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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075591
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】気送管システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 51/16 20060101AFI20230524BHJP
   B65G 51/08 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
B65G51/16
B65G51/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188582
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】304011795
【氏名又は名称】株式会社日本シューター
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】高野 誠
(72)【発明者】
【氏名】高野 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】関野 光男
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 隼人
(72)【発明者】
【氏名】島田 克哉
(57)【要約】
【課題】気送子が受信される際にステーションにおける衝撃を低減することが可能となる気送管システムを提供する。
【解決手段】気送子100を空気流により搬送する気送管システムSであって、気送子100の送信及び受信の少なくとも一方を行うための複数のステーション1A~5Aと、複数のステーション1A~5Aを接続すると共に気送子100の通過経路である気送管20Aと、気送管20Aに接続され、気送管20A内に空気流を発生させるブロワ10Aと、気送子100の重量を検知する重量検知部44と、重量検知部44によって検知された気送子100の重量に基づいてブロワ10Aにおける風量を調整する風量調整部43bと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気送子を空気流により搬送する気送管システムであって、
前記気送子の送信及び受信の少なくとも一方を行うための複数のステーションと、
前記複数のステーションを接続すると共に前記気送子の通過経路である気送管と、
前記気送管に接続され、前記気送管内に前記空気流を発生させるブロワと、
前記気送子の重量を検知する重量検知部と、
前記重量検知部によって検知された前記気送子の重量に基づいて前記ブロワにおける風量を調整する風量調整部と、を備える気送管システム。
【請求項2】
前記風量調整部は、前記重量検知部によって検知された前記気送子の重量が小さいほど、前記ブロワにおける風量を減少させる、請求項1に記載の気送管システム。
【請求項3】
前記気送管に設けられ、前記通過経路上の所定位置における前記気送子の通過を検知する通過検知部と、
前記気送管に設けられ、前記気送管内の圧力を検知する圧力検知部と、を更に備え、
前記圧力検知部は、前記通過検知部により前記気送子の通過が検知された時に圧力を検知し、
前記重量検知部は、前記圧力検知部により検知された圧力から前記気送子の重量を推定する、請求項1又は2に記載の気送管システム。
【請求項4】
前記気送管における分岐箇所に設けられた複数の転換器を更に備え、
前記圧力検知部は、前記ブロワと前記ブロワに最も近接する前記転換器との間に位置する前記気送管の基端部に設置されている、請求項3に記載の気送管システム。
【請求項5】
前記通過検知部は、前記気送管における分岐箇所に設けられた転換器のそれぞれに設置されており、
前記圧力検知部は、送信側の前記ステーションから受信側の前記ステーションまでの搬送経路上に設けられた前記転換器のうち、前記ブロワに最も近接する前記転換器に設置された前記通過検知部により前記気送子の通過が検知された時に圧力を検知する、請求項3又は4に記載の気送管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気送管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送物を気送子内に収納して気送する気送管システムが知られている。特許文献1に記載される気送管システムは、離れて配置された送受信ステーションと、送受信器間を連絡する気送管と、気送管の端部近傍のサクションポートに連絡した排風機を有する。この排風機とサクションポートとの間には電磁弁が配設されている。この気送管システムでは、受信器に接近する気送子が所定の位置を通過した際、所定時間後に電磁弁を閉じることにより気送子が減速される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11―79393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、気送子に収容される物品の種類及び数量は、変化し得る。また気送子が空の状態で搬送される場合もある。特許文献1に記載の気送管システムでは、排風機が発生させる空気流の風量は一定であるため、気送子の重量に対して風量が過剰であると、気送子の搬送速度が大きくなりすぎる場合がある。この場合、ステーションが気送子を受信する際に、ステーションにおける衝撃が大きくなるおそれがある。例えば、その衝撃が、気送子又は内部の物品に影響を及ぼしたり、騒音を発生させたりする可能性がある。
