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特開2023-75359微生物細胞、それを生成する方法、およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075359
(43)【公開日】2023-05-30
(54)【発明の名称】微生物細胞、それを生成する方法、およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20230523BHJP
   C12N 1/04 20060101ALI20230523BHJP
   C12N 1/16 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 35/74 20150101ALI20230523BHJP
   A61K 36/064 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230523BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230523BHJP
   A23K 10/18 20160101ALN20230523BHJP
【FI】
C12N1/20 B
C12N1/04
C12N1/20 E
C12N1/16 H
A61K35/74 A
A61K36/064
A61K9/19
A61P1/04
A61P11/00
A61P31/04 171
A61P43/00 171
A61K47/18
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/42
A23K10/18
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023047796
(22)【出願日】2023-03-24
(62)【分割の表示】P 2019562241の分割
【原出願日】2018-01-31
(31)【優先権主張番号】62/452,804
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/452,816
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/510,723
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.ZIPLOC
(71)【出願人】
【識別番号】508194065
【氏名又は名称】カンザス ステート ユニバーシティー リサーチ ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】519275858
【氏名又は名称】エムエス バイオテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ スコット ドルイラード
(72)【発明者】
【氏名】セリーヌ キャロライン アペルス
(72)【発明者】
【氏名】ジーナ レイ ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】タラ ジョー エラーマン
(72)【発明者】
【氏名】シアナ マリー スカレッティ
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン ヴァン ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ モリス ラティマー
(72)【発明者】
【氏名】スコット ベイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ソランジュ ウウィツゼ
(72)【発明者】
【氏名】テレサ レア ダウシット
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ デニス グンケル
(57)【要約】
【課題】好気性細菌細胞および嫌気性細菌細胞を含む微生物細胞、ならびに酵母細胞、ならびにこれら細胞を生成するための方法、細胞を含む飼料添加物および組成物、ならびに動物に細胞を投与することを含む使用を提供すること。
【解決手段】ある特定の実施形態では、少なくとも2種の炭素源は、約50~90%の第1の炭素源、および約10~50%の第2の炭素源からなり、第2の炭素源は、第1の炭素源とは異なり、少なくとも2種の炭素源の100%は、第1の炭素源および第2の炭素源からなる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の背景
発明の分野
本発明は、Megasphaera elsdenii細胞、M.elsdenii細胞を生成するための方法、細胞を含む飼料添加物および組成物、ならびに例えば、成長成績の改善および/または健康のためを含めた、細胞を動物に投与することを含む使用に関する。本発明はまた、限定されないが、好気性細菌、嫌気性細菌および酵母細胞を含めた微生物細胞、微生物細胞を生成するための方法、微生物細胞を含む飼料添加物および組成物、ならびに例えば、成長成績の改善および/または健康のためを含めた、微生物細胞を動物に投与することを含む使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
Megasphaera elsdenii(すなわち、M.elsdenii)は、好ましい炭素源としてラクテートを利用し、アシドーシスを予防する一助となり得る非運動性のグラム陰性双球菌であり、このアシドーシスは、毎年、数百万の肉牛および乳牛が罹患している一般的な消化器障害である。
【0003】
ウシおよび他の反芻動物は、多量のデンプン系食物(例えば、穀物)または単糖を摂取すると、胃内の日和見微生物が、これらの化合物を速やかに乳酸へと発酵させることがある。乳酸は、強力な有機酸であり、乳酸アシドーシスをもたらす恐れがあり、この乳酸アシドーシスは、反芻動物において、正常な消化活性を撹乱して、消化管の内層に広範囲に及ぶ損傷を引き起こす恐れがある。罹患動物は、成績が不十分である。さらに、乳酸アシドーシスの最も急性な形態は、動物の消化系および呼吸系への非可逆的な損傷、ならびに死亡率の増加を引き起こす恐れがある。
【0004】
M.elsdeniiは、乳酸を、無害な有機化合物である揮発性脂肪酸(volatile fatty acid:VFA;例えばブチレート、プロピオネートおよびアセテート)に変換する細菌の能力によって乳酸アシドーシスを制御する一助となり得る。しかし、反芻動物の胃腸管中のM.elsdenii集団は、多くの場合、アシドーシスのリスクを予防するにはレベルが低すぎる。したがって、M.elsdeniiの株に由来する生細胞の液体培養物、すなわちLactipro(登録商標)が、反芻動物の胃腸管中のM.elsdeniiの定着速度を増加させるために開発された。例えば、米国特許第7,550,139号を参照されたい。しかし、生物が必要とする嫌気性条件下でM.elsdenii生成物を維持することが困難であること、および生産施設から最終使用する場所に14日以内(これを過ぎると、製品中のM.elsdeniiの生存率が大幅に低下する)にM.elsdenii生成物を輸送することが困難であることを含めた、M.elsdeniiを含有する製品の使用を制限している実用上の制約が存在する。
米国特許第4,138,498号は、M.elsdeniiを凍結乾燥する可能性を、概して論じているが、既存の商業的制限を克服するための、商業的規模で使用され得るフリーズドライM.elsdeniiを生成するためのいかなる方法も提供していない。さらに、少なくとも1つのグループは、M.elsdeniiなどの嫌気性菌を含めた、微生物をフリーズドライすることは、商業的に実用的ではないことを最近、報告した。例えば、WO2017/015022を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,550,139号明細書
【特許文献2】米国特許第4,138,498号明細書
【特許文献3】国際公開第2017/015022号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、既存の制限を克服する、Megasphaera elsdenii細胞などのMegasphaera細胞が、それらを生成する方法を含め、必要とされている。既存の制限を克服する、B.breveなどのBifidobacterium、L.plantarumなどのLactobacillus、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium、P.acidilacticiなどのPediococcus、L.caseiなどのLactobacillus、B.subtilisなどのBacillus、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのSaccharomycesなどの他の微生物細胞も、それらを生成する方法を含め、必要とされている。
【0007】
開示の簡単な要旨
本開示は、フリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法であって、(a)M.elsdenii細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件下で調製するステップと、(b)嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、(c)前記細胞を凍結するステップと、(d)前記細胞をフリーズドライするステップとを含み、約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞が生成される、方法を対象とする。
【0008】
ある特定の実施形態では、少なくとも2種の炭素源は、約50~90%の第1の炭素源、および約10~50%の第2の炭素源からなり、第2の炭素源は、第1の炭素源とは異なり、少なくとも2種の炭素源の100%は、第1の炭素源および第2の炭素源からなる。
【0009】
本開示は、フリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法であって、(a)M.elsdenii細胞および増殖培地を含む培養物を調製するステップと、(b)培養物がその対数増殖期を終えた後の12時間以内、かつ培養物がその定常増殖期を開始する前に、嫌気性条件下で細胞を収穫するステップと、(c)細胞を凍結するステップと、(d)細胞をフリーズドライするステップとを含み、フリーズドライM.elsdenii細胞が生成される、方法を対象とする。
【0010】
ある特定の実施形態では、収穫するステップは、遠心分離、濾過、透析、逆浸透およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの技法を含む。ある特定の実施形態では、濾過は、タンジェンシャルフロー濾過を含む。
【0011】
ある特定の実施形態では、培養物は液体を含み、収穫するステップは、液体の約60%~約100%を除去することを含む。
【0012】
ある特定の実施形態では、凍結するステップは、約-80℃~約-210℃の温度におけるものである。
【0013】
本開示は、フリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法であって、(a)M.elsdenii細胞および増殖培地を含む培養物を調製するステップと、(b)細胞を収穫するステップと、(c)収穫の5時間以内に、約-80℃~約-210℃の温度で細胞を凍結するステップと、(d)細胞をフリーズドライするステップとを含み、フリーズドライM.elsdenii細胞が生成される、方法を対象とする。
【0014】
ある特定の実施形態では、凍結するステップは、M.elsdenii細胞を含む容器を液体窒素と接触させることを含む。
【0015】
ある特定の実施形態では、凍結するステップは、細胞を液体窒素と接触させることを含む。
【0016】
ある特定の実施形態では、凍結するステップは、約-196℃の温度におけるものであり、細胞を含む凍結ペレットを生成し、凍結ペレットの直径は、約0.001~約0.5インチである。
【0017】
ある特定の実施形態では、収穫前のM.elsdenii培養物のpHは、約4.5~約7.0の間である。
【0018】
ある特定の実施形態では、約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞は、少なくとも2週間、約25℃の温度での保管後、生存可能である。
【0019】
ある特定の実施形態では、約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞は、少なくとも1か月間、約4℃での保管後、生存可能である。
【0020】
ある特定の実施形態では、培養物は、少なくとも1つの凍結保護物質をさらに含む。
【0021】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの凍結保護物質は、フルクトース、グルコース、スクロース、粉ミルク、乳児用調製粉乳、脱脂粉乳、トレハロース、マルトデキストリン、ベタインおよびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0022】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの凍結保護物質は、培養物の約1%~約20%(w/v)の量で存在する。
【0023】
ある特定の実施形態では、フリーズドライM.elsdeniiは、商業規模で生成される。
【0024】
ある特定の実施形態では、培養物の体積は、少なくとも約50リットルである。
【0025】
ある特定の実施形態では、約1×10~1×1012CFU/gのM.elsdenii細胞は、フリーズドライ後、生存可能である。
【0026】
ある特定の実施形態では、培養物中の細胞は、M.elsdenii細胞からなる。
【0027】
本開示は、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞を含む固形飼料添加物を対象とする。
【0028】
ある特定の実施形態では、固形飼料添加物は、別の微生物をさらに含む。
【0029】
ある特定の実施形態では、固形飼料添加物は、粉末、顆粒、微粒子、ペレット、ケーキまたはそれらの組合せからなる群から選択される。
【0030】
ある特定の実施形態では、固形飼料添加物は、プロバイオティックである。
【0031】
本開示は、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、または上記の固形飼料添加物のいずれかを含む組成物を対象とする。
【0032】
ある特定の実施形態では、組成物は、カプセル剤である。
【0033】
本開示は、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、上記の固形飼料添加物のいずれか、または上記の組成物のいずれかを含むキットを対象とする。
【0034】
本開示は、M.elsdenii細胞を動物に投与する方法であって、動物に、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、上記の固形飼料添加物のいずれか、または上記の組成物のいずれかを投与するステップを含む方法を対象とする。
【0035】
本開示は、動物の胃腸管における乳酸産生に関連する状態または障害を処置または予防するための方法であって、動物に、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、上記の固形飼料添加物のいずれか、または上記の組成物のいずれかの有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0036】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、アシドーシスである。
【0037】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、第一胃アシドーシスである。
【0038】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、呼吸器疾患である。
【0039】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、蹄葉炎である。
【0040】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、感染症である。
【0041】
ある特定の実施形態では、感染症は、SalmonellaまたはCampylobacterによるものである。
【0042】
本開示は、動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、動物に、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、上記の固形飼料添加物のいずれか、または上記の組成物のいずれかの有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0043】
ある特定の実施形態では、日和見微生物は、病原性である。
【0044】
ある特定の実施形態では、日和見微生物は、SalmonellaまたはCampylobacterである。
【0045】
本開示は、動物の食餌における植物由来のリンの生体利用率を改善する方法であって、動物に、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、上記の固形飼料添加物のいずれか、または上記の組成物のいずれかの有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0046】
本開示は、動物の成長成績を改善する方法であって、動物に、上記の方法のいずれかによって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、上記の固形飼料添加物のいずれか、または上記の組成物のいずれかの有効量を投与するステップを含み、動物の成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉(carcass)の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法を対象とする。
【0047】
ある特定の実施形態では、フリーズドライM.elsdenii細胞、固形飼料添加物または組成物は、動物に食物を与える前、それと同時に、またはその後に投与される。
【0048】
ある特定の実施形態では、方法は、投与前に、フリーズドライM.elsdenii細胞または固形飼料添加物を液体と混合するステップをさらに含む。
【0049】
ある特定の実施形態では、液体は、経口的に、または動物に液体を噴霧することによって投与される。
【0050】
ある特定の実施形態では、投与するステップは、M.elsdenii細胞、飼料添加物または組成物の単回投与を含む。
【0051】
ある特定の実施形態では、投与するステップは、M.elsdenii細胞、飼料添加物または組成物の毎日の投与を含む。
【0052】
ある特定の実施形態では、投与するステップは、1日に、M.elsdenii細胞、飼料添加物または組成物の1回より多い投与を含む。
【0053】
ある特定の実施形態では、動物は、反芻動物である。
【0054】
ある特定の実施形態では、反芻動物は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ、バッファローおよびトナカイからなる群から選択される。
【0055】
ある特定の実施形態では、動物は、非反芻動物である。
【0056】
ある特定の実施形態では、非反芻動物は、ウマ科、家禽およびブタからなる群から選択される。
【0057】
ある特定の実施形態では、動物は、家禽動物である。
【0058】
ある特定の実施形態では、家禽動物は、ニワトリ、ガチョウ、アヒル、ウズラ、シチメンチョウまたはハトからなる群から選択される。
【0059】
ある特定の実施形態では、家禽動物は、ブロイラー、ブロイラー種ニワトリおよび産卵用ニワトリからなる群から選択される。
【0060】
ある特定の実施形態では、家禽動物は、ニワトリである。
【0061】
ある特定の実施形態では、動物は、ウマ科である。
【0062】
ある特定の実施形態では、ウマ科は、ウマ、ポニー、ロバまたはラバである。
【0063】
本開示は、家禽動物の胃腸管における乳酸産生に関連する状態または障害を処置または予防するための方法であって、家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0064】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、アシドーシスである。
【0065】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、呼吸器疾患である。
【0066】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、感染症である。
【0067】
ある特定の実施形態では、感染症は、SalmonellaまたはCampylobacterによるものである。
【0068】
本開示は、家禽動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0069】
ある特定の実施形態では、日和見微生物は、病原性である。
【0070】
ある特定の実施形態では、日和見微生物は、SalmonellaまたはCampylobacterである。
【0071】
本開示は、家禽動物の食餌における植物由来のリンの生体利用率を改善する方法であって、家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0072】
本開示は、家禽動物の成長成績を改善する方法であって、家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含み、動物の成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法を対象とする。
【0073】
ある特定の実施形態では、家禽動物は、ニワトリ、ガチョウ、アヒル、ウズラ、シチメンチョウまたはハトからなる群から選択される。
【0074】
ある特定の実施形態では、家禽動物は、ブロイラー、ブロイラー種ニワトリおよび産卵用ニワトリからなる群から選択される。
【0075】
ある特定の実施形態では、家禽動物は、ニワトリである。
【0076】
本開示は、ウマ科の胃腸管における乳酸産生に関連する状態または障害を処置または予防するための方法であって、ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0077】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、アシドーシスである。
【0078】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、呼吸器疾患である。
【0079】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、蹄葉炎である。
【0080】
ある特定の実施形態では、状態または障害は、感染症である。
【0081】
ある特定の実施形態では、感染症は、SalmonellaまたはCampylobacterによるものである。
【0082】
本開示は、ウマ科の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0083】
ある特定の実施形態では、日和見微生物は、病原性である。
【0084】
ある特定の実施形態では、日和見微生物は、SalmonellaまたはCampylobacterである。
【0085】
本開示は、ウマ科の食餌における植物由来のリンの生体利用率を改善する方法であって、ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0086】
本開示は、ウマ科の成長成績を改善する方法であって、ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含み、動物の成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産量、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法を対象とする。
【0087】
ある特定の実施形態では、ウマ科は、ウマ、ポニー、ロバまたはラバである。
【0088】
ある特定の実施形態では、飼料添加物は、M.elsdenii細胞を含む。
【0089】
ある特定の実施形態では、飼料添加物は、粉末、顆粒、微粒子、ペレット、ケーキ、液体、ゲルまたはそれらの組合せである。
【0090】
ある特定の実施形態では、組成物は、M.elsdenii細胞、または細胞を含む飼料添加物を含む。
【0091】
ある特定の実施形態では、組成物は、カプセル剤である。
【0092】
ある特定の実施形態では、M.elsdenii細胞は、フリーズドライ細胞である。
【0093】
ある特定の実施形態では、M.elsdenii細胞は、液体で投与される。
【0094】
ある特定の実施形態では、方法は、飼料添加物またはフリーズドライ細胞を再水和して液体を生成するステップをさらに含む。
【0095】
ある特定の実施形態では、液体は、経口強制飼養によって、または動物に液体を噴霧することによって投与される。
【0096】
ある特定の実施形態では、M.elsdenii細胞は、動物に食物を与える前、それと同時に、またはその後に投与される。
【0097】
ある特定の実施形態では、投与するステップは、M.elsdenii細胞の単回投与を含む。
【0098】
ある特定の実施形態では、投与するステップは、M.elsdenii細胞の毎日の投与を含む。
【0099】
ある特定の実施形態では、投与するステップは、1日に、M.elsdenii細胞の1回より多い投与を含む。
【0100】
本開示は、カプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を生成する方法であって、(a)Megasphaera細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件下で調製するステップと、(b)嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、(c)前記細胞を凍結するステップと、(d)前記細胞をフリーズドライするステップと、(e)前記細胞をカプセル封入するステップとを含み、約1×10~約1×1012CFU/gのカプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞が生成される、方法を対象とする。
【0101】
ある特定の実施形態では、方法は、動物に、カプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を投与するステップを含む。
【0102】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績を改善する方法は、動物に、有効量のカプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を投与するステップを含む。
【0103】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績の改善は、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である。
【0104】
ある特定の実施形態では、動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法は、動物に有効量のカプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を投与するステップを含む。
【0105】
ある特定の実施形態では、組成物は、カプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を含む。
【0106】
本開示は、フリーズドライ嫌気性細菌細胞を生成する方法であって、(a)嫌気性細菌細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件または部分嫌気性条件下で調製するステップと、(b)嫌気性条件または部分嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、(c)前記細胞を凍結するステップと、(d)前記細胞をフリーズドライするステップとを含み、約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライ嫌気性細菌細胞が生成される、方法を対象とする。
【0107】
ある特定の実施形態では、方法は、動物に、フリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む。
【0108】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績を改善する方法は、動物に、有効量のフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む。
【0109】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績の改善は、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である。
【0110】
ある特定の実施形態では、動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法は、動物に有効量のフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む。
【0111】
ある特定の実施形態では、組成物は、フリーズドライ嫌気性細菌細胞を含む。
【0112】
本開示は、カプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を生成する方法であって、(a)嫌気性細菌細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件または部分嫌気性条件下で調製するステップと、(b)嫌気性条件または部分嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、(c)前記細胞を凍結するステップと、(d)前記細胞をフリーズドライするステップと、(e)前記細胞をカプセル封入するステップとを含み、約1×10~約1×1012CFU/gのカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞が生成される、方法を対象とする。
【0113】
ある特定の実施形態では、方法は、動物に、カプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む。
【0114】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績を改善する方法は、動物に、有効量のカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む。
