け付ける。医師から聞き取る、とは電話、ビデオ通話、文字又は画像等の電子的な送信その他の遠隔通信手段を介して又は対面により医師から情報を取得することをいう。診断情報とは、診断名等をはじめ遠隔診療の結果を示す情報であり、例えば患者ID、診療日、診断名等が含まれる。血圧、体温、血糖値など遠隔で実施できる検査等を実施した場合にはその検査結果を含んでも良い。診断情報入力部205は、入力された診断情報を管理装置30の診断情報管理部307に送信する。診断情報管理部307は、受信した診断情報を記憶する。
【0068】
また、診断情報入力・閲覧部205は、管理装置30の診断情報管理部307に蓄積された特定の診断情報を閲覧することができる。蓄積された診断情報の編集機能や複製機能を提供しても良い。これにより、診断情報を更新したり、新たな診断情報を簡便に入力したりすることができる。
【0069】
処方箋情報入力・閲覧部207は、コンシェルジュが医師から聞き取った処方箋情報の入力を受け付ける。処方箋情報とは、遠隔診療での所見に基づいて医師が処方した薬剤に関する記録であって、電子的な処方箋であり、例えば患者ID、処方日、薬剤の名称及び量等が含まれる。すなわち、処方箋情報は、医師が発行する処方箋に含まれる全ての情報を含む。処方箋情報入力・閲覧部207は、入力された処方箋情報を管理装置30の処方箋情報管理部309に送信する。処方箋情報管理部309は、受信した処方箋情報を記憶する。その後、薬局端末70の処方箋情報閲覧部705が、処方箋情報管理部309に蓄積された処方箋情報を参照し、患者に対する調剤のために利用する。
【0070】
また、処方箋情報入力・閲覧部207は、管理装置30の処方箋情報管理部309に蓄積された特定の処方箋情報を取得し、閲覧することができる。蓄積された処方箋情報の編集機能や複製機能を提供しても良い。これにより、処方箋情報を更新したり、新たな処方箋情報を簡便に入力したりすることができる。
【0071】
また、処方箋情報入力・閲覧部207は、過去にコンシェルジュが登録した処方箋情報を図示しない記憶領域に蓄積しておくことが好ましい(この情報を処方箋情報の履歴と称する)。処方箋情報入力・閲覧部207は、新たに登録しようとする処方箋情報が、処方箋情報の履歴に含まれる処方箋情報と同内容である場合、「同じ内容の処方箋情報が既に登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示することが好ましい。ここで処方箋情報が同内容であるとは、複数の処方箋情報において、患者の氏名、処方日、処方内容、保険番号等の項目の全部が一致することをいう。これにより、コンシェルジュが同内容の処方箋情報を複数発行することにより、患者が必要量を超える薬剤を受け取ってしまうといった事故を防止することができる。
【0072】
また、処方箋情報入力・閲覧部207は、管理装置30の処方箋情報管理部309から取得した複数の処方箋情報に同内容のものが含まれている場合、「同じ内容の処方箋情報が複数登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示することが好ましい。ここで処方箋情報が同内容であるとは、複数の処方箋情報に含まれる患者氏名、処方箋を発行した医療機関名、処方日、処方内容、保険番号等の項目の全部が一致することをいう。これにより、患者が同じ処方箋を使用して複数の薬局に調剤を依頼したり、医師が同内容の処方箋情報を複数発行したりすることにより、患者が必要量を超える薬剤を受け取ってしまうといった事故を防止することができる。
【0073】
調剤情報入力・閲覧部209は、コンシェルジュが薬剤師から聞き取った調剤情報の入力を受け付ける。調剤情報とは、薬局が患者に対して実施した調剤の記録であり、例えば患者ID、調剤日、薬剤の名称及び量、服薬指導の記録等が含まれる。調剤情報入力部209は、入力された調剤情報を管理装置30の調剤情報管理部301に送信する。調剤情報管理部301は、受信した調剤情報を記憶する。
【0074】
また、調剤情報入力・閲覧部209は、管理装置30の調剤情報管理部301に蓄積された特定の調剤情報を閲覧することができる。蓄積された調剤情報の編集機能や複製機能を提供しても良い。これにより、調剤情報を更新したり、新たな調剤情報を簡便に入力したりすることができる。
【0075】
ここで、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、処方又は調剤された薬剤により相互作用が発生する可能性等を判定する機能を備えても良い。具体例を幾つか示す。
【0076】
相互作用の判定例(1):薬剤同士の相互作用、副作用及びアレルギー等のチェック
相互作用に関する判定を行う場合、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、この患者に対する過去の所定期間の調剤情報又は処方箋情報を取得する。具体的には、管理装置30の調剤情報管理部301又は処方箋情報管理部309が記憶している調剤情報又は処方箋情報であって、調剤対象の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、所定期間内に処方又は調剤された薬の間で望ましくない相互作用が発生する可能性がある場合、画面にアラートを表示する。ここで、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、相互作用の発生する可能性のある薬の組み合わせを定義したテーブルを予め保持し、当該テーブルを参照することで相互作用の発生可能性の有無を判定することができる。例えば処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、コンシェルジュが処方履歴又は調剤履歴から1つの処方箋情報又は調剤情報を選択したタイミングで、その処方箋情報又は調剤情報に含まれる薬剤と、処方日又は調剤日から過去1ヶ月以内に作成された他の処方箋情報又は調剤情報に含まれる薬剤と、の相互作用をチェックすることができる。
【0077】
副作用又はアレルギーに関する判定を行う場合、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、管理装置30の患者情報管理部300又は問診情報管理部303が記憶している副作用歴、アレルギー歴等の情報であって、この患者の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、処方又は調剤された薬と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬とが一致する場合、画面にアラートを表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、コンシェルジュが処方履歴又は調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、又はコンシェルジュが新たな処方箋情報又は調剤情報を入力するタイミングで、その処方箋情報又は調剤情報に含まれる薬剤によって患者が副作用やアレルギーを発症する可能性の有無をチェックする。
【0078】
なお処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、このように相互作用、アレルギー及び副作用等のチェックを行う際、薬剤名だけでなく薬剤の系統を確認することが好ましい。これにより、患者に投与すべきでない薬剤をより網羅的に発見することができる。この場合、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを有しているものとする。また、相互作用に関する判定に際しては、相互作用の発生する可能性のある薬の系統の組み合わせを定義したテーブルを使用する。副作用又はアレルギーに関する判定に際しては、今回処方又は調剤される薬の系統と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬の系統とが一致する場合にアラートを発出する。
【0079】
相互作用の判定例(2):薬剤と食材の相性(食べ合わせ)のチェック
食べ合わせに関する判定を行う場合、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、薬剤名又は薬剤の系統と、相性の良い食材又は相性の悪い食材と、の対応関係を定義した食べ合わせテーブルを予め保持するものとする。そして処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、患者に対して処方又は調剤された薬あるいはその薬剤の系統に対応する、相性の良い食材又は相性の悪い食材を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、コンシェルジュが処方履歴又は調剤履歴から1つの処方箋情報又は調剤情報を選択したタイミングで、又はコンシェルジュが新たな処方箋情報又は調剤情報を入力するタイミングで、その処方箋情報又は調剤情報に含まれる薬剤と相性の良い食材又は相性の悪い食材をチェックする。
【0080】
この仕組みを利用して、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、所定の薬剤を服用している患者に特化した献立情報すなわち料理のレシピを提供することも可能である。例えば、調剤情報又は処方箋情報に抗がん剤が含まれている場合、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、抗がん剤治療中の患者におすすめの献立情報を画面に表示することができる。この機能を実現するため、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209の食べ合わせテーブルは、薬剤名又は薬剤の系統と、おすすめの献立情報と、を対応づけて記憶しているものとする。そして処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、患者に対して処方又は調剤された薬又はその薬剤の系統に対応するおすすめの献立情報を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、コンシェルジュが処方履歴又は調剤履歴から1つの処方箋情報又は調剤情報を選択したタイミングで、又はコンシェルジュが新たな処方箋情報又は調剤情報を入力するタイミングで、その調剤情報又は処方箋情報に含まれる薬剤に対応するおすすめ献立情報をチェックする。
【0081】
