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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075530
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】フック具
(51)【国際特許分類】
   F16B 45/00 20060101AFI20230524BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20230524BHJP
   A44B 15/00 20060101ALI20230524BHJP
   F16B 45/02 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
F16B45/00 B
A47G29/00 C
A44B15/00
F16B45/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188488
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】500459029
【氏名又は名称】株式会社赤ん坊カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】三島 世記
(72)【発明者】
【氏名】藤原 光雄
【テーマコード(参考)】
3B100
3J038
3K100
【Fターム(参考)】
3B100BB03
3J038AA01
3J038BA02
3J038BA11
3J038BA13
3J038BA18
3J038BB02
3J038BB07
3J038BC02
3K100AA02
3K100AC01
3K100AD10
3K100AE20
3K100AG01
3K100AG03
3K100AG10
3K100AJ03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】想定以上の荷重が入力されても、付勢手段の飛び出しを防ぐフック具を提供する。
【解決手段】湾曲部、開閉バーを含むフック具で、湾曲部は肩部、下方湾曲部から構成、開閉バーは肩部に着脱自在な棒状体であり、湾曲部回転部、開閉バー湾曲部回転部により回転可能に結合し、湾曲部回転部は両側の凸部、上部半円凸部を備え、開閉バー回転部は両側に円板上挟持部を備え、挟持部は凸部と孔により回転可能に嵌合しており、開閉バー下端端部は、凸部の付勢手段により開口端部の方向に付勢され、開閉バーが付勢手段に抗して肩部に係止する際、帯状突起と溝が噛合し、肩部の突起及び開閉バー係止用窪みの係止により、フック具は開放され、開閉バーが付勢手段にて付勢される際、下端端部と開口端部が係止により閉鎖され、下端端部と開口端部が開放され、開閉バーが跳ね上がった際に、挟持部の上部半円凸部端部が係合し、開閉バーの跳ね上がり防止突起を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック湾曲部、及びフック開閉バーを含む、フック具であって、
前記フック湾曲部は、肩部及び下方湾曲部から構成され、
前記フック開閉バーは、前記肩部に対して着脱自在な棒状体であり、
前記フック湾曲部及び前記フック開閉バーは、前記フック湾曲部の上方頂点部の湾曲部回転部、及び前記フック開閉バーの上端端部の開閉バー回転部によって回転可能に結合しており、
前記湾曲部回転部は、両側に突出した回転軸凸部、両側の略上半分の外縁に沿って突出して形成された上部半円凸部を備え、
前記開閉バー回転部は、両側に円板上の2つの挟持部を備え、前記挟持部は前記回転軸凸部と、挟持部の中心の回転軸孔によって回転可能に嵌合しており、
前記フック開閉バーの下端端部は、前記回転軸凸部に備えられた付勢手段により、前記湾曲部回転部及び前記開閉バー回転部を回転軸として、フック湾曲部の開口端部の方向に付勢されており、
前記フック開閉バーが、前記付勢手段に対抗して、前記肩部に係止する場合、前記肩部表面の中心に設けられた帯状突起と、前記フック開閉バーの表面の上下方向中心部に設けられた帯状溝が噛合し、そして肩部の帯状突起の下端部に設けられた両側の係止用突起、及び前記フック開閉バーの帯状溝に設けられた両側の係止用窪みによって係止されることによって、フック具は開放状態になり、
前記フック開閉バーが、前記付勢手段によって付勢される場合、フック開閉バーの下端端部と、前記開口端部とが係止されることによって、フック具が閉鎖状態になり、
