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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075001
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】マイクロナノバブル発生システム
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/232 20220101AFI20230523BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20230523BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20230523BHJP
   C02F 1/50 20230101ALI20230523BHJP
   C02F 1/74 20230101ALI20230523BHJP
【FI】
B01F3/04 C
B01F5/06
B01F15/02 A
C02F1/50 540B
C02F1/50 510Z
C02F1/74 Z
C02F1/50 531B
C02F1/50 520P
C02F1/50 560Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005725
(22)【出願日】2022-01-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202111367308.6
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519281284
【氏名又は名称】上海捷喬納米科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】田松
(72)【発明者】
【氏名】▲パン▼洪波
(72)【発明者】
【氏名】張▲ティン▼▲ティン▼
【テーマコード(参考)】
4D050
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4D050AA12
4D050AB34
4D050AB35
4D050AB47
4D050BB01
4D050BB20
4D050BD02
4D050BD06
4D050CA15
4G035AB16
4G035AC26
4G035AE07
4G035AE13
4G035AE19
4G037AA02
4G037EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】加圧ポンプの使用寿命及びマイクロナノバブルの発生効率を向上させたマイクロナノバブル発生システムを提供する。
【解決手段】マイクロナノバブル発生システムは、第1加圧ポンプ1には、第1給水管2及び第1排水管3が接続され、第1排水管3の第1加圧ポンプ1から遠い端には、混合タンク4が接続され、混合タンク4には、第2排水管5が接続され、第1給水管2には、吸気部6が設けられ、第1給水管1における水の流量を制御するための調整弁15が設けられ、第1給水管2には、第2給水管7が接続され、第2給水管7の第1給水管2から遠い端には、第2加圧ポンプ8が接続され、第2加圧ポンプ8は、第3排水管9を介して第1排水管3と連通し、第2給水管7は、戻り管10を介して第2排水管5と連通し、戻り管10には、水流が第1給水管2から戻り管10を通って第2排水管5へ流れることを回避する第2逆止弁11が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1加圧ポンプ(1)を含み、
前記第1加圧ポンプ(1)には、第1給水管(2)及び第1排水管(3)が接続されており、
前記第1排水管(3)の第1加圧ポンプ(1)から遠い端には、混合タンク(4)が接続されており、
前記混合タンク(4)には、第2排水管(5)が接続されており、
前記第1給水管(2)には、吸気部(6)が設けられており、第1給水管(2)における水の流量を制御するための調整弁(15)が設けられており、
前記第1給水管(2)には、第2給水管(7)が接続されており、
前記第2給水管(7)の第1給水管(2)から遠い端には、第2加圧ポンプ(8)が接続されており、
前記第2加圧ポンプ(8)は、第3排水管(9)を介して第1排水管(3)と連通しており、
前記第2給水管(7)は、戻り管(10)を介して第2排水管(5)と連通しており、
前記戻り管(10)には、水流が第1給水管(2)から戻り管(10)を通って第2排水管(5)に流入することを阻止するための第2逆止弁(11)が設けられていることを特徴とする、
マイクロナノバブル発生システム。
【請求項2】
