(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075610
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】情報連携方法及び情報連携システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20230524BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230524BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20230524BHJP
【FI】
G06F21/62
G06Q50/10
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188618
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】近野 章二
(72)【発明者】
【氏名】本宮 志江
(72)【発明者】
【氏名】親松 昌幸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】利用者の経済活動に関して各事業者に登録された情報を、利用者側の管理下で、利用者の意思に基づいて、利用者間又は事業者間で連携する。
【解決手段】情報システムが実行する情報連携方法であって、情報システムは、ネットワークを介して相互に通信可能なサーバ及び端末装置を有し、サーバは、利用者の識別情報と、複数の事業者の識別情報と、複数の事業者が提供するサービスに関連して管理された利用者に関する情報であって、利用者によって利用者の制御下に置くことが指定された情報と、を対応付けるデータ利用統合情報を保持し、情報連携方法は、端末装置が、利用者の認証情報を送信する手順と、サーバが、認証情報に基づいて利用者の識別情報を特定し、データ利用統合情報に基づいて、複数の事業者のいずれかが提供するサービスに関連して管理された利用者に関する情報を出力する手順と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報システムが実行する情報連携方法であって、
前記情報システムは、ネットワークを介して相互に通信可能な第1サーバ及び端末装置を有し、
前記第1サーバは、利用者の識別情報と、複数の事業者の識別情報と、前記複数の事業者が提供するサービスに関連して管理された前記利用者に関する情報であって、前記利用者によって前記利用者の制御下に置くことが指定された情報と、を対応付けるデータ利用統合情報を保持し、
前記情報連携方法は、
前記端末装置が、前記利用者の認証情報を送信する第1手順と、
前記第1サーバが、前記認証情報に基づいて前記利用者の識別情報を特定し、前記データ利用統合情報に基づいて、前記複数の事業者のいずれかが提供するサービスに関連して管理された前記利用者に関する情報を出力する第2手順と、を含むことを特徴とする情報連携方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報連携方法であって、
前記端末装置が、前記複数の事業者のうち第1事業者が提供するサービスを受けるために必要な情報の項目を示す情報を送信する手順をさらに含み、
前記第2手順において、前記第1サーバは、前記第1事業者以外の事業者が提供するサービスに関連して登録された前記利用者に関する情報のうち、前記第1事業者が提供するサービスを受けるために必要な情報の項目との類似性が高い項目の情報を出力することを特徴とする情報連携方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報連携方法であって、
前記認証情報は、前記利用者の生体情報を含むことを特徴とする情報連携方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報連携方法であって、
前記情報システムは、前記ネットワークを介して前記第1サーバ及び前記端末装置と通信可能な第2サーバをさらに有し、
前記第2サーバは、前記利用者の経済活動に関する情報に対するニーズを示す仲介情報を保持し、
前記データ利用統合情報は、前記利用者が前記利用者の経済活動に関する情報の提供に対して要求する報酬を示す情報を含み、
前記情報連携方法は、
前記端末装置が、前記利用者によって行われた経済活動に関する情報を前記利用者の制御下に置くことを指定する情報を前記第2サーバに送信する手順と、
前記第2サーバが、前記仲介情報に基づいて、前記利用者によって行われた経済活動に関する情報を他の利用者に提供する手順と、
前記他の利用者が前記提供された情報に基づく経済活動を行った場合、前記第2サーバが、前記他の利用者が行った経済活動の対象の事業者から、前記データ利用統合情報に基づく報酬を獲得する手順と、
前記第2サーバが、前記報酬を獲得したことを示す情報を前記第1サーバに送信する手順と、
前記第1サーバが、前記獲得した報酬を保持する手順と、をさらに含むことを特徴とする情報連携方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報連携方法であって、
前記第2サーバは、前記利用者によって行われた経済活動に関する情報を、前記利用者によって指定された条件を満たす前記他の利用者に提供することを特徴とする情報連携方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報連携方法であって、
前記情報システムは、前記ネットワークを介して前記第1サーバ及び前記端末装置と通信可能な第2サーバをさらに有し、
前記情報連携方法は、
前記端末装置が、利用者の識別情報と、利用者の認証情報と、事業者の識別情報と、を送信する手順と、
前記認証情報に基づく前記利用者の認証に成功した場合に、前記第2サーバが、前記事業者が管理する前記利用者に関する情報を前記利用者の制御下に置くことの許諾を要求する手順と、
前記許諾が得られた場合に、前記第1サーバが、前記利用者の識別情報と、前記事業者の識別情報と、前記事業者が管理する前記利用者に関する情報と、を対応付ける情報を、前記データ利用統合情報として保持する手順と、をさらに含むことを特徴とする情報連携方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報連携方法であって、
前記データ利用統合情報は、前記利用者によって指定された、前記利用者に関する情報の格納場所を示す情報を含み、
前記利用者に関する情報は、前記データ利用統合情報によって示される格納場所に格納されることを特徴とする情報連携方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報連携方法であって、
前記利用者に関する情報の格納場所は、前記端末装置、前記第1サーバ、及び、前記ネットワークを介して前記第1サーバがアクセス可能な記憶領域のいずれかであることを特徴とする情報連携方法。
【請求項9】
情報連携システムであって、
ネットワークを介して相互に通信可能な第1サーバ及び端末装置を有し、
前記第1サーバは、利用者の識別情報と、複数の事業者の識別情報と、前記複数の事業者が提供するサービスに関連して管理された前記利用者に関する情報であって、前記利用者によって前記利用者の制御下に置くことが指定された情報と、を対応付けるデータ利用統合情報を保持し、
前記端末装置は、前記利用者の認証情報を送信し、
前記第1サーバは、前記認証情報に基づいて前記利用者の識別情報を特定し、前記データ利用統合情報に基づいて、前記複数の事業者のいずれかが提供するサービスに関連して登録された前記利用者に関する情報を出力することを特徴とする情報連携システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の経済活動に関する情報を事業者間で連携する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術として、特開2020-123111(特許文献1)がある。特許文献1には、「プロセッサと、プロセッサに接続される記憶装置と、を有する情報連携システムであって、記憶装置には、第1の組織によって追加された、ユーザの識別情報と、ユーザに関する情報と、が対応付けて保持され、プロセッサは、第2の組織に対して、ユーザに関する情報に含まれるいずれかの項目の情報に関する情報連携申請を送信し、情報連携申請が受領された場合、第2の組織によって追加された、ユーザの識別情報と、情報連携申請によって指定された項目の当該ユーザに関する情報とを取得し、取得した情報を、取得した識別情報によって識別されるユーザと同一のユーザに関する、第1の組織によって追加されたユーザの識別情報及びユーザに関する情報と対応付けて記憶装置に保持する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、従来のユーザに関する情報の連携技術は、特定の事業者が提供する特定のサービスの利用を目的として、特定のアプリケーション間でユーザに関する情報を連携するものであった。このため、各事業者に登録された利用者に関する情報を利用者側の管理下に移行することはできなかった。また、利用者に対応する属性情報及び信頼情報を利用者間で連携して利用することはできなかった。また、利用者の経済活動に付随して生成されるデータを所定の選択基準に基づき利用者自身が制御できるデータ保存場所に保存することはできなかった。