(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075599
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】オフィス空間
(51)【国際特許分類】
E04H 1/06 20060101AFI20230524BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20230524BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20230524BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
E04H1/06
A47C7/62 Z
E04H1/12 302Z
E04B2/74 561H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188598
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】西川 康行
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JA05
3B084JC01
(57)【要約】
【課題】職員の健康維持と生産性向上を実現できると共に、職員の夜の快適な眠りを実現できるオフィス空間を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るオフィス空間は、職員M1,M2が使用するオフィス空間1である。オフィス空間1は、光Lを照射する照明装置11、及び送風を行う空調機12、を含む複数の機器10と、職員M1,M2が着座する座席20と、座席20に着座する職員M1,M2を検出するセンサ71と、センサ71の検出結果に基づいて複数の機器10の少なくともいずれかを制御する機器制御部と、センサ71の検出結果に基づいて睡眠のアドバイスを生成するアドバイス生成部と、アドバイス生成部によって作成されたアドバイスを職員M1,M2が保有する情報端末80に出力する情報出力部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
職員が使用するオフィス空間であって、
光を照射する照明装置、及び送風を行う空調機、を含む複数の機器と、
前記職員が着座する座席と、
前記座席に着座する前記職員を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて前記複数の機器の少なくともいずれかを制御する機器制御部と、
前記センサの検出結果に基づいて睡眠のアドバイスを生成するアドバイス生成部と、
前記アドバイス生成部によって作成された前記アドバイスを前記職員が保有する情報端末に出力する情報出力部と、
を備えるオフィス空間。
【請求項2】
前記座席には、柔軟性素材によって構成されたクッションが設けられており、
前記センサは、前記クッションに取り付けられている、
請求項1に記載のオフィス空間。
【請求項3】
複数のパーティション用資材が互いに連結されて形成されたパーティションを備え、
前記複数のパーティション用資材は、外力を受けたときに変形するクッション性を有する、
請求項1又は2に記載のオフィス空間。
【請求項4】
前記オフィス空間を画成する壁に取り付けられる吸音材を備え、
前記吸音材には、前記壁とは反対側を向くと共に凸部及び凹部を有する吸音面が形成されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載のオフィス空間。
【請求項5】
飛沫を抑制する飛沫抑制部材を備え、
前記飛沫抑制部材は、飛沫を遮断する透明部材によって構成された視認部と、飛沫を遮断すると共に音を通す音通過部と、前記視認部及び前記音通過部を支持する支持部と、を有し、
前記音通過部及び前記支持部が不織布によって構成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のオフィス空間。
【請求項6】
オブジェを備え、
前記オブジェは、複数の連結具が互いに連結されて形成されており、
前記連結具は、板状を呈する本体部と、前記本体部の端面から凹んでおり他の前記連結具が挿入されるスリットと、を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載のオフィス空間。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、職員が使用する建物の内部に設けられたオフィス空間に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011-188082号公報には、ワークプレイス環境の管理システムが記載されている。このワークプレイスには、レーザエリアスキャナが設けられ、レーザエリアスキャナによってワークプレイスが検知される。ワークプレイスには、複数の机、及び複数の椅子が配置されており、各机の上にはタスク照明が配置されている。机の上方には、アンビエント照明が天井に組み込まれている。
【0003】
レーザエリアスキャナは、執務者認識手段として機能する。レーザエリアスキャナは対象物にレーザ光を照射して対象物をスキャンし、ワークプレイスにはレーザエリアスキャナによる半球状のスキャン範囲が設けられる。執務者認識手段は、予め設定された着席認知エリアにおいて着席した執務者の特定を行う。この管理システムは、執務者認識手段によって執務者の数を認識し、認識した執務者の数に応じてタスク照明及びアンビエント照明を制御する。従って、執務者が執務する環境における照明の制御を効率よく行うことが可能である。
【0004】
特開2021-149621号公報には、フリーアドレス制の執務室において執務室に着席する人物を管理する着席位置管理システムが記載されている。着席位置管理システムは、第1の入口カメラと、第2の入口カメラと、室内カメラと、入室管理サーバと、在席管理サーバと、データベースサーバと、配信サーバと、ユーザ端末とを備える。
【0005】
第1の入口カメラは執務室に入室する利用者の顔を撮影し、第2の入口カメラは当該利用者の身体を撮影する。入室管理サーバは、第1の入口カメラの撮影画像と第2の入口カメラの撮影画像とに基づいて、執務室に入室する人物を管理する処理を行う。室内カメラは室内の執務者を撮影し、在席管理サーバは室内カメラの撮影画像に基づいて執務室内の各執務席に在席する人物を管理する処理を行う。データベースサーバは入室管理サーバ及び在席管理サーバの各々で処理される管理情報を格納し、配信サーバは当該管理情報に基づいて利用者の着席位置に関する情報を利用者に提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-188082号公報
【特許文献2】特開2021-149621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したワークプレイス環境の管理システム及び着席位置管理システムでは、執務室で執務を行う職員の管理が可能となる。ところで、オフィス空間で働く職員の健康を維持し快適な睡眠につなげるためには、昼のオフィス空間における過ごし方が重要となりうる。昼間におけるオフィス空間での過ごし方と夜の睡眠とは関連があり、オフィス空間での過ごし方次第では職員が良好な睡眠を得られないということが起こりうる。従って、職員の健康維持と生産性向上を実現できると共に、夜の快適な眠りにつなげられるオフィス空間が求められる。
【0008】
本開示は、職員の健康維持と生産性向上を実現できると共に、職員の夜の快適な眠りを実現できるオフィス空間を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係るオフィス空間は、職員が使用するオフィス空間である。オフィス空間は、光を照射する照明装置、及び送風を行う空調機、を含む複数の機器と、職員が着座する座席と、座席に着座する職員を検出するセンサと、センサの検出結果に基づいて複数の機器の少なくともいずれかを制御する機器制御部と、センサの検出結果に基づいて睡眠のアドバイスを生成するアドバイス生成部と、アドバイス生成部によって作成されたアドバイスを職員が保有する情報端末に出力する情報出力部と、を備える。
【0010】
このオフィス空間には、光を照射する照明装置と、送風を行う空調機と、職員が着座する座席が設けられる。オフィス空間は、座席に着座する職員を検出するセンサと、センサの検出結果に基づいて睡眠のアドバイスを生成するアドバイス生成部とを備える。従って、センサによって検出された座席への職員の着座の状況に応じて睡眠に関するアドバイスが生成されるので、職員はオフィス空間での働き方に応じた睡眠をとることができる。例えば、長時間労働をした職員には長時間睡眠を促し、ストレスが溜まっている職員には横になったり休憩したりすることを促すことができるので、職員の労働の状況に応じた睡眠を職員に提案できる。その結果、職員の夜の快適な眠りを実現できる。オフィス空間は、センサの検出結果に基づいて照明装置及び空調機を含む複数の機器の少なくともいずれかを制御する機器制御部を備える。従って、職員の座席への着座の状況に応じてオフィス空間の照明装置及び空調機を含む機器の制御を行えるので、オフィス空間で働く職員の健康維持を実現できると共に、生産性を向上させることができる。