【0115】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績の改善は、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である。
【0116】
ある特定の実施形態では、動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法は、動物に有効量のカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む。
【0117】
ある特定の実施形態では、組成物は、カプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を含む。
【0118】
本開示は、フリーズドライ好気性細菌および/または酵母細胞を生成する方法であって、(a)好気性細菌細胞および/または酵母細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、好気性条件下で調製するステップと、(b)前記細胞を収穫するステップと、(c)前記細胞を凍結するステップと、(d)前記細胞をフリーズドライするステップとを含み、約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライ好気性細菌および/または酵母細胞が生成される、方法を対象とする。
【0119】
ある特定の実施形態では、方法は、動物に、フリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む。
【0120】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績を改善する方法は、動物に、有効量のフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む。
【0121】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績の改善は、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である。
【0122】
ある特定の実施形態では、動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法は、動物に有効量のフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む。
【0123】
ある特定の実施形態では、組成物は、フリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を含む。
【0124】
本開示は、カプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を生成する方法であって、(a)好気性細菌細胞および/または酵母細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、好気性条件下で調製するステップと、(b)好気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、(c)前記細胞を凍結するステップと、(d)前記細胞をフリーズドライするステップと、(e)前記細胞をカプセル封入するステップとを含み、約1×10~約1×1012CFU/gのカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞が生成される、方法を対象とする。
【0125】
ある特定の実施形態では、方法は、動物に、カプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む。
【0126】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績を改善する方法は、動物に、有効量のカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む。
【0127】
ある特定の実施形態では、動物の成長成績の改善は、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である。
【0128】
ある特定の実施形態では、動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法は、動物に有効量のカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む。
【0129】
ある特定の実施形態では、組成物は、カプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を含む。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
フリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法であって、
(a)M.elsdenii細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件下で調製するステップと、
(b)嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、
(c)前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと、
を含み、
約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞が生成される、
方法。
(項目2)
前記少なくとも2種の炭素源が、約50~90%の第1の炭素源、および約10~50%の第2の炭素源からなり、前記第2の炭素源が、前記第1の炭素源とは異なり、前記少なくとも2種の炭素源の100%が、前記第1の炭素源および前記第2の炭素源からなる、項目1に記載の方法。
(項目3)
フリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法であって、
(a)M.elsdenii細胞および増殖培地を含む培養物を調製するステップと、
(b)前記培養物がその対数増殖期を終えた後の12時間以内、かつ前記培養物がその定常増殖期を開始する前に、嫌気性条件下で前記細胞を収穫するステップと、
(c)前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと
を含み、
フリーズドライM.elsdenii細胞が生成される、方法。
(項目4)
前記収穫するステップが、遠心分離、濾過、透析、逆浸透およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの技法を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記濾過がタンジェンシャルフロー濾過を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記培養物が液体を含み、前記収穫するステップが、前記液体の約60%~約100%を除去することを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記凍結するステップが、約-80℃~約-210℃の温度におけるものである、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
フリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法であって、
(a)M.elsdenii細胞および増殖培地を含む培養物を調製するステップと、
(b)前記細胞を収穫するステップと、
(c)収穫の5時間以内に、約-80℃~約-210℃の温度で前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと
を含み、
フリーズドライM.elsdenii細胞が生成される、方法。
(項目9)
前記凍結するステップが、前記M.elsdenii細胞を含む容器を液体窒素と接触させることを含む、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記凍結するステップが、前記細胞を液体窒素と接触させることを含む、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記凍結するステップが、約-196℃の温度におけるものであり、前記細胞を含む凍結ペレットを生成し、前記凍結ペレットの直径が、約0.001~約0.5インチである、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
収穫前の前記M.elsdenii培養物のpHが、約4.5~約7.0の間である、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
約1×10~約1×1012CFU/gの前記フリーズドライM.elsdenii細胞が、少なくとも2週間、約25℃の温度での保管後、生存可能である、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
約1×10~約1×1012CFU/gの前記フリーズドライM.elsdenii細胞が、少なくとも1か月間、約4℃での保管後、生存可能である、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記培養物が、少なくとも1つの凍結保護物質をさらに含む、項目1から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記少なくとも1つの凍結保護物質が、フルクトース、グルコース、スクロース、粉ミルク、乳児用調製粉乳、脱脂粉乳、トレハロース、マルトデキストリン、ベタインおよびそれらの組合せからなる群から選択される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1つの凍結保護物質が、前記培養物の約1%~約20%(w/v)の量で存在する、項目15または16に記載の方法。
(項目18)
前記フリーズドライM.elsdeniiが、商業規模で生成される、項目1から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記培養物の体積が、少なくとも約50リットルである、項目1から18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
約1×10~1×1012CFU/gのM.elsdenii細胞が、フリーズドライ後、生存可能である、項目3から19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記培養物中の前記細胞が、M.elsdenii細胞からなる、項目1から20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞を含む固形飼料添加物。
(項目23)
別の微生物をさらに含む、項目22に記載の固形飼料添加物。
(項目24)
粉末、顆粒、微粒子、ペレット、ケーキまたはそれらの組合せからなる群から選択される、項目22または23に記載の固形飼料添加物。
(項目25)
プロバイオティックである、項目22から24のいずれか一項に記載の固形飼料添加物。
(項目26)
項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、または項目22から25のいずれか一項に記載の固形飼料添加物を含む組成物。
(項目27)
カプセル剤である、項目26に記載の組成物。
(項目28)
項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、項目22から25のいずれか一項に記載の固形飼料添加物、または項目26もしくは27に記載の組成物を含むキット。
(項目29)
動物にM.elsdenii細胞を投与する方法であって、前記動物に、項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、項目22から25のいずれか一項に記載の固形飼料添加物、または項目26もしくは27に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
(項目30)
動物の胃腸管における乳酸産生に関連する状態または障害を処置または予防するための方法であって、前記動物に、項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、項目22から25のいずれか一項に記載の固形飼料添加物、または項目26もしくは27に記載の組成物の有効量を投与するステップを含む方法。
(項目31)
前記状態または障害が、アシドーシスである、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記状態または障害が、第一胃アシドーシスである、項目30または31に記載の方法。
(項目33)
前記状態または障害が、呼吸器疾患である、項目30に記載の方法。
(項目34)
前記状態または障害が、蹄葉炎である、項目30に記載の方法。
(項目35)
前記状態または障害が、感染症である、項目30に記載の方法。
(項目36)
前記感染症が、SalmonellaまたはCampylobacterによるものである、項目35に記載の方法。
(項目37)
動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記動物に、項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、項目22から25のいずれか一項に記載の固形飼料添加物、または項目26もしくは27に記載の組成物の有効量を投与するステップを含む方法。
(項目38)
前記日和見微生物が、病原性である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記日和見微生物が、SalmonellaまたはCampylobacterである、項目37または38に記載の方法。
(項目40)
動物の食餌における植物由来のリンの生体利用率を改善する方法であって、前記動物に、項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、項目22から25のいずれか一項に記載の固形飼料添加物、または項目26もしくは27に記載の組成物の有効量を投与するステップを含む方法。
(項目41)
動物における成長成績を改善する方法であって、前記動物に、項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、項目22から25のいずれか一項に記載の固形飼料添加物、または項目26もしくは27に記載の組成物の有効量を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目42)
前記フリーズドライM.elsdenii細胞、前記固形飼料添加物または前記組成物が、動物に食物を与える前、それと同時に、またはその後に投与される、項目29から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
投与前に、前記フリーズドライM.elsdenii細胞または前記固形飼料添加物を液体と混合するステップをさらに含む、項目29から41のいずれか一項に記載の方法。(項目44)
前記液体が、経口的に、または前記動物に前記液体を噴霧することによって投与される、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記M.elsdenii細胞、飼料添加物または組成物の単回投与を含む、項目29から44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記M.elsdenii細胞、飼料添加物または組成物の毎日の投与を含む、項目29から45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
1日に、前記M.elsdenii細胞、飼料添加物または組成物の1回より多い投与を含む、項目29から46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記動物が、反芻動物である、項目29から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記反芻動物が、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ、バッファローおよびトナカイからなる群から選択される、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記動物が、非反芻動物である、項目29から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記非反芻動物が、ウマ科、家禽およびブタからなる群から選択される、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記動物が、家禽動物である、項目29から33、35から47、50または51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記家禽動物が、ニワトリ、ガチョウ、アヒル、ウズラ、シチメンチョウまたはハトからなる群から選択される、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記家禽動物が、ブロイラー、ブロイラー種ニワトリおよび産卵用ニワトリからなる群から選択される、項目52または53に記載の方法。
(項目55)
前記家禽動物が、ニワトリである、項目52から54のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
前記動物が、ウマ科である、項目29から47、50または51のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記ウマ科が、ウマ、ポニー、ロバまたはラバである、項目56に記載の方法。
(項目58)
家禽動物の胃腸管における乳酸産生に関連する状態または障害を処置または予防するための方法であって、前記家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法。
(項目59)
前記状態または障害が、アシドーシスである、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記状態または障害が、呼吸器疾患である、項目58に記載の方法。
(項目61)
前記状態または障害が、感染症である、項目58に記載の方法。
(項目62)
前記感染症が、SalmonellaまたはCampylobacterによるものである、項目61に記載の方法。
(項目63)
家禽動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法。
(項目64)
前記日和見微生物が、病原性である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記日和見微生物が、SalmonellaまたはCampylobacterである、項目63または64に記載の方法。
(項目66)
家禽動物の食餌における植物由来のリンの生体利用率を改善する方法であって、前記家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法。
(項目67)
家禽動物の成長成績を改善する方法であって、前記家禽動物に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目68)
前記家禽動物が、ニワトリ、ガチョウ、アヒル、ウズラ、シチメンチョウまたはハトからなる群から選択される、項目58から67のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記家禽動物が、ブロイラー、ブロイラー種ニワトリおよび産卵用ニワトリからなる群から選択される、項目58から68のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記家禽動物が、ニワトリである、項目58から69のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
ウマ科の胃腸管における乳酸産生に関連する状態または障害を処置または予防するための方法であって、前記ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法。
(項目72)
前記状態または障害が、アシドーシスである、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記状態または障害が、呼吸器疾患である、項目71に記載の方法。
(項目74)
前記状態または障害が、蹄葉炎である、項目71に記載の方法。
(項目75)
前記状態または障害が、感染症である、項目71に記載の方法。
(項目76)
前記感染症が、SalmonellaまたはCampylobacterによるものである、項目75に記載の方法。
(項目77)
ウマ科の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法。
(項目78)
前記日和見微生物が、病原性である、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記日和見微生物が、SalmonellaまたはCampylobacterである、項目77または78に記載の方法。
(項目80)
ウマ科の食餌における植物由来のリンの生体利用率を改善する方法であって、前記ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含む方法。
(項目81)
ウマ科の成長成績を改善する方法であって、前記ウマ科に有効量のM.elsdenii細胞を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産量、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目82)
前記ウマ科が、ウマ、ポニー、ロバまたはラバである、項目71から81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
飼料添加物が、前記M.elsdenii細胞を含む、項目58から82のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
前記飼料添加物が、粉末、顆粒、微粒子、ペレット、ケーキ、液体、ゲルまたはそれらの組合せである、項目83に記載の方法。
(項目85)
組成物が、前記M.elsdenii細胞または前記細胞を含む飼料添加物を含む、項目58から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
前記組成物が、カプセル剤である、項目85に記載の組成物。
(項目87)
前記M.elsdenii細胞が、フリーズドライ細胞である、項目58から86のいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
前記M.elsdenii細胞が、液体で投与される、項目58から85のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
飼料添加物またはフリーズドライ細胞を再水和して、前記液体を生成するステップをさらに含む、項目88に記載の方法。
(項目90)
前記液体が、経口強制飼養によって、または前記動物に前記液体を噴霧することによって投与される、項目88または89に記載の方法。
(項目91)
前記M.elsdenii細胞が、前記動物に食物を与える前、それと同時に、またはその後に投与される、項目58から90のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記M.elsdenii細胞の単回投与を含む、項目58から91のいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
前記M.elsdenii細胞の毎日の投与を含む、項目58から91のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
1日に、前記M.elsdenii細胞の1回より多い投与を含む、項目58から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
カプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を生成する方法であって、
(a)Megasphaera細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件下で調製するステップと、
(b)嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、
(c)前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと、
(e)前記細胞をカプセル封入するステップと
を含み、
約1×10~約1×1012CFU/gのカプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞が生成される、
方法。
(項目96)
動物にMegasphaera細胞を投与する方法であって、前記動物に、項目95に記載の方法によって生成される前記カプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を投与するステップを含む方法。
(項目97)
動物の成長成績を改善する方法であって、前記動物に、有効量の項目95に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目98)
動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記動物に有効量の項目95に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を投与するステップを含む方法。
(項目99)
項目95に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライMegasphaera細胞を含む組成物。
(項目100)
フリーズドライ嫌気性細菌細胞を生成する方法であって、
(a)嫌気性細菌細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件または部分嫌気性条件下で調製するステップと、
(b)嫌気性条件または部分嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、
(c)前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと
を含み、
約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライ嫌気性細菌細胞が生成される、方法。
(項目101)
動物に嫌気性細菌細胞を投与する方法であって、前記動物に、項目100に記載の方法によって生成される前記フリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む方法。(項目102)
動物の成長成績を改善する方法であって、前記動物に、有効量の項目100に記載の方法によって生成されるフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目103)
動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記動物に有効量の項目100に記載の方法によって生成されるフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む方法。
(項目104)
項目100に記載の方法によって生成されるフリーズドライ嫌気性細菌細胞を含む組成物。
(項目105)
カプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を生成する方法であって、
(a)嫌気性細菌細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件または部分嫌気性条件下で調製するステップと、
(b)嫌気性条件または部分嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、
(c)前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと、
(e)前記細胞をカプセル封入するステップと
を含み、
約1×10~約1×1012CFU/gのカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞が生成される、
方法。
(項目106)
動物に嫌気性細菌細胞を投与する方法であって、前記動物に、項目105に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む方法。
(項目107)
動物の成長成績を改善する方法であって、前記動物に、有効量の項目105に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目108)
動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記動物に有効量の項目105に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を投与するステップを含む方法。
(項目109)
項目105に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライ嫌気性細菌細胞を含む組成物。
(項目110)
フリーズドライ好気性細菌および/または酵母細胞を生成する方法であって、
(a)好気性細菌細胞および/または酵母細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、好気性条件下で調製するステップと、
(b)前記細胞を収穫するステップと、
(c)前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと
を含み、
約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライ好気性細菌および/または酵母細胞が生成される、
方法。
(項目111)
動物に好気性細菌および/または酵母細胞を投与する方法であって、前記動物に、項目110に記載の方法によって生成されるフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む方法。
(項目112)
動物の成長成績を改善する方法であって、前記動物に、有効量の項目110に記載の方法によって生成されるフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目113)
