(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075034
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】独立コーナーモジュール
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20230523BHJP
B60G 3/20 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
B62D5/04
B60G3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169177
(22)【出願日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159171
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 世 鉉
(72)【発明者】
【氏名】黄 祥 羽
(72)【発明者】
【氏名】金 ミン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】孫 栄 日
【テーマコード(参考)】
3D301
3D333
【Fターム(参考)】
3D301BA02
3D301CA21
3D301DA08
3D333CB03
3D333CB29
3D333CB42
3D333CC13
3D333CE48
(57)【要約】
【課題】固定フレームとアクスルギヤリンクの間の操舵駆動部の駆動力により操舵駆動部およびアクスルギヤリンクが独立して回転し、ホイールに広い操舵角が印加できる独立コーナーモジュールを提供する。
【解決手段】本発明による独立コーナーモジュールは、ホイールに締結されて位置するナックルと、前記ナックルの上下移動をガイドするように締結されるアクスルギヤリンクと、前記アクスルギヤリンクと隣接して車体に固定される固定フレームと、前記アクスルギヤリンクと前記固定フレームとの間に位置して駆動力を印加できる操舵駆動部と、を含み、前記操舵駆動部の駆動力に対応して前記操舵駆動部が前記固定フレームに沿って回転し、同時に、前記アクスルギヤリンクが前記操舵駆動部を基準に回転するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールに締結されるナックルと、
前記ナックルの上下移動をガイドするアクスルギヤリンクと、
前記アクスルギヤリンクと隣接して車体に固定される固定フレームと、
前記アクスルギヤリンクと前記固定フレームとの間に位置して駆動力を印加できる操舵駆動部と、を含み、
前記操舵駆動部の駆動力によって前記操舵駆動部が前記固定フレームに沿って移動し、同時に、前記アクスルギヤリンクが回転するように構成されることを特徴とする独立コーナーモジュール。
【請求項2】
前記操舵駆動部は、
前記アクスルギヤリンクおよび前記固定フレームの少なくとも一部を取り囲むように構成されて、前記固定フレームに沿って移動するキャリアリンクと、
回転力を印加するように構成されるモータと、
前記モータの回転軸から延びて、前記固定フレームおよび前記アクスルギヤリンクと噛み合うように構成される操舵ギヤ部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項3】
前記アクスルギヤリンクは、
前記操舵駆動部を案内するように構成されるリンクガイド部と、
前記操舵駆動部と噛み合って前記操舵駆動部が回転する時、前記リンクガイド部が回転するように構成されるギヤ部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項4】
前記固定フレームは、前記操舵駆動部と対向する一端に形成されるフレームギヤ部、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項5】
前記キャリアリンクは、
前記固定フレームが互いに隣接した前記キャリアリンクの内側面、または前記アクスルギヤリンクが互いに隣接した前記キャリアリンクの内側面に位置する少なくとも1つ以上の第1ローラ部、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項6】
前記キャリアリンクは、
前記固定フレームと前記キャリアリンクとの互いに隣接した高さ方向の一端、または前記アクスルギヤリンクと前記キャリアリンクとが隣接した高さ方向の一端に位置する少なくとも1つ以上の第2ローラ部、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項7】
前記操舵駆動部の駆動力に対応して、前記操舵駆動部は、前記固定フレームの両末端まで移動するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項8】
