(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075121
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】渦ステーション
(51)【国際特許分類】
F03D 3/06 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
F03D3/06 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023023484
(22)【出願日】2023-02-17
(62)【分割の表示】P 2019500277の分割
【原出願日】2017-07-06
(31)【優先権主張番号】721916
(32)【優先日】2016-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(71)【出願人】
【識別番号】501410698
【氏名又は名称】オークランド ユニサービシーズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ニール アンドリュー ホークス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来システムの効率を少なくともある程度増加させることになる渦ステーションを提供すること。
【解決手段】本発明の装置は、渦ステーション1のための基部を形成する地面プラットフォーム、空気流を実質的に旋回する方式で渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン7、集中した空気流の経路内において、渦ステーションの中心10近所に配置された少なくとも1つの風力タービン8であって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、少なくとも1つの風力タービン、空気が作動流体に飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの作動流体の供給部を含み、作動流体は、生成された渦の浮力及び安定性を維持するのを助けるのに十分な量で供給される。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションであって、
前記渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気流を実質的に旋回する(swirling)方式で渦ステーション内に、そして前記渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンであって、前記渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が前記渦ステーションの中心に生成される、前記少なくとも1つの風力タービン;
前記空気が作動流体(例えば、水)で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、前記渦ステーションの中心またはその近所にある前記渦ステーションへの前記作動流体(例えば、水)の供給部を含み、前記作動流体(例えば、水)は、生成された渦の浮力及び安定性を維持するのを助けるのに十分な量で供給される、渦ステーション。
【請求項2】
ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションであって、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気を旋回する方式で(すなわち、水平循環で)渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置される少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、前記少なくとも1つの風力タービン;
前記渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の供給を含み、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、アスペクト比(例えば、前記渦の前記コアの幅に対する渦の高さ)を増加させるために、気化可能な流体または作動流体で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある前記空気の少なくとも一部を提供するに十分な量または流量で供給され、前記増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性を助ける、渦ステーション。
【請求項3】
前記気化可能な液体または作動流体は、水であり、選択的に、前記水は加熱水ストリームである、請求項1または2に記載の渦ステーション。
【請求項4】
前記渦内に流れる空気は、飽和状態に近付くように十分に調節される、請求項1~3のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項5】
前記渦ステーション内に流れる前記空気は、前記生成された渦の浮力及び安定性を維持するために前記生成された渦コア内の凝縮によって十分な量の潜熱を放出させることができるように十分に調節され、これにより、前記渦はそれと異なりに前記渦ステーション内に流れる前記空気を調節することなく、発生するよりも高い高さを達成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項6】
前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)は、十分な量で供給されるか、または前記渦ステーションに誘導された空気流は、十分な飽和となるように調整され、比較的高いアスペクト比の渦の発生を可能にする、請求項1~5のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項7】
比較的高いアスペクト比は、約15:1よりも大きい前記生成された渦の前記コアの幅に対する前記渦の高さの比である、請求項1~6のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項8】
前記少なくとも1つの風力タービンは、集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に位置または配置され、前記渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が前記渦ステーションの中心に生成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項9】
前記渦ステーションへの前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)または前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)のソースの提供または供給及びこのように生成された渦は、アスペクト比(例えば、前記渦のコアの幅に対する前記渦の高さ)を増加させるのを助けて、前記増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性の増加を助ける、請求項1~8のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項10】
前記ベーン及び前記少なくとも1つの風力タービンは、前記地面プラットフォームの境界内にまたはその境界に着座する、請求項1~9のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項11】
前記渦ステーションへの前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、ポンピング加熱された気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)水がマニホールドから供給される複数のノズルによるものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項12】
前記複数のノズルは、浮力を介して前記渦を駆動させるために、比較的大きな表面積を有する前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される、請求項11に記載の渦ステーション。
【請求項13】
前記渦ステーションへの前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、浮力を介して渦を駆動させ、軸方向の歪みを提供する垂直加速度を介する上昇時にコアを安定化させるために、比較的大きな表面積を有する前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)で飽和する温風の前記渦内に空気流を生成できるようにするように、ポンピング加熱された気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)がマニホールドから供給される複数のノズルである、請求項11に記載の渦ステーション。
【請求項14】
前記複数のノズルは、比較的大きな表面積を有する気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)の蒸気で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる前記渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される、請求項11に記載の渦ステーション。
【請求項15】
前記渦ステーションの前記基部またはその近所にある前記渦の空気流への気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦に導入された空気の空気流の飽和レベルを増加させるか、前記空気流の飽和(例えば、100%相対湿度までの相対湿度)を達成するのに十分な体積または量で提供される、請求項1~14のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項16】
一旦気化されて渦に誘導された空気の流れ内に含まれる、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦によって高さまで上昇され、温度または環境条件にさらされて前記蒸気の少なくとも一部が凝縮され、これによって前記高さで凝縮内の潜熱の放出を誘発する、請求項1~15のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項17】
前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦が前記渦ステーション内で維持され動作される間に、前記渦に導入される空気流に持続的な方式で(すなわち、連続的に提供または供給され得る)渦に誘導される空気の流れに提供または供給される、請求項1~16のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項18】
前記渦ステーションに誘導される空気流を調整するための前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦ステーションの生成された渦に導入される前記空気の飽和または湿度を増加させる、請求項1~17のいずれか一項に記載の渦システム。
【請求項19】
前記渦ステーションは、実質的に地面レベルのフラットベッドまたはプラットフォームである、請求項1~18のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項20】
前記ベーンは、前記渦ステーションの周辺部の周囲に実質的に円形方式に構成または配列される、請求項1~19のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項21】
前記ベーンは、複数の調整可能なディフレクタを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項22】
前記ベーンは、固定されたベーンセットを含み得る、請求項1~21のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項23】
前記ベーンは、セールである、請求項1~22のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項24】
前記セールは、織物で構成される、請求項23に記載の渦ステーション。
【請求項25】
前記調整可能なディフレクタベーンは、手動または遠隔で調整可能な、請求項21に記載の渦ステーション。
【請求項26】
前記渦ステーションは、前記渦ステーションの中心にルーフをさらに含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項27】
前記ルーフは環状であり、及び/または前記少なくとも1つのタービン上に配置され、前記少なくとも1つのタービンから外に延びる、請求項26に記載の渦ステーション。
【請求項28】
前記風力タービンは、前記ステーションの垂直中心線の周囲を回転して前記渦の基部で最も集中した空気流の領域内に着座する垂直ブレードからなり、前記ブレードによって掃引されるシリンダー形状にわたって半径方向の圧力差を生成して、外部風力によって横方向に移動されることに対して前記渦の基部を安定化させる、請求項1~27のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項29】
前記風力タービンは、前記ステーションの垂直中心線の周囲を回転して前記渦の基部で最も集中した空気流の領域内に着座する垂直ブレードを含み、外部風力によって横方向に移動されることに対して前記渦の基部を安定化させるように、前記ブレードによって掃引されるシリンダー形状にわたって半径方向の圧力差を生成する、請求項1~28のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項30】
前記複数の同心タービンが使用されるか、または複数の同心ブレードセットが提供される単一のタービンが使用される、請求項1~29のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項31】
前記風力タービンは、前記環状ルーフの内径の下に着座される、請求項30に記載の渦ステーション。
【請求項32】
前記ポンピングされた気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)のためのマニホールド及びノズルは、前記渦ステーション内に誘導された空気流の領域内で、前記渦ステーションの環状ルーフの下及び地平面上に着座される、請求項1~31のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項33】
前記ノズルは、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)を前記渦ステーション内に誘導される前記空気流内に、そして前記空気流に対して反対方向に誘導する、請求項11に記載の渦ステーション。
【請求項34】
前記ノズルは、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)のミストまたはスプレーを生成または発生させるように構成される、請求項33に記載の渦ステーション。
【請求項35】
前記渦ステーションは、凹形状であるフロアを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の渦ステーション。
【請求項36】
前記渦ステーションの前記フロアは、液体気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の収集のためのドレーンを含み、選択的に、前記ドレーンは前記フロア内の中心に配置される、請求項35に記載の渦ステーション。
【請求項37】
前記ドレーンは、リザーバまたは貯蔵設備に流体連結される、請求項36に記載の渦ステーション。
【請求項38】
前記リザーバまたは貯蔵設備内に収集された液体は、再使用またはリサイクルされ得る、請求項37に記載の渦ステーション。
【請求項39】