同様に、この仕組みを利用して、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、口腔、皮膚その他の形で摂取されうるあらゆる物質と、患者に処方又は調剤される薬剤との組み合わせに関する判定結果を患者に提示することができる。例えば、薬剤Xを処方又は調剤される患者について、物質Yを摂取することは推奨しない、といった判定結果を提示できる。この場合、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、薬剤名又は薬剤の系統と、判定対象の物質と、判定結果とを対応づけた判定テーブルを予め保持するものとする。そして処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、患者に対して処方又は調剤された薬又はその薬剤の系統に対応づけられた物質と、その物質に関する判定結果とを、判定テーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、コンシェルジュが処方履歴又は調剤履歴から1つの処方箋情報又は調剤情報を選択したタイミングで、又はコンシェルジュが新たな処方箋情報又は調剤情報を入力するタイミングで、上述の判定及び表示を行うことができる。
【0082】
いずれの場合も、処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを保持していることが好ましい。処方箋情報入力・閲覧部207及び調剤情報入力・記憶部209はこのテーブルを参照することで、処方又は調剤された薬の系統と相性の良い食材又は相性の悪い食材、あるいは献立情報等の情報を提供することができる。
【0083】
会計情報入力・閲覧部211は、コンシェルジュが医師又は薬局から聞き取った会計情報の入力を受け付ける。会計情報には、医療機関における遠隔診療にかかる会計金額、又は薬局における遠隔服薬指導を含む調剤にかかる会計金額を含む。会計情報入力部211は、入力された会計情報を管理装置30の決済代行処理部311に送信する。その後、決済代行処理部311がこれらの金額を合算して患者に請求する処理を行う。
【0084】
<医療機関端末>
医療機関端末50は、患者情報閲覧部500、問診情報閲覧部501、調剤情報閲覧部503、診断情報入力・閲覧部505、処方箋情報入力・閲覧部507、会計処理部509を含む。これらの処理部は、医療機関端末50で動作する医師用アプリケーションの一機能として実現されうる。医師用アプリケーションは、例えばローカルアプリケーションやウェブアプリケーションなど任意の形態で実装されて良い。
【0085】
患者情報閲覧部500は、管理装置30の患者情報管理部300が記憶している患者情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。患者情報には、例えば健康保険証情報(健康保険証番号等)、属性情報等が含まれる。医師は、患者情報閲覧部500を利用することで、患者情報を閲覧しながら遠隔診療を行うことができる。なお、患者情報閲覧部500は、患者情報管理部300から取得した情報を複製し、医療機関端末50内に保存しておくことも可能である。
【0086】
また、医師は、任意のデータソースから患者に関する各種医療データ等をインポートし、患者情報として登録することができる。例えば、患者情報閲覧部500は、検査会社のサーバ(図示しない)に対し、当該サーバが保持している患者の検査データの送信を要求する。この際、必要であれば医師による同意を示す情報(ID、パスコード等)を送信することができる。患者情報閲覧部500は、は、受信した検査データを管理装置30の患者情報管理部300に送信し、記憶させる。患者情報管理部300に記憶させた検査データは、当然患者情報閲覧部500で閲覧可能となる。
【0087】
問診情報閲覧部501は、管理装置30の問診情報管理部303が記憶している問診情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。患者は、遠隔診療及び服薬指導を受けるにあたり、事前に問診情報を登録しているものとする。医師は、問診情報閲覧部501を利用することで、診療に先立って入力された問診情報を閲覧しながら遠隔診療を行うことができる。なお、問診情報閲覧部501は、問診情報管理部303から取得した情報を複製し、医療機関端末50内に保存しておくことも可能である。
【0088】
診断情報入力・閲覧部505は、医師による診断情報の入力を受け付ける。診断情報とは、診断名等をはじめ遠隔診療の結果を示す情報であり、例えば患者ID、診療日、診断名等が含まれる。血圧、体温、血糖値など遠隔で実施できる検査等を実施した場合にはその検査結果を含んでも良い。診断情報入力・閲覧部505は、入力された診断情報を管理装置30の診断情報管理部307に送信する。診断情報管理部307は、受信した診断情報を記憶する。
【0089】
又は、医師はこのたびの遠隔診療にかかる診断情報を含む書類を、FAXやEメール等の任意の手段でコンシェルジュに送信しても良い。診断情報入力・閲覧部505が、これらの画像をアップロードするための手段を備えることもできる。送信された画像に含まれる診断情報は、コンシェルジュによって診断情報入力・閲覧部205から入力される。又は、診断情報入力・閲覧部205は、OCR等の自動化手段によりデータ化された診断情報を入力しても良い。
【0090】
また、診断情報入力・閲覧部505は、管理装置30の診断情報管理部307が記憶している診断情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。医師は、診断情報入力・閲覧部505を利用することで、患者の過去の診断情報を閲覧しながら遠隔診療を行うことができる。なお、診断情報入力・閲覧部505は、診断情報管理部307から取得した情報を複製し、医療機関端末50内に保存しておくことも可能である。
【0091】
調剤情報閲覧部503は、管理装置30の調剤情報管理部301が記憶している調剤情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。調剤情報管理部301には、薬局が患者に対してこれまでに実施した調剤の履歴、例えば調剤日、薬剤の名称や量、服薬指導の記録等が蓄積されている。医師は、調剤情報閲覧部503を利用することで、患者の過去の調剤情報を閲覧しながら遠隔診療を行うことができる。なお、調剤情報閲覧部503は、調剤情報管理部301から取得した情報を複製し、医療機関端末50内に保存しておくことも可能である。
【0092】
処方箋情報入力・閲覧部507は、医師による処方箋情報の入力を受け付ける。処方箋情報とは、遠隔診療での所見に基づいて医師が処方した薬剤に関する記録であって、電子的な処方箋であり、例えば患者ID、処方日、薬剤の名称及び量等が含まれる。すなわち、処方箋情報は、医師が発行する処方箋に含まれる全ての情報を含む。処方箋情報入力・閲覧部507は、入力された処方箋情報を管理装置30の処方箋情報管理部309に送信する。処方箋情報管理部309は、受信した処方箋情報を記憶する。その後、薬局端末70の処方箋情報閲覧部705が、処方箋情報管理部309に蓄積された処方箋情報を参照し、患者に対する調剤のために利用する。
【0093】
又は、医師はこのたびの遠隔診療にかかる処方箋情報を含む書類、例えば処方箋を、FAXやEメール等の任意の手段でコンシェルジュに送信しても良い。処方箋情報入力・閲覧部507が、これらの画像をアップロードするための手段を備えることもできる。送信された画像に含まれる診断情報は、コンシェルジュによって処方箋情報入力・閲覧部207から入力される。又は、処方箋情報入力・閲覧部207は、OCR等の自動化手段によりデータ化された診断情報を入力しても良い。
【0094】
また、処方箋情報入力・閲覧部507は、管理装置30の処方箋情報管理部309が記憶している処方箋情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。処方箋情報管理部309には、医師がこれまでに作成した処方箋が蓄積されている。医師は、処方箋情報入力・閲覧部507を利用することで、患者の過去の処方箋情報を閲覧しながら遠隔診療を行うことができる。なお、処方箋情報入力・閲覧部507は、処方箋情報管理部309から取得した情報を複製し、医療機関端末50内に保存しておくことも可能である。
【0095】
また、処方箋情報入力・閲覧部507は、過去に医師が登録した処方箋情報を図示しない記憶領域に蓄積しておくことが好ましい(この情報を処方箋情報の履歴と称する)。処方箋情報入力・閲覧部507は、新たに登録しようとする処方箋情報が、処方箋情報の履歴に含まれる処方箋情報と同内容である場合、「同じ内容の処方箋情報が既に登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示することが好ましい。ここで処方箋情報が同内容であるとは、複数の処方箋情報において、患者の氏名、処方日、処方内容、保険番号等の項目の全部が一致することをいう。これにより、医師が同内容の処方箋情報を複数発行することにより、患者が必要量を超える薬剤を受け取ってしまうといった事故を防止することができる。
【0096】
なお、管理装置30の処方箋情報管理部309側で、同様の重複チェックを行うことも考えられる。その場合であっても、処方箋情報入力・閲覧部507が重複チェックを行うことには一定の意義がある。例えば、処方箋情報入力・閲覧部507においては、処方箋情報管理部309よりも厳しい基準で処方箋情報の一致判定を行うことができる。また、管理装置30が複数存在する環境下では、処方箋情報入力・閲覧部507が、医師が複数の異なる管理装置30の処方箋情報管理部309に同内容の処方箋情報を登録しようとした場合、処方箋情報管理部309側ではこのことを検出できないが、処方箋情報入力・閲覧部507であればこれを検出することが可能である。例えば、ある医療機関端末50が、サービスプロバイダAが運営する管理装置30(30Aとする)と、サービスプロバイダBが運営する管理装置30(30B)と、の双方に接続している場合を考える。この医療機関端末50の処方箋情報入力・閲覧部507は、管理装置30Aの処方箋情報管理部309にある処方箋情報を登録した後、管理装置30Bの処方箋情報管理部309に同内容の処方箋情報を登録しようとすると、重複チェックによりこれを検出する。これにより、管理装置30Aの処方箋情報管理部309、及び管理装置30Bの処方箋情報管理部309のそれぞれでは検出できなかった処方箋情報の重複を、医療機関端末50において検出することができる。
【0097】
また、処方箋情報入力・閲覧部507は、処方箋情報が入力されたとき、入力された薬剤により相互作用等が発生する可能性を判定する機能を備えても良い。具体例を幾つか示す。
【0098】
相互作用の判定例(1):薬剤同士の相互作用、副作用及びアレルギー等のチェック
