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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075151
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】システム、プログラムおよび移動体
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/54 20140101AFI20230523BHJP
   A63F 13/215 20140101ALI20230523BHJP
   A63F 13/424 20140101ALI20230523BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20230523BHJP
   G10K 11/178 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/215
A63F13/424
G10K15/04 302G
G10K11/178 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026187
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2021070497の分割
【原出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して新たな刺激を与えることが可能なシステム、プログラムおよび移動体を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、システムが提供される。このシステムは、取得ステップおよび出力ステップを実行可能に構成される。取得ステップでは、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得する。出力ステップでは、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、環境音に対応する出力情報を移動体に搭乗しているユーザに対して出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
取得ステップおよび出力ステップを実行可能に構成され、
前記取得ステップでは、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得し、
前記出力ステップでは、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、前記環境音に対応する出力情報を前記移動体に搭乗しているユーザに対して出力する、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記属性は、コンテンツの種別であり、
前記出力ステップでは、前記移動体に搭乗しているユーザの指示に基づいてコンピュータにより実行されるコンテンツの種別に基づいて、前記出力情報を出力する、
システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシステムにおいて、
前記出力ステップでは、状況情報に基づいて前記出力情報を出力し、
前記状況情報は、前記移動体の移動に関する情報、前記移動体の周囲の環境に関する情報、および時期または時刻に関する情報の少なくとも1つである、
システム。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載のシステムにおいて、
前記属性は、コンピュータにより実行されるゲームの種別であり、
前記出力情報は、前記ゲームに対する付加音であり、
前記出力ステップでは、前記ゲームの種別に基づいて、前記環境音に対応する前記付加音を出力する、
システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、
選択ステップを実行可能に構成され、
前記選択ステップでは、前記環境音に対応する音情報を選択し、
前記音情報は、前記ゲームまたは前記ゲームのカテゴリーごとに作成された音を表す情報であり、
前記出力ステップでは、前記環境音に対応する前記音情報を前記付加音として出力する、
システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のシステムにおいて、
前記出力ステップでは、前記ゲームの進行状況に基づいて、前記環境音に対応する前記付加音を出力する、
システム。
【請求項7】
請求項4~請求項6のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
ノイズキャンセリングステップを実行可能に構成され、
前記ノイズキャンセリングステップでは、前記環境音のうち前記移動体の内部で集音可能な音に対してノイズキャンセリング処理を実行する、
システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、
前記ノイズキャンセリングステップでは、前記ゲームの進行状況、前記移動体の状況、および前記移動体の周囲の状況の少なくとも1つに基づいて、前記ノイズキャンセリング処理を制御する、
システム。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記移動体は車両であり、
前記車両は、ECU(Electronic Control Unit)を備え、
前記ECUは、前記移動体の挙動を電子的に制御するユニットであり、前記出力ステップを実行可能に構成される、
システム。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載のシステムにおいて、
前記移動体は自律走行可能な自動運転車である、
システム。
【請求項11】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1つに記載のシステムの各ステップを実行させる、
プログラム。
【請求項12】
移動体であって、
取得部および出力部を備え、
前記取得部は、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得可能に構成され、
前記出力部は、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、前記環境音に対応する出力情報を前記移動体に搭乗しているユーザに対して出力可能に構成される、
移動体。
【請求項13】
請求項12に記載の移動体において、
表示部およびスピーカを備え、
前記表示部は、前記移動体に搭乗しているユーザが実行中のコンテンツに対応する映像を表示可能に構成され、
前記スピーカは、前記出力情報を音として出力可能に構成される、
移動体。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の移動体において、
前記移動体は自律走行可能な自動運転車である、
移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、プログラムおよび移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信異常時においても、自動運行機能を利用しての運行を継続することが可能な自動運転車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2021-9429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動車業界において、CASE(Connected,Autonomous,Shared & Services,Electric)と呼ばれる新しい領域で技術革新が進んでいる。我が国でも、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議において、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)・自動運転についての方針を示した官民ITS構想・ロードマップが作成され、自動運転への期待はますます大きくなっている。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、ユーザに対して新たな刺激を与えることが可能なシステム、プログラムおよび移動体を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、システムが提供される。このシステムは、取得ステップおよび出力ステップを実行可能に構成される。取得ステップでは、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得する。出力ステップでは、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、環境音に対応する出力情報を移動体に搭乗しているユーザに対して出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態における情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態におけるゲーム装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態における移動体5のECU53の機能構成を示すブロック図である。
