(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074953
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】検知センサ及び照明システム
(51)【国際特許分類】
G01S 13/34 20060101AFI20230523BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20230523BHJP
【FI】
G01S13/34
H05B47/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188174
(22)【出願日】2021-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 恭裕
【テーマコード(参考)】
3K273
5J070
【Fターム(参考)】
3K273QA31
3K273SA11
3K273SA17
3K273SA36
3K273SA37
3K273SA56
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA70
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA27
3K273UA28
5J070AB17
5J070AE09
5J070AF01
5J070AK06
(57)【要約】
【課題】複数のレーダ間における電波干渉を抑制可能な検知センサ、及び、照明システムを提供する。
【解決手段】検知センサは、所定空間の少なくとも一部の範囲における人の有無を検知する。検知センサは、第1レーダと、第2レーダと、通信部と、制御部とを備える。第1レーダは、所定空間の第1検知範囲における人の有無を検知する。第2レーダは、所定空間の第2検知範囲における人の有無を検知する。通信部は、検知センサの外部の制御装置と通信する。制御部は、第1及び第2レーダが交互に作動するように第1及び第2レーダの各々を制御し、第1及び第2レーダの各々の検知結果を制御装置へ直接的又は間接的に送信するように通信部を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間の少なくとも一部の範囲における人の有無を検知する検知センサであって、
前記所定空間の第1検知範囲における人の有無を検知する第1レーダと、
前記所定空間の第2検知範囲における人の有無を検知する第2レーダと、
前記検知センサの外部の制御装置と通信する通信部と、
前記第1及び第2レーダが交互に作動するように前記第1及び第2レーダの各々を制御し、前記第1及び第2レーダの各々の検知結果を前記制御装置へ直接的又は間接的に送信するように前記通信部を制御する制御部とを備える、検知センサ。
【請求項2】
照明システムであって、
所定空間の少なくとも一部の範囲における人の有無を検知する第1検知センサと、
制御装置とを備え、
前記第1検知センサは、
前記所定空間の第1検知範囲における人の有無を検知する第1レーダと、
前記所定空間の第2検知範囲における人の有無を検知する第2レーダと、
前記制御装置と通信する第1通信部と、
前記第1及び第2レーダが交互に作動するように前記第1及び第2レーダの各々を制御し、前記第1及び第2レーダの各々の検知結果を前記制御装置へ直接的又は間接的に送信するように前記第1通信部を制御する第1制御部とを含み、
前記照明システムは、
前記第1検知範囲を照らす第1照明装置群と、
前記第2検知範囲を照らす第2照明装置群とをさらに備え、
前記第1及び第2照明装置群の各々は、複数の照明装置を含み、
前記制御装置は、前記検知結果に基づいて生成された制御信号を前記複数の照明装置の各々へ直接的又は間接的に送信し、
前記複数の照明装置の各々は、前記制御信号に従って点灯制御する、照明システム。
【請求項3】
前記第1及び第2レーダの各々は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のレーダであり、
前記第1制御部は、前記第1レーダの送信波における周波数の掃引の終了後、休止時間を経た後に、前記第2レーダの送信波における周波数の掃引が行なわれるように前記第1及び第2レーダの各々を制御する、請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記第1検知センサは、
前記制御部が実装された制御部基板と、
前記第1レーダが実装されており、前記制御部基板と第1ケーブルを通じて接続された第1レーダ基板と、
前記第2レーダが実装されており、前記制御部基板と第2ケーブルを通じて接続された第2レーダ基板と、
前記制御部基板、前記第1レーダ基板及び前記第2レーダ基板を収容する筐体とをさらに備える、請求項2に記載の照明システム。
【請求項5】
前記第1及び第2レーダの各々は、FMCW方式のレーダであり、
前記第1制御部は、前記第1レーダの送信波における周波数の掃引の終了後、休止時間を経た後に、前記第2レーダの送信波における周波数の掃引が行なわれるように前記第2レーダを制御し、
前記第1検知センサは、前記掃引の時間及び前記休止時間を設定するための設定信号を前記第1検知センサの外部の設定装置から受信し、
前記第1検知センサは、前記設定信号に従った設定後、前記掃引の時間及び前記休止時間に関する設定状態を示す設定情報を前記設定装置へ送信する、請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
所定空間の少なくとも一部の範囲における人の有無を検知する第2検知センサをさらに備え、
前記第2検知センサは、
前記所定空間の第3検知範囲における人の有無を検知する第3レーダと、
前記所定空間の第4検知範囲における人の有無を検知する第4レーダと、
前記制御装置と通信する第2通信部と、
前記第3及び第4レーダが交互に作動するように前記第3及び第4レーダの各々を制御し、前記第3及び第4レーダの各々の検知結果を前記制御装置へ直接的又は間接的に送信するように前記第2通信部を制御する第2制御部とを含み、
