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特開2023-75180LFA-1拮抗薬リフィテグラストを調製および精製するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075180
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】LFA-1拮抗薬リフィテグラストを調製および精製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/06 20060101AFI20230523BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 27/04 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
C07D405/06
A61K31/4725
A61P27/04
A61P43/00 111
A61P37/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023027989
(22)【出願日】2023-02-27
(62)【分割の表示】P 2020503256の分割
【原出願日】2018-07-23
(31)【優先権主張番号】17382487.1
(32)【優先日】2017-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508036488
【氏名又は名称】インテルキム、ソシエダッド アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルソサ ロドリゲス、ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】マルキリャス オロンドリツ、フランシスコ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リフィテグラストを精製するためのプロセスを提供する。
【解決手段】式(I)で表されるリフィテグラストを精製するためのプロセスであって、i)リフィテグラストを、ジシクロヘキシルアミンと、適切な溶媒の存在下で反応させ、リフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩(Ia)を提供する工程と、ii)前記反応媒体から、(Ia)を単離する工程と、iii)前記先行工程で得られた(Ia)を、適切な溶媒の存在下で酸で処理することにより、リフィテグラストへと変換する工程と、iv)前記反応媒体からリフィテグラストを単離する工程と、を含む、プロセスである。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物を調製するためのプロセスであって、 a)式(II):
【化2】

の化合物を、非塩素化カルボキシル活性化剤と、適切な溶媒の存在下で反応させ、前記式(II)の化合物の活性誘導体を提供する工程と、
b)工程a)で得られる前記式(II)の化合物の活性化合物を、式(III):
【化3】

の化合物またはその塩と、適切な溶媒の存在下でおよび任意で塩基の存在下で反応させ、式(I)の化合物またはその塩を提供する工程と、
c)任意で、得られたリフィテグラストを単離する工程とを含む、プロセス。
【請求項2】
前記非塩素化カルボキシル活性化剤が、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,1’-カルボニル-ジ-(1,2,4-トリアゾール)(CDT)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、N-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-N’-エチルカルボジイミド(EDC)、およびこれらのうち1つと、N-ヒドロキシスクシンイミドまたはN-ヒドロキシフタルイミドとの組合せ、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、ブロモ-トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロ-ホスファート(PyBrOP)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロ-ホスファート(PyBOP)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチル-アミニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)および2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TATU)からなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記非塩素化カルボキシル活性化剤が、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)または1,1’-カルボニル-ジ-(1,2,4-トリアゾール)(CDT)である、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
工程a)およびb)が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIK)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル(ACN)およびこれらの混合物から選択される溶媒の存在下で個別に実施される、請求項1~3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
工程a)が、20~25℃を含む温度で実施される、請求項1~4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
前記プロセスが、式(IV):
【化4】

(式中、PGがカルボキシ保護基である)
の化合物またはその塩の保護基を除去して、前記式(III)の化合物またはその塩を生じる先行工程を含む、請求項1~5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記式(III)の化合物またはその塩が、単離することなく、次の工程で直接使用される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記式(III)の化合物またはその塩が、次の工程で反応させる前に、前記反応媒体から単離される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
式(I)の化合物を精製することのためのプロセスであって、
【化5】

i)式(I)の化合物を、ジシクロヘキシルアミンと、適切な溶媒の存在下で反応させ、式(Ia)
【化6】

の化合物を提供する工程と、
ii)前記反応媒体から、前記式(Ia)の化合物を単離する工程と、
iii)前記先行工程で得られた前記式(Ia)の化合物を、適切な溶媒の存在下で酸で処理することにより、式(I)の化合物へと変換する工程と、
iv)前記反応媒体から前記式(I)の化合物を単離する工程と、を含む、プロセス。
【請求項10】
工程i)の前記溶媒が、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセタート(EtOAc)、イソプロピルアセタート(IPrOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-ブタノール、イソプロパノール(IPA)、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
工程iii)で使用される前記酸が、HCl、HSO、HPO、ギ酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、請求項9~10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
工程iv)が、適切な溶媒中で結晶化または析出することを含む、請求項9~11のいずれかに記載のプロセス。
【請求項13】
請求項1~8のいずれかに定義される前記プロセスにより、工程i)に先立ち、前記式(I)の化合物を調製することを含む、請求項9~12のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
工程b)で得られる前記式(I)の化合物が、単離されることなく次の工程で直接使用される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
式(Ia)の化合物
【化7】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフィテグラストまたはその薬学的に許容可能な塩を調製するためのプロセス、および精製するためのプロセスに関する。本発明はまた、リフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩に関する。
【背景技術】
【0002】
リフィテグラストは、式(I)の化合物:(S)-2-(2-(ベンゾフラン-6-カルボニル)-5,7-ジクロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-カルボキサミド)-3-(3-(メチルスルホニル)フェニル)-プロパン酸の一般名である。
【化1】
【0003】
リフィテグラストは、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)拮抗薬であり、米国食品医薬品局(FDA)により、ドライアイ疾患症候および症状の治療用に点眼薬の形態で承認されている。
【0004】
リフィテグラストはまず、国際公開第2006/125119号を含むパテントファミリーに記載された。しかし、このPCT出願は、この活性化合物の調製プロセスを一切開示していない。
国際公開第2009/139817号は、スキーム1に示す、リフィテグラストの調製プロセスを記載している。この方法は、酸のアシルクロリド18と、ベンジル保護化合物12を反応させることにより、中間物質19を得、その後、Pd触媒水素化によりベンジル基を除去することで、リフィテグラスト(1)を提供することを含む。
【化2】
【0005】
国際公開第2011/050175号は、国際公開第2009/139817号に記載されている中間物質19を得、その後、酸または塩基加水分解でベンジル基を除去することを含む、リフィテグラストの調製のためのプロセスを記載している。
【0006】
最後に、国際公開第2014/018748号は、国際公開第2009/139817号に記載されている中間物質19を得、その後、相間移動触媒(両親媒性条件)によりベンジル基を除去することを含む、リフィテグラストの調製のためのプロセスを記載している。国際公開第2014/018748号はまた、18のアシルクロリドを調製するための代替的条件として、チオニルクロリド(SOCl)およびN-メチルモルホリン(NMM)の使用を開示している。
【0007】
リフィテグラストの精製に関しては、国際公開第2009/139817号はメチルエチルケトン(MEK)またはアセトニトリル中でリフィテグラストをスラリー化し、A型のリフィテグラストを提供する工程を開示する。国際公開第2011/050175号および国際公開第2014/018748号では、99%純度および99%eeの種結晶で、MEKから結晶化を実施することについて明記している。こうした条件下で得られたリフィテグラストに関して報告された光学純度は、97.9%である。
【0008】
従前プロセスによるリフィテグラストの調製は、いくつかの欠点を示す。とりわけ、それ自体不利益である有毒な塩素化試薬が使用される。加えて、当該有毒試薬の使用により生じる、有毒物質および潜在的に遺伝毒性のある塩素化夾雑物は、規制上の理由から生成物中許容可能な最大制限値未満まで最終生成物から除去しなくてはならないが、これは、精製が困難であることを意味する。更に、本発明者らが、先行技術におけるMEK中でのリフィテグラストの結晶化を再現することを試みたところ、98%純度の粗生成物を使用した場合に失敗した。事実、99%の純度および99%のeeを有する、精製工程で使用される種結晶を得る方法については、先行技術文献中には開示されていない。
【0009】
したがって、再現可能であり、工業化が容易および先行技術の課題を回避する、リフィテグラストの調製のための代替的なプロセスを提供する必要性が存在している。
【発明の概要】
【0010】
本発明者らは、毒性および腐食性塩素化剤の使用を避けることで、潜在的に遺伝毒性のある、塩素化夾雑物が含まれない最終生成物を有することができるリフィテグラスト、または薬学的に許容可能なその塩の調製のためのプロセスを開発した。加えて、所望の場合、リフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩の形成を通じ精製することで、リフィテグラストの鏡像異性体純度も向上させることができ、その結果、最大99.8%の鏡像体過剰率を得ることができる。更に本発明のプロセスは、高収率を実現し、かつ工業化しやすいものである。
【0011】
したがって、本発明の第1の態様は、式(I)の化合物であるリフィテグラストの調製のためのプロセスであって、
【化3】

