(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075267
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスのプランジャ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20230523BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A61M5/315 512
A61M5/20
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039336
(22)【出願日】2023-03-14
(62)【分割の表示】P 2020517300の分割
【原出願日】2018-10-09
(31)【優先権主張番号】62/584,335
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ジャザエリ
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・フォルスター
(72)【発明者】
【氏名】ジョリータ・セキュート
(72)【発明者】
【氏名】オリビア・アリス・ヘンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】クリステン・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ラスマス・オーレンシュラーガー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ダン・カーレ・セルベルグ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プランジャは、大きな排出力下で少ない変形を維持することにより、使用中の摩擦の大きさ及び変動を最小限にするための幾何学的形状の最適化を提供する。
【解決手段】より具体的には、プランジャとシリンジ又はチャンバとの間の接触領域を最小限にしつつ、容器閉鎖の完全性を維持するための高い収縮圧力(contract pressure)も維持する。更に、プランジャは、粘性製品の送達に付随する高荷重下で接触領域の増加が最小限である又は増加がないように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスで使用するためのプランジャであって、
略円筒状の側壁と、先頭面と、後尾面と、を有する、本体部分と、
前記本体部分の前記側壁から径方向外側に突出し、凹設された側表面によって互いに軸方向に離隔した複数のリブであって、前記複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、中間リブと、を含み、前記リブのそれぞれは環状構成を含む、複数のリブと、
を含み、
前記本体部分は、軸荷重の非存在下で第1の構成、軸荷重の存在下で第2の構成をとるように構成されており、前記第1の構成と前記第2の構成は実質的に等しい径方向寸法を有し、前記第2の構成は、前記第1の構成の軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、
プランジャ。
【請求項2】
前記リブ間に延びる前記側壁の径方向表面は曲線状の構成を有する、請求項1に記載のプランジャ。
【請求項3】
前記リブ間に延びる前記側壁の前記径方向表面は凹面である、請求項2に記載のプランジャ。
【請求項4】
前記リブ間に延びる前記本体部分の径方向表面は平坦部分を含む、請求項1に記載のプランジャ。
【請求項5】
前記リブ間に延びる前記本体部分の前記径方向表面は、前記平坦部分の軸方向端部に円錐台部分を更に含む、請求項4に記載のプランジャ。
【請求項6】
前記本体部分のトリムエッジは前記本体部分の前記後尾面に隣接する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項7】
前記トリムエッジは前記リブの外径よりも小さな外径を有する、請求項6に記載のプランジャ。
【請求項8】
前記先頭面は粗面加工部を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項9】
略円錐形の構成としての前記先頭面である、請求項1~8のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項10】
前記後尾リブ又は前記中間リブのうちの少なくとも1つは前記先頭リブよりも軸方向に小さい、請求項1~9のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項11】
前記後尾リブ及び前記中間リブの両方が前記先頭リブよりも軸方向に小さい、請求項10に記載のプランジャ。
【請求項12】
前記リブのうちの少なくとも1つは曲線状の軸方向プロファイルを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項13】
前記リブのうちの少なくとも1つは、前記リブのうちの少なくとも1つの曲線状の軸方向端部部分間に延びる円筒状部分を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項14】
前記本体部分の前記後尾面から離れる方に延びる複数の突起を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のプランジャ。
【請求項15】
略円筒状の側壁と、先頭面と、後尾面と、を有する、本体部分と、
前記本体部分の前記側壁から径方向外側に突出し、凹設された側表面によって互いに軸方向に離隔した複数のリブであって、前記複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、中間リブと、を含み、前記リブのそれぞれは環状構成を含む、複数のリブと、
を含み、
前記本体部分は、軸荷重の非存在下で第1の構成、軸荷重の存在下で第2の構成をとるように構成されており、前記第1の構成と前記第2の構成は実質的に等しい径方向寸法を有し、前記第2の構成は、前記第1の構成の軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、
プランジャと、
第1開端部と投与開口部を有する第2端部との間に延びる環状側壁を有するチャンバであって、前記プランジャは、前記プランジャの前記リブが前記側壁の内部表面を密閉するように前記チャンバ内に受け入れられる、チャンバと、
前記チャンバ内で前記プランジャを前記チャンバの前記第2端部まで駆動するように構成された駆動部材と、
を含む、薬物送達アセンブリ。
【請求項16】
前記側壁内側上の前記リブの接触領域は、前記プランジャが前記チャンバ内で駆動される間、実質的に一定のままである、請求項15に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項17】
前記プランジャのトリムエッジは、前記プランジャが前記チャンバ内で駆動される間、前記側壁内側から離隔している、請求項15又は16に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項18】
前記リブは、空輸中の前記チャンバ内のプランジャ移動距離の少なくとも2倍、互いに軸方向に離間している、請求項15~17のいずれか一項に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項19】
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に受け入れられ、第1開端部と投与開口部を有する第2端部との間に延びる環状側壁と、を有するシリンジバレルと、針アセンブリと、を含む、シリンジアセンブリと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に受け入れられた作動機構であって、
前記シリンジバレル内に受け入れられたプランジャであって、
略円筒状の側壁と、先頭面と、後尾面と、を有する、本体部分と、
前記本体部分の前記側壁から径方向外側に突出し、凹設された側表面によって互いに軸方向に離隔した複数のリブであって、前記複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、中間リブと、を含み、前記リブのそれぞれは環状構成を含み、前記リブが前記シリンジバレルの前記側壁の内部表面を密閉するような大きさに作られる、複数のリブと、
を含み、
前記本体部分は、軸荷重の非存在下で第1の構成、軸荷重の存在下で第2の構成をとるように構成されており、前記第1の構成と前記第2の構成は実質的に等しい径方向寸法を有し、前記第2の構成は、前記第1の構成の軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、
プランジャを含む、作動機構と、
駆動機構と、
前記駆動機構によって駆動され、前記シリンジバレル内で前記プランジャを前記シリンジバレルの前記第2端部まで押し、それにより、前記シリンジバレル内の薬剤を、前記針アセンブリを通して押し出すように構成された駆動部材と、
を含む、オートインジェクタデバイス。
【請求項20】
ハウジングであって、前記ハウジング内に延びる開口部内に内部及び底壁を有し、使用者の組織に固定されるように構成されている、ハウジングと、
第1開端部と投与開口部を有する第2端部との間に延びる環状側壁を有するリザーバと、
駆動機構であって、
前記リザーバ内に受け入れられたプランジャであって、
略円筒状の側壁と、先頭面と、後尾面と、を有する、本体部分と、
前記本体部分の前記側壁から径方向外側に突出し、凹設された側表面によって互いに軸方向に離隔した複数のリブであって、前記複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、中間リブと、を含み、前記リブのそれぞれは環状構成を含み、前記リブが前記リザーバの前記側壁の内部表面を密閉するような大きさに作られている、複数のリブと、
を含み、
前記本体部分は、軸荷重の非存在下で第1の構成、軸荷重の存在下で第2の構成をとるように構成されており、前記第1の構成と前記第2の構成は実質的に等しい径方向寸法を有し、前記第2の構成は、前記第1の構成の軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する、プランジャを含む、駆動機構と、
前記リザーバ内で前記プランジャを前記リザーバの前記第2端部まで駆動するように構成された駆動部材と、
前記ハウジングの前記開口部を通って前記ハウジング内の後退位置から前記ハウジングの外に延びる展開位置に移動するように構成された送達部材を含む挿入機構と、
前記リザーバを前記挿入機構に流体的に結合するように構成された流体経路アセンブリと、
アクチュエータであって、前記アクチュエータの作動に応答し、前記駆動機構に、前記リザーバ内で前記プランジャを前記リザーバの前記第2端部まで駆動させ、それにより、前記挿入機構を通して前記リザーバ内の薬剤を投与するように構成されたアクチュエータと、
を含む、オンボディ型インジェクタデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2017年11月10日に出願された米国仮特許出願第62/584,335号明細書の優先権の利益を主張し、その内容全体が、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
本開示は、概して、プランジャに関し、より具体的には、薬物送達製品のプランジャに関する。
【背景技術】
【0003】
高粘性製品が、オートインジェクタ及びオンボディ型インジェクタなどの自動送達デバイスで次第に多く使用されるようになっている。自動送達デバイスは、典型的には、薬物送達時間に関する要件を有する。しかしながら、高粘性製品を使用する場合、自動送達デバイスは、要求される薬物送達時間を達成するために大きな駆動力を必要とする。これに加えて、自動送達デバイスは、デバイス内でプランジャから離隔し、且つ初期衝突中及び薬物送達中の持続注入力の最大5倍を出力する駆動機構を有する場合がある。
【0004】
いくつかの従来のプランジャは、送達デバイスのシリンジ又はリザーバに沿って摺動し、これを密閉する円筒状の側表面を有する。大きな駆動力は従来のプランジャに大きな軸方向圧縮力を加え、これは、排出中、従来のプランジャが径方向外側に変形する原因となり得る。そうした径方向の変形はプランジャとシリンジ又はリザーバとの間の接触領域を増加させる場合があり、より大きな摩擦及び排出プロセスの予測不可能性がもたらされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、従来のプランジャ及び方法に対する有利な代替案を具現化し、本明細書で言及した課題又は必要性の1つ以上に対処することができると共に、他の利益及び利点を提供することができるプランジャ、薬物送達アセンブリ、薬物送達デバイス、及び関連する方法を説明する。
【0006】
いくつかの実施形態では、略円筒状の側壁と、先頭面と、後尾面と、を有する、本体部分を含む、薬物送達デバイスで使用するためのプランジャが本明細書中に記載される。プランジャは、本体部分の側壁から径方向外側に突出し、凹設された側表面によって互いに軸方向に離隔した複数のリブを更に含む。複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、中間リブと、を含み、リブのそれぞれは環状構成を有する。本体部分は、軸荷重の非存在下で第1の構成、軸荷重の存在下で第2の構成をとるように構成されており、第1の構成と第2の構成は実質的に等しい径方向寸法を有し、第2の構成は、第1の構成の軸方向寸法よりも小さい軸方向寸法を有する。