前記操舵駆動部が前記固定フレームの両末端に位置する場合、前記アクスルギヤリンクの両末端に前記操舵駆動部が位置するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項9】
前記アクスルギヤリンクは、前記ナックルの一端が上下移動するように構成される上下ガイド部、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項10】
一端が前記ナックルに締結され、他端はアクスルギヤリンクに締結されて、前記ナックルの上下流動を支持するように構成される緩衝部、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項11】
互いに隣接して対向する前記アクスルギヤリンクおよび前記固定フレームの各面は、同一中心の円弧形状を有するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項12】
ホイールに締結されるナックルと、
前記ナックルの移動を案内するアクスルギヤリンクと、
車体に固定される固定フレームと、
前記アクスルギヤリンクと前記固定フレームに駆動力を印加できる操舵駆動部と、を含み、
前記操舵駆動部の駆動力によって前記操舵駆動部と前記アクスルギヤリンクが移動することを特徴とする独立コーナーモジュール。
【請求項13】
前記操舵駆動部の駆動力が印加される場合、前記操舵駆動部が前記固定フレームに沿って移動し、前記アクスルギヤリンクが回転するように構成されることを特徴とする請求項12に記載の独立コーナーモジュール。
【請求項14】
ホイールの移動を案内するように締結されるアクスルギヤリンクと、
車体に固定される固定フレームと、
前記アクスルギヤリンクと前記固定フレームに駆動力を印加できる操舵駆動部と、を含み、
前記操舵駆動部の駆動力によって前記操舵駆動部と前記アクスルギヤリンクが移動することを特徴とする独立コーナーモジュール。
【請求項15】
前記操舵駆動部の駆動力が印加される場合、前記操舵駆動部が前記固定フレームに沿って移動し、前記アクスルギヤリンクが回転するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の独立コーナーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立コーナーモジュールに関し、より好ましくは、固定フレームとアクスルギヤリンクとの間に位置する操舵駆動部の駆動力に対応して操舵駆動部およびアクスルギヤリンクが独立して回転してホイールに広い操舵角を印加できるように構成される独立コーナーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両の懸架装置は、車軸と車体とを連結して車両の走行中に車軸が路面から受ける振動や衝撃が車体に直接伝達されないようにして車体や貨物の損傷を防止し、乗り心地を向上させる役割を果たす。このような懸架装置は、路面から受ける衝撃を緩和させる懸架スプリングと、該懸架スプリングの自由振動を抑制して乗り心地を向上させるショックアブソーバと、車両のローリングを抑制するスタビライザなどとを備える。
商用車両の懸架装置は、左右の車輪が1つの車軸に連結された一体車軸式懸架装置を主に多く用い、懸架スプリングとしては、リーフスプリングやエアスプリングが主に用いられている。
【0003】
一方、一体車軸式懸架装置を用いる商用車両の操舵装置は、操舵ギヤの出力軸に装着されて回転するピットマンアームと、該ピットマンアームの運動をナックルアームに伝達するドラッグリンクと、該ドラッグリンクの運動を受けてナックルスピンドルを操作するナックルアームと、左右のナックルアームを連結するタイロッドなどとから構成される。
図1は、ショックアブソーバの一端が車体フレームに固定される懸架システムを示している。前記のようなエアスプリングを用いる一体車軸式懸架装置と操舵装置とを備えた車両において、前記エアスプリングは、単にリーフスプリングを代替する役割をし、乗り心地とハンドリング特性を改善するには大きく寄与することができず、精密なジオメトリーを実現するには構造的な特性上設計自由度を確保することが困難である。
さらに、最近は、それぞれの懸架装置にモータアセンブリを介してホイールの操舵角入力を行う独立操舵式懸架装置が開発されている。ただし、前記のような独立操舵式懸架装置の場合、操舵モータから印加される回転力をナックルとホイールに安定的に伝達するための問題点が存在していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2007-0103191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、本発明は、操舵駆動部およびアクスルギヤ部の独立した回転を提供する独立コーナーモジュールを提供することを目的とする。また、本発明は、操舵駆動部の単一駆動力に対応して操舵駆動部が回転し、回転する操舵駆動部を基準として前記操舵駆動部と同時に回転可能なアクスルギヤリンクを提供する。