前記第1加圧ポンプ(1)及び第2加圧ポンプ(8)は、いずれもダイヤフラムポンプであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項3】
前記吸気部(6)は、第1逆止弁(61)であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項4】
前記第2給水管(7)には、第2給水管(7)における水が第1給水管(2)を通って市営水道管に逆流することを防止するための第3逆止弁(14)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項5】
前記第1給水管(2)には、低圧スイッチ(12)が接続されており、前記戻り管(10)には、高圧スイッチ(13)が接続されており、前記高圧スイッチ(13)は、第1加圧ポンプ(1)及び第2加圧ポンプ(8)とそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項6】
前記混合タンク(4)の内部空洞は、上から下へ順に給水領域、混合領域及び排水領域であり、前記第1排水管(3)の第1加圧ポンプ(1)から遠い端には、切断シート(16)が接続されており、前記切断シート(16)は、給水領域内に位置し、前記混合タンク(4)内には、導水通路(17)が設けられており、前記導水通路(17)は、排水端が第2排水管(5)と連通しており、給水端が排水領域内に位置することを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項7】
前記切断シート(16)は、複数のスルーホール(162)が設けられている切断板(161)を含むことを特徴とする請求項6に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項8】
前記第1給水管(2)には、フィルター(18)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項9】
前記導水通路(17)は、導水管(171)であり、前記導水管(171)は、混合タンク(4)の内壁に固定され、第2排水管(5)と連通していることを特徴とする請求項6に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【請求項10】
前記第2排水管(5)は、混合タンク(4)の頂壁に設けられていることを特徴とする請求項6又は9に記載のマイクロナノバブル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、マイクロナノバブル発生装置の分野に関し、特に、マイクロナノバブル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロナノバブルとは、気泡発生時の直径が数十ミクロンから数百ナノメートルの気泡を指し、このような気泡は、マイクロバブルとナノバブルの間にあり、通常の気泡にない物理的及び化学的特性を有する。マイクロナノバブルは、比表面積が大きく、上昇速度が遅く、自己加圧により溶解し、表面が帯電し、多数のラジカルを生成し、ガス溶解率が高いという特徴を有する。廃水処理、環境保護及び果物や野菜の洗浄などの分野で広く使用されている。
【0003】
マイクロナノバブルは、それ自体は殺菌機能を持っていない。しかし、バブルが破裂するときに、ヒドロキシルラジカルを生成し、殺菌プロセスを完成できる。マイクロナノエアレーションのプロセスにおいて、水体における酸素溶存効率が効果的に向上し、水質が適切に改善され、COD、BOD5の2つの汚染物の除去率が70%と高く、それによって、アンモニア窒素、全リンが多く除去され、色度の除去に優れる。マイクロナノバブルは、エアレーションプロセスに適用される場合に、複数の汚染物の除去を効果的に完成し、送風エアレーションよりも除去率が少なくとも10%増加する。除去される汚染物には、COD、アンモニア窒素などがある。汚染物の除去中に、送風エアレーションよりも少なくとも15%の消費電力を節約する。
【0004】
現在、公告番号がCN112755823Aの中国発明特許出願には、給液口、排液口及び吸気口を有し、液体が給液口を介して内部に送られる気液混合ポンプと、吸気口に接続されている空気ポンプとを含むマイクロナノバブル発生装置であって、空気ポンプにより所定圧力の気体を気液混合ポンプに送り、気体が気液混合ポンプに押し込まれ、気液混合ポンプ内の液体と混合して液体の中にマイクロナノバブルを形成し、マイクロナノバブルの混合された液体が排液口を介して排出されるマイクロナノバブル発生装置が開示されている。
【0005】
当該マイクロナノバブル発生装置は、使用中に、用水設備の数によって、水の消費量が異なり、ポンプ本体の使用中に起動・停止の現象が起きやすいため、ポンプ本体の使用寿命が低くなり、マイクロナノバブルの発生効率が低くなり、発生されるマイクロナノバブルの体積が小さくなり、水体における汚染物の処理効率及び環境保護に対する要求を達成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