【0007】
プランジャは以下の1つ以上を更に含み得る:本体部分のトリムエッジは本体部分の後尾面に隣接することができ、トリムエッジは更に、リブの外径よりも小さな外径を有することができる;プランジャの先頭面は粗面加工部を含み得る及び/又は略円錐形の構成を有し得る;後尾リブ及び中間リブのうちの1つ又は両方は先頭リブよりも軸方向に小さくすることができる;リブのうちの少なくとも1つは曲線状のプロファイルを有し得る;リブのうちの少なくとも1つは、その曲線状の軸方向端部部分間に延びる円筒状部分を含み得る;リブ間に延びる側壁の径方向表面は曲線状の構成を有し得る;リブ間に延びる本体部分の径方向表面は平坦構成を有し得る;又はプランジャは本体部分の後尾面から離れる方に延びる複数の突起を更に含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、上記段落の任意の組み合わせに列挙したように構成されたプランジャを含み、薬物送達アセンブリは、第1開端部と投与開口部を有する第2端部との間に延びる環状側壁を有するチャンバであって、プランジャは、そのリブが側壁の内部表面を密閉するようにチャンバ内に受け入れられる、チャンバと、チャンバ内でプランジャをチャンバの第2端部まで駆動するように構成された駆動部材と、を含む、薬物送達アセンブリが本明細書中に記載される。
【0009】
薬物送達アセンブリは、以下の1つ以上を更に含み得る:側壁内側上のリブの接触領域は、プランジャがチャンバ内で駆動される間、実質的に一定のままである;プランジャのトリムエッジは、プランジャがチャンバ内で駆動される間、側壁内側から離隔している;リブは、空輸中におけるチャンバ内のプランジャ移動距離の少なくとも2倍、互いに軸方向に離間している;又はリブは、側壁内側との接触圧力が少なくとも0.8MPaである。
【0010】
上記ニーズは、特に図面と併せて研究される、以下の詳細な説明に記載されるプランジャの実施形態の提供によって少なくとも一部満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の各種実施形態に従い作製されたプランジャを含むオートインジェクタデバイスの側断面図である。
【
図2】本開示の各種実施形態による、
図1のオートインジェクタデバイスにおいて使用するためのプランジャの第1の実施形態の側断面詳細図である。
【
図3】本開示の各種実施形態による表1及び表2の寸法ラベルを示す、
図2のプランジャの側立面図である。
【
図4】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの上リブ直径測定値のヒストログラフ(histrograph)である。
【
図5】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの中間リブ直径測定値のヒストログラフである。
【
図6】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの下部リブ直径測定値のヒストログラフである。
【
図7】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの上部内径測定値のヒストログラフである。
【
図8】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの下部内径測定値のヒストログラフである。
【
図9】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの全長測定値のヒストログラフである。
【
図10】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの上リブから中間リブまでの測定値のヒストログラフである。
【
図11】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの中間リブから下部リブまでの測定値のヒストログラフである。
【
図12】本開示の各種実施形態による第1のサンプルの底部リップ直径測定値のヒストログラフである。
【
図13】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの内側リップ直径測定値のヒストログラフである。
【
図14】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの上リブ直径測定値のヒストログラフである。
【
図15】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの中間リブ直径測定値のヒストログラフである。
【
図16】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの下部リブ直径測定値のヒストログラフである。
【
図17】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの上部内径測定値のヒストログラフである。
【
図18】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの下部内径測定値のヒストログラフである。
【
図19】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの全長測定値のヒストログラフである。
【
図20】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの上リブから中間リブまでの測定値のヒストログラフである。
【
図21】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの中間リブから下部リブまでの測定値のヒストログラフである。
【
図22】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの底部リップ直径測定値のヒストログラフである。
【
図23】本開示の各種実施形態による第2のサンプルの内側リップ直径測定値のヒストログラフである。
【
図24】本開示の各種実施形態による、
図1のオートインジェクタデバイスにおいて使用するためのプランジャの第2の実施形態の側断面詳細図である。
【
図25】本開示の各種実施形態による表3の寸法ラベルを示す
図24のプランジャの側立面図である。
【
図26】本開示の各種実施形態によるサンプルのシール直径測定値のヒストログラフである。
【
図27】本開示の各種実施形態によるサンプルの上リブ直径測定値のヒストログラフである。
【
図28】本開示の各種実施形態によるサンプルの上部直径測定値のヒストログラフである。
【
図29】本開示の各種実施形態によるサンプルの中間直径測定値のヒストログラフである。
【
図30】本開示の各種実施形態によるサンプルの下部直径測定値のヒストログラフである。
【
図31】本開示の各種実施形態によるサンプルの下リブ直径測定値のヒストログラフである。
【
図32】本開示の各種実施形態によるサンプルの底部リップ直径測定値のヒストログラフである。
【
図33】本開示の各種実施形態によるサンプルの全長測定値のヒストログラフである。
【
図34】本開示の各種実施形態によるサンプルの頂部から上リブまでの測定値のヒストログラフである。
【
図35】本開示の各種実施形態によるサンプルのリブからリブまでの測定値のヒストログラフである。
【
図36】本開示の各種実施形態による注入時間試験データを示すグラフである。
【
図37】本開示の各種実施形態による注入時間試験データを示す別のグラフである。
【
図38】本開示の各種実施形態による注入摩擦力試験データを示すグラフである。
【
図39】本開示の各種実施形態に従い作製されたプランジャを含むオンボディ型薬物送達デバイスの一実施形態の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことは理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法及び/又は相対位置は、本発明の各種実施形態の理解を向上させるために他の要素に対して誇張される場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要な、一般的ではあるが十分に理解されている要素は、これら様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために示されないことが多い。更に、特定の行為及び/又は工程は、特定の発生順序で記載される又は示される場合があることは認識されるであろうが、当業者であれば、順序に関するそのような特定性は実際には必要ないことは理解するであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、異なる特定の意味が本明細書で説明されている場合以外は、上述のように、このような用語及び表現に当業者が与えるような通常の技術的な意味を有することも理解されよう。
【0013】
本明細書中に記載されるように構成されるプランジャストッパ又はストッパとしても知られるプランジャは、大きな排出力下で少ない径方向及び接触領域の変形を提供することにより、従来のプランジャと比較して使用中の摩擦の大きさ及び変動を最小限にする幾何学的形状の最適化を提供する。加えて、本明細書中に記載されるプランジャ実施形態は、円筒状の側部接触面よりもむしろリブを用いることによりプランジャとシリンジ又はリザーバとの間の接触領域を最小限にしつつ、容器閉鎖の完全性を維持するための、リブとシリンジ/リザーバとの間の高い接触圧力も維持する。更に、本明細書中に記載されるプランジャ実施形態は、粘性製品の送達に付随する高荷重下で接触領域の増加が最小限である又は増加がないように構成されている。即ち、リブ及びその間に延びるプランジャ表面は、使用中、外側に拡張せず又は最小限の量拡張し、それにより、使用中、一定な接触領域を維持する。いくつかの手法では、プランジャは、シリンジ又はチャンバとの密閉を維持する3つ以上の径方向のリブを含み、圧力変化などによる保管及び輸送中の無菌性の破壊も回避する。
【0014】
これら特徴の組み合わせは、有利には、使用中、従来のプランジャに比べて少ない摩擦の大きさ及び変動を提供するだけでなく、従来のプランジャに比べて最大30%の注入時間削減も提供する。少ない摩擦の変動は更に、より堅牢な設計空間を提供し、オートインジェクタ及びオンボディ型インジェクタなどの高粘性薬物送達デバイスの開発を可能にする。
【0015】
オートインジェクタの開示
プランジャ実施形態の更なる詳細を提供する前に、
図1を参照し、高粘性製品の送達に適した例示的な薬物送達デバイスを説明する。第1の例では、オートインジェクタ100は、シリンジアセンブリ110と作動機構150とを有するハウジング102を含む。シリンジアセンブリ110及び作動機構150の少なくとも一部分はハウジング102内に配置されている。シリンジアセンブリ110は、シリンジバレル112と、針アセンブリ114と、針アセンブリ114に隣接して配置された任意のフィルタ部材120とを含む。作動機構150は、フレーム部材152と、以下で更に詳細に説明するプランジャ200を含むプランジャアセンブリ160と、プランジャロッドガイド170と、渦巻ばね(例えば、時計のゼンマイ)180と、を含む。
【0016】
シリンジバレル112は使用者に注入される薬剤113を保存し、第1端部112aと、第2端部112bと、長手方向軸線「L」とを有する。図示される例では、シリンジバレル112は、薬剤を保存するための空洞を画定する、基部112c及び側壁112dを更に含む。更に、シリンジバレル112は、基部112cを貫通して配置された、薬剤を針アセンブリ114に送ることを可能にするための少なくとも1つの開口部112eを含んでもよい。シリンジバレル112の第1端部112aは、プランジャアセンブリ160を収容するために開かれていてもよく、これについては以下で詳述する。
【0017】
シリンジバレル112は、様々な量の薬剤を収容するための任意の所望の形状及び/又はサイズであってもよいことは理解されたい。いくつかの例では、シリンジバレル112は環状オレフィンポリマー(「COP」)で作製され得る。他の材料例も可能である。
【0018】
図1を参照すると、針アセンブリ114は、任意の種類の結合機構及び/又は構造を介してシリンジバレル112の第2端部112bに結合されており、針ハブ116と、針ハブ116に取り付けられた針118とを含む。針ハブ116は、薬剤が任意の数の開口部を通って針118に入ることを可能にする空洞を画定する。針ハブ116は、シリンジバレル112の基部112cに形成された開口部112eの下に配置されている。このように構成されることで、針ハブ116は、薬剤がシリンジバレル112を出る際に薬剤を受け入れ、薬剤は、その後、針118に入り、使用者に投与される。インジェクタ100は、使用者に薬剤を投与するのを補助するための戻りばね、針シールド及び/又はガード等のような任意の数の付加的な構成要素を含んでもよいことは理解されたい。簡略化のために、これらの付加的な構成要素については特に詳細には説明しない。
【0019】
引き続き