動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記動物に有効量の項目110に記載の方法によって生成されるフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む方法。
(項目114)
項目110に記載の方法によって生成されるフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を含む組成物。
(項目115)
カプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を生成する方法であって、
(a)好気性細菌細胞および/または酵母細胞、ならびにカゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、好気性条件下で調製するステップと、
(b)好気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、
(c)前記細胞を凍結するステップと、
(d)前記細胞をフリーズドライするステップと、
(e)前記細胞をカプセル封入するステップと
を含み、
約1×10~約1×1012CFU/gのカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞が生成される、
方法。
(項目116)
動物に好気性細菌および/または酵母細胞を投与する方法であって、前記動物に、項目115に記載のカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む方法。
(項目117)
動物の成長成績を改善する方法であって、前記動物に、有効量の項目115に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含み、前記動物の前記成長成績の改善が、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である、方法。
(項目118)
動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、前記動物に有効量の項目115に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与するステップを含む方法。(項目119)
項目115に記載の方法によって生成されるカプセル封入したフリーズドライ好気性細菌細胞および/または酵母細胞を含む組成物。
【図面の簡単な説明】
【0130】
図1図1は、対数の(「Log10」)スケールにおける、1ミリリットルあたりのコロニー形成単位(「CFU/mL」)でのM.elsdenii細胞の収量に関する、28日間にわたるMegasphaera elsdenii NCIMB41125の液体培養物の生存率に対する保管温度の効果を示す。
【0131】
図2図2は、Log10スケールにおける、CFU/mLでのM.elsdenii細胞の収量に関する、室温で0、7、14、21および28日間、保管した後のM.elsdenii NCIMB41125の液体培養物の生存率を示す。
【0132】
図3図3は、タンジェンシャルフロー濾過(「TFF」)システムの概略図を示す。
【0133】
図4図4は、TFFシステムによって処理した後のLog10スケールにおける、y軸上の保持液(retentate)のCFU/mLでのM.elsdenii細胞の収量を示す。x軸は、システムによる70%、80%または90%の体積低下を示す。「目標」とは、TFF処理後のM.elsdenii細胞の理論上の回収率を指す。「濃」とは、保持液中のM.elsdenii細胞の実際の回収率を指し、これは、明記した体積低下後に残留している濃縮細胞の体積である。
【0134】
図5図5は、緩慢(135mTorrで38時間)または急速(250mTorrで18.5時間)なサイクルを使用して、-80℃において、または液体窒素(LiqN)中で細胞を凍結し、細胞をフリーズドライした後の細胞喪失を示す。細胞は、凍結保護物質として、8%マルトデキストリン/15%脱脂粉乳(M/SM)または8%トレハロース/15%脱脂粉乳(T/SM)のいずれかを有する培養物のTFFによる70%、80%または90%の体積低下後の保持液に由来した。
【0135】
図6図6は、最初に迅速(液体窒素)または緩慢(-20℃)凍結した後、フリーズドライ(15%マルトデキストリン、および0%または7.5%トレハロースの存在下)した後のM.elsdenii NCIMB41125細胞の収量を示す。
【0136】
図7図7は、-80℃において、または液体窒素(LiqN)中のいずれかでの、4%トレハロースもしくは7.5%脱脂粉乳と共に、またはこれらを含まないで凍結させたM.elsdenii NCIMB41125細胞において観察された細胞喪失を示す。
【0137】
図8図8は、急速サイクルを使用して、-80℃において、または液体窒素(LiqN)中で凍結し、フリーズドライし、室温または4℃で、嫌気性条件下、最大24週間保管した、8%トレハロース/15%脱脂粉乳(T/SM)または8%マルトデキストリン/15%脱脂粉乳(M/SM)と混合した、90%体積が低下した保持液から得られたフリーズドライ試料に関して観察された細胞喪失を示す。
【0138】
図9図9は、急速サイクルを使用して、-80℃において、または液体窒素(LiqN)中で凍結し、フリーズドライし、室温または4℃で、嫌気性条件下、24週間保管した、8%トレハロース/15%脱脂粉乳(T/SM)または8%マルトデキストリン/15%脱脂粉乳(M/SM)と混合した、90%体積が低下した保持液から得られたフリーズドライ試料に関して観察された細胞喪失を示す。共通の上付き文字のないバーは、統計的に異なる。P<0.02。
【0139】
図10図10は、4℃または25℃で嫌気性条件下、12、16、20または24週間の保管後に、急速なサイクルを使用して、液体窒素(LiqN)中で凍結し、フリーズドライした、8%トレハロース/15%脱脂粉乳(T/SM)または8%マルトデキストリン/15%脱脂粉乳(M/SM)と混合した、90%体積が低下した保持液から得られた非フリーズドライまたは再水和フリーズドライ生成物に関して行った増殖曲線を示す。光学密度(OD)は、0時間~20時間測定する、600ナノメートル(nm)で示す。黄色の線=非フリーズドライ、赤色の線=T/SM、青色の線=M/SM、点線=4℃で保管、および実線=25℃で保管。
【0140】
図11図11は、最大11か月間、4℃において保管したフリーズドライバイアルに由来するLog10スケールにおける、1グラムあたりのCFU(「CFU/g」)でのM.elsdeniiを示す。各データ点は、2種の異なるフリーズドライの実施に由来する3つのバイアルの平均収量に相当する(合計6バイアル)。
【0141】
図12図12は、トップドレス処置物(すなわち、飼料中に処置物を混合する、または飼料の上部に処置物を置くことによる、動物用飼料に追加される処置物)として毎日与えられるフリーズドライ生成物中のM.elsdenii濃度(CFU/頭/日)を示す。サンプリングの週は、x軸に示しており、サンプリング効果は、P<0.0001である。水平の実線は、毎日送達される、目標M.elsdenii濃度(CFU/頭/日)を表す。
【0142】
図13図13は、フリーズドライ生成物をトップドレスし、太陽に直接曝露させないで、室温の実験室中(室内)、または太陽に直接曝露させて、最大95°Fの1日の平均温度において室外(室外)で、大気条件に0~4時間曝露させた粉砕トウモロコシ中のM.elsdenii濃度を示す。曝露時間および保管条件の複合効果、P=0.0007;曝露時間効果、P<0.0001;保管条件効果、P<0.0001。
【0143】
図14図14は、各群:対照群(M.elsdeniiを受けていない)、非フリーズドライ群(1010CFUのM.elsdeniiを含有するM.elsdenii液体培養物50mLを受けた)、再水和群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物を受けた)、およびトップドレス群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物を受け、同様に毎日のトップドレスとして配合された、10CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥M.elsdenii生成物も受けた)に関して、第1の給餌の26時間後に得られた、第一胃の流体試料中の(第一胃中の細菌溶解の指標として測定される)内毒素濃度(EU/mL)を示す。処置の効果、P=0.3462。
【0144】
図15図15は、各群:対照群(M.elsdeniiを受けていない)、非フリーズドライ群(1010CFUのM.elsdeniiを含有するM.elsdenii液体培養物50mLを受けた)、再水和群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物を受けた)、およびトップドレス群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物を受け、毎日のトップドレスとして配合された、10CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥M.elsdenii生成物を受けた)に関して、1時間の間隔で測定した第一胃のpHを示す。処置および日の複合効果、P<0.001、処置の効果、P<0.001、日の効果、P<0.001。標準誤差(SEM)=0.041。
【0145】
図16図16は、各群:対照群(M.elsdeniiを受けていない)、非フリーズドライ群(1010CFUのM.elsdeniiを含有するM.elsdenii液体培養物50mLを受けた)、再水和群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物を受けた)、およびトップドレス群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物を受け、同様に毎日のトップドレスとして配合された、10CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥M.elsdenii生成物も受けた)に関して、第一胃液を接種した半規定ラクテート培地の600nmにおける光学密度の変化を示す。処置および時間の複合効果、P<0.02、処置の効果、P<0.01、時間の効果、P<0.01。SEM=0.04。
【0146】
図17図17は、各群:対照群(M.elsdeniiをうけていない)、非フリーズドライ群(1010CFUのM.elsdeniiを含有するM.elsdenii液体培養物50mLを受けた)、再水和群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物を受けた)、およびトップドレス群(投与直前に再水和された、1010CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥培養物の投与を受け、同様に毎日のトップドレスとして配合された、10CFUのM.elsdeniiを含有する、凍結乾燥M.elsdenii生成物も受けた)に関して、混合第一胃微生物を接種した半規定ラクテート培地のL-ラクテートの濃度(mM)の変化を示す。a,b,c異なる上付き文字を有するバーは、互いに統計学的に異なる。P<0.05。
【0147】
図18図18は、Megasphaera elsdenii NCIMB41125細胞中のフィターゼ活性を示す。x軸は、培養の開始(「0」時間)から、その後、2時間の間隔で、すなわち、培養の開始後、「2」、「4」、「6」および「8」時間での、Megasphaera elsdenii NCIMB41125細胞の培養物から採取した細胞試料を示す。フィターゼ活性は、1分間あたりのマイクロモルでの、試料の細胞ペレットから放出された無機リンの量(「放出されたP/分のμmol」)としてy軸に示されている。無機リン酸塩(KHPO)を含有する培地中で培養された細胞におけるフィターゼ活性は明るい灰色で示されている一方、フィチン酸塩を含有する培地中で培養された細胞中のフィターゼ活性は、暗い灰色で示されている。
【0148】
図19図19は、15日齢のブロイラーヒナドリに由来する盲腸試料中のSalmonella濃度に対するMegasphaera elsdeniiの効果を示す。x軸は、Megasphaera elsdeniiによる処置なし(「対照」)、液体Megasphaera elsdeniiを含有するボトル式フィーダーに自由に接近できる自由(「自由」)、毎日のフリーズドライMegasphaera elsdenii(「フリーズドライ」)または0日目に液体Megasphaera elsdeniiの経口強制飼養による処置を示す。y軸は、処置群に関して、Log10スケールにおける、1ミリリットルあたりのコロニー形成単位(CFU/mL)中のSalmonella濃度を示す。
【0149】
図20図20は、15日齢のブロイラーヒナドリに由来する盲腸試料中のSalmonellaの罹患率を示すグラフである。x軸は処置群を示す。y軸は、Salmonellaに陽性の盲腸試料の百分率を示す。
【0150】
図21図21は、Megasphaeraによる処置なし(「対照」)、またはフリーズドライMegasphaera elsdeniiにより処置した(「フリーズドライ」)、18日齢のブロイラーヒナドリにおける、飼料の体重増加に対する比(y軸)を示す。飼料の体重増加に対する比は、消費された合計飼料の増加した総重量に対する比である。
【0151】
図22図22は、Megasphaera elsdeniiによる処置なし(「対照」)、各7日間の処置期間の1日目にMegasphaera elsdeniiの経口用ドレンチ剤(「ドレンチ剤」)、または毎日のフリーズドライMegasphaera elsdenii(「フリーズドライ」)により処置したウマに由来する盲腸試料のpHを示す。
【0152】
図23図23は、70%ラクテートおよび30%グルコースを含有する半規定培地での、M.elsdenii株(NCIMB41125、ATCC25940、NCIMB702261、NCIMB702262およびNCIMB702410)の増殖を示す。
【0153】
図24図24は、60%ラクテートおよび40%グルコースを含有する半規定培地での、M.elsdenii株(NCIMB41125、ATCC25940、NCIMB702261、NCIMB702262およびNCIMB702410)の増殖を示す。
【0154】
図25図25は、40%ラクテートおよび60%グルコースを含有する半規定培地での、M.elsdenii株(NCIMB41125、ATCC25940、NCIMB702261、NCIMB702262およびNCIMB702410)の増殖を示す。
【0155】
図26図26は、方法2を使用してカプセル封入し、好気性環境中、室温で保管した、フリーズドライM.elsdeniiの安定性を示す。
【0156】
図27図27は、方法3を使用してカプセル封入し、好気性環境中、室温で保管した、フリーズドライM.elsdeniiの安定性を示す。
【0157】
図28図28は、40または75°Fにおいて、(M.e.+マルトデキストリン)を含む、またはマルトデキストリン(M.e.)を含まない、Mylarパウチに保管した、フリーズドライ生成物中のM.elsdenii NCIMB41125濃度(Log10 CFU/パウチ)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0158】
発明の詳細な説明
本発明は、Megasphaera elsdenii細胞、M.elsdenii細胞を生成するための方法、細胞を含む飼料添加物および組成物、ならびに例えば、成長成績の改善および/または健康のためを含めた、細胞を動物に投与することを含む使用に関する。本発明はまた、限定されないが、好気性細菌、嫌気性細菌および酵母、ならびに例えばB.breveなどのBifidobacterium、L.plantarumなどのLactobacillus、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium、P.acidilacticiなどのPediococcus、L.caseiなどのLactobacillus、B.subtilisなどのBacillus、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのSaccharomycesを含めた微生物細胞、ならびに微生物細胞、微生物細胞を含む飼料添加物および組成物を生成するための方法、ならびに例えば、成長成績の改善および/または健康のためを含めた、微生物細胞を動物に投与することを含む使用に関する。
【0159】
本明細書において明記されているすべての刊行物、特許および他の参考文献は、個々の刊行物または特許出願がそれぞれ、参照により組み込まれているよう具体的かつ個々に示されているかのごとく、すべての目的のため、その全体が参照により組み込まれている。さらに、本出願における、いかなる参考文献の引用または特定も、このような参考文献が本発明に対する先行技術として利用可能であると認められたものとして解釈されるものではない。
用語法
【0160】
特に定義されない限り、本明細書において使用される技術的および科学用語はすべて、発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含めた本出願が制御する。文脈により特に要求されない限り、単数用語は複数形を含むものとし、複数用語は単数形を含むものとする。
【0161】
セクションの表題が使用される程度に、これらの表題は、必ずしも限定として解釈されるべきではない。
【0162】
本明細書で使用する場合、および添付の特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が特に明白に示さない限り、複数の参照物を含む。例えば、用語「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物」は、それらの混合物を含めた、複数の化合物を含んでもよい。用語「a」、「an」、「the」、「1つまたは複数の」および「少なくとも1つの」は、例えば、本明細書において互換的に使用することができる。
【0163】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、本発明に関連する量を修飾するために使用される場合、例えば、型通りの試験および取扱いによって;このような試験および取扱いにおける偶発的な誤差によって;本発明に用いられる成分の製造、供給源または純度の差異などによって生じ得る数量のばらつきを指す。用語「約」によってか修飾されていか否かにかかわらず、特許請求の範囲は、引用されている量の等価量を含む。一部の実施形態では、用語「約」は、報告されている数値のプラスまたはマイナス10%を意味する。
【0164】
本出願の全体にわたり、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜性および簡潔性のために過ぎず、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、具体的に開示されているすべての可能な部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数値を有するとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~2、1~3、1~4、1~5、2~3、2~4、2~5、2~6、3~4、3~5、3~6などの具体的に開示されている部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5および6を有するとみなされるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず適用される。
【0165】
用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(having)」およびそれらの同語源は、相互交換可能であり、「を含むが、以下に限定されない」ことを意味する。態様が、文体「含む」と共に本明細書に記載されている場合は必ず、「からなる(consisting of)」および/または「から本質的になる(consisting essentiallly of)」に関して記載されている他の類似の態様も提供されていると理解される。
【0166】
用語「からなる」は、「を含み、これに限定する」を意味する。
【0167】
用語「から本質的になる」は、組成物の指定材料、または方法の指定ステップ、および材料または方法の基礎的特徴に実質的に影響しない追加材料またはステップを意味する。
【0168】
用語「および/または」は、本明細書で使用する場合、他のものを含むまたは含まない、2つの指定した特徴または構成成分の各々を具体的に開示しているとしてみなされる。したがって、本明細書で「Aおよび/またはB」などの言い回しにおいて使用される用語「および/または」は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)および「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、Bおよび/またはC」などの言い回しにおいて使用される用語「および/または」は、以下の態様:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)の各々を包含することが意図される。
【0169】
用語「培養する」、「培養すること」および「培養している」は、本明細書で使用する場合、細胞増殖もしくは分裂を可能にするin vitro条件下で、細胞をインキュベートすること、または細胞を生存状態で維持することを意味する。用語「培養物」はまた、本明細書において、in vitro条件下でインキュベートされた細胞を指すよう使用することができる(例えば、液体増殖培地でインキュベートされた細胞)。
【0170】
用語「プロバイオティック」は、本明細書で使用する場合、1つまたは複数の生存微生物(細菌および/または酵母)を指し、適量で投与されると、動物または対象に対して、健康、消化および/または成績の利益をもたらすことができる、他の成分を含んでも含まなくてもよい。
【0171】
用語「直接給餌型微生物生成物」は、本明細書で使用する場合、1つまたは複数の生存微生物(細菌および/または酵母)を含有し、他の成分を含んでも含まなくてもよく、飼料混合物、ボーラス剤および/または経口ペースト剤で、動物または対象に投与され得、適量で投与されると、動物または対象に対して健康の利益をもたらすことができる生成物を指す。
【0172】
用語「飼料添加物」は、本明細書で使用する場合、栄養素中で、単独または一緒に使用される、1種または複数の成分、生成物または物質(例えば、細胞)を指す(例えば、食物(例えば、動物用飼料)の品質を改善するため、動物の成績および健康を改善するため、ならびに/または食物もしくは食物内の材料の消化性を増強するため)。飼料添加物は、例えば、プロバイオティックであり得る。
【0173】
用語「増殖培地」および「培養培地」は、本明細書で使用する場合、細胞の増殖を支援する構成成分を含有する、固体(例えば、寒天)、半固体(例えば、寒天)または液体(例えば、ブロス)組成物を指す。
【0174】
用語「収穫する」および「収穫すること」は、本明細書で使用する場合、培養物から細胞を採集すること、例えば、培養物から増殖培地中の細胞を採集すること、細胞からある量の増殖培地を除去することによって(例えば、液体培養物中の細胞を濃縮する、または増殖培地から細胞を分離することによって)細胞を採集すること、または細胞の培養することを停止することを指す。用語は、細胞が濃縮された量を含めた、液体培養物から細胞を含む多量の液体を採集するまたは除去することを含む。
【0175】
用語「単離された」は、本明細書で使用する場合、分離株が精製される程度を必ずしも反映するわけではないが、天然形態または天然環境からの単離または分離を示す。分離株は、以下に限定されないが、単離された微生物、単離されたバイオマスまたは単離された培養物を含むことができる。
【0176】
用語「有効量」は、本明細書で使用する場合、所望の結果を実現する量を指す。
【0177】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」または「臨床有効量」は、例えば、単独で、または他の構成成分と組み合わせて使用されているかにかかわらない量を含めた、所望の治療的結果を実現する量を指す。治療的結果は、例えば、症状の軽減、生存の延長、運動性の改善などであり得る。治療的結果は、「治癒」である必要はない。
【0178】
本明細書で使用する場合、「賦形剤」は、本明細書において開示されている飼料添加物、食物または組成物に望ましい特徴を付与するために使用される、構成成分または構成成分の混合物を指す。本発明の賦形剤は、医薬組成物に添加される場合、「薬学的に許容される」賦形剤として記載することができ、賦形剤は、所望の接触期間にわたり、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題となる合併症なしに、妥当な利益/リスク比に見合う、健全な医療的判断の範囲内で、動物(すなわち、ヒトおよび非ヒト動物)の組織と接触させるのに好適な化合物、材料、組成物、塩および/または剤形であることを意味する。
【0179】
用語「処置する」、「処置すること」および「処置」は、治療的処置と防止的または予防的手段の両方を指し、目的は、望ましくない生理学的状態、疾患もしくは障害を予防もしくは減速(軽減)すること、または有益なもしくは所望の生理学的結果(例えば、臨床的、医療的および/または獣医学的結果)を得ることである。本発明の目的に関して、有益なまたは所望の結果には、以下に限定されないが、状態、疾患もしくは障害に関連する症状もしくは前兆の緩和もしくは排除;状態、疾患もしくは障害の程度の縮小;状態、疾患もしくは障害の安定化(すなわち、状態、疾患または障害が悪化しない);状態、疾患もしくは障害の発症もしくは進行の遅延;状態、疾患もしくは障害の回復;状態、疾患もしくは障害の寛解(部分的または全体であるかにかかわらず、および検出可能であるか検出不能であるかにかかわらない);または状態、疾患もしくは障害の増強もしくは改善が含まれる。処置は、過度の副作用のない生理学的に重要な応答の誘発を含む。処置はまた、処置を受けない場合、予想される生存と比べて、生存を延長することを含む。
【0180】
本明細書で使用する場合、用語「予防する」および「予防すること」は、感染症、疾患、障害および/もしくは状態の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;特定の感染症、疾患、障害および/もしくは状態の1つもしくは複数の前兆、症状、特色もしくは兆候(例えば、臨床的または生理学的前兆、症状、特色または兆候)の発症を部分的もしくは完全に遅延させること;感染症、特定の疾患、障害および/もしくは状態からの進行を部分的もしくは完全に遅延させること;ならびに/または感染症、疾患、障害および/もしくは状態に関連する病理を発症するリスクを低減することを指す。
【0181】
本明細書で使用する場合、用語「収量」は、特定の体積(例えば、1ミリリットルあたりのコロニー形成単位(「CFU/mL」))、または特定の重量(例えば、1グラムあたりのCFU(「CFU/g」))での量を含めた、生存しているまたは生存可能な細胞の量を指す。
【0182】
本明細書で使用する場合、用語「生存可能な」は、生存している生物(単数または複数)(例えば、生きている微生物細胞(単数または複数))を指す。「生存率」は、とりわけ、ある特定の条件下で、生存する能力を指す。
【0183】
本明細書で使用する場合、「精製する」、「精製された」および「精製」は、不必要な構成成分、物質汚染、混和物または不完全性から本質的に純粋にすること、またはこれらをなくすことを意味する。
【0184】
用語「発明」および「開示」は、記載されている場合、互換的に使用する、または例えば、言い回し「本発明」もしくは「本開示」で使用することができる。
【0185】
用語「動物」または「対象」は、動物界に属する任意の生物を指し、非限定的に、魚などの水性動物および陸生動物;商業用魚;観賞魚;仔魚;二枚貝類;軟体動物;甲殻類;貝類;エビ;稚エビ;アルテミア;ワムシ;ブラインシュリンプ;フィルターフィーダー;両生類;爬虫類;哺乳動物;ヒト;非ヒト動物;飼育動物;農場動物;動物園の動物;スポーツ用動物;種畜;競走用動物;共進会用動物;エアルーム動物(heirloom
animal);希少または絶滅危惧動物;コンパニオン動物;イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウスまたはウマなどのペット動物;サル(例えば、オマキザル、アカゲザル、アフリカミドリザル、パタスモンキー、カニクイザルおよびcercopithecus)、類人猿、オランウータン、ヒヒ、テナガザルおよびチンパンジーなどの霊長類;イヌおよびオオカミなどのイヌ科;ネコ、ライオンおよびトラなどのネコ科;ウマ,ポニー、ロバ、ラバおよびシマウマなどのウマ科;雌牛、バッファロー、ウシ、ブタ、家禽およびヒツジなどの食用動物;シカおよびキリンなどの有蹄動物;鳥類(すなわち、トリ);ニワトリ、カモ、アヒル、ウズラ、シチメンチョウ、ハト、エミュー、ダチョウ、ならびにブロイラー、ブロイラー種ニワトリおよび産卵用ニワトリを含めた食用または農場動物として使用される任意の他のトリなどの家禽;マウス、ラット、ハムスターおよびモルモットなどのげっ歯類などを含む。動物用飼料には、以下に限定されないが、水産養殖用飼料、ペット用飼料を含む飼育動物用飼料、動物園動物用飼料、作業動物用飼料、家畜用飼料およびそれらの組合せが含まれる。食物は、動物用飼料およびヒト食物を含む。
【0186】
明確にするため、個々の実施形態の文脈において記載されている本発明のある特定の特色はまた、単一の実施形態において、組み合わせて提供されてもよいことが理解される。反対に、簡潔にするため、単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特色はまた、個別に、または任意の好適な部分組合せで、または本発明の任意の他の記載されている実施形態に好適なものとして提供され得る。様々な実施形態の文脈において記載されているある特定の特色は、実施形態が、それらの要素なしに実施不能でない限り、それらの実施形態の必須の特色であるとはみなされない。
【0187】
本明細書に記載されているものと類似または等価な方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、好適な方法および材料が以下に記載されている。材料、方法および例は、単なる例示であり、限定を意図するものではない。本発明の他の特色および利点は、詳細な説明からおよび特許請求の範囲から明白になろう。
Megasphaera elsdenii
【0188】
任意の株、または株の任意の組合せに由来するMegasphaera elsdenii細胞を、本明細書に記載されている発明に使用することができる。
【0189】
M.elsdenii株(単数または複数)は、ストックカルチャーコレクション(例えば、American Type Culture Collection(「ATCC(登録商標)」)、National Collection of Industrial, Food and Marine Bacteria(「NCIMB」)、National Collection of Type Cultures(「NCTC」)、American Research Service(「ARC」)カルチャーコレクション(すなわち、「NRRL」)、National Institute of Animal Health(NIAH)カルチャーコレクション)から選択することができるか、または天然源から(例えば、反芻動物の胃腸管から)単離された株であり得る。