【0011】
座席には、柔軟性素材によって構成されたクッションが設けられていてもよい。センサは、クッションに取り付けられていてもよい。この場合、職員が柔軟性素材によって構成されたクッションに着座するので、職員は良い姿勢でより快適に仕事をすることができる。センサがクッションに取り付けられているので、職員に快適な仕事環境を提供しつつ職員の着座の状況をセンサによって取得することができる。
【0012】
オフィス空間は、複数のパーティション用資材が互いに連結されて形成されたパーティションを備えてもよい。複数のパーティション用資材は、外力を受けたときに変形するクッション性を有してもよい。この場合、複数のパーティション用資材が連結されてパーティションが形成されるので、大小種々のパーティションをオフィス空間に配置できる。従って、職員の仕事環境を更に良好にできる。パーティション用資材は外力を受けたときに変形するクッション性を有する。従って、職員の身体がパーティション用資材に当たったとしても、職員が怪我をする事態を回避することができる。
【0013】
オフィス空間は、オフィス空間を画成する壁に取り付けられる吸音材を備えてもよい。吸音材には、壁とは反対側を向くと共に凸部及び凹部を有する吸音面が形成されていてもよい。この場合、壁に吸音材が取り付けられるので、オフィス空間の外への音を吸収できる。吸音材は壁とは反対側を向く吸音面を有し、吸音面には凸部及び凹部が形成されている。従って、吸音面の凸部及び凹部によってより効果的に音を吸収できる。
【0014】
オフィス空間は、飛沫を抑制する飛沫抑制部材を備えてもよい。飛沫抑制部材は、飛沫を遮断する透明部材によって構成された視認部と、飛沫を遮断すると共に音を通す音通過部と、視認部及び音通過部を支持する支持部と、を有してもよい。音通過部及び支持部が不織布によって構成されていてもよい。この場合、飛沫抑制部材は飛沫を抑制すると共に音を通過する音通過部を有するので、飛沫を抑制しつつ音を通過させることができる。視認部及び音通過部を支持する支持部と、音通過部とは不織布によって構成されている。従って、支持部及び音通過部を軽量化できるので、飛沫抑制部材を容易に持ち運んで任意の位置に飛沫抑制部材を配置することができる。
【0015】
オフィス空間は、オブジェを備えてもよい。オブジェは、複数の連結具が互いに連結されて形成されていてもよい。連結具は、板状を呈する本体部と、本体部の端面から凹んでおり他の連結具が挿入されるスリットと、を有してもよい。この場合、一の連結具のスリットに他の連結具を挿入することによって複数の連結具を連結させて任意の形状のオブジェを作製できる。このオブジェは、光を遮る遮光部材として用いることも可能である。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、職員の健康維持と生産性向上を実現できると共に、職員の夜の快適な眠りを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係るオフィス空間のレイアウトの例を示す平面図である。
【
図2】実施形態に係るオフィス空間の構成及び機能を模式的に示す図である。
【
図3】実施形態に係るオフィス空間の機能を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係るオフィス空間のアドバイス生成部が作成するアドバイスの例を示す図である。
【
図5】(a)は、実施形態に係るオフィス空間に配置されるクッションの例を示す斜視図である。(b)は、変形例に係るクッションを示す側面図である。
【
図6】実施形態に係るオフィス空間の吸音材が取り付けられた応接室の例を示す斜視図である。
【
図8】(a)は、オフィス空間の飛沫抑制部材の例を示す斜視図である。(b)は、
図8(a)の飛沫抑制部材を作製するための飛沫抑制キットの例を示す図である。
【
図9】(a)は、複数の飛沫抑制部材が互いに連結された状態の例を示す斜視図である。(b)は、
図9(a)における複数の飛沫抑制部材の連結部分を拡大した図である。
【
図10】実施形態に係るオフィス空間のパーティションの例を示す平面図である。
【
図12】
図10のパーティションの複数のパーティション用資材における連結部分を示す斜視図である。
【
図13】実施形態に係るオフィス空間のオブジェの例を示す図である。
【
図14】(a)は、
図13のオブジェを形成する複数の連結具を示す斜視図である。(b)は、
図14(a)の連結具を示す図である。
【
図15】オフィス空間のオブジェの変形例を示す図である。
【
図16】(a)は、
図15のオブジェを形成する複数の連結具を示す斜視図である。(b)は、
図16(a)の連結具を示す図である。
【
図17】オフィス空間のオブジェの変形例を示す図である。
【
図18】(a)は、
図17のオブジェを形成する複数の連結具を示す斜視図である。(b)は、
図18(a)の連結具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面を参照しながら本開示に係るオフィス空間の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いており、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0019】
本開示において、オフィス空間は、職員が使用する空間である。「オフィス」とは仕事を行うための場所を示しており、「オフィス空間」はオフィスに形成された空間を示している。「職員」は、仕事をする人を示している。オフィス空間は、職員が着座する座席を備える。「座席」は、職員が座る場所を示している。「座席」は、例えば、椅子、ソファ、又は椅子に乗せられたクッションを示している。
【0020】
オフィス空間は、座席に着座する職員を検出するセンサを備える。センサは、例えば、職員が座席に着席しているか否かを検出するセンサであってもよいし、座席に着席している職員の体動を検出するセンサであってもよい。オフィス空間は、センサの検出結果に基づいて複数の機器の少なくともいずれかを制御する。「機器」は、オフィス空間に配置された機器を示しており、例えば、オフィス空間の職員を快適にするための機器を示している。
【0021】
オフィス空間は、センサの検出結果に基づいて睡眠のアドバイスを生成するアドバイス生成部を備える。「睡眠のアドバイス」とは、睡眠に関するアドバイスを示しており、例えば、睡眠時間のアドバイス、又は睡眠時に用いる寝具のアドバイスであってもよい。オフィス空間は、アドバイス生成部によって生成されたアドバイスを職員が保有する情報端末に出力する情報出力部を備える。「職員が保有する情報端末」は、職員に貸与された情報端末、又は職員が所有する情報端末である。
【0022】
図1は、本実施形態に係るオフィス空間1の例を示す平面図である。
図1に示されるように、オフィス空間1は、例えば、職員が使用する建物Sの内部に設けられる。建物Sは、例えば、オフィスビルである。オフィス空間1は、例えば、建物Sの複数の階のそれぞれに設けられており、
図1はオフィス空間1の1つのフロアF1を示している。
【0023】
例えば、平面視においてオフィス空間1は、第1方向D1に延びる長辺1b、及び第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる短辺1cを有する長方形状を呈する。例えば、オフィス空間1は、職員が執務を行う執務室2と、職員が会議を行う会議室3と、階段4と、エレベータ5と、職員が休憩をとるための休憩室6と、トイレ8とを含む。
【0024】
執務室2は、例えば、オフィス空間1を構成する複数の部屋の中で最も広い部屋である。例えば、平面視において、執務室2は建物Sの第1方向D1の一端から第1方向D1の他端まで延びている。執務室2には、職員が使用する複数の机2bと、机2bに向かって仕事をする職員が着座する複数の座席20とが配置されている。
【0025】
例えば、執務室2と階段4との間には第1方向D1に沿って延びる廊下7が設けられており、廊下7に沿って階段4、エレベータ5及びトイレ8が並んでいる。オフィス空間1は、例えば、複数の階段4を備え、トイレ8と休憩室6の間に1つの階段4が設けられる。
【0026】
廊下7の休憩室6とは反対側の端部には、例えば、1つの階段4と会議室3が設けられている。会議室3は、複数の職員が集まって会議を行うための部屋である。会議室3には、職員が使用する複数の机3bと、複数の座席30が配置されている。一例として、平面視において複数の座席30が枠状に配置されている。
【0027】
休憩室6は、例えば、廊下7から見て会議室3とは反対側に設けられる。休憩室6は、仕事で疲れた職員が休憩をとるための部屋である。休憩室6には、複数のテーブル6bと、複数の座席60が配置されている。例えば、複数のテーブル6bは、複数の大テーブル6cと、複数の小テーブル6dとを含んでいる。一例として、大テーブル6cを囲むように4つの座席60が配置され、小テーブル6dを囲むように2つの座席60が配置されている。休憩室6には、更に、ソファ6f(
図17参照)が配置されていてもよい。
【0028】
以上、例示的なオフィス空間1のレイアウトについて説明したが、執務室2、会議室3、階段4、エレベータ5、休憩室6、廊下7及びトイレ8の形状、大きさ、数及び配置態様は前述した各例に限られず適宜変更可能である。