前記フック開閉バーの下端端部と前記開口端部との係止が開放され、前記フック開閉バーが跳ね上がった場合に、前記挟持部の内側に、前記湾曲部回転部の上部半円凸部の端部と係合することによって、フック開閉バーの跳ね上がりを防止する突起を備えることを特徴とする、フック具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フック具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、内側セクション(本発明のフック開閉バー)によって、フックとカラビナとに形態を変えて使用できるフック具を開発した(特許文献1)。前記フック具は、簡単にフックと、カラビナとの機能を切り替えて使用できる優れたフック具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6215829号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記フック具をカラビナの形状で使用している場合に、想定以上の重い荷物を懸架しフック具に過剰な荷重がかかると、係合しているフック開閉バー3の下端端部7と、フック湾曲部2の開口端部8との係合が外れて、フック開閉バー3が上部に跳ね上がることがあった(図1)。係合が外れた場合、図1に示すように金属製の付勢手段21が飛び出し、手指を傷つけたり、衣服に絡まったりすることがあった。
従って、本発明の目的は、前記フック具に想定以上の過剰な荷重がかかった場合でも、付勢手段の飛び出しを防ぐ安全なフック具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、フック具に想定以上の過剰な荷重がかかった場合でも、付勢手段の飛び出しを防ぐ安全なフック具ついて、鋭意研究した結果、驚くべきことに、フック開閉バーの開閉バー回転部の挟持部の内側に、湾曲部回転部の上部半円凸部の端部と係合する突起を備えることによって、フック開閉バーの跳ね上がりを防止できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]フック湾曲部、及びフック開閉バーを含む、フック具であって、前記フック湾曲部は、肩部及び下方湾曲部から構成され、前記フック開閉バーは、前記肩部に対して着脱自在な棒状体であり、前記フック湾曲部及び前記フック開閉バーは、前記フック湾曲部の上方頂点部の湾曲部回転部、及び前記フック開閉バーの上端端部の開閉バー回転部によって回転可能に結合しており、前記湾曲部回転部は、両側に突出した回転軸凸部、両側の略上半分の外縁に沿って突出して形成された上部半円凸部を備え、前記開閉バー回転部は、両側に円板上の2つの挟持部を備え、前記挟持部は前記回転軸凸部と、挟持部の中心の回転軸孔によって回転可能に嵌合しており、前記フック開閉バーの下端端部は、前記回転軸凸部に備えられた付勢手段により、前記湾曲部回転部及び前記開閉バー回転部を回転軸として、フック湾曲部の開口端部の方向に付勢されており、前記フック開閉バーが、前記付勢手段に対抗して、前記肩部に係止する場合、前記肩部表面の中心に設けられた帯状突起と、前記フック開閉バーの表面の上下方向中心部に設けられた帯状溝が噛合し、そして肩部の帯状突起の下端部に設けられた両側の係止用突起、及び前記フック開閉バーの帯状溝に設けられた両側の係止用窪みによって係止されることによって、フック具は開放状態になり、前記フック開閉バーが、前記付勢手段によって付勢される場合、フック開閉バーの下端端部と、前記開口端部とが係止されることによって、フック具が閉鎖状態になり、
前記フック開閉バーの下端端部と前記開口端部との係止が開放され、前記フック開閉バーが跳ね上がった場合に、前記挟持部の内側に、前記湾曲部回転部の上部半円凸部の端部と係合することによって、フック開閉バーの跳ね上がりを防止する突起を備えることを特徴とする、フック具、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のフック具によれば、想定以上の過剰な荷重がかかった場合でも、付勢手段の飛び出しを防ぎ、付勢手段による事故を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来のフック具の閉鎖状態を示す図、及び過剰な荷重がかかった場合に、開閉バーの噛合孔が、開口端部の噛合突起から外れた状態を示す図である。
図2】本発明のフック具の開放状態及び閉鎖状態を示す図である。