【0190】
カルチャーコレクションから選択することができる、M.elsdenii株の例は、以下に限定されないが、表1中の寄託番号によって列挙されている株を含む。寄託番号の代替表示記号も示されている。
【表1】
【0191】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、表1中の代替表示記号のいずれかを含めた、ATCC(登録商標)25940、ATCC(登録商標)17752、ATCC(登録商標)17753、NCIMB702261、NCIMB702262、NCIMB702264、NCIMB702331、NCIMB702409、NCIMB702410、NCIMB41125、NCIMB41787、NCIMB41788、NRRL18624、NIAH1102およびそれらの組合せからなる群から選択される、寄託番号を有する株に由来する。
【0192】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、反芻動物(例えば、雌牛)から単離された株に由来する。例えば、米国特許第7,550,139号を参照されたい。
【0193】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、非反芻動物(例えば、ヒト)から単離された株に由来する。
【0194】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、ラクテート利用(例えば、糖の存在下でラクテートを利用する株)、イオノフォア抗生物質に耐性、比較的高い増殖速度、主にアセテートを生成する能力、5.0未満および4.5という低いpH値で増える能力、揮発性脂肪酸(VFA)の生成、フィターゼ活性ならびにそれらの組合せが理由で選択された株に由来する。例えば、米国特許第7,550,139号を参照されたい。
【0195】
一部の実施形態では、ラクテート利用が理由で選択された株は、可溶性炭水化物(例えば、グルコースおよび/またはマルトース)の存在下で、好ましい炭素源としてラクテートを利用する。ラクテート利用は、例えば、可溶性炭水化物を補給した同じ培地と比べて、ラクテートを含有し、かつ可溶性炭水化物を欠如している培地中での増殖に基づいて決定することができる。
【0196】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、他の株と比較して、高い増殖速度を有する株に由来する。様々な株の増殖速度は、例えば、液体培地中で細胞を培養し、光学密度の増加を経時的にモニタリングすることによって決定することができる。
【0197】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、例えばガスクロマトグラフィーによって決定することができる、VFAを生成することが可能な株に由来する。一部の実施形態では、VFAは、Salmonellaおよび/またはCampylobacterの増殖を阻害することが可能な、6炭素脂肪酸である。一部の実施形態では、VFAは、カプロン酸である。一部の実施形態では、Salmonellaは、Salmonella entericaおよび/またはSalmonella bongoriである。一部の実施形態では、Salmonella血清型は、Salmonella Typhimuriumおよび/またはEntiritidisである。一部の実施形態では、Campylobacterは、Campylobacter jejuniまたはCampylobacter coliである。
【0198】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、フィターゼ活性を有する株に由来する。
【0199】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、Megasphaera elsdenii株であるNCIMB41125に由来する。Megasphaera elsdeniiのこの株は、高い比増殖速度(0.94発生/時)を有し、4.5~6.5またはそれより高いpH範囲で増殖することができ、その好ましい基質としてD-およびL-ラクテートを使用するが、グルコースおよび他の炭水化物も利用する能力を有しており、イオノフォアに耐容する。
【0200】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、Megasphaera elsdenii株であるNCIMB41787に由来する。一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、Megasphaera elsdenii株であるNCIMB41788に由来する。
【0201】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、Megasphaera elsdenii株であるATCC(登録商標)25940に由来する。
【0202】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、ストックカルチャーコレクションから選択される株に由来するか、または天然源から単離される。ある株に「由来する」細胞は、例えば、下位分離株(sub isolate)、変異体、バリアントまたは組換え株などの、天然または人工誘導体であり得る。
嫌気性、好気性および/または酵母細胞を含む培養物の調製
【0203】
M.elsdeniiは、最大収量および生存率を得るため、厳密な嫌気性条件下で培養されなければならない嫌気性細菌である。
【0204】
一部の実施形態では、培養物は、M.elsdenii細胞および増殖培地を含む。
【0205】
一部の実施形態では、培養物は、M.elsdenii細胞の1種または複数の株を含む。一部の実施形態では、培養物は、M.elsdenii細胞の単一株を含む。一部の実施形態では、培養物は、M.elsdenii細胞の1種または複数の株からなる(すなわち、培養物中の細胞は、M.elsdenii細胞、例えば、M.elsdenii細胞の1種または複数の株からなる)。一部の実施形態では、培養物は、M.elsdenii細胞の単一株からなる。
【0206】
一部の実施形態では、培養物は、Megasphaera細胞および増殖培地を含む。
【0207】
一部の実施形態では、培養物は、嫌気性細菌細胞および増殖培地を含む。一部の実施形態では、培養物は、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.caseiなどのLactobacillus細胞、および増殖培地を含む。
【0208】
一部の実施形態では、培養物は、好気性細菌細胞および増殖培地を含む。一部の実施形態では、培養物は、B.subtilisなどのBacillus細胞および増殖培地を含む。
【0209】
一部の実施形態では、培養物は、酵母細胞および増殖培地を含む。一部の実施形態では、培養物は、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのSaccharomyces細胞を含む。
【0210】
連続発酵(すなわち、連続培養)またはバッチ発酵(すなわち、バッチ培養)を含めた、微生物細胞の接種、増殖および収穫に関する様々な発酵パラメーターを使用することができる。例えば、米国特許第7,550,139号を参照されたい。
【0211】
微生物細胞用の増殖培地は、固体、半固体または液体であり得る。培地は、増殖を可能にする必須要素および特定の因子を提供する栄養素を含有することができる。様々な微生物学的培地および変形が、当技術分野で周知である。培地は、培養の開始、培養中、または断続的/連続的を含めた、任意の時間に培養物に添加することができる。
【0212】
増殖培地の例には、以下に限定されないが、(1)ペプトン、3g/L;酵母、3g/L;ビタミン溶液、2mL/L;無機溶液、25mL/L;インジゴカルミン(0.5%)、1g/L;12.5%L-システイン、2g/L;12.5%硫化ナトリウム、2g/Lを含有し、乳酸Na(半規定ラクテート乳酸塩、SDL)、グルコース(半規定グルコース、SDG)またはマルトース(半規定マルトース、SDM)のいずれかを補給した半規定培地;(2)ペプトン、10g/L;肉牛抽出物、10g/L;酵母抽出物、3g/L;デキストロース5g/L;NaCl、5g/L;可溶性デンプン、1g/L;L-システインHCl、0.5g/L;酢酸ナトリウム、3g/L;およびレサズリン(0.025%)、4mL/Lを含有する改変強化クロストリジウム寒天培地/ブロス培地(事前還元型);(3)脱線維素ヒツジ血液を含むトリプチケースソイ寒天/ブロス;(4)乳酸Na(70%)、10g/l;ペプトン、2g/l;KHPO1g/l;(NHSO3g/l;MgSO7HO 0.2g/l;CaCl.2HO 0.06g/l;ビタミン(塩酸ピリドキソール、4mg/l;ピリドキサミン、4mg/l;リボフラビン、4mg/l;塩化チアミニウム、4mg/l;ニコチンアミド、4mg/l;D-パントテン酸Ca、4mg/l;4-アミノ安息香酸、0.2mg/l、ビオチン、0.2mg/l、葉酸、0.1mg/lおよびシアノコバラミン、0.02mg/1);NaS.9HO、0.25g/l;システイン、0.25g/l;消泡剤、0.07ml/lおよびモネンシン、10mg/lを含有し;乳酸Naおよび無機溶液をレザーバーボトルに添加し、60分間、オートクレーブする;300mlの蒸留HOにペプトンを溶解し、個別にオートクレーブする;予めビタミン溶液および2種の還元剤を濾過滅菌する;オートクレーブ後、レザーバーボトルを嫌気性ガスで一晩ガス通気する;冷却後、個別に他の構成物質を添加する;および5N HClでpHを所望の値に調節することによって調製される、半規定第一胃液不含培地;ならびに(5)400mlのlucerne給餌ヒツジに由来するインキュベートされた清澄第一胃液、371ml蒸留水、2gペプトン、15g寒天、100mlの10%(w/v)D、L-乳酸ナトリウム溶液、100mlの0.04%(w/v)ブロモクレゾールパープル溶液および40g/l
KHPO;120g/l(NHSO;8g/l MgSO.7HOおよび2.4g/l CaCl.2HOを含有する無機溶液25mlを含有するインキュベートされた第一胃液アセテート(「IRFL」)培地であって、乳酸(90% w/v)を使用して、pHを5.5に調節した後、121℃で25分間オートクレーブし、次いで、嫌気性ガス混合物を通気しながら50℃の水浴中で冷却した後、NaS.9HO(12.5%w/v)およびシステイン.HCl.HO(12.5%w/v)の各々を2ミリリットル添加する、培地が含まれる。
【0213】
一部の実施形態では、培養物は、少なくとも1種の炭素源を含む増殖培地を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の炭素源は、カゼイン、デンプン(例えば、ゼラチン化デンプンおよび/または可溶性デンプン)、ラクテート(すなわち、乳酸)、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0214】
一部の実施形態では、培養物は、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む。一部の実施形態では、少なくとも2種の炭素源は、カゼイン、デンプン(例えば、ゼラチン化デンプンおよび/または可溶性デンプン)、ラクテート(すなわち、乳酸)、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0215】
一部の実施形態では、少なくとも2種の炭素源は、約1~99%の第1の炭素源(例えば、本明細書に記載されている任意の炭素源)、および約1~99%の第2の炭素源(例えば、第1の炭素源とは異なる、本明細書に記載されている任意の炭素源)からなり、少なくとも2種の炭素源の100%は、第1の炭素源および第2の炭素源からなる。一部の実施形態では、少なくとも2種の炭素源は、約50~60%の第1の炭素源および約40~50%の第2の炭素源、約50~70%の第1の炭素源および約30~50%の第2の炭素源、約50~80%の第1の炭素源および約20~50%の第2の炭素源、または約50~90%の第1の炭素源および約10~50%の第2の炭素源からなる。別の実施形態では、少なくとも2種の炭素源は、約65~75%の第1の炭素源および約25~35%の第2の炭素源からなる。一部の実施形態では、第1の炭素源はラクテートである。
【0216】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、約39℃~約40℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、または約40℃で増殖させられる。
【0217】
一部の実施形態では、微生物細胞は、約15℃~約45℃、約20℃~40℃、25℃~35℃、30℃~39℃で増殖させられる。一部の実施形態では、微生物細胞は、約30℃、約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、または約40℃で増殖させられる。
【0218】
一部の実施形態では、微生物細胞は、保管のために約18℃~約25℃に冷却される。
【0219】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞(例えば、培養中および/または収穫時)を含む培養物のpHは、約4.5~約7.0、約4.5~約6.5、約4.5~約6.0、約4.5~約5.5、約4.5~約5.0、約4.6~約6.9、約4.7~約6.8、約4.8~約6.7、約4.9~約6.6、約5.0~約7.0、約5.0~約6.5、約5.0~約6.0、約5.0~約5.5、約5.1~約6.9、約5.2~約6.8、約5.3~約6.7、約5.4~約6.6、約5.5~約7.0、約5.5~約6.5、約5.1~約6.4、約5.2~約6.3、約5.3~約6.2、約5.4~約6.1、約5.5~約6.0、約5.0~約6.1、約5.0~約6.2、約5.0~約6.3、約5.0~約6.4、約5.1~約6.5、約5.2~約6.5、約5.3~約6.5、または約5.4~約6.5である。
【0220】
一部の実施形態では、微生物細胞(例えば、培養中および/または収穫時)を含む培養物のpHは、約4.0~約9.0の間、約4.5~約8.5の間、約5.0~約8.0の間、約5.5~約7.5の間、約6.0~約7.0の間である。
【0221】
微生物細胞を培養するため、嫌気性条件を維持する、異なるサイズおよび設計の発酵槽を使用することができる。発酵槽は、例えば、M.elsdenii細胞の商業生成に十分な培養体積を発酵させることが可能であり得る。一部の実施形態では、培養体積は、約2リットル、約10リットル、約50リットル、約100リットル、約150リットル、約200リットル、約250リットル、約300リットル、約350リットル、約400リットル、約450リットル、約500リットル、約600リットル、約800リットル、約1,000リットル、約1,200リットル、約1,500リットル、約1,800リットル、約2,000リットル、約2、200リットル、約2,500リットル、約2,750リットル、約3,000リットル、約4,000リットル、約5,000リットル、約6,000リットル、約7,000リットル、約8,000リットル、約9,000リットル、約10,000リットル、少なくとも約20,000リットル、少なくとも約50,000リットル、または少なくとも約75,000リットルである。一部の実施形態では、発酵体積は、約2リットル~約75,000リットル、約250リットル~約750リットル、約300リットル~約800リットル、約350リットル~約850リットル、約400リットル~約900リットル、約450リットル~約950リットル、約500リットル~約1,000リットル、約750リットル~約1,250リットル、約1,000リットル~約2,000リットル、約2,000リットル~約4,000リットル、約4,000リットル~約8,000リットル、約5,000リットル~約10,000リットル、約50リットル~約75,000リットル、約50リットル~約50,000リットル、約50リットル~約25,000リットル、約50リットル~約20,000リットル、約50リットル~約15,000リットル、約50リットル~約10,000リットル、約100リットル~約10,000リットル、約100リットル~約5,000リットル、約100リットル~約4,000リットル、約100リットル~約3,000リットル、約100リットル~約2,900リットル、約100リットル~約2,850リットル、約100リットル~約2,800リットル、約100リットル~約2,750リットル、約2リットル、約10リットル、約50リットル、約100リットル、約200リットル、約500リットル、約1,000リットル、約1,500リットル、約10,000リットル、約20,000リットル、約50,000リットル、または約75,000リットルである。
【0222】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞を含む培養物はまた、別の微生物(すなわち、M.elsdenii細胞ではない微生物細胞)を含む。一部の実施形態では、培養物は、M.elsdenii細胞、および偏性嫌気性菌である別の微生物を含む。一部の実施形態では、培養物は、M.elsdenii細胞、ならびにLactobacillus、Megasphaera、Bifidobacterium、Escherichia、Enterococcus、Bacillus、Propionibacterium、Streptococcus、Candida、Clostridium、Pediococcus、AspergillusおよびSaccharomycesからなる群から選択される別の微生物を含む。
フリーズドライ好気性、嫌気性および酵母細胞
【0223】
一態様では、本発明は、フリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法を対象とする。
【0224】
別の態様では、本発明は、フリーズドライM.elsdenii細胞を対象とする。
【0225】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、フリーズドライM.elsdenii細胞を対象とする。
【0226】
別の態様では、本発明は、フリーズドライMegasphaera細胞を生成する方法を対象とする。
【0227】
別の態様では、本発明は、フリーズドライMegasphaera細胞を対象とする。
【0228】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、フリーズドライMegasphaera細胞を対象とする。
【0229】
別の態様では、本発明は、フリーズドライ嫌気性細菌細胞を生成する方法を対象とする。
【0230】
別の態様では、本発明は、フリーズドライした、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.caseiなどのLactobacillus細胞を生成する方法を対象とする。
【0231】
別の態様では、本発明は、フリーズドライ嫌気性細菌細胞を対象とする。
【0232】
別の態様では、本発明は、フリーズドライした、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.caseiなどのLactobacillus細胞を対象とする。
【0233】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、フリーズドライ嫌気性細菌を対象とする。
【0234】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、フリーズドライした、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.caseiなどのLactobacillus細胞を対象とする。
【0235】
別の態様では、本発明は、フリーズドライ好気性細菌細胞を生成する方法を対象とする。
【0236】
別の態様では、本発明は、B.subtilisなどのフリーズドライBacillus細胞を生成する方法を対象とする。
【0237】
別の態様では、本発明は、フリーズドライ好気性細菌細胞を対象とする。
【0238】
別の態様では、本発明は、B.subtilisなどのフリーズドライBacillus細胞を対象とする。
【0239】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、フリーズドライ好気性細菌細胞を対象とする。
【0240】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、B.subtilisなどのフリーズドライBacillus細胞を対象とする。
【0241】
別の態様では、本発明は、フリーズドライ酵母細胞を生成する方法を対象とする。
【0242】
別の態様では、本発明は、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのフリーズドライSaccharomyces細胞を生成する方法を対象とする。
【0243】
別の態様では、本発明は、フリーズドライ酵母細胞を対象とする。
【0244】
別の態様では、本発明は、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのフリーズドライSaccharomycesを対象とする。
【0245】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、フリーズドライ酵母細胞を対象とする。
【0246】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている方法によって生成される、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのフリーズドライSaccharomyces細胞を対象とする。
【0247】
別の態様では、フリーズドライM.elsdenii細胞を生成する方法は、M.elsdenii細胞および増殖培地を含む培養物を調製するステップと、細胞を収穫するステップと、細胞を凍結するステップと、細胞をフリーズドライするステップとを含み、フリーズドライM.elsdenii細胞が生成される。一部の実施形態では、方法は、培養物を調製するステップ、次いで、細胞を収穫するステップ(すなわち、培養した細胞を収穫するステップ)、次いで、細胞を凍結するステップ(すなわち、収穫した細胞を凍結するステップ)、次いで、細胞をフリーズドライするステップ(すなわち、凍結した細胞をフリーズドライするステップ)の順序で行われる。
【0248】
一部の実施形態では、方法は、嫌気性条件下で行われる。一部の実施形態では、方法は、嫌気性条件下で、培養物を調製するステップ、細胞を収穫するステップ、細胞を凍結するステップ、細胞をフリーズドライするステップおよびそれらの組合せを含む。
【0249】
方法は、本明細書に記載されている培養物を調製する方法のいずれかを含むことができる。方法の培養物はまた、本明細書に記載されている培養物の特性のいずれかを含むことができる。
【0250】
一部の実施形態では、培養物中の細胞は、M.elsdenii細胞を含む。一部の実施形態では、培養物中の細胞は、M.elsdenii細胞からなる。
【0251】
一部の実施形態では、増殖培地は、カゼイン、ラクテート(すなわち、乳酸)、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む。
【0252】
一部の実施形態では、方法は、培養物がその対数増殖期を終えた後の12時間以内、かつ培養物がその定常増殖期を開始する前に、細胞を収穫するステップを含む。培養物は、収穫時に増殖を停止させるために、室温に冷却することができる。
【0253】
一部の実施形態では、培養物は液体を含み、方法は、液体の百分率で、M.elsdenii細胞(例えば、濃縮M.elsdenii細胞)を収穫するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、約1%~約40%、約1%~約35%、約1%~約30%、約1%~約25%、約1%~約20%、約1%~約15%、約1%~約10%、約1%~約5%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%の液体とともに細胞を回収することを含む。一部の実施形態では、方法は、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の液体とともに細胞を回収することを含む。
【0254】
一部の実施形態では、培養物は液体を含み、方法は、ある割合の液体を除去することによって、M.elsdenii細胞(例えば、濃縮M.elsdenii細胞)を収穫するステップを含む。一部の実施形態では、細胞を回収することは、約50%~約100%の液体、約55%~約100%、約60%~約100%、約65%~約100%、約70%~約100%、約75%~約100%、約80%~約100%、約85%~約100%、約90%~約100%、または約95%~約100%の液体を除去することを含む。一部の実施形態では、細胞を回収することは、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%の液体を除去することを含む。
【0255】
一部の実施形態では、方法は、細胞を濃縮することによって、M.elsdenii細胞を収穫するステップを含む。一部の実施形態では、細胞を収穫するステップは、遠心分離、濾過、透析、逆浸透およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの技法によって細胞を濃縮するステップを含む。一部の実施形態では、濾過は、クレイ濾過を含む。一部の実施形態では、濾過は、クロスフロー濾過としても公知のタンジェンシャルフロー濾過を含む。
【0256】
一部の実施形態では、回収時のM.elsdenii細胞を含む培養物のpHは、約4.5~約7.0、約4.5~約6.5、約4.5~約6.0、約4.5~約5.5、約4.5~約5.0、約4.6~約6.9、約4.7~約6.8、約4.8~約6.7、約4.9~約6.6、約5.0~約7.0、約5.0~約6.5、約5.0~約6.0、約5.0~約5.5、約5.1~約6.9、約5.2~約6.8、約5.3~約6.7、約5.4~約6.6、約5.5~約7.0、約5.5~約6.5、約5.1~約6.4、約5.2~約6.3、約5.3~約6.2、約5.4~約6.1、約5.5~約6.0、約5.0~約6.1、約5.0~約6.2、約5.0~約6.3、約5.0~約6.4、約5.1~約6.5、約5.2~約6.5、約5.3~約6.5、または約5.4~約6.5である。
【0257】
一部の実施形態では、方法は、発酵槽中の増殖培地にM.elsdenii細胞を含む接種材料を接種して、培養物を調製するステップと、培養物のpHが約6.0になるまで、約39℃の温度で培養物をインキュベートするステップとを含む。一部の実施形態では、M.elsdenii細胞を含む接種材料は、M.elsdenii細胞またはその一部のフラスコ培養物である。一部の実施形態では、方法は、発酵槽中の増殖培地に、1/50~1/4,000の接種材料の培地に対する比を接種するステップを含む。一部の実施形態では、接種材料の培地に対する比は、1/100である。
【0258】
一部の実施形態では、培養物は、少なくとも1つの凍結保護物質をさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの凍結保護物質は、フルクトース、グルコース、スクロース、粉ミルク、乳児用調製粉乳、脱脂粉乳、トレハロース、マルトデキストリン、ベタインおよびそれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1つの凍結保護物質は、培養物の約1%~約50%(w/v)、培養物の約1%~約40%(w/v)、培養物の約1%~約30%(w/v)、培養物の約1%~約20%(w/v)、培養物の約1%~約10%(w/v)、培養物の約1%~約5%(w/v)、培養物の約10%~約20%(w/v)、培養物の約15%~約25%(w/v)、培養物の約20%~約30%(w/v)、培養物の約30%~約40%(w/v)、培養物の約40%~約50%(w/v)、培養物の約60%~約70%(w/v)、培養物の約70%~約80%(w/v)の量で存在する。一部の実施形態では、凍結保護物質は、粉末凍結保護物質を濃縮M.elsdenii細胞に直接添加することによって、添加される。一部の実施形態では、凍結保護物質は、1/1の比、1/5の比または1/10の比で凍結保護物質の溶液を濃縮M.elsdenii細胞に直接添加することによって、添加される。
【0259】
一部の実施形態では、細胞を凍結するステップは、細胞を冷凍庫中に入れるステップ、または細胞をドライアイス、液体窒素もしくはそれらの組合せと接触させるステップを含む。細胞を凍結するステップは、細胞が容器内に存在している間に、細胞を凍結するステップを含む。細胞を接触させるステップは、細胞を含む容器を、細胞を凍結するための媒体と接触させるステップを含む。細胞を凍結するための媒体は、以下に限定されないが、冷凍庫、アセトン-ドライアイス浴、液体窒素またはそれらの組合せを含む。
【0260】
一部の実施形態では、方法は、約-20℃~約-210℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、約-20℃~約-80℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、約-80℃~約-210℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、約-20℃~約-196℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、約-80℃~約-196℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、約-20℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、約-80℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、約-196℃の温度で細胞を凍結することを含む。一部の実施形態では、方法は、細胞を液体窒素と接触させることによって、細胞を凍結するステップを含む。
【0261】
一部の実施形態では、方法は、嫌気性条件下、細胞を凍結するステップを含む。
【0262】
一部の実施形態では、凍結するステップにより、細胞を含む凍結ペレットが生成する。例えば、凍結するステップは、フラッシュ冷凍庫(例えば、モデル250-S01 Crygran、IFQ Inc.)を使用して実現することができる。
【0263】