図4】情報処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図5】音情報について説明するための概念図である。
図6】ユーザが実行中のゲーム画像の一例と、環境音に対応する付加音をユーザに対して出力する態様を示す概念図である。
図7】第2実施形態における情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8】ECU53の機能を情報処理装置2により実装した例を示す図である。
図9】環境音に対応する付加画像をユーザに対して出力する態様を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
第1実施形態に係るシステムは、ユーザに新たな刺激を与える体験を提供するものである。特に、上記を踏まえ、車両等の移動体に搭乗中のユーザにとって新たな刺激を与えるものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。また、移動体5が通信ネットワーク11を介して情報処理装置2およびゲーム装置3の少なくとも一方と通信可能に接続される。移動体5とゲーム装置3の接続は、Bluetooth(登録商標)DCM(Data Communication Module)などにより通信ネットワーク11を介さずに実現されてもよい。つまり、本実施形態における通信ネットワーク11は、インターネットを介さないP2P接続を確立するための経路も含むものである。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。以下では、ゲーム装置3がスマートフォンである場合を例示する。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3を含む。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
また、移動体5は、ユーザが搭乗するものであり、移動体5の搭乗中にゲーム装置3を操作してゲームを実行する。ここで、移動体5は車両である。本実施形態では、移動体5は自律走行可能な自動運転車である。つまり、自動運転により移動体の自律走行を実現する。ここで、自動運転のレベルは、レベル0(運転自動化なし)からレベル5(完全運転自動化)のうち、レベル2(部分運転自動化)以上を想定している。これにより、システムが縦方向および横方向両方の車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行するため、限定領域においてはユーザによる操作が不要となり、ゲーム装置3によりゲームを実行することが可能になる。
【0020】
また、移動体5の車両は、ECU53(Electronic Control Unit)を備える。ECU53は、移動体5の挙動を電子的に制御するユニットであり、エアバッグ、AT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)などのトランスミッション、車線維持システム、車間距離制御システムなど、様々な対象を電子制御するコンピュータである。
【0021】
そして、ゲーム装置3と移動体5が通信し、ゲームから発生する音または映像を、ゲーム装置3の4aまたはスピーカ4bからでなく移動体5の表示部6aまたはスピーカ6bから出力することもできる。本実施形態では、ECU53とゲーム装置3が通信し、移動体5の周囲の環境音に応じて、ゲームに本来備わっていない様々な出力情報を出力することにより、新たなユーザ体験を提供する。
【0022】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0023】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0024】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3または移動体5と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0025】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0026】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0027】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0028】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0029】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0030】
<ゲーム装置3>
図2に示すように、ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよびコントローラ4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0031】
通信部31は、ゲーム装置3と、情報処理装置2または移動体5との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0032】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0033】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0034】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによるコントローラ4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0035】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、コントローラ4cと接続され、操作入力に関するデータをコントローラ4cとの間で送受信する。ユーザは、コントローラ4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。
【0036】
<移動体5>
図1に示すように、移動体5には、表示部6a、スピーカ6b、撮像部6c、センサー6dおよび集音部6eが外部接続または内蔵される。表示部6aは、ディスプレイ、窓などに投影するプロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイ、スマートグラスなどにより構成される。スピーカ6bは、音を発生させるものである。
【0037】
撮像部6cは、例えばカメラにより構成され、車内または車外を撮像可能に構成される。センサー6dは、車内または車外の環境に関するパラメータを取得するものである。センサー6dの種別は特に限定されず、移動体5に関するパラメータ(例:加速度、揺れの度合い、振動の度合い、タイヤの回転数、ギアの回転数、電子部品の温度)と、移動体5の周囲の環境に関するパラメータ(例:周囲の天気、気温、湿度、風速、雨量、明るさ、車外で発生している音の種別または大きさ)を取得する。集音部6eは、例えばマイクにより構成され、車内または車外の音を集音可能に構成される。そして、撮像部6c、センサー6d、集音部6eにより取得された情報は、ECU53に入力される。
【0038】
また、移動体5は、通信部51、記憶部52、ECU53、グラフィック処理部54aおよびオーディオ処理部54bを有する。通信部51、記憶部52、グラフィック処理部54aおよびオーディオ処理部54bは、通信バス50を介してECU53と電気的に接続されている。
【0039】
通信部51は、移動体5と、情報処理装置2またはゲーム装置3との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。移動体5が通信部51を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などに加え、ユーザID、ゲームの進行状況、ゲーム装置3で実行中のゲームの属性(例:コンテンツの種別、ゲームのタイトル、ゲームのカテゴリー)、ゲームで表示されている画面に関するゲーム画像情報、ゲームで発生しているゲーム音に関するゲーム音情報が挙げられる。また、通信部51により、車両外部のコンピュータ(ゲームサーバ、マッチングサーバなどの制御装置を含む)や他の車両の通信部とデータを送受信することで、ゲームデータ、車両の状態(移動体の移動に関する情報、移動体の周囲の環境に関する情報、時期または時刻に関する情報など)や道路状況、車両同士や車両とインフラ設備の情報交換など、さまざまなデータを収集分析して情報を交換する(CASEのConnectedに相当)。
【0040】