【0005】
本発明は、気送子が受信される際にステーションにおける衝撃を低減することが可能となる気送管システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る気送管システムは、気送子を空気流により搬送する気送管システムであって、気送子の送信及び受信の少なくとも一方を行うための複数のステーションと、複数のステーションを接続すると共に前記気送子の通過経路である気送管と、気送管に接続され、気送管内に空気流を発生させるブロワと、気送子の重量を検知する重量検知部と、重量検知部によって検知された気送子の重量に基づいてブロワにおける風量を調整する風量調整部と、を備える。
【0007】
この気送管システムによれば、気送子の重量に基づいてブロワにおける風量が調整される。これにより、気送子の重量に対して風量が過剰になることが抑制されるため、気送子の搬送速度が大きくなりすぎることを抑制することが可能となる。その結果、気送子が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【0008】
風量調整部は、重量検知部によって検知された気送子の重量が小さいほど、ブロワにおける風量を減少させてもよい。この場合、気送子の重量が小さいとき、気送子の搬送速度が大きくなりすぎることを抑制することができる。その結果、気送子が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【0009】
気送管システムは、気送管に設けられ、通過経路上の所定位置における気送子の通過を検知する通過検知部と、気送管に設けられ、気送管内の圧力を検知する圧力検知部と、を更に備え、圧力検知部は、通過検知部により気送子の通過が検知された時に圧力を検知し、重量検知部は、圧力検知部により検知された圧力から気送子の重量を推定してもよい。この場合、気送子が搬送される際に、気送子が移動中であることが通過検知部によって検知される。そして、気送管のどの部分に気送子が位置する場合でも、気送管内の圧力から気送子の重量が測定される。これにより、気送子の搬送中に気送子の重量をより確実に測定することが可能となる。
【0010】
気送管における分岐箇所に設けられた複数の転換器を更に備え、圧力検知部は、ブロワとブロワに最も近接する転換器との間に位置する気送管の基端部に設置されていてもよい。この場合、気送管の基端部は常に空気流の通過経路となるため、圧力検知部が基端部に1つ配置されるだけで、気送管内のどこかに気送子が位置していれば気送子の重量を測定することが可能となる。これにより、気送管のその他の部分に圧力検知部を設ける必要がなくなるため、圧力検知部の設置に要するコストを削減することができる。また、気送管システムをより簡易な構成で実現することができる。
【0011】
通過検知部は、転換器のそれぞれに設置されており、圧力検知部は、送信側のステーションから受信側のステーションまでの搬送経路上に設けられた転換器のうち、ブロワに最も近接する転換器に設置された通過検知部により気送子の通過が検知された時に圧力を検知してもよい。この場合、気送子の移動方向がブロワに近づく方向から遠ざかる方向に切り替わる前に、気送子の重量に応じて風量が調整される。これにより、気送子がブロワに近づくときに気送子の搬送速度を大きくすることができると共に、気送子がブロワから遠ざかってから受信側のステーションに到着するまでの間は気送子の搬送速度が大きくなりすぎることが抑制される。その結果、気送子の搬送時間を抑えると同時に、気送子が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の気送管システムによれば、気送子が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る気送管システムの概略構成を示す図である。
図2】気送管システムにおける気送子の搬送経路と搬送方式を示す図である。
図3図1の気送管システムにおけるブロワ周辺の拡大図である。
図4】気送管システムのコントローラの機能構成を示すブロック図である。
図5】気送管システムにおける気送子の重量を推定する機能を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1図2及び図3を参照して、本実施形態の気送管システムSの基本構成について説明する。図1に示されるように、気送管システムSは、例えば病院等の建物内に組み込まれており、建物内の一地点から別の地点へと気送子100(図2参照)を搬送するシステムである。気送子100の内部には、複数の物品を収容可能である。気送子100に収容されて搬送される物品としては、特に限定されないが、例えば採血管、採尿管、輸液ボトル、輸液バッグ、尿コップ、その他のあらゆる物品が挙げられる。これらのように医療用品、医療用具又は医療器具に限られず、気送子100内に、書類等が収容されてもよい。気送子100内に、書類等を収納する封筒や容器(例えばジッパー付きプラスチック袋等)が収納されてもよい。なお、気送管システムSの適用先は、病院に限られない。気送管システムSは、建物内や工場内において物品を搬送するために、他の建物又は工場等に組み込まれてもよい。
