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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075115
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】ウェアラブル診断装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20230523BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
G16H50/30
A61B5/00 G
A61B5/00 102C
A61B5/1455
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023240
(22)【出願日】2023-02-17
(62)【分割の表示】P 2020556218の分割
【原出願日】2017-12-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520232998
【氏名又は名称】サレエム サヤニ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】サレエム サヤニ
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド アブドゥル ムクエート
(72)【発明者】
【氏名】ハフィズ イムティアズ アーメド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な種類の健康関連情報をユーザに提供することができるウェアラブル診断装置、方法及びシステムを提供する。
【解決手段】ユーザの心拍数、ヘモグロビンレベル、体温、酸素レベル、グルコースレベル及び血圧に関するリアルタイムの非侵襲的で正確な連続データを提供するウェアラブル診断装置であって、ケーシング101は、ディスプレイ102、充電コネクタ、複数の制御ボタン並びにプロセッサ、プリント回路基板、集積回路、SoC123、メモリ及び無線トランシーバなどの1つ又は複数の電子部品を備えるか又はこれらに結合する。ディスプレイは、ユーザにデータを出力し、かつ、該ユーザからの入力を受け取るためのユーザインターフェイスを表示する。制御ボタンは、ユーザが使用して、ユーザインターフェイスをナビゲートし、選択を行い、1つ又は複数の動作をウェアラブル診断装置で実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって:
1つ又は複数のユーザの特性を検出するように構成された1つ又は複数の赤外線レーザセ
ンサの第1のセット;
該1つ又は複数の赤外線レーザセンサの該第1のセットに結合され、該1つ又は複数の赤
外線レーザセンサの第1のセットからの1つ又は複数のアナログ信号をデジタル化するよう
に構成された1つ又は複数のアナログデジタル変換器;
1つ又は複数のコンピュータ装置;及び
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されると、該1つ又は複数のコンピュー
タ装置に処理を実行させるための命令を記憶している、1つ又は複数の記憶装置;
を備え、
該処理が、
該ユーザの病状を検出するための第1の非侵襲的診断検査を実行する要求を指示する
データを受け取るステップ;
1つ又は複数のデータベースを有する1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信
し、該ユーザに関連した情報を得て、該ユーザのデモグラフィックデータを含むユーザプ
ロフィールを作成するステップ;
該1つ又は複数の赤外線レーザセンサの該第1のセットを制御し、該ユーザの身体部分
に向かって1つ又は複数の赤外線信号をそれぞれ発信するステップ;
該1つ又は複数の赤外線レーザセンサの該第1のセットを使用して、該ユーザの身体部
分から反射された1つ又は複数の赤外線信号を受信するステップ;
該1つ又は複数のアナログデジタル変換器を使用して、該受信した1つ又は複数の赤外
線信号をデジタル化し、第1のデジタル化された生データを生成するステップ;
該1つ又は複数の記憶装置に記憶された複数のデータセットの中から、該第1のデジタ
ル化された生データに対応する第1の特定のデータセットを選択するステップであって、
該複数のデータセットのそれぞれが、該第1のデジタル化された生データの所定の範囲と
該第1の非侵襲的診断検査の第1の予測値及び第1の勾配回帰値とを関連付けている、前記
ステップ;
該1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信し、該ユーザの該第1の非侵襲的診
断検査の該第1の予測値を得るステップであって、該第1の予測値が、該デモグラフィック
データの該第1の非侵襲的診断検査の取り得る値に対応している、前記ステップ;
該第1の特定のデータセットの、該第1の予測値及び該第1の該勾配回帰値に基づいて
、該ユーザの該第1の非侵襲的診断検査の値を決定するステップ;並びに
ディスプレイ又はスピーカーを介して、該第1の非侵襲的診断検査の該値を出力する
ステップ;
を含む、前記システム。
【請求項2】
前記第1の非侵襲的診断検査が、グルコース検査、コレステロール検査、ヘモグロビン
検査、及び酸素飽和レベル検査の1つ又は複数を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記処理が:
前記1つ又は複数のデータベースからユーザの臨床データを得るステップ;
該得られたユーザの臨床データ及び前記ユーザのデモグラフィックデータに基づいて臨
床データセットの範囲を決定するステップ;並びに
該臨床データセットの範囲を前記複数のデータセットにマッピングするステップ;をさ
らに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記処理が:
前記ユーザの病歴に基づいて実施すべき第2の非侵襲的診断検査を決定するステップ;
該第2の非侵襲的診断検査に基づいて前記1つ又は複数の赤外線レーザセンサの第2のセ
ットを作動させるステップ;
前記1つ又は複数の赤外線レーザセンサの該第2のセットを使用して、該ユーザの身体部
分から反射された1つ又は複数の赤外線信号を受信するステップ;
前記1つ又は複数のアナログデジタル変換器を使用して、該受信した1つ又は複数の赤外
線信号をデジタル化し、第2のデジタル化された生データを生成するステップ;
前記1つ又は複数の記憶装置に記憶された前記複数のデータセットの中から、該第2のデ
ジタル化された生データに対応する第2の特定のデータセットを選択するステップであっ
て、該複数のデータセットのそれぞれが、該第2のデジタル化された生データの所定の範
囲と該第2の非侵襲的診断検査の第2の予測値及び第2の勾配回帰値とを関連付けている、
前記ステップ;
前記1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信し、該ユーザの該第2の非侵襲的診
断検査の該第2の予測値を得るステップであって、該第2の予測値が、前記デモグラフィッ
クデータの該第2の非侵襲的診断検査の取り得る値に対応している、前記ステップ;並び

該第2の特定のデータセットの、該第2の予測値及び該第2の該勾配回帰値に基づいて、
該ユーザの該第2の非侵襲的診断検査の値を決定するステップ;をさらに含む、請求項1記
載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザの前記第1の非侵襲的診断検査の前記第1の予測値を得るステップが、前記ユ
ーザの前記第2の非侵襲的診断検査の値に基づいて前記第1の非侵襲的診断検査の前記第1
の予測値を決定するステップを含む、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の非侵襲的診断検査が、グルコース検査であり、
前記第2の非侵襲的診断検査が、前記第1の非侵襲的診断検査と順次に行われるコレステ
ロール検査である、請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記システムが、前記第1の非侵襲的診断検査及び前記第2の非侵襲的診断検査を行うよ
うに構成された時計を含み、該時計が、前記1つ又は複数のコンピュータ装置を備える、
請求項4記載のシステム。
【請求項8】
コンピュータ実施方法であって:
ユーザによって装着されるように構成された装置で、該ユーザの病状を検出するための
第1の非侵襲的診断検査を実行する要求を指示するデータを受け取るステップ;
該装置における1つ又は複数のコンピュータ装置によって、1つ又は複数のデータベース
を有する1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信し、該ユーザに関連した情報を
得て、該ユーザのデモグラフィックデータを含むユーザプロフィールを作成するステップ

該装置における該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、1つ又は複数の赤外線レー
ザセンサの第1のセットを制御し、該ユーザの身体部分に向かって1つ又は複数の赤外線信
号をそれぞれ発信するステップ;
該1つ又は複数の赤外線レーザセンサの該第1のセットを使用して、該ユーザの身体部分
から反射された1つ又は複数の赤外線信号を受信するステップ;
該装置における1つ又は複数のアナログデジタル変換器を使用して、該受信した1つ又は
複数の赤外線信号をデジタル化し、第1のデジタル化された生データを生成するステップ

該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、1つ又は複数の記憶装置に記憶された複数
のデータセットの中から、該第1のデジタル化された生データに対応する第1の特定のデー
タセットを選択するステップであって、該データセットのそれぞれが、該第1のデジタル
化された生データの所定の範囲と該第1の非侵襲的診断検査の第1の予測値及び第1の勾配
回帰値とを関連付けている、前記ステップ;
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、該1つ又は複数のコンピュータネットワー
クと通信し、該ユーザの該第1の非侵襲的診断検査の該第1の予測値を得るステップであっ
て、該第1の予測値が、該デモグラフィックデータの該第1の非侵襲的診断検査の取り得る
値に対応している、前記ステップ;
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、該第1の特定のデータセットの、該第1の
予測値及び該第1の勾配回帰値に基づいて、該ユーザの該第1の非侵襲的診断検査の値を決
定するステップ;並びに
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、該装置におけるディスプレイ又はスピー
カーを介して、該第1の非侵襲的診断検査の該値を出力するステップ;を含む、前記方法
【請求項9】
前記第1の非侵襲的診断検査が、グルコース検査、コレステロール検査、ヘモグロビン
検査、及び酸素飽和レベル検査の1つ又は複数を含む、請求項8記載のコンピュータ実施方
法。
【請求項10】
前記1つ又は複数のデータベースから該ユーザの臨床データを得るステップ;
該得られた該ユーザの臨床データ及び前記ユーザのデモグラフィックデータに基づいて
臨床データセットの範囲を決定するステップ;並びに
該臨床データセットの範囲を前記複数のデータセットにマッピングするステップ;をさ
らに含む、請求項8記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記ユーザの病歴に基づいて実施すべき第2の非侵襲的診断検査を決定するステップ;
該第2の非侵襲的診断検査に基づいて前記1つ又は複数の赤外線レーザセンサの第2のセ
ットを作動させるステップ;
前記1つ又は複数の赤外線レーザセンサの第2のセットを使用して、該ユーザの身体部分
から反射された1つ又は複数の赤外線信号を受信するステップ;
前記1つ又は複数のアナログデジタル変換器を使用して、該受信した1つ又は複数の赤外
線信号をデジタル化し、第2のデジタル化された生データを生成するステップ;
前記1つ又は複数の記憶装置に記憶された前記複数のデータセットの中から、該第2のデ
ジタル化された生データに対応する第2の特定のデータセットを選択するステップであっ
て、該複数のデータセットのそれぞれが、該第2のデジタル化された生データの所定の範
囲と該第2の非侵襲的診断検査の第2の予測値及び第2の勾配回帰値とを関連付けている、
前記ステップ;
前記1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信し、該ユーザの該第2の非侵襲的診
断検査の該第2の予測値を得るステップであって、該第2の予測値が、前記デモグラフィッ