記憶部52は、記憶部32と同様の構成である。記憶部52は、ECU53を制御するためのプログラム、撮像部6cにより撮像された画像、センサー6dにより取得された情報、集音部6eにより集音された音等が記憶される。
【0041】
ECU53は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、移動体5を構成する様々な対象を電子制御する。特に、ECU53は、記憶部52に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である移動体5に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部52に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例であるECU53によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、ECU53は単一であることに限定されず、機能ごとに複数のECU53を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。なお、ECU53は、通信部51を介して、最新バージョンの所定のプログラムをダウンロードし、記憶部52に記憶された所定のプログラムを更新する。
【0042】
特に、ECU53は、移動体5に搭乗しているユーザが操作するゲーム装置3と接続し、移動体5の内部または外部で発生した環境音に基づいた種々の制御を実現する。
【0043】
グラフィック処理部54aは、ECU53から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部54aは、表示部6aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として表示部6a上に表示される。ここで、移動体5が情報処理装置2またはゲーム装置3と通信してゲームデータ(例:ゲーム画像情報、ゲーム音情報)を取得せず、ゲーム装置3とP2P接続を確立し、ゲーム装置3のディスプレイ4aに表示された画面をミラーリング表示する場合には、グラフィック処理部54aは、ゲーム装置3から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。
【0044】
オーディオ処理部54bは、スピーカ6bと接続され、ECU53の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ6bから出力させる。
【0045】
ユーザが移動体5に搭乗し、ユーザがゲーム装置3によりゲームを実行している間、ECU53は、そのゲーム画面をディスプレイ4aまたは表示部6aの少なくとも一方から出力させる。また、ECU53は、ゲーム音または後述の付加音などを、スピーカ4bまたはスピーカ6bの少なくとも一方から出力させる。
【0046】
2.2 機能構成
次に、移動体5のECU53の各機能構成について説明する。ここで、本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現され、特にECU53により実現される。
【0047】
<ECU53>
図3は、本実施形態に係る移動体5のうち、ECU53の機能構成を示すブロック図である。ECU53は、記憶部52に記憶された各種プログラムを実行することにより、取得部531、出力部532、選択部533およびノイズキャンセリング部534として機能する。すなわち、記憶部52に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例であるECU53によって具体的に実現されることで、ECU53に含まれる各機能部として実行されうる。
【0048】
取得部531は、取得ステップを実行可能に構成される。取得部531は、移動体5の内部または外部で発生した環境音を取得する。本実施形態では、取得部531は、集音部6eにより集音された環境音を取得する。ここで、環境音は、車内に響くエンジン音、タイヤと路面の摩擦音や路面が発する音、風切り音などの車両の走行に伴う音、車両の扉やトランクなどが閉まる音、衝突時に発する音などの衝突音、他の車両のクラクション、サイレン、走行などに関する他の車両に起因するまたは発する音、アナウンス、音響信号機等から発する音、路面等の工事の音、海岸の波の音などの車両外に起因する外部音である。また、環境音には、移動体5に搭乗しているユーザの話声、移動体5の内部で聴いている音楽の音、移動体5の内部で視聴している動画の音が含まれてもよい。すなわち、環境音は集音部6e(マイク)が収音可能なものであればよい。さらに、取得部531は、センサー6dにより取得された種々の情報を取得する。
【0049】
出力部532は、出力ステップを実行可能に構成される。出力部532は、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、環境音に対応する出力情報を移動体5に搭乗しているユーザに対して出力する。また、これらの属性は、コンテンツの種別を含む。このとき、出力部532は、移動体5に搭乗しているユーザの指示に基づいてコンピュータにより実行されるコンテンツの種別に基づいて、出力情報を出力する。ここで、コンテンツの種別は、ゲーム装置3により実行されるゲーム、映画などの動画、音声のみの音楽などである。
【0050】
選択部533は、選択ステップを実行可能に構成される。選択部533は、環境音に対応する音情報を選択する。ここで、音情報は、ゲームまたはゲームのカテゴリーごとに作成された音を表す情報である。
【0051】
ノイズキャンセリング部534は、ノイズキャンセリングステップを実行可能に構成される。ノイズキャンセリング部534は、環境音のうち移動体の内部で集音可能な音に対してノイズキャンセリング処理を実行する。ここで、ノイズキャンセリング処理とは、環境音のうちノイズ(騒音)を打ち消す処理であり、デジタル処理によってノイズを打ち消す「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」技術により実現される。具体的には、集音部6eから集音したノイズに対し、ノイズと逆位相の音をスピーカ6bから出力することにより、ノイズを除去することができる。
【0052】
自動車における発生ノイズは、ロードノイズ、ウインドノイズ、エンジンオーダー、HVAC(Heating,Ventilation,Air Conditioning:暖房、換気、空調を含む空調システム)に分類され、これら全てのノイズを低減させてもよく、残したい音は残し、除去したいノイズだけを低減させてもよい。また、ノイズキャンセリング処理を応用することにより、運転席に座るユーザと助手席に座るユーザに対し、異なる音を聴かせることが可能になる。
【0053】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報と用語とについて説明する。
【0054】
「ユーザ名」とは、ユーザ自身が設定した任意の文字列により構成される、ユーザを識別するための名称である。「ユーザランク」とは、ユーザのレベルを表す指標であり、ゲームステージのクリア等によってランクアップし、ランクアップすると、新たなゲームステージが解放される、アイテムの購入が可能になる等、ユーザにとってプレイの幅が広がる。
【0055】
「消費媒体」とは、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、「クエスト」と称されるゲームステージのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0056】
「スタミナ」とは、ゲームのプレイに伴って消費されるパラメータである。スタミナは、例えば、「クエスト」と称されるゲームステージのプレイに伴って消費される。スタミナは、クエストの進行によらず、現実の時間の経過に応じて回復する。また、スタミナは、消費媒体や各種ゲーム内アイテムの消費等のユーザの指示に応じて回復することができる。また、スタミナは、クエストの進行によるユーザランクのランクアップ等により、ユーザの指示に応じることなく回復される場合もある。
【0057】
「パラメータに関する情報」とは、例えば、スタミナに関する情報である。スタミナに関する情報とは、例えば、スタミナの現在値、上限値、もしくは上限値に対応するユーザランク、単位時間(例えば、スタミナの値を「1」回復させるために必要な時間の単位)、回復速度(例えば、1分あたりのスタミナの値が回復する量(以下、「回復量」ともいう))、またはスタミナが回復してから経過した時間などを含む。なお本実施形態では、スタミナの上限値を時間の経過に応じた回復における上限値とする例を用いるが、これに限定されない。
【0058】
「クエスト」とは、ゲームの構成単位であるステージであって、課題や目標が設定されているものである。特に、複数ユーザが同時にゲームに参加してプレイするクエストは、「マルチクエスト」と称される。クエストには、終了条件が設定されている。また、クエストのクリアに対しては、クリア報酬がユーザに付与される。
【0059】