渦ステーション内で人工渦の安定性を増加させる方法であって、
-渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォームを提供するステップ、
-複数のベーンを介して前記渦ステーション内に空気の供給を提供するステップであって、前記ベーンは、前記供給された空気を前記空気の旋回を開始するようにする方式で前記渦ステーション内に誘導するように構成された、前記提供するステップ、
-集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンを提供及び位置決めするステップであって、前記渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が前記渦ステーションの中心に生成される、前記提供及び位置決めするステップ、及び
-前記渦ステーションの中心またはその近所で、前記渦ステーションに気化可能な液体または作動流体(例えば、水)を供給するステップを含み、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水ストリーム)の前記供給は、アスペクト比を増加させるために、部分飽和または飽和状態にある空気の少なくとも一部を提供するのに十分な量または流量で供給され、前記増加したアスペクト比が前記生成された渦の浮力及び安定性を助ける、渦ステーション内において人工渦の安定性を増加させる方法。
【請求項40】
渦ステーションから生成された人工渦を維持するための方法であって、
-前記渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォームを提供するステップ、
-空気流を実質的に旋回する方式で(例えば、水平循環で)前記渦ステーション内に誘導するために、前記渦ステーションの周辺部の周囲に複数のベーンを提供及び配列するステップ、及び
-前記渦ステーションの中心またはその近所で、前記渦ステーションに気化可能な液体または作動流体(例えば、水)のソースを提供または供給するステップを含み、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある前記渦ステーション内に発生した渦に導入される前記空気流の少なくとも一部を提供するのに十分な量または流量で供給され、渦が生成されると、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記ソースを続いて提供または供給する、渦ステーションから生成された人工渦を維持するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃熱源などの熱源からトルネード(tornado)のような対流渦が生成され、熱が電気に変換される渦ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
電力発生のために廃熱を用いるための多くの試みがあったが、低温で利用可能な低電力密度は、このようなプロセスで要求される装備を非合理的に大きく、高価にする。「燃料フリー(fuel-free)」エネルギー源の場合、資本及び運用コストが自立経済の核心であるので、大気浮力渦を「仮想煙突渦(virtual chimney vortex)」(以下、VCVと呼ぶ)」として使用することが魅力的である。VCVが地面レベルで高風速として浮力を集中させるため、高い構造物と大型タービンのコストは回避される。VCV自体は、非常に大型であることができ、低コストで設定され得る。
【0003】
米国特許第7086823号は、このような渦または渦エンジンを開示している。しかしながら、それは渦を生成するためにアリーナ(arena)を囲む高価な垂直の円筒形の壁を要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来システムの効率を増加させるか、または少なくともある程度増加させることになる渦ステーションを提供することである。
【0005】
本発明の対案の目的は、既存システムの欠点を少なくともある程度克服するか、または少なくとも既存システムに対する有用な代替案を提供することになる渦ステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示された主題はまた、一般的に本明細書において指示または示される部分、要素及び特徴からなるか、個別的にまたは集合的に、これらの部分、要素または特徴のうちの2つ以上の任意のまたはすべての組み合わせからなるものであると言えることができる方法またはシステムを提供する。本明細書において、本発明と関連する当分野において既知の等価物を有する特定の整数が言及されている場合、このような既知の等価物は本明細書に組み込まれるものであると見なされる。
【0007】
第1の態様において、本発明は、一般的に、ダストデビル(dust-devil)及びウォータースパウト(waterspout)からなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションを含むことができ、前記渦ステーションは、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気流を実質的に旋回する(swirling)方式で渦ステーション内に、そして前記渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、少なくとも1つの風力タービン;
空気が作動流体(例えば、水)で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの作動流体(例えば、水)の供給部を含み、作動流体(例えば、水)は、生成された渦の浮力及び安定性を維持するのを助けるのに十分な量で供給される。
【0008】
第2の態様において、本発明は、一般的に、ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションからなることができ、前記渦ステーションは、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気を旋回する方式で(すなわち、水平循環で)渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、少なくとも1つの風力タービン;
生成された渦の浮力及び安定性を助け、渦が高いアスペクト比を有することを保障するために、空気が飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの水の供給部を含む。
【0009】
第3の態様において、本発明は、一般的に、ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションを含むことができ、前記渦ステーションは、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気を旋回する方式ですなわち、水平循環で)渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置される少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、前記少なくとも1つの風力タービン;
渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の供給部を含み、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の供給部は、アスペクト比(例えば、渦のコアの幅に対する渦の高さ)を増加させるために、気化可能な液体または作動流体で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある空気の少なくとも一部を提供するのに十分な量または流量で供給され、増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性を助ける。
【0010】
第4の態様において、本発明は、一般的に、渦ステーション内で人工渦(man-made vortex)の安定性を増加させる方法を含むことができ、前記方法は、
-渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォームを提供するステップ、
-複数のベーンを介して渦ステーション内に空気の供給を提供するステップであって、ベーンは、供給された空気を空気の旋回を開始するようにする方式で渦ステーション内に誘導するように構成された、前記提供するステップ、
-集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンを提供及び位置決めするステップであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、前記提供及び位置決めするステップ、及び
-渦ステーションの中心またはその近所で、渦ステーションに気化可能な液体または作動流体(例えば、水)を供給するステップを含み、気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水ストリーム)の供給は、アスペクト比を増加させるために、部分飽和状態または飽和状態にある空気の少なくとも一部を提供するのに十分な量または流量で供給され、増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性を助ける。
【0011】
第5の態様において、本発明は、一般的に、渦ステーションから発生した渦を維持するためのプロセスを含むことができ、前記プロセスは、
-渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォームを提供するステップ、-空気流を実質的に旋回する方式で(例えば、水平循環で)渦ステーション内に誘導するために、前記渦ステーションの周辺部の周囲に複数のベーンを提供及び配列するステップ、
渦ステーションの中心またはその近所で、渦ステーションに気化可能な液体または作動流体(例えば、水)のソースを提供または供給するステップを含み、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の供給は、飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある渦ステーション内に発生した渦に導入される空気流の少なくとも一部を提供するに十分な量または流量で供給され、渦が生成されると、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記ソースを続いて提供または供給する。
【0012】
第6の態様において、本発明は、一般的に、ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションを含むことができ、前記渦ステーションは、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気を旋回する方式で(すなわち、水平循環で)渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、少なくとも1つの風力タービン;
空気が飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、渦ステーションの中心またはその近所で渦ステーションに水を供給するための手段を含み、水は、生成された渦の浮力及び安定性を助けるのに十分な量で供給される。
【0013】
第7の態様において、本発明は、一般的に、ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションを含むことができ、前記渦ステーションは、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気を旋回する方式で(すなわち、水平循環で)渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、少なくとも1つの風力タービン;
生成された渦の浮力及び安定性を助け、渦が高いアスペクト比を有することを保障するために、空気が飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの水の供給部を含む。
【0014】
第8の態様において、本発明は、一般的に、ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションを含むことができ、前記渦ステーションは、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気を旋回する方式で(すなわち、水平循環で)渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、少なくとも1つの風力タービン;
渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの気化可能な液体(例えば、水)の供給部を含み、気化可能な液体(例えば、水)の供給部は、アスペクト比(例えば、渦のコアの幅に対する渦の高さ)を増加させるために、飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある空気の少なくとも一部を提供するのに十分な量または流量で供給され、増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性を助ける。
【0015】
第9の態様において、本発明は、一般的に、渦ステーションから発生した渦を維持するためのプロセスを含むことができ、前記プロセスは、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォームを提供するステップ、
空気流を実質的に旋回する方式で(例えば、水平循環で)渦ステーション内に誘導するために、前記渦ステーションの周辺部の周囲に複数のベーンを提供及び配列するステップ、
渦ステーションの中心またはその近所で、渦ステーションに気化可能な液体(例えば、水)のソースを提供または供給するステップを含み、気化可能な液体(例えば、水)の供給は、飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある渦ステーション内に発生した渦に導入される空気流の少なくとも一部を提供するに十分な量または流量で供給され、渦が生成されると、気化可能な液体(例えば、水)の前記ソースを続いて提供または供給する。
【0016】
好ましくは、気化可能な液体または作動流体は水であり、選択的に、水は加熱水のストリームである。
【0017】
好ましくは、渦内に流れる空気は、飽和状態に近付くように十分に調節される。
【0018】
好ましくは、渦ステーション内に流れる空気は、生成された渦の浮力及び安定性を維持するために、生成された渦コア内の凝縮によって十分な量の潜熱を放出させることができるように十分に調節され、これにより、渦はそれと異なりに渦ステーション内に流れる前記空気を調節することなく、発生するよりも高い高さを達成する。
【0019】
好ましくは、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)は、十分な量で供給されるか、または渦ステーションに誘導された空気流は、十分な飽和となるように調整され、比較的高いアスペクト比の渦の発生を可能にする。
【0020】
好ましくは、比較的高いアスペクト比は、約15:1よりも大きい生成された渦のコアの幅に対する渦の高さの比である。
【0021】
好ましくは、前記少なくとも1つの風力タービンは、集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に位置または配置され、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される。
【0022】
好ましくは、渦ステーションへの気化可能な液体または作動流体(例えば、水)または気化可能な液体または作動流体(例えば、水)のソースの提供または供給及びこのように生成された渦は、アスペクト比(例えば、渦のコアの幅に対する渦の高さ)を増加させるのを助けて、増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性の増加を助ける。
【0023】
好ましくは、ベーン及び少なくとも1つの風力タービンは、地面プラットフォームの境界内にまたはその境界に着座する。