図1を参照すると、フィルタ部材120は、シリンジバレル112と針アセンブリ114とに隣接して配置されている。いくつかの例では、フィルタ部材120は、シリンジバレル112の基部112cに形成された開口部112e内に直接配置されてもよい。他の例では、フィルタ部材120は、バレル112の基部112cを遠位に越える、針ハブ116によって画定される空洞の一部分内に配置されてもよい。更に別の例では、フィルタ部材120は、シリンジバレル112の基部112cと針ハブ116との間に配置されてもよい。あるいは、フィルタ部材120はシリンジバレル112内に配置され、シリンジバレル112の実質的に断面積全体を占めてもよい。
【0020】
図1を再度参照すると、作動機構150のフレーム部材152は任意の数の手法によりハウジング102にしっかりと結合されてもよい。いくつかの構成では、フレーム部材152はハウジング102と一体形成されてもよい。フレーム部材152は、第1表面152aと、第2表面152bと、第1表面152aと第2表面152bとの間に形成された、ねじ山付き開口部152cとを含んでもよい。
【0021】
プランジャアセンブリ160はシリンジバレル112の長手方向軸線Lに沿って移動可能であり、ねじ山付き部分162aを有するプランジャロッド162を含み、ねじ山付き部分162aは、フレーム部材152のねじ山付き開口部152cにねじ式に結合され且つその中に配置される。プランジャロッド162のねじ山付き部分162a、及び同様に、フレーム部材152のねじ山付き開口部152cは、渦巻ばね180によって駆動されるときの任意の所望の薬物送達速度に好適なねじピッチを有してもよい。プランジャアセンブリ160は、シリンジバレル112の第1端部112aの近傍に配置されたプランジャフェース164を更に含む。
【0022】
プランジャロッドガイド170は、例えば、プランジャアセンブリ160がプランジャロッドガイド170に対して軸方向に移動することを可能にするスプライン式の接続又は溝付き構成によるものを含む任意の数の手法によりプランジャアセンブリ160に結合されたロッド部分172を含む。したがって、プランジャロッドガイド170はプランジャアセンブリ160の回転及び軸方向運動を案内する。
【0023】
渦巻ばね180の内部部分180aは、プランジャロッドガイド170に力を作用させ、プランジャロッドガイド170を軸線Lを中心に回転させるために任意の既知の手法によりプランジャロッドガイド170のロッド部分172に結合されている。
【0024】
プランジャの開示
高粘性製品を送達するために薬物送達デバイスにおいて使用するのに好適な例示的なプランジャ200を
図2及び
図3に示す。各プランジャ200は本体部分202を含み、本体部分202は、長手方向軸線Lに沿って延びる略円筒状の側壁203を有し、それぞれその先頭端部208及び後尾端部210に先頭面204及び後尾面206を有する。プランジャ200はその後尾面206上で係合され、
図1を参照して説明したようにシリンジバレル112内を押し進められ、それによりシリンジバレル112から薬剤113を排出するように構成されている。好適な実施形態では、本明細書中に記載される本体部分202はプランジャロッドを受け入れるなどのための空洞を有しない。このように構成されることで、各本体部分202の断面は、その先頭面204と後尾面206との間のその軸方向長さに沿って途切れのない構成を有する。
【0025】
図示されるように、プランジャ200は、側壁203から半径方向外側に延びる環状リブ216を更に含む。リブ216は、本体部分202に沿って軸方向に離隔し、リブ216に対して径方向に凹設された側表面226によって分離されている。リブ216は、プランジャ200とシリンジバレル112との間に接触領域218を設けるような大きさに作られた外径を有する。これにより、全体又は側壁の広い大部分が容器に接触する従来のプランジャに比べて摩擦の大きさ及び変動を減少させる。更に、側表面226に沿った本体部分202の縮径は、リブ216が径方向外側に著しく拡張せず且つ側表面226がリブ216を越えて径方向に拡張しないように、本体部分203が蛇腹と同様に軸荷重下で縮むことを可能にする。
【0026】
1つの形態では、リブ216は、空輸中の圧力変化により生じるプランジャ200の移動距離を超えて互いに離隔することができ、更に別の形態では、この移動距離の2倍を超えて互いに離隔することができる。したがって、輸送中の容器閉鎖の完全性が維持される。一例では、プランジャ200は、約0.7mm~約1.12mm、約1.0mm~約1.12mm、及び約0.7mm~約1.0mm移動することができる。したがって、リブ216間の距離は、これに対応する範囲を有することができる、対応する範囲の2倍を有することができる、又は約2mm~約4mm、若しくは約2.5mm~3.1mmなど、対応する範囲の2倍を超えて離隔することができる。別の例では、6N又はこれを超える解放力(break loose force)により、空輸中のプランジャの移動に十分な制限を与えることができる。
【0027】
図示される形態では、プランジャ200は、3つの環状リブ216:先頭リブ220、後尾リブ222、及び中間リブ224を含む。特定用途では、プランジャ200は所望のとおりに追加の中間リブを含むことができることは理解されるであろう。リブ216及びその間に延びる側壁側表面226は任意の適切な形態をとることができる。更に、先頭リブ220、後尾リブ222、及び中間リブ224は一定の形態を有する必要はない。
【0028】
図2に示すような第1の形態では、リブ216は、長手方向軸線Lに沿って凸状に湾曲した断面プロファイルを有することができる。更に、先頭リブ220及び後尾リブ222は、先頭リブ220及び後尾リブ220が中間リブ224よりも容器212とのより広い接触領域218を提供するように、中間リブ224よりも大きな半径を持つ曲線を有することができる。所望であれば、図示しないものの、各リブ220、222、224は異なる半径を持つ曲線を有することができる、又はそれぞれ同じ半径を有することができる。
図2の形態では、リブ216間に延びる側壁203の側表面226は、長手方向軸線Lに沿って凹状に湾曲した断面プロファイルを有する。
【0029】
図3は、長手方向軸線Lに沿って延びる略円筒状の側壁203を有し、それぞれその先頭端部208及び後尾端部210に先頭面204及び後尾面206を有する本体部分202を含むプランジャ200の別の形態を示す。プランジャ200はその後尾面206上で係合され、
図1を参照して説明したようにシリンジバレル112内を押し進められ、それによりシリンジバレル112から薬剤113を排出するように構成されている。
【0030】
図示されるように、この形態のプランジャ200は、側壁203から径方向外側に延びる環状リブ216を含む。リブ216は、本体部分202に沿って軸方向に離隔し、リブ216に対して径方向に凹設された側表面226によって分離されている。リブ216は、プランジャ200とシリンジバレル112との間に接触領域218を設けるような大きさに作られた外径を有する。図示されるように、プランジャ200は、3つのリブ216:先頭リブ220、後尾リブ222、及び中間リブ224を含むことができる。特定用途では、プランジャ200は所望のとおりに追加の中間リブを含むことができることは理解されるであろう。リブ216及びその間に延びる側壁側表面226は任意の適切な形態をとることができる。
図3に示すように、プランジャ200は、その先頭リブ220に示されるように、凸状軸方向部分230間に配置された円筒状部分228を有するリブ216を含むことができる。円筒状部分228は、曲線状のリブに比べて容器202とのより広い接触領域面を提供する。更に、図示されるように、プランジャ200の中間リブ224及び後尾リブ222は、同じ半径を持つ曲線状のプロファイルを有することができる。当然、
図2及び
図3に示されるリブ216の組み合わせ並びに他の適切な構成も用いることができる。
図3の形態では、側表面226は、側表面226と隣接するリブ216との間で移行するための、そのいずれかの軸方向端部に配置された、略凹状断面を有する円錐台部分234を有する円筒状の中間部分232を有する。
【0031】
記載したように、プランジャ200の先頭面204は、薬剤113に係合し、これをシリンジバレル112内において押すように構成されている。
図2及び
図24に示すように、先頭面204は、
図1を参照してより詳細に説明したシリンジバレル112の開口部112e及び任意選択的に針ハブ116/針118内に先頭面204が延びることによりシリンジバレル112内における薬剤113の滞留体積(hold-up volume)を最小限にするために、先の尖った形態を有することができる。
【0032】
先頭面204の構成は、
図2の実施形態に示される凹状曲面233を有する円錐、又は
図24の実施形態に示される平坦側面235を有する円錐などの任意の所望の形状をとることができる。更に、先頭面204はその全体又は一部分にわたり粗面加工された質感を有することができる。粗面加工された質感は、プランジャ200が加工及び保管中に互いにくっつかないようにするのに役立つ。別の形態では、先頭面204は、粗面加工された質感を作成するために、任意の適切な材料が適用され得る。
【0033】
図2及び
図24を参照すると、いくつかの実施形態では、プランジャ200は、その後尾面206に隣接するトリムエッジ236を含むことができる。トリムエッジ236は、プランジャ200がバッチとして形成されるときに個々のプランジャ200が共通の材料シートから切断された結果である。図示されるように、トリムエッジ236は更に、使用中、プランジャ200が軸荷重下にあり、縮められている間でもトリムエッジ236が容器212に接触しないように、リブ216の外径よりも小さな外径を有することができる。従来、プランジャはトリムエッジがプランジャの前部にあるように材料シートから切断され得る。更に、トリムエッジ236は、使用中、シリンジバレルと係合する外径を有し得る。特に平らでない性質の切断エッジを有するこの追加的な接触領域は、使用中、薬物送達デバイスに摩擦の大きさ及び変動を付加する可能性がある。本明細書中に記載されるように構成されたプランジャ200はトリムエッジに関連するこれら課題を有利に回避する。
【0034】
いくつかの態様によれば、プランジャ200は、その後尾面206から離れる方に延びる1つ以上の突起238を含むことができる。突起238が、組み合わせにおいて、容器212内でプランジャ200を押すプランジャフェース240の安定な接触を提供するように、突起238は後尾面206の周りに配置されていることが好ましい。例えば、突起238は、後尾面206の周りに、例えばアレイで及び/又は対称に、離隔して配置することもできる。突起238は、後尾面206上のほぼ中心に配置することもできる。突起238は、
図2のような円錐形又は
図3のドーム形などの任意の適切な形状又は構成で提供され得ることは理解されるであろう。図示される形態では、後尾面206上の中央に置かれた円内に互いに等しく離隔して配置された4つの突起238がある。
【0035】
突起238は更に、プランジャ200の質量中心を後方に有利に移動し、投薬動作中におけるプランジャ200へのプランジャフェース238の初期衝撃を緩和するように構成され得る。更に、突起238はまた、プランジャ200が加工及び保管中に互いにくっつかないようにするのに役立つ。したがって、粗面加工された先頭面204、曲線状の側表面226、及びリブ216を組み合わせることで、バルク加工及び保管中、プランジャ200は概ね互いにくっつかない。
【0036】
1つの例によれば、
図2及び
図3に示されるプランジャ200は、以下の寸法を有することができる:上リブ200-A-は直径約9.4mmを有することができる、中間リブ224-B-は直径約9.1mmを有することができる、下部リブ222-C-は直径約9.2mmを有することができる、上部内側側表面226-D1-は直径約7.9mmを有することができる、下部内側側表面226-D2-は直径約7.9mmを有することができる、全長-E-は約9mmとすることができる、上リブ220から中間リブ224までは、約3.18mmの距離を有することができる、中間リブ224から下部リブ222までは、約3.08mmの距離を有することができる、底部リップ236は最大直径約8.8mmを有することができる、及び内側リップは直径約8.4mmを有することができる。他の例示的な測定値は以下を含み得る:上リブ220及び下部リブ222は半径約0.5mmを有することができる、中間リブ224は半径約0.3mmを有することができる、下部リブ22から後尾面206までは約1.82mmの距離を有することができる、突起238は半径約0.2mm、長さ約0.4mmを有することができ、後尾面206上に直径約6.0mmを有する円の周りに離隔して配置され得る。
【0037】
以下、表1及び表2に示すように、2.25mLプランジャの2つのサンプル群を測定した。表の上段の測定基準は
図3のプランジャ200に付されている。表1及び表2に示される各測定値のヒストログラフは
図3~
図23に提供される。
【0038】
【0039】
【0040】
別の例によれば、
図24及び
