(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075716
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】情報処理装置及び商品販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230524BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188787
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】茂木 利幸
(72)【発明者】
【氏名】中村 禎
(72)【発明者】
【氏名】三森 伸一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB46
(57)【要約】
【課題】自動販売機を介した商品の流通形態における商品販売の促進を実現する。
【解決手段】自動販売機を運用して商品を販売する複数の自動販売機運用者によってそれぞれ使用される複数の運用者端末とそれぞれ通信可能に構成された情報処理装置において、自動販売機で販売するための商品を自動販売機運用者が電子商取引により購入することが可能な運用者向け商品販売サイトに対する商品の出品要求を運用者端末から受信したときに、当該出品要求において出品された商品の情報を運用者向け商品販売サイトにおける販売商品の情報として登録する。また、出品要求を送信した運用者端末と異なる他の運用者端末から運用者向け商品販売サイトの表示要求を受信したときに、出品された商品を含んだ販売商品の情報を取得して運用者端末に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機を運用して商品を販売する複数の自動販売機運用者によってそれぞれ使用される複数の運用者端末とそれぞれ通信可能に構成された情報処理装置であって、
前記自動販売機で販売するための商品を前記自動販売機運用者が電子商取引により購入することが可能な運用者向け商品販売サイトに対する商品の出品要求を前記運用者端末から受信したときに、当該出品要求において出品された商品の情報を前記運用者向け商品販売サイトにおける販売商品の情報として登録する出品処理部と、
前記出品要求を送信した前記運用者端末と異なる他の運用者端末から前記運用者向け商品販売サイトの表示要求を受信したときに、前記出品された商品を含んだ前記販売商品の情報を取得し、当該販売商品の情報を前記他の運用者端末に送信する運用者向け販売処理部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記自動販売機運用者が運用する前記自動販売機において販売されている商品及び当該商品の属性を示す情報を取得する一方で、当該商品の属性に適合する属性を有するマッチング商品の情報を取得し、当該自動販売機運用者が使用する前記運用者端末に前記マッチング商品の情報を送信するマッチング処理部をさらに備える、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記販売処理部は、前記運用者端末から、前記運用者向け商品販売サイトを介した商品購入要求を購入商品の情報とともに受信したときに、自動販売機において前記購入商品を収納することが可能な搬出装置の情報を取得する一方で、当該運用者端末を使用する前記自動販売機運用者が運用する自動販売機に搭載されている搬出装置の情報を取得し、前記購入商品を収納可能な搬出装置が当該自動販売機運用者の運用する自動販売機に搭載されていないときに、前記運用者端末に対して通知を送信する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記自動販売機のそれぞれとさらに通信可能に構成され、
前記自動販売機から当該自動販売機において消費者が商品を購入した情報を受信したときに、当該情報を当該自動販売機における販売情報として記録する販売情報記録部と、
前記販売情報に基づいて前記自動販売機の販売分析情報を生成する販売分析部と
をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記自動販売機のそれぞれの位置情報及び商品の在庫情報を取得し、当該在庫情報及び前記販売分析情報に基づいた販売予測から、前記自動販売機のそれぞれに対する商品の補充量を算出し、前記位置情報及び前記補充量に基づいて、前記自動販売機に対する商品の配送計画情報を生成する配送計画生成部をさらに備える、請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
自動販売機で商品を購入する消費者が使用する消費者端末と通信可能に構成された情報処理装置であって、
前記消費者端末から前記消費者が指定した検索条件を含んだ前記自動販売機の検索要求を受信したときに、前記自動販売機の情報に基づいて前記検索条件に適合する自動販売機を検索し、前記検索条件に適合する自動販売機が存在する場合に、当該自動販売機の位置情報を含んだ情報を前記消費者端末に送信する自動販売機検索部と、