前記第1検知範囲と前記第3検知範囲とは互いに隣接しておらず、
前記第2検知範囲と前記第4検知範囲とは互いに隣接しておらず、
前記制御装置は、前記第1及び第3レーダが同期して作動し、前記第2及び第4レーダが同期して作動するように前記第1及び第2制御部の各々を制御する、請求項5に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知センサ及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-181652号公報(特許文献1)は、点灯システムを開示する。この点灯システムにおいては、例えば、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のセンサによって、検知エリアにおける人の有無が検知される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、室内又は室外の所定空間における人の有無を検知するために複数のレーダが用いられる場合には、複数のレーダ間において電波干渉が生じる可能性がある。しかしながら、特許文献1には、このような問題を解決するための手段が開示されていない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のレーダ間における電波干渉を抑制可能な検知センサ、及び、照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う検知センサは、所定空間の少なくとも一部の範囲における人の有無を検知する。検知センサは、第1レーダと、第2レーダと、通信部と、制御部とを備える。第1レーダは、所定空間の第1検知範囲における人の有無を検知する。第2レーダは、所定空間の第2検知範囲における人の有無を検知する。通信部は、検知センサの外部の制御装置と通信する。制御部は、第1及び第2レーダが交互に作動するように第1及び第2レーダの各々を制御し、第1及び第2レーダの各々の検知結果を制御装置へ直接的又は間接的に送信するように通信部を制御する。
【0007】
この検知センサによれば、第1及び第2レーダが交互に作動するため、第1及び第2レーダ間の電波干渉を抑制することができる。
【0008】
また、本発明の他の局面に従う照明システムは、第1検知センサと、制御装置とを備える。第1検知センサは、所定空間の少なくとも一部の範囲における人の有無を検知する。第1検知センサは、第1レーダと、第2レーダと、第1通信部と、第1制御部とを含む。第1レーダは、所定空間の第1検知範囲における人の有無を検知する。第2レーダは、所定空間の第2検知範囲における人の有無を検知する。第1通信部は、制御装置と通信する。第1制御部は、第1及び第2レーダが交互に作動するように第1及び第2レーダの各々を制御し、第1及び第2レーダの各々の検知結果を制御装置へ直接的又は間接的に送信するように通信部を制御する。照明システムは、第1照明装置群と、第2照明装置群とをさらに備える。第1照明装置群は、第1検知範囲を照らす。第2照明装置群は、第2検知範囲を照らす。第1及び第2照明装置群の各々は、複数の照明装置を含む。制御装置は、検知結果に基づいて生成された制御信号を複数の照明装置の各々へ直接的又は間接的に送信する。複数の照明装置の各々は、制御信号に従って点灯制御する。
【0009】
この照明システムによれば、第1及び第2検知範囲の各々における人の有無の検知結果に従って各照明装置の点灯制御が行なわれるため、電力の浪費を抑制することができる。
【0010】
上記照明システムにおいて、第1及び第2レーダの各々は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のレーダであり、第1制御部は、第1レーダの送信波における周波数の掃引の終了後、休止時間を経た後に、第2レーダの送信波における周波数の掃引が行なわれるように第1及び第2レーダの各々を制御してもよい。
【0011】
この照明システムによれば、第1レーダにおける周波数の掃引終了タイミングと第2レーダにおける周波数の掃引開始タイミングとの間に休止時間が挟まれるため、第1レーダによって受信される反射波と第2レーダによって送信される送信波との間の電波干渉を抑制することができる。
【0012】
また、上記照明システムにおいて、第1検知センサは、制御部が実装された制御部基板と、第1レーダが実装されており、制御部基板と第1ケーブルを通じて接続された第1レーダ基板と、第2レーダが実装されており、制御部基板と第2ケーブルを通じて接続された第2レーダ基板と、制御部基板、第1レーダ基板及び第2レーダ基板を収容する筐体とをさらに備えてもよい。
【0013】
この照明システムによれば、第1検知センサに含まれる各基板が1つの筐体に収容されているため、第1検知センサを容易に実装することができる。
【0014】
また、上記照明システムにおいて、第1及び第2レーダの各々は、FMCW方式のレーダであり、第1制御部は、第1レーダの送信波における周波数の掃引の終了後、休止時間を経た後に、第2レーダの送信波における周波数の掃引が行なわれるように第2レーダを制御し、第1検知センサは、掃引の時間及び休止時間を設定するための設定信号を第1検知センサの外部の設定装置から受信し、第1検知センサは、設定信号に従った設定後、掃引の時間及び休止時間に関する設定状態を示す設定情報を設定装置へ送信してもよい。
【0015】
この照明システムによれば、第1センサにおける掃引時間及び休止時間を、例えば、第1センサの設置位置に応じて設定することができる。また、この照明システムによれば、第1検知センサにおける設定後に設定情報が設定装置へ送信されるため、ユーザは、第1検知センサにおける設定が所望の通りに行なわれたか否かを設定装置において確認することができる。
【0016】