図25に示されるプランジャ200は以下の寸法を有することができる:シール外径(上リブ220)は直径約9.10を有することができる、上リブ外径(中間リブ224)は直径約8.90mmを有することができる、上部外径(側表面226)は直径8.50mmを有することができる、中間外径(側表面226)は直径約8.50mmを有することができる、下部外径(トリムエッジ236に隣接する)は直径8.40mmを有することができる、下リブ222外径は直径9.00mmを有することができる、底部リップ(トリムエッジ236)は最大直径8.70mmを有することができる、プランジャ200の全長は約9.00mmとすることができる、頂部から上部(中間リブ224)までは約4.40mmの距離を有することができる、及びリブからリブまで(中間224から下部222まで)は約2.60mmの距離を有することができる。他の例示的な測定値は以下を含み得る:突起238は直径約0.60mm、深さ約0.25mmを有することができ、後尾面206上に直径約6.40mmを有する円の周りに離隔して配置することができる、先頭リブ220の凸状軸方向部分230は先頭半径約0.70mm及び後尾半径約0.60mmを有することができる、先頭リブ220の円筒状部分228は長さ約0.64mmを有することができる、下部リブ222から後尾面206までは約2.00mmの距離を有することができる、及び先頭面204は約7度の角度を成すことができ、半径約3.00mmを有する。
【0041】
以下、表3に示すように、2.25mLプランジャのサンプル群を測定した。表の上段の測定基準は
図25のプランジャ200に付されている。表3に示される各測定値のヒストログラフを
図26~
図35に示す。
【0042】
【0043】
プランジャ200のうちの1つを有して構成されるオートインジェクタ100では、プランジャ200を容器212内で駆動するために後尾面に軸荷重が加えられると、プランジャ200は、リブ216の本来の直径を超えた著しい径方向の拡張なく、蛇腹と同様に軸方向に縮むように構成されている。著しい径方向の拡張とは、その直径の5%未満、3%未満、2%未満、及び1%未満を意味し得る。より具体的には、リブ216が、使用中、それらの径方向寸法を維持することにより、シリンジバレル112との一定な接触領域を提供し、摩擦の変動を最小限にするように、プランジャ200の側表面226は、折り畳まれ、軸方向に縮むように構成され得る。いくつかの手法では、プランジャ200は、大きな軸荷重によって駆動されると、その長さの約10%~約30%縮むように構成され得る。典型的には、製品の粘性が高くなるほど、製品を所望の投与時間範囲内に投与するのに必要な力が大きくなる。本明細書中に記載されるプランジャ200は、100cP以下、より好ましくは少なくとも300cP以下の粘度を有する薬物との使用に好適である。更に、プランジャ200は、本明細書中に記載されるように、少なくとも500N以下の軸荷重下で動作するように構成されている。
【0044】
容器閉鎖の完全性(潜在的な汚染物質に対して滅菌バリアを維持する容器の能力を意味する)に関しては、
図2に示すような構成を有するプランジャを有する第1の例では、先頭リブ220は約1.2MPaの接触圧力で容器閉鎖の完全性を維持することができ、後尾リブ222は約1.1MPaの接触圧力で容器閉鎖の完全性を維持することができる。
図24に示すような構成を有するプランジャを有する第2の例では、先頭リブ220は約0.8MPaの接触圧力で容器閉鎖の完全性を維持することができ、後尾リブ222は約0.9MPaの接触圧力で容器閉鎖の完全性を維持することができる。
【0045】
本明細書中に記載されるプランジャ200は、
図1を参照して上述したオートインジェクタにおいて使用するのに特に適している。以下の表及び
図36~
図38に示されるグラフに反映される以下のデータは、
図2及び
図24に示すように構成されたプランジャを従来のねじ山付きプランジャに対して試験するために、オートインジェクタデバイスを用いたものである。
【0046】
図36及び
図37及び以下の表4に示すように、5℃及び23℃にて注入時間を試験した。従来のねじ山付きプランジャは、5℃において平均注入時間90.17秒、標準偏差7.10、23℃において平均注入時間19.00秒、標準偏差1.23であった。
図2に示すように構成された♯1プランジャは、5℃において平均注入時間49.45秒、標準偏差3.63、23℃において平均注入時間13.65秒、標準偏差0.49であった。したがって、♯1プランジャは、従来のねじ山付きプランジャと比較して、5℃にて平均が45%の減少及び標準偏差が49%の減少、23℃にて平均が32%の減少及び標準偏差が60%の減少であった。♯2プランジャは、従来のねじ山付きプランジャと比較して、5℃にて平均が41%の減少及び標準偏差が60%の減少、23℃にて平均が33%の減少及び標準偏差が73%の減少であった。
【0047】
【0048】
従来のねじ山付きプランジャを、
図2(♯1)及び
図24(♯2)に示すように構成したプランジャと共に平均映進力及び標準偏差についても試験した。
図38は、これらの試験結果を示すグラフを記載する。以下、表5に記載するように、本明細書中に記載されるように構成された両プランジャは従来のプランジャよりも良好に機能した。より具体的には、
図2に示すように構成したプランジャは従来のプランジャと比較して平均映進力が77%減少し、標準偏差が95%減少した。
図24に示すように構成したプランジャは従来のプランジャと比較して平均映進力が17%減少し、標準偏差が64%減少した。
【0049】
【0050】
すべての試験において、シリンジシステムは2.1mL±0.1mLの媒体を備えて作成し、プランジャ挿入は少なくとも2mmの空気間隙に相当する。プランジャは、プランジャを押し込む前、媒体がシリンジの表面全体に接触するように挿入した。解放「BL」が重要な試験(摩擦、解放、及び排出「BLE」、容器閉鎖の完全性「CCI」、及び模擬空輸)では、試験に先だち48時間±3時間にわたってシリンジプランジャシステムの条件を予め整えた。2日間のサンプルコンディショニング時間は、プランジャの設定及び初期BL力の発生を可能にする。
【0051】
プランジャに作用するBLE力は、シリンジからステーキドニードル(staked needle)を通して液体を排出するために必要な力を意味する。BLE試験は2つの異なる速度での投与を含み、BLE力は以下の2つの部分に分けられる。解放:プランジャの移動を開始するために必要な初期力、及び排出:解放の効果が終了後、プランジャがシリンジ内を移動中に到達する最大力。概して、公称及び+0.2のプランジャサイズは、基準プランジャに近い又はそれよりも大きな摩擦BL力を有する。
【0052】
オンボディ型インジェクタの開示
図2及び
図24に示すプランジャ200を、
図1を参照して上述したオートインジェクタ薬物送達デバイス100での使用を参照して説明してきたが、本明細書中に記載されるプランジャ200は更に、オンボディ型インジェクタデバイスなどの他の薬物送達デバイスでの使用に好適である。
図39は、本開示の原理に従って作製されたオンボディ型薬物送達デバイス10の一実施形態の概略図である。薬物送達デバイス10は、患者に薬物を皮下的に又は経皮的に送達するように動作させてもよい。図示される実施形態においては、薬物送達デバイス10は、オンボディ型インジェクタ又は携帯型輸液ポンプなどのウェアラブル薬物送達デバイスとして構成され、患者の組織11(例えば、患者の皮膚)に取り外し可能に取り付けられる。他の実施形態(図示せず)では、薬物送達デバイス10は、注射の過程にわたり患者の組織11に一時的に押し付けられる、オートインジェクタ又は注射ペンなどのペン型インジェクタとして構成されていてもよい。薬物送達デバイス10は、一定の又は患者/オペレータが設定可能な用量の薬物を制御された又は選択された時間にわたって自動的に送達するように構成されていてもよい。更に、薬物送達デバイス10は患者による自己投与用であってもよい、又は注入を管理するように正式に訓練された医療関係者若しくは他の介護者によって操作されてもよい。
【0053】
概して、薬物送達デバイス10は、挿入機構12と、容器14と、流体経路アセンブリ22と、駆動機構24と、コントローラ26とを含んでもよく、これらはそれぞれ、主要ハウジング29の内部空間内に配置されてもよい。アクチュエータ28(例えば、ユーザが押すことができるボタン、タッチスクリーン、マイクロフォン等)はハウジング29の外部表面から突き出ていてもよく又はハウジング29の外部表面に配置されていてもよく、機械的及び/又は電気的手段(
図39に破線で示す)により、挿入機構12、流体経路アセンブリ22、駆動機構24、コントローラ26、並びに/又は他の機構及び/若しくは電子機器を起動することによって薬物送達デバイス10の動作を開始するように構成されていてもよい。アクチュエータ28がユーザ又は患者によって押される又は別の手法で物理的に動作されるボタンである実施形態において、アクチュエータ28は、挿入機構12、流体経路アセンブリ22、駆動アセンブリ24、コントローラ26、及び/又は他の機構を起動するのに必要な原動力を作用させるように構成されていてもよい。そのような実施形態においては、アクチュエータ28を手で押すこと又はこれと他の手法で相互作用することで、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構を起動するのに必要な原動力を供給するように、アクチュエータ28は、直接的に又は機械的リンク機構を介して間接的に、のいずれかにおいて、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構に物理的に接続されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ28を手で押すことにより、流体経路アセンブリ22を固定容器14に向かって移動させ、又は容器14を固定流体経路アセンブリ22に向かって移動させ、それにより、容器アクセス針をシール部材に貫通させて容器14のリザーバ又は内容積に入れてもよい。付加的に又は代替的に、アクチュエータ28は電気的及び/又は機械的信号をコントローラ26に送信する入力デバイスとして動作してもよく、コントローラ26は更に、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構の動作を制御するためのプログラム可能命令を実行してもよい。そのような実施形態では、コントローラ26は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、及びプロセッサによって実行されるプログラム可能命令を記憶するための非一時的なメモリを含んでもよい。更に、そのような実施形態では、薬物送達デバイス10は、アクチュエータ28とは別個の、コントローラ26から受信された電気的制御信号に応答して、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構を起動するのに必要な原動力を作用させる内部アクチュエータ(例えば、電気モータ、空気圧式若しくは油圧式ポンプ、及び/又は加圧ガス若しくは液体源)を含んでもよい。
【0054】
更に
図39を参照すると、ハウジング29は、患者の組織11に取り外し可能に取り付けられる(例えば、接着剤によって接着される)ように構成された底壁25と、1つ以上の視覚インジケータ42(例えば、ライト、グラフィカルディスプレイ等)並びに/又は容器14及びその中に収容された薬剤113を観察するための窓35を含む頂壁27と、を含んでもよい。1つ以上の視覚インジケータ42は、薬物送達デバイス10の動作状態及び/又は薬剤113の状態に関する情報を使用者に伝えるために使用されてもよい。開口部31が底壁25に形成されてもよく、任意選択的に、突き通し可能なセプタムなどの突き通し可能な滅菌バリア33が開口部31にわたって延び、使用前にハウジング29の内部を密封していてもよい。いくつかの実施形態では、突き通し可能な滅菌バリア33は省略されてもよく、その代わりに、使用前に、取り外し可能なシーリング部材(図示せず)が開口部31を覆い、密閉閉鎖(seal close)してもよい。
【0055】
ハウジング29の底壁25が患者の組織13に取り付けられた後、挿入機構12を起動して、ハウジング29内の後退位置からハウジング29の外に延びる展開位置に送達部材を移動させてもよい。本実施形態では、これには、
図39に示されるように、挿入機構12が針又はトロカール21とトロカール21を包囲する中空カニューレ23とを、突き通し可能な滅菌バリア33を通して患者の組織11に挿入することを含んでもよい。その直後又はその後間もなく、挿入機構12は、針21を自動的に後退させ、カニューレ23の先端側開端部を薬剤113の皮下送達のために患者の内部に残してもよい。針21は中実であり、患者の皮膚11に穿孔するために鋭利な端部を有してもよい。更に、針21は、カニューレ23よりも剛性の高い材料で作製してもよい。いくつかの実施形態では、針21は金属製であってもよく、カニューレ23はプラスチック又は別のポリマー製であってもよい。カニューレ23の相対的な可撓性により、カニューレ23を患者に痛み又は顕著な不快感を生じさせることなくある期間にわたって患者の組織11内に皮下配置することを可能にしてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、挿入機構12は、初めは付勢された状態に保持され、アクチュエータ28を押すと針21及びカニューレ23又は中空針を患者に挿入するために解放される1つ以上のばね(例えば、コイルばね、ねじりばね等)を含んでもよい。更に、針21の後退は、針21及びカニューレ23が患者に挿入された後、別のばねの自動解放によって達成されてもよい。例えば、電気モータ、油圧式若しくは空気圧式ポンプ又は加圧ガス若しくは加圧液体を放出して作動エネルギーを提供するキャニスタを含む、挿入及び/又は後退のための他の動力源も考えられる。
【0057】