前記検索条件に適合する自動販売機が存在しない場合に、当該検索条件に適合する商品の情報を取得し、当該商品の情報を、前記消費者が電子商取引により商品を購入可能な消費者向け商品販売サイトにおける販売対象を示す情報として前記消費者端末に送信する消費者向け販売処理部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項7】
自動販売機を運用して商品を販売する複数の自動販売機運用者によってそれぞれ使用される複数の運用者端末と、
前記運用者端末のそれぞれと通信可能に構成されたサーバと
を備えた商品販売システムであって、
前記複数の運用者端末のうちの第1の運用者端末が、前記自動販売機で販売するための商品を前記自動販売機運用者が電子商取引により購入することが可能な運用者向け商品販売サイトに対する商品の出品要求を前記サーバに送信し、当該出品要求を受信した前記サーバが、当該出品要求において出品された商品の情報を前記運用者向け商品販売サイトにおける販売商品の情報として登録し、
前記複数の運用者端末のうちの第2の運用者端末が、前記運用者向け商品販売サイトの表示要求を前記サーバに送信し、当該表示要求を受信した前記サーバが、前記第1の運用者端末から受信した前記出品要求において出品された商品を含んだ前記販売商品の情報を取得して、当該販売商品の情報を前記第2の運用者端末に送信する、
商品販売システム。
【請求項8】
自動販売機で商品を購入する消費者が使用する消費者端末と、
前記消費者端末と通信可能に構成されたサーバと
を備えた商品販売システムであって、
前記消費者端末が、前記消費者が指定した検索条件を含んだ前記自動販売機の検索要求を送信し、
前記サーバが、当該検索要求を受信したときに、前記自動販売機の情報に基づいて前記検索条件に適合する自動販売機を検索し、前記検索条件に適合する自動販売機が存在する場合に、当該自動販売機の位置情報を含んだ情報を前記消費者端末に送信する一方、前記検索条件に適合する自動販売機が存在しない場合に、当該検索条件に適合する商品の情報を取得し、当該商品の情報を、前記消費者が電子商取引により商品を購入可能な消費者向け商品販売サイトにおける販売対象を示す情報として前記消費者端末に送信する、
商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機を介した商品の流通形態において適用される情報処理装置及び商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な商品の流通形態においては、商品が生産者から問屋や仲買(仲介業者)及び小売業者を介して消費者に販売される。商品の流通に関連する業務を支援する技術の一例として、このような流通形態における取引の流れに加え、さらに消費者と生産者との間で商品の取引を直接行うためのシステムが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、消費者に商品を販売する手段として、小売店舗のみならず、自動販売機が普及してきている。自動販売機は無人販売であり販売時間帯に制限がないため利便性が高く、また、消費者が非対面で商品を購入することが可能であるためその安心面からも注目されており、近年では多種多様な商品を販売可能な自動販売機が提供されている。このような自動販売機を介した商品の流通形態は、例えば商品の生産者が自動販売機を運用して自ら商品を販売する場合があるなど、一般的な小売店舗を介する流通形態とは異なる特徴がある。
【0005】
そこで、本発明においては、特に自動販売機を介した商品の流通形態における商品販売の促進を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一側面では、自動販売機を運用して商品を販売する複数の自動販売機運用者によってそれぞれ使用される複数の運用者端末とそれぞれ通信可能に構成された情報処理装置が提供される。当該情報処理装置は、前記自動販売機で販売するための商品を前記自動販売機運用者が電子商取引により購入することが可能な運用者向け商品販売サイトに対する商品の出品要求を前記運用者端末から受信したときに、当該出品要求において出品された商品の情報を前記運用者向け商品販売サイトにおける販売商品の情報として登録する。また、当該情報処理装置は、前記出品要求を送信した前記運用者端末と異なる他の運用者端末から前記運用者向け商品販売サイトの表示要求を受信したときに、前記出品された商品を含んだ前記販売商品の情報を取得し、当該販売商品の情報を前記他の運用者端末に送信する。
【0007】
また、本発明における一側面では、自動販売機で商品を購入する消費者が使用する消費者端末と通信可能に構成された情報処理装置が提供される。当該情報処理装置は、前記消費者端末から前記消費者が指定した検索条件を含んだ前記自動販売機の検索要求を受信したときに、前記自動販売機の情報に基づいて前記検索条件に適合する自動販売機を検索し、前記検索条件に適合する自動販売機が存在する場合に、当該自動販売機の位置情報を含んだ情報を前記消費者端末に送信する。また、当該情報処理装置は、前記検索条件に適合する自動販売機が存在しない場合に、当該検索条件に適合する商品の情報を取得し、当該商品の情報を、前記消費者が電子商取引により商品を購入可能な消費者向け商品販売サイトにおける販売対象の情報として前記消費者端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特に自動販売機を介した商品の流通形態における商品販売の促進が実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の商品販売システムが適用される流通形態の一例について示す説明図である。