相互作用に関する判定を行う場合、処方箋情報入力・閲覧部507は、同じ患者に対する過去の所定期間の調剤情報又は処方箋情報を取得する。具体的には、管理装置30の調剤情報管理部301又は処方箋情報管理部309が記憶している調剤情報又は処方箋情報であって、処方対象の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、所定期間内に処方又は調剤された薬と、今回処方される薬との間で望ましくない相互作用が発生する可能性がある場合、画面にアラートを表示する。ここで、処方箋情報入力・閲覧部507は、相互作用の発生する可能性のある薬の組み合わせを定義したテーブルを予め保持し、当該テーブルを参照することで相互作用の発生可能性の有無を判定することができる。例えば処方箋情報入力・閲覧部507は、医師が処方履歴から1つの処方箋情報を選択したタイミングで、又は医師が新たな処方箋情報を入力するタイミングで、その処方箋情報に含まれる薬剤と、処方日から過去1ヶ月以内に作成された他の処方箋情報又は調剤情報に含まれる薬剤と、の相互作用をチェックすることができる。
【0099】
副作用又はアレルギーに関する判定を行う場合、処方箋情報入力・閲覧部507は、管理装置30の患者情報管理部300又は問診情報管理部303が記憶している副作用歴、アレルギー歴等の情報であって、処方対象の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、今回処方される薬と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬とが一致する場合、画面にアラートを表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部507は、医師が処方履歴から1つの処方箋情報を選択したタイミングで、又は医師が新たな処方箋情報を入力するタイミングで、その処方箋情報に含まれる薬剤によって患者が副作用やアレルギーを発症する可能性の有無をチェックする。
【0100】
なお処方箋情報入力・閲覧部507は、このように相互作用、アレルギー及び副作用等のチェックを行う際、薬剤名だけでなく薬剤の系統を確認することが好ましい。これにより、患者に投与すべきでない薬剤をより網羅的に発見することができる。この場合、処方箋情報入力・閲覧部507は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを有しているものとする。また、相互作用に関する判定に際しては、相互作用の発生する可能性のある薬の系統の組み合わせを定義したテーブルを使用する。副作用又はアレルギーに関する判定に際しては、今回調剤される薬の系統と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬の系統とが一致する場合にアラートを発出する。
【0101】
相互作用の判定例(2):薬剤と食材の相性(食べ合わせ)のチェック
食べ合わせに関する判定を行う場合、処方箋情報入力・閲覧部507は、薬剤名又は薬剤の系統と、相性の良い食材又は相性の悪い食材と、の対応関係を定義した食べ合わせテーブルを予め保持するものとする。そして処方箋情報入力・閲覧部507は、患者に対して処方された薬又はその薬剤の系統に対応する相性の良い食材又は相性の悪い食材を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部507は、医師が処方履歴から1つの処方箋情報を選択したタイミングで、又は医師が新たな処方箋情報を入力するタイミングで、その処方箋情報に含まれる薬剤と相性の良い食材又は相性の悪い食材をチェックする。
【0102】
この仕組みを利用して、処方箋情報入力・閲覧部507は、所定の薬剤を服用している患者に特化した献立情報すなわち料理のレシピを提供することも可能である。例えば、処方箋情報に抗がん剤が含まれている場合、処方箋情報入力・閲覧部507は、抗がん剤治療中の患者におすすめの献立情報を画面に表示することができる。この機能を実現するため、処方箋情報入力・閲覧部507の食べ合わせテーブルは、薬剤名又は薬剤の系統と、おすすめの献立情報と、を対応づけて記憶しているものとする。そして処方箋情報入力・閲覧部507は、患者に対して処方された薬又はその薬剤の系統に対応するおすすめの献立情報を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部507は、医師が処方履歴から1つの処方箋情報を選択したタイミングで、又は医師が新たな処方箋情報を入力するタイミングで、その処方箋情報に含まれる薬剤に対応するおすすめ献立情報をチェックする。
【0103】
同様に、この仕組みを利用して、処方箋情報入力・閲覧部507は、口腔、皮膚その他の形で摂取されうるあらゆる物質と、患者に処方される薬剤との組み合わせに関する判定結果を患者に提示することができる。例えば、薬剤Xが処方される患者について、物質Yを摂取することは推奨しない、といった判定結果を提示できる。この場合、処方箋情報入力・閲覧部507は、薬剤名又は薬剤の系統と、判定対象の物質と、判定結果とを対応づけた判定テーブルを予め保持するものとする。そして処方箋情報入力・閲覧部507は、患者に対して処方された薬又はその薬剤の系統に対応づけられた物質と、その物質に関する判定結果とを、判定テーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば処方箋情報入力・閲覧部507は、医師が処方履歴から1つの処方箋情報を選択したタイミングで、又は医師が新たな処方箋情報を入力するタイミングで、上述の判定及び表示を行うことができる。
【0104】
いずれの場合も、処方箋情報入力・閲覧部507は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを保持していることが好ましい。処方箋情報入力・閲覧部507はこのテーブルを参照することで、処方された薬の系統と相性の良い食材又は相性の悪い食材、あるいは献立情報等の情報を提供することができる。
【0105】
会計処理部509は、このたびの遠隔診療にかかる保険点数を計算し、保険者(健康保険組合等)のコンピュータに送信する。また、会計処理部509は、保険点数に基づいて会計金額、すなわち患者への請求金額を計算し、管理装置30の決済代行処理部311に送信する。なお、保険点数及び会計金額の自動計算については多くの公知技術があるため、本稿では具体的な処理内容についての説明は省略する。
【0106】
又は、医師はこのたびの遠隔診療にかかる会計金額の情報を含む書類、例えば請求書又は領収書の画像等を、FAXやEメール等の任意の手段でコンシェルジュに送信しても良い。会計処理部509が、これらの画像をアップロードするための手段を備えることもできる。送信された画像に含まれる会計金額は、コンシェルジュによって会計情報入力・閲覧部211から入力される。又は、会計情報入力・閲覧部211は、OCR等の自動化手段によりデータ化された会計金額を入力しても良い。
【0107】
<薬局端末>
薬局端末70は、患者情報閲覧部700、問診情報閲覧部701、調剤情報入力・閲覧部703、処方箋情報閲覧部705、会計処理部709を含む。これらの処理部は、薬局端末70で動作する薬剤師用アプリケーションの一機能として実現されうる。薬剤師用アプリケーションは、例えばローカルアプリケーションやウェブアプリケーションなど任意の形態で実装されて良い。
【0108】
患者情報閲覧部700は、管理装置30の患者情報管理部300が記憶している患者情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。患者情報には、例えば健康保険証情報(健康保険証番号等)、属性情報等が含まれる。薬剤師は、患者情報閲覧部700を利用することで、患者情報を閲覧しながら薬剤の調製や遠隔服薬指導等を行うことができる。なお、患者情報閲覧部700は、患者情報管理部300から取得した情報を複製し、薬局端末70内に保存しておくことも可能である。
【0109】
問診情報閲覧部701は、管理装置30の問診情報管理部303が記憶している問診情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。患者は、オンライン診療及び調剤を受けるにあたり、事前に問診情報を登録しているものとする。薬剤師は、問診情報閲覧部701を利用することで、先立って入力された問診情報を閲覧しながら調剤を行うことができる。なお、問診情報閲覧部701は、問診情報管理部303から取得した情報を複製し、薬局端末70内に保存しておくことも可能である。
【0110】
調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤師による調剤情報の入力を受け付ける。調剤情報とは、薬局が患者に対してこのたび実施した調剤の記録であり、例えば患者ID、調剤日、薬剤の名称及び量、服薬指導の記録等が含まれる。調剤情報入力・閲覧部703は、入力された調剤情報を管理装置30の調剤情報管理部301に送信する。調剤情報管理部301は、受信した調剤情報を記憶する。
【0111】
又は、薬剤師は調剤情報を含む書類を、FAXやEメール等の任意の手段でコンシェルジュに送信しても良い。調剤情報入力・閲覧部703が、これらの画像をアップロードするための手段を備えることもできる。送信された画像に含まれる調剤情報は、コンシェルジュによって調剤情報入力・閲覧部209から入力される。又は、調剤情報入力・閲覧部209は、OCR等の自動化手段によりデータ化された調剤情報を入力しても良い。
【0112】
また、調剤情報入力・閲覧部703は、管理装置30の調剤情報管理部301が記憶している調剤情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。調剤情報管理部301には、薬局が患者に対してこれまでに実施した調剤の履歴、例えば調剤日、薬剤の名称や量等が蓄積されている。薬剤師は、調剤情報入力・閲覧部703を利用することで、過去の調剤情報を閲覧しながら調剤を行うことができる。なお、調剤情報入力・閲覧部703は、調剤情報管理部301から取得した情報を複製し、薬局端末70内に保存しておくことも可能である。
【0113】
また、調剤情報入力・閲覧部703は、調剤情報が入力されたとき、入力された薬剤により相互作用等が発生する可能性を判定する機能を備えても良い。具体例を幾つか示す。
【0114】
相互作用の判定例(1):薬剤同士の相互作用、副作用及びアレルギー等のチェック
相互作用に関する判定を行う場合、調剤情報入力・閲覧部703は、同じ患者に対する過去の所定期間の調剤情報又は処方箋情報を取得する。具体的には、管理装置30の調剤情報管理部301又は処方箋情報管理部309が記憶している調剤情報又は処方箋情報であって、調剤対象の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、所定期間内に処方又は調剤された薬と、今回調剤される薬との間で望ましくない相互作用が発生する可能性がある場合、画面にアラートを表示する。ここで、調剤情報入力・閲覧部703は、相互作用の発生する可能性のある薬の組み合わせを定義したテーブルを予め保持し、当該テーブルを参照することで相互作用の発生可能性の有無を判定することができる。例えば調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤師が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、又は薬剤師が新たな調剤情報を入力するタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤と、調剤日から過去1ヶ月以内に作成された他の処方箋情報又は調剤情報に含まれる薬剤と、の相互作用をチェックすることができる。
