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  • 特開-遮音壁及び遮音壁の構築方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075546
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】遮音壁及び遮音壁の構築方法
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20230524BHJP
   E04B 1/86 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
G10K11/16 120
E04B1/86 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188516
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 充敏
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克俊
【テーマコード(参考)】
2E001
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DF02
2E001FA03
2E001GA10
2E001GA45
2E001HD03
2E001HE02
2E001HF14
2E001LA16
5D061AA13
5D061BB31
5D061BB37
5D061DD01
(57)【要約】
【課題】面材を厚くすることなく騒音の低周波数域を低減することができる遮音壁及び遮音壁の構築方法を提供する。
【解決手段】騒音を低減する遮音壁10は、面部材13と、面部材13に面部15aが固定された第1取付部材15と、面部材13とは異なる上側固定部12に面部16aが固定された第2取付部材16とを備える。更に、遮音壁10は、対向する第1取付部材15の面部15bと第2取付部材16の面部16bの間に設けたエネルギを吸収して音を減衰させるゲル部材18を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面部材を有し、騒音を低減する遮音壁であって、
前記面部材に一端部が固定された第1取付部材と、
前記面部材とは異なる剛性部材に一端部が固定された第2取付部材と、
騒音時の前記面部材の振動方向にスライドする前記第1取付部材と前記第2取付部材との間に設けられ、エネルギを吸収する吸収体とを備えたことを特徴とする遮音壁。
【請求項2】
前記吸収体に対して、前記第1取付部材及び前記第2取付部材からの圧力を加える加圧機構を更に有していることを特徴とする請求項1に記載の遮音壁。
【請求項3】
躯体に端部が固定された面部材からの騒音を低減した遮音壁の構築方法であって、
前記面部材に一端部が固定される第1取付部材を設け、
騒音時の前記面部材の振動方向にスライドする前記第1取付部材との間にエネルギを吸収する吸収体を配置した状態で、前記面部材とは異なる剛性部材に一端部が固定される第2取付部材を設けたことを特徴とする遮音壁の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低周波数域の騒音を低減する遮音壁及び遮音壁の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル等においては、空調設備や電気設備の機械室が設けられている。機械室において発生する騒音は大きいため、機械室の周囲にある執務室に、騒音を伝えないようにする必要がある。
【0003】
例えば、図6は、周波数に対応して、機械室及び執務室における音圧レベルと、騒音評価値との関係を示している。一般に、執務室として、NC-45やNC-40の騒音評価値を採用する場合、すべての周波数において、NC-45やNC-40の基準曲線を下回ることが要求される。この場合、63Hz~125Hz帯域においては、基準曲線を上回っているため、低周波数域における音を低減する必要がある。
【0004】
そこで、低周波数域の音を低減する遮音壁が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の遮音壁においては、間柱に立設した対向する2枚の石膏ボードの間に、グラスウールと、弛ませた状態の膜部材とを配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-262730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した遮音壁においては、騒音を低減するために、複数の石膏ボードを重ね貼りした質量の大きな面部材を用いる必要があった。このため、重ね貼りした石膏ボードの厚み分だけ遮音壁の厚みも大きくなっていた。また、このような遮音壁においては、低周波数域だけでなく、高周波数域も低減するため、低周波数域のみを効率的に低減することは難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する遮音壁は、面部材を有し、騒音を低減する遮音壁であって、前記面部材に一端部が固定された第1取付部材と、前記面部材とは異なる剛性部材に一端部が固定された第2取付部材と、騒音時の前記面部材の振動方向にスライドする前記第1取付部材と前記第2取付部材との間に設けられ、エネルギを吸収する吸収体とを備える。ここで、吸収体として、第1取付部材及び第2取付部材の一部が機能してもよく、吸収体を第1取付部材及び第2取付部材と別体で設ける場合に限られない。
