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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075066
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】間仕切り構造とそのための部材のセット
(51)【国際特許分類】
E06B 7/28 20060101AFI20230523BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20230523BHJP
【ＦＩ】
E06B7/28 B
E05D15/06 119
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022183869
(22)【出願日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2021188149
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500410846
【氏名又は名称】岡田装飾金物株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142594
【弁理士】
【氏名又は名称】阪中 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100090686
【弁理士】
【氏名又は名称】鍬田 充生
(72)【発明者】
【氏名】姫島 惇
【テーマコード（参考）】
2E034
【Ｆターム（参考）】
2E034AA01
2E034BE00
2E034CA02
2E034CA04
2E034EA00
(57)【要約】
【課題】間仕切空間を開閉可能な間仕切部材に対して給電可能とし、間仕切部材の機能性を向上させるのに有用な間仕切り構造とそのための部材のセットを提供する。
【解決手段】レール１に沿って走行可能なランナー１１に間仕切部材（パネル）２１の上部枠部２２ａを取り付け、この上部枠部の両端部に、配線３２に接続された第１のコネクタ３３及び第２のコネクタ４３を取り付け、間仕切部材（パネル）２１に通電することにより、間仕切部材の電気化学的機能を高める。
【選択図】図１
【解決手段】レール１に沿って走行可能なランナー１１に間仕切部材（パネル）２１の上部枠部２２ａを取り付け、この上部枠部の両端部に、配線３２に接続された第１のコネクタ３３及び第２のコネクタ４３を取り付け、間仕切部材（パネル）２１に通電することにより、間仕切部材の電気化学的機能を高める。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るための少なくとも１つの間仕切部材と；この間仕切部材を、所定の方向に移動可能な移動機構と；前記間仕切部材と、この移動機構により可動な間仕切部材に対して対向する対向部とを電気的に接続するためのコネクタとを備えた間仕切構造であって、
前記対向部が、前記可動な間仕切部材に隣接して対向する移動規制部、又は互いに相対的に移動可能な前記間仕切部材の対向部であり、
前記コネクタが、互いに接触式又は非接触式に通電可能な第１のコネクタと第２のコネクタとを備え、
少なくとも前記可動な間仕切部材と前記対向部とに、前記第１のコネクタと第２のコネクタとが取り付けられている、間仕切構造。
前記対向部が、前記可動な間仕切部材に隣接して対向する移動規制部、又は互いに相対的に移動可能な前記間仕切部材の対向部であり、
前記コネクタが、互いに接触式又は非接触式に通電可能な第１のコネクタと第２のコネクタとを備え、
少なくとも前記可動な間仕切部材と前記対向部とに、前記第１のコネクタと第２のコネクタとが取り付けられている、間仕切構造。
【請求項2】
前記間仕切部材の移動方向に沿って前記間仕切部材に形成又は取り付けられた枠部と、
この枠部と前記対向部とに装着又は取り付け可能な第１のコネクタ及び第２のコネクタを備えている、請求項１記載の間仕切構造。
この枠部と前記対向部とに装着又は取り付け可能な第１のコネクタ及び第２のコネクタを備えている、請求項１記載の間仕切構造。
【請求項3】
互いに隣接する複数の可動な間仕切部材を備えており、これらの間仕切部材に、前記間仕切部材の移動方向に沿って形成又は取り付けられた枠部と、この枠部に互いに対向して装着可能な装着部材と、この対向する装着部材に取り付けられた第１のコネクタ及び第２のコネクタとを備えている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項4】
前記間仕切部材が方形状又は矩形状であり、
隣接する前記間仕切部材の端縁又は端部のうち、前記間仕切部材の移動方向に対して直交する方向で交わる少なくとも一方の端縁又は端部に、前記移動方向に沿って形成又は取り付けられ、かつ配線が配設可能な枠部と、
この枠部の対向部に装着又は取り付け可能であり、かつ前記配線と接続された第１のコネクタ及び第２のコネクタとを備えている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
隣接する前記間仕切部材の端縁又は端部のうち、前記間仕切部材の移動方向に対して直交する方向で交わる少なくとも一方の端縁又は端部に、前記移動方向に沿って形成又は取り付けられ、かつ配線が配設可能な枠部と、
この枠部の対向部に装着又は取り付け可能であり、かつ前記配線と接続された第１のコネクタ及び第２のコネクタとを備えている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項5】
隣接する前記複数の間仕切部材が、移動機構により、空間を左右方向、上下方向、又は水平若しくは前後方向に開閉可能であり、下記（ａ）及び／又は（ｂ）の態様でコネクタが取り付けられている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
（ａ）互いに隣接して可動な可動間仕切部材の対向部に第１のコネクタと第２のコネクタとが取り付けられている
（ｂ）前記複数の間仕切部材が、前記移動規制部に対して可動な少なくとも１つの可動間仕切部材を含んでおり、前記移動規制部に直接的又は枠体を介して間接的に第１のコネクタが取り付けられ、前記移動規制部に隣接する可動間仕切部材に第２のコネクタが取り付けられている
（ａ）互いに隣接して可動な可動間仕切部材の対向部に第１のコネクタと第２のコネクタとが取り付けられている
（ｂ）前記複数の間仕切部材が、前記移動規制部に対して可動な少なくとも１つの可動間仕切部材を含んでおり、前記移動規制部に直接的又は枠体を介して間接的に第１のコネクタが取り付けられ、前記移動規制部に隣接する可動間仕切部材に第２のコネクタが取り付けられている
【請求項6】
前記コネクタが、互いに電気的に接続可能なプラグとプラグ受けとを備えており、前記プラグとプラグ受けとが互いに磁気的に吸着可能である、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項7】
前記間仕切部材が、光電変換フィルム、調光又は光シャッターフィルム、発光フィルム及び発熱フィルムから選択された少なくとも１種の機能性フィルム又はシートを備えており、前記機能性フィルム又はシートの電極に対して前記コネクタが接続可能である、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項8】
下記（Ａ）～（Ｃ）のいずれかの形態を備えている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
（Ａ）ランナーを介して、横方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が左右方向に移動可能であり、前記間仕切部材の下端部と、この下端部に対応し、かつ前記ランナーの走行に伴って、前記間仕切部材で開閉空間を形成するための仕切路とに、非接触状態で、互いに磁気的に吸引可能な形態で配設可能な一対の磁性部材、若しくは互いに反対の磁極を向けて配設可能な一対のマグネット部材を備えている
（Ｂ）ランナーを介して、縦方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が上下方向に移動可能である
（Ｃ）ランナーを介して、水平又は前後方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が水平又は前後方向に移動可能である
（Ａ）ランナーを介して、横方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が左右方向に移動可能であり、前記間仕切部材の下端部と、この下端部に対応し、かつ前記ランナーの走行に伴って、前記間仕切部材で開閉空間を形成するための仕切路とに、非接触状態で、互いに磁気的に吸引可能な形態で配設可能な一対の磁性部材、若しくは互いに反対の磁極を向けて配設可能な一対のマグネット部材を備えている
（Ｂ）ランナーを介して、縦方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が上下方向に移動可能である
（Ｃ）ランナーを介して、水平又は前後方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が水平又は前後方向に移動可能である
【請求項9】
（Ａ）ランナーを介して、横方向に配設され、かつ少なくとも一対の走行路を有する前記レールに沿って複数の前記間仕切部材が左右方向に移動可能であり、
前記ランナーが、下記（Ｉ）又は（ＩＩ）のランナー；
（Ｉ）前記レールの前記一対の走行路に沿って走行可能な少なくとも一対の車輪と、この一対の車輪の車軸部を回転可能に支持する支持部と、この支持部に形成された装着貫通孔と、この装着貫通孔に抜け止め状態で回転可能に装着可能な回転軸部材とを備えたランナー
（ＩＩ）下部開口の断面中空状の形態を有し、両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに内方に延出し、延出方向に向かって下方に傾斜した少なくとも一対の走行路とを備えたレールを走行可能なランナーであって、前記スリット状開口部に沿ってスライド自在な回転軸部材と、この回転軸部材の軸方向に所定間隔をおいて、前記回転軸部材の周方向に独立して回転自在に装着され、前記走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪とを備えたランナー
であり、
各間仕切部材に、１又は複数の前記ランナーの前記回転軸部材が回動可能に取り付け可能である、請求項１又は２記載の間仕切構造。
前記ランナーが、下記（Ｉ）又は（ＩＩ）のランナー；
（Ｉ）前記レールの前記一対の走行路に沿って走行可能な少なくとも一対の車輪と、この一対の車輪の車軸部を回転可能に支持する支持部と、この支持部に形成された装着貫通孔と、この装着貫通孔に抜け止め状態で回転可能に装着可能な回転軸部材とを備えたランナー
（ＩＩ）下部開口の断面中空状の形態を有し、両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに内方に延出し、延出方向に向かって下方に傾斜した少なくとも一対の走行路とを備えたレールを走行可能なランナーであって、前記スリット状開口部に沿ってスライド自在な回転軸部材と、この回転軸部材の軸方向に所定間隔をおいて、前記回転軸部材の周方向に独立して回転自在に装着され、前記走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪とを備えたランナー
であり、
各間仕切部材に、１又は複数の前記ランナーの前記回転軸部材が回動可能に取り付け可能である、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項10】
間仕切部材の下端部のうち少なくとも一方の端部に下枠部が形成又は取り付けられ、この下枠部のうち前記対向部に、互いに磁気的に吸着可能な一対の磁性部材が取り付けられている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項11】
前記間仕切部材の移動方向に沿って前記間仕切部材の上下端部にそれぞれ形成又は取り付けられた上枠部及び下枠部と、これらの枠部をカバーするための枠体カバーと、前記上枠部及び下枠部並びに枠体カバーの両端部にそれぞれ装着可能な装着部材とを備えており、これらの装着部材のうち上部の装着部材の前記対向部に第１のコネクタ及び第２のコネクタが対向して取り付けられ、下部の装着部材の前記対向部に互いに磁気的に吸着可能な一対の磁性部材が対向して取り付けられている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項12】
間仕切部材の移動が規制される規制壁部に取り付け可能な立設部材と；この立設部材と、この立設部材に対して可動な間仕切部材との対向部に取り付けられた第１のコネクタ及び第２のコネクタとを備えている、請求項１又は２記載の間仕切構造。
【請求項13】
請求項１～１２のいずれかに記載の前記間仕切部材と前記コネクタとを備え、間仕切構造を形成するためのセット。
【請求項14】
さらに、前記第１のコネクタと第２のコネクタとを電気的に接続するための配線を備えている、請求項１３記載のセット。
【請求項15】
さらに、請求項８記載のレール及びランナーを含む、請求項１３記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉空間を間仕切るのに有用な間仕切り構造（間仕切りパネルを備えた開閉構造）と、その構造を形成するための部材のセットに関する。
【背景技術】
【0002】
集会所、家庭のリビング、会議室などの種々の空間を仕切るため、間仕切りカーテンや間仕切りパネルを利用した間仕切り構造が利用されている。このような間仕切構造において、長尺な一対の開閉部材の対向面に磁石を配設し、前記開閉部材に間仕切り部材を取り付けた間仕切り構造が提案されている。
【0003】
特開２０００－２２０３５５号公報（特許文献１）には、多数のパネルをハンガーレールに沿って移動可能に支持するとともに、隣接する複数のパネルを蝶番でそれぞれ回動可能に連結し、先頭に位置するパネルの端部には先頭框を設け、先頭ランナーを介して、この先頭框を前記ハンガーレールから吊下支持した間仕切りパネルが記載されている。この文献には、前記先頭框に磁石を設け、この磁石を露出可能な形態でカバー（クッションゴム）で覆い、磁石を壁面のマグネット受けに密着させることが記載されている。
【0004】
実公平３－３１８３３号公報（特許文献２）には、引戸の下端の長手方向の両端に設けた一対のガイドロッドと、このガイドロッドを案内する案内溝を備えたガイドレールと、このガイドレールと同じ長さを有し、前記案内溝に上下動可能に遊嵌されたカバー（断面コ字状でフランジを有する閉鎖体）と、前記一対のガイドロッドにそれぞれ設けた磁石と、前記カバーの磁石収納部に収納された一対の磁石とを備え、引戸の閉鎖時には、ガイドロッドの磁石がカバーの磁石を吸引し、カバーの浮上に伴って、引戸とガイドレールとの隙間を閉鎖させ、引戸の解放時には、ガイドロッドの磁石がカバーの磁石と反発し、カバーをガイドレールの案内溝に押しつけて隙間を開放させる隙間閉鎖装置が記載されている。すなわち、特許文献２の隙間閉鎖装置では、引戸の開放位置と閉鎖位置とで磁石の反発及び吸着を利用して、カバーで引戸とガイドレールとの隙間を開放及び閉鎖している。
【0005】
なお、特開２００９－１３１５８９号公報（特許文献３）には、レール部材に吊り下げられ、かつ互いに対向可能な一対の対向部材と、この一対の対向部材の対向面に形成されたアリ溝状の装着凹部と、この装着凹部に、互いに反対の磁極を向けて装着されたマグネット部材と、前記対向部材に形成され、間仕切りシートを取り付けるための取り付け部とを備えた一対の開閉部材が開示されている。このような開閉部材では、互いに対向可能な装着凹部に反対の磁極を向けてマグネット部材を装着するため、閉じ操作により位置ずれすることがなく、一方の対向部材の軸線に対して位置ずれすることなく、他方の対向部材を緊密に密着させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開２０００－２２０３５５号公報（請求項１及び４、図３）
【特許文献2】実公平３－３１８３３号公報（請求項１及び第１図）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献１の間仕切りパネルでは、パネルの開閉動に伴って、ハンガーレールを支点にしてパネルが揺動しやすくなる。また、パネルが揺動すると、マグネット受けに対する磁石の位置がずれるため、簡便かつ精度よく位置決めして閉止できない。さらに、隣接する複数のパネルの側縁を蝶番で回動可能に連結しているため、パネル構造が複雑化する。
【0008】
特許文献２の隙間閉鎖装置では、引戸が開放位置と閉鎖位置との間を移動する移動過程において、ガイドロッドと前記カバーとの間に磁力が作用しないため、引戸が揺動しながら移動し、引戸を円滑に移動できなくなる。
【0009】
特許文献３の開閉部材でも、開閉操作に伴って、レール部材に吊り下げられた対向部材及び間仕切りシートが揺動しやすく、対向部材を円滑に移動できなくなる。
【0010】
さらに、前記特許文献１～３では、パネル又は対向部材の間仕切シートにより所定の空間を開閉できるものの、電気化学的機能性を付与しようとしても、隣接するパネル及び間仕切シートに給電できない。そのため、隣接するパネル及び間仕切シートの用途が制限される。
【0011】
従って、本発明の目的は、間仕切空間を開閉可能な間仕切部材に対して給電可能とし、間仕切部材の機能性を向上させるのに有用な間仕切り構造（又は開閉構造）とそのための部材のセットを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、可動な１又は複数の間仕切部材（パネルなど）であっても、位置決めして確実に電気的に接続可能な間仕切り構造（又は開閉構造）とそのための部材のセットを提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、隣接する複数の間仕切部材（パネルなど）が、それぞれ回動可能であっても、空間の閉じ状態では複数の間仕切部材（パネルなど）を隣接させて整列させて電気的に接続可能であり、間仕切部材の機能性を向上させるのに有用な間仕切り構造（又は開閉構造）とそのための部材のセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、レールに沿って移動可能な複数のパネルの対向部に、コネクタを装着すると、複数のパネルの閉じ操作に伴って、前記複数のパネルを電気的に接続できること、コネクタとしてマグネットプラグとマグネットプラグ受けとを利用すると、前記マグネットプラグとマグネットプラグ受けとが磁気的に吸着し、高い位置決め精度で間仕切空間を閉じることができること、このような構造を採用し、光電変換フィルムなどを含むパネルを用いると、前記パネルの機能を大きく向上できることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づき、さらに検討を重ねて完成したものである。
【0015】
すなわち、本発明の間仕切構造は、［１］空間を仕切るための少なくとも１つの間仕切部材と；この間仕切部材を、所定の方向に移動可能な移動機構と；前記間仕切部材と、この移動機構（レール（又は案内部材）に沿った移動機構など）により可動な間仕切部材に対して対向する対向部とを電気的に接続するためのコネクタとを備えている。すなわち、間仕切部材は、壁部などの移動規制部に対して移動又はスライド可能な少なくとも１つの間仕切部材、又は互いに相対的に離反又は近接する方向へ移動又はスライド可能な複数の間仕切部材を備えている。そのため、前記対向部は、前記可動な間仕切部材に隣接して対向する移動規制部（可動な間仕切部材の移動が規制される壁部など）、又は互いに相対的に移動可能な前記間仕切部材の対向部であってもよい。このような間仕切構造において、前記コネクタは、互いに接触式又は非接触式に通電可能な第１のコネクタと第２のコネクタとを備えている。また、少なくとも前記可動な間仕切部材と前記対向部（互いに隣接する前記間仕切部材の対向部を含む）とに、前記第１のコネクタと第２のコネクタとを取り付けることができる。
【0016】
前記態様［１］の間仕切構造において、［２］前記間仕切部材の移動方向に沿って枠部（取付枠部、取付枠体）を形成又は取り付けてもよい。枠部は、所定の長さで、前記間仕切部材の端部に（又は間仕切部材の上端部及び／又は下端部に沿って）形成又は取り付けてもよい。また、枠部と前記対向部とに、第１のコネクタ及び第２のコネクタを（対向して）装着又は取り付けてもよい。具体的には、前記態様［１］又は［２］の間仕切構造は、［３］互いに隣接する複数の可動な間仕切部材を備えていてもよく、これらの間仕切部材には、前記間仕切部材の移動方向に沿って枠部（枠体、取付枠など）を形成又は取り付けてもよい。また、前記間仕切構造は、この枠部に互いに対向して装着可能な装着部材（装着キャップ）と、この対向する装着部材に取り付けられた第１のコネクタ及び第２のコネクタを備えていてもよい。
【0017】
これらの態様［１］～［３］のいずれかの間仕切構造において、［４］前記間仕切部材は、平面形状が、方形状又は矩形状であってもよい。必ずしも配線は必要ではなく、コードレス給電方式を採用して、第１のコネクタ及び第２のコネクタを電気的に接続してもよい。前記間仕切構造は、第１のコネクタ及び第２のコネクタを電気的に接続するための配線を有していてもよい。
【0018】
例えば、前記隣接する方形状又は矩形状の間仕切部材の端縁又は端部のうち、前記間仕切部材の移動方向に対して直交する方向で交わる少なくとも一方の端縁又は端部に、前記移動方向に沿った少なくとも一方の端縁又は端部に（例えば、上端縁又は上端部などの前記移動方向に沿って）取り付けられ、配線が配設（又は収容）可能な枠部（例えば、配設路、中空路などの通路を有する配線枠体）と、この枠部（配線枠体）の対向部に装着又は取り付け可能であり、かつ前記配線と接続された第１のコネクタ及び第２のコネクタを備えていてもよい。
【0019】
