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特開2023-75650ホームドア装置、方法、プログラム及びホームドア制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075650
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ホームドア装置、方法、プログラム及びホームドア制御装置
(51)【国際特許分類】
   B61B 1/02 20060101AFI20230524BHJP
   E05F 15/41 20150101ALI20230524BHJP
【FI】
B61B1/02
E05F15/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188683
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 昌兵
【テーマコード(参考)】
2E052
3D101
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC02
2E052EC03
2E052GA10
2E052GB06
2E052GB13
2E052GC01
2E052GC07
2E052GD03
2E052GD07
2E052HA01
2E052KA02
3D101AA03
3D101AA05
3D101AA12
3D101AA26
3D101AA31
3D101AA40
3D101AB01
3D101AB12
(57)【要約】
【課題】ホームドア装置の扉の間の異物による戸挟みの誤検知を抑制しつつ、戸挟みの検知精度を向上可能な技術を提供する。
【解決手段】本発明のホームドア装置は、プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に一方の扉の移動を制限するストッパーと、一方の扉の駆動力が一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構13を制御して、一対の扉を閉移動させる駆動制御部33と、ストッパーによって移動が制限されて一方の扉の移動が停止した際の他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断する戸挟み判断部35と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、
前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、
前記一対の扉の内の一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、
前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させる駆動制御部と、
前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断する戸挟み判断部と、
を有する、ホームドア装置。
【請求項2】
前記一対の扉のそれぞれの移動が停止したか否かを判断する停止判断部を備え、
前記駆動制御部は、
前記一対の扉を開閉させるための開指令信号又は閉指令信号を出力する総合制御盤からの前記閉指令信号の取得に応じて、前記一対の扉のそれぞれを同じ駆動力で閉移動させ、
前記同じ駆動力での前記扉の閉移動が停止したと判断される場合に、前記一方の扉の駆動力が前記他方の扉の駆動力よりも大きくなるように前記駆動機構を制御して、前記一方の扉を閉移動させる、
請求項1に記載のホームドア装置。
【請求項3】
前記ストッパーは、前記一対の扉のそれぞれに設けられ、
前記駆動制御部は、前記同じ駆動力での前記扉の閉移動が停止したと判断される場合に、前記一方の扉の現在位置と全閉位置との距離と、前記他方の扉の現在位置と前記全閉位置との距離とを比較し、前記距離の小さい方の扉の駆動力が、前記距離の大きい方の扉の駆動力よりも大きくなるように前記駆動機構を制御して、前記扉を閉移動させる、
請求項2に記載のホームドア装置。
【請求項4】
前記基準位置を示す基準位置情報を記憶した記憶部を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のホームドア装置。
【請求項5】
プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、
前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、