a)式(II)の化合物:
【化4】

を、非塩素化カルボキシル活性化剤と、適切な溶媒の存在下で反応させ、式(II)の化合物の活性誘導体を提供する工程と、
b)工程a)で得られた式(II)の化合物の活性化合物を、式(III)の化合物またはその塩と、適切な溶媒の存在下でおよび任意で塩基:
【化5】

の存在下で反応させ、式(I)の化合物を提供する工程と、
c)得られる式(I)の化合物を、任意で単離する工程とを含む、プロセスに関する。
【0012】
本発明の別の態様は、リフィテグラストの精製のためのプロセスであって、
i)式(I)の化合物を、ジシクロヘキシルアミン(DCHA)と、適切な溶媒の存在下で反応させ、式(Ia)の化合物
【化6】

を提供する工程と、
ii)反応媒体から、式(Ia)の化合物を単離する工程と、
iii)先行工程で得られる式(Ia)の化合物を、適切な溶媒の存在下で酸で処理することにより、式(I)の化合物へと変換する工程と、
iv)反応媒体から式(I)の化合物を単離する工程とを含む、プロセスに関する。
【0013】
本発明の第3の態様は、上で定義するように、式(Ia)の化合物に関する。
【0014】
式(I)の化合物を、ジシクロヘキシルアミン(DCHA)と、適切な溶媒の存在下での反応させることを含む、式(Ia)の化合物の調製のためのプロセスも、本発明の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の詳細な説明
本出願中の、本明細書で使用される全ての用語は、特に指示のない限り、当技術分野で知られる一般的な意味で理解されるべきである。本出願で使用される、特定用語に対する他の更に特定の定義は以下に規定され、他に明示された定義がより広範な定義を与えない限り、当該定義は、本明細書および請求項を通じて統一的に適用することが意図される。
【0016】
本発明の目的のためには、室温は20~25℃である。
【0017】
本明細書で使用される用語「鏡像体過剰率」またはeeは、生成物の混合物中に存在する、エナンチオマーの量と他のエナンチオマーの量との差を指すものである。これは、以下の式:
【数1】

を使用することで計算され得、式中、xおよびyは、2つのエナンチオマーの相対量であり、これはキラルHPLCにより測定され得る。これにより、98%のエナンチオマーおよびもう一方の2%エナンチオマーを有する生成物の混合物は、96%の鏡像体過剰率を有する。
【0018】
本明細書で使用される用語「HPLC純度」および「HPLCキラル純度」は、HPLC検出を受けるピーク面積および次いで総ピーク面積において得られたクロマトグラフによる、面積百分率(area normalization)を指す。
【0019】
本発明は、リフィテグラスト(式(I)の化合物)を調製および精製するためのプロセスに関する。本発明においてまた、任意で、本明細書に開示されるプロセスにおいて得られるリフィテグラストを、適切な溶媒の存在下で塩基で処理することにより、薬学的に許容可能であるその塩に変換することが企図される。
【0020】
治療目的で使用される際、薬学的に許容可能であるならば、すなわち、想定される投与レベルで所望の活性を有し、かつ無毒であるかまたは許容可能な毒性を有するならば、使用可能である塩の種類に制限はない。用語「薬学的に許容可能である塩」は、遊離酸リフィテグラストの付加塩を形成するために一般的に使用される塩を含む。
【0021】
リフィテグラスト(I)の、薬学的に許容可能である塩の調製は、周知の方法で実施され得る。例えば塩は、酸部分を含有する親化合物から従来の化学的方法により調製され得る。
【0022】
本発明の第1の態様において、リフィテグラストの調製プロセスは、式(II)の化合物を非塩素化カルボキシル活性化剤と反応させる、第1の工程a)を含む。非塩素化カルボキシル活性化剤の非限定例としては、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,1’-カルボニル-ジ-(1,2,4-トリアゾール)(CDT)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、N-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-N’-エチルカルボジイミド(EDC)、およびこれらのうち1つと、N-ヒドロキシスクシンイミドまたはN-ヒドロキシフタルイミドとの組合せ、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、ブロモ-トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロ-ホスファート(PyBrOP)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロ-ホスファート(PyBOP)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチル-アミニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)および2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TATU)が挙げられる。
【0023】
特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、非塩素化カルボキシル活性化剤は、CDI、CDT、DCC、DIC、EDCおよびこれらのうち1つと、N-ヒドロキシスクシンイミドまたはN-ヒドロキシフタルイミドとの組合せ、BOP、PyBrOP、PyBOP、TBTU、HBTU、HATUおよびTATUからなる群から選択される。とりわけ、非塩素化カルボキシル活性化剤はCDIまたはCDTであり、更にとりわけ、CDIである。
【0024】
化合物(II)と上で定義するような非塩素化カルボキシル活性化剤との反応の結果として、式(II)の化合物の活性誘導体が得られる。例えば非塩素化カルボキシル活性化剤がCDIまたはCDTである場合、式IIの化合物の活性誘導体は、式(IIa):
【化7】

