(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007556
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】立替払い管理サーバ、立替払い管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/02 20120101AFI20230112BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20230112BHJP
【FI】
G06Q20/02
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110467
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】517230057
【氏名又は名称】泉 卓真
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100202913
【弁理士】
【氏名又は名称】武山 敦史
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(72)【発明者】
【氏名】泉 卓真
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA02
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】購入者及び販売者における決済業務を簡略化することが可能な立替払い管理サーバ、立替払い管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】立替払い管理サーバ200は、購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得部と、取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、立替払い管理サーバ200の管理者の口座に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバ300に送信する払出依頼データ送信部と、金融機関サーバ300から払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信する受信部と、受信部が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを金融機関サーバ300と同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者の口座に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信部と、
前記金融機関サーバから払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信する受信部と、
前記受信部が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信部と、
を備える立替払い管理サーバ。
【請求項2】
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信部と、
前記金融機関サーバから払い出しが完了したことを示す払出完了通知を受信する受信部と、
前記受信部が払出完了通知を受信すると、払い出された資金から販売者に代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信部と、
を備える立替払い管理サーバ。
【請求項3】
前記立替払い管理サーバは、購入者毎に割り当てられた立替払いの利用可能額と、前記取得部により取得された立替依頼データとに基づいて、購入者による立替払いの利用可否を判定する利用可否判定部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の立替払い管理サーバ。
【請求項4】
前記立替払い管理サーバは、前記取得部が立替依頼データを取得すると、前記取得部により取得された立替依頼データに基づいて、購入者に割り当てられた立替払いの利用可能額を減額させる利用可能額変更部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の立替払い管理サーバ。
【請求項5】
前記取得部は、前記金融機関サーバから購入者による代金の入金を確認した旨の入金確認通知を取得し、
前記利用可能額変更部は、前記取得部が入金確認通知を取得すると、前記取得部により取得された立替依頼データに基づいて購入者に割り当てられた立替払いの利用可能額を増額させる、
請求項4に記載の立替払い管理サーバ。
【請求項6】
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバが実行する立替払い管理方法であって、
取得部が、購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得するステップと、
払出依頼データ送信部が、前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者の口座に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信するステップと、
受信部が、前記金融機関サーバから払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信するステップと、
立替払いデータ送信部が、前記受信部が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信するステップと、
を含む立替払い管理方法。
【請求項7】