【0016】
気送管システムSは、気送子100を空気流により搬送する。気送管システムSは、複数の系統を有してもよく、1つのみの系統を有してもよい。図1に示される例では、気送管システムSは、3つの系統を有している。すなわち、気送管システムSは、第1系統SA、第2系統SB、及び第3系統SCを有する。第1系統SA、第2系統SB、及び第3系統SCのそれぞれは、基本的には、各系統内において独立して気送子100を搬送する。各系統は、一度に1つの気送子100のみを搬送することができる。気送管システムSは、気送子100の送信及び受信の少なくとも一方を行うための複数のステーション(図1では、ステーション1A~5A、ステーション1B~2B、ステーション1Cを例示する。)を備える。気送管システムSにおける「気送子100の搬送」とは、建物内のあるステーションから別のステーションへと気送子100を搬送する行為(又は制御)を意味する。
【0017】
本実施形態では、各ステーションは、送信及び受信の両方を行うために設けられている。すなわち、図2に示されるように、各ステーション(ステーション1A等)は、送信ステーション7及び受信ステーション8を有している。この態様に限られず、気送管システムSの1つ又は複数のステーションが、送信ステーション7及び受信ステーション8の何れか一方のみを有していてもよい。すなわち、一部のステーションが、送信専用のステーション又は受信専用のステーションであってもよい。各ステーションは、建物の任意の階層に設置される。図1には、1階F1、2階F2及び3階F3が示されており、4階より上の階層の図示は省略されている。図1には建物の一例が示されるに過ぎず、建物が有する階層の数は任意の複数であってもよく、単一であってもよい。建物が、地上及び/又は地下に1つ又は複数の階層を有してもよい。
【0018】
第1系統SA、第2系統SB、及び第3系統SCのそれぞれは、所定個数の複数のステーションを備える。各系統が備えるステーションの数は、特に限定されないが、一例として8~12個程度である。送信箇所及び受信箇所の個数と、気送子100の搬送頻度等に基づいて、気送管システムSの系統数と、各系統のステーション数が適宜に決定される。以下、各系統が有する構成例について説明する。
【0019】
第1系統SAは、複数のステーション(ステーション1A等)を接続する気送管20Aと、気送管20Aに接続され、気送管20A内に空気流を発生させるブロワ10Aとを備えている。気送管20Aは、ブロワ10Aの吐出口に接続された1本の基端管21Aと、第1転換器11Aを介して基端管21Aの下流側に接続された1本の第1接続管22Aと、第2転換器12Aを介して第1接続管22Aの下流側に接続された1本の第2接続管23Aとを有する。気送管20Aは、更に、第3転換器13Aを介して第2接続管23Aの下流側に接続された3本の第1分岐管24Aと、3本の第1分岐管24Aのうちの1本(ステーション2Aを通っている1本の第1分岐管24A)の下流側に、第4転換器14Aを介して接続された3本の第2分岐管25Aとを有する。つまり、各転換器は、気送管20Aにおける分岐箇所に設置されている。
【0020】
これらの全ての気送管、すなわち基端管21A、第1接続管22A、第2接続管23A、第1分岐管24A及び第2分岐管25Aは、各配管のレイアウトに応じて直線部、カーブ部、及び/又は屈曲部を含んでもよいが、それぞれ、気送子100の通過を許容すると共に空気流によって気送子100を搬送するのに適した内径(いずれの配管においても内径は等しい)を有する。気送管20Aは、気送子100の通過経路である。気送管20Aを構成する各配管は、建物内で作業等を行うユーザの邪魔にならないよう、壁に敷設されてもよく、壁の裏側又は天井裏の空間等に設置されてもよい。
【0021】
気送管20Aは、複数のステーションを接続する。図1に示される例では、気送管20Aは、1階F1に設置された2つのステーション1A及び3Aと、2階F2に設置された2つのステーション2A及び4Aと、3階F3に設置された1つのステーション5Aとを接続する。より詳細には、ステーション1Aは、1本の第1分岐管24Aの端部に接続されている。ステーション2Aは、1本の第1分岐管24Aの途中部分に接続されている。言い換えれば、1本の第1分岐管24Aがステーション2Aを通っている。ステーション3Aは、1本の第1分岐管24Aの端部に接続されている。ステーション4Aは、1本の第2分岐管25Aの端部に接続されている。ステーション5Aは、1本の第2分岐管25Aの端部に接続されている。1本の第2分岐管25Aは4階以上の階層に向けて延びている。
【0022】
このように、気送管システムSの気送管20Aにおいて、ある配管の端部にあるステーションが接続されているか、又はある配管の途中部分にあるステーションが接続されている。ステーションが配管の途中部分にある場合、当該配管が、当該ステーションを通っている。各ステーションの送信ステーション7は、ブロワ10Aによって生じた空気流により、各ステーションに接続された気送管20Aに気送子100を送り出すことができるように構成されている。また各ステーションの受信ステーション8は、各ステーションに接続された気送管20Aを介して到来した気送子100を受け止めることができるように構成されている。ステーション2Aのように第1分岐管24Aの途中に位置するステーションは、送信ステーション7から鉛直下側に気送子100を送り出した(落とした)後に、第1分岐管24Aを通じて上下の何れかの方向に気送子100を送り出すことができる。また、ステーション2Aのように第1分岐管24Aの途中に位置するステーションは、下側から到来した気送子100を受け止めることができる。さらに、ステーション2Aのように第1分岐管24Aの途中に位置するステーションは、第1分岐管24A内を通る気送子100を単に通過させることもできる。この場合、ステーションにおいて送信も受信も行われない。以上のステーションの各機能は、公知の構成によって実現することができる。