図2は、本実施形態に係るオフィス空間1の構成及び機能を模式的に示す図である。
【0029】
図2に示されるように、オフィス空間1は複数の機器10を備える。複数の機器10は、例えば、光Lを照射する照明装置11と、風Wを送る空調機12と、音Tを出力するスピーカ13と、香りKを生じさせる芳香器14とを含む。一例として、複数の機器10は、執務室2の内部に設けられる。しかしながら、複数の機器10は、会議室3及び休憩室6の少なくともいずれかの内部に設けられてもよい。
【0030】
例えば、オフィス空間1は、複数の機器10を制御する空間制御システム70を備える。一例として、空間制御システム70が照明装置11、空調機12、スピーカ13及び芳香器14を制御することにより、職員の健康を維持し、生産性を向上させ、健康経営の実践につなげる。例えば、空間制御システム70が照明装置11、空調機12、スピーカ13及び芳香器14を制御することにより、オフィス空間1における調光、空調、送風、音響及び芳香の強弱が時間ごとに制御される。
【0031】
空間制御システム70は、例えば、座席20(会議室3の場合は座席30、休憩室6の場合は座席60)に着座する職員M1,M2を検出するセンサ71と、センサ71の検出結果に基づいて複数の機器10を制御する制御部72と、センサ71の検出結果を管理する管理部73とを備える。例えば、管理部73はインターネットNを介して制御部72と通信可能とされている。なお、オフィス空間1では、例えば数十人又は数百人の職員が勤務することもあるが、以下ではこれらの職員を職員M1,M2として説明する。
【0032】
センサ71は、座席20(座席30又は座席60)に取り付けられており、例えば、座席20に着座する職員M1,M2の体動を検出する。一例として、センサ71は座席20に固定された糸状(又はテープ状)の体動センサであり、センサ71に対する外力をセンサ71の位置ごとに検出する。「体動」は、身体の動きを示しており、例えば、身体の前後方向への動き、身体の左右方向への動き、及び身体の上下方向への動きをを示している。センサ71は、貧乏ゆすりの頻度、又は猫背の頻度を検出してもよい。
【0033】
センサ71は、座席20への着席時間及び離席時間を検出してもよい。センサ71は、一日における初回の着席時刻、及び一日における最終回の着席時刻を検出してもよい。本実施形態では、センサ71は座席20への職員M1,M2の着席状況のデータ(例えば、座席20における体動、姿勢及び着席時間等)を検出する。オフィス空間1は複数のセンサ71を備え、複数のセンサ71のそれぞれが座席20に取り付けられていることにより、複数の職員M1,M2を検出することが可能である。センサ71の検出結果は、制御部72に出力される。
【0034】
図3は、空間制御システム70の機能の例を示すブロック図である。
図2及び
図3に示されるように、制御部72は、その機能的構成要素として、センサ71による検出結果を入力する情報入力部74と、複数の機器10を制御する機器制御部75と、センサ71による検出結果を解析する情報解析部76と、職員M1,M2の眠りのアドバイスを生成するアドバイス生成部77と、職員M1,M2が保有する情報端末80に情報を出力する情報出力部78とを備える。
【0035】
制御部72は、オペレーティングシステム及びソフトウェア(アプリケーション)を実行するプロセッサ(例えばCPU)と、記憶部と、通信制御部とを備える。制御部72の各機能要素は、制御部72のプロセッサ又は記憶部に制御部72のアプリケーションを読み込ませて当該アプリケーションを実行することによって実現される。
【0036】
制御部72の各機能要素は、複数のコンピュータによって構成される分散処理システム、クライアント-サーバシステム、又はクラウドシステムによって実行されてもよい。例えば、制御部72のプロセッサは、当該アプリケーションに従って通信制御部を動作させ、記憶部に対するデータの読み出し及び書き出しを行う。制御部72の処理に用いられるデータ及びデータベースは制御部72の記憶部に格納される。
【0037】
情報入力部74は、例えば、複数のセンサ71のそれぞれから職員M1,M2の着席状況のデータを取得する。情報解析部76は、例えば、職員M1,M2の着席状況のデータを職員M1,M2ごとに解析する。例えば、職員M1は座席20への着席時間が着席時間の平均値よりも長く、職員M2は座席20への着席時間が着席時間の平均値よりも短いという解析結果を情報解析部76は出力する。
【0038】
一例として、情報解析部76は、一日における初回の着席時刻を目安の出勤時刻とし、一日における最終回の離席時刻を目安の退勤時刻としてもよい。この場合、情報解析部76は、目安の退勤時刻と目安の出勤時刻との差分から目安の出勤時間を職員M1,M2ごとに算出する。
【0039】
一例として、職員M1は座席20における貧乏ゆすりの頻度が平均値よりも高く、職員M2は座席20における貧乏ゆすりの頻度が平均値よりも低いという解析結果を情報解析部76が出力する。例えば、職員M1は座席20における猫背の頻度が平均値より高く、職員M2は座席20における猫背の頻度が平均値より低いという解析結果を情報解析部76が出力する。情報解析部76による解析結果、及び前述した各平均値は制御部72の記憶部に記憶される。
【0040】
アドバイス生成部77は、情報解析部76によって解析された職員M1,M2に対する解析結果に応じて職員M1,M2ごとに眠りのアドバイスを生成する。「眠りのアドバイス」は、オフィス空間1での過ごし方に応じた眠りのアドバイスを示している。本実施形態では、当該眠りのアドバイスを職員M1,M2に通知することにより、職員M1,M2の健康維持を図ることができる。
【0041】
図4は、アドバイス生成部77が生成するアドバイスの一覧を示す例示的な表Hである。例えば、表Hは、制御部72の記憶部に記憶されている。一例として、座席20に平均値よりも長い時間着席した職員M1に対し、アドバイス生成部77は運動及び長時間睡眠を心がける旨のアドバイスを表Hから抽出する。例えば、アドバイス生成部77は、表HにおけるNo.1の「今日は長時間座ってお仕事しましたので適度に運動して長時間睡眠を心がけて下さい。」というアドバイスを抽出する。
【0042】
一例として、座席20に対する着席時間は平均値より短いが一日における初回の着席時刻から最終回の着席時刻までの時間が平均値より長い職員M1に対し、アドバイス生成部77は長時間睡眠を心がける旨のアドバイスを表Hから抽出する。例えば、アドバイス生成部77は、表HにおけるNo.2の「今日は立って長時間お仕事しましたのでお早めにおやすみになるよう心がけて下さい。」というアドバイスを抽出する。
【0043】
例えば、座席20における貧乏ゆすりの回数が平均値より多い職員M1に対し、アドバイス生成部77は休憩をとる旨のアドバイスを表Hから抽出する。一例として、アドバイス生成部77は、表HにおけるNo.3の「今日は足の動きが多かったので若干ストレスがたまっているかもしれません。適度に休憩して下さい。」というアドバイスを抽出する。
【0044】
一例として、座席20に対する着席時間が平均値以下であり、一日における初回の着席時刻から最終回の着席時刻までの時間が平均値以下であり、且つ座席20における貧乏ゆすりの回数が平均値以下である職員M2に対し、アドバイス生成部77は普段通りゆっくり休む旨のアドバイスを表Hから抽出する。例えば、アドバイス生成部77は、表HにおけるNo.4の「今日は適度な時間お仕事できました。いつも通りゆっくりお休み下さい。」というアドバイスを抽出する。以上、複数のアドバイスの例について説明したが、アドバイスの内容は上記の各例に限定されない。
【0045】
図3及び
図4に示されるように、情報出力部78は、アドバイス生成部77によって作成されたアドバイスを情報端末80に出力する。例えば、情報出力部78は、情報解析部76によって解析された職員M1,M2の着席状況のデータを各職員M1,M2の情報端末80に出力する。
【0046】
情報出力部78は、座席20における貧乏ゆすりの頻度、及び猫背の頻度の少なくともいずれかを情報端末80に出力してもよい。また、情報出力部78は、情報解析部76によって算出された目安の出勤時刻、目安の退勤時刻、及び目安の出勤時間を情報端末80に出力してもよい。
【0047】
情報出力部78は、アドバイス生成部77によって生成されたアドバイスを情報端末80に出力する。例えば、情報出力部78は、アドバイス生成部77によって表Hから抽出されたアドバイスを情報端末80に出力してもよい。具体例として、情報出力部78は、運動を心がける旨のアドバイス、長時間睡眠を心がける旨のアドバイス、及び、休憩をとる旨のアドバイスの少なくともいずれかを情報端末80に出力してもよい。例えば、情報出力部78が情報端末80に出力する情報は、職員M1,M2ごとに制御部72の記憶部に記憶される。
【0048】
図2に示されるように、制御部72には、管理部73及び外部機関79のそれぞれがインターネットNを介して通信可能とされている。管理部73は、例えば、職員M1,M2が勤務する会社(以下では単に「会社」とすることもある)の内部において職員M1,M2の健康管理を行う。
【0049】
一例として、管理部73は、制御部72の記憶部から職員M1,M2ごとに健康管理データを生成する。「健康管理データ」とは、職員M1,M2の健康度を示すデータである。管理部73が職員M1,M2ごとに健康管理データを生成することにより、会社において各職員M1,M2の健康管理を行うことができる。