より具体的には、前記態様［１］～［４］のいずれかの間仕切構造において、［５］隣接する前記複数の間仕切部材は、移動機構により、空間を左右方向、上下方向、又は水平若しくは前後方向に開閉可能であってもよく；（ａ）互いに隣接して可動な可動間仕切部材の対向部に第１のコネクタと第２のコネクタとを取り付けてもよく；（ｂ）前記複数の間仕切部材が、前記移動規制部（位置固定された対向壁部など）に対して可動な少なくとも１つの可動間仕切部材を含んでいてもよく、前記移動規制部に直接的又は枠体を介して間接的に第１のコネクタを取り付け、前記移動規制部に隣接する可動間仕切部材に第２のコネクタを取り付けてもよい。
【0020】
前記態様［１］～［５］のいずれかにおいて、［６］前記コネクタは、マグネットプラグとマグネットプラグ受けとを備えていてもよい。すなわち、前記コネクタは、互いに電気的に接続可能なプラグとプラグ受けとを備えていてもよく、前記プラグとプラグ受けとが互いに磁気的に吸着可能であってもよい。
【0021】
なお、前記態様［１］～［６］のいずれかにおいて、［７］前記間仕切部材は、光電変換フィルム、調光又は光シャッターフィルム、発光フィルム、発熱フィルムから選択された少なくとも１種の機能性フィルム又はシートを備えていてもよく、前記機能性フィルム又はシートの電極に対して前記コネクタは接続可能であってもよい。
【0022】
また、前記態様［１］～［７］のいずれかにおいて、［８］前記間仕切構造は、開閉空間を左右方向、上下方向、又は水平若しくは前後方向に開閉可能であってもよく、このような前記間仕切構造は、例えば、下記（Ａ）～（Ｃ）のいずれかの形態を備えていてもよい。
【0023】
（Ａ）ランナーを介して、横方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が左右方向に移動可能であってもよく；前記間仕切部材の下端部と、この下端部に対応し、かつ前記ランナーの走行に伴って、前記間仕切部材で開閉空間を形成するための仕切路とに、非接触状態で、互いに磁気的に吸引可能な形態で配設可能な一対の磁性部材、若しくは互いに反対の磁極を向けて一対のマグネット部材を配設してもよい。
【0024】
（Ｂ）ランナーを介して、縦方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が上下方向に移動可能であってもよい。
【0025】
（Ｃ）ランナーを介して、水平又は前後方向に配設されたレールに沿って複数の前記間仕切部材が水平又は前後方向に移動可能であってもよい。
【0026】
前記移動機構は、前記形態（Ａ）ではレールに沿って走行可能であり、前記間仕切部材が取り付け可能なランナーを備えた走行機構、前記形態（Ｂ）では前記間仕切空間の上部に位置し、一対のレール間で前記間仕切部材を少なくとも上昇及び下降可能な上下動機構を備えていてもよく、前記形態（Ｃ）では、一対のレール間で前記間仕切部材を水平又は前後方向に移動可能な水平又は前後動機構を備えていてもよい。前記形態（Ｃ）はパーゴラ状の形態を有し、開閉空間を水平又は前後方向に開閉してもよい。
【0027】
前記態様［１］～［８］のいずれかにおいて、［９］前記形態（Ａ）において、例えば、ランナーを介して、横方向に配設され、かつ少なくとも一対の走行路を有する前記レールに沿って複数の前記間仕切部材が左右方向に移動可能であってもよく；前記ランナーが、下記（Ｉ）又は（ＩＩ）のランナーであってもよく、各間仕切部材には、少なくとも１つ（１又は複数）のランナー（Ｉ）又は（ＩＩ）の回転軸部材が回動可能に取り付け可能であってもよい。
【0028】
（Ｉ）前記レールの前記一対の走行路に沿って走行可能な少なくとも一対の車輪と、この一対の車輪の車軸部を回転可能に支持する支持部と、この支持部に形成された装着貫通孔と、この装着貫通孔に抜け止め状態で回転可能に装着可能な回転軸部材とを備えたランナー
（ＩＩ）下部開口の断面中空状の形態を有し、両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに内方に延出し、延出方向に向かって下方に傾斜した少なくとも一対の走行路とを備えたレールを走行可能なランナーであって、前記スリット状開口部に沿ってスライド自在な回転軸部材と、この回転軸部材の軸方向に所定間隔をおいて、前記回転軸部材の周方向に独立して回転自在に装着され、前記走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪とを備えたランナー
（ＩＩ）下部開口の断面中空状の形態を有し、両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに内方に延出し、延出方向に向かって下方に傾斜した少なくとも一対の走行路とを備えたレールを走行可能なランナーであって、前記スリット状開口部に沿ってスライド自在な回転軸部材と、この回転軸部材の軸方向に所定間隔をおいて、前記回転軸部材の周方向に独立して回転自在に装着され、前記走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪とを備えたランナー
【0029】
なお、前記ランナー（Ｉ）は、前記レールの少なくとも一対の走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪と、この一対の車輪を回転可能に支持する支持部と、下記（Ｉａ）又は（Ｉｂ）とを備えていてもよい。
【0030】
（Ｉａ）前記支持部に形成され、前記間仕切部材に対して取り付け可能な取付部材
（Ｉｂ）前記支持部に形成された装着孔と、この装着孔に対して回転可能に装着され、かつ前記間仕切部材に対して取り付け可能な回転軸部材
（Ｉｂ）前記支持部に形成された装着孔と、この装着孔に対して回転可能に装着され、かつ前記間仕切部材に対して取り付け可能な回転軸部材
【0031】
前記ランナーは、さらに、前記回転軸部材に装着可能であり、前記レールに対して高さ調整可能な高さ調整部材を備えていてもよい。
【0032】
前記態様［１］～［９］のいずれかにおいて、［１０］間仕切部材の下端部のうち少なくとも一方の端部に下枠部を形成又は取り付け、この下枠部のうち前記対向部には、互いに磁気的に吸着可能な一対の磁性部材を取り付けてもよい。
【0033】
前記態様［１］～［１０］のいずれかにおいて、［１１］前記間仕切部材の移動方向に沿って前記間仕切部材の上下端部にそれぞれ形成又は取り付けられた上枠部及び下枠部と、これらの枠部をカバーするための枠体カバーと、前記上枠部及び下枠部並びに枠体カバーの両端部にそれぞれ装着可能な装着部材（キャップ）とを備えており、これらの装着部材のうち上部の装着部材（キャップ）の前記対向部に第１のコネクタ及び第２のコネクタが対向して取り付けられ、下部の装着部材（キャップ）の前記対向部に互いに磁気的に吸着可能な一対の磁性部材が対向して取り付けられていてもよい。
【0034】
さらに、前記態様［１］～［１１］のいずれかにおいて、［１２］間仕切部材の移動が規制される規制壁部に取り付け可能な立設部材と；この立設部材と、この立設部材に対して可動な間仕切部材との対向部に取り付けられた第１のコネクタ及び第２のコネクタとを備えていてもよい。
【0035】
本発明は、［１３］前記態様［１］～［１２］のいずれかの間仕切部材と前記コネクタとを備え、間仕切構造を形成するためのセットも包含する。この態様［１３］のセットは、［１４］前記第１のコネクタと第２のコネクタとを電気的に接続するための配線を備えていてもよい。さらに、前記態様［１３］又は［１４］において、前記セットは、［１５］前記態様［８］又は［９］のレール及びランナーを含んでいてもよい。
【0036】
なお、本明細書において、「長尺」とは、幅に対して長さが大きな細長い形状を意味し、「長尺部材」を「対向部材」又は「棒状部材」という場合がある。また、「マグネット部材」は、「軟質」又は「硬質」であってもよく、樹脂（プラスチック）又はエラストマーを含む「マグネット部材」を「プラスチック磁石」「ゴム磁石部材」という場合があり、軟質樹脂（プラスチック）又はエラストマーを含む「マグネット部材」を「軟質マグネット部材」という場合がある。さらに、特に断りがない限り、「シート」は「フィルム」と同義に用いる。
【0037】
なお、間仕切部材（パネルなど）の「枠部」は、間仕切部材と一体に形成された枠状部、間仕切部材に取付け可能な枠体（取付枠又は枠部材）の双方を含む意味に用い、間仕切部材に枠状に取付けられた枠体を「枠部」「取付枠部」という場合がある。また、間仕切部材（パネルなど）の上部（上端部）に取付け可能な枠体を、単に「上部枠体」「上枠部」、前記間仕切部材の下部（下端部）に取り付け可能な枠体を、単に「下部枠体」「下枠部」という場合がある。また、立設して配設可能な枠体を、単に「立設枠体」という場合がある。
【0038】
第１のコネクタは入力又は出力コネクタを形成してもよく、第２のコネクタは出力又は入力コネクタを形成してもよい。そのため、本明細書及び特許請求の範囲において、第１のコネクタは第２のコネクタと読み替えることができ、第２のコネクタは第１のコネクタと読み替えることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明では、間仕切空間を開閉可能な間仕切部材に対して給電可能であるため、電気化学的に間仕切部材の機能性を向上させることができる。また、マグネットを利用することにより、可動な１又は複数の間仕切部材（パネルなど）であっても、位置決めして確実に電気的に接続できる。さらに、隣接する複数の間仕切部材（パネルなど）が、それぞれ回動可能であっても、空間の閉じ状態では複数の間仕切部材（パネルなど）を隣接させて整列させて電気的に接続可能であるため、間仕切部材の機能性を大きく向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
【0042】
図１～図１１に示す間仕切構造（開閉構造）は、吊り下げ部材（ブラケット）６を利用して天井壁から吊り下げられ、横方向に延びるレール１と；このレール１の走行路（案内路）を走行可能なランナー１１と；このランナーの単一の回転軸部材（取付部材）１５に連結された縦長の方形状の複数のパネル２１と；このパネルの移動方向に沿って前記パネル２１の上端部に配設された上部枠体（配線枠体、取付枠部）２２ａと；この上部枠体の両端部に装着された通電アセンブリ３１，４１と；前記パネル２１の下端部（下端面）と床部に形成された仕切路（開閉路）とに、非接触状態で、反対の磁極を向けて配設された一対のマグネット部材９５ａ，９５ｂとを備えており、前記複数のパネル２１で空間を仕切って、開閉可能な空間を形成している。なお、前記レール１と、このレールに沿って走行可能であり、かつ前記パネル２１が取り付け可能な前記ランナー１１とで走行機構を形成している。
【0043】
前記レール１は、直線状に形成され、断面中空四角枠状のレール本体２と、このレール本体の下部壁に長手方向（又は移動方向）に延びるスリット状開口部３と、この開口部の両側部の下部壁に形成され、ランナー１１の車輪が走行可能な一対の走行路（案内路）４とを備えており、この走行路は、断面Ｖ字状の形態を有している。なお、レール本体の両側壁の上部には、前記吊り下げ部材の爪部が係止可能な係止凹部５が形成されている。
【0044】
図２～図４に示されるように、前記レールの一対の走行路を走行可能なランナー１１は、前記走行路に対応する断面Ｖ字状の外周部を有する前後一対の車輪（走行方向に所定の間隔をおいて配置された前後一対の車輪）１２と、これらの一対の車輪を互いに連結する車軸部１２ａと、ベアリング又は軸受（図示せず）を介して、この車軸部を回転可能に支持する支持部１３と、この支持部のうち前後一対の車輪１２の間に形成された装着貫通孔１４と、この装着貫通孔に抜け止め状態で回転可能に装着可能な取付部材としての回転軸部材（回動軸部材）１５とを備えている。なお、ベアリング又は軸受は支持部１３の軸受け装着部１６に装着されている。すなわち、前記ランナー１１は、走行状態において、取付部材として、縦方向に延びて回転又は回動可能な１つの回転軸部材（回動軸部材）１５を備えており、この例では、前記回転軸部材１５は、ボルトで形成され、ボルトの頭部で装着貫通孔１４からの抜けを防止している。この回転軸部材（又はボルト）１５は、パネル２１の上端部のうち長手方向（又は移動方向）の中央部（又は重心部）に取り付けられている。このような１つの回転軸部材１５にパネル２１を取り付けると、走行に伴ってパネル２１が揺動（横揺れ）しやすくなるものの、前記レールの走行路と、前記車輪１２の外周部とがそれぞれ断面Ｖ字状であるため、パネル２１の揺動を有効に抑制できる。
【0045】
この例では、前記車輪１２の外周部の頂部（断面Ｖ字状の鋭角な頂部）は、前記断面Ｖ字状の走行路の谷部（鋭角な最下部）よりも前記レールの側部内壁側に位置させている。このような形態では、ランナー１１の走行に伴って、車輪１２がレールの断面Ｖ字状の傾斜走行路に対して外方向に押しつけられた状態で走行するため、パネル２１の揺動をさらに有効に抑制できる。なお、車輪１２がベアリング又は軸受を備えているため、上記の押し付け形態で車輪１２が走行しても、ランナー１１を円滑に走行できる。
【0046】
なお、前記１つのランナー１１の回転軸部材１５を前記１つのパネル２１に取り付けることにより、１つの開閉構造を形成しており、図示する例では、複数のランナー１１の回転軸部材１５を、複数のパネル２１にそれぞれ取り付け、隣接する複数のパネル２１で所定の空間を開閉可能に仕切る開閉構造を形成している。
【0047】
前記レール１とパネル２１との遊離間隔（レール１に対するパネル２１の高さ方向の間隔）を調整してパネル２１の高さ位置を揃えるため、ランナー１１の回転軸部材（又はボルト）１５には、高さ調整部材が装着可能である。この例では、取付部材としての前記回転軸部材１５には、前記パネル２１の上端部に取り付け可能なネジ部（又はボルトのネジ部）１６が形成され、前記高さ調整部材は、前記ネジ部１６に螺合可能な２つの螺合部材（２つのナット１７ａ，１７ｂ；ダブルナットで形成された螺合締結部材）を備えている。具体的には、高さ調整部材は、前記ネジ部１６のうち、前記ランナー１１の支持部側に螺合して位置する第１の螺合部材（ナット）１７ａと、パネル２１側に螺合して位置する第２の螺合部材（ナット）１７ｂとを備えており、この第２の螺合部材（ナット）は、座金（バネ座金）１９を介して、前記パネル２１の上端面に取り付け可能な取付プレート２６に当接又は接触可能なフランジ部１８を備えている。このような高さ調整部材では、第１の螺合部材１７ａの螺合に伴う進退動（長さ調整動）と、第２の螺合部材１７ｂの螺合に伴うロック作用とを利用して、前記レールに対して前記パネル２１の高さ（又は前記レールと前記パネル２１との間隔）を調整可能であり、前記レールに対して前記複数のパネル２１を水平方向に維持しつつ、前記レールに対するパネル２１の遊離間隔を維持できる。
【0048】
前記パネル２１は、樹脂又はプラスチックで透明パネルとして形成されている。そのため、開閉空間を前記パネル２１で閉じた状態でも広々とした開放感を与えることができる。前記パネル２１の上部（上端部）には、前記ランナー１１の移動方向に沿って、前記ランナー１１の取付部材としての前記回転軸部材１５が取り付け可能な枠体（中空取付枠部）２２ａが形成され、前記パネル２１の下部（下端部）には、全長に亘り第１のマグネット部材９５ａが長手方向（又は移動方向）に沿って取り付け可能な枠体（取付枠部）２２ｂが形成されている。
【0049】
図２及び図３に示されるように、上部枠体（取付枠部）２２ａは、長手方向（又は移動方向）に延びる長尺の枠本体部（この例では、断面中空四角枠状の枠本体部）２３ａと、この枠本体部の一方の側部から下方に延びて、前記パネル２１の上端部が取り付け可能な取付壁部（この例では、断面中空の長細四角枠状の取付壁部）２４ａとを備えており、前記枠本体部２３ａの上部には、開口部よりも奥部の幅が大きなアリ溝状（この例では、枠本体部２３ａの両側壁が枠本体部２３ａの上面から突出し、かつ内方にＬ字状に屈曲した形態）の装着凹部（又は装着溝）２５ａが形成されている。この装着凹部の長手方向（又は移動方向）のうち中心部には、前記装着凹部（又は装着溝）２５ａを摺動可能な前記取付プレート（取付部材としての軸部材１５を位置決めして取り付けるための位置決め部材）２６が配置され、この取付プレートは、長手方向（又は移動方向）の中央部の隆起部２７に形成され、前記回転軸部材１５としての前記ボルトのネジ部１６が螺合可能な螺合孔（ネジ孔部）２７ａと、この螺合孔に隣接する両側部で長手方向に延びて形成された長孔部２８ａとを備えており、枠本体部２３ａの上部壁には、前記螺合孔（ネジ孔部）２７ａ及び長孔部２８ａに対応して、孔部２７ｂ及び小孔部２８ｂが形成されている。前記長孔部２８ａを利用して、前記取付プレート２６の位置を調整しつつ、ビス２９を前記小孔部２８ｂに螺合させることにより、枠本体部２３ａの上部壁に前記取付プレート２６が取り付け可能である。
【0050】
図１、図２、図４、図７に示されるように、前記上部枠体（配線枠体、取付枠部）２２ａの対向部（隣接する上部枠体２２ａの両端部）には、入力用装着部材（第１のコネクタ）３３と出力用装着部材（第２のコネクタ）４３とが対向して装着されている。すなわち、隣接する上部枠体２２ａの両端部には、前記枠本体部２３ａ及び取付壁部２４ａに対応した形状の装着部材（装着キャップ）３３，４３を備えた前記通電アセンブリ３１，４１が装着又は取り付けられている。通電アセンブリ３１，４１は、上部枠体２２ａの中空の枠本体部２３ａの中空部（配設路）に配設又は収容された配線３２と、この配線と接続され、かつ前記枠本体部２３ａの両端部（隣接する枠体が対向する対向部）にそれぞれ装着可能な入力用装着部材（装着キャップ）３３及び出力用装着部材（装着キャップ）４３とを備えている。入力用装着部材３３は第１のコネクタを形成し、出力用装着部材４３は第２のコネクタを形成している。
【0051】
図７～図９に示されるように、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）３３は、マグネットプラグを形成し、前記出力用装着部材（第２のコネクタ）４３は、マグネットプラグ受けを形成している。すなわち、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）３３は、フロント側（接続側）において、上部枠体２２ａの枠本体部２３ａに対応する領域に形成された凹部域と、リア側に形成され、上部枠体２２ａの開口端（枠本体部２３ａ及び取付壁部２４ａに対応した開口端）に対応した凹凸装着壁とを有し、前記対向部の開口端部に装着可能なキャップ本体３４と；このキャップ本体の凹部域で突出し、Ｌ字状の接続アングル（接続部材又は固定端子）３６を介して、前記配線３２と接続された一対の通電ピン（端子）３５と；この一対の通電ピンの間のキャップ本体に装着されたマグネット３７とを備えている。すなわち、前記凹部域では、前方に臨むマグネット３７の両側部で一対の通電ピン３５が突出している。なお、この例では、通電ピン３５の軸方向の所定部には、前記凹部域に形成された装着孔（図示せず）への進入を規制する規制部３５ａが形成され、一対の通電ピン３５が装着孔に装着された状態で、前記アングル（固定端子）３６の立設部が、通電ピン３５と接続（例えば、スポット溶接、圧接などにより一体に接続）され、前記アングル（接続部材）３６の延出部が前記配線３２と接続されている。
【0052】
一方、前記出力用装着部材（第２のコネクタ）４３は、図７、図１０及び図１１に示されるように、概略Ｌ字状の形態を有し、前記取付壁部２４ａ及び前記枠本体部２３ａの一部の開口端部に装着可能な下部キャップ本体４４と、前記枠本体部２３ａの余部の開口端部に装着可能な上部キャップ本体４５とを備えており、下部キャップ本体４４と上部キャップ本体４５との境界域を跨いで、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）３３の凹部域に対応してフロント側（接続側）に突出した突出域が形成されている。前記下部キャップ本体４４には、マグネット（板状マグネット）４６が配設可能であり、このマグネットの両側に対応する装着溝（下部キャップ本体４４と上部キャップ本体４５とに形成された装着溝）には、一対の強磁性体のプレート（鉄板など）４７が装着可能であり、この一対の強磁性体のプレート４７はマグネット（板状マグネット）４６により磁化されている。この強磁性体のプレート４７の端部は、前記突出域において、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）３３のマグネット３７と対向可能であり、前記突出域から露出又は突出した形態で、前記マグネット３７と接触可能である。
【0053】
さらに、前記突出域のうち、前記一対の通電ピン（端子）３５に対応する部位には、一対の通電ピン３５が挿入可能な孔部が形成されている。すなわち、下部キャップ本体４４と上部キャップ本体４５との間のうち前記一対の通電ピン３５に対応する突出域の部位、すなわち、前記一対の強磁性体のプレート４７に対する両側部の絶縁部には、前記孔部を通じて前記一対の通電ピン３５がそれぞれ弾性的に接触可能であり、かつ前記配線３２に接続された一対の導電バネ部材（接続バネ部材；端子）４８が配設されている。この導電バネ部材４８は、フロント壁が一対の通電ピン３５と接触可能なコ字状部と、このコ字状部から湾曲した湾曲部と、この湾曲部からリア方向に延び、配線３２が接続可能なリア部とを備えている。なお、下部キャップ本体４４と上部キャップ本体４５とはネジ部材４９とナット５０とで一体に締結されている。
【0054】
このような通電アセンブリ３１，４１を利用すると、前記レール１に沿って隣接して移動又は走行可能な複数のパネル２１を、入力用装着部材（第１のコネクタ）３３と出力用装着部材（第２のコネクタ）４３とで電気的に接続できる。しかも、入力用装着部材（第１のコネクタ）３３と出力用装着部材（第２のコネクタ）４３とで、マグネットプラグとマグネットプラグ受けとを形成しているため、位置ずれすることなく、複数のパネル２１を電気的に接続できる。さらに、このような通電アセンブリ３１，４１を利用すると、複数のパネル２１のうち、少なくも一方の端部に位置し、間仕切空間の壁部（パネル２１の移動が規制される規制壁部）に隣接するパネル２１にも給電可能である。例えば、図１２及び図１３に示されるように、規制壁部（例えば、支柱部）６１には、立設枠体（中空取付枠部）６２が立設した状態で取り付けられ、この立設枠体６２の上部には、通電アセンブリ７１が、高さ位置を調整可能に装着又は取り付けられている。