を有し、式中、非塩素化カルボキシル活性化剤がCDIである場合、XはCであり、非塩素化カルボキシル活性化剤がCDTである場合、XはNである。
【0025】
工程a)は、適切な溶媒の存在下で実施される。特定の一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIK)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル(ACN)およびそれらの混合物から選択され、とりわけ、溶媒はDMSOである。
【0026】
別の特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程a)は室温と溶媒の沸騰温度との間を含む温度で実施され、とりわけ、20~70℃を含む温度であり、更にとりわけ、50~70℃または20~25℃を含む温度である。
【0027】
本発明の第1の態様のプロセスは、工程a)で得られる活性カルボン酸化合物を、式(III)の化合物またはその塩と反応させ、式(I)の化合物を提供する、第2の工程b)を含む。
【0028】
工程b)は、適切な溶媒の存在下で実施される。特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIK)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル(ACN)およびそれらの混合物から選択され、とりわけ、溶媒はDMSOまたはDMSOとDCMの混合物である。
【0029】
工程b)は、任意に、適切な塩基の存在下で実施される。使用可能である塩基の非限定例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N-メチルモルホリン(NMM)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)である。
【0030】
特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程b)は塩基の不在下で実施される。
【0031】
別の特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程b)は、トリエチルアミン、DIPEA、NMMおよびDMAPからなる群から選択され、とりわけ、トリエチルアミンである、塩基の存在下で実施される。
【0032】
別の特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程b)は、室温と溶媒の沸騰温度との間を含む温度で実施され、とりわけ、室温で実施される。
【0033】
別の特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程b)は、-5℃と溶媒の沸騰温度との間を含む温度で実施され、とりわけ、0~5℃の間で実施される。
【0034】
工程a)およびb)を含む上で記載されるプロセスは、塩素を含まないカルボキシル活性化剤が、遺伝毒性ではあり得る塩素化夾雑物を生成し得ないという利点を有する。このようにして、本発明の調製プロセスにより得られるリフィテグラストは、化合物(II)とチオニルクロリドとの反応により塩素化夾雑物を生成する先行技術プロセスとは異なり、塩素化夾雑物を含まない。特定の理論に縛られるものではないが、こうした塩素化夾雑物は、リフィテグラスト分子のベンゾフラン環にClを導入することにより形成されると考えられている。
【0035】
更に、活性化合物(II)および式(III)の化合物とのカップリング反応は、式(III)の化合物中に遊離カルボン酸が存在することにより、考えられる副反応にも関わらず、化合物(I)に対して予想外な高収率をもたらした。したがって、本発明のプロセスの条件下では、式(III)の2つの化合物が分子間反応することで生じるアミド誘導体が形成されず、カップリング反応により化合物(I)が高収率で生じる。
【0036】
工程b)の反応では、式(III)の化合物は、中性形態でまたは塩形態で使用され得、これは式(III)の化合物中に存在するアミンを伴う酸付加塩か、または式(III)の化合物中に存在するカルボン酸を伴う塩基付加塩であり得る。
【0037】
本明細書で使用される式(III)の化合物の「酸付加塩」は、式(III)の化合物に対し、有機酸または無機酸を付加することにより形成される、任意の塩を指す。好適な塩を形成する例示的な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。好適な塩を形成する例示的な有機酸には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、p-ブロモベンゼンスルホン酸、フタル酸、イソフタル酸、安息香酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用される「塩基付加塩」は、式(III)の化合物に対して、有機塩基または無機塩基の付加によって形成される任意の塩を意味する。好適な塩を形成する例示的な無機塩基には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛またはバリウムの水酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な塩を形成する例示的な有機塩基には、メチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピコリン、アンモニア、エチレンジアミド、エタノールアミン、N,N-ジアルキレンエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、イミダゾール、ピリジンおよび塩基性アミノ酸などの脂肪族、脂環式または芳香族有機アミンが挙げられる。
【0039】
特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程b)で使用される式(III)の化合物は、式(III)の化合物の酸付加塩である。とりわけ、工程b)で使用される式(III)の化合物は塩酸塩の形態である。
【0040】
別の特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程b)で使用される式(III)の化合物は、式(III)の化合物の塩基付加塩である。とりわけ、工程b)に使用される式(III)の化合物は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたはそのイミダゾール塩の形態であり、更にとりわけ、工程b)に使用される式(III)の化合物は、イミダゾール塩またはトリエチルアミン塩の形態である。
【0041】
工程b)で生じ、得られるリフィテグラストは、任意に工程c)で反応媒体から単離される。例えば、リフィテグラストは溶媒または溶媒の混合物中で結晶化または析出され得、そして、例えば、ろ過または遠心分離により、反応媒体から分離され得る。
【0042】
本発明で開示される任意の化合物の任意の結晶化プロセスにおいて、使用され得る溶媒の非限定例には、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセタート(EtOAc)、イソプロピルアセタート(IPrOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-ブタノール、イソプロパノール(IPA)、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せが挙げられる。これに加え、所望の生成物の結晶化プロセスを誘導するため、反応中にこうした反応が起こらない場合でも、いくつかの選択肢が存在している。例えば、溶液は0℃などの低温まで冷却され得、他の溶媒が添加され得、または生成物が入手可能な場合には生成物を成長させて結晶化を促進させ得る。一般的に生成物は、0℃~30℃の範囲であり得る温度にて、析出または結晶化され得る。
【0043】
このようにして、特定の一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程c)は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中、とりわけ、DMSOおよび水の混合物中、アセトンおよびMTBEの混合物中またはDCMおよびIPrOAcの混合物中、更にとりわけ、DMSOおよび水の混合物中での、リフィテグラストの結晶化または析出を含む。
【0044】
上のプロセスの工程b)において、式(III)の化合物は、例えば、国際公開第2009/139817号、国際公開第2011/050175号および国際公開第2014/018748号に記載されるプロセスなどの、周知のプロセスにより調製され得る。式(II)の化合物は、市販品であるか、または標準的な合成プロセスにより調製され得る。
【0045】
例えば、特定の一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、式(III)の化合物は、式(IV)の化合物またはこの塩:
【化8】

の保護基を除去することにより、得ることが可能であり、式中、PGはカルボキシ保護基である。
【0046】
このようにして、一実施形態では、本発明は、上で定義されるように、式(I)の化合物の調製のためのプロセスであって、これまでに定義したような、次の工程a)~c)を含み、更に、工程b)に先んじて、上で定義したような式(IV)の化合物またはこれらの塩の保護基を除去して、式(III)の化合物またはその塩を提供する工程a1)を含む、プロセスに関する。
【0047】
本発明の目的では、「保護基」(PG)は、分子中の反応基に付着した場合、その反応性を遮り、低減しまたは妨害するような原子群を指す。好適なカルボキシ保護基の例としては、シリル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。好適なシリル基の例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリル等が挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、トリチル、t-ブチル、テトラヒドロピラン-2-イルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、アリルが挙げられる。好適なアリール基の例としては、任意に置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチルが挙げられる。好適なアリールアルキル基の例としては、任意に置換されたベンジル(例えばp-メトキシベンジル(MPM)、3,4-ジメトキシベンジル、O-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル)ならびに2-および4-ピコリルが挙げられる。
【0048】
カルボキシ保護基は、例えばT.W.GreenおよびP.G.M.Wuts「Protective Groups in Organic Chemistry」、Wiley第3版、第5章第369~451頁(1999)内に記載されるように周知である、標準的な方法により除去可能である。
【0049】
特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、式(IV)の化合物において、PGはベンジルである。より特定の一実施形態では、ベンジル基の除去は、酸加水分解、すなわち酸で、および任意に溶媒の存在下にて処理することにより、実施される。代替的には、別のより特定の実施形態では、ベンジル基除去は塩基加水分解、すなわち塩基の存在下で、および任意に溶媒の存在下にて処理することにより、実施される。室温と溶媒の沸騰温度との間を含む温度にて、加水分解(酸条件下または塩基条件下のいずれか)が実施される。
【0050】
加水分解反応で使用可能である溶媒の非限定例には、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン(本明細書ではジオキサンとも称する)、クロロホルム、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセタート(EtOAc)、イソプロピルアセタート(IPrOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-ブタノール、イソプロパノール(IPA)、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
酸加水分解で使用可能である酸の非限定例には、HCl、HSO、HPO、ギ酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。塩基加水分解で使用可能である塩基の非限定例には、NaOH、KOHまたはLiOHが挙げられる。
【0052】
特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、式(IV)の化合物において、PGはベンジルであり、ベンジル基除去は、還流温度にて、水性HClの存在下で酸加水分解により実施される。
【0053】
特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、式(IV)の化合物において、PGはベンジルであり、ベンジル基除去は、室温と還流温度の間を含む温度にて、とりわけ、室温にて、水性HClまたはHCl(気体)の存在下で酸加水分解により実施される。
【0054】
別の特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、式(IV)の化合物において、PGはベンジルであり、別の特定の実施形態では、ベンジル基除去は、室温および溶媒または溶媒の混合物の沸点の間の温度で、好ましくは、60~80℃を含む温度で、NaOHならびに例えばトルエン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)または水およびこれらの混合物といった適切な溶媒の存在下で、塩基加水分解により実施される。
【0055】
所望の場合、式(IV)の化合物から得られる、式(III)の化合物は反応媒体から単離可能である。例えば、(必要に応じて)反応媒体に対して酸または塩基の付加を行うことにより、式(III)の化合物は塩の形態で単離可能である。
【0056】
一実施形態では、式(III)の化合物とアミン、特にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンおよびイミダゾールから選択されるアミン、更にとりわけ、イミダゾールまたはトリエチルアミンとを、適切な溶媒の存在下で反応させることにより、ならびにこれを反応媒体から単離することにより、式(III)の化合物は、式(III)の化合物の塩基付加塩の形態で単離され得る。
【0057】
より特定の実施形態では、式(III)の化合物の付加塩の単離は、溶媒または溶媒の混合物、とりわけ、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)およびこれらの混合物から選択される溶媒において、結晶化または析出により実施され、例えばろ過または遠心分離により、反応媒体から分離される。
【0058】
式(IIIa)の化合物
【化9】

