(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075179
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】コールセンターシステム、オペレータ画面提供方法、表示端末装置、オペレータ画面表示方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/51 20060101AFI20230523BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20230523BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230523BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20230523BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20230523BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20230523BHJP
【FI】
H04M3/51
H04M3/42 P
G06F3/16 650
G06F3/16 620
G06F3/16 410
G06F3/0484
G10L15/10 200W
G10L15/00 200U
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027765
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2018187279の分割
【原出願日】2018-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】398010472
【氏名又は名称】株式会社協和
(74)【代理人】
【識別番号】100120813
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】石井 徹
(57)【要約】
【課題】音声認識に基づいて、電話会話の内容及び各種情報を画面に表示することで、ユーザからの電話に対応するオペレータ業務の支援を図る。
【解決手段】コールセンターシステム10は、ユーザからの電話を受けたオペレータが使用する端末に、電話会話の内容を音声認識によりテキストで示した画面を表示する処理を行う。コールセンターシステム10は、電話をかけてきたユーザが新規ユーザの場合、ユーザ登録に必要な情報を自動入力で受け付け可能な受付欄を、会話内容に応じたテキストと共に示す画面を表示し、ユーザから電話がクレームを伝えるものである場合、クレーム内容を、会話内容に応じたテキストと共に含む画面を表示し、電話会話に応じた各種情報の提示によりオペレータ業務を支援する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを生成してオペレータ端末へ送信するコールセンターシステムにおいて、
クレームワードを記憶したキーワードデータベースと、
電話会話から音声認識された情報が、前記クレームワードとして前記キーワードデータベースに記憶されているか否かを検索する手段と、
音声認識された情報が、前記クレームワードとして前記キーワードデータベースに記憶される場合、クレームに対応した内容を示すクレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面に応じたクレーム画面データを生成する手段と、
生成したクレーム画面データをオペレータ端末へ送信する手段と
を備えることを特徴とするコールセンターシステム。
【請求項2】
前記画面データは、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な受付欄を含むユーザ情報部を含み、
前記ユーザ情報部は、前記受付欄として、ユーザの住所の入力を受け付ける住所受付欄を含み、
郵便番号に応じた住所の要求を受け付けた場合、前記郵便番号に応じた住所及び住所の読み方を含む住所情報を外部から取得する手段と、
外部から取得した前記住所情報が有する住所の読み方、及び電話会話から音声認識された情報に含まれる住所の読み方の一致度を算出する手段と、
算出した一致度を、下限基準値及び上限基準値と比較する手段と、
比較により、算出した一致度が下限基準値を超過して上限基準値未満までの範囲に含まれる場合、前記住所情報が含む住所の都道府県及び区市群の情報に、前記音声認識された情報に含まれる住所の町名以下の情報を加えたものをユーザの住所として、自動入力で前記住所受付欄に受け付ける手段と
を備える請求項1に記載のコールセンターシステム。
【請求項3】
比較により、算出した一致度が下限基準値以下となる場合、又は上限基準値以上となる場合、前記住所情報が含む都道府県、区市群、及び町名の情報に、電話会話から音声認識された情報に含まれる住所の番地以下の情報を加えたものをユーザの住所として、自動入力により前記住所受付欄で受け付ける手段を備える請求項2に記載のコールセンターシステム。
【請求項4】
電話会話から音声認識された情報に、ユーザを特定するユーザ特定情報が含まれない場合、前記ユーザ情報部に、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な空欄の受付欄を含ませる請求項2又は請求項3に記載のコールセンターシステム。
【請求項5】
ユーザを特定するユーザ特定情報を含んだユーザに係る情報をユーザごとに対応づけて記憶するユーザデータベースと、
電話会話から音声認識された情報にユーザ特定情報が含まれる場合、前記ユーザ特定情報が前記ユーザデータベースに記憶されるか否かの検索を行う手段と、
前記ユーザ特定情報が前記ユーザデータベースに記憶される場合、前記ユーザ特定情報を含んだユーザに係る情報を前記ユーザデータベースから抽出する手段と、
抽出したユーザに係る情報を前記空欄の受付欄へ自動入力で受け付ける手段と
を備える請求項4に記載のコールセンターシステム。
【請求項6】
ユーザの注文した商品に係る注文商品情報をユーザごとに対応づけて記憶する注文データベースと、
前記ユーザ特定情報に係るユーザに対応づけられる注文商品情報を前記注文データベースから抽出する手段と、
抽出した注文商品情報を示す注文商品情報部を更に含む画面データを生成する手段と
を備える請求項5に記載のコールセンターシステム。
【請求項7】
コールセンターシステムが、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを生成してオペレータ端末へ送信するオペレータ画面提供方法において、
前記コールセンターシステムは、
電話会話から音声認識された情報が、クレームワードを記憶したキーワードデータベースに、前記クレームワードとして記憶されているか否かを検索するステップと、
音声認識された情報が、前記クレームワードとして前記キーワードデータベースに記憶される場合、クレームに対応した内容を示すクレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面に応じたクレーム画面データを生成するステップと、
生成したクレーム画面データをオペレータ端末へ送信するステップと
を実行することを特徴とするオペレータ画面提供方法。
【請求項8】
ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示す会話内容部を含む画面データをコールセンターシステムから受信して、その画面データに基づく画面を生成して表示する表示端末装置において、
電話会話から音声認識された情報が、クレームワードを記憶したキーワードデータベースに、前記クレームワードとして記憶されていたことに伴って生成されたクレームに対応した内容を示すクレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面に応じたクレーム画面データを前記コールセンターシステムから受信した場合、受信したクレーム画面データに基づいて、前記クレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面を生成する手段と、
生成したクレーム画面を表示する手段と
を備えることを特徴とする表示端末装置。
【請求項9】
オペレータの表示端末装置が、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示す会話内容部を含む画面データをコールセンターシステムから受信して、その画面データに基づく画面を生成して表示するオペレータ画面表示方法において、
前記表示端末装置は、
電話会話から音声認識された情報が、クレームワードを記憶したキーワードデータベースに、前記クレームワードとして記憶されていたことに伴って生成されたクレームに対応した内容を示すクレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面に応じたクレーム画面データを前記コールセンターシステムから受信した場合、受信したクレーム画面データに基づいて、前記クレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面を生成するステップと、
生成したクレーム画面を表示するステップと
を実行することを特徴とするオペレータ画面表示方法。
【請求項10】
コンピュータシステムに、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを生成してオペレータ端末へ送信する処理を実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータシステムに、
電話会話から音声認識された情報が、クレームワードを記憶したキーワードデータベースに、前記クレームワードとして記憶されているか否かを検索するステップと、
音声認識された情報が、前記クレームワードとして前記キーワードデータベースに記憶される場合、クレームに対応した内容を示すクレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面に応じたクレーム画面データを生成するステップと、
生成したクレーム画面データをオペレータ端末へ送信するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
ディスプレイを有するコンピュータに、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを含む画面データをコールセンターシステムから受信して、その画面データに基づく画面を生成して表示する処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
電話会話から音声認識された情報が、クレームワードを記憶したキーワードデータベースに、前記クレームワードとして記憶されていたことに伴って生成されたクレームに対応した内容を示すクレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面に応じたクレーム画面データを前記コールセンターシステムから受信した場合、受信したクレーム画面データに基づいて、前記クレーム情報部及び前記会話内容部を含むクレーム画面を生成するステップと、
生成したクレーム画面を表示するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンターにおけるユーザ及びオペレータによる電話会話の音声認識を行うものであり、音声認識による会話内容を示す会話テキストに加えて、音声認識で得た各種情報に応じた内容を一つの画面内に表示することでオペレータ業務を支援するようにしたコールセンターシステム、オペレータ画面提供方法、表示端末装置、オペレータ画面表示方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザからの注文、問合せ等の電話を受けるコールセンターにおいて、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声について音声認識を行って、会話内容を文字(テキスト)で表示端末装置の画面に表示し、オペレータ等が会話内容を視覚的に確認できるようにしたものが従来より存在している。例えば、下記の特許文献1では、音声認識を行った会話内容を要約して、オペレータ端末(オペレータの使用するコンピュータ)の画面に表示することが開示され、下記の特許文献2では、ユーザとオペレータの通話中に音声認識を行い、通話の進行に伴ってリアルタイムで会話内容を会話時間と共に、オペレータ端末に表示することが開示される(特許文献2の
図8-10等参照)。
【0003】
また、下記の特許文献3では、利用者(ユーザ)及びオペレータの音声の双方の音声認識を行うと共に、ユーザIDを認識した場合は、そのユーザIDに応じた利用者の情報(利用者名、住所、電話番号等)を読み出してオペレータの表示装置に表示すること、商品注文に関する音声を認識した場合は、商品注文画面をオペレータの表示装置に表示すること等を開示する(特許文献3の段落0012、0020、0034等の記載参照)。
【0004】
さらに、下記の特許文献4では、ユーザ(顧客)とオペレータの電話での会話について音声認識を行ってテキストデータに変換し、そのテキストデータを記憶保存することで、後から、ユーザとオペレータの会話内容(注文、問合せ)を確認できるようにしている(特許文献4の
図8等参照)。なお、音声認識により商品の注文を受けることは、下記の特許文献5にも開示される(特許文献5の第2図等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-87005号公報
【特許文献2】特開2006-285212号公報
【特許文献3】特開平10-322450号公報
【特許文献4】特開2006-126966号公報
【特許文献5】特開平3-144793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コールセンターのオペレータにとって、電話をかけてきたユーザを特定することは大変重要である。電話をかけてくるユーザとしては、既にシステムにユーザ情報等が登録済みとなった登録ユーザ(既存ユーザ)と新規ユーザに大別される。登録ユーザが電話をかけてきた場合、電話会話の音声について音声認識で、そのユーザを特定する情報(ユーザのID、氏名、電話番号、メールアドレス等)が判明すれば、登録ユーザの情報を記憶するユーザデータベースから、判明したユーザの情報を読み出してオペレータ端末に表示すれば、電話をかけてきたユーザが、どのような人であるかをオペレータは把握できるが、新規ユーザの場合は、ユーザに関する情報を新たに登録する必要がある。
【0007】
新規ユーザの情報を登録する場合、音声認識により、新規ユーザの情報(氏名、電話番号、メールアドレス、住所等)を取得して表示することは可能であるが、音声認識の結果は常に100パーセント正しいとは限らないため、音声認識の結果をオペレータが確認する必要がある。音声認識の内容に間違いが無いかを確認するのは、今までの会話内容と照らし合わせて行うことが有効であるが、従来のものは、音声認識で取得した新規ユーザの情報を表示するだけに留まるため、一つ画面内で会話内容と照らし合わせて確認できなかったことから、音声認識結果の確認作業をスムーズに行えないという問題がある。
【0008】
なお、電話会話の内容を視覚的に確認するために、例えば、上述した特許文献2の
図8-10に示す技術を使用して、ユーザとオペレータの会話内容をリアルタイムで画面表示することも想定できるが、特許文献2の
図8-10は会話内容を示す画面だけなので、確認を行うには、音声認識の結果から得られたユーザの情報を表示する画面と、特許文献2に係る会話内容の画面を適宜、切り替えねばならず、却ってオペレータの負担が大きくなるという問題もある。
【0009】
また、電話をかけてくるユーザの音声が常に明瞭であるとは限らず、例えば、滑舌の悪いユーザの場合は、音声認識の精度が低下する傾向となり、このような場合で、上述した新規ユーザの情報入力を行う際、音声認識に依存すると、誤った音声認識の結果をオペレータが修正しなければならず、却ってオペレータの業務効率を悪化させてしまうという問題もある。
【0010】
さらに、ユーザの氏名や住所等については、読み方が同じであるが、使われる漢字が異なることもあり、このような氏名や住所等についても、音声認識に依存すると、同じ読み方の間違った漢字に変換されてしまい、オペレータの修正が必要となって、上記の場合と同様に、却ってオペレータの負担が大きくなるという事態が生じる。そして、ユーザの氏名や住所等については、難解な漢字、番地、及びマンション名等を正確に音声認識する必要があり、現実的には通常の音声認識だけでは対応しにくい状況が生じる場合もある。
【0011】
さらにまた、コールセンターへかかってくるユーザからの電話は、商品の注文やクレームを目的とするものであることが多く、これらの商品の注文やクレームの内容をオペレータは、耳で聞き取った内容又は音声認識により、正確に把握しなければならないが、そのときのユーザの会話の中身、会話の流れ等をオペレータがリアルタイム的に視認できれば、オペレータは余裕を持って注文やクレーム等に対応しやすくなることが想定される。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、新規のユーザ情報の入力を受け付ける受付欄を含む部分と、音声認識による会話内容を一緒に表示することで、新規ユーザの登録に係るオペレータの業務を支援するようにしたコールセンターシステム、オペレータ画面提供方法、表示端末装置、オペレータ画面表示方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、音声認識に依存すると、却ってオペレータの業務効率を悪化する事態になることを回避するために、音声認識による自動入力の可否を設定可能にしたコールセンターシステム、オペレータ画面提供方法、表示端末装置、オペレータ画面表示方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、難解な漢字、番地及びマンション名を含むユーザの住所についても、音声認識を利用した処理で認識精度を向上できるようにしたコールセンターシステム、オペレータ画面提供方法、表示端末装置、オペレータ画面表示方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は、ユーザからの商品注文、又はクレーム等について、電話による会話内容を視覚的に確認しながら対応できるようにしたコールセンターシステム、オペレータ画面提供方法、表示端末装置、オペレータ画面表示方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明は、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示すオペレータ向けの画面データを生成するコールセンターシステムにおいて、電話会話から音声認識された情報に、ユーザを特定するユーザ特定情報が含まれない場合、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な複数の空欄の受付欄を含むユーザ情報部、及び前記会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを生成する手段と、生成した画面データをオペレータ端末へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