本発明の目的は上記の目的に制限されず、言及されていない本発明の他の目的は下記の説明によって理解され、本発明の実施例によってより明確に分かる。また、本発明の目的は特許請求の範囲に示した手段およびその組み合わせによって実現可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した本発明の目的を達成するための独立コーナーモジュールは、次のような構成を含む。
本発明による独立コーナーモジュールは、ホイールに締結されるナックルと、前記ナックルの上下移動をガイドするように締結されるアクスルギヤリンクと、前記アクスルギヤリンクと隣接して車体に固定される固定フレームと、前記アクスルギヤリンクと前記固定フレームとの間に位置して駆動力を印加できる操舵駆動部と、を含み、前記操舵駆動部の駆動力に対応して前記操舵駆動部が前記固定フレームに沿って移動し、同時に、前記アクスルギヤリンクが回転するように構成されることを特徴とする。
【0007】
また、前記操舵駆動部は、前記アクスルギヤリンクおよび前記固定フレームの少なくとも一部を取り囲むように構成されて、前記固定フレームに沿って移動するキャリアリンクと、回転力を印加するように構成されるモータと、前記モータの回転軸から延びて、前記固定フレームおよび前記アクスルギヤリンクと噛み合うように構成される操舵ギヤ部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記アクスルギヤリンクは、前記操舵駆動部を案内するように構成されるリンクガイド部と、前記操舵駆動部と噛み合って前記操舵駆動部が回転する時、前記リンクガイド部が回転するように構成されるギヤ部と、をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記固定フレームは、前記操舵駆動部と対向する一端に形成されるフレームギヤ部、をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記キャリアリンクは、前記固定フレームが互いに隣接した前記キャリアリンクの内側面、または前記アクスルギヤリンクが互いに隣接した前記キャリアリンクの内側面に位置する少なくとも1つ以上の第1ローラ部、をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記キャリアリンクは、前記固定フレームと前記キャリアリンクとの互いに隣接した高さ方向の一端、または前記アクスルギヤリンクと前記キャリアリンクとが隣接した高さ方向の一端に位置する少なくとも1つ以上の第2ローラ部、をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記操舵駆動部の駆動力に対応して、前記操舵駆動部は、前記固定フレームの両末端まで移動するように構成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記操舵駆動部が前記固定フレームの両末端に位置する場合、前記アクスルギヤリンクの両末端に前記操舵駆動部が位置するように構成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記アクスルギヤリンクは、前記ナックルの一端が上下移動するように構成される上下ガイド部、をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、一端が前記ナックルに締結され、他端はアクスルギヤリンクに締結されて、前記ナックルの上下流動を支持するように構成される緩衝部、をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、互いに隣接して対向する前記アクスルギヤリンクおよび前記固定フレームの各面は、同一中心の円弧形状を有するように構成されることを特徴とする。
【0017】
本発明による独立コーナーモジュールは、ホイールに締結されるナックルと、前記ナックルの移動を案内するアクスルギヤリンクと、車体に固定される固定フレームと、前記アクスルギヤリンクと前記固定フレームに駆動力を印加できる操舵駆動部と、を含み、前記操舵駆動部の駆動力によって前記操舵駆動部と前記アクスルギヤリンクが移動することを特徴とする。
【0018】
また、前記操舵駆動部の駆動力が印加される場合、前記操舵駆動部は前記固定フレームに沿って移動し、前記アクスルギヤリンクが回転するように構成されることを特徴とする。