【0050】
外部機関79は、例えば、会社の外部において職員M1,M2の健康管理を行う。一例として、外部機関79は、会社の産業医が勤務する医療機関である。外部機関79は、例えば、管理部73からインターネットNを介して健康管理データを受信する。この場合、職員M1,M2が勤務する会社の社外でも各職員M1,M2の健康管理を行うことができる。
【0051】
例えば、前述したセンサ71は、座席20に配置されたクッション81に取り付けられている。一例として、座席20は、椅子20Aと、椅子20Aに載せられたクッション81とを含む。センサ71付きのクッション81は、例えば、会社から各職員M1,M2に配布されたクッションである。センサ71付きのクッション81が各職員M1,M2に配布されることにより、各職員M1,M2の健康管理データを、各職員M1,M2と会社とにおいて共有することが可能となる。
【0052】
ところで、オフィス空間1は職員M1,M2が仕事のために用いる空間であるが、職員M1,M2の健康状態を良好に維持するためにはオフィス空間1での快適性の向上が重要となる。
図3に示されるように、オフィス空間1は、更に、快適性を向上させるため、吸音材120、飛沫抑制部材131、パーティション191及びオブジェ201をアメニティとして備える。以下では、オフィス空間1での快適性を向上させるためのアメニティの例について説明する。
【0053】
本実施形態に係るクッション81は、オフィス空間1での快適性を高めることが可能なクッションである。
図5(a)は、一例としてのクッション81を示す斜視図である。
図5(a)に示されるように、クッション81は、水平方向に延びる着座部82と、着座部82から上方に延びる腰部支持部83とを備える。クッション81は、柔軟性素材によって構成されている。
【0054】
例えば、クッション81は、発泡ウレタンによって構成されている。一例として、クッション81は、ウレタンモールド成型によって形成される。クッション81が発泡ウレタンによって構成されウレタンモールド成型によって形成されている場合、柔軟性素材によって構成されたクッション81を容易に製造することができる。
【0055】
着座部82は、方向A1、及び方向A1に交差する方向A2に延在する。着座部82は、方向A1及び方向A2の双方に交差する鉛直方向A3に厚みを有する。着座部82は、職員M1,M2の臀部が載せられる臀部支持部84と、職員M1,M2の大腿部が載せられる大腿部支持部85とを有する。臀部支持部84は、着座部82に着座した職員M1,M2の座骨を支持する一対の座骨支持部86を有する。
【0056】
座骨支持部86は、臀部支持部84の上面84bに形成されており上面84bに対して窪んでいる。座骨支持部86は、臀部支持部84の上面84bから窪む凹部86bを有する。凹部86bの曲率は、臀部支持部84の上面84bの曲率よりも大きい。平面視における座骨支持部86の形状は、長軸及び短軸を有する形状とされている。例えば、平面視における座骨支持部86の形状は長円形状である。一例として、平面視における座骨支持部86の形状は楕円形状である。
【0057】
例えば、着座部82は、臀部支持部84から大腿部支持部85に向かって斜め上方に延びる傾斜面87と、一対の大腿部支持部85の間に位置する凸部88とを有する。一対の大腿部支持部85のそれぞれは、傾斜面87の前側(着座部82に着座した職員M1,M2から見たときの前側)に位置する。
【0058】
更に、着座部82は、傾斜面87における方向A2の両端側に位置する一対の凸部89を有する。以上の凸部88及び凸部89が設けられることにより、一対の凸部89の間における凸部88の方向A2の両側のそれぞれの位置に、職員M1,M2の大腿部を載せやすくすることができる。
【0059】
腰部支持部83は、例えば、方向A2の両端側に向かうに従って前側に突出するように湾曲している。腰部支持部83は、着座部82の方向A1の端部(後端)から上方に延在している。腰部支持部83は、例えば、方向A2及び鉛直方向A3の双方に延在する一般部90と、一般部90の下部における方向A2の中央に位置する仙骨支持部91とを有する。
【0060】
一般部90は、腰部支持部83における仙骨支持部91以外の部分を示している。一般部90は、例えば、職員M1,M2の腰椎を後方から支える腰椎支持部92と、腰椎支持部92の方向A2の両側において職員M1,M2の腸骨を支える腸骨支持部93とを有する。
【0061】
例えば、仙骨支持部91は、前側に突出する凸状を呈する。仙骨支持部91は、一般部90から前側に突出する。一例として、前側から見た仙骨支持部91の形状は、長軸及び短軸を有する形状を呈する。例えば、前方から見た仙骨支持部91の形状は長円形状(一例として楕円形状)である。例えば、クッション81における着座部82及び腰部支持部83の少なくともいずれかにセンサ71が取り付けられている。
【0062】
以上、クッション81によれば、臀部支持部84が一対の座骨支持部86を有し、一対の座骨支持部86のそれぞれは臀部支持部84の上面84bから窪む凹部86bを有する。従って、職員M1,M2が着座部82に着座したときに各凹部86bに職員M1,M2の臀部の座骨が入り込むことにより、座骨のずれを抑制することができると共に座骨にかかる力を低減させることができる。各凹部86bの曲率は臀部支持部84の上面84bの曲率よりも大きい。従って、職員M1,M2の座骨を曲率が大きい凹部86bにより確実に入り込ませることができるので、着座時における座骨のずれをより確実に抑制できる。
【0063】
クッション81は、職員M1,M2の腰部に後方から当接する腰部支持部83を備える。腰部支持部83は、職員M1,M2の仙骨を後方から支える凸状の仙骨支持部91を有する。よって、着座部82に着座する職員M1,M2の腰部に腰部支持部83が当接する。このとき、凸状の仙骨支持部91が職員M1,M2の仙骨に後方から当接することにより、職員M1,M2の骨盤が下にずれることを抑制できる。従って、職員M1,M2の姿勢を適切に保持することができる。
【0064】
図5(b)は、クッション81に代えて、又はクッション81と共に用いられる変形例のクッション101を示している。クッション101は、二次元カット加工によって作製されている。クッション101は、職員M1,M2の身体が接触する面に形成された複数の凸部101bと、職員M1,M2の身体が接触する面とは反対側の面に形成された複数のスリット101cとを有する。
【0065】
クッション101は着座部102と腰部支持部103とを備え、着座部102は臀部支持部104と大腿部支持部105とを有する。着座部102は、臀部支持部104から大腿部支持部105に向かって斜め上方に延びる傾斜面109を有する。着座部102は複数の凸部101bを有し、平面視において複数の凸部101bは格子状に配列されている。傾斜面109は複数の凸部101bを含む仮想の面であり、臀部支持部104から大腿部支持部105に向かうに従って傾斜面109の高さが高くなっている。
【0066】
腰部支持部103は、前側に向けられる複数の凸部103bと、複数の凸部103bとは反対側を向く複数のスリット103cとを有する。複数の凸部103bは、例えば、腰部支持部103の前面において格子状に配列されている。方向A2の中央、且つ鉛直方向A3の中央に位置する凸部103bの高さが最も高く、当該凸部103bから離れるに従って凸部103bの高さが低くなっている。すなわち、複数の凸部103bは、全体として四角錐状(ピラミッド状)を呈する。複数のスリット103cは、鉛直方向A3に沿って並ぶように配置されており、各スリット103cは、例えば、方向A2に沿って直線状に延在している。
【0067】
腰部支持部103は、前方に突出する仙骨支持部111を有する。仙骨支持部111は、複数の凸部103bによって形成されている。仙骨支持部111における凸部103bの突出量は、仙骨支持部111の上方、及び仙骨支持部111の下方、のそれぞれに位置する凸部103bの突出量より大きい。方向A2に沿って見た仙骨支持部111の形状は、他の部位よりも突出する凸状を呈する。すなわち、仙骨支持部111は、最も高い(最も突出した)凸部103bを含んで構成されている。これにより、職員M1,M2の仙骨を仙骨支持部111によって確実に支えることができる。
【0068】
図1では、オフィス空間1のフロアF1に執務室2、会議室3及び休憩室6が設けられる例について説明した。
図6に示されるように、例えば、オフィス空間1は応接室9を有する。一例として、応接室9は、フロアF1とは異なるフロアに設けられる。しかしながら、応接室9は、フロアF1に設けられていてもよい。応接室9は、複数の応接用テーブル9dと、複数の応接用テーブル9dを囲むように配置される複数のソファ9b及び複数の脇机9cとを備える。
【0069】
オフィス空間1は、オフィス空間1を画成する壁9fに取り付けられる吸音材120を備える。吸音材120は、例えば、応接室9に設けられる。しかしながら、吸音材120は、執務室2、会議室3又は休憩室6に設けられてもよい。オフィス空間1は、例えば、応接室9の壁9fに固定される複数の吸音材120を備える。
【0070】
図7は、複数の吸音材120を拡大した図である。
図6及び