【0055】
詳細には、前記立設枠体６２は、長手方向に延びる長尺の中空四角形状の枠本体６３と、この枠本体の一方の側部から前記パネル２１の移動方向に延びて、前記上部枠体（中空取付枠部）２２ａを案内可能なガイド壁６８とを備えており、前記枠本体６３は、前記パネル２１側（フロント側）に位置し、クッション材などが装着可能なアリ溝状（この例では、枠本体６３の両側壁から突出して、互いに狭まる内方にＬ字状に屈曲し、奥部よりも開口部が狭まった形態）の装着凹部壁（又は装着溝壁）６４と、前記規制壁部６１側（リア側）に位置し、前記規制壁部６１に取付け可能な取付壁６５と、前記装着凹部壁６４の幅方向の中央部から前記規制壁部６１の方向に延びて前記取付壁６５に至る溝壁６６と、この溝壁に隣接する両側部（四角枠部）に形成された、通電アセンブリ７１の装着ピン（スライドピン）７９が装着可能な装着孔（この例では、リング状装着孔）６７とを備えている。前記立設枠体６２の前記取付壁６５は、前記溝壁６６を通じて、ビス６９などで規制壁部６１に取付け可能である。
【0056】
通電アセンブリ７１は、前記立設枠体６２の上部の外周部に装着可能であり、配線７２と接続され、第２のコネクタを形成する装着部材（装着キャップ）７３を備えており、この装着部材の内部を、前記上部枠体（中空取付枠部）２２ａの前記第１のコネクタ３３に対する横断面コ字状の接続部（接続域）７４と、前記立設枠体６２の上部の外周部に対する横断面コ字状の装着部（装着域）７８とに区画するための区画壁７５とを備えており、前記装着部（装着域）７８は、前記枠本体６３に対して装着される。前記装着部材（第２のコネクタ）７３は、一方の側部から延出し、前記ガイド壁６８に装着可能な中空ガイド壁８０も備えている。
【0057】
通電アセンブリ７１は、前記接続部（接続域）７４のフロント側の突出域のうち前記第１のコネクタ３３に対する対向部に形成された孔部（前記一対の通電ピン（端子）３５を導電バネ部材（接続バネ部材又は端子）４８に導くための前記孔部）、及び前記対向部に位置する一対の強磁性体のプレート４７と；前記導電バネ部材（接続バネ部材）４８に接続された配線７２と；前記接続部（接続域）７４に形成され、ビス８１などで前記装着部材（第２のコネクタ）７３を前記規制壁部６１に取付けるための取付孔部７７と；前記区画壁７５から前記装着部（装着域）７８において下方向に延びて、前記立設枠体６２の前記装着孔６７に装着可能な前記装着ピン７９とを備えている。また、前記配線７２は、外部電源に接続可能である。
【0058】
このような通電アセンブリ７１を利用して隣接するパネル２１の、このような通電アセンブリ７１は、前記立設枠体６２の装着孔６７に通電アセンブリ７１の前記装着ピン（スライドピン）７９を装着して、前記第１のコネクタ３３に対する第２のコネクタ（装着部材）７３の高さ位置を調整し、取付孔部７７を利用してビス８１などで前記装着部材７３を前記規制壁部６１に取付けることにより、前記立設枠体６２に対する通電アセンブリ７１の高さ位置を調整可能である。
【0059】
また、パネル２１の移動とともに、前記上部枠体２２ａを、前記立設枠体６２の前記ガイド壁６８及び通電アセンブリ７１の中空ガイド壁８０で規制壁部６１の方向に案内できる。しかも、複数のパネル２１のうち、移動規制部としての規制壁部６１に隣接するパネル２１の側縁と前記規制壁部６１との間には隙間が生じる可能性があるものの、移動した前記パネル２１の側縁と前記規制壁部６１との隙間を前記ガイド壁６８及び中空ガイド壁８０でカバーでき、前記パネル２１の側部の揺れを抑制できるとともに美観を向上できる。
【0060】
なお、前記パネル２１の上端部の両面には、長尺の緩衝材（クッション材又はパッキン）９０ａ，９０ｂが配置され、前記取付壁部２４ａに対して、外側の緩衝材（又はパッキン）９０ｂを押えプレート９１ａで押圧又は挟圧した状態で、ネジ部材（ボルト）９２ａ及びナット９２ｂ（Ｍ６六角ボルト及びナットなど）で締結し、押えプレート９１ａで前記パネル２１の上端部を取付壁部２４ａに圧着している。なお、前記ネジ部材（ボルト）９２ａ及びナット９２ｂで締結するため、ネジ部材（ボルト）及びナットに対応する部材（前記押えプレート９１ａ、緩衝材（又はパッキン）９０ａ，９０ｂ、パネル２１及び取付壁部２４ａ）には貫通孔が形成されている。また、美観を高めるため、露出するボルト９２ａの頭部及びナット９２ｂの露出端部には、キャップ又はカバー９３ａ，９３ｂが装着されている。
【0061】
図５及び図６に示されるように、前記下部枠体（取付枠部又は取付枠部）２２ｂは、前記上部枠体２２ａと同じ部材で、前記上部枠体２２ａと類似の配置形態で形成されている。具体的には、下部枠体２２ｂでは、上記枠本体部２３ａに対応する枠本体部２３ｂが下方に位置し、上記取付壁部２４ａに対応する取付壁部２４ｂが、前記枠本体部２３ｂの一方の側部からＬ字状の形態で上方に延びている。前記下部枠体２２ｂは、パネル２１の下部（下端部）に配置され、ランナー１１の回転軸部材１５が取り付けられていない点、下部枠体２２ｂの両端部には、前記通電アセンブリ３１，４１の装着部材３３，４３に代えて、開口部を閉塞する装着キャップ９４が装着されている点、下部に位置する枠本体部２３ｂの下部壁に形成されたアリ溝状の装着凹部２５ｂには、前記取付プレート（位置決め部材）２６に代えて、第１のマグネット部材９５ａが装着可能である点を除き、前記上部枠体２２ａでの取付構造と同様に、前記パネル２１の下端部を緩衝材（又はパッキン）９０ａ，９０ｂで挟持した状態で、押えプレート９１ｂで前記パネル２１の下端部を取付壁部２４ｂに圧着している。
【0062】
さらに、前記パネル２１の下部枠体２２ｂ（又は前記レール１）に対応して、床部の仕切路（開閉路）には長尺な敷設部材９６が取り付けられ、この敷設部材には、前記パネル２１の下部枠体２２ｂの第１のマグネット部材９５ａに対向して、第２のマグネット部材９５ｂが装着されている。さらに、前記第１のマグネット部材９５ａと第２のマグネット部材９５ｂとは、非接触状態で（所定の高さ間隔をおいて）、互いに反対の磁極を向けて配設されている。この例では、第１のマグネット部材９５ａと第２のマグネット部材９５ｂとは、約３～１０ｍｍの高さ間隔をおいて配設されている。なお、前記敷設部材９６は、アリ溝状（開口部よりも奥部が幅広の形状）の断面形状を有しており、このアリ溝状の装着凹部２５ｂに第２のマグネット部材９５ｂが装着されている。
【0063】
前記パネル（間仕切部材）２１の下端部（又は下端面）と、前記パネル２１の下端部（下端縁）に対応して床部などに形成され、かつランナー１１の走行に伴って前記パネル２１で開閉空間を形成するための仕切路（開閉路又は区画路）とに、非接触状態で、互いに反対の磁極を向けて一対のマグネット部材９５ａ，９５ｂを配設すると、一対のマグネット部材９５ａ，９５ｂの磁気的吸引力で、前記パネル２１の揺動を抑制しつつ前記レール及び仕切路に沿って複数のパネルを整列できる。しかも、一対のマグネット部材９５ａ，９５ｂが非接触状態であるため、パネル（間仕切部材）２１を円滑に開閉動できる。また、前記パネルを１つのランナー１１の回転軸（又は回動軸）１６に吊り下げると、一対のマグネット部材９５ａ，９５ｂの磁気的吸引力が対向方向には強いものの横方向のずれに弱いことを利用して、前記回転軸（又は回動軸）を中心として前記パネル２１を円滑に回動でき、隣接するパネル２１を折り重ね（又は折り畳み）状態にでき、簡単な折り重ね操作及び収納操作で、小さな収納スペースに収納できる。
【0064】
なお、前記パネル２１の両側端部（又は側縁部）には、縦方向に沿って透明な保護材９７が装着され、複数の透明パネル２１が整列した状態での透視性を高めるとともに、前記パネル２１の両側端部の鋭角部に対する接触を防止している。
【0065】
さらに、取付部材としての回転軸部材１５を中心として前記パネル２１が周方向に回転又は回動可能であることを利用して、複数のパネル２１のうち、少なくとも一方の側部に位置するパネル２１は、出入り口（又は入出路）を形成してもよい。すなわち、少なくとも前記レール１と前記上部枠体２２ａとの間には、リンク部材（ガイドバー）１０１ａが回動自在に軸支され、出入り口（又は入出路）を形成してもよい。
【0066】
例えば、図１４に示されるように、前記レール１の一方の端部に形成された第１の軸部（枢軸部）１０２ａと、前記上部枠体２２ａの枠本体部２３ａの上部（上端部）のアリ溝状の装着凹部２５に形成された第２の軸部（枢軸部）１０２ｂとには、第１のリンク部材（ガイドバー）１０１ａが回動自在に軸支され；前記床部（又は敷設部材９６）のうち前記レール１の軸部（枢軸部）１０２ａに対応する部位に形成された第３の軸部（枢軸部）１０３ａと、前記下部枠体２２ｂの枠本体部２３ｂの下部（下端部）のアリ溝状の装着凹部（図示せず）のうち、前記第２の軸部（枢軸部）１０２ｂに対応する部位に形成された第４の軸部（枢軸部）１０３ｂとにも、第２のリンク部材（ガイドバー）１０１ｂが回動自在に軸支されている。なお、第２及び第４の軸部（枢軸部）１０２ｂ，１０３ｂは、パネル２１の前記上部及び下部枠体２２ａ，２２ｂの枠本体部２３ａ，２３ｂの長手方向（又は移動方向）の中心部（回転軸部材１５が取り付けられた部位）から一方の側部側に偏倚した（又は偏った）箇所に形成されている。
【0067】
このような出入り口（又は入出路）構造では、１つのランナー１１の回転軸部材１５でパネル２１が支承又は軸支され、かつ前記レール１とパネル２１の上部枠体２２ａとの間、並びに床部とパネル２１の下部枠体２２ｂとの間に、第１及び第２のリンク部材１０１ａ，１０１ｂが回動可能に軸支されているため、前記パネル２１の回動に伴って開閉可能な出入り口（又は入出路）を簡便な構造で形成できる。
【0068】
なお、出入り口（又は入出路）構造を形成するパネル２１では、パネル２１の上部枠体（取付枠部）２２ａのうち前記規制壁部６１に対して反対側の一方の端部には通電アセンブリを装着してもよく、他方の端部（例えば、前記規制壁部６１側の端部）には、必ずしも通電アセンブリを装着しなくてもよい。
【0069】
なお、図１５に示されるように、前記パネル２１の下部は、位置決め固定機構（又は部材）により位置決め固定（仮固定）可能であってもよい。すなわち、位置決め固定機構は、前記敷設部材に隣接する前記床部のうち、前記パネル２１に対応する箇所（例えば、前記パネル２１の幅方向（長手又は移動方向）の両側部に対応する箇所）に設けられ（又は埋設され）、上向きに孔部が開口した孔部材１０５と、前記パネル２１（下部取付枠２２ｂ）に取り付けられ、前記孔部材１０５の孔部に落とし込み可能な棒状位置決め部材１０６とを備えている。この棒状位置決め部材は、取付部１１０を介して、下部取付枠２２ｂに対して取り付けられた中空円筒状の筒体１０７と、この筒体の中空部に、付勢部材１０９で上方に付勢されて、摺動自在に配設され、前記筒体の所定の高さ位置で係止可能な棒状体１０８とを備えている。具体的には、前記中空円筒状の筒体１０７は、下端部を余して筒体１０７の上端部から軸方向にスリット状に延びるガイド部（ガイドスロット）１０７ａと、このガイド部の所定の高さ位置から周方向に延びる係止部（係止スロット；例えば、位置決めスロット）１０７ｂとを備えており、前記棒状体１０８は、側部から延びて、前記係止部（係止スロット）に係止可能な係止レバー部１０８ａとを備えている。
【0070】
そのため、前記筒体１０７のガイド部（ガイドスロット）１０７ａに沿って係止レバー部１０８ａを下降させて前記棒状体１０８を前記孔部材１０５の孔部に落とし込み、周方向に回して前記係止部（係止スロット；位置決めスロット）１０７ｂに係止することにより、前記パネル２１の下部を位置決め固定してパネル２１が揺動するのを抑制できる。また、係止を解除し、前記ガイド部（ガイドスロット）１０７ａに沿って係止レバー部１０８ａを上昇させることにより、前記パネル２１の下部を前記床部から遊離状態（非固定状態）とすることができる。
【0071】
なお、必要により、中空円筒状の筒体１０７の軸方向に間隔をおいて、複数の係止部（係止スロット）を形成し、下方又は下部の前記係止部に対する係止レバー部１０８ａの係止を解除（位置決め固定を解除）した後、上方又は上部の前記係止部に係止レバー部１０８ａを係止させ位置決め固定を解除してもよい。
【0072】
このような部材のセットで形成された間仕切構造（開閉構造）では、一対のマグネット部材９５ａ，９５ｂの磁気的吸着力を利用して、複数のパネル２１を前記仕切路（開閉路）に沿って整列させ、閉じ空間を形成できる。特に、前記上部枠体２２ａの通電アセンブリ３１，４１及び立設枠体６２の通電アセンブリ７１の入力用装着部材（第１のコネクタ）３３と出力用装着部材（第２のコネクタ）４３とを利用して、複数のパネル２１を電気的に接続できる。そのため、パネル２１として、電気化学的変化をもたらす機能性フィルム（例えば、光電変換フィルム、調光フィルムなど）の電極と前記配線３２とを接続したパネル２１を利用すると、複数のパネル２１を移動させて前記仕切路（開閉路）に沿って整列させることができ、間仕切空間を閉じた状態で、機能性フィルムの機能を発現できる。また、機能性フィルムの機能を利用しない場合には、複数のパネル２１を移動させて収納でき、開放空間を形成できる。また、前記レール１の走行路と、前記車輪１２の外周部とをそれぞれ断面Ｖ字状に形成しているため、パネル２１の揺動を有効に抑制できる。特に、１つのランナー１１の回転軸部材１５にパネル２１を取り付けているため、走行に伴ってパネル２１が揺動（横揺れ）しやすいにもかかわらず、パネル２１の下端部と床部の仕切路（開閉路）とに、前記一対のマグネット部材９５ａ，９５ｂが、所定の間隔をおいて、反対の磁極を向けて配設されているため、パネル２１の揺動をさらに有効に抑制できる。しかも、複数のパネル２１を、それぞれ、必要により、前記仕切路（開閉路）に対して交差する方向に回転又は回動させて折り畳んだ状態（折り重ねた状態）にして、移動させることができ、開放空間を形成できる。
【0073】
図１６及び図１７は、本発明の他の例のレール及びランナーの態様を示している。図１６及び図１７において、レール１１１は、縦方向にプレート状に延びるレール本体（支持壁）１１２と、このレール本体の下端部及び上端部から両側方向に延び、かつランナー１２１の車輪１２２が走行可能な断面Ｕ字状の一対の走行路１１４とを備えている。前記一対の走行路１１４を走行可能なランナー１２１は、断面Ｕ字状の外周部を有し、前記走行路１１４を走行可能な二対の車輪（走行方向の前後部にそれぞれ位置する一対の車輪）１２２と、この一対の車輪の車軸部１２２ａを、ベアリング又は軸受を介して、前記車輪１２２に隣接する部位で回転可能に支持し、前記車軸部からＵ字状／コ字状の形態で延びる支持部１２３と、この支持部の平坦な底部に形成した装着孔と、この装着孔に対して、下方への抜け止め状態で回転可能に装着され、ボルトで形成された回転軸部材１２５とを備えており、この回転軸部材には、前記と同様に、間仕切部材としての前記パネル２１の上部壁又は上部枠体（取付枠部）２２ａ、若しくは前記取付プレート（図示せず）に対して螺合により取り付け可能な取付部（ネジ部）１２６が形成されている。なお、この例でも、ベアリング又は軸受は軸受装着部１２７に装着されている。また、前記と同様に、前記ネジ部には、ダブルナット１２７ａ，１２７ｂで形成された高さ調整部材が装着又は螺合可能である。
【0074】
このような走行形態でも、間仕切部材としての前記パネル２１を移動させても、断面Ｕ字状の一対の走行路１１４と断面Ｕ字状の外周部を有する車輪１２２とで、間仕切部材としての前記パネル２１の揺動を抑制できるとともに、前記と同様に、一対のマグネット部材の磁気的吸引力を利用して、前記パネル２１の揺動を抑制できる。
【0075】
図１８は、他の出入り口の機構を説明するための概略斜視図であり、この例では、リンク部材を利用している。
【0076】
図１８に示されるように、複数の間仕切部材で形成される間仕切部材列のうち、少なくとも一方の側部に位置する前記間仕切部材（移動端に位置する前記間仕切部材）２１と対向する側壁部（又は柱部）などに隣接して、前記立設枠体６２が軸支部材（側壁立設部材など）１３１として形成され、レール１の第１の軸部（枢軸部）４２ａではなく、この軸支部材（立設部材など）１３１の第１の軸部（枢軸部）１３２ａに対して前記第１のリンク部材１０１ａの一方の端部を回動自在に軸支し、上部枠体（取付枠部）２２ａの枠本体部２３ａの第２の軸部（枢軸部）１０２ｂに前記第１のリンク部材１０１ａの他方の端部を回動自在に軸支してもよい。なお、この例では、前記軸支部材（側壁立設部材など）１３１には、前記ガイド壁６８と同様な壁部が、間仕切部材２１の回動を規制可能であり、間仕切部材２１の側縁部を遮蔽可能な回動規制壁（又は遮蔽壁）１３７として形成されている。また、前記床部（又は敷設部材９６）の第３の軸部（枢軸部）と間仕切部材の下部（例えば、前記下部枠体（取付枠部）２２ｂ）とには、第２のリンク部材（ガイドバー）が軸支されていない。
【0077】
図１９～図２１は、他の出入り口構造を示す概略斜視図であり、前記間仕切部材（パネル２１）が移動可能なメインレール（前記間仕切部材２１で開閉空間を開閉するためのメインレール）１４１ｂと、このレールに対して直交する方向に交差する交差レール１４１ａとは、それぞれ、前記レール（メインレール）１と同様な構造を有しており、メインレール１４１ｂの開口端部が、交差レール１４１ａの側壁で塞がれた形態で、メインレール１４１ｂと交差レール１４１ａとが配設されており、前記交差レール１４１ａの開口端部には、第１のランナー１５１ａの脱落を防止するため、キャップ（図示せず）が装着されている。前記メインレール１４１ｂと交差レール１４１ａとの交差部は、立設枠体（中空取付枠部）１４２で支持され、この立設枠体の上部には、通電アセンブリ１７１が、前記と同様に、高さ位置を調整可能に装着又は取り付けられている。また、間仕切部材２１のうち、前記立設枠体１４２の通電アセンブリ１７１に対向する部位（上部取り付け枠部２２ａの端部）にも通電アセンブリ（図示せず）が取り付けられている。前記交差レール１４１ａとメインレール１４１ｂとには、間仕切部材２１の上端部の長手又は移動方向の異なる部位に回転軸部材１５５ａ，１５５ｂが取り付けられた状態で、第１及び第２のランナー１５１ａ，１５１ｂがそれぞれ走行可能に配設されている。
【0078】
すなわち、出入り口（又は入出路）を形成する間仕切部材２１の上部取り付け枠部２２ａの枠本体部２３ａの上端部のうち前記交差レール１４１ａ側に位置する端部と、前記間仕切部材２１の長手又は移動方向の中央部（又は重心部）とには、それぞれ、前記と同様の第１及び第２のランナー１５１ａ，１５１ｂの回転軸部材１５５ａ，１５５ｂのネジ部１５６ａ，１５６ｂが回動自在に取り付けられている。なお、前記のように、前記回転軸部材１５５ａ，１５５ｂは第１及び第２のランナー１５１ａ，１５１ｂの支持部１５３ａ，１５３ｂに対して回動又は回転可能である。また、前記間仕切部材２１の中央部（又は重心部）には、前記取付プレート２６を介して、第２のランナー１５１ｂの回転軸部材１５５ｂのネジ部１５６ｂが螺合され、ダブルナット（締結部材）１５７ｂで高さ調整されている。
【0079】
一方、前記間仕切部材２１の端部には、間仕切部材２１の長手又は移動方向に対して直交する方向に延びる取付金具１５８が取り付けられ、この取付金具の延出端部には、第１のランナー１５１ａの回転軸部材１５５ａのネジ部１５６ａが螺合され、ダブルナット（締結部材）１５７ａで高さ調整されている。すなわち、第１のランナー１５１ａの支持部１５３ａに対して回動又は回転可能な回転軸部材１５５ａは、交差レール１４１ａの軸線から変位して取付金具１５８の延出端部に取り付けられている。
【0080】
そして、第１のランナー１５１ａの車輪１５２ａは、前記交差レール１４１ａに走行可能に装着され、第２のランナー１５１ｂの車輪１５２ｂは、前記メインレール１４１ｂに走行可能に装着されている。そのため、出入り口を形成する間仕切部材２１を回動（間仕切部材２１の側部などを押圧又は牽引して回動）させることにより、前記メインレール１４１ｂに沿って第２のランナー１５１ｂが交差部に近づく方向又は遠ざかる方向に移動するとともに、前記交差レール１４１ａに沿って第１のランナー１５１ａが交差部から遠ざかる方向又は近づく方向に移動し、出入り口（又は入出路）が形成可能である。
【0081】
本発明の間仕切構造（開閉構造）は、種々の態様で構築できる。
【0082】
例えば、レール及びランナーの構造は、レールに沿ってランナーが走行可能であればよく、図２２及び２３に示されるように、レール２０１は、下部開口の断面コ字状の形態を有し、上部壁と、この上部壁の両側部から対向して延びる両側壁２０２と、この両側壁２０２から、高さ位置を異にして、それぞれ内方に延び、先端部が互いに離れて形成された二対の対向延出壁２０４とを備えており、この二対の対向延出壁２０４は、両側壁２０２の下部から延びて、スリット状開口部２０３を形成する第１の対向延出壁（下部延出壁）２０４ａと、この第１の対向延出壁２０４ａよりも上方に位置する第２の対向延出壁（上部延出壁）２０４ｂとを備えている。第１及び第２の対向延出壁２０４の上面は、それぞれ、内方（延出方向）向かって下方に傾斜した傾斜面として形成され、この傾斜面の高さ位置は、第１及び第２の対向延出壁２０４において、互い違いに形成されている。すなわち、第１の対向延出壁（下部延出壁）２０４ａにおいて、一方の延出壁２０４ｃの傾斜面の高さ位置は、他方の延出壁２０４ｄの傾斜面よりも高く形成され、第２の対向延出壁（上部延出壁）２０４ｂにおいて、一方の延出壁２０４ｅの傾斜面の高さ位置は、他方の延出壁２０４ｆの傾斜面よりも低く形成されている。そのため、前記第１の対向延出壁の一方の延出壁２０４ｅ、及び第２の対向延出壁の他方の延出壁２０４ｆをランナー２１１の回転部材と接触可能な走行壁として形成でき、前記第１の対向延出壁の他方の延出壁２０４ｄ、及び第２の突出壁の一方の延出壁２０４ｅは、回転部材と非接触状態でランナー２１１が走行可能であり、ランナー２１１の過度な傾斜を規制する規制壁として機能させることができる。このように、第１の走行壁２０４ａ及び第２の走行壁２０４ｂは、両側壁２０２の内部壁において、互いに高さ方向の異なる位置から互い違いに延出して形成されている。
【0083】
前記第１の走行壁２０４ａ及び第２の走行壁２０４ｂと両側壁２０２の内壁部とのコーナー部には、ランナー２１１の回転部材が走行路（傾斜面）から過度に位置ずれ（走行ずれ）するのを規制するため、内方に突出して規制壁部（規制段部）２０７，２０８，２０９が形成されている。