そして、本発明は、ユーザを特定するユーザ特定情報を含んだユーザに係る情報をユーザごとに対応づけて記憶するユーザデータベースと、電話会話から音声認識された情報にユーザ特定情報が含まれる場合、前記ユーザ特定情報が前記ユーザデータベースに記憶されるか否かの検索を行う手段と、前記ユーザ特定情報が前記ユーザデータベースに記憶されない場合、前記ユーザ特定情報を前記複数の空欄の受付欄の中の一つへ自動入力で受け付ける手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記空欄の受付欄は、自動入力の可否が設定可能にしてあり、自動入力が可に設定された場合、前記空欄の受付欄は、電話会話から音声認識されたユーザに係る情報を自動入力で受け付けるようにしてあり、自動入力が否に設定された場合、前記空欄の受付欄は、電話会話から音声認識されたユーザに係る情報の自動入力を受け付けずに、オペレータの入力操作によりユーザに係る情報の入力を受け付けるようにしてあることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明は、前記ユーザ情報部は、前記受付欄として、ユーザの住所の入力を受け付ける住所受付欄を含み、郵便番号に応じた住所の要求を受け付けた場合、前記郵便番号に応じた住所及び住所の読み方を含む住所情報を外部から取得する手段と、外部から取得した前記住所情報が有する住所の読み方、及び音声認識された情報に含まれる住所の読み方の一致度を算出する手段と、算出した一致度を、下限基準値及び上限基準値と比較する手段と、比較により、算出した一致度が下限基準値を超過して上限基準値未満までの範囲に含まれる場合、前記住所情報が含む住所の都道府県及び区市群の情報に、前記音声認識された情報に含まれる住所の町名以下の情報を加えたものをユーザの住所として、自動入力で前記住所受付欄に受け付ける手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明は、比較により、算出した一致度が下限基準値以下となる場合、又は上限基準値以上となる場合、前記住所情報が含む都道府県、区市群、及び町名の情報に、前記音声認識された情報に含まれる住所の番地以下の情報を加えたものをユーザの住所として、自動入力により前記住所受付欄で受け付ける手段を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明は、前記ユーザ特定情報が前記ユーザデータベースに記憶される場合、前記ユーザ特定情報を含んだユーザに係る情報を前記ユーザデータベースから抽出する手段と、抽出したユーザに係る情報を複数の空欄の受付欄へ自動入力で受け付ける手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、ユーザの注文した商品に係る注文商品情報をユーザごとに対応づけて記憶する注文データベースと、前記ユーザ特定情報に係るユーザに対応づけられる注文商品情報を前記注文データベースから抽出する手段と、抽出した注文商品情報を示す注文商品情報部を更に含む画面データを生成する手段とを備えることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記画面データは、注文対象となる商品に係る商品情報に応じた商品情報部を更に含むことを特徴とする。
【0020】
さらにまた、本発明は、クレームワードを記憶したキーワードデータベースと、電話会話から音声認識された情報が、前記クレームワードとして前記キーワードデータベースに記憶されているか否かを検索する手段と、音声認識された情報が、前記クレームワードとして前記キーワードデータベースに記憶される場合、クレームに対応した内容を示すクレーム情報部、及び前記会話内容部を含む画面データを生成してオペレータ端末へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明は、コールセンターシステムが、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示すオペレータ向けの画面データを生成するオペレータ画面提供方法において、前記コールセンターシステムは、電話会話から音声認識された情報に、ユーザを特定するユーザ特定情報が含まれない場合、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な複数の空欄の受付欄を含むユーザ情報部、及び前記会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを生成するステップと、生成した画面データをオペレータ端末へ送信するステップとを実行することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示すオペレータ向けの画面データをコールセンターシステムから受信して、受信した画面データに基づき電話会話の内容を表示する表示端末装置において、前記コールセンターシステムから、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な複数の空欄の受付欄を含むユーザ情報部、及び前記会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを受信した場合、受信した画面データに基づいて、前記ユーザ情報部及び前記会話内容部を含むオペレータ向けの画面を生成する手段と、生成したオペレータ向けの画面を表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明は、オペレータの表示端末装置が、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示すオペレータ向けの画面データをコールセンターシステムから受信して、受信した画面データに基づき電話会話の内容を表示するオペレータ画面表示方法において、前記表示端末装置は、前記コールセンターシステムから、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な複数の空欄の受付欄を含むユーザ情報部、及び前記会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを受信した場合、受信した画面データに基づいて、前記ユーザ情報部及び前記会話内容部を含むオペレータ向けの画面を生成するステップと、生成したオペレータ向けの画面を表示するステップとを実行することを特徴とする。
【0024】
さらにまた、本発明は、コンピュータシステムに、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示すオペレータ向けの画面データを生成する処理を実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータシステムに、電話会話から音声認識された情報に、ユーザを特定するユーザ特定情報が含まれない場合、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な複数の空欄の受付欄を含むユーザ情報部、及び前記会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを生成するステップと、生成した画面データをオペレータ端末へ送信するステップとを実行させることを特徴とする。
【0025】
本発明は、ディスプレイを有するコンピュータに、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識結果に応じた会話テキストを示すオペレータ向けの画面データをコールセンターシステムから受信して、受信した画面データに基づき電話会話の内容を表示する処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記コールセンターシステムから、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な複数の空欄の受付欄を含むユーザ情報部、及び前記会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを受信した場合、受信した画面データに基づいて、前記ユーザ情報部及び前記会話内容部を含むオペレータ向けの画面を生成するステップと、生成したオペレータ向けの画面を表示するステップとを実行させることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、電話会話が始まって、ユーザが特定できない段階では、ユーザに係る情報の入力の受付が可能な複数の空欄の受付欄を含むユーザ情報部、及び前記会話テキストを示す会話内容部を含む画面データを生成してオペレータ端末へ送信するので、電話会話の内容をテキストで示しながら、ユーザに係る情報を入力できる状態を提供できるようになり、オペレータは会話内容を確認しながら、情報入力を素早く開始することが可能になる。
本発明にあっては、電話会話のユーザが登録ユーザでないと分かれば、とり急ぎ、ユーザを特定できる情報が自動入力されるので、オペレータは会話内容を確認しながら、ユーザ登録に必要なユーザの各種情報の入力を進めていく段取りを立てやすくなる。
【0027】
本発明にあっては、新規ユーザに係る情報について、自動入力の可否を設定可能にしたので、ユーザに係る情報として、読み方が同じで漢字が異なる等の場合があるユーザの氏名や住所等については自動入力を否に設定して、オペレータが手動で入力する状況を提供する一方、音声認識しやすい数字で構成される電話番号等については自動入力を可に設定して、オペレータの入力負担を低減するなどの設定を行うことで、音声認識による自動入力とオペレータの手動入力を対象に応じて使い分けて、実践的に最も作業効率が良くなるような状況を確保できるようになる。
【0028】
本発明にあっては、同じ読み方で異なる漢字が使われる等で、音声認識を用いても正確な内容の取得が困難なユーザの住所(新規ユーザの住所登録)について、音声認識により得た郵便番号に基づき、外部から取得する住所情報(例えば、第1住所情報)と、電話会話から音声認識で得た住所に係る情報(例えば、第2住所情報)とについて、住所の読み方の一致度を算出し、その算出した一致度が、下限から上限の基準値までの範囲に含まれれば、外部から取得した第1住所情報の区市群までの情報に、音声認識に基づく第2住所情報の町名以下の情報を加えたものをユーザの住所として自動入力することから、音声認識を工夫して用いることで、ユーザの住所も正確に得られるにようなり、オペレータの新規ユーザの住所登録作業を支援できる。
【0029】
上述したように、郵便番号と住所の発声音声より、それぞれ別々に住所に係る情報を取得するようにしたので、2つの住所候補が得られるようになり、このような2つの住所候補を、それぞれの読み方の一致度を下限又は上限基準値と比較することで、両者の正確度に関する蓋然性の度合いを客観的に特定できるようになる。そのため、上述したように郵便番号から取得した第1住所情報と、音声認識により得た第2住所情報の読み方の一致度が下限から上限の基準値までの範囲に含まれる場合は、両者は一定の一致度を有すると思われることから、第1住所情報の区市群までの情報に、第2住所情報の町名以下の情報を加えたものをユーザの住所にすれば、単純に音声認識のみに頼る場合に比べて、住所の内容の正確度が高まるようになる。
【0030】
本発明にあっては、算出した一致度が下限基準値以下又は上限基準値以上になれば、郵便番号に基づき外部から取得した第1住所情報が示す都道府県、区市群、及び町名の情報に、音声認識結果による第2住所情報が示す番地以下の情報を加えたものをユーザの住所として自動入力するので、両者の読み方の一致度が低いとき、又は一致度が高いときは、郵便番号に基づいて得た第1住所情報をベースにして、電話会話の音声認識から得た第2住所情報に含まれる番地以下の情報を用いることにより、ユーザの住所が得られようになり、オペレータの新規ユーザの住所登録作業を支援できる。
【0031】
本発明にあっては、電話をかけてきたユーザが、音声認識及びユーザデータベースの検索により登録ユーザであることが判明すると、その登録ユーザに係る情報をユーザデータベースから抽出して各受付欄に自動入力したユーザ情報部と、会話内容を示す会話内容部とを含む画面データを生成して、オペレータ端末に表示するようにしたので、オペレータは会話内容を視認しながら、電話をかけてきた登録ユーザの詳細を確認できるので、その後のユーザとの会話も、会話の流れやユーザの情報を見ながら進められることになり、オペレータがユーザとの会話をスムーズに行えるのを支援できるようになる。
【0032】
本発明にあっては、問合せの多い事例の一つである商品の注文に関する問合せについても、電話をかけてきたユーザが、音声認識及びユーザデータベースの検索により登録ユーザであることが判明したときは、判明した登録ユーザの過去に注文した商品に係る情報がオペレータ端末に予め表示される状況となるので、商品の注文に関する問合せがあっても、表示された内容を見ながらユーザの問合せに対応できる状況を提供できることになり、オペレータは心理的に余裕を持って登録ユーザの商品注文に関する問合せについて回答しやすくなる。
【0033】
本発明にあっては、画面データに、注文対象となる商品に係る商品情報に応じた商品情報部を更に含ませるので、オペレータ端末には、電話会話の内容を示す会話テキストに加えて、商品情報が表示されることになり、会話の内容が商品の注文に進んだ場合でも、オペレータ端末には事前に商品情報が表示されていることから、オペレータは慌てることなく、オペレータ端末に表示された商品情報を確認しながら対応することが可能になると共に、一連の会話内容もオペレータ端末に表示されているので、会話の流れも確認しながら、商品注文に関する対応を行える状況をオペレータに提供できるようになる。
【0034】
本発明にあっては、電話会話から認識したワードがキーワードデータベースにクレームワードとして記憶されていれば、クレームに対応した内容を示すクレーム情報部及び会話内容を示す会話内容部を含む画面データを生成してオペレータ端末へ送信するので、問合せの多い事例の一つであるクレームについても、クレーム情報部に示される内容を見ながらオペレータは対応できるようになり、また、それまでの会話内容を同時に確認できることから、クレーム対応に関するオペレータの心理的負担を低減するのに役立てられる。
【発明の効果】
【0035】
本発明では、コールセンターのオペレータは、ユーザとの電話会話の内容をテキストで示した会話テキストを見ながら、音声認識で自動入力されるユーザに係る情報を確認できるので、新規ユーザに係る情報の登録作業に対するオペレータの負担を低減できる。
また、本発明では、音声認識による自動入力とオペレータの手動入力を入力対象となる情報の中身に応じて使い分けることができ、最も作業効率が良くなるように入力作業状況を設定できる。
【0036】
本発明では、音声認識により得た郵便番号に基づいた住所情報と、電話会話からの音声認識で得た住所情報とを、両者の一致度に応じて適宜、組み合わせて、その組み合わせた内容をユーザの住所として自動入力するので、単に音声認識を用いるだけでは正確な入力が困難な住所についても、入力される住所の精度を向上でき、オペレータのユーザ住所登録作業を支援できる。
また、本発明では、電話をかけてきたユーザが音声認識等により登録ユーザであることが判明すると、その登録ユーザに係る情報を示すユーザ情報部と、電話会話の内容を示す会話内容部とを一つの画面でオペレータ端末に表示するので、オペレータは会話内容を見ながら、登録ユーザの詳細を確認でき、オペレータが登録ユーザとの会話をスムーズに進めることを支援できる。
【0037】
本発明では、電話をかけてきたユーザが、音声認識等により、登録ユーザであることが判明した場合、その登録ユーザの過去に注文した商品に係る情報がオペレータ端末に表示されるので、オペレータが心理的に余裕を持って登録ユーザの商品注文に関する問合せ等について回答しやすい状況を提供できる。
また、本発明では、注文対象となる商品に係る商品情報に応じた商品情報を、電話会話の内容を示す会話テキストと共にオペレータ端末に表示させるので、新たな商品の注文や問合せ等についてもスムーズに対応しやすい状況を提供できる。
【0038】
本発明では、クレームの電話を受けると、クレームに対応した内容を、会話内容と共にオペレータ端末に表示するので、クレーム対応に役立つ情報をオペレータに提示でき、心理的負担の大きいクレーム対応についても、提示する情報によりオペレータの不安を和らげてクレーム対応の業務を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の実施形態に係るコールセンターシステムを含むオペレータ支援システムの全体的な構成を示す概略図である。
【
図2】オペレータ端末である表示端末装置の主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図3】(a)はディスプレイ画面に表示されたログイン画面を示す概略図、(b)は待受画面を示す概略図である。
【
図4】空欄の受付欄を含むユーザ画面を示す概略図である。
【
図5】ユーザに係る情報が自動入力された受付欄及び注文商品情報部を含むユーザ画面を示す概略図である。
【
図6】商品情報部を含むユーザ画面を示す概略図である。
【
図7】ディスプレイ画面に表示されたクレーム画面を示す概略図である。
【
図8】DBシステムの概要的な内部構成を示すブロック図である。
【
図9】オペレータデータベースの中身の一例を示す図表である。
【
図10】登録ユーザデータベースの中身の一例を示す図表である。
【
図11】キーワードデータベースの中身の一例を示す図表である。
【
図12】商品データベースの中身の一例を示す図表である。
【
図13】注文データベースの中身の一例を示す図表である。
【
図14】クレームデータベースの中身の一例を示す図表である。
【
図15】(a)は会話音声データベースの中身の一例を示す図表であり、(b)は会話テキストデータベースの中身の一例を示す図表である。
【
図16】音声取得サーバの主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図17】音声認識サーバの主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図18】WEBサーバの主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図19】自動要約サーバの主要な内部構成を示すブロック図である。
【
図20】オペレータ画面提供方法に係る一連の処理手順を示す第1フローチャートである。
【
図21】オペレータ画面提供方法に係る一連の処理手順を示す第2フローチャートである。
