(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075251
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】端末状態案内装置
(51)【国際特許分類】
H04W 4/024 20180101AFI20230523BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20230523BHJP
H04M 1/72457 20210101ALI20230523BHJP
【FI】
H04W4/024
H04W88/18
H04M1/72457
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038396
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2021096524の分割
【原出願日】2015-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】宇野 雄平
(72)【発明者】
【氏名】村田 一夫
(72)【発明者】
【氏名】松尾 剛
(72)【発明者】
【氏名】木村 勝己
(72)【発明者】
【氏名】丸目 雅浩
(72)【発明者】
【氏名】宮里 肇
(72)【発明者】
【氏名】松下 史也
(72)【発明者】
【氏名】小松 寛子
(57)【要約】
【課題】携帯型の情報端末機10のユーザに対して、移動しながら操作している周辺端末(情報端末機10)の状態を表示してユーザに注意を促す。
【解決手段】情報端末機10から管理サーバ100に位置情報を通知する。管理サーバ100で情報端末機10が移動中使用状態であるかを判定する。移動中使用状態の情報端末機10(周辺端末)の位置を情報端末機10に通知する。情報端末機10で移動中使用状態の周辺端末の密集度を計算する。密集度に応じて案内情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置の位置情報と該端末装置の移動中使用状態を示す使用状態情報とを取得する取得部と、
前記位置情報と前記使用状態情報とに基づき、移動中使用状態の端末装置が密集していることを検出する密集検出部と、
前記密集検出部の検出結果に基づく案内情報を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする端末状態案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末状態案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末の利用者が、移動中に携帯電話端末を操作したり表示を見たりすることで、携帯電話端末に集中して注意が散漫となることがある。これを回避する方法として、例えば特開2014-60481号公報(特許文献1)や特開2010-263262号公報(特許文献2)に開示された技術がある。
【0003】
特許文献1のものは、携帯電話端末のユーザが移動(歩行)しているときには表示画面を非表示にし、移動していないときには表示画面の表示を継続するものである。なお、移動(歩行)しているか否かは、携帯電話端末の位置情報を所定間隔で取得することによって検知している。
【0004】
特許文献2のものは、携帯端末のユーザが移動(歩行)しているときは、端末の操作を制限するようにしている。移動(歩行)しているか否かは、端末の位置情報をサーバに送り、サーバ側で端末が移動しているか否かを判断して検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-60481号公報
【特許文献2】特開2010-263262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2の従来の技術では、携帯型の端末装置を利用するユーザが、自分の周囲に関する他のユーザの利用状況を把握することができない。