クデータの該第2の非侵襲的診断検査の取り得る値に対応している、前記ステップ;並び

該第2の特定のデータセットの、該第2の予測値及び該第2の該勾配回帰値に基づいて、
該ユーザの該第2の非侵襲的診断検査の値を決定するステップ;をさらに含む、請求項8記
載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記ユーザの前記第1の非侵襲的診断検査の前記第1の予測値を得るステップが、前記ユ
ーザの前記第2の非侵襲的診断検査の値に基づいて前記第1の非侵襲的診断検査の前記第1
の予測値を決定するステップを含む、請求項11記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記第1の非侵襲的診断検査が、グルコース検査であり、
前記第2の非侵襲的診断検査が、前記第1の非侵襲的診断検査と順次に行われるコレステ
ロール検査である、請求項11記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記第1の非侵襲的診断検査及び前記第2の非侵襲的診断検査が、前記1つ又は複数のコ
ンピュータ装置を備える時計によって行われる、請求項11記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
1つ又は複数のコンピュータによって実行されると、該1つ又は複数のコンピュータに処
理を実行させるための命令を記憶している、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって

該処理が、
ユーザによって装着されるように構成された装置で、該ユーザの病状を検出するための
第1の非侵襲的診断検査を実行する要求を指示するデータを受け取るステップ;
1つ又は複数のデータベースを有する1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信し
、該ユーザに関連した情報を得て、該ユーザのデモグラフィックデータを含むユーザプロ
フィールを作成するステップ;
該装置の1つ又は複数の赤外線レーザセンサの第1のセットを制御し、該ユーザの身体部
分に向かって1つ又は複数の赤外線信号をそれぞれ発信するステップ;
該1つ又は複数の赤外線レーザセンサの該第1のセットを使用して、該ユーザの身体部分
から反射された1つ又は複数の赤外線信号を受信するステップ;
該装置における1つ又は複数のアナログデジタル変換器を使用して、該受信した1つ又は
複数の赤外線信号をデジタル化し、第1のデジタル化された生データを生成するステップ

該1つ又は複数の記憶装置に記憶された複数のデータセットの中から、該第1のデジタル
化された生データに対応する第1の特定のデータセットを選択するステップであって、該
複数のデータセットのそれぞれが、該第1のデジタル化された生データの所定の範囲と該
第1の非侵襲的診断検査の第1の予測値及び第1の勾配回帰値とを関連付けている、前記ス
テップ;
該1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信し、該ユーザの該第1の非侵襲的診断
検査の該第1の予測値を得るステップであって、該第1の予測値が、該デモグラフィックデ
ータの該第1の非侵襲的診断検査の取り得る値に対応している、前記ステップ;
該第1の特定のデータセットの、該第1の予測値及び該第1の勾配回帰値に基づいて、該
ユーザの該第1の非侵襲的診断検査の値を決定するステップ;並びに
該装置におけるディスプレイ又はスピーカーによって、該第1の非侵襲的診断検査の該
値を出力するステップ;
を含む、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記処理が:
前記ユーザの病歴に基づいて実施すべき第2の非侵襲的診断検査を決定するステップ;
該第2の非侵襲的診断検査に基づいて前記1つ又は複数の赤外線レーザセンサの第2のセ
ットを作動させるステップ;
前記1つ又は複数の赤外線レーザセンサの該第2のセットを使用して、該ユーザの身体部
分から反射された1つ又は複数の赤外線信号を受信するステップ;
前記1つ又は複数のアナログデジタル変換器を使用して、該受信した1つ又は複数の赤外
線信号をデジタル化し、第2のデジタル化された生データを生成するステップ;
前記1つ又は複数の記憶装置に記憶された前記複数のデータセットの中から、該第2のデ
ジタル化された生データに対応する第2の特定のデータセットを選択するステップであっ
て、該複数のデータセットのそれぞれが、該第2のデジタル化された生データの所定の範
囲と該第2の非侵襲的診断検査の第2の予測値及び第2の勾配回帰値とを関連付けている、
前記ステップ;
前記1つ又は複数のコンピュータネットワークと通信し、該ユーザの該第2の非侵襲的診
断検査の該第2の予測値を得るステップであって、該第2の予測値が、前記デモグラフィッ
クデータの該第2の非侵襲的診断検査の取り得る値に対応している、前記ステップ;並び

該第2の特定のデータセットの、該第2の予測値及び該第2の該勾配回帰値に基づいて、
該ユーザの該第2の非侵襲的診断検査の値を決定するステップ;をさらに含む、請求項15
記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
個人がますます健康を意識するようになるにつれて、個人の健康情報を単純で便利な方
法で受信することへの需要がユーザの間で高まっている。多くの場合、ユーザは、それぞ
れがユーザの健康の一側面に関する情報を提供する複数の装置を装着する必要があり得る
。ユーザの健康の複数の側面に関する情報を単純で非侵襲的、かつ便利な方法で提供でき
る装置が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
(概要)
一般に、主題の革新的な態様は、1つ又は複数の医療診断検査を行うためのウェアラブ
ル診断装置及び方法及びシステムを説明する。
【0003】
いくつかの実施では、システムは、1つ又は複数のコンピュータ装置、及び該1つ又は複
数のコンピュータ装置によって実行されると該1つ又は複数のコンピュータ装置に動作を
実行させる命令を記憶する1つ又は複数の記憶装置を含む。動作は、ユーザの病状を検出
するための非侵襲的診断検査の開始要求に対応する入力を受け取ること、該非侵襲的診断
検査を行うための1つ又は複数のセンサを特定すること、非侵襲的診断検査に基づいて、
該特定された1つ又は複数のセンサを作動させること、該1つ又は複数のセンサを介して信
号データを受信すること、ユーザプロフィールに一部基づいて該非侵襲的診断検査の予測
値を得ること、該予測値及び該受信信号データに基づいて検査結果を決定すること、並び
に該検査結果をディスプレイ又はスピーカーを介して出力することを含む。
【0004】
実施はそれぞれ、以下の機能の1つ又は複数を任意に含み得る。例えば、いくつかの実
施では、非侵襲的診断検査には、グルコース検査、コレステロール検査、ヘモグロビン検
査、酸素飽和レベル検査、及び心電図モニタリング検査の1つ又は複数が含まれる。
【0005】
いくつかの実施では、動作は、受信信号データから得た生データに基づいて経路を選択
すること、及び該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ることをさらに含
む。予測値及び受信信号データに基づいて検査結果を決定することは、決定された値に基
づいて検査結果を決定することを含む。
【0006】
いくつかの実施では、動作は、1つ又は複数のデータベースからユーザの臨床データ及
びユーザのデモグラフィックデータを得ること、該得たユーザの臨床データ及び該ユーザ
のデモグラフィックデータに基づいて臨床データセットの範囲を決定すること、並びに該
臨床データセットの範囲を非侵襲的診断検査の予測値にマッピングすることをさらに含む
【0007】
いくつかの実施では、動作は、行われるべき第2の非侵襲的診断検査を、(i)該第2の
非侵襲的診断検査を非侵襲的診断検査に関連付けるユーザパターン、及び(ii)ユーザの
病歴に基づいて決定すること;該第2の非侵襲的診断検査に基づいて1つ又は複数のセンサ
の第2のセットを作動させること;該1つ又は複数のセンサの第2のセットを介して第2の信
号データを受信すること;ユーザプロフィールに一部基づいて該第2の非侵襲的診断検査
の第2の予測値を得ること;並びに該第2の予測値及び該受信した第2の信号データに基づ
いて第2の検査結果を決定することをさらに含む。
【0008】
いくつかの実施では、非侵襲的診断検査の予測値を得ることは、第2の検査結果を使用
して非侵襲的診断検査の予測値を決定することを含む。
【0009】
いくつかの実施では、第2の非侵襲的診断検査は、グルコース検査である非侵襲的診断
検査と同時に行われるコレステロール検査である。
【0010】
いくつかの実施では、非侵襲的診断検査及び第2の非侵襲的診断検査は、1つ又は複数の
コンピュータ装置を備える時計によって行われる。
【0011】
いくつかの実施では、1つ又は複数のセンサは、無線心電極、圧電振動センサ、赤外線
センサ、温度センサ、加速度計、及び微小電気機械システム(MEMS)センサの1つ又は複
数を含む。
【0012】
開示される主題の態様によると、時計は、1つ又は複数のコンピュータ装置、及び該1つ
又は複数のコンピュータ装置によって実行されると該1つ又は複数のコンピュータ装置に
動作を実行させる命令を記憶する1つ又は複数の記憶装置を備える。この動作は、ユーザ
プロフィールに基づいてグルコース検査及びコレステロール検査を選択すること、該グル
コース検査及び該コレステロール検査を行うための1つ又は複数のセンサを特定すること
、該特定された1つ又は複数のセンサを作動させること、該1つ又は複数のセンサを介して
信号データを受信すること、該ユーザプロフィールに一部基づいて該グルコース検査の第
1の予測値を得ること、該第1の予測値及び該受信信号データに基づいてグルコース検査結
果及びコレステロール検査結果を決定すること、並びに時計のディスプレイ又はスピーカ
ーを介して該グルコース検査結果及び該コレステロール検査結果を出力することを含む。
【0013】
いくつかの実施では、1つ又は複数のセンサは、赤外線センサ及び圧電振動センサを含
む。動作は、受信信号データから得られた生データに基づいて経路を選択すること、及び
該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ることを含む。第1の予測値及び
受信信号データに基づいてグルコース検査結果を決定することは、決定された値に基づい
て該グルコース検査結果を決定することを含む。
【0014】
本明細書でさらに説明される上記の態様及び実施は、いくつかの利点を提供する。例え
ば、単一のウェアラブル診断装置は、非侵襲的グルコース検査、非侵襲的コレステロール
検査、及び非侵襲的ヘモグロビン検査を含む複数の非侵襲的診断検査を行うことができる
。ウェアラブル診断装置は、心電図(EKG)データ、又はユーザの手の不随意運動などパ
ーキンソン病の症状の検出を得ることもできる。無線電極を備えたウェアラブル診断装置
は、ユーザの履歴及び病状を記録することができ、かつ予測値、アルゴリズム、及びマッ
ピングデータベースを利用してグルコース検査、コレステロール検査、及び/又はヘモグ
ロビン検査の精度及び信頼性の高い結果を提供することができる。予測値は、ユーザの臨
床情報及びデモグラフィック情報を含むため、グルコースレベル又はヘモグロビンレベル
に影響を与え得る肌の色や年齢などのパラメータをより正確に考慮して計算を行うことが
できる。また、予測値を使用して、該予測値を特定の疾患に対するユーザの感受性と相関
させることもできる。
【0015】
他の態様は、対応する方法、システム、機器、コンピュータ可読記憶媒体、及び上記の
方法の動作を実施するように構成されたコンピュータプログラムを含む。
【0016】
本明細書で説明される1つ又は複数の態様の詳細は、添付の図面及び以下の説明に示さ
れる。主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、図面、及び特許請求の範囲から
明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
(図面の簡単な説明)
図1-5】図1図5は、ウェアラブル診断装置の例示的な実施を示す。
【0018】
図6図6は、ウェアラブル診断装置に実装された例示的なシステムを示す。
【0019】
図7図7は、ユーザのグルコースレベルを決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0020】
図8図8は、グルコース予測値を決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0021】
図9図9は、ユーザのヘモグロビンレベルを決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0022】