【
図22】オペレータ画面提供方法に係る一連の処理手順を示す第3フローチャートである。
【
図23】オペレータ画面提供方法に係る一連の処理手順を示す第4フローチャートである。
【
図24】オペレータ画面提供方法に係る一連の処理手順を示す第5フローチャートである。
【
図25】オペレータ画面提供方法に係る一連の処理手順を示す第6フローチャートである。
【
図26】オペレータ画面提供方法に係る一連の処理手順を示す第7フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例0040】
図1は、本発明に係る実施形態のコールセンターシステム10を含むオペレータ支援システム1の全体的な構成を示す概略図である。本実施形態のオペレータ支援システム1は、商品の販売を行う事業体を運営するコールセンターシステム10に応じたコールセンターにて、ユーザからの電話応対(電話による商品の注文等の対応)を行うオペレータが行う業務を支援するものである。概要的には、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声認識を行って、電話会話の内容を示す一連の会話テキストと、電話会話の内容に応じた各種情報を一緒にしてオペレータ端末の画面に表示することで、電話会話の内容と、電話をかけてきたユーザに関する様々な情報等をオペレータが同時的に確認可能にすると共に、ユーザに係る情報の入力を補助できるようしたことが特徴になっている。
【0041】
オペレータ支援システム1は、複数のサーバ20~50等より構成されるコールセンターシステム10をネットワークNWにより、オペレータOP1、OP2等が使用するオペレータ端末T10、T11等及びオペレータ電話機P10、P11等と接続した構成になっている(各オペレータ端末とオペレータ電話機はそれぞれセットになっている)。このようなオペレータ支援システム1は、ユーザU1、U2等が使用するユーザ電話機P1、P2等と、大規模電話網、IP-PBX、第1接続ポイント3a、及び第2接続ポイント3b等を介して接続されており、ユーザ電話機P1、P2等からの架電を、オペレータ電話機P10、P11等で受電できるようにすると共に、ユーザU1等とオペレータOP1等が電話会話できるようにしている。
【0042】
なお、IP-PBXは交換機であり、接続線L1で第1接続ポイント3aと接続され、第1接続ポイント3aは接続線L2でコンピュータシステムであるコールセンターシステム10と接続されると共に、接続線L3で第2接続ポイント3bと接続される。オペレータ電話機P10、P11等は、それぞれ内線番号が割り当てられており、コールセンター宛ての電話番号(代表電話番号)にかかってきた電話を、接続ポイント3b等は、複数のオペレータ電話機P10等の中から、空いているオペレータ電話機P10等の内線番号へ割り当てることで、いずれかのオペレータ電話機P10等で受電できるようにしている。
【0043】
また、電話が繋がった場合(いずれかのオペレータ電話機で受電された場合)、電話をかけてきたユーザU1等の音声及び電話を受けたオペレータOP1等の音声は、それぞれコールセンターシステム10へも送られ、このコールセンターシステム10にて、音声認識処理が行われ、音声認識された結果を示すテキスト(会話テキスト)を含む画面データがオペレータ端末T10等へ配信されるので、オペレータOP1等はユーザU1等との電話会話を耳で聞くことに加えて、オペレータ端末T10等で視覚的にも確認できるようなっており(
図4~7等参照)、聞き間違い等が生じにくくしている。
【0044】
なお、
図1では、図示内容が煩雑になるのを防ぐため、二人のユーザU1、U2、及び二人のオペレータOP1、OP2を示すに留まるが、実際の運用状況では、それぞれ二人以上のユーザ、オペレータが存在し、ユーザ電話機P1、P2、オペレータ端末T10、T11、オペレータ電話機P10、P11も、ユーザ及オペレータの人数に応じた台数が使用されることになる。以下、このような本発明について、オペレータ端末T10等から詳しく説明していく。
【0045】
図2は、オペレータ端末T10、T11等として使用される表示端末装置5の主要な内部構成を示している。本実施形態では、表示端末装置5(オペレータ端末T10、T11等に相当)としては一般的なコンピュータ(パーソナルコンピュータ)が使用されており、CPU5aに、通信部5b、メモリ5c、入力インタフェース5d、表示出力インタフェース5e、及び記憶部5fを内部接続線5gで接続した構成になっている。
【0046】
CPU5aは、装置における各種制御を行うものであり、記憶部5fに記憶されるプログラムの規定内容に従って様々な処理を行う。通信部5bはネットワークNWと接続され、外部のサーバ、及びコンピュータ等と通信を行うものであるが、特に、本実施形態では、コールセンターシステム10から送られてくる画面データの受信等を行う。メモリ5cは、表示端末装置5がコンピュータとして機能するための基本的な処理を規定したプログラム等を記憶すると共に、CPU5aの処理に伴うデータ及び情報等を一時的に記憶することも行う。
【0047】
入力インタフェース5dは、オペレータOP1等が操作するキーボード、マウス等が接続されるものであり、オペレータOP1等の操作内容(入力操作内容)をCPU5aへ伝える。表示出力インタフェース5eは、ディスプレイ装置6が接続されるものであり、CPU5aの制御処理に基づき生成された各種画面データに応じた画面内容をディスプレイ装置6のディスプレイ画面6aに表示出力する。
【0048】
記憶部5fは、端末OS7、画面表示プログラム8等の各種プログラムを記憶すると共に、各種データ・ファイル等を記憶する。端末OS7は、表示端末装置5をコンピュータとして機能させるためにCPU5aの処理を規定したオペレーティングシステムプログラムである。画面表示プログラム8は、一種のブラウザプログラムに相当し、WEBサーバから配信されるWEBページの画面を表示させる各種処理を規定するコンピュータプログラムである。本発明では、画面表示プログラム8の規定に従って、WEBサーバから送信される画面データに基づき、
図3~7に示す画面100~140を生成して、ディスプレイ装置6のディスプレイ画面6aに表示させると共に、表示された画面でオペレータが操作入力を行うと、操作入力した情報等を画面内の欄などに表示すると共に、入力内容をWEBサーバへ送信する処理等を行う(画面表示プログラム8の規定に従いオペレータ端末(CPU5a)が行う一連の処理の内容がオペレータ画面表示方法に相当)。以下、オペレータ画面表示方法に従って本発明のオペレータ端末(表示端末装置5に接続されたディスプレイ装置6のディスプレイ画面6a)が表示する画面例を説明していく。
【0049】
図3(a)はディスプレイ画面6aに表示されたログイン画面100を示す。本実施形態の画面表示プログラム8は起動すると、自動で
図1に示すコールセンターシステム10に含まれるWEBサーバ40へアクセスするようにプログラミングされており、表示端末装置5がログオフ状態でWEBサーバ40へアクセスした場合に、WEBサーバ40から表示端末装置5へ送られてくるのが、ログイン画面100に応じた画面データになっている。表示端末装置5(CPU5a)は、WEBサーバ40から送信されたログイン画面100用の画面データを受信すると、その画面データに基づいて、
図3(a)に示すログイン画面100を生成し、出力インタフェース5eからディスプレイ装置6へ出力する処理を行う。
【0050】
このようなログイン画面100は、ログインID入力欄100a、パスワード入力欄100b、及び選択可能なログインボタン100cを有する。ログインID入力欄100a及びパスワード入力欄100bは、カーソルCが示されると、入力インタフェース5dに接続されたキーボードのキー入力操作により、所定の文字入力が可能になっている(他の画面における受付欄等への入力も同様)。また、各入力欄100a、100bに文字が入力されている状態で、入力インタフェース5dに接続されたマウス等の選択操作によりログインボタン100cの選択が行われると、各入力欄100a、100bに入力されていた文字(ログイン情報に相当)を含むログイン要求がWEBサーバ40へ送信されるように、ログイン画面100は作り込まれている。
【0051】
したがって、コールセンターのオペレータは、オペレータ業務を開始するにあたり、
図3(a)のログイン画面100を表示端末装置5(オペレータ端末)に表示することになり、このログイン画面100に対して、自身のログインID及びパスワード(PW)の入力操作を行うことでコールセンターシステム10が提供するオペレータ支援サービスへのログインを行う。
【0052】
図3(b)は、ディスプレイ画面6aに表示される待受画面110を示す。ログイン情報に基づくログインが完了すると、待受画面110に応じた画面データがWEBサーバ40から表示端末装置5へ送信されてくるので、表示端末装置5(CPU5a)は、WEBサーバ40から送信された待受画面110用の画面データを受信すると、その画面データに基づいて、
図3(b)に示す待受画面110を生成し、出力インタフェース5eからディスプレイ装置6へ出力する処理を行う。
【0053】
待受画面110は、画面左側の情報部111及び残りの範囲の待受画像部112を含み、情報部111は、ログインの完了したオペレータ名113を含むと共に、自動要約一覧114を含む。自動要約一覧114は、過去のユーザとの会話内容の要約の一覧を示すものであり、いずれかを選択すると、そのよう要約が待受画像部112に表示されるようになっている(コールセンターシステム10のDBシステム60に含まれる会話テキストデータベース68に記憶される要約文が読み出される)。また、待受画面110は、画面右上に選択操作の可能なログアウトボタン110aを配置しており、このログアウトボタン110aの選択操作を受け付けると、WEBサーバ40へログアウト要求を送信するように、待受画面110は作り込まれており、オペレータは、その日の業務を完了した場合などにログアウト操作を行うことになる。
【0054】
図4は、ディスプレイ画面6aに表示されたユーザ画面120を示す。ユーザ画面120は、
図1に示すオペレータOP1等が、オペレータ電話機P10等でユーザU1等からの電話を受けた場合に表示されるオペレータ向けの画面になっている。ユーザ画面120は、スクリプト系の言語を含むマークアップ言語をベースにしたオペレータ向けの画面データに基づき生成されるので、画面内に含まれるボタン等の操作に応じた各種処理を実行するように作り込まれている。
【0055】
本実施形態のユーザ画面120は、画面左側の会話内容部121と、画面中央から右側の範囲に至るユーザ情報部122を含んでいる。この
図4に示すユーザ画面120は、電話を受けて少し会話を行った程度のため、電話をかけてきたユーザが、登録ユーザであるか又は新規ユーザであるかを、コールセンターシステム10で特定できていない状態の画面内容になっている。
【0056】
会話内容部121は、三つの部分に分かれており、左部分はユーザの一連の会話テキストを示すユーザ会話部分121aであり、中央部分は会話時間の経過を示す時間部分121bであり、右部分はオペレータの一連の会話テキストを示すオペレータ会話部分121cである。ユーザ会話部分121a及びオペレータ会話部分121cに示される各会話テキストが画面縦方向において時系列順に配置されており、上方が時間的に古い会話テキストであり、下方へいくほど時間的に新しい会話テキストになるように並んでいる。なお、本発明における会話テキストとは基本的に、ユーザ又はオペレータが相互に電話会話を行う中で、一回分の会話内容に応じたテキストを意味し、例えば、オペレータの「はい」という返答、「ありがとうございます」という返答のそれぞれが、一つの会話テキストに該当する。
【0057】
また、時間部分121bに示される時間(時刻)は、個々の会話テキストに応じた音声が発せられた時間(詳しくは、その音声をコールセンターシステム10が取得した時間)を示している。なお、会話内容部121が含む情報(各会話テキスト、及び時間)は、ユーザとオペレータの会話の進行に伴って随時更新される(新たな会話テキスト及び時間が追加されていく)。さらに、会話内容部121は、右端に画面垂直方向のスクロールバー121dを有しており、長い会話内容になっても、このスクロールバー121dをオペレータがマウス等で操作することで、所望の会話内容をディスプレイ画面6a内に表示できるようにしている。
【0058】
ユーザ画面120のユーザ情報部122は、ユーザに係る情報の入力を受け付ける複数の受付欄(空欄の受付欄)を有する構成になっている。具体的に、ユーザ情報部122は、ユーザの氏名(姓名)の入力を受け付ける氏名受付欄123a、氏名受付欄123aの自動入力の可否を設定する氏名自動設定ボタン123b、性別受付欄124、電話番号受付欄125、生年月日受付欄126、郵便番号受付欄127a、住所検索ボタン127b、及び住所受付欄128等を含むものになっている。
【0059】
氏名受付欄123a、性別受付欄124、電話番号受付欄125、生年月日受付欄126、郵便番号受付欄127a、及び住所受付欄128は、基本的に電話会話から音声認識された情報(音声認識に基づく会話テキストに含まれるユーザに係る情報を示すテキスト,数字等の情報)を自動入力で受け付けるようになっているが、勿論、オペレータのキーボード等の操作による手動入力も受付可能になっている。
【0060】
氏名受付欄123aについては、空欄の際、氏名自動設定ボタン123bのオン/オフによりユーザの氏名(ユーザに係る情報に相当)が自動入力の可否が設定可能になっており、音声認識による氏名の自動入力が氏名受付欄123aで行われるのは、氏名自動設定ボタン123bがオンの状態で自動入力が可に設定されている場合であり、氏名自動設定ボタン123bがオフの状態で自動入力が否に設定されている場合は、音声認識による氏名の自動入力は保留状態となって、音声認識された氏名の自動入力を受け付けずに、オペレータのキーボード等の操作による手動の氏名(情報)入力が受付可能となる。これは、電話をかけてきたユーザの音声が明瞭でないとき等に音声認識に頼ると、誤入力が生じやすくなる状況が生じることがあり、また、特に氏名については、同音で異なる漢字候補が多数存在する状況も生じることがあるので、これらの場合では自動入力を否に設定した方が却って効率的に入力業務を行えることから、適宜、自動入力の設定をオペレータの判断により可又は否に切替可能にしている。なお、氏名自動設定ボタン123bがオンのときは、黒色で塗りつぶした状態で示す(
図5等参照)
【0061】
また、郵便番号受付欄127aには、住所検索ボタン127bが付随しており、郵便番号受付欄127aに郵便番号を示す数字の入力を受け付けた状態で、この住所検索ボタン127bの選択操作を受け付けると、郵便番号受付欄127aに入力された郵便番号に応じた住所の要求を受け付けたことになり、外部の住所情報提供システムのサーバ装置へWEBサーバ40を介して郵便番号受付欄127aに入力された郵便番号に応じた住所情報の要求を送信するように、ユーザ画面120は作り込まれている。そして、住所情報の要求送信に応じて、表示端末装置5が住所情報を取得した場合は、その取得した住所情報を住所受付欄128に自動入力することになる。ただし、この住所受付欄128への自動入力は、音声認識結果も反映したものになっており、後述するWEBサーバ40の処理により、外部から取得した住所情報に含まれる区市群又は町名等までの情報に、音声認識により得られた情報(町名以下の情報又は番地以下の情報)を組み合わせてユーザの住所を生成して住所受付欄128に自動入力するようになっている。
【0062】
初めて商品の注文を行うユーザのような新規のユーザについては、上述した各受付欄123a等のそれぞれで、新規のユーザに係る情報の入力を受け付けることになるが、過去に注文を行ったことのある登録ユーザについては、電話番号受付欄125において、電話番号を自動入力で受け付けると、コールセンターシステム10にて、DBシステム60(
図1参照)に含まれる登録ユーザデータベース62(
図8、10参照)の照会(検索)を行って、ヒットした情報(登録ユーザに係る情報)を登録ユーザデータベース62から抽出して、各受付欄123a等に自動入力される。このように登録ユーザデータベース62の検索から、登録ユーザに係る情報を自動入力する処理は、氏名自動設定ボタン123b(音声認識による自動入力が否の設定状態)でも行われる。
【0063】
なお、
図4では図示していないが、ユーザ画面120におけるユーザ情報部122は、他の情報の受付欄も含み、例えば、注文された商品の送り先が、住所受付欄128で受け付けた住所と異なるときの送り先住所の受付欄、決済方法の受付欄、配送方法の受付欄、お届け希望日時の受付欄、電話連絡可否の受付欄、及びダイレクトメールの送付可否の受付欄等も含む。ユーザ情報部122は、右端に画面垂直方向のスクロールバー122aを有しており、このスクロールバー122aをオペレータがマウス等で操作することで、上述した
図4では図示されない各種受付欄をディスプレイ画面6a内に表示できるようにしている。
【0064】
また、ユーザ画面120は、画面右上隅にログインしたオペレータ名120aを示す共に、画面左下隅には戻るボタン120bを配置し、画面右下隅にはダウンロードボタン120c、一時保存ボタン120d、登録ボタン120eを配置している。戻るボタン120bは、ディスプレイ画面6aに様々な画面が表示された場合で、一つ前の画面に表示を切り替えるときに選択されるボタンである。ダウンロードボタン120cは、登録ユーザ等に関する各種情報のダウンロードをオペレータが要求するときに選択されるボタンである。一時保存ボタン120dは、上述した各受付欄123a等で入力を受け付けた情報を表示端末装置5又はWEBサーバ40で一時的に記憶するときに選択されるボタンになっている。登録ボタン120eは、上述した各受付欄123a等で入力を受け付けた情報(例えば、新規ユーザに係る情報)をコールセンターシステム10で登録(新規ユーザの登録等)するときに選択されるボタンになっている。
【0065】
図5は、ディスプレイ画面6aに表示されたユーザ画面120′を示す。ユーザ画面120′は、上述した
図4に示すユーザ画面120を表示していた状況から電話会話が進行し、電話会話により、電話をかけてきたユーザが登録ユーザであることが判明した場合に表示されるものである。このユーザ画面120′は、基本的に、
図4のユーザ画面120と同等の構成になっており、画面左側に会話内容部121′を含むと共に、画面中央から右側の範囲に至る上側にユーザ情報部122′を含み、異なる点としては、ユーザ情報部122′の下方に注文商品情報部130を含むこととなる。
【0066】
画面左側の会話内容部121′は、
図4に示す会話内容部121から電話会話が進行しており、ユーザの電話番号等を含むユーザを特定する各種情報(ユーザ特定情報)が会話テキストに示された状態になっている。また、右上側のユーザ情報部122′は、電話会話から音声認識された電話番号より、電話をかけてきたユーザが登録ユーザであることが判明したので、登録ユーザデータベース62から抽出された登録ユーザに係る情報が、各受付欄123a′等に自動入力された状態になっている。
【0067】