前記一対の扉の内の一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、
を有するホームドア装置において戸挟みを判断する方法であって、
前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させるステップと、
前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断するステップと、
を有する、方法。
【請求項6】
プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、
前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、
前記一対の扉の内の一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、
を有するホームドア装置において戸挟みを判断するためのプログラムであって、コンピュータに、
前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させるステップと、
前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、
前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、
前記一対の扉の内の一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、
を有するホームドア装置を制御するホームドア制御装置であって、
前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させる駆動制御部と、
前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断する戸挟み判断部と、
を有する、ホームドア制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームドア装置、方法、プログラム及びホームドア制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホームドア装置において、戸先センサを用いて、ドアが閉じる際にドアの戸先の間に人や物などの異物が挟まったこと(いわゆる戸挟み)を検知する方法が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-137087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、センサの感度を高く設定すると、厚さの比較的小さい異物による戸挟みでも検知できるようになる代わりに、異物による戸挟みの誤検知が増加する可能性がある。一方で、センサの感度を低く設定すると、異物による戸挟みの誤検知を抑制できるようになる代わりに、傘や紐等の細い異物や薄い異物による戸挟みを検知できない可能性が生じてしまう。このようにセンサにおいて設定される感度と戸挟みの検知精度とはトレードオフの関係にある。
【0005】
上記課題を鑑みて、本発明は、ホームドア装置の扉の間の異物による戸挟みの誤検知を抑制しつつ、戸挟みの検知精度を向上可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のホームドア装置は、プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、前記一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させる駆動制御部と、前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断する戸挟み判断部と、を有する。
【0007】
本発明のある態様の方法は、プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、前記一対の扉の内の一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、を有するホームドア装置において戸挟みを判断する方法であって、前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させるステップと、前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断するステップと、を有する。
【0008】