図10図10は、ヘモグロビン予測値を決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0023】
図11図11は、ユーザの血圧レベルを決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0024】
図12図12は、血圧予測値を決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0025】
図13図13は、ユーザのコレステロールレベルを決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
様々な図面における同様の参照番号及び名称は同様の要素を示す。
【0027】
(詳細な説明)
本開示は、一般に、様々な種類の健康関連情報をユーザに提供するためにユーザの体に
装着することができるウェアラブル診断装置に関する。いくつかの実施では、ウェアラブ
ル診断装置は、1つ又は複数の医療診断検査を行い、ユーザの心拍数、ヘモグロビンレベ
ル、体温、酸素レベル、グルコースレベル、コレステロール、及び血圧に関するリアルタ
イムの非侵襲的で正確な連続データを提供することができる。いくつかの実施では、ウェ
アラブル診断装置はまた、心電図(EKG)データ、及びユーザの手の不随意運動などのパ
ーキンソン病の症状の検出を提供することもできる。ユーザは、上記の診断検査の1つ又
は複数に関する情報を提供するようにウェアラブル診断装置を構成することができる。ウ
ェアラブル診断装置の実施は、図を参照して以下に説明する。
【0028】
図1図5は、ウェアラブル診断装置の異なる図を示す。いくつかの実施では、ウェアラ
ブル診断装置は、図1図5に示されるように時計の形態で実施することができる。図6
、いくつかの実施によるウェアラブル診断装置に含まれる構成要素のさらなる詳細を示す
。一般に、ウェアラブル診断装置は、様々な適切な形状、形態、及びサイズで実施するこ
とができ、かつユーザの左腕に取り付けることができ、該ユーザの複数の健康診断測定値
を得ることができるあらゆる電子装置であり得る。
【0029】
図1図5を参照すると、ウェアラブル時計は、ケーシング101、ディスプレイ102、取り
外し可能な無線心電極103、113、ベルト104、109、圧電振動センサ105、赤外線(IR)/
光/レーザーセンサ106、コネクタ107、温度センサ108、制御ボタン110、111、背面カバ
ー112、ベルトコネクタ114、ベルトファスナ115、充電コネクタ116、電源117、外側ベル
ト層118、120、絶縁ワイヤ119、加速度計121、電力マネージャ122、システムオンチップ
(SoC)123、及び電源スイッチ124を備えることができる。ウェアラブル時計は、ユーザ
の左腕150に装着することができる。
【0030】
ケーシング101は、ディスプレイ102、充電コネクタ116、制御ボタン110、111、並びに
プロセッサ、プリント回路基板(PCB)、集積回路(IC)、SoC 123、メモリ、及び無線ト
ランシーバなどの1つ又は複数の電子部品を備えるか、又はこれらに結合することができ
る。ディスプレイ102は、様々なデータを表示するために、例えば、液晶ディスプレイ(L
CD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は有機LEDディスプレイを含むあらゆる適
切なディスプレイを使用して実施することができる。いくつかの実施では、ディスプレイ
102は、静電容量式タッチスクリーンなどのタッチスクリーンであり得る。
【0031】
ディスプレイ102は、ユーザにデータを出力し、かつ該ユーザからの入力を受け取るよ
うに構成されたユーザインターフェイスを表示することができる。制御ボタン110、111は
、ユーザが使用して、ユーザインターフェイスをナビゲートし、選択を行い、1つ又は複
数の動作をウェアラブル診断装置で実行することができる。いくつかの実施では、ディス
プレイ102は、ユーザから選択を受け取ることができ、該ユーザの選択を示す情報をウェ
アラブル時計又はネットワーク装置の1つ又は複数のプロセッサに提供することができる
。いくつかの実施では、ディスプレイ102は、1つ又は複数のプロセッサからデータを受け
取ることができ、そのデータをディスプレイ102に提供してユーザに出力することができ
る。例えば、場合によっては、ユーザは、ユーザインターフェイスを介してユーザのグル
コースレベルを提供する要求を入力することができる。ユーザのグルコースレベルを決定
した後、該ユーザのグルコースレベルを示す情報を、ディスプレイ102上に表示されたユ
ーザインターフェイスを介して出力することができる。
【0032】
ケーシング101内の1つ又は複数のプロセッサは、PCB又はICで実施することができ、メ
モリ、ディスプレイ102、及び無線トランシーバなどのウェアラブル診断装置の他の電子
部品に電気的に接続することができる。例えば、プロセッサは、ディスプレイ102からユ
ーザの選択を示すデータを受け取ることができ、ユーザによって要求された情報の種類を
決定し、そして該ユーザによって要求された情報に基づいて1つ又は複数の動作を実行す
るコマンドを生成することができる。
【0033】
いくつかの実施では、1つ又は複数のプロセッサは、無線トランシーバを使用してデー
タを送受信することができる。データは、ウェアラブル診断装置と二次装置との間で送受
信することができる。二次装置は、ユーザによって選択される装置、ネットワークサーバ
、又はウェアラブル時計と通信するように構成された装置であり得る。例えば、ユーザは
、自身が所有する別の装置を選択して、ウェアラブル診断装置からそこにデータを送信す
ることができる。別の例では、ウェアラブル診断装置は、ユーザの要求又は送受信データ
の所定の予定に従って、1つ又は複数のネットワークサーバに対してデータを送受信する
ように構成することができる。
【0034】
1つ又は複数のネットワークサーバは、1つ又は複数のデータベース、アクセスポイント
、基地局、ストレージシステム、クラウドシステム、及びモジュールを含み得る1つ又は
複数のネットワークにサービスを提供することができる。1つ又は複数のサーバは、ネッ
トワークオペレーティングシステムを実行する一連のサーバであり得る。1つ又は複数の
サーバは、クラウド及び/又はネットワークコンピューティングに使用することもできる
し、かつ/又はこれらを提供することもできる。
【0035】
ネットワーク内のデータベースは、クラウドデータベース、又はデータベース管理シス
テム(DBMS)によって管理されるデータベースを含み得る。DBMSは、データベース内のデ
ータの整理、保存、管理、及び検索を制御するエンジンとして実施することができる。DB
MSは、多くの場合、問い合わせる能力、バックアップを取り、複製する能力、規則を適用
する能力、セキュリティを提供する能力、計算を行う能力、ログの変更及びログへのアク
セスを行う能力、最適化を自動化する能力を提供する。DBMSは、典型的には、モデリング
言語、データ構造、データベース問い合わせ言語、及びトランザクション機構を含む。モ
デリング言語は、データベースモデルに従ってDBMSの各データベースのスキーマを定義す
るために使用され、データベースモデルには、階層モデル、ネットワークモデル、関係モ
デル、オブジェクトモデル、又はその他の適用可能な既知若しくは便利な機構が含まれ得
る。データ構造には、フィールド、レコード、ファイル、オブジェクト、及びデータを保
存するためのその他の適用可能な既知の又は便利な構造が含まれ得る。DBMSはまた、保存
されるデータについてのメタデータを含み得る。
【0036】
いくつかの実施では、データベースは、エイリアス名、病歴、及びユーザのあらゆる病
状などの該ユーザの情報を保存することができるユーザデータベースを含み得る。ユーザ
データベースはまた、様々なツール及びソフトウェアにアクセスするためのライセンス、
許可、及び証明書に関連するデータも保存することができる。場合によっては、ユーザは
、ユーザを識別できるいかなる情報も匿名化され、ユーザ識別情報がユーザデータベース
にデータを保存する前に削除されるように、ユーザデータを匿名化する選択肢を選択する
ことができる。
【0037】
一般に、様々な適切な無線プロトコルを使用して、ウェアラブル診断装置との間でデー
タを通信することができる。例えば、ウェアラブル診断装置は、WiFi又はBluetooth通信
を使用して1つ又は複数のネットワーク、装置、又はサーバと通信することができる。一
般に、様々な種類のネットワークで通信することができ、様々な通信プロトコルを使用す
ることができる。
【0038】
充電コネクタ116は、ユニバーサルシリアルバス又は導線などの電源ケーブルに接続す
るように構成されたポートであり得る。電源ケーブルに接続されると、充電コネクタ116
は、電力インターフェイスとして機能して、外部供給源から電力を供給してウェアラブル
時計の電源117を充電することができる。電源117は、あらゆる適切なバッテリとすること
ができ、ウェアラブル診断装置内のどの電気部品にも電力を供給することができる。
【0039】
ケーシング101は、電源スイッチ124も備える。いくつかの実施では、電源スイッチ124
が電源オフ位置にくるような該電源スイッチ124の選択に応じて、1つ又は複数のプロセッ
サがコマンドを電力マネージャ122に送信して、ディスプレイ102などのウェアラブル診断
装置の1つ又は複数の部品への電力の供給を停止することができる。いくつかの実施では
、電源スイッチ124が電源オン位置にくるような該電源スイッチ124の選択に応じて、電力
マネージャ122が、コマンドを電源117に送信して、ディスプレイ102などのウェアラブル
診断装置の1つ又は複数の部品に電力を供給することができる。
【0040】
ケーシング101は、ベルト104、109、コネクタ107、及びベルトコネクタ114に接続され
、これらを調整して、ウェアラブル診断装置を異なるサイズの手首の周りに固定すること
ができる。例えば、ベルト104、109及びベルトコネクタ114は、ユーザの手首に巻き付け
ることができ、ベルトファスナ115は、ベルト104、109及びベルトコネクタ114を定位置に
保持することができる。背面カバー112及び心電極113は、ケーシング101の底部に配設す
ることができる。
【0041】
1つ又は複数の絶縁ワイヤ119をウェアラブル診断装置の構造に一体化させて、該ウェア
ラブル診断装置の様々な部品への電気的接続を提供することができる。例えば、図6に例
示されるように、1つ又は複数の絶縁ワイヤ119をウェアラブル診断装置の中心軸に沿って
配設して、電源117とケーシング101との間、及び該電源117とIR/光/レーザーセンサ106
との間に電気的接続を提供することができる。
【0042】
ウェアラブル診断装置はまた、心電極103、113、圧電振動センサ105、赤外線(IR)/
光/レーザーセンサ106、温度センサ108、加速度計121、及びインピーダンスセンサなど
の1つ又は複数のセンサも備えることができる。いくつかの実施では、圧電振動センサ105
は、微小電気機械システム(MEMS)センサを含み得る。
【0043】
無線心電極103、113は、心臓の収縮中に生成される電圧などの心臓電位波形を検出する
ように構成された金属導電性材料を含み得る。無線心電極103は、ウェアラブル診断装置
の外周に対応する外側ベルト層118に配設される。無線心電極113は、ウェアラブル診断装
置がユーザの腕150の周りに固定されたときに該ユーザの皮膚に接触できるように、背面
カバー112に配設されるか、又はこれと一体化される。無線心電極103、113は、ウェアラ
ブル診断装置から取り外し、再度取り付けることができ、かつデータを別の電子装置に無
線で通信することができる。
【0044】
IR/光/レーザーセンサ106は、信号発生器及び信号検出器を備えることができる。信
号発生器は、例えば650~1400ナノメートル(nm)の範囲の波長を有する赤外線信号を生
成して送信することができる。この範囲は、ユーザの血中の酸素、グルコース、ヘモグロ
ビン分子の存在を示すデータを得るのに特に有用である。信号検出器は、ユーザの身体か
ら受信した赤外線信号を検出するように構成することができる。
【0045】
いくつかの実施では、IR/光/レーザーセンサ106は、パルス信号を検出し、動脈法(A
rtery method)において脈波伝播時間(PWTT)を使用して検出された信号を処理すること
ができる。これらのパルス信号は、圧電振動センサ105によって得られたデータと組み合
わせて、血圧を非侵襲的に予測することができる。また、IR/光/レーザーセンサ106を
使用して、ユーザの血中の酸素飽和レベル(SpO2)を示すデータを非侵襲的に決定する、
又は得ることができる。
【0046】
圧電振動センサ105及び加速度計121を使用して、ユーザの手の振動を測定することがで