も、本発明の一部を形成し、式中、NRは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンおよびイミダゾールから選択されるアミンである。
【0059】
代替的には、式(III)の化合物またはその塩は、式(IV)の化合物に対し保護基を除去した後、反応混合物から単離されることなく直接使用することが可能である。
【0060】
別の実施形態では、本発明は、上で定義した式(I)の化合物の調製のためのプロセスであって、
a)上で定義される式(II)の化合物と、非塩素化カルボキシル活性化剤、とりわけ、CDI、CDT、DCC、DIC、EDCおよびこれらのうちの1つと、N-ヒドロキシスクシンイミドまたはN-ヒドロキシフタルイミドとの組合せ、BOP、PyBrOP、PyBOP、TBTU、HBTU、HATUおよびTATUからなる群から選択され、更にとりわけ、CDIまたはCDTであり、更にとりわけ、CDIである、非塩素化カルボキシル活性化剤とを、適切な溶媒の存在下で、特に、DMSO、DMF、DMA、THF、アセトン、MEK、MIK、DCM、ACNおよびこれらの混合物、とりわけDMSOの存在下で、反応させ、式(II)の化合物の活性誘導体を提供する工程と、
b)工程a)で得られる式(II)の活性化合物と、上で定義した式(III)の化合物またはその塩とを、適切な溶媒の存在下で、特に、DMSO,DMF、DMA、THF、アセトン、MEK、MIK、DCM、ACNおよびこれらの混合物から選択され、とりわけ、DMSOまたはDMSOおよびDCMの混合物から選択される溶媒の存在下で、任意に塩基の存在下で、特に、トリエチルアミン、DIPEA,NMMおよびDMAPからなる群から選択される塩基の存在下で、とりわけ、塩基の不在下で反応させ、式(I)の化合物を提供する工程と、
c)任意に、工程b)で得られるように、式(I)の得られる化合物を反応媒体から単離し、特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒、とりわけ、DMSOおよび水の混合物、アセトンおよびMTBEの混合物またはDCMおよびIPrOAcの混合物、更にとりわけ、DMSOおよび水の混合物中で、結晶化また析出により単離する工程とを含む、プロセスに関する。
【0061】
本発明はまた、本発明の第2の態様について言及されるように、リフィテグラストの精製のためのプロセスにも関する。本プロセスは、工程i)の、適切な溶媒の存在下で、式(I)の化合物をジシクロヘキシルアミン(DCHA)と反応させ、式(Ia)の化合物を提供することを含む。
【化10】
【0062】
工程i)で使用可能である溶媒の非限定例には、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセタート(EtOAc)、イソプロピルアセタート(IPrOAc)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIK)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-ブタノール、イソプロパノール(IPA)、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの組合せが挙げられる。
【0063】
一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程i)で使用される溶媒は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択され、とりわけ、THFもしくはMEKのいずれか、またはアセトンおよびMTBEの混合物、アセトンおよび水の混合物から選択され、好ましくはアセトンおよび水の混合物から選択される。
【0064】
別の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程i)で使用される溶媒の量は、4~10体積である。
【0065】
別の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程i)で使用されるDCHAの量は、0.9~5当量であり、とりわけ、0.9~1.5当量である。
【0066】
別の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程i)で使用されるDCHAの量は、pH8.2~9.5に到達することが求められる量であり、より好ましくは、pH8.2~8.3である。
【0067】
本発明の例に例示されるように、ジシクロヘキシルアミン塩を使用してリフィテグラストを精製することにより、最終生成物において化学純度および鏡像体過剰率を向上することができる。一実施形態では、リフィテグラストの鏡像体過剰率は96%以上であり、98%以上であり、99%以上である。別の実施形態では、リフィテグラストの鏡像体過剰率は99.5%である。別の実施形態では、リフィテグラストの鏡像体過剰率は99.8%である。別の実施形態では、リフィテグラストの鏡像体過剰率は99.9%である。
【0068】
工程i)は好ましくは、0℃と溶媒の沸騰温度との間を含む温度で、特に、0℃~室温の温度で実施される。一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程i)は室温で実施される。
【0069】
工程i)において出発リフィテグラストとして使用されるリフィテグラストは、前反応から単離されることなく直接使用可能であるか、または単離され、任意に、例えば、以下で示されるような結晶化またはスラリー化プロセスにより精製される生成物であり得る。
【0070】
このようにして、特定の一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程i)における出発リフィテグラストは、精製プロセスの実施前に固体として単離されることなく直接使用される。
【0071】
工程i)の出発リフィテグラストは、事前に記載される本発明の精製プロセスにより得ることができる。このようにして、一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、精製プロセスは、工程i)の前に、
a)前記で定義される式(II)の化合物を、非塩素化カルボキシル活性化剤と、適切な溶媒の存在下で反応させ、式(II)の化合物の活性誘導体を提供する工程と、
b)工程a)で得られる式(II)の活性化合物を、前記で定義される式(III)の化合物またはその塩と適切な溶媒の存在下で、任意に塩基の存在下で反応させ、式(I)の化合物を提供する工程と、
c)任意に、得られるリフィテグラストを単離する工程とを更に含む。
【0072】
とりわけ、前述の実施形態では、工程i)は、生成物として、工程b)で得られる式(I)の化合物を、適切な溶媒の存在下で、単離することなくジシクロヘキシルアミン(DCHA)と反応させ、式(Ia)の化合物を提供することを含む。
【0073】
精製プロセスの工程a)、b)およびc)に関して上で言及された詳細な条件は、この後の実施形態にも適用される。
【0074】
工程i)により生じる、得られたリフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩(Ia)を、工程ii)における反応媒体から単離する。例えば、式(Ia)の化合物は、溶媒または溶媒混合物中で結晶化または析出され得、そして、例えば、ろ過または遠心分離により反応媒体から分離され得る。
【0075】
このようにして、特定の一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程ii)は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中において、とりわけ、MEK、アセトンおよびMTBEの混合物中、アセトンおよび水の混合物中またはTHFおよびMTBEの混合物において、好ましくは、アセトンおよび水の混合物において、結晶化または析出によるジシクロヘキシルアミン塩(Ia)を単離することを含む。とりわけ、アセトンとMTBEの混合物は、アセトンとMTBEの比が2:1~10:1である混合物であり、アセトンと水の混合物は、アセトンと水の比が2:1~10:1である混合物であり、THFとMTBEの混合物は、THFとMTBEの比が2:1~10:1である混合物である。
【0076】
別の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程ii)で使用される溶媒の量は、4~10体積である。
【0077】
所望の場合、工程ii)で得られるジシクロヘキシルアミン塩(Ia)はリフィテグラストへと変換する前に精製可能である。例えば、式(Ia)の化合物は、溶媒または溶媒混合物中でスラリー化または再結晶化することができ、そして例えばろ過または遠心分離により反応媒体から分離することができる。このようにして、特定の一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、プロセスは、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せ、とりわけ、THF、エタノールまたはACNおよびメタノールの混合物、またはIPrOAcおよびメタノールの混合物からなる群から選択される、溶媒もしくは溶媒の混合物でスラリー化または再結晶化することにより、式(Ia)の化合物を精製するという工程ii1)を含む。とりわけ、ACNとメタノールの混合物は、ACNとメタノールの比が1:1~10:1である混合物であり、IPrOAcとメタノールの混合物は、IPrOAcとメタノールの比が1:1~10:1である混合物である。
【0078】
精製プロセスの工程iii)において、式(Ia)のジシクロヘキシルアミン塩は、溶媒の存在下で、酸を用いて処理することによりリフィテグラストへと変換される。反応で使用可能である溶媒の非限定例には、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せが挙げられる。
【0079】
反応で使用可能である酸の非限定例には、HCl、HSO、HPO、ギ酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸が挙げられる。
【0080】
一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、式(Ia)の塩は、HCl、HSO、HPOの酸性水溶液を用いて、DCMなどの溶媒の存在下で処理することにより、式(I)の化合物へと変換される。
【0081】
別の特定の実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程iii)は、室温と溶媒の沸騰温度との間を含む温度で実施され、とりわけ、室温で実施される。
【0082】
工程iii)により生じ、得られるリフィテグラストは、工程iv)で反応媒体から単離される。例えば、式(I)の化合物は溶媒または溶媒混合物中で結晶化または析出することができ、そして、例えば、ろ過または遠心分離により反応媒体から分離することができる。
結晶リフィテグラストの種は、例えば結晶型Aといったような好ましい同質異像の結晶化を補助するために、反応媒体に添加することができる。
【0083】