【
図2】商品販売システムの一例の全体構成の説明図である。
【
図4】販売情報記録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】自動販売機検索処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】自動販売機検索処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】運用者向けEC販売処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】運用者向けEC販売処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】商品出品処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】マッチング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】販売分析処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】配送計画生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】自動販売機の検索条件入力画面の一例の説明図である。
【
図14】自動販売機の検索結果画面の一例の説明図である。
【
図15】ナビゲーション画面の一例の説明図である。
【
図16】消費者向けECサイト画面の一例の説明図である。
【
図17】運用者向けECサイト画面の一例の説明図である。
【
図19】マッチング結果表示画面の一例の説明図である。
【
図23】情報処理装置のハードウェア構成の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本実施形態が適用される流通形態の概要]
本明細書で説明する商品販売システムの一実施形態は、自動販売機を介した商品の流通に関連する。
図1は、本実施形態における商品の流通形態の一例について示す図である。
当該流通形態においては、自動販売機運用者が、自動販売機を任意の場所に設置して運用する。自動販売機運用者は、自動販売機で販売する商品を仕入れ、自らが運用する自動販売機の搬出装置に収納して販売する。この商品の仕入れ方法は大きく分けて2種類ある。1つの方法は、仲介業者が生産者から商品を仕入れ、自動販売機運用者に提供する方法である(
図1の(1)及び(2))。もう1つの方法は、自動販売機で販売する商品を、自動販売機運用者が自ら生産(製造)する方法である(
図1の(3))。換言すれば、自動販売機運用者自身が生産者であるケースである。近年では自動販売機に多様な搬出装置が設置可能となり、あらゆる商品を販売することができるようになったことで、自動販売機運用者が自ら生産した商品を自動販売機によって容易に販売することが可能となった。これらのいずれかの方法によって調達された商品は、自動販売機運用者によって(場合によっては仲介業者によって)、自動販売機の搬出装置に収納される(
図1の(4))。そして、消費者は、商品の対価を支払うことで、自動販売機から所望の商品を購入する(
図1の(5))。
【0011】
例えば、
図1の自動販売機運用者Xは、仲介業者を介して、生産者Aの商品A1、生産者Bの商品B1及びB2を仕入れ、自らが運用する自動販売機X1~X3に収納して販売することができる。また一方で、自動販売機運用者Yは、自ら生産(製造)した商品Y1及び商品Y2を、自らが運用する自動販売機Y1~Y4に収納して販売することができる。なお、自動販売機運用者Yは、これらの商品Y1及び商品Y2と併せて、さらにいずれかの生産者から調達した商品を販売することも可能である。
【0012】
ここで、本明細書において以下に説明する商品販売システムの一例によれば、このような自動販売機を介した流通形態において、主として次のような機能が実現される。まず、自動販売機運用者が生産者から商品を仕入れる際に、自動販売機運用者が使用するスマートフォンなどのデバイスである運用者端末において利用可能な運用者向け商品販売サイト(EC(Electronic Commerce)サイト)を介して商品を容易に購入することができるようになる。このとき、自動販売機運用者が生産者でもある場合には、自動販売機運用者が自ら生産した商品を当該ECサイトに出品することができる。これにより、自動販売機運用者が、他の自動販売機運用者が生産する商品を仕入れることが可能となる。例えば、
図1の例においては、自動販売機運用者Yが、自動販売機運用者Zが提供する商品Z1を購入することができる。したがって、自動販売機運用者が生産した商品の販路を拡大することができるとともに、従来であれば競合関係にあった自動販売機運用者同士が相互に協力し合う関係(ファミリー)を築くことが可能となる。その結果、自動販売機で販売される商品内容もより充実したものとなり、自動販売機を介した流通形態における商品販売がより促進される。