図7に示されるように、例えば、吸音材120は板状を呈する。吸音材120は、例えば、合成樹脂(一例として発泡ウレタン)によって構成されている。また、吸音材120は、固綿によって構成されていてもよい。例えば、板厚方向(
図7の紙面に直交する方向)に沿って見た場合における吸音材120の外形は多角形状である。一例として、板厚方向に沿って見た場合における吸音材120の外形は六角形状である。しかしながら、板厚方向に沿って見た場合における吸音材の外形は、四角形状であってもよく、特に限定されない。
【0071】
吸音材120は、吸音材120の板厚方向の一方側に向けられる吸音面121を有する。例えば、吸音材120は、吸音面121の他、吸音面121とは反対側を向く底面と、複数の側面123とを有する。例えば、当該底面及び側面123のそれぞれは平坦状を呈する。
【0072】
吸音面121は、複数の凸部121b、及び複数の凹部121cを有する。凸部121b及び凹部121cは、吸音材120の面内方向である方向B1に沿って交互に並んでいる。凸部121b及び凹部121cは、吸音材120の面内方向であって且つ方向B1に交差(一例として直交)する方向B2に沿って交互に並んでいる。
【0073】
すなわち、複数の凸部121b、及び複数の凹部121cは、格子状に配列されている。しかしながら、吸音面の凸部及び凹部は、格子状に配列されていなくてもよく、例えば、波形形状の凸部、及び波形形状の凹部を有する吸音面であってもよい。このように、吸音面の凹凸の形状は特に限定されない。
【0074】
吸音面121の面外方向から見た場合における凸部121bの形状は、例えば、矩形状である。例えば、吸音材120は、吸音面121が応接室9(執務室2、会議室3又は休憩室6)の内側を向くように壁9fに固定される。一例として、複数の吸音材120は、複数の側面123のそれぞれが互いに接触する状態で壁9fに固定される。
【0075】
例えば、複数の吸音材120は、複数の第1吸音材120A、複数の第2吸音材120B、及び複数の第3吸音材120Cを含んでいてもよい。第1吸音材120Aの凸部121bが最も大きく、第2吸音材120Bの凸部121bが次に大きく、第3吸音材120Cの凸部121bが最も小さい。この場合、凸部121bの大小が互いに異なる複数種類の吸音材120を固定できるので、複数の吸音材120のデザイン性を向上させることができる。
【0076】
図8(a)に示されるように、オフィス空間1は、例えば、飛沫抑制部材131を備える。飛沫抑制部材131は、執務室2、会議室3、休憩室6及び応接室9の少なくともいずれかに配置される。飛沫抑制部材131は、例えば、執務室2の机2b、会議室3の机3b、休憩室6のテーブル6b、及び応接室9の応接用テーブル9d、の少なくともいずれかに載せられる。
【0077】
例えば、飛沫抑制部材131は、板状部材である支持部140と、支持部140を自立可能とするスタンド部150と、支持部140に支持される視認部160と、支持部140に支持されると共に音を通す音通過部170とを備える。スタンド部150は、支持部140から支持部140の面外方向に突出する突出部である。
【0078】
支持部140、スタンド部150、視認部160及び音通過部170は、例えば、人が片手で運べる軽量材料によって構成されている。従って、飛沫抑制部材131を片手で容易に持ち運べる程度の重量とすることができる。また、支持部140、スタンド部150、視認部160及び音通過部170は、割れない材料によって構成されている。従って、仮に飛沫抑制部材131が落下したとしても、飛沫抑制部材131が破損することを抑制することができる。
【0079】
飛沫抑制部材131は、支持部140の板厚方向である方向E1の一方側から他方側を視認可能であると共に、方向E1の一方側から他方側に音を通過可能である。支持部140は、例えば、枠状を呈する。視認部160及び音通過部170は、方向E1に交差(一例として直交)する方向E2に沿って並んでいる。方向E2は、例えば、鉛直方向である。
【0080】
飛沫抑制部材131は、例えば、複数(一例として2つ)のスタンド部150を備える。複数のスタンド部150により、立設する支持部140を安定させることができる。例えば、方向E1及び方向E2に交差(一例として直交)する方向E3に沿って複数のスタンド部150が並んでいる。
【0081】
例えば、支持部140(後述する第1支持部141)の下端の高さは、スタンド部150(後述する下底部152)の下端の高さよりも高い。この場合、机又はテーブル等に飛沫抑制部材131を置いたときに、机又はテーブル等の上面と支持部140の下端との間に(微小な)隙間を形成することが可能となる。これにより、フラットでなく凹凸を有する面にも飛沫抑制部材131を配置できる。但し、支持部140の下端の高さは、スタンド部150の下端の高さと同一であってもよい。この場合、机又はテーブル等に支持部140を置いたときに、机又はテーブル等の水平な上面に支持部140の下端を接触させることができる。
【0082】
視認部160は、例えば、抗ウイルス性を有する。「抗ウイルス性」とは、ウイルスを遮断しウイルスを透過させない性状を示している。視認部160は、例えば、抗ウイルス性のフィルム(抗ウイルスフィルム)によって構成されている。すなわち、視認部160には抗ウイルス加工が施されている。
【0083】
視認部160は、例えば、衝撃が加えられても割れない材料によって構成されている。一例として、視認部160はPVC(ポリ塩化ビニル)によって構成されている。しかしながら、視認部160の材料は、例えばアクリルであってもよく、特に限定されない。視認部160は、透明材料によって構成されている。視認部160は、例えば、無色透明である。
【0084】
スタンド部150は、例えば、支持部140に着脱自在とされている。一例として、スタンド部150は、板状を呈する。スタンド部150は、スタンド部150の面内方向に沿って延びる主面151を表裏に有し、主面151が方向E1及び方向E2の双方に延在する状態で支持部140に取り付けられる。
【0085】
スタンド部150は、例えば、主面151が支持部140に交差する方向(一例として方向E1及び方向E2の双方に延在する方向)に延びるように支持部140に固定される。これにより、スタンド部150によって支持部140をより確実に自立させることができる。スタンド部150は、下方に向かうに従って主面151の幅が拡張されるように支持部140に取り付けられる。スタンド部150が下方に向かうに従って拡張するように支持部140に取り付けられることにより、支持部140の自立を一層安定させることができる。
【0086】
スタンド部150は、下底部152と、下底部152の一端及び他端のそれぞれから斜め上方に延在する一対の脚部153と、一対の脚部153の上端同士を互いに連結する上底部154とを有する。スタンド部150は、例えば、下底部152と脚部153の間に位置する湾曲部156を有する。スタンド部150が湾曲部156を有することにより、スタンド部150に衝撃が加わった場合でもスタンド部150を傷つきにくくすることができる。
【0087】
スタンド部150は、例えば、支持部140に取り付けられる着脱部155を備える。一例として、着脱部155の窪んだ部分に支持部140が挟み込まれることによって支持部140にスタンド部150が取り付けられる。例えば、スタンド部150は不織布によって構成されている。この場合、スタンド部150を軽量で安全な軽量素材で構成することができる。
【0088】
支持部140は、視認部160及び音通過部170のフレームとして機能する。すなわち、支持部140の内側に視認部160及び音通過部170が支持される。例えば、支持部140は不織布によって構成されている。支持部140は、ニードルパンチフレームによって構成されていてもよい。支持部140及びスタンド部150は、互いに同一の材料によって構成されていてもよい。
【0089】
支持部140は、例えば、音通過部170を支持する第1支持部141と、視認部160を支持する第2支持部142とを有する。第2支持部142は、方向E1に沿って並ぶ一対の枠状部材を含んでおり、当該一対の枠状部材の間に視認部160が挟み込まれている。このように、第2支持部142では視認部160が挟み込まれることによって視認部160が支持される。
【0090】
以上のように構成される飛沫抑制部材131は、例えば
図8(b)に示されるように、飛沫防止キット130として流通されてもよい。飛沫防止キット130では、例えば、スタンド部150が支持部140とは別体とされている。一例として、飛沫防止キット130では主面151が方向E2及び方向E3の双方に沿うようにスタンド部150が配置されている。これにより、飛沫防止キット130の全体を方向E2及び方向E3の双方に平面状に延びるように配置できるので、持ち運びやすい飛沫防止キット130とすることが可能である。
【0091】
支持部140は、スタンド部150が取り付けられる被取付部146を備える。例えば、被取付部146は、スタンド部150が挿入されるスリット状を呈する。被取付部146には、例えば、スタンド部150の着脱部155が挿し込まれる。被取付部146に着脱部155が挿し込まれることにより、支持部140にスタンド部150を取り付けることが可能となる。
【0092】