また、上記照明システムは、所定空間の少なくとも一部の範囲における人の有無を検知する第2検知センサをさらに備え、第2検知センサは、所定空間の第3検知範囲における人の有無を検知する第3レーダと、所定空間の第4検知範囲における人の有無を検知する第4レーダと、制御装置と通信する第2通信部と、第3及び第4レーダが交互に作動するように第3及び第4レーダの各々を制御し、第3及び第4レーダの各々の検知結果を制御装置へ直接的又は間接的に送信するように第2通信部を制御する第2制御部とを含み、第1検知範囲と第3検知範囲とは互いに隣接しておらず、第2検知範囲と第4検知範囲とは互いに隣接しておらず、制御装置は、第1及び第3レーダが同期して作動し、第2及び第4レーダが同期して作動するように第1及び第2制御部の各々を制御してもよい。
【0017】
この照明システムによれば、互いに隣接しない検知範囲における検知を行なう複数のレーダが同期して作動するため、複数のレーダが同時に作動したとしても複数のレーダ間における電波干渉を抑制することができる。その結果、複数のレーダ間における電波干渉を抑制した状態で、より広い範囲における人の有無の検知が可能な照明システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数のレーダ間における電波干渉を抑制可能な検知センサ、及び、照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施の形態1に従う照明システムを模式的に示す図である。
【
図2】検知センサの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図3】第1レーダの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図4】第1レーダ、第2レーダ及び制御部の物理的な接続関係を模式的に示す図である。
【
図5】照明装置の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図6】制御装置の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図7】検知センサにおける送信波及び受信波の各々の周波数の推移の一例を示す図である。
【
図8】検知センサにおける各レーダの周波数制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】制御装置における動作の概要を説明するための図である。
【
図10】制御装置における動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】各照明装置における動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】リモコンによって設定される内容の一例を説明するための図である。
【
図13】検知センサにおける設定動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2に従う照明システムを模式的に示す図である。
【
図15】実施の形態2における制御装置の動作の概要を説明するための図である。
【
図16】実施の形態2における制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0021】
[1.実施の形態1]
<1-1.構成>
(1-1-1.照明システムの全体構成)
図1は、本実施の形態1に従う照明システム10を模式的に示す図である。なお、
図1においては、天井が透過した状態の室内15が上方から示されている。
【0022】
図1に示されるように、照明システム10は、検知センサ100と、複数の照明装置200と、制御装置300とを含んでいる。検知センサ100は、第1レーダ110と、第2レーダ120とを含んでおり、所定空間の一例である室内15における人の有無を検知するように構成されている。第1レーダ110及び第2レーダ120の各々は、例えば、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のレーダによって構成される。室内15には、検知範囲A1,A2が含まれている。検知範囲A1における人の有無は第1レーダ110によって検知され、検知範囲A2における人の有無は第2レーダ120によって検知される。
【0023】
第1レーダ110及び第2レーダ120の各々による検知結果を示す信号(以下、「検知結果信号」とも称する。)は、検知センサ100から制御装置300へ送信される。検知結果信号は、例えば、(1)検知範囲に人が存在しない、(2)検知範囲に人が進入し人が存在するようになった、(3)検知範囲に人が存在する、及び(4)検知範囲から人が退出し検知範囲に人が存在しなくなった、のいずれかを示す。検知結果信号は、検知センサ100から制御装置300へ直接的に送信されてもよい。また、検知結果信号は、1又は複数の照明装置200を介して間接的に検知センサ100から制御装置300へ送信されてもよい。
【0024】
制御装置300は、受信された検知結果信号に基づいて複数の照明装置200の各々を制御する。例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、検知範囲A1を照らす複数の照明装置200(以下、「第1照明装置群」とも称する。)の各々を点灯させ、検知範囲A2を照らす複数の照明装置200(以下、「第2照明装置群」とも称する。)の各々を消灯させる。すなわち、制御装置300は、そのような制御を実現するための制御信号(以下、「照明制御信号」とも称する。)を各照明装置200へ直接的又は間接的に送信する。
【0025】
第1レーダ110及び第2レーダ120の各々は、各検知範囲における人の有無を検知するために電波を発する。仮に第1レーダ110及び第2レーダ120の両方が同じタイミングで電波を発すると電波干渉が生じる。照明システム10においては、このような電波干渉を抑制するための工夫が施されている。以下、照明システム10について詳細に説明する。
【0026】
(1-1-2.検知センサの構成)
図2は、検知センサ100の電気的構成を模式的に示す図である。
図2に示されるように、検知センサ100は、第1レーダ110と、第2レーダ120と、制御部160と、通信部130と、リモコン信号送受信部140と、電源部150とを含んでいる。
【0027】