【0084】
さらに、連結ピン（図示せず）で互いに連結して延長可能とするため、前記レール２０１の４つのコーナー部には、開口部が狭まった断面円弧状（又は断面Ｃ字状）の接続溝２１０ａ，２１０ｂ，２１０ｃ，２１０ｄが形成されている。さらには、上部壁と両側壁２０２とのコーナー部の外壁には、レール２０１を所定部位に取り付けるためのブラケットに対して嵌合又は装着可能な断面コ字状の取り付け溝２０５ａ，２０５ｂが形成されている。
【0085】
一方、ランナー２１１は、前記レール２０１の前記下部開口部（スリット状開口部）２０３に沿ってスライド自在な断面円形状の軸部材２１５と、この軸部材２１５の軸方向（図示する例では、縦方向）に所定間隔をおいて、レール２０１の走行壁２０４ａ，２０４ｂの走行路（接触面）と接触して前記軸部材２１５の周方向（図示する例では横方向又は水平方向）に独立して回転自在が装着又は取り付けられた一対の車輪部２１２とを備えており、この車輪部２１２は、前記軸部材２１５に装着され、周方向に回転可能なボールベアリング（第１のボールベアリング及び第２のボールベアリング）（図示せず）と、走行音を低減するため、各ボールベアリングの外輪を被覆する樹脂層又は樹脂部（図示せず）を備えている。すなわち、前記軸部材２１５は、車輪部２１２に対して回転可能な回転軸部材２１５を形成し、各車輪部２１２は前記走行壁２０４ａ，２０４ｂの傾斜面と接触して、前記軸部材２１５の周方向に回転しながら、レール２０１に沿って走行可能である。このように、一対の車輪部が、移転軸部材の縦方向（軸方向）に対して、横方向（周方向又は水平方向）に回転又は回動可能であるため、湾曲又は屈曲（例えば、直角に屈曲）したレール（又はレールの湾曲又は屈曲部）であっても、脱輪することなく円滑に走行することができる。
【0086】
この例では、２つのランナーの回転軸部材２１５が、それぞれ、前記と同様に、取り付けプレート２２６などを利用して、所定間隔をおいて、上部枠体（取付枠部）２２２ａの枠本体部２２３ａに形成されたアリ溝状の装着凹部（又は装着溝）２２５ａに取り付け可能である。このようなランナーの回転軸部材２１５には、前記と同様に、前記レールとパネルとの遊離間隔を調整するため、前記ネジ部に螺合可能な２つの螺合部材（２つのナット）２１７ａ，２１７ｂが螺合可能である。
【0087】
また、前記と同様に、上部枠体（取付枠部）２２２ａの取付壁部２２４ａには、パネル２２１の上端部が取り付け可能であり、下部枠体２２２ｂの取付壁部２２４ｂには、パネル２２１の下端部が取り付け可能である。すなわち、前記と同様に、前記パネル２２１の上端部及び下端部の両面には、長尺の緩衝材（クッション材又はパッキン）２９０ａ，２９０ｂが配置され、前記取付壁部２２４ａ，２２４ｂに対して、外側の緩衝材（又はパッキン）２９０ｂを押えプレート２９１ｂで押圧又は挟圧した状態で、ネジ部材（ボルト）２９２ａ及びナット２９２ｂで締結して圧着している。
【0088】
なお、前記パネル２２１の両側端部（又は側縁部）には、縦方向に沿って透明な保護材２９７が装着され、この保護材には、側部フレーム２９８が装着され、間仕切部材（パネル２２１）の反りを有効に抑制している。
【0089】
そして、前記パネル２２１の下部取り付け枠部２２２ｂ（又は前記レール２０１）に対応して、床部の仕切路（開閉路）には長尺な敷設部材２９６が取り付けられ、前記パネル２２１の下部取り付け枠部２２２ｂに装着された第１のマグネット部材２９５ａと、前記敷設部材２９６に装着された第２のマグネット部材２９５ｂとが互いに対向している。
【0090】
上下部枠体（取付枠部）２２２ａ，２２２ｂの両側部には、外観を向上させるため、一対の枠体カバー３０１が取り付け又は装着可能である。すなわち、上下部枠体（取付枠部）２２２ａ，２２２ｂの枠本体部２２３ａ，２２３ｂの側壁には、ブッシュを備えた取り付けビス（ブッシュ付きビス）３０２が螺着可能であり、このブッシュ付きビス３０２は、枠本体部２２３ａ，２２３ｂの両側壁に沿って装着された一対の枠体カバー３０１を係止又は保持可能である。前記枠体カバー３０１は、上下枠体（取付枠部）２２２ａ，２２２ｂの取付壁部２２４ａ，２２４ｂ又は前記パネル２２１の押えプレート２９１ｂに係止可能な湾曲部３０３と、この湾曲部３０３から延びる側壁部３０４と、この側壁部３０４の途中部の内壁から延び、かつ前記枠本体部の側壁と接触可能な屈曲壁を備えた中間壁部３０５と、前記側壁部３０４の端部から屈曲し、前記枠本体部の側壁と接触可能な屈曲部３０６とを備えており、前記湾曲部３０３の内壁と、中間壁部３０５とには、互いに対向して開口した断面円弧状のネジ孔部３０７を有する連結部が延出して形成され、前記中間壁部３０５と屈曲部３０６とには、前記枠体カバーの装着状態で、前記ブッシュ付きビスのブッシュに係合可能な係合延出部３０８が形成されている。さらに、前記屈曲部３０６には、開口部の幅が狭まったアリ溝状装着溝３０９が形成されており、このアリ溝状装着溝３０９には、ランナーを遮蔽して外観をよくするための遮蔽部材（この例では、ブラシ状の遮蔽部材）３１０が装着可能である。
【0091】
さらに、上部枠体のうち、少なくともレールに沿って可動な上部枠体（配線枠体、取付枠部）の対向部（隣接する上部枠体２２２ａの対向部に対する対向部）には、通電アセンブリ４３１，４４１が装着可能である。この例では、図２７に示されるように、通電アセンブリ４３１，４４１は、前記上部枠体２２２ａ（前記枠本体部２２３ａ及び取付壁部２２４ａ）の対向部にそれぞれ装着又は取り付け可能な入力用装着部材（第１のコネクタ、装着キャップ）４３３及び出力用装着部材（第２のコネクタ、装着キャップ）４４３と、これらの入力用装着部材４３３に、縦方向に間隔をおいて形成され、枠本体部２２３ａの中空部（配設路）の配線４３２と接続可能な通電ピン（接続端子）４３５とを備えている。
【0092】
前記と同様に、図２２，２７，２８及び２９に示されるように、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）４３３は、マグネットプラグを形成し、前記出力用装着部材（第２のコネクタ）４４３は、マグネットプラグ受けを形成している。すなわち、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）４３３は、上部枠体２２２ａの開口端部に装着可能なキャップ本体４３４と、このキャップ本体４３４のフロント側（接続側又は対向側）に形成された凹部域と、前記キャップ本体４３４のリア側（上部枠体に対する装着側）に形成され、上部枠体２２２ａの開口端に対応した装着部（図示せず）とを有しており；前記キャップ本体４３４は、前記と同様に、キャップ本体４３４のリア側に位置するＬ字状の接続アングル（接続部材又は固定端子）４３６と接続された形態で、前記凹部域で突出し、前記配線４３２と接続された一対の通電ピン（端子）４３５と；この一対の通電ピン４３５の間のキャップ本体に縦方向に装着されたマグネット（板状マグネット）４３７とを備えている。なお、この例でも、通電ピン４３５の軸方向の所定部には、前記凹部域の装着孔（図示せず）への進入を規制する規制部４３５ａが形成され、前記アングル４３６の屈曲部は、通電ピン４３５と接続（例えば、スポット溶接、圧接などにより一体に接続）され、前記アングル（接続部材）４３６の延出部は前記配線４３２と接続されている。すなわち、前記凹部域では、前方に臨むマグネット４３７の両側部で一対の通電ピン４３５が突出している。
【0093】
さらに、入力用装着部材（第１のコネクタ）４３３のキャップ本体４３４のリア側では、上部枠体２２２ａの開口端部に対する装着を容易にするためのガイド壁４４０が突出し、キャップ本体４３４の両側部には、キャップ本体の過度な侵入を規制するための侵入規制壁（側方に突出する規制部）４３８が形成され、キャップ本体４３４の下部には、縦方向に延び、前記パネル２２１の上端部を装着するためのパネル装着凹部（切欠き凹部）４３９が形成されている。なお、キャップ本体４３４には、樹脂又はプラスチック成形において、歪みが生じるのを抑制するため、肉抜き部（例えば、図示する例では、キャップ本体の下部において、リア側からフロント側に延びる切欠き部など）が形成されている。
【0094】
一方、前記出力用装着部材（第２のコネクタ）４４３は、図２９に示されるように、ネジ部材又はビス４４９で互いに締結可能な一対のコネクタ部材（キャップ部材）で形成されたキャップ本体４４４を備えており、このキャップ本体（前記一対のコネクタ部材）には、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）４３３の凹部域に対応するフロント側（接続側又は対向側）に突出した突出域が、一対のコネクタ部材の境界域を跨いで形成され、一対のコネクタ部材には、マグネット（板状マグネット）４４６が配設可能であり、このマグネットの両側に対応する装着溝には、一対の強磁性体のプレート（鉄板など）４４７が装着可能であり、この一対の強磁性体のプレート４４７はマグネット（板状マグネット）４４６により磁化可能である。なお、一対のコネクタ部材の境界域を跨いで、マグネット（板状マグネット）４４６及び一対の強磁性体のプレート（鉄板など）４４７が装着可能である。この強磁性体のプレート４４７の端部は、前記突出域から露出又は突出した形態で、前記入力用装着部材（第１のコネクタ）４３３のマグネット４３７と対向して、前記マグネット４３７と接触可能である。
【0095】
さらに、前記突出域のうち、前記一対の通電ピン（端子）４３５に対応する部位には、前記一対の通電ピン４３５が挿入可能な孔部４４２が形成されている。すなわち、前記一対の通電ピン４３５に対応する突出域の部位、すなわち、前記一対の強磁性体のプレート４４７に対して両側部の絶縁部には、前記孔部４４２を通じて前記一対の通電ピン４３５がそれぞれ弾性的に接触可能であり、かつ前記配線４３２に接続された一対の導電バネ部材（接続バネ部材；端子）４４８が配設されている。この導電バネ部材４４８は、前記と同様の形態（一対の通電ピン４３５と接触可能なコ字状部と、湾曲部と、配線４３２が接続可能なリア部とを有する形態）を有している。
【0096】
なお、入力用装着部材（第１のコネクタ）４３３のキャップ本体４３４と同じく、前記出力用装着部材（第２のコネクタ）４４３のキャップ本体のリア側には、上部枠体２２２ａの開口端部に対するガイド壁４４０が突出し、キャップ本体の両側部には、侵入規制壁（側方に突出する規制部）４３８が形成され、キャップ本体の下部には、前記パネル２２１の上端部を装着するためのパネル装着凹部（切欠き凹部）４３９が形成されている。また、キャップ本体には、樹脂又はプラスチック成形での歪みを抑制するため、肉抜き部（例えば、前記と同様に、キャップ本体の下部に形成された切欠き部など）が形成されている。
【0097】
このような通電アセンブリ４３１，４４１を利用すると、前記と同様に、マグネットプラグとしての入力用装着部材（第１のコネクタ）４３３とマグネットプラグ受けとしての出力用装着部材（第２のコネクタ）４４３とを利用して、位置ずれすることなく、レール２０１に沿って隣接して移動又は走行可能複数のパネル２２１を電気的に接続できる。さらに、このような通電アセンブリ４３１，４４１を利用すると、前記と同様に、複数のパネル２２１のうち、少なくも一方の端部に位置し、間仕切空間の壁部（パネル２２１の移動が規制される規制壁部又は固定壁部）に隣接するパネル２２１にも給電可能である。
【0098】
このような間仕切構造（開閉構造）において、例えば、図３０及び３１に示されるように、規制壁部（例えば、支柱部などの固定壁部）４６１には、立設枠体４６２が立設した状態で取り付け可能である。前記立設枠体４６２は、長手方向に延び、前記規制壁部４６１に対して取付け可能な取付壁４６５を備えた長尺の断面コ字状の枠本体４６３と、この枠本体４６３の一方の側部から前記パネル２２１の移動方向に延びる延出壁部４６８と、前記枠本体４６３の開口部に隣接する内壁から互いに対向して延出（又は突出）した形態で形成され、前記内壁を含めて断面コ字状の挟着凹部壁４６４ａを有する一対の挟着壁４６４とを備えており、前記挟着凹部壁４６４ａの開口先端部は、互いに近づく方向に屈曲して開口幅が狭まる先端屈曲部を形成している。
【0099】
なお、前記延出壁部４６８は、前記パネル２２１の前記上部枠体（中空取付枠部）２２２ａを案内可能なガイド壁４６８として機能させることができる。また、前記取付壁部（前記ガイド壁）４６８は、前記規制壁部４６１とこの規制壁部４６１に隣接するパネル２２１の側縁との隙間をカバーでき、前記パネル２２１の側部の揺れを抑制できるとともに美観を向上できる。
【0100】
このような立設枠体４６２の上部には、通電アセンブリ４７１が、高さ位置を調整可能に装着又は取り付けられている。すなわち、通電アセンブリ４７１は、前記枠本体４６３の断面コ字状中空部（スライド装着凹部）の所定の高さ位置に配設され、立設枠体（中空取付枠部）４６２に対して挟着機構を利用して取り付け可能である。すなわち、前記枠本体４６３の挟着壁４６４のうち、所定の高さ位置に配設された通電アセンブリ４７１の上下部の挟着壁（一対の挟着壁のうち奥部の挟着壁）４６４には、ネジ部材４８１で上下各一対の挟着プレート４８２が挟着され、通電アセンブリ４７１を位置決めして不動状に取り付け可能である。
【0101】
なお、この通電アセンブリ４７１は、配線４７２と接続可能な出力用装着部材（第２のコネクタ、装着キャップ）４７３を備えており、前記配線４７２は、外部電源に接続可能である。
【0102】
また、前記一対の挟着壁には、スライド式にゴム製クッション部材４８３が装着されている。すなわち、このクッション部材４８３は、断面半円状又は三日月状の中空部を有するクッション本体部４８４と、このクッション本体部４８４の両端部から延出し、前記一対の挟着壁４６４に装着可能な装着延出部４８５とを備えている。この例では、クッション部材４８３は、幅方向に延びる平坦部４８４ａと、この平坦部の両側部（装着延出部）４８５を余して、前記平坦部から遊離して湾曲して膨出する弧状部４８４ｂとを備え、クッション性を高めるため、前記平坦部と弧状部との間に前記中空部が形成されている。
【0103】
図２４～２６に示されるように、前記下部枠体２２２ｂの両端部には、装着キャップ５０１が装着されている。この装着キャップ５０１は、下部枠体の両端開口部に装着可能な装着部５０４を備えた一対の第１のキャップ部材５０２と、第１のキャップ部材５０２の両側部に隣接して前記枠体カバー３０１の開口部に装着可能な一対の第２のキャップ部材５０３とを備えている。
【0104】
前記一対の第１のキャップ部材５０２のうち、前記下部枠体の一方の端部に装着可能な一方の第１のキャップ部材５０２ａは、前記枠本体部２２３ｂ及び取付壁部２２４ｂに対応して装着可能なキャップ本体５０５と、このキャップ本体５０５の両側部のうち、前記枠本体部２２３ｂに対応し、他方の第１のキャップ部材５０２ｂとの対向部側の両側部から、前記枠本体部２２３ｂに対する装着方向に舌片状に延び、ビス５０７で前記第１のキャップ部材５０２ａを前記枠本体部２２３ｂに固定するためのキャップ固定部５０８と、他方の第１のキャップ部材５０２ｂとの対向部（フロント壁）に形成され、マグネット受け（鉄などの強磁性体プレート、マグネットキャッチなど）５１０ａを配設してビスで固定可能な収容凹部５０６ａとを備えている。前記キャップ本体５０５と前記キャップ固定部５０８との間には、前記枠本体部２２３ｂの側壁が挿入又は装着可能な切欠き部が形成されている。そのため、前記枠本体部２２３ｂの側壁を前記切欠き部に挿入又は装着した状態で、前記枠本体部２２３ｂの側壁と第１のキャップ部材５０２ａとを、前記キャップ固定部５０８の孔部を利用してビス５０７で一体に締結固定可能である。
【0105】
なお、キャップ固定部５０８の側壁には、前記枠本体部２２３ｂ及び取付壁部２２４ｂに対して第１のキャップ部材５０２が過度に侵入するのを規制するための凸状規制部５０９が形成されている。
【0106】
前記下部枠体の他方の端部に装着可能な他方の第１のキャップ部材５０２ｂは、前記一方の第１のキャップ部材５０２ａに対して、概略左右対称の構造を有しており、一方の第１のキャップ部材５０２ａとの対向部に、前記一方の第１のキャップ部材５０２ａの収容凹部５０６ａの内壁に装着可能な矩形枠状壁５０６ｂが形成され、この矩形枠状壁５０６ｂ内には、前記マグネット受け５１０ａと磁気的に作用するマグネット（磁石）５１０ｂが配設され、ビスで固定可能である。そのため、間仕切り部材の下部枠体の対向部を、前記収容凹部５０６ａに矩形枠状壁５０６ｂを収容した状態で磁気的に吸着でき、隣接する間仕切り部材を整列できる。
【0107】
前記一対の第２のキャップ部材５０３は、前記枠体カバー３０１の開口部に対応した形態を有しており、前記枠体カバー３０１の前記湾曲部３０３の内壁及び中間壁部３０５から延出する連結部のネジ孔部３０７に対応して形成されたネジ孔部５２１と、前記枠体カバー３０１の屈曲部３０６に対応して形成されたアリ溝状装着溝５２２とを備えている。そのため、第１のキャップ部材５０２を前記枠本体部２２３ｂ及び取付壁部２２４ｂに装着し、この第１のキャップ部材５０２の両側部に隣接して、第２のキャップ部材５０３を前記枠カバー３０１の開口部に装着し、前記枠体カバーの連結部のネジ孔部３０７と、第２のキャップ部材５０３のネジ孔部５２１とを利用して、ビス５２３で螺合することにより枠体カバー３０１と第２のキャップ部材５０３とを締結できる。
【0108】
なお、上部枠体の両端部に装着される入力用装着部材（第１のコネクタ、装着キャップ）４３３及び出力用装着部材（第２のコネクタ、装着キャップ）４４３は、第１のキャップ部材５０２に相当する。そのため、上部枠体の両端部に装着された入力用装着部材４３３及び出力用装着部材４４３の両側部には、入出力用装着部材４３３，４４３に隣接して、それぞれ、一対の第２のキャップ部材５０３が装着されている。この第２のキャップ部材５０３のアリ溝状装着溝には、前記遮蔽部材（ブラシ状遮蔽部材など）を配設できる。
【0109】
このような間仕切構造（開閉構造）では、１枚の間仕切部材（パネル）に、２つのランナー（回転軸部材）を取り付けても、前記のように、間仕切部材が移動可能なメインレールと交差レールとを利用して出入り口を形成できる。また、このような間仕切構造（開閉構造）では、少なくとも１つの交差レールを利用して出入口を形成でき、間仕切部材が移動可能なメインレールと交差レールに加え、間仕切部材を誘導して収納するための誘導レールを利用して、出入口及び収納部を形成してもよい。すなわち、前記間仕切部材が移動可能なメインレールと、このレールに対して交差する２つの交差レール（メインレールから同じ側方に分岐した形態で直交する方向に延びる第１及び第２の交差レール）と、前記メインレールと平行に、所定間隔をおいて２つの交差レールを連結する誘導レールとを備えていてもよい。前記メインレール、前記交差レール及び誘導レール（前記交差レール及び誘導レールをまとめて案内レールともいう）の走行路は、互いに連絡してループ状の走行路を形成してもよい。前記間仕切部材の長手又は移動方向の異なる部位に取り付けられた２つのランナーを、前記案内レールに走行可能に装着し、出入り口（又は出入り口構造）及び収納部（又は収納構造）を形成してもよい。
【0110】
図３２は、別の出入り口又は収納構造を示す概略斜視図であり、図３３は、この出入り口又は収納構造の概略図である。この例では、移動方向に所定間隔をおいて２つのランナーの回転軸部材が取り付けられた前記間仕切部材（パネル）６２１ａ，６２１ｂが移動可能なメインレール（前記間仕切部材６２１ａ，６２１ｂで開閉空間を開閉するためのメインレール）６７３ｂと、このレールに対して直交する方向に交差する２つの交差レール（図示する例で、所定間隔をおいて、メインレールから一方の側方に延びる２つの交差レール）６７３ａ，６７３ｃと、２つの交差レールを、前記メインレールと平行に所定間隔をあけて連結する誘導レール６７３ｄとを備えている。前記２つの交差レールは、複数の間仕切部材のうち、前記メインレールの端部側（出入り口側）に位置する第１の間仕切部材６２１ａに取り付けられた２つのランナーのうち先頭の第１のランナー６８１ａが、前記メインレール６７３ｂを経て案内可能な第１の交差レール（第１の間仕切部材で出入り口を形成可能な第１の交差レール）６７３ａと、前記第１の間仕切部材６２１ａに後続する少なくとも１つの第２の間仕切部材６２１ｂの先頭の第１のランナー６９１ａが、前記メインレール６７３ｂを経て案内可能な第２の交差レール（後続する第２の間仕切部材を収容するために利用可能な第２の交差レール）６７３ｃとで形成されている。２つの交差レール６７３ａ，６７３ｃ、及び前記誘導レール６７３ｄは、それぞれ、前記レール（メインレール）６７３ｂと同様な構造を有している。各レールの走行壁は、矩形状（又は閉じたループ状）に周回可能な形態で互いに連絡しており、前記間仕切部材（パネル）６２１ａ，６２１ｂを収納可能な収納部６９３を形成している。
【0111】
より詳細には、この例では、出入り口（又は入出路）を形成する第１の間仕切部材６２１ａの上部取り付け枠部２２２ａの枠本体部２２３ａの上端部のうち、前記交差レール６７３ａ側に位置する端部と、この第１の間仕切部材６２１ａの長手又は移動方向の中央部（又は重心部）とには、それぞれ、前記と同様の第１及び第２のランナー６８１ａ，６８１ｂの回転軸部材のネジ部（図示せず）が回動自在に取り付けられている。一方、開閉空間をする形成する第２の間仕切部材６２１ｂでは、前記第２の間仕切部材６２１ｂの上部取り付け枠部２２２ａの枠本体部２２３ａの上端部のうち両端部に、それぞれ、前記と同様の第１及び第２のランナー６９１ａ，６９１ｂの回転軸部材のネジ部（図示せず）が回動自在に取り付けられている。前記第２の間仕切部材６２１ｂでは、前記第１及び第２のランナー６９１ａ，６９１ｂは、メインレール６７３ｂ及び誘導レール６７３ｄを同時に走行可能な間隔で（前記第１及び第２のランナー６９１ａ，６９１ｂが交差レール６７３ａ，６７３ｃと略同じ長さの間隔をおいて）取り付けられている。
【0112】