このようにして、一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、工程iv)はヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、アセトンとMTBEの混合物中またはDCMとIPrOAcの混合物中で結晶化または析出することにより、リフィテグラストを反応媒体から単離することを含む。好ましくは、リフィテグラストはDCM反応媒体から結晶化される。とりわけ、アセトンとMTBEの混合物は、アセトンとMTBEの比が1:5~1:20である混合物であり、DCMとIPrOAcの混合物は、DCMとIPrOAcの比が1:5~1:20である混合物である。
【0084】
所望の場合、工程iv)で得られる、得られたリフィテグラストは精製可能である。例えば、式(I)の化合物は、溶媒または溶媒混合物中でスラリー化または再結晶化され得、そして例えばろ過または遠心分離により反応媒体から分離され得る。このようにして、特定の一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、精製プロセスは、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、DCMおよびIPrOAcの混合物中で、溶媒もしくは溶媒の混合物でスラリー化または再結晶化することにより、式(I)の化合物を精製するという工程iv1)を含む。とりわけ、DCMおよびIPrOAcの混合物は、DCMおよびIPrOAcの混合物の比が1:5~1:20である、混合物である。
【0085】
本発明の第2の態様において定義される、リフィテグラストの精製のためのプロセスにおいて、ジシクロヘキシルアミン塩の形成は、複数回、とりわけ1回繰り返すことが可能である。このようにして工程iv)でリフィテグラストの単離を行う前に、工程i)、ii)およびiii)を繰り返すことが可能である。
【0086】
このようにして、一実施形態では、任意に上記または下記の様々な実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、式(I)のリフィテグラストを精製するためのプロセスは、
i)適切な溶媒の存在下で、式(I)の化合物をジシクロヘキシルアミン(DCHA)と反応させ、式(Ia)の化合物を提供する工程と、
ii)反応媒体から、式(Ia)の化合物を単離する工程と、
iii)先行工程で得られる式(Ia)の化合物を適切な溶媒の存在下で酸で処理することにより式(I)の化合物へと変換する工程と、
iii1)任意に、i)、ii)およびiii)を繰り返す工程と、
iv)反応媒体から式(I)の化合物を単離する工程とを含む。
【0087】
後半の実施形態の特定の一実施形態では、工程i)、ii)およびiii)が繰り返され、とりわけ、工程i)、ii)およびiii)は1回繰り返される。
【0088】
別の特定の実施形態では、工程ii1)およびiv1)はまた、精製プロセス内に含まれる。
【0089】
工程i)、ii)およびiii)について上で言及された詳細な条件は、この後の実施形態に適用される。
【0090】
同じ溶媒または異なる溶媒を用いて、ジシクロヘキシルアミン塩(工程i))の形成を繰り返すことができる。例えば第1に、工程i)はアセトンと水の混合物を使用することで実施されることが可能であり、そして次いで、アセトンとメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)の混合物を使用することにより繰り返され得る。特に、同じ溶媒が使用され、とりわけ、溶媒はアセトンおよび水である。
【0091】
本発明のプロセスが実施される下での最も適切な条件は、当業者により考えられる、使用される出発物質、温度、溶媒および同等物の濃度などの異なるパラメータによって変化し得る。これらのパラメータは、慣例の試験を通しておよび本明細書の例にある教示を使用し、当業者によって容易に測定され得る。
【0092】
一実施形態では、本発明は式(I)のリフィテグラストを精製するためのプロセスであって、
i)式(I)の化合物を、ジシクロヘキシルアミン(DCHA)と、適切な溶媒、特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒の存在下で、とりわけ、THFまたはMEK、またはアセトンとMTBEの混合物、またはアセトンと水の混合物のいずれかの存在下で反応させ、式(Ia)のリフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩を提供する工程と、
ii)特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、MEK中で、またはアセトンとMTBEの混合物中で、またはアセトンと水の混合物中で、またはTHFとMTBEの混合物中で、好ましくはアセトンと水の混合物中で、析出または結晶化することにより、ジシクロヘキシルアミン塩(Ia)を反応媒体から単離する工程と、
ii1)任意に、特に、溶媒もしくは溶媒の混合物中で、とりわけ、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、THF中で、エタノールまたはACNとメタノールの混合物中で、またはIPrOAcとメタノールの混合物中で、式(Ia)の化合物を精製する工程と、
iii)酸を用いて処理することにより、とりわけ、HCl、HSO、HPO、ギ酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される酸を用いて処理することにより、適切な溶媒、特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水、とりわけDCMからなる群から選択される溶媒の存在下で、先行工程で得られる式(Ia)の化合物を、式(I)の化合物に変換する工程と、
iv)特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、アセトンとMTBEの混合物中でまたはDCMとIPrOAcの混合物中で、結晶化または析出することにより、反応媒体から式(I)の化合物を単離し、好ましくはリフィテグラストをDCM反応媒体から結晶化する工程と、
iv1)任意に、特に、溶媒または溶媒の混合物中で、とりわけ、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、更にとりわけ、DCMとIPrOAcの混合物中で、化合物をスラリー化するかまたは再結晶化することにより式(I)の化合物を精製する工程とを含む、プロセスに関する。
【0093】
別の実施形態では、本発明は式(I)のリフィテグラストの調製および精製のためのプロセスであって、
a)上で定義されるような、式(II)の化合物と、非塩素化カルボキシル活性化剤とを反応させることであって、とりわけ、CDI、CDT、DCC、DIC、EDCおよび先に挙げたもののうちの1つと、N-ヒドロキシスクシンイミドまたはN-ヒドロキシフタルイミドとの組合せ、BOP、PyBrOP、PyBOP、TBTU、HBTU、HATUおよびTATUからなる群から選択され、更にとりわけ、CDIまたはCDTであり、更にとりわけ、CDIである、非塩素化カルボキシル活性化剤とを、適切な溶媒の存在下で、特に、DMSO、DMF、DMA、THF、アセトン、MEK、MIK、DCM、ACNおよびこれらの混合物、とりわけDMSOの存在下で、反応させ、式(II)の化合物の活性誘導体を提供する工程と、
b)工程a)で得られる式(II)の活性化合物と、上で定義する式(III)の化合物またはその塩とを、適切な溶媒、特に、DMSO,DMF、DMA、THF、アセトン、MEK、MIK、DCM、ACNおよびこれらの混合物から選択され、とりわけ、DMSOおよびDCMの混合物から選択される溶媒の存在下で、任意に、塩基、特に、トリエチルアミン、DIPEA,NMMおよびDMAPからなる群から選択される塩基から選択される塩基の存在下で、とりわけ、塩基の不在下で反応させ、式(I)の化合物を提供する工程と、
i)適切な溶媒、特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒で、とりわけ、THFまたはMEK、またはアセトンとMTBEの混合物、またはアセトンと水の混合物のいずれかの溶媒の存在下で、化合物を単離することなく、先行工程の式(I)の化合物とジシクロヘキシルアミン(DCHA)とを反応させ、式(Ia)のリフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩を提供する工程と、
ii)特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO,n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、MEK中で、またはアセトンとMTBEの混合物中で、またはアセトンと水の混合物中で、またはTHFとMTBEの混合物中で、好ましくはアセトンと水の混合物中で、析出または結晶化することにより、ジシクロヘキシルアミン塩(Ia)を反応媒体から単離する工程と、
ii1)任意に、特に、溶媒もしくは溶媒の混合物中で、とりわけ、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、THF中で、エタノールまたはACNとメタノールの混合物中で、またはIPrOAcとメタノールの混合物中で、式(Ia)の化合物を精製する工程と、
iii)酸を用いて処理することにより、とりわけ、HCl、HSO、HPO、ギ酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される酸を用いて処理することにより、適切な溶媒、特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水、とりわけDCMからなる群から選択される溶媒の存在下で、先行工程で得られる式(Ia)の化合物を、式(I)の化合物に変換する工程と、
iv)特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、とりわけ、アセトンとMTBEの混合物中でまたはDCMとIPrOAcの混合物中で、結晶化または析出することにより、反応媒体から式(I)の化合物を単離し、好ましくはリフィテグラストをDCM反応媒体から結晶化する工程と、
iv1)任意に、特に、溶媒または溶媒の混合物中で、とりわけ、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される溶媒中で、更にとりわけ、DCMとIPrOAcの混合物中で、化合物をスラリー化するかまたは再結晶化することにより式(I)の化合物を精製する工程とを含むプロセスに関する。
【0094】
上で言及したように、本発明はまた、既に定義されているように式(Ia)の化合物に関し、そして適切な溶媒の存在下で、式(I)の化合物とジシクロヘキシルアミン(DCHA)とを反応させることを含む、化合物調製のためのプロセスに関する。
【0095】
精製プロセスの工程i)について、上で言及される詳細な条件はまた、式(Ia)の化合物の調製のためのプロセスに適用される。
【0096】
明細書および請求項全体を通し、用語「~を含む(comprise)」およびこの用語の変形は、他の技術的特徴、添加、構成要素または工程の除外を意図するものではない。加えて、用語「~を含む(comprise)」は、「~からなる(consisting of)」の場合も包含する。本発明の追加の目的、利点および特徴は、明細書の検討時に、当業者に明らかとなるか、または本発明の実践により判明し得る。例示の方法により以下の例が提供されるが、これらの例は本発明を限定しようとする意図を持つものではない。加えて本発明は、本明細書に記載される、考えられる特定のおよび好ましい実施形態の全ての組合せを網羅する。
【0097】