また、利用者が記録するデータを他の利用者又は事業者との間で必要なものだけ提供すること、及び、提供した場合に提供先から報酬を獲得することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題の少なくとも一つを解決するため、本発明は、情報システムが実行する情報連携方法であって、前記情報システムは、ネットワークを介して相互に通信可能な第1サーバ及び端末装置を有し、前記第1サーバは、利用者の識別情報と、複数の事業者の識別情報と、前記複数の事業者が提供するサービスに関連して管理された前記利用者に関する情報であって、前記利用者によって前記利用者の制御下に置くことが指定された情報と、を対応付けるデータ利用統合情報を保持し、前記情報連携方法は、前記端末装置が、前記利用者の認証情報を送信する第1手順と、前記第1サーバが、前記認証情報に基づいて前記利用者の識別情報を特定し、前記データ利用統合情報に基づいて、前記複数の事業者のいずれかが提供するサービスに関連して管理された前記利用者に関する情報を出力する第2手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、利用者の経済活動に関して各事業者に登録された情報を、利用者側の管理下で、利用者の意思に基づいて、利用者間又は事業者間で連携することが可能になる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例における情報連携システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施例における利用者登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例における事業者登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例における利用者主権エコシステム初期編成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例における利用者主権化対象抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ再入力省略処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施例における利用者主権化エコシステム利用処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施例における利用者主権IDエコシステム編成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施例における経済活動実行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、各種ニーズ蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ仲介実行の第1の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ仲介実行の第2の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ仲介実行の第3の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施例におけるデータ利活用統合DBの一例を示す説明図である。
【
図15】本発明の実施例におけるDIDプールの一例を示す説明図である。
【
図16】本発明の実施例におけるトラスト値テーブルの一例を示す説明図である。
【
図17A】本発明の実施例における属性値テーブルの一例を示す説明図である。
【
図17B】本発明の実施例における報酬テーブルの一例を示す説明図である。
【
図18】本発明の実施例におけるエコシステム編成テーブルの一例を示す説明図である。
【
図19】本発明の実施例における主権化履歴テーブルの一例を示す説明図である。
【
図20】本発明の実施例における利用者主権DBの一例を示す説明図である。
【
図21】本発明の実施例における利用者IDエコシステムDBの一例を示す説明図である。
【
図22】本発明の実施例における事業者IDエコシステムDBの一例を示す説明図である。
【
図23】本発明の実施例における事業者IDDBの一例を示す説明図である。
【
図24】本発明の実施例における再利用ニーズDBの一例を示す説明図である。
【
図25】本発明の実施例における仲介促進ニーズDBの一例を示す説明図である。
【
図26】本発明の実施例における仲介グループニーズDBの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施例における情報連携システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0010】
本実施例の情報連携システムは、利用者主権DID(Digital Identification)サーバ120、利用者主権化仲介サーバ130、利用者端末140及び利用者情報管理システム1A0~1Z0を有する。これらはいずれもコンピュータシステムであり、ネットワーク160を介して相互に通信可能となっている。
【0011】
利用者主権DIDサーバ120、利用者主権化仲介サーバ130及び利用者情報管理システム1A0~1Z0のハードウェア構成は以下の通りである。利用者主権DIDサーバ120、利用者主権化仲介サーバ130及び利用者情報管理システム1A0~1Z0は、それぞれ、記憶装置125、135及び1A5~1Z5と、メモリ122、132及び1A2~1Z2と、CPU(Central Processing Unit)124、134及び1A4~1Z4と、I/O(Input/Output)インタフェース121、131及び1A1~1Z1と、通信装置123、133及び1A3~1Z3と、を備える。
【0012】
利用者端末140は、上記と同様の記憶装置、メモリ、CPU、I/Oインタフェース及び通信装置を備えるが、
図1では記憶装置141以外の図示を省略している。利用者端末140は、さらに、利用者識別装置142を備える。利用者識別装置142は、利用者を識別するための装置であり、例えば、指紋認証装置又は顔認証装置といった生体情報取得装置(図示省略)等を含んでもよい。
【0013】
記憶装置125、135、141及び1A5~1Z5は、ハードディスクドライブ又は組み込み用マルチメディアカードなどの不揮発性記憶装置で構成される。メモリ122、132及び1A2~1Z2は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。CPU124、134及び1A4~1Z4は、記憶装置125、135及び1A5~1Z5に保持されるプログラムをメモリ122、132及び1A2~1Z2に呼び出してシステム自体の統括制御を行うと共に各種判定、演算及び制御処理を行う。I/Oインタフェース121、131及び1A1~1Z1は、入力装置及び出力装置と接続するためのインタフェースである。通信装置123、133及び1A3~1Z3は、ネットワーク160と接続し他装置との通信を行う。
【0014】
利用者端末140の利用者識別装置142は、当該利用者端末140の利用者を識別する。
【0015】
利用者主権DIDサーバ120の記憶装置125には、データ利活用統合DB126が保持される。データ利活用統合DB126には、DIDプール127、エコシステム編成128、利用者主権設定129、利用者識別ID12A及び主権化履歴12Bが含まれる。データ利活用統合DB126の詳細については後述する(
図14~
図19参照)。
【0016】
利用者主権化仲介サーバ130の記憶装置135に実装される機能として、利活用仲介機能13Aがある。これは、記憶装置135に格納されたプログラムであり、CPU134がこれを実行することによってその機能が実現される。また、記憶装置135には、利活用仲介機能13Aが管理する情報として、再利用ニーズ13B、仲介促進ニーズ13C及び仲介グループニーズ13Dを保持する。さらに、記憶装置135には、利用者主権DB(Database)136、利用者IDエコシステムDB137、事業者IDDB138及び事業者IDエコシステムDB139が保持される。利用者主権化仲介サーバ130に保持される情報の詳細については後述する(
図20~
図26参照)。
【0017】
ここで、利用者IDエコシステムとは、例えば利用者が複数の事業者によって提供される複数のサービスを利用している場合に、サービスを受けるために各事業者に提供した当該利用者に関する情報(例えば利用者の氏名、住所等)、及び、それらのサービスを利用することによって発生した当該利用者に関する情報(例えば商品の購入履歴)等が蓄積される中で、利用者の経済活動の範囲及び対象に応じて形成されたアプリケーション、システム、サービス及び事業者等の組み合わせを意味する。このため、利用者ごとに、利用者固有の利用者IDエコシステムが存在することとなる。
【0018】
一方、事業者IDエコシステムとは、事業者間で共通する又は互換性のあるサービスが提供される場合に、それらの事業者によって形成されるものである。例えば、ある事業者のサービスを利用することによって、商品等と交換可能なポイントが付与され、そのポイントが他の事業者のサービスにも適用できる場合に、それらの事業者によって事業者IDエコシステムが形成される。
【0019】
利用者端末140の記憶装置125に実装される機能として、1以上の活動支援アプリケーション143がある。これらは、利用者が事業者によって提供されるサービスを利用するために使用するアプリケーションソフトウェアである。例えば、一つの事業者が提供する一つのサービスを利用するために、一つの活動支援アプリケーション143が利用者端末140にインストールされ、使用されてもよい。
【0020】
利用者情報管理システム1A0~1Z0は、それぞれ、利用者に対してサービスを提供する事業者が利用者を管理するために使用するシステムである。利用者情報管理システム1A0~1Z0の記憶装置1A5~1Z5に実装される機能として利用者登録機能1A6~1Z6がある。これらは、それぞれ、記憶装置1A5~1Z5に格納されたプログラムであり、CPU1A4~1Z4がこれを実行することによってその機能が実現される。また、記憶装置1A5~1Z5には、それぞれ、利用者登録情報DB1A7~1Z7が保持される。
【0021】
図1には一つの利用者端末140、利用者情報管理システム1A0及び利用者情報管理システム1Z0を示すが、実際のシステムに含まれる利用者端末140及び利用者情報管理システム1A0等の数は任意である。一般には、システムに多数の利用者端末140及び利用者情報管理システム1A0等が含まれる。
【0022】
利用者情報管理システム1A0~1Z0を使用する事業者は、それぞれ、例えば交通事業者、小売事業者、通信事業者又は娯楽サービス事業者等、任意の種類のサービスを提供する事業者であってよい。各利用者端末140を利用する各利用者は、任意の事業者が提供するサービスを利用することができる。
【0023】
例えば、交通事業者のサービスに対応する活動支援アプリケーション143は、当該交通事業者が運行する交通システムの運行情報及びその周辺の地域情報等を提供するアプリケーションであってもよいし、当該交通システムの利用券(例えば乗車券等)として使用できるものであってもよい。また、小売事業者のサービスに対応する活動支援アプリケーション143は、当該小売事業者の商品情報を提供するアプリケーションであってもよいし、当該小売事業者からの商品の購入に使用できるアプリケーションであってもよい。
【0024】
図2は、本発明の実施例における利用者登録処理S100の一例を示すフローチャートである。
【0025】
図2に示す利用者登録処理S100は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130とによって実行される。利用者登録処理S100は、例えばいずれかの事業者によって提供されるサービスをこれから利用しようとする利用者、又は、既に一つ以上のサービスを利用している利用者が、自身に関する情報の主権化を開始するときに実行される。
【0026】
処理S101において、利用者端末140は、利用者登録要求を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S102において、利用者主権DIDサーバ120は、登録情報要求を利用者端末140に送信する。処理S103において、利用者は、利用者基本情報を利用者端末140に入力する。ここで入力される利用者基本情報は、例えば利用者の氏名等、利用者主権DIDサーバ120から登録を要求された情報である。処理S104において、利用者は、利用者識別装置142を使用して、例えば指紋又は顔画像等の生体情報を利用者端末140に入力する。利用者端末140は、入力された利用者基本情報及び利用者生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0027】