様々な水の消費量への対応、ポンプ本体が使用中に起動・停止しやすい現象の低減、ポンプ本体の使用寿命及びマイクロナノバブルの発生効率の向上を目的として、本願は、マイクロナノバブル発生システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願で提供されるマイクロナノバブル発生システムは、以下の技術的解決手段を採用する。
第1加圧ポンプを含み、前記第1加圧ポンプには、第1給水管及び第1排水管が接続されており、前記第1排水管の第1加圧ポンプから遠い端には、混合タンクが接続されており、前記混合タンクには、第2排水管が接続されており、前記第1給水管には、吸気部が設けられており、第1給水管における水の流量を制御するための調整弁が設けられており、前記第1給水管には、第2給水管が接続されており、前記第2給水管の第1給水管から遠い端には、第2加圧ポンプが接続されており、前記第2加圧ポンプは、第3排水管を介して第1排水管と連通しており、前記第2給水管は、戻り管を介して第2排水管と連通しており、前記戻り管には、水流が第1給水管から戻り管を通って第2排水管に流入することを阻止するための第2逆止弁が設けられているマイクロナノバブル発生システムである。
【0008】
上記技術的解決手段によれば、用水設備を動作させると、管路内の水圧が低下し、第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプが起動し、第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプの作用で水流が第1給水管を通って第1加圧ポンプに入り、空気が吸気部を通って第1給水管に入り、水流とともに第1給水管を通って第1加圧ポンプに入り、第1加圧ポンプが気泡の混合された水流を第1排水管を介して混合タンクに導入する。水流が第1給水管及び第2給水管を通って第2加圧ポンプに流入し、第2加圧ポンプにおける水が第3排水管及び第1排水管を通って混合タンクに入り、水流と空気が混合タンクで十分に混合され、圧力の作用でマイクロナノバブルが発生し、第2排水管を通って混合タンクから流出する。
第2排水管は、用水設備又は処理を必要とする廃水と連通しており、全ての用水設備が動作している場合に、水流が第2排水管を通って用水設備へ流れ、一部だけの用水設備が動作している場合に、第2排水管内に圧力が大きすぎるため、第2排水管における水が戻り管及び第2給水管を通って第2加圧ポンプに流入し、これよって、第2排水管内の大きすぎる水圧により第1加圧ポンプが絶えずに起動・停止するという現象を回避し、第1加圧ポンプの使用寿命及びマイクロナノバブルの発生効率を向上させる。
当該装置全体の操作プロセスが簡単でありながら、調整弁で水の流量を制御し、さらに、吸気量を制御することによって、マイクロナノバブルの濃度に対する調節を容易にし、マイクロナノバブルの発生効率が高くなり、発生されるマイクロナノバブルの体積が小さくなるため、水体における有害な病菌及び汚染物を効果的に処理でき、様々な条件下でのマイクロナノバブルに対する要求を満たし、環境保護に役立つ。
【0009】
任意に、前記第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプは、いずれもダイヤフラムポンプである。
上記技術的解決手段によれば、ダイヤフラムポンプは、水流に対する油汚れによる汚染を回避するとともに、市販のインバータポンプよりもコストが低くて装置全体のコストを削減する。
【0010】
任意に、前記吸気部は、第1逆止弁である。
上記技術的解決手段によれば、空気が第1逆止弁を通って第1給水管に入り、第1逆止弁によって水流の第1給水管からの流出を防止する。
【0011】
任意に、前記第2給水管には、第2給水管における水が第1給水管を通って市営水道管に逆流することを防止するための第3逆止弁が設けられている。
上記技術的解決手段によれば、第2給水管における水の市営水道管への逆流を回避する。
【0012】
任意に、前記第1給水管には、低圧スイッチが接続されており、前記戻り管には、高圧スイッチが接続されており、前記高圧スイッチは、第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプとそれぞれ電気的に接続されている。
上記技術的解決手段によれば、低圧スイッチに特定の圧力値を設定し、高圧スイッチに高圧値及び低圧値を設定することにより、用水設備を動作させると、戻り管内の圧力が低圧値よりも低くなり、第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプが開く。用水設備を停止させると、戻り管内の圧力が高圧値よりも高く、第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプが閉じ、水流が戻り管を逆流し、第1給水管内の圧力が設定値よりも低い場合に、低圧スイッチが開き、水道水管における水が第1給水管に流入する。これによって、水流を制御する。