きる。例えば、加速度計121は、方向、速度、振動、及び回転の変化を検出することがで
きる。温度センサ108を使用して、ユーザの体温を測定することができる。温度センサ108
は、様々な適切な方法で実施することができる。例えば、温度センサ108は、熱電対、シ
リコンバンドギャップセンサ、温度計、又は1つ若しくは複数の検出抵抗器を含むサーミ
スタであり得る。検出抵抗器における電気抵抗の変化は、体温の変化に対応し得る。いく
つかの実施では、温度センサは、ICの単一パッケージに製造された能動及び受動素子並び
に抵抗及び半導体材料を含み得る。
【0047】
以下でさらに詳細に説明するように、センサを使用して1つ又は複数の測定値を得るこ
とができる。グルコースレベル、ヘモグロビンレベル、血圧レベル、EKG、心拍数レベル
、体温、及び手の振動を決定するためにウェアラブル診断装置を使用して行われる動作を
、以下でさらに詳細に説明する。この動作は、ユーザがウェアラブル診断装置を該ユーザ
の左腕150に配置して、ベルト104、109、ベルトコネクタ114、ベルトファスナ115、及び
外側ベルト層118、120の1つ又は複数を調整して、該ウェアラブル診断装置を該ユーザの
左腕150の周りに固定してから開始する。
【0048】
ウェアラブル診断装置がユーザの左腕150に固定されると、IR/光/レーザーセンサ106
が、該ユーザの橈骨尺骨動脈の真上の該ユーザの左手首の下部に接触し得る。上記のよう
に、IR/光/レーザーセンサ106は、赤外線信号を生成して送信するための信号発生器を
備えことができる。信号は、IR/光/レーザーセンサ106からユーザの左手首の下部にお
ける該ユーザの皮膚に向かって送信することができる。
【0049】
IR/光/レーザーセンサ106は、ユーザの皮膚からの信号の反射を検出することができ
る。次いで、吸収スペクトルデータを含む検出された信号を、アナログデジタル変換器(
ADC)を使用してデジタル信号に変換することができる。変換の結果、ユーザの皮膚から
受け取った信号に対応する生のデジタルデータが生成される。生のデジタルデータを処理
して、酸素、グルコース、ヘモグロビンなど、ユーザの血中の様々な分子の存在に対応す
る吸収スペクトルを決定することができる。吸収スペクトルを決定することにより、ユー
ザの血中に存在する特定の分子の有無及び対応するレベルを推定することができる。
【0050】
いくつかの実施では、生のデジタルデータの複数のセットが様々な時点で得られるよう
に複数の信号測定値を得ることができる。生のデジタルデータの様々なセットを蓄積及び
平均化して、ユーザの生データの単一セットを得ることができる。
【0051】
いくつかの実施では、ウェアラブル診断装置は、ユーザの健康に関連する情報を得るこ
とができる。ユーザの健康に関連する情報には、限定されるものではないが、例えば、ユ
ーザの居住地、ユーザの医師、ユーザの薬剤師、ユーザの医療記録所有者、1つ又は複数
の群とのユーザのデモグラフィック関連事項、ユーザの食生活、ユーザの子供の数を示す
もの、ユーザの病歴、1つ又は複数の過去又は現在の病状、例えばユーザのアレルギー、
手術、遺伝子の状態、ユーザの1つ又は複数の健康上の懸念、及びユーザが詳細を得るこ
とに関心のある1つ又は複数の血中含有レベルが含まれ得る。例えば、ユーザは、自身の
グルコースレベル又は血圧レベルに特に関心があることを示すことができる。ユーザはま
た、自身のグルコースレベル又は血圧レベルに関する情報を得たい頻度を示すこともでき
る。
【0052】
ユーザの健康に関連する情報を使用して、ユーザプロフィールを作成することができる
。ユーザプロフィールは、ウェアラブル診断装置に、又は該ウェアラブル診断装置から離
れた場所にあるデータベース若しくはサーバにローカルに保存することができる。いくつ
かの実施では、ユーザプロフィールデータは、保存又は使用される前に1つ又は複数の方
法で処理できるため、個人識別情報は削除される。例えば、ユーザの個人識別情報を特定
できないように、又はユーザの特定の詳細が特定できないように該ユーザが望む程度に該
ユーザの地理的な位置、個人情報、若しくはデモグラフィック背景を一般化するように該
ユーザの個人情報を処理することができる。従って、ユーザは、どんな情報が収集される
か、及びその情報がどのように使用されるかを制御することができる。これを実施するた
めに、本明細書に記載のシステム、プログラム、若しくは機能がユーザ情報を収集若しく
は提供できるかどうか、又はその収集若しくは提供をいつできるかのユーザによる選択を
可能にするウェアラブル診断装置を介した制御をユーザに提供することができる。
【0053】
いくつかの実施では、ユーザは、ウェアラブル診断装置がユーザの医療情報をリアルタ
イムで受信し、更新することができるサービスに加入する、又はこれに加わることを選択
することができる。特に、ウェアラブル診断装置は、検査結果、診察結果、診断、又は処
方箋を更新することができる。例えば、ユーザは、該ユーザの医師、薬剤師、又は医療記
録所有者が、該ユーザの医療情報を、ユーザプロフィールを保存するサーバ又はデータベ
ースに提供することを許可することができる。このサーバ又はデータベースは、ユーザプ
ロフィールを更新するために様々な供給源から情報を収集することができるサブスクリプ
ションサービスによって管理することができる。ウェアラブル診断装置は、リアルタイム
で、定期的に、又はユーザの要求に応じて該ユーザの医療情報に関する更新を受け取るこ
とができる。
【0054】
いくつかの実施では、ユーザは、ウェアラブル診断装置のユーザインターフェイスを使
用して、該ユーザの健康及び背景に関する情報を直接入力することができる。次いで、入
力されたユーザの医療情報を、遠隔に保存するか、又はウェアラブル診断装置に保存する
ことができる。
【0055】
図1図6に関連して説明した特徴は、ユーザの左腕に装着されるウェアラブル診断装置
に関するものであるが、ウェアラブル診断装置は、他の様々な形態を有することができ、
場合によっては、ユーザの身体の他の部分に装着するか、又は適用できることを理解され
たい。さらに、1つ又は複数の追加の部品を、ウェアラブル診断装置に含める、又は結合
してもよい。例えば、いくつかの実施では、ウェアラブル診断装置は、音波を使用して情
報を出力するスピーカー及び、例えばユーザのコマンド、要求、又はフィードバックに対
応する音声入力を受け取るためのマイクの1つ又は複数を備えることができる。
【0056】
いくつかの実施では、ウェアラブル診断装置は、ユーザの健康に関連する受け取った又
は取得した情報に基づいて、該ウェアラブル診断装置を装着しているユーザについてのグ
ルコースレベル、ヘモグロビンレベル、又は血圧レベルの1つ又は複数を得るために1つ又
は複数の診断検査を行うようにさらに構成することができる。これらのプロセスについて
は、図7図10でさらに説明する。
【0057】
図7図9、及び図13を参照すると、ウェアラブル診断装置は、検査を行う必要があると
いう指示を受け取ることができる(702、902、1302)。例えば、ウェアラブル診断装置は
、グルコース検査(702)、ヘモグロビン検査(902)、又はコレステロール検査(1302)
を行う必要があるという指示を受け取ることができる。検査を行う必要があるという指示
には、次の1つ又は複数が含まれ得る:検査を行うためにユーザによって行われる選択;
及び予定された時間に従って1つ又は複数のプロセッサによって行われる要求。例えば、
ウェアラブル診断装置は、特定の時間に又は一定期間後に血圧測定値を提供するようにプ
ログラムすることができる。次いで、ウェアラブル診断装置は、血圧測定値などの特定の
測定値をユーザに提供するべき日時を予定することができ、該予定された時間に血圧レベ
ル及び酸素飽和レベルを測定する方法を開始することができる。
【0058】
検査を行う必要があるという指示を受け取った後(702、902、1302)、ウェアラブル診
断装置の1つ又は複数のプロセッサは、検査に利用されるセンサの種類を決定し、決定さ
れた種類のセンサを作動させることができ、該センサは、グルコース検査又はヘモグロビ
ン検査の場合、1つ又は複数のIR/光/レーザーセンサを含み得る(704、904)。コレス
テロール検査の場合、作動されるセンサは、IR/光/レーザーセンサ、インピーダンスセ
ンサ、及び電磁センサの1つ又は複数を含み得る。センサを作動させることには、限定さ
れるものではないが、センサへの電力を増加させること、IR信号などの信号を発信又は受
信するためにセンサをウォーミングアップすること、又はセンサを構成若しくは較正する
ことを含む動作が含まれ得る。
【0059】
作動された1つ又は複数のセンサは、ユーザを特徴付ける測定値を得ることができる(7
06、906、1306)。例えば、1つ又は複数のIR/光/レーザーセンサはそれぞれ、赤外線信
号又はパルス信号を短時間、例えば30秒間発信し、発信された信号のユーザの皮膚からの
反射を検出するように構成することができる。場合によっては、インピーダンスセンサを
使用した反射測定値及び電流測定値は、繰り返し得てもよいし、又は異なるパルス電力若
しくは磁場などの異なる環境下で得てもよい。例えば、コレステロール測定の場合、最初
の電流又は赤外線信号測定値を磁場をかけずに得ることができ、1つ又は複数の他の電流
又は赤外線測定を、様々な低電力強度の磁場が一定期間、例えば10秒間生成された後に行
うことができる。
【0060】
グルコース検査及びヘモグロビン検査の場合、測定された検出信号が処理され、特定の
経路が生データ値に基づいて選択される(708、908)。特に、検出された信号のそれぞれ
は、アナログ-デジタル変換器(ADC)を使用して生のデジタルデータに変換できる吸収
スペクトルデータを含む。処理には、下方変換、フィルタリング、畳み込み、混合、及び
その他の適切な信号処理作業などの追加の処理動作が任意に含まれ得る。
【0061】
ユーザの皮膚から受け取った信号に対応する生のデジタルデータは、特定の経路並びに
対応する予測値及び勾配回帰値(slope regression value)を選択するための基礎として
使用される(710、910)。例えば、グルコース検査が行われる場合、表Iに示されるよう
な例示的なマッピングを使用して、特定の経路並びに対応する予測値及び勾配回帰値を選
択することができる。生の値が500以上700以下の場合、経路A並びに対応する917のグルコ
ース(G)予測値及び0.838のG勾配回帰値が選択される。生の値が701以上850以下の場合
、経路B並びに対応する919のG予測値及び0.838のG勾配回帰値が選択される。生の値が851
以上950以下の場合、経路C並びに対応する1001のG予測値及び0.838のG勾配回帰値が選択
される。生の値が951以上1100以下の場合、経路D並びに対応する1004のG予測値及び0.838
のG勾配回帰値が選択される。生の値が1101以上の場合、経路E並びに対応する981のG予測
値及び0.838のG勾配回帰値が選択される。
【0062】
表I
【表1】
【0063】
次いで、得られた予測値及び勾配回帰値を使用して、ユーザのグルコースレベルを決定
することができる(712)。グルコースレベルを決定するために、ウェアラブル診断装置
は、一般化可能性理論及びG勾配回帰を生データのセットに適用して、以下に述べるよう
に[式1]を使用してグルコースレベルを示す値を決定することができる。
グルコース値=予測値(G-臨床サンプリング回帰)-(G回帰勾配)×(生データ) [
式1]
【0064】
次いで、決定されたグルコース値を様々な適切な方法によって出力することができる(
714)。例えば、決定されたグルコース値は、ウェアラブル診断装置のディスプレイ上に
出力してもよいし、又は該ウェアラブル診断装置のスピーカーによって出力してもよい。
【0065】
ヘモグロビン検査が行われているときに、表IIに示されるような例示的なマッピングを
使用して、特定の経路並びに対応する予測値及び勾配回帰値を選択することができる。生
の値が500以上700以下の場合、経路A並びに対応する31.5のヘモグロビン(Hb)予測値及
び0.114のHb勾配回帰値が選択される。生の値が701以上850以下の場合、経路B並びに対応
する67のHb予測値及び0.114のHb勾配回帰値が選択される。生の値が851以上950以下の場
合、経路C並びに対応する81のHb予測値及び0.114のHb勾配回帰値が選択される。生の値が
951以上1100以下の場合、経路D並びに対応する98のHb予測値及び0.114のHb勾配回帰値が
選択される。生の値が1101以上の場合、経路E並びに対応する100.5のHb予測値及び0.114
のHb勾配回帰値が選択される。
【0066】
表II
【表2】
【0067】
次いで、得られた予測値及び勾配回帰値を使用して、ユーザのヘモグロビンレベルを決
定することができる(912)。ヘモグロビンレベルを決定するために、ウェアラブル診断