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題としては、端末装置を利用するユーザに対して、周囲の端末装置及びユーザの使用状態等を通知できるような技術を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、複数の端末装置の位置情報と該端末装置の移動中使用状態を示す使用状態情報とを取得する取得部と、前記位置情報と前記使用状態情報とに基づき、移動中使用状態の端末装置が密集していることを検出する密集検出部と、前記密集検出部の検出結果に基づく案内情報を出力する出力部と、を備えたことを特徴とする端末状態案内装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施例の情報端末機の要部構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施例の管理サーバの要部構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施例の情報端末機と管理サーバとの通信動作の概要を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施例の情報端末機の制御部のコンピュータが実行する制御プログラムの要部フローチャートである。
【
図5】本発明の第3実施例における情報端末機の制御部のコンピュータが実行する制御プログラムの要部フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を説明する。本発明の一実施形態に係る端末状態案内装置は、複数の端末装置の位置情報と該端末装置の移動中使用状態を示す使用状態情報とを取得する取得部と、前記位置情報と前記使用状態情報とに基づき、移動中使用状態の端末装置が密集していることを検出する密集検出部と、前記密集検出部の検出結果に基づく案内情報を出力する出力部と、を備えている。
【0011】
また、前記出力部は、移動中使用状態の端末装置に対して前記案内情報を出力し、当該案内情報は、密集度が低い地点へユーザを誘導する誘導情報、または、移動中の使用をやめさせる警告情報のうち少なくとも一方を含む端末状態案内装置である。
【0012】
また、前記案内情報は、移動中使用状態の端末装置が密集している範囲を示す密集範囲情報であり、前記出力部は、前記密集範囲情報を地図データ上に重畳させて出力する端末状態案内装置である。
【0013】
また、前記端末状態案内装置は、現在位置から目的地までの経路を探索し、当該目的地まで案内を行うナビゲーション機能を有している。そして、移動中使用状態の端末装置が密集している範囲に入らない経路を探索して探索された経路を前記案内情報として出力する端末状態案内装置である。
【0014】
また、前記取得部は更に、前記複数の端末装置の移動方向の情報を取得し、前記密集検出部は、前記移動中使用状態の端末装置の前記移動方向の情報を用いて前記密集を予測する端末状態案内装置である。
【0015】
また、本発明の一実施形態に係る端末状態案内システムは、複数の端末装置と管理装置とから構成される端末状態案内システムであって、前記複数の端末装置の位置情報と該端末装置の移動中使用状態を示す使用状態情報とを取得する取得部と、前記位置情報と前記使用状態情報とに基づき、移動中使用状態の端末装置が密集していることを検出する密集検出部と、を備え、前記密集検出部の検出結果に基づく案内情報を出力する端末状態案内システムである。
【0016】
また、本発明の一実施形態に係る端末状態案内方法は、複数の端末装置の位置情報と該端末装置の移動中使用状態を示す使用状態情報とを取得し、前記取得した前記位置情報と前記使用状態情報とに基づき、移動中使用状態の端末装置が密集していることを検出し、前記端末装置に、前記検出結果に基づく案内情報を出力する、端末状態案内方法である。
【0017】
また、上述した端末状態案内方法をコンピュータにより実行させるプログラムとしてもよい。
【0018】
また、上述したプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。
【実施例0019】
次に本発明の実施例を、
図1乃至
図5に基づいて説明する。
【0020】
(第1実施例)
図1は第1実施例の「端末状態案内装置」の一例としての携帯型の情報端末機10の要部構成を示す機能ブロック図である。
図2は第1実施例における「管理装置」の一例としての管理サーバ100の要部構成を示す機能ブロック図である。
図3は情報端末機10と管理サーバ100との通信動作の概要を示す図である。
図1及び
図2に示す各機能ブロックは、図示しないコンピュータの中央処理装置(CPU)が制御プログラム(ソフトウエア)を実行することで得られる機能実現手段、及びメモリ装置等のハードウエア資源である。
【0021】
なお、ユーザが歩きながら情報端末機10を操作しているか、もしくは操作していないが画面表示を注視しているなどの状態を、「移動中使用」あるいは「移動中使用状態」と定義する。また、情報端末機10から一定の距離(例えば半径100m)内にある情報端末機10を「周辺端末」ともいう。
【0022】
図1に示すように、情報端末機10は、制御部1と、記憶部2と、通信部3と、GPS受信部4と、「表示部」の一例としての液晶表示部5とから構成されている。また、制御部1は、表示制御部11と、操作制御部12と、通信制御部13と、実行部14と、記録制御部15と、移動中使用検知部16と、密集度算出部17とから構成されている。