また、上記課題を解決する遮音壁の構築方法は、躯体に端部が固定された面部材からの騒音を低減した遮音壁の構築方法であって、前記面部材に一端部が固定される第1取付部材を設け、騒音時の前記面部材の振動方向にスライドする前記第1取付部材との間にエネルギを吸収する吸収体を配置した状態で、前記面部材とは異なる剛性部材に一端部が固定される第2取付部材を設ける。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、面材を厚くすることなく騒音の低周波数域を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における遮音壁の構成を説明する正面断面図である。
図2】実施形態における遮音壁の試験体の構成を説明する斜視図である。
図3】実施形態における遮音壁の試験体による実験結果を示すグラフである。
図4】第1変更例における遮音壁の構成を説明する要部の平面図である。
図5】第2変更例における遮音壁の要部の構成を説明する正面断面図である。
図6】従来における機械室及び執務室の周波数帯域に応じた音圧レベルを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図3を用いて、遮音壁及び遮音壁の構築方法を具体化した一実施形態を説明する。ここでは、機械室等の周囲に設けられる遮音壁として説明する。
図1に示す遮音壁10は、面部材13と、L字アングルの第1取付部材15及び第2取付部材16と、吸収体としてのゲル部材18とを有する。
【0011】
面部材13の下端部及び上端部は、躯体等である下側固定部11及び上側固定部12にそれぞれボルト(図示せず)等により固定されている。面部材13として、例えば、石膏ボードを用いる。ここで、下側固定部11及び上側固定部12に対して、面部材13は、騒音発生時に面に対して垂直方向に大きく振動する。このため、下側固定部11及び上側固定部12が非振動部の剛性部材として機能し、面部材13が振動部として機能する。
【0012】
面部材13には、騒音発生源である室内側(図中の左側)と反対側の面に、第1取付部材15の一端部が設けられている。具体的には、第1取付部材15の一方の面部(一端部)15aは、面部材13に当接されて、ボルト(図示せず)等により固定されている。このとき、第1取付部材15の他方の面部15bは、方向A1に延在する水平面として配置されている。
【0013】
第2取付部材16の一方の面部(一端部)16aは、上側固定部12に、ボルト(図示せず)等により固定されている。この第2取付部材16の他方の面部16bは、第1取付部材15の面部15bと離間して対向するように配置されている。これにより、面部材13が騒音を受けることにより振動する方向A1にスライド可能となるように、第1取付部材15及び第2取付部材16が対向して配置される。なお、面部15b及び面部16bがそれぞれ第1面部及び第2面部に対応する。
【0014】
第1取付部材15の面部15bと第2取付部材16の面部16bとの間には、ゲル部材18が設けられている。このゲル部材18として、例えば、自己粘着性のある5mm厚のウレタンゲル等を用いる。
【0015】
また、上述した遮音壁10は、以下のように施工されて構築される。
まず、下側固定部11及び上側固定部12に、面部材13の下端部及び上端部を固定する。次に、面部材13に、第1取付部材15の面部15aを固定した後、第1取付部材15の面部15bにゲル部材18を載置する。そして、ゲル部材18に面部16bを当接させた状態で第2取付部材16の面部16aを、上側固定部12に固定する。
【0016】
(試験体を用いた実験)
次に、上述した遮音壁10の構成を適用した試験体20を用いた騒音低減実験について説明する。
【0017】
まず、図2を用いて、試験体20の構成について説明する。
試験体20は、躯体に対応する枠部材20aを備える。この枠部材20aは非振動部として機能し、中央に四角形状の空間が形成される。そして、この空間に、振動部である鉄板23が配置される。この鉄板23は、面部材であって、枠部材20aの四辺にボルト(図示せず)等により固定されている。ここで、鉄板23は、枠部材20aよりも薄い板部材であるため、鉄板23の垂直面は、枠部材20aの垂直面と段差が生じる。
【0018】
枠部材20aの下部21及び上部22に、第2取付部材26の下端部及び上端部が、ボルト(図示せず)等により固定されている。具体的には、第2取付部材26は、L字アングルであり、垂直方向に延在する2つの面部26a,26bを有する。第2取付部材26の一方の面部26aの下端部及び上端部は、下部21及び上部22に、ボルト(図示せず)等によって固定される。ここで、面部26aの上端部及び下端部には、水平方向に延在する長孔を設け、この長孔にはボルトを挿通する。長孔に対するボルトの位置を変更することにより、第2取付部材26が水平方向に移動可能な構成となる。
【0019】