【0013】
また、以下に説明する商品販売システムの一例によれば、消費者は、自身が所望する検索条件を指定して自動販売機を検索することができる。そして、当該検索条件を満たす自動販売機が存在するときには、消費者が使用するスマートフォンなどのデバイスである消費者端末において当該自動販売機の位置情報が表示される。このため、消費者は、例えば自身が所望する商品を売っている自動販売機を容易に見つけることが可能となり、自動販売機を利用した購買がしやすくなる。また一方で、消費者が所望する検索条件を満たす自動販売機が存在しない場合、例えば、消費者が所望する商品が消費者の付近の自動販売機で販売されていない場合等には、所望の商品を購入することが可能な消費者向けECサイトが消費者端末に表示される。そして、消費者は、当該ECサイトを介して、当該商品を直接購入することができる(
図1の(6))。これにより、消費者にとっての利便性がさらに向上し、さらなる商品販売の促進につなげることができる。
【0014】
さらに、以下に説明する商品販売システムの一例によれば、自動販売機における商品の販売実績に基づいた様々な販売分析や今後の販売予測を行い、自動販売機運用者が使用する運用者端末に表示させることができる。このため、自動販売機運用者の運用管理業務が効率化されるとともに、例えば、より商品販売による利益をあげるためにどのような商品をどの自動販売機で販売すればよいか等の判断をしやすくなり、利益の増加や販路拡大を実現し得る。また、以下に説明する商品販売システムの一例によれば、自動販売機の配置位置や在庫情報に基づいた商品の配送計画を生成し、自動販売機運用者が使用する運用者端末に表示させることができる。このため、自動販売機運用者は、自動販売機の在庫補充業務を効率的に行うことが可能となる。
【0015】
以下、このような各種機能を実現することが可能な本実施形態の商品販売システムについて、図を参照しながら説明する。
【0016】
[システムの全体構成]
図2は、本実施形態における商品販売システム1の一例の全体構成を示す。商品販売システム1は、自動販売機10、消費者端末20、運用者端末30及びサーバ40を備える。なお、自動販売機10、消費者端末20及び運用者端末30は、実際にはいずれも複数存在するが、
図2においてはそれぞれ1つのみを図示している。また、サーバ40も、システム構成によっては複数存在し得る。
【0017】
自動販売機10は、商品を収納して搬出することが可能な搬出装置を備えており、消費者により選択された商品を、現金や電子決済等の手段により商品の対価が支払われたことを条件として搬出装置により搬出することで、商品の無人販売を実現する装置である。自動販売機10は、機種によって販売商品を常温、冷蔵又は冷凍の状態で保持しておくことが可能であり、これにより多様な商品を販売することができる。搬出装置には、例えばスパイラル、コンベア、フック等の複数の種類があり、これらの種類に応じて搬出可能な商品が異なる。さらに、スパイラルのピッチ等によっても搬出可能な商品が異なる。このような搬出装置は任意に載せ替えることが可能であり、自動販売機運用者が販売を所望する商品に適合する搬出装置を設置することが可能である。また、自動販売機10は、情報の記憶及び演算が可能な汎用の情報処理装置を備える。自動販売機10は、当該情報処理装置のプロセッサにおいて実現される機能構成の一例として、販売情報送信部11を備える。
【0018】
消費者端末20は、自動販売機10から商品を購入する消費者が使用する装置である。消費者端末20は、例えば、モバイルデバイス(例えば、スマートフォンやPDA等)、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ、もしくは他の任意の種類のデバイスを含む情報処理装置である。なお、消費者端末20はGPS(Global Positioning System)機能を備え、自装置の位置情報を保持することができる。消費者端末20は、情報処理装置のプロセッサにおいて実現される機能構成の一例として、自動販売機検索表示部21及び消費者向けEC表示部22を備える。
【0019】
運用者端末30は、自動販売機10を運用し、自動販売機10に任意の商品を収納して販売する自動販売機運用者が使用する装置である。運用者端末30も、消費者端末20と同様に、モバイルデバイス等の任意の種類のデバイスを含む情報処理装置である。運用者端末30は、情報処理装置のプロセッサにおいて実現される機能構成の一例として、運用者向けEC表示部31、出品受付部32、マッチング表示部33、販売分析表示部34及び配送計画表示部35を備える。
【0020】
サーバ40は、仲介業者が運用することが可能な装置である。仲介業者は、例えば、自動販売機運用者ごとの販売情報や自動販売機10ごとの販売情報に基づき、自動販売機運用者や生産者に対するコンサルティングや、消費者端末20への商品広告配信等を行い得る。サーバ40は、例えばデスクトップコンピュータ等の任意の種類のデバイスを含む情報処理装置である。サーバ40は、情報処理装置のプロセッサにおいて実現される機能構成の一例として、次のような構成を備える。まず、サーバ40は、自動販売機10と連携して動作する販売情報記録部41を備える。また、サーバ40は、消費者端末20と連携して動作する自動販売機検索部42及び消費者向けEC販売部43を備える。さらに、サーバ40は、運用者端末30と連携して動作する運用者向けEC販売部44、出品処理部45、マッチング処理部46、販売分析部47及び配送計画生成部48を備える。