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバが実行する立替払い管理方法であって、
取得部が、購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得するステップと、
払出依頼データ送信部が、前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信するステップと、
受信部が、前記金融機関サーバから払い出しが完了したことを示す払出完了通知を受信するステップと、
立替払いデータ送信部が、前記受信部が払出完了通知を受信すると、払い出された資金から販売者に代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信するステップと、
を含む立替払い管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバとして機能させるためのプログラムであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者の口座に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信手段、
前記金融機関サーバから払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信する受信手段、
前記受信手段が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバとして機能させるためのプログラムであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信手段、
前記金融機関サーバから払い出しが完了したことを示す払出完了通知を受信する受信手段、
前記受信手段が払出完了通知を受信すると、払い出された資金から販売者に代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立替払い管理サーバ、立替払い管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットのような通信ネットワークを介して、販売者と購入者との間で決済を仲介する決済システムが広く用いられている。例えば、特許文献1には、購入者から商品の注文を受信し、販売者に商品の注文を通知して商品を購入者に向けて発送させ、購入者が販売者に代金の支払いを行う決済システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の決済システムでは、購入者が複数の販売者から商品を購入する場合や販売者が複数の購入者に商品を販売する場合に、購入者と販売者との間における決済業務が煩雑になる。とりわけ、購入者から販売者への代金の支払いが滞る場合には、販売者が購入者から個別に代金を回収するのに大きな労力が求められる。したがって、取引システムにおける購入者及び販売者の決済業務の簡略化が要請されている。
【0005】
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、購入者及び販売者における決済業務を簡略化することが可能な立替払い管理サーバ、立替払い管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る立替払い管理サーバは、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者の口座に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信部と、
前記金融機関サーバから払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信する受信部と、
前記受信部が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信部と、
を備える。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る立替払い管理サーバは、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信部と、
前記金融機関サーバから払い出しが完了したことを示す払出完了通知を受信する受信部と、
前記受信部が払出完了通知を受信すると、払い出された資金から販売者に代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信部と、
を備える。
【0008】
前記立替払い管理サーバは、購入者毎に割り当てられた立替払いの利用可能額と、前記取得部により取得された立替依頼データとに基づいて、購入者による立替払いの利用可否を判定する利用可否判定部をさらに備えてもよい。
【0009】
前記立替払い管理サーバは、前記取得部が立替依頼データを取得すると、前記取得部により取得された立替依頼データに基づいて、購入者に割り当てられた立替払いの利用可能額を減額させる利用可能額変更部をさらに備えてもよい。
【0010】
前記取得部は、前記金融機関サーバから購入者による代金の入金を確認した旨の入金確認通知を取得し、
前記利用可能額変更部は、前記取得部が入金確認通知を取得すると、前記取得部により取得された立替依頼データに基づいて購入者に割り当てられた立替払いの利用可能額を増額させてもよい。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る立替払い管理方法は、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバが実行する立替払い管理方法であって、
取得部が、購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得するステップと、