すなわち、このような開閉構造では、第１の間仕切部材６２１ａの先頭の（第１の）ランナー６８１ａが、メインレール６７３ｂと第１の交差レール６７３ａとの交差部に向かって前進動して、前記メインレール６７３ｂを経て第１の交差レール６７３ａを走行し、連動して後続の（第２の）ランナー６８１ｂが前記メインレール６７３ｂに沿って走行可能であり、前記第１の間仕切部材６２１ａが周方向（図３３の例では、時計回り方向）に方向転換（又は回動）して開く。この例では、出入り口の開状態において、第１の間仕切部材６２１ａが立設枠体４６２のガイド壁４６８に接触可能である。一方、開いた状態の第１の間仕切部材６２１ａの後続の（第２の）ランナー６８１ｂが、後退動して、前記メインレール６７３ｂに沿って出入り口を閉じる方向に走行し、前記第１のランナー６８１ａが第１の交差レール６７３ａを経て前記メインレール６７３ｂを走行すると、前記第１の間仕切部材６２１ａが、周方向（図３３の例では、反時計回りの方向）に方向転換（又は回動）して出入り口を閉じ、出入り口（又は入出路）を形成できる。
【0113】
なお、図３２に示されるように、第１の間仕切部材の下部枠体２２３ｂには、前記第１の間仕切部材の移動方向において、上部枠体２２３ａの第２のランナー６８１ｂに対応する位置に、ピポット６９４が装着されており、床部の仕切路（開閉路）に取り付けられる長尺な敷設部材（又は敷設部材の装着凹部）２９６と作用して、開閉操作において、第１の間仕切部材が斜めを向くことなく、前記第１の交差レール６７３ａに沿って安定して開き状態を維持している。
【0114】
また、出入り口が開いた状態（出入り口の前記第１の間仕切部材６２１ａが開いた状態）で、前記第１の間仕切部材６２１ａに後続する１又は複数の前記第２の間仕切部材６２１ｂの先頭の第１のランナー６９１ａを、前記メインレール６７３ｂを経て第２の交差レール６７３ｃに案内し、後続する第２のランナー６９１ｂをメインレール６７３ｂに沿って案内し、第２の間仕切部材６２１ｂを、整列した状態で安定して収納部に収納可能することもできる。
【0115】
すなわち、前記第１の間仕切部材６２１ａが開いた状態で、前記第２の間仕切部材６２１ｂの先頭の第１のランナー６９１ａがメインレール６７３ｂを経て第２の交差レール６７３ｃを走行すると、連動して後続の第２のランナー６９１ｂが前記メインレール６７３ｂに沿って走行し、さらに第１の交差レール６７３ａの方向に前進動すると、先頭の第１のランナー６９１ａが、前記誘導レール６７３ｄに沿って案内（又は走行）され、かつ後続の第２のランナー６９１ｂが、前記メインレール６７３ｂに沿って案内（又は走行）される。そのため、第２の間仕切部材６２１ｂは、前記誘導レール６７３ｄと前記メインレール６７３ｂとを跨いだ状態（第２の間仕切部材６２１ｂが第１又は第２の交差レール６７３ａ，６７３ｃと平行に配された状態）で前記第１の交差レール６７３ａの方向に前進動可能であり、前記第１の間仕切部材６２１ａに隣接して配設でき、少なくとも１つの第２の間仕切部材を収納部６９３に整列して収納可能である。
【0116】
一方、出入口を形成する第１の間仕切部材６２１ａ、並びに前記収納部６９３に収納されている１又は複数の前記第２の間仕切部材６２１ｂを後退動させることにより、開閉空間の閉じ状態を形成できる。
【0117】
前記収納部を形成する２つの交差レールの長さは、前記間仕切部材（第２の間仕切部材）の両端部に取り付けられた２つのランナーの間隔と概ね同じ長さに設定されている。また、前記収納部を形成する前記誘導レールの長さは、前記第２の間仕切部材を収納状態から、開閉空間の閉じ状態に移行する際（後退動させる際）に、前記第２の間仕切部材の第２のランナーが、メインレールの両端部のうち、前記収納部が形成されている端部の方向（図３３の例では、左方向）に戻るのを規制するため、前記第２の間仕切部材の２つのランナーの間隔よりも短く設定されている。
【0118】
このような開閉構造では、ランナーの車輪が、縦方向（垂直方向）の回転軸部材に対して、水平方向に車輪が回転するため、レールが屈曲（直角に屈曲）又は湾曲していても、又は、レールの屈曲（直角に屈曲）又は湾曲部であっても、円滑に走行でき、スペースが限られた小さな空間であっても、スムーズに間仕切部材の開閉又は収納が可能である。また、間仕切部材には、複数（例えば、２つ）のランナーが取り付けられており、複数（例えば、２つ）のランナーで間仕切部材を支持するため、前記間仕切部材が揺動（横揺れ）することなく、安定して配設又は収納できる。
【0119】
［移動機構］
本発明の間仕切構造（開閉構造）は、少なくとも１つの間仕切部材を所定の方向に移動可能な移動機構を備えている。移動機構は、間仕切部材を移動させて、空間を開閉可能であればよく、間仕切部材の移動方向は、斜め方向（上昇又は下降方向）であってもよく、通常、間仕切部材を左右方向、上下方向及び水平又は前後方向のうち少なくとも一方の方向に移動可能である。このような移動機構は特に制限されず、例えば、（１）走行機構（車輪移動機構）及び／又は（２）進退動機構を備えていてもよい。間仕切部材は手動で移動させてもよい。
本発明の間仕切構造（開閉構造）は、少なくとも１つの間仕切部材を所定の方向に移動可能な移動機構を備えている。移動機構は、間仕切部材を移動させて、空間を開閉可能であればよく、間仕切部材の移動方向は、斜め方向（上昇又は下降方向）であってもよく、通常、間仕切部材を左右方向、上下方向及び水平又は前後方向のうち少なくとも一方の方向に移動可能である。このような移動機構は特に制限されず、例えば、（１）走行機構（車輪移動機構）及び／又は（２）進退動機構を備えていてもよい。間仕切部材は手動で移動させてもよい。
【0120】
前記（１）走行機構（車輪移動機構）は、レール（又は軌道）と、このレールに沿って走行可能なランナーとを備えていてもよく、このランナーには、前記間仕切部材が取り付け可能であってもよい。なお、前記（１）走行機構（車輪移動機構）において、（ａ１）レールを横方向に配設し、ランナーの走行により、１又は複数の間仕切部材を左右方向に移動させてもよく、（ａ２）レール（例えば、一対のレール）を縦方向に配設し、ランナーの走行により、間仕切部材をレールに沿って（例えば、一対のレール間で）上下方向に移動させてもよく、（ａ３）レール（例えば、一対のレール）を水平又は前後方向に配設し、ランナーの走行により、間仕切部材をレールに沿って（例えば、一対のレール間で）で水平又は前後方向に移動させてもよい。
【0121】
前記（２）進退動機構は、前記間仕切空間を前記所定の方向に進退動可能であればよく、前記間仕切部材を前記間仕切空間の上部に位置し、前記間仕切部材を少なくとも上昇及び下降可能（上下方向に移動可能）な上下動機構、前記間仕切部材を前記所定の方向に往復動可能な往復動機構などであってもよい。前記上下動機構は、間仕切部材を昇降動させる昇降動機構（リフト機構）などであってもよく、上下動機構（及び昇降動機構）は、前記間仕切部材を巻回（巻き取り）及び巻き戻し（繰り出し）て昇降動可能な巻取機構などであってもよい。なお、上記のように、前記上下動機構は、縦方向に配設可能な一対のレールと、一対のレール間で上下方向に走行又は移動可能な少なくとも一対のランナーとを備えていてもよく、前記間仕切部材の両端部を一対のランナーに接続又は連結して上下方向に移動させてもよい。また、前記上下動機構は、単一の間仕切部材を上下動させてもよく、複数の間仕切部材が隣接した状態で上下動させてもよく、複数の間仕切部材の各間仕切部材を複数の上下動機構でそれぞれ上下動させてもよい。前記上下動機構は、重ね合わせた状態（積層状態）又は巻取状態の前記間仕切部材を収納可能な収納部を備えていてもよい。
【0122】
前記往復動機構又は伸縮動機構は、牽引動であってもよく、シリンダー、カム、ベルト、チェイン、リンク、歯車、ラック・ピニオンなどを備えた往復動機構又は直線運動機構などであってもよい。
【0123】
なお、移動機構は、前記間仕切部材を、左右方向及び上下方向の双方の方向に移動可能であってもよい。例えば、前記上下動機構と水平往復動機構とを組み合わせ、前記間仕切部材を左右方向及び上下方向に移動させてもよい。水平往復動機構は、例えば、スライドレール（前記レールを含む）と、このスライドレールに沿ってスライド可能であり、前記上下動機構が取り付け可能なスライド部材（前記上下動機構が回転及び／又は揺動可能に取り付けられたランナー、前記上下動機構が固定可能なスライド部材）とを備えていてもよい。
【0124】
好ましい移動機構は、レール（又は軌道）とランナーとを備えた走行機構、特に、１又は複数の間仕切部材（特に、複数の間仕切部材）を左右方向に移動可能な走行機構である。
【0125】
［レール］
なお、レールの構造は特に限定されず、ランナーが走行可能な走行路を備えていればよく、１つの走行路を備えていてもよいが、好ましくは少なくとも一対の走行路を備えていてもよい。レールは、例えば、（ｉ）中空筒状のレール本体と、このレール本体の長手方向に延びるスリット状開口部と、この開口部の両側部に形成され、ランナーの車輪が走行可能な走行路（一対の走行路）とを備えた形態のレールであってもよく；（ｉｉ）中空筒状のレール本体と、このレール本体の下部で長手方向に延びるスリット状開口部と、レール本体の両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに内方に延出し、延出方向に向かって下方に傾斜した少なくとも一対の走行路とを備えたレールであってもよく；（iii）縦方向にプレート状（板状又は支持壁状）に延びるレール本体と、このレール本体の少なくとも下端部（好ましくは下端部及び上端部）から両側方向に延びてランナーの車輪が走行可能な走行路（一対の走行路）とを備えていてもよい。前記レール（ｉｉ）において、少なくとも上下一対の走行路を、高さ位置を異にして互い違いに形成すればよく、２～４程度の走行路を、高さ位置を異にして互い違いに形成してもよい。
なお、レールの構造は特に限定されず、ランナーが走行可能な走行路を備えていればよく、１つの走行路を備えていてもよいが、好ましくは少なくとも一対の走行路を備えていてもよい。レールは、例えば、（ｉ）中空筒状のレール本体と、このレール本体の長手方向に延びるスリット状開口部と、この開口部の両側部に形成され、ランナーの車輪が走行可能な走行路（一対の走行路）とを備えた形態のレールであってもよく；（ｉｉ）中空筒状のレール本体と、このレール本体の下部で長手方向に延びるスリット状開口部と、レール本体の両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに内方に延出し、延出方向に向かって下方に傾斜した少なくとも一対の走行路とを備えたレールであってもよく；（iii）縦方向にプレート状（板状又は支持壁状）に延びるレール本体と、このレール本体の少なくとも下端部（好ましくは下端部及び上端部）から両側方向に延びてランナーの車輪が走行可能な走行路（一対の走行路）とを備えていてもよい。前記レール（ｉｉ）において、少なくとも上下一対の走行路を、高さ位置を異にして互い違いに形成すればよく、２～４程度の走行路を、高さ位置を異にして互い違いに形成してもよい。
【0126】
レールの走行路は、ランナーの車輪が走行可能であればよく、必ずしも断面Ｖ字状である必要はなく、断面Ｕ字状であってもよく、傾斜又は平坦状などであってもよく、隆起していてもよい。また、レールの走行路は、高さ位置を異にして互い違いに、レールの両側壁の内壁から内方に延び、延出方向に向かって上方又は下方に傾斜した傾斜面（傾斜壁）であってもよい。好ましい走行路は、ランナー及び間仕切部材の揺動を抑制可能な形態、例えば、断面Ｕ字状、断面Ｖ字状の走行路、高さ位置を異にして互い違いに、レールの両側壁の内壁から内方に延び、延出方向に向かって下方に傾斜した傾斜壁で形成される走行路、特に断面Ｖ字状の走行路、高さ位置を異にして互い違いに、レールの両側壁の内壁から内方に延び、延出方向に向かって下方に傾斜した傾斜壁で形成される走行路を有している。
【0127】
なお、必要であれば、ランナーが走行可能である限り、レールは湾曲又は屈曲していてもよく、メインレールからサブレールが分岐した分岐レール（又は交差レール若しくは案内レール）、例えば、直角に分岐したレールであってもよい。レールは、好ましくは直線状に又は湾曲（例えば、緩やかに湾曲）して延びており、特に、直線状に延びている。
【0128】
必ずしも必要ではないが、複数の間仕切部材は、重ね合わせた状態又は折り重ねた状態で収納部に収納してもよい。すなわち、前記レール（又は開閉空間を間仕切部材で開閉させるためのメインレール）の長手方向（又は移動方向）の少なくとも一方の端部には、複数の間仕切部材を折り重ねた状態で収納可能な収納部に前記ランナーを案内又は誘導するための案内レールを（Ｌ字状、コ字状、矩形又は方形状などの形態で分岐して）接続してもよい。例えば、この案内レールは、前記メインレールの長手方向（又は移動方向）の端部において、前記メインレールの軸方向又は長手方向に対して交差又は直交する方向に分岐して延びる交差レールと、この交差レールから前記メインレールの軸方向又は長手方向（又は移動方向）に沿って延び（又は前記メインレールと平行に延び）、前記収納部に至る誘導レール（収納レール）とを備えていてもよい。なお、前記２つの交差レールと前記誘導レール（又は収納レール）とをまとめて「案内レール」と称する場合がある。前記メインレールと前記案内レール又は交差レールとの交差部、並びに前記交差レールと誘導レール（収納レール）との交差部は、ランナーを円滑に走行させるため、湾曲していてもよい。また、前記交差部があってもランナーを円滑に走行させるため、ランナーは、走行方向に間隔をおいて複数対の車輪（好ましくは二対～五対の車輪、特に、二対又は三対、或いは三対又は四対の車輪）を備えていてもよい。
【0129】
このような案内レールを有する開閉構造は、間仕切部材に少なくとも１つ（１又は複数（例えば、２つ））のランナーを取り付けた開閉構造で有用であり；間仕切部材に１つのランナーを取り付けた開閉構造では、複数の間仕切部材を回転又は回動させて（レールに対して交差又は直交する方向に回転又は回動させて）折り重ねた状態でメインレール１の端部に移行できるため、必ずしも収納部を形成しなくてもよい。また、間仕切部材に複数（例えば、２つ）のランナーを取り付けた開閉構造でも、複数（例えば、２つ）のランナーで間仕切部材を懸垂しつつ、収納部に収納してもよい。
【0130】
なお、間仕切部材が少なくとも左右方向に移動する態様において、レールは間仕切空間の上部に位置すればよく、レールは天井壁に直接的に取り付けてもよく、吊り下げ部材などのブラケットを利用して、天井壁から離れて間接的に取り付けてもよい。また、前記レールは、間仕切空間を形成する側壁部に取り付け可能なブラケットを利用して、前記側壁部から離れて取り付けてもよい。ブラケットの構造は、特に制限されず、種々のブラケットが利用できる。
【0131】
［ランナー］
ランナーの構造は、レールの形態に応じて選択でき、レールの走行路を走行可能な車輪を有していればよく、レールの走行路を走行可能な１つの車輪を有していてもよいが、好ましくは前記レールの一対の走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪を有しており、複数対の車輪（例えば、二対～五対の車輪、好ましくは二対～四対の車輪、特に、二対又は三対、或いは三対又は四対の車輪）を有していてもよい。
ランナーの構造は、レールの形態に応じて選択でき、レールの走行路を走行可能な車輪を有していればよく、レールの走行路を走行可能な１つの車輪を有していてもよいが、好ましくは前記レールの一対の走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪を有しており、複数対の車輪（例えば、二対～五対の車輪、好ましくは二対～四対の車輪、特に、二対又は三対、或いは三対又は四対の車輪）を有していてもよい。
【0132】
車輪（例えば、前記形態（ｉ）（iii）のレールにおいて、縦方向に回転可能な車輪）の外周部は必ずしも断面Ｖ字状である必要はなく、断面Ｕ字状であってもよく、平坦状などであってもよい。好ましい車輪は、間仕切部材の揺動を抑制可能な形態、例えば、断面Ｕ字状、断面Ｖ字状の外周部、特に断面Ｖ字状の外周部を有している。さらに、車輪の少なくとも外周部は金属で形成してもよいが、レールの走行路との接触で生じる走行騒音を抑制するため、車輪のうち、少なくとも外周部は、樹脂又はプラスチック（例えば、ポリアセタール樹脂）などで形成してもよい。
【0133】
なお、レールの走行路に対応して断面Ｕ字状、断面Ｖ字状の外周部を有する車輪において、前記車輪の外周部の頂部は、前記走行路の谷部に位置していてもよく、前記走行路の谷部よりも前記レールの側部内壁側に位置して走行可能であってもよい。このような車輪は、レールの走行路からの蛇行を規制できるとともに、レールの走行路に対して車輪が外方向に押圧された状態となるため、間仕切部材の揺動を有効に防止できる。
【0134】
また、複数対の車輪（例えば、二対～五対の車輪）を備えたランナーでは、全ての車輪が走行路に接触していてもよいが、複数対の車輪のうち、一部の車輪が走行路と非接触状態となるように形成すると、車輪と走行路との間の摩擦を低減するとともに、「遊び」を利用して、ランナーの走行性を向上できる。
【0135】
なお、支持部の形態は特に制限されず、ランナーの構造に応じて、車輪の車軸部を回転可能に支持できればよく、一対の車輪が車軸部で連結された形態のランナーでは、前記支持部は、例えば、前記車軸部の中央部（一対の車輪の間に位置する車軸部）を支持可能な車軸支持部と、この車軸支持部からＵ字状又はコ字状の形態で分岐して下方に延び、かつ底部に、ランナーの取付部材（回転軸部材などを含む軸部材）が装着可能な装着孔が形成された装着部とを備えていてもよい。このような支持部を備えたランナーは前記形態（ｉ）のレールに適している。
【0136】
また、一対の車輪から車軸部がそれぞれ側部外方向に延びた形態のランナーでは、前記支持部は、例えば、各車輪の側部に位置する車軸部をＵ字状又はコ字状の形態で支持する車軸支持部を備えていてもよく、この車軸支持部の底部に前記装着孔を形成してもよい。このような支持部を備えたランナーは前記形態（iii）のレールに適している。
【0137】
前記形態（ｉｉ）のレールのスリット状開口部に、縦方向に配設された回転軸部材に対して横方向（周方向）に回転可能な車輪を備えたランナーでは、前記回転軸部材を支持部及び車軸部とみなすこともできる。このランナーでは、レール本体の両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに内方に延出する走行壁（走行路）に対応して、回転軸部材の軸方向に間隔をおいて少なくとも２つの車輪が回転軸部材に回転可能に装着可能である。
【0138】
なお、２以上の車輪、例えば、複数対の車輪（例えば、二対～五対の車輪）を有するランナーでは、各車軸支持部（前記形態（ｉｉ）のレールに適したランナーでは回転軸部材）を合流一体化又は連結させて１つの車軸支持部として形成してもよい。
【0139】
前記支持部は、金属で形成してもよく、樹脂又はプラスチックなどで形成してもよい。ベアリング（軸受）は必ずしも必要ではないが、ランナーの走行性及び静音性の点からは、ランナーはベアリング（軸受）を備えているのが好ましい。
【0140】
ランナーは、前記間仕切部材に対して取り付け可能な取付部材（又は取付部、吊り下げ部）を備えており、前記取付部材は、必ずしも装着孔に回転自在に装着された回転軸部材である必要はなく、前記ランナーの支持部から取付部材（吊り下げ部若しくは取付部）が延出し、この取付部材の取付部に間仕切部材を取り付けてもよい。例えば、前記装着孔に回転が規制された形態で取付部材を取り付け（例えば、螺合溝が形成された装着孔に、取付部材としてのボルトのネジ部を螺合させ）、若しくは装着孔を形成することなく、支持部のうち前記装着孔に対応する部位から延出した形態で取付部材（又は取付部）を形成し；この取付部材の取付部に間仕切部材を取り付けてもよい。好ましい態様では、前記形態（ｉ）（iii）のレールに適したランナーは、前記レールの一対の走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪と、この一対の車輪を回転可能に支持する支持部と、（Ｉａ）この支持部に形成され、前記間仕切部材に対して取り付け可能な取付部材、若しくは（Ｉｂ）前記支持部に形成された装着孔と、この装着孔に対して回転可能に装着され、かつ前記間仕切部材に対して取り付け可能な回転部材（回転軸部材など）とを備えている。また、他の好ましい態様では、前記形態（ｉｉ）のレールに適したランナーは、高さ位置を異にして互い違いに形成された少なくとも２つの走行路（例えば、一対の走行路）を走行可能な少なくとも２つの車輪（例えば、一対の車輪）と、これらの車輪を回転可能に支持する回転軸部材と、この回転軸部材に形成され、前記間仕切部材に対して取り付け可能な取付部材とを備えていてもよい。
【0141】
好ましい態様では、ランナーは取付部材として前記回転軸部材（回転部材）を備えている。このような１つの回転軸部材を利用すると、間仕切部材を周方向に回転又は回動させて、空間の閉じ状態では、間仕切部材を前記仕切路（開閉路）に沿って整列させ、空間の開放状態では、間仕切部材を前記仕切路（開閉路）に対して交差する方向に配向させることができる。特に、複数の間仕切部材を前記仕切路（開閉路）に沿って整列させることができるとともに、複数の間仕切部材をそれぞれ前記仕切路（開閉路）に対して交差する方向に配向させて折り畳んだ状態（折り重ねた状態）にして移動させることができる。また、複数の回転軸部材（例えば、２つの回転軸部材）を間仕切部材に取り付けると、間仕切部材を前記仕切路（開閉路）に沿って安定して移動させて複数の間仕切部材を整列でき、出入口及び収納部において、屈曲又は湾曲した走行路でも円滑に移動でき、出入口を円滑に開閉できるとともに、複数の間仕切部材を収納部に折り畳んだ状態（折り重ねた状態）で収納できる。
【0142】
例えば、前記形態（ｉ）のレールにおいて、好ましいランナーは、（ｉａ）前記レールの一対の走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪（一対の車輪；走行方向に対して間隔をおいて設けられた前記前後一対の車輪などの複数対の車輪）と、この一対の車輪の車軸部を回転可能に支持する支持部と、この支持部に形成された装着孔（複数対の車輪に対する支持部では、複数対の車輪の間（好ましくは中心部又は重心部）に位置する部位に形成された装着孔）と、この装着孔に対して、下方への抜け止め状態で回転可能に装着され、かつ前記間仕切部材（パネルなど）に対して取り付け可能な回転軸部材（間仕切部材（パネルなど）に対する取付部を有する回転軸部材）とを備えていてもよい。
【0143】