一部の実施形態では、凍結ペレットの直径は、約0.001~約1.0インチ、約0.01~約1.0インチ、約0.1~約1.0インチ、約0.2~約1.0インチ、約0.3~約1.0インチ、約0.4~約1.0インチ、約0.5~約1.0インチ、約0.6~約1.0インチ、約0.7~約1.0インチ、約0.8~約1.0インチ、約0.9~約1.0インチ、約0.001~約0.9インチ、約0.01~約0.9インチ、約0.1~約0.9インチ、約0.2~約0.9インチ、約0.3~約0.9インチ、約0.4~約0.9インチ、約0.5~約0.9インチ、約0.6~約0.9インチ、約0.7~約0.9インチ、約0.8~約0.9インチ、約0.001~約0.8インチ、約0.01~約0.8インチ、約0.1~約0.8インチ、約0.2~約0.8インチ、約0.3~約0.8インチ、約0.4~約0.8インチ、約0.5~約0.8インチ、約0.6~約0.8インチ、約0.7~約0.8インチ、約0.001~約0.7インチ、約0.01~約0.7インチ、約0.1~約0.7インチ、約0.2~約0.7インチ、約0.3~約0.7インチ、約0.4~約0.7インチ、約0.5~約0.7インチ、約0.6~約0.7インチ、約0.001~約0.6インチ、約0.01~約0.6インチ、約0.1~約0.6インチ、約0.2~約0.6インチ、約0.3~約0.6インチ、約0.4~約0.6インチ、約0.5~約0.6インチ、約0.001~約0.5インチ、約0.01~約0.5インチ、約0.05~約0.5インチ、約0.1~約0.5インチ、約0.15~約0.5インチ、約0.2~約0.5インチ、約0.3~約0.5インチ、または約0.4~約0.5インチである。
【0264】
凍結M.elsdenii細胞は、凍結保管(例えば、0℃未満)した後、フリーズドライすることができるか、または直ちにフリーズドライすることができる。一部の実施形態では、凍結M.elsdenii細胞は、約0℃未満、約-10℃未満、約-20℃未満、約-50℃未満、約-80℃または約-196℃未満の温度で保管される。一部の実施形態では、凍結M.elsdenii細胞は、約-20℃、約-30℃、約-40℃、約-50℃、約-60℃、約-70℃、約-80℃、約-90℃、約-100℃、約-150℃、約-196℃または約-210℃の温度で保管される。
【0265】
一部の実施形態では、凍結M.elsdenii細胞は、凍結乾燥される。一部の実施形態では、凍結M.elsdenii細胞は、フリーズドライされる。フリーズドライするステップは、例えば、凍結細胞からの液体の除去を含む。
【0266】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞をフリーズドライするステップは、フリーズドライ機に凍結細胞を入れることを含む。一部の実施形態では、フリーズドライするステップは、凍結細胞を減圧に供して、細胞を室温に徐々に加温するステップを含む。
【0267】
一部の実施形態では、方法は、嫌気性条件下、細胞をフリーズドライするステップを含む。
【0268】
一部の実施形態では、フリーズドライM.elsdeniiは、商業規模で生成される。
【0269】
一部の実施形態では、約1×10~1×1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞は、本明細書において開示されている方法によって生成される。一部の実施形態では、約1×10~1×1012CFU/gのM.elsdenii細胞は、フリーズドライ後、生存可能である。
【0270】
一態様では、本開示に従うフリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法は、(a)M.elsdenii細胞、ならびにカゼイン、ラクテート(例えば、乳酸)、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、グリセロール、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む増殖培地を含む培養物を、嫌気性条件下で調製するステップと、(b)嫌気性条件下、前記細胞を収穫するステップと、(c)前記細胞を凍結するステップと、(d)前記細胞をフリーズドライするステップとを含み、約1×10~約1×1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞が生成される。
【0271】
別の態様では、本開示によるフリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法は、(a)M.elsdenii細胞および増殖培地を含む培養物を調製するステップと、(b)培養物がその対数増殖期を終えた後の12時間以内、かつ培養物がその定常増殖期を開始する前に、嫌気性条件下で細胞を収穫するステップと、(c)細胞を凍結するステップと、(d)細胞をフリーズドライするステップとを含み、フリーズドライM.elsdenii細胞が生成される。
【0272】
別の態様では、本開示によるフリーズドライMegasphaera elsdenii細胞を生成する方法は、(a)M.elsdenii細胞および増殖培地を含む培養物を調製するステップと、(b)細胞を収穫するステップと、(c)収穫の5時間以内に、約-80℃~約-210℃の温度で細胞を凍結するステップと、(d)細胞をフリーズドライするステップとを含み、フリーズドライM.elsdenii細胞が生成される。
【0273】
一部の実施形態では、本明細書に開示の方法によって生産されるフリーズドライM.elsdenii細胞の量および/またはフリーズドライの後に生存可能なM.elsdenii細胞の量は、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g約1x10CFU/g~約1x1011CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1010CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x1010CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1010CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1011CFU/g、または約1x1010CFU/g~約1x1012CFU/gである。
【0274】
一部の実施形態では、フリーズドライM.elsdenii細胞は、約14日~約24か月の間約-80℃、約-20℃、約4℃、約25℃、またはそれらの組合せの温度で生存可能である。一部の実施形態では、フリーズドライM.elsdenii細胞は、少なくとも約14日、少なくとも約1か月、少なくとも約6か月、少なくとも約8か月、少なくとも約10か月、少なくとも約12か月、少なくとも約15か月、少なくとも約18か月、または少なくとも約24か月の間約-80℃、約-20℃、約4℃、約25℃、またはそれらの組合せの温度で生存可能である。
【0275】
一部の実施形態では、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g約1x10CFU/g~約1x1011CFU/g、約1x10CFU/mL~約1x1010CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x1010CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1010CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1011CFU/g、または約1x1010CFU/g~約1x1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞は、少なくとも約14日、少なくとも約1か月、少なくとも約6か月、少なくとも約8か月、少なくとも約10か月、少なくとも約12か月、少なくとも約15か月、少なくとも約18か月、または少なくとも約24か月の間約-80℃、約-20℃、約4℃、またはそれらの組合せの温度での保管の後、生存可能である。
【0276】
一部の実施形態では、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g約1x10CFU/g~約1x1011CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1010CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x1010CFU/g~約1x1012CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x10CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1010CFU/g、約1x10CFU/g~約1x1011CFU/g、または約1x1010CFU/g~約1x1012CFU/gのフリーズドライM.elsdenii細胞は、少なくとも約14日、少なくとも約1か月、少なくとも約6か月、少なくとも約8か月、少なくとも約10か月、少なくとも約12か月、少なくとも約15か月、少なくとも約18か月、または少なくとも約24か月の間約25℃の温度での保管の後、生存可能である。
飼料添加物、組成物およびキット
【0277】
一態様では、飼料添加物は、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞を含む。
【0278】
一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されているフリーズドライM.elsdenii細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞を含む。
【0279】
一態様では、飼料添加物は、本明細書において開示されているMegasphaera細胞を含む。
【0280】
一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されているフリーズドライMegasphaera細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライMegasphaera細胞を含む。
【0281】
一態様では、飼料添加物は、本明細書において開示されている嫌気性細菌細胞を含む。別の態様では、飼料添加物は、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.caseiなどのLactobacillus細胞を含む。
【0282】
一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されているフリーズドライ嫌気性細菌細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライ嫌気性細菌細胞を含む。
【0283】
一部の実施形態では、飼料添加物は、フリーズドライした、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.caseiなどのLactobacillus細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成される、フリーズドライした、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.caseiなどのLactobacillus細胞を含む。
【0284】
一態様では、飼料添加物は、本明細書において開示されている好気性細菌細胞を含む。別の態様では、飼料添加物は、B.subtilisなどのBacillus細胞を含む。
【0285】
一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されているフリーズドライ好気性細菌細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライ好気性細菌細胞を含む。
【0286】
一部の実施形態では、飼料添加物は、B.subtilisなどのフリーズドライBacillus細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成されるB.subtilisなどのフリーズドライBacillus細胞を含む。
【0287】
一態様では、飼料添加物は、本明細書において開示されている酵母細胞を含む。別の態様では、飼料添加物は、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのSaccharomyces細胞を含む。
【0288】
一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されているフリーズドライ酵母細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライ酵母細胞を含む。
【0289】
一部の実施形態では、飼料添加物は、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのフリーズドライSaccharomyces細胞を含む。一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されている方法によって生成される、S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのフリーズドライSaccharomyces細胞を含む。
【0290】
一部の実施形態では、飼料添加物は、固形(すなわち、「固形飼料添加物」)または液体(すなわち、「液体飼料添加物」)である。一部の実施形態では、飼料添加物は、半固形またはゲル状(すなわち、「半固形またはゲル状飼料添加物」)である。ゲル状飼料添加物は、酸素捕捉剤(例えば、アスコルビン酸)を含有することができる。
【0291】
一部の実施形態では、固形飼料添加物は、粉末(例えば、流動性粉末)、細粒(すなわち、顆粒)、粒子(すなわち、微粒子)、ペレット、ケーキ、水溶性濃縮物、ペースト、ボーラス、錠剤、微粉、それらの構成成分またはそれらの組合せである。
【0292】
一部の実施形態では、液体飼料添加物は、溶液(例えば、水性、有機または水性有機溶液)、懸濁液、エマルション、ドレンチ剤、噴霧剤、注射剤、飲料(例えば、代用乳)、それらの構成成分またはそれらの組合せである。
【0293】
一部の実施形態では、ゲル状飼料添加物は、有機ゲルである。一部の実施形態では、ゲル状飼料添加物は、経口ゲル(すなわち、経口投与用けのゲル)である。
【0294】
一部の実施形態では、飼料添加物は、トップドレスとして使用するためのものである(すなわち、食物の表面に添加する、または食物(例えば、動物用飼料)と混合するため)。一部の実施形態では、飼料添加物は、液体として投与するためのものである。
【0295】
一部の実施形態では、本明細書において開示されているフリーズドライM.elsdenii細胞は、液体中でフリーズドライ細胞を、再水和、溶解、可溶化および/または懸濁することによって、液体飼料添加物として使用することができる。
【0296】
一部の実施形態では、飼料添加物は、担体(すなわち、1種または複数の担体)を含む。
【0297】
好適な担体の例には、以下に限定されないが、植物性材料(すなわち、乾燥もしくは加工植物または植物の一部を含めた、植物全体または植物の一部(例えば、種子、茎、葉、花および/または根))、乾燥穀物(例えば、乾燥蒸留穀物残渣)、アルファルファ、コーンミール、シトラスミール(citrus meal)、発酵残留物、粉砕したカキの殻、アタパルガスクレイ(attapulgus clay)、コムギショート(wheat short)、糖蜜可溶物(molasses soluble)、コーンコブミール、可食植物性物質、きな粉、ダイズミル飼料、抗生物質菌糸体、バーミキュライト、ダイズグリッツ、乳清、マルトデキストリン、スクロース、デキストロース、石灰岩(炭酸カルシウム)、もみ殻、酵母培養物、乾燥デンプン、ナトリウムシリカアルミネート、水、塩溶液、アルコール、シリコーン、ワックス、ワセリン、植物油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、リポソーム、糖、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペトロエトラル(petroethral)脂肪酸エステル、ヒドロキシメチル-セルロース、ポリビニルピロリドンなど、ならびにそれらの組合せが含まれる。
【0298】
一部の実施形態では、飼料添加物は、以下に限定されないが、結晶セルロース;ラクトース;クエン酸ナトリウム;炭酸カルシウム;リン酸水素カルシウムおよびグリシン;デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよびある特定の複合シリケートなどの崩壊剤;ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチンおよびアカシアなどの造粒結合剤;マルトデキストリンなどの増量剤;二酸化ケイ素などの水分捕捉剤;アスコルビン酸などの酸素捕捉剤;ならびに/またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクなどの滑沢剤を含めた、賦形剤(すなわち、1種または複数の賦形剤)を含む。
【0299】
一部の実施形態では、飼料添加物は、M.elsdenii細胞および/または飼料添加物を含むコア、ならびにコアの上にコーティングを含む細粒である。一部の実施形態では、コーティングは、水和されたバリア塩である。塩コーティングは、熱耐性の改善、保管安定性の改善、ならびにこれがない場合、M.elsdenii細胞および/または飼料添加物に対して(例えば、安定性に対して)有害な効果を有し得る、細粒中の他の構成成分からの保護をもたらすことができる。
【0300】
一部の実施形態では、フリーズドライM.elsdeniiは、以下に限定されないが、増殖基質、酵素、糖、炭水化物、抽出物および増殖促進性微量成分を含む、添加物の乾燥配合物と混和される。糖は、以下に限定されないが、ラクトース、マルトース、デキストロース、マルトデキストリン、グルコース、フルクトース、マンノース、タガトース、ソルボース、ラフィノース、アミロース、デンプンおよびガラクトースを含むことができる。糖は、個々にまたは組み合わせてのいずれかで、50~95%の範囲であり得る。抽出物は、以下に限定されないが、5~50%の範囲の酵母または乾燥酵母発酵可溶物を含むことができる。増殖基質は、以下に限定されないが、5~25%の範囲のトリプチケース;5~30%の範囲の乳酸ナトリウム;および1~5%の範囲のTween80を含むことができる。炭水化物は、以下に限定されないが、マンニトール、ソルビトール、アドニトールおよびアラビトールを含むことができる。炭水化物は、個々にまたは組み合わせて、5~50%の範囲であり得る。微量成分は、以下に限定されないが、0.5~5.0%の範囲の炭酸カルシウム;0.5~5.0%の範囲の塩化カルシウム;0.5~5.0%の範囲のリン酸二カリウム;0.5~5.0%の範囲のリン酸カルシウム;0.25~1.00%の範囲のマンガンタンパク質;および0.25~1.00%の範囲のマンガンを含むことができる。
【0301】
一部の実施形態では、M.elsdenii飼料添加物は、細胞および/またはフリーズドライ細胞を含む培養物を含むM.elsdenii細胞を飼料添加物の任意の追加の構成成分(例えば、担体および/または賦形剤)と混合すること(例えば、ミキサーにより)によって調製される。一部の実施形態では、構成成分は混合されて、均一混合物が得られる。
【0302】
一部の実施形態では、飼料添加物は、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞および担体を含むトップドレス動物用飼料添加物(例えば、フリーズドライ細胞)である。一部の実施形態では、担体は、乳清、マルトデキストリン、スクロース、デキストロース、石灰岩(すなわち、炭酸カルシウム)、もみ殻、酵母培養物、乾燥デンプンおよびナトリウムシリカアルミネート、ミルク、水ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0303】
一部の実施形態では、動物用飼料添加物は、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)および水溶性担体を含む代用乳のドレンチ剤、噴霧剤または補助食品である。一部の実施形態では、担体は、乳清、マルトデキストリン、スクロース、デキストロース、乾燥デンプン、ナトリウムシリカアルミネート、ミルク、水およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0304】
一態様では、本発明は、M.elsdenii細胞(例えば、本明細書において開示されているフリーズドライ細胞、例えば本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライ細胞)および/または本明細書において開示されている飼料添加物を含む食物(例えば、動物用飼料)を対象とする。食物生成物は、動物消費(すなわち、非ヒト動物またはヒト)用の任意の食物であり、固形組成物と液体組成物の両方を含む。食物は、以下に限定されないが、一般的な食物;水、ミルク、ビバレッジ、治療用飲料および栄養飲料を含む液体生成物;機能性食物;補助食品;栄養補助食品;早産児用の調製粉乳を含めた乳児用(すなわち、非ヒトおよびヒト乳児を含む)調製粉乳;妊娠または授乳動物用の食物;成体動物用の食物;ならびに老年用食物を含む。一部の実施形態では、食物は、飼料添加物を含む液体(例えば、飲料、例えば、水、ミルクまたは代用乳)を含む。
【0305】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)および/または飼料添加物を含む組成物を対象とする。一部の実施形態では、組成物は、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞を含む。
【0306】
一部の実施形態では、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)および/または飼料添加物は、任意の公知技法によって、組成物の要件に基づいて、さらに化学的もしくは物理的に修飾され得るか、または加工され得る。
【0307】
本発明の組成物は、1種または複数の賦形剤を含むことができる。一部の実施形態では、賦形剤は、以下に限定されないが、アルカリ剤、安定剤、抗酸化剤、付着剤、分離剤、コーティング剤、外部相構成成分(exterior phase component)、制御放出構成成分、溶媒、界面活性剤、保湿剤、緩衝化剤、充填剤、エモリエント、またはそれらの組合せであり得る。賦形剤は、本明細書において議論されているものに加えて、以下に限定されないが、Remington: The Science and
Practice of Pharmacy、第21版(2005年)に列挙されている賦形剤を含むことができる。本明細書における特定の分類中の賦形剤(例えば、「溶媒」)を含ませることは、賦形剤の役割を制限するのではなく、例示することを意図している。特定の賦形剤は、複数の分類に収まり得る。
【0308】
一部の実施形態では、組成物は、医薬組成物(例えば、非ヒト動物またはヒトの処置のための)である。一部の実施形態では、組成物は、医療用食物(例えば、獣医学的食物)である。医療用食物は、医師(例えば、獣医師)の管理下で、消費されるまたは外部から投与される組成物中に存在する、および認識されている科学的原理に基づいた独自の栄養上の要件が、医療的評価によって確立されている、状態の特定の食事管理を意図する食物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態では、用語「薬学的に許容される」は、連邦または州政府の規制機関により承認を受けている、または動物、より特にヒトにおいて使用するために米国薬局方もしくは他の一般に認識されている国際薬局方に列挙されていることを意味する。
【0309】
組成物の経口投与の場合、M.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)または飼料添加物は、当技術分野で周知の賦形剤と組み合わされ得る。このような担体により、本発明のM.elsdenii細胞または飼料添加物を、例えば、処置される対象による経口摂取のための、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液剤などとして配合することが可能となり得る。一部の実施形態では、組成物は、錠剤、丸剤、カプレット剤またはカプセル剤である。好適な賦形剤は、以下に限定されないが、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールを含む糖;以下に限定されないが、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、ガムトラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物などの充填剤を含むが、これらに限定されない。所望の場合、以下に限定されないが、架橋ポリビニルピロリドン、寒天もしくはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を添加することができる。経口的に使用され得る組成物は、以下に限定されないが、ゼラチンから作製されたカプセル剤、ならびにゼラチン、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤から作製された軟質密封カプセル剤を含む。一部の実施形態では、剤形は、菜食主義者用剤形であり、この場合、剤形は、動物源に由来する任意の構成成分から形成されておらず、これらを含有しない。一部の実施形態では、菜食主義者用剤形は、菜食主義者用カプセル剤である。
【0310】
一態様では、本発明は、M.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)および/または本明細書において開示されている飼料添加物を含むカプセル剤を対象とする。一部の実施形態では、カプセル剤は、ゼラチンカプセル剤である。一部の実施形態では、カプセル剤は、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、または本明細書において開示されている飼料添加物を含む。一部の実施形態では、カプセル剤は分解性である。一部の実施形態では、カプセル剤は、分解性ゼラチンカプセル剤である。
【0311】
別の態様では、本発明は、嫌気性細菌細胞を含むカプセル封入したフリーズドライ組成物であって、フリーズドライ粉末が、加熱油にフリーズドライ粉末を分注することによってカプセル封入される、カプセル封入したフリーズドライ組成物を対象とする。別の態様では、本発明は、M.elsdenii細胞を含むカプセル封入したフリーズドライ組成物であって、フリーズドライ粉末が、加熱油にフリーズドライ粉末を分注することによってカプセル封入される、カプセル封入したフリーズドライ組成物を対象とする。
【0312】
別の態様では、本発明は、本明細書において開示されている、M.elsdenii細胞、飼料添加物、食物および/または組成物を含むキットまたはパッケージを対象とする。キットまたはパッケージは、飼料添加物、食物、組成物またはそれらの組合せのユニット(例えば、1つまたは複数のユニット)を含むことができる。一部の実施形態では、キットは、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライ細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されているカプセル剤を含む。
動物に嫌気性細菌細胞、好気性細菌細胞および/または酵母細胞を投与する方法
【0313】
一態様では、本発明は、動物にM.elsdenii細胞を投与する方法を対象とする。
【0314】
一態様では、本発明は、動物にMegasphaera細胞を投与する方法を対象とする。
【0315】
一態様では、本発明は、動物に嫌気性細菌細胞を投与する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、動物に、B.breveなどのBifidobacterium細胞、L.plantarumなどのLactobacillus細胞、B.animalis
subsp.lactisなどのBifidobacterium細胞、P.acidilacticiなどのPediococcus細胞、L.casei細胞などのLactobacillus細胞を投与する方法を対象とする。
【0316】
一態様では、本発明は、動物に好気性細菌細胞を投与する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、動物にB.subtilis細胞などのBacillus細胞を投与する方法を対象とする。
【0317】
一態様では、本発明は、動物に酵母細胞を投与する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、動物にS.boulardiiおよびS.cerevisiae細胞などのSaccharomyces細胞を投与する方法を対象とする。
【0318】
一部の実施形態では、方法は、動物に、本明細書に記載されているM.elsdenii細胞、飼料添加物、食物、または組成物(例えば、カプセル剤)を投与するステップを含む。
【0319】
投与は、例えば、経口的なもの(すなわち摂取可能な液体もしくは固体、経口用ドレンチ剤、飼料添加物、食物、組成物またはカプセル剤)を含めた適合可能な任意の経路によって、または身体上に噴霧する(すなわち、ミスト噴霧することによって)および/もしくは注射によることができる。
【0320】
一部の実施形態では、方法は、M.elsdenii細胞を含む固体、液体またはゲルを投与するステップを含む。
【0321】
一部の実施形態では、方法は、細胞を含む固形飼料添加物を投与するステップを含む。一部の実施形態では、固形飼料添加物は、粉末(例えば、流動性粉末)、細粒(すなわち、顆粒)、粒子(すなわち、微粒子)、ペレット、ケーキ、水溶性濃縮物、ペースト、ボーラス、錠剤、微粉、それらの構成成分またはそれらの組合せである。
【0322】
一部の実施形態では、方法は、細胞を含む液体飼料添加物を投与するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、細胞を液体で投与するステップを含む。一部の実施形態では、液体は、溶液(例えば、水性、有機または水性有機溶液)、懸濁液、エマルション、ドレンチ剤、噴霧剤、注射剤、飲料(例えば、代用乳)、それらの構成成分またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、液体は、経口的に、または動物に液体を噴霧することによって投与される。
【0323】
一部の実施形態では、方法は、M.elsdenii細胞、または細胞を含む飼料添加物を、動物用飼料に添加するために、別の動物用飼料添加物と組み合わせて、補助食品またはプレミックスを形成するステップを含む。一部の実施形態では、他の飼料添加物は、M.elsdenii以外の細胞を含む。
【0324】