【0019】
本発明によるさらに他の独立コーナーモジュールは、ホイールの移動を案内するように締結されるアクスルギヤリンクと、車体に固定される固定フレームと、前記アクスルギヤリンクと前記固定フレームに駆動力を印加できる操舵駆動部と、を含み、前記操舵駆動部の駆動力によって前記操舵駆動部と前記アクスルギヤリンクが移動することを特徴とする。
【0020】
また、前記操舵駆動部の駆動力が印加される場合、前記操舵駆動部は前記固定フレームに沿って移動し、前記アクスルギヤリンクが回転するように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上述した実施例と下記に説明する構成と結合、使用関係によって次のような効果を得ることができる。
本発明は、操舵駆動部とアクスルギヤリンクが独立して回転してホイールに印加されるより広い操舵角を提供する効果を有する。
また、本発明は、アクスルギヤリンクとナックルとの間に上下ガイド部を含み、ホイールに印加される上下方向の挙動を吸収できる構造的安定性を提供する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来技術として、レボナックルの結合関係を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例で、独立コーナーモジュールの斜視図を示す。
【
図3】本発明の一実施例で、独立コーナーモジュールの操舵駆動部の締結関係を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例で、独立コーナーモジュールの操舵駆動部の拡大図を示す。
【
図5A】本発明の一実施例で、独立コーナーモジュールの操舵角0度の状態の上面図を示す。
【
図5B】本発明の一実施例として、独立コーナーモジュールの操舵角左側に90度の状態の上面図を示す。
【
図5C】本発明の一実施例で、独立コーナーモジュールの操舵角右側に90度の状態の上面図を示す。
【
図6】本発明の一実施例で、独立コーナーモジュールの操舵角を決定する結合関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照してより詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下の実施例に限定されると解釈されてはならない。本実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0024】
また、明細書に記載された「...ナックル」、「...リンク」、「...部」、「...フレーム」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはハードウェアの結合で実現できる。
【0025】
以下、実施例を添付した図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり、同一であるかまたは対応する構成要素は同一の図面番号を付し、重複した説明は省略する。
【0026】
本発明は、独立コーナーモジュール10に関し、多輪車両の場合、車体と締結されるそれぞれの独立コーナーモジュール10を含むことができ、独立コーナーモジュールは、左右方向に操舵角が90度を有するように構成される。
独立コーナーモジュール10は、車体と固定できることから、車体に溶接またはボルティング結合などにより締結可能であり、車体から操舵駆動部100に電力が印加できるように車体に位置するバッテリと通電可能である。このように、独立コーナーモジュール10は、通常の方法により車体と固定されると同時に、車両と通電するように構成される。
【0027】
以下、本発明の一実施例による独立コーナーモジュール10は、車両の左側に位置するホイール500を含む構成を対象に説明する。
【0028】
図2には、独立コーナーモジュール10を示しており、
図3には、操舵駆動部100を中心として固定フレーム300およびアクスルギヤリンク200との締結関係を示している。図示のように、車両の外側と対向するように位置するホイール500と、ホイール500と締結されるナックル400とを含む。ナックル400の内側に位置してナックル400の一端と締結されるアクスルギヤリンク200を含む。車体と締結される固定フレーム300と、固定フレーム300とアクスルギヤリンク200との間に位置して駆動力を印加するように構成される操舵駆動部100を提供する。したがって、操舵駆動部100の駆動力が印加される場合、アクスルギヤリンク200は、ホイールの回転角を入力するように前記アクスルギヤリンク200と一体に移動できる。
【0029】