利用者基本情報及び利用者生体情報を受信した利用者主権DIDサーバ120は、処理S105において、利用者識別IDを発行して、利用者端末140に送信する。処理S106において、利用者は、希望するDIDプール127を利用者端末140に入力する。例えば、利用者は、自身が求める情報のセキュリティレベル及び利便性等に基づいて、DIDプール127の少なくとも一部を自身の利用者端末140に置くか、利用者主権DIDサーバ120に置くか、又は、ネットワーク160を介してクラウド上に置くかといった選択を行い、その結果を利用者端末140に入力してもよい。DIDプール127の詳細については後述する(
図15参照)。利用者端末140は、入力されたDIDプール127を利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0028】
処理S107において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者端末140から受信したDIDプール127と当該利用者のIDとを関連付ける。処理S108において、利用者主権DIDサーバ120は、当該利用者がID登録している事業者(例えば、当該利用者が利用しているサービスを提供する事業者)に、当該事業者が保持している当該利用者に関するデータの利用者主権化許諾を申請する。
【0029】
処理S109において、利用者主権化仲介サーバ130は、利用者主権化許諾の申請を実行する。具体的には、例えば、利用者主権化仲介サーバ130は、当該利用者がID登録している事業者(複数の事業者が該当する場合にはそれらの複数の事業者)に対して利用者主権化許諾を申請し、その結果(すなわち利用者主権化が許諾されたか否か)を事業者から受け取り、その結果の報告を利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0030】
処理S110において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者主権化仲介サーバ130から受けた報告に基づいて主権化履歴12Bを記録し、その結果の報告を利用者端末140に送信する。主権化履歴12Bの詳細については後述する(
図19参照)。処理S111において、利用者端末140は、申請結果の画面を表示する。以上で利用者登録処理S100が終了する。
【0031】
図3は、本発明の実施例における事業者登録処理S200の一例を示すフローチャートである。
【0032】
図3に示す事業者登録処理S200は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130とによって実行される。事業者登録処理S200は、例えば利用者がそれぞれ異なる事業者によって提供される複数の異なるサービスを利用している(又はこれから利用する)場合に、それらの事業者の各々を利用者主権DIDサーバ120に登録する処理である。
【0033】
処理S201において、利用者端末140は、利用者IDエコシステム編成要求を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S202において、利用者主権DIDサーバ120は、登録情報要求を利用者端末140に送信する。処理S203において、利用者は、利用者基本情報及び利用者生体情報を利用者端末140に入力する。利用者基本情報及び利用者生体情報の入力は、例えば
図2の処理S103及び処理S104と同様に行うことができる。処理S204において、利用者は、登録対象の事業者を識別する事業者IDを利用者端末140に入力する。
【0034】
利用者端末140は、入力された利用者基本情報、利用者生体情報及び事業者IDを利用者主権DIDサーバ120に送信する。利用者主権DIDサーバ120は、利用者端末140から受信した利用者基本情報、利用者生体情報及び事業者IDを利用者主権化仲介サーバ130に送信する。
【0035】
処理S205において、利用者主権化仲介サーバ130は、事業者IDDB138を参照して、利用者端末140から受信した事業者IDによって識別される事業者のユニークIDを照会する。そして、処理S206において、利用者主権化仲介サーバ130は、照会したユニークIDを利用者主権DIDサーバ120に提示する。このユニークIDは、全ての事業者を一意に識別できるものであればどのようなものであってもよい。
【0036】
処理S207において、利用者主権DIDサーバ120は、事業者ユニークIDを提示する。そして、処理S208において、利用者主権DIDサーバ120は、事業者ユニークIDと利用者IDとによる利用者IDエコシステム編成128を構築する。利用者IDエコシステム編成128の詳細については後述する(
図18参照)。そして、S209において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者生体情報とともに利用者IDエコシステム編成128の構築履歴を記録し、保持する。
【0037】
処理S210において、利用者端末140は、事業者の登録が完了したことを示す登録完了画面を表示する。以上で事業者登録処理S200が終了する。
【0038】
図4は、本発明の実施例における利用者主権エコシステム初期編成処理S300の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図4に示す利用者主権エコシステム初期編成処理S300は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、利用者情報管理システム1A0~1Z0のいずれか(
図4の例では利用者情報管理システム1A0)と、によって実行される。
【0040】
例えば、利用者主権エコシステム初期編成処理S300は、利用者が既に利用している1以上のサービスについて最初に利用者IDエコシステム編成を構築するときに実行される。利用者IDエコシステム編成が一旦構築された後に、利用者が新たなサービスの利用を開始し、そのサービスに関する情報を利用者IDエコシステム編成に追加する場合に、
図3に示す事業者登録処理S200が実行される。
【0041】
処理S301において、利用者端末140は、利用者主権エコシステムの初期編成要求を実行する。処理S302において、利用者は、利用者識別情報及び利用者生体情報を利用者端末140に入力する。利用者端末140は、初期編成要求、利用者識別情報及び利用者生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0042】
処理S303において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者が利用するアプリケーション及びシステム情報の提供の要求を利用者端末140に送信する。
【0043】
処理S304において、利用者端末140は、利用者が利用するサービスを提供する事業者のシステム及びそれに対応するアプリケーションの情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。例えば、利用者端末140は、この時点で既に利用者端末140にインストールされ、利用されている1以上の活動支援アプリケーション143及びそれに対応する事業者のシステムを特定する情報を送信してもよい。ここでは、例として、利用者情報管理システム1A0及びそれに対応する活動支援アプリケーション143が利用されている場合について説明する。
【0044】
処理S305において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者端末140から提供されたアプリケーション及びシステムを一意に特定する情報を取得して、利用者主権化仲介サーバ130に送信する。処理S306において、利用者主権化仲介サーバ130は、特定されたアプリケーション及びシステムに対して利用者主権化許諾を取得し、利用者登録を確認する要求を、対応する活動支援アプリケーション143を介して利用者情報管理システム1A0に送信する。
【0045】
処理S307において、利用者情報管理システム1A0は、当該利用者が利用者登録情報DB1A7に登録されていることを確認して、その結果を利用者主権化仲介サーバ130に送信する。
【0046】
処理S308において、利用者主権化仲介サーバ130は、エコシステム編成の指示を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S309において、利用者主権DIDサーバ120は、現在の利用者の経済活動における利用者IDエコシステム編成を構築する。そして、処理S310において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者IDエコシステム編成の構築履歴を記録し、保持する。
【0047】
処理S311において、利用者端末140は、利用者IDエコシステム編成の登録が完了したことを示す登録完了画面を表示する。以上で利用者主権エコシステム初期編成処理S300が終了する。
【0048】
図5は、本発明の実施例における利用者主権化対象抽出処理S400の一例を示すフローチャートである。
【0049】
図5に示す利用者主権化対象抽出処理S400は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、利用者情報管理システム1A0~1Z0のいずれか(
図5の例では利用者情報管理システム1A0)と、によって実行される。
【0050】
処理S401において、利用者端末140は、活動支援アプリケーション143を起動する。この例では、利用者端末140は、利用者情報管理システム1A0を管理する事業者によって提供されるサービスに対応する活動支援アプリケーション143を起動する。処理S402において、利用者端末140は、利用者情報管理システム1A0に接続する。処理S403において、利用者端末140は、利用者識別IDを利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0051】
処理S404において、利用者主権DIDサーバ120は、受信した利用者識別IDによって識別される利用者について、利用者主権化が承諾されているかを確認する。例えば、利用者主権DIDサーバ120は、当該利用者に関するデータを保持している事業者又はシステムに対して、利用者主権化の許諾を得るメッセージを送信し、それに対する応答に基づいて承諾を確認してもよい。
【0052】
処理S405において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者に対応するデータの提供依頼を利用者情報管理システム1A0に対して送信する。処理S406において、利用者情報管理システム1A0は、自身が保持しているデータのうち、利用者端末140から送信された利用者識別IDによって識別される利用者に対応するデータを利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0053】