【0023】
図2に示すように、管理サーバ100は、制御部101と、状態管理部102と、速度計算部103と、記憶部104等から構成されている。
【0024】
この第1実施例の概略は以下のとおりである。
図3に示すように、まず、情報端末機10は、ユーザが操作しているか、もしくは動画等を表示中である場合は、当該自機の位置情報を一定間隔で管理サーバ100に送信する。管理サーバ100は、複数の情報端末機10を管理しており、制御部101は、情報端末機10からの位置情報に基づいて速度計算部103で計算した速度により、各情報端末機10が「移動中使用状態」であるか否かを判定する。また、制御部101は、各情報端末機10のID、速度、位置の情報や、各情報端末機10に対する周辺端末の情報を状態管理部102に通知する。そして、管理サーバ100の制御部101は、各情報端末機10に対して、その各情報端末機10の周辺端末で「移動中使用状態」であるもの全ての後述する使用状態情報(位置情報を含む)を通知する。
【0025】
情報端末機10は、通知を受けた「移動中使用状態」である周辺端末の台数からその密集度を算出し、この密集度に応じた表示を行う。なお、この第1実施例では、情報端末機10でも移動中使用検知部16により自機の「移動中使用状態」を検知し、例えば歩きながらの操作をやめるように促す表示を行う。
【0026】
情報端末機10において、制御部1は主に各入力情報を処理して出力し、記憶部2は処理に際して必要な情報を記憶しておく。通信部3は外部とデータのやり取りを行い、GPS受信部4は位置情報を取得する。液晶表示部5(表示部の一例)は画面に情報を出力する。
【0027】
制御部1において、「出力部」の一例としての表示制御部11は画面に出力する情報を制御し、操作制御部12はユーザによる操作情報を取得する。通信制御部13は通信内容を決定し、実行部14は全体の動作制御を行う。記録制御部15は記憶部2に対する書き込み及び読み出しの制御を行う。移動中使用検知部16は通信制御部13を介して得られた情報から当該情報端末機10の状態を検知する。そして、密集度算出部17は通信制御部13を介して得られた情報から移動中使用状態の周辺端末の密集度を算出する。
【0028】
また、実行部14は操作制御部12からユーザの操作状態を取得し、ユーザが操作しているか、もしくは動画等を表示中である場合は、GPS受信部4で取得した当該情報端末機10の位置を示す位置情報を、通信部3を介して一定間隔で管理サーバ100に送信する。なお、情報端末機10の位置情報(緯度・経度情報)の取得方法は、GPS等による公知の方法であり、その説明については省略する。
【0029】
管理サーバ100において、制御部101は管理サーバ100の全体を制御する。状態管理部102は、制御部101の要求により情報端末機10の状態を管理し、情報端末機10から得られた情報端末機10の位置を示す位置情報(緯度・経度情報)を記憶部104に記録する。速度計算部103は情報端末機10から得られた情報端末機10の上記位置情報の推移を計算して、情報端末機10(ユーザ)の移動速度と、移動方向との情報に変換する。記憶部14は、管理サーバ100内で用いられるデータ等を記憶する。
【0030】
管理サーバ100において、状態管理部102は、各情報端末機10から得られた位置情報と速度計算部103で算出した移動速度の情報から、各情報端末機10が「移動中使用状態」であるか否かを判定する。そして、状態管理部102は「移動中使用状態」か否かの情報と位置情報、移動速度及び移動方向の情報(これは、「使用状態情報」の一例である。)を、その情報端末機10のIDと対応付けて記憶部104にて記憶・更新する。そして、この「使用状態情報」を、ネットワークを介して情報端末機10に送信する。
【0031】
情報端末機10では通信部3を介して受信した「使用状態情報」を通信制御部13へ通知し、記録制御部15は、この「使用状態情報」を記憶部2のメモリに保管する。なお、管理サーバ100が情報端末機10に送信する「使用状態情報」は、送信先の情報端末機10から一定の距離(例えば半径100m)内にある情報端末機10(周辺端末)の「使用状態情報」である。
【0032】
このように、管理サーバ100には、管理対象の全ての情報端末機10についての「使用状態情報」が蓄積(及び更新)される。また、情報端末機10では、「取得部」の一例としての制御部1が、周辺端末(他の情報端末機10)の「使用状態情報」(位置情報、移動速度の情報、移動方向の情報を含む)を管理サーバ100から取得し、この取得した「使用状態情報」は記憶部2のメモリに蓄積される。これにより、情報端末機10では、「移動中使用状態」にある周辺端末の位置を検知できる。