装置は、Hb勾配回帰を生データのセットに適用して、以下に述べるように[式2]を使用
してヘモグロビンレベルを示す値を決定することができる。
Hb値=((Hb回帰勾配)×(生データ))-予測値(Hb-臨床サンプリング回帰)[式2]
【0068】
次いで、決定されたヘモグロビン値を様々な適切な方法によって出力することができる
(914)。例えば、決定されたヘモグロビン値は、ウェアラブル診断装置のディスプレイ
上に出力してもよいし、又は該ウェアラブル診断装置のスピーカーによって出力してもよ
い。
【0069】
グルコース検査又はヘモグロビン検査において500未満の生データ値の場合、ウェアラ
ブル診断装置は、値が誤っていると判断し、1つ又は複数のIR/光/レーザーセンサによ
って生データ値を得るために別の試みを開始することができる。3回試行しても500を超え
る値を得ることができない場合、ウェアラブル診断装置は、グルコース検査又はヘモグロ
ビン検査を現時点では行うことができないことをユーザに示すエラーメッセージを出力す
ることができる。
【0070】
ウェアラブル診断装置を装着しているユーザについてのコレステロールレベル(例えば
、HDL、LDL、トリグリセリド分子)を決定するためにコレステロール検査が行われている
ときに、該ユーザの左手首の下部が、IR/光/レーザーセンサから発信される赤外線信号
に曝される。このユーザの皮膚の領域はまた、短期間、例えば、10秒間又は30秒間、磁場
に曝すこともでき、その後、コレステロール分子を除いた血液粒子が、正及び負の電磁極
に従ってそれ自体を配置する。磁場をかける前後に、赤外線吸収スペクトルを示すデータ
を得ることができ(1306)、この得られたデータを続いて処理することができる(1308)
。得られたデータの処理には、アナログデジタル変換器(ADC)を使用してデータをデジ
タル信号に変換すること、及び磁場をかける前と後の吸収スペクトル値の差を計算して生
の値を得ることが含まれ得る。
【0071】
次に、予測コレステロールレベル値がデータベースから得られる(1310)。データベー
スは、コレステロールレベルの生の値へのマッピングを含み得、デモグラフィッククラス
に従って整理することができる。データベースは、以下で説明するように、複数のヒト対
象の検査に基づいて構築することができる。
【0072】
最初に、対象のデモグラフィックプロフィールを記録することができる。デモグラフィ
ックプロフィールには、対象の年齢、性別、民族、肌の色、婚姻状況、及び/又は病状な
どの該対象に関する様々な種類の説明情報が含まれ得る。例えば、対象は、48歳、白人男
性、寡婦、皮膚癌のデモグラフィックプロフィールを有し得る。各対象に対して、様々な
適切な方法を使用して侵襲的コレステロール検査を行うことができ、検査結果を対象のプ
ロフィールに追加することができる。
【0073】
次に、上記のように、対象の電流及び赤外線信号測定値をそれぞれ、抵抗センサ及び赤
外線センサを使用して得ることができる。電流及び赤外線信号の測定は、磁場をかける前
及び磁場を一定期間かけた後に行うことができる。測定した信号の微分値を計算して生の
値として保存することができる。生の値を、侵襲的コレステロール検査から得られたコレ
ステロールレベルにマッピングして、対象のプロフィールに保存する。
【0074】
対象の大きいサンプルサイズを使用して、1つ又は複数のデモグラフィッククラス(例
えば、性別、民族、年齢など)に従って生の値をコレステロールレベルにマッピングする
データベースを構築することができるように、数百及び数千の対象を検査することができ
る。いくつかの実施では、コレステロールレベル及び生の値の平均値、中央値、及び最頻
値をデモグラフィッククラスごとに決定できるように、統計データを検査から抽出するこ
とができる。
【0075】
一般に、様々な種類のデモグラフィッククラスを形成することができる。例えば、場合
によっては、デモグラフィッククラスを、年齢、例えば40代の年齢層の人々に限定するこ
とができる。場合によっては、デモグラフィッククラスには、年齢と民族、又は年齢と民
族と性別などの複数のデモグラフィック特性が含まれ得る。従って、データベースは、特
定のデモグラフィッククラスに関連する生の値に基づいて推定コレステロールレベルをマ
ッピングするマッピングテーブルを含み得る。ここで、データベースは、対象の個人情報
が明らかにされたり、知られたりすることがないように匿名で構築することができること
に留意されたい。
【0076】
図13に戻ると、予測コレステロールレベル値は、動作1308で得られた生の値に基づいて
データベースから得られる(1310)。特に、動作1308で得られた生の値にマッピングされ
たコレステロールレベル、及びウェアラブル診断装置を装着しているユーザのデモグラフ
ィックプロフィールは、データベースのマッピングテーブルを参照することによって得ら
れる。
【0077】
次に、予測コレステロールレベル値を、ウェアラブル診断装置を装着しているユーザの
推定コレステロールレベルであると決定することができる(1312)。いくつかの実施では
、予測コレステロールレベル値を、以前に得られたユーザのコレステロールレベルと比較
することができる。予測コレステロールレベルとユーザの最後に得られたコレステロール
レベルとの間の差が、閾値、例えば3%より大きい場合、ウェアラブル診断装置は、動作1
302から1310を繰り返して、新たな予測コレステロールレベルを得ることができる。その
ような繰り返しは、予測コレステロールレベル値が、ユーザの最後に得られたコレステロ
ールレベルの閾値の差の範囲内になるまで継続することができる。場合によっては、閾値
の差を満たさずに3回の繰り返しが行われた場合、3回目の繰り返しで得られた予測コレス
テロールレベル値を、ウェアラブル診断装置を装着しているユーザの推定コレステロール
レベルとして決定することができる。次いで、ユーザの決定された推定コレステロールレ
ベルを、ウェアラブル診断装置のディスプレイ102によって表示することができる。
【0078】
上記の例示的な実施では、予測値を利用して、グルコースレベル、ヘモグロビンレベル
、又はコレステロールレベルを決定した。予測値は、様々な異なる方法を使用して、いく
つかの因子に基づいて決定することができる。コレステロールレベルの予測値を得る方法
は、上で説明している。グルコースレベル及びヘモグロビンレベルの予測値を得るための
方法は、図8及び図10に関連してさらに説明する。
【0079】
図8を参照すると、ユーザのグルコースレベルの予測値を得るために、ウェアラブル診
断装置は、ユーザプロフィール情報を得ることができる(802)。ユーザプロフィール情
報には、ユーザの居住地、ユーザの医師、ユーザの薬剤師、ユーザの医療記録所有者、1
つ又は複数の群とのユーザのデモグラフィック関連事項、ユーザの食生活、ユーザの子供
の数を示すもの、ユーザの病歴、1つ又は複数の過去又は現在の病状、例えばユーザのア
レルギー、手術、遺伝子の状態、ユーザの1つ又は複数の健康上の懸念、及びユーザが詳
細を得ることに関心のある1つ又は複数の血中含有レベルの1つ又は複数が含まれ得る。
【0080】
ユーザのプロフィールからの情報を使用して、ウェアラブル診断装置は、該ユーザの血
圧及び体温に基づいて、該ユーザのグルコースの臨床相関情報値(cCIG)を決定すること
ができる(804)。いくつかの実施では、cCIGは、推定血圧及び推定体温を表す値のマト
リックスであり得る。一般に、様々な適切な方法を利用して、ユーザの血圧及び体温を得
ることができる。いくつかの実施では、血圧は、図11及び図12を参照して本明細書で説明
されるように得ることができ、体温は、ウェアラブル診断装置に含まれる温度センサを使
用して得ることができる。場合によっては、cCIGは、医師のレポート、過去又は現在の病
状、臨床診断などのデータを含むユーザの病歴などのユーザプロフィールから得られた臨
床情報を使用して決定することができる。
【0081】
次に、ウェアラブル診断装置は、ユーザのグルコースの臨床関連デモグラフィック値(
cLDG)を決定することができる(806)。cLDGは、ユーザのデモグラフィック群、ユーザ
の年齢、及びユーザの他の個人的特性などの1つ又は複数のユーザの特性に一部基づいて
決定することができる。例として、上記の生のグルコース値が経路Aなどの特定の経路に
関連する場合、又はユーザプロフィールがユーザの特定のデモグラフィック起源若しくは
プロフィールを示す場合、cLDG値は、cLDG値が生のグルコース値又はユーザの特定のデモ
グラフィック起源若しくはプロフィールに対応するように決定することができる。いくつ
かの実施では、cLDGは、ユーザが次の個人情報を提供することに同意した場合、様々な特
性、例えば該ユーザの年齢、食生活、性別を表す値のマトリックスであり得る。
【0082】
cCIG及びcLDGを得た後、ウェアラブル診断装置は、cCIG及びcLDGに基づいて臨床データ
セットの範囲を決定することができる(810)。決定された臨床データセットの範囲は、
ユーザのグルコースレベルのグルコース予測値にマッピングされる(812)。様々な臨床
データセットの範囲及びグルコース予測値を保存するデータベースは、決定された臨床デ
ータセットの範囲で問い合わせを行うことができ、かつ該決定された臨床データセットの
範囲にマッピングするグルコース予測値を返すことができる。次いで、グルコース予測値
を提供することができ、該グルコース予測値を、ユーザのグルコースレベルの決定に利用
することができる(814)。
【0083】
図10を参照すると、ユーザのヘモグロビンレベルの予測値を得るために、ウェアラブル
診断装置は、ユーザプロフィール情報を得ることができる(1002)。ユーザプロフィール
情報には、ユーザの居住地、ユーザの医師、ユーザの薬剤師、ユーザの医療記録所有者、
1つ又は複数の群とのユーザのデモグラフィック関連事項、ユーザの食生活、ユーザの子
供の数を示すもの、ユーザの病歴、1つ又は複数の過去又は現在の病状、例えばユーザの
アレルギー、手術、遺伝子の状態、ユーザの1つ又は複数の健康上の懸念、及びユーザが
詳細を得ることに関心のある1つ又は複数の血中含有レベルの1つ又は複数が含まれ得る。
【0084】
ユーザのプロフィールからの情報を使用して、ウェアラブル診断装置は、ユーザのヘモ
グロビンの臨床相関情報値(cCIHb)を決定することができる(1004)。cCIHbは、医師の
レポート、過去又は現在の病状、臨床診断などのデータを含むユーザの病歴などのユーザ
プロフィールから得た臨床情報を使用して決定することができる。いくつかの実施では、
cCIHbは、ユーザが次の個人情報を提供することに同意した場合、該ユーザの病歴の様々
な側面を表す値のマトリックスであり得る。
【0085】
次に、ウェアラブル診断装置は、ユーザの酸素飽和度データ及び体温データを得ること
によって該ユーザのヘモグロビンの臨床関連デモグラフィック値(cLDHb)を決定するこ
とができる(1006)。いくつかの実施では、cLDHbは、ユーザの推定酸素飽和度及び体温
を表す値のマトリックスであり得る。一般に、様々な適切な方法を利用して、ユーザの酸
素飽和度及び体温を得ることができる。いくつかの実施では、酸素飽和度は、図11を参照
して本明細書で説明されるように得ることができ、体温は、ウェアラブル診断装置に含ま
れる温度センサを使用して得ることができる。いくつかの実施では、cLDHbは、ユーザの
デモグラフィック群、ユーザの年齢、及びユーザの他の個人的特性などの1つ又は複数の
ユーザ特性などのユーザプロフィールによって提供される情報に一部基づいて決定するこ
とができる。
【0086】
cCIHb及びcLDHbを得た後、ウェアラブル診断装置は、cCIHb及びcLDHbに基づいて臨床デ
ータセットの範囲を決定することができる(1010)。決定された臨床データセットの範囲
は、ユーザのヘモグロビンレベルのヘモグロビン予測値にマッピングされる(1012)。様
々な臨床データセットの範囲及びヘモグロビン予測値を保存するデータベースは、決定さ
れた臨床データセットの範囲で問い合わせを行うことができ、かつ該決定された臨床デー
タセットの範囲にマッピングするヘモグロビン予測値を返すことができる。次いで、ヘモ
グロビン予測値を提供することができ、該ヘモグロビン予測値を、ユーザのヘモグロビン
レベルを決定するために利用することができる(1014)。
【0087】
血圧データ及び体温データを利用することに加えて、予測値を利用してユーザのグルコ
ースレベル及びヘモグロビンレベルを決定することにより、ユーザの決定されたグルコー
スレベル及びヘモグロビンレベルは、予測値を利用しないでグルコースレベル及びヘモグ
ロビンレベルを決定する方法と比較してはるかに高い精度を有する。予測値には、ユーザ
の臨床情報及びデモグラフィック情報が含まれているため、グルコースレベル又はヘモグ
ロビンレベルに影響を与え得る肌の色や年齢などのパラメータをより正確に考慮して計算
を行うことができる。予測値を使用して、該予測値を特定の疾患に対するユーザの感受性