ナックル400の最外角にはホイール500が位置するように構成され、ナックル400の内側一端はアクスルギヤリンク200の上下ガイド部230に挿入されて位置する。さらに、一端がナックル400に締結され、他端がアクスルギヤリンク200に固定されるように構成されて、ホイールから印加される上下方向の流動を吸収できるように構成される緩衝部240を含む。
【0030】
本発明の一実施例において、緩衝部240は、ショックアブソーバまたはコイルスプリングから構成される。このように、ナックル400は、ホイールから印加される上下流動をガイドするために、アクスルギヤリンク200に位置する上下ガイド部230に沿って移動し、ナックル400とアクスルギヤリンク200との間に位置する緩衝部240の構成によりホイール500からコーナーモジュールに印加される衝撃を吸収するように構成される。
【0031】
操舵駆動部100に位置するモータ120を介して回転力を印加することができ、発生した駆動力によって操舵駆動部100が固定フレーム300を基準に回転できるように構成される。また、操舵駆動部100の駆動力が印加される場合、操舵駆動部100を基準としてアクスルギヤリンク200が回転するように構成される。
操舵駆動部100は、アクスルギヤリンク200の少なくとも一部を取り囲むように構成され、固定フレーム300の少なくとも一部を取り囲むように構成され、駆動力が印加される場合、固定フレーム300に沿って移動できるように構成されるキャリアリンク110を含む。また、操舵駆動部100は、キャリアリンク110の高さ方向に貫通するモータを含み、モータ120の回転軸が下方向に延びて、アクスルギヤリンク200と固定フレーム300にそれぞれ締結される。より好ましくは、モータ120の回転軸に位置する操舵ギヤ部130を介してアクスルギヤリンク200および固定フレーム300と締結されるように構成される。
【0032】
モータ120の回転量に対応して操舵ギヤ部130が回転し、キャリアリンク110が固定フレーム300を基準として前記モータ120の回転量に比例して前記固定フレーム300に沿って移動するように構成される。同時に、操舵ギヤ部130と締結されるアクスルギヤリンク200は、操舵ギヤ部130を基準に回転するように構成される。さらに、アクスルギヤリンク200は、断面上ホイール500の中心を基準に回転するように構成される。
【0033】
すなわち、モータ120の回転力が印加される場合、操舵駆動部100およびアクスルギヤリンク200が同時に回転するように構成され、操舵駆動部100とアクスルギヤリンク200の回転中心軸が一致するように構成される。さらに、操舵駆動部100が固定フレーム300に沿って移動する距離は、アクスルギヤリンク200が操舵駆動部100に沿って移動する距離と等しいように構成される。
【0034】
アクスルギヤリンク200は、操舵駆動部100を案内するようにキャリアリンク110に少なくとも一部が取り囲まれるように構成されるリンクガイド部210を含み、操舵ギヤ部130と締結されるようにリンクガイド部210の一面に位置するギヤ部220をさらに含む。リンクガイド部210は、断面上ホイール500の中央を基準として弧形状を有するように構成される。互いに隣接して対向するアクスルギヤリンク200および前記固定フレーム300の各面は、同一中心の円弧形状を有するように構成されて、操舵駆動部100、アクスルギヤリンク200および固定フレーム300が互いに対向する弧形状の一面に沿って相互移動するように構成される。
【0035】
固定フレーム300は、アクスルギヤリンク200のリンクガイド部210と同じ間隔を有するように構成され、より好ましくは、操舵駆動部100に対向する固定フレーム300の一端は、アクスルギヤリンク200のリンクガイド部210と同じ形状の弧から構成される。さらに、アクスルギヤリンク200と固定フレーム300との間の間隔は、操舵ギヤ部130がそれぞれのアクスルギヤリンク200と固定フレーム300に締結されるように位置する。したがって、ギヤ部220およびフレームギヤ部310が操舵ギヤ部130とそれぞれ締結されて、操舵ギヤ部130の駆動に対応してアクスルギヤリンク200と操舵駆動部100とが一体に駆動されるように構成される。
【0036】
キャリアリンク110は、リンクガイド部210の弧形状と前記リンクガイド部210の弧形状に対応する固定フレーム300の一端との間に位置して、前記アクスルギヤリンク200の一端と前記アクスルギヤリンク200と隣接した固定フレーム300の一端の少なくとも一部を取り囲むように構成される。さらに、操舵ギヤ部130がモータ120によって回転する場合、キャリアリンク110は、操舵ギヤ部130の移動に対応して一体に移動するように構成される。
【0037】
操舵ギヤ部130と締結される固定フレーム300のフレームギヤ部310およびアクスルギヤリンク200のギヤ部220は、同じ間隔を有する歯形に構成されることから、操舵ギヤ部130の回転に対応して操舵駆動部100の回転量とアクスルギヤリンク200の回転量とが等しいように構成される。