本発明のある態様のプログラムは、プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、前記一対の扉の内の一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、を有するホームドア装置において戸挟みを判断するためのプログラムであって、コンピュータに、前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させるステップと、前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明のある態様のホームドア制御装置は、プラットホーム上の乗降口を開閉する一対の扉と、前記一対の扉のそれぞれを収容する一対の戸袋と、前記一対の扉の内の一方の扉が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に前記一方の扉の移動を制限するストッパーと、有するホームドア装置を制御するホームドア制御装置であって、前記一方の扉の駆動力が前記一対の扉の内の他方の扉の駆動力よりも大きくなるように駆動機構を制御して、前記一対の扉を閉移動させる駆動制御部と、前記ストッパーによって移動が制限されて前記一方の扉の移動が停止した際の前記他方の扉の停止位置と基準位置との比較に基づいて前記一対の扉の間に異物が挟まったか否かを判断する戸挟み判断部と、を有する。
【0010】
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホームドア装置の扉の間の異物による戸挟みの誤検知を抑制しつつ、戸挟みの検知精度を向上可能な技術を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】プラットホームドアシステムを概略的に示すブロック図である。
図2図2(a)は扉が全閉位置のときの第1実施形態のホームドア装置の正面図であり、図2(b)は扉が全開位置のときの第1実施形態のホームドア装置の正面図である。
図3】総合制御盤及びホームドア装置の機能ブロック図である。
図4】戸先センサを用いずに戸挟みを検知する手法を説明するための図である。
図5】戸先センサを用いずに戸挟みを検知する手法を説明するための図である。
図6】第1実施形態のホームドア制御部の処理を示すフローチャートである。
図7図7(a)及び図7(b)は、一対の扉の戸先の間に異物が存在する場合におけるステップS14でのホームドア装置の動作を説明するための図である。
図8図7(b)の上面図である。
図9図9(a)は扉が全閉位置のときの第2実施形態のホームドア装置の正面図であり、図9(b)は扉が全開位置のときの第2実施形態のホームドア装置の正面図である。
図10】第2実施形態のホームドア制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0014】
第1実施形態
図1は、プラットホームドアシステム1を概略的に示すブロック図である。プラットホームドアシステム1は、総合制御盤50と、複数のホームドア装置100と、を備える。ホームドア装置100は、ホームドア制御部30を含む。
【0015】
複数のホームドア装置100は、駅のプラットホームの上り線及び下り線にそれぞれ設けられる。複数のホームドア装置100は、プラットホームの所定位置に車両61が停止したときに、この車両61の各車両ドアに対応する位置に設けられた乗降口E(図2参照)にそれぞれ配置される。
【0016】
総合制御盤50は、プラットホームに1つ設けられ、複数のホームドア装置100の各ホームドア制御部30に接続される。ホームドア装置100の扉11(図2参照)は、ホームドア制御部30を介して総合制御盤50によって開閉制御される。車両ドアが開くとともに扉11が開くことによって、乗客の車両61への乗降が可能となる。車両ドアと扉11とのいずれか一方が閉じることによって、乗客の乗降が制限される。
【0017】
総合制御盤50と各ホームドア制御部30とは、相互に通信できる。例えば、総合制御盤50は、一対の扉11を開移動又は閉移動させるための開指令信号又は閉指令信号を各ホームドア制御部30に送信する。ホームドア制御部30は、開指令信号に応答して対応する扉11を開くと、全開信号を総合制御盤50に送信する。ホームドア制御部30は、閉指令信号に応答して対応する扉11を閉じると、全閉信号を総合制御盤50に送信する。各ホームドア制御部30は、後述の状態情報等を総合制御盤50に送信できる。
【0018】