さらに、ユーザ情報部122′の下方に配置される注文商品情報部130は、判明した登録ユーザが過去に注文した商品に係る注文商品情報(注文日時、商品ID、商品名、価格、個数等)を提示するものであり、登録ユーザの判明に伴って、DBシステム60(
図1参照)に含まれる注文データベース67(
図8参照)の照会(検索)を行って、ヒットした情報(過去に注文した商品の情報)を抽出し、注文商品情報部130の各欄に自動入力されている。
【0068】
電話をかけてきたユーザの過去の注文商品に係る情報を、会話内容部121′及びユーザ情報部122′と一緒にして一つの画面内に提示することにより、電話会話の内容が、過去に注文した商品に関する内容に進んでも、電話会話の今までの経緯や、電話をかけてきたユーザの情報も参照しながら、注文商品情報部130で提示されている情報によりオペレータは余裕を持って対応しやすくなる。なお、
図5のユーザ画面120′は、上述した箇所以外は、
図4のユーザ画面120と同等になっている。
【0069】
図6は、ディスプレイ画面6aに表示されたユーザ画面120″を示す。ユーザ画面120″は、上述した
図5に示すユーザ画面120′を表示していた状況から更に電話会話が進行し、電話会話の中に商品に係る言葉が発せられたときに、ディスプレイ画面6aに表示される。このユーザ画面120″も基本的に、
図5のユーザ画面120′と同等の構成であり、画面左側に会話内容部121″を含むと共に、画面中央から右側の範囲に至る上側にユーザ情報部122″と、その下方に注文商品情報部130″を含み、異なる点としては、注文商品情報部130″の下方に商品情報部131を含むこととなる。なお、
図6において、ユーザ情報部122″及び注文商品情報部130″の内容は、
図5に示す中身(ユーザ情報部122′及び注文商品情報部130)と同等である。
【0070】
画面左側の会話内容部121″は、
図5に示す会話内容部121′から更に電話会話が進行しており、電話会話の進行中も会話に出てくるワード(音声認識されたワード)は、DBシステム60に含まれる各データベースに対して検索が行われており、コールセンターを運営する事業体が販売する商品に係る情報を示すワード(例えば、商品名、商品のジャンル、商品の特徴、商品の機能等を示す商品ワード)が登場すると、DBシステム60に含まれる商品データベース64(
図8、
図12参照)から、その商品ワードに応じた商品情報(注文対象となる商品に係る商品情報)が抽出される。
【0071】
このように抽出された商品情報は商品情報部131の中に配置されており、
図6に示す例では、会話テキストの中に出てきた「透明感」及び「ハリ」という商品の特徴、機能を示す商品ワードに応じた商品情報が3件ヒットして、商品情報131a~131cが配置されている状態を示している。このように電話会話の中に出てきた商品ワードに応じた商品情報を、電話会話の内容、ユーザ情報、及び過去の注文商品を示す情報等と一緒にして一つの画面内に提示することにより、電話会話の進行に応じた商品をユーザが尋ねる場合や、その商品をオペレータがユーザに薦める場合などに、商品情報部131を参照できるので、オペレータはユーザ対応を行いやすくなり、しかも、今までの電話会話の内容やユーザ情報等も視認できるので、総合的に様々な内容を確認しながら、オペレータはユーザ対応を行える状況を確保できる。
【0072】
図7は、ディスプレイ画面6aに表示されたクレーム画面140を示す。クレーム画面140は、上述した
図4に示すユーザ画面120において、新規のユーザ登録が完了した場合、又は、
図5に示すユーザ画面120′において、電話をかけてきたユーザが登録ユーザであることが判明した場合や、又はユーザが特定できない状況において、電話会話の中で、クレームワードが登場したときに、上述したユーザ画面120、120等から自動で切り替わって表示される画面になっている。クレーム画面140は、画面左側に会話内容部141を含むと共に、画面中央から右側の範囲に至るクレーム情報部142を含む。
【0073】
画面左側の会話内容部141は、
図4のユーザ画面120の中の会話内容部121、
図5のユーザ画面120′の中の会話内容部121′、及び
図6のユーザ画面120″の中の会話内容部121″と同等のものであり、この会話内容部141における複数の会話テキストの中にクレームワードが含まれる会話テキストが示される。一方、クレーム情報部142は、上述した
図4のユーザ画面120の中のユーザ情報部122、
図5のユーザ画面120′の中のユーザ情報部122′等、及び
図6のユーザ画面120″の中のユーザ情報部122″等と全く異なった内容になっている。そのため、ユーザ画面120、120′、120″をディスプレイ画面6aに表示している状態から、クレーム画面140に表示が自動で切り替わるときは、ユーザ画面120、120′、120″の中のユーザ情報部122、122′、122″が、クレーム情報部142に切り替わるイメージで、画面切替が行われる。
【0074】
クレーム情報部142は、上部に帳票タブ143と、クレームタブ144をいずれか一方を選択可能に有しており、
図7はクレームタブ144が選択された状態を示す。なお、帳票タブ143が選択されると、クレーム画面140を表示する前に、ディスプレイ画面6aで表示していた直近の画面(ユーザ画面120、120′、120″のいずれか)へと表示が切り替わる。
【0075】
クレーム情報部142は、表形式のフォーマットになっており、上から受付日欄142a、状況欄142b、顧客欄142c、顧客電話欄142d、商品名欄142e、発生日欄142f、緊急度欄142g、クレーム内容欄142hを有する。受付日欄142aは、画面左側の会話内容部141に示される電話会話の電話を受けた日が自動入力されるようになっている。状況欄142bは、Open(継続中)又はClose(完了)のいずれかが自動入力されるものであり、コールセンターシステム10の運営事業体側で最終的にOpen又はCloseが判断される。
【0076】
顧客欄142cは、電話をかけてきたユーザ(顧客)の氏名が自動入力されるようになっており、これはクレーム画面140の前に表示されていたユーザ画面120等のユーザ情報部122等に含まれる氏名受付欄123a等に入力されていた氏名が、そのまま引き継がれて自動入力される。顧客電話欄142dは、電話をかけてきたユーザ(顧客)の電話番号が自動入力されるようになっており、これも上述したユーザの氏名の場合と同様に、クレーム画面140の前に表示されていたユーザ画面120等のユーザ情報部122等に含まれる電話番号受付欄125等に入力されていた電話番号が、そのまま引き継がれて自動入力される。なお、ユーザが未だ特定できない状況でクレーム画面140に表示が切り替わった場合は、その後の会話でユーザの氏名、電話が判明した時点で、顧客欄142c、顧客電話欄142dに、音声認識結果による自動入力又はオペレータの手動入力により氏名、電話が入力される。
【0077】
商品名欄142e及び発生日欄142fは、音声認識結果による自動入力又はオペレータの手動入力により商品名、発生日がそれぞれ入力される。緊急度欄142gには、「高」、「中」,又は「低」のいずれかが入力されるようになっており、これらの中で「高」は、クレーム画面140を表示する要因となったクレームキーワードに「緊急度:高」を示す付帯情報が付帯していれば、「高」が自動入力されるようになっており、それ以外のときはオペレータの判断により「中」,又は「低」のいずれかが手動入力される。
【0078】
また、クレーム内容欄142hは、このクレーム画面140が表示される要因となったクレームワードが登場した電話会話の前後の内容に基づきコールセンターシステム10で自動要約した内容が自動入力されると共に、オペレータによっても適宜、追加で手動入力が可能になっている。
【0079】
このようなクレーム画面140がディスプレイ画面6aに表示されるのは、会話テキストの含まれるワードが、随時、コールセンターシステム10で検索されるからである。すなわち、電話会話の中に出てくるワード(音声認識された情報であるワード)は、DBシステム60に含まれるキーワードデータベース63(
図8、11参照)に対して随時、検索が行われており、音声認識されたワードがキーワードデータベース63に記憶されたクレームワードにヒットすると、ディスプレイ画面6aの表示が自動でクレーム画面140に切り替わるようになっている。
【0080】
このよう自動でクレーム画面140に表示を切り替えることで、ユーザからのクレームにオペレータが対応しやすい環境を素早く整えることができ、具体的には、クレーム情報部142のクレーム内容欄142hに示されるクレーム内容の要約等により、ユーザからクレーム内容を把握しやすくなると共に、画面左側の会話内容部141が示す電話会話の経緯も参照できるので、ユーザのクレーム状況を多面的に確認しやすい状況が得られる。
【0081】
本発明では、上述したようにオペレータ端末(表示端末装置5)が有するディスプレイ装置6のディスプレイ画面6aに、
図4~7等に示す各種画面120~140を表示して、様々な局面で、電話会話の内容に即した各種情報を提示して、オペレータ業務を支援するものとなっている。次に、
図1に示すオペレータ支援システム1に含まれるコールセンターシステム10について説明する。
【0082】
図1に示すように、コールセンターシステム10は、音声取得サーバ20、音声認識サーバ30、WEBサーバ40、自動要約サーバ50、及びDB(データベース)システム60を含むコンピュータシステムであり、これら各サーバ20~50及びDBシステム60は、コールセンターシステム10の内部でネットワーク接続されて、各サーバ間で相互にそれぞれ通信可能になっていると共に、システム外部ともネットワーク網で接続されて、外部の各端末、装置、機器、サーバ等とも通信可能になっている。
【0083】
図8は、DBシステム60の概要的な内部構成を示し、オペレータデータベース61、登録ユーザデータベース62、キーワードデータベース63、商品データベース64、注文データベース65、クレームデータベース66、会話音声データベース67、会話テキストデータベース68等を含む。なお、DBシステム60は、DB制御部60a及び通信部60b等を有しており、DB制御部60aによる通信部60bに対する通信の制御処理等により、外部との通信を行い、外部から送られてきたワード等を用いて、各データベース62等を検索し、検索結果を外部に返す処理や、外部から送られてきた情報やデータ等を各データベース62、63等に記憶(格納)して蓄積できるようにしている。
【0084】
図9は、オペレータデータベース61の中身の概要を示している。オペレータデータベース61は、コールセンターに勤務するオペレータに係る情報を記憶したものである。各オペレータには、コールセンターを運営する事業体から、オペレータを識別(特定)するためのオペレータID(オペレータ識別情報)が付与されており、オペレータデータベース61には、このオペレータIDに対応付けて、オペレータの氏名、オペレータが使用するオペレータ電話機の内線番号、そのオペレータ電話機とセットになったオペレータ端末を識別する端末ID、及びログインに必要なパスワード(PW)等が記憶されている。
【0085】
なお、新規のオペレータが勤務を開始すると、その新規のオペレータに係る情報が、オペレータデータベース61へ新たに記憶される一方、勤務していたオペレータが退職すると、そのオペレータに係る情報がオペレータデータベース61から削除されるなどして、オペレータデータベース61に記憶される情報は適宜、更新される。
【0086】
図10は、登録ユーザデータベース62(ユーザデータベースに相当)の中身の概要を示している。コールセンターを運営する事業体が提供する商品販売サービスに、氏名及び住所等を登録したユーザは登録ユーザとなり、このような登録ユーザに係る情報を登録ユーザデータベース62は記憶している。コールセンターシステム62では、ユーザ登録を行うと、登録ユーザを識別するユーザIDが発行されるようになっており、登録ユーザデータベース62は、ユーザ(ユーザID)ごとに対応付けて、ユーザの氏名、性別、電話番号、生年月日、住所(商品の届け先が住所1と異なるときは別の住所である住所2)、メールアドレス等を、ユーザに係る情報として記憶する。これらのユーザに係る情報は、登録の際、ユーザから提供される。
【0087】
上述したユーザに係る情報に含まれる各種情報の中で、ユーザのID、氏名、電話番号、又はメールアドレスは、ユーザを特定する情報(ユーザ特定情報)に該当するので、登録ユーザデータベース62は、ユーザ特定情報を含むユーザに係る情報をユーザごとに対応づけて記憶することになる。なお、新規のユーザが、ユーザ登録を行うと、その新規の登録ユーザに係る情報が、登録ユーザデータベース62へ新たに記憶される一方、登録ユーザが退会すると、その登録ユーザに係る情報が登録ユーザデータベース62から削除されるなどして、登録ユーザデータベース62に記憶される情報も適宜、更新される。
【0088】
図11は、キーワードデータベース63の中身の概要を示している。キーワードデータベース63は、電話会話の音声認識結果に基づく会話テキストから、オペレータ作業を支援するためのワードが含まれることを特定するための各種キーワードを記憶したものである。すなわち、ユーザとの電話会話を通じてオペレータが行うべき事項として、電話をかけてきたユーザを特定すること(新規のユーザであるのか、又は登録ユーザであるのかを特定)、新規ユーザについては、新規ユーザに係る情報を特定して入力すること、電話をかけてきたユーザの目的を特定すること(問合せであるのか、商品の注文であるのか、又はクレームであるのか等)などがあり、これらの事項に応じた内容を特定するためのキーワードがキーワードデータベース63に記憶される。
【0089】
具体的にキーワードデータベース63には、ユーザを特定するための情報を特定するために、「電話番号」、「名前」及び「氏名」等の文言のキーワードが記憶されており、新規ユーザに係る情報を特定するために「性別」、「生年月日」、「郵便番号」、「住所」等のキーワードが記憶される。また、問合せが多い内容に関連した「費用」、「送付先」、「届け日」等のキーワードが、問合せ用のキーワードとしてキーワードデータベース63に記憶される。さらに、商品注文のための情報を特定するために、「商品」、「商品名」等を示すキーワードがキーワードデータベース63に記憶される。
【0090】
さらに、キーワードデータベース63には、クレーム特定用として、「困っている」、「違う」、「おかしい」、「痛い」、「腫れた」、「赤くなった」等のキーワード(クレームキーワード)が記憶されている。このようなクレームキーワードの中で、「痛い」、「腫れた」、「赤くなった」等の人体に影響を生じさせる状況を表すキーワードは、クレームに対する緊急度が高いと想定されるので、このような人体に影響が生じさせる状況を表すクレームキーワードには「緊急度:高」を示す緊急度情報が付帯した状態で、キーワードデータベース63に記憶される。
【0091】
なお、キーワードデータベース63に記憶される各キーワードは、コールセンターシステム60の管理者等により適宜、見直されており、新たなキーワードが追加されることや、不要となったキーワードが削除されること等で、キーワードデータベース63の中身は更新される。
【0092】
図12は、商品データベース64の中身の概要を示している。商品データベース64は、コールセンターを運営する事業体が販売する商品に係る情報(商品情報)を記憶したものであり、商品を識別する商品IDに対応付けて、商品名、価格、商品内容物個数、商品説明、商品カテゴリ、商品キーワード等と云った商品情報(注文対象となる商品に係る情報)を記憶している。商品情報の中の商品カテゴリとは、商品のジャンル、種類等を示す情報(ワード)であり、例えば「化粧品」、「健康食品」、「美容サプリメント」、「美容ドリンク」等が該当する。また、商品情報の中の商品キーワードとは、商品の特性、機能、効能、対象等を示す情報であり、たとえば、化粧品に属する商品については「透明感」、「ハリ」、「弾力」、「うるおい」等が商品キーワードに該当し、健康食品に属する商品については「疲労」、「血圧」、「栄養」、「スタミナ」等が商品キーワードに該当する。
【0093】
商品データベース64に記憶される商品情報は、新たな商品の販売に応じて、新商品に係る情報が追加される一方、販売終了となった商品に係る情報が削除されることで、商品データベース64の中身は適宜、更新される。なお、本実施形態では、コールセンターを運営する事業体が、同じ商品であっても、異なる容量のものや、一回の配送商品数を相違させたもの等があるため、商品自体は同じでも、容量違い等に応じて複数種類の商品の情報が商品データベース64に記憶されている。また、コールセンターを運営する事業体は、同じ特徴を有する複数種類の商品を販売しているので(例えば、保湿性という特徴を有する美容液を複数種類販売)、本実施形態の商品データベース64には、同じ特徴を有する複数種類の商品の情報が記憶される。
【0094】
図13は、注文データベース65の中身の概要を示している。注文データベース65は、ユーザが注文(購入)した商品についての注文商品情報を記憶したものであり、ユーザ(ユーザID)ごとに対応付けて、注文日、注文商品、注文価格等を示す注文商品情報を記憶しており、複数回の注文(購入)を行ったユーザのユーザIDには、複数の注文商品情報が対応付けられている。なお、注文データベース65に記憶される注文商品情報は、新たな商品の注文に応じて、随時追加されることで、注文データベース65の中身は更新される。
【0095】
図14は、クレームデータベース66の中身の概要を示し、クレームデータベース66は、ユーザからのクレームの内容を示すクレーム情報を記憶する。具体的には、クレームの電話をかけてきたユーザを識別するユーザIDに対応付けて、クレームの受付日、状況、ユーザの氏名、ユーザの電話番号、対象となる商品名、クレームの発生日、緊急度、及びクレーム内容等を示すクレーム情報をクレームデータベース66は記憶する。なお、一人のユーザから複数回のクレームが通知されると、そのユーザのユーザIDには、複数のクレーム情報が対応付けられて記憶される。また、クレームデータベース66に記憶されるクレーム情報は、ユーザからの新たなクレームの連絡に応じて随時追加されるので、これにより、クレームデータベース66の中身は更新される。
【0096】
図15(a)は、音声データベース67の中身の概要を示し、音声データベース67は、ユーザ及びオペレータの電話会話(1回の電話会話分)の中身となる音声データ(音声ファイル)を記憶する。具体的には、電話をかけてきたユーザの電話番号、電話に応対したオペレータの内線番号、及び音声ファイルをセットにして、電話の日時(日、開始時間及び終了時間)を付帯させて順次、記憶して蓄積したものになっている。なお、ユーザとオペレータの電話会話が発生するごとに、新たな電話会話に応じた音声データ(音声ファイル)が随時、音声データベース67に追加されるので、これにより、音声データベース67の中身は適宜、更新される。
【0097】
図15(b)は、会話テキストデータベース68の中身の概要を示し、会話テキストデータベース68は、ユーザ及びオペレータの電話会話(1回の電話会話分)の中身について、音声認識処理を行うことでテキスト化した会話テキストデータ(会話テキストファイル)を記憶する。具体的には、電話をかけてきたユーザの電話番号、電話に応対したオペレータの内線番号、会話テキストファイル及び会話内容の要約(要約文)を示す要約ファイルをセットにして、電話の日時(日、開始時間及び終了時間)を付帯させて順次、記憶したものになっている。