払出依頼データ送信部が、前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者の口座に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信するステップと、
受信部が、前記金融機関サーバから払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信するステップと、
立替払いデータ送信部が、前記受信部が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信するステップと、
を含む。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点に係る立替払い管理方法は、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバが実行する立替払い管理方法であって、
取得部が、購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得するステップと、
払出依頼データ送信部が、前記取得部により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信するステップと、
受信部が、前記金融機関サーバから払い出しが完了したことを示す払出完了通知を受信するステップと、
立替払いデータ送信部が、前記受信部が払出完了通知を受信すると、払い出された資金から販売者に代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信するステップと、
を含む。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第5の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバとして機能させるためのプログラムであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者の口座に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信手段、
前記金融機関サーバから払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信する受信手段、
前記受信手段が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信手段、
として機能させる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第6の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
販売者への代金を購入者の代わりに立替払いするための立替払い管理サーバとして機能させるためのプログラムであって、
購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得手段、
前記取得手段により取得された立替依頼データで特定される資金を、前記立替払い管理サーバの管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データを、金融機関サーバに送信する払出依頼データ送信手段、
前記金融機関サーバから払い出しが完了したことを示す払出完了通知を受信する受信手段、
前記受信手段が払出完了通知を受信すると、払い出された資金から販売者に代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを前記金融機関サーバと同一又は異なる金融機関サーバに送信する立替払いデータ送信手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、購入者及び販売者における決済業務を簡略化することが可能な立替払い管理サーバ、立替払い管理方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る決済システムの構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る決済システムの構成を示す他の概略図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る立替払い管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】(a)は、本発明の実施の形態に係る購入者データ記憶部のデータテーブルの一例を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係る販売者データ記憶部のデータテーブルの一例を示す図である。
【
図5】(a)は、本発明の実施の形態に係る立替依頼データ記憶部のデータテーブルの一例を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係る立替払いデータ記憶部のデータテーブルの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る立替払い管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態に係る利用可能額変更処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】本発明の変形例に係る決済システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る立替払い管理サーバ、立替払い管理方法及びプログラムを説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付している。
【0018】