音通過部170は、方向E3に延びる長辺、及び方向E2に延びる短辺を有する長方形状を呈する。例えば、第1支持部141は方向E1に沿って並ぶ一対の板状部材を含んでおり、当該一対の板状部材の間に音通過部170が挟み込まれている。一例として、音通過部170は、当該一対の板状部材の間において、当該一対の板状部材の少なくともいずれかに面ファスナーによって接合されている。これにより、当該一対の板状部材の間において音通過部170を強固に保持することができる。
【0093】
音通過部170は、例えば、抗ウイルス性を有する。一例として、音通過部170は、カルボン酸及びアニオン性官能基の少なくともいずれかを含む。音通過部170は、例えば、抗ウイルス加工が施された不織布によって構成されている。音通過部170は、綿(わた)と糸とを含んでいてもよい。
【0094】
例えば、音通過部170は、縫い込まれた複数の糸の間にわたが入れられて形成されている。以上のように構成される音通過部170は、アクリル板よりも音透過性が高い上に面ファスナー等によって容易に保持することができる。また、音通過部170は支持部140から外すことが可能であり、新たな音通過部170に交換することが可能である。
【0095】
以上の飛沫抑制部材131は、他の飛沫抑制部材131に連結させることが可能である。
図9(a)は、複数の飛沫抑制部材131が連結具180を介して互いに連結された状態の例を示している。
図9(b)は、
図9(a)における複数の飛沫抑制部材131の連結部分を拡大した斜視図である。
【0096】
図9(a)及び
図9(b)に示されるように、連結具180は、板状を呈する本体部181と、本体部181の端面182に形成された第1スリット183、第2スリット184、第3スリット185及び第4スリット186とを備える。本体部181は、例えば、不織布によって構成されている。本体部181の材料は、一例として、支持部140(又はスタンド部150)の材料と同一であってもよい。この場合、飛沫抑制部材131の支持部140(又はスタンド部150)の端材から連結具180を作製できるので、連結具180の製造を容易に行うことができる。
【0097】
第1スリット183、第2スリット184、第3スリット185及び第4スリット186のそれぞれには、飛沫抑制部材131の支持部140が挿入される。例えば、第1スリット183、第2スリット184、第3スリット185及び第4スリット186のそれぞれの幅Xは支持部140の厚さと同一となっている。従って、本体部181によって第1スリット183、第2スリット184、第3スリット185及び第4スリット186に挿入された支持部140を保持することが可能である。
【0098】
例えば、複数の飛沫抑制部材131は、複数の連結具180を介して連結される。一例として、上下一対に飛沫抑制部材131に取り付けられた2個の連結具180を介して複数(3台)の飛沫抑制部材131が互いに連結されている。例えば、第1スリット183、第2スリット184、第3スリット185及び第4スリット186のそれぞれには、支持部140の第2支持部142が挿入及び保持される。
【0099】
一例として、第2支持部142は、視認部160を挟み込む第1板状部材143及び第2板状部材144によって構成されている。例えば、第1スリット183、第2スリット184、第3スリット185及び第4スリット186のそれぞれには第1板状部材143及び第2板状部材144が共に挿入及び保持される。以上、連結具180を介して複数の飛沫抑制部材131を互いに連結させることが可能である。
【0100】
図10及び
図11に示されるように、オフィス空間1は、オフィス空間1を仕切るパーティション191を備える。
図10は、オフィス空間1のパーティション191を示す平面図である。
図11は、オフィス空間1のパーティション191を示す斜視図である。一例として、パーティション191は、執務室2、会議室3及び休憩室6が設けられたフロアF1とは別のフロアF2に設けられる。
【0101】
一例として、フロアF2は、職員M1,M2がテレワーク(又はデスクワーク)を行うためのフロア(例えば仕事集中空間)である。しかしながら、パーティション191は、フロアF1に設けられていてもよい。パーティション191は、複数の内部空間192を画成する。パーティション191は、例えば、複数のパーティション用資材195によって構成されている。
【0102】
パーティション用資材195は、例えば、角部に丸みを帯びた矩形状を呈する。パーティション用資材195は外力を受けたときに曲がるクッション性を有する。従って、パーティション用資材195が倒れたり、職員M1、M2の身体がパーティション用資材195にぶつかったりしても怪我等を回避できる。
【0103】
例えば、パーティション用資材195は敷き寝具(マットレス又は敷き布団)と同一の材料によって構成されている。このように、パーティション用資材195が敷き寝具と同一の材料から構成されている場合、吸湿性及び吸音性が高いパーティション191とすることができ、快適なオフィス空間1を演出できる。
【0104】
一例として、パーティション用資材195は巻き綿を含んでいる。この場合、パーティション用資材195を他のパーティション用資材195から外して、外したパーティション用資材195を敷き寝具として用いることが可能である。より具体的には、災害時等、有事のときにパーティション用資材195を分離して寝具として利用可能であって、被災時等の就寝又は休息のためにパーティション用資材195を利用することができる。従って、より汎用性が高いパーティション用資材195とすることができる。
【0105】
例えば、平面視において、パーティション191は、多角形状を呈する。一例として、平面視におけるパーティション191の形状は六角形状である。例えば、パーティション191は、複数のパーティション用資材195を互いに連結する複数の連結手段193と、複数のつなぎ部材194とを備える。つなぎ部材194は、内部空間192への出入口を画成する。
【0106】
一例として、パーティション191の出入口は、一対のパーティション用資材195の間に設けられ、当該出入口の上部においてつなぎ部材194が一対のパーティション用資材195を互いに連結する。つなぎ部材194の材料は、例えば、パーティション用資材195の材料と同一である。つなぎ部材194は外力を受けたときに変形するクッション性を有する。
【0107】
図12は、連結手段193を示す斜視図である。
図10~
図12に示されるように、連結手段193は、パーティション用資材195の側面195cにおけるパーティション用資材195の厚さ方向の一方側の端部においてパーティション用資材195の長手方向Gに沿って延在している。
【0108】
パーティション用資材195は、例えば、2つの連結手段193を有し、例えば、パーティション用資材195の厚さ方向における2つの連結手段193の位置は互いに同一である。パーティション用資材195は、連結手段193を介して他の連結手段193から外すことが可能である。
【0109】
連結手段193は、例えば、一対のパーティション用資材195のうちの一方に設けられた第1連結用ファスナー193bと、一対のパーティション用資材195のうちの他方に設けられた第2連結用ファスナー193cとによって構成されている。連結手段193の第1連結用ファスナー193b(又は第2連結用ファスナー193c)は、パーティション用資材195の各側面195cにおけるパーティション用資材195の厚さ方向の端部に設けられる。
【0110】
平面視において(パーティション用資材195の長手方向Gに沿って見たときに)、第1連結用ファスナー193b又は第2連結用ファスナー193cは、パーティション用資材195の端面195dの四隅のそれぞれに設けられてもよい。この場合、複数のパーティション用資材195を互いに連結して複数の内部空間192を有するパーティション191が自在に形成される。
【0111】
パーティション用資材195は、芯材出し入れ用ファスナー196と、クッション性を有する芯材197と、芯材197を収容する側地198とを有する。芯材197は、例えば、固綿である。この場合、パーティション用資材195の強度を高めてパーティション用資材195をより確実に自立させることができる。しかしながら、芯材197の材料は、固綿に限られず、例えば、硬質のウレタンフォームであってもよい。
【0112】
芯材197は、防音素材によって構成されていてもよい。この場合、高い防音性能を備えたパーティション191(パーティション用資材195)とすることが可能である。また、芯材197は、凹凸形状を有するプロファイル材、三次元樹脂構造体、又は難燃加工が施されたものであってもよい。このように芯材197としては種々のものを採用することができる。
【0113】
側地198は、一例として、メッシュ素材によって構成される。しかしながら、側地198は、メッシュ素材以外の材料によって構成されていてもよく、例えば、側地198の材料は、綿、麻、絹、羊毛、若しくはレーヨン等の天然繊維、又は布帛である。また、側地198にキルティングが施されていてもよい。側地198は、例えば、外縁にアドラー巻き(ヘム巻き)がなされて形成されている。
【0114】
芯材出し入れ用ファスナー196は、側地198に芯材197を出し入れするためのファスナーである。芯材出し入れ用ファスナー196は、パーティション用資材195の側面195c及び端面195dに沿って延在している。芯材出し入れ用ファスナー196は、パーティション用資材195の厚さ方向から見たときにL字状に延在している。一例として、芯材出し入れ用ファスナー196は、側面195cにおけるパーティション用資材195の厚さ方向の中央、及び端面195dにおける当該厚さ方向の中央に設けられる。