【0024】
好ましくは、前記渦ステーションへの気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、ポンピング加熱された気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)水がマニホールドから供給される複数のノズルによるものである。
【0025】
好ましくは、前記複数のノズルは、浮力を介して前記渦を駆動させるために、比較的大きな表面積を有する気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される。
【0026】
好ましくは、前記渦ステーションへの気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の供給は、浮力を介して渦を駆動させ、軸方向の歪みを提供する垂直加速を介する上昇時にコアを安定化させるために、比較的大きな表面積を有する気化可能な液体または作動流体(加熱水または温水)の微細なスプレーを生成して、十分な熱伝達のための表面積が気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)で飽和する温風の渦内に空気流を生成できるようにするように、ポンピング加熱された気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)でマニホールドから供給される複数のノズルである。
【0027】
好ましくは、前記複数のノズルは、比較的大きな表面積を有する気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)の蒸気で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される。
【0028】
好ましくは、渦ステーションの基部またはその近所にある渦の空気流への気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、渦に導入された空気の空気流の飽和レベルを増加させるか、前記空気流の飽和(例えば、100%相対湿度までの相対湿度)を達成するのに十分な体積または量で提供される。
【0029】
好ましくは、一旦気化されて渦に誘導された空気の流れ内に含まれる、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、渦によって高さまで上昇され、温度または環境条件にさらされて蒸気の少なくとも一部が凝縮され、これによって前記高さで凝縮内の潜熱の放出を誘発する。
【0030】
好ましくは、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、渦が前記渦ステーション内で維持され動作される間に、渦に導入される空気流に持続的な方式で(すなわち、連続的に提供または供給され得る)渦に誘導される空気の流れに提供または供給される。
【0031】
好ましくは、渦ステーションに誘導される空気の流れを調節するための気化可能な液体または作動流体の提供または供給されたソース(例えば、水)は、渦ステーション内の生成された渦に導入される空気の飽和または湿度を増加させる。
【0032】
好ましくは、渦ステーションは、実質的に地面レベルのフラットベッド(flat bed)またはプラットフォームである。
【0033】
好ましくは、ベーンは、渦ステーションの周辺部の周囲に実質的に円形方式に構成または配列される。
【0034】
好ましくは、ベーンは、複数の調整可能なディフレクタを含む。
【0035】
好ましくは、ベーンは、固定されたベーンセットを含み得る。
【0036】
好ましくは、ベーンは、セール(sail)である。
【0037】
好ましくは、セールは、織物で構成される。
【0038】
好ましくは、調整可能なディフレクタベーンは、手動または遠隔調整可能である。
【0039】
好ましくは、前記渦ステーションは、渦ステーションの中心にルーフをさらに含む。
【0040】
好ましくは、ルーフは環状であり、及び/または少なくとも1つのタービン上に配置され、少なくとも1つのタービンから外に延びる。
【0041】
好ましくは、風力タービンは、ステーションの垂直中心線の周囲を回転して渦の基部で最も集中した空気流の領域内に着座する垂直ブレードからなり、ブレードによって掃引されるシリンダー形状にわたって半径方向の圧力差を生成して、外部風力によって横方向に移動されることに対して渦の基部を安定化させる。
【0042】
好ましくは、風力タービンは、ステーションの垂直中心線の周囲を回転して渦の基部で最も多く集中する空気流の領域内に着座する垂直ブレードに構成され、ブレードによって掃引されるシリンダー形状にわたって半径方向の圧力差を生成して、外部風力によって横方向に移動されることに対して渦の基部を安定化させる。
【0043】
好ましくは、複数の同心タービンが使用されるか、または複数の同心ブレードセットが提供される単一のタービンが使用される。
【0044】
好ましくは、風力タービンは、環状ルーフの内径の下に着座される。
【0045】
好ましくは、ポンピングされた気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)のためのマニホールド及びノズルは、渦ステーション内に誘導された空気流の領域内で、前記渦ステーションの環状ルーフの下及び地平面上に着座される。
【0046】
好ましくは、前記ノズルは、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)を渦ステーション内に誘導される空気流内へ及び空気流に対して誘導する。
【0047】
好ましくは、前記ノズルは、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)のミストまたはスプレーを生成または発生させるように構成される。
【0048】
好ましくは、前記渦ステーションは、凹形状のフロアを含む。
【0049】
好ましくは、渦ステーションのフロアは、液体気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の収集のためのドレーンを含み、選択的に、ドレーンはフロア内の中心に位置される。
【0050】
好ましくは、ドレーンは、リザーバまたは貯蔵設備(storage facility)に流体連結される。
【0051】
好ましくは、前記リザーバまたは貯蔵設備内に収集された液体は、再使用またはリサイクルされ得る。
【0052】
好ましくは、水は十分な量で供給されるか、または渦ステーションに誘導された空気流は、十分な飽和になるように調節され、比較的高いアスペクト比の渦の発生を可能にする。
【0053】
好ましくは、比較的高いアスペクト比は、約15:1よりも大きい生成された渦のコアの幅に対する渦の高さの比である。
【0054】
好ましくは、少なくとも1つの風力タービンは、集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に位置または配置され、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される。
【0055】
好ましくは、渦ステーションへの気化可能な液体のソースの提供または供給及びこのように生成された渦は、アスペクト比(例えば、渦のコアの幅に対する渦の高さ)を増加させるのを助けて、増加したアスペクト比が浮力及び生成された渦の安定性の増加を助ける。
【0056】
好ましくは、ベーン及び少なくとも1つの風力タービンは、地面プラットフォームの境界内にまたはその境界に着座する。
【0057】
好ましくは、前記渦ステーションに水を供給するための前記手段、または水の供給部は、ポンピングされた温水がマニホールドから供給される複数のノズルによるものである。
【0058】
好ましくは、前記複数のノズルは、浮力を介して渦を駆動させるために、比較的大きな表面積を有する温水の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が水蒸気で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される。
【0059】
好ましくは、前記渦ステーションに水を供給する前記手段は、浮力を介して渦を駆動させ、軸方向の歪みを提供する垂直加速度を介する上昇時にコアを安定化させるために、大きな表面積を有する温水の微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が水蒸気で飽和する温風の渦内に空気流を生成できるようにするように、ポンピングされた温水がマニホールドから供給される複数のノズルである。
【0060】
好ましくは、前記複数のノズルは、比較的大きな表面積を有する温水の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が水蒸気で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される。
【0061】
好ましくは、本発明によれば、部分的にまたは完全に飽和した空気が上昇し、圧力及び温度が低下するにつれて、水分(例えば、生成された渦の空気流内に蒸発する水形態の供給されたソースまたは水分)の凝縮によって放出される潜熱を提供または使用する装置またはシステムまたはプロセスが開発された。
【0062】
好ましくは、渦への部分的に飽和するか完全に飽和した空気流の導入及び前記飽和を提供する水分の後続する凝縮は、角運動量の保存を通して、渦コア内の空気の塊(parcel)を伸ばして渦を集中させ安定化させるように、渦内に垂直速度(垂直加速度または軸方向の歪み)の勾配を生成する。
【0063】
有利には、十分な渦安定性を達成することは、乱流混合を抑制することができるようにし、エネルギーを地面で高風速として用いることができるようにする。
【0064】
好ましくは、渦ステーションの基部でまたはその近所で渦の空気流に液体または蒸気(例えば、液体水または水蒸気)のソースが提供または供給される渦ステーションは、渦に導入された空気の飽和レベル(例えば、100%相対湿度までの相対湿度)を増加させるのに十分な量で提供される。
【0065】
好ましくは、一旦気化されて渦の空気流内に含まれる、液体または蒸気の提供または供給されたソースは、渦によって高さまで上昇され、温度または環境条件にさらされ、蒸気の少なくとも一部が凝縮され、これによって前記高さで凝縮内の潜熱の放出を誘発する。
【0066】
好ましくは、液体または蒸気の提供または供給されたソースは、渦が前記渦ステーション内で維持され動作される間に、渦に導入される空気流に対して持続的な方式で(すなわち、連続的に提供または供給され得る)生成された渦に提供または供給される。
【0067】
好ましくは、飽和のために提供または供給されたソース(部分または全体飽和として、例えば、約0%RH(相対湿度)超過~約100%RHまでのように、例えば、渦またはVCVに導入される空気の少なくとも一部の相対湿度を増加させる)は、水源または給水である。
【0068】
好ましくは、提供または供給された飽和のために提供または供給されたソースは、渦ステーションで生成された渦に導入される空気の飽和または湿度を増加させる。
【0069】
好ましくは、渦ステーションの水内の渦に導入される空気の飽和の尺度としての相対湿度は、例えば、約0%RH超過~100%RH、約1%超過~100%RH、約5%RH超過~約100%RH、約10%RH超過~約100%RH、約15%RH超過約100%RH、約20%RH超過~約100%RH、約30%RH超過~約100%RH、約35%RH超過~約100%RH、約40%RH超過~約100%RH、約45%RH超過~約100%RH、約50%RH超過~約100%RH、約55%RH超過~約100%RH、約60%RH超過~約100%RH、約65%RH超過~約100%RH、約70%RH超過~約100%RH、約75%RH超過~約100%RH、約80%RH超過~約100%RH、約85%RH超過~約100%RH、約90%RH超過~約100%RH、約95%RH超過~約100%RHまでを含むが、これに限定されない、0超過~100%までの相対湿度(RH)である。
【0070】
好ましくは、飽和の提供またはソース(部分または全部飽和として、例えば、渦またはVCVに導入される空気の少なくとも一部の相対湿度を増加させる)は、比較的温かいまたはヒーター液体(例えば、水)のソースまたは供給部を渦またはVCVに導入される空気流内に温かいまたは加熱された液体を分配する配列に誘導することによって達成され得る。
【0071】
好ましくは、温められたまたは加熱された液体は、選択的に、能動的に加熱され温暖なを上昇させて空気流に導入されると、液体の気化を促進することができるか、または、例えば、生産プラントまたはプロセスからの廃熱流を使用して、間接的にまたは受動的に加熱されることができ、生成物プラントまたはプロセスからのエネルギー効率使用をさらに最大化することができる。
【0072】
好ましくは、飽和の供給またはソースは、温度制御され得るか、または渦またはVCVに導入される空気流に飽和の供給またはソースの量または流量を制御するためのコントローラへの入力を提供するように測定されたその温度を有することもできる。
【0073】
好ましくは、供給またはソースは、渦またはVCVの他の測定されたパラメータに基づいて能動的にモニタリング及び/または制御され得る。
【0074】
好ましくは、凝縮における潜熱の前記放出は、以下のうちの1つ以上に寄与し得る:-逓減率の発散(lapse rate divergence)、
-上昇時の水力学的安定性(hydrodynamic stability)のための軸方向の歪み、
-高いまたは増加するアスペクト比、
-より低冷または低下した(温度)リザーバ温度、
-比較的高い熱力学的効率、
-渦の風速(速度)の強さの増加。
【0075】
好ましくは、渦ステーションには、実質的に地面レベルのフラットベッドまたはプラットフォームが提供され得る。
【0076】
好ましくは、ベーンは、渦ステーションの周辺部の周囲に実質的に円形方式に構成または配列される。
【0077】
好ましくは、ベーンは、複数の調整可能なディフレクタを含む。
【0078】
代替的にまたは追加的に、ベーンは、固定されたベーンセットであり得る。
【0079】
代替的に、ベーンは、セールであり得る。
【0080】
好ましくは、前記セールは、可撓性材料のような織物で構成される。
【0081】
好ましくは、前記調整可能なディフレクタベーンは、手動または遠隔で調整され得る。
【0082】
好ましくは、前記渦ステーションは、ステーションの中心にルーフを含む。
【0083】
好ましくは、前記ルーフは環状であることができ、少なくとも1つのタービン上に配置され、少なくとも1つのタービンから外に延びることができる。
【0084】
好ましくは、風力タービンは、ステーションの垂直中心線の周囲を回転して渦の基部で最も集中した空気流の領域内に着座する垂直ブレードからなり、ブレードによって掃引されるシリンダーにわたって半径方向の圧力差を生成して、外部風力によって横方向に移動されることに対して渦を安定化させる。有利には、これはタワーまたは円筒形の壁が不要であることを意味する。
【0085】
好ましくは、風力タービンは、ステーションの垂直中心線の周囲を回転して渦の基部で最も集中した空気流の領域内に着座する垂直ブレードからなり、ブレードによって掃引されるシリンダー形状にわたって半径方向の圧力差を生成して、外部風力によって横方向に移動されることに対して渦の基部を安定化させる。
【0086】
好ましくは、複数の同心タービンが使用され得るか、または複数の同心ブレードセットを有する1つまたは単一のタービンが提供され得る。
【0087】
好ましくは、風力タービンは、環状ルーフの内径の下に着座される。ルーフは、渦の基部で最小の子午線空気流(meridional airflow)のゾーンを占有することができる。ルーフは、吸い込まれた空気流が前記タービンを逃すのを抑制するように助けることができる。選択的に、ルーフは、半径方向の流れを前記渦内に強制して、前記タービンを介して順次に通過または移動するのを助けることができる。
【0088】
好ましくは、渦ステーションに提供される空気流を通過させるかまたは誘導することは、渦ステーションへの空気流または流れの半径方向の圧力降下を生成して、渦のフット(foot)が、例えば外部風力によって横方向に乱されることから安定化される。
【0089】