【0115】
副作用又はアレルギーに関する判定を行う場合、調剤情報入力・閲覧部703は、管理装置30の患者情報管理部300又は問診情報管理部303が記憶している副作用歴、アレルギー歴等の情報であって、調剤対象の患者IDに対応づけられたものを取得する。そして、今回調剤される薬と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬とが一致する場合、画面にアラートを表示する。例えば調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤師が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、又は薬剤師が新たな調剤情報を入力するタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤によって患者が副作用やアレルギーを発症する可能性の有無をチェックする。
【0116】
なお調剤情報入力・閲覧部703は、このように相互作用、アレルギー及び副作用等のチェックを行う際、薬剤名だけでなく薬剤の系統を確認することが好ましい。これにより、患者に投与すべきでない薬剤をより網羅的に発見することができる。この場合、調剤情報入力・閲覧部703は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを有しているものとする。また、相互作用に関する判定に際しては、相互作用の発生する可能性のある薬の系統の組み合わせを定義したテーブルを使用する。副作用又はアレルギーに関する判定に際しては、今回調剤される薬の系統と、患者が過去に副作用又はアレルギーを発症したことのある薬の系統とが一致する場合にアラートを発出する。
【0117】
相互作用の判定例(2):薬剤と食材の相性(食べ合わせ)のチェック
食べ合わせに関する判定を行う場合、調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤名又は薬剤の系統と、相性の良い食材又は相性の悪い食材と、の対応関係を定義した食べ合わせテーブルを予め保持するものとする。そして調剤情報入力・閲覧部703は、患者に対して調剤された薬又はその薬剤の系統に対応する相性の良い食材又は相性の悪い食材を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤師が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、又は薬剤師が新たな調剤情報を入力するタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤と相性の良い食材又は相性の悪い食材をチェックする。
【0118】
この仕組みを利用して、調剤情報入力・閲覧部703は、所定の薬剤を服用している患者に特化した献立情報すなわち料理のレシピを提供することも可能である。例えば、調剤情報に抗がん剤が含まれている場合、調剤情報入力・閲覧部703は、抗がん剤治療中の患者におすすめの献立情報を画面に表示することができる。この機能を実現するため、調剤情報入力・閲覧部703の食べ合わせテーブルは、薬剤名又は薬剤の系統と、おすすめの献立情報と、を対応づけて記憶しているものとする。そして調剤情報入力・閲覧部703は、患者に対して調剤された薬又はその薬剤の系統に対応するおすすめの献立情報を、食べ合わせテーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば調剤情報入力・記憶部105は、薬剤師が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、又は薬剤師が新たな調剤情報を入力するタイミングで、その調剤情報に含まれる薬剤に対応するおすすめ献立情報をチェックする。
【0119】
同様に、この仕組みを利用して、調剤情報入力・閲覧部703は、口腔、皮膚その他の形で摂取されうるあらゆる物質と、患者に調剤される薬剤との組み合わせに関する判定結果を患者に提示することができる。例えば、薬剤Xが調剤される患者について、物質Yを摂取することは推奨しない、といった判定結果を提示できる。この場合、調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤名又は薬剤の系統と、判定対象の物質と、判定結果とを対応づけた判定テーブルを予め保持するものとする。そして調剤情報入力・閲覧部703は、患者に対して処方された薬又はその薬剤の系統に対応づけられた物質と、その物質に関する判定結果とを、判定テーブルを参照することで取得し、画面に表示する。例えば調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤師が調剤履歴から1つの調剤情報を選択したタイミングで、又は薬剤師が新たな調剤情報を入力するタイミングで、上述の判定及び表示を行うことができる。
【0120】
いずれの場合も、調剤情報入力・閲覧部703は、予め薬剤名と系統とを対応づけたテーブルを保持していることが好ましい。調剤情報入力・閲覧部703はこのテーブルを参照することで、調剤された薬の系統と相性の良い食材又は相性の悪い食材、あるいは献立情報等の情報を提供することができる。
【0121】
また、調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤を患者に発送する際に、薬剤の発送通知を管理装置30に対して送信する手段を備えていても良い。例えば、調剤情報入力・閲覧部703は、発送準備の整った調製済みの薬剤のリストの登録を受け付け、管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313に送信する。リストは、文字、画像、写真、動画又は音声等を含む任意の形式であり得る。管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313は、薬剤の到着予定日近くになると、「お薬は届きましたか?」等のメッセージと、発送された薬剤のリストとを含む通知を患者端末10に送信する。また、調剤情報入力・閲覧部703は、患者からの薬剤の受領通知を受信する手段を備えていても良い。典型的には、管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313が、患者端末10から薬剤の受領通知を受信したことを調剤情報入力・閲覧部703に通知する。もし発送リストの内容と患者が実際に受領した薬剤の内容に相違がある場合、患者が受領した薬剤の情報が当該通知とともに送られる。受領した薬剤の情報は、文字、画像、写真、動画又は音声等を含む任意の形式であり得る。薬剤師は、患者が受領した薬剤の情報を確認し、患者に薬剤の返送を指示したり、正しい薬剤を再発送したりすることができる。
【0122】
処方箋情報閲覧部705は、管理装置30の処方箋情報管理部309が記憶している処方箋情報であって、診療対象の患者IDに対応づけられたものを取得し、画面に表示する。処方箋情報管理部309には、医師が患者に対してこのたび行った処方箋情報、例えば処方日、薬剤の名称及び量等が記憶されている。薬剤師は、処方箋情報閲覧部705を利用することで、電子的な処方箋をオンラインで閲覧しながら調剤を行うことができる。なお、処方箋情報閲覧部705は、処方箋情報管理部309から取得した情報を複製し、薬局端末70内に保存しておくことも可能である。
【0123】
なお、処方箋情報閲覧部705は、管理装置30の処方箋情報管理部309から取得した処方箋情報を、FAXやEメール等で送信する機能を備えていても良い。例えば処方箋情報閲覧部705は、例えば処方箋情報管理部309に対するフェッチ又は処方箋情報管理部309からのプッシュにより新たな処方箋情報を自動的に取得し、取得した処方箋情報を薬局のFAX又はEメールアドレスにプッシュ型で送信する。これにより、薬局は新たな処方箋情報をより確実に受信することができる。
【0124】
処方箋情報閲覧部705は、管理装置30の処方箋情報管理部309から取得した複数の処方箋情報に同内容のものが含まれている場合、「同じ内容の処方箋情報が複数登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示することが好ましい。ここで処方箋情報が同内容であるとは、複数の処方箋情報に含まれる患者氏名、処方箋を発行した医療機関名、処方日、処方内容、保険番号等の項目の全部が一致することをいう。これにより、患者が同じ処方箋を使用して複数の薬局に調剤を依頼したり、医師が同内容の処方箋情報を複数発行したりすることにより、患者が必要量を超える薬剤を受け取ってしまうといった事故を防止することができる。
【0125】
なお、管理装置30の処方箋情報管理部309側で、同様の重複チェックを行うことも考えられる。その場合であっても、処方箋情報閲覧部705が重複チェックを行うことには一定の意義がある。例えば、処方箋情報閲覧部705においては、処方箋情報管理部309よりも厳しい基準で処方箋情報の一致判定を行うことにより、処方箋情報管理部309でのチェック漏れが生じたとしても処方箋情報閲覧部705で検出することが可能となる。また、管理装置30が複数存在する環境下では、処方箋情報閲覧部705が、複数の異なる管理装置30の処方箋情報管理部309から取得した処方箋情報を突き合わせて重複チェックを行うことができる。これにより、処方箋情報管理部309側では検出できない処方箋情報の重複を、処方箋情報閲覧部705が検出することが可能となる。例えば、ある薬局端末70が、サービスプロバイダAが運営する管理装置30(30Aとする)と、サービスプロバイダBが運営する管理装置30(30B)と、の双方に接続している場合を考える。この薬局端末70の処方箋情報閲覧部705は、管理装置30Aの処方箋情報管理部309、及び管理装置30Bの処方箋情報管理部309からそれぞれ処方箋情報を取得し、これらの処方箋情報に重複がないかチェックを行う。これにより、管理装置30Aの処方箋情報管理部309、及び管理装置30Bの処方箋情報管理部309のそれぞれでは検出できなかった処方箋情報の重複を、薬局端末70において検出することができる。
【0126】
会計処理部709は、このたびの調剤にかかる保険点数を計算し、保険者(健康保険組合等)のコンピュータに送信する。また、会計処理部709は、保険点数に基づいて会計金額、すなわち患者への請求金額を計算し、管理装置30の決済代行処理部311に送信する。なお、保険点数及び会計金額の自動計算については多くの公知技術があるため、本稿では具体的な処理内容についての説明は省略する。