一部の文脈では一次容器と呼ばれることのある容器14は、薬剤113が充填されるリザーバ30を画定する内部表面43と外部表面47とを有する壁38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイス10に容器14を取り付ける前に、薬物製造業者によりリザーバ30に薬剤113が予め充填されてもよい。いくつかの実施形態では、容器14をハウジングに対して動かすことができないように、容器14はハウジング29に強固に接続されてもよく、その一方で、他の実施形態では、薬物送達デバイス10の動作中に容器14をハウジング29に対して動かすことができるように、容器14は、ハウジング29に摺動可能に接続されてもよい。容器14は、長手方向軸線Aに沿って延びる細長いバレル状の又は円筒状の形状を有してもよい。薬物送達デバイス10がオンボディ型インジェクタとして構成される実施形態では、容器14の長手方向軸線Aは、挿入機構12がカニューレ23などの送達部材を患者に挿入する方向に垂直若しくは実質的に垂直又は他に非平行であってもよい。この構成は、患者の動きを妨げることなく患者が装着することができるオンボディ型インジェクタが略平坦な薄型形状を有することを可能にし得る。まず、プランジャ200が容器14の基端部36においてリザーバ30内に配置されてもよい。プランジャ200は、容器14の壁38の内部表面43に密閉的に且つ摺動可能に係合してもよく、容器14の壁38に対して移動可能であってもよい。
【0058】
送達前にリザーバ30内に収容される薬剤113の量は、約(例えば、±10%)0.5~20mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)0.5~10mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~10mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~8mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~3.5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~3mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~2.5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~2mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)4mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)3.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)3mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)2.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)2mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)1.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)1mL以下の任意の量であってもよい。リザーバ30には薬剤113が完全に又は一部充填されてもよい。薬剤113は、例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、PCSK9(ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)特異抗体、スクレロスチン抗体、又はカルシトニン遺伝子関連ペプチド抗体(CGRP)など、以下に記載する薬物のうちの1つ以上であってもよい。
【0059】
薬物送達デバイス10の動作中、駆動機構24は、容器14から薬剤113を排出するためにプランジャ200を長手方向軸線Aに沿って容器14の基端部36から容器14の先端部37まで押してもよい。いくつかの実施形態では、駆動機構24は、初めに付勢された状態に保持され、アクチュエータ28を押すと解放される1つ以上のばね(例えば、コイルばね、ねじりばね等)を含み得る。ばねは、それらの解放後、伸張又は収縮し、プランジャ200を、リザーバ30内において長手方向軸線Aに沿って容器14の基端部36から容器14の先端部37まで移動させることができる。他の実施形態では、駆動機構24は、例えば1つ以上のスプロケットギアを含むギア機構を回転させてリザーバ30内におけるプランジャ200の軸方向運動を生じさせる電気モータ(図示せず)を含んでもよい。更に別の実施形態では、駆動機構24は電気モータ及びばねの両方を含んでもよく、電気モータは、ばねの伸張をテザー又はプーリシステムを介して調整する。更に別の実施形態では、駆動機構24は、加圧ガス又は加圧液体を放出して作動エネルギーを提供するキャニスタを含んでもよい。他の例も可能である。
【0060】
流体経路アセンブリ22は、薬物送達デバイス10の動作中に滅菌流体流路を介して容器14と挿入機構12との間に流体連通を確立するように構成されてもよい。流体経路アセンブリ22の第1端部44は、容器アクセス針60及びオーバーモールド部材62を含んでもよい。概して、オーバーモールド部材62は容器アクセス針60のための取付部材又は接続ハブとしての役割を果たしてもよく、リザーバ30にアクセスしない容器アクセス針60の一部分に、拡大外径などの拡大外形寸法を与えてもよい。容器アクセス針60は、容器アクセス針60の基端部に対応する鋭利な端部、即ち先端63と、流体通路50と流体連通する先端部64とを有してもよい。
【0061】
流体経路アセンブリ22は、容器14に接続された第1端部44と、挿入機構12に接続された第2端部48と、第1端部44と第2端部48との間に延びる流体通路50とを含んでもよい。以下で更に詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、流体経路アセンブリ22の第1端部44は、クリップ部材53によって容器14に接続されてもよい。流体通路50は、滅菌してもよく、部分的に又は完全に可撓性チューブ52から作製してもよい。最初に、流体経路アセンブリ22がハウジング29に対して移動するのを可能にするように、且つ/又は、流体経路アセンブリ22が取り付けられている挿入機構12の構成要素がハウジング29に対して移動するのを可能にするように、可撓性チューブ52にたるみがあってもよい。
【0062】
薬物の開示
上記の説明は、薬剤送達デバイスと共に使用するための様々なアセンブリ、デバイス、及び方法を述べている。システム、薬剤送達デバイス、又は方法は、後述の薬剤の使用を更に含むことができる点を明確にすべきであるが、以下のリストは網羅的でも限定的でもないと考えるべきではないことに留意されたい。薬剤は、チャンバ又はリザーバ内に収容される。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬剤が充填される若しくは予め充填される、のいずれかである一次容器である。一次容器は、カートリッド又はプレフィルドシリンジとすることができる。
【0063】
例えば、薬物送達デバイス、又はより具体的には、デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されていてもよい。このようなG-CSF剤には、Neupogen(登録商標)(フィラグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィグラスチム)が含まれるが、これらに限定されない。他の様々な実施形態では、薬物送達デバイスは、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)などの様々な医薬品と共に使用してもよく、これらは液体又は凍結乾燥形態であってもよい。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メチオキシ(methyoxy)ポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)、(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタなどの赤血球生成を刺激する任意の分子、並びにその各々の全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,271,689号明細書、及びPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第96/40772号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、及び国際公開第2007/136752号パンフレットに開示される分子又はその変異体若しくは類似体である。
【0064】
ESAは、赤血球産生刺激タンパク質であり得る。本明細書で使用する場合、「赤血球産生刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体、エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体、又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/hematideを含む)、及び模倣抗体が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチン作動薬変異体、及びペプチド又は抗体(並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む米国特許出願公開第2003/0215444号明細書及び米国特許出願公開第2006/0040858号明細書に報告されている化合物が挙げられる)、並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,830,851号明細書、米国特許第5,856,298号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,030,086号明細書、米国特許第6,310,078号明細書、米国特許第6,391,633号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第6,586,398号明細書、米国特許第6,900,292号明細書、米国特許第6,750,369号明細書、米国特許第7,030,226号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,217,689号明細書、米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、米国特許出願公開第2003/0077753号明細書、米国特許出願公開第2003/0082749号明細書、米国特許出願公開第2003/0143202号明細書、米国特許出願公開第2004/0009902号明細書、米国特許出願公開第2004/0071694号明細書、米国特許出願公開第2004/0091961号明細書、米国特許出願公開第2004/0143857号明細書、米国特許出願公開第2004/0157293号明細書、米国特許出願公開第2004/0175379号明細書、米国特許出願公開第2004/0175824号明細書、米国特許出願公開第2004/0229318号明細書、米国特許出願公開第2004/0248815号明細書、米国特許出願公開第2004/0266690号明細書、米国特許出願公開第2005/0019914号明細書、米国特許出願公開第2005/0026834号明細書、米国特許出願公開第2005/0096461号明細書、米国特許出願公開第2005/0107297号明細書、米国特許出願公開第2005/0107591号明細書、米国特許出願公開第2005/0124045号明細書、米国特許出願公開第2005/0124564号明細書、米国特許出願公開第2005/0137329号明細書、米国特許出願公開第2005/0142642号明細書、米国特許出願公開第2005/0143292号明細書、米国特許出願公開第2005/0153879号明細書、米国特許出願公開第2005/0158822号明細書、米国特許出願公開第2005/0158832号明細書、米国特許出願公開第2005/0170457号明細書、米国特許出願公開第2005/0181359号明細書、米国特許出願公開第2005/0181482号明細書、米国特許出願公開第2005/0192211号明細書、米国特許出願公開第2005/0202538号明細書、米国特許出願公開第2005/0227289号明細書、米国特許出願公開第2005/0244409号明細書、米国特許出願公開第2006/0088906号明細書、及び米国特許出願公開第2006/0111279号明細書、並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第99/66054号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、国際公開第00/61637号パンフレット、国際公開第01/36489号パンフレット、国際公開第02/014356号パンフレット、国際公開第02/19963号パンフレット、国際公開第02/20034号パンフレット、国際公開第02/49673号パンフレット、国際公開第02/085940号パンフレット、国際公開第03/029291号パンフレット、国際公開第2003/055526号パンフレット、国際公開第2003/084477号パンフレット、国際公開第2003/094858号パンフレット、国際公開第2004/002417号パンフレット、国際公開第2004/002424号パンフレット、国際公開第2004/009627号パンフレット、国際公開第2004/024761号パンフレット、国際公開第2004/033651号パンフレット、国際公開第2004/035603号パンフレット、国際公開第2004/043382号パンフレット、国際公開第2004/101600号パンフレット、国際公開第2004/101606号パンフレット、国際公開第2004/101611号パンフレット、国際公開第2004/106373号パンフレット、国際公開第2004/018667号パンフレット、国際公開第2005/001025号パンフレット、国際公開第2005/001136号パンフレット、国際公開第2005/021579号パンフレット、国際公開第2005/025606号パンフレット、国際公開第2005/032460号パンフレット、国際公開第2005/051327号パンフレット、国際公開第2005/063808号パンフレット、国際公開第2005/063809号パンフレット、国際公開第2005/070451号パンフレット、国際公開第2005/081687号パンフレット、国際公開第2005/084711号パンフレット、国際公開第2005/103076号パンフレット、国際公開第2005/100403号パンフレット、国際公開第2005/092369号パンフレット、国際公開第2006/50959号パンフレット、国際公開第2006/02646号パンフレット、及び国際公開第2006/29094号パンフレットに開示されるエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられる。