鉄板23には、L字アングルの第1取付部材25の一方の面部25aが、ボルト(図示せず)等により固定される。第1取付部材25の他方の面部25bは、第2取付部材26の面部26bと対向するように配置される。対向する第1取付部材25の面部25bと第2取付部材26の面部26bとの間は、5mm程度の空間が設けられる。そして、この空間には、ゲル部材28が配置される。ゲル部材28は、自然長が5mm厚であり、加圧されることによって薄くなる自己粘着性を有する。
【0020】
本実施形態の実験においては、ゲル部材28を加圧することによりゲル部材28の厚みを変更して、遮音壁10の遮音性能についての実験を行なった。ここでは、第2取付部材26の面部26aに設けた長孔とボルトとの位置関係を変更することにより、面部25bと面部26bとの間の空間の大きさを狭める。このように空間を狭めることにより、ゲル部材28を加圧する。
【0021】
図3には、図2の試験体20を用いた実験結果を示している。
図3に示すように、ゲル部材28を設けた構成は、ゲル部材がない構成に比べて、低周波数域(周波数帯域が31.5Hz~63Hz)の遮音性能が高い。また、加圧によりゲル部材28を圧縮した場合には、遮音性能が変化する。この実験においては、5mm厚のゲル部材28を、3mm厚又は2mm厚になるように加圧した構成では、周波数が50~80Hz帯域の遮音性能が高かった。
【0022】
(作用)
図1に示す本実施形態の遮音壁10は、面部材13に面部15aを固定した第1取付部材15の面部15bと、上側固定部12に面部16aの端部を固定した第2取付部材16の面部16bとの間にゲル部材18を設ける。方向M1に伝わる騒音によって面部材13が振動した際の変位により、ゲル部材18が方向A1にスライドする。このスライドにより、振動エネルギは、ゲル部材18を変形させて、ゲル部材18に吸収される。従って、ゲル部材18を方向A1にスライドさせることができるので、変位が大きくなる低周波数域での音響透過損失を向上させることができる。
【0023】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の遮音壁10は、面部材13に固定した第1取付部材15の面部15bと、上側固定部12に端部を固定した第2取付部材16の面部16bとの間にゲル部材18を設ける。これにより、面部材13を介して音が伝達する際に、音のエネルギがゲル部材18の変形や熱に変換されるので、低周波数域の音を低減することができる。従って、低周波数域の音を効率的に低減することができる。
【0024】
(2)本実施形態では、第1取付部材15及び第2取付部材16を、L字アングルで構成する。これにより、L字アングルの面部15b,16bを対向させることにより、簡単な構成で、ゲル部材18を配置する空間を、面部材13に垂直する振幅方向(面部材13の振動方向)に延在するように形成することができる。従って、面部材13の振動方向に、ゲル部材18を大きく変形させて、音のエネルギを効率的に吸収することができる。
【0025】
(3)本実施形態の遮音壁10は、下側固定部11及び上側固定部12に固定した面部材13に、第1取付部材15を固定し、この第1取付部材15にゲル部材18を載置する。そして、ゲル部材18に面部15bを当接させた状態で第2取付部材16の面部16aを、上側固定部12に固定する。これにより、簡単な施工で、遮音壁10を構築することができる。
【0026】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態の遮音壁10は、第1取付部材15とともにゲル部材18を挟む第2取付部材16を上側固定部12に固定した。第2取付部材は、面部材が音を受け止める際にゲル部材が変形して音のエネルギを吸収するダンパーとして機能できれば、上側固定部に固定する場合に限られず、第1取付部材とは異なる剛性を有する部材(剛性部材)に取り付ければよい。例えば、第2取付部材を、下側固定部11や梁等の横に延長する横架材に固定してもよいし、柱部材に固定してもよい。更に、離間した2つの面部材で構成する遮音壁においては、異なる面部材に第1取付部材及び第2取付部材をそれぞれ取り付けてもよい。
【0027】
具体的には、図4には、変更例の遮音壁30の平面図を示している。遮音壁30は、第1壁部材31と、この第1壁部材31と離間して対向配置する第2壁部材33とを有する。第1壁部材31は、2枚の石膏ボードを張り合わせて構成される。この遮音壁30においては、第1壁部材31及び第2壁部材33が、面部材又は剛性部材として機能する。
【0028】
第1壁部材31と第2壁部材33との間の空間S1には、複数のダンパー機構部が設けられている。このダンパー機構部は、第1取付部材35、第2取付部材36及びゲル部材38を備える。第1取付部材35及び第2取付部材36は、リップ溝形鋼(C形鋼)で構成され、第1壁部材31及び第2壁部材33をそれぞれ固定するための下地部材である。そして、第1取付部材35の一方のフランジが、第1壁部材31にボルト(図示せず)等により固定され、第2取付部材36の一方のフランジが、第2壁部材33に、ボルト(図示せず)等により固定されている。これにより、第1取付部材35のウェブ35w及び第2取付部材36のウェブ36wが対向するように配置された状態になっている。そして、対向するウェブ35wとウェブ36wとの間にゲル部材38が配置されている。
【0029】