処理S407において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者に対応するデータの提供依頼を活動支援アプリケーション143に対して送信する。処理S408において、活動支援アプリケーション143は、自身が保持しているデータのうち、利用者端末140から送信された利用者識別IDによって識別される利用者に対応するデータを利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0054】
処理S409において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者情報管理システム1A0及び活動支援アプリケーション143から、利用者に対応するデータの項目及びそのデータの内容を取得する。処理S410において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者端末140に対して、利用者主権化対象の選定の指示を送信する。
【0055】
処理S411において、利用者端末140は、利用者主権化対象のデータ項目を指定する情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。例えば、利用者は、利用者情報管理システム1A0及び利用者端末140が保持しているデータであって、当該利用者に対応するデータのうち、当該利用者が主権化を使用とするデータを指定する情報を入力し、その情報が利用者主権DIDサーバ120に送信される。
【0056】
処理S412において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者端末140から受信した情報に基づいて、利用者主権化対象のデータを、提供元の事業者を識別する事業者IDとともに記録し、保持する。
【0057】
図5には利用者情報管理システム1A0及びそれに対応する活動支援アプリケーション143のみを示したが、利用者が複数のサービスを利用している場合には、全てのサービスに対応する利用者情報管理システム及び活動支援アプリケーション143が保持しているデータを対象として上記の処理が実行されてもよい。これによって、利用者が利用しているサービスを提供する事業者が保持している当該利用者に関するデータデータ及びそのサービスを受けるために利用者が使用しているアプリケーションが保持している当該利用者に関するデータのうち、当該利用者が指定したものが、利用者主権化対象のデータとして取得される。
【0058】
処理S413において、利用者端末140は、利用者主権化が完了したことを確認する。以上で利用者主権化対象抽出処理S400が終了する。
【0059】
図6は、本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ再入力省略処理S1000の一例を示すフローチャートである。
【0060】
図6に示す主権化データ再入力省略処理S1000は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、によって実行される。例えば、利用者が新たなサービスを受けるために当該サービスを提供する事業者が要求するデータ(例えば利用者の氏名、住所といった個人情報、属性情報等)を入力しようとするときに主権化データ再入力省略処理S1000が実行される。
【0061】
処理S1001において、利用者端末140は、利用者の生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S1002において、利用者主権DIDサーバ120は、受信した生体情報に基づいて利用者を特定し、当該利用者を識別する利用者識別IDを認証する。認証に成功した場合、処理S1003において、利用者端末140は、活動支援アプリケーション143を起動する。例えば、利用者がこれから受けようとするサービスに対応する活動支援アプリケーション143を新たに利用者端末にインストールし、それを起動してもよい。
【0062】
処理S1004において、利用者端末140は、活動支援アプリケーション143の表示に基づいて、利用者による入力が必要なデータの項目(ここでは入力項目と記載する)を抽出する。処理S1005において、利用者端末140は、抽出された入力項目が新規のものであるか既存のものであるかの確認の要求を利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0063】
処理S1006において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者端末140から受信した生体情報と入力項目とに基づいて、主権化履歴12Bを参照して、当該入力項目が新規のものであるか既存のものであるかを検査する。例えば、当該利用者が他のサービスを受けるために既に入力したデータの項目であって、当該利用者が主権化したデータの項目の中に、当該入力項目と類似性が高いもの(例えば同一のもの又は同一ではないが類似性が所定の基準より高いもの等)が含まれている場合には、当該入力項目が既存のものであると判定し、そうでない場合には新規のものであると判定する。
【0064】
当該入力項目が既存のものであると判定された場合、処理S1007において、利用者主権DIDサーバ120は、当該入力項目と対応する入力値の候補を抽出して、利用者端末140に送信する。例えば、当該入力項目が氏名である場合、利用者主権DIDサーバ120は、既に当該利用者によって入力されており、利用者主権化がされている氏名の値を入力値の候補として抽出して利用者端末140に送信する。
【0065】
なお、後述するように、利用者主権DIDサーバ120は、利用者の識別情報と当該利用者の氏名等の既に入力済みの情報との対応を管理する情報(データ利活用統合DB126)を保持しているが、氏名等の既に入力済みの情報そのものは利用者主権DIDサーバ120以外の装置(例えば利用者端末140又は図示しないクラウド上の記憶領域)に保持されている場合がある。その場合には、利用者主権DIDサーバ120は、該当するデータをそれが保持されている場所から読み出して、利用者端末140に送信する。
【0066】
当該入力項目が新規のものであると判定された場合、処理S1008において、利用者主権DIDサーバ120は、当該入力項目の値の入力を促す。例えば、利用者主権DIDサーバ120は、当該入力項目の値の入力を促す情報を利用者端末140に送信してもよい。
【0067】
処理S1007又は処理S1008が実行された後、処理S1009において、利用者端末140は、活動支援アプリケーション143の表示の入力部分に、利用者主権DIDサーバ120から取得したデータを反映させる。例えば処理S1007が実行された場合には、当該入力項目の入力部分に入力値の候補として抽出された値が表示される。利用者がその値で問題ないと判断した場合にはそれを入力値として確定してもよいし、必要に応じて修正した値を入力値として確定してもよい。一方、処理S1008が実行された場合は、入力値の候補が得られなかったため、当該入力項目の入力部分は空欄となり、そこに利用者が必要な値を入力してもよい。その結果、入力された値が入力値として登録される。
【0068】
処理S1010において、利用者端末140は、主権化データ再入力省略処理S1000が完了したことを確認する。例えば、利用者端末140は、主権化データ再入力省略処理S1000が完了したことを示す情報を表示し、それに対して利用者が確認したことを示す情報を入力してもよい。以上で主権化データ再入力省略処理S1000が終了する。
【0069】
主権化データ再入力省略処理S1000によって、例えば利用者の氏名又は住所など、複数のサービスを利用するために同じような値を入力する必要があるデータの項目については、既に入力された値を使用することで入力を省力化して利用者の利便性を改善することができる。
【0070】
図7は、本発明の実施例における利用者主権化エコシステム利用処理S500の一例を示すフローチャートである。
【0071】
図7に示す利用者主権化エコシステム利用処理S500は、利用者端末140と、利用者情報管理システム1A0と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、によって実行される。
【0072】
処理S501において、利用者端末140は、入力された生体情報に基づいて利用者を特定し、その結果を利用者情報管理システム1A0、利用者主権DIDサーバ120及び利用者主権化仲介サーバ130に送信する。処理S502において、利用者情報管理システム1A0、利用者主権DIDサーバ120及び利用者主権化仲介サーバ130は、利用者端末140から受信した情報に基づいて利用者を認証し、その結果を利用者端末140に送信する。
【0073】
処理S502における利用者の認証に成功した場合、処理S503において、利用者端末140は、利用者の経済活動先で発生した当該利用者に関するデータの利用者主権化設定に従い、データ主権化の依頼を利用者主権化仲介サーバ130に送信する。
【0074】
例えば、利用者が、利用者情報管理システム1A0を管理する事業者のサービスを利用する(例えば当該事業者が小売事業者であれば商品を購入するなどの)経済活動を行った場合、そのサービスを利用したというデータが新たに発生する。利用者が、その新たに発生したデータの利用者主権化を行う場合に、そのデータの利用者主権化の依頼が処理S503で送信される。
【0075】
処理S504において、利用者主権化仲介サーバ130は、主権化対象のデータを保持する利用者情報管理システム(上記の例では利用者情報管理システム1A0)にデータ主権化の依頼を送信する。処理S505において、利用者情報管理システム1A0は、指定されたデータの利用者主権化を実行し、その結果を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S505において、利用者主権DIDサーバ120は、実行された利用者主権化を示す主権化履歴を記録する。処理S506において、利用者端末140は、主権化完了の画面を表示する。以上で利用者主権化エコシステム利用処理S500が終了する。
【0076】
図8は、本発明の実施例における利用者主権IDエコシステム編成処理S600の一例を示すフローチャートである。
【0077】
図8に示す利用者主権IDエコシステム編成処理S600は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、によって実行される。
【0078】
処理S601において、利用者端末140は、入力された生体情報に基づいて利用者を特定する。その結果は、利用者情報管理システム1A0、利用者主権DIDサーバ120及び利用者主権化仲介サーバ130に送信される。処理S602において、利用者端末140は、当該利用者端末140の位置情報と、利用者の購入希望リストと、利用者の活動希望リストと、の少なくともいずれかを提示する。利用者の購入希望リスト及び利用者の活動希望リストは、利用者が行うことを希望している経済活動のリストの例である。例えば利用者の購入希望リストは利用者が購入を希望している商品等のリストであり、利用者の活動希望リストは、利用者が行おうとしている活動(例えば特定の場所への訪問、特定の施設の利用、又は特定の行動等)のリストである。