【0098】
なお、ユーザとオペレータの電話会話が発生するごとに、新たな電話会話に応じた会話テキストデータ(会話テキストファイル)が後述するように、音声認識サーバ30からDBシステム60へ送られてくると共に、要約ファイルが自動要約サーバ50からDBシステム60へ送られてくるので、これらの会話テキストデータ及び要約ファイルはDBシステム60で受信されて、会話テキストデータベース68に随時、追加されるようになり、この追加によって、会話テキストデータベース68の中身は適宜、更新される。また、記憶される要約文の中には、クレームに対応した要約文も含まれており、クレームに対応した要約文は、システム管理者等が見分けやすくするために、クレームの内容であることを識別するための識別情報(クレーム識別情報)を付帯した状態で、会話テキストデータベース68に記憶される。
【0099】
以上で、コールセンターシステム10のDBシステム60に含まれる各データベース61~68についての説明を終了し、次に、コールセンターシステム10を構成する各サーバ(音声配信サーバ20、音声認識サーバ30、WEBサーバ40、自動要約サーバ50)について説明していく。
【0100】
図16は、音声取得サーバ20の主要な内部構成を示すブロック図である。本実施形態の音声取得サーバ20は、一般的なサーバコンピュータ(サーバ装置)で構築したものになっている(ただし、分散処理等を行うことで複数のサーバ装置等を組み合わせて音声取得サーバ20を構築することも可能)。この音声取得サーバ20は、第1接続ポイント3a等を介して、ユーザ及びオペレータの電話会話の音声を取得するものであり、取得した音声をDBシステム60(会話音声データベース67)へ送って蓄積できるようにしている。音声取得サーバ20は、全体的な制御及び各種処理を行うMPU20aに、各種デバイス等を内部接続線20gで接続したものになっている。各種デバイス等には、通信モジュール20b、メモリ20c、出力インタフェース20d、入力インタフェース20e、及び記憶部20f等がある。
【0101】
通信モジュール20bは、ネットワークとの接続モジュールに相当する通信デバイスであり、所要の通信規格に応じたものである(例えばLANモジュール)。通信モジュール20bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワーク(内部、外部、又は他の通信ネットワーク等も含む)と接続されており、電話会話におけるユーザ及びオペレータの音声に係る音声データを随時取得して、メモリ20c又は記憶部20fへ送ると共に、MPU20aの制御に基づき、電話会話に含まれる音声データをDBシステム60へ送る処理を行う。
【0102】
メモリ20cは、MPU20aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶しており、通信モジュール20bで受信された各種情報、データ等も記憶する。出力インタフェース20dは、モニター等(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU20aの処理に伴う内容をモニター等へ出力し、音声取得サーバ20の管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。入力インタフェース20eは、音声取得サーバ20の管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード、マウス等の入力装置が接続されるものであり、これらの入力装置で受け付けた操作内容をMPU20aへ伝える。
【0103】
記憶部20fは、プログラム及びデータ等を記憶するものであり、プログラムとしてはサーバOSプログラム21及び音声取得プログラム22等を記憶し、データとしては、通信モジュール20bで取得した音声データ等を記憶する。記憶部20fに記憶されるプログラムの中のサーバOSプログラム21は、サーバコンピュータ用のオペレーティングシステムに応じた各種処理を規定したプログラムであり、この規定内容に基づいた処理をMPU20aが行うことで、音声取得サーバ20は、サーバコンピュータ(サーバ装置)としての各機能を果たす。
【0104】
また、記憶部20fに記憶される音声取得プログラム22は、ユーザとオペレータの電話会話に係る音声データの取得及び伝達等についてMPU20aが行う処理を規定したものである。コールセンターの電話番号へユーザが電話をかけてきて(架電してきて)、オペレータが電話を受けると(受電すると)、第1接続ポイント3aから、電話をかけてきたユーザ電話機P1等の電話番号及び受電したオペレータ電話機P10等の内線番号等を含む受電開始情報が音声取得サーバ20へ送られてくるので、これらの受電開始情報を通信モジュール20で受信して、受電日時と一緒にメモリ20c又は記憶部20fへ記憶すると共に、この受電開始情報(受電日時も含む)を音声認識サーバ30、WEBサーバ40、及び自動要約サーバ50へ送る処理(通信モジュール20bからの送信処理)について音声取得プログラム22は規定する。
【0105】
さらに、ユーザとオペレータの電話会話が始まると、その電話会話を構成する音声に係る音声データが逐次、第1接続ポイント3aから音声取得サーバ20へ送られてくるので、これらの音声データを通信モジュール20で受信してメモリ20c又は記憶部20fに記憶すると共に、音声認識サーバ30へ送る処理の制御をMPU20aが行うことを音声取得プログラム22は規定する。なお、第1接続ポイント3aから送られてくる音声データには、ユーザ又はオペレータのいずれの音声によるものかを示す話者情報が付帯する(例えば、ユーザの音声を示す音声データには、ユーザの電話番号を示す情報が付帯し、オペレータの音声を示す音声データには、オペレータの内線番号が付帯する)。このような話者情報により、受信した音声データが、ユーザ又はオペレータのいずれの音声によるものかを判別できるようにしている。
【0106】
そして、ユーザ電話機P1等又はオペレータ電話機P10等のいずれか一方が電話を切ると、電話終了の旨が第1接続ポイント3aから音声取得サーバ20へ送られてくるので、電話終了を通知する電話終了情報を音声認識サーバ30、WEBサーバ40、及び自動要約サーバ50へ送信する処理を行うと共に、メモリ20c又は記憶部20fに記憶していた電話会話に係る一連の音声データを、ユーザの電話番号、オペレータの内線番号、受電日時、電話終了日時等とセットにして(音声ファイルにして)、DBシステム60へ送信する処理をMPU20aが行うことを音声取得プログラム22は規定する。
【0107】
上記のような処理を音声取得サーバ20が行うことで、電話会話の各音声は音声認識サーバ30へ逐次、確実に伝えられると共に、電話会話の音声内容はDBシステム60の会話音声データベース67で保存されることになり、後から、サービスやシステムの管理者等が電話会話の内容を音声により確認できるようにしている。
【0108】
図17は、音声認識サーバ30の主要な内部構成を示すブロック図であり、基本的な構成は、上述した
図16に示す音声取得サーバ20と同様に、一般的なサーバコンピュータ(サーバ装置)を用いたものになっている(分散処理等を行うことで複数のサーバ装置等を組み合わせて音声認識サーバ30を構成することも同様に可能)。この音声認識サーバ30は、音声取得サーバ20から送られてくる音声データに対して音声認識処理を行うことで、音声を文字化(テキスト化)して会話テキスト(文字データ)を生成するものであり、生成した会話テキストを随時、WEBサーバ40及び自動要約サーバ50へ送ると共に、電話会話分の一連の会話テキストを会話テキストファイルにまとめて、DBシステム60へ送る処理も行う。
【0109】
音声認識サーバ30は、全体的な制御及び各種処理を行うMPU30aに、内部接続線30gで通信モジュール30b、メモリ30c、出力インタフェース30d、入力インタフェース30e、及び記憶部30f等を接続した構成になっている。通信モジュール30b、メモリ30c、出力インタフェース30d、及び入力インタフェース30eは、上述した音声取得サーバ20が備える各デバイスと同等であることから、説明は省略する。
【0110】
記憶部30fは、サーバOSプログラム31及び音声認識プログラム32等を記憶すると共に、所定の文字ワードに応じた漢字、カタカナ、又は数字等をテキストで示す辞書データテーブル33等も記憶する。サーバOSプログラム31は、サーバコンピュータ用のオペレーティングシステムに応じた各種処理を規定したものであり、基本的に音声取得サーバ20のサーバOSプログラム21と同様のプログラムである。
【0111】
また、音声認識プログラム32は、音声認識サーバ30固有のプログラムであり、通信モジュール30bで受信した音声取得サーバ20からの音声データに対して、音声認識処理を行って文字データに変換することに関してMPU30aが行う一連の処理を規定したものである。音声認識処理においては、先ず、音声データに含まれる各音のそれぞれについて、「あいうえお」等の五十音等に係る音を表す文字に変換することで、音声データに含まれる一つの単位(一文節等)に含まれる一連の音を、一連の文字に変換する。そして、変換した一連の文字の中に、何らかの言葉等を示す文字ワードが含まれていれば、辞書データテーブル33を参照して、漢字、カタカナ、又は数字等に変換し、電話会話を構成するユーザ又はオペレータの発した言葉を、最終的に漢字・カタカナ・数字等の混ざったテキスト(会話テキストと称する)を作成する。
【0112】
上記のように作成した会話テキストは、ユーザ及びオペレータを特定する情報(音声認識サーバ30から送られてくるユーザの電話番号、及びオペレータの内線番号等)等と一緒にして、随時、WEBサーバ40及び自動要約サーバ50等へ送信する処理の制御をMPU30aは行うと共に、メモリ30c又は記憶部30fに記憶する制御処理をMPU30aは行う。なお、上述したように、音声取得サーバ20から送られてくる音声データには、ユーザ又はオペレータのいずれの音声によるものかを示す話者情報が付帯するので、作成した会話テキストにも、ユーザ又はオペレータのいずれの音声に基づいたものであるかを示す情報(話者情報)を付帯させて、会話テキストは作成されている。
【0113】
また、電話終了を通知する電話終了情報が音声取得サーバ20から送られてくると、メモリ30c又は記憶部30fに記憶していた電話会話に係る一連の会話テキストを、ユーザの電話番号、オペレータの内線番号、受電日時、電話終了日時等とセットにした会話テキストファイルとして、DBシステム60(会話テキストデータベース68)へ送信する処理をMPU30aが行うことを音声認識プログラム32は規定する。
【0114】
上記のような処理を音声認識サーバ30が行うことで、電話会話の各音声は会話テキストに変換され、その変換された会話テキストがWEBサーバ40及び自動要約サーバ50へ伝えられると共に、電話会話の内容がテキストデータ(会話テキストファイル)としてDBシステム60の会話テキストデータベース68で保存されることになり、後から、サービスやシステムの管理者等が電話会話の内容をテキストベースで確認可能にしている。
【0115】
図18は、WEBサーバ40の主要な内部構成を示すブロック図であり、基本的な構成は、上述した
図16、17に示す音声取得サーバ20及び音声認識サーバ30と同等のサーバコンピュータに応じた構成になっている(分散処理等を行うことで複数のサーバ装置等を組み合わせたコンピュータシステムでWEBサーバ40を構成することも同様に可能)。このWEBサーバ40は、ネットワーク上にWEBサイトを構築して、上述した
図3~7等に示す各種画面に応じた画面データを、WEBサイトを通じて配信する処理を行っており、音声認識サーバ30から送られてくる会話テキスト等を反映した内容のウェブ画面をオペレータ端末T10、T11等へ提供する。なお、WEBサーバ40が構築するWEBサイトは、一般向けのものではなく、管理者等を除いて、基本的にコールセンターのオペレータのみに公開されており、オペレータは、このオペレータ専用のWEBサイトを通じて各種画面を確認して、オペレータ業務の支援を受ける。
【0116】
WEBサーバ40は、全体的な制御及び各種処理を行うMPU40aに、内部接続線40gで通信モジュール40b、メモリ40c、出力インタフェース40d、入力インタフェース40e、及び記憶部40f等を接続した構成のコンピュータシステムになっている。通信モジュール40b、メモリ40c、出力インタフェース40d、及び入力インタフェース40eは、
図17に示す音声認識サーバ30と同様に、上述した音声取得サーバ20が備える各デバイスと同等であることから、説明は省略する。
【0117】
記憶部40fは、サーバOSプログラム41及びオペレータ支援プログラム42等を記憶すると共に、
図3~7等に示す各種画面を構成する画面パーツや画面データ等を記憶した画面テーブル43等を記憶する。なお、記憶部40fは後述する下限及び上限の基準値も記憶する。サーバOSプログラム41については、上述した各サーバ20、30のサーバOSプログラム21、31と基本的に同等のものであり、WEBサーバ40を構成するサーバコンピュータ用のオペレーティングシステムに応じた処理を規定したものになっているが、ウェブサーバとして機能するためにMPU40aが行う各種処理の規定も含むものになっている。
【0118】
オペレータ支援プログラム42は、WEBサーバ40がネットワーク上に構築したWEBサイトへアクセスしてきた端末に、上述した
図3~7等に示す各種画面を状況に応じて表示させる処理等の制御をMPU40aが行うことを規定したものであり、WEBサイトのURL宛てにアクセスしてきた端末へ最初に
図3(a)に示すログイン画面100に応じた画面データを、画面テーブル43から抽出して送信することになる。このログイン画面100に応じた画面データの送信に伴って、ログイン情報(ログインID及びパスワードを示す情報)を含むログイン要求を受信したか否かをMPU40aは判断する。
【0119】
ログイン要求を受信した場合、受信したログイン要求に含まれるログインID及びパスワード(PW)が、DBシステム60に含まれるオペレータデータベース61(
図9参照)に存在するか否かをMPU40aは判断し、オペレータデータベース61に存在すれば、ログイン完了となり、ログイン完了となったオペレータの氏名をオペレータデータベース61から抽出すると共に、画面テーブル43から所要の画面データを抽出して、
図3(b)の待受画面110に応じた画面データを生成して、ログイン要求の送信元へ送信する制御処理をMPU40aは行う。なお、ログインID及びPWが、オペレータデータベース61に存在しなかった場合、MPU40aは
図3(a)のログイン画面100に応じた画面データを再送して、ログインID及びPWの再入力の機会をオペレータに提供する。
【0120】
それからWEBサーバ40(MPU40a)は、音声取得サーバ20からの受電開始情報を受信したか否かを判断しており、受電開始情報を受信した場合、その受電開始情報に含まれるオペレータの内線番号に基づき、DBシステム60のオペレータデータベース61を参照して、受電したオペレータ電話機とセットになっているオペレータ端末を特定し、その特定したオペレータ端末宛てに、
図4に示すユーザ画面120に応じた画面データを生成して送信する制御処理をMPU40aは行う。なお、最初に送信するユーザ画面120に応じた画面データは、受電開始情報の受電直後の状態であれば、画面左側の会話内容部121及び残りの部分のユーザ情報部122の各受付欄123a、124、125a、126、127a、128等は空いたままの状態になっている。
【0121】
その後、WEBサーバ40(MPU40a)は、音声認識サーバ30から会話テキストを受信しだすと、受信した会話テキストを順次、画面左側の会話内容部121に配置した画面データを生成する。この際、音声認識サーバ30から送られてくる会話テキストには、ユーザ側の発話であるか、又はオペレータ側の発話であるかを示す情報が付帯しているので、この情報に基づき、会話内容部121のユーザ会話部分121a又はオペレータ会話部分121cのいずれの側に配置するかをMPU40aは判断している。また、受信した会話テキストを、ユーザ会話部分121a又はオペレータ会話部分121cのいずれかに配置すると、その配置した会話テキストを受信した時刻(何時何分何秒を示す時刻)を会話内容部121の時間部分121bに配置する処理をMPU40aは行う。
【0122】
また、一連の会話テキストは、新しい会話ほど、ユーザ画面120の画面垂直方向において上側に配置されるようになっており、それゆえ、会話内容部121のユーザ会話部分121a又はオペレータ会話部分の各会話テキストは、画面垂直方向で上側から下側に向けて、時間的に新しいものから古いものが時系列順に並んでおり、中央の時間部分121bに示される時刻も、同様の時系列順に並んで配置されて、画面データは更新される。
【0123】
上記のように、新たな会話テキストをユーザ会話部分121a又はオペレータ会話部分121cのいずれかに配置するたび(時間部分121bに時刻も配置)、その配置に係る画面データは更新されて、その更新における差分となる部分に応じた画面データ(差分画面データ)を、オペレータ端末へ随時、送信する処理をMPU40aは行う。このような差分画面データの随時送信により、オペレータ端末に表示されるユーザ画面120の会話内容部121の内容は、ユーザとオペレータの電話会話の進行にあわせてリアルタイム的に更新される。
【0124】
さらに、WEBサーバ40(MPU40a)は、音声認識サーバ30から受信した会話テキストに含まれる情報(「ワード、数字等)について、データマイニング(キーワードに基づきテキストマイニング)によるDBシステム60の検索を行い、この処理の結果に基づき、一連に続く会話テキストの中から、ユーザを特定する情報(ユーザの電場番号、氏名等)、ユーザに係る情報(ユーザの住所等)、及び電話をかけてきた目的となる情報(問合せ内容に応じた情報、商品注文に応じた情報、クレームに応じた情報等)を抽出する処理等を行うことで、オペレータ業務の支援を行う。
【0125】
ユーザとの電話会話を通じて行うべき事項として、電話をかけてきたユーザを特定することがあり(新規のユーザであるのか、又は登録ユーザであるのかを特定)、また、新規ユーザの場合は、新規ユーザに係る情報を特定して入力することがあり、さらには、電話をかけてきたユーザの目的を特定することも必要となる(問合せであるのか、商品の注文であるのか、又はクレームであるか等)。
【0126】
例えば、電話をかけてきたユーザが、新規のユーザであるのか、又は登録ユーザであるのかを特定するため、電話会話から音声認識された会話テキストに含まれる情報が、ユーザ特定情報として登録ユーザデータベース62に記憶されるか否かの検索をWEBサーバ40(MPU40a)は行っている。そのようなユーザ特定情報が記憶されない場合、電話をかけてきたユーザは新規であると判断され、ユーザ特定情報が記憶される場合は、登録ユーザであると判断される。本実施形態において、ユーザ特定情報としてはユーザの電話番号を用いるが、ユーザの氏名及び生年月日、ユーザの住所、ユーザのメールアドレス等をユーザ特定情報として用いることも可能である。