クエストの終了条件には、対戦する敵キャラクタの全滅、ボスキャラクタを倒すこと、ゴール地点への到達等のクリア条件と、制限時間オーバー等のプレイ時間に関する条件と、ターン制ゲームにおけるターン数オーバー等の条件とが含まれる。クエストには、これらの終了条件のうち少なくとも1つが設定されている。クエストに複数の終了条件が設定されている場合には、どの終了条件が優先されるかが予め設定されている。例えば、クリア条件よりも制限時間が優先される場合、ボスキャラクタを倒すことができず、クリア条件は満たされていないときに、制限時間が切れると、クエストは終了することとなる。
【0060】
また、クエストは、同一のユーザにより何度も繰り返しプレイされる場合がある。クエストを繰り返しプレイすることは、「クエスト周回」と称される。ユーザがクエスト周回する具体的な例として、クリアすることで一定の確率で所定の報酬を得られるクエストにおいて、その報酬が得られるまでクエスト周回する場合や、クリアすると高い報酬が得られるクエストにおいて、その報酬をできるだけたくさん得る目的でクエスト周回する場合等が挙げられる。
【0061】
「ミッション」とは、各クエストに対応付けられた課題である。つまり、クエストには、少なくとも1つのミッションが対応付けられている。ミッションの具体例として、例えば、「一人も戦闘不能にならずにゲームをクリアする」、「敵キャラクタに対し、一撃で5000以上のダメージを付与する」、「敵キャラクタを3体以上同時に倒す」等が挙げられる。また、ミッションの達成に対しては、ミッション報酬がユーザに付与される。
【0062】
4.情報処理システム1の動作の流れ
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。図4は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0063】
4.1 情報処理の概要
情報処理システム1によって実行される情報処理は、移動体5の内部または外部の環境音を取得し、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、移動体5に搭乗しているユーザに対し、環境音に対応する出力情報を出力するものである。
【0064】
具体的には、ユーザが実行しているゲームが、仮想ゲーム空間内で車両を操作するレースゲームである場合、コンテンツの種別、すなわち「ゲーム」が属性に相当する。ここで、ゲームはコンテンツの一例である。そして、移動体5の周囲で大雨が降っている場合には、ユーザが実行しているゲームのゲーム音に対し、雨の音や雨の音に似せたホワイトノイズを付加音として出力する。ここで、付加音は、ゲームに固有のゲーム音とは別に付加する音でもよく、ゲームに固有のゲーム音自体を付加音として扱ってもよい。例えば、ゲームデータとしては記憶していない大雨の音を付加的に再生してもよいし、ゲームデータとして記憶しているゲーム用の大雨サウンドを呼び出して再生してもよい。さらに、ゲーム内の天気を雨に変えるなど、仮想空間を降雨状態にしてそれを表示してもよい)。これにより、実行中のゲームなどの属性に応じて、ゲーム進行に起因するゲーム音に加え、移動体5の内部または外部で発生している環境音に対応する様々な出力情報を出力することができ、ユーザに新たな刺激を与えることができる。
【0065】
本実施形態では、ゲーム装置3により実行されるゲームのゲーム画面とゲーム音とを、移動体5の表示部6aおよびスピーカ6bから出力する例について説明する。以下、ユーザが移動体5に搭乗した後から発生する情報処理について説明する。
【0066】
まず、移動体5に搭乗しているユーザにより、ゲーム装置3を操作してゲームを起動する(A20)。そして、ゲーム装置3とECU53との通信を確立する(A11およびA21)。本実施形態では、ゲーム装置3により実行されるゲームがECU53により提供される機能に対応しており、ゲームの起動後にゲーム画面に通信確立アイコンを表示させ、ユーザが通信確立アイコンを選択することにより、ECU53とゲーム装置3をP2P接続でペアリングさせることにより、ゲーム装置3とECU53との通信が確立する。これにより、ゲーム装置3からゲームに関する種々の情報をECU53に出力することができる。
【0067】
続いて、ゲーム装置3は、予め定められた複数の属性から選択された属性として、起動されたゲームの属性を通信部31から出力する(A22)。ここで、かかる属性は、コンテンツの種別である。本実施形態では、属性は、コンピュータにより実行されるゲームの種別である。具体的には、ゲーム、映画、アニメ、ドラマ、他の動画などがコンテンツまたはゲームの種別となる。すなわち、図4の例では、属性として「ゲーム」を出力する。
【0068】
あわせて、ゲーム装置3は、コンテンツのカテゴリーを通信部31から出力する。具体的には、コンテンツがゲームの場合、レースゲーム、格闘ゲーム、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、恋愛ゲームなどがコンテンツのカテゴリーに相当する。また、ユーザがゲーム装置3または他の端末を操作して映画を見ている場合には、コンテンツの種別は「映画」となり、SF映画、アクション映画、ホラー映画、恋愛映画などがコンテンツのカテゴリーに相当する。
【0069】
続いて、ゲーム装置3は、コントローラ4cによる操作に基づいて、制御部33によりゲームを進行させる(A23)。このとき、ゲームに固有のゲーム音を通信部31から出力する(A24)。そして、通信部31から出力されたゲーム音は、通信部51を介してECU53に入力され、オーディオ処理部54bによる処理を経てスピーカ6bから実際の音として出力される。同様に、ゲームに固有のゲーム画像を通信部31から出力する。そして、通信部31から出力されたゲーム画像は、通信部51を介してECU53に入力され、グラフィック処理部54aによる処理を経て表示部6aに表示される。
【0070】
続いて、ゲーム装置3は、ゲームの進行状況を通信部31から出力する(A25)。ここで、ゲームの進行状況には、例えば、ゲーム中で挑戦中の特定クエストの進行具合、特定イベントが発生していること、ボスとの戦闘中であること、ユーザによる操作を受付けない自動進行モードであること、レースゲームの順位、アイテムを使用していることなど、ゲームの進行に関するあらゆる情報が含まれる。
【0071】
一方、取得部531は、通信部51を介して通信部31から出力された属性を取得する(A12:取得ステップ)。取得した属性は、記憶部52に記憶される。これにより、ECU53は、移動体5の車内で実行されているコンテンツがゲームであることを認識することができる。
【0072】
続いて、ECU53は、集音部6eから環境音を取得する(A13)。また、ECU53は、センサー6dまたはインターネットから状況情報を取得する(A14)。ここで、状況情報は、移動体の移動に関する情報、移動体の周囲の環境に関する情報、および時期または時刻に関する情報の少なくとも1つである。これについては後にさらに詳述する。
【0073】
続いて、ECU53は、通信部31から出力されたゲームの進行状況を、通信部51を介して取得する(A15)。取得した進行状況は、記憶部52に記憶される。
【0074】
続いて、ノイズキャンセリング部534は、環境音のうち移動体の内部で集音可能な音に対してノイズキャンセリング処理を実行する(A16:ノイズキャンセリングステップ)。本実施形態では、ノイズキャンセリング部534は、ゲームの進行状況、移動体5の状況、および移動体5の周囲の状況の少なくとも1つに基づいて、ノイズキャンセリング処理を制御する。移動体5の状況には、移動体5の移動に関する情報に加え、省エネ運転の度合い、電子部品の温度、走行距離などが含まれる。また移動体5の周囲の状況には、環境に関する情報に加え、高速道路を走行中であること、周囲の渋滞状況、イベントが発生中であること、交通規制などが含まれる。
【0075】
続いて、選択部533は、環境音に対応する音情報を選択する(A17:選択ステップ)。ここで、音情報は、ゲームまたはゲームのカテゴリーごとに作成された音を表す情報である。具体的には、有名なゲームタイトルの場合、ゲームタイトル毎に音情報を予め生成し、記憶部52に記憶させる。また、有名でないゲームタイトルにも対応するために、ゲームのカテゴリー毎に音情報を予め生成し、記憶部52に記憶させる。これについては後にさらに詳述する。
【0076】
そして、出力部532は、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、環境音に対応する出力情報(付加音)を移動体に搭乗しているユーザに対して出力する(A18:出力ステップ)。そして、付加音はオーディオ処理部54bによる処理を経て、ゲーム音と同様にスピーカ6bから実際の音として出力される。本実施形態では、予め定められた複数の属性(図5に示されるゲームまたはゲームのカテゴリーの種別)から選択された属性(ゲームX)に基づいて、環境音(走行音、衝突音、外部音など)に対応する出力情報、すなわち音情報(付加音X1、付加音X2・・・)を出力する。つまり、本実施形態では、出力部532は、環境音に対応する音情報を付加音として出力する。これについては後にさらに詳述する。
【0077】