実施の形態において購入者は、販売者から商品を購入する者であり、販売者は、購入者に商品を販売する者である。両者を総称してユーザと呼ぶことがある。管理者は、ユーザに立替払いサービスを提供する者であり、管理者に代わって運営を委託された運営者や、管理者の手足として動く者、例えば、子会社や委託先を含む。金融機関は、名称によらず金融取引を業とする者を全て含み、例えば、銀行、信用組合、信用金庫、クレジットカード会社、保険会社を含む。口座は、銀行に開設する銀行口座のみならず、銀行口座と同様に機能するものを含む。
【0019】
決済システム1は、管理者が金融機関から払い出し資金の提供を受けて購入者の代金を販売者に立替払いすると共に、金融機関が購入者から代金を回収する一連の決済を支援する。決済システム1を用いることにより、販売者は管理者から早期に代金の支払いを受けることができ、購入者は金融機関に一括して代金を支払うことができる。以下、資金の移動を口座振込により実施する場合を例に説明するが、資金の移動はこれに限られず、例えば、電子マネー、デジタル通貨を用いたものであってもよい。
【0020】
図1は、実施の形態に係る決済システム1の構成を示す概略図である。決済システム1は、購入者又は販売者が所持する通信端末100と、管理者が管理する立替払い管理サーバ200と、金融機関が管理する金融機関サーバ300と、を備える。通信端末100、立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300は、インターネットのような通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0021】
通信端末100は、例えば、スマートフォンのような携帯端末又は汎用コンピュータであり、購入者が所持する通信端末100Bと、販売者が所持する通信端末100Sと、を含む。通信端末100は、購入者及び販売者の要求を立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300に通知し、立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300からの処理結果を表示する。立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300は、例えば、いずれも汎用コンピュータである。立替払い管理サーバ200は、購入者からの立替払いの依頼を受け付け、管理者による購入者への立替払いを管理する。金融機関サーバ300は、金融機関から管理者への出金を実施し、購入者から金融機関への入金を受け付ける。
【0022】
以下、決済システム1を用いて実行される決済の概要を説明する。まず、
図1に示すように、購入者は、商品を購入し(買掛債務の発生)、その後の管理者による立替払いを依頼するタイミングで、通信端末100Bを操作して立替依頼データを入力し、入力した立替依頼データを立替払い管理サーバ200に送信させる。立替依頼データは、購入者が管理者による立替払いを依頼する商品に関する情報、例えば、商品の代金に関する情報を含む。立替払い管理サーバ200は、通信端末100Bから立替依頼データを取得すると(立替払い債権の発生)、購入者に個別に割り当てられた立替払いサービスの利用可能額を減額し、取得した立替依頼データを金融機関サーバ300に送信する。利用可能額は、購入者が管理者による立替払いサービスを受けることのできる金額である。なお、金融機関サーバ300に送信される立替依頼データは、立替依頼データで特定される資金を管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データの一例である。
【0023】
金融機関サーバ300が立替依頼データを取得し、金融機関が管理者に向けて販売者への立替払いのための資金を払い出すと、金融機関サーバ300は、資金の払出完了通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信する。払出完了通知は、金融機関から管理者に資金の払い出しが完了したことを示す通知である。金融機関から管理者への資金の払い出しは、例えば、管理者が販売者へ立替払いを実施する営業日前、例えば、2~3日営業日前に実施する。立替払い管理サーバ200は、金融機関サーバ300から払出完了通知を取得すると、販売者毎の立替依頼データに基づいて立替払いデータを生成する。立替払いデータは、管理者が販売者に立替払いを実施する代金相当額に関するデータである。管理者は、金融機関から払い出された資金を用い、立替払いデータに基づいて販売者に立替払いを実施する(買掛債務の消滅)。なお、金融機関から管理者への資金の払い出し額は、各販売者の代金合計額から金融機関の手数料が引かれた額であってもよく、管理者から販売者へ支払う代金相当額は、各販売者の代金合計額から金融機関の手数料に加えて管理者の手数料が引かれた額であってもよい。
【0024】
図2に示すように、金融機関は、管理者に立替払いのための資金を払い出すと、購入者に代金の支払いを請求し、払い出した資金を回収する(立替払い債権の消滅)。金融機関が口座振替による購入者の入金を確認すると、金融機関サーバ300は、入金確認通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信する。入金確認通知は、金融機関が購入者からの入金を確認した旨の通知である。立替払い管理サーバ200は、金融機関サーバ300から入金確認処理を取得すると、購入者に割り当てられた利用可能額を増額する。
以上が、決済システム1を用いて実行される決済の概要である。
【0025】
図3は、実施の形態に係る立替払い管理サーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。立替払い管理サーバ200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230と、操作部240と、表示部250と、を備える。各部は、内部バスで相互に接続されている。