【0079】
処理S603において、利用者情報管理システム1A0、利用者主権DIDサーバ120及び利用者主権化仲介サーバ130は、利用者端末140から受信した情報に基づいて利用者を認証し、その結果を利用者端末140に送信する。
【0080】
処理S604において、利用者端末140は、経済活動先の事業者IDを取得する。例えば、利用者端末140は、購入希望リストに含まれる商品を販売する事業者及び活動希望リストに含まれる活動のサービスを行う事業者の事業者IDを取得してもよいし、それらのうち利用者が選択したものの事業者IDを取得してもよい。
【0081】
処理S605において、利用者主権化仲介サーバ130は、事業者IDエコシステムモデル、利用者IDエコシステム及び現在の事業者IDに基づいて機会損失及び利得を算出し、その結果を利用者端末140に送信する。例えば、利用者が購入したい商品が、ある事業者(ここでは事業者Aと記載)の店舗にはなく、別の事業者(ここでは事業者Bと記載)の店舗にあることがわかり、当該利用者が当該商品を事業者Bの店舗で購入した場合、事業者Aはその購入金額を得る機会を失い、事業者Bは新たな購入者(すなわち当該利用者)が現れたことでその購入金額分の利益を得る。このように、利用者の行動が変わることによって、機会損失を被る事業者と利益を得る事業者とが発生する。処理S605では、そのような機会損失及び利得が算出される。処理S606において、利用者端末140は、受信した機会損失及び利得を表示する。処理S607において、利用者端末140は、利用者IDエコシステム編成の承諾を利用者主権化仲介サーバ130に送信する。
【0082】
処理S608において、利用者主権化仲介サーバ130は、承諾された利用者IDエコシステム編成に基づいて、移動推奨ルートを提示する。例えば、利用者主権化仲介サーバ130は、利用者端末140の現在位置と、承諾された利用者IDエコシステム編成とに基づいて、利用者の購入希望リスト又は活動希望リストに含まれる経済活動を行うのに適した場所までの移動経路を算出して、それを利用者端末140に送信してもよい。利用者端末140は、その経路を表示してもよい。
【0083】
ここで、利用者の購入希望リスト又は活動希望リストに含まれる経済活動を行うのに適した場所とは、承諾された利用者IDエコシステム編成に基づいて、リストに含まれる経済活動を行ったときに得られる利得が大きい場所、又は機会損失が少ない場所などである。
【0084】
処理S609において、利用者端末140は、利得取得及び損失回避を利用者主権DIDサーバ120に通知する。例えば、利用者端末140は、承諾された利用者IDエコシステム編成に基づいて、実際に行った経済活動の結果得られた利得及び回避された損失を算出してそれを通知してもよい。処理S610において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者端末140から受信した通知に基づいて、履歴を記録し、報酬を取得して利用者端末140に送信する。処理S611において、利用者端末140は、編成変更完了の画面を表示する。以上で利用者主権IDエコシステム編成処理S600が終了する。
【0085】
図9は、本発明の実施例における経済活動実行処理S700の一例を示すフローチャートである。
【0086】
図9に示す経済活動実行処理S700は、利用者端末140と、利用者情報管理システム1A0と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、によって実行される。
【0087】
処理S701において、利用者端末140は、利用者によって入力された当該利用者の生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S702において、利用者主権DIDサーバ120は、受信した生体情報に基づいて利用者を特定し、特定した利用者を識別する利用者識別IDを認証する。
【0088】
利用者主権DIDサーバ120による認証が成功した場合、処理S703において、利用者端末は、現在位置情報及び事業者IDを取得して利用者主権DIDサーバ120に送信する。ここで取得される事業者IDは、利用者が行っている経済活動の対象の事業者(例えば利用者が小売事業者の店舗で買い物をしている場合にはその小売事業者)を識別するものである。
【0089】
処理S704において、利用者主権DIDサーバ120は、当該利用者の利用者IDエコシステム編成の中から、受信した事業者IDに該当する事業者IDを特定する。そして、利用者主権DIDサーバ120は、特定した利用者識別ID及び事業者IDを利用者主権化仲介サーバ130に送信する。
【0090】
処理S705において、利用者主権化仲介サーバ130は、利用者主権DB136を参照して、当該利用者の主権化許諾の有無を確認し、その結果を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S706において、利用者主権DIDサーバ120は、データの利用者主権化実行を依頼する。
【0091】
ここでは、利用者情報管理システム1A0を管理する事業者が保持している当該利用者に関するデータについて、利用者主権化が許諾されている場合を例として説明する。この場合、利用者主権DIDサーバ120は、利用者情報管理システム1A0に対してデータの利用者主権化実行の依頼を送信し、処理S707において、利用者情報管理システム1A0は、利用者主権化設定に応じて、当該事業者が保持する当該利用者に関するデータを利用者主権DIDサーバ120に対して開示する。
【0092】
処理S708において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者主権化設定に応じて、当該事業者から開示されたデータを転記する。例えば、利用者がある事業者の店舗で買い物をした、といった情報を、当該利用者と当該事業者との許諾に基づいて、他の事業者が参照可能な場所に転記することで、他の事業者による当該情報の利用を可能としてもよい。処理S709において、利用者主権DIDサーバ120は、主権化履歴を記録する。具体的には、例えば、上記のデータの転記に関して、転記元、転記先、経済活動が行われた日時及び場所等を示す情報が記録されてもよい。
【0093】
処理S710において、利用者端末140は、経済活動実行処理S700が完了したことを確認する。例えば、利用者端末140は、経済活動実行処理S700が完了したことを示す情報を表示し、それに対して利用者が確認したことを示す情報を入力してもよい。以上で経済活動実行処理S700が終了する。
【0094】
図10は、本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、各種ニーズ蓄積処理S800の一例を示すフローチャートである。
【0095】
図10に示す各種ニーズ蓄積処理S800は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、によって実行される。
【0096】
処理S801において、利用者端末140は、利用者によって入力された当該利用者の生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S802において、利用者主権DIDサーバ120は、受信した生体情報に基づいて利用者を特定し、特定した利用者を識別する利用者識別IDを認証する。
【0097】
利用者主権DIDサーバ120による認証が成功した場合、処理S803において、利用者端末140は、主権化したデータの一覧を参照する。処理S803において、利用者端末140は、データ利活用に関するニーズを設定する。データ利活用に関するニーズとは、例えば、利用者が主権化したデータをどのように利活用したいかを示すものであり、具体的には、例えば、再利用、仲介促進及び仲介グループなどが設定される。設定されたニーズは利用者主権化仲介サーバ130に送信され、保持される(
図24~
図26参照)。
【0098】
処理S805において、利用者主権化仲介サーバ130は、設定されたデータ利活用に関するニーズを記録し、その結果を利用者端末140に送信する。処理S806において、利用者端末140は、各種ニーズ蓄積処理S800が完了したことを確認する。例えば、利用者端末140は、各種ニーズ蓄積処理S800が完了したことを示す情報を表示し、それに対して利用者が確認したことを示す情報を入力してもよい。以上で各種ニーズ蓄積処理S800が終了する。
【0099】
図11は、本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ仲介実行の第1の処理S900の一例を示すフローチャートである。
【0100】
図11に示す主権化データ仲介実行の第1の処理S900は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、によって実行される。
【0101】
処理S901において、利用者端末140は、利用者によって入力された当該利用者の生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S902において、利用者主権DIDサーバ120は、受信した生体情報に基づいて利用者を特定し、特定した利用者を識別する利用者識別IDを認証する。
【0102】
利用者主権DIDサーバ120による認証が成功した場合、処理S903において、利用者端末140は、現在位置情報及び事業者IDを取得して利用者主権化仲介サーバ130に送信する。ここで取得される事業者IDは、利用者が行っている経済活動の対象の事業者(例えば利用者が小売事業者の店舗で買い物をしている場合にはその小売事業者)を識別するものである。
【0103】
処理S904において、利用者主権化仲介サーバ130は、主権化データの仲介ニーズに従い、各種推奨経済活動を提示する情報を利用者端末140に送信する。処理S905において、利用者は推奨された経済活動を実行し、処理S906において、推奨に至ったデータの提供元にリワードの付与を許諾する。利用者端末140は、リワードの付与を許諾したことを示す情報を利用者主権化仲介サーバ130に送信する。
【0104】
処理S907において、利用者主権化仲介サーバ130は、利用者の主権化に至った経緯情報をデータ提供元に開示する。利用者の主権化に至った経緯情報とは、例えば、利用者がデータを主権化する目的を示す情報等であってもよい。処理S908において、利用者主権DIDサーバ120は、主権化履歴を記録する。例えば、上記のデータの転記に関して、転記元、転記先、経済活動が行われた日時及び場所等を示す情報が記録されてもよい。ここで、転記元は、主権化対象となったデータ及び情報を本来保持していたシステム、サービス又は事業者を一意に特定できる名称又はID等であり、転記先は利用者を識別する情報である。
【0105】