ここで、ゲーム装置3は、A25の処理を終えた後、同じゲームを継続する場合、処理をA23に戻す。一方、別のゲームを起動した場合、処理をA22に戻し、新たに起動したゲームの属性をECU53に対して出力する。一方、ECU53は、ゲーム装置3によりゲームが継続された場合、処理をA12に戻す。そして、ゲームが終了すると、情報処理システム1の処理を終える。
【0078】
4.2 情報処理の詳細
次に、上記概説した情報処理の詳細部分について説明する。
【0079】
<状況情報の取得>
上記概説した状況情報の取得(A14)について、補足する。上記の通り、状況情報は、移動体の移動に関する情報、移動体の周囲の環境に関する情報、および時期または時刻に関する情報の少なくとも1つである。
【0080】
具体的には、移動体5の移動に関する情報は、移動体5の速度、加速度、横揺れの度合い、縦揺れの度合い、連続乗車時間(または連続走行時間)などである。環境に関する情報は、周囲の天気、気温、湿度、風速、雨量、明るさ、車外で発生している音の種別または大きさ、信号の色、標識、近傍にいる他の車両、人の有無または状態、道路が直進であるか、道路がカーブであるか、などである。また、時期または時刻は、ECU53から通信ネットワーク11を介してインターネットに接続し、時期または時刻に関する情報を取得する。
【0081】
<ノイズキャンセリング処理>
上記概説したノイズキャンセリング処理の実行タイミングは一例であり、より好ましくは、ノイズキャンセリング部534は、ゲームの起動と無関係にノイズキャンセリング処理を実行する。図4の例では、A15における状況情報の取得について説明する都合上、A16においてノイズキャンセリング処理を実行しているが、A11の前にノイズキャンセリング処理を開始することもできる。また、ノイズキャンセリング処理は、一度実行されると所定時間継続するものである。したがって、A11の前にノイズキャンセリング処理を開始した後、A16において種々の情報を考慮してノイズキャンセリング処理を制御することが好ましい。
【0082】
これらを考慮することにより、例えば、高速で走行しているときは、ノイズキャンセリング処理の度合いを自動的に強くすることができる。たとえば、高速道路などでは、一般道と比べて移動体5の移動速度が高速で走行する(道路交通法上の最低速度以上で走行する)ので、高速走行中は風切り音などの環境音が大きくなる。このときに、ノイズキャンセリング処理の度合いを大きくすることで、一般道と比べて大きなノイズもしっかりと打ち消すことができる。また、高速走行であることは環境音から判断してもよいし、車両の位置情報または車両の速度計やナビゲーション装置(GPS)から取得してもよい。
【0083】
一方、救急車のサイレンや人の体調不良を検出した場合、または移動体5に対する緊急事態が発生した場合には、ノイズキャンセリング処理の度合いを自動的に小さくすることができる。また、外部音の取込モードに切り替えて外部音を積極的に出力することができる。これにより、環境音のうち、ユーザにとって何らかのアクションを要求されるノイズに対しては、ノイズキャンセリング処理によるノイズの打ち消しを抑制し、ユーザが環境音に気づきやすくすることができる。
【0084】
<音情報の選択>
上記概説した音情報の選択(A17)について、補足する。図5は、記憶部52に記憶された音情報の一例である。例えば、ユーザが実行中のゲームXについて、ゲームXに固有の音情報が記憶部52に記憶されている場合、選択部533は、複数の音情報からゲームXに固有の音情報を選択する。このとき、環境音またはゲームの進行状況に応じて、複数の音情報(付加音X1、付加音X2・・・)から適切な音情報を選択する。
【0085】
一方、ゲームXに固有の音情報が記憶部52に記憶されていない場合、A12において取得した属性が、ゲームのカテゴリーに相当する「レースゲーム」であるときには、選択部533は、レースゲームのカテゴリーに対応する音情報を選択する。このとき、環境音またはゲームの進行状況に応じて、複数の音情報(付加音11、付加音12・・・)から適切な音情報を選択する。このように、ゲームに固有の音情報が記憶部52に記憶されている場合、ゲームのカテゴリー毎に記憶された音情報に優先して、ゲームに固有の音情報を選択することが好ましい。実際には、図5の例に加え、状況情報およびゲームの進行状況毎に、さらに音情報が細分化されている。
【0086】
<付加音の出力>
上記概説した付加音の出力(A18)について、補足する。本実施形態では、出力部532は、移動体5に搭乗しているユーザの指示に基づいてコンピュータにより実行されるコンテンツの種別に基づいて、出力情報を出力する。本実施形態では、コンテンツとしてゲームを実行しているので、出力部532は、ゲームの種別に基づいて、環境音に対応する付加音を出力する。
【0087】
具体的には、出力部532は、選択部533により選択された音情報を、付加音として出力する。出力部532により出力された付加音は、スピーカ6bから実際の音として出力される。このとき、スピーカ6bからは、ゲームに固有のゲーム音に加え、ECU53により制御された付加音が出力される。これにより、ゲーム装置3単独でゲームを実行する場合と比べ、移動体5の周囲の環境音に応じて、様々な付加音を出力することができるので、ゲーム(コンテンツ)を阻害せずに環境音と調和した臨場感あふれるユーザ体験を提供することが可能になる。
【0088】
かかる処理につき、図6を用いて説明する。図6に示すように、表示部6aに、ユーザが実行中のゲームのゲーム画像が表示される。図6の例では、ゲーム画像は、マルチクエストのゲーム画像である。ゲーム画像には、例えば、消費スタミナQSの表示と、メッセージ101と、デッキ102と、プレイヤキャラクタPと、敵キャラクタEとが含まれ、スキル情報103およびミッションQMの詳細情報表示を可能にするボタンがそれぞれ設けられている。
【0089】
ここで、メッセージ101は、例えば、ターン制ゲームにおいては、ユーザのターンであることを知らせる文章である。デッキ102は、ユーザにより選択されたプレイヤキャラクタPによって構成されている。敵キャラクタEは、クエストに対応付けられたキャラクタであって、プレイヤキャラクタPが対戦する対象となるキャラクタである。消費スタミナQSの表示は、スタミナが未だ消費されていないか、既に消費されたかを、ユーザが容易に認識することができるように構成されている。例えば、消費スタミナQSの表示は、クエストの途中でスタミナを消費したときに点灯または点滅する。
【0090】
次に、図7を用いて、環境音に対応する出力情報を出力する様子を説明する。図7の例では、ユーザUがゲーム装置3のコントローラ4cを操作してゲームを実行しており、ゲーム画像を表示部6aに表示させ、ゲーム音をスピーカ6bから出力させる構成としている。また、ユーザUが実行中のコンテンツの種別はゲームであり、ゲームのカテゴリーはターン制のバトルゲームである。
【0091】
図7に示すように、スピーカ6bから、ゲーム音に加え、付加音AS1および付加音AS2が出力される。付加音AS1は炎が燃えるときの音を表現した音であり、付加音AS2は雷の音を表現した音である。このとき、出力部532は、選択部533により選択された音情報をスピーカ6bに出力し、スピーカ6bは、ゲーム音と付加音をあわせて出力する。
【0092】
以上をまとめると、本実施形態のシステムは、取得ステップおよび出力ステップを実行可能に構成され、前記取得ステップでは、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得し、前記出力ステップでは、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、前記環境音に対応する出力情報を前記移動体に搭乗しているユーザに対して出力する。
【0093】
また、本実施形態の情報処理方法は、取得ステップおよび出力ステップを備え、前記取得ステップでは、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得し、前記出力ステップでは、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、前記環境音に対応する出力情報を前記移動体に搭乗しているユーザに対して出力する。
【0094】
本実施形態によれば、ユーザに対して新たな刺激を与えることが可能になる。特に、ユーザに対し、自動運転に対応した、臨場感あふれる新たな体験を提供することが可能になる。
【0095】
このように、CASEおよびMaaS(Mobility as a Service)の発展により、次世代モビリティの普及が進むなか、情報処理システム1により提供される体験は、ユーザにとって新たな刺激となり得る。
【0096】
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態における情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。第1実施形態では、通信ネットワーク11を介して移動体5と情報処理装置2が通信可能に接続されていたが、第2実施形態では、移動体5と情報処理装置2とが通信せず、移動体5とゲーム装置3が互いに通信する例である。
【0097】