【0013】
任意に、前記混合タンクの内部空洞は、上から下へ順に給水領域、混合領域及び排水領域であり、前記第1排水管の第1加圧ポンプから遠い端には、切断シートが接続されており、前記切断シートは、給水領域内に位置し、前記混合タンク内には、導水通路が設けられており、前記導水通路は、排水端が第2排水管と連通しており、給水端が排水領域内に位置する。
上記技術的解決手段によれば、気泡の混合された水流を切断シートで切断することで体積の大きい気泡の発生を減らす。それとともに、気泡の混合された水流が給水領域内の気泡に衝撃して分散させ、体積の大きい気泡の給水領域での集中を低減し、気泡の混合された水流が上から下へ導水通路に入って混合領域で十分に混合され、マイクロナノバブルの発生を促進し、マイクロナノバブルの体積を小さくし、水流におけるマイクロナノバブルの濃度を高める。
【0014】
任意に、前記切断シートは、複数のスルーホールが設けられている切断板を含む。
上記技術的解決手段によれば、水流における気泡がスルーホールを通過することで、水流における気泡が切断板に切断される。
【0015】
任意に、前記第1給水管には、フィルターが設けられている。
上記技術的解決手段によれば、フィルターで水流における不純物をろ過することで、加圧ポンプに対する不純物の干渉を低減し、加圧ポンプの使用寿命を向上させる。
【0016】
任意に、前記導水通路は、導水管であり、前記導水管は、混合タンクの内壁に固定され、第2排水管と連通している。
上記技術的解決手段によれば、水流が導水管を通って第2排水管に流入する。
【0017】
任意に、前記第2排水管は、混合タンクの頂壁に固定接続されている。
上記技術的解決手段によれば、水流が第1排水管から混合タンクに流入し、混合タンクにおける水が導水管に流入し、導水管における水が上に向かって第2排水管に流入することにより、水流の流れ距離を増加させ、マイクロナノバブルの発生を促進する。
【0018】
従来技術と比べると、本発明の有益な効果は、以下の通りである。
本発明では、第1加圧ポンプ、第2加圧ポンプ及び戻り管を設けることにより、用水設備を動作させると、管路内の水圧が低下し、第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプが起動し、第1加圧ポンプ及び第2加圧ポンプの作用で水流が第1給水管を通って第1加圧ポンプに入り、空気が第1逆止弁を通って第1給水管に入り、水流とともに第1給水管を通って第1加圧ポンプに入り、第1加圧ポンプが気泡の混合された水流を第1排水管を介して混合タンクに導入する。水流が第1給水管及び第2給水管を通って第2加圧ポンプに流入し、第2加圧ポンプにおける水が第3排水管及び第1排水管を通って混合タンクに入り、水流と空気が混合タンクで十分に混合され、圧力の作用でマイクロナノバブルが発生し、第2排水管を通って混合タンクから流出する。第2排水管は、用水設備と連通しており、全ての用水設備が動作している場合に、水流が第2排水管を通って用水設備へ流れ、一部だけの用水設備が動作している場合に、第2排水管内に圧力が大きすぎるため、第2排水管における水が戻り管及び第2給水管を通って第2加圧ポンプに流入し、これによって、第2排水管内の大きすぎる水圧により第1加圧ポンプが絶えずに起動・停止するという現象を回避し、第1加圧ポンプの使用寿命を向上させる。全体の操作プロセスが簡単でありながら、第1逆止弁によりマイクロナノバブルの濃度に対する調節を容易にし、当該装置のマイクロナノバブルの発生効率が高くなり、発生されるマイクロナノバブルの体積が小さくなるため、水体における有害な病菌及び汚染物を効果的に処理でき、様々な条件下でのマイクロナノバブルに対する要求を満たし、環境保護に役立つ。
本発明では、低圧スイッチ及び高圧スイッチを設け、低圧スイッチ及び高圧スイッチに特定の圧力値を設定することにより、戻り管内の圧力が設定値を超える場合に、高圧スイッチが開き、水流が戻り管を逆流し、第1給水管内の圧力が設定値よりも低い場合に、低圧スイッチが開き、水道水管における水が第1給水管に流入する。これによって、水流を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のマイクロナノバブル発生システムの構造模式図である。
図2】本発明のマイクロナノバブル発生システムにおける混合タンクの断面図である。