前記形態（ｉｉ）のレールにおいて、好ましいランナーは、（ｉｉａ）前記レールの開口部（スリット状開口部）に沿ってスライド自在な軸部材と、この軸部材の軸方向に間隔をおいて周方向に独立して回転可能に装着され、前記レールの両側内壁から、高さ位置を異にして互い違いに延出する少なくとも２つの走行路（又は少なくとも一対の走行路）を走行可能な少なくとも２つの車輪（又は少なくとも一対の車輪）とを備えていてもよく、前記軸部材が前記間仕切部材（パネルなど）に対して取り付け可能な回転軸部材を形成してもよい。
【0144】
前記形態（iii）のレールにおいて、好ましいランナーは、（iiiａ）前記走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪と、この一対の車輪の車軸部を、前記車輪に隣接する部位で回転可能に支持し、前記車軸部からＵ字状／コ字状の形態で延びる支持部と、この支持部の底部（平坦な底部など）に形成した装着孔と、この装着孔に対して、下方への抜け止め状態で回転可能に装着された回転軸部材と、この回転軸部材に形成され、かつ間仕切部材（パネルなど）に対して取り付け可能な取付部とを備えていてもよい。
【0145】
なお、間仕切部材が円滑に開閉可能であれば、高さ調整部材は、必ずしも必要ではないが、高さ調整部材をランナーの取付部材（軸部材、回転軸部材）に装着することにより、前記レールに対して複数の間仕切部材の高さ位置を調整又は揃えた状態で間仕切部材により所定の空間を開閉できる。前記高さ調整部材は、レールに対するパネルの高さ（レール又はランナーの支持部からの長さ）が調整可能であればよく、２つの螺合部材（ナット）に限らず、取付部材（例えば、回転軸部材などの軸部材）の構造に応じて選択でき、例えば、取付部材（例えば、回転軸部材）の軸方向に所定間隔をおいて係止凹部／凸部を形成し、高さ調整部材を、この係止凹部／凸部に対して係止可能な係止部を有する筒体（取付部材が装着可能な中空筒体など）で形成してもよく、この係止部は筒体の半径方向に出没可能であってもよい。好ましい高さ調整部材は、前記取付部材（軸部材、回転軸部材）に装着可能であり、前記レールに対するランナーの高さ位置を調整可能であり；高さ位置を連続的に調整するため、ネジ機構を利用するのが好ましく、ランナーの取付部材（軸部材、回転軸部材）のネジ部に対して螺合可能な少なくとも１つの螺合部材、特に２つのナットで形成された螺合締結部材（ダブルナット）を備えていてもよい。なお、第２の螺合部材（ナット）のフランジ部１８は必ずしも必要ではない。また、取付プレート２６に当接又は接触可能な座金１９も必ずしも必要ではない。
【0146】
前記のように、１つの間仕切部材には少なくとも１つのランナー（前記ランナーの軸部材などの取付部材）を取り付ければよく、間仕切部材の幅（又は間仕切部材の上端部の長さ）などに応じて、複数のランナー、例えば、２～１０のランナー、好ましくは２～５、さらに好ましくは２～３のランナーを取り付けてもよい。好ましい態様では、１つの間仕切部材（例えば、間仕切部材の上端部の長さ方向の中央部又は重心部）には１又は複数のランナーの取付部材（前記ランナーの１又は複数の軸部材、特に回転軸部材）を取り付けてもよく、下記のように、１つの間仕切部材に２つのランナーの取付部材（軸部材、特に回転軸部材）を取り付けて出入り口構造（又は収納構造）を形成してもよい。
【0147】
［間仕切部材］
前記間仕切部材は、前記パネルに限らず、板状体、シート（フィルム又はシート、メッシュ状又はネット状などの網状体又はネットなど）であってもよく；樹脂又はプラスチック、ガラス、金属などで形成してもよい。好ましい間仕切部材は、シート及び／又はパネル状の形態であってもよく；用途に応じて、プラスチック、ガラスなどで形成してもよい。間仕切部材は、プラスチック（プラスチック製）のパネル又はシート、ガラス（ガラス製）のパネル又はシートが好適に使用される。
前記間仕切部材は、前記パネルに限らず、板状体、シート（フィルム又はシート、メッシュ状又はネット状などの網状体又はネットなど）であってもよく；樹脂又はプラスチック、ガラス、金属などで形成してもよい。好ましい間仕切部材は、シート及び／又はパネル状の形態であってもよく；用途に応じて、プラスチック、ガラスなどで形成してもよい。間仕切部材は、プラスチック（プラスチック製）のパネル又はシート、ガラス（ガラス製）のパネル又はシートが好適に使用される。
【0148】
前記間仕切部材の形態は隣接して開閉空間を開閉可能であればよく、菱形状などであってもよいが、通常、方形状又は矩形状である。また、シート、パネル状などの形態の間仕切部材は、外部（外的）電気エネルギーにより、光学特性（透明性、色相及び／又は色彩；透明性など）、熱的特性などが変化可能な機能層を備えていてもよく、機能層は、光電変換層、発光層（発光ダイオード層など）、配向層、発熱層などであってもよい。間仕切部材は、このような機能層を備えた積層体（例えば、抗菌性フィルムと樹脂層との積層体）で形成してもよい。すなわち、前記間仕切部材は、機能性部材であってもよく、例えば、光電変換フィルム、調光又は光シャッターフィルム、発光フィルム（有機発光ダイオードなどの発光層が形成されたフィルム）、発熱フィルムなどの機能性フィルム又はシートを備えていてもよい。このような機能性フィルム又はシートは単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。前記間仕切部材は、前記機能性部材又は前記機能性フィルム（例えば、発光フィルム）を備えたディスプレーパネル又はシートなどであってもよく、ディスプレーパネル又はシートは、さらに、偏光フィルム、反射防止フィルムなどの光学フィルムを備えていてもよい。このような機能性フィルムを備えたシート又はパネルでは、機能性フィルムの電極と、コネクタ（第１又は第２のコネクタ）とが接続可能である。
【0149】
前記間仕切部材は、非通電状態又は通電状態において、透明、半透明又は不透明であってもよく、無彩色（白色、灰色又は黒色）又は有彩色であってもよい。好ましい前記間仕切部材は、非通電状態において、透明又は不透明であってもよく、通電状態において、不透明又は透明であってもよい。前記のように、透明な間仕切部材は、開閉空間を閉じた状態でも広々とした開放感を与えることができ（開放空間を形成でき）、不透明な間仕切部材は、開閉空間を閉じた状態でプライベート空間を形成できる。前記白色の間仕切部材は、投影スクリーンなどとして利用してもよい。
【0150】
間仕切部材は、剛性を有していてもよく、可撓性又は柔軟性を有していてもよく；移動機構として、前記巻取機構を採用する場合、間仕切部材は、巻取及び巻き戻し可能であってもよい。巻取及び巻き戻し可能な間仕切部材は、フィルム又はシートの形態を有していてもよく；前記保護材が剛性であるとき、間仕切部材の側縁又は側部の前記保護材（例えば、透明な保護材）や前記側部フレームは必ずしも必要ではない。
【0151】
前記間仕切部材は、所定の方向（例えば、少なくとも縦方向）に展開又は延びて間仕切空間又は開閉空間を仕切（間仕切）可能であってもよく、間仕切空間又は開閉空間の大きさ及び形態に応じて、少なくとも１つ（１又は複数）の間仕切部材を備えていればよく、隣接する複数の間仕切部材を備えていてもよい。すなわち、規制壁部などの移動規制部に対して移動又はスライド可能な少なくとも１つの間仕切部材を備えていてもよく、互いに相対的に離反又は近接する方向へ移動又はスライド可能な複数の間仕切部材を備えていてもよい。例えば、壁部や柱部などの移動規制部（規制壁部）に隣接して小さな空間を開閉する場合には、１つの間仕切部材を備えていてもよい。好ましい態様では、複数の前記間仕切部材は、移動に伴って、互いに隣接して配列又は整列可能であってもよく、特に、前記仕切路に沿って配列又は整列可能であってもよい。
【0152】
さらに、前記（１）走行機構（車輪移動機構）において、開閉空間を開閉するため、間仕切部材は、ランナーを介して、レールに沿って開閉可能な１つの間仕切部材（開閉シートなど）で開閉してもよく、前記の例のように、ランナーを介して、レールに沿って移動可能な複数の間仕切部材（パネルなど）で開閉してもよい。好ましい間仕切構造（開閉構造）は、レール（例えば、横方向に配設されたレール）に沿って走行可能な複数のランナーと、これらのランナーに隣接して取り付け可能な複数の間仕切部材（例えば、間仕切空間の閉じ状態で互いに隣接可能な複数の間仕切部材）とを備えていてもよく；前記のように、各間仕切部材は、１又は複数（例えば、２つ）の前記ランナーに回動可能に取り付け可能であってもよい。
【0153】
［枠部及び通電アセンブリ（コネクタ）］
移動機構により可動な少なくとも１つの間仕切部材と、この少なくとも可動な間仕切部材に対して対向する対向部とがコネクタにより電気的に接続可能である限り、間仕切部材には、必ずしも枠部を形成又は枠部材を取り付ける必要はない。例えば、パネル状などの間仕切部材の所定部に、配線と接続されたコネクタを装着又は取り付けてもよく、配線は、間仕切部材に沿わせて配設してもよく、間仕切部材に埋設してもよく、間仕切部材の配設路（溝状又は中空状などの配設路など）に配設してもよい。
移動機構により可動な少なくとも１つの間仕切部材と、この少なくとも可動な間仕切部材に対して対向する対向部とがコネクタにより電気的に接続可能である限り、間仕切部材には、必ずしも枠部を形成又は枠部材を取り付ける必要はない。例えば、パネル状などの間仕切部材の所定部に、配線と接続されたコネクタを装着又は取り付けてもよく、配線は、間仕切部材に沿わせて配設してもよく、間仕切部材に埋設してもよく、間仕切部材の配設路（溝状又は中空状などの配設路など）に配設してもよい。
【0154】
前記コネクタで接続する前記対向部は、前記可動な間仕切部材に隣接して対向する移動規制部（壁部、柱部などの前記移動壁部、天井壁、床などの固定又は不動な固定部材であって、可動な間仕切部材の移動を規制する壁部）であってもよく、互いに可動な前記間仕切部材に隣接し、前記間仕切部材が対向する対向部であってもよい。前記可動な間仕切部材と、このような対向部とには、通電アセンブリのコネクタが対向して取り付けることができ、通電アセンブリのコネクタは、互いに接触式又は非接触式に通電可能な第１のコネクタと第２のコネクタとを備えていればよい。
【0155】
なお、第１のコネクタ及び第２のコネクタは入出力可能な形態で対向可能であればよく、第１のコネクタ及び第２のコネクタのうち、一方のコネクタは入力コネクタを形成し、他方のコネクタは出力コネクタを形成してもよい。
【0156】
間仕切部材（パネルなど）は、コネクタの配設及び配線を容易にするため、枠部（枠体又は枠部材）を備えていてもよい。この枠部は、間仕切部材（互いに隣接する複数の可動なパネルなどの間仕切部材）の移動方向に対して直交する方向の端縁又は端部（上縁部又は上端部、下縁部又は下端部など）のうち、間仕切部材が互いに対向可能な適所に、移動方向に沿って所定の長さで又は延びて所定の長さで形成又は取り付けてもよい。例えば、左右方向に可動な間仕切部材では、上部（上縁部、上端部）、下部（下縁部、下端部）、高さ方向の中央部に間仕切部材の移動方向に沿って又は延びて枠部を形成又は取り付けてもよい。そのため、間仕切部材（パネルなど）は、全周縁部に枠部材（フレーム）を備えていてもよいが、間仕切部材（パネルなど）の全周縁部には枠部材がなくてもよい。好ましい態様では、前記隣接する間仕切部材の端縁又は端部のうち、前記間仕切部材の移動方向（進行方向）に対して直交する方向の少なくとも一方の端縁又は端部（例えば、左右方向に可動な間仕切部材では、少なくとも上部又は下部）に、前記移動方向に沿って又は延びて（所定の長さ、特に全長に亘り）枠部（枠体又は取付枠）を形成又は取り付けてもよい。例えば、左右方向に移動する間仕切部材の上部には、ランナーの取付部材（回転軸部材などの軸部材）の取付部を取り付けるための上部被取付部又は上部枠部（取付枠部）を形成し；必要であれば、間仕切部材の下部には、磁気的に吸引可能な一対の磁性部材のうち、一方の磁性部材、例えば、第１のマグネット部材などの磁性部材を取り付けるための下部被取付部又は下部取付枠部（取付枠部）を形成してもよい。特に、保形性（形状保持性）に乏しい間仕切部材、例えば、薄肉の間仕切部材及び／又は柔軟な間仕切部材（シートやフィルム状などの形態の間仕切部材）；並びに取付部材（回転軸部材などの軸部材）を強固に取り付ける間仕切部材では、少なくとも上下部に被取付部又は枠部（取付枠部）を形成するのが好ましい。
【0157】
前記間仕切部材に対する枠部（取付枠部）の形態は、特に制限されず、枠部（取付枠部）は、間仕切部材の端縁又は端部（少なくとも上端部又は下端部）に枠状に一体に成形してもよく、間仕切部材に取付け可能な棒状又は板状などの枠体などであってもよく；この枠体は、間仕切部材の端部（例えば、両端部）を挟着可能な挟着部材であってもよく；前記枠部及び挟着部材は、間仕切部材を装着又は挿入可能な断面コ字状の形態を有していてもよい。前記枠部（取付枠）において、押え板は必ずしも必要ではなく、例えば、フランジ付きボルト、ワッシャなどの緩衝作用を有する締結部材で枠部（取付枠部）を締結してもよい。また、間仕切部材と枠部との間には必ずしも緩衝材（クッション材又はパッキン）は必要ではないが、プラスチック、ガラスなどで形成された間仕切部材では、間仕切部材と枠部との間に緩衝材を介在させるのが好ましい。
【0158】
間仕切部材（パネルなど）の上下部の取付枠は、互いに同じ部材を用いて形成する必要はない。例えば、間仕切部材（パネルなど）の上部（上部枠部（取付枠部）など）には必ずしも装着凹部は必要ではない。また、上部枠部において、取付プレートは必ずしも必要ではなく、取付プレートを摺動自在又は位置決め可能に装着する必要もない。上部枠部に対して、ランナーの取付部材（又は取付部）は、位置決め部材としての取付プレートを介して取り付ける必要はないが、上部枠部（取付枠部）（上部枠部の装着凹部など）の長手方向に摺動又はスライド可能であり、かつ所定位置で位置決め可能な位置決め部材（前記取付プレートなど）を利用すると、前記取付枠の長手方向の適切な箇所、例えば、１つの回転軸部材を長手方向の中心部（吊り下げ重心部）、２つの回転軸部材を長手方向の所定箇所に位置決めしつつ、ランナーの取付部材を取り付けることができる。
【0159】
なお、上部取り付け枠の枠本体部の上部壁には、前記ネジ孔部に対応する孔部（ネジ部が螺合に伴って進退動する孔部）を必ずしも形成する必要はない。例えば、前記取付プレートの隆起部に代えて、前記取付プレートから突出させて、前記ランナーの回転軸部材のネジ部が螺合可能な螺合孔（ネジ孔）を有する筒状体（内ネジ筒体）を形成すると、上部取り付け枠の枠本体部の上部壁に、前記（ネジ孔部）に対応する孔部を形成しなくても、前記回転軸部材のネジ部が螺合可能である。
【0160】
前記押えプレート、上部及び下部取り付け枠部（上下枠体）の両側部において、前記枠部をカバーするための枠体カバー（一対の枠体カバー）は必ずしも必要ではなく、前記のように、ブッシュを備えた取り付けビス（ブッシュ付きビス）を介して上記枠部に係止又は保持可能に装着する必要もない。また、枠体カバー（一対の枠体カバー）は前記枠部（上下枠体）に装着可能であればよく、枠体カバー（一対の枠体カバー）と前記枠部（上下枠体）とが係合部で互いに係合可能であってもよい。そのため、枠体カバーの内壁には、必ずしも前記ブッシュ付きビスのブッシュを形成する必要はなく、前記ブッシュ付きビスに代えて、凸状係合部を形成してもよく、前記ブッシュ付きビスのブッシュに係合可能な係合延出部を必ずしも形成する必要はなく、また、係合延出部の形状も特に制限されず、前記ブッシュ付きビスのブッシュなどの係合部と係合可能であってもよい。例えば、上下取り付け枠部の両側部に枠体カバー（一対の枠体カバー）を配し、ビスなどの螺合部材で上下取り付け枠部に取り付けてもよく；上下取り付け枠部の両側部に枠体カバー（一対の枠体カバー）を配し、ビスなどの螺合部材が貫通した形態で、前記枠体カバー（一対の枠体カバー）を上部及び下部取り付け枠部の両側部に装着又は締結してもよい。この態様では、必要により、前記枠体カバーには、前記螺合部材が貫通可能な孔部（ネジ孔部など）を形成してもよい。前記枠体カバーの形状も、上下取り付け枠部の両側部に取り付け可能である限り特に制限されず、例えば、前記枠体カバーは、断面コ字状の中空長尺の枠カバー、すなわち、上下枠体（取付枠部）の取付壁部又は前記パネルの押えプレートに係止可能な係止壁部と、この係止壁部から垂直方向に延びる側壁部と、この側壁部の端部から水平方向に延び、前記枠本体部の側壁と接触可能な接触壁部とを備えていてもよい。
【0161】
また、前記枠体カバーの前記屈曲部のアリ溝状装着溝には、必ずしもランナーを遮蔽するための遮蔽部材を装着する必要はないが、ランナーを遮蔽して、外観をよくするため、遮蔽部材を装着するのが好ましい。前記遮蔽部材の形状もブラシ状に限られず、プレート状、シート状などであってもよい。さらに、前記遮蔽部材は、上部取り付け枠部の両側部にのみ装着してもよく、下部取り付け枠部の両側部にのみ装着してもよく、上部及び下部取り付け枠部の両側部に装着してもよい。
【0162】
さらに、上部取り付け枠部をカバーする枠体カバーの両端部には、装着キャップ（第２のキャップ部材）を装着する必要はなく、下部取り付け枠部の両端部には装着キャップ（第１及び第２のキャップ部材）を装着する必要はないが、これらの装着キャップ（第１及び第２のキャップ部材）を利用すると、上下取り付け枠部並びに枠体カバーの端部による人的又は物的損傷を抑制できるとともに、美観を向上できる。なお、好ましい態様では、前記上枠部及び下枠部並びに枠体カバーの両端部にそれぞれ装着可能な装着部材（キャップ）とを備えている。これらの装着部材のうち上部の装着部材（キャップ）の前記対向部には第１のコネクタ及び第２のコネクタが対向して取り付けられる。第１及び第２のキャップ部材において、アリ溝状装着溝は必ずしも必要ではなく、上枠部に対する第２のキャップ部材は装着部材（キャップ本体）と一体に形成してもよく、下枠部に対する第１及び第２のキャップ部材は単一の装着キャップで形成してもよい。
【0163】
さらに、間仕切部材の下端部（下部）には必ずしも下部取り付け枠部(下枠部)は必要ではなく、間仕切部材の下端部（下部）のうち少なくとも一方の端部に、下枠部を形成又は取り付けてもよいが、好ましい態様では、間仕切部材の下端部（下部）に沿って下枠部を取り付けてもよい。
【0164】
さらに、間仕切部材（パネルなど）の隣接端部などの前記対向部（隣接端面など）には、必要であれば、間仕切部材の対向部（又は側端部）を磁気的吸着力で閉止するため、互いに磁気的に吸着可能な一対の磁性部材を配設又は取り付けてもよい。例えば、下枠部のうち前記対向部（例えば、装着部材（キャップ）の前記対向部）には、互いに磁気的に吸着可能な一対の磁性部材を配設又は取り付けてもよい。この一対の磁性部材は、前記コネクタでの磁気的吸着機構と同じく、マグネットと強磁性体（鉄板、ステンレスなど強磁性部材）との組み合わせ、マグネット同士の組み合わせであってもよく、マグネット同士の磁性部材の組み合わせでは、Ｎ極とＳ極とを対向させて配設してもよい。例えば、隣接する間仕切部材の対向端部（又は側端部）には、マグネット部材、特に反対の磁極を向けてマグネット部材を取り付けてもよい。
【0165】
前記間仕切構造は、第１のコネクタ及び第２のコネクタを電気的に接続するための配線を有していてもよい。前記枠部を備えた間仕切部材において、配線は、前記枠部に沿わせて配設してもよく、前記枠部に埋設してもよく、前記のように、中空部又は配設路（配設溝を含む）を備えている枠部（配線枠体）では、配線は前記中空部又は配設路に収容又は配設してもよい。
【0166】
通電アセンブリの装着形態は特に制限されず、下記（ａ）及び／又は（ｂ）の態様でコネクタを装着又は取り付け可能であってもよい。
【0167】
（ａ）互いに隣接して可動な可動間仕切部材の対向部に第１のコネクタと第２のコネクタとが取り付けられている態様
（ｂ）前記複数の間仕切部材は、移動規制部（位置固定された対向壁部など）に対して可動な少なくとも１つの可動間仕切部材を含んでいてもよく、前記移動規制部（対向壁部など）に直接的又は枠体を介して間接的に第１のコネクタが取り付けられ、前記移動規制部（対向壁部など）に隣接する可動間仕切部材に第２のコネクタが取り付けられた態様
（ｂ）前記複数の間仕切部材は、移動規制部（位置固定された対向壁部など）に対して可動な少なくとも１つの可動間仕切部材を含んでいてもよく、前記移動規制部（対向壁部など）に直接的又は枠体を介して間接的に第１のコネクタが取り付けられ、前記移動規制部（対向壁部など）に隣接する可動間仕切部材に第２のコネクタが取り付けられた態様
【0168】
通電アセンブリは、前記間仕切部材の枠部（配線枠体）の前記対向部に装着可能であり、互いに電気的に接続可能なコネクタ（第１のコネクタ及び第２のコネクタ）を備えていればよく、前記対向部には、装着部材（装着キャップ；コネクタ）を装着し、この装着部材には、前記配線と接続された端子を取り付けてもよい。
【0169】
通電アセンブリの装着部材（コネクタ：第１及び第２のコネクタ）は、前記第１及び第２のコネクタの構造に限らず、間仕切部材又はその枠部に装着可能な装着部と、この装着部に取り付けられ、かつ配線と接続可能な通電端子とを備えていればよく、第１のコネクタと第２のコネクタとは通電端子で電気的に接続可能であればよい。前記端子は、装着部から突出する必要はなく；装着部の凹部内で端子が突出する形態であってもよい。前記通電端子は、第１のコネクタと第２のコネクタとが通電可能である限り、横方向又は縦方向に限らず、所望の方向に間隔をおいて装着部材（装着キャップ；コネクタ）に取り付けてもよい。
【0170】
例えば、前記第１のコネクタのキャップ本体は、フロント側の凹部域及びリア側の凹凸装着壁を備えている必要はなく、間仕切部材又はその枠部の端部構造に応じて、リア側（装着側）で前記間仕切部材又はその枠部に装着可能であればよく、前記接続部材はＬ字状の接続アングルに限らず、通電端子と接続可能であればよく、通電端子は、通電ピンの形態に限らず、第２のコネクタの端子の形態に応じて、例えば、板状、円盤状などの形態で、前記間仕切部材又はその枠部に対する装着部（第２のコネクタに対する接続端面）から露出又は突出して通電部を形成していてもよく、前記装着部の凹部に通電部を形成していてもよい。また、マグネットは必ずしも必要ではなく、マグネットは、一対の通電部の間に限らず、通電部の周囲部に取り付けてもよい。
【0171】