【0065】
本デバイスと共に使用するための他の医薬品の例としては、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ)などの抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)などの他の生物学的製剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬物が挙げられ得るが、これらに限定されない。本デバイスは、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質又は鉄、例えばフェルモキシトール、鉄デキストラン、グリコネート(glyconate)第二鉄及び含糖酸化鉄などの他の化学物質と共に使用してもよい。医薬品は、液体形態であってもよい、又は凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0066】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。
【0067】
PCT国際公開第03/002713号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報の
図2に記載されている配列番号2の軽鎖及び/又は上記公報の
図4に記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体を含み、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質に関して、特に、上記公報中に記載される配列を有するもので、具体的に、上記中に示されるもの(9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3)であるが、それらに限定されず、本明細書にその全体が組み込まれる上記公報に記載される抗体を含むが、それに限定されず、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0068】
米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及びPCT国際公開第2004/058988号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1、及びTN8-19 con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリーのペプチボディ;配列番号357~383のmL2ファミリー、配列番号384~409のmL15ファミリー、配列番号410~438のmL17ファミリー、配列番号439~446のmL20ファミリー、配列番号447~452のmL21ファミリー、配列番号453~454のmL24ファミリー、及び配列番号615~631ペプチボディを含むがそれに限定されない、特に、ミオスタチン特異的ペプチボディに特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されている、ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0069】
PCT国際公開第2005/047331号パンフレット又は国際出願PCT/US2004/37242号明細書及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1であるが、これらに限定されず、IL-4受容体特異抗体、特に上記公報に記載されるような抗体等、特に、上記公報に示されるものに特に部分的に関連して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含む、特にIL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制するもので、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0070】
米国特許出願公開第2004/097712号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報に示されているもの、即ち、15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7であるが、これに限定されない、部分的にIL1-R1特異結合タンパク質、特にとりわけモノクローナル抗体に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含むが、これに限定されない、インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0071】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に以下の公報に記載される配列のもので、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含むがこれらに限定されない、Ang2特異抗体及びペプチボディ等に特に部分的に関連して参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第03/057134号パンフレット及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているものを含むがこれに限定されず、また、抗Ang2抗体及び製剤に関して、特に、以下の公報に記載される様々な順列のAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPに関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているもの等の抗Ang2抗体及び製剤を含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0072】
米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6,919,426号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、具体的に、上記公報に示されるNGF-特異抗体である4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含むがそれに限定されない、NGF-特異抗体及びこれに関連するタンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを特に含むが、それに限定されない、NGF特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0073】
例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むがそれに限定されない、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体等の、特にヒトCD22特異IgG抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体等であるが、それに限定されず、具体的には、ヒトCD22特異抗体である、CD22特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,789,554号明細書に記載されているものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0074】
以下の公開に開示される各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、以下の公開に示されるIGF-1特異抗体であるL1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合フラグメント及びその誘導体を含むがそれに限定されず、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第06/069202号パンフレットに記載されているものなどの、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0075】
また、本発明の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載されているものの各々がある。
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、同第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、同第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)で、その中に記載されている抗体1A(DSMZ寄託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18が含まれるが、これらに限定されない。
(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)及びPCT国際公開第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、及びLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865に記載されている抗体2F8、A12、及びIMC-A12を含むがこれらに限定されない、
(iii)PCT出願公開番号国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、同第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、同第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、同第05/058967号パンフレット(2005年6月30日公開)、及び同第03/059951号パンフレット(2003年7月24日公開)。
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)に記載される抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3及び抗体7H2HMを含むが、これらに限定されない。
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、米国特許出願公開第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、米国特許出願公開第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)、及び米国特許出願公開第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、並びにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083に記載されている抗体EM164、再表面形成(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3を含むがこれらに限定されない、