に関連付けることもでき、これにより、ユーザは予防措置を講じて、これらの疾患に罹患
する確率を最小限に抑え、該ユーザの健康及び平均余命を改善することができる。さらに
、これらの複数の検査を行うことができ、検査結果を要求に応じて単一装置によって得る
ことができ、ユーザに高度の利便性を提供する。
【0088】
ユーザのグルコースレベル及びヘモグロビンレベルを得ることに加えて、ウェアラブル
診断装置は、ユーザの血圧レベル及び酸素飽和レベルを決定することができる。ユーザの
血圧レベル及び酸素飽和レベルを決定するための例示的な方法のフローチャートが図11
示されている。最初に、ウェアラブル診断装置は、血圧測定を行う必要があるという指示
を受け取ることができる(1102)。血圧測定を行う必要があるという指示は、血圧測定値
を提供するためにユーザによって行われる1つ又は複数の選択、及び予定された時間に従
って1つ又は複数のプロセッサによって行われる要求を含み得る。例えば、ウェアラブル
診断装置は、特定の時間に、又は一定期間後に血圧測定値を提供するようにプログラムす
ることができる。次いで、ウェアラブル診断装置は、血圧測定値をユーザに提供する必要
がある日時を予定することができ、予定された時間に血圧レベル及び酸素飽和レベルを決
定する方法を開始することができる。
【0089】
血圧測定を行う必要があるという指示を受け取った後(1102)、ウェアラブル診断装置
は、血圧検査に利用されるセンサの種類を決定し、決定された種類のセンサを作動させる
ことができ、血圧検査の場合には、該決定された種類のセンサには、圧電振動センサ及び
IR/光/レーザーセンサが含まれ得る(1104)。センサを作動させることには、限定され
るものではないが、センサへの電力の増加させること、及びセンサを構成又は較正するこ
とを含むいくつかの動作が含まれ得る。
【0090】
作動された圧電振動センサ及びIR/光/レーザーセンサは、ユーザの測定値を得ること
ができる(1106)。例えば、圧電振動センサは、ユーザの手の動き、位置、接近、速度、
及び方向の1つ又は複数を感知又は検出して、検出された接触、振動、及び衝撃による動
きの1つ又は複数に対応する電気信号を生成するように構成されている。IR/光/レーザ
ーセンサは、赤外線信号を発信し、発信された赤外線信号のユーザの皮膚から反射を検出
するように構成されている。いくつかの実施では、前置増幅器を使用して、圧電振動セン
サによって得られた弱いパルス信号を増幅することができる。
【0091】
圧電振動センサ及びIR/光/レーザーセンサによって検出された信号を、例えば、アナ
ログ-デジタル変換(ADC)及びフィルタリング動作を行うことによって処理して、赤外
線標的検出(IRTD)値及び圧電振動(PV)値を生成することができる(1108)。一般に、
圧電振動センサ及びIR/光/レーザーセンサによって検出された信号に対して、様々な信
号処理動作を行うことができる。いくつかの実施では、動作1104~1108を複数回繰り返す
ことができ、複数のIRTD値及びPV値の平均値を決定することができる。
【0092】
処理には、決定されたIRTD値及びPV値を予測IRTD値及びPV値と比較することも含まれ得
る。この比較により、2セットの血圧値が生成される。2セットの血圧値のそれぞれを平均
して、収縮期血圧値及び拡張期血圧値をそれぞれ得る(1112)。収縮期血圧値及び拡張期
血圧値を利用して、下記の[式3]を使用して平均動脈圧(MAP)を決定することができる

MAP=拡張期血圧+(1/3)(収縮期血圧-拡張期血圧) [式3]
【0093】
血圧測定値についての予測値の生成は、図12を参照して以下に説明する。いくつかの実
施では、ユーザの血液の酸素飽和レベルは、[式4]を使用して決定することもできる(1
110)。
酸素飽和レベル=((CHbO2)/(CHbO2+CHb))×100 [式4]
【0094】
[式4]において、CHbO2は、酸素化ヘモグロビンの濃度に等しく、CHbは、脱酸素化ヘ
モグロビンの濃度に等しい。CHbO2及びCHbの値は、赤外線センサを使用することによって
得ることができる。
【0095】
動作1110及び1112の後、血圧値及び酸素飽和値が出力される(1114)。例えば、いくつ
かの実施では、血圧値及び酸素飽和値がディスプレイに表示される。いくつかの実施では
、血圧値及び酸素飽和値が音声スピーカーから出力される。いくつかの実施では、血圧値
及び酸素飽和値は、電子メール、SMS、又はMMSなどのメッセージを使用して別の電子装置
に通信することができる。メッセージは、ユーザの入力なしで自動的に生成して追加する
ことができる。ユーザは、血圧値及び酸素飽和値を含むメッセージを他の電子装置に送信
する必要があるかどうかを確認するように指示され得る。
【0096】
上記の例示的な実施では、ユーザの血圧を決定するために予測値が利用された。予測値
は、様々な異なる方法を使用して、いくつかの因子に基づいて決定することができる。図
12を参照すると、ユーザの血圧の予測値を得るために、ウェアラブル診断装置は、動作80
2及び1002で説明されているように、ユーザプロフィール情報を得ることができる(1202
)。ウェアラブル診断装置は、ユーザプロフィールからユーザの臨床情報及びデモグラフ
ィック情報を得ることができる。
【0097】
ユーザのプロフィールからの情報を使用して、ウェアラブル診断装置は、ユーザの血圧
の臨床相関情報値(cCIBP)を決定し、EKGデータを得ることができる(1204)。cCIBPは
、医師のレポート、過去又は現在の病状、臨床診断などのデータを含むユーザの病歴など
のユーザプロフィールから得た臨床情報を使用して決定することができる。EKGデータは
、様々な適切な供給源、例えばユーザの病歴などから得ることができる。
【0098】
次に、ピーク値、及びピーク値間、特にR波間の時差を決定するために、EKGデータが処
理される(1206)。ウェアラブル診断装置はまた、ユーザの血圧の臨床関連デモグラフィ
ック値(cLDBP)を決定することもできる(1206)。いくつかの実施では、ウェアラブル
診断装置の1つ又は複数のプロセッサが、ユーザのEKGでピーク値及び検出されたピーク値
間の時差を検出する1つ又は複数のプログラム及びアルゴリズムを実行することができる
。いくつかの実施では、cLDBPは、ユーザのデモグラフィック群、ユーザの年齢、及びユ
ーザの他の個人的特性などの1つ又は複数のユーザ特性に一部基づいて決定することがで
きる。いくつかの実施では、cLDBPは、ユーザが次の個人情報を提供することに同意した
場合、様々な特性、例えば、該ユーザの年齢、食生活、性別などを表す値のマトリックス
であり得る。
【0099】
cCIBP及びcLDBPを得た後、ウェアラブル診断装置は、cCIBP及びcLDBPに基づいて臨床デ
ータセットの範囲を決定することができる(1208)。決定された臨床データセットの範囲
は、ユーザのグルコースレベルの血圧予測値にマッピングされる(1210)。様々な臨床デ
ータセットの範囲及び血圧予測値を保存するデータベースは、決定された臨床データセッ
トの範囲で問い合わせを行うことができ、かつ該決定された臨床データセットの範囲にマ
ッピングする血圧予測値を返すことができる。次いで、血圧予測値を提供することができ
、該血圧予測値を、ユーザの血圧レベルを決定するために利用することができる(1212)
【0100】
いくつかの実施では、ウェアラブル診断装置は、該ウェアラブル診断装置を装着してい
るユーザのEKG及び心拍数レベルを得るためのプロセスを実行することができる。
【0101】
ウェアラブル診断装置がユーザの左腕に固定されるときに、第1の心電極を、該ウェア
ラブル診断装置の底面又はその内部に配置することができ、ユーザの左手首の上側に接触
させることができる。第2の心電極は、ユーザの左腕の皮膚に接触することなくウェアラ
ブル診断装置の上面又はその内部に配置される。第1の心電極は、ユーザの左腕の手首の
上部から信号を得ることができ、第2の心電極は、該第2の心電極がユーザの胸に配置され
た状態で2つの信号を得ることができる。得られた信号には、心臓の収縮中に生成される
電圧などの心電位波形が含まれ得る。3つの信号から得られるデータは、PQRST(Provocat
ion, Quality, Radiation, Severity, Time)波に変換される。PQRST波を使用して、アイ
ントホーフェンの三角形、EKGプロットを生成し、ユーザの心拍などの追加情報を計算す
ることができる。場合によっては、PQRST波を使用して心臓の状態を診断することができ
る。
【0102】
いくつかの実施では、ウェアラブル診断装置は、該ウェアラブル診断装置を装着してい
るユーザについての体温を得るためのプロセスを実行することができる。ウェアラブルな
診断装置が、ユーザの腕に巻き付けられて該ユーザの皮膚に接触すると、該ウェアラブル
診断装置の温度センサが、該皮膚の接触に基づいて該ユーザの体温を得る。例えば、温度
センサは、手首に接触することができ、一定期間にわたってユーザの体温データを得るこ
とができる。温度センサは、センサデータを1つ又は複数のプロセッサに提供し、該プロ
セッサは、受け取ったデータを華氏スケールに変換し、1つ又は複数の期間にわたって得
た体温データを平均して、ユーザの推定体温を得ることができる。
【0103】
いくつかの実施では、ウェアラブル診断装置は、該ウェアラブル診断装置を装着してい
るユーザについての手の振動を得るためのプロセスを実行することができる。1つ又は複
数のプロセッサは、タイマー及び加速度計又は圧電振動センサを用いて動作を実行して、
手の振動測定値を得ることができる。例えば、ユーザが手の振動に関する情報を確認する
ことに関心があるという指示を受け取ると、プロセッサは、特定の期間、例えば60秒にタ
イマーを設定し、一定期間にわたって振動データを得るように加速度計又は圧電振動セン
サに指示することができる。加速度計又は圧電振動センサは、一定期間におけるユーザの
手の振動の数及び強さを感知し、振動の数を示すデータをプロセッサに提供することがで
きる。
【0104】
プロセッサは、振動の数を示すデータを受け取ることができ、振動の周波数を決定する
ことができる。振動が3~7ヘルツ(Hz)の周波数を有する場合、該振動は、パーキンソン
病の振戦に関連する振動として分類することができる。プロセッサはまた、加速度計又は
圧電振動センサから振幅情報を得て、パーキンソン病の振戦に関連するあらゆる振動の強
さを決定することもできる。振動のタイミング、強度、及び周波数を示すデータは、記憶
装置内のユーザプロフィールに保存することができ、かつ/又はディスプレイによってユ
ーザに提示することができる。
【0105】
ユーザのグルコースレベル、ヘモグロビンレベル、血圧レベル、EKG、心拍数レベル、
体温、手の振動、及びコレステロールレベルに関する情報を得るための上記のプロセスは
、並行して、同時に、又は異なる時間に行うことができる。ウェアラブル診断装置は、い
つでも及びユーザの要求に応じてこれらのどのプロセスも実行するのに十分な処理能力を
備えている。
【0106】
いくつかの実施では、複数の診断検査を順次又は同時に行うことができる。例えば、EK
G検査は、血圧検査の前又は最中に行うことができる。酸素飽和度検査及び体温検査は、
ヘモグロビン検査の前又は最中に行うことができる。血圧検査及び体温検査は、グルコー
ス検査の前又は最中に行うことができる。他のバリエーション及び組み合わせも可能であ
る。一例として、ユーザが糖尿病であるなどの特定の状態の病歴を有する場合、ウェアラ
ブル診断装置は、ユーザの状態に最も関連するグルコース診断検査などの検査を定期的に
行うことができ、該最も適切な診断検査の前、後、又は最中に、血圧検査、コレステロー
ル検査、又は酸素飽和度検査などの他の検査を行うことができる。
【0107】
いくつかの実施では、ユーザは、1種類の診断検査、例えばグルコース検査を行うため
の要求を入力することができるが、ウェアラブル診断装置は、ユーザが要求した診断検査
と共に行われるべき1つ又は複数の検査、例えば血圧検査を決定することができる。追加
の検査、例えば、ユーザによって、デフォルトの設定によって、メーカーの設定によって
、医師の勧めによって同時に、順次、又は対で行われる、頻繁に選択される検査などは、
1つ又は複数の基準に基づいて決定することができる。いくつかの実施では、追加の検査
は、ユーザの病歴に基づいて決定することができる。例えば、ユーザが糖尿病及び高血圧
に罹患している場合、該ユーザが血圧検査を選択するたびに、ウェアラブル診断装置は、
グルコース検査も行うことができる。ユーザがグルコース検査を選択した場合、ウェアラ
ブル診断装置は血圧検査も行うことができる。
【0108】
上記のプロセスの1つ又は複数の実行から得られる結果は、ウェアラブル診断装置内の
メモリに保存するか、又はユーザに関連するデータベース若しくはクラウドアカウントに
保存することができる。上記のプロセスの1つ又は複数の実行から得られる結果はまた、