好ましくは、ポンピングされた温水のためのマニホールド及びノズルは、渦への流れ領域内で環状ルーフの下に着座される。
【0090】
好ましくは、前記ノズルは、渦ステーション内に誘導される空気流内に、そして空気流に対して水を誘導する。
【0091】
好ましくは、前記ノズルは、ミストまたはスプレーを生成または発生させるように構成される。
【0092】
好ましくは、渦ステーションは、凹形状のフロアを含む。
【0093】
好ましくは、渦ステーションのフロアは、液体水の収集のためのドレーンを含む。
【0094】
好ましくは、ドレーンは、リザーバまたは貯蔵設備に流体連結される。
【0095】
好ましくは、前記リザーバまたは貯蔵設備内に収集された水は、再使用またはリサイクルされ得る。
【0096】
以下の説明は、本発明の渦ステーション内での渦の開始または開始であるけでなく、生成された渦の持続的な維持管理及び改選、及びその他の手順に関する。
渦の開始
【0097】
ステップ1:渦ステーションに熱源を提供する。
【0098】
熱源を提供するために、昇温された(例えば、生産プラントまたはプロセスからの廃熱流または熱源との熱交換によって上昇する)水のような加熱された作動流体をポンピングすることを始める。ポンピングされた作動流体は、渦ステーションの側壁及びルーフによって画定されたエンクロージャ(enclosure)内に加熱された作動流体のスプレーを発生させる、スプレーノズルのような1つまたは複数のスプレーデバイスに誘導される。
【0099】
加熱された作動流体の噴霧は、実質的に渦ステーションの中心で行われる。
【0100】
加熱された作動流体の噴霧は、渦ステーション内で空気の浮力を提供し、渦ステーションの周辺部の周囲に配置された1つ以上のベーンによって渦ステーション内に誘導される任意の空気を提供する。加熱された作動流体のスプレーは、渦ステーション内の空気及び渦ステーション内に誘導される空気に熱を伝達する。
【0101】
このような方式で、空気が加熱され、渦ステーション内の空気及び渦ステーション内に誘導される空気が、増加された水分含量を有するように調節される。空気の密度は、渦ステーション内の空気を上昇させるように引き超す結果的な浮力及び渦ステーションの基部/プラットフォームの周囲の空気を代替するために吸い込まれる他の空気を提供するように十分に減少する。
【0102】
ステップ2:旋回流を発生させる。
【0103】
空気が渦ステーションに吸い込まれて昇温された噴霧型作動流体からの調整によって上向きに上昇した空気を代替する。渦ステーションに吸い込まれた空気は、渦ステーションの周辺部の周囲に配列されるベーンによって方向が与えられる。この方式で、空気流内にベーンを置くことによって地面でステーション内に吸い込まれた空気は、空気に旋回を提供して渦ステーションに吸い込まれた空気が渦ステーションの中心の周囲に循環するようにするか、誘導する。
【0104】
ステップ3:対流渦が開始される。
【0105】
ステップ2から、次いで、空気流の旋回が(噴霧される作動流体からの熱伝達によって提供された浮力でよって) 渦ステーションの中心で上昇する空気に移流する(advect)。旋回は、旋衡バランス(cyclostrophic balance)によって、地面の上の空気の流れに抵抗する。これは、対流渦をもたらす。
【0106】
ステップ4:地面の上の渦内への空気流が抵抗されるので、地面での摩擦及び剪断が旋衡バランスを偏らせて地面での空気の流れを可能にするので、地面での空気の流れが集中する。これが、末端壁効果(end-wall effect)である。これは、渦への空気の流れに旋回を追加するためにベーンが高い高さまで上昇する必要がないことを意味する。
2.渦の集中
【0107】
ステップ1:渦に集中するためには、渦内の空気流を加速するための動力が利用可能でなければならない。
【0108】
ステップ2:動力を利用可能にさせるためには、動力は、浮力によって渦ステーションへの空気の流れに存在する位置エネルギーから運動エネルギーに変換されなければならない。渦は、これを達成するための熱機関(heat-engine)として作用する。
【0109】
ステップ3:熱機関の効率は、空気が地面で渦内に吸い込まれる高温リザーバと空気が渦の最上部で出る低温リザーバとの間の仮想等価温度(内部作業のプロセスと上昇時の潜熱の放出を反映するように表現された温度)の差に依存する。低温リザーバ温度は、渦内の逓減率(空気の性質によって設定される、空気が上昇時に冷却される速度)及び渦の高さに依存する。
【0110】
ステップ4:中性大気(neutral atmosphere)で乾燥空気を使用する渦の高さは、コアが上昇するにつれて渦度(vorticity)及び熱の拡散によって、渦の直径の約15倍になる。コアから周辺への温度差及びコアの渦度が半径方向の流れが抵抗され得る地点の下に下降すると、渦は消散し、すなわち、渦は乱流プルーム(turbulent plume)に崩壊する。これは、渦の最上部を形成する。これは、凝縮を介する潜熱の放出によって、より遅い疑似断熱率(pseudo adiabatic rate)で冷却しながら上昇することになる飽和した空気(一般的な温度及び圧力でできるだけ多くの水蒸気を運ぶ、100%相対湿度での空気)を使用することによって上向きに拡張され得る。潜熱の放出は、浮力が増加するので、温度差を維持するように作用し、また垂直速度も増加させる。垂直加速度は、渦を伸ばすように(軸方向の歪みを誘導するように)作用し、角運動量の保存を通して渦度を集中させる。拡散に対する温度差及び渦度の維持は、渦が圏界面(tropopause)のような相当な温度逆転に遭遇する高さまで、渦が消散されず上昇することができるようにする。
【0111】
ステップ5:昇温された作動流体(例えば、温水)を渦ステーションの基部での複数のノズルを通してポンピングすることは、十分な表面積(すなわち、スプレーが微細なミストである場合)を有する昇温された作動流体のスプレーを提供して、熱伝達が十分な潜熱放出を提供するのに十分な温度で空気の流入を飽和まで上昇させて大気中の高い高さまでの消散に対して渦を安定化する。より高い温度の空気は、大気中のすべての温度に対してより高い飽和された混合比を有する。
3.渦の最適化
【0112】
ステップ1:渦を圏界面まで駆動させるのに必要な潜熱を供給するのに必要な温度よりも高い高温リザーバ温度を上昇させることは、低温リザーバ温度を高温リザーバ温度の上昇よりも高く上昇させるため、熱機関の効率を低下させる。その後の効率の降下は、渦が必要な温度よりも高い温度で、圏界面で消散するまで失われるエネルギーを反映する。必要な潜熱は、大気条件によって異なるだろう。温度逆転がより低いレベルで存在する場合、より高い温度での飽和された空気の使用がそれらの層を通る上昇時に渦を維持するのに必要であろう。したがって、温度は、強制的に大気条件下で渦安定化に要求される最小値に制御される。
【0113】
ステップ2:渦からエネルギーを抽出するためには、動力密度が風速の3乗によって変わるから、タービン(風力タービン)を最大風速の領域内に配置するのが有用である。
【0114】
十分な旋回が渦に加えられると、浸漬渦ジャンプ(drowned vortex jump)として知られた特徴的な構造が渦の基部に形成されるであろう。DVJは、風速を2倍以上に集中させ、動力密度を8倍以上に増加させる。これは、はるかに小さなタービンを使用して同じ動力を抽出することができるようにする。したがって、旋回ベーン角度は、DVJ構造を形成するのに十分な旋回を供給するように制御される。
4.動力発生用タービンの着座
【0115】
ステップ1:1次タービンがDV1内の最大風力集中の領域内に着座される。これを可能にするために、回転シリンダー(ディスクの代わりに)で垂直軸の周囲を回転する垂直タービンブレードが使用される。これはまた渦が横風(side wind)によって渦ステーションから吹き出されるのを防止するように作用するタービンを横切る半径方向の圧力降下を生成する。タービンを横切る圧力降下が横風の動圧(dynamic pressure)よりも大きい場合、渦はタービン内側に留まる。それは、横方向の変位に対して安定化される。
【0116】
ステップ2:タービンの作動は、ヌルポロイダルゾーン(zone of null poloidal flow)内に着座するように設計された、可変高さの環状ルーフを使用することによって助けられる。これは、空気流が他にDVJの流れを妨げることなく、タービンの周囲及びその上を動き回るのを遅延させる。
【0117】
ステップ3:横方向変位に対する渦の安定化は、凹であるステーションのフロアによって助けられる。ほぼ水平から垂直に転換する空気流で慣性の影響により、渦は渦ステーションフロアの最下点に留まる傾向があるだろう。これはまた、渦ステーションに提供され噴霧された、現在凝縮した作動流体(例えば、水)の排出が中央ドレーンまたは多数のドレーンを介して収集され得るようにする。
【0118】
より詳細には、渦ステーションに誘導される流れまたは空気流の特性(または条件)は、能動的にモニタリングすることができ(すなわち、バルクレベルで)、またはモニタリングは環境周囲空気条件(例えば、温度、圧力、湿度(例えば、乾球/湿球温度))に基づいて、そして該測定値、その後、ノズルを通してポンピングされ得る(その所定の温度で)供給される昇温された作動流体(例えば、温水)の近似レベルの決定に基づいて、より実用的に行うことができる。
【0119】
このような方式で、噴霧のためにノズルでポンピングされる作動流体(例えば、加熱水ストリーム)からの熱流は、その熱容量、作動流体(例えば、水)が(平衡温度に到逹するように)冷却する温度の変化、及びポンピングされた流量の積である。熱流は、渦ステーション内の空気または渦ステーション内に導入される空気流を平衡温度まで上昇させるのに要求されること(これは、空気流量、空気の熱容量、及び空気が加熱される温度変化の積である)、及び空気を飽和させるのに十分な作動流体(例えば、水)を蒸発させるのに要求される潜熱と同じである必要がある。水の潜熱が他の量よりもはるかに高いので、噴霧型作動流体(例えば、水)の比較的小さい蒸発分率(evaporating fraction)さえも熱流の相当部分を占めるであろう。
【0120】
このため、要求される作動流体(例えば、水)のポンピング流量は、渦ステーションに導入される空気流を加熱及び飽和させるのに要求される熱流を、熱容量、ポンピング流量及び冷却温度降下の積で割った値に依存する。したがって、温度降下が大きいほど、要求される流量はより低くなる。
【0121】
大気(渦ステーションに提供される)が0%超過の相対湿度RHを有すると、空気を約100%のRHにするのに要求される潜熱の量が減少し、より高い大気混合比が、作動流体(例えば、温水)に要求されるポンピング流量を減少させる。したがって、大気の測定に基づいて、渦ステーション内に噴霧される作動流体の量または流量は、より高いまたはより低いレベルに調整され得る。
【0122】
噴霧される作動流体の十分な量または流量を決定するための前記制御または測定に基づく制御システムは、スプレーからの熱伝達に利用可能な表面積が液相内で温度が降下するのに十分である限り、適切な近似値として残留することは無視され得る。このような理由のため、比較的小さな液滴サイズまたは微細スプレーが複数のノズルから有用である。さらに、微細ノズルを介するポンピングは、微細ノズルの小さいアパーチャを通して作動流体をポンピングするのに必要なポンピング動力により多くのエネルギーが使用されるので、費用負担になる。このような理由のため、小さな液滴サイズを達成するために微細ノズルを使用することと、過度なポンピングコストを最小化することとの間でバランスを取るべきである。これは、作動流体(例えば、温水)の温度がどれだけ低くなり得るかについての実用的な限界の1つである。作動流体(例えば、水)の温度が渦を行うのに必要な平衡温度に近すぎる場合、熱伝達を容易にするのに伴われるポンピング損失は、渦から抽出され得る有用な動力に向かって増加し、これは、生産プラントまたはプロセスと結合される渦ステーションから得られるように試みされる効率の全般的な増加を緩和させるであろう。
【0123】
代替的に、ノズルを通してポンピングされる作動流体(例えば、温水)の量または流量にわたる能動的な制御がないと、噴霧された作動流体(例えば、温水)の少なくとも一部分は単純に凝縮されて空気流から落下され、ドレーンによってフロアに収集される。これは、水の気化潜熱が十分に高いため、平衡地点まで冷却するように蒸発されなければならない水の分率が約5%程度に小さいためである。残余物は、凝縮して渦ステーションのフロアに降下/落下し、渦ステーションフロのアドレーンを介して回収され、生産プラントまたはプロセスで使用するためにリサイクルまたは返還されることができ、例えば、火力発電所の二次冷却回路に返還され得る。火力発電所の運営者の観点から、渦ステーションは、
【0124】
電気を消費する代わりに、電気を発生させる蒸発式冷却タワーと実質的に類似し、これによってエネルギー効率の全般的な増加に寄与する。
【0125】
すべての新規な態様において考慮されるべきである本発明のさらなる態様は、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0126】
次に、本発明のいくつかの実施形態が以下に簡単に説明される図面を参照しながら例として説明されるであろう。
【
図1】
図1(従来技術)は、地面近所の粘度及び剪断によって誘導された子午線流入の図面である(Barcilon 1967)。
【
図2】
図2(従来技術)は、地面近所の渦に進入する空気の流線(streamline)の平面図である(Barcilon 1967)。
【
図3】
図3(従来技術)は、フロリダキーズからのウォータースパウトである(Renno 2008)。
【
図4】
図4は、渦度の集中を示す図である(Mullen, Maxworthy, 1977)。
【
図5】
図5は、渦循環を示す図である(Renno 2008)。
【
図6】
図6は、圧力摂動(pressure perturbation)を実線で示し、垂直速度をグレースケールで示した修正乱流(Lewellen, Lewellenら2000)の図である。
【
図7】
図7は、研究室実験の主題である渦発生器の平面図である(Mullen, Maxworthy 1977)。
【
図8】
図8は、スケーリングされた温度超過対半径、60゜のベーン角度、778Wを示すグラフである(Mullen, Maxworthy 1977)。
【
図9】
図9は、スケーリングされた温度超過対高さを示すグラフである(Mullen, Maxworthy 1977)。
【
図10】
図10は、実験渦内の接線速度を説明するためにRennoの熱機関理論の修正を用いてMullen及びMaxworthy実験においてモデル化され測定された接線速度を示すグラフである。
【
図11】
図11(従来技術)は、強力な対流下でのダストデビルの高さを示すプロットである(Hess, Spillane 1990)。
【
図12】
図12(従来技術)は、対流下での垂直速度分散を示すプロットである(Spillane, HESS 1988)。
【
図13】
図13は、ダストデビルの風速を予測するにおいて、対流層の高さでない超断熱層の高さの重要性を示す、対流高さの分率としてのダストデビル高さの変化のバレーテヒグラム(bare tephigram)である。
【
図14】
図14は、注釈付き2015年12月17日の13:00NZDTのニュージーランドのフェヌアパイ(Whenuapai)で撮影されたラジオゾンデ(metvuw.com)の図である
【
図16】
図16は、本発明の渦ステーションにおけるコア移流及び子午線流を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明において生成された渦に対する凝縮からの垂直速度の十分な垂直勾配を有するコア移流を示す図である。
【
図19】
図19は、本発明の渦ステーションにおけるベーンを通る空気流を示す。
【
図20】
図20は、本発明の渦ステーションにおける水の流れを示す。
【
図21】
図21は、本発明の渦ステーション及び渦の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0127】
明細書の全般にわたって類似の参照番号は、異なる実施形態において類似の特徴を指すのに使用されるであろう。
【0128】