したがって、操舵駆動部100が固定フレーム300のフレームギヤ部310の一末端に位置する場合、操舵駆動部100の操舵ギヤ部130は、アクスルギヤリンク200のギヤ部220の一末端に位置するように構成される。このような位置に操舵駆動部100が移動する場合、それぞれ最大操舵角である左右90度を有するようにホイール500が切り替えられる。
【0038】
これとは逆に、操舵ギヤ部130と締結される固定フレーム300のフレームギヤ部310およびアクスルギヤリンク200のギヤ部220は、互いに異なる間隔を有する歯形を含む。ただし、最大操舵角を有するようにホイール500が位置する場合、操舵駆動部100は、固定フレーム300のフレームギヤ部310の一末端に位置し、操舵駆動部100の操舵ギヤ部130は、アクスルギヤリンク200のギヤ部220の一末端に位置するように位置する。
【0039】
図4は、本発明の一実施例として、操舵駆動部100のキャリアリンク110の内側の構成を示している。
図示のように、キャリアリンク110は、弧形状を有するリンクガイド部210の少なくとも一部を取り囲むように構成され、前記リンクガイド部210と対応する形状を有するように離隔して位置する固定フレーム300の一端の少なくとも一部を取り囲むように構成される。
【0040】
また、キャリアリンク110は、アクスルギヤリンク200が貫通するように一側面に構成される開口部と、固定フレーム300が貫通するように他側面に構成される開口部とを含むように構成される。したがって、リンクガイド部210および固定フレーム300の対向する一端は、キャリアリンク110によって同じ間隔を維持するように構成される。
【0041】
さらに、キャリアリンク110の上端に位置するモータ120の駆動力によってキャリアリンク110の内側に位置する操舵ギヤ部130が回転し、固定フレーム300の一端に沿って操舵駆動部100が移動するように構成される。また、アクスルギヤリンク200は、操舵ギヤ部130の回転力が印加されて、キャリアリンク110に沿ってアクスルギヤリンク200の一端が回転するように構成される。
キャリアリンク110の内側面に位置し、固定フレーム300、キャリアリンク110およびアクスルギヤリンク200が互いに対向する側面に位置する第1ローラ部111を含む。
【0042】
さらに、第1ローラ部111は、キャリアリンク110に位置して、キャリアリンク110とアクスルギヤリンク200とが対向する両側面の少なくとも1つの面に構成され、固定フレーム300とキャリアリンク110とが対向する両側面の少なくとも1つの面に形成される。
すなわち、第1ローラ部111は、キャリアリンク110がアクスルギヤリンク200を取り囲むように構成される内側面、またはアクスルギヤリンク200が貫通する開口部の内側面に位置する。また、第1ローラ部111は、キャリアリンク110が固定フレーム300を取り囲むように構成される内側面、または固定フレーム300が貫通する開口部の内側面に位置する。
【0043】
また、キャリアリンク110の高さ方向の上端および下端の少なくとも1つの位置に形成される第2ローラ部112を含む。第2ローラ部112は、キャリアリンク110と対向するアクスルギヤリンク200の高さ方向の両端に少なくとも1つ以上位置し、固定フレーム300の高さ方向の両端と対向するようにキャリアリンク110の上下面の少なくとも1つに位置する。
このように、第1ローラ部111および第2ローラ部112を介してキャリアリンク110が駆動力によって移動する場合にも、アクスルギヤリンク200および固定フレーム300と低摩擦状態で駆動できる。
【0044】
図5Aには、本発明の一実施例として、独立コーナーモジュール10の操舵角が0度の状態の結合関係を示している。
独立コーナーモジュール10は、使用者の操舵入力または走行環境に応じてホイール500の操舵角を設定するように構成される。さらに、このように設定された操舵角度に応じて操舵駆動部100のモータ120を駆動するように電力を印加する。
【0045】
図示のように、操舵角が0度の状態で車体に固定される独立コーナーモジュール10は、操舵駆動部100が固定フレーム300のフレームギヤ部310の中央に位置し、操舵ギヤ部130がアクスルギヤリンク200のギヤ部220の中央に位置する。
【0046】
これとは異なり、
図5Bには、操舵角が左側90度の状態の独立コーナーモジュール10を示している。
操舵角が左側90度の状態で、操舵ギヤ部130は、固定フレーム300のフレームギヤ部310の断面上の上端に位置するように構成され、操舵ギヤ部130と締結されるアクスルギヤリンク200のギヤ部220の下端の一端が前記操舵ギヤ部130と対向する位置に切り替えられる。