【0026】
通信部210は、インターネットのような通信ネットワークに接続可能なインターフェースである。通信部210は、通信端末100及び金融機関サーバ300の各通信部と通信ネットワークを介して通信する。
【0027】
記憶部220は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクのようなメモリ装置を備え、制御部230により実行されるプログラムや各種のデータを記憶する。また、記憶部220は、制御部230が処理を実行するためのワークメモリとして機能する。さらに、記憶部220は、購入者データ記憶部221と、販売者データ記憶部222と、立替依頼データ記憶部223と、立替払いデータ記憶部224と、を備える。
【0028】
図4(a)は、実施の形態に係る購入者データ記憶部221のデータテーブルの一例を示す。購入者データ記憶部221は、ユーザ登録済みの購入者に関する購入者データを記憶する。購入者データは、例えば、購入者毎に割り振られ、購入者を識別するための購入者ID(Identification)、名称(個人事業者の場合は氏名)、住所、口座番号、利用可能額、利用限度額(利用可能枠)を含む。購入者のユーザ登録は、例えば、購入者が通信端末100Bを操作して、立替払い管理サーバ200に氏名又は名称、住所といった個人情報を送信し、管理者及び金融機関によりユーザ登録が許可されると、立替払い管理サーバ200から購入者ID及びパスワードを割り当てられることで実施される。なお、ユーザ登録の可否や利用限度額は、ユーザの属性、例えば、所有資産、売上高、借入金の額、その他のユーザの信用度を示す指標に基づいて判断される。
【0029】
図4(b)は、実施の形態に係る販売者データ記憶部222のデータテーブルの一例を示す。販売者データ記憶部222は、ユーザ登録済みの販売者に関する販売者データを記憶する。販売者データは、購入者データと同一又は同等の情報を含む。販売者のユーザ登録は、例えば、購入者のユーザ登録と同様に、販売者が通信端末100Sを操作して、立替払い管理サーバ200に氏名又は名称、住所といった個人情報を送信し、管理者及び金融機関によりユーザ登録が許可されると、立替払い管理サーバ200から販売者ID及びパスワードを割り当てられることで実施される。なお、ユーザ登録の可否は、ユーザの属性、例えば、所有資産、売上高、借入金の額、その他のユーザの信用度を示す指標に基づいて判断される。
【0030】
図5(a)は、実施の形態に係る立替依頼データ記憶部223のデータテーブルの一例を示す。立替依頼データ記憶部223は、購入者が管理者に依頼する立替払いに関する立替依頼データを記憶する。立替依頼データは、購入者により立替依頼データ記憶部223に登録され、例えば、納品日、購入者ID、販売者ID、商品、代金に関する情報を含む。
【0031】
図5(b)は、実施の形態に係る立替払いデータ記憶部224のデータテーブルの一例を示す。立替払いデータ記憶部224は、管理者が販売者に実施する立替払いに関する立替払いデータを記憶する。立替払いデータは、立替依頼データに基づいて生成され、例えば、納品日、販売者ID、代金相当額に関する情報を含む。代金相当額は、管理者から販売者へ立替払いされる支払い金額であり、販売者毎の立替依頼データに含まれる代金を合計することで算出される。
【0032】
図3に戻り、制御部230は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを備え、立替払い管理サーバ200の各部の制御を行う。制御部230は、記憶部220に記憶されたプログラムを実行することにより、
図6の立替払い管理処理及び
図7の利用可能額変更処理を実行する。
【0033】
制御部230は、機能的には、取得部231と、利用可否判定部232と、利用可能額変更部233と、立替払いデータ生成部234と、フォーマット変換部235と、出力部236と、を備える。
【0034】
取得部231は、購入者の通信端末100Bから立替依頼データを取得する。また、取得部231は、金融機関サーバ300から、管理者への資金の払い出しが完了した旨の払出完了通知、及び購入者からの入金を確認した旨の入金確認通知を取得する。
【0035】
利用可否判定部232は、取得部231により取得された立替依頼データに含まれる購入者IDに対応する購入者が立替払いサービスを利用可能かどうか判定する。購入者が立替払いを利用可能かどうかは、例えば、購入者データ記憶部221において各購入者に割り当てられた利用可能額に基づいて判定する。具体的には、購入者IDに対応する利用可能額が代金の合計額(立替額)以下である場合に、当該購入者が立替払いサービスを利用不可であると判定する。また、立替払いサービスを利用した購入者から金融機関への入金を期日までに確認できない場合や金融機関からサービスの利用を停止する旨の通知を受信した場合にも、当該購入者が立替払いサービスを利用不可であると判定する。
【0036】
利用可能額変更部233は、利用可否判定部232により購入者が立替払いサービスを利用可能であると判定された場合、又は取得部231により金融機関サーバ300からの入金確認通知を取得した場合に、購入者データ記憶部221において購入者に割り当てられた利用可能額を変更する。具体的には、利用可否判定部232により購入者が立替払いサービスを利用可能であると判定された場合に、購入者データ記憶部221に記憶された利用可能額から立替額を減算する。また、取得部231により金融機関サーバ300からの入金確認通知を取得した場合に、購入者データ記憶部221に記憶された利用可能額に入金された立替額を加算する。
【0037】
立替払いデータ生成部234は、払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを生成する。