図3】本発明のマイクロナノバブル発生システムにおける切断シートの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例における図面を参照し、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。説明する実施例は、本発明の実施例の全部ではなく、その一部に過ぎないことが明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要らずに得る他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0021】
図1図2及び図3を参照する。本発明で提供されるマイクロナノバブル発生システムの第1の実施例では、マイクロナノバブル発生システムは、第1加圧ポンプ1を含み、第1加圧ポンプ1には、第1給水管2及び第1排水管3が接続されており、第1排水管3の第1加圧ポンプ1から遠い端には、混合タンク4が接続されており、混合タンク4には、第2排水管5が接続されている。第1給水管2には、吸気部6が設けられており、吸気部6は、第1逆止弁61であり、第1給水管2には、第1給水管2における水の流量を制御するための調整弁15が設けられている。
第1給水管2には、第2給水管7が接続されており、第2給水管7の第1給水管2から遠い端には、第2加圧ポンプ8が接続されており、第2加圧ポンプ8は、第1排水管3を介して第2排水管5と連通している。第2加圧ポンプ8は、第3排水管9を介して第1排水管3と連通しており、第2給水管7は、戻り管10を介して第2排水管5と連通しており、戻り管10には、水流が第1給水管2から戻り管10を通って第2排水管5へ流れることを回避する第2逆止弁11が設けられている。
戻り管10にも、調整弁が設けられている。調整弁により戻り管10における水の流量を制御できる。
【0022】
用水設備を動作させると、管路内の水圧が低下し、第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8が起動し、第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8の作用で水流が第1給水管2を通って第1加圧ポンプ1に入り、空気が第1逆止弁61を通って第1給水管2に入り、水流とともに第1給水管2を通って第1加圧ポンプ1に入り、第1加圧ポンプ1が気泡の混合された水流を第1排水管3を介して混合タンク4に導入する。水流が第1給水管2及び第2給水管7を通って第2加圧ポンプ8に流入し、第2加圧ポンプ8における水が第3排水管9及び第1排水管3を通って混合タンク4に入り、水流と空気が混合タンク4で十分に混合され、圧力の作用でマイクロナノバブルが発生し、第2排水管5を通って混合タンク4から流出する。
第2排水管5は、用水設備又は処理を必要とする廃水と連通しており、全ての用水設備が動作している場合に、水流が第2排水管5を通って用水設備へ流れる。一部の用水設備だけが動作している場合に、第2排水管5内に圧力が大きすぎるため、第2排水管5における水が戻り管10及び第2給水管7を通って第2加圧ポンプ8に流入し、これよって、第2排水管5内の大きすぎる水圧により第1加圧ポンプ1が絶えずに起動・停止するという現象を回避し、第1加圧ポンプ1の使用寿命、及びマイクロナノバブルの発生効率を向上させる。
第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8は、いずれもダイヤフラムポンプである。ダイヤフラムポンプは、水流に対する油汚れによる汚染を回避するとともに、市販のインバータポンプよりもコストが低くて装置全体のコストを削減する。
第2給水管7には、第2給水管7における水の市営水道管への逆流を防止するための第3逆止弁14が設けられている。
当該装置全体の操作プロセスは簡単でありながら、調整弁15で水の流量を制御し、さらに、吸気量を制御することによって、マイクロナノバブルの濃度に対する調節を容易にし、マイクロナノバブルの発生効率が高くなり、発生されるマイクロナノバブルの体積が小さくなるため、水体における有害な病菌及び汚染物を効果的に処理でき、様々な条件下でのマイクロナノバブルに対する要求を満たし、環境保護に役立つ。
【0023】
第1給水管2には、低圧スイッチ12が接続されており、戻り管10には、高圧スイッチ13が接続されており、高圧スイッチ13は、第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8とそれぞれ電気的に接続されている。低圧スイッチ12に特定の圧力値を設定し、高圧スイッチ13に高圧値及び低圧値を設定することにより、用水設備を動作させると、戻り管10内の圧力が低圧値よりも低くなり、第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8が開く。用水設備を停止させると、戻り管10内の圧力が高圧値よりも高くなり、第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8が閉じ、水流が戻り管10を逆流し、第1給水管2内の圧力が設定値よりも低い場合に、低圧スイッチ12が開き、水道水管における水が第1給水管2に流入する。これによって、水流を制御する。