【0127】
本実施形態のWEBサーバ40は、電話番号をユーザ特定情報として用いるため、まず、会話テキストに含まれる情報について、データマイニングに基づきDBシステム60が有するキーワードデータベース63の検索を行い、キーワードデータベース63が記憶する電話番号等のキーワードに一致するか否かをWEBサーバ40(MPU40a)は判断する。会話テキストに含まれる情報が、電話番号という文言のキーワードに一致した場合(例えば、「電話番号をおっしゃってください」という会話テキストに含まれる「会話番号」という文言)、その会話テキストに続く会話テキストの中から、連続する数字を示す情報を抽出する。その連続する数字を示す情報は、ユーザの電話番号である可能性が高いことから、その連続する数字を示す情報が、ユーザの電話番号(ユーザ特定情報)として、DBシステム60が有する登録ユーザデータベース62に記憶されるか否かの検索をWEBサーバ40(MPU40a)が行う。
【0128】
連続する数字を示す情報(音声認識された情報)が、登録ユーザデータベース62に記憶される場合(ユーザ特定情報として記憶される場合)、電話をかけてきたユーザは登録ユーザであると判断し、WEBサーバ40(MPU40a)は、その連続する数字を示す情報に応じた電話番号を含むユーザに係る情報(ユーザの氏名、性別、電話番号、生年月日、郵便番号、住所等)を登録ユーザデータベース62から抽出すると共に、抽出したユーザに係る情報に応じたユーザIDも登録ユーザデータベース62から特定し、その特定したユーザIDに対応づけて記憶される注文商品情報を、DBシステム60が有する注文データベース65から抽出する。
【0129】
そして、WEBサーバ40(MPU40a)は、
図5に示すように、抽出したユーザに係る情報であるユーザの氏名、性別、電話番号、生年月日、郵便番号、住所等を、各受付欄123a′等に自動入力したユーザ情報部122′、及び抽出した注文商品情報を配置した注文商品情報130を含むと共に、最新の会話テキストを示す会話内容部121′も含む画面データを生成して、受電中のオペレータのオペレータ端末へ送信する処理を行う。このようなWEBサーバ40(MPU40a)の処理により、オペレータ端末(表示端末装置5)のディスプレイ画面6aには、
図5に示すユーザ画面120′が表示されることになる。
【0130】
一方、連続する数字を示す情報(音声認識された情報)が、登録ユーザデータベース62に記憶されない場合(ユーザ特定情報として記憶されない場合)、電話をかけてきたユーザは新規のユーザであると判断し、WEBサーバ40(MPU40a)は、その連続する数字を示す情報を、電話番号受付欄125に自動入力すると共に、他の受付欄123a等(新規のユーザに係る情報の入力受付が可能な受付欄)を空欄にしたユーザ情報部122と、最新の会話テキストを示す会話内容部121を含む画面データを生成して、受電中のオペレータのオペレータ端末へ送信する処理を行う。このようなWEBサーバ40(MPU40a)の処理により、オペレータ端末(表示端末装置5)のディスプレイ画面6aには、
図4に示すようなユーザ画面120(
図4と異なる主な点は、電話番号受付欄125に電話番号が自動入力されている点)が表示されることになる。
【0131】
このように、
図4に示すようなユーザ画面120が表示された状態から、電話会話が進行し、オペレータの「お名前は?」という問合せに対する回答において、ユーザが氏名を回答した場合、ユーザ画面120の中の氏名自動設定ボタン123bが自動入力オンに設定されていれば、そのような一連の会話に応じた会話テキストの中で、ユーザの回答を音声認識した会話テキストから、ユーザの氏名(新規のユーザに係る情報に相当)が抽出されて、氏名受付欄123aに自動入力される。そのように自動入力された氏名受付欄123aの部分に応じた差分画面データが生成されて、オペレータ端末へ送信される。それにより、電話会話でユーザが氏名を回答したことに伴って、オペレータ端末のディスプレイ画面6aには、氏名受付欄123aに自動入力された氏名が示されることになる。なお、氏名受付欄123aに自動入力された氏名は、オペレータの手動入力による操作で、適宜、修正可能になっている(例えば、自動入力した氏名の漢字が誤っている場合、オペレータは手動で漢字を修正できる)。
【0132】
また、氏名自動設定ボタン123bが自動入力オフに設定されていれば、上記のようにユーザの回答を音声認識した会話テキストからユーザの氏名が抽出されても、自動入力されることはなく、抽出された氏名は、メモリ40cに記憶されたままとなり、オペレータが電話会話で聞き取った内容に基づいて、オペレータの手動操作で入力されたユーザの氏名が、氏名受付欄123aに受け付けられる。そのため、オペレータ端末のディスプレイ画面6aには、上記のようなオペレータによる手動操作によるユーザ氏名の入力状況が表示される(この場合、マウス等による選択操作で入力対象に氏名受付欄123aが選択されてから、入力操作が行われる)。なお、会話テキストから抽出された氏名は、メモリ40cに記憶されているので、氏名自動設定ボタン123bが自動入力オフの状態から自動入力オンに変更されると、メモリ40cに記憶されているユーザの氏名を読み出して、後からでも氏名受付欄123aに自動入力される(後からでも自動入力が可能)。
【0133】
新規ユーザの他の情報(性別、生年月日、郵便番号、及び住所等)についても、上述したユーザの氏名の場合と同様に、一連の会話テキストに含まれる情報が、DBシステム60のキーワードデータベース63に対して検索が行われ、検索でヒットした情報(キーワード)が含まれる会話テキストに続くユーザの回答に応じた会話テキストから性別、生年月日、郵便番号、及び住所等が抽出されて、各受付欄124等に自動入力されることになる。
【0134】
但し、本実施形態では、住所受付欄128への住所の自動入力については、単純な自動入力を行うのではなく、会話テキストから抽出した郵便番号から取得する住所情報と、会話テキストから抽出した住所情報とを適宜、組み合わせた内容をユーザの住所として自動入力するようにしている。住所は、地名等について独特な漢字が使用されることや、一般的でない読み方が使用されるなどの特有な事情があるので、音声認識に基づくテキスト変換だけでは、正しい住所表記を導き出すのは困難なことが多い。
【0135】
そのため、本実施形態では、会話テキストから郵便番号を抽出すると、WEBサーバ40は、外部の郵便番号検索サービスを提供しているサーバ装置(郵便番号に応じた住所を検索して送り返すウェブサイトをネットワーク上に構築しているサーバコンピュータ)へアクセスし、抽出した郵便番号について、住所の検索要求を送信することにより、住所情報を取得(受信)する。なお、取得した住所情報が含む住所は、長くても町名までの表記になっており、また、取得した住所情報には、住所の読み方も含まれているものとする。
【0136】
また、WEBサーバ40(MPU40a)は、会話テキストの中から、ユーザの回答に基づく音声認識の結果により得られたユーザの住所、及びその住所の読み方も取得して認識する。そして、WEBサーバ40(MPU40a)は、外部の郵便番号検索サービスから取得した住所情報が含む住所(第1住所情報)の読み方と、会話テキストから認識した住所(第2住所情報)に含まれる読み方を比較して、両者の一致度を算出する処理を行う。それからWEBサーバ40(MPU40a)は、記憶部40fに予め含まれている下限基準値及び上限基準値と、算出した一致度を比較する処理を行う。
【0137】
比較の結果、算出した一致度が下限基準値から上限基準値までの範囲に含まれる場合、外部から取得した住所情報が含む住所の都道府県及び区市群までの情報に、音声認識による会話テキストから得られた住所の町名以下の情報を加えたものをユーザの住所にして(ユーザの住所を生成)、そのユーザの住所を自動入力で住所受付欄128に受け付ける処理をMPU40aは行う。なお、算出した一致度が下限基準値から上限基準値までの範囲に含まれる場合は、音声認識による会話テキストから得られた住所も所定の正確度を有すると予想されるので、本実施形態では、会話テキストから得られた町名以下の住所をユーザの住所として用いるようにしている。
【0138】
一方、比較の結果、算出した一致度が下限基準値以下となる場合、又は上限基準値以上となる場合、取得した住所情報が示す都道府県、区市群、及び町名までの情報に、音声認識による会話テキストから得られた住所の番地以下の情報を加えたものをユーザの住所にして(ユーザの住所を生成)、そのユーザの住所を自動入力で住所受付欄128に受け付ける処理を行う。なお、算出した一致度が下限基準値以下となる場合、又は上限基準値以上となる場合は、両者の一致度が低いか、又は高いというように両極端の状況に該当し、このような両極端に振れたときは、外部の郵便番号検索サービスから取得した住所情報をメインに用いた方が、住所の正確度が高くなると予想されるので、本実施形態では、会話テキストから得られた住所については、番地以下の情報(番地、建物名(マンション名)、階数、部屋番号等)を用いるに留めるようにしている。
【0139】
上記のように、新規ユーザについて、会話テキストからユーザの性別、生年月日、郵便番号、及び住所等を抽出して、各受付欄124等へ自動入力するごとに、MPU40aは、自動入力に係る受付欄124等の箇所、及び新たな会話テキストを示す箇所等に対して差分となる画面データを生成し、オペレータ端末へ送信する処理を行う。オペレータ端末では、差分となる画面データを受信すると、その差分箇所を更新した画面(ユーザ画面120)を生成してディスプレイ画面6aに表示するので、オペレータは、新規ユーザに係る情報を、電話会話の進行に伴ってディスプレイ画面6aに表示される画面内容で視覚的に確認できる。
【0140】
なお、新規ユーザに係る情報を確認して、オペレータが問題ないと判断した場合、オペレータは、ユーザ画面120の右下方に配置された登録ボタン120eの選択操作を行うことになる。MPU40aは、登録ボタン120eの選択操作を受け付けると、新規ユーザについての登録処理を行うことになり、新たにユーザIDを発行し、その新たなユーザIDに対応付けて、各受付欄124に入力されている新規のユーザに係る情報を、DBシステム60が有する登録ユーザデータベース62に記憶する処理を行う。
【0141】
また、上記のように、電話をかけてきたユーザが登録ユーザ又は新規ユーザであるかを特定でき、登録又は新規ユーザに係る情報をディスプレイ画面6aに表示した状態で、更に電話会話が進行すると、電話会話から音声認識した会話テキストに含まれる情報について、データマイニングに基づくDBシステム60に含まれるキーワードデータベース63及び商品データベース64等を検索する処理をWEBサーバ40(MPU40a)は継続して行う。
【0142】
上記の検索により、例えば、ユーザの電話会話に応じた会話テキストに含まれる情報が、商品データベース64に含まれる商品名又は商品の特徴等にヒットした場合、ヒットした商品名又は商品情報等に応じた商品情報を全て抽出し、例えば、
図6に示すように、その抽出した商品情報を含む商品情報部131をユーザ情報部122″の下方に配置すると共に、会話テキストも適宜、最新のものを会話内容部121″に含むようにした画面データを生成してオペレータ端末へ送信する処理をMPU40aは行う。
【0143】
一例として、会話テキストの中に、ある商品名を示す情報が含まれていると、MPU40aは、DBシステム60の商品データベース64から、その商品名について、容量違いものや、一回の配送商品数の異なるもの等といった複数種類の商品情報を抽出して、それらの商品情報を含む商品情報部131に応じた画面データを生成する。また、会話テキスト中に、「保湿」という商品の特徴に関する情報が含まれていた場合、MPU40aは、DBシステム60の商品データベース64から、「保湿」という特徴を有する全ての商品の情報を抽出して、それらの商品情報を含む商品情報部131に応じた画面データを生成する。
【0144】
このようなMPU40aの処理により、電話会話において商品に関する情報が出てくると、オペレータ端末のディスプレイ画面6aには、
図6に示す商品情報部131を含むユーザ画面120″が表示されるので、オペレータは、商品情報部131に含まれる各種商品情報を見ながら、電話会話の内容に沿った商品を薦めることが可能となり、また、画面左側からは、一連の会話内容も確認できるので、今までの会話内容も加味して商品の案内等を行える。
【0145】
さらに、登録又は新規ユーザに係る情報を表示した状態で、電話会話の進行に伴い、電話会話から音声認識した会話テキストの中に含まれる情報をデータマイニング(キーワードに基づくテキストマイニング)に基づく検索を行った結果、DBシステム60に含まれるキーワードデータベース63のクレーム特定用のキーワード(クレームキーワード)がヒットした場合、MPU40aは、
図7に示すクレーム画面140に応じた画面データを生成してオペレータ端末へ送信する処理を行う。
【0146】
すなわち、キーワードデータベース63の検索により、会話テキストの中にクレームキーワードが含まれることが判明した場合、MPU40aは、会話テキストに含まれるクレームキーワードに応じた要約文(クレーム要約文)の要求を自動要約サーバ50へ送信すると共に、画面左側の会話内容部141以外の範囲を、各欄142a等を含むクレーム情報部142に切り替えた画面データを生成することになる。この際、クレーム情報部142の受付日欄142aには、現在の日が自動入力され、状況欄142bには「Open(継続中)」が自動入力される。また、顧客欄142c及び顧客電話欄142dには、直前で生成していた
図4~6に示すユーザ画面120~120″の氏名受付欄123a等及び電話番号受付欄125等に入力されていた情報が、そのまま転記して自動入力される。
【0147】
商品名欄142eには、それ以前の電話会話の中で、クレーム対象となる商品名が出ていれば、上述した会話テキストに含まれる情報に基づく商品データベース64の検索によってヒットした商品名が自動入力されるが、電話会話の中に商品名等に係る情報が、その時点までに出ていなければ、商品名欄142eは空欄となり、その後の電話会話で商品名が判明した時点で、音声認識による自動入力又はオペレータによる手動入力が行われる。発生日欄142fには、それ以前の電話会話の中で、クレーム対象となる事象の発生日となる情報が出ていれば、会話テキストから、その発生日となる日が自動入力されることになるが、電話会話の中に発生日となる情報が、その時点までに出ていなければ、発生日欄142fは空欄となり、その後の電話会話の中で発生日が判明した時点で、音声認識による自動入力又はオペレータによる手動入力が行われる。
【0148】
そして、緊急度欄142gには、それ以前の電話会話の中で、ヒットしたクレームキーワードに「緊急度:高」を示す緊急度情報が付帯していれば、「高」という緊急度が自動入力され、ヒットしたクレームキーワードに緊急度情報が付帯していなければ、その後に続く電話会話の内容より、オペレータが手動で、緊急度(高、中、低)を入力することになる。また、クレーム内容欄142hは、上述したクレーム要約文の要求に応じて、自動要約サーバ50から、クレームキーワードを含む一連の電話会話の内容を要約したクレーム要約文がWEBサーバ40へ送信されてくるので、MPU40aは、受信したクレーム要約文をクレーム情報としてクレーム内容欄142hへ自動入力する。
【0149】
上記のように、MPU40aは、会話テキストの中の情報がキーワードデータベース63に記憶されるクレームキーワードに該当すると、各種情報が自動入力等された各欄142a等を含むクレーム情報部142と、それまでの一連の会話テキストを含む会話内容部141を含む画面データを生成して、オペレータ端末へ送信するので、電話会話において、ユーザからクレームキーワードとなる言葉が発せられると、オペレータ端末のディスプレイ画面6aの表示が、
図4~6に示すユーザ画面120~120″から、
図7に示すクレーム画面140へ自動で切り替わる。
【0150】
それにより、オペレータは、電話内容がユーザからのクレームであった場合でも、クレーム画面140がディスプレイ画面6aに自動で表示されるので、オペレータは、耳で聞いた内容に加えて、クレーム画面140によって視覚的にもクレーム内容、クレームを連絡してきたユーザの氏名等、及び電話会話の一連の内容を確認できることから、ユーザからのクレームに対応しやすい環境をオペレータに提供できる。
【0151】
なお、上記のようなクレーム画面140を表示してから、クレーム内容の電話会話が進行し、空欄等であった欄についても、オペレータの手動入力又は自動入力が行われて、クレーム画面140のクレーム情報部142の内容が整理されたとオペレータが判断して、画面右下の登録ボタン140aの選択操作が行われると、MPU40aはクレーム情報部142の各欄に入力されている情報(クレーム情報)をDBシステム60へ送信する処理を行う。DBシステム60は、クレーム情報を受信すると、
図14に示すクレームデータベース66に記憶する処理を行い、システム管理者及びオペレータが、クレーム内容が解決したか否か、状況が改善されたか否か等について随時、クレーム内容を確認できるようにしている。
【0152】
以上のように、本発明のWEBサーバ40では、オペレータ支援プログラム42の規定に従って、MPU40aが上述した各種画面データの生成を行ってオペレータ端末へ送信する処理等を行うので、ユーザからの電話対応を行うオペレータが視覚的に確認できる情報を適宜、提供し、オペレータ業務を支援できるようにしている。なお、WEBサーバ40(MPU40a)は、上述した各種画面データの生成及び送信等の処理を、音声取得サーバ20から電話終了情報を受信するまで行うことになる。
【0153】
図19は、自動要約サーバ50の主要な内部構成を示すブロック図であり、基本的な構成は、上述した
図16、17に示す音声取得サーバ20、音声認識サーバ30等と同等の構成になっている(分散処理等を行うことで複数のサーバ装置等を組み合わせて自動要約サーバ50を構成することも同様に可能)。この自動要約サーバ50は、音声認識サーバ30で音声認識された一連の会話テキストの内容を要約する処理を行い、要約した内容をDBシステム60へアップロードすると共に、必要に応じてWEBサーバ40へ送信する処理を行う。
【0154】
自動要約サーバ50は、全体的な制御及び各種処理を行うMPU50aに、内部接続線50gで通信モジュール50b、メモリ50c、出力インタフェース50d、入力インタフェース50e、及び記憶部50f等を接続した構成になっている。通信モジュール50b、メモリ50c、出力インタフェース50d、及び入力インタフェース50eは、上述した音声取得サーバ20、音声認識サーバ30等と同様であるため説明は省略する。
【0155】
記憶部50fは、MPU50aが行うべき処理内容を規定したサーバOSプログラム51及び要約作成プログラム52等を記憶している。サーバOSプログラム51については、上述した各サーバ20、30等のサーバOSプログラム21、31等と基本的に同等のものであり、自動要約サーバ50を構成するサーバコンピュータ用のオペレーティングシステムに応じた処理を規定しており、サーバコンピュータとして機能するためにMPU50aが行う各種処理の規定も含むものになっている。