処理S909において、利用者端末140は、主権化データ仲介実行の第1の処理S900が完了したことを確認する。例えば、利用者端末140は、主権化データ仲介実行の第1の処理S900が完了したことを示す情報を表示し、それに対して利用者が確認したことを示す情報を入力してもよい。以上で主権化データ仲介実行の第1の処理S900が終了する。
【0106】
図12は、本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ仲介実行の第2の処理S1100の一例を示すフローチャートである。
【0107】
図12に示す主権化データ仲介実行の第2の処理S1100は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、によって実行される。
【0108】
処理S1101において、利用者端末140は、アプリケーション、システム又はコミュニティ等を介して、データ変更が必要となるインシデントを受信する。インシデントの一例は情報漏洩であり、例えば利用者端末140漏洩した情報(以下情報漏洩対象と記載する)を特定する情報を受信してもよい。
【0109】
処理S1102において、利用者端末140は、変更が必要なデータ項目のラベルを生成する。例えば、利用者端末140は、利用者IDエコシステムに含まれるデータ項目について、情報漏洩対象との類似性が高い順に、変更が必要なデータ項目のラベルを生成する。具体的には、利用者端末140は、情報漏洩対象との類似性が高い順に、該当するラベルを持つ情報項目及び入力値の一覧を生成する。生成された一覧に含まれる項目ごとに、機密レベルがリンクしている。ここで、ラベルとは、アプリケーション又はWebページ等に表示される入力フォームにおける項目名であり、例えば「氏名」、「住所」といった入力項目を示す文字列であってもよい。
【0110】
処理S1103において、利用者端末140は、処理S1102において生成されたラベルと、利用者によって入力された当該利用者の生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S1104において、利用者主権DIDサーバ120は、受信した生体情報に基づいて利用者を特定し、特定した利用者を識別する利用者識別IDを認証する。
【0111】
処理S1105において、利用者主権DIDサーバ120は、受信したラベルに基づいて該当するデータ項目とその機密レベルを確認して、それらの情報を利用者端末140に送信する。なお、データ項目ごとに、要求される機密レベルの高さを示す情報が予め設定されている。
【0112】
処理S1106において、利用者端末140は、インシデント(例えば情報漏洩)が発生したという事実と、それに応じて修正する必要があるデータ項目の一覧とを利用者に提示し、修正が必要なデータ項目の指定を受け付ける。例えば、漏洩したデータの項目と類似度が高いデータ項目ほど修正の必要性が高く、かつ、機密レベルが高いデータ項目ほど修正の必要性が高いという条件に基づいて、修正の必要性が所定の基準より高いデータ項目を修正が必要なデータ項目と提示してもよい。
【0113】
処理S1107において、利用者端末140は、指定されたデータ項目に対する変更を加えた値を利用者主権DIDサーバ120に送信する。さらに、処理S1108において、利用者端末140は、現在位置情報を取得して、利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0114】
処理S1109において、利用者主権DIDサーバ120は、利用者主権化仲介サーバ130に対して、変更対象のシステムへの変更要求を配信する。例えば、利用者主権DIDサーバ120は、指定されたデータ項目の値の変更を、当該項目のデータを保持する事業者システム(例えば利用者情報管理システム1A0等)に要求することを示す情報を利用者主権化仲介サーバ130に送信してもよい。これを受けた利用者主権DIDサーバ120は、指定されたデータ項目の値の変更要求を対象の事業者システムに送信し、その変更が完了すると、処理S1110において、データの変更の完了を示す情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。
【0115】
利用者主権DIDサーバ120は、処理S1111において利用者主権化仲介サーバ130からデータの変更の完了を受信すると、処理S1112において主権化履歴を記録する。例えば、上記のデータの変更に関して、転記元、転記先、経済活動が行われた日時及び場所等を示す情報が記録されてもよい。
【0116】
処理S1113において、利用者端末140は、主権化データ仲介実行の第2の処理S1100が完了したことを確認する。例えば、利用者端末140は、主権化データ仲介実行の第2の処理S1100が完了したことを示す情報を表示し、それに対して利用者が確認したことを示す情報を入力してもよい。以上で主権化データ仲介実行の第2の処理S1100が終了する。
【0117】
図13は、本発明の実施例における主権化データ利活用処理のうち、主権化データ仲介実行の第3の処理S1200の一例を示すフローチャートである。
【0118】
図13に示す主権化データ仲介実行の第3の処理S1200は、利用者端末140と、利用者主権DIDサーバ120と、利用者主権化仲介サーバ130と、によって実行される。
【0119】
処理S1201において、利用者端末140は、利用者によって入力された当該利用者の生体情報を利用者主権DIDサーバ120に送信する。処理S1202において、利用者主権DIDサーバ120は、受信した生体情報に基づいて利用者を特定し、特定した利用者を識別する利用者識別IDを認証する。
【0120】
利用者主権DIDサーバ120による認証が成功した場合、処理1203において、利用者端末140は、現在位置情報及び事業者IDを取得して利用者主権化仲介サーバ130に送信する。ここで取得される事業者IDは、利用者が行っている経済活動の対象の事業者(例えば利用者が小売事業者の店舗で買い物をしている場合にはその小売事業者)を識別するものである。
【0121】
処理S1204において、利用者主権化仲介サーバ130は、主権化データの仲介ニーズを取得する。ここで、利用者主権化仲介サーバ130は、再利用ニーズ13B、仲介促進ニーズ13C及び仲介グループニーズ13Dの少なくともいずれかを参照してもよい。取得した主権化データの仲介ニーズは、利用者端末140に送信される。処理S1205において、利用者端末140は、必要とされるデータを確認し、処理S1206において、提供可能なデータ項目の開示、及び、希望報酬を指示する。
【0122】
提供可能なデータ項目については、例えば利用者が提供可能な他の利用者の条件と、その条件を満たす利用者に提供可能なデータ項目とを予め定めておき、その条件を満たす利用者に当該データ項目のデータを提供可能であると判定してもよい。提供可能な他の利用者の条件とは、例えば当該他の利用者が当該利用者の家族、知人又は同じ組織に所属している人物など、所定のコミュニティに所属していることであってもよい。希望報酬は、予め利用者によって設定されていてもよいし、都度入力されてもよい。これらの情報は、利用者端末140から利用者主権化仲介サーバ130に送信される。
【0123】
処理S1207において、利用者主権化仲介サーバ130は、仲介ニーズに基づいて、開示可能なデータを提供する。このとき、利用者主権化仲介サーバ130は、開示可能なデータを対応する事業者システム(例えば利用者情報管理システム1A0)から取得し、それを、仲介先(すなわち当該情報を必要とする利用者)に提供してもよい。
【0124】
処理S1208において、利用者主権化仲介サーバ130は、データの提供先から、データの提供元の利用者が希望する報酬を獲得し、処理S1209において、提供先からの報酬の獲得を利用者主権DIDサーバ120に報告する。処理S1210において、利用者主権DIDサーバ120は、報告された報酬を提供元の利用者のDIDプールに追加する。
【0125】
処理S1211において、利用者主権DIDサーバ120は、主権化履歴を記録する。例えば、上記のデータの変更に関して、転記元、転記先、経済活動が行われた日時及び場所等を示す情報が記録されてもよい。
【0126】
処理S1121において、利用者端末140は、主権化データ仲介実行の第3の処理S1200が完了したことを確認する。例えば、利用者端末140は、主権化データ仲介実行の第3の処理S1200が完了したことを示す情報を表示し、それに対して利用者が確認したことを示す情報を入力してもよい。以上で主権化データ仲介実行の第3の処理S1200が終了する。
【0127】
図14は、本発明の実施例におけるデータ利活用統合DB126の一例を示す説明図である。
【0128】
データ利活用統合DB126は、利用者識別ID12A、利用者主権設定129、エコシステム編成128、DIDプール127及び主権化履歴12Bを含む。
【0129】
利用者識別ID12Aとして、利用者を一意に識別する情報が保持される。利用者主権設定129として、各利用者の主権化の設定を識別する情報が保持される。1利用者が複数の利用者主権設定を持つ場合にはそれらが一意に識別される。例えば、エコシステム編成ごとにDIDプールを変更したい場合、又は、利用者が個別に利用者主権を設定したい経済圏を複数持っている場合などに、1利用者が複数の利用者主権設定を持つことができる。エコシステム編成128として、各利用者に対応するエコシステム編成を識別する情報が保持される。この情報によって識別されるエコシステム編成の詳細は後述する(
図18参照)。DIDプール127として、各利用者に対応するDIDプールを識別する情報が保持される。この情報によって識別されるDIDプールの詳細は後述する(
図15~
図17参照)。主権化履歴12Bは、各利用者に対応する主権化履歴を識別する情報である。この情報によって識別される主権化履歴の詳細は後述する(
図19参照)。
【0130】
図15は、本発明の実施例におけるDIDプール127の一例を示す説明図である。
【0131】
DIDプール127は、DIDプールID1501、所在1502、ID情報1503、トラスト値リンク1504、属性値1505及びエコシステム編成情報1506を含む。
【0132】
DIDプールID1501として、各DIDプールを識別する情報が保持される。所在1502として、各DIDプールの内容の所在を示す情報が保持される。ID情報1503として、各DIDプールに対応する利用者を識別する情報(例えば利用者ID及びパスワード等)が保持される。
【0133】
トラスト値リンク1504として、各DIDプールに対応する利用者のトラスト値を示す情報を識別する情報(トラストID)が保持される。ここで、トラスト値とは、利用者の信頼情報であり、例えば利用者の本人確認に使用される生体情報、利用者の状態を示す情報、及び、利用者が所定の権利を有していることを示す情報等の少なくともいずれかを含んでもよい。トラスト値の詳細は後述する(
図16参照)。
【0134】
属性値1505として、各DIDプールに含まれる属性値を識別する情報が保持される。この情報によって識別される属性値の詳細は後述する(