図3】本発明のフック具に過剰な荷重がかかった場合に、開閉バーの噛合孔が、開口端部の噛合突起から外れた状態を示す図、及び湾曲部回転部及び開閉バー回転部の拡大図である。
図4】本発明のフック具の左後方から見た分解斜視図、及び開閉バーの右前方からの斜視図である。
図5】本発明のフック具の右前方から見た分解斜視図、及び開閉バーの開閉バー回転部の拡大図である。
図6】本発明の金属例のフック具の側面図及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のフック具は、フック湾曲部、及びフック開閉バーを含む、フック具であって、前記フック湾曲部は、肩部及び下方湾曲部から構成され、前記フック開閉バーは、前記肩部に対して着脱自在な棒状体であり、前記フック湾曲部及び前記フック開閉バーは、前記フック湾曲部の上方頂点部の湾曲部回転部、及び前記フック開閉バーの上端端部の開閉バー回転部によって回転可能に結合しており、前記湾曲部回転部は、両側に突出した回転軸凸部、両側の略上半分の外縁に沿って突出して形成された上部半円凸部を備え、前記開閉バー回転部は、両側に円板上の2つの挟持部を備え、前記挟持部は前記回転軸凸部と、挟持部の中心の回転軸孔によって回転可能に嵌合しており、前記フック開閉バーの下端端部は、前記回転軸凸部に備えられた付勢手段により、前記湾曲部回転部及び前記開閉バー回転部を回転軸として、フック湾曲部の開口端部の方向に付勢されており、前記フック開閉バーが、前記付勢手段に対抗して、前記肩部に係止する場合、前記肩部表面の中心に設けられた帯状突起と、前記フック開閉バーの表面の上下方向中心部に設けられた帯状溝が噛合し、そして肩部の帯状突起の下端部に設けられた両側の係止用突起、及び前記フック開閉バーの帯状溝に設けられた両側の係止用窪みによって係止されることによって、フック具は開放状態になり、前記フック開閉バーが、前記付勢手段によって付勢される場合、フック開閉バーの下端端部と、前記開口端部とが係止されることによって、フック具が閉鎖状態になり、前記フック開閉バーの下端端部と前記開口端部との係止が開放され、前記フック開閉バーが跳ね上がった場合に、前記挟持部の内側に、前記湾曲部回転部の上部半円凸部の端部と係合することによって、フック開閉バーの跳ね上がりを防止する跳ね上がり防止突起を備える。
【0009】
本発明のフック具について、図2図5に沿って具体的な実施態様を説明する。図2は、本発明のフック具の開放状態及び閉鎖状態を示す図である。図3は、本発明のフック具に過剰な荷重がかかった場合に、開閉バーの噛合孔が、開口端部の噛合突起から外れた状態を示す図、及び湾曲部回転部及び開閉バー回転部の拡大図である。図4は、本発明のフック具の左後方から見た分解斜視図、及び開閉バーの右前方からの斜視図である。図5は、本発明のフック具の右前方から見た分解斜視図、及び開閉バーの開閉バー回転部の拡大図である。
【0010】
図2に示すように前記フック湾曲部2は、肩部4及び下方湾曲部5から構成される。フック湾曲部2は、下方半S字状(S字の下半分の形状)である。フック湾曲部2のフック湾曲部上方頂点部(図5の湾曲部回転部15に相当する)は、S字の中点に相当する位置にあり、フック湾曲部2の上方端部でもある。フック湾曲部上方頂点部(上方端部)で、例えば連結手段24と連結することができる。
フック湾曲部2は、前記下方湾曲部5で吊り下げ物を保持して吊り下げることができ、フック湾曲部2の内部に、フック空間を備える。また、前記フック湾曲部2は、フック湾曲部上方頂点部と開口端部8との間に開口部13を有し、その開口部13から吊り下げ物を出入りさせることができる。なお、開口端部8の位置は、S字の末端に相当する。
【0011】
前記肩部4は、フック空間の内側方向に、フック開閉バーと噛合するための帯状突起11を有する。前記帯状突起11は、肩部基部25によって支持されている。
【0012】
前記フック開閉バーは、前記肩部4に対して着脱自在な棒状体である。その上端端部(図5の開閉バー回転部に相当する)で、前記フック湾曲部2の湾曲部回転部15と、開閉バー回転部により、回転可能に結合されている。前記開閉バー3の上端端部の反対側端部である下部端部7は自由端部である。
【0013】
前記フック湾曲部2及び前記フック開閉バー3は、前記フック湾曲部の上方頂点部の湾曲部回転部15、及び前記フック開閉バーの上端端部の開閉バー回転部16によって回転可能に結合している。
【0014】