第2実施形態では、ゲーム装置3にゲームデータがダウンロードされており、ゲーム装置3でゲームを実行することができる。このとき、ゲーム装置3をECU53とペアリングし、ゲーム装置3により実行されるゲームのゲーム画面およびゲーム音を、移動体5の表示部6aおよびスピーカ6bから出力する。そして、ECU53は、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、環境音に対応する出力情報を移動体5に搭乗しているユーザに対して出力する。このように、ECU53により、本実施形態に係るシステムが実現される。
【0098】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0099】
図8に示すように、ECU53の各機能部を、情報処理装置2に実装してもよい。このとき、情報処理装置2は、サーバにより構成される。そして、情報処理装置2の制御部23は、取得部231、出力部232、選択部233およびノイズキャンセリング部234を備える。取得部231~ノイズキャンセリング部234の機能は、取得部531~ノイズキャンセリング部534の機能と同様である。図8の例では、ECU53ではなく情報処理装置2により、本実施形態に係るシステムが実現される。
【0100】
また、環境音に対応する出力情報として、付加画像を出力してもよい。図9に示すように、表示部6aに、ゲーム画像に加え、付加画像AI1および付加画像AI2が表示されてもよい。付加画像AI1は炎を表す画像であり、付加画像AI2は雷を表す画像である。このとき、出力部532は、選択部533により選択された画像情報を表示部6aに出力し、表示部6aは、ゲーム画像と付加画像をあわせて表示する。ここで、画像情報は、付加画像を表す情報であり、図5に示される音情報と同様の構造をもつ情報である。また、スピーカ6bは、ゲーム音とあわせて付加音AS1および付加音AS2を出力してもよい。このとき、付加音AS1を付加画像AI1に対応させ、付加音AS2を付加画像AI2に対応させてもよい。図9の例では、付加画像AI1および付加音AS1が炎を表現する情報であり、付加画像AI2および付加音AS2が雷を表現する情報である。
【0101】
また、図4のA18において、図5に示されるテーブルに基づいて、A14において取得した状況情報およびA15において取得したゲームの進行状況を考慮して音情報を選択してもよい。例えば、状況情報として、移動体5の移動速度が所定の範囲内にあり、移動体5の周囲の天気が雨であり、移動体5に搭乗しているのが12月の午前中であることが取得された場合、特定の音情報を選択する。また、ゲームの状況情報として、ボスとの戦闘中や特定のイベント中には、付加音の音量を大きくしてもよく、付加音の音量を小さくしてもよく、付加を出力せずにノイズキャンセリング処理のみを実行してもよい。また、図5にて、ゲームタイトルまたはゲームカテゴリに応じた音情報と環境音の関係(テーブル)を説明したがこれに限らない。たとえば、ゲームの状況情報毎に音情報と環境音の関係(テーブル)を用意し、ボスとの戦闘中と戦闘中以外とでは同一の環境音に対して異なる付加音を再生してもよい。さらに、特定のアイテムを使用している場合、アイテムに関する付加音を出力してもよい。例えば、レースゲームにおいて加速アイテムを使用した場合、加速状態を表す付加音(例:ブーン、ヒューン、ヒアウィゴー)を出力してもよい。
【0102】
ここで、音量の異なる複数の付加音を記憶部52に記憶してもよく、スピーカ6bを制御することで特定の付加音の出力音を調整してもよい。このように、出力部532は、状況情報に基づいて出力情報を出力してもよい。さらに、出力部532は、ゲームの進行状況に基づいて、環境音に対応する付加音を出力してもよい。
【0103】
以下、状況情報に基づいた出力情報の出力につき、付加音の具体例を列挙する。
<具体例>
・加速時:「ブーーーーーーーーーン!」
・停止時:「キキーーーーーーーーーー!」
・カーブ時:「キュルキュルキュル!」
・周囲に他の車両あり:「ブー(クラクション)」「こんにちはー」
・他の車両に追い抜かれる時:「バイバイ」「いい車だね~」
・雪が降っている:「ヒューーーーーーー」
・雨が降っている:「ザーーーーーーーー」
・交差点の通過時:「スーーーーーーーー」
・凸凹道の通過時:「ガッシャーーーン」「ポニョン」
【0104】
また、状況情報に基づいて出力情報を出力する場合には、移動体5の運転(または自動運転)がスムーズであれば、ノイズキャンセル処理が実行され、または、付加音が出力されてもよい。ここで、移動体5の運転(または自動運転)がスムーズであるとは、移動体5の加速度が一定であること、急ブレーキの回数が所定期間内において所定値以下であること、カーナビゲーションシステムまたはゲーム装置3としての多機能情報端末により設定された目的地までの経路と実際の移動経路のずれが予め定められた基準より少ないこと、などにより総合的に判断されてもよい。
【0105】
また、路面状態に応じて、ノイズキャンセル処理が実行され、または、付加音が出力されてもよい。例えば、アスファルト上を走行中には付加音を出力せず、舗装されていない道を走行中に付加音を出力させてもよい。また、本来は移動体5が避けるべきもの、例えば、高速道路に設置されているランブルストリップスや薄層舗装の上を走行してしまった場合、これらの上を走行中である旨をユーザに伝えるべく、付加音を大きな音量で出力してもよい。
【0106】
また、ゲームの進行状況に基づいて出力情報を出力する場合には、付加音として、同一の環境音であってもゲームにおける屋内の会話シーンでは隙間風の音を、屋外の会話シーンでは風と草木が揺れる音を出力してもよい。また、移動体5が段差を通過したときには、付加音として、ゲーム装置3により実行中のゲームが格闘ゲームである場合には、キャラクタの近くに爆弾が落ちる音を、ゲームにおける会話シーンでは会話シーンの仮想空間(たとえば、レストラン、オフィス、学校)に対応した雑音の音を、付加音として出力してもよい。また、ゲーム進行が上手であれば、ノイズキャンセル処理が実行され、または、付加音が出力されてもよい。ここで、ゲーム進行が上手か否かは、ECU53が取得したゲームの進行状況と、ユーザがコントローラ4cを操作した操作履歴やゲーム内のパラメータ(ランク、ポイント、獲得スコア)などに基づいて判断される。さらに、ゲーム内で獲得したスコアや、HPなどのパラメータが高い/低い状態のときや毒状態などの状態異常のときに、ノイズキャンセル処理が実行され、または、付加音が出力されてもよい。たとえば、キャラクタのHPが低く瀕死状態であるときや、毒状態であるとき、またはライフル銃で照準を覗いているとき、サッカーゲームのペナルティーキックイベントやバスケットボールゲームのフリースローイベントなどの状態(ユーザが集中する時)であるときに、ノイズキャンセル処理が実行され、または、付加音が出力されてもよい。また、このときは付加音を出力せずに、ノイズキャンセル処理だけが実行されてもよい。
【0107】
また、図4のA18において、ゲーム装置3により実行中のコンテンツとは異なるコンテンツの種別に基づいて、出力情報を出力してもよい。例えば、ゲーム装置3によりゲームXを実行しているときに、他のゲームであるゲームYの世界観に基づいた付加音を出力してもよい。ゲームXが大人向けのレースゲームであり、ゲームYが子供向けのレースゲームである場合には、ゲームXの緊張感溢れるゲーム音に加え、ゲームYに対応するコミカルまたはリラックスした付加音を出力することで、ユーザに新たな刺激を与えることができる。ここで、ゲームYに対応する付加音は、予め記憶部52に記憶されており、環境音、状況情報、ゲームの進行状況の少なくとも1つに基づいて、選択部533により選択される。
【0108】
また、図4のA17とA18の間に、環境音に基づいて、音情報を調整する調整処理を実行してもよい。これは、環境音に応じて、出力する音情報の音量、速度、高低、雰囲気(例:ロック風、バラード風、低音強調、高温強調)を調整するものである。例えば、環境音が小さなときは通常の音情報を出力し、環境音が大きくなると低音を強調した音情報を出力してもよい。
【0109】
また、ECU53により実現される機能に対応したゲームから、ECU53がゲーム音自体を取得することができる場合には、図4のA17とA18の間に、環境音に基づいて、ゲーム音を調整する調整処理を実行してもよい。ゲーム音自体を調整した場合、調整されたゲーム音が付加音となる。
【0110】
このとき、ユーザが付加音のビートや高低などを手動で調整することができるように構成してもよい。
【0111】
また、図4のA17における選択ステップに代えて、環境音を出力情報に変換する変換処理を実行してもよい。このとき、コンテンツの属性毎に記憶部52に記憶されたアルゴリズムを基づいて、変換処理を実行してもよい。これにより、例えば、環境音を、コンテンツの世界観に合致した効果音やキャラクターボイスに変換し、スピーカ6bから出力することができる。また、移動体5が軽自動車である場合には、環境音を高級スポーツカーのダイナミックなエンジン音に変換し、スピーカ6bから出力することができる。ここで、変換処理は、環境音の大きさ、音量、高低、持続時間などに基づいて、コンテンツの属性に応じた基本的な音情報を変換することにより実現されてもよい。具体的には、環境音のビートが早いほど、基本的な音情報のビートが早くなるように変調させてもよい。