【0038】
フォーマット変換部235は、販売者データ記憶部222を参照して、販売者毎に生成された立替払いデータを口座振込用のフォーマットに変換する。フォーマットが変換された立替払いデータ(振込データ)では、販売者の口座番号と販売者への代金相当額とが紐付けされている。振込データは、例えば、全銀フォーマットのCSVデータである。全銀フォーマットは、全国銀行協会連合会が規定したデータ形式である。
【0039】
出力部236は、利用可否判定部232及び利用可能額変更部233による処理結果に基づいて、購入者による立替払いの利用可否を示すメッセージや利用可能額の変更に関するメッセージを作成し、購入者の通信端末100Bに向けて送信させる。また、出力部236は、取得部231により取得された立替依頼データを払出依頼データとして金融機関サーバ300に向けて送信させ、前記フォーマット変換部235によりフォーマットが変換された立替払いデータを金融機関サーバ300に送信させる。
【0040】
操作部240は、ユーザの指示を受け付け、受け付けた操作に対応する操作信号を制御部230に供給する。操作部240は、例えば、マウス、キーボードを備える。
【0041】
表示部250は、制御部230から供給される画像データに基づいて、管理者に向けて各種の画像を表示する。
以上が、立替払い管理サーバ200の構成である。
【0042】
(立替払い管理処理)
次に、
図6のフローチャートを参照して、立替払い管理サーバ200が実行する立替払い管理処理の流れを説明する。立替払い管理処理は、立替払いを希望する購入者から立替依頼データを取得し、取得した立替依頼データに基づいて販売者毎の立替払いデータを生成し、金融機関サーバ300に向けて送信する処理である。
【0043】
まず、購入者は、立替払いを依頼する所望のタイミングで、通信端末100Bを操作して販売者及び代金に関する項目を含む立替依頼データを入力し、立替払い管理サーバ200に送信させる。購入者が立替払いを依頼するのは、例えば、販売者から納品された商品を確認した後であってもよく、販売者からの納品前であってもよい。立替払い管理サーバ200の取得部231が、購入者の通信端末100Bから立替依頼データを取得すると(ステップS11)、利用可否判定部232は、立替依頼データに含まれる購入者IDに対応する購入者が立替払いサービスを利用可能かどうか判定する(ステップS12)。
【0044】
立替払いサービスが利用可能であると判定された場合(ステップS12;Yes)、利用可能額変更部233は、ステップS11の処理で取得した立替依頼データに基づいて利用可能額を変更する(ステップS13)。具体的には、購入者データ記憶部221に記憶された利用可能額から、立替依頼データに含まれる立替額を減算することで、購入者に割り当てられた利用可能額を変更する。他方、立替払いサービスが利用不可であると判定された場合(ステップS12;No)、出力部236は、立替払いサービスが利用不可である旨のメッセージを作成して購入者の通信端末100Bに向けて送信させ(ステップS19)、処理を終了する。
【0045】
ステップS13の処理の終了後、制御部230は、ステップS11の処理で取得した立替依頼データを販売者の通信端末100S及び金融機関サーバ300に向けて送信させ(ステップS14)、処理を待機する。ステップS12~ステップS14の処理は、ステップS11の処理の実行後に待機することなく順次実行することが好ましい。
【0046】
通信端末100Sは、立替払い管理サーバ200から立替依頼データを受信すると、表示部に立替依頼データを表示させる。販売者は、通信端末100Sの表示部に表示された立替依頼データを参照し、自身の売掛債権と整合しているかどうか確認する。
【0047】
金融機関サーバ300は、立替払い管理サーバ200から立替依頼データを受信すると、立替依頼データを参照して管理者が所持する口座に立替払いのための資金を払い出す処理を実行する。具体的には、立替依頼データに含まれる代金を合計し、各販売者に立替払いするための資金を、全銀システムを介して管理者の口座に振り込む。次に、金融機関サーバ300は、管理者の口座への資金の払い出しが完了した旨の払出完了通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信する。
【0048】
ステップS14の処理の実行後、立替払い管理サーバ200の取得部231が金融機関サーバ300から払出完了通知を取得すると(ステップS15)、立替払いデータ生成部234は、ステップS11の処理で取得した立替依頼データに基づいて販売者毎に立替払いデータを生成する(ステップS16)。立替払いデータには、管理者が各販売者に立替払いを実施する代金相当額が含まれる。
【0049】
次に、フォーマット変換部235は、ステップS16の処理で販売者毎に生成された立替払いデータを口座振込用のフォーマットに変換する(ステップS17)。次に、出力部236は、ステップS17の処理でフォーマットの変換された立替払いデータを金融機関サーバ300に向けて送信させ(ステップS18)、立替払いサービスの利用が承認された旨のメッセージを通信端末100Bに向けて送信させ(ステップS19)、処理を終了する。管理者は、所望のタイミングで、例えば、一定の期日毎にステップS17の処理で変換された立替払いデータを金融機関サーバ300に向けて送信し、金融機関サーバ300が全銀システムを介して販売者の口座に代金相当額を振り込むことで、販売者に代金の立替払いを実施する。
以上が、立替払い管理処理の流れである。
【0050】
(利用可能額変更処理)
図7を参照して、立替払い管理サーバ200が実行する利用可能額変更処理を説明する。利用可能額変更処理は、金融機関が購入者による代金の入金を確認すると、購入者に割り当てられた利用可能額を変更する処理である。
【0051】