HPLC方法:
クロマトグラフィーカラム:HSS PFP 100x2.1mmx1.8μm、カラム温度45℃、移動相:A:トリフルオロ酢酸 0.10%、B:アセトニトリル
グラジエント溶出条件
クロマトグラフは、以下のように設定する:
【表1】

メインピーク保持時間:約5.5分、試料体積:1μL、検出波長:215nm、運転時間:12.43分、テスト溶液:1mg/mL、溶媒:アセトニトリル:Milli-Q水(8:2)、カラム流量:0.65ml/分
【0098】
ベンジル(S)-2-(5,7-ジクロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-カルボキサミド)-3-(3-(メチルスルホニル)フェニル)プロパノアート・塩酸塩(化合物IV-HCl)
A)化合物IV-HClの調製
2-(tert-ブトキシカルボニル)-5,7-ジクロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-カルボン酸(5g、14.4mmol)を、DMSO(25mL)とトリエチルアミン(10.1mL、72.2mmol)の混合物中で溶解した。HATU(6.9g、18.1mmol)を添加した。混合物を室温で10分間攪拌した。ベンジル(S)-2-アミノ-3-(3-(メチルスルホニル)フェニル)プロパノアート・塩酸塩(5.9g、15.9mmol)を加え、その混合物を室温で18時間攪拌した。イソプロピルアセタート(50mL)および水(50mL)を添加した。相を分離し、有機相を水(50mL)で洗浄し、次いで1NHCl(50mL)で洗浄した。ジオキサン(100mL)を添加し、イソプロピルアセタートを蒸留した。ジオキサン(10mL)中の4MHClを添加し、混合物を室温で30分間攪拌した。得られた固体をろ過し、ジオキサンで洗浄し、45℃で真空内で乾燥させ、白色固体(HPLC純度:97%)である8.69g(99%収率)の所望の生成物(IV-HCl)を生じた。
【0099】
B)化合物IV-HClの精製
先行工程で得られるような化合物IV-HCl(20g、33mmol)を、DCM(200mL)とトリエチルアミン(4.7mL)の混合物中に溶解した。DCM相を水(200mL)で洗浄した。ジオキサン(400mL)を添加し、DCMを留去した。次いで、ジオキサン(10mL)中の4MHClを添加し、混合物を室温で1.5時間攪拌した。得られた固体をろ過し、ジオキサンで洗浄し、45℃で真空下で乾燥させ、白色固体(HPLC純度:99.4%である19.5g(98%率)の所望の生成物(IV-HCl)を生じた。
【0100】
(S)-2-(5-(7-ジクロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-カルボキサミド)-3-(3-(メチル-スルホニル)フェニル)プロパン酸)塩酸塩(化合物III-HCl)
A)酸加水分解による、化合物III-HClの調製
例1
化合物IV-HCl(19.5g、32.6mmol)を18%のHCl(195mL)で懸濁させた。混合物を加熱して還流し、30分間攪拌した。次いで、混合物を室温まで冷却し、トルエン(195mL)を添加した。相を分離し、水相をトルエン(195mL)で洗浄し、最後にジクロロメタン(100mL)で洗浄した。水相を蒸発乾固し、得られた固体をエタノール(83mL)内に懸濁させた。混合物を5℃で10分間攪拌し、ろ過して45℃で真空内で乾燥させ、白色固体(HPLC純度:99%)である13.2g(80%収率)の所望の生成物(III-HCl)を生じた。
【0101】
例2
化合物IV-HCl(100g、167mmol)と700mLの18%HClとの混合物を加熱し、還流した。混合物を1時間攪拌した後、これを20~25℃まで冷却した。200mLのDCMを添加した。相を分離し、水相を200mLのDCMで洗浄した。水相をほとんど乾燥するまで蒸留し、次いで250mLのDMSOを添加した。500mLのトルエンの存在下で蒸留することで、水を完全に除去した。トルエンもまた蒸留し、DMSO内の化合物III-HClの溶液を次の工程で直接使用した。
【0102】
B)塩基加水分解による、化合物III-HClの調製
化合物IV-HCl(0.2g、0.3mmol)を、1NNaOH(1mL)に懸濁させた。トルエン(1mL)を添加した。混合物を70℃まで加熱し、2時間この温度で攪拌した。相を分離し、水相を次に、37%のHClで酸性のpHまで酸性化し、乾燥状態とした。白色固体である、化合物III-HClとNaClとの混合物を得た(HPLC純度:95%)。
【0103】
C)式(III)の化合物のイミダゾール塩の調製
工程A)で得られるような化合物III-HCl(1g、2mmol)を、DMSO(2mL)内に溶解した。イミダゾール(0.33g、4.8mmol)、その後でDCM(11mL)を添加した。得られた固体をろ過し、DCMで洗浄し、真空下で乾燥させた。得られたイミダゾール塩(0.8g、75%収率)は、99%のHPLC純度を示した。
【0104】
D)式(III)の化合物のトリエチルアミン塩の調製
工程A)で得られるような化合物III-HCl(1g、2mmol)を、DMF(5mL)内に溶解した。トリエチルアミン(0.3mL、2.2mmol)を添加した。得られた固体をろ過し、DMFで洗浄し、真空下で45℃のオーブンで乾燥させた。得られたトリエチルアミン塩(1.01g、90%収率)は、99%のHPLC純度を示した。
リフィテグラスト(化合物I)
【0105】
A)ベンゾフラン-6-イル(1H-イミダゾール-1-イル)メタノン(化合物II-CDI)の調製
例1
ベンゾフラン-6-カルボン酸(化合物II、3.8g、23.6mmol)をDMSO(50mL)内で溶解した。CDI(4g、24.6mmol)を添加し、混合物を60℃で1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却した。更なる精製を行うことなく、得られた溶液を次の工程で直接使用した。
【0106】
例2
ベンゾフラン-6-カルボン酸(43.3g、267mmol)をDMSO(200mL)内で溶解した。CDI(43.3g、267mmol)を添加し、混合物を20~25℃で1時間攪拌した。更なる精製を行うことなく、DMSO内のBFCA-CDI溶液を次の工程で直接使用した。
【0107】
B)リフィテグラストであるジシクロヘキシルアミン塩(化合物(Ia))の調製
例1
例1の工程A)で得られるような化合物III-HCl(5g、9.8mmol)を、DMSO(15mL)内に溶解した。セクションA)で調製された溶液を、室温で滴下した。混合物を室温で30分間攪拌した。水(50mL)とDCM(50mL)を添加した。更なるDCM(50mL)で水相を抽出した。有機相を混合し、アセトン(20mL)を添加し、DCMを留去した。溶液を0.2μmフィルタを用いてろ過した。MTBE(10mL)およびジシクロヘキシルアミン(2mL、10mmol)を添加し、室温で16時間攪拌した。混合物を0℃まで冷却し、2時間攪拌した。固体をろ過し、MTBEで洗浄し、45℃で真空内で乾燥させ、5.5gの黄色がかった固体(70%収率)を生じた(95%のHPLC純度、HPLCキラル純度:98%)。
【0108】
例2