ディスプレイに表示してもよい。いくつかの実施では、ウェアラブル診断装置は、決定さ
れたグルコースレベル、ヘモグロビンレベル、血圧レベル、EKG、心拍数レベル、体温、
及び手の振動の1つ又は複数が深刻な病状を示している場合、視覚アラーム、音声アラー
ム、又は電子アラームを出力することができる。例えば、ウェアラブル診断装置は、例え
ば、EKGに異常な心臓の動きの兆候が含まれている場合、又は体温が華氏102度を超えてい
る場合、ユーザに医師の診察を勧める、音波などの音声出力を生成することができる。
【0109】
本明細書で説明される実施及び/又は動作は、デジタル電子回路、又は本明細書に開示
される構造及びその構造的等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若
しくはハードウェア、又はこれらの1つ若しくは複数の組み合わせで実施できることを理
解されたい。実施は、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品、例えば、データ処理
装置によって実行される、又は該データ処理装置の動作を制御するためのコンピュータ可
読媒体に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして実
施することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、
メモリ装置、機械可読伝播信号を発生する組成物(composition of matter)、又はそれ
らの1つ又は複数の組み合わせであり得る。「データ処理装置」という用語は、例として
、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュ
ータを含む、データを処理するためのすべての機器、装置、及び機械を包含する。機器は
、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムの実行環境を生成するコード、例
えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オ
ペレーティングシステム、又はそれらの1つ又は複数の組み合わせを構成するコードを含
み得る。伝播信号は、人工的に生成された信号、例えば、適切な受信機器への送信のため
の情報を符号化するために生成される機械生成の電気信号、光学信号、又は電磁信号であ
る。
【0110】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション
、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイラ型言語又はインタープ
リタ型言語を含むあらゆる形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドア
ロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコン
ピューティング環境での使用に適したその他のユニットとしてを含め、任意の形式で展開
することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイル
に対応しているとは限らない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マー
クアップ言語ドキュメントに保存された1つ又は複数のスクリプト)を保持するファイル
の一部に、当該プログラム専用の単一ファイルに、又は複数の連携ファイル(例えば、1
つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を保存するファイル)に保
存することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサ
イトに配置されているか、若しくは複数のサイトに分散し、通信ネットワークによって相
互接続された複数のコンピュータ上で実行することができる。
【0111】
本明細書で説明されるプロセス及び論理の流れは、入力データ上で動作して出力を生成
することによって動作を行うために1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ
又は複数のプログラム可能なプロセッサによって行うことができる。プロセス及び論理の
流れはまた、専用論理回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又は
ASIC(特定用途向け集積回路)によって行ってもよく、また機器を専用論理回路として実
施してもよい。
【0112】
コンピュータプログラムを実行するコンピュータのプロセッサは、例として、汎用マイ
クロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、及びあらゆる種類のデジタルコンピ
ュータの任意の1つ又は複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用
メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受け取る。
【0113】
本明細書は多数の特定のものを含むが、これらは、開示の範囲又は請求され得るものに
対する制限として解釈されるべきではなく、むしろ特定の実施態様に特有の特徴の説明と
して解釈されるべきである。別個の実施態様の文脈における本明細書で説明されている特
定の特徴は、単一の実施態様において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の
実施態様の文脈において説明されている様々な特徴は、複数の実施態様で個別に、又は任
意の適切な部分的な組み合わせで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合
わせで作用するとして上記の通りであり得、そのようなものとして請求されることさえあ
り得るが、請求される組み合わせからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、組み合
わせから削除してもよく、かつ請求される組み合わせは、部分的な組み合わせ又は部分的
な組み合わせの変形を対象としてもよい。
【0114】
1つ又は複数の句及び少なくとも1つの句は、要素のあらゆる組み合わせを含むことを理
解されたい。例えば、A及びBの1つ又は複数という句は、A、B、又はAとBの両方を含む。
同様に、A及びBの少なくとも一方という句は、A、B、又はAとBの両方を含む。
【0115】
従って、特定の実施を説明してきた。他の実施は以下の特許請求の範囲内である。例え
ば、特許請求の範囲に記載される動作は、異なる順序で行われてもなお、望ましい結果を
達成することができる。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
1つ又は複数のコンピュータ装置及び1つ又は複数の記憶装置を備えるシステムであって
、該1つ又は複数の記憶装置が、該1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されると
該1つ又は複数のコンピュータ装置に次の動作:
ユーザの病状を検出するための非侵襲的診断検査の開始要求に対応する入力を受け取る
こと;
該非侵襲的診断検査を行うための1つ又は複数のセンサを特定すること;
該非侵襲的診断検査に基づいて、該特定された1つ又は複数のセンサを作動させること

該1つ又は複数のセンサを介して信号データを受信すること;
ユーザプロフィールに一部基づいて該非侵襲的診断検査の予測値を得ること;
該予測値及び該受信信号データに基づいて検査結果を決定すること;並びに
該検査結果をディスプレイ又はスピーカーを介して出力すること、を実行させる命令を
記憶している、前記システム。
(態様2)
前記非侵襲的診断検査には、グルコース検査、コレステロール検査、ヘモグロビン検査
、酸素飽和レベル検査、及び心電図モニタリング検査の1つ又は複数が含まれる、態様1記
載のシステム。
(態様3)
前記動作が:
前記受信信号データから得た生データに基づいて経路を選択すること;及び
該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ることをさらに含み、
前記予測値及び受信信号データに基づいて検査結果を決定することが、該決定された値
に基づいて該検査結果を決定することを含む、態様1記載のシステム。
(態様4)
前記動作が:
1つ又は複数のデータベースからユーザの臨床データ及びユーザのデモグラフィックデ
ータを得ること;
該得たユーザの臨床データ及び該ユーザのデモグラフィックデータに基づいて臨床デー
タセットの範囲を決定すること;並びに
該臨床データセットの範囲を前記非侵襲的診断検査の予測値にマッピングすることをさ
らに含む、態様1記載のシステム。
(態様5)
前記動作が:
行われるべき第2の非侵襲的診断検査を、(i)該第2の非侵襲的診断検査を前記非侵襲
的診断検査に関連付けるユーザパターン、及び(ii)ユーザの病歴に基づいて決定するこ
と;
該第2の非侵襲的診断検査に基づいて1つ又は複数のセンサの第2のセットを作動させる
こと;
該1つ又は複数のセンサの第2のセットを介して第2の信号データを受信すること;
前記ユーザプロフィールに一部基づいて、該第2の非侵襲的診断検査の第2の予測値を得
ること;並びに
該第2の予測値及び該受信した第2の信号データに基づいて第2の検査結果を決定するこ
とをさらに含む、態様1記載のシステム。
(態様6)
前記非侵襲的診断検査の予測値を得ることが、前記第2の検査結果を使用して前記非侵
襲的診断検査の予測値を決定することを含む、態様5記載のシステム。
(態様7)
前記第2の非侵襲的診断検査が、グルコース検査である前記非侵襲的診断検査と同時に
行われるコレステロール検査である、態様5記載のシステム。
(態様8)
前記非侵襲的診断検査及び前記第2の非侵襲的診断検査が、前記1つ又は複数のコンピュ
ータ装置を備える時計によって行われる、態様5記載のシステム。
(態様9)
前記1つ又は複数のセンサが、無線心電極、圧電振動センサ、赤外線センサ、温度セン
サ、加速度計、及び微小電気機械システム(MEMS)センサの1つ又は複数を含む、態様1記
載のシステム。
(態様10)
ユーザの病状を検出するための非侵襲的診断検査の開始要求に対応する入力を受け取る
こと;
該非侵襲的診断検査を行うための1つ又は複数のセンサを、1つ又は複数のコンピュータ
装置によって特定すること;
該非侵襲的診断検査に基づいて、該特定された1つ又は複数のセンサを作動させること

該1つ又は複数のセンサを介して信号データを受信すること;
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、ユーザプロフィールに一部基づいて該非
侵襲的診断検査の予測値を得ること;
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、該予測値及び該受信した信号データに基
づいて検査結果を決定すること;並びに
1つ又は複数のコンピュータ装置によって、該検査結果をディスプレイ又はスピーカー
を介して出力することを含む、コンピュータ実施方法。
(態様11)
前記非侵襲的診断検査には、グルコース検査、コレステロール検査、ヘモグロビン検査
、酸素飽和レベル検査、心電図モニタリング検査の1つ又は複数が含まれる、態様10記載
のコンピュータ実施方法。
(態様12)
前記動作が:
前記受信した信号データから得た生データに基づいて経路を選択すること;並びに
該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ることをさらに含み、
前記予測値及び受信信号データに基づいて検査結果を決定することが、該決定された値
に基づいて該検査結果を決定することを含む、態様10記載のコンピュータ実施方法。
(態様13)
前記動作が:
ユーザの臨床データ及びユーザのデモグラフィックデータを1つ又は複数のデータベー
スから得ること;
該得られたユーザの臨床データ及び該ユーザのデモグラフィックデータに基づいて臨床
データセットの範囲を決定すること;並びに
該臨床データセットの範囲を前記非侵襲的診断検査の予測値にマッピングすることをさ
らに含む、態様10記載のコンピュータ実施方法。
(態様14)
前記動作が:
行われるべき第2の非侵襲的診断検査を、(i)該第2の非侵襲的診断検査を前記非侵襲
的診断検査に関連付けるユーザパターン、及び(ii)ユーザの病歴に基づいて決定するこ
と;
該第2の非侵襲的診断検査に基づいて1つ又は複数のセンサの第2のセットを作動させる
こと;
該1つ又は複数のセンサの第2のセットを介して第2の信号データを受信すること;
前記ユーザプロフィールに一部基づいて、第2の非侵襲的診断検査の第2の予測値を得る
こと;並びに