混合タンク4の内部空洞は、上から下へ順に給水領域、混合領域及び排水領域であり、第1排水管3の第1加圧ポンプ1から遠い端には、切断シート16が接続されている。切断シート16は、給水領域内に位置し、混合タンク4内には、導水通路17が設けられている。導水通路17は、排水端が第2排水管5と連通しており、給水端が排水領域内に位置する。
気泡の混合された水流を切断シート16で切断することで体積の大きい気泡の発生を減らす。それとともに、気泡の混合された水流が給水領域内の気泡に衝撃して分散させ、体積の大きい気泡の給水領域への集中を低減し、気泡の混合された水流が上から下へ導水通路17に入って混合領域で十分に混合され、マイクロナノバブルの発生を促進し、マイクロナノバブルの体積を小さくし、水流におけるマイクロナノバブルの濃度を高める。
切断シート16は、複数のスルーホール162が設けられている切断板161を含む。水流における気泡がスルーホール162を通過することで、水流における気泡が切断板161に切断される。
第1給水管2には、フィルター18が設けられている。フィルター18で水流における不純物をろ過することで、加圧ポンプに対する不純物の干渉を低減し、加圧ポンプの使用寿命を向上させる。
導水通路17は、導水管171であり、導水管171は、混合タンク4の内壁に固定され、その排水端が第2排水管5と連通している。
第2排水管5は、混合タンク4の頂壁に固定接続されている。水流が第1排水管3から混合タンク4に流入し、混合タンク4における水が導水管171に流入し、導水管171における水が上に向かって第2排水管5に流入することにより、水流の流れ距離を増加させ、マイクロナノバブルの発生を促進する。
【0024】
作動原理について、第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8を起動すると、第1加圧ポンプ1及び第2加圧ポンプ8の作用で水流が第1給水管2を通って第1加圧ポンプ1に入り、空気が第1逆止弁61を通って第1給水管2に入り、水流とともに第1給水管2を通って第1加圧ポンプ1に入り、第1加圧ポンプ1が気泡の混合された水流を第1排水管3を介して混合タンク4に導入する。水流が第1給水管2及び第2給水管7を通って第2加圧ポンプ8に流入し、第2加圧ポンプ8における水が第3排水管9及び第1排水管3を通って混合タンク4に入り、水流と空気が混合タンク4で十分に混合され、圧力の作用でマイクロナノバブルが発生し、第2排水管5を通って混合タンク4から流出する。
第2排水管5は、水栓、洗濯機及びシャワーヘッドなどの用水設備と連通しており、全ての用水設備が動作している場合に、水流が第2排水管5を通って用水設備へ流れ、一部だけの用水設備が動作している場合に、第2排水管5内に圧力が大きすぎるため、第2排水管5における水が戻り管10及び第2給水管7を通って第2加圧ポンプ8に流入し、これよって、第2排水管5内の大きすぎる水圧により第1加圧ポンプ1が絶えずに起動・停止するという現象を回避し、第1加圧ポンプ1の使用寿命を向上させる。
全体の操作プロセスが簡単でありながら、第1逆止弁61によりマイクロナノバブルの濃度に対する調節を容易にし、マイクロナノバブルの発生効率が高くなり、発生されるマイクロナノバブルの体積が小さくなるため、水体における有害な病菌及び汚染物を効果的に処理でき、様々な条件下でのマイクロナノバブルに対する要求を満たし、環境保護に役立つ。
【0025】
本発明は、上記の例示的な実施例の細部に限られず、本発明の精神又は基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で実現可能であることは、当業者にとって明らかである。したがって、実施例は、どのような観点からも、例示的かつ非限定的なものとみなされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるので、特許請求の範囲と同等の要件の意味及び範囲内に入っている全ての変更を本発明に包含するすることが意図される。特許請求の範囲における参照符号を、関連する請求項を制限するものと見なすべきではない。
【符号の説明】
【0026】
1 第1加圧ポンプ
2 第1給水管
3 第1排水管
4 混合タンク
5 第2排水管
6 吸気部
61 第1逆止弁
7 第2給水管
8 第2加圧ポンプ
9 第3排水管
10 戻り管
11 第2逆止弁
12 低圧スイッチ
13 高圧スイッチ
14 第3逆止弁
15 調整弁
16 切断シート
161 切断板
162 スルーホール
17 導水通路
171 導水管
18 フィルター
図1
図2
図3