【0127】
又は、薬局はこのたびの調剤にかかる会計金額の情報を含む書類、例えば請求書又は領収書の画像等を、FAXやEメール等の任意の手段でコンシェルジュに送信しても良い。会計処理部709が、これらの画像をアップロードするための手段を備えることもできる。送信された画像に含まれる会計金額は、コンシェルジュによって会計情報入力・閲覧部211から入力される。又は、会計情報入力・閲覧部211は、OCR等の自動化手段によりデータ化された会計金額を入力しても良い。
【0128】
<管理装置>
管理装置30は、患者情報管理部300、調剤情報管理部301、問診情報管理部303、評価情報管理部305、診断情報管理部307、処方箋情報管理部309、決済代行処理部311、遠隔診療・服薬指導管理部313を含む。これらの処理部は、管理装置30で動作するアプリケーション又はサービスの一機能として実現されうる。
【0129】
患者情報管理部300は、患者情報の蓄積及び提供を行う。患者情報は、患者又はコンシェルジュにより患者情報入力・記憶部103又は患者情報入力部201から入力される。患者情報管理部300は、入力された患者情報を蓄積する。患者情報には、例えば健康保険証情報(健康保険証番号等)、属性情報等が含まれる。新たな患者情報が登録された際には、患者情報管理部300ユニークな患者IDを発行して、患者情報に追加する。また、患者情報入力・記憶部103又は患者情報入力・閲覧部201に患者IDを通知する。また、患者情報管理部300は、患者、コンシェルジュ、医師又は薬剤師からの要求に応じて、患者情報入力・記憶部103、患者情報入力・閲覧部201、患者情報閲覧部500、患者情報閲覧部700に対して蓄積済みの調剤情報を送信する。
【0130】
調剤情報管理部301は、調剤情報の蓄積及び提供を行う。調剤情報は、薬局が患者に対して調剤を実施する毎に、薬剤師により調剤情報入力・閲覧部703から入力される。調剤情報管理部301は、入力された調剤情報を蓄積する。また、患者、コンシェルジュ、医師又は薬剤師からの要求に応じて、調剤情報入力・記憶部105、調剤情報入力・閲覧部209、調剤情報閲覧部503又は調剤情報入力・閲覧部703に対して蓄積済みの調剤情報を送信する。
【0131】
また、調剤情報管理部301は、遠隔診療・服薬指導管理部313が患者から薬剤の受領確認結果を受信した場合、その内容を調剤情報とともに蓄積しても良い。
【0132】
問診情報管理部303は、問診にかかる質問の送信、問診情報の記憶及び提供を行う。
【0133】
質問の送信:問診情報管理部303は、患者端末10の問診情報入力部107又はコンシェルジュ端末20の問診情報入力・閲覧部203に対して、問診のための質問を逐次送信する。逐次送信とは、ある質問の回答を受信したならば、次の質問を送信することをいう。なお複数の質問をまとめて送信しても構わない。
【0134】
問診情報管理部303は、回答に応じて、次に送信する質問を変化させても良い。例えば、最初に受診科目又は疾患名等を推定するための質問を送信し、回答に基づいて受診科目又は疾患名等を推定する。例えば、問診情報管理部303は、まず「今日の症状は何ですか?」という質問を送信する。これに対する回答として「胃が痛い」が選択されたならば、問診情報管理部303は、受診科目は「胃腸科内科」であると推定する。又は、「血糖値が高い」という回答であれば、疾患名は「糖尿病」であると推定する。ここで、問診情報管理部303は、回答と受診科目又は疾患名等との対応関係を予めテーブル等の形で保持しているものとする。なお、受診科目又は疾患名等を推定するための質問は1つであっても、複数の質問からなるものであっても良い。
【0135】
受診科目又は疾患名等が推定されたならば、問診情報管理部303は、次にその受診科目又は疾患名等に特化した質問を送信する。例えば、受診科目が「胃腸科内科」であれば、胃腸科内科の患者用に用意された質問を送信する。疾患名は「糖尿病」であれば、糖尿病の患者用に用意された質問を送信する。ここで、問診情報管理部303は、受診科目又は疾患名毎の質問を予め保持しているものとする。なお、受診科目又は疾患名毎の質問は1つであっても、複数の質問からなるものであっても良い。
【0136】
なお、質問の生成および送信は、必ずしも問診情報管理部303が実施する必要はなく、例えば問診情報入力部107や問診情報入力・閲覧部203がこれを実施しても良い。
【0137】
問診情報の記憶及び提供:質問に対する回答、すなわち問診情報は、遠隔診療及び服薬指導の実施に先立って、患者により問診情報入力部107から入力される。問診情報管理部303は、入力された問診情報を少なくとも遠隔診療及び服薬指導が完了するまで蓄積する。また、コンシェルジュ、医師又は薬剤師からの要求に応じて、問診情報入力・閲覧部203、問診情報閲覧部501又は問診情報閲覧部701に対して記憶済みの問診情報を送信する。
【0138】
評価情報管理部305は、評価情報の収集、加工、蓄積及び提供を行う。
収集及び加工:評価情報は、遠隔診療を受けた患者により評価情報入力部111から入力される。評価情報には、例えば段階的な評価値(5点満点での点数等)が含まれうる。評価情報管理部305は、1以上の患者から受信した評価値を所定のアルゴリズムにより加工し、医師の統計的な評価値を計算することができる。例えば、複数の患者から収集した評価値の単純平均や加重平均をとることによって、統計的な評価値を算出できる。
蓄積及び提供:評価情報管理部305は、算出された評価情報を蓄積する。また、患者端末10の情報提供部101に対して評価情報を配信する。患者は、遠隔診療において医師を選択する際、お薬手帳アプリに表示される評価情報を参考にすることが可能となる。
【0139】
診断情報管理部307は、診断情報の蓄積及び提供を行う。診断情報は、医師が患者をオンラインで診療する毎に、医師により診断情報入力・閲覧部505から入力される。診断情報管理部307は、入力された診断情報を蓄積する。また、コンシェルジュ、医師からの要求に応じて、診断情報入力・閲覧部205、診断情報入力・閲覧部505に対して蓄積済みの診断情報を送信する。
【0140】
処方箋情報管理部309は、処方箋情報の蓄積及び提供を行う。処方箋情報は、医師が患者に対して薬剤を処方する毎に、医師により処方箋情報入力・閲覧部507から入力される。処方箋情報管理部309は、入力された処方箋情報を少なくとも調剤が完了するまで蓄積する。また、コンシェルジュ、医師又は薬剤師からの要求に応じて、処方箋情報入力・閲覧部207、処方箋情報入力・閲覧部507、処方箋情報閲覧部705に対して記憶済みの処方箋情報を送信する。
【0141】
また、処方箋情報は、患者自身により患者情報入力・記憶部103から入力されることもある。
【0142】
ここで、処方箋情報管理部309は、同内容の処方箋情報が既に登録されていないかを確認することが好ましい。例えば、処方箋情報管理部309は、登録しようとする処方箋情報から患者氏名、処方箋を発行した医療機関名、処方日、処方内容、保険番号等の項目を抽出し、これらの項目の全部又は一部が一致する処方箋情報が処方箋情報管理部309内に既に存在するかどうか確認する。存在する場合、処方箋情報管理部309は、処方箋情報入力・閲覧部507又は患者情報入力・記憶部103に対し「同じ内容の処方箋が既に登録します。登録しますか?」等の警告メッセージを表示させる。また、この処方箋情報を登録することとした場合も、薬局端末7がこの処方箋情報を読み出す際に、処方箋情報閲覧部705に対して「同じ内容の処方箋情報が複数登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示させる。これにより、患者が同じ処方箋を使用して複数の薬局に調剤を依頼したり、医師が同内容の処方箋情報を複数発行したりすることにより、患者が必要量を超える薬剤を受け取ってしまうといった事故を防止することができる。
【0143】
患者情報管理部300、調剤情報管理部301、問診情報管理部303、評価情報管理部305、診断情報管理部307、処方箋情報管理部309は、患者にかかる高度な個人情報を管理する処理部である。一般に、これらの個人情報にアクセスできるのは、患者の意志に基づいて都度又は前もって発行されたパスコード(ワンタイム、期限付き又は無期限でありうる)を医療機関端末50、薬局端末70又はコンシェルジュ端末20から入力した医師、薬剤師又はコンシェルジュのみに制限される。これに加え、本実施の形態では、契約等により患者が事前に承認した範囲に含まれる医師、薬剤師及び事業者等に対し、前記パスコードを用いた個人情報へのアクセスを認めることも技術的に可能である。例えば管理装置30は、医師、薬剤師及び事業者の権限又は属性等をチェックする機構、及び、所定の条件を満たす医師、薬剤師及び事業者等に対しては管理装置30内に予め保管されたパスコードを用いて個人情報へのアクセスを行わせる機能を提供することができる。これにより、例えばオンライン診療やオンライン服薬指導を実施する事業者が複数存在する場合であっても、患者の個人情報を共有することで、事業者の垣根を越えてシームレスにオンライン診療やオンライン服薬指導サービスを展開することが可能となる。
【0144】
例えば、患者は事前に特定した相手(医師、薬剤師及び事業者等)に対し、管理装置30に蓄積された自らの個人情報へのアクセス許可を与えることができる。この機能を実現するため、患者情報入力・記憶部103は、これらの個人情報にアクセスするためのパスコードを発行する機能を備える。管理装置30は、患者が発行した有効なパスコードを入力したユーザ(医師、薬剤師及び事業者等)が、患者情報管理部300、調剤情報管理部301、問診情報管理部303、診断情報管理部307及び処方箋情報管理部309等に保存された各種個人情報へアクセスできるよう制御する。例えば医師は、患者から事前に受領したパスコードを使用して、医療機関端末50から管理装置30にアクセスする。これにより、その医師は患者情報閲覧部500、問診情報閲覧部501、調剤情報閲覧部503、診断情報入力・閲覧部505又は処方箋情報入力・閲覧部507を利用して患者の各種個人情報を閲覧することができる。パスコードは、1回限りのアクセスが可能なワンタイムパスコードであっても良く、永久に又は所定の期間にわたりアクセスが可能なパスコードであっても良い。これにより、患者から事前にパスコードを発行されたユーザ(医師、薬剤師及び事業者等)はいつでも、例えば患者に不測の事態が生じたときであっても、患者の医療情報にアクセスすることが可能となる。
【0145】
又は、患者は事前にパスコードを特定の誰かに預けることなく、管理装置30に蓄積された自らの個人情報へのアクセス許可を不特定の相手に与えることもできる。例えば、上述のパスコードや、パスコード及び管理装置30のURL等をエンコードしたQRコード(登録商標)等を患者端末10のアクセス制限のかからない領域に保存し、必要な時に誰もが参照できる状態にしておくことができる。又は、パスコードやQRコード(登録商標)等を印刷して管理装置30の外装に貼付しておいても良い。これにより、例えば意識が明瞭でない状態で患者が救急搬送された場合等においても、救急隊はパスコードやQRコード(登録商標)等を利用して患者の個人情報にアクセスすることができる。患者の個人情報には例えば患者の身元情報、持病等の情報、MRI画像等の検査結果、かかりつけ医師の情報等が含まれる。そのため、救急隊はこれらの情報に基づいて救急搬送する病院を選定したり、かかりつけ医の指示を仰いだりすることが可能となる。