上述のように、検知センサ100において、第1レーダ110は検知範囲A1(
図1)における人の有無を検知し、第2レーダ120は検知範囲A2における人の有無を検知する。第1レーダ110及び第2レーダ120の各々は、例えば、FMCW方式のレーダによって構成される。第1レーダ110及び第2レーダ120は、例えば、互いに同一の構成を有している。
【0028】
図3は、第1レーダ110の電気的構成を模式的に示す図である。
図3に示されるように、第1レーダ110は、送信アンテナ113と、受信アンテナ114と、通信部116と、制御回路118とを含んでいる。送信アンテナ113は、周波数(送信周波数)が時間の経過に伴って変化する送信波を送信するように構成されている。すなわち、送信アンテナ113は、例えば、FMCW方式に従う送信波を送信するように構成されている。受信アンテナ114は、周波数(受信周波数)が時間の経過に伴って変化する受信波を受信するように構成されている。すなわち、受信アンテナ114は、例えば、FMCW方式に従う受信波を受信するように構成されている。
【0029】
制御回路118は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含んでいる。制御回路118は、情報処理に応じて、第1レーダ110内の各構成要素を制御するように構成されている。制御回路118は、例えば、送信周波数と受信周波数とを比較することによって、検知範囲(例えば、検知範囲A1)における人の有無を検知する。なお、制御回路118によって実現される機能は、1つの回路で実現されてもよいし、複数の回路で実現されてもよい。
【0030】
通信部116は、制御部160(
図2)と通信するように構成されている。通信部116は、例えば、第1レーダ110による検知結果を示す信号を制御部160へ送信する。なお、通信部116と制御部160との間における通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0031】
再び
図2を参照して、制御部160は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部160は、情報処理に応じて、検知センサ100内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部160は、第1レーダ110による検知結果を示す信号、及び、第2レーダ120による検知結果を示す信号に基づいて検知結果信号を生成する。
【0032】
通信部130は、例えば、複数の照明装置200及び制御装置300の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部130は、例えば、検知結果信号を複数の照明装置200及び制御装置300の各々へ直接的又は間接的に送信する。通信部130は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)が挙げられる。
【0033】
リモコン信号送受信部140は、検知センサ100の外部のリモコン(不図示)から検知センサ100に関する各種設定を指示する信号(以下、「設定信号」とも称する。)を受信するように構成されている。検知センサ100に関する各種設定については後程説明する。電源部150は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC:Alternating Current)を直流電力(DC:Direct Current)に変換し、検知センサ100の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。
【0034】
図4は、第1レーダ110、第2レーダ120及び制御部160の物理的な接続関係を模式的に示す図である。
図4に示されるように、第1レーダ110は第1レーダ基板112に実装されており、第2レーダ120は第2レーダ基板122に実装されている。制御部160は、制御部基板162に実装されている。制御部基板162は、第1レーダ基板112及び第2レーダ基板122の各々とケーブル172を介して接続されている。第1レーダ基板112と制御部基板162とを接続するケーブル172は第1ケーブルの一例であり、第2レーダ基板122と制御部基板162とを接続するケーブル172は第2ケーブルの一例である。ケーブル172は、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)に準拠した通信が可能である。これにより、制御部160は、第1レーダ110及び第2レーダ120の各々と電気的に接続されている。また、第1レーダ基板112、第2レーダ基板122及び制御部基板162は、同一の筐体170に収容されている。検知センサ100に含まれる各基板が1つの筐体170に収容されているため、検知センサ100の実装が容易になっている。
【0035】
(1-1-3.照明装置の構成)
図5は、照明装置200の電気的構成を模式的に示す図である。
図5に示されるように、照明装置200は、通信部210と、光源部220と、電源部230と、制御部240とを含んでいる。
【0036】
通信部210は、例えば、検知センサ100、他の照明装置200及び制御装置300の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部210は、例えば、検知結果信号の送受信、及び、照明制御信号の送受信を行なう。通信部210は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLEを含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)が挙げられる。
【0037】
光源部220は、電源部230から電力供給を受けることによって発光するように構成されている。光源部220は、例えば、LED(Light Emitting Diode)によって構成される。電源部230は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換し、照明装置200の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。