前記湾曲部回転部15は、図4及び図5に示すように、フック湾曲部の左右の両側に突出した1対の回転軸凸部17を有している。回転軸凸部17は、フック開閉バーを回転可能に結合するため、好ましくは、側方から見て、湾曲部回転部の中心部に円柱状の形状で形成される。湾曲部回転部15は、図5に示すように、円柱状の形状であるが、側方から見ると図2及び3に示すように円形の形状を示す。湾曲部回転部15は、側方から見た円形の形状の略上半分の外縁に沿って突出して形成された上部半円凸部18を有する。上部半円凸部18も、フック湾曲部の左右の両側に突出して形成される。上部半円凸部18は、前記回転軸凸部17の上部を囲むように形成される。また、上部半円凸部18の前方の端部は、上部半円凸部端部22である。一方、上部半円凸部18の後方は、好ましくはフック湾曲部2の肩部4の肩部基部25と結合している。
【0015】
前記開閉バー回転部16は、図4及び図5に示すように、両側に円板上の2つの挟持部19を備える。前記挟持部は、好ましくは側方から見て円形の形状であり、湾曲部回転部15の1対の回転軸凸部17と回転可能に結合するために、円形の中心部に回転軸孔20を有する。
【0016】
前記湾曲部及び前記前記開閉バーは、湾曲部回転部15の回転軸凸部17と、挟持部16の中心の回転軸孔20とによって回転可能に嵌合している。また、回転軸凸部17に付勢手段(例えば、バネ)の円形状部分を嵌め込み、その後に回転軸孔20を嵌合させることによって、前記開閉バーを付勢することができる。例えば、図2の閉鎖状態に示すように、フック開閉バーの下端端部7は、前記回転軸凸部17に備えられた付勢手段21により、前記湾曲部回転部15及び前記開閉バー回転部16を回転軸として、フック湾曲部の開口端部8の方向に付勢される。前記付勢手段は、回転軸凸部17の片方に備えてもよく、両方に2つ備えることもできる。
【0017】
本発明のフック具は、前記フック開閉バーを、前記付勢手段に対抗して、前記肩部に係止することによって、開放状態とすることができる。前記肩部の内側表面の中心に設けられた帯状突起11と、前記フック開閉バーの表面の上下方向中心部に設けられた帯状溝12が噛合し、そして肩部の帯状突起の下端部に設けられた両側の係止用突起14、及び前記フック開閉バーの帯状溝に設けられた両側の係止用窪み(図視せず)によって係止されることによって、フック具は開放状態となる。すなわち、前記肩部4が、前記開閉バー3側表面の上下方向中心部に帯状突起12を有し、前記開閉バー3が、その肩部4側表面の中心に、前記帯状突起12に噛合可能な帯状溝13を有することによって、前記肩部4と前記開閉バー3との噛合状態を安定に維持させることができる。そして、肩部の帯状突起12の下端部に設けられた帯状突起の両側の係止用突起14及び前記フック開閉バーの帯状溝13に設けられた帯状溝の両側の係止用窪みによって係止されることによって、フック具は開放状態になる。
【0018】
本発明のフック具は、前記フック開閉バーを前記付勢手段によって付勢することによって、閉鎖状態となる。すなわち、フック開閉バー3の下端端部7と、前記フック湾曲部2の開口端部8とが係止されることによって、フック具が閉鎖状態となる。
例えば、開閉バー3の側面に設けた解除突起部6を利用して、開閉バー3を開口部の方向に指で引き抜くと係止状態が解除され、付勢手段によって振り子様に回転し、前記開閉バー3の下部先端7がフック湾曲部2の開口端部8に接触するまで移動して停止する。こうして、前記フック湾曲部2は、閉鎖状態となる。なお、解除突起部6を有さない場合でも、開閉バー3の両側を指でつまみ、閉鎖状態にすることができる。
本発明のフック具1は、開閉バー3の下部先端7に噛合孔9、及びフック湾曲部2の開口端部8に噛合突起10を有してもよい。前記開閉バー3の下部先端7と、フック湾曲部2の開口端部8との噛合用として、下部先端7に噛合孔9を設け、開口端部8に噛合突起10を設けることによって、下部先端7と開口端部8との噛合は、更に安定に維持される。
【0019】
従来のフック具は、前記のとおり、前記フック具を閉鎖状態(カラビナの形状)で使用している場合に、フック具に過剰な荷重がかかると、係合しているフック開閉バー3の下端端部7と、フック湾曲部2の開口端部8との係合が外れて、フック開閉バー3が上部に跳ね上がることがあった。フック開閉バー3が跳ね上がった場合、図1に示すように金属製の付勢手段21が飛び出し、手指を傷つけたり、衣服に絡まったりすることがあった。
本発明のフック具は、フック開閉バー3の跳ね上がりを防止し、付勢手段21の飛び出しを防ぐために、挟持部の内側に、跳ね上がり防止突起23を有する。跳ね上がり防止突起23は、図3に示すように、フック湾曲部2の開口端部8との係合が外れた場合、湾曲部回転部の上部半円凸部の端部22に、挟持部内側の跳ね上がり防止突起23が係合し、フック開閉バーの跳ね上がりを防止することができる。すなわち、跳ね上がり防止突起23が、上部半円凸部の端部22によって停止され、フック開閉バーが上部に動くことを防ぐことができる(図3)。