【0146】
決済代行処理部311は、医療機関の会計処理部509から遠隔診療にかかる会計金額を受信する。同様に、薬局の会計処理部709から遠隔服薬指導を含む調剤にかかる会計金額を受信する。決済代行処理部311は、これら一連の遠隔診療及び服薬指導等にかかる会計金額を受信したなら、両者を合算した請求金額を、患者の決済処理部113に対して送信する。決済処理部113は、キャッシュレス決済により請求金額に対する決済を行う。このように、決済代行処理部311は、遠隔診療及び服薬指導等の会計金額を合算し、まとめて患者に請求することができる。
【0147】
なお、例えば遠隔診療のみで調剤が行われなかった(処方箋の発行がなかった)場合には、決済代行処理部311は、遠隔診療にかかる会計金額のみを患者に請求することができる。
【0148】
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者による遠隔診療及び服薬指導の申込の受付から、遠隔診療及び服薬指導等の提供、そして決済までの一連のサービスを、適切な順序で提供するための調整を行う処理部である。図3のフローチャートを利用して、遠隔診療・服薬指導管理部313の動作について順を追って説明する。
【0149】
ステップ1(S101):遠隔診療及び服薬指導の申込み
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者端末10の遠隔診療・服薬指導申込部102からの要求を検知し、遠隔診療及び服薬指導プロセスを開始する。
【0150】
申込みに際し医師又は薬局の指定があった場合、遠隔診療・服薬指導管理部313は、当該医師又は薬局が遠隔診療を実施可能であるか否かを判定する。ここで診療可否の判定ロジックは本実施の形態では特に限定されないが、例えば医師や薬局が予め設定したスケジュールや受入上限人数、受入可能な患者の属性等に従って判定を行うことができる。受入可能であれば、遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者が指定した医師又は薬局を遠隔診療及び服薬指導の依頼先として決定する。受入不能である場合は、遠隔診療・服薬指導管理部313は、医師又は薬局の指定が受け入れられなかった旨を遠隔診療・服薬指導申込部102に対して通知する。
【0151】
申込みに際し特定の慢性疾患名の指定があった場合、遠隔診療・服薬指導管理部313は、当該疾患の診療が可能な医師及び当該疾患に使用される薬剤を調剤可能な薬局を抽出し、その中から医師又は薬局を遠隔診療及び服薬指導の依頼先を決定する。ここで遠隔診療・服薬指導管理部313は、特定の慢性疾患名に対応可能な医師又は薬局のリストを予め保持しているものとする。
【0152】
申込みに際し医師、薬局又は慢性疾患名の指定がない場合、遠隔診療・服薬指導管理部313は、任意のロジックに従って遠隔診療及び服薬指導の依頼先とする医師又は薬局を決定することができる。なお、遠隔診療・服薬指導管理部313は、後述の問診情報の受付後に、問診情報管理部303が推測した受診科目又は疾患名等に対応可能な医師又は薬局を抽出し、当該医師又は薬局を遠隔診療及び服薬指導の依頼先として決定することとしても良い。ここで遠隔診療・服薬指導管理部313は、受診科目又は疾患名等と、これに対応可能な医師又は薬局と、の対応関係を予めテーブル等の形で保持しているものとする。
【0153】
また、医師、薬局又は慢性疾患名の指定の有無に関わらず、遠隔診療・服薬指導管理部313は、遠隔診療及び服薬指導の受け入れを行うか否かの事前審査を行うこととしても良い。例えば、後述の問診情報を受け付けた結果、問診情報管理部303が受診科目又は疾患名等を推測できない場合、又は推測した受診科目又は疾患名等に対応可能な医師又は薬局を抽出できない場合は、申込みを断ることができる。この場合、遠隔診療・服薬指導管理部313は、遠隔診療・服薬指導申込部102に対し、申込みが受け入れられなかっとことを示す通知を送信することができる。これにより、遠隔診療・服薬指導に適さないケースにおける誤診等の事故の発生リスクを抑制することができる。
【0154】
なお、遠隔診療・服薬指導管理部313は、遠隔診療及び服薬指導の依頼先として複数の医師又は薬局を候補として抽出し、患者又はコンシェルジュには、候補の中から依頼先を決定させることができる。
【0155】
遠隔診療・服薬指導の申込みを承諾する場合、遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者にかかる各種個人情報へのアクセス権限を医師及び薬局に付与する。個人情報を管理する処理部では、患者(及びコンシェルジュ)以外による個人情報の入力、閲覧及び編集については患者の同意を必要とすることが好ましい。そこで、医療機関端末50又は薬局端末70に対しては、患者の意志に基づいて発行されたパスコードを入力した場合にのみ、管理装置30が管理する各種個人情報へアクセスできるよう制約が設けられる。遠隔診療・服薬指導管理部313は、遠隔診療・服薬指導の申込みの承諾をもって各種個人情報へのアクセス許可がなされたものと判断し、管理装置30の各処理部にアクセスするためのパスコードを医療機関端末50又は薬局端末70に対して発行する。パスコードは、1回限りのアクセスが可能なワンタイムパスコードであっても良く、永久に又は所定の期間にわたりアクセスが可能なパスコードであっても良い。後者であれば、医師又は薬局は継続的に患者に対する診療又は服薬指導を行うことができるので便利である。
【0156】
なお、このような処理を行うに際しては、システム1の利用規約に「遠隔診療・服薬指導の申込みの承諾をもって各種個人情報へのアクセス許可がなされたものとする」旨の規定を予め設けておくことが好ましい。
【0157】
このようなパスコードによるアクセス管理を行うことが好ましい処理部としては、例えば患者情報を管理する患者情報管理部300、調剤情報を管理する調剤情報管理部301、問診情報を管理する問診情報管理部303、診断情報を管理する診断情報管理部307等があるが、これらに限定されない。
【0158】
ステップ2(S102):問診情報の受付
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者端末10の問診情報入力部107を起動して、問診情報を入力させる。入力された問診情報は、管理装置30の問診情報管理部303に送信、蓄積される。この場合、患者は自ら問診情報を入力するが、コールセンターのコンシェルジュの助言を得ながらこれを行っても良い。
【0159】
または、コンシェルジュが患者から問診情報の聞き取りを行って、コンシェルジュ端末20の問診情報入力・閲覧部203から問診情報を入力しても良い。この場合、コンシェルジュは、問診情報の聞き取りに先立って患者の本人確認を行うことが好ましい。例えば、コンシェルジュはまず患者の健康保険証番号及び氏名の聞き取りを行い、同じ保険証番号及び氏名の組み合わせを含むレコードが、管理装置30が蓄積している各種個人情報の中に存在し、かつ有効な情報として実際に使用されているか否かを確認する。存在する場合、この保険証番号及び氏名は真正なものとであると推定する。例えば、患者から聞き取った健康保険証番号及び氏名の組み合わせと患者IDとを含むレコードが患者情報管理部300に記録されており、かつ当該患者IDを含むレコードが調剤情報管理部301に記録されている場合は、過去にその健康保険証番号及び氏名の患者が調剤を受けたことが分かるから、患者の本人性や実在性が確かであると推認できる。なお、健康保険証番号に代えて、管理装置30が管理している他の個人識別番号(例えばマイナンバー等)があれば当該番号を用いても同様の処理を行っても良い。また、生体認証など他の個人認証手段を組み合わせても良い。問診情報入力・閲覧部203は、かかる本人確認をクリアした場合に限り問診情報の入力を受け付けることができる。一方、本人確認ができない場合には受付ができない旨の通知を行うことができる。
【0160】
ステップ3(S103):遠隔診療の実施
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者端末10と、依頼先として決定した医師の医療機関端末50と、に対し遠隔診療を開始可能である旨を通知する。遠隔診療は、患者端末10と医療機関端末50とが、例えば通信回線を介してビデオ通話や検査データの送受信等を行うことにより実施される。具体的な遠隔診療の実施方法については、例えば特許文献1等に開示されているため、本稿では説明を省略する。なお、診療は必要に応じ対面で行われても良い。
【0161】
この際、例えば診断情報入力・閲覧部505は、遠隔診療の様子を動画、音声、画像又はテキストデータ等の形式で記録することができる。記録された情報は、管理装置30の診断情報管理部307に送信される。診断情報管理部307は受診した情報を患者ごとに格納する。患者は、患者端末10を用いて、これらのコンテンツを何度でも閲覧することができる。
【0162】
なお、現状では、遠隔診療においては必ずしも全ての疾患に対応できるわけではない。医師は、遠隔診療においては対応できないと判断する場合、医療機関端末50で専門医への紹介状を電子的に作成し、患者端末10に送信しても良い。患者は、受信した紹介状を専門医に持参することで、より専門的な診療を受けることができる。
【0163】
ステップ4(S104):遠隔服薬指導の実施
遠隔診療・服薬指導管理部313は、医師により処方箋情報が入力され、管理装置30の処方箋情報管理部309に記憶されたことを検知すると、依頼先として決定した薬局の薬局端末70に対し調剤を開始可能である旨を通知する。薬剤師は、問診情報閲覧部701に記録された問診情報、調剤情報入力・閲覧部703に蓄積された過去の調剤情報等を参考にしながら、処方箋情報閲覧部705に記憶された電子的な処方箋に基づいて薬剤の調製を行う。
【0164】
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者端末10と、依頼先として決定した薬局の薬局端末70と、に対し遠隔服薬指導を開始可能である旨を通知する。遠隔服薬指導は、患者端末10と薬局端末70とが、例えば通信回線を介してビデオ通話、音声通話やテキストチャット等を行うことにより実施される。遠隔診療・服薬指導管理部313は、ビデオ通話、音声通話やテキストチャットを記録して調剤情報管理部301に格納しても良い。また、調剤情報管理部301は、服薬方法等を患者に説明するために予め用意された動画やテキストを格納しても良い。患者は、患者端末10を用いて、これらのコンテンツを何度でも閲覧することができる。