化合物III-HCl(39g、77mmol)をDMSO(117mL)内で溶解した。15gのベンゾフラン-6-カルボン酸から出発し、A)にあるように調製された溶液を、室温で滴下した。混合物を室温で30分間攪拌した。個別に水(310mL)を別の容器に添加し、1NHCl(2mL)を添加してpHを2にした。この混合物に、DMSO溶液を滴下し、同時に1NHClを添加して、pHを約2に維持した。得られた固体をろ過し、再度アセトン(221mL)と水(111mL)の混合物中に溶解した。DCHA(18mL、90mmol)を添加した。混合物を室温で16時間攪拌した。この混合物を0℃まで冷却し、温度は0℃のままで2時間攪拌した。得られた固体をろ過し、冷アセトンで洗浄した。これを45℃で真空内で乾燥させ、23.6gの黄色がかった固体(39%収率)を生じた(HPLC純度:98.5%、HPLCキラル純度:99.9%)。
【0109】
例3
100mLのDCMを、例2)の工程Aで得られるようなDMSO中の化合物III-HCl溶液に添加し、混合物を0~5℃に冷却した。セクションAで得られるベンゾフラン-6-カルボン酸溶液を、5℃未満の温度を維持しながら滴下した。混合物を0~5℃で2時間攪拌した。
反応が完了した後、850mLの水および850mLのDCMを、10℃未満の温度を維持しながら添加した。相の分離後、水相を400mLのDCMで抽出した。有機相を混合し、400mLの水で3回洗浄した。有機相をほとんど乾燥状態まで蒸留し、470mLのアセトンを添加し、次いで残りのDCMを蒸留した。溶液は0.2μmフィルタを用いてろ過した。240mLの水を添加し、次いでジシクロヘキシルアミンをpH=8.3まで添加した。混合物を20~25℃で16時間攪拌し、次いで0~10℃まで冷却し、追加で25時間攪拌した。生成物をろ過し、次いで200mLの水で2回洗浄し、50℃のオーブンで乾燥させた。
収率:65%
HPLC純度:99%
キラルHPLC純度>99.5%
【0110】
例4
リフィテグラスト(2g、3.7mmol)を、THF(20mL)中で溶解した。溶液を0.2μmフィルタを用いてろ過した。DCHA(0.8mL、4mmol)を添加し、混合物を室温で24時間攪拌した。MTBE(4mL)を添加し、これを室温で16時間攪拌した。得られた固体をろ過し、調査しながら45℃で乾燥した。リフィテグラストの得られたジシクロヘキシルアミン塩(1.8g、70%収率)は、98.8%のHPLC純度を示した。
【0111】
例5
リフィテグラスト(1g、1.9mmol)をMEK(10mL)中に溶解した。DCHA(0.4mL、2mmol)を添加した。混合物は室温で5時間攪拌した。得られた固体をろ過し、IPAおよびMTBEで洗浄し、45℃のオーブンで乾燥させた。得られたリフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩(0.8g、60%収率)は、98.3%のHPLC純度を示した。
【0112】
C)リフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩(化合物(Ia))の精製
例1:THF中のスラリー
化合物(Ia)(5.5g、6.9mmol、例1のように得られる)をTHF(110mL)中で懸濁させ、室温で1時間攪拌した。固体をろ過し、45℃で真空下で乾燥させ、4.5gの黄色がかった固体(82%収率)を生じた(HPLC純度:98%、HPLCキラル純度:99%)。
【0113】
例2:ACN/MeOHからの再結晶化
化合物(Ia)(200mg、例1のように得られる)はACN(3mL)中で懸濁させた。混合物を加熱して還流した。MeOH(1mL)を添加した。2mLの溶液を留去した。これを室温まで冷却した。得られた固体をろ過し、ACNで洗浄し、真空下で45℃で乾燥させた。得られたリフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩(152mg、76%収率)は、99.5%のHPLC純度を示した。
【0114】
例3:IPrOAc/MeOHからの再結晶化
化合物(Ia)(24g、例1のように得られる)をIPrOAc(360mL)中で懸濁させた。これを加熱して還流した。MeOH(384mL)を添加した。487mLの溶液を留去した。これを室温まで冷却し、16時間攪拌した。得られた固体をろ過し、EtOAcで洗浄し、45℃で真空下で乾燥させた。得られたリフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩(21g、88%収率)は、99.3%のHPLC純度を示した。
【0115】
例4:化合物Iへの変換およびジシクロヘキシルアミン塩の形成(化合物(Ia))
125gのリフィテグラストのジシクロヘキシルアミン塩(例3のセクションBにおいて得られるような化合物(Ia))(157mmol)を、1250mLのDCMと588mLの5%リン酸水溶液との混合物に溶解した。相を分離し、有機相をほとんど乾燥状態まで蒸留し、588mLのアセトンを添加し、次いで残りのDCMを蒸留した。300mLの水を添加し、次いでジシクロヘキシルアミンをpH=8.3になるまで添加した。混合物を20~25℃で16時間攪拌し、次いで0~10℃まで冷却して、2.5時間より長く攪拌した。生成物をろ過し、次いで200mLの水で2回洗浄し、50℃のオーブンで乾燥させた。
収率:85%
HPLC純度>99.5%
キラルHPLC純度>99.9%
【0116】
D)リフィテグラストの調製
例1
化合物(Ia)(22.5g、HPLC純度:98.6%)を、DCM(112mL)と1%リン酸水溶液(112mL)との混合物に溶解した。相を分離し、有機相を1%のリン酸溶液(112mL)で3回洗浄した。アセトン(90mL)を有機相に添加し、DCMを蒸留した。アセトン中の生成物の溶液を、あらかじめ0℃まで冷却していたMTBE(900mL)全体にゆっくりと添加し、0℃で1時間攪拌した。固体をろ過し、45℃で真空下で乾燥させ、15gの黄色がかった固体(86%収率)を生じた(HPLC純度:98.2%、HPLCキラル純度:99.9%)。
【0117】
例2
例4のセクションCにおいて得られるような化合物(Ia)(114g、143mmol)を、DCM(1140mL)との5%リン酸水溶液(71mL)との混合物に溶解した。溶液は0.2μmフィルタを用いてろ過した。500mLの5%リン酸水溶液を添加した。リフィテグラスト形態Aを用いて混合物を成長させ、20~25℃で53時間攪拌した。生成物をろ過した。次いで、固体を1710mLの2%リン酸水溶液中に懸濁させ、50℃で0.5時間攪拌した。固体をろ過し、この処理を4回繰り返した。最後に生成物を1710mLの水を用いて洗浄し、50℃のオーブンで乾燥させた。
収率:96%
HPLC純度>99.5%
キラルHPLC純度>99.9%
【0118】
E)DCM/IPrOAc中でのリフィテグラストの再結晶化
リフィテグラスト(2g)をDCM(4mL)中で溶解した。溶液を全体にゆっくりと添加した。
IPrOAc(40mL)。得られた固体をろ過し、45℃で真空下で乾燥させた。得られたリフィテグラスト(1.64g、82%収率)は、98%のHPLC純度を示した。
【0119】
引用リスト
国際公開第2006/125119号
国際公開第2009/139817号
国際公開第2011/050175号
国際公開第2014/018748号
T.W.GreenおよびP.G.M.Wuts「Protective Groups in Organic Chemistry」、Wiley第3版、第5章第369~451頁(1999)
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物を精製することのためのプロセスであって、
【化1】