また、サーバ40は、記憶装置に格納されるデータの一例として、自動販売機設置情報51、商品情報52、自動販売機在庫情報53、自動販売機販売情報54、消費者向けEC関連情報55、運用者向けEC関連情報56及び属性情報57を備える。
【0021】
自動販売機10、消費者端末20及び運用者端末30と、サーバ40とは、ネットワークを介して相互に接続されている。ネットワークは、例えば、LTE(Long Term Evolution)等を含む移動通信システムによる通信回線や、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)及び同様のネットワーク等のうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。また、本実施形態において装置間の通信は無線通信を想定しているが、これに限定されるものではない。
【0022】
なお、上記構成の他に、仲介業者がサーバ40を運用するにあたり、サーバ40とネットワークを介して相互に接続された仲介業者端末(図示省略)を用いるようにしてもよい。仲介業者端末は、例えば、サーバ40の記憶装置に格納されている情報、配送計画、受発注などの確認や実行指示を行う機能を実現するように構成され得る。
また、自動販売機10の運用を行わず商品の生産及び提供のみを行う生産者も、サーバ40とネットワークを介して相互に接続された生産者端末(図示省略)を用いるようにしてもよい。当該生産者端末は、例えば、サーバ40への出品情報の送信、サーバ40からの発注情報の受信、販売予測情報の受信等の機能を実現するように構成され得る。
【0023】
[データ構造]
図3は、自動販売機設置情報51、商品情報52、自動販売機在庫情報53、自動販売機販売情報54、消費者向けEC関連情報55及び運用者向けEC関連情報56のデータ構造の一例を示す図である。
【0024】
自動販売機設置情報51は、各地に設置された自動販売機10のそれぞれに関連する情報を含むデータである。自動販売機設置情報51は、一例として、自動販売機10のそれぞれを一意に識別する自動販売機ID、当該自動販売機10を運用する自動販売機運用者、当該自動販売機運用者が自動販売機10に収納する商品に関連する店舗を有する場合や自動販売機自体を店舗とみなして運用する場合に設定する店舗(店舗名)、自動販売機10の設置位置情報、及び、自動販売機10に搭載された商品の搬出装置の種類を示す搭載搬出装置を示す情報を含む。
【0025】
商品情報52は、商品自体に関する基本情報(マスタ)を含むデータであり、一例として、商品(商品名)、当該商品の属性(ジャンル)、商品写真、及び、当該商品を自動販売機10に収納する際に設置することが可能な搬出装置を示すデータを含む。商品の属性とは、例えば、食品であればその食品の種別(ラーメン、餃子、ケーキ等)を示す情報である。このような属性として、他にも、当該商品が生産されている地域の特性等、多様な情報を含めることが可能である。
【0026】
自動販売機在庫情報53は、自動販売機10において現在販売されている商品の在庫に関連する情報を含むデータである。自動販売機在庫情報53は、一例として、自動販売機10の自動販売機ID、自動販売機10に現在収納されている在庫商品、当該商品の販売価格、及び、当該商品を販売可能な期限(例えば商品が食品である場合には賞味期限や消費期限を考慮した期限等)を示す保持期限を示す情報を含む。
【0027】
自動販売機販売情報54は、自動販売機10における販売実績を示す情報を含むデータである。自動販売機販売情報54は、一例として、自動販売機10の自動販売機ID、自動販売機10において消費者によって購入された商品を示す販売済み商品、及び、当該販売済み商品が消費者によって購入された日時である販売日時を示す情報を含む。
【0028】
消費者向けEC関連情報55は、消費者向けの商品を販売するECサイトに関連する情報を含むデータである。消費者向けEC関連情報55は、一例として、当該消費者向けECサイトにおいて販売可能な販売商品、及び、当該販売商品の販売価格を示す情報を含む。
【0029】
運用者向けEC関連情報56は、自動販売機運用者向けの商品を販売するECサイトに関連する情報を含むデータである。運用者向けEC関連情報56は、一例として、当該ECサイトにおいて販売可能な販売商品、当該販売商品の販売価格、及び、当該販売商品の出品者を示す情報を含む。販売商品の出品者は、例えば、自動販売機運用者が商品出品機能を利用して当該ECサイトに商品を出品した場合には、自動販売機運用者を示す情報となる。また、仲介業者を介して商品を提供する生産者が提供する商品の場合には、仲介業者を出品者としてもよい。
【0030】
属性情報57は、商品の属性同士が適合する(相性が良い)組合せを示す情報を含むデータであり、後述するマッチング処理において使用される。属性情報57は、一例として、属性と、当該属性に適合する適合属性とを含む。このような相性が良い属性の組合せの一例として、片方の属性がラーメンであり、その適合属性が餃子である、というような、一緒に購入される可能性の高い属性が考えられる。