本発明者らは、熱機関の低温リザーバの性質を再考することを通じて、大気浮力渦における渦の高さならびにこれによる熱力学効率及び風速の改善された予測を可能にするために、従来の熱機関理論に対する改良を開発した。予備モデリングは、略5%の全体の効率を有する廃熱を電気に変換する経済的でカーボンニュートラルな方法を提案する。廃熱を電気に変換することができるVCVまたは渦ステーションの実施形態が以下に提供され、詳細に説明される。
【0129】
VCVが地面レベルでまたはその近所で高風速として浮力を集中させるので、従来技術の高い構造物と大型タービンのコストは回避される。VCV自体は非常に大型であることができ、従来技術タイプの渦発生システムよりも非常に低いかまたは著しく比較的低いコストで設定され得る。これらの上昇する温風カラムの旋回流は、水力学的安全性を介して半径方向の運動に抵抗して、これによって正常な乱流混合を抑制し、浮力からのエネルギーを用いて地面で作業を行うことができるようにする。この動作は、VCVコアの最大風の集中領域内またはその近所の地面レベル近所に小型風力タービンを配置することによって利用または活用され得る。これは通常、VCVの基部にある。小型風力タービンは、等価動力の通常の風力タービンに比べて小さいと言及される。適切な風力タービンは、垂直ブレード型タービンなどに構成され得る。
【0130】
大気浮力渦は、浮力源及び集中した水平循環源(以下、「旋回(swirl)」と呼ぶ)を要求する。旋回の主要源は、界面での摩擦及びその上のウィンドシア(wind shear)で摩擦の結果として地面近所の境界層で発生する末端壁効果による環境循環の集中である。旋回は、コアの上昇気流に移流され、渦が上昇するにつれて、渦を持続させるのを助ける。
【0131】
温暖な条件下では凝縮が対流を駆動する時に優勢であるが、乾燥した砂漠では寒冷ゾーンからの移流及び地面からの加熱(例えば、放射熱)の結果として、砂漠床の上に絶対的に不安定な境界層が発達して、ダストデビルが乾燥した断熱対流によって駆動され得るようにする。
【0132】
浮力渦は、4つのゾーンを含むと見なされ得る。
【0133】
1.コア:制約された強力な旋衡流(cyclostrophic flow)及び正の浮力を有する垂直軸上の円筒形の体積。
【0134】
2.潜在的な渦:
拡散、渦度及び浮力が無視され得る、非粘性、非回転性、中立浮力(neutrally buoyant)と見なされ得る、より弱い旋衡流を含む、コアと同じ軸上のはるかに大きなシリンダー。
【0135】
3.末端壁ディスク:潜在的な流れが地面と接触し、末端壁効果を受ける領域。かなりの風の集中がディスクの中心で発生する。
4.プルーム上部:乱流プルームは、コア拘束がブレークダウンされるときに、コア(上部)の下向き風を形成された。
【0136】
3つのプロセスが浮力渦で基本的である。
I.末端壁効果
II.熱機関
III.水力学的安全性
【0137】
これらのプロセスは、文献では別々に扱われるが、一緒に動作するので、それらの相互関係が重要である。特に、より高い高度に対する渦の持続性は、乱流混合を抑制するコア壁の水力学的安全性に依存する。
【0138】
コアが移流されるときに渦度及び熱の拡散がコア壁の周囲の潜在的な渦まで外向きに依然として存在するので、一部の他のプロセスが拡散を克服できない限り、壁は、-コアが乱流プルームにブレークダウンされる地点で-これ以上乱流を抑制できなくなるまで増加する高さにつれて‘徐々に減る(wind down)’。コア内の正の軸方向加速度は、空気塊がこれによって伸ばされて直径が減少するので、渦度及び熱の拡散に抵抗するように作用する。角運動量の保存及び直径の減少は、半径方向拡散に対して渦度を集中させるように作用する。
【0139】
浮力渦が乱流プルームにブレークダウンされる前に持続する高さは、プルームがそれらの流れに寄与しないので、地面での空気流に影響を及ぼす。その代わりに、エネルギーは、乱流混合によって混入空気の持ち上げ(lifting)及び温める際にプルーム内で費やされる。したがって、プルームは渦流を駆動する熱機関の低温リザーバとして考慮されるべきであることが提示されている。
【0140】
コアは、浮力強度に対する旋回強度に依存して、1セル(上昇気流のみ)または2セル構造(中央の下降気流を有する上昇気流のリング)を有することができ、時々には中間の高さで1セルから2セル構造へのブレークダウン(breakdown)を有することができる。これは、プルームへのブレークダウンとは異なる現象である。プルームのブレークダウンは、プルームの下の渦内で発生するが、重要ではないと見えるため、明らかに熱機関をモデル化するために考慮する必要はない。
末端壁効果
【0141】
末端壁効果は、地面近所の渦流で旋衡バランス(半径方向の圧力勾配が遠心力によってバランスを保たれる)を偏向させる。圧力勾配は、コアの浮力から発生する。界面での摩擦及びその上のウィンドシアは、接線速度及び遠心力を減少させ、空気が半径方向の圧力勾配によって吸い込まれることができるようにする。したがって、旋回は渦の基部内に集中する。長期間にわたってこの効果を調査した多くの論文が発表された。Barcilon1967は、旋回の子午線リサイクルを示し、粘度による潜在的な渦シンクから末端壁ディスク内への流れを予測し、流れが
図1から分かるように、地面に近付くにつれて半径方向内側の運動を得るように無次元化分析下でネイピア-ストークス方程式(Navier Stokes equation)を用いて、突然加えられた動粘度(kinematic viscosity)の下で既存の潜在的な渦の分析を行った。
【0142】
図2において(Barcilon 1967から)平面図で示した予測された流線は、
図3から分かるもの、すなわち、流れが海の上のさざなみ(ripple)によって見えられる(Renno2008から)フロリダキーズからのウォータースパウトと類似している。
【0143】
末端壁効果をモデル化する他の方法は、渦度の移流を考慮して(Mullen, Maxworthy, 1977)に提案されており、渦度の集中が示されている
図4を参照する。
【0144】
より最近では、コンピューターモデルを使用する数値分析が可能になった。列(Lewellen, Lewellenなど2000,Lewellen, Lewellen 2007)は、LES(Large Eddy Simulation)モデルを使用して、末端壁ディスク内の乱流が末端壁効果を強化し、コアの基部でのコーナー流れで風強化を生成することを示す。この主題は、トルネードでこのようなコーナー流の安全性影響のため、長時間にわたって集中的に研究された。
【0145】
VCVに対して本発明者は、以下のような影響があると思う:
●コアは、旋回のリサイクルを妨げずに、潜在的な渦及び接地面をまた含まないエンクロージャ内に入れてはならない。
●コアの流れ強化は、浸漬渦ジャンプ(DVJ)と呼ばれる2セル構造が地面のすぐ上に設定されるときに最大化される。DVJにおいて、渦の基部におけるコーナー流は、コア壁内の旋衡流の2倍の速度を有することができる。
熱機関
【0146】
(Renno, Burkettなど 1998)において、著者らは、コア内の圧力差を維持することを担うダストデビルにおける対流プロセスの熱力学をモデル化した。彼らは、旋衡バランスで渦の最大バルク熱力学的強度をモデル化するために、熱機関によって行われた作業が機械的摩擦のバランスを取ることを意味する、任意の対流現象が熱機関と見られることができ、準定常状態(quasi-steady state)のダストデビルを考慮することができると仮定する。彼らは、流れが非圧縮性であり、熱入力が表面での顕熱流束(sensible heat flux)であり、熱出力が(対流スラブ(convective slab)の平均温度での)沈下空気流からの放射線であると仮定する。彼らは、対流が断熱的であり、エンジンが可逆的であり、低いエントロピー周囲空気と高いエントロピー上昇気流空気との混合によるエネルギー損失が、CAPEに関する低温の定義を通して暗黙的に含まれると仮定する。渦循環を示す
図5に示したような経路を通って空気塊を従うことによって、それらは圧力差及び旋衡流速に対する関係を導き出す。
【0147】
(Renno, Bluestein 2001)において、分析はウォータースパウトまで拡張される。コア浮力によって発生する圧力差に対する式が導き出される:
【数1】
【0148】
旋衡バランスが仮定され、理想気体法則(ideal gas law)を用いてコア壁の半径での接線速度に対する式を導き出す:
【数2】
【0149】
この論文は、ダストデビルについての引用観察でよりよく支持され、ウォータースパウトに対してより一般的に支持されるコア壁の接線風速の推定を提供する。
【0150】
(Renno 2008)において、著者らは明示的に不可逆性を扱う。彼らはγ~1を示し、圧力降下が壁のすぐ内側の最高速度領域で最大であることを示す。熱力学的効率は、不可逆性が小さいことを提案する、カルノー(Carnot)効率に近付くことと示された。支配的な不可逆性は、相変化に伴うものであることが提案されている。これは乱流プルーム内で混合する不可逆性が排除される場合に、合理的なものと見られる。
水力学的安全性及び修正された乱流
【0151】
渦のコアは混合を抑制し、地面で作業を行うためにエネルギーを利用できるように、何らかの方式でも制約されなければならない。この制約は、2つの要素、すなわち、旋衡バランス及び密度の安定した階層化によって発生するコア壁の半径方向の水力学的安全性に起因する。
【0152】
旋衡流内の空気塊は、求心加速度を提供する力が重力よりも半径方向の圧力勾配に起因し、空気塊が自由落下にあるよりも互いに圧力をかけていることを除いては軌道内の衛星と同じである。一定の圧力勾配の下で、一定の接線速度の塊に対する平衡半径が存在し、平衡から離れる半径方向の妨害は抵抗される。求心加速度下での浮力変位はまた、中心に向かって密度の低い流体を有する密度の安定した階層化を促進するように作用する。これらの効果は、コア壁で乱流混合を妨げるのに十分な水力学的安全性を生成するように組み合わせられることができる。
【0153】
通常の流れ条件下で、集中した渦のコア壁における高いレイノルズ数(Reynolds number)は、乱流プルーム(Rouse, Yihなど 1952, Morton, Taylorなど 1956)から分かるところのように、温度及び渦度を含むすべての量の急速な乱流混合を生成するだろう。乱流拡散の通常のプロセスは、スケールのカスケードを含み、これにより、拡散下のすべての量は、主流(この場合には渦)からより小さな渦及びさらにより小さな渦に伝達され、カスケードの各ステップは、カスケードの最下部で特性の勾配が分子拡散によって伝達され得るまでより大きな表面積対体積比を有するより小さなスケールの構造を生成する。これは拡散を大きく加速させる。
【0154】
このカスケードは、コア壁内の十分な水力学的安全性によって中断される。乱流は、完全に抑制されないが、大幅に修正される。コア壁外側の拡散は層流条件に近いが、中心に向かった内側の拡散は、高い旋回2セル渦LESシミュレーションの断面図である
図6に示したように、同時に乱流になり得る。
【0155】
安全性に対する異なる基準が提供された:
-(Howard, Gupta, 1962)は、角運動量に基づいた基準を提供した。
-(Leibovich, Stewartson 1983)は、方位角及び軸方向速度の半径方向の剪断下で3次元摂動に対する別の考慮事項から、異なる基準を導き出した。-(Emanue l1984)は、(Howard, Gupta, 1962)及び(Leibovich, Stewartson 1983)の基準が集中された渦に対して等価であり、従って不安定性が特性の慣性でなければならないことを立証した。
【0156】
(Lewellen 1993)は、階層化された乱流のリチャードソン数基準(Richardson number criterion)が、潜在的な温度の勾配をまた含む安全性に対する基準を提供するために、軸対称旋回流に対して修正され得ると提案した。
【数3】
【0157】
浮力渦の壁での温度勾配が負(negative)なので、増加する渦度及び温度勾配によって安全性が増加される。その結果、コア壁内の乱流エネルギーは、ケルビン-ヘルムホルツ(Kelvin-Helmholtz)不安定性と同様な、壁において移動する慣性波に変換される。水力学的安全性が、生成された慣性波を持続させるのに十分である限り(Maxworthy, Hopfingerなど 1985)、スケールのカスケードは中断され、壁内の特性の拡散が大幅に減少される(Stewartson, Leibovich, 1987)。
【0158】
そのとき発生する問題は、水力学的安全性が、渦度及び温度の拡散がプルームへのブレークダウンにつながる前に渦を持続させることができる高さを予測する方法である。(Dergarabedian, Fendell, 1967)は、エクマン数(Ekman number)に関連して無次元化されたネイピア-ストークス方程式の漸近展開(asymptotic expansion)に基づいて、渦強化及び減衰の分析を提供する。これは1セル渦の層流分析であるが、修正された乱流の条件下でコア壁外側の渦度集中及び拡散のプロセスをモデル化するのに有用であり得る。エクマン数は、以下によって提供される。
【数4】
ここで、νは動粘度であり、Γ∞は環境循環である。
【0159】
分析は、集中する渦に対してエクマン数が1よりもずっと少なくなければならず、その内部の上昇気流の面積と平均垂直速度の勾配の積が、動粘度よりもかなり大きくなければならないことを提案する。
【0160】
したがって、大気中の大きな渦は、コアが持続して集中されるための小さな垂直加速度を要求するが、より小さな渦はより大きな垂直加速度を要求する。
必然的に発散する逓減率
【0161】
必然的に発散する逓減率の理論は、コアが持続的であり、上向きに移流する一方、CAPEが正でコア逓減率が環境逓減率よりも少ないものと仮定する、大きな渦に対する大気中の渦の高さを説明するために提案される。正の垂直加速度は、CAPEの放出速度が高さとともに増加するにつれて、発散する逓減率によって発生する。渦度の集中は、渦度の拡散を克服するので、コアは上向きに移流する。これは潜在的な渦度の理論と一致している(Ertel, Rossby, 1949)。したがって、断熱コア逓減率を有する乾燥浮力渦は、超断熱環境逓減率を通じる上昇時に集中され、擬似断熱コア逓減率を有する飽和浮力渦は、温度逆転を除いたほとんどの大気のポテンシャル温度の上昇増加によって集中される。両方の場合において、渦度は環境逓減率とコア逓減率との間の発散の結果として集中される。発散がなく、垂直加速度がなくなると、渦は旋回が集中された直径程度の高さで乱流プルームに急速に減衰する。対流スラブよりも乱流プルームが渦流を駆動する熱機関の低温リザーバを形成するために取られる。
文献からの証拠
研究室実験
【0162】
図7は、旋回を発生させるための調整可能な周辺ベーンを有する渦発生器及び(Mullen,Maxworthy1977)によって使用されるように、浮力を誘導するための加熱プレートを示す。発生器は、中立階層化を生成するために、上から軽く抽出される、防風キャビネット(draft-proof cabinet)内に取り付けられる。それらの分析は、動力入力にスケーリングされた乱流プルームの分析(Morton, Taylorなど, 1956)においてよく設定された機能パラメータに基づいている。
【0163】
速度の測定は、中立浮力バブル及びストロボ写真を使用して行われた。温度は、掃引タングステン線抵抗温度計を使用して測定された。
【0164】
温度プロファイルは、2セル構造を示す、例えば
図8に見られるように、様々なベーン角度及び動力入力に対して導き出された。
【0165】
図8は、スケーリングされた温度超過対半径、60゜のベーン角度、778W(Mullen, Maxworthy 1977)を示すグラフである。
【0166】
図9は、2つの渦に対する高さと最大温度差(入力された動力にスケーリングされる)の減衰率を示す。渦は異なる動力入力を有する。1つは1セル渦であり、もう1つは2セル渦である。それらは、スケーリングされた温度プロファイルにおいて共通の変曲点を示す。変曲の上でプロファイルは、乱流プルームの特性であるz
-5/3依存度を示す。変曲の高さは、両方の渦における旋回ベーンの直径とほぼ等しい。
【0167】
表1は、温度プロファイルが与えられるか、論文から外挿され得る渦を示すために、注釈付き(Mullen, Maxworthy 1977)からの結果を示す。
【表1】
【0168】