図17A参照)。エコシステム編成情報1506として、各DIDプールに対応する利用者に設定された利用者IDエコシステムの編成を識別する情報が保持される。この情報によって識別されるエコシステム編成の詳細は後述する(
図18参照)。
【0135】
図16は、本発明の実施例におけるトラスト値テーブル127_Aの一例を示す説明図である。
【0136】
トラスト値テーブル127_Aは、トラストID1601、トラスト名1602、トラスト値1603、更新日時1604及び更新場所1605を含む。
【0137】
トラストID1601として、利用者のトラスト値を示す情報を識別するトラストIDが保持される。ここに保持されるトラストIDは、トラスト値リンク1504として保持される値に対応する。トラスト名1602として、各トラスト値がどのようなものであるかを示す名称が保持される。トラスト値1603として、トラスト値を識別する情報(例えばトラスト値を含むデータファイルを示すファイルパス等)が保持される。
【0138】
例えば、トラスト値が利用者の本人確認に使用される生体情報である場合、トラスト名1602の値は「指静脈画像」又は「顔画像」など、生体情報の種類を示す情報であり、トラスト値1603はそれらの画像ファイルの所在を示すファイルパスであってもよい。トラスト値が例えば利用者がワクチン接種済みであるといった利用者の状態を示す情報である場合、トラスト名1602の値は「ワクチン接種証明書」などであり、トラスト値1603は書面を読み取った画像ファイルの素材を示すファイルパスであってもよい。
【0139】
トラスト値が、利用者が所定の権利を有していることを示す情報である場合、トラスト名1602の値は「定期乗車券」又は「(所定の施設の)入場券」など、利用者が有する権利の対象を示す情報であり、トラスト値1603はそれらの情報を含むデータファイルの所在を示すファイルパスであってもよい。
【0140】
なお、利用者が所定の権利を有していることを示す情報は、上記のような乗車券又は入場券等のほか、利用者の活動の結果として付与された報酬を示す情報を含んでもよい。この報酬は、例えば商品の購入又は交通機関の利用など、いずれかの事業者を対象とする経済活動の結果として与えられた、別の商品等と交換可能なポイントであってもよいし、
図13に示した処理によって利用者に与えられた報酬であってもよい。この場合、トラスト名1602の値は「(所定の施設の)利用ポイント」などであり、トラスト値1603はその報酬の情報を含むデータファイルの所在を示すファイルパスであってもよい。なお、トラスト値が報酬に関するものである場合のトラスト値1603にリンクする情報の詳細については後述する(
図17B参照)。
【0141】
更新日時1604として、トラスト値の更新(例えば新規登録又は変更)が行われた日時を示す情報が保持される。更新場所1605として、トラスト値が更新された場所を示す情報(例えば緯度、経度、高度等)が保持される。
【0142】
図17Aは、本発明の実施例における属性値テーブル127_Bの一例を示す説明図である。
【0143】
属性値テーブル127_Bは、属性値ID1701、属性項目名1702、属性値1703、更新日時1704、更新場所1705及び更新者1706を含む。
【0144】
属性値ID1701として、各属性値を識別する情報(属性値ID)が保持される。この属性値IDは、DIDプール127の属性値1505として保持される値と対応する。属性項目名1702及び属性値1703として、それぞれ、属性値の項目とその属性値自体が保持される。例えば属性値1703が「男」である場合、属性項目名1702は「性別」となる。更新日時1704、更新場所1705及び更新者1706は、それぞれ、属性値が更新された日時、場所及び更新した人物を示す。
【0145】
図17Bは、本発明の実施例における報酬テーブル127_A_1の一例を示す説明図である。
【0146】
報酬テーブル127_A_1は、報酬ID1711、報酬付与者1712、付与値1713、RIDエコシステムモデル1714及び取得日1715を含む。
【0147】
報酬ID1711として、利用者に付与された報酬を識別する情報が保持される。この情報は、トラスト値テーブル127_Aのトラスト値1603のうち、報酬を示す値と対応する。なお、ここでの報酬とは、例えば交通事業者が利用者の移動距離に応じて付与するポイント、小売事業者が利用者の購入金額に応じて付与するポイントなどの特典であってもよい。報酬付与者1712として、当該報酬を付与した者を識別する情報が保持される。この情報は、データ利活用統合DB126の利用者主権設定129の値と対応する。
【0148】
付与値1713として、付与された報酬の値が保持される。RIDエコシステムモデル1714として、報酬に対応する利用者IDエコシステムを識別する情報が保持される。なお、RID(Restored ID)エコシステムとは、従来は各事業者が保持していた利用者のIDと、そのIDに付随するデータ(例えば利用者の個人情報、利用者が当該事業者を対象として行った経済活動を示す情報等)を利用者主権のもとにコントロールできるように利用者個人ごとに形成するIDエコシステムであり、本実施例では利用者IDエコシステムとも記載する。取得日1715として、当該報酬が取得された日時が保持される。
【0149】
図18は、本発明の実施例におけるエコシステム編成テーブル128の一例を示す説明図である。
【0150】
エコシステム編成テーブル128は、エコシステムID1801、エコシステム名1802、構成ID1803、編成日時1804、編成場所1805及び編成理由1806を含む。
【0151】
エコシステムID1801として、利用者に設定された利用者IDエコシステムの編成を識別する情報が保持される。これは、DIDプール127のエコシステム編成情報1506として保持された値に対応する。エコシステム名1802として、利用者IDエコシステムの名称が保持される。構成ID1803として、利用者IDエコシステムを構成する1以上の事業者を識別する情報が保持される。編成日時1804、編成場所1805及び編成理由1806として、それぞれ、利用者IDエコシステムにそれを構成する各事業者が追加された日時、場所及び理由を示す情報が保持される。
【0152】
なお、上記のトラスト値テーブル127_A、報酬テーブル127_A_1、属性値テーブル127_B及びエコシステム編成テーブル128は、それらに対応するDIDプール127の所在1502の値が示す場所に保持される。例えば、トラスト値テーブル127_A~エコシステム編成テーブル128に対応する所在1502の値が「スマートフォン1」であり、それが利用者端末140を識別するものである場合、当該トラスト値テーブル127_A~エコシステム編成テーブル128は当該利用者端末140の記憶装置141に格納される。同様に、トラスト値テーブル127_A~エコシステム編成テーブル128は、所在1502の値が「サーバA」であればそれに対応するサーバ(例えば利用者主権DIDサーバ120)に格納され、所在1502の値が「クラウドZ」であればそれに対応するクラウド上のいずれかの記憶領域に格納される。
【0153】
トラスト値テーブル127_A~エコシステム編成テーブル128は、利用者の氏名、住所及び経済活動の履歴といった利用者の個人情報を含むため、それらの情報を利用者自身が管理する利用者端末140に格納し、外部のサーバ等には置かないことを利用者が希望する場合がある。一方、利用者端末140の紛失等による情報の漏洩、消失を防ぐために、それらの情報を利用者端末140ではなくサーバ又はクラウド上に置くことを利用者が希望する場合もある。利用者自身が所在1502の値を決定することで、利用者が希望する場所に当該利用者のDIDプールのデータを保管することができる。
【0154】
図19は、本発明の実施例における主権化履歴テーブル12Bの一例を示す説明図である。
【0155】
主権化履歴テーブル12Bは、主権化履歴ID1901、データ項目1902、変更内容1903、変更日時1904、変更場所1905、変更理由1906及び変更者1907を含む。
【0156】
主権化履歴ID1901として、主権化履歴を識別する情報が保持される。この情報は、データ利活用統合DB126の主権化履歴12Bの値に対応する。データ項目1902として、変更の対象となったデータ項目を示す情報が保持される。変更内容1903、変更日時1904、変更場所1905、変更理由1906及び変更者1907として、それぞれ、当該変更が行われた日時、場所、当該変更の理由及び当該変更を行った者を示す情報が保持される。
【0157】
図20は、本発明の実施例における利用者主権DB136の一例を示す説明図である。
【0158】
利用者主権DB136は、利用者主権ID2001、利用者主権項目2002、主権化データ2003、主権化元2004、主権化実行者2005、主権化利得2006及び主権化日時2007を含む。
【0159】
利用者主権ID2001として、実行された利用者主権化を識別する情報が保持される。利用者主権項目2002として、利用者主権化されたデータの項目を識別する情報が保持される。主権化データ2003として、利用者主権化されたデータを識別する情報が保持される。主権化元2004として、主権化される前にデータを管理していた主体を示す情報が保持される。主権化実行者2005として、利用者主権化を行った主体(例えば利用者)を識別する情報が保持される。主権化利得2006として、主権化をすることによって利用者が得られる利得を識別する情報が保持される。主権化日時2007として、利用者主権化が行われた日時を示す情報が保持される。
【0160】
図21は、本発明の実施例における利用者IDエコシステムDB137の一例を示す説明図である。
【0161】
利用者IDエコシステムDB137は、利用者IDエコシステム識別ID2101、エコシステム編成情報2102、編成者2103及び登録日時2104を含む。
【0162】
利用者IDエコシステム識別ID2101として、利用者IDエコシステムを識別する情報が保持される。エコシステム編成情報2102として、利用者IDエコシステムの編成を示すデータを識別する情報が保持される。編成者2103として、利用者IDエコシステムを編成した者(例えば利用者)を識別する情報が保持される。登録日時2104として、利用者IDエコシステムが登録された日時を示す情報が保持される。
【0163】
図22は、本発明の実施例における事業者IDエコシステムDB139の一例を示す説明図である。
【0164】
事業者IDエコシステムDB139は、事業者IDエコシステムのリファレンスモデルとして保持される。事業者IDエコシステムDB139が事業者によって構成されるポイント変換可能なグループ又は報酬等価交換を編成している事業者のモデルを保持することで、利用者が保持するID群と比較し、より高い報酬が得られる編成があるかを評価するために参照することができる。具体的には、事業者IDエコシステムDB139は、事業者IDエコシステムID2201、事業者ID2202、連携アプリケーションID2203、連携情報2204、連携日時2205、連携者個体識別ID2206及び連携場所情報2207を含む。
【0165】