【0031】
[本システムにおいて実現される機能及び処理]
次に、自動販売機10、消費者端末20、運用者端末30及びサーバ40のそれぞれによって実現される機能及び具体的な処理について、
図4~
図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。また、当該説明において、
図13~
図22に示す画面例も適宜参照する。本実施形態において実現される処理は、(1)自動販売機10とサーバ40による連携処理、(2)消費者端末20とサーバ40による連携処理、(3)運用者端末30とサーバ40による連携処理、の3つに分類され得る。前述したように、本実施形態の商品販売システム1では、原則として、自動販売機10、消費者端末20及び運用者端末30がそれぞれ複数存在することを想定している。このため、以下で説明する処理は、(1)では複数の自動販売機10のそれぞれとサーバ40、(2)では複数の消費者端末20のそれぞれとサーバ40、(3)では複数の運用者端末30のそれぞれとサーバ40において実現される。
【0032】
(1)自動販売機10とサーバ40とによる連携処理
図4は、自動販売機10の販売情報送信部11及びサーバ40の販売情報記録部41によって実現される販売情報記録処理を示している。この処理は、自動販売機10における商品の販売状況を、サーバ40で保持するデータに反映させる処理である。
ステップ101(図ではS101と表記している。以下同様)で、自動販売機10の販売情報送信部11は、自動販売機10において消費者が商品を購入したとき、すなわち、商品を販売したときに、当該販売情報をサーバ40に送信する。販売情報には、当該自動販売機10の自動販売機ID、販売商品及び当該商品の販売日時を示す情報が含まれる。
【0033】
ステップ102で、サーバ40の販売情報記録部41は、受信した販売情報に基づいて、自動販売機在庫情報53を更新する。具体的には、自動販売機在庫情報53のデータのうち、受信した販売情報に含まれる自動販売機IDに対応するデータの在庫商品の在庫数から、販売情報に含まれる商品分を減算する。なお、当該処理の前提として、自動販売機在庫情報53は、自動販売機運用者が商品を仕入れて自動販売機10の搬出装置に収納したときに、収納した商品分のデータが登録されている。当該登録処理は、例えば自動販売機運用者端末30及びサーバ40による連携処理によって実現されるが、本明細書ではその詳細説明については省略している。
ステップ103で、販売情報記録部41は、受信した販売情報に基づいて、自動販売機販売情報54を更新する。具体的には、受信した販売情報に含まれる自動販売機ID、販売商品及び販売日時を含むデータを、自動販売機販売情報54として記録する。
【0034】
当該販売情報記録処理によれば、自動販売機10において商品が販売されたときに、サーバ40において管理している当該自動販売機10の商品の在庫情報が更新される。このため、サーバ40側において自動販売機10の在庫状況を正確に管理することができる。また、自動販売機10における販売情報が自動販売機販売情報54のデータとして蓄積され、後述する販売分析処理において当該データを活用することができる。
【0035】
なお、当該販売情報記録処理によって自動販売機10の商品の在庫数が所定閾値を下回った場合には、当該自動販売機10を運用する自動販売機運用者の運用者端末30に対してその旨の通知を送信し、運用者端末30において警告メッセージを表示するようにしてもよい。そうすることで、自動販売機運用者は、自動販売機10の在庫がなくなる前に余裕をもって商品を補充したり発注したり等の対処を行うことが可能となる。
【0036】
(2)消費者端末20とサーバ40とによる連携処理
図5及び
図6は、消費者端末20の自動販売機検索表示部21及び消費者向けEC表示部22、サーバ40の自動販売機検索部42及び消費者向けEC販売部(消費者向け販売処理部)43によって実現される自動販売機検索処理を示している。当該処理は、消費者の所望の条件を満たす自動販売機10を消費者端末20において検索する機能を実現する処理である。
【0037】
ステップ201で、消費者端末20の自動販売機検索表示部21は、消費者が自動販売機10を検索する際に所望の条件を入力するための検索条件入力画面211を表示する。
図13は、このような検索条件入力画面211の一例を示している。この例では、検索条件の一例として、自動販売機10が設置されているエリア(例えば、現在位置から所定距離の範囲内等)、所望の商品のジャンル、及び、所望の商品名を入力することが可能な検索条件入力欄211Aが表示されている。また、検索実行要求を行うための検索実行ボタン211Bが表示されている。なお、検索条件はこの例に限定されるものではなく、例えば自動販売機10が設置されている場所に含まれるキーワード等、任意の検索条件を設定することができる。
【0038】
ステップ202で、自動販売機検索表示部21は、検索条件入力画面211を介し、消費者による検索条件の指定及び検索実行要求を受け付ける。
ステップ203で、自動販売機検索表示部21は、指定された検索条件を、消費者端末20の位置情報とともにサーバ40に送信する。
【0039】