【0156】
要約作成プログラム52は、音声認識サーバ30から送られる一連の会話テキストに基づき、MPU50aが要約文を自動で作成する処理を規定したものであり、この要約作成プログラム52の規定内容に従って、MPU50aは、一連の会話ごとに、要約文を作成する。本実施形態では、電話をかけてきたユーザが特定できた後に続く一連の会話テキストについて、要約文を作成するようにプログラミングされている。なお、要約作成プログラム52は、自動要約サーバ50が音声取得サーバ20から送られる受電開始情報を受信すると、MPU50aをスタンバイの状態にして、要約作成処理を開始できるようにしている。
【0157】
音声認識サーバ30から送られてくる会話テキスト等(ユーザ及びオペレータを特定する情報も含む)を通信モジュール50bで受信すると、要約作成プログラム52は、要約作成処理を開始するようになっており、その後の一連の会話テキストに出てくる情報(ワード)の回数(回数をスコア化)や、DBシステム60のキーワードデータベース63、商品データベース64等に記憶されているワード等に対して検索を行い、記憶されるワート等と一致する情報の有無をMPU50aが判断して(記憶されるワードに一致する情報があった場合は一致した回数をスコアとして判断)、各会話テキストの内容の重要度を、上述した回数に応じたスコア等より特定し、重要度が高いと特定された会話テキストの内容を主にして、文章的に成立するように各内容を繋げて要約文を作成することになる。
【0158】
上記のような要約文の作成処理は、音声取得サーバ20から電話終了情報が通知されるまで行われることなり、要約文の作成処理が完了すると、完了した要約文を、ユーザ及びオペレータを特定する情報及び日時等と一緒にした要約ファイルとして、DBシステム60の会話テキストデータベース68へ送信する処理をMPU50aは行う。
【0159】
また、要約文の作成中に、要約作成対象となる会話テキストに含まれる情報(ワード)が、上述したキーワードデータベース63に記憶されるクレームキーワードと一致した場合、その要約作成対象となる会話テキストの前後に連なる一連の会話テキストが、ユーザからのクレーム内容を意味すると考えられるので、このような一連の会話テキストを対象にして要約文(クレーム要約文)を、会話テキストに含まれるクレームキーワードに対して作成する。そして、クレームキーワードに係る要約文の要求をWEBサーバ40から自動要約サーバ50が受信すると、作成したクレーム要約文の中で、要求されたクレームキーワードに対するクレーム要約文をWEBサーバ40へ送信する処理をMPU50aは行う。
【0160】
上述したような処理を自動要約サーバ50が行うことにより、DBシステム60の会話テキストデータベース68には、各電話会話に対する要約文が蓄積されるようになると共に、ユーザからのクレームに対する電話が生じると、WEBサーバ40からの要求に応じて、クレーム要約文をWEBサーバ40へ提供するので、オペレータ端末にはクレーム情報が表示されるようになる。
【0161】
次に、上述した各サーバ20~50及びDBシステム60を含むコールセンターシステム10によるオペレータ端末への画面データの提供に係る一連の処理内容(オペレータ画面提供方法の内容に相当)を、
図20~26のフローチャートに基づき整理して説明していく。なお、
図20以降のフローチャートに示す処理において、オペレータはログインを完了した状態になっているものとする。
【0162】
図20に示す第1フローチャートは、オペレータ端末へ画面データを提供するための基本となる処理の流れを示し、コールセンターシステム10におけるWEBサーバ40(MPU40a)での処理を中心に表したものになる。コールセンターにユーザから電話がかかってきて、オペレータが電話を受けると、上述したように音声取得サーバ20から受電開始情報がWEBサーバ40へ送られてくるので、まず、WEBサーバ40は、受電開始情報を受信して取得したか否かを判断する(S1)。受電開始情報を取得していない場合(S1:NO)、WEBサーバ40は受電開始情報が送られてくるのを待つ状態になる。
【0163】
また、受電開始情報を取得した場合(S1:YES)、WEBサーバ40は、
図4に示すユーザ情報部122の各受付欄123a等が空欄となったユーザ画面120用の画面データをオペレータ端末へ送信する(S2)。このようなユーザ画面120の送信により、ユーザからの電話を受けたオペレータのオペレータ端末におけるディスプレイ画面6aの表示は、
図3(b)に示す待受画面110から、各受付欄123a等が空欄のユーザ画面120に切り替わる。
【0164】
そして、ユーザとオペレータの間で電話会話が始まると、上述したように音声取得サーバ20が電話会話の音声を取得し、音声認識サーバ30が音声認識処理を行って会話テキストを生成してWEBサーバ40へ送るので、WEBサーバ40は、音声認識サーバ30から送られる会話テキストを受信して取得したか否かを判断することになる(S3)。会話テキストを取得しない場合(S3:NO)、WEBサーバ40は会話テキストが送られてくるのを待つ状態になる。
【0165】
また、会話テキストを取得した場合(S3:YES)、
図21以降の各フローチャートに示す処理を行い(S4)、その処理を経て、
図4等に示す会話内容部121等にユーザ又はオペレータの各会話テキストを配置した内容の各画面120等に応じたオペレータ向けの画面データをWEBサーバ40は生成し(S5)、オペレータ端末へ送信する(S6)。このS6の段階における画面データ(差分内容を示す画面データも含む)の送信により、オペレータ端末に表示されるオペレータ向けの画面(例えば、ユーザ画面120)は、会話内容部121等の会話テキスト等が随時、更新される内容に切り替わることになる。
【0166】
そして、WEBサーバ40は、音声取得サーバ20から送られる電話終了情報を受信して取得したか否かを判断し(S7)、電話終了情報を取得しない場合(S7:NO)、S3の段階へ処理が戻り、電話終了情報を取得した場合(S7:YES)、一連の処理を終了する。よって、S7の段階で、電話終了情報を取得しないかぎり、WEBサーバ40は画面データの生成と送信処理を続けるので、オペレータ端末に表示される画面は、電話会話の内容を反映したものへ随時、更新されることになり、オペレータはオペレータ端末に表示される画面内容を見ながら、電話をかけてきたユーザへの対応を行うことができる状況が提供される。
【0167】
図21に示す第2フローチャートは、
図20の第1フローチャートにおけるS4の段階における処理の一部を示し、会話テキストの中に含まれる電話番号に基づき、電話をかけてきたユーザが新規のユーザであるか、又は登録ユーザであるかを判別する処理を含むものになっている。この第2フローチャートにおいて、WEBサーバ40は、先ず、直近にオペレータ端末へ送信した画面データの電話番号受付欄125に入力があるか否かを判断する(S10)。入力がある場合(S10:YES)、すなわち空欄でない場合は、
図22に示す第3フローチャートの処理へ進める。
【0168】
一方、電話番号受付欄125に入力が無い場合(S10:NO)、すなわち空欄である場合は、その時点までで取得した会話テキスト(音声認識された情報に相当)の中に電話番号(ユーザ特定情報に相当)が含まれるか否かをWEBサーバ40は判断する(S11)。会話テキストに電話番号が含まれない場合(S11:NO)、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その時点において取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データ(例えば、
図4のユーザ画面120に応じた画面データ)を生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる(S6の段階でオペレータ端末へ会話テキストを更新した画面データの送信を行い、その後、S7の段階からS3の段階へ戻り、再度S4より第2フローチャートへ進む。このような進み方は以下においても同様)。それにより、オペレータ端末には、会話内容部121に、更新された会話テキストを配置したユーザ画面120が表示される。なお、会話テキストに電話番号が含まれない場合とは、その時点までの電話会話から、電話をかけてきたユーザが登録ユーザであるか又は新規ユーザであるかを、特定できていない状況に該当する。
【0169】
また、会話テキストに電話番号が含まれていた場合(S11:YES)、WEBサーバ40は、その電話番号が登録ユーザデータベース62に記憶されているか検索し(S12)、検索の結果、ヒットしたか否かを判断する(S13)。登録ユーザデータベース62に電話番号が記憶されておらず、ヒットしなかった場合(S13:NO)、WEBサーバ40は、会話テキストに含まれていた電話番号を、
図4のユーザ情報部122の電話番号受付欄125に自動入力することを行う(S17)。
【0170】
そして、電話番号が登録ユーザデータベース62でヒットしなかった場合は(S13:NO)、電話をかけてきたユーザは新規のユーザであると特定(判別)できることから、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その時点で取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データを生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる。なお、この段階でのオペレータ端末には、電話番号受付欄125にユーザの電話番号を配置されたユーザ情報部122を含むと共に、会話内容部121に、それまでの会話テキストを配置したユーザ画面120が表示される。
【0171】
なお、一旦、このようなユーザ画面120が表示されると、
図20の第1フローチャートでS7よりS3、S4の段階へと処理が進んでから、再度、
図21の第2フローチャートのS10の段階へ進むことになり、このときのS10の段階では、画面データの電話番号受付欄125は入力ありになることから(S10:YES)、
図22の第3フローチャートのS20の段階へ処理が進行する。
【0172】
図22に示す第3フローチャートは、氏名受付欄123aへの新規ユーザの氏名入力に関する処理を主としたものである。WEBサーバ40は、先ず、直近にオペレータ端末へ送信した画面データの氏名受付欄123aに入力があるか否かを判断する(S20)。上述した場合のように、電話をかけてきたユーザが新規ユーザであり、電話番号受付欄125への入力がありになった直後であれば、この時点における氏名受付欄123aは空欄であることから、氏名受付欄123aに入力が無い場合(S20:NO)となり、その段階までに取得した会話テキストにユーザの氏名となる情報が含まれるか否かをWEBサーバ40は判断する(S21)。
【0173】
会話テキストにユーザの氏名となる情報が含まれない場合(S21:NO)、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その段階までに取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データを生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる。この段階におけるオペレータ端末には、氏名受付欄123aは空欄のままだが、電話番号受付欄125に電話番号が入力されると共に、会話内容部121に、それまでの会話テキストを配置したユーザ画面120が表示される。
【0174】
また、会話テキストにユーザの氏名となる情報が含まれていた場合(S21:YES)、WEBサーバ40は、氏名自動設定ボタン123bがオンになっているか否かを判断する(S22)。氏名自動設定ボタン123bがオンになっている場合(S22:YES)、WEBサーバ40は、会話テキストから、氏名となる情報を抽出して、自動入力で氏名受付欄123aへ受け付ける(S26)。
【0175】
一方、氏名自動設定ボタン123bがオンになっていない場合(S22:NO)、すなわち、氏名自動設定ボタン123bがオフのときは、WEBサーバ40は、会話テキストから、氏名となる情報を抽出するが、抽出した氏名となる情報をメモリ40cに一時的に記憶して保留状態にし(S23)、オペレータによるユーザ氏名の入力操作を受け付けたか否かを判断する(S24)。なお、氏名自動設定ボタン123bがオフになっているのは、その時点でオペレータ端末に表示されたユーザ画面120の氏名自動設定ボタン123bを、オペレータがオフへ操作したことによるものである。このように氏名自動設定ボタン123bをオフにするのは、例えば、ユーザの氏名の読み方が一般的でない、又はユーザの氏名に用いる漢字が一般的なものでない等と、オペレータがユーザとの電話会話を通じて判断した場合などが想定される。
【0176】
そして、オペレータによるユーザ氏名の入力操作を受け付けていない場合(S24:NO)、S22の段階へ処理が戻る。このようにS22の段階へ戻ることで、再度、WEBサーバ40は、氏名自動設定ボタン123bがオンになっているか否かを判断することになるので、この時点で、オペレータは自動入力でも問題ないと判断して、氏名自動設定ボタン123bをオンにすれば、S26の段階へ進み、メモリ40cに記憶されているユーザ氏名となる情報を用いて、氏名受付欄123aへ自動入力を行う。このように、氏名自動設定ボタン123bは、後からでもオン操作が可能になっており、オペレータの再考による自動入力にも対応可能になっている。
【0177】
また、S22の段階へ戻って、氏名自動設定ボタン123bがオフのままであれば(S22:NO)、自動入力を保留したまま(S23)、再度、オペレータによるユーザ氏名の入力操作を受け付けたか否かを判断することになる(S24)。そのため、氏名自動設定ボタン123bがオフのままのときは(S22:NO)、オペレータによるユーザ氏名の入力操作待ちの状態になる。このS24の段階で、オペレータがユーザ氏名の入力操作を行うと(S24:YES)WEBサーバ40がオペレータによって入力されたユーザの氏名を氏名受付欄123aへ受け付ける(S25)。
【0178】
上記のようにユーザの氏名を氏名受付欄123aへ、S26の段階で自動入力により受け付けた後、又はS25の段階で手動入力により受け付けた後は、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その段階までに取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データを生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる。この段階でのオペレータ端末には、電話番号受付欄125にユーザの電話番号を配置されると共に、氏名受付欄123aにユーザの氏名が配置されたユーザ情報部122を含み、会話内容部121に、それまでの会話テキストが示されたユーザ画面120が表示されることになる。
【0179】
図23に示す第4フローチャートは、新規ユーザの情報入力に関する処理を主としたものである。WEBサーバ40は、先ず、直近にオペレータ端末へ送信した画面データにおけるユーザ情報部122、122′等の中で、空欄の受付欄が有るか否かを判断する(S30)。空欄の受付欄が無い場合(S30:NO)、WEBサーバ40は
図25に示す第6フローチャートへ処理を進めることになる。また、空欄の受付欄が有る場合(S30:YES)、次に、WEBサーバ40は住所受付欄128に入力があるか否かを判断する(S31)。
【0180】
住所受付欄128に入力が有る場合(S31:YES)、WEBサーバ40は、取得した会話テキストに、空欄の受付欄に応じたユーザに係る情報(住所以外の情報)が含まれているか否かを判断する(S32)。会話テキストの中に、空欄の受付欄に応じたユーザに係る情報が含まれている場合(S32:YES)、WEBサーバ40は、ユーザに係る情報を空欄の受付欄に自動入力を行う(S33)。このS33の段階では、例えば、性別受付欄124にユーザの性別の自動入力が行われたり、生年月日受付欄126にユーザの生年月日の自動入力が行われたりする。
【0181】
このS33の段階で自動入力を行った後、又は空欄の受付欄に応じたユーザに係る情報が会話テキストの中に含まれていない場合(S32:NO)、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その時点で取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データを生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる。このような時点でのオペレータ端末には、会話内容部121に、それまでの会話テキストが示されると共に、S33の段階の自動入力を行ったときは、それより前の時点で空欄であった受付欄に新規ユーザに係る情報が入力されたユーザ画面120が表示されることになる。
【0182】
一方、S31の段階で、住所受付欄128に入力が無い場合(S31:NO)、会話テキストの中に新規ユーザの住所に係る情報が含まれるか否かをWEBサーバ40は判断する(S34)。新規ユーザの住所に係る情報が含まれる場合(S34:YES)、その住所に係る情報をメモリ40cに一時的に記憶し(住所と、その住所の読み方を記憶)、次に、WEBサーバ40は、その時点で、郵便番号受付欄127aに、郵便番号が入力されているか否かを判断する(S35)。そして、その時点で、新規ユーザの郵便番号を会話テキストから取得して、郵便番号受付欄127aに入力されている場合(S35:YES)、WEBサーバ40は、ユーザ画面120の中の住所検索ボタン127bについて、オペレータによる選択操作を受け付けたか否かを判断する(S36)。
【0183】
住所検索ボタン127bの選択操作を受け付けた場合(S36:YES)、すなわち、郵便番号に応じた住所の要求を受け付けた場合、WEBサーバ40は
図24の第5フローチャートへ処理を進める。なお、上記のS34~36の段階の判断でいずれもNOの場合(S34:NO、S35:NO、S36:NO)、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その段階までに取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データを生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる。
【0184】
図24に示す第5フローチャートは、新規ユーザの住所入力に係る処理を表したものであり、WEBサーバ40は、
図24の第4フローチャートのS36の段階の処理を受けて、外部の住所情報提供システムのサーバ装置へ住所情報要求(郵便番号受付欄127aに入力されている郵便番号に応じた住所情報を要求するもの)を送信する(S40)。この住所情報要求の送信に伴って、WEBサーバ40は、外部の住所情報提供システムから住所情報を受信して取得したか否かを判断し(S41)、取得できていない場合は(S41:NO)、住所情報(住所を示す情報と、その住所の読み方を示す情報等を含む)が送信されてくるのを待つ状態となり、取得できた場合は(S41:YES)、取得できた住所情報に含まれる住所の読み方と、それまでに取得していた会話テキストの中に含まれていた住所情報に含まれるユーザの住所の読み方を比較する(S42)。