事業者IDエコシステムID2201として、事業者IDエコシステムを識別する情報が保持される。これは、
図21の利用者IDエコシステム識別ID2101に対応する。事業者ID2202として、事業者IDエコシステムに含まれる事業者を識別する情報が保持される。連携アプリケーションID2203として、当該事業者が提供するサービスに対応する活動支援アプリケーション143を識別する情報が保持される。連携情報2204として、当該事業者IDエコシステムに含まれる事業者間で連携される情報が保持される。連携日時2205として、当該事業者IDエコシステムとの連携が行われた日時が保持される。連携者個体識別ID2206として、当該事業者IDエコシステムと連携する者(例えば利用者)を識別する情報が保持される。連携場所情報2207として、当該事業者IDエコシステムとの連携が行われた場所を示す情報が保持される。
【0166】
図23は、本発明の実施例における事業者IDDB138の一例を示す説明図である。
【0167】
事業者IDDB138は、事業者登録ID2301、事業者名2302、事業者識別コード2303、登録日2304及び所属エコシステムID2305を含む。
【0168】
事業者登録ID2301として、各事業者を識別する情報が保持される。事業者名2302として、各事業者の名称が保持される。事業者識別コード2303として、各事業者を一意に識別するコードが保持される。このコードは、例えば、QRコード(登録商標)のように利用者が店舗等で読み取り可能なコードであってもよい。登録日2304として、各事業者が当該事業者IDDB138に登録された日時が保持される。所属エコシステムID2305として、各事業者が属する事業者IDエコシステムを識別する事業者IDエコシステムID2201の値が保持される。
【0169】
図24は、本発明の実施例における再利用ニーズDB13Bの一例を示す説明図である。
【0170】
再利用ニーズDB13Bは、再利用ニーズID2401、再利用ニーズ2402、登録者2403、登録日時2404、登録場所2405及び達成フラグ2406を含む。
【0171】
再利用ニーズID2401として、再利用ニーズを識別する情報が保持される。再利用ニーズ2402として、再利用ニーズの内容を示す情報が保持される。登録者2403として、再利用ニーズを登録した者(例えば利用者)を識別する情報が保持される。登録日時2404として、再利用ニーズが登録された日時が保持される。登録場所2405として、再利用ニーズが登録された場所が保持される。達成フラグ2406として、再利用ニーズが達成されたかを示す情報が保持される。
【0172】
例えば、「USER001」という識別情報で識別される利用者(ここでは利用者Aと記載する)が、「xx」という商品を購入したいというニーズがある場合、そのことを示す情報が再利用ニーズDB13Bに登録される。一方、別の利用者(ここでは利用者Bと記載する)が、当該商品「xx」をいずれかの店舗で購入した場合、その購入情報が事業者によって保持される。
【0173】
ここで、利用者Aが利用者Bのデータを提供可能な人物に該当する場合に、利用者主権化仲介サーバ130は、事業者から利用者Bが商品「xx」を購入したこと、購入した店舗及び日時といった情報を利用者Aに提供してもよい。その情報に基づいて利用者Aが当該事業者から商品「xx」を購入した場合、当該事業者(例えば店舗)から利用者Bに、予め利用者Bによって設定されていた報酬が付与される。この報酬は、例えば当該事業者を含む事業者IDエコシステムにおいて使用できる特典ポイント等であってもよい。このような処理は、例えば
図13に示した手順で実行されてもよい。
【0174】
図25は、本発明の実施例における仲介促進ニーズDB13Cの一例を示す説明図である。
【0175】
仲介促進ニーズDB13Cは、仲介促進ニーズID2501、仲介促進ニーズ2502、登録者2503、登録日時2504、登録場所2505及び達成フラグ2506を含む。
【0176】
仲介促進ニーズID2501として、仲介促進ニーズを識別する情報が保持される。仲介促進ニーズ2502として、仲介促進ニーズの内容を示す情報が保持される。登録者2503として、仲介促進ニーズを登録した者(例えば利用者)を識別する情報が保持される。登録日時2504として、仲介促進ニーズが登録された日時が保持される。登録場所2505として、仲介促進ニーズが登録された場所が保持される。達成フラグ2506として、仲介促進ニーズが達成されたかを示す情報が保持される。
【0177】
図26は、本発明の実施例における仲介グループニーズDB13Dの一例を示す説明図である。
【0178】
仲介グループニーズDB13Dは、仲介グループニーズID2601、仲介グループニーズ2602、登録者2603、登録日時2604、登録場所2605及び達成フラグ2606を含む。
【0179】
仲介グループニーズID2601として、仲介グループニーズを識別する情報が保持される。仲介グループニーズ2602として、仲介グループニーズの内容を示す情報が保持される。登録者2603として、仲介グループニーズを登録した者(例えば利用者)を識別する情報が保持される。登録日時2604として、仲介グループニーズが登録された日時が保持される。登録場所2605として、仲介グループニーズが登録された場所が保持される。達成フラグ2606として、仲介グループニーズが達成されたかを示す情報が保持される。
【0180】
また、本発明の実施形態のシステムは例えば次のように構成されてもよい。
【0181】
(1)情報システムが実行する情報連携方法であって、情報システムは、ネットワークを介して相互に通信可能な第1サーバ(例えば利用者主権DIDサーバ120)及び端末装置(例えば利用者端末140)を有し、第1サーバは、利用者の識別情報と、複数の事業者の識別情報と、複数の事業者が提供するサービスに関連して管理された利用者に関する情報であって、利用者によって利用者の制御下に置くことが指定された情報と、を対応付けるデータ利用統合情報(例えばデータ利活用統合DB126)を保持し、情報連携方法は、端末装置が、利用者の認証情報を送信する第1手順と、第1サーバが、認証情報に基づいて利用者の識別情報を特定し、データ利用統合情報に基づいて、複数の事業者のいずれかが提供するサービスに関連して管理された利用者に関する情報を出力する第2手順と、を含む。
【0182】
これによって、利用者の経済活動に関して各事業者に登録された情報を、利用者側の管理下で、利用者の意思に基づいて、利用者間又は事業者間で連携することが可能になる。
【0183】
(2)上記(1)において、端末装置が、複数の事業者のうち第1事業者が提供するサービスを受けるために必要な情報の項目を示す情報を送信する手順をさらに含み、第2手順において、第1サーバは、第1事業者以外の事業者が提供するサービスに関連して登録された利用者に関する情報のうち、第1事業者が提供するサービスを受けるために必要な情報の項目との類似性が高い項目の情報を出力する(例えば
図6の処理)。
【0184】
これによって、複数のサービスを利用するために同じような値を入力する必要があるデータ項目の入力を省力化して利用者の利便性を改善することができる。
【0185】
(3)上記(1)において、認証情報は、利用者の生体情報を含む。
【0186】
これによって、第三者によるデータの不正利用などを防ぐことができる。
【0187】
(4)上記(1)において、情報システムは、ネットワークを介して第1サーバ及び端末装置と通信可能な第2サーバ(例えば利用者主権化仲介サーバ130)をさらに有し、第2サーバは、利用者の経済活動に関する情報に対するニーズを示す仲介情報を保持し、データ利用統合情報は、利用者が利用者の経済活動に関する情報の提供に対して要求する報酬を示す情報(例えば報酬テーブル127_A_1)を含み、情報連携方法は、端末装置が、利用者によって行われた経済活動に関する情報を利用者の制御下に置くことを指定する情報を第2サーバに送信する手順と、第2サーバが、仲介情報に基づいて、利用者によって行われた経済活動に関する情報を他の利用者に提供する手順と、他の利用者が提供された情報に基づく経済活動を行った場合、第2サーバが、他の利用者が行った経済活動の対象の事業者から、データ利用統合情報に基づく報酬を獲得する手順と、第2サーバが、報酬を獲得したことを示す情報を第1サーバに送信する手順と、第1サーバが、獲得した報酬を保持する手順と、をさらに含む(例えば
図13の処理)。
【0188】
これによって、情報の提供元の利用者は利益を得ることができ、情報の提供先の利用者は経済活動の利便性が向上し、その経済活動に対応する事業者は利用者との取引機会を増やすことができる。
【0189】
(5)上記(4)において、第2サーバは、利用者によって行われた経済活動に関する情報を、利用者によって指定された条件を満たす他の利用者に提供する(例えば
図13の処理S1206)。
【0190】
これによって、利用者に関する情報が当該利用者の望まない対象に提供されることが防止される。
【0191】
(6)上記(1)において、情報システムは、ネットワークを介して第1サーバ及び端末装置と通信可能な第2サーバをさらに有し、情報連携方法は、端末装置が、利用者の識別情報と、利用者の認証情報と、事業者の識別情報と、を送信する手順と、認証情報に基づく利用者の認証に成功した場合に、第2サーバが、事業者が管理する利用者に関する情報を利用者の制御下に置くことの許諾を要求する手順と、許諾が得られた場合に、第1サーバが、利用者の識別情報と、事業者の識別情報と、事業者が管理する利用者に関する情報と、を対応付ける情報を、データ利用統合情報として保持する手順と、をさらに含む(例えば
図2~
図4の処理)。
【0192】
これによって、事業者が管理する利用者に関する情報の当該利用者の制御下への移行を安全に行うことができる。
【0193】
(7)上記(1)において、データ利用統合情報は、利用者によって指定された、利用者に関する情報の格納場所を示す情報(例えばDIDプール127の所在1502)を含み、利用者に関する情報は、データ利用統合情報によって示される格納場所に格納される。
【0194】
これによって、例えば利便性又は安全性等に基づく利用者の選好を反映した格納場所に利用者の情報を格納することができる。
【0195】
(8)上記(7)において、利用者に関する情報の格納場所は、端末装置、第1サーバ、及び、ネットワークを介して第1サーバがアクセス可能な記憶領域(例えばクラウド上の記憶領域)のいずれかである。
【0196】
これによって、例えば利便性又は安全性等に基づく利用者の選好を反映した格納場所に利用者の情報を格納することができる。
【0197】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0198】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0199】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0200】
120 利用者主権DIDサーバ
130 利用者主権化仲介サーバ
140 利用者端末
1A0~1Z0 利用者情報管理システム
160 ネットワーク