ステップ204で、サーバ40の自動販売機検索部42は、消費者端末20から受信した検索条件を満たす自動販売機10のデータを検索する。例えば、検索条件としてエリアが含まれる場合には、自動販売機設置情報51において自動販売機10の設置位置情報が当該エリアに含まれる自動販売機10のデータを検索する。また、検索条件として商品のジャンルが含まれる場合には、商品情報52から属性が当該ジャンルに合致する商品を特定し、自動販売機在庫情報53から、当該商品を在庫商品として含む自動販売機10のデータを検索する。また、検索条件として商品名が含まれる場合には、自動販売機設置情報51において当該商品を在庫している自動販売機10のデータを検索する。また、検索条件が複数指定されている場合には、指定された全ての条件を満たす自動販売機10を検索する。
【0040】
ステップ205で、自動販売機検索部42は、検索処理の結果、検索条件を満たす自動販売機10が存在するか否かを判定する。当該自動販売機10が存在する場合にはステップ206に進み(YES)、そうでない場合にはステップ207に進む(NO)。
ステップ206で、自動販売機検索部42は、検索条件を満たす自動販売機10の情報を送信する。当該情報は、例えば、自動販売機ID及び当該自動販売機10の位置情報を含み得る。また、自動販売機検索部42は、商品を在庫している自動販売機10と併せて当該商品を取り扱っている実店舗の情報を送信してもよい。
【0041】
ステップ207で、消費者端末20の自動販売機検索表示部21は、サーバ40から受信した自動販売機10の情報を、検索結果画面212に表示する。
図14は、このような検索結果画面212の一例を示している。この例では、検索結果の表示態様として、検索結果マップ212A上に自動販売機10の位置を示すマーク(星印)を表示させている。なお、検索結果マップ212A上で当該アイコンをタップ(クリック)すると、当該自動販売機10で販売されている商品の詳細情報(例えば、当該自動販売機10で販売されている商品及びその販売価格)を表示するようにしてもよい。また、検索結果の表示態様はこの例に限定されるものではなく、例えば、該当する自動販売機10をリスト形式等で表示するようにしてもよい。
【0042】
ステップ208で、自動販売機検索表示部21は、検索結果画面212に表示した自動販売機10の検索結果のいずれかが消費者によって指定されてナビゲーション要求がなされたときに、消費者端末20の現在位置から当該自動販売機10へのナビゲーション画面213を表示する。
図15は、このようなナビゲーション画面213の一例を示しており、ナビゲーションマップ213Aが表示されている。なお、ステップ207において自動販売機10の位置情報に基づいてマップ上に自動販売機10のアイコンを表示させる処理や、ステップ208においてナビゲーションを行う処理については、例えば、既存の地図アプリケーションのAPI(Application Programming Interface)を利用して実現することが可能である。
【0043】
ステップ209で、サーバ40の消費者向けEC販売部43は、検索条件を満たす商品の情報を取得する。例えば、検索条件に商品のジャンルが含まれている場合、商品情報52から当該ジャンルに該当する商品を特定することができる。そして、消費者向けEC販売部43は、自動販売機10の情報の代わりに、消費者向けEC関連情報55から当該特定した商品を検索して、当該商品の情報、すなわち販売商品や販売価格を含む情報を取得し、取得した商品の情報を、消費者が電子商取引により商品を購入することが可能な消費者向け商品販売サイトにおける販売対象の情報として消費者端末20に送信する。
【0044】
ステップ210で、消費者端末20の消費者向けEC表示部22は、サーバ40から受信した商品の情報に基づき、当該商品を購入することが可能な消費者向けECサイト画面221を表示する。消費者向けECサイト画面221は、例えば、消費者端末20のウェブブラウザやアプリケーション画面などで表示させることが可能である。
図16は、このような消費者向けECサイト画面221の一例を示している。
図16に示すように、消費者向けECサイト画面221では、消費者が自動販売機10の検索条件として入力した条件に合致する商品221Aが、おすすめ商品として表示される。また、消費者向けECサイト画面221では、消費者が購入する商品を選択して購入要求を送信するための購入実行ボタン221Bが表示されている。消費者は、当該消費者向けECサイト画面221を介して、所望の商品を購入することができる。
【0045】
当該自動販売機検索処理によれば、消費者が指定した検索条件に合致した自動販売機10の位置情報が消費者端末20において表示される。このため、消費者は所望する条件を満たす自動販売機10がどこにあるかを把握することができ、自動販売機10の利用における利便性が大幅に向上する。また、このような自動販売機10の位置が地図上にアイコン表示されることで、視覚的にその位置を把握しやすくなる。さらに、当該自動販売機10へのナビゲーションがなされることによって、所望の条件を満たす自動販売機10へ容易に到達することが可能となる。
【0046】