【0038】
制御部240は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部240は、情報処理に応じて、照明装置200内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部240は、例えば、照明制御信号を受信した場合に、照明制御信号に従って光源部220を制御する。また、制御部240は、例えば、検知結果信号を受信した場合に、他の照明装置200又は制御装置300へ検知結果信号を送信するように通信部210を制御する。
【0039】
(1-1-4.制御装置の構成)
図6は、制御装置300の電気的構成を模式的に示す図である。
図6に示されるように、制御装置300は、表示部310と、通信部320と、電源部330と、記憶部340と、制御部350とを含んでいる。
【0040】
表示部310は、画像を表示するように構成されている。表示部310は、例えば、検知結果信号が示す情報(例えば、室内15における人の有無を示す情報)を表示する。表示部310は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。
【0041】
通信部320は、例えば、検知センサ100及び複数の照明装置200の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部320は、例えば、検知結果信号の受信及び照明制御信号の送信を行なう。通信部320は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLEを含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)が挙げられる。
【0042】
電源部330は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換し、制御装置300の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。記憶部340は、各種データを記憶するように構成されている。記憶部340は、例えば、検知センサ100から受信された検知結果信号の内容を継続的に記憶する。記憶部340は、例えば、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブの少なくとも一部によって構成される。
【0043】
制御部350は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部350は、情報処理に応じて、制御装置300内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部350は、例えば、受信された検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成する。例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2において人が検知されなかった場合に、制御部350は、第1照明装置群に含まれる各照明装置200を点灯させ、第2照明装置群に含まれる各照明装置200を消灯させる照明制御信号を生成する。
【0044】
<1-2.照明システムにおける動作>
(1-2-1.検知センサの動作)
上述のように、検知センサ100において、仮に第1レーダ110及び第2レーダ120の両方が同じタイミングで電波を発すると電波干渉が生じる。検知センサ100においては、電波干渉を抑制するために、第1レーダ110によって電波が発されるタイミングと、第2レーダ120によって電波が発されるタイミングとが異なっている。以下、詳細に説明する。
【0045】
図7は、検知センサ100における送信波及び受信波の各々の周波数の推移の一例を示す図である。
図7を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。また、波形W1は送信波の推移を示し、波形W2は受信波の推移を示す。
【0046】
例えば、時刻t0-t1においては、周波数f1の送信波が第2レーダ120によって発されている。時刻t1において、第2レーダ120による送信波の送信が停止され、第1レーダ110による送信波の送信が開始される。時刻t1-t2(掃引時間)においては、第1レーダ110の送信波における周波数の掃引が行なわれ、例えば、送信波の周波数がf1からf2へ上昇する。掃引時間が終了すると、第1レーダ110による送信波の周波数はf2からf1へ低下する。
【0047】
時刻t2-t3(休止時間)においては、第1レーダ110による送信波の周波数がf1に固定される。休止時間は、例えば、掃引時間(例えば、時刻t1-t2)に送信された送信波に対応する受信波の受信が完了する程度の時間であり、例えば、掃引時間と略同一の時間である。休止時間が終了すると、第1レーダ110による送信波の送信が停止され、第2レーダ120による送信波の送信が開始される。
【0048】
時刻t3-t4(掃引時間)においては、第2レーダ120の送信波における周波数の掃引が行なわれ、例えば、送信波の周波数がf1からf2へ上昇する。掃引時間が終了すると、第2レーダ120による送信波の周波数はf2からf1へ低下する。
【0049】
時刻t4-t5(休止時間)においては、第2レーダ120による送信波の周波数がf1に固定される。休止時間は、例えば、掃引時間(例えば、時刻t3-t4)に送信された送信波に対応する受信波の受信が完了する程度の時間であり、例えば、掃引時間と略同一の時間である。休止時間が終了すると、第2レーダ120による送信波の送信が停止され、第1レーダ110による送信波の送信が開始される。
【0050】