【0115】
以上、平面視において複数の多角形状を成すパーティション191がフロアF2に設けられることにより、フロアF2において職員M1,M2は集中して仕事をすることができる。例えば、各内部空間192には机192b及び椅子192cが設けられており、各職員M1,M2が内部空間192において集中して仕事できる。なお、フロアF2には、パーティション191の他に、複数の机199b、及び複数の椅子199cが設けられており、職員M1,M2は机199b及び椅子199cを用いて仕事することも可能である。
【0116】
図13に示されるように、オフィス空間1はオブジェ201を備える。「オブジェ」は、オフィス空間に設けられる装飾物を示している。オブジェ201は、例えば、天井Vに吊り下げられる。オブジェ201は、例えば、複数の連結具206からなるオブジェ本体202と、天井Vにオブジェ本体202を吊り下げる吊り下げ部材203とを備える。
【0117】
一例として、吊り下げ部材203は、オブジェ本体202の上端を支持する支持部材204と、支持部材204を吊り下げる紐状部材205とを有する。支持部材204は、例えば、方向Y1に沿って延びており、紐状部材205は支持部材204の方向Y1の両端部のそれぞれに設けられる。
【0118】
図14(a)は、オブジェ本体202の一部を示す斜視図である。
図14(b)は、オブジェ本体202を構成する連結具206を示す図である。
図13、
図14(a)及び
図14(b)に示されるように、オブジェ本体202において、複数の連結具206は、方向Y1に沿って並ぶと共に、方向Y1に交差する方向Y2に沿って並んでいる。一例として、方向Y1は水平方向であり、方向Y2は鉛直方向である。
【0119】
連結具206は板状を呈する本体部207を有し、本体部207は端面207bと主面207cとを有する。連結具206は、更に、本体部207の端面207bに形成された第1スリット208b、第2スリット208c、第3スリット208d及び第4スリット208fを有する。
【0120】
本体部207は、例えば、不織布によって構成されている。例えば、本体部207の材料は前述した飛沫抑制部材131の支持部140の材料と同一である。この場合、飛沫抑制部材131の支持部140の端材から容易に連結具206を作製できる。一例として、本体部207の端面207bは複数の膨張部207dを有する。
【0121】
膨張部207dは、本体部207を主面207cの面外方向から見たときに本体部207の外側に膨らむように湾曲している部分である。膨張部207dは、第1スリット208bと第2スリット208cの間、第2スリット208cと第3スリット208dの間、第3スリット208dと第4スリット208fの間、及び、第4スリット208fと第1スリット208bの間、のそれぞれに形成されている。
【0122】
第1スリット208b、第2スリット208c、第3スリット208d及び第4スリット208fのそれぞれには、他の連結具206の本体部207が挿入される。例えば、一の連結具206の主面207cの延在方向と、当該一の連結具206の第1スリット208bに挿入された他の連結具206の主面207cの延在方向とは互いに交差(一例として直交)する。
【0123】
すなわち、連結具206の主面207cの向きは、当該連結具206の第1スリット208bに挿入された他の連結具206の主面207cの向きとは異なっている。第2スリット208c、第3スリット208d及び第4スリット208fのそれぞれに挿入される連結具206についても同様である。
【0124】
以上、第1スリット208b、第2スリット208c、第3スリット208d及び第4スリット208fのそれぞれに連結具206を挿入していくことにより、任意の形状のオブジェ本体202を容易に形成できる。更に、連結具206が前述した支持部140等と同一の材料である場合、環境にやさしい素材のオブジェ本体202を自在に作製できる。
【0125】
図15は、変形例に係るオブジェ211を示す側面図である。
図16(a)は、オブジェ211を構成する複数の連結具216を示す斜視図である。
図16(b)は、連結具216を示す図である。変形例に係る連結具216の一部の構成は、前述した連結具206の一部の構成と重複するため、以下では連結具206の構成と重複する説明を適宜省略する。
【0126】
図15、
図16(a)及び
図16(b)に示されるように、例えば、オブジェ211は複数の連結具216のみによって構成されている。従って、前述した吊り下げ部材203を不要とすることができる。連結具216は、隅丸長方形状の本体部217と、複数のスリット218とを有する。本体部217は端面217bと主面217cとを有する。複数のスリット218のそれぞれは、端面217bから凹んでいる。
【0127】
端面217bは、本体部217の長手方向Z1に沿って延びると共に本体部217の短手方向Z2に沿って並ぶ一対の長辺217dと、短手方向Z2に沿って延びると共に長手方向Z1に沿って並ぶ一対の短辺217fとを含む。長辺217d及び短辺217fのそれぞれは、例えば、直線状に延びている。
【0128】
複数のスリット218のそれぞれは、短手方向Z2に沿って延在している。複数のスリット218は、例えば、複数の第1スリット218bと、1つの第2スリット218cとを含む。例えば、一対の長辺217dのそれぞれに2つの第1スリット218bが形成されている。
【0129】
第1スリット218bは本体部217の長手方向Z1の中央よりも端部寄りの位置に形成されており、短手方向Z2に沿って一対の第1スリット218bが並んでいる。例えば、本体部217の中心217gを通ると共に短手方向Z2に延びる基準線Jに対して、一対の第1スリット218bが互いに対称となる位置に形成されている。
【0130】
第2スリット218cは、第1スリット218bよりも長く延在する。例えば、第2スリット218cの長さは第1スリット218bの長さの1.5倍以上且つ2.5倍以下である。一例として、第2スリット218cの長さは本体部217の短手方向Z2の長さの半分であり、第1スリット218bの長さは本体部217の短手方向Z2の長さの1/4である。第2スリット218cは、本体部217の長手方向Z1の中央に形成されている。例えば、第2スリット218cは、基準線J上に形成されている。
【0131】
第1スリット218bには他の連結具216の第1スリット218bが挿入され、第2スリット218cには他の連結具216の第2スリット218cが挿入される。例えば、一の連結具216の主面217cの延在方向と、当該連結具216のスリット218(第1スリット218b及び第2スリット218cのそれぞれ)に挿入された他の連結具216の主面217cの延在方向とは互いに交差(一例として直交)する。
【0132】
従って、前述した連結具206と同様、スリット218に他の連結具216を挿入していくことにより、任意の形状のオブジェ211を容易に形成できる。更に、長辺217dが直線状とされている連結具216の場合、オブジェ211をオフィス空間1で自立させることができる。
【0133】
図17は、更なる変形例に係るオブジェ221を示す図である。
図18(a)は、オブジェ221を構成する複数の連結具226を示す斜視図である。
図18(b)は、連結具226を示す図である。
図17、
図18(a)及び
図18(b)に示されるように、例えば、オブジェ221は、天井Vから紐223を介して吊り下げられた照明装置11を囲むように配置される。
【0134】
オブジェ221は複数の連結具226の間に形成される隙間を有するので、照明装置11を囲むオブジェ221では当該隙間から仄かな光を発することができる。一例として、オブジェ221は、休憩室6におけるテーブル6b及びソファ6fの上方に配置される。しかしながら、オブジェ221は、オフィス空間1の種々の場所に配置することが可能である。
【0135】
連結具226は、端面227b及び主面227cを有する本体部227と、複数のスリット228とを有する。本体部227は、例えば、隅丸正方形状を呈する。端面227bは4つの辺227dを含む。複数のスリット228のそれぞれは、4つの辺227dのそれぞれから凹んでいる。例えば、スリット228の長さは、辺227dの長さの1/8以上且つ1/4以下である。
【0136】
スリット228には他の連結具226のスリット228が挿入される。一の連結具226の主面227cの延在方向と、当該連結具226のスリット228に挿入された他の連結具226の主面227cの延在方向とは互いに交差(一例として直交)する。従って、前述した連結具216と同様、スリット228に他の連結具226を挿入していくことにより、任意の形状のオブジェ221を容易に形成できる。
【0137】
次に、本実施形態に係るオフィス空間1から得られる作用効果について説明する。
図2及び
図3に示されるように、オフィス空間1には、光Lを照射する照明装置11と、送風を行う空調機12と、職員M1,M2が着座する座席20が設けられる。オフィス空間1は、座席20に着座する職員M1,M2を検出するセンサ71と、センサ71の検出結果に基づいて睡眠のアドバイスを生成するアドバイス生成部77とを備える。従って、センサ71によって検出された座席20への職員M1,M2の着座の状況に応じて睡眠に関するアドバイスが生成されるので、職員M1、M2はオフィス空間1での働き方に応じた睡眠をとることができる。