【0020】
前記跳ね上がり防止突起は、図4又は5に示すように、1対の挟持部19の片方の内側に備えてもよいが、両方の挟持部の内側に2つ備えてもよい。跳ね上がり防止突起の形状は、上部半円凸部の端部22に係合して跳ね上がりを防止できる限りにおいて、特に限定されるものではなく、例えば角柱上、又は円柱状などの形状が挙げられる。
【0021】
本発明によるフック具1は、フック湾曲部上方頂点部(上方端部)の連結手段24によって、掛止手段に結合することができる。例えば、そして掛止手段によって被懸下体に着脱自在に取り付けることができる。被懸下体は、例えば、水平面(床面又は地面)と平行ないし垂直な棒状体、あるいは水平面から任意の角度で傾斜した棒状体であることができる。掛止手段は、被懸下体に懸下可能であれば限定されず、従来と同様のフック具において使用されている手段をそのまま用いることができる。例えば、面ファスナーを備えたベルト部と取付ベース部との組合せ、又は面ファスナーを備えたベルト部と、取付ベース部と、連結部との組合せを用いることができる。
【0022】
本発明のフック具の材料は特に限定されるものではなく可撓性材料、金属、又は木材などが挙げられる。可撓性材料としては、合成樹脂(例えば、PE系樹脂、PP系樹脂、PC系樹脂、ABS系樹脂、ポリアミド系樹脂、又はポリエステル系樹脂)、又はゴム(例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、又は加硫ゴム)が挙げられる。
【0023】
金属としては、鉄、ステンレス、ジュラルミン、真鍮又はアルミなどが挙げられる。金属材料を用いる場合、図6に示すように帯状突起の両側に、2つの係止用突起を非対称の位置に備えることが好ましい。本発明者らは、正面から見た場合に対称の位置に、両側の2つの係止用突起をした場合、帯状突起及び帯状溝の噛合が困難になることに気づいた。本発明者らは、両側の2つの係止用突起を非対称の位置に備えることにより、容易に帯状突起及び帯状溝を噛合できることを見出した。係止用突起は、固定されているものでもよいが、噛合時に帯状突起の内側に引っ込むように構成されるものが好ましい。例えば、係止用突起26(27)及びその反対側の係止用突起孔26b(27b)の間にバネを設置し、噛合時に係止用突起26(27)が引っ込むようにすることができる。
帯状突起の両側の係止用突起は、帯状突起の両側(左右)にそれぞれ1つでもよいが、2つ以上の係止用突起を有してもよい。係止用突起及び係止用突起孔が直線に並んでもよく、係止用突起及び係止用突起孔が対角に並んでもよく、2つずつの係止用突起及び係止用突起孔が四角を形成して並んでもよい。
係止用突起を係止する係止用窪みは、溝の形状でもよい。溝は下部端部まで形成されてもよいが、例えば係止用突起部に合わせるように形成してもよい。前記係止用突起は、係止用突起部を有してもよく、係止用突起部を有しなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のフック具は、ベビーカー、シルバーカー、若しくは車椅子、又は自転車のハンドルやフレーム(特に、傾斜フレーム)、各種アウトドア製品のパイプ(特に、テント組立用の傾斜パイプ)、各種物流用製品のパイプ(特に、台車の傾斜フレーム)、更には、各種家庭用品のパイプ(例えば、ベランダの手すりや柵、物干し竿)、病院や宿泊施設のベッドなどに用いることができる。また、外径が大きい被巻付け体の一例を挙げれば、屋外用品、例えば、園芸用プランター、屋外ゴミ箱、表示盤などがある。
【符号の説明】
【0025】
1・・・フック具;
2・・・フック湾曲部;
3・・・フック開閉バー;
4・・・肩部;
5・・・下方湾曲部;
6・・・解除突起部;
7・・・下端端部;
8・・・開口端部;
9・・・噛合孔;
10・・・噛合突起;
11・・・帯状突起;
12・・・帯状溝;
13・・・開口部;
14・・・係止用突起
15・・・湾曲部回転部;
16・・・開閉バー回転部;
17・・・回転軸凸部;
18・・・上部半円凸部;
19・・・挟持部;
20・・・回転軸孔;
21・・・付勢手段;
22・・・上部半円凸部の端部;
23・・・跳ね上がり防止突起;
24・・・連結手段;
25・・・肩部基部;
26・・・係止用突起;
26b・・・係止用突起孔;
27・・・係止用突起;
27b・・・係止用突起孔;
図1
図2
図3
図4
図5
図6