【0023】
第1転換器11A、第2転換器12A、第3転換器13A、及び第4転換器14Aは、例えば、同一の構成を有する。これらの転換器には、公知の構成が採用されてもよい。図2を参照して、第3転換器13Aについて説明する。図2に示される例では、気送子100が、1階F1のステーション1Aから2階F2のステーション4Aへと搬送される場合の搬送経路を示している。図1に示されるように、第3転換器13Aは、気送子100がステーション1Aからステーション4Aへと搬送される際の搬送経路上に設けられた転換器のうち、ブロワ10Aに最も近接する転換器である。なお、第4転換器14Aも搬送経路上に設けられているが、第4転換器14Aよりも第3転換器13Aの方が、ブロワ10Aに近接している。また、第2転換器12Aは、搬送経路上には位置しない。また、気送子100が、搬送経路上の第3転換器13Aを通過した際に第2接続管23Aだけでなく、第2接続管23Aよりもブロワに近い位置を通過してもよい。例えば、気送子100は、搬送経路上の第3転換器13Aよりもブロワに近い第2転換器12A等を通過してもよい。
【0024】
第3転換器13Aは、第2接続管23Aに接続された合流側部分Xと、複数の第1分岐管24Aに接続された分岐側部分Yとを含んでいる。第3転換器13Aは、分岐側において複数の(例えば4つの)配管接続口を有し、合流側において単一の配管接続口を有する。分岐側部分Yの内部には、複数の第1分岐管24Aのそれぞれに連通する複数の(例えば4つの)円筒状の孔部が形成されている。合流側部分Xの内部には、第2接続管23Aに連通する1本の円筒状の孔部が形成されている。第3転換器13Aは、例えば合流側部分Xが中心軸線周りで回転することにより、分岐側部分Y内の孔部の何れかと連通するように構成されている。
【0025】
第1転換器11A、第2転換器12A、第3転換器13A、及び第4転換器14Aは、気送管20Aの分岐箇所に設けられており、ある地点に位置する送信ステーション7から別の地点に位置する受信ステーション8までの間の搬送経路において、必要に応じて経路の切替えを行うことができる。
【0026】
具体的には、気送管システムSは、気送子100に対して与えられた搬送経路に従って、各ステーションにおける送信及び受信、及び、各転換器における経路の切替えを制御するコントローラ40を備える。コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(ReadOnly Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる電子制御ユニットである。コントローラ40は、各ステーション及び各転換器の他にも、各ブロワ(ブロワにおける風量等)を制御する。また、気送管システムSは、気送管20A内における気送子100の搬送状況を監視する監視装置50を備える。監視装置50は、後述する通過検知部31からの信号を受けて気送管20A内における気送子100の位置を推定し、例えば、図示しないディスプレイ等に気送子100の位置を表示させる。
【0027】
ブロワ10Aは、気送管20A内に空気を圧送したり、気送管20Aから空気を吸引したりする2通りの運転が可能である。ブロワ10Aのロータが正回転及び逆回転の両方の回転を可能であってもよく、ブロワ10Aに接続された配管の構成及び弁の切替えによって、圧送及び吸引の2通りの運転が切替え可能であってもよい。ブロワ10Aは、例えば、インバータを有するモータを備える。コントローラ40によってインバータの周波数が変更されることにより、ブロワ10Aにおいて発生する風量が3段階(大風量、中風量及び小風量)に調整される(詳細は後述する)。
【0028】
気送管システムSでは、気送子100の搬送経路上に設けられている転換器のうち、ブロワに最も近接する転換器において経路の切替えが行われる。例えば、図2に示される例では、ステーション1Aの送信ステーション7から送信された気送子100は、ブロワ10Aによって管内に発生させられる吸引流(空気流)によって第1分岐管24A内を移動し、第3転換器13Aに到達する。第3転換器13Aの合流側部分Xには、気送子100の通過を検知する通過検知部31が設けられている。また、コントローラ40は、ブロワ10Aの吸引運転時に、ブロワ10Aにおける空気流の風量を大風量に調整する。
【0029】
気送管システムSでは、例えば、各転換器に通過検知部31が設けられている。これにより、監視装置50は、気送管20A内における気送子100の搬送状況を監視することができる。搬送状況は、気送管20A内における気送子100の位置と言い換えることもできる。搬送状況の監視により、作業者は、ディスプレイ等を通じて、気送子100が予定通りに搬送されていることを確認できる。或いは、作業者は、何らかの原因によって気送子100が予定通りに搬送されていないことを認識できる。その場合、作業者は、ブロワ10Aにおける風量を手動で変更(増大等)してもよく、原因の究明を行ってもよく、気送管システムSを停止させてもよく、又は、適宜の手段により気送子100を気送管20Aから排出してもよい。