接線速度は、コア壁で推定され、それは渦の基部で急激な半径方向の温度勾配の領域の外径を有するための目的で取られる。例えば、
図8は、表1の渦5に対するプロファイル、すなわち、dt=16cmを示す。表1において、dはコア内のバブルトラック(bubble-track)の最大範囲として与えられ、dt<dである。それでは、接線速度は以下のように計算される:
【数5】
【0169】
ΔTc=0(大気中の渦に対する対流層の最上部での温度と等価である)を用いることが実験で見られる速度を過大評価するはずであるが、ΔTc=ΔTh/2(対流スラブの平均温度と等価である)がより近い近似値である。キャビネット内の大気が中立的に階層化されるので、渦は急速にブレークダウンされる。
【0170】
図10は、モデル化された接線速度と測定された接線速度との間の相関関係を示す。
ダストデビルに対する現場データ
【0171】
(Ryan, Carroll 1970)は、モハーベ砂漠(Mojave Desert)で1500mに対する大気温度プロファイル;環境風向、速度及び渦度;ダストデビルの直径、位置、回転方向、構造及び内部風速に対するデータを収集する現場研究を行った。風速は超断熱層の高さの平方根に比例するように示されるが、多くの散乱がある。これは提案された理論と一致する。
【0172】
(Hess, Spillane, 1990)は、オーストラリアで発生するダストデビルに対する研究を行い、ダストデビル高さ(
図11に示す)及び対流速度w
*によって正規化された垂直速度変化(Deardorff 1970)(Spillane, HESS 1988)(
図12に示す)に対する統計における対応を記載し、両者とも対流層の高さであるhに対して示されているこれは提案された理論と一致する。
【0173】
図11は、2つの母集団を示す。上部母集団は、速度プロファイルが
図12に従う場合に、提案された理論と一致する0.51hの平均高さを示す。下部母集団は、おそらく地面からの放射熱によって形成された超断熱層で発生すると説明され得る。
【0174】
また、この理論は、
図13(対流高さの一部であるダストデビルの高さの変化を示す)に示したように、
図11の上部母集団に見られるダストデビルの高さの変化を説明する。
【0175】
図13は、同じ対流高さ(h)を共有する2つの異なる大気条件を示すバレーテヒグラム(明確性のために構造が省略される)である。空気が乾燥しているので、コア空気は赤色で示した断熱逓減率に従って上昇する。
●T
sは、表面温度である。
●T
convは、対流層の最上部の温度である。
【0176】
2つの異なる超断熱大気が対流層の共通の高さを共有することと示されている。第1の大気は、青色で示されている。環境逓減率は、高さHc1までは断熱率(adiabatic rate)よりも低い。渦がその地点でプルームにブレークダウンされると仮定すると、低温リザーバ温度はTc1である。
【0177】
第2の大気は、紫色で示されている。環境逓減率は、高さHc2までは断熱率よりも低い。
【0178】
渦がその地点でプルームにブレークダウンされると仮定すると、低温リザーバ温度はT
c2である。明確性のために、線形環境逓減率が示されて。実際に、それらはおそらく単調に変化するだろうが、議論はまだ続く。したがって、温度が高さとともに下降するので、H
c2>H
c1であり、T
c2<T
c1である。その結果、渦効率は第1の大気よりも第2の大気下でより大きく、生成された風速はより高く、これは
図11及び(Ryan, Carroll 1970)の上部母集団の結果における散乱と一致する。
【0179】
テヒグラムの幾何学構造を考慮すると、乾燥渦に対して平均渦の高さは
図11に示したように、対流高さの半分になるはずであり、低温リザーバ温度は(Renno, Burkettなど 1998)で仮定されたように、対流スラブの平均温度になるはずであるが、平均周囲の変動が予想され得る。
【0180】
したがって、コア内のプロセス逓減率がこの高度までの環境逓減率よりも少ないため、低温リザーバ温度はプルームの高さにおける環境温度よりも高くなるので、低温リザーバ温度が、渦が持続する高さにおける環境温度と等しいと仮定するのは不適切である。
【0181】
提案された理論は、垂直渦の正の勾配が浮力及び旋回の源だけでなく、集中された浮力渦の形成に必要であることを提示する。本発明者は、これが、このような渦がなぜまれであるか、甚だしくはCAPE及び旋回がどこに容易に利用可能であるかを説明すると思う。
VCVに対する影響
浸漬渦ジャンプ(DVJ)及び風集中
【0182】
DVJ構造は、適切な旋回のVCVにおいて約2つの風の強化を生成することができる。DVJで生成された風速は、適度な熱効率の渦に対して高い。本発明者らは、最大風集中の領域内でタービンを使用するのが渦を囲んでタービンを取り囲む壁内に配置することを試みることよりもより効果的であり得ると思う。したがって、VCVには、最大風集中の領域内に位置されたタービンを有するVCVが提供され得る。
擬似断熱逓減率及び垂直加速度
【0183】
本発明者らはまた、乾燥した砂漠で時々発生する超断熱大気の外側で、集中された浮力渦が飽和された空気源を使用して大気中に高く移流するように作われることができるか、コア浮力源として、渦またはVCVに導入される空気の少なくとも一部を飽和させることができると思う。
【0184】
したがって、本発明の一実施形態によれば、コア浮力を向上または増加させるために用いられ得る飽和のために提供または供給されたソース(部分飽和または全体飽和であるかどうかによって、例えば、約0%RH(相対湿度)超過~約100%RHまでのように、例えば渦またはVCVに導入される空気の少なくとも一部の相対湿度を増加させ)に提供または供給され得る。相対湿度は、例えば、約0%RH超過~100%RH、約1%超過~100%RH、約5%RH超過~約100%RH、約10%RH超過~約100%RH、約15%RH超過~約100%RH、約20%RH超過~約100%RH、約30%RH超過~約100%RH、約35%RH超過~約100%RH、約40%RH超過~約100%RH、約45%RH超過~約100%RH、約50%RH超過~約100%RH、約55%RH超過~約100%RH、約60%RH超過~約100%RH、約65%RH超過~約100%RH、約70%RH超過~約100%RH、約75%RH超過~約100%RH、約80%RH超過~約100%RH、約85%RH超過~約100%RH、約90%RH超過~約100%RH、約95%RH超過~約100%RHまでを含むが、これに限定されない、0より大きく100%RHまでの任意の値であり得ることが理解されるだろ。より好ましくは、渦ステーション内に誘導される空気の流入の調整によって達成され得るか、または渦の内側で一度の空気の調整によって達成され得る100%RHの渦ステーションへの流れが提供されることが有利である。
【0185】
飽和の供給またはソース(部分飽和または全体飽和であるかどうかによって、例えば渦またはVCVに導入される空気の少なくとも一部の相対湿度を増加させ)は、比較的温かいまたはヒーター液体(例えば、水)のソースまたは供給を渦またはVCVに導入される空気流中に温かいまたは加熱された液体を分配する配列に誘導することによって達成され得る。温められたまたは加熱された液体は、選択的に能動的に加熱されて温暖なを上昇させて空気流に導入されると、液体の気化を促進することができるか、または、例えば、生成物プラントまたはプロセスからの廃熱流を使用して、間接的にまたは受動的に加熱されることができ、生産プラントまたはプロセスからのエネルギー効率使用をさらに最大化することができる。
【0186】
飽和の供給またはソースは、温度制御され得るか、または渦またはVCVに導入される空気流に飽和の供給またはソースの量または流量を制御するためのコントローラへの入力を提供するように測定されたその温度を有することができる。このような方式で、供給またはソースは、渦またはVCVの他の測定されたパラメータに基づいて能動的にモニタリングされ制御され得る。
【0187】
温暖な大気中の乾燥した渦は、それらを形成した循環源の直径と同じ程度の高さまでしか移流しないので、低い熱効率を有するだろう。飽和された空気は、凝縮が潜熱を放出するにつれて上昇時によりゆっくりと冷却される。凝縮水が渦コアから遠心分離されるので、コアは擬似断熱逓減率を近く従うべきである。十分な温度の飽和された高温リザーバに対する擬似断熱逓減率は、熱逆転(thermal inversion)の条件下で除いて、環境逓減率から圏界面まで発散する。また、(Renno 2008)によれば、圧力降下は壁のすぐ内側における最高速度の領域で最も大きい。これに基づいて、本発明者は、任意の凝縮がそれらの領域内の熱に優先的に寄与するように作用して(蒸気が液体に凝縮するときに凝縮熱を放出することによって)、渦の安全性をさらに強化させて安定化または増加させるのに寄与すると思う。
【0188】
したがって、本発明者は、飽和された大きい渦が
図14に示したように、圏界面または他の相当な温度逆転に遭遇するまで大気中に高く移流すると思う。
【0189】
ここで、渦にはTh=40℃で飽和された空気が供給される。本明細書の開示によれば、渦がA-Bで逆転を通して浮び上がることができると仮定すると、渦はTc1=2℃まで擬似断熱逓減率に従うコアとともに圏界面に持続しなければならない。圏界面での環境温度は、地点Cで負の50℃として示されていることに留意しなければならない。
【0190】
動力発生用の浮力渦の他のモデル(Michaud 2009, Michaud, Monrad 2013)は、圏界面に移動する熱機関として渦を分析し、低温リザーバ温度がその高さにおける環境温度であると仮定する。これは、負の80℃周囲の低温リザーバ温度の推定を算出し、結果的に、カルノ-効率及び変換効率の高い推定が達成され得る。乾燥した渦が圏界面に移動するという仮定は、支持されるものと見られない。
【0191】
(Nizetic 2011)は、CAPEと渦に供給された総エンタルピーに基づいたやや異なる分析、及びカルノ-及び修正されたブレイトン(Brayton)熱力学サイクルの考慮事項に基づいた熱-作業(heat-to-work)効率に対する仮定を提示する。再び、低温リザーバは、圏界面での環境温度を有するものとしてモデル化され、それに基づいた効率の推定は提案された理論が提案するよりも高いだろう。
【0192】
本発明者によって定義された渦発生及び安全性は、これらの仮定と矛盾しており、次を提案する:
●浮力渦は、利用可能なCAPEがあり、コア逓減率が環境逓減率よりも低い間に、上向きにのみ移流する。
●乾燥した砂漠で時々発生することができるように、超断熱環境逓減率を有する条件を除いては、これはコアが飽和されて擬似断熱逓減率を受ける場合に相当な高さまでの渦及び適度な効率を生成するだけだろう。
●コア逓減率が定義によって環境逓減率よりも低いので、このような渦が圏界面に持続する場合にも低温リザーバ温度は、渦が乱流プルームに劣化する高さでの環境温度よりも著しく高い。
VCVの予備分析
【0193】
【0194】
このモデルの反直観的な結果は、飽和された入力空気流の温度が減少すると、VCVの熱力学的効率が増加することである。例えば、
図14から分かるように、擬似断熱逓減率がより低い混合比に対して断熱により近く接近するので、低温リザーバの温度は高温リザーバにおける温度の減少よりも大きく低下する:
【0195】
これは、飽和された入力空気流の温度に依存して、温度逆転下での変換効率と渦安全性との間のVCVについてのトレード・オフ(trade-off)が存在することを提案する。
結論
【0196】
低温リザーバに対する仮定の修正によって、(Renno, Burkettなど 1998, Renno, Bluestein 2001)の熱機関理論が研究室渦及びダストデビルで発生する風速及びダストデビルの高さの統計を説明するために使用され得るようにするために、必然的に発散する逓減率が開発される。従って、この理論は、既存の発生所における冷却水ストリームで使用可能な廃熱から、または生成物プラントまたはプロセスからの廃熱流から電気を生成する目的で仮想煙突渦(VCV)をスケーリングするのに使用される(または実際に任意の熱流が使用され得る)。これは、約5%の全体変換効率がVCVにおいて達成可能であることを提案する。既存の発電所効率が約33%であるので、廃熱が電気出力の2倍であると仮定すると、これは、発電所効率がこのようなデバイスを使用して10%程度増加され得ることを意味する。1MWの電気出力は、20m直径の旋回ベーンを伴う、約2mのコア直径のVCVから利用可能であろう。
渦ステーションまたはVCVの実施形態
【0197】
図15~
図21は、大気浮力渦、タービン、及び浮力渦が生成され得るようにし、そこから動力が抽出され得るようにする装備(渦ステーション)を示す。
【0198】
図は、廃熱を電気に変換することができる渦ステーションまたはVCVの一実施形態を示す。
【0199】
本明細書の開示によれば、少なくとも1つ、または選択的に複数の風力タービンは、好ましくはVCVの基部にあるVCVのコアにおける最大風集中の領域で地面レベルまたはその近所に配置されることが好ましい。
【0200】
いくつかの実施形態において、複数の同心タービンが使用され得るか、または多数の同心ブレードセットを備えた単純に1つのタービンが使用され得る。
【0201】
以下、「タービン」に対する言及は、1つ以上のタービンを指すことができる。
【0202】
従来技術では、しばしば渦エンジンは典型的に渦を形成するためにアリーナを取り囲む高価な垂直円筒壁を要求し、垂直速度の勾配を生成して渦を安定化させ集中させるための凝縮を使用しないようにする。
【0203】
本明細書の開示によれば、VCVは、渦の空気流に加えられた蒸気の凝縮潜熱の放出されたエネルギーを順次に使用するように渦またはVCVに導入または供給される空気流を部分的にまたは全体的に飽和させるために液体のソースを提供または供給するための装置及びメカニズムまたはプロセスを提供し、結果的に、安全性を安定化または増加させるかまたは渦を集中させるために垂直速度の勾配生成に寄与する。その結果、比較的高いアスペクト比を達成する人工渦が発生され得る。
【0204】
さらに、旋回流を集中させることにおける軸方向歪み(または他に呼ばれることができる垂直速度の垂直勾配)の作用が旋回流を拡散させることにおける運動量と熱との乱流混合の作用を超過する場合に渦が集中されるだろう。
【0205】
集中された渦における十分な水力学的安全性によって発生する渦安全性は、乱流混合を抑制するように作用する。したがって、集中された渦に対して、逓減率の発散(ここで、コアが周囲空気よりも上昇時によりゆっくり冷却する)は、拡散の作用に対して上昇時に渦を維持するように作用して、これによって比較的高いアスペクト比を有する渦が発達できるようにする。
【0206】
軸方向歪みがない場合、地平面のコラム状渦は、運動量の考慮事項でよって、プルームに対する高さがコア直径の約15倍である、約15:1の予想アスペクト比を有する。超断熱逓減率で大気の中に移動するダストデビルは、乾燥した状態で逓減率発散を提供する超断熱層の深さによってのみ限定される、400:1よりも高いアスペクト比に移動することができる。
【0207】
飽和されたまたは少なくとも部分的に飽和されたコア空気流を使用することによって、凝縮が潜熱を放出するので、コアの冷却が擬似断熱逓減率まで低くなり得る。このような方式で、逓減率発散及び後続する軸方向歪みはより高い高さに維持されることができ;潜在的に、地面の上から10km程度である圏界面に維持され得る。
【0208】
圧力及び温度が減少するにつれて空気が溶液内の水蒸気を運ぶ能力が低下する。したがって、飽和が起こるのに十分に高い混合比を生成するためだけに、入ってくる空気を地面で飽和または100%相対湿度に上昇させる必要がなく、末端壁効果及び地面で発生する熱によって生成された安全性を損失させる前に、凝縮、逓減率発散及び軸方向歪みが実施される。これに基づいて、飽和液体の供給部またはソースは、蒸気として凝縮可能な液体を空気流に提供するのに十分な量または流量、及び凝縮の潜熱を介して、エネルギーを渦に提供するのに十分な量を提供するように制御され得る。
【0209】
軸方向歪みがない場合に渦に対して予想されるアスペクト比を考慮すると、小さな渦は地面で100%RHに近い空気を要求する。RHが軸方向歪みなしに生じるコアの高さよりも低い高さで100%に逹する限り、より大きな渦は100%RH未満での空気流の地面レベル供給に集中されるだろう。したがって、サイクロンは比較的低いRHで空気とともに移動するが、本明細書に開示されたようなVCVは、以後に1つ以上のノズルまたはスプレーデバイスを通してポンピングされ、実質的に地面または渦の基部でまたはその近所で相対的に飽和された空気流を達成する加熱水のソースまたは供給を使用することができる。