【0112】
また、図4のA17における選択ステップに代えて、環境音に基づいて、出力情報を生成する生成処理を実行してもよい。これは、機械学習により生成された学習モデルを利用し、記憶部52に記憶された音情報を選択することなく、音情報を都度生成するものである。このとき、ゲームまたはゲームのカテゴリー毎に記憶部52に記憶されたアルゴリズムを基づいて、生成処理を実行してもよい。
【0113】
また、図4のA22において、ゲーム装置3により実行中のゲームの属性を出力することに代えて、ユーザが移動体5の表示部6aに表示される画面を操作し、ユーザが手動で属性を設定してもよい。そして、ユーザの指示に基づいてコンピュータ(ゲーム装置3)によりコンテンツが実行されていない場合でも、ユーザが手動で属性を設定し、予め定められた複数の属性から選択された属性(すなわち、ユーザが手動で設定した属性)に基づいて、環境音に対応する出力情報を移動体5に搭乗しているユーザに対して出力してもよい。なお、この手動による属性の設定は、移動体5の表示部6aを介さずに、ゲーム装置3の一例であるスマートフォンなどにインストールされた付加音出力アプリケーションまたはウェブブラウザ経由で、属性を設定してもよい。また、移動体5が情報処理装置2と通信可能な場合には、情報処理装置2からゲームの属性を取得してもよい。
【0114】
また、ゲーム音と、集音部6eから取得した環境音を、以下の態様でスピーカ4bから出力してもよい。
・ゲーム音をスピーカ4bから出力し、環境音を加工せずにスピーカ4bから出力する
・ゲーム音をスピーカ4bから出力し、環境音を加工してスピーカ4bから出力する
・ゲーム音をスピーカ4bから出力し、環境音に対応する付加音をスピーカ4bから出力する
・ゲーム音をスピーカ4bから出力し、環境音に対応する付加音をさらに加工してスピーカ4bから出力する
・ECU53が情報処理装置2またはゲーム装置3からゲーム音に関するゲーム音情報を取得することができる場合、ゲーム音を加工してスピーカ4bから出力し、環境音を上記態様のいずれかでスピーカ4bから出力する
【0115】
また、ゲーム音をスピーカ4bから出力し、付加音をスピーカ6bから出力してもよい。逆に、ゲーム音をスピーカ6bから出力し、付加音をスピーカ4bから出力してもよい。また、ゲーム音および付加音をスピーカ4bから出力してもよい。さらに、ゲーム音および付加音をスピーカ6bから出力してもよい。このように、ゲーム音、付加音、環境音の出力先および数は限定されず、スピーカはイヤホン、ヘッドホン、骨伝導のデバイスなども含む。また、出力とは、再生音量が0であっても出力を指示する制御を含む。
【0116】
また、出力情報として、音情報に代えて画像を出力してもよい。ここで、かかる画像は、ゲーム画像に対する付加画像であり、移動体5の表示部6aにゲーム画像に付加画像を重畳させて表示させてもよい。ここで、付加画像は、環境音に対応して表示される画像であって、予め準備された複数の画像から、選択部533により選択された、環境音に対応する付加画像を表示部6aに表示してもよい。また付加画像は、ゲームで仕様されるアイテムに応じた画像を表示してもよい。例えば、ゲーム装置3においてレースゲームを実行中に加速アイテムを使用した場合、加速状態を表す画像(例:煙、線上のオブジェクト)を表示させてもよい。さらに、効果音などのオノマトペ、キャラクタのセリフに対応する文字を表示させてもよい。
【0117】
ここで、出力情報の出力先は表示部6aまたはスピーカ6bに限定されず、ゲーム装置3のディスプレイ4aまたはスピーカ4bに出力情報を出力してもよい。さらに、ゲーム画面およびゲーム音をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力させ、出力情報(付加画像または付加音)を表示部6aまたはスピーカ6bに出力させてもよい。また、これとは逆に、ゲーム画面およびゲーム音を表示部6aまたはスピーカ6bに出力させ、出力情報(付加画像または付加音)をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力させてもよい。
【0118】
また、ノイズキャンセリング処理は、ユーザの声を識別し、ユーザの声に対してはノイズキャンセリング処理の対象外としてもよい。
【0119】
また、ノイズキャンセル処理を実行することなく、高速走行時は、低速走行時に比べて付加音を大きく出力しても良い。また、救急車のサイレン音または人の体調不良等、緊急性の高い状態を検出した場合、または移動体5に対する緊急事態が発生した場合には、平常時と比べて付加音を小さく出力しても良い。さらに、これらの処理と、上述のノイズキャンセリング処理の度合いを制御する処理を組み合わせて実行してもよい。
【0120】
また、ゲーム装置3として機能する多機能情報端末、または不図示のカーナビゲーションシステム(GPS)から取得した位置情報を利用し、出力情報を出力してもよい。例えば、移動体5が海の近くを走行中である場合、波の音、風の音、カモメの鳴き声をスピーカ6bから出力してもよい。また、移動体5の周囲が海でない場合に、表示部6aに海の画像も表示させ、疑似的に海岸沿いのドライブを体験させてもよい。また、移動体5が、アニメ、テレビドラマや映画などのコンテンツの舞台となった地域のうち、コンテンツと地域が対応付けられている地域の近くを走行中である場合、例えばそのアニメにおけるキャラクタのセリフ(ボイス)、BGM、効果音などを出力情報としてもよい。
【0121】
また、ゲーム装置3として機能する多機能情報端末から取得した天気情報を利用し、出力情報を出力してもよい。例えば、移動体5の周囲に雪が降っている場合、雪を表す音(例:ヒュー)をスピーカ6bから出力してもよい。また、移動体5の周囲に雨が降っている場合、雨を表す音(例:ザー)をスピーカ6bから出力してもよい。さらに、移動体5の周囲の気温が高い場合、夏を連想させる音をスピーカ6bから出力してもよい。我が国の場合、夏を連想させる音として、セミの鳴き声(例:ミンミンミン)が挙げられるが、移動体5が走行する国や地域によって様々な音を準備することが好ましい。
【0122】
さらに、通信部51を介して信号機の状態(赤、黄、青など)を受信する場合、赤から青に変わる状態を、属性(例えばレースゲーム)に応じた音声で出力しても良い。例えば、信号機が赤から青へ変わる3秒前から、「3、2、1、スタート!!」などのカウントダウンを行う音声を出力してもよいし、「右、左、オールクリア」など車両の周囲の安全を音声として出力しても良い。すなわち、自動運転車の自律走行に伴いECU53が判断している車両周辺の状況を、属性に応じた音声で出力しても良い。これにより、ユーザが設定した属性に応じて、自動運転車の出力する音声が変化するので、ユーザは自動運転車に対する愛着が湧きやすくなる。たとえば、属性がゲームである場合、ユーザはそのゲームのゲーム音声を聞きながら、自動運転車の状況をそのゲームに対応した音声により知ることができる。ここで、ゲームに対応した音声は、例えば以下のような内容である。
<具体例>
・「車両周辺の安全を確認した。信号が変われば発車する。3,2,1。」
・「車両は、前方の車両に追尾して安全に走行中。ゲームは今ボスキャラクタの討伐中だな。この先、車両はカーブが多い道を走行するから気をつけろ。検討を祈る。」
・「まもなく、車両は海が見えるエリアへ侵入する。一旦、そのゲームを止めたらどうだ。今のゲーム進行なら敵は出てこないぞ。」
・「まもなく車両は目的地に到着する。ゲームもボスが登場するエリアの一歩手前だな。お疲れ様。」
【0123】
かかるシステムは、以下のように表現することができる。ここで、環境状況は、移動体5の内部または外部における環境に関する状況であり、移動体5の周辺の交通状況、障害物の有無、歩行者の位置または数、他の走行車両の有無、信号機の状態、天気、気温、環境音の大きさまたは種別などを利用することができる。
システムであって、
取得ステップおよび出力ステップを実行可能に構成され、
前記取得ステップでは、移動体の内部または外部の環境状況を取得し、
前記出力ステップでは、予め定められた複数の属性から選択された属性および前記環境状況に基づいて、コンテンツに関する情報を出力し、
前記コンテンツは、前記移動体に搭乗しているユーザが実行しているコンテンツである、
システム。
ここで、出力ステップは、出力部532により実行される。
【0124】
これにより、移動体5とユーザの間で、環境状況に応じたコミュニケーションが可能になる。なお、出力ステップにより出力される情報は、音声、画像(静止画または動画)、匂い、振動、光など、ユーザが認知できるものであればよい。ここで、出力ステップによりコンテンツに関する音声が出力される場合の例を以下に示す。
<具体例>
・「車は車で頑張って移動しているから安心しろ。」
・「搭乗者のゲーム状況は把握している。がんばれよ。」
・「車の走行がゲームに影響するかもしれない。気をつけろ。」
・「路面が悪く車が揺れそうだ。電車の吊革にしっかりと掴まるように意識しろ。」
・「一旦ゲームをやめて、ドライブを楽しめばどうだ。」
【0125】