【0030】
通過検知部31は、例えば、光の投受光を利用した公知のセンサである。通過検知部31は、気送子100の通過を検知すると、その検知信号をコントローラ40及び監視装置50に送信する。コントローラ40は、経路を切り替えるべき第3転換器13Aを気送子100が通過したことを検知すると、ブロワ10Aの運転を停止させる。コントローラ40は、気送子100の通過を示す検知信号を通過検知部31から受信したとき、圧力検知部16A(後述する)により検知された気送管20A内の圧力を圧力検知部16Aから取得し、取得した圧力から気送子100の重量を推定する。このとき、気送子100は、合流側部分X内に位置するか、又は第3転換器13Aを通過して第2接続管23A内に位置する。コントローラ40は、更に、第3転換器13Aの合流側部分Xを回転させ、孔部を別の第1分岐管24A(第4転換器14及び第2分岐管25Aへと繋がる配管)に連通させる。
【0031】
その後、コントローラ40は、ブロワ10A又は弁の開閉状態を制御して、ブロワ10Aを吸引運転から圧送運転に切り替える。コントローラ40は、ブロワ10Aの圧送運転時に、気送子100の重量に基づいて空気流の風量を調整する。気送子100は、第3転換器13Aから、第4転換器14A及び第2分岐管25Aへ向けて搬送される。このように、「経路の切替え」においては、気送子100の向きが変わる。コントローラ40は、ブロワ10A及び第3転換器13Aを制御して、経路を切り替え、気送子100を言わばスイッチバックさせて搬送する。
【0032】
図3に示されるように、基端管21Aには、ブロワ10寄りの位置において、気送管20A内の圧力を検知する圧力検知部16Aが設けられている。圧力検知部16Aは、ブロワ10Aとブロワ10Aに最も近接する第1転換器11Aとの間に位置する基端部29Aに設置されている。なお、圧力検知部16Aによる圧力検知は、公知の構成により実現される。圧力検知部16Aは、例えば、配管に取り付けられて配管内の空気(気体)のゲージ圧を検知可能な圧力センサである(一例として、(株)キーエンス製圧力センサAP-44等)。圧力センサにアンプユニットを組み合わせてもよい(一例として、(株)キーエンス製アンプAP-V41A等)。なお、圧力検知部16Aとして、他の公知の圧力センサが採用されてもよい。
【0033】
図1に戻り、基端管21Aには、第1転換器11A寄りの位置において、気送子100の逆行(ブロワ10A側への行き過ぎ)を防止する逆行防止部19Aが設けられている。さらに、第1転換器11Aの分岐側には、例えば気送管20A内において閉塞した気送子100を排出するための排出管17Aが接続されている。排出管17Aの端部にはリカバリーステーション18Aが接続されており、このリカバリーステーション18Aにて、気送子100を取り出すことができる。
【0034】
また、第2系統SBと第3系統SCも、第1系統SAと同様の設備を備える。第2系統SBは、ブロワ10Bと、気送管20Bと、第1転換器11B、第2転換器12B及び第3転換器13Bと、1階F1に設置された2つのステーション1B及び3階F3に設置された1つのステーション2Bとを備える。気送管20Bは、ブロワ10Bの吐出口に接続された1本の基端管21Bと、第1転換器11Bを介して基端管21Bの下流側に接続された1本の接続管22Bと、第2転換器12Bを介して接続管22Bの下流側に接続された2本の第1分岐管23Bとを有する。気送管20Bは、更に、2本の第1分岐管23Bのうちの1本(2階F2と3階F3にわたって設けられた1本の第1分岐管23B)の下流側に、第3転換器13Bを介して接続された3本の第2分岐管24Bとを有する。ステーション1Bは、1本の第1分岐管23Bの端部に接続されている。ステーション2Bは、1本の第2分岐管24Bの端部に接続されている。第2系統SBも、第1系統SAと同様、逆行防止部19B、排出管17B及びリカバリーステーション18Bを備える。図3に示されるように、基端管21Bは、ブロワ10Bに寄りの位置において基端部29Bを有する。圧力検知部16Bは、基端部29Bに設置されている。第2系統SBにおけるその他の設備(3階F3以上の階層に設けられた設備)の図示は省略されている。
【0035】
第3系統SCは、ブロワ10Cと、気送管20Cと、第1転換器11C及び第2転換器12Cと、3階F3に設置された1つのステーション1Cとを備える。気送管20Cは、ブロワ10Cの吐出口に接続された1本の基端管21Cと、第1転換器11Cを介して基端管21Cの下流側に接続された1本の接続管22Cと、第2転換器12Cを介して接続管22Cの下流側に接続された2本の第1分岐管23Cとを有する。ステーション1Cは、1本の第1分岐管23Cの端部に接続されている。第3系統SCも、第1系統SA及び第2系統SBと同様、逆行防止部19C、排出管17C及びリカバリーステーション18Cを備える。図3に示されるように、基端管21Cは、ブロワ10Cに寄りの位置において基端部29Cを有する。圧力検知部16Cは、基端部29Cに設置されている。第3系統SCにおけるその他の設備(3階F3以上の階層に設けられた設備)の図示は省略されている。