【0165】
患者端末10は、診断情報入力・閲覧部505に格納された遠隔診療の様子を収めたコンテンツ、調剤情報管理部301に格納された遠隔服薬指導の様子を収めたコンテンツ等を集約して表示し、閲覧するための手段を提供しても良い。患者は、任意のコンテンツのみを選択して閲覧したり、又は遠隔診療から遠隔服薬指導までの複数のコンテンツを連続して閲覧することが可能となる。
【0166】
薬局は、調製された薬剤を患者に配送する手配を行う。この際、薬局端末70の調剤情報入力・閲覧部703は、発送準備の整った調製済みの薬剤のリストの登録を受け付け、管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313に送信する。リストは、文字、画像、写真、動画又は音声等を含む任意の形式であり得る。管理装置30の遠隔診療・服薬指導管理部313は、薬剤の到着予定日近くになると、「お薬は届きましたか?」等のメッセージと、発送された薬剤のリストとを含む通知を患者端末10に送信する。
【0167】
患者は、薬剤を受領したことを薬局に通知することができる。患者端末10の調剤情報入力・記憶部105が、薬剤の受領通知を送信するための入力手段を備えていても良い。例えば、患者は、患者端末10に表示された薬剤の発送リストと、実際に受領した薬剤とを照合する。一致していれば、患者は調剤情報入力・記憶部105から「合っている」旨を入力する。他方、過不足や誤りがある場合、患者は受領した薬剤の情報を調剤情報入力・記憶部105に入力する。受領した薬剤の情報は、文字、画像、写真、動画又は音声等を含む任意の形式で入力できる。調剤情報入力・記憶部105は、受領確認の結果(受領通知)と、患者が受領した薬剤の情報とを遠隔診療・服薬指導管理部313に送信する。
【0168】
遠隔診療・服薬指導管理部313は、受領通知を受信すると、薬局端末70の調剤情報入力・閲覧部703に対してその旨を通知する。また、受領通知が受信された旨を調剤情報に追記する。これにより、薬局は薬剤が確実に患者に送達されたことを確認することができる。また、もし患者が受領した薬剤に過不足や誤りがあった場合は、薬剤師は薬局端末70の調剤情報入力・閲覧部703を用いて、その内容を具体的に確認し、適切な対応を講じることができる。例えば薬剤に同封された返送用封筒を用いて、受領した薬剤を薬局に返送するよう患者に依頼したり、正しい薬剤を再発送したりすることができる。
【0169】
このように、本実施の形態によれば、薬剤師はオンラインで服薬指導する際に、患者に渡す薬のリストや写真を作成し、患者は、受領した薬剤の種類と数が正しいかを確認して受領通知を送信するので、オンライン診療・服薬指導の中で間違った薬剤が患者に渡ってしまうことを防止できる。また、患者は服薬指導の動画をいつでも何度でも確認できるので、間違った服薬を行なってしまうことを防止できる。
【0170】
ここで、薬局端末70の調剤情報入力・閲覧部703は、薬剤の配送を手配した患者のリストを生成、表示する機能を有していても良い。このリストには、例えば受領通知の有無、患者の連絡先(電話番号やメールアドレス等)、及び患者へのコメント送信機能へのリンク等を含めることができる。これにより、薬局は薬剤の受領状況を一覧で確認することができる。また、受領通知のない患者に対してはリストを起点としてコメントを送信したり、電話やメールによって連絡を取ったりすることで、簡便に受領状況を確認することができる。
【0171】
また、患者端末10の調剤情報入力・記憶部105は、服薬の記録や、薬剤師に対する質問等を服薬情報として入力するための手段を備えていても良い。例えば調剤情報入力・記憶部105は、患者により薬剤の受領通知が入力されたなら、「薬剤師への質問はこちらへ」等のメニューをお薬手帳アプリに表示させる。患者によりメニューが選択されると、調剤情報入力・記憶部105は、質問等の服薬情報の入力を受け付ける。入力された服薬情報は管理装置30の調剤情報管理部301に送信される。調剤情報管理部301は、受信した服薬情報を記憶し、薬局端末70の調剤情報入力・閲覧部703に対して受信通知を送信する。調剤情報入力・記憶部105は、質問等の服薬情報の入力を受け付ける。薬局端末70の調剤情報入力・閲覧部703は、新たな服薬情報を画面表示し、質問等に対するコメントの入力を受け付ける。入力されたコメントは管理装置30の調剤情報管理部301に送信される。調剤情報管理部301は、受信したコメントを記憶し、患者端末10の調剤情報入力・記憶部105に対して受信通知を送信する。調剤情報入力・記憶部105は、新たなコメントを画面表示し、返信コメントの入力を受け付ける。これにより、システム1は、薬剤師による遠隔服薬指導のプラットフォームとして機能する。特に、特定の慢性疾患を有する患者に対しては、継続的かつ専門的なサポートを提供できるため大きなメリットとなる。
【0172】
ステップ5(S105):決済代行
遠隔診療・服薬指導管理部313は、薬局により調剤情報が入力され、管理装置30の調剤情報管理部301に記憶されたことを検知すると、決済代行処理部311を起動する。又は、決済代行処理部311は、医療機関の会計処理部509、及び薬局の会計処理部709からの会計金額の受信をトリガとして自動的に動作を開始しても良い。これにより、遠隔診療及び服薬指導等にかかる請求金額が一括で決済される。
【0173】
図4のフローチャートは、遠隔診療・服薬指導管理部313の他の動作例に関する。この例では、患者自身が処方箋を提示して遠隔調剤及び服薬指導を要求した場合の動作について説明する。
【0174】
ステップ1(S201):遠隔調剤及び服薬指導の申込み
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者端末10の遠隔診療・服薬指導申込部102からの要求を検知し、遠隔調剤及び服薬指導プロセスを開始する。遠隔診療・服薬指導管理部313は、S101と同様の手順により遠隔調剤及び服薬指導の依頼先となる薬局を決定する。
【0175】
ステップ2(S202):問診情報の受付
遠隔診療・服薬指導管理部313は、S102と同様の手順により問診情報の入力を受け付ける。
【0176】
ステップ3(S203):処方箋の受付及び二重使用チェック
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者端末10の患者情報入力・記憶部103を起動して、患者に手持ちの処方箋を登録させる。例えば患者端末10がスマートフォンであれば、患者はスマートフォンのカメラを使用して処方箋(患者は紙に印刷された処方箋を予め医師から交付されているものとする)の写真を撮影し、患者情報入力・記憶部103に登録する。登録された処方箋は、管理装置30の処方箋情報管理部309に送信され、処方箋情報として蓄積される。このように患者は自ら処方箋情報を登録するが、コールセンターのコンシェルジュの助言を得ながらこれを行っても良い。
【0177】
ここで、処方箋情報管理部309は、同内容の処方箋情報が既に登録されていないかを確認する。例えば、処方箋情報管理部309は、登録しようとする処方箋情報から患者氏名、処方箋を発行した医療機関名、処方日、処方内容、保険番号等の項目を抽出し、これらの項目の全部又は一部が一致する処方箋情報が処方箋情報管理部309内に既に存在するかどうか確認する。存在する場合、処方箋情報管理部309は、患者情報入力・記憶部103に対し「同じ内容の処方箋が既に登録します。登録しますか?」等の警告メッセージを表示させる。患者が登録しないことを選択した場合、処方箋情報の登録を中止する。一方、登録することを明示的に選択した場合、処方箋情報を登録することができる。
【0178】
ステップ4(S204):遠隔調剤及び服薬指導の実施
遠隔診療・服薬指導管理部313は、患者により処方箋が登録され、管理装置30の処方箋情報管理部309に記憶されたことを検知すると、依頼先として決定した薬局の薬局端末70に対し調剤を開始可能である旨を通知する。薬剤師は、問診情報閲覧部701に記録された問診情報等を参考にしながら、処方箋情報閲覧部705に記憶された電子的な処方箋に基づいて薬剤の調製を行う。
【0179】
ここで、処方箋情報管理部309は、薬局端末7が読み出した処方箋情報と同内容の処方箋情報が処方箋情報管理部309内に複数存在する場合には、処方箋情報閲覧部705に対して「同じ内容の処方箋情報が複数登録されています。確認してください。」等の警告メッセージを表示させる。薬局は処方箋情報閲覧部705を使用して読み出された処方箋情報を確認し、処方箋の使い回しなど事故の可能性がある場合には処方を中止するなどの判断を行う。
【0180】
以降、S104と同様の手順によりオンライン服薬指導、調製された薬剤の発送及び受領確認を実施する。
【0181】
ステップ5(S205):決済代行
遠隔診療・服薬指導管理部313は、S105と同様の手順により遠隔調剤及び服薬指導にかかる請求金額の決済を行う。
【0182】
図5のフローチャートは、遠隔診療・服薬指導管理部313の他の動作例に関する。この例では、システム1を利用して患者の自己治療を支援する場合の動作について説明する。ここでいう自己治療とは、患者が自宅等で服薬や経過観察等の療養を行うことをいう。医療機関や薬局は、システム1を利用して服薬指導やバイタルデータ測定等を実施することにより、例えば感染症等のために下の患者の外出や医療機関における診療が制限される場合であっても、一定の医療サービスを提供することが可能となる。
【0183】
ステップ1(S301):検査・計測設備の準備
医療機関や薬局が、患者に対して(例えば患者の自宅に)検査・計測設備を送付する。検査・計測設備には、例えばPCR検査キット、抗原検査キット、パルスオキシメータ、体重計、体脂肪計、BMI(Body Mass Index)計測計、血圧計及び心拍計等をはじめとする生体情報の測定機器等が含まれる。
【0184】
又は、医療機関や薬局が運営する施設内に検査・計測設備を備えておき、患者に検査・計測設備を使用させることによって、患者が自らの手で各種検査や測定等を実施できる環境を提供しても良い。
【0185】
ステップ2(S302):検査結果の登録
患者は、患者端末10の患者情報入力・記憶部103を使用して、検査・計測設備を使用して得られた検査結果を入力する。検査結果には、例えば各種検査キットによる検査結果、各種計測機器による測定値等が含まれる。入力された検査結果は、管理装置30の患者情報管理部300に送信、蓄積される。このように患者は自ら検査結果を登録するが、コールセンターのコンシェルジュの助言を得ながらこれを行っても良い。又は、検査・計測設備が外部機器への検査結果の出力に対応しているならば、患者情報入力・記憶部103は検査・計測設備から検査結果を受信し、患者情報管理部300に登録しても良い。
【0186】