総合制御盤50と車両61とは、車両情報伝送装置(ATO)63および地上子62を介して相互に通信できる。車両61は、全てのホームドア装置100の扉11を開く開要求信号および全てのホームドア装置100の扉11を閉じる閉要求信号を総合制御盤50に送信できる。総合制御盤50は、全てのホームドア制御部30から全開信号又は全閉信号を受けると、全開確認信号又は全閉確認信号を車両61に送信できる。なお、車両情報伝送装置63および地上子62は、駅によっては設けられていない場合がある。
【0019】
プラットホームドアシステム1の動作を説明する。車両61がプラットホームの所定位置に到達して停止すると、地上子62および車両情報伝送装置63が総合制御盤50に車両61が停止したことを示す停止信号を送信する。これにより、総合制御盤50は、車両61が停止したことを検出する。その後、車両61の乗務員は、地上子62および車両情報伝送装置63を介して総合制御盤50に開要求信号を送信する。この開要求信号を受信すると、総合制御盤50は、各ホームドア制御部30に開指令信号を供給する。各ホームドア制御部30は、この開指令信号に応答して、対応する扉11を開く。ホームドア制御部30は、全開位置センサ41aから後述の全開位置信号を受信したことに応答して、全開信号を総合制御盤50に送信する。総合制御盤50は、全てのホームドア制御部30から全開信号を受けると、全開確認信号を車両情報伝送装置63および地上子62を介して車両61に送る。車両61の乗務員は、この全開確認信号を受けると、車両ドアを開く。
【0020】
乗客の乗降車が完了して、車両61がプラットホームから出発するとき、車両61の乗務員は、地上子62および車両情報伝送装置63を介して総合制御盤50に閉要求信号を送信する。この閉要求信号を受けると、総合制御盤50は、各ホームドア制御部30に閉指令信号を供給する。各ホームドア制御部30は、この閉指令信号に応答して、対応する扉11を閉じる。扉11の閉移動の途中に扉11が異物を挟むと、戸挟みが検知され、扉11が開移動される。その後、閉指令信号の受信に応答して扉11が再度閉移動される。ホームドア制御部30は、戸挟みが検知されなければ、全閉位置センサ41bから後述の全閉位置信号を受信したことに応答して、全閉信号を総合制御盤50に送信する。総合制御盤50は、全てのホームドア制御部30から全閉信号を受けると、全閉確認信号を車両情報伝送装置63および地上子62を介して車両61に送る。車両61の乗務員は、この全閉確認信号を受けると、車両ドアを閉じる。なお、駅係員がプラットホームに設けられた駅係員操作盤66を用いて閉要求信号又は開要求信号を総合制御盤50に送信してもよい。
【0021】
図2(a)は扉が全閉位置のときの第1実施形態のホームドア装置の正面図であり、図2(b)は扉が全開位置のときの第1実施形態のホームドア装置の正面図である。ホームドア装置100は、一対の戸袋10と、戸袋10から開閉方向Dxに移動可能な両開き式の一対の扉11a及び11b(扉11と総称する場合がある)と、扉11が閉方向に移動して所定の位置に到達した際に扉11の移動を制限するストッパー12と、一対の扉11を開閉駆動する一対の駆動機構13と、ホームドア制御部30と、を有する。
【0022】
ホームドア装置100は、一対の戸袋10の間の空間である乗降口Eを扉11の移動により開閉する。ホームドア装置100は、扉11の戸先が戸袋10から離れる方向に移動して一対の扉11の互いの戸先が接触することにより乗降口Eを閉じる(図2(a)参照))。ホームドア装置100は、扉11の戸先が戸袋10に近づく方向に移動することにより乗降口Eを開く(図2(b)参照))。
【0023】
戸袋10は、扉11を進退可能に収納する。戸袋10は、正面視において開閉方向Dxを長手方向として構成される。戸袋10は、プラットホーム上に配置される。各戸袋10には、駆動機構13が設けられる。また、一対の戸袋10の一方には、ホームドア制御部30が設けられる。
【0024】
本実施形態のストッパー12は、一対の扉11の一方に設けられる。図2の例では、ストッパー12は、扉11aに設けられる。ストッパー12は、扉11aから突出するように構成され、扉11aが閉方向に移動して所定の位置に到達した際にその突出部分が戸袋10と当接することにより、扉11aの更なる閉移動を制限する。ここでの所定の位置とは、例えば扉11の全閉位置である。全閉位置は、例えば、乗降口Eの開閉方向Dxについての中間位置である。
【0025】
駆動機構13は、一対の扉11のそれぞれに設けられる。駆動機構13は、ホームドア制御部30の制御に応じて扉11を開閉するモータ13mと、開閉方向Dxの両側でモータ13mに連結される一対の回転体13pと、モータ13mの駆動力を扉11に伝達する連結部13cと、一対の回転体13pに巻き掛けられる伝達部材13tと、モータ13mの回転角度を検出するエンコーダ13e(図3参照)と、を備える。連結部13cは、例えば扉11の戸尻側に設けられる。一対の駆動機構13は、動力線(不図示)を介してホームドア制御部30と接続される。