【0036】
上記したコントローラ40は、第2系統SB及び第3系統SCにおける各ステーション及び各転換器と、各ブロワ(ブロワにおける風量等)をも制御する。また、監視装置50は、気送管20B及び気送管20C内における気送子100の搬送状況をも監視する。
【0037】
気送管システムSでは、異なる系統間における気送子100の受渡しが可能となっている。そのために、気送管20Aと気送管20Bの間には、第1転換器11Aの分岐側と第1転換器11Bの分岐側とを接続する2本の受渡し管30ABが設けられている。気送管20Aと気送管20Cの間には、第2転換器12Aの分岐側と第2転換器12Cの分岐側とを接続する2本の受渡し管30ACが設けられている。気送管20Bと気送管20Cの間には、第2転換器12Bの分岐側と第1転換器11Cの分岐側とを接続する2本の受渡し管30BCが設けられている。
【0038】
図4を参照して、コントローラ40の各機能部について詳細に説明する。図4は、コントローラ40の機能構成を示すブロック図である。コントローラ40は、図4に示されるように、各ステーションにおける送受信を制御する送受信制御部41と、各転換器において経路の切り替えを制御する経路切替部42と、ブロワ10Aを制御するブロワ制御部43と、気送子100の重量を検知する重量検知部44と、を備える。以下、図2に示される搬送経路の一例を用いて、第1系統SAにおける搬送がコントローラ40によってどのように制御されるかを説明する。
【0039】
送受信制御部41は、気送子100の搬送元のステーション4A及び搬送先のステーション1Aを示す情報を搬送元のステーション4Aから受信する。送受信制御部41は、気送管20Aにおいて、気送子100が通過する経路である搬送経路を設定する。送受信制御部41は、設定した搬送経路上の転換器のうち、ブロワ10Aに最も近接する第3転換器13Aを示す情報を経路切替部42、ブロワ制御部43、及び重量検知部44に出力する。送受信制御部41は、気送子100の搬送を開始することを示す信号をブロワ制御部43に通知する。
【0040】
経路切替部42は、第3転換器13Aに設けられた通過検知部31から、気送子100の通過を検知した検知信号を受信する。経路切替部42は、当該検知信号を受信すると、第3転換器13Aの合流側部分Xを回転させ、孔部を別の第1分岐管24Aに連通させる。
【0041】
ブロワ制御部43は、ブロワ10Aにおける圧送及び吸引の切り替えを制御する風方向変更部43aと、ブロワ10Aにおける風量を調整する風量調整部43bと、を有する。風方向変更部43aは、気送子100の搬送を開始することを示す信号を取得して、吸引運転が行われるようにブロワ10A又は弁の開閉状態を制御する。風方向変更部43aは、第3転換器13Aに設けられた通過検知部31から、気送子100の通過を検知した検知信号を受信する。風方向変更部43aは、当該検知信号を受信すると、ブロワ10A又は弁の開閉状態を制御して、ブロワ10Aを吸引運転から圧送運転に切り替える。
【0042】
重量検知部44は、第3転換器13Aに設けられた通過検知部31から、気送子100の通過を検知した検知信号を受信する。重量検知部44は、当該検知信号を受信すると、圧力検知部16Aにより検知された圧力を、圧力検知部16Aから取得する。重量検知部44は、圧力検知部16Aにより検知された圧力から気送子100の重量を推定する。具体的には、重量検知部44は、気送子100の重量と気送管20A内の圧力との対応関係に基づいて、圧力検知部16Aにより検知された圧力に対応する重量を取得し、当該重量を気送子100の重量の推定結果とする。
【0043】
図5を参照して、重量検知部44による重量推定の一例について説明する。図5は、気送管20A内を搬送される気送子100の重量(搬送重量)と、搬送時の気送管20A内の圧力との対応関係である。図5の横軸は、気送管20A内を搬送される気送子100の重量を示している。図5の縦軸は、気送管20A内の圧力を示している。まず、図5に示されるように、第1系統SAの気送管20A内を搬送される気送子100の重量と、搬送時の気送管20A内の圧力との対応関係が予め設定されている。重量検知部44は、圧力検知部16Aにより検知された圧力を取得する。重量検知部44は、取得した圧力に対応する重量を上記対応関係に基づいて取得し、当該重量を気送子100の重量として推定する。なお、上記対応関係は、例えば、重量が既知の気送子100を第1系統SAにおいて搬送させ、当該搬送時に圧力検知部16Aにより検知された圧力に気送子100の既知の重量を対応付ける事前の実験により得られる。
【0044】
風量調整部43bは、気送子100の搬送を開始することを示す信号を取得して、ブロワ10Aにおいて空気流が発生するようにブロワ10Aを制御する。風量調整部43bは、気送子100が所望の速度で搬送されるよう、気送子100に応じた、又は搬送経路(長さ又は配置)に応じた風量で空気流を発生させる。例えば、風量調整部43bは、ブロワ10Aの吸引運転時に、ブロワ10Aにおける空気流の風量を大風量に調整し、ブロワ10Aの圧送運転時に、ブロワ10Aにおける空気流の風量を気送子100の重量に基づいて調整する。また、風量調整部43bは、重量検知部44によって検知された気送子の重量に基づいてブロワ10Aにおける風量を調整する。具体的には、重量検知部44から、気送子100の重量の推定結果を取得する。風量調整部43bは、取得した気送子100の重量の推定結果に基づいてブロワ10Aにおける風量を調整する。ブロワにおける風量の調整は、モータに設けられたインバータの周波数を調整することにより行われる。