このように、検知センサ100によれば、第1レーダ110及び第2レーダ120が交互に作動するため、第1レーダ110及び第2レーダ120間の電波干渉を抑制することができる。また、検知センサ100によれば、第1レーダ110における周波数の掃引終了タイミングと第2レーダ120における周波数の掃引開始タイミングとの間に休止時間が挟まれるため、第1レーダ110によって受信される反射波と第2レーダ120によって送信される送信波との間の電波干渉を抑制することができる。
【0051】
図8は、検知センサ100における各レーダの周波数制御動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、検知センサ100の制御部160によって繰り返し実行される。
【0052】
図8を参照して、制御部160は、例えば、送信波の掃引を開始すると共に送信波を送信するように第1レーダ110を制御する(ステップS100)。制御部160は、掃引時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。掃引時間が経過していないと判定されると(ステップS110においてNO)、制御部160は、送信波の掃引及び送信波の送信を継続するように第1レーダ110を制御する。
【0053】
一方、掃引時間が経過したと判定されると(ステップS110においてYES)、制御部160は、送信波の周波数を低下させた上で(例えば、
図7における周波数f1)周波数の掃引を停止するように第1レーダ110を制御する(ステップS120)。制御部160は、休止時間が経過したか否かを判定する(ステップS130)。休止時間が経過していないと判定されると(ステップS130においてNO)、制御部160は、周波数が低下した状態の送信波の送信を継続するように第1レーダ110を制御する。
【0054】
一方、休止時間が経過したと判定されると(ステップS130においてYES)、制御部160は、送信波の送信を停止するように第1レーダ110を制御し、かつ、送信波の掃引を開始すると共に送信波を送信するように第2レーダ120を制御する(ステップS140)。制御部160は、掃引時間が経過したか否かを判定する(ステップS150)。掃引時間が経過していないと判定されると(ステップS150においてNO)、制御部160は、送信波の掃引及び送信波の送信を継続するように第2レーダ120を制御する。
【0055】
一方、掃引時間が経過したと判定されると(ステップS150においてYES)、制御部160は、送信波の周波数を低下させた上で周波数の掃引を停止するように第2レーダ120を制御する(ステップS160)。制御部160は、休止時間が経過したか否かを判定する(ステップS170)。休止時間が経過していないと判定されると(ステップS170においてNO)、制御部160は、周波数が低下した状態の送信波の送信を継続するように第2レーダ120を制御する。一方、休止時間が経過したと判定されると(ステップS170においてYES)、処理は再びステップS100へ移行する。
【0056】
図8のフローチャートに示される処理と並行して、制御部160は、送信波の周波数及び受信波の周波数に基づいて各検知範囲における人の有無を判定する。制御部160は、判定結果に基づいて検知結果信号を生成し、生成された検知結果信号を直接的又は間接的に制御装置300へ送信するよう通信部130を制御する。次に制御装置300の動作について説明する。
【0057】
(1-2-2.制御装置の動作)
図9は、制御装置300における動作の概要を説明するための図である。
図9に示されるように、検知センサ100によって送信された検知結果信号は、例えば、複数の照明装置200を経て制御装置300によって受信される。制御装置300は、受信された検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成し、照明制御信号を直接的又は間接的に複数の照明装置200の各々へ送信する。
【0058】
例えば、検知範囲A1(
図1)において人が検知され、かつ、検知範囲A2において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、第1照明装置群に含まれる各照明装置200を点灯させ、第2照明装置群に含まれる各照明装置200を消灯させる照明制御信号を各照明装置200へ送信してもよい。また、例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、第1照明装置群に含まれる各照明装置200の照度を、第2照明装置群に含まれる各照明装置200の照度よりも高くする照明制御信号を各照明装置200へ送信してもよい。
【0059】
図10は、制御装置300における動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、制御装置300の制御部350によって繰り返し実行される。
【0060】
図10を参照して、制御部350は、通信部320を介して検知結果信号を受信したか否かを判定する(ステップS200)。検知結果信号を受信していないと判定されると(ステップS200においてNO)、制御部350は、検知結果信号を受信するまで待機する。
【0061】
一方、検知結果信号を受信したと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部350は、受信された検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成し、照明制御信号を直接的又は間接的に各照明装置200へ送信するように通信部320を制御する(ステップS210)。
【0062】
(1-2-3.照明装置の動作)
図11は、各照明装置200における動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、照明装置200の制御部240によって繰り返し実行される。
【0063】
図11を参照して、制御部240は、通信部210を介して照明制御信号を受信したか否かを判定する(ステップS300)。照明制御信号を受信していないと判定されると(ステップS300においてNO)、制御部240は、照明制御信号を受信するまで待機する。
【0064】