【0033】
そして、情報端末機10の密集度算出部17は、GPS受信部4で取得した自機の位置情報と、記憶部2に記録した移動中使用状態の周辺端末(他の情報端末機10)の位置情報を用いて、現在地点の近傍の移動中使用状態の周辺端末の密集度を計算する。この実施形態では、自機の周辺の領域を複数のセル(単位面積となる領域)に細分して、各セル毎に密集度を計算する処理をする。密集度の計算方法としては、以下の式(1)のように、単位面積あたりの移動中使用状態の周辺端末の台数を密集度として算出する。
【0034】
【数1】
ここでM1は密集度、Sは算出対象セルの面積、Nは算出対象セル内の移動中使用状態の台数とする。
【0035】
表示制御部11は、密集度算出部17から通知された現在地点近傍の移動中使用状態の周辺端末の密集度が低い場合、特別な通知は行わない。密集度が高い場合は、液晶表示部5を介してユーザに対して、近傍の密集度が低い地点への移動を促す通知を行う。なお、移動中使用検知部16から自端末の状態を取得して、移動中使用状態であった場合は、移動中使用を止めるよう促す通知も併せて行う。
【0036】
図4は情報端末機10の制御部1のコンピュータ(そのCPU)が実行する制御プログラムの要部フローチャートであり、ステップS1で管理サーバ100から周辺端末の「使用状態情報」(位置情報、移動速度の情報、移動方向の情報)を取得する。次に、ステップS2で密集度を算出するセルを決定し、ステップS3でそのセルにおける周辺端末の密集度を算出する。そして、ステップS4で未算出セルがあるかを判定し、未算出セルがあればステップS2に戻り、未算出セルがなければステップS5に進む。
【0037】
ステップS5では、自機の近傍のセルの密集度が一定値以上であるかを判定し、一定値以上でなければステップS7に進み、一定値以上であれば、ステップS6で、低密集度の地点へユーザを誘導するような情報(案内情報)を表示し、ステップS7に進む。ステップS7では、自機が移動中使用状態であるかを判定し、自機が移動中使用状態でなければステップS9に進み、自機が移動中使用状態であればステップS8で移動中の使用をやめるように警告を表示し、ステップS9に進む。ステップS9ではその他の処理を行ってステップS1に戻る。
【0038】
(第2実施例)第2実施例の情報端末機及び管理サーバは
図1及び
図2に示す第1実施例の情報端末機10及び管理サーバ100とハードウエア構成は同様であり、以下、第2実施例の各機能について説明する。この第2実施例の情報端末機10は、記憶部2に地図データを記憶しており、表示制御部11がこの地図データに基づいて液晶表示部5に現時点の周囲の地図を表示する。また、制御部1は、第1実施例と同様に周辺端末の密集度を算出し、移動中使用状態の周辺端末が密集している範囲を示す密集範囲情報(例えば密集度が高い地域を色分けした表示情報)を生成する。そして、表示制御部11(出力部の一例)は、この密集範囲情報を地図データ上に重畳させて液晶表示部5に表示(出力)する。これによりユーザが視覚的に確認して、密集度が高い地域を避けるか否かの判断を行うことが可能となる。
【0039】
この第2実施例の機能は地図表示時に常に通信が必要となるため、表示/非表示を切り替えられるようにしたり、通信量に余裕がある場合のみ表示が有効になるような仕組みと併用することが望ましい。
【0040】
(第3実施例)第3実施例の情報端末機及び管理サーバは
図1及び
図2に示す第1実施例の情報端末機10及び管理サーバ100とハードウエア構成は同様であり、以下、第3実施例の各機能について説明する。
【0041】
この第3実施例の情報端末機10は、第2実施例と同様に、記憶部2に地図データを記憶しており、表示制御部11がこの地図データに基づいて液晶表示部5に現時点の周囲の地図を表示する。また、制御部1は、現在位置からユーザが指定した目的地までの経路(ルート)を探索し、当該目的地まで案内を行うナビゲーション機能を有している。さらに、制御部1は、第2実施例と同様に周辺端末の密集度を算出し、移動中使用状態の周辺端末が密集している範囲を示す密集範囲情報を生成する。そして、上記探索した経路の少なくとも一部が、上記密集範囲情報が示す密集範囲内に入っている場合、前記密集範囲に入らない経路を再探索する。そして、表示制御部11(出力部の一例)は、この再探索された経路を案内情報として液晶表示部5に表示(出力)する。これにより、移動中使用状態の周辺端末が密集している密集範囲を回避した経路で案内(ナビゲーション)を行うことができる。
【0042】