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)及び米国特許出願公開第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、並びにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073に記載されている、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々を含むがこれらに限定されない、例えば、抗体CP-751,871、
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び米国特許出願公開第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)に記載されている抗体19D12と、ATCCに受託番号PTA-5214で受託されているプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされる重鎖、及びATCCに受託番号PTA-5220で受託されているプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体と、を含むがこれらに限定されない、並びに
(viii)特にIGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)に記載されている抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含むがこれらに限定されない、
【0076】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(文献中でB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される「B7RP-1」)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するもの、特に、以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、16H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号1及び配列番号7を有する)、5D(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号2及び配列番号9を有する)、2H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号3及び配列番号10を有する)、43H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号6及び配列番号14を有する)、41H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号5及び配列番号13を有する)、並びに15H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号4及び配列番号12を有する)以下の公報に示される抗体を含むがそれらに限定されない、このような抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2008/0166352号明細書及びPCT国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているもの、
【0077】
例えば、146B7などの、とりわけ、例えば、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されないペプチボディを含む、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書、並びに米国特許第7,153,507号明細書に開示されるもの等の、特に抗体、具体的にはヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0078】
IFN γ特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質等、特にヒトIFN γ特異抗体、特に例えばIFN γ特異抗体、特に例えば次の特許公開において1118、1118*、1119、1121及び1121*と示されている抗体に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されているもの等の完全ヒト抗IFN γ抗体。これら抗体の各々の重鎖及び軽鎖の配列全体と、これらの重鎖及び軽鎖可変領域並びに相補性決定領域の配列は各々、前述の公開及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されるようにその全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる。それに加えて、上記の公開文献において提供されるこれらの抗体の特性の説明もまた、その全体が参照により本願に援用される。特異抗体には、前述の公開で開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの、並びに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。考えられる特異抗体は、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する、前述の米国特許出願公開に開示されている抗体1119である、
【0079】
以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれ、TALL-1結合タンパク質、特に表4及び表5Bの分子に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0195156号明細書及び米国特許出願公開第2006/0135431号明細書に記載されているもの等の、TALL-1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質、
【0080】
PTHと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号明細書に記載されているもの等の、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0081】
TPO-Rと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号明細書に記載されているもの等の、トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0082】
HGFと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及びPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書及び米国特許第6,468,529号明細書並びにPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5と、を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0083】
TRAIL-R2と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号明細書に記載されているもの等の、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0084】
アクチビンAと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0085】
TGF-βと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,803,453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0086】
アミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含むが、それらに限定されない、アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。考えられる1つの抗体は、上記の公開文献において開示されている配列番号8を含む重鎖可変領域と配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である。
【0087】
c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0088】
OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0002929号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに
【0089】
Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα)、Epogen(登録商標)(エポエチンα、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンα)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンalfacon-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、パキセリズマブ(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンα)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンalfa-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチマイブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツズマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗C.クロストリジウム・ディフィシル毒素A並びに毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、抗LLY抗体、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)、NVS抗体第1番、及びNVS抗体第2番を含む、他の例示的なタンパク質。
【0090】
ロモソズマブ、ブロソズマブ、又はBPS804(Novartis)などであるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体もまた、含まれ得る。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX又はXGEVAなどの治療薬が更に含まれ得る。加えて、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)をデバイスに含めることができる。このようなPCSK9特異抗体としては、あらゆる目的において各々の全体が参照として本明細書に組み込まれる以下の特許又は特許出願、米国特許第8,030,547号明細書、米国特許出願公開第2013/0064825号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット、及び国際公開第2001/031007号パンフレット、に開示されているようなRepatha(登録商標)(エボロクマ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)並びにその分子、変異体、類似体、又は誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
黒色腫又は他の癌の治療用のタリモジーンラハーパレプベック又は別の腫瘍溶解性HSVもまた含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例としては、タリモジーンラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号明細書及び米国特許第7,537,924号明細書)、OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号明細書)、OrienX010(Lei et al.(2013),World J. Gastroenterol.,19:5138-5143)、G207、1716、NV1020、NV12023、NV1034、及びNV1042(Vargehes et al.(2002),CancerGene Ther.,9(12):967-978)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
TIMPもまた含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP-3は、様々な細胞により発現される、又は及び細胞外基質内に存在し、主要なあらゆる軟骨分解メタロプロテアーゼを抑制し、リウマチ様関節炎及び変形性関節症を含む結合組織の多くの分解疾患における役割、並びに癌及び心臓血管状態において役割を果たし得る。TIMP-3のアミノ酸配列及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日発行の米国特許第6,562,596号明細書に開示されており、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。TIMP変異の説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号明細書及びPCT出願公開番号国際公開第2014/152012号パンフレットにおいて見出すことができる。