一部の実施形態では、M.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)は、液体(例えば、ブロス中、または例えば、再水和フリーズドライ細胞を含めたブロス等価物)、復元細胞ペーストとして、または凍結乾燥(例えば、フリーズドライ)細胞として、飼料添加物に添加され得る。フリーズドライM.elsdeniiを含む微生物はまた、飼料添加物への添加前に、カプセル封入され得る。剤形(例えば、所定の体積のドレンチ剤またはカプセル剤)もまた、形成され得、所望の場合、微生物は、動物用飼料の上から液体ブロスおよび/もしくはフリーズドライ細胞をまき散らすことにより、または飼料に混合することによって、飼料に、直接添加され得る。
【0325】
一部の実施形態では、方法は、固形飼料添加物(例えば、粉末、顆粒、微粒子、ペレット、ケーキ、フリーズドライ細胞またはそれらの組合せ)を再水和して、投与用の液体を生成するステップを含む。
【0326】
一部の実施形態では、方法は、バッチごとを含めて、固形飼料添加物またはフリーズドライ細胞を再水和する送達系により、動物用飼料にM.elsdenii細胞を適用するステップを含む。例えば、フリーズドライ粉末は、粉末を希釈し、これを混合される飼料に噴霧するフラッシングシステムにポリビニル製ホッパーから予測することができる。
【0327】
一部の実施形態では、方法は、保管用ビンを備える体積計量用装置を使用して、動物用飼料にM.elsdenii細胞を適用するステップを含む。例えば、フリーズドライ細胞(例えば、細胞を含む粉末)は、保管用ビン中で保管され、動物用飼料に噴霧される直前に、水または水浴に投入され得る。
【0328】
一態様では、本発明は、動物の胃腸管における乳酸産生に関連する状態または障害を処置または予防するための方法であって、動物に、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物(例えば、カプセル剤)の有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0329】
一部の実施形態では、状態または障害は、アシドーシスである。一部の実施形態では、状態または障害は、第一胃アシドーシスである。一部の実施形態では、状態または障害は、呼吸器疾患である。一部の実施形態では、状態または障害は、蹄葉炎である。一部の実施形態では、状態または障害は、感染症である。一部の実施形態では、感染症は、SalmonellaまたはCampylobacterによるものである。一部の実施形態では、Salmonellaは、Salmonella entericaおよび/またはSalmonella bongoriである。一部の実施形態では、Salmonella血清型は、Salmonella Typhimuriumおよび/またはEntiritidisである。一部の実施形態では、Campylobacterは、Campylobacter jejuniまたはCampylobacter coliである。
【0330】
別の態様では、本発明は、動物の胃腸管における日和見微生物の増殖を予防するまたは低下させるための方法であって、動物に、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物の有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。
【0331】
一部の実施形態では、日和見微生物は、病原性である。一部の実施形態では、日和見微生物は、SalmonellaまたはCampylobacterである。一部の実施形態では、Salmonellaは、Salmonella entericaおよび/またはSalmonella bongoriである。一部の実施形態では、Salmonella血清型は、Salmonella Typhimuriumおよび/またはEntiritidisである。一部の実施形態では、Campylobacterは、Campylobacter jejuniまたはCampylobacter coliである。
【0332】
別の態様では、本発明は、動物の食餌における植物由来のリンの生体利用率を改善する方法であって、動物に、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物の有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。一部の実施形態では、M.elsdenii細胞は、フィターゼ活性を含む。一部の実施形態では、方法は、M.elsdenii細胞の非存在下で、動物用食餌の投与に起因する環境上のリン廃棄物を低減する。
【0333】
別の態様では、本発明は、動物の成長成績を改善する方法であって、動物に、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物の有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。一部の実施形態では、動物の成長成績の改善は、飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、飼料転換比、枝肉の重量増加、ミルク生産動物におけるミルク生産量、家禽における産卵数、骨石灰化またはそれらの組合せの改善である。
【0334】
別の態様では、本発明は、動物の胃腸管下部を酸性化する方法であって、動物に、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物の有効量を投与するステップを含む方法を対象とする。一部の実施形態では、胃腸管下部は、家禽動物の盲腸である。
【0335】
一部の実施形態では、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物または本明細書において開示されている組成物は、動物に食物を与える前、それと同時に、またはその後に投与される。
【0336】
一部の実施形態では、方法は、投与前に、本明細書において開示されているフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライ細胞または本明細書において開示されている固形飼料添加物を液体と混合するステップをさらに含む。
【0337】
一部の実施形態では、液体は、経口(例えば、経口用ドレンチ剤)的に、または動物に液体を噴霧する(例えば、ミスト噴霧することによって)ことにより投与される。
【0338】
一部の実施形態では、方法は、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物の単回投与を含む。
【0339】
一部の実施形態では、方法は、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物の毎日の投与を含む。一部の実施形態では、投与は、少なくとも毎日1回、少なくとも毎日2回、少なくとも毎日3回、または毎日3回より多い。一部の実施形態では、投与は、自由(例えば、M.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、飼料添加物または組成物を含む、利用可能な液体を飲むまたは利用可能な食物を食することによる自己投与)である。
【0340】
一部の実施形態では、方法は、1日に、本明細書において開示されているM.elsdenii細胞(例えば、フリーズドライ細胞)、本明細書において開示されている方法によって生成されるフリーズドライM.elsdenii細胞、本明細書において開示されている飼料添加物、または本明細書において開示されている組成物の1回より多い投与を含む。一部の実施形態では、投与は、1日に、2回、3回、4回、5回、6回またはそれより多い投与である。一部の実施形態では、方法は、1日に1回より多い投与の後、投与なしの1日または複数日を含む。一部の実施形態では、投与なしの1日または複数日は、投与なしの1、2、3、4、5または6日間、1週間、2週間、3週間または4週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月または6か月である。
【0341】
一部の実施形態では、動物は、反芻動物である。一部の実施形態では、反芻動物は、以下に限定されないが、ウシ、バッファロー、ヒツジ、ヤギ、シカ、トナカイ、オオジカ、キリン、ヤクおよびヘラジカであり得る。一部の実施形態では、反芻動物は、ウシ、バッファロー、ヒツジ、ヤギ、シカおよびトナカイからなる群から選択される。
【0342】
一部の実施形態では、動物は、非反芻動物である。一部の実施形態では、非反芻動物は、以下に限定されないが、ウマ科、家禽、ブタ、イヌおよびネコであり得る。一部の実施形態では、非反芻動物は、ウマ科、家禽およびブタからなる群から選択される。
【0343】
一部の実施形態では、動物は、動物園の動物である。
【0344】
一部の実施形態では、動物は、家禽動物である。一部の実施形態では、家禽動物は、以下に限定されないが、ニワトリ、ガチョウ、アヒル、ウズラ、シチメンチョウ、ハト、エミューまたはダチョウを含めた、食用動物として使用される、鳥類(すなわち、トリ)である。一部の実施形態では、家禽動物は、ニワトリ、ガチョウ、アヒル、ウズラ、シチメンチョウまたはハトからなる群から選択される。一部の実施形態では、家禽動物は、ブロイラー、ブロイラー種ニワトリおよび産卵用ニワトリからなる群から選択される。一部の実施形態では、家禽動物は、ニワトリである。
【0345】
一部の実施形態では、動物は、ウマ科である。一部の実施形態では、ウマ科は、ウマ、ポニー、ロバまたはラバである。
【実施例0346】
これより、以下の実施例を参照するが、これらの実施例は、上の説明と共に、本発明の一部の実施形態を非限定的様式で例示する。
(実施例1)
M.elsdeniiの液体培養物の収量に対する温度の効果
【0347】
0、7、14、21および28日後に、M.elsdenii NCIMB41125の液体培養物(Lactipro(登録商標))中の細胞の生存率を評価するため、4℃、20℃および39℃の保管温度を試験した。結果により、4℃において生成物を保管すると、サンプリング日に関係なく、20℃または39℃での保管に比べて、培養物の生存率が大幅に改善(P<0.001)することが明らかになった。28日後、4℃で保管した生成物は、20℃または39℃で保管した生成物の場合、それぞれ1ミリリットルあたり1.26×10および6.3×10のコロニー形成単位(CFU/mL)と比べて、3.98×10CFU/mLを有した(P<0.01;図1)。したがって、結果は、保管温度を低下すると、M.elsdenii NCIMB41125の液体培養物の生存率が改善することを示す。
【0348】
別個の研究からの追加データにより、室温において0、7、14、21および28日間保管した後に、液体培養物中のMegasphaera elsdenii NCIMB41125(Lactipro advance(登録商標))の収率は、低下することが示される(図2)。
(実施例2)
M.elsdeniiの培養物を濃縮するためのタンジェンシャルフロー濾過の使用
【0349】
タンジェンシャルフロー濾過(TFF)を、ハイスループットで多量の培養物を濃縮するための方法として検討した。
【0350】
パイロットスケールのTFFシステム(図3を参照されたい)を、M.elsdeniiの生産ラインに統合し、500リットル(L)の生産実施について試験し、70%、80%および90%の体積低下レベルでパイロットスケールシステムを評価した。1つのRC100kDa膜(0.875mmのチャネル高さ)を備えるTFFモジュールを使用した。合計で9回の実施に対する各低下レベルについて、3回の生産実施を行った。各実施のため試料を採集し、pH、光学密度(OD)、好気性汚染物の有無、オスモル濃度、揮発性脂肪酸プロファイル、M.elsdenii濃度および増殖特徴について分析した。濾過の開始前の9つのM.elsdenii培養物(「非フリーズドライ」)、システムにより除去された体積である透過液(「透過液」)から、および体積低下後に残留している細胞を含む濃縮M.elsdenii培養物体積である保持液(「保持液」)から試料を採集した。
【0351】
濃縮プロセスの初期、中期および終期に採集した透過液試料は、体積低下レベル全体にわたり、一貫したOD読取り値を有しており、すべてが、0.045未満であった(データは示さず)。濃縮プロセスにわたって透過液中で回収されたM.elsdeniiの量は増加した(P=0.0006)が、保持液中で採集した細胞の量と比べて、依然として無視できた(3×10CFU/mL未満)(<0.002%)。体積低下レベルは、透過液中で回収したM.elsdenii濃縮物に対して効果を有しなかった(P>0.9;表2)。
【表2】
【0352】
保持液中のM.elsdeniiの収量は、各バッグ詰めプロセスの初期、中期または終期に採集したバッグで差異はなかった(P=0.6088;データは示さず)。保持液の収量は、体積低下レベルによって影響を受けた(P<0.0001;表2および図4)。90%の体積低下保持液は、70%および80%の体積が低下した保持液よりも高い収量を有した(P<0.0001)。しかし、70%および80%の保持液は、互いに差異はなかった(P>0.09)。
【0353】
濾過プロセスは、SDL-20培地に戻して接種した場合、M.elsdenii細胞が増殖する能力に影響を及ぼさなかった(表3)。対数期の傾きは、体積低下レベルによって影響を受けなかった(P>0.3)が、試料のタイプによって影響を受けた:「保持液」対「非フリーズドライ」(P<0.001)。時間のずれは、体積低下レベルおよび試料タイプの両方によって影響を受けた(P<0.001)。保持液に関する時間のずれは、体積低下の増加に伴って低下し、これは、より高い細胞濃度を代表した。
【表3】

(実施例3)
M.elsdeniiに関する凍結およびフリーズドライパラメーター
A.保持液の凍結およびフリーズドライ
【0354】
TFFによって得られた保持液を使用して、凍結プロトコール、凍結保護物質の含有、および様々なフリーズドライパラメーターを試験した。
【0355】
保持液を滅菌、脱気した血清ボトルに移し、様々な凍結保護物質配合物(w/v):凍結保護物質なし(Ctrl)、脱脂粉乳(SM)、トレハロース(T)およびベタインと無菌混合した。適切な凍結保護物質と混合した保持液をサンプリングして、フリーズドライ前のM.elsdenii濃度(すなわち、生存数)を決定した。混合物を10mLのバイアル(4mL/バイアル)に移して、液体窒素中で急凍結するか、または-80℃で一晩、ゆっくりと凍結した。緩慢または急速なサイクルのいずれかを使用して、バイアルを凍結乾燥させるフリーズドライ機に移した。フリーズドライが完了すると、嫌気性チャンバー中の凍結乾燥生成物を嫌気性希釈剤で再懸濁して、これを室温で40分間再水和し、次いで、SDL20寒天にプレート培養することによって、細菌の生存を決定した。
【0356】
細胞喪失は、フリーズドライ後に回収されたM.elsdeniiの濃度を凍結保護物質と混合したまたは混合しない対応する保持液中で測定されるM.elsdeniiの初期濃度から減算することにより算出した。SAS(登録商標)ソフトウェアを使用して、体積低下レベル(70%、80%または90%)、フリーズドライサイクル(緩慢対急速)、凍結方法(-80℃対液体窒素)、凍結保護物質(なし、ベタイン、トレハロース、脱脂粉乳、マルトデキストリン、トレハロース/脱脂粉乳(T/SM)およびマルトデキストリン/脱脂粉乳(M/SM))の間での相互作用を分析することにより、細胞喪失データを算出した。
【0357】
他の基準にかかわらず、対照処置(凍結保護物質なし)において観察された細胞喪失は、5Log(CFU/mL)またはそれより高かった。同様に、他の基準にかかわらず、ベタイン処置において観察された細胞喪失は、3.96Log CFU/mLまたはそれより高かった。許容される細胞喪失限界値は、1.6log CFU/mLに設定した。T/SMまたはM/SMと混合した保持液は、緩慢または急速サイクルを使用して、-80℃で凍結してフリーズドライしたT/SMを除いて、使用したフリーズドライサイクルまたは凍結方法にかかわらず、すべてがその閾値未満であった(図5)。
B.保管に対するフリーズドライ条件の効果
【0358】
Megasphaera elsdenii NCIMB41125を、濾過装置を使用して10×に濃縮し、様々な特徴:急速または緩慢な初期凍結(液体窒素対-20℃)、トレハロースを用いるまたは用いない(0%、4%、7.5%および10%)、および穏やかまたは急速なフリーズドライサイクル(2×10-6Torrで38時間対135×10-6Torrで16.5時間)を試験するフリーズドライアッセイを行った。試験したフリーズドライプロセスはすべて、生成物を、再水和後、室温で4~12か月の長期保管後でさえも、培養物の増殖を開始するのに十分な生存率を保持させることができた。それでも、使用されるフリーズドライ特徴に依存する細菌生存率の差異が観察された(図6)。最終水分活性を0.04より高く維持する、緩慢凍結、7.5%トレハロース配合および穏やかなフリーズドライステップは、Megasphaera elsdeniiのより高い生存を伴った。
C.フリーズドライM.elsdeniiの生存率に対する凍結保護物質の効果
【0359】
遠心分離したM.elsdenii NCIMB41125細胞濃縮物を、凍結乾燥前に乳児用調製粉乳に再懸濁させて、細胞を続いて再水和させると、細胞生存率が1logしか低下しなかった。M.elsdenii濃縮物への4%のトレハロースおよび7.5%の脱脂粉乳の添加を試験した後、-80℃で緩慢凍結、または液体窒素中で急凍結して、初期凍結プロセス中に遭遇する細胞喪失を決定した。図7に示されている通り、4%のトレハロースまたは7.5%の脱脂粉乳と共に急凍結すると、生存細胞の最高回収率を得た(生存細胞数が0.79logの低下)。凍結保護物質を添加しない生成物は、使用した凍結技法にかかわらず、2.34~1.95log CFU/mLの間のMegasphaera elsdeniiを失った。
(実施例4)
フリーズドライM.elsdeniiの収量および安定性に対する保管条件の効果
【0360】
Megasphaera elsdenii NCIMB41125の増殖特徴および保存可能期間に対するフリーズドライプロトコールおよび保管条件の効果を決定するため、90%の体積低下から得られた保持液を、急速サイクルを使用して、8%トレハロース/15%脱脂粉乳(T/SM)または8%マルトデキストリン/15%脱脂粉乳(M/SM)と混合し、-80℃または液体窒素(LiqN)中で凍結し、フリーズドライした。次に、増殖曲線分析およびスプレッドプレート培養技法を使用して、0、2、4、8、12、16、20および24週間、好気性または嫌気性条件において、4℃または25℃で保管している間の、細菌の増殖特徴および細胞生存について、保持液試料を試験した。手短に述べれば、保管した生成物をサンプリングし、段階希釈し、SDL寒天プレートにプレート培養した。さらに、増殖培地(SDL)に再水和フリーズドライ生成物を接種(1:100)して、培養物が定常期に到達するまで、光学密度(OD、600nm)を記録した。実験を異なる3日間、繰り返し、すべての処置は、三連で行った。希釈しないと、吸光度は、脱脂粉乳の存在のために限界値を超えるので、増殖曲線を作製するため、再水和フリーズドライ試料を希釈した。増殖曲線の比較を容易にするため、対照として使用した非フリーズドライ試料に同じ希釈を行った。
【0361】
結果:試料をフリーズドライし、6か月間、好気性または嫌気性条件下で、室温または4℃で保管した。処置にかかわらず、好気性条件で保管した試料は、わずか2週間の保管後に、0.4~3.2Logの範囲の嫌気性相当物と比べて、急速に崩壊しさらなる細胞喪失を伴った。これらの結果に基づき、図面の明確さを改善するため、嫌気的に保管したフリーズドライ生成物において観察された細胞喪失のみ図8に提示する。嫌気性条件での保管の間、室温で保管した試料は、液体窒素中に凍結させたT/SM試料を除いて、4℃で保管したそれらの相当物よりも速く崩壊した。液体窒素中で凍結し、フリーズドライ後に室温で保管したT/SM試料は、16週間の保管期間にわたり、4℃で保管したそれらの相当物よりも統計的に多く細胞を失うことはなかった(P>0.1)。しかし、20週間の保管後に、室温と4℃での保管の間で、試料間の差異は顕著となり(P=0.0002)、20週間後に0.84logの差異、24週間の保管後に0.89logの差異となった。M/SM試料はすべて、それらのT/SM相当物よりも速く崩壊した。24週間の保管後(図9)、液体窒素中で凍結し、嫌気性条件下、4℃で保管したT/SM試料の細胞喪失は、他の処置のいずれよりもかなり低かった(P<0.02)。液体窒素中で凍結し、嫌気性条件下、4℃で保管したT/SM試料は、フリーズドライ前に観察されたM.elsdenii濃度に比べて、2.16logの喪失を有し、0.82log喪失が、24週間の保管期間から生じた。各サンプリング日に、フリーズドライ生成物と非フリーズドライ生成物との増殖特徴を比較するため、増殖曲線実験を行った。図10は、液体窒素中で凍結し、急速サイクル(250mTorrで18.5時間)でフリーズドライし、4℃または室温で嫌気的に保管した試料に関して作製した増殖曲線を示す。各増殖曲線に使用した非フリーズドライ試料は、「新しい」(2日間以下の古さ)であった。4℃で保管したフリーズドライ生成物は、室温で保管したフリーズドライ生成物よりも短い時間のずれを有し、これは、これらの試料において観察されたM.elsdenii濃度の差異と一致する(表4)。T/SM試料は、保管温度にかかわらず、16週間の保管後に、M/SM試料よりも短い時間のずれを有した。
【表4】
【0362】
12週間、25℃で保管した、非フリーズドライおよびMSM処置、ならびに16週間、20℃で保管したMSM処置の傾きは、異常に低かった(表5)。20および24週間の保管後、フリーズドライ試料の対数期の傾きは、非フリーズドライ対照と、数字上、差異はなかった。
【表5】

(実施例5)
ウシにおけるフリーズドライM.elsdeniiの効力および安全性
A.フリーズドライ生成物の調製および保存可能期間。
【0363】
実験の開始の56日前に、前もって再水和したM.elsdenii培養物(再水和およびトップドレス処置のため)としてこの試験において使用したバイアルを調製し、使用を待つ間、4℃で冷蔵庫で保管した。各バイアルは、5mLのフリーズドライ生成物の等価物を含有した。バイアルを、6つの異なるフリーズドライの実施で、フリーズドライした。各実施について、3つのバイアルをフリーズドライ後に再水和し、3つの追加のバイアルを、研究の当日に再水和し、バイアルあたりのM.elsdenii濃度を決定した(表6)。再水和およびトップドレス群からの動物各々に、1.84×1010CFUのM.elsdeniiに等価なバイアルの内容物をドレンチで与えた。
【表6】
【0364】
実験の開始後、実施#5および#6からの余分のバイアルを4℃で維持し、これらの実施の各実施からの3つのバイアルを、毎月、再水和した(図11)。
【0365】
バイアル中のM.elsdenii濃度は、4℃で11か月間の保管の間、4.96×1010CFU/gから4.17×1010CFU/gに変化し、わずか0.07logの収量喪失を示した。
【0366】
実験の開始の約30日前に、毎日のトップドレスM.elsdenii培養物としてこの試験において使用した生成物(トップドレス処置)を調製し、ポリフォイルバッグ中で、冷蔵庫に保管した。トップドレス生成物を、6つの異なるフリーズドライの実施においてフリーズドライし、15個の個々のポリフォイルバッグ(飼料に対して1バッグ/日)にパッケージングし、窒素でフラッシュし、密封し、使用するまで-80℃に保管した。各フリーズドライの実施について、3つのパッケージを、フリーズドライ後に再水和した。平均M.elsdenii濃度は、4×1010CFU/パッケージであった。3つの追加のパッケージを各週の開始時に再水和し、使用して、M.elsdenii細胞に再水和溶液を添加し、細胞を40分間置き、細胞を希釈させ、細胞をプレート培養することによって、毎日、動物に与えたM.elsdenii濃度を決定した(図12)。統計分析により、経時的な細胞濃度の増加が示された。生成物はすべて、研究の開始の30日前に調製し、トップドレスとして使用した生成物は、研究の終わりには、約80日の古さであった。動物は、毎日、平均で2.19×10CFUのM.elsdeniiを受けた(2.45×1010CFU/パッケージ)。
B.ウシでの研究
【0367】
去勢牛(n=462;初期体重900lbs)を体重ごとにブロック分けして、Megasphaera elsdeniiを受けない対照群(17の畜舎;7頭/畜舎);前もって2×10CFU/mL(1010CFUのMegasphaera elsdenii NCIMB41125)を含有する50mLのM.elsdenii生成物を受けた非フリーズドライ群(16の畜舎;7頭/畜舎);前もって、投与直前に再水和した凍結乾燥培養物(1010CFUのMegasphaera elsdenii NCIMB41125)を受けた再水和群(16の畜舎;7頭/畜舎);ならびに前もって、投与直前に再水和された凍結乾燥培養物(1010CFUのMegasphaera elsdenii NCIMB41125)、および研究期間の間、毎日、トップドレスとして食餌に配合した凍結乾燥生成物(10CFUのMegasphaera elsdenii NCIMB41125、毎日;17の畜舎;7頭/畜舎)を受けたトップドレス群からなる4つの処置の1つに無作為に割り当てた。去勢牛の非フリーズドライ群、再水和群およびトップドレス群を、前もってMegasphaera elsdeniiのドレンチ剤を受けた後に10日間のステップアッププログラムに入れた一方、対照群は、21日間のステップアッププログラムに入れた。最初の配給分を与えて26時間後に、第一胃穿刺により第一胃液を抽出した。pH、揮発性脂肪酸濃度、内毒素レベルおよびin vitroでの消失アッセイにおける乳酸の利用能に関して、第一胃液の試料を分析した。ラクテート消失アッセイに関すると、半規定ラクテート培地を含有する10本の10mL管に、0.1mLの第一胃液を接種した。6時間ごとに、24時間、二連で光学密度を測定し、一次基質として、乳酸による増殖の能力を評価した。乳酸濃度を続けて決定するため、光学密度を観察した直後に、管を冷凍庫に入れた。畜舎あたり1頭の去勢牛に、連続高周波ボーラスを装着し、56日間の研究にわたり、pH測定値を追跡した。0、28および56日目に去勢牛を秤量して、1日あたりの平均体重増加、乾燥物質の摂取および飼料効率を決定した。
【0368】
動物によって摂取された生存可能なM.elsdeniiを評価するため、フリーズドライ生成物を、アルミニウム製鍋中で無菌化粉砕トウモロコシにトップドレスして、実験室中または日なたの室外で周囲大気への曝露の0、1、2および4時間後に試料を採集した。この実験を、2016年7月および8月にわたって、4回繰り返した(図13)。統計分析により、曝露時間対保管条件の相互作用(P=0.0007)、曝露時間の効果(P<0.0001)および保管条件の効果(P<0.0001)が明らかになった。粉砕トウモロコシと混合し、実験室中の大気に曝露したフリーズドライ生成物中のM.elsdenii濃度は、4時間の曝露中、数値的に低下したが、その初期濃度から著しい差異はなかった。室外条件に曝露した試料中のM.elsdenii濃度は、かなり速く低下した。1時間の曝露後、最初に存在したM.elsdeniiの6.4%のみが回収された。室外条件に曝露した試料中のM.elsdenii濃度は、初期濃度、ならびに2および4時間の曝露後に室温で維持したそれらの相当物と著しい差異があった。これらの試料中のM.elsdenii濃度は、大きな標準偏差によって示される通り、実験ごとに非常に変動があった。これは、室外条件(熱および湿度)の差異に起因している可能性があるが、熱および湿度に多少なりとも耐性を有し得る、使用されたフリーズドライ生成物の差異によっても起因している可能がある。動物研究の間に、給餌直前に、フリーズドライ生成物を粉砕トウモロコシと混合し、次いで、試料を飼い葉桶に入れた際に、速やかにトップドレスした。動物は、粉砕トウモロコシに飛びつき、その結果、フリーズドライ生成物は、混合後、1時間未満に摂食された可能性が高かった。生成物は1時間以内に摂食されたと仮定すると、動物は、約1.4×10CFU/頭/日の生存細胞を受けたはずである(トップドレス生成物2.2×10CFU/頭/日中、6.4%の平均濃度)。
【0369】
M.elsdenii処置した去勢牛の加速ステップアップにより、類似した28日間の体重(P=0.53;表7)、1日あたりの平均体重増加(P=0.71)および飼料効率(P=0.69)がもたらされた。トップドレス処置は、対照よりも乾燥物質の摂取は低かった(P=0.05)。給餌の最初の56日間にわたる飼養場成績は、処置間で類似した結果を生じた(P>0.10)。保守的な21日間のステップアップ期間を受けた対照の場合、処置間のこれらの類似性により、ウシの健康または飼養場成績に悪影響を及ぼすことなく、M.elsdenii処置の3つの形態のいずれかを使用する加速ステップアッププログラムが実施可能であることが示される。
【0370】
第一胃液のpH(最初の食餌を与えて26時間後に抽出)は、処置間で類似した(P>0.10;表8)。合計のVFA濃度に差異があり、トップドレス処置は、他の処置よりも著しく高かった(P<0.01)。トップドレス処置は、再水和処置よりも高いアセテート濃度を有した(P=0.02)。アセテート濃度に著しい差異があったが、アセテート:プロピオネートの比は、処置間で類似した(P=0.96)。他のVFAは、処置間で類似した(P>0.18)。
【0371】
第一胃液中の内毒素濃度(最初の食餌を与えて26時間後に抽出)は、処置間で類似した(P=0.3462;表14)。第一胃内の細菌溶解の指標として、内毒素レベルを測定した。アシドーシスに罹患している動物は、150,000EU/mLを超える内毒素レベルを有することが報告されている。この研究において測定された内毒素レベルは、処置にかかわらず、すべてがその閾値未満であった。
【0372】
32の畜舎中の各々における1頭の去勢牛に、56日間の研究にわたり、1時間ごとに、第一胃のpH測定値を報告する、留置型第一胃pHプローブ(8頭の去勢牛/処置)を装備した(図15)。各処置の第一胃の平均pH測定値を、図15中に、1時間の間隔で報告する。第一胃のpHに関して、処置対日の相互作用(P<0.01)を検出した。第一胃のpHに対する処置(P<0.01)および給餌日(P<0.01)の効果もあった。M.elsdenii処置の加速ステップアップにより、第一胃の平均pHは、臨床的アシドーシスの状態へと低下しなかった。給餌日数が増加するにつれて、凍結乾燥処置(再水和物およびトップドレス)は、対照および非フリーズドライ処置のそれよりも高い第一胃のpHを維持する。
【表7】

【表8】
【0373】
光学密度測定を24時間の期間にわたり6時間の間隔で観察して、半規定ラクテート培地に接種した混合第一胃微生物の増殖曲線を決定し、これらのデータを図16に提示する。処置と検出時間との間に相互作用があった(P<0.02)。処置(P<0.01)および時間(P<0.01)の個々の効果も見出された。再水和フリーズドライが、毎日フリーズドライ(P<0.02)および対照(P=0.007)よりも高い場合、12時間まで、処置間の差異は検出されなかった。24時間時に、M.elsdenii処置間に差異はなかったが(P>0.10)、対照処置は、M.elsdenii処置のすべてよりも微生物増殖は著しく低かった(P<0.01)。
【0374】