【0210】
一実施形態において、飽和の供給またはソース(例えば、本発明の渦ステーションで使用する水)に対する温度は2つの考慮事項から発生する。
【0211】
1)
図14に示したように、通常的な大気は、A-Bに示したような安全性のバンドまたは層を含む。T
h=40℃で地面から始まる飽和された空気は、T
c2を経てT
c1まで示した擬似断熱曲線に沿って上昇し、逓減率発散及び渦安全性を250mバールで現れる圏界面まで維持する。T
c1は以下のカルノ-効率を提供する。
【0212】
同様の大気では、A-Bで安定層がないが、より低い温度の飽和された空気が使用され得る。極端的に、T
h=20℃は擬似断熱に従うコアを提供するだろう。このとき
であり
これは、低温リザーバ温度が高温リザーバ温度の課された変化よりも大きく落下するからである。したがって、低いコア温度でのより高い効率対高いコア温度でのより高いコア安全性との間にはトレード・オフがあり、これは大気状態に応じて使用中にコア温度の制御を要求するだろう。
【0213】
2)所望のコア空気温度に対して、1つ以上のノズルまたはスプレーデバイスを通してポンピングされるべき水の体積は水温に依存する。平衡を通過する温度降下のもとでの飽和のソースまたは供給(例えば、水流)の熱含量は気化または蒸発及び平衡温度への空気流の温めに関連した熱流束と等しくなければならない。
【0214】
したがって、約40℃での渦への飽和された空気流に対して、水が両方の場合に、約40℃に冷却されると仮定すると、約50℃で供給された水に必要な水の流量は、約60℃で供給された水に対するものの2倍である。水から空気へのより低い温度差に対して、要求される熱伝達率を可能にするためにより微細なミストが必要である。これらの効果は組み合わせられてより冷たい水で渦を駆動する際に生じたポンピング損失を増加させる。
【0215】
1つの特定の実施形態の渦ステーションに対して、部分または完全な飽和のためのソースまたは供給(例えば、水供給部)の温度は、約60℃であり、約50[℃が発生目的のための実用的な下限である。正味電力出力が、汚染された地面空気を高さまで運ぶか、人工降雨(rain enhancement)のために水分を高さまで上昇させることのような用途で主な正味電力出力が主な関心事ではない場合、より低い給水温度が許容可能である。
【0216】
したがって、本発明に対して、作動流体(例えば、加熱される水ストリーム)は、約40℃より高い温度で提供され得るか、または約45℃よりも高いことができるか、または約50℃よりも高いことができるか、または60℃以上であり得る。
【0217】
既存の多くの火力発電所の二次水冷却回路は、しばしば60℃超過の水流内に多量の廃熱を含み、多量の廃熱は典型的に異なりに蒸発式冷却タワーに送られる。したがって、本発明の渦ステーションは、このような加熱された廃水ストリームからの熱を利用することができる。
ノズルまたはスプレーヤー
【0218】
ノズルまたはスプレーデバイスは、渦が始めまたは開始することを促進するために、地面の真上でまたは渦の基部で、そして優先的にルーフの下にある間に、渦に導入される流入または空気流内に位置され得る。渦が始めまたは開始されると、依然として地面または渦の基部での流入内であるが渦の中心またはコアから半径方向に遠く離れた余分なノズルまたはスプレーデバイスが飽和ソース(例えば、水)を提供または供給するために使用され得る。
【0219】
ノズルまたはスプレーデバイスは、噴霧された液体が角運動量で渦内に供給されるように角度を付ける必要はないが、選択的にそうするように構成されることができる。渦の角運動量は主に渦ステーションの周辺部でのベーンから生成される。
高いアスペクト比
【0220】
アスペクト比は、コアの直径に対する渦プルームの高さの比である。
【0221】
コア直径は、風速計またはレーザー(PIV)で測定された最大接線風速の直径と見なされる。アスペクト比(Γ)に使用される渦の高さは、コアが外に拡散し始める場所(すなわち、コアが乱流プルームに変わる場合)である、コアの基部から頭部までである。
【0222】
熱機関の効率は、カルノ-効率に依存し、
T
coldは渦の高さによって決定され、逓減率は空気の特性によって設定される。高さは、熱の乱流拡散の影響に対して上昇時の安全性を維持することに依存する。
【0223】
一実施形態では、渦2を形成する温かくて飽和された空気5の流れを生成するために、渦2が環状ルーフ4の下に配置されたノズル3のマニホールドを通して、ポンピングされた水、好ましくは温水によって渦ステーションで生成される。この空気5は、より熱くてより多くの水蒸気(水蒸気が空気よりも密度が底い)を含有するので周辺の大気と比較して浮力があるので、空気5が渦2を上昇させ、空気6が地面で吸引されて空気5を取り替える。このような配列は、例えば
図15及び
図21に示されている。
【0224】
渦を開始または始めるのを助けるために、ノズルまたはスプレーデバイスは、比較的微細な水滴を生成して水が導入される空気流の飽和に近付くのに十分に高い適切な熱伝逹領域及びヌッセルト数(Nusselt number)を生成するように構成される。渦が強度を強化するにつれて、ウィンドシアは大きい水滴を自動的にブレークダウンするように助けるので、正常な運用ではより粗いノズルまたはスプレーヘッドまたはスプレーデバイス及びより低いポンピング圧力(より低いポンピング損失を有する)が可能で、渦を運用するか維持することのエネルギー需要を減少させることをさらに助ける。
【0225】
旋回は、好ましくはベーン7を通して旋回を吸い込むことによって、吸込空気(または渦に導入された空気)6に付与される。好ましくは、ベーン7は、渦の周りの取り囲む円(「旋回ヘンジ(swirl-henge)」と呼ばれる)内に設定された半径方向に角度を置いて傾斜している。空気の進入する角度はベーンの角度によって設定される。
【0226】
ベーンは、低コストのベーン設置を提供することができるので、ヨットセイル(yacht-sail)技術を用いて形成され得る(すなわち、例えば可撓性材料であり得る)。ベーンは、角度またはそれらの形状に応じて再構成可能であるかまたは調整され得る。他の形態では、ベーンは複合材料(複数)で製造され得る。
【0227】
旋回ヘンジの小さなセクションは、例えば
図19に示されているが、使用中、旋回ヘンジは渦2の基部を完全に取り囲むので、すべての入力空気は旋回ヘンジを通って吸い込まれる旋回を得る。
【0228】
環状ルーフ4は、好ましくは、十分な旋回の渦で自発的に発生する浸漬渦ジャンプ(DVJ)流れ場20(
図16参照)の特徴である子午線循環(すなわち、中心線を含む断面の垂直方向の半分で発生する循環)のヌル流れゾーン(null-flow zone)内に配置される。ヌル流れゾーン21内にルーフ4を構築することによって、ルーフは、渦ステーションの基部において、最大風集中地点22における空気流を制限するように作られまたは構成される。
【0229】
少なくとも1つのタービン8は、渦ステーション1の中心及び地面9に配置される。
【0230】
タービン(複数)は、好ましくは垂直軸の周りを移動する垂直ブレードを有するタービン(マグナス(Magnus)形タービンと同様である)である。垂直ブレードは、固定されるか調整可能である。
【0231】
ルーフ4は、空気流を渦ステーション内に制限するように構成され、最大風集中地点22で風集中を生成するDVJのコーナー流を歪めることなく、空気流がタービン8を通過するようにする。タービン(複数)が(渦ステーション1の地面9でまたはその近所で)最大風集中の領域22の領域内に配置されるとき、最大動力抽出が達成され得る。また、このようなタービンの使用は、例えば、外風によって横方向に乱されることに対して渦2のフット11を安定化させるように作用する流入22の半径方向の圧力降下を生成する。
【0232】
これから図がさらに詳細に説明されるだろう。
【0233】
図15には、末端壁効果によって空気6が渦2内に吸い込まれることが示されている。空気流は、渦2の基部11に集中され、コア内で上昇する空気塊の経路は(12として示された矢印によって)渦を通して追跡され得る。コア壁は、
図15に13として示された破線で示されており、コアは、10として示された中心を有する。渦コア(潜在的な渦)の周りを巡る空気流は潜在的な渦14の外部範囲で示されている。渦のコアにおいて、空気流の接線速度は軸方向速度よりも大きく、軸方向速度は半径方向速度よりも大きい。
【0234】
図16は、本発明の渦ステーションにおけるコア移流(垂直加速なし)及び子午線流を示す。領域22は、浸漬渦ジャンプ(DVJ)構造内の最大風速の領域である。23として示された線は、ヌル子午線流(null meridional flow)である。線24は、水力学的に安定なコア壁を有する渦の領域を表示する。ここで、渦度は、分子拡散を介して潜在的な渦に外向きに拡散している。壁外側の流れは、層流の近所にある。コア直径はほぼ一定であるが、渦が徐々に減るにつれて(渦度及び接線速度が減少するにつれて)高さとともに緩やかに拡張される。25では、動的安全性がこれから乱流を抑制するのに不十分なので、コアは乱流プルームにブレークダウンされる。ブレークダウンの高さ(h)は、旋回ヘンジの直径(D)と同程度である。
【0235】
図17は、凝縮による垂直速度の十分な垂直勾配を有するコア移流を示す。渦度の拡散は、渦の集中によって領域30で整合される。空気塊は、AからBに移動するにつれて加速される。最上部は最下部よりも加速され;A
1→B
1→C
1、A
2→B
2→C
2なので、伸びてより細くなり、渦度を集中させる減少された直径及び保存された角運動量が存在する。したがって、コア直径は、領域30から領域31まで上昇時に一定であるかまたは減少される。渦の垂直スケール32は、ここで縮小される。それでは、渦コアは、約10km高度で圏界面に移流することができる。有利には、(渦に加えられる空気流を完全にまたは部分的に飽和させるために)蒸発または気化された水分の形態の水の十分な量または流量が渦に加えられ、その水分の凝縮によって放出される潜熱が渦度の拡散を克服するための加速度を提供するのに十分であり、コアが移流する。圏界面、またはその他の相当な大気温度の逆転において、加速が除去され、コアが‘徐々に’減る。渦の徐々に減ることは、
図16及び
図17に25として示されている。
【0236】
また他の実施形態において、
図18は、渦2の一部を示す。単一のタービン8がここに示されているが、複数のタービンが全体システムで使用され得る。好ましくは、タービンのブレードは、垂直に取り付けられ、渦2の垂直軸の周りを回転する。好ましくは、タービン8を横切る圧力降下は半径方向であり、コア内の圧力減少を増加させることによって渦を強化させるように作用して、渦の不安定化を回避し、例えば風によるコア基部の横方向変位に抵抗し;これにより、コアが吹き飛ばすことができない。
【0237】
他の実施形態において、
図19は、ベーンを通って渦内への空気流を示す。前述のように、「旋回ヘンジ」7ベーンは、実際には、エーロフォイルである(好ましくは、ヨットセイル技術を用いる)。旋回は、ベーン7で吸い込まれるにしたがって入力空気流に付与される。領域40(渦2の垂直軸に沿って)で、旋回は末端壁効果によって強化される。ノズルを通して水(好ましくは温水)をポンピングすることによって熱が入力空気流に加えられ、ルーフ4の下及び地平面上でコアへの飽和されたまたは部分的に飽和された空気流を生成するのに十分な熱伝達のための表面積を生成する。好ましくは、垂直タービンブレードは、ルーフ4の内径で円形に回転する。
【0238】
他の実施形態において、例えば、
図20は、渦ステーションにおける水流を示す。水供給部41(好ましくは温水の)が渦ステーション1内にポンピングされる。ノズル3は、水を空気の流れ内に誘導し、空気の流れに対するように誘導して、熱に対して比較的多いか大きな表面積を有する微細なミスト及びスプレーを生成し、ミストまたはスプレーを蒸気形態でまたは水の気化として空気流内に伝達する。渦内に噴霧されるかそうでなければ噴射された水の大部分は凝縮水として渦の外に落下し、収集及びリサイクルのために42での中央ドレーンに運びまたは誘導される。水の排水は、渦空気流によって、そして渦ステーション1上に凹形状のフロア9を有することによって補助される。
【0239】
有利には、空気流が90゜超過の変化を通し、これによって空気流の加速がより高くなるので、渦ステーションの凹形状のフロアはまた渦の安全性に寄与することができる。
【0240】
図21は、渦ステーション1のまた他の実施形態を断面図で示す。ルーフ4は、タービン8を迂回する半径方向の流れを防止するために、子午線流のヌルゾーン内に配置される。入力水42は、ノズル3のマニホールドを通して供給されて、熱伝達及び気化のための十分な面積を有する微細なミストまたはスプレーを生成する。
【0241】
文脈が他に明らかに要求としない限り、説明の全体にわたって、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの単語は、排他的なまたは徹底的な意味とは反対される包括的な意味で、すなわち「含むが、これに限定されない」の意味で解釈されるべきである。
【0242】
本発明は例として、そして、その可能な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱せずに修正または改良が行われることができることが理解されるべきである。また、本発明は、本出願の明細書に言及または指示された部品、要素及び特徴を個別的にまたは集合的に、前記部品、要素または特徴のうちの2つ以上の任意のまたはすべての組み合わせで構成するように広範囲に言及され得る。さらに、既知の等価物を有する本発明の特定の構成要素または整数について言及される場合、このような等価物は、個別的に提示された場合のように本明細書に組み込まれる。
【0243】
本明細書全体にわたる従来技術に対するいかなる議論も、決してこのような従来技術が広く知られているか、または該当分野における共通の一般的な知識の一部を形成することを認めるものと見なされてはならない。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0243
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0243】
本明細書全体にわたる従来技術に対するいかなる議論も、決してこのような従来技術が広く知られているか、または該当分野における共通の一般的な知識の一部を形成することを認めるものと見なされてはならない。
なお、本開示の態様として、以下のものも含まれる。
〔態様1〕
ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションであって、
前記渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気流を実質的に旋回する(swirling)方式で渦ステーション内に、そして前記渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンであって、前記渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が前記渦ステーションの中心に生成される、前記少なくとも1つの風力タービン;
前記空気が作動流体(例えば、水)で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、前記渦ステーションの中心またはその近所にある前記渦ステーションへの前記作動流体(例えば、水)の供給部を含み、前記作動流体(例えば、水)は、生成された渦の浮力及び安定性を維持するのを助けるのに十分な量で供給される、渦ステーション。
〔態様2〕
ダストデビル及びウォータースパウトからなる群のうちの1つに類似した渦を生成するための渦ステーションであって、
渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気を旋回する方式で(すなわち、水平循環で)渦ステーション内に、そして渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置される少なくとも1つの風力タービンであって、渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が渦ステーションの中心に生成される、前記少なくとも1つの風力タービン;