【0026】
図3は、総合制御盤50及びホームドア装置100の機能ブロック図である。図3を含む各図に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描く。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0027】
総合制御盤50は、開閉信号取得部51と、指令制御部52と、通信制御部53とを備える。開閉信号取得部51は、ホームドア制御部30から全開信号及び全閉信号を取得する。指令制御部52は、車両61又は駅係員操作盤66から開要求信号または閉要求信号を受けたとき、開指令信号または閉指令信号をホームドア制御部30に送信する。通信制御部53は、全開確認信号または全閉確認信号を車両情報伝送装置54に送信する。
【0028】
また、通信制御部53は、駅務室表示装置64や駅係員操作盤66に設けられている表示装置に所定の情報を送信する。一例として、これらの表示装置は、この情報に基づいて上り線及び下り線の扉11の異常の有無等を表示する。また、通信制御部53は、駅とは離れた場所に設けられている総合司令室の総合司令室表示装置65に所定の情報を送信する。一例として、総合司令室表示装置65は、この情報に基づいて全ての駅の扉11の異常の有無等を表示する。
【0029】
ホームドア装置100は、開閉検出部41を含む。開閉検出部41は、全開位置センサ41aと、全閉位置センサ41bと、を含む。全開位置センサ41aは、扉11が全開位置に位置しているか否かを検出するセンサであり、扉11が全開位置に位置することを示す全開位置信号を送信する。全閉位置センサ41bは、扉11が全閉位置に位置しているか否かを検出するセンサであり、扉11が全閉位置に位置することを示す全閉位置信号を送信する。例えば、全開位置センサ41a及び全閉位置センサ41bとして、磁気検出型の近接センサや光電センサが使用される。
【0030】
ホームドア装置100は、ホームドア制御部30を含む。本実施形態のホームドア制御部30は、受信部31と、取得部32と、駆動制御部33と、停止判断部34と、戸挟み判断部35と、送信部36と、記憶部37と、を備える。
【0031】
受信部31は、外部から供給される各種信号を受信する。例えば、受信部31は、開閉検出部41からの全開位置信号又は全閉位置信号、エンコーダ13eからのモータ13mの回転角度、指令制御部52からの開指令信号または閉指令信号等をそれぞれ受信する。
【0032】
取得部32は、受信部31を介して受信した各扉11のモータ13mの回転角度に基づいて、一対の扉11のそれぞれの位置を取得する。
【0033】
駆動制御部33は、受信部31を介して受信した開指令信号または閉指令信号に応じて駆動機構13のモータ13mを制御して一対の扉11のそれぞれを開閉方向に移動させる。本実施形態の駆動制御部33は、一対の扉11のそれぞれのモータ13mに流す駆動電流を制御することにより、扉11の開閉方向の駆動を制御する。
【0034】
停止判断部34は、一対の扉11のそれぞれの閉移動が停止したか否かを判断する。例えば、停止判断部34は、取得部32で取得された一対の扉11の位置が所定時間変化しない場合に、一対の扉11のそれぞれの閉移動が停止したと判断する。なお、停止判断部34は、各エンコーダ13eからのモータ13mの回転角度が所定時間変化しない場合に、一対の扉11のそれぞれの閉移動が停止したと判断してもよい。
【0035】
戸挟み判断部35は、一対の扉11の停止位置に基づいて、一対の扉11の戸先の間の異物(人及び人の一部、並びに物を含む)が挟まったか否か(いわゆる戸挟み状態であるか否か)を判断する。一対の扉11の各停止位置は、例えば、一対の扉11のそれぞれに設けられたモータ13mのエンコーダ13eの回転角度に基づいて判断可能である。本実施形態における戸挟みの判断手法については後述する。
【0036】
送信部36は、全開信号又は全閉信号を総合制御盤50に送信する。
【0037】
記憶部37は、扉11bの基準位置を示す基準位置情報や各種閾値等を記憶している。基準位置は、例えば、戸挟みしていない状態(扉11の戸先の間に異物がない状態)において、一方の扉11aをストッパー12に当接させた状態における他方の扉11bの停止位置である。
【0038】