第２のコネクタのキャップ本体は、前記間仕切部材又はその枠部に装着可能であればよく、一対の部材、例えば、下部キャップ本体と、上部キャップ本体とで形成する必要はなく、単一の装着部材で形成してもよい。また、下部キャップ本体と上部キャップ本体との境界域の凹部域及び突出域も必要ではない。
【0172】
さらに、第２のコネクタにおいて、前記第１のコネクタに対する通電部は、孔部に形成する必要はなく、第１のコネクタの形態に応じて、第１のコネクタの通電端子と接続可能な部位に形成すればよい。また、第１のコネクタの第１の通電端子と接続可能である限り、第１のコネクタの第１の通電端子と第２のコネクタの第２の通電端子とを弾性的に接触させる必要はないが、導電性のバネ部材を利用すると、第１の通電端子と第２の通電端子とを有効に導通できる。なお、導電性のバネ部材は、第１のコネクタ及び第２のコネクタの少なくとも一方のコネクタに配設してもよい。
【0173】
さらに、第１及び第２のコネクタのキャップ本体は、概略Ｌ字状の形態、下部に縦方向に延びる切欠き部を有する概略下部開口のコ字状の形態である必要はなく、直方体状などであってもよい。また、第１及び第２のコネクタのキャップ本体には、必ずしも必要はないが、枠体に対するガイド壁やガイドピンなどの案内部を形成すると、案内部を利用して枠体に対して円滑に装着できる。第１のコネクタと第２のコネクタとは、互いに案内部で案内されて通電可能であってもよい。例えば、第１のコネクタ及び第２のコネクタのうち、一方のコネクタの装着部に凹部状の形態のガイド部（開口側が拡がったガイド壁など）を形成し、他方のコネクタの装着部に、前記ガイド部に沿って案内される凸状の装着案内部（先端部側が狭まった傾斜壁を有する台形状凸部など）とを備えていてもよい。
【0174】
また、必ずしも必要はないが、枠体に対してキャップ本体が過度に侵入するのを規制するための規制部を形成すると、枠体に対してキャップ本体を効率よく位置決めできる。さらに、必ずしも必要はないが、キャップ本体には間仕切部材が装着可能な装着凹部を形成すると、枠体と協働して間仕切部材を有効に保持できる。
【0175】
前記のように、本発明では、間仕切部材に対して通電可能であればよく、立設枠体には必ずしも通電アセンブリ（第１のコネクタ）を装着する（若しくは間仕切部材に給電する）必要はないが、前記移動規制部（対向壁部など）には、直接的又は前記枠体を介して間接的に通電アセンブリ（第１のコネクタ）を装着してもよく、この通電アセンブリ（第１のコネクタ）は間仕切部材に給電する給電コネクタであってもよい。すなわち、前記規制壁部に立設部材を取り付け、この立設部材と、この立設部材に対して可動な間仕切部材との対向部に第１のコネクタ及び第２のコネクタとを取り付けてもよい。
【0176】
立設枠体に対する通電アセンブリの装着部材（コネクタ）も、前記装着部材（第２のコネクタ）の構造に限らず、枠部に対する装着部と、この装着部に取り付けられ、隣接する間仕切部材又はその枠部のコネクタに対して電気的に接続可能な通電端子とを備えていればよい。そのため、装着部材の内部を区画壁で区画する必要もなく、中空ガイド壁、延出壁部（ガイド壁）は必ずしも必要ではない。また、枠部に対する装着部は、枠部の外周部に装着する必要はなく、内周部及び外周部に装着してもよく、装着部には翼状の非中空のガイド壁を形成してもよい。
【0177】
さらに、開閉部材が移動する途中部（開閉空間の中間部など）に規制壁部（柱部）が位置する間仕切構造（開閉構造）では、前記規制壁部（柱部）の少なくとも一方の側壁（両側壁を含む）に直接的に、又はこの側壁に隣接して形成した枠部（立設枠体など）の壁部を介して間接的に、隣接する間仕切部材又はその枠部のコネクタと対向して、コネクタ（第１又は第２のコネクタ）を取り付けてもよい。規制壁部（柱部）に対する枠部（立設枠体など）は、通電アセンブリの装着部材（コネクタ）が装着可能であればよく、挟着凹部壁や挟着壁などは必ずしも必要ではない。
【0178】
また、位置調整手段を利用し、間仕切部材又はその枠部（又は枠体）に対する装着部材（コネクタ）の位置を調整してもよい。このような位置調整手段は、前記装着孔に配設された立設枠体に対して装着部材（コネクタ）の高さ位置を調整するための装着ピン（スライドピン）及びビスや、前記挟着プレートによる挟着機構に限らず、間仕切部材の移動形態（移動方向など）に応じて、間仕切部材又はその枠部、及び前記装着部材（コネクタ）のいずれか一方の部材又は部位に、前記間仕切部材の移動方向に対して直交する方向に延びて形成された前記ガイド部（ガイド溝、ガイド孔など）と、他方の部材又は部位に形成され、このガイド部に案内可能な被案内部（凸条体、棒状体など）と、前記ガイド部で位置決めされた被案内部を固定するための固定部材（ネジ部材、ストッパーなどの止定部材など）とを備えていてもよい。
【0179】
前記コネクタは、互いに磁気的に吸着可能なマグネットを備えたマグネットコネクタである必要はないが、マグネットを備えた磁気的吸着機構を利用すると、高い位置精度でコネクタを接続できる。そのため、前記コネクタは、互いに磁気的に吸着可能であり、かつ互いに電気的に接続可能なプラグ（マグネットプラグ）とプラグ受け（マグネットプラグ受け）とを備えているのが好ましい。マグネットプラグとマグネットプラグ受けとには、互いに磁気的に吸着可能な磁性部材が装着可能であればよく、マグネットと強磁性体（鉄板、ステンレスなどのプレート）とで磁気的吸着機構を形成する必要はなく、例えば、前記第１のコネクタのマグネットに対して磁気的に吸着可能なマグネット及び／又は強磁性体を配設してもよい。マグネット同士の磁性部材の組み合わせでは、反対の磁極（Ｎ極とＳ極と）を対向させて配設してもよい。
【0180】
なお、これらの間仕切構造において、必ずしも前記配線は必要ではなく、コードレス給電方式又は非接触給電方式（ワイヤレス電力伝送、ワイヤレス給電方式）を採用して、前記第１のコネクタ及び第２のコネクタのうち一方のコネクタに給電し、第１のコネクタと第２のコネクタとを電気的に接続してもよい。コードレス給電方式としては、例えば、磁界結合方式（電磁誘導を利用した電磁誘導方式；直流共鳴方式などの磁界共鳴（又は磁気共鳴）方式など）；電界結合方式；エバネセント波方式；マイクロ波、超音波などの電波受信方式、レーザーなどの光受信方式などを利用してもよく；コードレス給電の種類に応じて、必要な電子回路、電極などを備えたチップをコネクタに搭載してもよい。なお、コネクタ（第１のコネクタ又は第２のコネクタ）には、直流又は交流のいずれの電流を供給してもよい。
【0181】
例えば、間仕切部材又はその枠部の両側部に装着されたコネクタのうち、前記第１又は第２のコネクタにコードレス給電してもよく、規制壁部又は規制壁部に隣接して形成した枠部（立設枠体など）のコネクタ（第１又は第２のコネクタ）にコードレス給電してもよい。
【0182】
［ランナーの取付部材と間仕切部材との取付構造］
前記（１）走行機構（車輪移動機構）において、ランナーの取付部材と間仕切部材との取付構造は、前記間仕切部材の上端面に形成されたネジ孔（被取付部）に対する回転軸部材のネジ部（取付部材の取付部）の螺合機構に制限されず、係合機構、挟着機構、嵌合機構などの種々の取付機構が採用できる。例えば、間仕切部材の上部又は上端面に、被取付部（取り付け孔；係合凸部、係合凹部などの被係合部など）を形成し又は被取付部材（Ｓ字状、鈎状、Ｕ字状フック部材などの被係合部材又はフック部材、リング部材など）を取り付け、前記ランナーの前記支持部に、前記被取付部又は被取付部材に対して取り付け可能な取付部材（フック部材などの係合部材、挟着部材、嵌合部材など）を形成又は取り付けてもよい。また、前記被取付部又は被取付部材は、間仕切部材の前記取付プレートに形成又は取り付けてもよい。前記被取付部材は、間仕切部材に揺動可能及び／又は回転可能に取り付けてもよい。なお、ランナーの取付部材の取付部（回転軸部材のネジ部）を前記間仕切部材の上端部の被取付部（ネジ孔など）に直接的に強固に連結（螺合）すると、間仕切部材の揺動を抑制するのに有利であるが、前記取付部材は、前記ランナーの支持部（又は回転軸部材）に対して揺動可能及び／又は回転可能に取り付けてもよい。
前記（１）走行機構（車輪移動機構）において、ランナーの取付部材と間仕切部材との取付構造は、前記間仕切部材の上端面に形成されたネジ孔（被取付部）に対する回転軸部材のネジ部（取付部材の取付部）の螺合機構に制限されず、係合機構、挟着機構、嵌合機構などの種々の取付機構が採用できる。例えば、間仕切部材の上部又は上端面に、被取付部（取り付け孔；係合凸部、係合凹部などの被係合部など）を形成し又は被取付部材（Ｓ字状、鈎状、Ｕ字状フック部材などの被係合部材又はフック部材、リング部材など）を取り付け、前記ランナーの前記支持部に、前記被取付部又は被取付部材に対して取り付け可能な取付部材（フック部材などの係合部材、挟着部材、嵌合部材など）を形成又は取り付けてもよい。また、前記被取付部又は被取付部材は、間仕切部材の前記取付プレートに形成又は取り付けてもよい。前記被取付部材は、間仕切部材に揺動可能及び／又は回転可能に取り付けてもよい。なお、ランナーの取付部材の取付部（回転軸部材のネジ部）を前記間仕切部材の上端部の被取付部（ネジ孔など）に直接的に強固に連結（螺合）すると、間仕切部材の揺動を抑制するのに有利であるが、前記取付部材は、前記ランナーの支持部（又は回転軸部材）に対して揺動可能及び／又は回転可能に取り付けてもよい。
【0183】
好ましい態様では、（Ａ）ランナーを介して、横方向に配設され、かつ少なくとも一対の走行路（左右一対の走行路）を有する前記レールに沿って複数の前記間仕切部材が左右方向に移動可能であり；前記ランナーが、（Ｉ）前記レールの前記一対の走行路に沿って走行可能な少なくとも一対の車輪と、この一対の車輪の車軸部を回転可能に支持する支持部と、この支持部に形成された装着貫通孔と、この装着貫通孔に抜け止め状態で回転可能に装着可能な回転軸部材とを備えており；各間仕切部材が、１つの前記ランナーの前記回転軸部材に回動可能に取り付け可能である。他の好ましい態様では、（ＩＩ）ランナーを介して、横方向に配設され、かつ下部のスリット状開口部と、少なくとも一対の走行路（高さ位置を異にして両側内壁から互い違いに延出する上下一対の走行路）とを有する前記レールに沿って複数の前記間仕切部材が左右方向に移動可能であり；前記ランナーが、スリット状開口部をスライド自在な軸部材と、この軸部材の軸方向に間隔をおいて回転可能に装着され、前記レールの前記一対の走行路に沿って走行可能な一対の車輪（上下一対の車輪）とを備え、一対の車輪の回転との関係で前記軸部材が回転軸部材を形成しており；各間仕切部材が、複数（例えば、２つ）の前記ランナーの前記回転軸部材に取り付け可能である。
【0184】
なお、間仕切部材に、１つの前記ランナーの前記回転軸部材を回動可能に取り付けた形態では、間仕切部材の過度な回動を規制するため、前記間仕切部材及び／又は移動機構（例えば、レール及び／又はランナーの支持部など）に回動規制部材を取り付けてもよい。例えば、レールに沿って左右方向に移動可能な間仕切部材では、レールの少なくとも一方の側壁（若しくはランナーの支持部）に、間仕切部材の移動幅を確保しつつ、間仕切部材の上部（又は上端部）をカバー可能（間仕切部材の前記上部枠体などに接触可能）なカバー部材を回動規制部材として取り付けてもよい。前記回動規制部材は、レールの側壁（若しくはランナーの支持部）から延出して間仕切部材の前記上部枠体などの上部（又は上端部）をカバー可能な形態（例えば、断面湾曲状、Ｌ字状などの屈曲状、コ字状、Ｕ字状などの形態）で屈曲又は湾曲していてもよい。また、前記回動規制部材は、レールの側壁（一方の側壁又は利用側壁）に、間仕切部材の移動域全体に取り付けてもよく、間仕切部材の移動方向に所定の間隔で取り付けてもよい。
【0185】
なお、１つの間仕切部材に、複数（例えば、２つ）のランナーの前記回転軸部材を取り付けた形態では、間仕切部材が走行過程で回動するのを抑制できるという利点がある一方、出入口（又は入出路）や収納部での間仕切部材の方向転換が規制されやすい。このような開閉構造であっても、縦方向に延びる回転軸部材に、車輪部が横方向に回転可能に装着されたランナーを利用すると、１つの間仕切部材に、複数（例えば、２つ）のランナーの前記回転軸部材を取り付けても、間仕切部材の回動及び／又は横揺れを抑制しつつ、出入口や収納部での屈曲又は湾曲走行路でも円滑に走行できるという利点がある。
【0186】
なお、前記規制壁部に間仕切部材（パネルなど）が隣接した形態において、この間仕切部材（パネルなど）のうち前記規制壁部側の隣接端部と、前記規制壁部に取付け可能な立設枠体の装着凹部壁（又は装着溝壁）には、反対の磁極を向けてマグネット部材を取り付けてもよい。
【0187】
このようなマグネット部材も前記回動規制部材としても機能する。このような回動規制部材を利用すると、間仕切部材が回動して反転することを防止でき、第１のコネクタと第２のコネクタとを確実に電気的に接続できる。
【0188】
隣接する間仕切部材の側部（又は側縁）には保護材を必ずしも装着する必要はないが、間仕切部材の側縁を保護するため、保護材を装着してもよい。また、保護材に装着される側部フレームも必ずしも装着する必要はないが、間仕切部材の反りを抑制するため、側部フレームを装着してもよい。保護材及び側部フレームは、透明である必要はなく、間仕切部材の用途などに応じて、半透明、不透明であってもよく、有彩色に着色していてもよい。また、保護材及び側部フレームは、間仕切部材の側縁を有効に保護するため、弾性又はクッション性を有する部材で形成してもよい。間仕切部材と保護材と側部フレームとは異なる光透過性（有彩色、無彩色を問わず、透明、半透明又は不透明な光学特性）を有していてもよいが、好ましい態様では、間仕切部材と保護材と側部フレームとを視覚的に同一視するため、保護材及び側部フレームは、間仕切部材と同様な前記光透過性（光学特性）を有していてもよい。
【0189】
複数の間仕切部材（パネルなど）のうち、適所、例えば、長手方向の中央部、一方の側部などに位置する間仕切部材（パネルなど）は、回動又は回転可能な出入り口（又は入出路）を形成してもよい。例えば、少なくとも前記レールと、複数の間仕切部材のうち、所定の間仕切部材の少なくとも上部とを、リンク部材で回動自在に軸支し、出入り口を形成してもよい。好ましい態様では、出入り口（又は入出路）は、複数の間仕切部材の列（パネル列など）のうち少なくとも一方の側部又は移動端（例えば、間仕切空間又は開閉空間を区画する複数のパネル列のうち、間仕切空間又は開閉空間を形成し、規制壁部（側壁部又は柱部に近い又は隣接する側部）に位置する少なくとも１つの間仕切部材（パネルなど）（好ましくは１又は２つのパネル、特に、前記側壁部又は柱部に隣接する１つのパネル）で形成できる。
【0190】
１つの間仕切部材に１つのランナーの取付部材を回転又は回動可能に取り付けると、当該間仕切部材を回転又は回動可能な扉（ドア）として機能させることができ、出入り口（又は入出路）を容易に形成できる。このような出入り口（又は入出路）は、前記のように、リンク部材を、床部と、前記所定の間仕切部材の下部（例えば、前記下部枠部（取付枠部））との間に回動自在に軸支して形成してもよいが、少なくとも上部（レール及び間仕切部材の上部）にリンク部材を回動自在に取り付けるのが好ましい。
【0191】
前記リンク部材は、前記間仕切空間又は開閉空間を間仕切可能な前記複数の間仕切部材と、複数の間仕切部材の列（パネル列など）の適所に配設（位置決めして配設）された軸支部材（又は立設部材など）（前記の例では、レール（第１の軸部（枢軸部）））とに対して回動自在に軸支してもよい。例えば、複数の間仕切部材で形成される間仕切部材列のうち、例えば、長手方向の中央部、少なくとも一方の側部などに位置する間仕切部材に隣接して軸支部材（側壁立設部材など）を形成し、この軸支部材（立設部材など）に対して前記リンク部材を回動自在に軸支してもよい。具体的には、少なくとも前記レール又は前記軸支部材と、複数の間仕切部材のうち、所定の間仕切部材の少なくとも上部（例えば、前記上部枠部（取付枠部））とに、リンク部材を回動自在に軸支することにより出入り口（又は入出路）を形成するのが好ましい。
【0192】
このように、出入り口（又は入出路）は、（１ａ）少なくとも前記レールと、複数の間仕切部材のうち、所定の間仕切部材（出入り口を形成する間仕切部材）の少なくとも上部とに、リンク部材を回動自在に軸支させて形成してもよい。
【0193】
さらに、出入り口は、前記リンク部材を利用することなく、（１ｂ）間仕切部材に２つのランナーを取り付け、間仕切部材が移動可能なメインレールと交差レール又は案内レールとを利用して形成してもよい。すなわち、前記間仕切部材が移動可能なメインレールと、このレールに対して交差する交差レールとを備え、この交差レールに隣接する所定の間仕切部材の長手又は移動方向の異なる部位に、それぞれ、第１及び第２の前記ランナーの回転軸部材を回動自在に取り付け、第１のランナーの車輪を前記交差レールに走行可能に装着し、第２のランナーの車輪を前記メインレールに走行可能に装着して、出入り口（又は出入り口構造）を形成してもよく；第１及び第２の前記ランナーの車輪が、前記メインレール及び前記交差レールを自由に走行又は往来して、出入り口（又は出入り口構造）を形成してもよい。この出入り口構造では、交差レールを走行するランナーの回転軸部材を交差レールの軸線よりもメインレール側に変位した位置に取り付けてもよい。
【0194】
なお、このような出入り口（又は入出路）構造において、第１及び第２の前記ランナーの回転軸部材は、所定の間仕切部材（交差レールに隣接する間仕切部材）の中央域と端部とに限らず、前記間仕切部材の長手又は移動方向の異なる部位に取り付ければよい。
前記の例では、第１及び第２のランナーは、前記第１の間仕切部材には、前記間仕切部材の上部取り付け枠部の枠本体部の上端部のうちの長手方向の一方の端部と、前記上端部の長手又は移動方向の中央域（又は重心部）若しくはそれよりも他方の端部側に取り付けられ、前記第２の間仕切部材では、前記間仕切部材の上部取り付け枠部の枠本体部の上端部のうちの長手方向の両端部に取り付けられていたが、必ずしも、第２の間仕切部材の２つのランナーの間隔が、第１の間仕切部材の２つのランナーの間隔より大きい必要はなく、第２の間仕切部材の２つのランナーの間隔が、第１の間仕切部材の２つのランナーの間隔より小さくてもよく、前記第１及び第２の間仕切部材の第１及び第２のランナーは、同じ間隔をあけて（又は同じ位置に）取り付けられていてもよい。
前記の例では、第１及び第２のランナーは、前記第１の間仕切部材には、前記間仕切部材の上部取り付け枠部の枠本体部の上端部のうちの長手方向の一方の端部と、前記上端部の長手又は移動方向の中央域（又は重心部）若しくはそれよりも他方の端部側に取り付けられ、前記第２の間仕切部材では、前記間仕切部材の上部取り付け枠部の枠本体部の上端部のうちの長手方向の両端部に取り付けられていたが、必ずしも、第２の間仕切部材の２つのランナーの間隔が、第１の間仕切部材の２つのランナーの間隔より大きい必要はなく、第２の間仕切部材の２つのランナーの間隔が、第１の間仕切部材の２つのランナーの間隔より小さくてもよく、前記第１及び第２の間仕切部材の第１及び第２のランナーは、同じ間隔をあけて（又は同じ位置に）取り付けられていてもよい。
【0195】
交差レールの配設方向は、前記態様に限らず、メインレールに対して交差して配設すればよく、交差部を中心としてメインレールに対して近づく方向に又は遠ざかる方向に延びていてもよい。好ましい態様では、交差レールはメインレールに対して直交する方向に配設してもよい。メインレールと交差レールとは、交差部でランナーの車輪が相互に移行して走行可能であってもよく、出入り口（入出路）を円滑に開閉するためには、前記交差部でのランナーの車輪の移行を規制してもよい。例えば、前記のように、メインレールの開口端部に、交差レールの側壁を位置させた形態、交差レールの開口端部にメインレールの側壁を位置させた形態で一方のレールの開口部を他方のレールの側壁で塞ぎ、ランナーの車輪の移行を規制してもよい。なお、出入り口（入出路）の開状態で、第１の間仕切部材は立設部材のガイド壁と接触する必要はなく、交差レールに沿って開状態の出入り口（入出路）を形成してもよい。そのような形態では、立設部材にガイド壁を形成する必要もない。
【0196】
また、出入口は、メインレールと、少なくとも１つの交差レール（又は案内レール）とで形成でき、複数（例えば、２つ）の交差レールを連結する誘導レール（又は案内レール）を利用すると、前記間仕切部材を収納可能な収納部を形成できる。前記誘導レールは、必ずしも必要ではなく、例えば、１又は２つのランナーを備えた第１の間仕切部材をメインレール及び交差レール（第１の交差レール）を利用して前記間仕切部材の周方向に方向転換させて出入口を開口し、１つのランナーを備えた第２の間仕切部材を、回動機構を利用して前記レール及び仕切路に沿って整列させてもよい。前記誘導レールを配設して、前記間仕切部材を収納可能な収納部を形成すると、第２の間仕切部材を、複数のランナーを利用して揺動（横揺れ）を防止し、安定に懸垂された状態で収納できる。
【0197】
誘導レールの配設方向は、前記態様に限らず、第１及び第２の交差レールを連結すればよく、第１の交差レールから、メインレールと第２の交差レールの交差部に対して近づく方向に又は遠ざかる方向に延びていてもよい。好ましい態様では、誘導レールは、交差レールに対して直交する方向（メインレールと平行な方向）に配設してもよい。
【0198】
前記収納部は、メインレールと、２つの交差レール及び誘導レール（又は案内レール）とで形成でき、これらのレールは、互いに走行路が連絡し、ループ状の走行路を形成している。前記交差レールの長さは、前記第２の間仕切部材の第１及び第２のランナーが、前記収納部を形成するメインレール及び誘導レールを走行可能である限り、特に制限されないが、前記ランナーの走行性及び前記間仕切部材の収納性の観点から、前記交差レールの長さは、前記第２の間仕切部材の第１及び第２のランナーの間隔と概ね同じ長さに設定されるのが好ましい。また、前記誘導レールの長さは、収納する第２の間仕切部材の数などに応じて適宜設定できるが、前記第２の間仕切部材の２つのランナーの間隔よりも長く設定すると、前記第２の間仕切部材が、収納状態から、開閉空間の閉じ状態に移行する際に、前記第２の間仕切部材の第２のランナーが、メインレールの両端部のうち、前記収納部が形成されていない端部の方向（図３３の例では、右方向）に走行せずに、その反対方向（図３３の例では、左方向）に戻って、前記間仕切部材が、収納前後で、前記間仕切部材の軸方向に対して左右対称に入れ替わるおそれがある。そのため、前記誘導レールの長さは、前記第２の間仕切部材の２つのランナーの間隔よりも短く設定することが好ましい。