前記渦ステーションの中心またはその近所にある渦ステーションへの気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の供給を含み、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、アスペクト比(例えば、前記渦の前記コアの幅に対する渦の高さ)を増加させるために、気化可能な流体または作動流体で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある前記空気の少なくとも一部を提供するに十分な量または流量で供給され、前記増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性を助ける、渦ステーション。
〔態様3〕
前記気化可能な液体または作動流体は、水であり、選択的に、前記水は加熱水ストリームである、態様1または2に記載の渦ステーション。
〔態様4〕
前記渦内に流れる空気は、飽和状態に近付くように十分に調節される、態様1~3のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様5〕
前記渦ステーション内に流れる前記空気は、前記生成された渦の浮力及び安定性を維持するために前記生成された渦コア内の凝縮によって十分な量の潜熱を放出させることができるように十分に調節され、これにより、前記渦はそれと異なりに前記渦ステーション内に流れる前記空気を調節することなく、発生するよりも高い高さを達成する、態様1~4のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様6〕
前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)は、十分な量で供給されるか、または前記渦ステーションに誘導された空気流は、十分な飽和となるように調整され、比較的高いアスペクト比の渦の発生を可能にする、態様1~5のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様7〕
比較的高いアスペクト比は、約15:1よりも大きい前記生成された渦の前記コアの幅に対する前記渦の高さの比である、態様1~6のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様8〕
前記少なくとも1つの風力タービンは、集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に位置または配置され、前記渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が前記渦ステーションの中心に生成される、態様1~7のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様9〕
前記渦ステーションへの前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)または前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)のソースの提供または供給及びこのように生成された渦は、アスペクト比(例えば、前記渦のコアの幅に対する前記渦の高さ)を増加させるのを助けて、前記増加したアスペクト比が生成された渦の浮力及び安定性の増加を助ける、態様1~8のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様10〕
前記ベーン及び前記少なくとも1つの風力タービンは、前記地面プラットフォームの境界内にまたはその境界に着座する、態様1~9のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様11〕
前記渦ステーションへの前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、ポンピング加熱された気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)水がマニホールドから供給される複数のノズルによるものである、態様1~10のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様12〕
前記複数のノズルは、浮力を介して前記渦を駆動させるために、比較的大きな表面積を有する前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される、態様11に記載の渦ステーション。
〔態様13〕
前記渦ステーションへの前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、浮力を介して渦を駆動させ、軸方向の歪みを提供する垂直加速度を介する上昇時にコアを安定化させるために、比較的大きな表面積を有する前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)で飽和する温風の前記渦内に空気流を生成できるようにするように、ポンピング加熱された気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)がマニホールドから供給される複数のノズルである、態様11に記載の渦ステーション。
〔態様14〕
前記複数のノズルは、比較的大きな表面積を有する気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)の比較的微細なスプレーを生成して、熱伝達のための十分な表面積が気化可能な液体または作動流体(例えば、水蒸気)の蒸気で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になる前記渦ステーション内に誘導される空気流(例えば、温風)を生成または調節できるようにするように構成される、態様11に記載の渦ステーション。
〔態様15〕
前記渦ステーションの前記基部またはその近所にある前記渦の空気流への気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦に導入された空気の空気流の飽和レベルを増加させるか、前記空気流の飽和(例えば、100%相対湿度までの相対湿度)を達成するのに十分な体積または量で提供される、態様1~14のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様16〕
一旦気化されて渦に誘導された空気の流れ内に含まれる、気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦によって高さまで上昇され、温度または環境条件にさらされて前記蒸気の少なくとも一部が凝縮され、これによって前記高さで凝縮内の潜熱の放出を誘発する、態様1~15のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様17〕
前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦が前記渦ステーション内で維持され動作される間に、前記渦に導入される空気流に持続的な方式で(すなわち、連続的に提供または供給され得る)渦に誘導される空気の流れに提供または供給される、態様1~16のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様18〕
前記渦ステーションに誘導される空気流を調整するための前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の提供または供給されたソースは、前記渦ステーションの生成された渦に導入される前記空気の飽和または湿度を増加させる、態様1~17のいずれか一つに記載の渦システム。
〔態様19〕
前記渦ステーションは、実質的に地面レベルのフラットベッドまたはプラットフォームである、態様1~18のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様20〕
前記ベーンは、前記渦ステーションの周辺部の周囲に実質的に円形方式に構成または配列される、態様1~19のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様21〕
前記ベーンは、複数の調整可能なディフレクタを含む、態様1~20のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様22〕
前記ベーンは、固定されたベーンセットを含み得る、態様1~21のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様23〕
前記ベーンは、セールである、態様1~22のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様24〕
前記セールは、織物で構成される、態様23に記載の渦ステーション。
〔態様25〕
前記調整可能なディフレクタベーンは、手動または遠隔で調整可能な、態様21に記載の渦ステーション。
〔態様26〕
前記渦ステーションは、前記渦ステーションの中心にルーフをさらに含む、態様1~25のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様27〕
前記ルーフは環状であり、及び/または前記少なくとも1つのタービン上に配置され、前記少なくとも1つのタービンから外に延びる、態様26に記載の渦ステーション。
〔態様28〕
前記風力タービンは、前記ステーションの垂直中心線の周囲を回転して前記渦の基部で最も集中した空気流の領域内に着座する垂直ブレードからなり、前記ブレードによって掃引されるシリンダー形状にわたって半径方向の圧力差を生成して、外部風力によって横方向に移動されることに対して前記渦の基部を安定化させる、態様1~27のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様29〕
前記風力タービンは、前記ステーションの垂直中心線の周囲を回転して前記渦の基部で最も集中した空気流の領域内に着座する垂直ブレードを含み、外部風力によって横方向に移動されることに対して前記渦の基部を安定化させるように、前記ブレードによって掃引されるシリンダー形状にわたって半径方向の圧力差を生成する、態様1~28のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様30〕
前記複数の同心タービンが使用されるか、または複数の同心ブレードセットが提供される単一のタービンが使用される、態様1~29のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様31〕
前記風力タービンは、前記環状ルーフの内径の下に着座される、態様30に記載の渦ステーション。
〔態様32〕
前記ポンピングされた気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)のためのマニホールド及びノズルは、前記渦ステーション内に誘導された空気流の領域内で、前記渦ステーションの環状ルーフの下及び地平面上に着座される、態様1~31のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様33〕
前記ノズルは、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)を前記渦ステーション内に誘導される前記空気流内に、そして前記空気流に対して反対方向に誘導する、態様11に記載の渦ステーション。
〔態様34〕
前記ノズルは、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水)のミストまたはスプレーを生成または発生させるように構成される、態様33に記載の渦ステーション。
〔態様35〕
前記渦ステーションは、凹形状であるフロアを含む、態様1~34のいずれか一つに記載の渦ステーション。
〔態様36〕
前記渦ステーションの前記フロアは、液体気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の収集のためのドレーンを含み、選択的に、前記ドレーンは前記フロア内の中心に配置される、態様35に記載の渦ステーション。
〔態様37〕
前記ドレーンは、リザーバまたは貯蔵設備に流体連結される、態様36に記載の渦ステーション。
〔態様38〕
前記リザーバまたは貯蔵設備内に収集された液体は、再使用またはリサイクルされ得る、態様37に記載の渦ステーション。
〔態様39〕
渦ステーション内で人工渦の安定性を増加させる方法であって、
-渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォームを提供するステップ、
-複数のベーンを介して前記渦ステーション内に空気の供給を提供するステップであって、前記ベーンは、前記供給された空気を前記空気の旋回を開始するようにする方式で前記渦ステーション内に誘導するように構成された、前記提供するステップ、
-集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に配置された少なくとも1つの風力タービンを提供及び位置決めするステップであって、前記渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が前記渦ステーションの中心に生成される、前記提供及び位置決めするステップ、及び
-前記渦ステーションの中心またはその近所で、前記渦ステーションに気化可能な液体または作動流体(例えば、水)を供給するステップを含み、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、加熱水または温水ストリーム)の前記供給は、アスペクト比を増加させるために、部分飽和または飽和状態にある空気の少なくとも一部を提供するのに十分な量または流量で供給され、前記増加したアスペクト比が前記生成された渦の浮力及び安定性を助ける、渦ステーション内において人工渦の安定性を増加させる方法。
〔態様40〕
渦ステーションから生成された人工渦を維持するための方法であって、
-前記渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォームを提供するステップ、
-空気流を実質的に旋回する方式で(例えば、水平循環で)前記渦ステーション内に誘導するために、前記渦ステーションの周辺部の周囲に複数のベーンを提供及び配列するステップ、及び
-前記渦ステーションの中心またはその近所で、前記渦ステーションに気化可能な液体または作動流体(例えば、水)のソースを提供または供給するステップを含み、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記供給は、飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態にある前記渦ステーション内に発生した渦に導入される前記空気流の少なくとも一部を提供するのに十分な量または流量で供給され、渦が生成されると、前記気化可能な液体または作動流体(例えば、水)の前記ソースを続いて提供または供給する、渦ステーションから生成された人工渦を維持するための方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦を生成するための渦ステーションであって、
前記渦ステーションのための基部を形成する地面プラットフォーム、
空気流を実質的に旋回する方式で前記渦ステーション内に、そして前記渦ステーションの周囲に誘導するための複数のベーン;
集中した空気流の経路内において、前記渦ステーションの中心近所に位置されるか、または配置された少なくとも1つの風力タービンであって、前記渦ステーション内の空気の移動によって、大気浮力渦が前記渦ステーションの中心に生成される、前記少なくとも1つの風力タービン;
前記空気の少なくとも一部が気化可能な液体または作動流体で飽和状態または少なくとも部分的に飽和状態になるように、前記渦ステーションの中心またはその近所にある前記渦ステーションへの前記気化可能な液体または作動流体の供給部を含み、前記気化可能な液体または作動流体は、生成された渦の浮力及び安定性を維持するのを助けるのに十分な量または流量で供給される、渦ステーション。
【外国語明細書】