ここで、戸挟みの検知手法として、扉11が閉移動して停止した際の扉11の戸先の隙間の大きさに基づいて、扉11の戸先の間に人や物などの異物が挟まったこと(いわゆる戸挟み)を検知する戸先センサを用いる方法が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0039】
上述した従来技術では、戸先センサの感度を高く設定すると、厚さの比較的小さい異物による戸挟みを検知できるようになる代わりに、異物による戸挟みの誤検知が増加する可能性がある。一方で、戸先センサの感度を低く設定すると、異物による戸挟みの誤検知を抑制できるようになる代わりに、傘や紐等の細い異物や薄い異物による戸挟みを検知できない可能性が生じてしまう。このように、戸先センサを用いる場合、異物による戸挟みの誤検知を抑制しつつ、戸挟みの検知制度を向上させるのは困難であった。
【0040】
戸先センサを用いずに戸挟みを検知する手法として、扉11が閉移動して停止した際の各扉11の停止位置に基づいて戸挟みを検知する方法が想定される。図4及び図5はこの方法の検知手法を説明するための図である。図4及び図5は、いずれも扉11の戸先の間に異物Oがある場合を例示する。この方法の場合、例えば、図4及び図5に示すように、基準位置を基準として扉11が全閉位置にあるかを判断するための全閉位置範囲を各扉11について設定する。そして、この全閉位置範囲外の位置に少なくとも一方の扉11の戸先が停止したときに戸挟みと判断し(図4参照)、この全閉位置範囲内の位置に両方の扉11の戸先が停止したときに全閉位置にあると判断することが考えられる。しかし、この手法においては、全閉位置範囲を大きく設定しすぎると、傘や紐等の細い異物や薄い異物がある場合に両方の扉11の戸先の位置が全閉位置範囲内となってしまいやすくなり、全閉位置にあると判断され、戸先の間に異物があるにもかかわらず戸挟みを検知できない場合がある(図5参照)。一方で、この全閉位置範囲を小さく設定することで全閉位置の判断は安定するが、小さい異物による戸挟みを検出できなくなるというトレードオフの関係が想定される。したがって、全閉位置範囲を小さく設定しなくても、小さい異物による戸挟みを検出できるように戸挟みの検知精度を向上させる方法が求められる。
【0041】
本発明者らは、以下の手法を用いることにより、全閉位置範囲を小さく設定しなくても戸挟みの検知精度を向上できることを見出した。以下、この手法について詳細に説明する。
【0042】
図6は、第1実施形態のホームドア制御部30の処理S10を示すフローチャートである。
【0043】
ステップS11で、受信部31は、総合制御盤50から、閉指令信号を取得したか否かを判定する。閉指令信号を受信しない場合(S11のN)、処理S10はステップS11の先頭に戻る。閉指令信号を受信した場合(S11のY)、受信部31は閉指令信号を駆動制御部33に供給し、処理S10はステップS12に進む。
【0044】
ステップS12で、駆動制御部33は、閉指令信号の取得に応じて、扉11を閉移動させる。本実施形態では、駆動制御部33は、一対の扉11のそれぞれを同じ駆動力で閉移動させる。ここでの「同じ駆動力」とは、完全に同じ駆動力である場合に限られず、一対の扉11の駆動力に差があるとしてもその差が誤差程度であるなどの駆動力が実質的に同じと認定できる場合も含む。また、一対の扉11のそれぞれを同じ駆動力であれば、閉移動の間に駆動力を調整して扉11を加減速させてもよい。
【0045】
ステップS13で、停止判断部34は、一対の扉11のそれぞれの閉移動が停止したか否かを判断する。ここでは、一対の扉11の戸先の間に異物がある場合には一対の扉11が異物を挟むことにより停止し、一対の扉11の戸先の間に異物がない場合には一対の扉11同士が全閉位置で接触するかストッパー12が戸袋10と接触することにより停止する。閉移動が停止していない場合(S13のN)、処理S10はステップS12に戻る。閉移動が停止した場合(S13のY)、停止判断部34は第1停止信号を駆動制御部33に供給し、処理S10はステップS14に進む。
【0046】
ステップS14で、駆動制御部33は、異なる駆動力で扉11を閉方向に駆動(閉駆動)させる。本実施形態では、駆動制御部33は、一方の扉11aの駆動力が他方の扉11bの駆動力よりも大きくなるように駆動機構13を制御する。図7(a)及び図7(b)を用いて、一対の扉11の戸先の間に異物が存在する場合におけるステップS14でのホームドア装置100の動作を説明する。図7(a)はステップS14の開始時の状態を例示し、図7(b)はストッパー12により扉11aの閉移動が停止した状態を例示する。図7(a)に示すような扉11が異物を挟んだ状態において、両方の扉11を閉駆動すると、一対の扉11が互いに押し付け合う状態となる。一方の扉11aの駆動力を他方の扉11bの駆動力よりも大きい場合、駆動力の大きい扉11aが駆動力の小さい扉11bを押し込んで閉方向に移動する一方で、駆動力の小さい扉11bは扉11aに押し込まれることによって開方向に移動する。扉11aが位置に閉移動すると、ストッパー12に当接してその閉移動が制限され、扉11の移動が停止する(図7(b)参照)。