金融機関は、管理者への資金の払い出しを完了すると、所望のタイミングで立替払いサービスを利用した購入者に対して代金の支払いを請求する。具体的には、金融機関は、購入者の口座から一定の期日に代金を引き落とす。これにより金融機関の購入者に対する立替払い債権が消滅する。金融機関は、購入者からの入金を確認すると、金融機関サーバ300を操作して、購入者の入金確認が終了した旨の入金完了通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信させる。他方、金融機関は、購入者からの入金が確認できない場合、金融機関サーバ300を操作して、購入者の入金が期限までに終了していない旨の支払期限経過通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信させる。
【0052】
立替払い管理サーバ200の取得部231は、金融機関サーバ300から入金確認通知を取得したかどうかを判定する(ステップS21)。金融機関サーバ300から入金確認通知を取得したと判定された場合(ステップS21;Yes)、利用可能額変更部233は、ユーザIDに対応する購入者の利用可能額を変更し、購入者データ記憶部221に記憶させる(ステップS22)。次に、制御部230は、利用可能額が変更になった旨のメッセージを通信端末100Bに送信させ(ステップS23)、処理を終了する。
【0053】
他方、金融機関サーバ300から入金確認通知を取得していないと判定された場合(ステップS21;No)、利用可否判定部232は、金融機関サーバ300から支払期限経過通知を取得したかどうかを判定する(ステップS24)。
【0054】
支払期限経過通知を取得したと判定された場合(ステップS24;Yes)、利用可否判定部232は、購入者による立替払いサービスを利用不可に変更し(ステップS25)、購入者による立替払いが利用不可になった旨のメッセージを通信端末100Bに送信させ(ステップS23)、処理を終了する。他方、支払期限経過通知を取得していない判定された場合(ステップS24;No)、ステップS21に処理を戻す。
以上が、利用可能額変更処理の流れである。
【0055】
以上説明したように、実施の形態に係る立替払い管理サーバ200は、購入者から販売者へ支払うべき代金に関する情報を含む立替依頼データを取得する取得部231と、取得部231により取得された立替依頼データを金融機関サーバ300に送信する立替依頼データ送信部と、金融機関サーバ300から払い出しが完了した旨の払出完了通知を受信する受信部と、受信部が払出完了通知を受信すると、管理者の口座から販売者の口座への代金相当額の送金を指示する情報を含む立替払いデータを金融機関サーバ300に送信する立替払いデータ送信部と、を備える。このため、販売者は、管理者から代金を回収でき、購入者は、代金の支払いを金融機関に一元化できるため、両者による決済業務を簡略化できると共に、決済に要する費用を抑制できる。また、販売者は、購入者による代金の支払い前に管理者から代金を回収できるため、キャッシュフローを改善できる。
【0056】
そして、本発明はこれに限られず、以下に述べる変形も可能である。
【0057】
(変形例)
上記実施の形態では、販売者が通信端末100Sを操作して、立替払い管理サーバ200に氏名又は名称、住所といった個人情報を提供することで、立替払いサービスへのユーザ登録を実施していたが、本発明はこれに限られない。例えば、購入者が通信端末100Bを操作して、立替払い管理サーバ200に特定の販売者によるユーザ登録を希望する旨の通知を送信し、当該通知を受信した立替払い管理サーバ200が特定の販売者の通信端末100Sにユーザ登録を促すメッセージを送信してもよい。ユーザ登録を依頼する通知には、販売者のメールアドレスに関する情報を含めておき、販売者のメールアドレスにユーザ登録を促すメールを送信すればよい。通信端末100Sにユーザ登録を促すメッセージを受信した販売者は、メッセージの内容を確認し、立替払いサービスへのユーザ登録を実行するかどうかを判断すればよい。
【0058】
上記実施の形態では、購入者が立替依頼データを入力し、管理者に立替払いを依頼していたが、本発明はこれに限られない。例えば、販売者が購入者に納品した商品やその代金に関する情報を含む納品データを入力し、購入者が納品データを承認することで、管理者に立替払いを依頼してもよい。具体的には、
図8に示すように、販売者が、通信端末100Sを操作して納品データを立替払い管理サーバ200の記憶部220に登録する。次に、立替払い管理サーバ200が、記憶部220に登録された納品データを購入者の通信端末100Bに向けて送信し、購入者に納品データの承認を依頼する。購入者が通信端末100Bを操作して納品データを承認する承認通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信すると、立替払い管理サーバ200が記憶部220に記憶された納品データを立替依頼データとして立替依頼データ記憶部223に登録する。
【0059】
なお、上記変形例では、立替払い管理サーバ200が、記憶部220に登録された納品データを購入者の通信端末100Bに向けて送信し、購入者に納品データの承認を依頼しているが、これに限られない。例えば、立替払い管理サーバ200が、購入者に納品データの承認を依頼せず、販売者が入力した納品データを立替払いデータとして立替依頼データ記憶部223に登録してもよい。
【0060】
また、購入者から立替払いの依頼を受け付けると、立替払い管理サーバ200が販売者の通信端末100Sに向けて販売者への代金相当額を通知する支払い通知を送信してもよい。販売者は、通信端末100Sが受信した支払い通知を確認し、通信端末100Sを操作して支払い通知を承認する旨の通知を送信させる。立替払い管理サーバ200は、販売者の通信端末100Sから支払い通知を承認する旨の承認通知を受信すると、金融機関サーバ300に向けて立替依頼データを送信する。
【0061】