【0199】
交差レールを走行可能な第１のランナー（回転軸部材）は必ずしも前記取付金具に取り付ける必要はなく、間仕切部材に取り付けてもよい。間仕切部材の長手方向の端部側に取り付け可能な前記取付金具を利用して、交差レールの軸線よりもメインレール側に変位した位置又は部位（前記例では、メインレール側に変位した位置）に第１のランナーの回転軸部材を位置させると、メインレールと交差レールとの交差域で間仕切部材を円滑に移動させて出入り口（入出路）を開閉できる。そのため、好ましい態様では、前記取付金具（又は第１のランナーの回転軸部材を交差レールの軸線に対して幅方向に変位した位置又は部位に取り付けるための変位取付部材）を利用するのが好ましい。
【0200】
メインレールと交差レールとを交差させる態様では、一方のレールの開口端部を他方のレールの側壁で塞いでもよく、レールの開口端部には、ランナーの脱落を防止するためのキャップなどの脱落防止部材を装着してもよい。また、レールの開口端部からランナーの脱落が防止された形態、例えば、レールの開口端部が壁部に対向した状態でレールを埋設して施工する形態、レールの開口端部に壁部又は側壁が位置する形態では、レールの開口端部にキャップなどの脱落防止部材を装着又は取り付ける必要はない。
【0201】
また、メインレールと交差レールに加え、誘導レールを導入し、前記収納部を形成する態様においても、一方のレールの開口端部を他方のレールの側壁で塞いでもよく、レールの開口端部には、ランナーの脱落を防止するためのキャップなどの脱落防止部材を装着してもよい。また、レールの開口端部からランナーの脱落が防止された形態、例えば、前記のように、メインレール、２つの交差レール及び誘導レールの開口端部（又は走行路）が、それぞれ連絡し、ループ状の走行路が形成されている状態では、レールの開口端部にキャップなどの脱落防止部材を装着又は取り付ける必要はない。
【0202】
このようなメインレール及び案内レールを利用して、本発明では、間仕切構造を収納してもよい。好ましい態様において、本発明の間仕切構造は、前記レールが、前記間仕切部材が移動可能なメインレールと、このレールに対して交差する２つの交差レール（メインレールから所定の間隔をおいて交差方向に延びる２つの交差又は案内レール）と、前記２つの交差レールを連結して前記間仕切部材を誘導して収納するための誘導レールとを備え；前記間仕切部材の移動方向の異なる部位に、それぞれ、第１及び第２の前記ランナーの回転軸部材が回動自在に取り付けられ；前記２つの交差レールが、第１及び第２の前記ランナーのうち先頭の（又は第１の）ランナーを、前記メインレールを経て案内可能であり、第１の間仕切部材で出入口を形成可能な第１の交差レールと；前記第１の間仕切部材に後続する少なくとも１つの第２の間仕切部材の先頭の（又は第１の）ランナーを、前記メインレールを経て案内可能な第２の交差レールとで形成され；前記第２の間仕切部材の先頭の（又は第１の）ランナーが、前記誘導レールに沿って案内可能であり、かつ後続するランナー（又は第２のランナー）が、前記メインレールに沿って案内可能である収納構造を備えていてもよい。
【0203】
出入口の開動作又は操作において、第１の間仕切部材の先頭の（第１の）ランナーは、メインレールから第１の交差レールへ移行して走行可能であり；収納部の収納動作又は操作において、第２の間仕切部材の先頭の（第１の）ランナーは、メインレールから第２の交差レール及び誘導レールへ順次に移行して走行可能であり；第１及び第２の間仕切部材の後続の（第２の）ランナーはメインレールを走行可能である。なお、出入口の閉動作又は操作、並びに収納部からの解放（開閉空間の閉じ）動作又は操作において、第１及び第２の間仕切部材の後続の（第２の）ランナーは、先頭ランナーとしてメインレールを走行可能である。
【0204】
なお、前記の例では、立設枠体（中空取付枠部）に通電アセンブリが取り付けられているが、この通電アセンブリには間仕切部材の通電アセンブリが接触してもよい。また、前記通電アセンブリが必ずしも必要ではなく、間仕切部材の通電アセンブリに非接触式に通電してもよい。
【0205】
なお、隣接する複数の間仕切部材（パネルなど）は、必ずしも蝶番などを利用してヒンジ式に回動可能に連結する必要はないが、必要であれば、ヒンジ式に回動可能に連結してもよい。さらに、必要であれば、複数の間仕切部材（パネルなど）のうち、間仕切空間又は開閉空間を形成する側壁部又は柱部に隣接する間仕切部材は、蝶番などで前記側壁部又は柱部でヒンジ式に連結し、開閉可能な扉（ドア）を有する出入り口（又は入出路）を形成してもよい。
【0206】
なお、前記パネルなどの間仕切部材の下部を前記仕切路（開閉路）の隣接部位で位置決め固定可能な位置決め固定機構（落とし機構）は、必ずしも必要ではない。位置決め固定機構は、前記構造に限定されず、種々の構造の位置決め構造が採用できる。例えば、前記中空円筒状の筒体には、少なくとも１つの係止部（係止スロット）を形成すればよく、棒状体を孔部材の孔部に挿入した高さ位置を維持するための下部の位置決めスロットと、棒状体が孔部材の孔部から遊離した高さ位置を維持するための上部の係止解除スロットとを備えていてもよい。
【0207】
図３４（ａ）は、他の位置決め固定機構（落とし機構）を示す概略斜視図であり、図３４（ｂ）は、他の位置決め固定機構（落とし機構）を示すＩ－Ｉ線断面図である。この例では、位置決め固定機構は、前記枠体カバー３０１に対応する外部側壁に縦方向に形成された開口部７０５と、この開口部の内部側壁に係合部７０６を有し、前記下部取り付け枠部２２２ｂの枠本体部にビスなどで取り付け可能な位置決め固定部材７０２と；前記係合部７０６に対して、係合可能なプランジャー（収納孔内に収納されたバネにより前記係合部７０６の方向に付勢され、前記収納孔から出没可能なプランジャー）７０７と、このプランジャー７０７が取り付けられ、前記開口部７０５に沿って上下方向に可動な棒体７０８とを備えた正面視略Ｔ字状の位置決め部材７０３と；前記敷設部材に隣接する前記床部に設けられ（又は埋設され）、上向きに孔部７０９が開口した孔部材７０４とを備えている。
【0208】
そのため、前記位置決め部材７０３を、前記位置決め固定部材７０２の開口部７０５に沿って下降させ、前記プランジャー７０７の出没機能を利用して、係合部７０６に対する前記プランジャーの係合状態を解除させ、前記位置決め部材７０３を落とし込むことにより、前記位置決め部材７０３の円筒状の筒体７０８が孔部材の孔部７０９におさまり、前記間仕切部材（パネル）の下部を位置決め固定して間仕切部材（パネル）が揺動するのを抑制できる。また、前記位置決め部材７０３を、前記位置決め固定部材７０２の開口部７０５に沿って上昇させ、前記プランジャー７０７を、その出没機能を利用して、前記係合部７０６に係合させることにより、前記間仕切部材（パネル）の下部を前記床部から遊離状態（非固定状態）とすることができる。
【0209】
また、位置決め固定機構は、棒状の位置決め部材に代えて、前記のように、間仕切部材を案内するためのピポット（ガイドピポットなど）を備えていてもよく、前記取付部材（パネルの下部取り付け枠部など）に回動可能に取り付けられ、床部などに形成された係止部（係止凹部など）に対して係止可能な回動係止部材などを備えていてもよい。
【0210】
［一対の磁性部材又はマグネット部材］
本発明の間仕切構造において、間仕切部材の下端部（又は下端面）と、前記仕切路とに配設されるマグネット部材は必ずしも必要ではなく；間仕切部材の下端部（又は下端面）及び前記仕切路のうち、一方には他方に対して案内可能な凹凸構造（例えば、間仕切部材の下端部の案内凸部と、この案内凸部を摺動案内可能な仕切路の摺動溝）を形成してもよい。間仕切部材の下端部（又は下端面）と、前記仕切路（間仕切部材の下端部に対応し、かつ前記ランナーの走行に伴って、前記間仕切部材で開閉空間を形成するための仕切路又は開閉路）とに、非接触状態で、互いに磁気的に吸引可能な一対の磁性部材（マグネット部材など）を配設すると、前記のように、間仕切部材の揺れを防止でき、間仕切部材を整列できる。一対の磁性部材としては、前記と同様に、下部取り付け枠体（下枠体）の両端部に装着可能な一対の磁性部材が使用できる。好ましい一対の磁性部材は、前記一対のマグネット部材（第１及び第２のマグネット部材）である。
本発明の間仕切構造において、間仕切部材の下端部（又は下端面）と、前記仕切路とに配設されるマグネット部材は必ずしも必要ではなく；間仕切部材の下端部（又は下端面）及び前記仕切路のうち、一方には他方に対して案内可能な凹凸構造（例えば、間仕切部材の下端部の案内凸部と、この案内凸部を摺動案内可能な仕切路の摺動溝）を形成してもよい。間仕切部材の下端部（又は下端面）と、前記仕切路（間仕切部材の下端部に対応し、かつ前記ランナーの走行に伴って、前記間仕切部材で開閉空間を形成するための仕切路又は開閉路）とに、非接触状態で、互いに磁気的に吸引可能な一対の磁性部材（マグネット部材など）を配設すると、前記のように、間仕切部材の揺れを防止でき、間仕切部材を整列できる。一対の磁性部材としては、前記と同様に、下部取り付け枠体（下枠体）の両端部に装着可能な一対の磁性部材が使用できる。好ましい一対の磁性部材は、前記一対のマグネット部材（第１及び第２のマグネット部材）である。
【0211】
前記一対の磁性部材（マグネット部材（第１及び第２のマグネット部材）など）は、前記装着凹部への装着に限らず、施工部位（間仕切部材の下端部（又は下端面）、及び仕切路又は開閉路）に、直接的に、ビス止めなどの機械的接合部材、接着剤などの化学的接合部材などを利用して取り付け可能であってもよく；前記マグネット部材（第１及び第２のマグネット部材）のように、ビスなどを利用することなく、前記間仕切部材の下端部（又は下端面）と前記敷設部材の仕切路（開閉路）とに形成されたアリ溝状の装着凹部に挿入するだけで装着してもよい。
【0212】
なお、マグネット部材の断面形状は、四角形状（又は細幅の板状）、台形状、凸状、紡錘状又は楕円形状などであってもよい。前記下部枠部（取付枠部）及び／又は敷設部材の装着凹部は必ずしも必要ではなく、装着凹部も必ずしも必要ではなく、装着凹部はアリ溝状である必要はなく、マグネット部材が装着又は取り付け可能な形態、例えば、断面コ字状の凹溝などであってもよい。好ましい形態では、間仕切部材の下端部と、前記仕切路とにそれぞれ形成された装着凹部に装着し、必要によりビス、接着剤などで固定してもよい。例えば、マグネット部材は、取付効率を高めるため、施工部位としての間仕切部材の下部枠部（取付枠部）（又は長尺部材、被取付部）及び敷設部材（又は長尺部材）の装着凹部に挿入して装着され、必要によりビスなどで固定してもよい。
【0213】
マグネット部材は、長尺で細幅の板状（断面凸状）、台形状、凸状であってもよい。マグネット部材は、装着凹部に対する装着状態で、前記装着凹部から露出することなく、装着凹部内に位置していてもよいが、磁力を有効に利用するため、前記装着凹部の開口部を形成する開口部壁と同じ高さ位置に位置するか、開口部壁から突出する突出部を有していてもよい。すなわち、マグネット部材は、装着凹部（装着凹部壁）とほぼ同一面又は装着凹部（装着凹部壁）から突出していてもよい。
【0214】
装着凹部の断面形状は、マグネット部材が装着可能であればよく、断面コ字状、開口部側が拡がった断面台形状、開口部側が狭まった多角形状（三角形状など）などであってもよい。開閉構造の組み立て操作を簡単にするためには、装着凹部に対してマグネット部材を摺動又はスライド可能に装着する形態、特に、対向方向への抜けが規制された状態でマグネット部材のスライドにより装着可能な形態、例えば、開口部側が狭まったアリ溝状（例えば、前記特許文献３に記載の形態の装着凹部のように、奥部が幅広く、開口部壁が狭まって開口部を形成した断面コ字状のアリ溝状の装着凹部）などが好ましい。具体的には、装着凹部は、開口部を形成する開口部壁（例えば、前方に突出して開口部を形成する突出壁を有していてもよい開口部壁）と、この開口部壁から奥部方向に延びる中間壁（拡がって傾斜して奥部方向に延びてもよい中間壁）と、この中間壁から互いに近づく方向に延びる凹部壁とを有していてもよい。装着凹部は長尺又は細幅状のマグネット部材の装着性を高めるため、長手方向に延びる装着凹部であるのが有利である。すなわち、長手方向に延びる装着凹部にマグネット部材がスライドにより装着可能であるのが好ましい。
【0215】
一対の磁性部材は互いに磁気的に吸引可能（磁気的吸引力を作用可能）であればよく、一対の磁性部材（特に、マグネット部材）は、互いに反対の磁極を向けて配設可能であってもよく、磁性部材（特に、マグネット部材）は、幅方向（一対の磁性部材の対向方向に対して直交する方向）又は厚み方向（一対の磁性部材の対向方向）に異なる磁極が隣接して形成（又はＳ極とＮ極とに磁化）してもよい。このような形態において、パネル及びシートから選択された少なくとも１種の前記間仕切部材を用いると、複数の前記間仕切部材を、移動に伴って、互いに隣接して前記仕切路に沿って配列させるのに有用である。このような磁性部材を備えた好ましい間仕切構造は、少なくとも縦方向に延びて空間を仕切るための間仕切部材と、この間仕切部材を、左右方向及び上下方向のうち少なくとも一方の方向（特に、左右方向）に移動可能な移動機構とを備えていてもよく、前記間仕切部材の下端部と、この下端部に対応し、かつ前記間仕切部材の移動（前記ランナーの走行に伴う間仕切部材の移動）に伴って、前記間仕切部材で開閉空間を形成するための仕切路（開閉路又は区画路）とに、非接触状態で、互いに反対の磁極を向けて配設可能な一対の磁性部材を備えていてもよい。
【0216】
一対の磁性部材（又はマグネット部材）は非接触状態（遊離した状態）で配設可能である。そのため、第１の磁性部材（又は第１のマグネット部材）を装着した間仕切部材は、第２の磁性部材（又は第２のマグネット部材）が装着された仕切路（開閉路）に沿って円滑に移動可能である。一対の磁性部材（又はマグネット部材）の間隔は、磁性部材（又はマグネット部材）の磁力などに応じて、１～２０ｍｍ、好ましくは２～１５ｍｍ、さらに好ましくは３～１０ｍｍ程度であってもよい。反対の磁極を向けて一対の磁性部材（又はマグネット部材）を遊離して（又は所定の間隔をおいて）配設すると、第１の磁性部材（又は第１のマグネット部材）の軸線に対して第２の磁性部材（又は第２のマグネット部材）の軸線が位置ずれするのを抑制でき、第１の磁性部材（又は第１のマグネット部材）と第２の磁性部材（又は第２のマグネット部材）とが遊離していても、磁気的吸引力（吸着力）を利用して、間仕切部材の揺動を抑制できるとともに、間仕切部材の姿勢を保つことができる。なお、磁性部材（又はマグネット部材）には、過誤なく反対の磁極を向けて配設するため、磁極（Ｓ極又はＮ極）を示すためのマーカーを付してもよい。
【0217】
前記一対の磁性部材（マグネット部材（第１及び第２のマグネット部材））は、間仕切部材の下端部（又は下端面）及び前記仕切路に沿って所定の間隔及び／又は所定の長さで取り付ければよく、例えば、間仕切部材の下端部（又は下端面）及び前記仕切路（特に、これらの前記装着凹部）の全長に対して、複数の磁性部材（マグネット部材）を、所定間隔をおいて（離散させて）又は隣接して配設してもよく、間仕切部材の下端部（又は下端面）及び前記仕切路（特に、これらの前記装着凹部）の全長に亘って、磁性部材（マグネット部材）を取り付けてもよい。
【0218】
第１及び第２の前記磁性部材（マグネット部材）は、遷移金属元素及びこれらの合金、フェライト（鉄－ニッケル合金など）、永久磁石、希土類磁石などで形成できる。前記マグネット部材は、磁性粉体と樹脂又はゴムとを含むプラスチック磁石又はゴム磁石であってもよい。前記磁性部材（マグネット部材）は、硬質マグネット部材であってもよく、軟質マグネット部材であってもよい。好ましい磁性部材（マグネット部材）は、樹脂（プラスチック）又はエラストマーを含むプラスチック磁石又はゴム磁石部材であり、装着凹部に対する装着性を高めるため、軟質樹脂（軟質プラスチック）又はエラストマーを含む軟質マグネット部材である。このような樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂（ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、（メタ）アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂など）、熱硬化性樹脂（エポキシ樹脂など）などを含んでいてもよい。エラストマーは、ゴム及び熱可塑性エラストマーを含み、合成ゴム（ジエン系ゴム、オレフィン系ゴム、アクリル系ゴム、フッ素系ゴム、ウレタン系ゴムなど）や熱可塑性エラストマー（ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマーなど）などを含んでいてもよく、軟質樹脂（軟質プラスチック）は、非結晶性であってもよく、非芳香族性であってもよい。
【0219】
好ましい態様の間仕切構造は、前記間仕切部材としての複数のパネル又はシートと、各パネル又はシートを１又は複数（２つ）の回転軸部材（又は回動軸部材）で吊り下げて前記レールに沿って走行可能なランナーとを備えていてもよい。また、隣接する複数のパネル又はシートは、連結されることなく（例えば、蝶番などで回動可能に連結されることなく）、前記仕切路に沿って整列可能であってもよく；各パネル又はシートは、前記仕切路に対して交差した形態で移動可能であってもよい。
【0220】
さらに、好ましい態様の間仕切構造において、（イ）レールの一対の走行路は断面Ｕ字状又はＶ字状であってもよく；少なくとも一対の車輪は、前記走行路に対応する断面Ｕ字状又はＶ字状の外周部を有していてもよい。ランナーは、一対の車輪を互いに連結する車軸部と、この車軸部を回転可能に支持する支持部と、この支持部に形成された装着貫通孔と、この装着貫通孔に抜け止め状態で回転可能に装着可能な回転軸部材とを備えていてもよい。
【0221】
好ましい他の態様の間仕切構造において、（ロ）レールの一対の走行路は、下部開口部を備えた断面コ字状のレール本体と、このレール本体の両側内壁から高さ位置を異にして互い違いに延出し、延出方向に向かって下方に傾斜した少なくとも上下一対の走行壁で形成してもよく；少なくとも一対の車輪は、前記走行路に対応する断面Ｕ字状の外周部を有していてもよい。ランナーは、前記レールの下部開口部（スリット状開口部）に沿ってスライド自在であり、かつ前記間仕切部材（パネルなど）に対して取り付け可能な回転軸部材と、この回転軸部材の軸方向に所定間隔をおいて、前記回転軸部材の周方向に独立して回転自在に装着され、前記走行壁の走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪とを備えていてもよい。
【0222】
前記好ましい態様の間仕切構造（イ）及び（ロ）において、前記回転軸部材に装着可能であり、前記レールに対して高さ調整可能な高さ調整部材（ダブルナットなどの高さ調整可能な螺合締結部材）を備えていてもよい。
【0223】
さらに、前記間仕切構造（イ）及び（ロ）において、パネルは、プラスチック又はガラスのパネルであってもよく、前記ランナーの前記回転軸部材（前記ネジ部が形成された回転軸部材）が取り付け可能な上部枠部（取付枠部）（前記回転軸部材のネジ部に螺合可能な枠部）と、第１のマグネット部材が長手方向に沿って取り付け可能な下部枠部（取付枠部）とを備えていてもよく、前記仕切路に沿って取り付け可能な敷設部材には第２のマグネット部材が装着可能であってもよく、前記第１のマグネット部材と第２のマグネット部材とを、所定間隔をおいて（非接触状態で）、互いに反対の磁極を向けて配設してもよい。なお、前記断面Ｕ字状又はＶ字状の走行路（特に、Ｖ字状の走行路）を備えたレールを備えた間仕切構造において、前記車輪の外周部の頂部は、前記走行路の谷部よりも前記レールの側部内壁側に位置して走行可能であってもよい。
【0224】
本発明は、前記間仕切構造（又は開閉構造）を形成するための部材のセットも包含する。このセットは、前記１又は複数の間仕切部材、コネクタ及び前記移動機構（前記レール及びランナーなど）を備えており；さらに前記枠部（若しくは上部及び／又は下部枠部を形成する部材）を備えていてもよい。さらに、前記第１のコネクタと第２のコネクタとを電気的に接続するための前記配線を備えていてもよい。さらには、前記セットは、前記間仕切部材の下端部と仕切路とに配設可能な対のマグネット部材、位置決め部材（取付プレートなど）などの前記構造を形成するための種々の部材を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0225】
本発明の間仕切構造（又は開閉構造）は、種々のスペース、例えば、仕切り空間（老人ホームや病院の集会所、家庭のリビングルーム、寝室、応接室、工場の作業ブース、倉庫；会議室；ホテルの部屋、宴会場；会議場；学校の教室、体育館；劇場のステージ；病院の病室；展示スペース；避難施設など）などを間仕切部材で開閉可能に間仕切るのに利用でき、空間を閉じた状態（間仕切部材を展開した状態）で、間仕切部材の電気化学的機能を発現させることができる。
【符号の説明】
【0226】
１，１１１，２０１…レール
１１，１２１，２１１…ランナー
２１，２２１…パネル（間仕切部材）
２２ａ，２２２ａ…上部枠体（取付枠部）
２２ｂ，２２２ｂ…下部枠体（取付枠部）
３１，４１，７１，４３１，４４１，４７１…通電アセンブリ
３２，７２，４３２…配線
３３，４３３…装着部材（第１のコネクタ）
４３，７３，４４３…装着部材（第２のコネクタ）
９５ａ，９５ｂ，２９５ａ，２９５ｂ…一対のマグネット部材
１１，１２１，２１１…ランナー
２１，２２１…パネル（間仕切部材）
２２ａ，２２２ａ…上部枠体（取付枠部）
２２ｂ，２２２ｂ…下部枠体（取付枠部）
３１，４１，７１，４３１，４４１，４７１…通電アセンブリ
３２，７２，４３２…配線
３３，４３３…装着部材（第１のコネクタ）
４３，７３，４４３…装着部材（第２のコネクタ）
９５ａ，９５ｂ，２９５ａ，２９５ｂ…一対のマグネット部材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】