【0047】
ステップS15で、停止判断部34は、一対の扉11のそれぞれの移動が停止したか否かを判断する。ここでは、異なる駆動力での一対の扉11の移動により扉11aがストッパー12と接触してその閉移動が制限されたときに、一対の扉11のそれぞれの移動が停止する。閉移動が停止していない場合(S15のN)、処理S10はステップS14に戻る。閉移動が停止した場合(S15のY)、停止判断部34は第2停止信号を戸挟み判断部35に供給し、処理S10はステップS16に進む。
【0048】
ステップS16で、戸挟み判断部35は、ストッパー12によって扉11aの移動が停止した際の扉11bの停止位置と記憶部37に予め記憶された扉11bの基準位置との比較に基づいて、戸挟みが発生しているか否かを判断する。例えば、戸挟み判断部35は、扉11bの上記停止位置が基準位置を基準にして設定される上記全閉位置範囲外である場合、戸挟みが発生していると判断する。戸挟みが発生していない場合(ステップS16のN)、戸挟み判断部35は扉11が全閉位置にあると判断し、処理S10はステップS17に進む。戸挟みが発生している場合(ステップS16のY)、戸挟み判断部35は戸挟み検知信号を駆動制御部33に供給し、処理S10はステップS16に進む。
【0049】
ステップS17で、送信部36は、受信部31を介して全閉位置信号を受信したか否かを判断する。全閉位置信号を受信した場合(ステップS17のY)、戸挟み判断部35は戸挟み非検知信号を送信部36に供給し、処理S10はステップS18に進む。全閉位置信号を受信していない場合(ステップS17のN)、戸挟み判断部35は開指令信号を駆動制御部33に供給し、処理S10はステップS19に進む。
【0050】
ステップS18で、送信部36は、全閉信号を総合制御盤に送信する。
【0051】
ステップS19で、駆動制御部33は、扉を開移動させる。これにより、扉11の戸先に挟まった異物が駅係員や乗客等により除去される。
【0052】
ステップS18及びS19の後、処理S10は終了する。
【0053】
以上のように、本実施形態では、駆動制御部33は、一方の扉11aの駆動力が他方の扉11bの駆動力よりも大きくなるように駆動機構13を制御して一対の扉11を閉移動させ、戸挟み判断部35は、ストッパー12によって移動が制限されて一方の扉11aの移動が停止した際の他方の扉11bの停止位置と基準位置との比較に基づいて一対の扉11の間に異物が挟まったか否かを判断する。
【0054】
図5及び図8を用いて、本発明の戸挟み判断手法の利点について説明する。図8は、図7(b)の上面図である。図5の手法では、扉11が異物Oを挟んで停止した状態であるため、異物Oが基準位置に対して開閉方向Dxの両側に位置している。そのため、基準位置と扉11a及び11bの戸先との間の距離をそれぞれX1及びX2とし、異物Oの開閉方向Dxについての幅をX3(=X1+X2)とすると、異物Oの幅がX3であるにもかかわらず、基準位置からそれぞれ距離X1及びX2離れた位置にある扉11a及び11bの戸先の停止位置を用いて戸挟みを判断しなければならない。そのため、戸挟み検知において、異物Oの幅X3を有効に活用できていないといえる。
【0055】
これに対し、本発明の図8の手法では、扉11が異物Oを挟んで停止した後に扉11aが扉11bを押し込むことにより、扉11aがストッパー12によって停止した際に異物O全体が基準位置に対して扉11b側に位置することになる。そのため、異物Oの幅X3全体を有効に活用して戸挟みを判断することが可能となる。したがって、傘や紐等の細い異物を挟んだ場合であっても、戸挟みを検知しやすくなる。そのため、ホームドア装置100の扉11の間の異物による戸挟みの誤検知を抑制しつつ、戸挟みの検知精度を向上させることが可能になる。
【0056】
本実施形態では、駆動制御部33は、閉指令信号の取得に応じて、一対の扉11のそれぞれを同じ駆動力で閉移動させ、同じ駆動力での扉11の閉移動が停止したと判断される場合に、一方の扉11aの駆動力が他方の扉11bの駆動力よりも大きくなるように駆動機構13を制御して、一方の扉11aを閉移動させる。ここで、閉指令信号の取得に応じて一対の扉11が異なる駆動力で閉移動する場合、駆動力の小さい扉11の走行速度が比較的遅くなる。そのため、一対の扉11の各々において閉移動が完了するタイミングに差が生まれ、ステップS13において一対の扉11の両方が停止したと判断されるまでに時間がかかり、車両の運行が遅れる原因となる。一対の扉11のそれぞれを同じ駆動力で閉移動させることにより、一対の扉11同士で閉移動が完了するタイミングの差を低減できるため、車両の運行の遅延を抑制できる。