図5は第3実施例における情報端末機10の制御部1のコンピュータ(そのCPU)が実行する制御プログラムの要部フローチャートであり、ナビゲーション機能が起動された時の制御を示す。まず、ステップS11で管理サーバ100から周辺端末の「使用状態情報」(位置情報、移動速度の情報、移動方向の情報)を取得し、ステップS12で候補経路を探索する。次に、ステップS13で密集度を算出するセルを決定し、ステップS14でそのセルにおける周辺端末の密集度を算出する。そして、ステップS15で未算出セルがあるかを判定し、未算出セルがあればステップS13に戻り、未算出セルがなければステップS16に進む。このセルは第1実施例と同様である。
【0043】
ステップS16では、候補とした経路上のセルの密集度が一定値以上であるかを判定し、一定値以上でなければステップS17に進み、一定値以上であれば、ステップS12に戻って、現在位置から目的地までの経路を探索し、ステップS13以降を繰り返す。候補とした経路上のセルの密集度が一定値以上でなければ、ステップS17で候補経路での案内(ナビゲーション)を開始し、ステップS18でその他の処理を行ってステップS11に戻る。
【0044】
(第4実施例)第4実施例の情報端末機及び管理サーバは
図1及び
図2に示す第1実施例の情報端末機10及び管理サーバ100とハードウエア構成は同様であり、以下、第4実施例の各機能について説明する。
【0045】
この第4実施例の情報端末機10の制御部1(取得部の一例)は、管理サーバ100から周辺端末の移動方向の情報を取得する。また、制御部1の密集度算出部17は、移動中使用状態の周辺端末の移動方向の情報により重みを付けて密集度を算出する。そして、この密集度に応じた注意度を「案内情報」として液晶表示部5に表示する。
【0046】
この移動方向の情報により重みを付けて密集度としての注意度を算出する方法の一例として以下の式(2)のように注意度M2を算出する。
【0047】
【数2】
ここで、Sは算出対象セルの面積、kj は自機とj番目の対象周辺端末の移動方向による定数であり、移動方向の差を角度θとした時k=θ/2π+bとなる値(例えばb=1)、vj はj番目の対象周辺端末の速度、aj はj番目の対象周辺端末と算出地点との距離とする。上記の例はb=1としているが、このbの値は、θ=0の場合にk=0とならないような値であればよい。
【0048】
このように、自機と移動方向が異なり、速度が速く、距離が近い周辺端末ほど注意度を高く見積もることで、より正確に注意度を見積もることが可能となる。すなわち、上式(2)では、密集度による注意度を計算する際に、面積あたりの数だけでなく、移動中使用状態の周辺端末の移動速度と移動方向による重み付けを行っている。また、低速の車両内などで情報端末機10を操作しているようなユーザを区別するような効果も期待できる。
【0049】
(端末状態案内システム)以上のように、各実施例は、「複数の端末装置」の一例である各情報端末機10と「管理装置」の一例である管理サーバ100とから端末状態案内システムを構成している。各情報端末機10の位置情報と各情報端末機10の移動中使用状態を示す使用状態情報とを取得する取得部は、情報端末機10の制御部1により構成されている。また、情報端末機10は、制御部1で取得した位置情報と使用状態情報とに基づき、移動中使用状態の端末装置の単位面積あたりの台数である密集度を算出する密集度算出部17を備えている。そして、密度算出部17で算出した密集度に基づく案内情報を情報端末機10で出力するようになっている。なお、「取得部」は管理サーバ100(管理装置)側にあってもよいし、情報端末機10(端末装置)側にあってもよい。また、「密集度算出部」は管理サーバ100(管理装置)側にあってもよいし、情報端末機10(端末装置)側にあってもよい。
【0050】
(端末状態案内方法)以上のように、各実施例は、「複数の端末装置」の一例である各情報端末機10の位置情報と各情報端末機10の移動中使用状態を示す使用状態情報とを取得し、この取得した位置情報と使用状態情報とに基づき、移動中使用状態の情報端末機10の単位面積あたりの台数である密集度を算出し、情報端末機10に、算出した密集度に基づく案内情報を出力する、端末状態案内方法を実施している。
【0051】
(プログラム、記録媒体)また、前記
図4及び
図5のフローチャートに示すプログラムは、コンピュータが上記端末状態案内方法を実行するためのものである。なお、このプログラムは情報端末機10の記憶部2のメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。
【0052】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。上述の各図で示した実施例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。