【0185】
そして、WEBサーバ40は、S42の段階における比較により、二つの読み方の一致度を百分率(%)で算出する(S43)。なお、この一致度は、比較対象となる住所の読み方の全体の割合を100としたときに、一致した割合を表したものになる(例えば、住所の読み方の全体が20文字であり、一致した読み方の文字数が12であれば、一致度は60%になる)。
【0186】
それから、WEBサーバ40は、記憶部40fに予め記憶している下限基準値(本実施形態では一例として35%を使用)及び上限基準値(本実施形態では一例として70%を使用)と、算出した一致度を対比して、算出した一致度が下限基準値を越えて上限基準値未満までの範囲に含まれるか(下限基準値<算出した一致度<上限基準値)を判断する(S44)。なお、上述した下限基準値、上限基準値として、35%、70%以外の数値を適用することは勿論可能であり、例えば、下限基準値としては、15~40%程度の範囲内に含まれる数値の適用が可能であり、また、上限基準値としては60~80%程度の半以内に含まれる数値の適用が可能であり、オペレータ又はシステム管理者の設定により、下限又は上限の基準値の数値を変更可能にしてもよい。
【0187】
算出した算出した一致度が下限基準値から上限基準値までの範囲に含まれる場合(S44:YES)、WEBサーバ40は、外部の住所情報提供システムのサーバ装置から取得した住所情報が含む住所の都道府県及び区市群までの情報に、会話テキストの中に含まれる住所の町名以下の情報を加えたものをユーザの住所として生成する(S45)。
【0188】
一方、算出した算出した一致度が下限基準値から上限基準値までの範囲に含まれない場合(S44:NO)、すなわち、算出した一致度が下限基準値以下(算出した一致度≦下限基準値)又は算出した一致度が上限基準値以上(算出した一致度≧上限基準値)である場合、外部の住所情報提供システムのサーバ装置から取得した住所情報が含む都道府県、区市群、及び町名までの情報に、会話テキストに含まれる住所の番地以下の情報を加えたものをユーザの住所として生成する(S46)。
【0189】
そして、WEBサーバ40は、S45又はS46の段階で生成したユーザの住所を住所受付欄128へ自動入力し(S47)、その後は、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その時点までに取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データを生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる。
【0190】
このように本実施形態では、外部の住所情報提供システムのサーバ装置から取得した住所情報と、電話会話より音声認識された会話テキストの中に含まれる住所情報とを適宜組み合わせて、ユーザの住所にしており、特に両者の読み方の一致度が下限から上限の基準値までの範囲に含まれれば、音声認識により得られた住所の町名以下の情報をユーザの住所に用いるので、音声認識の結果を重視してユーザの住所を特定できる。また、一致度が下限基準値以下又は上限基準値以上であれば、音声認識により得られた住所の町名の番地以下の情報を用いるので、外部の住所情報提供システムから取得した住所でカバー出来ない番地以下を、音声認識結果で補足して、正確なユーザの住所を特定できることになる。
【0191】
また、上述した
図23に示す第4フローチャート及び
図24に示す第5フローチャートに示す処理を行うことで、電話をかけてきた新規ユーザに係る情報が、ユーザ画面120のユーザ情報部122に含まれる全ての受付欄に入力を受け付けた状態となる。このように各受付欄に新規ユーザに係る情報を受け付け状態になると、
図20の第1フローチャートに処理が戻って、S4の段階に入れば、
図21の第1フローチャートのS10の段階へ進み、電話番号受付欄125の入力アリ(S10:YES)により、
図22の第3フローチャートのS20の段階へ進み、氏名受付欄123aの入力アリ(S20:YES)により、
図23の第4フローチャートのS30の段階へ進み、空欄の受付欄ナシ(S30:NO)により、
図25に示す第6フローチャートのS50の段階に進むことになる。
【0192】
一方、電話をかけてきたユーザが登録ユーザの場合は、登録ユーザデータベース62に、その登録ユーザに係る情報が記憶されていることから、上述した
図21の第2フローチャートにおけるS13の段階で、会話テキストの中に含まれていた電話番号が登録ユーザデータベース62に記憶されていてヒットする(S13:YES)。
【0193】
そのため、WEBサーバ40は、ヒットした電話番号に応じたユーザIDを登録ユーザデータベース62から特定して、そのユーザIDに対応付けてあるユーザに係る情報(ユーザの氏名、性別、電話番号、生年月日、住所等の登録ユーザに係る情報)を、登録ユーザデータベース62から抽出し(S14)、さらに、特定したユーザIDに対応付けてある注文商品情報を注文データベース65から抽出し(S15)、抽出した各情報を、
図5のユーザ情報部122′に含まれる各受付欄及び注文商品情報部130の各欄へ自動入力等で配置して反映する(S16)。それから、
図20の第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その時点までに取得した会話テキストを会話内容部121に配置した画面データを生成してから、S6以降の処理を行うことになる。
【0194】
上記のような処理を行うことで、電話をかけてきたユーザが登録ユーザである場合は、登録ユーザデータベース62から、電話をかけてきたユーザに係る情報が抽出されると共に、注文データベース65から、そのユーザの注文商品情報が抽出されて、
図5に示すように、ユーザ情報部122′の各受付欄に、抽出されたユーザに係る情報が配置されると共に、注文商品情報部130に、抽出された注文商品情報が自動で配置されたユーザ画面120′に応じた画面データがWEBサーバ40で生成されオペレータ端末へ送信されるので、オペレータ端末には、
図5に示すようなユーザ画面120′が表示されることになる。
【0195】
なお、このようなユーザ画面120′が表示されると、上述した新規ユーザの場合(電話をかけてきたユーザが新規ユーザの場合)と同様に、
図20の第1フローチャートでS7からS3、S4の段階へと処理が進んでから、再度、
図21の第2フローチャートのS10の段階へ進むことになり、このときのS10の段階では、画面データの電話番号受付欄125′は入力ありになることから(S10:YES)、
図22の第3フローチャートのS20の段階へ処理が進み、氏名受付欄の入力アリ(S20:YES)により、
図23の第4フローチャートのS30の段階へ進み、空欄の受付欄ナシ(S30:NO)により、
図25に示す第6フローチャートのS50の段階に進むことになる。
【0196】
図25の第6フローチャートは上述したように、電話をかけてきたユーザが新規ユーザ又は登録ユーザであり、ユーザ情報部に含まれる受付欄の全てが入力されたときに行われる処理を示し、まず、その時点までに取得した会話テキストの中に商品情報が含まれるか否かをWEBサーバ40は判断する(S50)。会話テキストの中に商品情報が含まれるか否かは、会話テキストに含まれる各情報(ワード等)を検索ワードにして、DBシステム60の商品データベース64の検索を行い、商品データベース64に記憶される商品情報に係る商品名、価格、商品内容物個数、商品説明、商品カテゴリ、商品キーワード等のいずれかとヒットすれば、会話テキストの中に商品情報が含まれると判断される。
【0197】
会話テキストに商品情報が含まれると判断された場合(S50:YES)、次に、WEBサーバ40は、その含まれると判断された商品情報について、商品データベース64にヒットした情報(ワード)を含む商品に係る商品情報を抽出し(S51)、その抽出した商品情報を配置した商品情報部131(
図6参照)を生成する(S52)。例えば、会話テキストに含まれる情報が「うるおい」という商品情報に係るワードであり、そのワード(うるおい)を商品キーワードとして含む商品が商品データベース64に計8品、記憶されていれば、S51の段階では、これら8品の商品情報が全て抽出されることになり、S52の段階で、これら8品の商品情報を含む全て商品情報部131が生成されることになる。
【0198】
S52の段階の後は、第1フローチャートのS5の段階へ戻り、生成した商品情報部131と、その時点において取得した会話テキストを配置した会話内容部121″を含む画面データを生成し、それからS6の段階以降の処理等を行うことになる。このような処理を経ることで、その時点でのオペレータ端末には、例えば、
図6に示すような複数の商品情報を配置した商品情報部131を含むユーザ画面120″が表示される。それにより、電話会話に出てきたワードに応じた商品を、オペレータがユーザに提案する場合や説明する場合などに好適な画面をオペレータに提供できる。なお、S50の段階において、会話テキストの中に商品情報が含まれないと判断された場合は(S50:NO)、
図26に示す第7フローチャートのS60の段階に進むことになる。
【0199】
図26に示す第7フローチャートは、
図7のクレーム画面140を表示するための処理を表したものである。まず、WEBサーバ40は、その時点において取得した会話テキストの中に,ユーザからのクレームを表すクレームワードが含まれるか否かを判断する(S60)。会話テキストの中にクレームワードが含まれるか否かは、会話テキストに含まれる各情報(ワード)を検索ワードにして、DBシステム60のキーワードデータベース63の検索を行い、キーワードデータベース63に記憶されるクレームキーワード(「困っている」、「違う」、「おかしい」、「痛い」、「腫れた」、「赤くなった」等のキーワード)のいずれかとヒットすれば、会話テキストの中にクレームワードが含まれると判断される。
【0200】
会話テキストにクレームワードが含まれないと判断された場合(S60:NO)、第1フローチャートのS5の段階へ戻り、その時点において取得した会話テキストを配置した会話内容部121、121′、121″を含むユーザ画面120、120′、120″等に応じた画面データを生成し、S6の段階以降の処理等を行うことになる
【0201】
会話テキストにクレームワードが含まれると判断された場合(S60:YES)、次に、WEBサーバ40は、その含まれると判断されたクレームワードについて、クレーム要約文の要求を自動要約サーバ50へ送信する(S61)。なお、S60の段階で、会話テキストに含まれると判断されたクレームワード(クレームキーワード)には、緊急度情報(緊急度:高)が付帯してキーワードデータベース63に記憶されていれば、その会話テキストに応じたクレームの緊急度は高いと、WEBサーバ40は特定する。
【0202】
それからWEBサーバ40は、自動要約サーバ50から送られてくるクレーム要約文を受信したか否かを判断し(S62)、受信していない場合は(S62:NO)、受信待ちの状態となる。また、クレーム要約文を受信した場合(S62:YES)、受信したクレーム要約文を、
図7のクレーム画面140におけるクレーム情報部142の中のクレーム内容欄142hに自動入力し、また、クレーム情報部142の中の受付日欄142aには、現在の日を自動入力し、状況欄142bには「Open(継続中)」を自動入力し、顧客欄142c及び顧客電話欄142dには、直前にまで生成していた
図4~6に示すユーザ画面120~120″に応じた画面データにおける氏名受付欄123a等及び電話番号受付欄125等に入力されていた情報を、そのまま転記して自動入力するなどして、クレームに対応した内容を示すクレーム情報部142を生成する(S63)。
【0203】
なお、それまでの会話テキストの中に、クレーム対象となる商品名、クレーム対象となる事象の発生日が含まれていれば、その商品名が商品名欄142eに自動入力されると共に、その発生日が発生日欄142fに自動入力される。また、上述したように緊急度が高いと特定されれば、「高」という緊急度が緊急度欄142gに自動入力される。
【0204】
S63の段階の後は、第1フローチャートのS5の段階へ戻り、生成したクレーム情報部142と、その時点において取得した会話テキストを配置した会話内容部141を含む画面データを生成して、それからS6の段階以降の処理等を行うことになる。このような処理を経ることで、その時点でのオペレータ端末には、例えば、
図7に示すようなクレームに対応した内容を示すクレーム情報を含むクレーム情報部142と、それまでの会話テキストを含む会話内容部141を配置したクレーム画面140に、ディスプレイ画面6aの表示が自動で切り替わる。
【0205】
それにより、オペレータは、電話をかけてきたユーザがクレームを伝えてきても、クレーム画面140により、ユーザのクレームに関する事項を各欄142a~142hに整理されて提示されることから、それまでの会話内容と照らし合わせてクレーム内容を視覚的に確認できる。そのため、ユーザからのクレームに落ち着いて対応しやすくなり、また、ユーザの主張が今までの電話内容と辻褄が合わない内容に展開しても、クレーム画面140でユーザの主張の矛盾点等を確認でき、オペレータがユーザに追い込まれるような事態の回避にも役立てられる。
【0206】
以上のように、本発明では、ユーザとの電話会話の進行に応じて、適宜、
図4~7等の示す各種画面をオペレータ端末に表示するので、オペレータは電話会話の一連の会話テキストの内容を随時、視覚的に確認しながら、様々なユーザ対応業務を進めることができ、特に、電話をかけてきたユーザが新規ユーザであれば、新規ユーザに係る各種情報(氏名や住所等)の入力を正確に行いやすく、また、電話会話の内容に応じた商品の提案等も補助される(
図6のユーザ画面120″の商品情報部131参照)。さらには、電話会話の内容がクレームであるときは、オペレータ端末の表示がユーザ画面120等からクレーム画面140へ自動的に切り替わるので、クレーム内容を視覚的に確認できる状況をオペレータに提供してオペレータのクレーム対応業務を支援できる。
【0207】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるもののではなく、様々な変形例が想定できる。例えば、上記の説明においてコールセンターシステム10は、音声取得サーバ20、音声認識サーバ30、WEBサーバ40、自動要約サーバ50で構築されていたが、各サーバ20~50のそれぞれの処理を分散して、より多くの数のサーバでコールセンターシステム10を構成するようにしてもよく、また、逆に、各サーバ20~50が行う処理を統合する等して、サーバ数を減少することも可能であり、コールセンターシステム10に含まれるサーバの数及びサーバの構成は、
図1に示されるものに限定されない。いずれにしても、上述した各サーバ20~50の処理をコールセンターシステム10として行えるようであれば、システム内のサーバ構成は様々なものを適用できる。
【0208】
さらに、上記の説明では、コールセンターシステム10にDBシステム60が含まれる構成であったが、コールセンターシステム10の構成を簡易化するときなどは、DBシステム60の全てをコールセンターシステム10の外部に置くことも可能である。また、DBシステム60に含まれる各データベース61~68の一部を外部に置くと共に、残りはコールセンターシステム10に含ませる構成にすることも可能である。例えば、情報管理の点で個人情報等を含まないキーワードデータベース65及び商品データベース64は、コールセンターシステム10の外部に置く一方、個人情報等を含むオペレータデータベース61、登録ユーザデータベース62、注文データベース65、クレームデータベース66、会話音声データベース67、及び会話テキストデータベース68は、DBシステム60の内部に置く仕様にしてもよく、このようにして個人情報等の情報管理を確保しながら、コールセンターシステム10の構成の簡易化を図れる。
【0209】
さらにまた、コールセンターシステム10が生成する画面データの中身としては、
図4~7に示す各画面120、120′、120″、140の内容に応じたものに限定されず、他のレイアウト、他の中身等のものに適宜、変形することが可能である。例えば、各画面120等において、一連の会話テキストを示す会話内容部120等は、画面左側に配置しているが、それ以外にも画面右側に配置することや、一連の会話テキストを垂直方向に並べるのでは無く、水平方向に並べることで、画面上側又は画面下側に配置するようにした画面データを生成してもよい。
【0210】
また、会話以外の他の情報を重視する仕様の場合は、一連の会話テキストを示す会話内容部121、121′、121″、141を省略して、残りのユーザ情報部122、122′、注文商品情報部130、商品情報部131、及びクレーム情報部142の表示エリアを拡大して、これらの各情報部122、122′、130、131、142等を適宜、全画面的に表示する仕様に応じた画面データを生成することも勿論可能である。なお、これらの各情報部122等の表示範囲を広げた仕様において、表示切替ボタン等を設けて、全画面表示から、画面の一部に上述した会話内容部120等が含まれる画面(
図4~7等の図面)に切替表示を可能にして、適宜、一連の会話内容も同時的に確認できるようにしてもよい。
【0211】
さらにまた、各ユーザ画面120~120″のユーザ情報部122~122″に含まれる各受付欄123aの種類や数も適宜増減してもよく、例えば、増やす場合は、ユーザの性格、趣味等の入力を受け付ける入力欄を追加して、ユーザに関する更に多くの情報をオペレータに提示できる仕様にしてもよく、逆に、提示する受付欄はユーザの氏名、性別、生年月日に応じたものに絞ってユーザ情報部の画面専有範囲を減らして、画面内における他の情報の表示範囲を広げるようにしてもよい。
【0212】
また、上述した説明では、氏名受付欄123aに対して氏名自動設定ボタン123bを設けて、ユーザの氏名の自動入力と手動入力を適宜切替可能にしていたが、このような自動設定ボタンは、氏名受付欄123a以外にも、他の受付欄に対しても設けるようにすることが可能であり、例えば、住所受付欄128等に対して設けるようにしてもよい。また、住所受付欄128は、
図24に示す第5フローチャートに示すように、下限基準値及び上限基準値との比較処理(S44)を省略し、市町村等までは郵便番号に基づき外部から取得した住所情報を用いると共に、それ以下の部分(番地等以下の部分)については、会話テキストの住所情報又はオペレータの手動入力を組み合わせてユーザの住所を生成するようにして処理の簡易化を図ってもよい。
本発明は、コールセンターにおいて、音声認識によりユーザとの電話会話の内容を画面表示することに加えて、ユーザ情報の入力の仕方を工夫すると共に、ユーザ情報やクレーム情報等の各種情報を整理して会話テキストと同時的に画面表示するので、オペレータのユーザ対応業務を視覚的及び心理的に支援することに対し好適に利用可能である。