【0045】
一例として、風量調整部43bは、重量検知部44によって検知された気送子100の重量が小さいほど、ブロワ10Aにおける風量を減少させる。例えば、風量調整部43bは、風量を3段階に調整する。風量調整部43bは、気送子100の重量が3kg以上であると重量検知部44により推定された場合、5kgの気送子100を搬送可能な風量(大風量)にブロワ10Aにおける風量を調整する。この風量は、3段階のうち最も大きい風量である。風量調整部43bは、気送子100の重量が1.5kg以上3.0kg未満であると重量検知部44により推定された場合、3段階の風量のうち2番目に大きい風量(中風量)にブロワ10Aにおける風量を調整する。風量調整部43bは、気送子100の重量が1.5kg未満であると重量検知部44により推定された場合、3段階の風量のうち最も小さい風量(小風量)にブロワ10Aにおける風量を調整する。
【0046】
コントローラ40の各機能部は、第2系統SB、及び第3系統SCにおいて気送子100が搬送される際にも、第1系統SAにおいて搬送される場合と同様に機能する。
【0047】
以上、気送管システムSでは、気送子100の重量に基づいてブロワ10A,10B,10Cにおける風量が調整される。これにより、気送子100の重量に対して風量が過剰になることが抑制されるため、気送子100の搬送速度が大きくなりすぎることを抑制することが可能となる。その結果、気送子100が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【0048】
例えば、気送子100の重量は1kg程度であり、採血管及び生理食塩水等を詰めると重量が変化する。したがって、これまでは、気送子100を搬送先に確実に届けるために上記した大風量相当の風量で気送子100を搬送していた。しかし、気送管システムでは、軽いものを搬送することが多いので、風量が必要以上に大きく、気送子100が受信される際に気送子100が受ける衝撃が大きくなりすぎる場合があった。本実施形態に係る気送管システムSでは、気送子100の重量に基づいてブロワ10A,10B,10Cにおける風量が調整される。これにより、気送子100の重量に対して風量が過剰になることが抑制される。その結果、気送子100が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【0049】
風量調整部43bは、重量検知部44によって検知された気送子100の重量が小さいほど、ブロワ10A,10B,10Cにおける風量を減少させる。この場合、気送子100の重量が小さいとき、気送子100の搬送速度が大きくなりすぎることを抑制することができる。その結果、気送子100が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【0050】
気送管システムSは、気送管20Aに設けられ、通過経路上の所定位置における気送子100の通過を検知する通過検知部31と、気送管20Aに設けられ、気送管20A内の圧力を検知する圧力検知部16Aと、備える。圧力検知部16Aは、通過検知部31により気送子100の通過が検知された時に圧力を検知する。重量検知部44は、圧力検知部16Aにより検知された圧力から気送子100の重量を推定する。この場合、気送子100が搬送される際に、気送子100が移動中であることが通過検知部31によって検知される。そして、気送管20Aのどの部分に気送子100が位置する場合でも、気送管20A内の圧力から気送子100の重量が測定される。これにより、気送子100の搬送中に気送子100の重量をより確実に測定することが可能となる。また、例えば、各ステーションに重量計等を設ける場合と比較して、気送管システムSにおけるコストを抑えることが可能となる。
【0051】
気送管20Aにおける分岐箇所に設けられた複数の転換器である第1転換器11A、第2転換器12A、第3転換器13A及び第4転換器14Aを備える。圧力検知部16Aは、ブロワ10Aとブロワ10Aに最も近接する第1転換器11Aとの間に位置する気送管20Aの基端部29Aに設置されている。この場合、気送管20Aの基端部29Aは常に空気流の通過経路上となるため、圧力検知部16Aが基端部29Aに1つ配置されるだけで、気送管20A内のどこかに気送子100が位置していれば気送子100の重量を推定することが可能となる。これにより、気送管20Aのその他の部分に圧力検知部16Aを設ける必要がなくなるため、圧力検知部16Aを設けるためのコストを削減することができる。また、気送管システムSをより簡易な構成で実現することができる。
【0052】