【0057】
以下、本実施形態の変形例を説明する。
【0058】
実施形態では、ストッパー12は、扉11に設けられたが、戸袋に設けられてもよい。また、ストッパー12は、扉11aに設けられたが、扉11bに設けられてもよい。
【0059】
実施形態では、ステップS12で、駆動制御部33は、一対の扉11のそれぞれを同じ駆動力で閉移動させたが、これに限定されず、異なる駆動力で駆動させてもよい。
【0060】
実施形態では、ホームドア装置100は、全閉位置センサ41bを有したが、これに限定されず、全閉位置センサ41bを有さなくてもよい。この場合、ステップS17は省略される。
【0061】
実施形態では、一対の扉11を異なる駆動力で閉駆動させたが、これに限定されない。扉11a及び11bのいずれか一方のみに駆動力を付与し、他方には駆動力を付与しなくてもよい。したがって、扉11a及び11bの少なくとも一方に駆動力が付与されればよい。
【0062】
実施形態では、扉11bの上記停止位置が全閉位置範囲外である場合に戸挟みと判断したが、これに限定されない。例えば、戸挟み判断部35は、扉11bの上記停止位置と基準位置との間の距離が所定の閾値を超えているか否かを判断し、閾値を超えている場合に戸挟みが発生していると判断してもよい。
【0063】
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0064】
図9(a)は扉が全閉位置のときの第2実施形態のホームドア装置の正面図であり、図9(b)は扉が全開位置のときの第2実施形態のホームドア装置の正面図である。第2実施形態では、扉11aだけでなく、扉11bにもストッパー12が両側に設けられる。したがって、その閉移動により扉11bが所定の位置に到達した際に、ストッパー12が戸袋10と当接することによって扉11bの更なる閉移動が制限される。また、本実施形態では、扉11bの基準位置だけでなく、扉11aの基準位置も記憶部37に記憶されている。
【0065】
図10は、第2実施形態のホームドア制御部30の処理S20を示すフローチャートである。図10のステップS21~S23、S26~S30は、図6のステップS11~S13、S15~S19と特に言及する点を除いて基本的に同様であるため、その説明を省略する。
【0066】
ステップS24で、駆動制御部33は、扉11aの現在位置と全閉位置との距離と、扉11bの現在位置と全閉位置との距離とを比較することにより、扉11a及び11bのうち上記距離のより小さい扉11を判断する。
【0067】
ステップS25で、駆動制御部33は、上記距離の小さい方の扉11の駆動力が、上記記距離の大きい方の扉11の駆動力よりも大きくなるように駆動機構13を制御して、異なる駆動力で扉11を閉駆動させる。
【0068】
ステップS26を経て、ステップS27で、戸挟み判断部35は、上記距離の大きい方の扉11(駆動力の小さい方の扉11)の停止位置と基準位置との比較に基づいて、戸挟みが発生しているかを判断する。
【0069】
このように、本実施形態では、駆動制御部33は、同じ駆動力での扉11の閉移動が停止したと判断される場合に、上記距離の小さい方の扉11の駆動力が、上記記距離の大きい方の扉11の駆動力よりも大きくなるように駆動機構13を制御して、異なる駆動力で扉11を閉駆動させる。ここで、上記距離の小さい扉11を閉移動させた場合、上記距離の大きい扉を閉移動させた場合と比較して、ストッパー12によって扉11が停止するまでの時間を短くすることができる。そのため、本実施形態によると、戸挟みを検知するまでの時間を短縮できるため、車両の運行の遅延を抑制することができる。
【0070】
上述した実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【0071】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0072】
10 戸袋、 11 扉、 12 ストッパー、 13 駆動機構、 ホームドア制御装置、 31 受信部、 32 取得部、 33 駆動制御部、 34 停止判断部、 35 戸挟み判断部、 36 送信部、37 記憶部、 50 総合制御盤、100 ホームドア装置。
図1
図2
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図10