【0138】
例えば、長時間労働をした職員M1には長時間睡眠を促し、ストレスが溜まっている職員M1には横になったり休憩したりすることを促すことができるので、職員M1,M2の労働の状況に応じた睡眠を職員M1,M2に提案できる。その結果、職員M1,M2の夜の快適な眠りを実現できる。
【0139】
オフィス空間1は、センサ71の検出結果に基づいて照明装置11及び空調機12を含む複数の機器10の少なくともいずれかを制御する機器制御部75を備える。従って、職員M1,M2の座席20への着席の状況に応じてオフィス空間1の照明装置11又は空調機12を含む機器10の制御を行えるので、オフィス空間1で働く職員M1,M2の健康維持を実現できると共に、生産性を向上させることができる。
【0140】
本実施形態において、座席20には、柔軟性素材によって構成されたクッション81が設けられている。センサ71は、クッション81に取り付けられている。よって、職員M1,M2が柔軟性素材によって構成されたクッション81に着座するので、職員M1,M2は良い姿勢でより快適に仕事をすることができる。センサ71がクッション81に取り付けられているので、職員M1,M2に快適な仕事環境を提供しつつ職員M1,M2の着座の状況をセンサ71によって取得することができる。
【0141】
本実施形態において、オフィス空間1は、
図10~
図12に示されるように、複数のパーティション用資材195が互いに連結されて形成されたパーティション191を備える。複数のパーティション用資材195は、外力を受けたときに変形するクッション性を有する。よって、複数のパーティション用資材195が連結されてパーティション191が形成されるので、大小種々のパーティション191をオフィス空間1に配置できる。従って、職員M1,M2の仕事環境を更に良好にできる。パーティション用資材195は外力を受けたときに変形するクッション性を有する。従って、職員M1,M2の身体がパーティション用資材195に当たったとしても、職員M1,M2が怪我をしたりする事態を回避することができる。
【0142】
本実施形態において、
図6及び
図7に示されるように、オフィス空間1は、オフィス空間1を画成する壁9fに取り付けられる吸音材120を備える。吸音材120には、壁9fとは反対側を向くと共に凸部121b及び凹部121cを有する吸音面121が形成されている。よって、壁9fに吸音材120が取り付けられるので、オフィス空間1の外への音を吸収できる。吸音材120は壁9fとは反対側を向く吸音面121を有し、吸音面121には凸部121b及び凹部121cが形成されている。従って、吸音面121の凸部121b及び凹部121cによってより効果的に音を吸収できる。
【0143】
本実施形態において、
図8(a)に示されるように、オフィス空間1は、飛沫を抑制する飛沫抑制部材131を備える。飛沫抑制部材131は、飛沫を遮断する透明部材によって構成された視認部160と、飛沫を遮断すると共に音を通す音通過部170と、視認部160及び音通過部170を支持する支持部140と、を有する。音通過部170及び支持部140が不織布によって構成されている。よって、飛沫抑制部材131は飛沫を抑制すると共に音を通過する音通過部170を有するので、飛沫を抑制しつつ音を通過させることができる。視認部160及び音通過部170を支持する支持部140と、音通過部170とは不織布によって構成されている。従って、支持部140及び音通過部170を軽量化できるので、飛沫抑制部材131を容易に持ち運んで任意の位置に飛沫抑制部材131を配置することができる。
【0144】
本実施形態において、
図13、
図14(a)及び
図14(b)に示されるように、オフィス空間1は、オブジェ201を備える。オブジェ201は、複数の連結具206が互いに連結されて形成されている。複数の連結具206は、板状を呈する本体部207と、本体部207の端面207bから凹んでおり他の連結具206が挿入されるスリット(例えば第1スリット208b、第2スリット208c、第3スリット208d及び第4スリット208f)と、を有する。よって、一の連結具206のスリットに他の連結具206を挿入することによって複数の連結具206を連結させて任意の形状のオブジェ201を作製できる。オブジェ211及びオブジェ221からもオブジェ201と同様の作用効果が得られる。なお、オブジェ221は、光Lを遮るランプシェード(遮光部材)として用いることも可能である。
【0145】
以上、本開示に係るオフィス空間の実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、オフィス空間の各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、前述した要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0146】
前述の実施形態では、センサ71がクッション81に取り付けられている例について説明した。しかしながら、センサ71はクッション81以外のものに取り付けられていてもよく、センサ71が取り付けられる場所は適宜変更可能である。例えば、センサ71は、クッション81以外のクッション101、椅子20A、椅子192c、椅子199c、ソファ6f又はソファ9bに取り付けられていてもよい。
【0147】
前述の実施形態では、吸音材120、飛沫抑制部材131、パーティション191及びオブジェ201を備えるオフィス空間1について説明した。しかしながら、吸音材120、飛沫抑制部材131、パーティション191及びオブジェ201の少なくともいずれかを有しないオフィス空間であってもよい。
【0148】
前述の実施形態では、執務室2、会議室3及び休憩室6を有するフロアF1と、パーティション191を有するフロアF2とを備えるオフィス空間1について説明した。しかしながら、オフィス空間におけるフロアの数、及び各フロアにおける部屋のレイアウトは前述した例に限られず適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0149】
1…オフィス空間、1b…長辺、1c…短辺、2…執務室、2b…机、3…会議室、3b…机、4…階段、5…エレベータ、6…休憩室、6b…テーブル、6c…大テーブル、6d…小テーブル、6f…ソファ、7…廊下、8…トイレ、9…応接室、9b…ソファ、9c…脇机、9d…応接用テーブル、9f…壁、10…機器、11…照明装置、12…空調機、13…スピーカ、14…芳香器、20,30,60…座席、20A…椅子、30…座席、70…空間制御システム、71…センサ、72…制御部、73…管理部、74…情報入力部、75…機器制御部、76…情報解析部、77…アドバイス生成部、78…情報出力部、79…外部機関、80…情報端末、81,101…クッション、82…着座部、83…腰部支持部、84…臀部支持部、84b…上面、85…大腿部支持部、86…座骨支持部、86b…凹部、87…傾斜面、88,89…凸部、90…一般部、91…仙骨支持部、92…腰椎支持部、93…腸骨支持部、101b…凸部、101c…スリット、102…着座部、103…腰部支持部、103b…凸部、103c…スリット、104…臀部支持部、105…大腿部支持部、109…傾斜面、111…仙骨支持部、120…吸音材、120A…第1吸音材、120B…第2吸音材、120C…第3吸音材、121…吸音面、121b…凸部、121c…凹部、123…側面、130…飛沫防止キット、131…飛沫抑制部材、140…支持部、141…第1支持部、142…第2支持部、143…第1板状部材、144…第2板状部材、146…被取付部、150…スタンド部、151…主面、152…下底部、153…脚部、154…上底部、155…着脱部、156…湾曲部、160…視認部、170…音通過部、180…連結具、181…本体部、182…端面、183…第1スリット、184…第2スリット、185…第3スリット、186…第4スリット、191…パーティション、192…内部空間、192b…机、192c…椅子、193…連結手段、193b…第1連結用ファスナー、193c…第2連結用ファスナー、194…つなぎ部材、195…パーティション用資材、195c…側面、195d…端面、196…芯材出し入れ用ファスナー、197…芯材、198…側地、199b…机、199c…椅子、201,211…オブジェ、203…吊り下げ部材、204…支持部材、205…紐状部材、206,216,226…連結具、207,217,227…本体部、207b,217b,227b…端面、207c,217c,227c…主面、207d…膨張部、208b…第1スリット、208c…第2スリット、208d…第3スリット、208f…第4スリット、217d…長辺、217f…短辺、217g…中心、218…スリット、218b…第1スリット、218c…第2スリット、223…紐、227d…辺、228…スリット、A1,A2,B1,B2,E1,E2,E3,Y1,Y2…方向、A3…鉛直方向、D1…第1方向、D2…第2方向、F1,F2…フロア、G…長手方向、J…基準線、K…香り、L…光、M1,M2…職員、N…インターネット、S…建物、T…音、V…天井、W…風、X…幅、Z1…長手方向、Z2…短手方向。