図17は、混合第一胃微生物を接種して、0、6、12、18または24時間、インキュベートした半規定ラクテート培地のL-ラクテートの消失を例示する。処置と時間との間の相互作用が、処置(P=0.01)およびインキュベーション時間(P<0.0001)の効果と共に検出された(P=0.007)。非フリーズドライ処置は、時間0において他の処置よりも低いL-ラクテートを含有した(P=0.04)。L-ラクテートの濃度は、6、12および18時間の時間点にわたり、処置間で類似した(P>0.10)。上記の光学密度の結果と同様に、対照の去勢牛に由来する第一胃の微生物は、24時間のインキュベーション時に合計で、M.elsdenii処置よりもラクテートの利用が少なかった(P<0.003)一方、M.elsdenii処置間で差異は検出されなかった(P>0.10)。これらのデータは、M.elsdeniiにより処置された去勢牛に由来する第一胃の微生物は、対照の去勢牛に由来する微生物よりも半規定ラクテート培地中で効率的に増殖していることを例示しており、これらの処置において乳酸利用能力がより高いことを示唆している。さらに、Megasphaera処置は、L-乳酸の利用能力に関して類似した。
【0375】
光学密度およびラクテート消失アッセイに使用した試料に関して、VFA濃度を測定し、表9に提示する。全VFA(P=0.002)、アセテート(P=0.0002)、イソブチレート(P=0.04)、ブチレート(P<0.0001)、イソバレレート(P=0.0007)およびバレレート(P<0.0001)の濃度に関して、ならびにアセテート:プロピオネートの比(P=0.02)に関して、処置対時間の相互作用が検出された。時間の効果は、全VFAおよびすべての個々のVFA(P<0.0001)に関して見出された。処置間の差異は、イソブチレート(P=0.02)、ブチレート(P=0.0004)、およびバレレート(P=0.001)に関して見出された。18時間時のイソブチレートの濃度は、対照および再水和と比べた場合、非フリーズドライ群およびトップドレス処置群(それぞれ、P<0.005およびP<0.004)では、より低かった。24時間の時間点において、トップドレスは、非フリーズドライおよび再水和処置よりも少ないイソブチレートを有したが(P=0.002)、対照と類似した(P>0.10)。再水和試料のブチレート濃度は、18時間のインキュベーション後に、トップドレスのそれよりも高かった(P=0.02)。対照処置は、24時間で、M.elsdenii処置(P<0.0001)よりも少ないブチレートを生成した。ブチレートの差異は、再水和処置よりも高い濃度を含有する非フリーズドライ試料の場合、この時間点でも、Megasphaera処置の間で検出された(P=0.01)。18時間により、他の処置と比べた場合、再水和に対してバレレート濃度がより低いことが明らかになった(P=0.01)。24時間のインキュベーション時に、バレレートおよびブチレートの濃度に関して、類似の観察を行った。対照は、すべてのM.elsdenii処置よりもバレレートを少なく含有した(P<0.0001)一方、濃度は再水和中よりも非フリーズドライ試料中での方が高かった(P=0.03)。他のVFAの場合、処置の主な効果は検出されなかった(P>0.05)。無視できる濃度のイソカプロエート、カプロエートおよびヘプタノエートが測定された。アセテート:プロピオネートの比、および時間の効果(P>0.0001)に関する処置×時間相互作用(P=0.02)が見出されたが、処置間で類似した(P=0.57)。
【表9-1】

【表9-2】

(実施例6)
Megasphaera elsdeniiのフィターゼ活性
【0376】
M.elsdenii細胞のin vitroフィターゼ活性を評価した。
【0377】
Megasphaera elsdenii NCIMB41125細胞を、リン源として無機リン酸塩(KHPO)またはフィチン酸塩のいずれかを含有する半規定ラクテート培地中で、本明細書に記載されている通り、嫌気性条件下で培養した。培養の開始(0時間)から8時間まで、2時間の間隔で、1ミリリットル(mL)の試料を培養物から取り出し、遠心分離して細胞ペレットを形成した。次いで、モリブデン青法を使用して細胞ペレット中のフィターゼ活性を決定した。Yankeら、Microbiol.144巻:1565~1573頁(1998年)を参照されたい。手短に述べれば、pH5.0、37℃で30分以内のインキュベーションで酵素的開裂によって放出された無機リン酸塩を、700ナノメートル(nm)で分光測定法によって定量化し、標準曲線と比較した。フィターゼ活性は、試験条件下、1分あたりに細胞ペレットから放出された無機リンの量として決定した。
【0378】
図18は、フィチン酸塩の存在下または非存在下のいずれかで、Megasphaera elsdenii細胞の増殖により、顕著なフィターゼ活性がもたらされることを示し、これは、(1)Megasphaera elsdenii NCIMB41125細胞が、フィターゼを産生する、(2)フィターゼ産生が、培地中のリンの存在により阻害されない、および(3)Megasphaera elsdeniiによるフィターゼ産生が、培地中のフィチン酸塩の存在下により多いように見えることを裏付ける。
(実施例7)
Salmonella濃度および罹患率に対するMegasphaera elsdeniiの効果
【0379】
日齢のブロイラーヒナドリ(n=384)を4つの異なる処置群:1)Megasphaeraを受けない対照群、2)液体Megasphaera elsdenii NCIMB41125を含有するボトル式フィーダーに自由に接近できる自由群、3)飼料中に毎日、フリーズドライMegasphaera elsdenii NCIMB41125を受けるフリーズドライ群、および4)0日目に、液体Megasphaera elsdenii NCIMB41125を受ける経口強制飼養群に無作為に割り付けた。
【0380】
4つの処置の各々は、それぞれ6羽のトリを含有する16個のケージによって示した。動物の重量、飼料の消費量および飼料転換は、15日間の試験期間にわたって記録した。15日間の給餌期間後、ケージ1個あたり2羽の動物を無作為に選択し、屠殺し、盲腸を回収してSalmonella罹患率を決定した。手短に述べれば、盲腸を取り出しZiplocバッグに入れ、氷上で保管した。次いで、盲腸を70%エタノールで洗浄し、手作業で揉んで、内容物を抽出した。回収した内容物の1ミリリットルをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に段階希釈し、ブリリアントグリーン寒天(BGA)上にプレート培養した。BGAプレートを37℃で24時間、インキュベートした。推定のSalmonellaコロニー(ピンク色コロニー)を計数し、Oxoid Salmonella latex test FT0203(Oxoid-Thermo Scientific、Hampshire、UK)を使用して、Salmonellaとして確認した。さらに、盲腸内容物試料の1ミリリットルを、選択的富化のために、9mLのRappaport-Vassiliadis(RV)に添加した。検出可能なSalmonella増殖がBGAプレート上で観察されなかった場合、RV富化物をBGAプレートにプレート培養し、37℃で24時間インキュベートし、Salmonellaの存在を評価した。直接プレート培養した場合、増殖はないが、RV富化の場合、増殖が陽性であった試料を、任意計数9(1未満が理論検出限界)とし、直接プレート培養またはRV富化のいずれかにおいて増殖のない試料を計数0とした。
【0381】
結果により、フリーズドライした材料を受けたトリは、対照群と比較すると、-1Logの差異で、より低い1ミリリットルあたりのコロニー形成単位数(CFU/mL)中の盲腸のSalmonella濃度を有したことが示された。図19を参照されたい。対照群と比較した場合、フリーズドライ群の試料中のSalmonellaの罹患率も、13%低下した。図20を参照されたい。
(実施例8)
ブロイラーニワトリの成長成績および盲腸の特徴に対するMegasphaera elsdeniiの効果
A.実験設計および処置
【0382】
日齢の雄を使用して、無作為完全ブロック設計における3つの処置の24回の反復を、処置の開始時に1日齢であったCobb500ブロイラーヒナドリを使用して行った(Cobb-Vantress、Siloam Springs、Arkansas)。処置は、経口強制飼養、またはトリおよび対照(M.elsdeniiなし)の身体表面に適用したエアゾール化ミストのいずれかとして投与されたM.elsdenii株NCIMB41125(MS-Biotec、Wamego、Kansas)であった。トリを72の畜舎に収容し、各畜舎は、実験の開始時に35羽のトリを含有した(合計で2,520羽のトリ)。
【0383】
M.elsdeniiの投与前に、新しい培養物の5Lフォイルバッグを激しく振とうして、内容物を均一にした。Tygonチューブを使用して、手動操作型投薬用装置をバッグに接続した。投薬用装置のレザーバーは、充填と分注を数回繰り返し、空気を排気した。酸素指示体を含有する培養物がその通常の色調を保持している場合、内容物は、周囲空気を含まないとみなした。
【0384】
ヒナドリを35の群に割り付け、各群の重量を記録した。トリの群は、ブロックごとに処理し、実験処置は、各ブロック内で無作為に割り当てた。
【0385】
Scorex Classic173.05005自動充填シリンジ(Ecublens、Switzerland)を使用して、1.97×10CFU/mLのM.elsdenii株NCIMB41125を含有する新しい培養物0.2mLを経口強制飼養によって、24の畜舎(35羽のトリ/畜舎;合計840羽のトリ)に投薬した。技術者は、親指および人差し指を使用することによってトリを押さえつけて、くちばしを開けた状態に保持しながら、シリンジの内容物を、トリの口腔に直接投入した。
【0386】
噴霧先端部を装備した空気圧式ドレンチ用装置によって適用した、1.97×10CFU/mLのM.elsdenii株NCIMB41125を含有する新しい培養物のエアゾール化ミストによって、24の畜舎(35羽のトリ/畜舎;合計840羽のトリ)に投薬した。トリをプラスチック製の桶(50cm×35cm×40cm)に入れて、培養物を畜舎あたり60mLの量(約1.7mL/トリ)で、噴霧化ミストとして、トリの身体表面に施用した。
【0387】
24の畜舎(35羽のトリ/畜舎;合計840羽のトリ)は、M.elsdeniiと接触させず、対照として働いた。処置したトリとの交差汚染を防止するため、対照のトリは、処置したトリと接触しなかった指定管理者によってのみ取り扱われ、指定荷台に入れて秤量し、畜舎に移した。一例において、トリの数え間違いがあり、畜舎51は、技術者の間違いにより、35羽のトリではなく、33羽のトリが収容された。
B.給餌および給水
【0388】
水の供給ラインから吊るしたストロー(6本のストロー/畜舎)により、新鮮な水を自由に与えた。ストローの高さは、試験全体を通して、トリの増殖を受け入れるよう調節した。以下の表10は、実験に使用した食餌を示す。食餌はすべて、畜舎の中央に吊るした重力式フィーダーで与えた。必要に応じて飼料を添加し、研究期間全体を通して、自由な接近を確実にした。畜舎内にトリを入れる前に、5kgのスターター食餌を重力式フィーダーに入れた。
【表10】
【0389】
スターター食餌は、研究の16日目に畜舎から除去した。残存した飼料は、秤量し、各フィーダーから除去し、畜舎番号に対応して番号付けしたビンに入れた。フィーダーにグロアー食餌を補充した。このプロセスを研究の30日目に繰り返し、この機に、グロアー食餌を仕上げ食餌と交換した。36日目に、実験を終了し、残存した仕上げ餌を秤量して、各畜舎について記録した。
【0390】
各期(スターター、グロアーおよび仕上げ)に対する畜舎あたりの全飼料消費量は、添加した飼料量-回収した飼料量として計算した。
【0391】
1日あたりのトリあたりの摂取量は、消費した全飼料量÷[畜舎内の1日あたりの羽数×給餌した全日数]として計算した。
C.トリ重量
【0392】
畜舎重量を、各給餌期間(スターター、グロアー、仕上げ)の終わりに記録した。スターター期間の終わり(16日目)に、各畜舎内のすべてのトリを桶(50cm×35cm×40cm)に入れ、秤量した。桶の重量を総重量から減算して、畜舎内のトリの重量を決定した。グロアー期間の終わり(30日目)に、各畜舎内のすべてのトリを重量の等しい2つの桶(各103cm×55cm×41cm)に入れ、秤量し、重量を一緒に加算した。各桶の重量(トリを桶に入れる前に秤量)を総重量から減算して、畜舎中のトリの重量を決定した。仕上げ期間の終わり(36日目)に、各畜舎のすべてのトリを、重量が等しい2つの桶(各103cm×55cm×41cm)に入れ、秤量した。この機に、適切な場所で、秤で風袋を計測した。次いで、各桶中のトリの重量を加算して、合計の畜舎重量を決定した。糞の蓄積を補償するために、秤で、再度、畜舎間の風袋を測定した。秤量期間の各々において、トリを桶に入れたときに、羽数の確認を行った。
D.サンプリング手順
【0393】
各週(7、14、21、28および35日目)に、1~3羽のトリを各畜舎から無作為に選択し、頸椎脱臼によって安楽死させた。盲腸内容物(0.5g)を採集し、ボルテックスミキサーを使用して、20mLのHDPEシンチレーションバイアル(Fisher Sci.;03-337-23B)中で脱イオン水(2mL)と混合した。携帯型pH計(Thermo Scientific Orion 3-star携帯型pH計、Waltham、MA)を使用して、pHを決定した。1部の25% w/vメタリン酸溶液に盲腸の混合物の4部を添加して、ボルテックスミキサーを使用して均一にした。次いで、試料を1mLのアリコートで、2つのマイクロ遠心管に移し、-18℃で凍結して、揮発性脂肪酸(VFA)の分析に待機した。
【0394】
7および21日目に、盲腸内容物を2つのアリコートに分けた。一方のアリコートをVFA分析に使用し、上で説明した通り調製した。他方(0.5g)は、個々の20mL HDPEシンチレーションバイアル(Fisher Sci.;03-337-23B)に直接入れて、定量的リアルタイムPCRを使用して、細菌数の定量のするため、凍結した(-80℃)。
E.盲腸のpHおよび揮発性脂肪酸の分析
【0395】
以前に希釈し、酸性化した盲腸試料を解凍し、ボルテックスミキサーを使用して均一にし、24 x gで18分間遠心分離した。水性上澄み液をガスクロマトグラフィー用バイアルに移した。DB-WAXキャピラリーカラム(30m×0.53mm×0.5mmフィルム厚さ;Sigma Aldrich、St.Louis、MO)および水素炎イオン化検出器を装備したAgilent7890ガスクロマトグラフ(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)を使用して、揮発性脂肪酸を測定した。22cm/sの流速、1μLのスプリット注入およびスプリット流50:1で、キャリアガスとしてヘリウムを使用した。初期オーブン温度を80℃とし、温度を10℃/分で220℃に昇温した。導入口および検出器温度は250℃とした。揮発性脂肪酸は、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、バレレート、イソカプロエート、カプロエートおよびヘプタノエートを含有する、公知の標準品(Supelco Volatile Fatty Acid Standard Mix;Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)と比較することによって定量した。
F.枝肉測定
【0396】
トリを5週齢で屠殺して、枝肉測定値を決定した。屠殺の約4時間前に、給餌を止めた。5羽の平均サイズのトリを各畜舎から選択して、加工領域に輸送するため、捕獲箱に入れた。5羽のトリを畜舎ごとに秤量して、生重量を決定し、この直後に、気絶させて全血採取することによって屠殺した。トリを2分間出血させ、次いで、63℃の回転式煮沸器に約30秒間入れた。羽を除去するため、トリを回転ドラム式機械摘採機に30秒間移した。脚部、頭部およびすねを除去し、肛門周辺の切開部から、枝肉の内臓を取り除いた。次いで、枝肉を畜舎ごとに秤量して、温枝肉収量を決定した。
G.統計分析
【0397】
SAS(登録商標)ソフトウェアバージョン9.4の複合手順を使用してデータを分析した。モデルは、処置の固定効果、ブロックの変量効果、および実験単位としての畜舎を含んだ。有意性は、P<0.05で示した。最小二乗平均値間の差異は、SAS(登録商標)ソフトウェアのPDiffオプションを使用して決定した。
H.結果
【0398】
ブロイラーは、処置間で、類似した飼料摂食量、飼料効率、および1日あたりの平均体重増加であることを実証した。トリ重量および死亡率も、処置によって影響を受けなかった。しかし、対照のトリまたはエアゾール化ミストとしてM.elsdeniiを受けたトリのものと比べて、経口強制飼養としてM.elsdeniiを受けたトリの場合、枝肉量はより少なかった。
【0399】
盲腸のpHは、対照のトリのものと比べて、ミストまたは経口施用のいずれかによって、M.elsdeniiを受けたトリでは、より低かった(P<0.01;表11)。
【表11-1】

【表11-2】
【0400】
対照、エアゾール化ミストおよび経口強制飼養の処置に対する盲腸の平均pHは、それぞれ、6.76、6.63および6.60であった。処置対日の相互作用を、盲腸のアセテート(P<0.01)、プロピオネート(P=0.03)、ブチレート(P<0.01)、アセテート:プロピオネートの比(P=0.01;A:P比)、カプロエート(P=0.002)および全VFA(P<0.01)濃度に関して検出した(表4)。アセテートは、7日目から14日目に増加し、14日目にピークとなった。経口強制飼養としてM.elsdeniiを受けたトリの盲腸内容物は、14日目の対照のトリのものよりも、高いアセテート、ブチレートおよびカプロエート濃度含有した(P<0.01)。21日目までに、すべての処置にわたり、アセテート濃度は低下したが、盲腸中のアセテートの濃度は、エアゾール化ミストまたは経口強制飼養のいずれかにより処置されたトリと比べた場合、対照のトリでは高かった(P<0.01)。プロピオネートおよびブチレート濃度は、21日目に、M.elsdeniiにより処置されたトリのものよりも、対照のトリの盲腸内容物において、やはり高かった(P<0.01)。プロピオネート濃度は、すべての処置において21日目にピークとなり、35日目まで上昇し続けたが、それらは、28日目から35日目までの処置にわたり差異がなかった(P>0.05)。A:P比は、7日目に、対照に比べて、M.elsdeniiにより処置したトリの盲腸内容物においてより大きく、A:P比は、対照、エアゾール化ミストおよび経口強制飼養で、それぞれ、31.96、41.33および42.03であった。14日目の、M.elsdenii(40.44mM)のエアゾール化ミストにより処置したトリの盲腸のA:P比は、対照のトリ(29.80mM)またはM.elsdeniiの経口強制飼養を受けたトリ(33.69;P<0.03)のA:P比よりも大きかった。盲腸のA:P比は、21日目~35日目の処置にわたり、差異はなかった(P>0.05)。盲腸内容物中のイソブチレート、バレレート、イソバレレート、イソカプロエートおよびヘプタノエート濃度は、処置によって影響を受けなかった(P>0.10)。盲腸のVFA濃度の合計は、14日目の対照のトリに比べて、経口強制飼養されたトリにおいてより大きかった(P<0.001)。しかし、VFA濃度の合計は、21日目では、対照(87.57mM)のものよりも、エアゾール化ミストまたは経口強制飼養(それぞれ、64.90mMおよび64.82mM)としてM.elsdeniiを受けたトリの盲腸内容物中では低かった(P<0.05)。盲腸のVFA濃度の合計は、7日目、28日目および35日目の処置にわたり類似した(P>0.30)。
(実施例9)
ブロイラーニワトリの成長成績に対するMegasphaera elsdeniiの効果
A.実験設計および処置-研究1
【0401】
処置の開始時に1日齢であったCobb500ブロイラーヒナドリ(Cobb-Vantress、Siloam Springs、Arkansas)を使用して、バタリーによっておよび段によってブロック分けした、6つの処置の18回の反復を行った。処置は、対照(プロバイオティックなし)、経口強制飼養として投与した、Lactipro
Advance(登録商標)(Megasphaera elsdenii株NCIMB41125の非フリーズドライ液体培養物、MS Biotec、Wamego、Kansas)、経口強制飼養として投与したMegasphaera elsdenii株KS249培養物、経口強制飼養として投与したMegasphaera elsdenii株ATCC(登録商標)25940、エアゾールとしてトリの身体表面に施用したLactipro Advance(登録商標)(Megasphaera elsdenii株NCIMB41125の非フリーズドライ液体培養物、MS Biotec、Wamego、Kansas)、およびフリーズドライMegasphaera elsdenii株NCIMB41125(MS Biotec、Wamego、Kansas)であった。トリを108の畜舎に収容し、各畜舎は、実験の開始時に8羽のトリを含有した(合計で1,152羽のトリ)。
【0402】
トリを8つの群に計数し、各群の重量を記録した。トリの群は、ブロックごとに処理し、実験処置は、各ブロック内で無作為に畜舎に割り当てた。
【0403】
18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)に、1.97×10CFU/mLのMegasphaera elsdenii株NCIMB41125の非フリーズドライ液体培養物を含有するLactipro Advance(登録商標)0.2mLを経口(強制飼養)投薬した。18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)に、未知濃度のMegasphaera elsdenii株KS249を含有する新しい培養物0.2mLを経口(強制飼養)投薬した。この株に関するCFU/mLを評価する試みは、成功しなかった。18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)に、1.06×10CFU/mLのMegasphaera elsdenii株ATCC(登録商標)25940を含有する新しい培養物0.2mLを経口(強制飼養)投薬した。すべての経口処置を投与されたトリを、技術者の手のひらに押さえつけ、親指および人差し指を使用して、くちばしを開けた状態に保持し、Eppendorf(登録商標)Referenceリピーターピペット(Hamburg、Germany)を使用して、培養物を口腔に直接投入した。
【0404】
18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)に、1.97×10CFU/mLのMegasphaera elsdenii株NCIMB41125(約1.88mL/トリ)を含有するLactipro Advance(登録商標)を、畜舎あたり15mLをミストした。トリをプラスチック製桶(50cm長×35cm幅×40cm深さ)に入れて、噴霧用先端部を装備した空気圧式ドレンチ用装置を使用して、培養物を噴霧化ミストとしてトリの身体表面に施用した。交差汚染を最小化するため、ミストしたトリは、指定管理者により取り扱い、秤量、施用および畜舎への移送のために、指定荷台に入れた。
【0405】
18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)に、トリあたりティースプーン4分の1の割合で、1.18×10CFU/gのMegasphaera elsdenii株NCIMB41125を含有するトップドレッシング(食餌およびフリーズドライMegasphaera elsdeniiの混合物)を施した。処置は、研究の10日目に開始して、1300時間時に、毎日、トラフフィーダーに直接添加した。
【0406】
残りの18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)は対照として働き、プロバイオティック生成物との接触はなかった。処置したトリによる交差汚染を最小化するため、対照のトリは指定管理者により取り扱い、秤量および畜舎への移送のために、指定荷台に入れた。
B.実験設計および処置-研究2
【0407】
日齢のCobb500ブロイラーヒナドリ(Cobb-Vantress、Siloam Springs、Arkansas)を使用して、バタリーによっておよび段によってブロック分けした、2つの処置の18回の反復を行った。処置は、対照(プロバイオティックなし)またはフリーズドライMegasphaera elsdenii株NCIMB41125(MS Biotec、Wamego、Kansas)であった。トリを108の畜舎に収容し、各畜舎は、実験の開始時に8羽のトリを含有した(合計で1,152羽のトリ)。
【0408】
トリを8つの群に計数し、各群の重量を記録した。トリは、ブロックごとに処理し、実験処置は、各ブロック内の畜舎に無作為に割り当てた。18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)に、トリあたりティースプーン4分の1の割合で、1.18×10CFU/gのMegasphaera elsdenii株NCIMB41125を含有するトップドレッシング(食餌およびフリーズドライMegasphaera elsdeniiの混合物)を施した。処置は、研究の10日目に開始して、1300時間時に、毎日、トラフフィーダーに直接添加した。
【0409】
残りの18の畜舎(8羽のトリ/畜舎;合計で144羽のトリ)は対照として働き、プロバイオティック生成物との接触はなかった。処置したトリによる交差汚染を最小化するため、対照のトリは指定管理者により取り扱い、秤量および畜舎への移送のために、指定荷台に入れた。
C.給餌および給水-研究1および2
【0410】
新しい水を自由に摂れた。畜舎内にトリを入れる前に、9.5kgの一般的なスターター食餌(表12)を各畜舎に沿ったトラフフィーダーに入れた。
【表12】
【0411】
必要に応じて飼料を継ぎ足し、研究全体を通して、自由接近を確実にした。実験の終了(18日目)に際して、消費されなかった飼料を各フィーダーから取り出し、秤量し、記録した。畜舎ごとに消費された飼料の合計を、フィーダーに添加した量とフィーダーから回収した量との間の差異として計算した。トリあたりの毎日の飼料摂取量は、消費した全飼料量÷[畜舎内の1日あたりの羽数×給餌した全日数]として計算した。
D.トリ重量-研究1および2
【0412】
研究の終わりに、畜舎内のトリはすべて、桶(50cm長さ×35cm幅×40cm深さ)に入れて、秤量した。トリを桶に入れる前に桶の重量を量り、総重量から減算し、畜舎中のトリの重量を確認した。羽数の確認もこのときに行った。
E.統計分析-研究1および2
【0413】
SAS(登録商標)ソフトウェア9.4の複合手順を使用してデータを分析した。モデルは、処置の固定効果、ブロックの変量効果、および実験単位としての畜舎を含んだ。有意性は、P<0.05で示した。最小二乗平均値間の差異は、SAS(登録商標)ソフトウェアのPDiffオプションを使用して決定した。
F.結果-研究1および2
【0414】
研究1に関すると、すべての処置群にわたるブロイラーは、類似した毎日の飼料摂食量、1日あたりの平均体重増加、体重増加:飼料量および死亡率を示した。
【0415】
しかし、表13に示されている通り、研究2により、1日あたりの平均体重増加(P=0.02)および体重増加:飼料量(P=0.04)は、対照のトリと比べた場合、フリーズドライMegasphaera elsdeniiを受けたトリでは、どちらもより大きいことが示された。飼料量:体重増加の比を示す、図21を参照されたい。飼料摂食量および死亡率は処置群間で差異はなかった。
【表13】

(実施例10)
ウマ科の盲腸の発酵に対するMegasphaera elsdeniiの効果
A.実験設計および処置
【0416】
盲腸用カニューレ(Beardら、JAS、89巻(8号):2425~2429頁(2011年))が前もって取り付けられた、8頭のクオーターホース、4頭の雌馬および4頭の去勢馬(平均体重=540kg;SEM=75kg)を3つの処置期間にわたって反復した3×3(処置×ウマ)の不完全ラテン方格法に使用した。各処置期間は、28日間のウォッシュアウト期によって分離した。処置は、(1)陰性対照(M.elsdeniiなし;対照)、(2)経口用ドレンチ剤(ドレンチ剤)により投与した1.97×10CFU/mLのM.elsdenii株NCIMB41125(Lactipro Advance(登録商標)、MS Biotec、Wamego、Kansas)を含有する、50mLの新しい培養物、および(3)2つの糖蜜をベースとするウマ処置物(フリーズドライ)により投与された、7.02×10CFU/mLのM.elsdenii株NCIMB41125(MS Biotec、Wamego、Kansas)を含有する、0.40gのフリーズドライ培養物であった。ウマを処置に無作為に割り当てた(表14)。
【表14】
【0417】
1つの小屋内の個々の馬房(3.05×3.66m)にウマを収容し、マツの木クズを敷き詰めた。小屋の位置に基づいた、考えられる通気または温度の変動を補償するために、ウマを各処置期間、異なる馬房に無作為に割り当てた。ウマは、処置期間の間、運動のため、毎日歩かせた。
【0418】
経口用ドレンチ剤を受けたウマに、各処置期間の1日目の給餌の直前に、手動操作型投薬用装置(60mLの可変自動ドレンチャーMKIII、NJ Phillips、NSW、Australia)を使用して、1.97×10CFU/mLのM.elsdenii株NCIMB41125を含有する50mLの新しい培養物を投薬した。プロバイオティック培養物の投与前に、新しい培養物の5Lバッグを激しく振とうして、内容物を均一にした。Tygonチューブを使用して手動操作型投薬用装置をバッグに取り付け、レザーバーを充填した。約100~200mLの培養物を廃棄用容器に廃棄し、チューブおよび装置の両方に酸素がないことを確実にした。
【0419】
フリーズドライプロバイオティック処置群中のウマに、毎日朝に給餌する前に、2本のトウモロコシ、およびフリーズドライ生成物を含有する糖蜜をベースとする処置物を与えた。研究に先立って、M.elsdenii株NCIMB41125をフリーズドライし、各々平均7.02×10CFU/mLのM.elsdeniiと共に、約0.40gのフリーズドライ細菌を含有する、真空で密封した小袋にパッケージした。1つの試料を毎日、プレート培養し、各処置期間を通じて、一貫した細菌の生存率を確実にした。ウマが処置物を拒絶した場合、フリーズドライ生成物は、ボーラスとして手によって投与した。
【0420】
残りのウマは、対照として働いた期間中、プロバイオティックへの曝露がなかった。
B.給餌および給水
【0421】
処置期間中、ウマに、2回の給餌の間で均等に分けた干し草および濃縮物を1日2回、与えた。各ウマに、brome干し草中の給餌物として、1日あたり、その体重の1%を与えた(表15)。
【表15】
【0422】
各ウマは、1日目から5日目まで、1日あたりその体重の0.2%の割合で、加工濃縮物(上の表15中に分析、以下の表16に組成)中にその体重の1%に増やし、次いで、5日目から7日目までの間、穀物中で1%BW AFに維持した。拒否はすべて、秤量して記録した。新しい水を自由に与えるため、馬房に自動給水器を装備した。給水器を清浄し、1日あたり複数回、適切に機能するか確認した。
【表16】