この遮音壁30の施工方法においては、まず、第1取付部材35を離間して立設させた後、第1壁部材31を設ける。そして、第2取付部材36を立設させる。このとき、ウェブ35wとウェブ36wとを対向させ、この間にゲル部材38を挟む。その後、第2取付部材36に第2壁部材33を取り付ける。
【0030】
上述した構成の遮音壁30においても、第1壁部材31又は第2壁部材33の外側から音が伝搬してきた場合、ゲル部材38の変形や発生する熱により、音のエネルギを吸収するので、遮音壁30は、低周波数域の音を遮断して伝達を抑制することができる。ここで、騒音を受ける第1壁部材31又は第2壁部材33が振動する方向A2に延在するゲル部材38を配置する空間を、第1及び第2取付部材35,36のウェブ35w,36wを対向させて形成する。従って、ゲル部材38を、方向A2に変形させて音のエネルギを吸収することができ、低周波数域の音を低減することができる。
【0031】
・上記実施形態の遮音壁10においては、第1取付部材15及び第2取付部材16の間に、自然長のゲル部材18を設けた。第1取付部材と第2取付部材との間に設けるゲル部材を加圧してもよいし、このゲル部材に加える圧力を調整可能にしてもよい。前者の場合には、ゲル部材に対して、予め定めた一定の圧力を加える加圧機構を設けた構成としてもよい。後者の場合には、試験体20に示すように、第1取付部材及び第2取付部材の少なくとも1つに長孔を設けて、ゲル部材が配置される隙間の大きさを変更する構成を用いてもよい。
【0032】
更に、後者の場合、図5に示すダンパー機構部50のように、ゲル部材58に対して第1取付部材45の面部及び第2取付部材46の面部からの圧力を、調整可能に、ゲル部材に加える加圧機構を設けた構成としてもよい。具体的には、ダンパー機構部50は、面部材13に設けられた第1取付部材45と、筐体に取り付けられた第2取付部材46とゲル部材58と、圧力調整機構とを有する。圧力調整機構は、ボルトB1、ナットN1,N2及び板部材P1,P2を備える。第1取付部材45及び第2取付部材46はL字アングルで構成され、これらの対向する面部45b,46bに、整合する孔45h,46hを設ける。そして、この孔45h,46hの周囲に、第1取付部材45及び第2取付部材46に渡るようにゲル部材58を取り付ける。
更に、ゲル部材58の上面部及び下面部に、孔を形成した板部材P1,P2を配置する。そして、ボルトB1の軸部を孔45h,46h及び板部材P1,P2の孔に貫通させ、先端を2つのナットN1,N2で固定する。これによりボルトB1に対するナットN1,N2の締め付けによって、ゲル部材58に加わる圧力を変更することができる。この場合においても、騒音により面部材13が受ける振動の方向A3にゲル部材58がスライドするので、低周波数域の騒音を吸収することができる。更に、ゲル部材58に加わる圧力を変更できるので、遮音性能を調整することができる。
【0033】
・上記実施形態の遮音壁10においては、エネルギを吸収する吸収体は、ゲル部材18で構成した。吸収体は、ゲル部材18に限定されず、例えば、ゴム材料で構成される部材、表面に凹凸が形成された部材、ウレタン等のエラストマで構成された部材、擦りながら動かすことにより摩擦力を発生する摩擦材等を用いることができる。更に、第1取付部材と第2取付部材との間に部材を設けずに、第1取付部材の面部と第2取付部材の面部とを摩擦材(吸収体)として用いてもよい。ここで、摩擦材として金属を用いる場合には、きしみ音の発生抑制のために、テフロン(登録商標)シートを間に挿入することが好ましい。
更に、吸収体は、面部材の振動方向(水平方向)に延在する面部15b,16bの間に設けた。吸収体は、面部材の振動方向にスライドする第1取付部材と第2取付部材との間であれば、水平方向でない傾斜した方向でもよいし、面部以外の線形状の部分等に設けてもよい。
【0034】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記吸収体は、前記第1取付部材の第1面と前記第2取付部材の第2面との間に設けられ、前記第1面及び前記第2面からの圧力を受けることを特徴とする請求項2に記載の遮音壁。
(b)前記第2取付部材は、前記面部材と離間した別の第2面部材に取り付けられ、前記吸収体は、前記面部材と前記第2面部材との間に設けられることを特徴とする請求項1、2又は前記(a)に記載の遮音壁。
(c)前記第1取付部材及び前記第2取付部材は、前記面部材及び前記第2面部材をそれぞれ固定する下地部材であることを特徴とする前記(b)に記載の遮音壁。
【符号の説明】
【0035】
A1,A2,A3…方向、B1…ボルト、N1,N2…ナット、P1,P2…板部材、S1…空間、10,30…遮音壁、11…下側固定部、12…剛性部材としての上側固定部、13…面部材、15,25,35,45…第1取付部材、15a,16a,25a,26a…一端部としての面部、15b,25b,45b…第1面としての面部、16b,26b,46b…第2面としての面部、16,26,36,46…第2取付部材、18,28、38、58…吸収体としてのゲル部材、20…試験体、20a…枠部材、21…下部、22…上部、23…鉄板、31…面部材又は剛性部材としての第1壁部材、33…面部材又は剛性部材としての第2壁部材、35w,36w…ウェブ、45h,46h…孔、50…加圧機構を有するダンパー機構部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6