該第2の予測値及び該受信した第2の信号データに基づいて該第2の検査結果を決定する
ことをさらに含む、態様10記載のコンピュータ実施方法。
(態様15)
前記非侵襲的診断検査の予測値を得ることが、前記第2の検査結果を使用して前記非侵
襲的診断検査の予測値を決定することを含む、態様14記載のコンピュータ実施方法。
(態様16)
前記第2の非侵襲的診断検査が、グルコース検査である非侵襲的診断検査と同時に行わ
れるコレステロール検査である、態様14記載のコンピュータ実施方法。
(態様17)
前記非侵襲的診断検査及び前記第2の非侵襲的診断検査が、前記1つ又は複数のコンピュ
ータ装置を備える時計によって行われる、態様14記載のコンピュータ実施方法。
(態様18)
前記1つ又は複数のセンサが、無線心電極、圧電振動センサ、赤外線センサ、温度セン
サ、加速度計、及び微小電気機械システム(MEMS)センサの1つ又は複数を含む、態様10
記載のコンピュータ実施方法。
(態様19)
1つ又は複数のコンピュータ装置及び1つ又は複数の記憶装置を備える時計であって、該
1つ又は複数の記憶装置が、該1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されると該1
つ又は複数のコンピュータ装置に次の動作:
ユーザプロフィールに基づいてグルコース検査及びコレステロール検査を選択すること

該グルコース検査及び該コレステロール検査を行うための1つ又は複数のセンサを特定
すること;
該特定された1つ又は複数のセンサを作動させること;
該1つ又は複数のセンサを介して信号データを受信すること;
該ユーザプロフィールに一部基づいて該グルコース検査の第1の予測値を得ること;
該第1の予測値及び該受信信号データに基づいてグルコース検査結果及びコレステロー
ル検査結果を決定すること;並びに
該グルコース検査結果及び該コレステロール検査結果を、該時計のディスプレイ又はス
ピーカーを介して出力すること、を実行させる命令を記憶している、前記時計。
(態様20)
前記1つ又は複数のセンサが、赤外線センサ及び圧電振動センサを含み、
前記動作が:
前記受信した信号データから得られた生データに基づいて経路を選択すること;及び
該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ること、をさらに含み;
前記第1の予測値及び受信信号データに基づいてグルコース検査結果を決定することが
、該決定された値に基づいて該グルコース検査結果を決定することを含む、態様19記載の
時計。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のコンピュータ装置及び1つ又は複数の記憶装置を備えるシステムであって、該1つ又は複数の記憶装置が、該1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されると該1つ又は複数のコンピュータ装置に次のことを含む動作:
ユーザの病状を検出するための非侵襲的診断検査の開始要求に対応する入力を受け取ること;
該非侵襲的診断検査を行うための1つ又は複数のセンサを特定すること;
該非侵襲的診断検査に基づいて、該特定された1つ又は複数のセンサを作動させること;
該1つ又は複数のセンサを介して信号データを受信すること;
ユーザプロフィールに一部基づいて該非侵襲的診断検査の予測値を得ること;
該予測値及び該受信信号データに基づいて検査結果を決定すること;並びに
該検査結果をディスプレイ又はスピーカーを介して出力すること、を実行させる命令を記憶しており、
該1つ又は複数のコンピュータ装置は該非侵襲的診断検査に関する情報を提供するためのウェアラブル診断装置を含み、かつ
該1つ又は複数のセンサは、1対の取り外し可能な第1及び第2無線心電極を含み、該第1無線心電極は該ウェアラブル診断装置の外側ベルト層に配設され、該第2無線心電極は、該ユーザの皮膚に直接接触できるように、該ウェアラブル診断装置の背面カバーに配設される、前記システム。
【請求項2】
前記非侵襲的診断検査には、グルコース検査、コレステロール検査、ヘモグロビン検査、酸素飽和レベル検査、及び心電図モニタリング検査のうちの1つ又は複数が含まれる、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記動作が:
前記受信信号データから得た生データに基づいて経路を選択すること;及び
該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ることをさらに含み、
前記予測値及び受信信号データに基づいて検査結果を決定することが、該決定された値に基づいて該検査結果を決定することを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記動作が:
1つ又は複数のデータベースからユーザの臨床データ及びユーザのデモグラフィックデータを得ること;
該得たユーザの臨床データ及びユーザのデモグラフィックデータに基づいて臨床データセットの範囲を決定すること;並びに
該臨床データセットの範囲を前記非侵襲的診断検査の予測値にマッピングすることをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記動作が:
行われるべき第2の非侵襲的診断検査を、(i)該第2の非侵襲的診断検査を前記非侵襲的診断検査に関連付けるユーザパターン、及び(ii)該ユーザの病歴、に基づいて決定すること;
該第2の非侵襲的診断検査に基づいて1つ又は複数のセンサの第2のセットを作動させること;
該1つ又は複数のセンサの第2のセットを介して第2の信号データを受信すること;
前記ユーザプロフィールに一部基づいて、該第2の非侵襲的診断検査の第2の予測値を得ること;並びに
該第2の予測値及び該受信した第2の信号データに基づいて第2の検査結果を決定することをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記非侵襲的診断検査の予測値を得ることが、前記第2の検査結果を使用して前記非侵襲的診断検査の予測値を決定することを含む、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の非侵襲的診断検査が、グルコース検査である前記非侵襲的診断検査と同時に行われるコレステロール検査である、請求項5記載のシステム。
【請求項8】
前記非侵襲的診断検査及び前記第2の非侵襲的診断検査が、前記1つ又は複数のコンピュータ装置を備える時計によって行われる、請求項5記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ又は複数のセンサが、圧電振動センサ、赤外線センサ、温度センサ、加速度計、及び微小電気機械システム(MEMS)センサのうちの1つ又は複数をさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
ユーザの病状を検出するための非侵襲的診断検査の開始要求に対応する入力を、1つ又は複数のセンサによって受け取ること;
該非侵襲的診断検査を行うための該1つ又は複数のセンサを、1つ又は複数のコンピュータ装置によって特定すること;
該非侵襲的診断検査に基づいて、該特定された1つ又は複数のセンサを、該1つ又は複数のコンピュータ装置によって作動させること;
該1つ又は複数のセンサを介して信号データを受信すること;
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、ユーザプロフィールに一部基づいて該非侵襲的診断検査の予測値を得ること;
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、該予測値及び該受信した信号データに基づいて検査結果を決定すること;並びに
該1つ又は複数のコンピュータ装置によって、該検査結果をディスプレイ又はスピーカーを介して出力することを含む、コンピュータ実施方法であって、
該1つ又は複数のコンピュータ装置は該非侵襲的診断検査に関する情報を提供するためのウェアラブル診断装置を含み、かつ
該1つ又は複数のセンサは、1対の取り外し可能な第1及び第2無線心電極を含み、該第1無線心電極は該ウェアラブル診断装置の外側ベルト層に配設され、該第2無線心電極は、該ユーザの皮膚に直接接触できるように、該ウェアラブル診断装置の背面カバーに配設される、前記コンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記非侵襲的診断検査には、グルコース検査、コレステロール検査、ヘモグロビン検査、酸素飽和レベル検査、及び心電図モニタリング検査のうちの1つ又は複数が含まれる、請求項10記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
前記動作が:
前記受信した信号データから得た生データに基づいて経路を選択すること;並びに
該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ることをさらに含み、
前記予測値及び受信信号データに基づいて検査結果を決定することが、該決定された値に基づいて該検査結果を決定することを含む、請求項10記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
前記動作が:
ユーザの臨床データ及びユーザのデモグラフィックデータを1つ又は複数のデータベースから得ること;
該得られたユーザの臨床データ及びユーザのデモグラフィックデータに基づいて臨床データセットの範囲を決定すること;並びに
該臨床データセットの範囲を前記非侵襲的診断検査の予測値にマッピングすることをさらに含む、請求項10記載のコンピュータ実施方法。
【請求項14】
前記動作が:
行われるべき第2の非侵襲的診断検査を、(i)該第2の非侵襲的診断検査を前記非侵襲的診断検査に関連付けるユーザパターン、及び(ii)該ユーザの病歴に基づいて決定すること;
該第2の非侵襲的診断検査に基づいて1つ又は複数のセンサの第2のセットを作動させること;
該1つ又は複数のセンサの第2のセットを介して第2の信号データを受信すること;
前記ユーザプロフィールに一部基づいて、該第2の非侵襲的診断検査の第2の予測値を得ること;並びに
該第2の予測値及び該受信した第2の信号データに基づいて該第2の検査結果を決定することをさらに含む、請求項10記載のコンピュータ実施方法。
【請求項15】
前記非侵襲的診断検査の予測値を得ることが、前記第2の検査結果を使用して前記非侵襲的診断検査の予測値を決定することを含む、請求項14記載のコンピュータ実施方法。
【請求項16】
前記第2の非侵襲的診断検査が、グルコース検査である前記非侵襲的診断検査と同時に行われるコレステロール検査である、請求項14記載のコンピュータ実施方法。
【請求項17】
前記非侵襲的診断検査及び前記第2の非侵襲的診断検査が、前記1つ又は複数のコンピュータ装置を備える時計によって行われる、請求項14記載のコンピュータ実施方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数のセンサが、無線心電極、圧電振動センサ、赤外線センサ、温度センサ、加速度計、及び微小電気機械システム(MEMS)センサのうちの1つ又は複数を含む、請求項10記載のコンピュータ実施方法。
【請求項19】
ウェアラブル診断時計及び1つ又は複数の記憶装置を備える装置であって、該1つ又は複数の記憶装置が、該ウェアラブル診断時計によって実行されると該ウェアラブル診断時計に次のことを含む動作:
ユーザプロフィールに基づいてグルコース検査及びコレステロール検査を選択すること;
該グルコース検査及び該コレステロール検査を行うための1つ又は複数のセンサを特定すること;
該特定された1つ又は複数のセンサを作動させること;
該1つ又は複数のセンサを介して信号データを受信すること;
該ユーザプロフィールに一部基づいて該グルコース検査の第1の予測値を得ること;
該第1の予測値及び該受信信号データに基づいてグルコース検査結果及びコレステロール検査結果を決定すること;並びに
該グルコース検査結果及び該コレステロール検査結果を、該ウェアラブル診断時計のディスプレイ又はスピーカーを介して出力すること、を実行させる命令を記憶しており、
該1つ又は複数のセンサは、1対の取り外し可能な第1及び第2無線心電極を含み、該第1無線心電極は該ウェアラブル診断時計の外側ベルト層に配設され、該第2無線心電極は、該ユーザの皮膚に直接接触できるように、該ウェアラブル診断時計の背面カバーに配設される、前記装置。
【請求項20】
前記1つ又は複数のセンサが、赤外線センサ及び圧電振動センサを含み、
前記動作が:
前記受信した信号データから得られた生データに基づいて経路を選択すること;及び
該選択された経路に基づいて決定された値のセットを得ること、をさらに含み;
前記第1の予測値及び受信信号データに基づいてグルコース検査結果を決定することが、該決定された値に基づいて該グルコース検査結果を決定することを含む、請求項19記載の装置。