通過検知部31は、複数の転換器のそれぞれに設置されており、圧力検知部16Aは、送信側のステーションから受信側のステーションまでの搬送経路上に設けられた転換器のうち、ブロワ10Aに最も近接する転換器に設置された通過検知部31により気送子100の通過が検知された時に圧力を検知してもよい。この場合、気送子100の移動方向がブロワ10Aに近づく方向から遠ざかる方向に切り替わる前に、気送子100の重量に応じて風量が調整される。これにより、気送子100がブロワ10Aに近づくときに、気送子100の搬送速度を大きくすることができると共に、気送子100がブロワ10Aから遠ざかってから受信側のステーションに到着するまでの間は気送子100の搬送速度が大きくなりすぎることが抑制される。その結果、気送子100の搬送時間を抑えると同時に、気送子100が受信される際の衝撃を低減することが可能となる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、ブロワの配置は、建物内におけるレイアウトに応じて変更されてもよい。本実施形態では、ブロワは、1階に配置されていたが、2~4階に配置されていてもよい。また、ブロワは、1つの系統に複数設けられていてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、風量調整部43bは、重量検知部44によって検知された気送子100の重量が小さいほど、ブロワ10Aにおける風量を減少させていたが、これに限定されない。例えば、風量調整部43bは、気送子100が重力に逆らう方向に搬送されているとき(例えば下層階から上層階に上昇し続けているとき等)、気送子100の重量が小さくても風量を減少させなくてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、圧力検知部16Aが気送管20Aに設けられ、コントローラ40の重量検知部44が、圧力検知部16Aによる圧力の検知結果から気送子100の重量を推定していたが、これに限定されない。例えば、圧力検知部16Aを気送管20Aに設けることなく、気送子100の重量を測定する装置が重量検知部44として各ステーションに設けられていてもよい。この場合、重量検知部44は、測定した気送子100の重量をコントローラ40に送信する。
【0056】
また、上記実施形態では、風量調整部43bは、気送子100の重量に基づいて風量の強さを3段階に分けて制御していたが、これに限定されない。例えば、風量調整部43bは、気送子100の重量に基づいて風量の強さを4段階に分けて制御してもよいし、気送子100の重量に基づいて風量の強さを線形的に(リニアに)変化させて制御してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、重量検知部44は、圧力検知部16Aにおいて検知した圧力に対応する気送子100の搬送重量を、予め設定された圧力と搬送重量との対応関係に基づいて取得し、当該搬送重量を気送子100の重量として推定していたが、これに限定されない。例えば、気送管システムSを敷設する前に、圧力検知部16Aにより検知された圧力と搬送重量との対応関係から、当該圧力とブロワ10Aにおける風量の強さとの対応関係を予め設定してもよい。この場合、風量調整部43bは、気送子100の搬送時、圧力検知部16Aにおいて検知された圧力から風量の強さを直接決定する。これにより、重量を推定する処理によるコントローラ40への負荷が軽減される。
【0058】
また、上記実施形態では、通過検知部31は、転換器の合流側部分Xに設けられているが、これに限定されない。例えば、通過検知部31は、各転換器において、合流側部分Xに接続する配管(図2の第3転換器13Aにおける第2接続管23A)に設けられていてもよい。気送子100は、転換器を通過する際に転換器を少し通り過ぎるため、上記の構成でも搬送経路上において気送子100の通過を検知することができる。
【0059】
上記実施形態では、圧力検知部16Aは、第3転換器13Aにおいて通過検知部31(図2参照)により気送子100の通過が検知された時に圧力を検知するが、これに限定されない。圧力検知部16Aは、気送子100が気送管20A内の何れか任意の箇所を圧送されている時に圧力を検知してもよく、気送子100が気送管20A内の何れか任意の箇所で吸引されている時に圧力を検知してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、気送管システムSを新設する場合について記載したが、これに限定されない。例えば、敷設済みの気送管システムに対して、上記気送管システムSと比較して足りない要素を補うことで上記気送管システムSが実現されてもよい。この場合、小規模な改修工事を行うだけで上記気送管システムSを実現することができる。
【符号の説明】
【0061】
S…気送管システム、SA…第1系統、SB…第2系統、SC…第3系統、X…合流側部分、Y…分岐側部分、1A,1B,1C,2A,2B,3A,4A,5A…ステーション、7…送信ステーション、8…受信ステーション、10…ブロワ、10A…ブロワ、10B…ブロワ、10C…ブロワ、11A,11B,11C…第1転換器、12A,12B,12C…第2転換器、13A,13B…第3転換器、14A…第4転換器、16A,16B,16C…圧力検知部、17A,17B,17C…排出管、18A,18B,18C…リカバリーステーション、19A,19B,19C…逆行防止部、20A,20B,20C…気送管、21A,21B,21C…基端管、22A…第1接続管、23A…第2接続管、22B,22C…接続管、24A,23B,23C…第1分岐管、25A…第2分岐管、29A,29B,29C…基端部、30AB,30BC,30AC…受渡し管、31…通過検知部、40…コントローラ、41…送受信制御部、42…経路切替部、43…ブロワ制御部、43a…風方向変更部、43b…風量調整部、44…重量検知部、50…監視装置、100…気送子、F1…1階、F2…2階、F3…3階、X…合流側部分、Y…分岐側部分。
図1
図2
図3
図4
図5