ウォッシュアウト期の間、ウマを乾燥区画に収容し、自由なbrome干し草の食餌(表**)のを維持した。各ウォッシュアウト期の終了時にウマを秤量し、処置期間中に与えられた飼料の量を確実に正確に計算した。
D.サンプリング手順
【0423】
各7日間の処置期間の間、4時間ごとに、盲腸用カニューレにより盲腸試料を採集した。ウマに、毎日、1000時間および2200時間で給餌し、給餌後の4、8および12時間時に試料を採集した後、次の給餌を行った。各処置期間の0日目に、投薬または給餌前に試料を採集して、後腸におけるpH、VFAおよびM.elsdenii集団のベースライン値を確立した。
【0424】
試料は、カニューレ栓を外し、カニューレから試料が流れ出すと、盲腸内容物を捕捉することによって試料を採集した。盲腸の流体は、チーズクロスの4つの層に通して濾し、次いで、100mLの検査カップに入れた。重力流により、十分な試料が採集されない場合、手持ち式ポンプを使用して盲腸内容物を抽出した。0、1、3および7日目の1000時間時に、PCR分析のため、追加の盲腸試料を採集した。第1の処置期間の間に、未濾過試料を20mLのHDPEシンチレーションバイアル(Fischer Sci.;03-337-23B)に採集した。これらの未濾過試料が、DNA抽出するために試料を分離する難題をもたらしたため、残りの2つの処置期間については、濾した盲腸の流体を50mLのFalconコニカル遠心管(Corning Inc.352070;Corning、NY)に採集し、直ちに-80℃に凍結して、PCR分析に待機した。専門家は、各ウマ間で手袋を交換した。
D.盲腸のpHおよび揮発性脂肪酸の分析
【0425】
濾した盲腸の流体のpHは、携帯型pH計(Thermo Scientific Orion 3 Star Portable pH Meter、Waltham、MA;Accumet probe)を使用して採集後、直ちに測定した。pHを記録した後、試料を1mLのアリコートで2つのマイクロ遠心管に移し、除タンパク質のため、25%メタリン酸0.25mLと混合した。VFA分析前の少なくとも24時間、試料を-18℃で冷凍した。
【0426】
酸性化して凍結した盲腸試料を解凍し、ボルテックスミキサーを使用して均一にし、24 x gで18分間、遠心分離した。次いで、水性上澄み液をガスクロマトグラフィー用バイアルに移した。DB-WAXキャピラリーカラム(10mm×0.10mm×0.1mmフィルム厚さ;Agilent and J&W columns、Santa Clara、CA)および水素炎イオン化検出器を装備したAgilent7890ガスクロマトグラフ(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)を使用して、揮発性脂肪酸を測定した。46cm/秒の流速、1μLのスプリット注入およびスプリット流50:1で、キャリアガスとして水素を使用した。初期オーブン温度を70℃とし、温度を15℃/分で130℃に昇温し、次いで、60℃/分で220℃に昇温し、2分間保持した。導入口および検出器温度は、それぞれ260℃および300℃とした。揮発性脂肪酸は、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、バレレート、イソカプロエート、カプロエートおよびヘプタノエートを含有する、公知の標準品(Supelco Volatile Fatty Acid Standard Mix;Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)と比較することによって定量した。
E.統計分析
【0427】
SAS(登録商標)ソフトウェアバージョン9.4のGlimmix手順を使用して、データを分析した。モデルは、処置の固定効果およびウマ、期間、および処置対期間の相互作用の変量効果を含んだ。ウマは、実験単位として働いた。処置対1日内の時間の効果(The treatment by hour within day effect)は、いずれのパラメーターに対しても有意性はなく、したがって、モデルから除外した。有意性は、P<0.05で示し、傾向は、0.05<P<0.10であるみなした。最小二乗平均値間の差異は、SAS(登録商標)ソフトウェアのPDiffオプションを使用して決定した。
F.結果
【0428】
盲腸のpHは、対照と比較して、食餌中に含ませる穀物が増加すると、M.elsdeniiにより処置したウマではより大きくなる傾向があった。図22を参照されたい。経口用ドレンチ剤としてM.elsdeniiを投与されたウマの盲腸のpHは、5日目、すなわち穀物の十分な割り付け分が与えられた初日に、対照を超えて上昇した(それぞれ、7.00および7.19;P=0.09)。7日目に、フリーズドライ処置物としてM.elsdeniiを受けたウマは、対照(6.99;P=0.09)よりも大きな盲腸のpH(7.19)を有する傾向があった。
【0429】
表17は、処置群のVFAプロファイルを示す。
【表17-1】

【表17-2】
【0430】
M.elsdeniiの補給は、盲腸において、アセテートまたはプロピオネートの濃度に対して効果を有さなかった(P>0.10;表**)。しかし、処置対日の相互作用が、アセテート:プロピオネート(A:P)比において検出された(P<0.05)。盲腸のA:P比は、7日目に、M.elsdeniiを受けなかったウマ(2.41)、または経口用ドレンチ剤としてM.elsdeniiを受けたウマ(2.60;P<0.05)の比よりもフリーズドライM.elsdeniiを受けたウマの方が高かった(2.83)。盲腸のバレレートは、7日目に、対照動物(0.04mM)、またはM.elsdeniiの経口用ドレンチ剤を受けたウマ(0.07mM;P<0.02)よりも、フリーズドライM.elsdeniiを受けたウマ(0.15mM)の方が高かった。盲腸のバレレートは、5日目に、対照動物(P<0.01)よりドレンチ剤処置したウマで低かったが、フリーズドライM.elsdeniiにより処置したウマのバレレートと同程度であった(P>0.10)。ヘプタノエートおよびイソカプロエートの濃度は、無視でき、処置または相互作用の効果は検出されず、したがって、これらのVFAは、表**から除外した。
【0431】
盲腸のpHおよび発酵生成物は、5日目から7日目までM.elsdeniiの補給により最も影響を受け、これらの日に、最大量の穀物が消費された。
(実施例11)
ブロイラーニワトリにおける液体培養物Megasphaera elsdenii NCIMB41125(Lactipro(登録商標))の施用の評価
【0432】
Virginia Diversified Research Corporationにおいて、パイロットブロイラーの成績研究を行って、ブロイラーヒナドリの成長成績に対する、ミストされたまたは強制飼養されたMegasphaera elsdenii NCIMB41125の影響を評価した。
【0433】
0日目に、Coccivac-Bの噴霧ワクチン接種された日齢ブロイラーヒナドリ(n=720)を、6つの異なる処置:(1)Megasphaeraを受けない陰性対照群(nCON)、(2)それらの孵卵所木枠にいる場合、0日目に、ミスト(1~2mL/トリ)による、M.elsdenii NCIMB41125を受けたミスト群(d0
ミスト)、(3)7日目に、2時間の断食および1時間の水断食後に、経口強制飼養によって、2mLのM.elsdenii NCIMB41125を受けた7日目の強制飼養群(d7 GAV)、(4)14日目に、2時間の断食および1時間の水断食後に、経口強制飼養によって、5mLのM.elsdenii NCIMB41125を受けた14日目の強制飼養群(d14 GAV)、(5)21日目に、2時間の断食および1時間の水断食後に、経口強制飼養によって、10mLのM.elsdenii NCIMB41125を受けた21日目の強制飼養群(d21 GAV)、ならびに6)Megasphaeraを受けなったが、BMD(50g/t)で処置したスターターおよびグロアー飼料、およびStafac(20g/t)により処置した仕上げ飼料を受けた、陽性対照群(pCON)に無作為に割り付けた。
【0434】
各処置は、それぞれ30羽のトリを含有する4個のケージにより示した。トリに与えた食餌は、以下の通りとした:0~18日目に、スターター飼料、18~35日目にグロアー飼料、および35~39日目に仕上げ飼料。動物の重量、飼料の消費量および飼料転換を、39日間の試験期間にわたって記録した。
【表18】
【0435】
結果は、表18に提示する。総合的な死亡率は、処置全体にわたり差異はなかった(表18)。d0 ミスト群の場合の飼料転換は、25日目のすべての他の処置よりもかなり低く、pCONよりも5.3%の改善、およびnCONよりも6.5%の改善であった。給餌の39日後に、Megasphaera elsdenii処置群の飼料転換は、pCONとは大幅な差異はないが、d7 GAVを除いて、数字上、低くなる傾向があった。d21 GAV群の場合の飼料転換は、nCONよりもかなり低く、7.7%の飼料転換の改善であった。
(実施例12)
2種の炭素源を補給した半規定増殖培地に対するM.elsdeniiの様々な株の増殖A.実験設計
【0436】
この実施例では、以下の細菌株を使用した:(1)Megasphaera elsdenii NCIMB41125、(2)Megasphaera elsdenii ATCC25940、(3)Megasphaera elsdenii NCIMB702261、(4)Megasphaera elsdenii NCIMB702262、および(5)Megasphaera elsdenii NCIMB702410。
【0437】
株はすべて、血清ボトル中の半規定ラクテート増殖培地上で増殖させた。次いで、得られた培養物を使用して、2種の炭素源:60%のラクテートおよび40%のグルコース、70%のラクテートおよび30%のグルコース、または40%のラクテートおよび60%のグルコースからなる乳酸Naおよびグルコースを補給した半規定増殖培地を含有する96ウェルプレートに接種した。
【0438】
次いで、嫌気性条件下、39℃で、96ウェルプレートをインキュベートし、光学密度(600nm)を15分間の間隔で自動記録した。
B.様々な2種の炭素培地に対する、M.elsdenii株の増殖特徴の分析
【0439】
増殖特徴を比較するため、様々な半規定培地において、様々なM.elsdenii株で得られた増殖曲線を、インキュベーション時間をx軸に、および光学密度の読取り値をy軸にプロットした(図23~25)。
【0440】
この実験において試験したM.elsdeniiの株はすべて、60%のラクテートおよび40%のグルコース、70%のラクテートおよび30%のグルコース、または40%のラクテートおよび60%のグルコースからなる半規定培地上で増殖させると、類似した増殖特徴を示した。
(実施例13)
2種の炭素源を補給した半規定増殖培地に対するM.elsdeniiの様々な株の増殖と、その後の細胞のフリーズドライ
A.実験設計
【0441】
この実施例では、以下の細菌株を使用した:(1)Megasphaera elsdenii NCIMB41125、(2)Megasphaera elsdenii ATCC25940、(3)Megasphaera elsdenii NCIMB702261、(4)Megasphaera elsdenii NCIMB702262、および(5)Megasphaera elsdenii NCIMB702410。
【0442】
株はすべて、血清ボトル中の半規定ラクテート増殖培地上で増殖させた。次いで、得られた培養物を使用して、2種の炭素源:60%のラクテートおよび40%のグルコース、または70%のラクテートおよび30%のグルコースからなる乳酸Naおよびグルコースを補給した半規定増殖培地を含有する5L発酵装置槽に接種した。
【0443】
増殖の8、10、12、14および16時間後に培養物の試料を採集し、室温に冷却し、液体の99%を除去することによって、細胞を無菌的かつ嫌気的に収穫した。無菌および嫌気性条件下、保持液を1/5の比で凍結保護物質(スクロース)の溶液と混合して、5% w/vの最終スクロース濃度を得た。混合物をサンプリングして、フリーズドライ前のM.elsdenii濃度(すなわち、生存数)を決定した。
【0444】
得られた混合物のアリコートを、10mLのバイアル(4mL/バイアル)に移し、液体窒素中で急凍結させた。バイアルをフリーズドライ機に移して、急速サイクルに従い凍結乾燥させた。フリーズドライが完了すると、嫌気性チャンバー中の凍結乾燥生成物を嫌気性希釈剤で再懸濁して、これを室温で40分間再水和し、次いで、半規定ラクテート寒天にプレート培養することによって、細菌の生存を決定した(すなわち、生存数)。
【0445】
細胞喪失は、フリーズドライ後に回収したM.elsdeniiの濃度をM.elsdeniiの初期(フリーズドライ前)濃度から減算することにより算出した。
B.様々な半規定培地で増殖させて、増殖中に様々な時間で収穫およびフリーズドライした、様々なM.elsdenii株のフリーズドライ後の細胞喪失の比較
【0446】
この実験において試験したM.elsdeniiのすべての株は、フリーズドライ後に細胞が生存していた。許容される細胞喪失限界値は、1.6log CFU/mLに設定した。株または収穫時期にかかわらず、70%のラクテートおよび30%のグルコース(表19)を含有する半規定培地上で増殖させた細胞のフリーズドライ中に遭遇した細胞喪失は、すべて、許容可能な限界値未満であり、0.3~1.3logの範囲であった。
【表19】
【0447】
60%のラクテートおよび40%のグルコースを含有する半規定培地上で増殖させた細胞のフリーズドライ中に遭遇した細胞喪失(表20)は、収穫時期によってより影響を受けたが、すべての株は、依然として、収穫時期の少なくとも3つに関して許容可能な限界値未満の細胞喪失となった。フリーズドライ前の収穫時期の最適化は、フリーズドライ後の回収率のさらなる改善をもたらすことができる。
【表20】
【0448】
全体として、本明細書に記載されている方法は、使用したMegasphaera elsdenii株にかかわらず、生存細胞を含有するフリーズドライ生成物をもたらした。
(実施例14)
フリーズドライM.elsdeniiのカプセル封入、およびその安定性の決定
【0449】
TFFを通して得られたM.elsdenii NCIMB41125保持液を、1/5の比で無菌的に凍結保護物質溶液(スクロース)と混合して、5%スクロース(w/v)の最終濃度を得た。混合物を液体窒素中で急凍結し、急速なサイクルを使用して、凍結乾燥するフリーズドライ機に移した。フリーズドライが完了すると、嫌気性チャンバー中の凍結乾燥生成物を嫌気性希釈剤で再懸濁して、これを室温で40分間、再水和し、次いで、半規定ラクテート寒天にプレート培養することによって、細菌の生存を決定した。
【0450】
次いで、得られたフリーズドライM.elsdenii粉末を担体(増量剤)と混合し、粉末を加熱パーム油蒸留物またはステアリン酸に分注することによってカプセル封入した。次いで、混合物を急速に冷却し、得られた生成物をサンプリングして細菌の生存を決定した。嫌気性希釈剤で嫌気性チャンバー中において試料を再懸濁し、15秒間ブレンドして、室温で40分間再水和させた後、半規定ラクテート寒天上にプレート培養した。様々な加熱温度および異なるタイプの油を使用して、この実験を3回繰り返した(方法1、2および3)。方法1は、110℃の加熱温度、およびカプセル封入材料としてのパーム油蒸留物を使用する。方法2は、52℃の加熱温度、ならびにカプセル封入材料としてパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸のモノおよびジグリセリドの混合物を使用する。方法3は、65℃の加熱温度、ならびにカプセル封入材料としてパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸のモノおよびジグリセリドの混合物を使用する。
【0451】
喪失率は、フリーズドライ後に回収した濃度からカプセル封入後に回収したM.elsdeniiの濃度を減算して、これをフリーズドライ後に回収した濃度によって除算することにより算出した。
【0452】
方法2および方法3を使用して、カプセル封入した生成物から追加の試料を採集し、好気性条件下、4か月の期間、室温で保管して、生成物の安定性を評価した。嫌気性希釈剤で嫌気性チャンバー中において試料を再懸濁し、15秒間混合して、室温で40分間再水和させた後、半規定ラクテート寒天上にプレート培養した。図26および27は、方法2または3を使用して、カプセル封入したフリーズドライM.elsdeniiの安定性は、約1log CFU/gしか失われなかったことを示す。
【表21】
【0453】
フリーズドライM.elsdeniiをカプセル封入するために使用した方法2および3は、67.9%より高い細胞回収率をもたらした(表21)。
【0454】
さらに、方法2または方法3に従ってカプセル封入したフリーズドライ試料は、最大4か月間、標準酸素および湿度条件下、室温での保管の間、細胞生存率が1log低下した。
【0455】
方法2および3に従ったフリーズドライM.elsdeniiのカプセル封入により、酸素および水分からの細菌のさらなる保護がもたらされた。このプロセスにより、いかなる特定のパッケージングもなしで、カプセル封入したフリーズドライM.elsdeniiを室温で保管することが可能となり、飼料中の生成物の添加が可能となる。
(実施例15)
パイロットスケールで生成したフリーズドライM.elsdeniiの保存可能期間。
A.実験設計
【0456】
70%のラクテートおよび30%のグルコースからなる半規定培地の600リットルのバッチをこの実験に使用して、M.elsdenii NCIMB41125を増殖させた。39℃で14時間のインキュベーション後、得られた培養物を室温に冷却し、実施例2に記載されているタンジェンシャルフロー濾過システムを使用して細胞を収穫した。液体体積の99パーセントを培養物から除去し、次いで、保持液を、1:5の比でスクロース凍結保護物質溶液に再懸濁して、5%w/vの最終スクロース濃度を得た。
【0457】
次いで、混合物を液体窒素中で凍結し、凍結ペレットをフリーズドライ機に移して急速サイクルに従い凍結乾燥した。フリーズドライが完了すると、凍結乾燥粉末を採集し、嫌気性条件下、Mylarパウチに、単独(「M.e.」)でまたは増量剤としてマルトデキストリンと共(「M.e.+マルトデキストリン」)にパッケージ(表22)した。
【表22】
【0458】
フリーズドライ生成物(処置あたり3つの試料)中のM.elsdenii濃度を、嫌気性チャンバー中において凍結乾燥生成物を嫌気性希釈剤で再懸濁することによって決定し、これを室温で40分間再水和し、次いで、半規定ラクテート寒天にプレート培養した(すなわち、生存数)。M.elsdenii濃度は、CFU/パウチとして示し、log変換した。
B.保存可能期間の研究
【0459】
様々な処置を含有するMylarパウチを室温(75°F;25℃)または40°F(4℃)のいずれかで保管した。保管の0.5、1、2、3、4および6か月後に、追加の試料を得、以前に記載した方法と同様に処理(1時間点あたり1処置あたり3つの試料)して、生成物の保存可能期間を決定した。M.elsdenii濃度は、CFU/パウチとして表し、log変換した。
【0460】
保存可能期間のデータを図28に提示する。経時的なM.elsdenii濃度は、保管温度によって影響を受けた。保管の6か月後に、40°F(4.4℃)で保管した試料は、マルトデキストリンの有無にかかわらず、安定である一方、75°F(23.9℃)で保管した試料は、「M.e.」処置の場合、約1.6log、および「M.e.+マルトデキストリン」処置の場合、約0.8logが失われた。
(実施例16)
微生物細胞増殖、培地、温度およびpH
【0461】
嫌気性細菌を、3種のカテゴリー、(1)偏性嫌気性菌;(2)酸素耐性嫌気性菌;および(3)条件的嫌気性菌に分けることができる。偏性嫌気性菌は、標準大気圧濃度の酸素中では生存しない細菌である。一部の偏性嫌気性菌は、最大8%の酸素中で生存することがきる一方、他は、酸素濃度が0.5%未満でなければ生存することができない。酸素耐性嫌気性菌は、酸素の存在下で生存することができるが、増殖のために酸素を利用しない。条件的嫌気性菌は、好気性呼吸のために酸素を使用することができるが、酸素が存在しない場合、嫌気性呼吸をやはり使用することができる。
【0462】
同様に、好気性細菌は、2つのカテゴリー:(1)偏性好気性細菌;および(2)微好気性菌に分けることができる。偏性好気性細菌は、細胞が呼吸を行うために酸素を必要とし、標準大気圧濃度の酸素中で生存することができる。微好気性菌は、細胞の増殖に酸素を必要とするが、標準大気圧濃度の酸素によって損傷を受ける。
【0463】
酵母は、菌界のメンバーとして分類される単細胞真核微生物である。酵母は、偏性好気性菌または条件的嫌気性菌であり得る。
【0464】
M.elsdeniiなどのMegasphaeraおよびB.breveなどのBifidobacteriumは、偏性嫌気性菌の代表的な種である。L.plantarumなどのLactobacillusおよびB.animalis subsp.lactisなどのBifidobacteriumは、酸素耐性嫌気性菌の代表的な種である。P.acidilacticiなどのPediococcusおよびL.caseiなどのLactobacillusは、条件的嫌気性菌の代表的な種である。B.subtilisなどのBacillusは、偏性好気性菌の代表的な種である。S.boulardiiおよびS.cerevisiaeなどのSaccharomycesは、酵母の代表的な種である。
【0465】
好気性細菌、嫌気性細菌および酵母は、カゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1種の炭素源を含む培地上で増殖させる。また、好気性細菌、嫌気性細菌および酵母は、カゼイン、ラクテート、デキストロース、フルクトース、フルクタン、グルコース、スクロース、ラクトース、マルトース、アセテート、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、サッカロース、キシロース、糖蜜、フコース、グルコサミン、デキストラン、脂肪、油、酢酸ナトリウム、アラビノース、ダイズタンパク質、可溶性タンパク質、ラフィノース、アミロース、デンプン、トリプトン、酵母抽出物およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも2種の炭素源を含む培地上で増殖させる。嫌気性細菌は、嫌気性条件下で、または必要な酸素条件で増殖させ、嫌気性細菌細胞増殖を促進し、好気性細菌および酵母は、適切な酸素条件下、上記からの少なくとも2種の炭素源を含む培地を用いて、L.plantarumの場合15℃~45℃、ならびにB.breve、B.animalis
subsp.lactis、P.acidilactici、L.casei、S.boulardiiおよびB.subtilisの場合、20℃~45℃の間温度で増殖させる。これらの株に対する最適温度は、30℃を好むS.cerevisiaeを除いて、37℃である。培地のpHは、4.0~9の間、より具体的には、pH4.0~4.5、4.5~5.5、5.5~6.5、6.5~7.5、7.5~8.5または8.5~9.0の間である。微生物は、対数増殖期が終了するまで、すなわち、少なくとも1時間~6時間、6時間~12時間、12時間~24時間、24時間~36時間、36時間~48時間、48時間~72時間、72時間~96時間または96時間~120時間、増殖させる。
【0466】
培地が少なくとも1×10CFU/gを含有すると、微生物は、適切な条件下で収穫され、微生物は、動物用飼料配合物での使用のため、フリーズドライおよび/またはカプセル封入される。
(実施例17)
好気性細菌、嫌気性細菌および酵母の培養物を濃縮するためのタンジェンシャルフロー濾過の使用
【0467】
実施例2において提示されている方法を、実施例16に開示されている好気性細菌、嫌気性細菌および酵母を用い、最適な微生物細胞増殖を可能にする適切な培地を使用して、この実施例中で使用する。Megasphaera elsdeniiと同様に、好気性細菌(Bacillus subtilis)、嫌気性細菌(Bifidobacterium breve、Lactobacillus plantarum、Bifidobacterium animalis subsp.lactis、Pediococcus acidilacticiおよびLactobacillus casei)および酵母(Saccharomyces boulardiiおよびcerevisiae)にタンジェンシャルフロー濾過を使用すると、濃縮プロセスにわたって、透過液および保持液中に回収される生存可能な微生物の量に関して類似した結果をもたらす。さらに、濾過プロセスは、濾過後の微生物の生存性に対して、または微生物が増殖する能力に対して効果を有さない。したがって、微生物は、液体ブロス中で増殖させ、濾過し、凍結、フリーズドライおよび/またはカプセル封入するために調製される。
(実施例18)
好気性細菌、嫌気性細菌および酵母に関する凍結およびフリーズドライパラメーター
【0468】
様々なタイプの好気性細菌、嫌気性細菌および酵母に対する様々な凍結およびフリーズドライパラメーターの効果を決定するため、実施例17に従った実施例を行う。実施例3と同様に、許容される細胞喪失限界値は、1.6log CFU/mLに設定する。
【0469】
Bifidobacterium breve、Lactobacillus plantarum、Bifidobacterium animalis subsp.lactis、Pediococcus acidilactici、Lactobacillus casei、Bacillus subtilis、Saccharomyces boulardiiおよびSaccharomyces cerevisiaeの保持液を、凍結乾燥前に、凍結保護物質、脱脂粉乳、トレハロース、スクロースもそれらの組合せも含有しない、凍結保護物質溶液中で再懸濁する。次いで、各混合物をバイアルに移して、-80℃でゆっくりと凍結するか、または液体窒素中で急凍結した後、急速サイクルまたは緩慢サイクルのいずれかを使用して、凍結乾燥させるフリーズドライ機に入れる。
【0470】
凍結保護物質と混合しない保持液はすべて、フリーズドライサイクルにも凍結方法にもかかわらず、凍結保護物質溶液と混合した保持液よりも高い細胞喪失、および閾値よりも大きな細胞喪失を有する。
【0471】
さらに、試験したフリーズドライプロセスはすべて、室温または少なくとも4℃で4~12か月の長期保管後でさえも、再水和後、培養物の増殖を開始するのに十分な生存率を保持することが可能な生成物をもたらす。
(実施例19)
フリーズドライ好気性細菌、嫌気性細菌および酵母の収量および安定性に対する保管条件の効果
【0472】
実施例4に提示されている細胞生存および微生物増殖特徴に関する試験方法を、実施例16に開示されている好気性細菌、嫌気性細菌および酵母を用い、最適な微生物細胞増殖を可能にする適切な培地を使用して、この実施例で使用する。
【0473】
次いで、Bifidobacterium breve、Lactobacillus
plantarum、Bifidobacterium animalis subsp.lactis、Pediococcus acidilactici、Lactobacillus casei、Bacillus subtilis、Saccharomyces boulardiiおよびSaccharomyces cerevisiae、実施例18と同様に生成するフリーズドライ培養物の増殖特徴および保存可能期間に対するフリーズドライプロトコールおよび保管条件の効果を決定するため、増殖曲線分析およびスプレッドプレート培養技法を使用して、0、2、4、8、12、16、20および24週間、好気性または嫌気性条件において、4℃または25℃での保管の間の、微生物増殖特徴および細胞生存について試験した。
【0474】
好気性条件で保管されているフリーズドライ嫌気性細菌に由来する試料は、処置にかかわらず、それらの嫌気性保管した相当物と比べて、さらなる細胞喪失を伴ってより急速に崩壊する。
【0475】
25℃で保管した試料は、4℃で保管したそれらの相当物よりも速く崩壊する。
【0476】
液体窒素中で凍結させ、フリーズドライ後に25℃で保管した試料は、16週間の保管期間にわたり、4℃で保管したそれらの相当物ほど細胞を多く失わないが、試料間の差異は、20および/または24週間の保管後、25℃と4℃の保管との間で顕著である。
【0477】
各サンプリング日に、フリーズドライ生成物と非フリーズドライ生成物との増殖特徴を比較するため、増殖曲線実験を行う。各増殖曲線に使用する非フリーズドライ試料は、「新しい」(2日間以下の古さ)ものである。4℃で保管したフリーズドライ生成物は、25℃で保管したフリーズドライ生成物よりも時間のずれは短い。16週間の保管後、凍結保護物質を含有する、液体窒素中で凍結させ、フリーズドライし、嫌気性条件下で保管した、嫌気性細菌に由来する試料はすべて、生き返り、再び生存可能である。同様に、凍結保護物質を含有する、液体窒素中で凍結させ、フリーズドライした、好気性細菌および酵母に由来する試料はすべて、生き返り、やはり再び生存可能である。
(実施例20)
カプセル封入したフリーズドライ好気性、嫌気性細菌および酵母の収量および安定性に対する保管条件の効果
【0478】
様々な好気性細菌、嫌気性細菌および酵母の保持液の凍結およびフリーズドライは、実施例16~19に記載されている通りに行う。フリーズドライ後、嫌気性細菌は、担体(増量剤)と混合し、実施例14に記載されている通り、加熱油にフリーズドライ粉末を分注することによってカプセル封入する。次いで、混合物を急速に冷却し、得られた生成物をサンプリングして細菌の生存を決定する。嫌気性希釈剤で嫌気性チャンバー中において嫌気性微生物試料を再懸濁し、15秒間混合して、室温で40分間再水和させた後、半規定ラクテート寒天上にプレート培養する。好気性微生物試料を、希釈剤で、標準大気圧濃度の酸素中で再懸濁し、15秒間混合して、室温で40分間再水和させた後、半規定ラクテート寒天上にプレート培養する。様々な加熱温度および様々なタイプの油を使用して、この実験を3回繰り返す(方法1、2および3)。方法1は、110℃の加熱温度、およびカプセル封入材料としてパーム油蒸留物を使用する。方法2は、52℃の加熱温度、ならびにカプセル封入材料として、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸のモノおよびジグリセリドの混合物を使用する。方法3は、65℃の加熱温度、ならびにカプセル封入材料として、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸のモノおよびジグリセリドの混合物を使用する。
【0479】
カプセル封入からの細胞喪失率は、方法2または3を使用すると、40%未満である。様々な好気性細菌、嫌気性細菌および酵母のカプセル封入後、標準大気圧酸素条件下、室温で保管したカプセル封入微生物は、保管にわたって、細胞生存率のほんのわずかな低下を有する(例えば、0.5~2logの細胞生存率の低下)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
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図26
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図28
【外国語明細書】