また、表示部6aまたは不図示のヘッドマウントディスプレイに外国の風景を表示させ、その国に応じた出力情報を出力してもよい。例えば、ドイツで開催される大規模なビールのイベントの風景を表示部6aまたは不図示のヘッドマウントディスプレイに表示させるとともに、そのイベントで流れているドイツの民謡をスピーカ6bから出力してもよい。このとき、移動体5の周囲に山があれば、ドイツの山岳地域の風景を表示させてもよい。
【0126】
また、表示部6aに、環境音、ノイズキャンセリング処理の対象となったノイズ、または出力情報の周波数など、音に関する情報を可視化した情報を表示してもよい。周波数を示す情報以外にも、ノイズの状態に基づいて変化する風景画や、「丸、バツ、三角」などのノイズの状態を示す記号を表示してもよい。さらに、撮像部6cにより撮像された対象物を認識し、対象物に仮想オブジェクトを重畳表示させてもよい。例えば、前方に歩行者がいる場合、歩行者の周りを矩形で囲って表示してもよい。
【0127】
また、属性は、コンテンツの種別(例:ゲーム、アニメ、ドラマ、映画)に加え、乗物の属性(例:高級車、ダンプカー、汽車、船舶、飛行機)、雰囲気の属性(例:かわいい、かっこいい、悲しい)、位置、時刻、時期、地域ごとに設定された属性、運転状況またはユーザの心理状態に対応する属性であってもよい。
【0128】
また、ECU53がコンテンツの設定情報にアクセスできる場合には、ECU53は、環境音に応じてコンテンツの設定を変更してもよい。例えば、コンテンツがゲームである場合には、ECU53は、環境音に応じて、ゲーム内の天気または天候、難易度、オブジェクト(例:キャラクタ、武器、防具、アイテム)のパラメータ、出現するオブジェクト(例:敵キャラクタ、アイテム)、画面の明度、輝度または色彩、または音量を変更してもよい。かかるシステムは、以下のように表現することができる。
システムであって、
取得ステップおよび設定制御ステップを実行可能に構成され、
前記取得ステップでは、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得し、
前記設定制御ステップでは、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、前記環境音に応じてコンテンツの設定を制御し、
前記コンテンツは、前記移動体に搭乗しているユーザが実行しているコンテンツである、
システム。
また、設定制御ステップにおいて、環境音に代えて、上述の環境状況に応じてコンテンツの設定を制御してもよい。設定制御ステップは、例えば、ECU53または制御部33により実行される。
【0129】
本実施形態の態様は、コンピュータに、情報処理システム1の各ステップを実行させるプログラムであってもよい。
【0130】
また、本実施形態における移動体5は、取得部531および出力部532を備える。取得部531は、移動体5の内部または外部で発生した環境音を取得可能に構成される。出力部532は、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、環境音に対応する出力情報を移動体5に搭乗しているユーザに対して出力可能に構成される。
【0131】
また、移動体5は、表示部6aおよびスピーカ6bを備えてもよい。表示部6aは、移動体5に搭乗しているユーザが実行中のコンテンツに対応する映像を表示可能に構成される。スピーカ6bは、出力情報を音として出力可能に構成される。さらに、移動体5は自律走行可能な自動運転車であってもよい。
【0132】
また、ユーザは、移動体5に搭乗する際に、ゲーム装置3として機能する多機能情報端末(例:スマートフォン、タブレット端末)、ウェアラブルデバイス(例:スマートウォッチ、スマートグラス)を用いてユーザ認証し、移動体5のドアを解錠してもよい。また、ユーザのバイタルデータを利用した生体認証(例:指紋認証、顔認証、音声認証、静脈認証、虹彩認証)により、移動体5のドアを解錠してもよい。さらに、これらのデバイスを保持した状態で所定距離を歩かせ、歩行のふらつき度合いからユーザの飲酒状態を判定し、アルコール量が所定値以上である場合、移動体5の施錠を解錠しないように制御してもよい。
【0133】
また、移動体5は、車両に限定されず、自転車、バイク、オープンカー、電車、船舶、飛行機、エレベーター、エスカレーターなど、ゲーム装置3を利用しているユーザが搭乗できるものでもよい。さらに、ユーザがマラソンやランニングをしている状態では、ユーザ自体をゲーム装置3が搭乗する(可搬する)移動体5と捉えることができる。この場合、ユーザが実行するコンテンツは、ゲームだけでなく音楽再生となることも想定される。そして、例えばライブ音源を再生している場合には、環境情報に応じて、歓声などを再現した付加音が出力されてもよい。
【0134】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記システムにおいて、前記属性は、コンテンツの種別であり、前記出力ステップでは、前記移動体に搭乗しているユーザの指示に基づいてコンピュータにより実行されるコンテンツの種別に基づいて、前記出力情報を出力する、システム。
前記システムにおいて、前記出力ステップでは、状況情報に基づいて前記出力情報を出力し、前記状況情報は、前記移動体の移動に関する情報、前記移動体の周囲の環境に関する情報、および時期または時刻に関する情報の少なくとも1つである、システム。
前記システムにおいて、前記属性は、コンピュータにより実行されるゲームの種別であり、前記出力情報は、前記ゲームに対する付加音であり、前記出力ステップでは、前記ゲームの種別に基づいて、前記環境音に対応する前記付加音を出力する、システム。
前記システムにおいて、選択ステップを実行可能に構成され、前記選択ステップでは、前記環境音に対応する音情報を選択し、前記音情報は、前記ゲームまたは前記ゲームのカテゴリーごとに作成された音を表す情報であり、前記出力ステップでは、前記環境音に対応する前記音情報を前記付加音として出力する、システム。
前記システムにおいて、前記出力ステップでは、前記ゲームの進行状況に基づいて、前記環境音に対応する前記付加音を出力する、システム。
前記システムにおいて、ノイズキャンセリングステップを実行可能に構成され、前記ノイズキャンセリングステップでは、前記環境音のうち前記移動体の内部で集音可能な音に対してノイズキャンセリング処理を実行する、システム。
前記システムにおいて、前記ノイズキャンセリングステップでは、前記ゲームの進行状況、前記移動体の状況、および前記移動体の周囲の状況の少なくとも1つに基づいて、前記ノイズキャンセリング処理を制御する、システム。
前記システムにおいて、前記移動体は車両であり、前記車両は、ECU(ElectronicControlUnit)を備え、前記ECUは、前記移動体の挙動を電子的に制御するユニットであり、前記出力ステップを実行可能に構成される、システム。
前記システムにおいて、前記移動体は自律走行可能な自動運転車である、システム。
プログラムであって、コンピュータに、前記システムの各ステップを実行させる、プログラム。
移動体であって、取得部および出力部を備え、前記取得部は、移動体の内部または外部で発生した環境音を取得可能に構成され、前記出力部は、予め定められた複数の属性から選択された属性に基づいて、前記環境音に対応する出力情報を前記移動体に搭乗しているユーザに対して出力可能に構成される、移動体。
前記移動体において、表示部およびスピーカを備え、前記表示部は、前記移動体に搭乗しているユーザが実行中のコンテンツに対応する映像を表示可能に構成され、前記スピーカは、前記出力情報を音として出力可能に構成される、移動体。
前記移動体において、前記移動体は自律走行可能な自動運転車である、移動体。
もちろん、この限りではない。
【0135】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0136】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
3 :ゲーム装置
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :コントローラ
5 :移動体
6a :表示部
6b :スピーカ
6c :撮像部
6d :センサー
6e :集音部
11 :通信ネットワーク
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
50 :通信バス
51 :通信部
52 :記憶部
53 :ECU
54a :グラフィック処理部
54b :オーディオ処理部
101 :メッセージ
102 :デッキ
103 :スキル情報
231 :取得部
232 :出力部
233 :選択部
234 :ノイズキャンセリング部
531 :取得部
532 :出力部
533 :選択部
534 :ノイズキャンセリング部
AI1 :付加画像
AI2 :付加画像
AS1 :付加音
AS2 :付加音
E :敵キャラクタ
P :プレイヤキャラクタ
QM :ミッション
QS :消費スタミナ
U :ユーザ
X :ゲーム
X1 :付加音
X2 :付加音
Y :ゲーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9