一方、照明制御信号を受信したと判定されると(ステップS300においてYES)、制御部240は、受信された照明制御信号に基づいて光源部220を制御すると共に、他の照明装置200へ照明制御信号を送信するように通信部210を制御する(ステップS310)。このように、照明システム10によれば、例えば、検知範囲A1,A2の各々における人の有無の検知結果に従って各照明装置200の点灯制御が行なわれるため、電力の浪費を抑制することができる。
【0065】
(1-2-4.検知センサに関する各種設定動作)
上述のように、検知センサ100においては、検知センサ100の外部のリモコン(設定装置の一例)から設定信号を受信することによって、各種設定が行なわれる。
【0066】
図12は、リモコンによって設定される内容の一例を説明するための図である。
図12に示されるように、例えば、検知センサ100は、床400から高さH1の位置に取り付けられている。なお、検知センサ100が室外に設置されている場合には、床400は地面であってもよい。例えば、高さH1を示す情報がリモコンによって設定される。検知センサ100においては、高さH1を示す情報に基づいて、例えば、掃引時間及び休止時間の調整が行なわれる。
【0067】
図13は、検知センサ100における設定動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、検知センサ100の制御部160によって繰り返し実行される。
【0068】
図13を参照して、制御部160は、リモコン信号送受信部140を介して設定信号を受信したか否かを判定する(ステップS400)。設定信号を受信していないと判定されると(ステップS400においてNO)、制御部160は、設定信号を受信するまで待機する。
【0069】
一方、設定信号を受信したと判定されると(ステップS400においてYES)、制御部160は、受信された設定信号に基づいて各種設定を行なう(ステップS410)。制御部160は、例えば、設定信号(例えば、検知センサ100の設置高さに関する情報を含む。)に基づいて検知センサ100における掃引時間及び休止時間の設定を行なう。その後、制御部160は、例えば、掃引時間及び休止時間に関する設定状態を示す設定情報をリモコンへ送信するようにリモコン信号送受信部140を制御する(ステップS420)。受信された設定情報は、例えば、リモコンの画面に表示される。
【0070】
照明システム10によれば、検知センサ100における掃引時間及び休止時間を、例えば、検知センサ100の設置位置に応じて設定することができる。また、照明システム10によれば、検知センサ100における設定後に設定情報がリモコンへ送信されるため、ユーザは、検知センサ100における設定が所望の通りに行なわれたか否かをリモコンにおいて確認することができる。
【0071】
<1-3.特徴>
以上のように、本実施の形態1に従う検知センサ100において、制御部160は、第1レーダ110及び第2レーダ120が交互に作動するように第1レーダ110及び第2レーダ120の各々を制御し、第1レーダ110及び第2レーダ120の各々の検知結果に基づいて生成された検知結果信号を制御装置300へ直接的又は間接的に送信するように通信部130を制御する。検知センサ100によれば、第1レーダ110及び第2レーダ120が交互に作動するため、第1レーダ110及び第2レーダ120間の電波干渉を抑制することができる。
【0072】
[2.実施の形態2]
上記実施の形態1においては、室内15に検知センサ100が1台設置された。しかしながら、室内15に設置される検知センサ100の数は1台に限定されない。本実施の形態2においては、室内15Aに複数台(2台)の検知センサ100が設置されている。以下では、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明する。なお、検知センサ100X,100Yの各々の構成は、上記実施の形態1における検知センサ100と同様である。
【0073】
<2-1.照明システムの全体構成>
図14は、本実施の形態2に従う照明システム10Aを模式的に示す図である。なお、
図14においては、天井が透過した状態の室内15Aが上方から示されている。
【0074】
図14に示されるように、照明システム10Aは、検知センサ100X,100Yと、複数の照明装置200と、制御装置300Aとを含んでいる。室内15Aには、検知範囲A3,A4,A5,A6が含まれている。検知範囲A3,A4は互いに隣接し、検知範囲A4,A5は互いに隣接し、検知範囲A5,A6は互いに隣接する。また、検知範囲A3,A5は互いに隣接しておらず、検知範囲A4,A6は互いに隣接していない。
【0075】
検知範囲A3における人の有無は検知センサ100Xの第1レーダ110によって検知され、検知範囲A4における人の有無は検知センサ100Xの第2レーダ120によって検知される。検知範囲A5における人の有無は検知センサ100Yの第1レーダ110によって検知され、検知範囲A6における人の有無は検知センサ100Yの第2レーダ120によって検知される。
【0076】
検知センサ100X,100Yの各々によって生成された検知結果信号は、直接的又は間接的に制御装置300Aへ送信される。制御装置300Aは、受信された検知結果信号に基づいて複数の照明装置200の各々を制御する。なお、制御装置300Aは、例えば、上記実施の形態1の制御装置300における制御部350を制御部350A(不図示)に置き換えた構成を有する。
【0077】
仮に検知センサ100Xの第2レーダ120と検知センサ100Yの第1レーダ110とが同じタイミングで電波を発すると、検知範囲A4,A5が互いに隣接しているため、電波干渉が生じる可能性が高い。照明システム10Aにおいては、このような電波干渉を抑制するために、検知センサ100Xの第1レーダ110と検知センサ100Yの第1レーダ110とが同期して電波を発し、検知センサ100Xの第2レーダ120と検知センサ100Yの第2レーダ120とが同期して電波を発する。
【0078】