i)式(I)の化合物を、ジシクロヘキシルアミンと、適切な溶媒の存在下で反応させ、式(Ia)
【化2】

の化合物を提供する工程と、
ii)前記反応媒体から、前記式(Ia)の化合物を単離する工程と、
iii)前記先行工程で得られた前記式(Ia)の化合物を、適切な溶媒の存在下で酸で処理することにより、式(I)の化合物へと変換する工程と、
iv)前記反応媒体から前記式(I)の化合物を単離する工程と、を含む、プロセス。
【請求項2】
工程i)の前記溶媒が、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセタート(EtOAc)、イソプロピルアセタート(IPrOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-ブタノール、イソプロパノール(IPA)、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される、請求項に記載のプロセス。
【請求項3】
工程i)で使用されるDCHAの量は、pH8.2~9.5に到達することが求められる量である、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
工程iii)で使用される前記酸が、HCl、HSO、HPO、ギ酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
工程iii)において使用される溶媒は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、MEK、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
工程iv)が、適切な溶媒中で結晶化または析出することを含む、請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
工程iv)において使用される溶媒は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、MTBE、DCM、THF、EtOAc、IPrOAc、アセトン、DMF、ACN、DMSO、n-ブタノール、IPA、n-プロパノール、エタノール、メタノール、水またはこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~6のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
程i)に先立ち、
a)式(II):
【化3】

の化合物を、非塩素化カルボキシル活性化剤と、適切な溶媒の存在下で反応させ、前記式(II)の化合物の活性誘導体を提供する工程と、
b)工程a)で得られる前記式(II)の化合物の活性化合物を、式(III):
【化4】

の化合物またはその塩と、適切な溶媒の存在下でおよび任意で塩基の存在下で反応させ、式(I)の化合物またはその塩を提供する工程と、
c)任意で、得られたリフィテグラストを単離する工程とを含む、
プロセスにより、前記式(I)の化合物を調製することを含む、請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
工程b)で得られる前記式(I)の化合物が、単離されることなく次の工程で直接使用される、請求項に記載のプロセス。
【請求項10】
式(Ia)の化合物
【化5】
【外国語明細書】