【0093】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子もまた含まれる。これら分子に関する更なる情報は、PCT国際公開第2010/075238号パンフレットにおいて見出すことができる。
【0094】
加えて、二重特異性T細胞誘導(BiTE(登録商標))抗体、例えば、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)を、デバイスにおいて使用することができる。代替的に、APJ大分子アゴニスト、例えばアペリン又はその類似体を装置内に含めることができる。このような分子に関する情報は、PCT国際公開第2014/099984号パンフレットにおいて見出すことができる。
【0095】
ある実施形態において、薬剤は、治療上有効な量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体を含む。このような実施形態に使用してもよい抗TSLP抗体の例としては、米国特許第7,982,016号明細書及び米国特許第8,232,372号明細書、並びに米国特許出願公開第2009/0186022号明細書に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。抗TSLP受容体抗体の例としては、米国特許第8,101,182号明細書に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。特に好ましい実施形態において、薬剤は、治療的に有効な量の、米国特許第7,982,016号明細書においてA5と指定されている抗TSLP抗体を含む。
【0096】
プランジャ、薬物送達アセンブリ、薬物送達機構、方法、及びその要素を、例示的実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。詳細な説明は、例としてのみ解釈されものとし、考え得るすべての実施形態のひとつひとつを説明することは、不可能ではないとしても非現実的であることから、本発明の考え得るすべての実施形態を説明しているわけではない。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲であると解釈されることを理解するであろう。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。
【0097】
理解すべき点として、本発明の法的範囲は本特許末尾に示されている特許請求項の文言により定義される。付属の特許請求の範囲は、本明細書に記載される実施形態の範囲から逸脱せずに当業者によりなされ得るその他のその変形型と実施形態を含めるように、広く解釈すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達アセンブリであって、
プランジャであって、前記プランジャは、
側壁と、先頭面と、後尾面とを有する本体部分であって、
前記本体部分は、前記プランジャロッドをその中に受け入れるように構成された前記後尾面に画定された開口部を有する空洞を含まない、本体部分と、
前記本体部分の前記側壁から径方向外側に突出し、互いに軸方向に離隔した複数のリブを有するリブ部分とを含み、前記複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、を含み、前記リブのそれぞれは環状構成を含む、プランジャと、
第1の開放端部と、投与開口部を有する第2端部との間に延びる環状側壁を有するチャンバであって、前記プランジャがチャンバ内に受け入れられ、そのリブが側壁の内部表面を密閉するようになっているチャンバと、
前記チャンバ内で前記プランジャを前記チャンバの第2端部まで駆動するように構成された駆動部材とを備え、
前記プランジャは、約0.4から約1.5Nの範囲の平均映進力を示す複数のリブを有し、該範囲は、前記本体部分の前記側壁の大部分がチャンバの前記側壁の内部表面に接触しているプランジャの平均映進力に対して、少なくとも15%平均映進力が減少していることを表している、薬物送達アセンブリ。
【請求項2】
リブを有する前記プランジャの前記平均映進力の標準偏差が約0.02から約0.16の範囲であり、該範囲は、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記チャンバの前記側壁の内部表面に接触している前記プランジャの平均映進力からの標準偏差に対して、少なくとも60%の標準偏差の減少を表している、請求項1に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項3】
前記リブ間に延びる前記本体部分の径方向表面は、平坦部分を含む、請求項1に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項4】
前記複数のリブは、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記チャンバの前記側壁の前記内部表面に接触している前記プランジャの前記平均映進力に対して、少なくとも70%前記平均映進力を減少させる、請求項1に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のリブは、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記チャンバの前記側壁の前記内部表面に接触している前記プランジャの前記平均映進力からの標準偏差に対して、前記平均映進力からの標準偏差を少なくとも90%減少させる、請求項4に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項6】
前記リブ間に延びる前記側壁の径方向表面が、前記本体部分の長手方向軸線に沿って凹状に湾曲している、請求項4に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項7】
前記リブは、空輸中の前記チャンバ内のプランジャ移動距離の少なくとも2倍、互いに軸方向に離間している、請求項1に記載の薬物送達アセンブリ。
【請求項8】
オートインジェクタデバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に受け入れられ、第1開端部と投与開口部を有する第2端部との間に延びる環状側壁を有するシリンジバレルを含む、シリンジアセンブリと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に受け入れられた作動機構であって、前記作動機構は、前記シリンジバレル内に受け入れられるプランジャを含み、前記プランジャは、
側壁と、先頭面と、後尾面とを有する本体部分であって、
前記本体部分は、プランジャロッドをその中に受け入れるように構成された前記後尾面に画定された開口部を有する空洞を含まない、本体部分と、前記本体部分の前記側壁から径方向外側に突出し、互いに軸方向に離隔した複数のリブを有するリブ部分とを含み、前記複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、を含み、前記リブのそれぞれは環状構成を含み、前記リブが前記シリンジバレルの前記側壁の内部表面を密閉するような大きさに作られている、作動機構と、
駆動機構と、
前記駆動機構によって駆動されて、前記シリンジバレル内で前記プランジャを前記シリンジバレルの第2端部まで押し、それによって、前記シリンジバレル内の薬剤を投与開口部を通して押し出すように構成された駆動部材と、を備え、
前記プランジャは、約0.4から約1.5Nの範囲の平均映進力を示す複数のリブを有し、該範囲は、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記シリンジバレルの前記側壁の内部表面に接触しているプランジャの平均映進力に対して、少なくとも15%平均映進力が減少していることを表している、オートインジェクタデバイス。
【請求項9】
リブを有する前記プランジャの前記平均映進力の標準偏差が約0.02から約0.16の範囲であり、該範囲は、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記シリンジバレルの前記側壁の内部表面に接触している前記プランジャの平均映進力からの標準偏差に対して、少なくとも60%の標準偏差の減少を表している、請求項8に記載のオートインジェクタデバイス。
【請求項10】
前記リブ間に延びる前記本体部分の径方向表面は、平坦部分を含む、請求項8に記載のオートインジェクタデバイス。
【請求項11】
前記複数のリブは、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記シリンジバレルの前記側壁の前記内部表面に接触している前記プランジャの前記平均映進力に対して、少なくとも70%前記平均映進力を減少させる、請求項8に記載のオートインジェクタデバイス。
【請求項12】
前記複数のリブは、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記シリンジバレルの前記側壁の前記内部表面に接触している前記プランジャの前記平均映進力からの標準偏差に対して、前記平均映進力からの標準偏差を少なくとも90%減少させる、請求項11に記載のオートインジェクタデバイス。
【請求項13】
前記リブ間に延びる前記側壁の径方向表面が、前記本体部分の長手方向軸線に沿って凹状に湾曲している、請求項11に記載のオートインジェクタデバイス。
【請求項14】
前記リブは、前記シリンジバレルの前記側壁の前記内部表面と少なくとも0.8MPaの接触圧力を有する、請求項8に記載のオートインジェクタデバイス。
【請求項15】
オンボディ型インジェクタデバイスであって、
ハウジングであって、前記ハウジング内に延びる開口部内に内部及び底壁を有し、使用者の組織に固定されるように構成されている、ハウジングと、
第1開端部と投与開口部を有する第2端部との間に延びる環状側壁を有するリザーバと、
前記リザーバ内に受け入れられたプランジャを含む駆動機構であって、前記プランジャは、
側壁と、先頭面と、後尾面とを有する本体部分であって、前記本体部分は、プランジャロッドをその中に受け入れるように構成された前記後尾面に画定された開口部を有する空洞を含まない、本体部分と、前記本体部分の前記側壁から径方向外側に突出し、互いに軸方向に離隔した複数のリブを有するリブ部分とを含み、前記複数のリブは、少なくとも、後尾リブと、先頭リブと、を含み、
前記リブのそれぞれは環状構成を含み、前記リブが前記リザーバの前記側壁の内部表面を密閉するような大きさに作られている、駆動機構と、
前記リザーバ内で前記プランジャを前記リザーバの前記第2端部まで駆動するように構成された駆動部材と、
前記ハウジング内の後退位置から前記ハウジングの前記開口部を通って前記ハウジングの外に延びる展開位置に移動するように構成された送達部材を含む挿入機構と、
前記リザーバを前記挿入機構に流体的に結合するように構成された流体経路アセンブリと、
アクチュエータであって、前記アクチュエータの作動に応答して、前記駆動機構に、前記リザーバ内で前記プランジャを前記リザーバの前記第2端部まで駆動させ、それにより、前記挿入機構を通して前記リザーバ内の薬剤を投与するように構成されたアクチュエータと、
を備え、
前記プランジャは、約0.4から約1.5Nの範囲の平均映進力を示す複数のリブを有し、該範囲は、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記チャンバ<ハウジング?>の前記側壁の内部表面に接触しているプランジャの平均映進力に対して、少なくとも15%平均映進力が減少していることを表している、オンボディ型インジェクタデバイス。
【請求項16】
リブを有する前記プランジャの前記平均映進力の標準偏差が約0.02から約0.16の範囲であり、該範囲は、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記シリンジバレルの前記側壁の内部表面に接触している前記プランジャの平均映進力からの標準偏差に対して、少なくとも60%の標準偏差の減少を表している、請求項15に記載のオンボディ型インジェクタデバイス。
【請求項17】
前記リブ間に延びる前記本体部分の径方向表面は、平坦部分を含む、請求項15に記載のオンボディ型インジェクタデバイス。
【請求項18】
前記複数のリブは、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記シリンジバレルの前記側壁の前記内部表面に接触している前記プランジャの前記平均映進力に対して、少なくとも70%前記平均映進力を減少させる、請求項15に記載のオンボディ型インジェクタデバイス。
【請求項19】
前記複数のリブは、前記本体部分の前記側壁の大部分が前記シリンジバレルの前記側壁の前記内部表面に接触している前記プランジャの前記平均映進力からの標準偏差に対して、前記平均映進力からの標準偏差を少なくとも90%減少させる、請求項18に記載のオンボディ型インジェクタデバイス。
【請求項20】
前記リブ間に延びる前記側壁の径方向表面が、前記本体部分の長手方向軸線に沿って凹状に湾曲している、請求項18に記載のオンボディ型インジェクタデバイス。