照明システム10Aによれば、互いに隣接しない検知範囲における検知を行なう複数のレーダが同期して作動するため、複数のレーダが同時に作動したとしても複数のレーダ間における電波干渉を抑制することができる。その結果、複数のレーダ間における電波干渉を抑制した状態で、より広い範囲における人の有無の検知が可能な照明システムを実現することができる。
【0079】
<2-2.制御装置の動作>
図15は、制御装置300Aにおける動作の概要を説明するための図である。
図15に示されるように、制御装置300Aは、例えば、外部(例えば、インターネット上のWebサイト)から時刻情報を取得し、複数の照明装置200及び検知センサ100X,100Yの各々へ直接的又は間接的に時刻情報を送信する。複数の照明装置200及び検知センサ100X,100Yにおいては、受信された時刻情報に基づいた時刻のカウントが行なわれる。これにより、照明システム10Aに含まれる各構成要素において、時間的な共通の基準が確立される。
【0080】
検知センサ100X,100Yの各々によって送信された検知結果信号は、時刻情報と共に、例えば、複数の照明装置200を経て制御装置300Aによって受信される。なお、時刻情報は、タイムスタンプとして検知結果信号に埋め込まれてもよい。制御装置300Aは、受信された検知結果信号及び時刻情報に基づいて照明制御信号を生成し、照明制御信号及び時刻情報を直接的又は間接的に複数の照明装置200の各々へ送信する。照明制御信号及び時刻情報によって、各検知センサ100における同一のレーダ(例えば、第1レーダ110又は第2レーダ120)が同期して作動する仕組みが実現される。
【0081】
図16は、制御装置300Aにおける動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、制御装置300Aの制御部350A(不図示)によって繰り返し実行される。
【0082】
図16を参照して、制御部350Aは、通信部320を介して検知結果信号及び時刻情報を受信したか否かを判定する(ステップS500)。検知結果信号及び時刻情報を受信していないと判定されると(ステップS500においてNO)、制御部350Aは、検知結果信号及び時刻情報を受信するまで待機する。
【0083】
一方、検知結果信号及び時刻情報を受信したと判定されると(ステップS500においてYES)、制御部350Aは、受信された検知結果信号及び時刻情報に基づいて照明制御信号を生成し、照明制御信号及び時刻情報を直接的又は間接的に各照明装置200へ送信するように通信部320を制御する(ステップS510)。
【0084】
<2-3.特徴>
以上のように、本実施の形態2に従う照明システム10Aにおいて、制御装置300Aは、検知センサ100Xの第1レーダ110と検知センサ100Yの第1レーダ110とが同期して作動し、検知センサ100Xの第2レーダ120と検知センサ100Yの第2レーダ120とが同期して作動するように各検知センサ100を制御する。照明システム10Aによれば、互いに隣接しない検知範囲における検知を行なう複数のレーダが同期して作動するため、複数のレーダが同時に作動したとしても複数のレーダ間における電波干渉を抑制することができる。その結果、複数のレーダ間における電波干渉を抑制した状態で、より広い範囲における人の有無の検知が可能な照明システムを実現することができる。
【0085】
[3.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0086】
<3-1>
上記実施の形態1,2において、検知センサ100,100X,100Yの各々は、2つのレーダを含んでいた。しかしながら、レーダの数はこれに限定されない。例えば、各検知センサ100は、3つ以上のレーダを含んでいてもよく、4つ以上のレーダを含んでいてもよい。例えば、検知センサ100が4つ以上のレーダを含むことによって、検知センサ100の周囲全体(360度)における人の有無の検知がより容易になる。
【0087】
<3-2>
また、上記実施の形態2において、照明システム10Aは、2つの検知センサ100(100X,100Y)を含んでいた。しかしながら、照明システム10Aに含まれる検知センサ100の数は2つに限定されない。照明システム10Aには、3つ以上の検知センサ100が含まれてもよい。検知センサ100の数を増やすことによって、より広範囲における人の有無を検知することができる。
【0088】
<3-3>
また、上記実施の形態1においては、設定装置の一例としてリモコンが挙げられた。しかしながら、設定装置は必ずしもリモコンである必要はない。設定装置は、例えば、スマートフォン、タブレット又はノートPC(Personal Computer)によって構成されてもよい。
【0089】
<3-4>
また、上記実施の形態1,2において、制御装置300,300Aによって行なわれた処理の一部が外部のサーバ(クラウドサーバを含む。)によって実行されてもよい。例えば、制御装置300によって受信された検知結果信号が外部のサーバに送信され、サーバにおいて照明制御信号が生成されてもよい。また、サーバにアクセスすることによって、例えば、ユーザのスマートフォンの画面に、各部屋における人の有無の情報が表示されてもよい。また、そのような情報がデジタルサイネージに表示されてもよい。
【0090】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0091】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0092】
10,10A 照明システム、15,15A 室内、100,100X,100Y 検知センサ、110 第1レーダ、112 第1レーダ基板、113 送信アンテナ、114 受信アンテナ、116,130,210,320 通信部、118 制御回路、120 第2レーダ、122 第2レーダ基板、140 リモコン信号送受信部、150,230,330 電源部、160,240,350 制御部、162 制御部基板、170 筐体、172 ケーブル、200 照明装置、220 光源部、300,300A 制御装置、310 表示部、340 記憶部、400 床、A1,A2,A3,A4,A5,A6 検知範囲、H1 高さ、W1,W2 波形。