上記実施の形態では、取得部231により取得された立替依頼データを金融機関サーバ300に送信していたが、本発明はこれに限られない。取得部231により取得された立替依頼データをそのまま金融機関サーバ300に送信せずともよく、例えば、立替依頼データで特定される資金を管理者に払い出すことを依頼する払出依頼データであれば、いかなる形式のデータを金融機関サーバ300に送信してもよい。
【0062】
上記実施の形態では、立替払い管理サーバ200が金融機関サーバ300から払出完了通知を取得すると、払出完了通知毎に立替払いデータを生成し、立替払いデータを振込データに変換していたが、本発明はこれに限られない。例えば、一定期間内に生成された立替払いデータを記憶部220に記憶しておき、記憶部220に記憶された販売者毎の立替払いデータに含まれる代金相当額を合計し、合計した代金相当額を含む立替払いデータを振込データに変換してもよい。
【0063】
上記実施の形態では、金融機関による購入者からの入金が確認できない場合、金融機関サーバ300が購入者の入金が期日までに終了していない旨の支払期限経過通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信し、立替払い管理サーバ200が購入者の利用ステータスを利用不可に変更していたが、本発明はこれに限られない。例えば、金融機関による購入者からの入金が確認できない場合、金融機関サーバ300が購入者の利用ステータスを利用不可に変更し、購入者の利用ステータスを変更した旨の利用ステータス変更通知を立替払い管理サーバ200に向けて送信してもよい。
【0064】
上記実施の形態では、立替依頼データとして
図5(a)のデータテーブルに示すように商品名、商品毎の代金の合計額に関する情報を含んでいたが、本発明はこれに限られない。例えば、立替依頼データとして販売者からの納品伝票に関する情報を用いてもよい。納品伝票の項目としては、例えば、商品名、単位,単価、消費税の区分、税率が含まれていてもよい。
【0065】
上記実施の形態では、各種のデータは記憶部220に記憶されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種のデータは、その全部又は一部が通信ネットワークを介して外部のサーバやコンピュータに記憶されてもよい。
【0066】
また、記憶部220に記憶されるデータは、ネットワーク内に構築されるブロックチェーンで連結されるブロックに格納されてもよい。生成されたデータは、新たに生成されたブロックに格納された後、既存のブロックを時系列に連結したブロックチェーンに連結され、通信端末100、立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300の間で共有されるように構成してもよい。
【0067】
上記実施の形態では、通信ネットワークとしてインターネットを用いていたが、本発明はこれに限られない。例えば、通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)や専用線を用いて実現してもよい。
【0068】
上記実施の形態では、立替払い管理サーバ200は、記憶部220に記憶されたプログラムに基づいて動作していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、プログラムにより実現された機能的な構成をハードウェアにより実現してもよい。
【0069】
上記実施の形態では、立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300は、汎用コンピュータであったが、本発明はこれに限られない。例えば、立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300は、専用のシステムで実現してもよい。
【0070】
上記実施の形態では、通信端末100、立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300が別体に構成されていたが、本発明はこれに限られない。通信端末100、立替払い管理サーバ200及び金融機関サーバ300の一部又は全部が同一の装置として構成されていてもよい。
【0071】
また、立替払い管理サーバ200が実行する処理は、例えば、上述の物理的な構成を備える装置が、記憶部220に記憶されたプログラムを実行することによって実現されるが、本発明は、プログラムとして実現されてもよく、そのプログラムが記録された記憶媒体として実現されてもよい。
【0072】
また、上述の処理動作を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical Disk)といったコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理動作を実行する装置を構成してもよい。
【0073】
上記の実施形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな実施の形態が可能である。実施の形態や変形例で記載した構成要素は自由に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した発明と均等な発明も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 決済システム
100,100B,100S 通信端末
200 立替払い管理サーバ
210 通信部
220 記憶部
221 購入者データ記憶部
222 販売者データ記憶部
223 立替依頼データ記憶部
224 立替払いデータ記憶部
230 制御部
231 取得部
232 利用可否判定部
233 利用可能額変更部
234 立替払いデータ生成部
235 フォーマット変換部
240 操作部
250 表示部
300 金融機関サーバ