これにより、ホイール500は、車両の長手方向を基準として左向きの最大操舵角を有するように構成される。また、本発明の一実施例では、左側に90度の角度を有するように独立コーナーモジュール10が制御できる。
【0047】
逆に、
図5Cに示すように、ホイール500の操舵角が右側90度の状態の独立コーナーモジュール10を示している。
図示のように、操舵角が右側90度の状態で、操舵ギヤ部130は、固定フレーム300のフレームギヤ部310の断面上の下端に位置するように構成され、操舵ギヤ部130と締結されるアクスルギヤリンク200のギヤ部220の上端の一端が前記操舵ギヤ部130と対向する位置に切り替えられる。
したがって、本発明の独立コーナーモジュール10は、右向きの最大操舵角を有するように構成され、図示のように、本発明の一実施例において、右側に90度の角度を有する独立コーナーモジュール10を提供する。
【0048】
図6には、本発明の一実施例として、車両の操舵角が印加されるように構成されるそれぞれの構成の回転量を示している。
本発明の独立コーナーモジュール10の場合、操舵駆動部100のキャリアリンク110が取り囲むように構成されるアクスルギヤリンク200の一端は、弧形状を有するように構成され、アクスルギヤリンク200の弧形状の中心軸は、断面上ホイール500の中心を有するように構成される。
【0049】
また、アクスルギヤリンク200と対応する形状を有するように構成される固定フレーム300の一端も、弧形状を有するように構成され、中心軸は、断面上ホイール500の中心に形成されるように構成される。
したがって、ホイール500に印加される操舵角θsは、下記数式によって決定される。
【0050】
〔数1〕
θp/θo=(Rs+Ro)Rp
θs×Rs=θp×Rp=θo×(Rs+Ro)
(θp=操舵駆動部100の回転角、θo=ホイール500の中心から操舵駆動部100の回転角、Rs=ホイール500の中心から操舵駆動部100と接するアクスルギヤリンク200の一端までの距離、Ro=ホイール500の中心から操舵駆動部100と接する固定フレーム300の一端までの距離、Rp=操舵駆動部100の回転半径)
【0051】
前記数式1によれば、操舵角は、ホイール500の中心から操舵駆動部100と接するアクスルギヤリンク200の一端までの距離と、ホイール500の中心から操舵駆動部100と接する固定フレーム300の一端までの距離との和を、ホイール500の中心から操舵駆動部100の回転角と乗じて、これをホイール500の中心から操舵駆動部100と接するアクスルギヤリンク200の一端までの距離で割って算出する。
【0052】
すなわち、アクスルギヤリンク200の弧形状を有する一端と、前記アクスルギヤリンク200と対応する位置に構成される固定フレーム300の弧形状を有する一端は、互いに同一の中心軸としてホイール500の中心を基準に回転するように構成される。したがって、操舵角は、アクスルギヤリンク200の弧形状を有する一端と前記アクスルギヤリンク200と対応する位置に構成される固定フレーム300の弧形状の半径と操舵駆動部100の回転半径との関係から決定されるように構成される。
【0053】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、上述した内容は本発明の好ましい実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組み合わせ、変更および環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、記述した開示内容と均等な範囲および/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正可能である。記述した実施例は本発明の技術的思想を実現するための最良の態様を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野および用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施態様に本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付した特許請求の範囲は他の実施態様も含むと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0054】
10 独立コーナーモジュール
100 操舵駆動部
110 キャリアリンク
111 第1ローラ部
112 第2ローラ部
120 モータ
130 操舵ギヤ部
200 アクスルギヤリンク
210 リンクガイド部
220 ギヤ部
230 上下ガイド部
240 緩衝部
300 固定フレーム
310 フレームギヤ部
400 ナックル
500 ホイール