ここで、患者情報入力・記憶部103は、検査結果の異常値の閾値(例えば血圧の上限又は下限値、心拍の上限又は下限値、動脈血酸素飽和度(SpO2)の下限値等)を予め保持しておくことができる。患者情報入力・記憶部103は、入力された検査結果が予め定義された異常値に該当する場合、患者に対して警告メッセージ等を出力することができる。例えば、「異常値を検出しました。早めに医師や薬剤師に相談してください」「遠隔診療又は遠隔服薬指導を申し込みますか?」等のメッセージを表示する。ここで患者が遠隔診療又は遠隔服薬指導の申込みを選択したならば、S304に遷移する。これにより、患者は自己の健康状態に異常を発見した場合に、必要に応じ迅速かつ適切な対応を行うことが可能となる。
【0187】
ステップ3(S303):検査結果の閲覧
医療機関や薬局は、患者情報閲覧部500又は患者情報閲覧部700を使用して、患者端末10により登録された検査結果を閲覧する。好ましくは、患者情報閲覧部500又は患者情報閲覧部700は、自己治療中の患者にかかる検査結果を患者情報管理部300から定期的に自動取得する。また、患者情報閲覧部500又は患者情報閲覧部700は、検査結果の異常値の閾値(例えば血圧の上限又は下限値、心拍の上限又は下限値、動脈血酸素飽和度(SpO2)の下限値等)を予め定義しておくことができる。患者情報閲覧部500又は患者情報閲覧部700は、受信した検査結果が予め定義された異常値に該当する場合、医師や薬剤師に対して警告メッセージ等を出力することができる。例えば、「異常値を検出しました。患者に受診喚起を行いますか?」「遠隔診療又は遠隔服薬指導を実施しますか?」等のメッセージを表示する。
【0188】
ここで患者に受診喚起を行うことを選択した場合、患者情報閲覧部500又は患者情報閲覧部700は、患者端末10の患者情報入力・記憶部103に対して、例えば「異常値を検出しました。早めに医師や薬剤師に相談してください」「遠隔診療又は遠隔服薬指導を申し込みますか?」等のメッセージを表示させる。ここで患者が遠隔診療又は遠隔服薬指導の申込みを選択したならば、S304に遷移する。
【0189】
一方、医師や薬剤師が遠隔診療又は遠隔服薬指導を実施することを選択した場合、S304に遷移する。これにより、自宅療養中の患者に生じた異常を即座に検知し、必要に応じ迅速かつ適切な対応を行うことが可能となる。
【0190】
ステップ4(S304):遠隔診療又は遠隔服薬指導の実施
患者情報入力・記憶部103、患者情報閲覧部500又は患者情報閲覧部700が、遠隔診療又は遠隔服薬指導プロセスを開始する。患者情報入力・記憶部103、患者情報閲覧部500又は患者情報閲覧部700は、遠隔診療・服薬指導管理部313を起動する。
【0191】
患者自身により遠隔診療が申し込まれた場合、遠隔診療・服薬指導管理部313が、S101以降の手順にしたがって遠隔診療又は遠隔服薬指導を開始することができる。
【0192】
医師又は薬剤師により遠隔診療又は遠隔服薬指導プロセスが開始された場合、遠隔診療・服薬指導管理部313が、自己治療中の患者の患者端末10と、検査データを観察している医師の医療機関端末50又は薬局の薬局端末70と、に対し遠隔診療又は遠隔服薬指導を開始可能である旨を通知する。以降、S103又はS104と同様の手順により遠隔診療又は遠隔服薬指導を実施する。
【0193】
なお、医師が患者の入院治療が必要と判断した場合、医療機関は患者の搬送手配や受け入れ準備を行うことができる。
【0194】
ステップ5(S305):決済代行
遠隔診療・服薬指導管理部313は、S105と同様の手順により遠隔調剤及び服薬指導にかかる請求金額の決済を行う。
【0195】
<その他の実施の形態>
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の実施の形態では、医療機関端末50のユーザを医師、薬局端末70のユーザを薬剤師と想定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、医療機関又は薬局における任意の医療従事者や、医療・健康に関わるサービスを提供する事業者等がこれらの端末のユーザとなっても良い。
【0196】
例えば、医療機関端末50は、医師のほか、看護師や検査・検診を実施する事業者等が、健康診断や各種検査の結果等を患者に説明するために使用しても良い。この場合、医師や看護師や事業者等が、健康診断や各種検査の結果をオンラインで説明し、各種アドバイス(食事療法や運動療法等を含む)を行う。この際、医師や事業者等は管理装置30に蓄積された患者情報、調剤情報、問診情報、診断情報、処方箋情報等を参照することができるので、的確な説明及びアドバイス等を提供可能である。また必要に応じ、上述の実施の形態に示すように処方箋情報を発行し、薬剤師に引き継いでオンライン服薬指導を行わせても良い。
【0197】
また、薬局端末70は、薬剤師のほか、食事指導を提供する栄養士、サプリメントや健康食品等を提供する事業者等が使用しても良い。例えば、健康診断や各種検査の結果、投薬による治療までは必要ないまでも、食事療法や、サプリメントや健康食品を利用した改善努力等が望ましいと考えられる場合がある。このような場合、医師や事業者等は食事指導の実施や、サプリメントや健康食品の使用推奨等を内容とする処方箋情報を発行し、薬剤師、栄養士及び事業者等に引き継ぐ。薬剤師、栄養士及び事業者等は、薬局端末70を使用して、オンラインでの食事指導、及びサプリメントや健康食品の使用に関するオンライン指導を実施する。又は、処方箋情報によらず、薬剤師、栄養士及び事業者等の判断においてこれらのオンライン指導を患者に提供しても良い。サプリメントや健康食品等は、上述の実施の形態における薬剤と同様に患者に配送し、患者による受領確認を実施させることができる。これにより、投薬の必要な病気の人だけでなく、比較的健康な患者も医療関係者や事業者等によるサポートを受けることができるようになる。
【0198】
なお、上述の実施の形態では、薬局端末70が、医療機関端末50からの処方箋情報を受けてオンライン服薬指導を行なったが、本発明はこれに限定されない。例えば、薬局端末70は、患者の求めに応じ、処方箋を必要としないオンライン指導等を直接提供することができる。具体例を示す。患者情報入力・記憶部103は、健康診断や各種検査の結果等を事業者等から取得し、画面表示する。この際、患者情報入力・記憶部103は画面に「薬局に相談する」ボタンを表示させ、当該ボタンが選択された場合には薬局端末70にその旨を通知する。これを契機として、薬局端末70は患者端末10との間でオンライン指導を開始することができる。これにより、医師による診療までは必要ないような比較的健康な患者であっても、薬局につながって健康相談を受けることができるようになる。また、患者情報入力・記憶部103は、健康診断や各種検査の結果等に応じて、薬局に相談する、医師の診療を受ける、医師の診療を受け薬局の相談も受ける、等のオプションを患者に提示することとしても良い。
【0199】
また、薬局端末70は、患者の健康診断や各種検査の結果等を閲覧し、医師によるオンライン診療を勧め、その診療結果に応じてオンライン調剤や服薬指導等を提供することができる。具体例を示す。薬剤師がオンライン服薬指導や他のオンライン指導を行う際などに、薬局端末70の患者情報閲覧部700が、患者の健康診断や各種検査の結果(例えばマイナポータルから取得された健康診断結果)等を管理装置30の患者情報管理部300から取得し、画面表示する。薬剤師は、健康診断や各種検査の結果等を閲覧し、必要であれば患者に医師の診療を受けることを推奨する。例えば、患者情報閲覧部700は、健康診断や各種検査の結果等が異常値を含む場合、医師による診療を勧めるよう促す警告メッセージを表示したり、「医師によるオンライン診療を開始する」ボタンを表示したりすることができる。診療を推奨された患者は、自ら医師によるオンライン診療を受け、医師による処方箋情報の入力があったならば再度薬剤師によるオンライン調剤及び服薬指導を受ける。又は、「医師によるオンライン診療を開始する」ボタンの押下を検知した患者情報閲覧部700が、遠隔診療プロセスを開始しても良い。この場合、患者情報閲覧部700が遠隔診療・服薬指導管理部313を起動する。遠隔診療・服薬指導管理部313が、患者の患者端末10と、医師の医療機関端末50と、に対し遠隔診療又は遠隔服薬指導を開始可能である旨を通知する。以降、S103と同様の手順により遠隔診療を実施する。
【0200】
また、上述の実施の形態では、患者端末10のユーザ自身が患者である場合を想定したが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば患者端末10のユーザの子供や親、介護者、後見人等が患者として遠隔診療及び服薬指導を受ける場合にも適用できる。また、本発明は人の診療及び調剤に限定されるものでなく、例えばペットや家畜等が遠隔診療及び服薬指導を受ける場合にも適用できる。
【0201】
ペットや家畜等の動物を対象とする場合、患者情報の一部として、動物の外観(顔等)の画像や特徴量、又は動物に付された(典型的には埋め込みの)チップ等から読み取り可能な識別情報等を利用することができる。これにより、画像認識や識別番号の照合等により動物を一意に特定できるため、オンライン診療及びオンライン服薬指導における利便性及び正確性が向上する。
【0202】
また、上述の実施の形態では、医師又は薬剤師が、医療機関端末50又は薬局端末70を用いて患者情報、問診情報、調剤情報、処方箋情報等を閲覧する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、医師又は薬剤師から事前に同意を得たコンシェルジュが、コンシェルジュ端末20を用いてこれらの情報を取得して取りまとめ、FAXやEメール等の手段で医師又は薬剤師に提供しても良い。
【0203】
また、本発明は、ハードウェアにより実現することも可能であり、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0204】
10 患者端末
101 情報提供部
102 遠隔診療・服薬指導申込部
103 患者情報入力・記憶部
105 調剤情報入力・記憶部
107 問診情報入力部
109 問診情報記憶部
111 評価情報入力部
113 決済処理部
20 コンシェルジュ端末
201 患者情報入力・閲覧部
203 問診情報入力・閲覧部
205 診断情報入力・閲覧部
207 処方箋情報入力・閲覧部
209 調剤情報入力・閲覧部
211 会計情報入力・閲覧部
30 管理装置
300 患者情報管理部
301 調剤情報管理部
303 問診情報管理部
305 評価情報管理部
307 診断情報管理部
309 処方箋情報管理部
311 決済代行処理部
313 遠隔診療・服薬指導管理部
50 医療機関端末
500 患者情報閲覧部
501 問診情報閲覧部
503 調剤情報閲覧部
505 診断情報入力・閲覧部
507 処方箋情報入力・閲覧部
509 会計処理部
70 薬局端末
700 患者情報閲覧部
701 問診情報閲覧部
703 調剤情報入力・閲覧部
705 処方箋情報閲覧部
709 会計処理部

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5