また、当該自動販売機検索処理において、検索条件を満たす自動販売機10が存在しない場合には、単に存在しないことを消費者に示すだけでなく、検索条件を満たす商品を販売するECサイトが消費者端末20において表示される。この場合、消費者は、その場で自動販売機10に出向いてすぐに商品を購入して入手することはできないものの、所望の商品をECサイトで容易に購入することが可能となる。このように、自動販売機10による商品販売をECサイトによる商品販売が補完しつつ両者が融合することによって、消費者の利便性がさらに向上し、商品販売を促進することが期待できる。
【0047】
さらに、当該自動販売機検索処理の変形例として、検索条件を満たす自動販売機10が存在しない場合には、消費者が所望の商品を自動販売機10で購入できるように予約できるようにしてもよい。具体的には、例えば、消費者端末20から、予約商品と予約日を示す情報がサーバ40を送信し、当該情報が自動販売機10を運用する自動販売機運用者が使用する運用者端末30に通知されるようにする。そして、自動販売機運用者が当該予約商品を予約日までに自動販売機10に補充し、その在庫を確保することで、消費者は所望の商品を購入することが可能となる。また、検索結果画面212に表示された自動販売機10の検索結果のうち、消費者によって指定(選択)された自動販売機10において、当該商品を予約できるようにしてもよい。この場合、ナビゲーション画面213に表示された経路から、おおよその到着時間を推定し、さらに余裕時間を加えた予約時間や、現在時刻から予約時刻を設定し、当該時間/時刻を経過した場合には、予約をキャンセルすることで、販売機会を広げつつロスを抑えることができる。なお、この場合、例えば、自動販売機10が備えるバーコードリーダ等を用い、購入者を識別するバーコードを読み込むことで、購入者が当該予約を行った消費者であることを確認して商品を販売するようにすればよい。
【0048】
なお、当該自動販売機検索処理の機能を実現するためには、
図2に示す構成を全て含むのではなく、少なくとも消費者端末20及びサーバ40を含む商品販売システムとしてもよい。この場合、サーバ40は、少なくとも、自動販売機検索部42及び消費者向けEC販売部43、並びに、自動販売機設置情報51、商品情報52、自動販売機在庫情報53及び消費者向けEC関連情報55を備え、必要に応じて他の構成を備えるようにすればよい。
【0049】
(3)運用者端末30とサーバ40とによる連携処理
図7及び
図8は、運用者端末30の運用者向けEC表示部31及びサーバ40の運用者向けEC販売部(運用者向け販売処理部)44によって実現される運用者向けEC販売処理を示している。当該処理は、自動販売機運用者が、自身の運用する自動販売機10の搬出装置に収納して販売するための商品を購入する機能を実現する処理である。
【0050】
ステップ301で、運用者端末30の運用者向けEC表示部31は、自動販売機運用者用のメニュー画面等(図示省略)を介して、自動販売機10で販売するための商品(仕入れ商品)を自動販売機運用者が電子商取引により購入することが可能な運用者向け商品販売サイトの表示要求を受け付ける。
ステップ302で、運用者向けEC表示部31は、運用者向け商品販売サイトの表示要求を、サーバ40に送信する。
【0051】
ステップ303で、サーバ40の運用者向けEC販売部44は、運用者向けEC関連情報56から、運用者向けECサイトで販売する販売商品の情報、すなわち販売商品や販売価格を含む情報を取得する。
ステップ304で、運用者向けEC販売部44は、ステップ303で取得した販売商品の情報を、運用者向け商品販売サイトにおける販売対象を示す情報として運用者端末30に送信する。
なお、このとき、当該販売商品には、後述する商品出品処理によって他の自動販売機運用者によって出品された商品が含まれ得る。すなわち、当該販売商品の情報の送信先の運用者端末30(第2の運用者端末)は、出品要求を行った運用者端末30(第1の運用者端末)とは異なる他の運用者端末30であり得る。
【0052】
ステップ305で、運用者端末30の運用者向けEC表示部31は、サーバ40から受信した販売商品の情報に基づき、当該販売商品を購入することが可能な運用者向けECサイト画面311を表示する。運用者向けECサイト画面311は、例えば、運用者端末30のウェブブラウザやアプリケーション画面などで表示させることが可能である。
図17は、このような運用者向けECサイト画面311の一例を示している。当該画面では、サーバ40側において運用者向けEC関連情報56から取得された販売商品の情報が、販売商品311Aとして表示される。また、当該画面には、購入要求を送信するための購入実行ボタン311Bが表示されている。
【0053】
ステップ306で、運用者向けEC表示部31は、運用者向けECサイト画面311を介し、自動販売機運用者による、購入商品及び数量の入力並びに購入要求を受け付ける(
図17では数量指定の入力箇所の図示を省略している)。
ステップ307で、運用者向けEC表示部31は、入力された情報と当該運用者端末30を使用する自動販売機運用者を示す情報とを対応付けた購入情報を、サーバ40に送信する。
【0054】
ステップ308で、サーバ40の運用者向けEC販売部44は、自動販売機設置情報51において当該自動販売機運用者が運用する自動販売機10を検索し、当該自動販売機10に搭載されている搬出装置を特定する。また、運用者向けEC販売部44は、商品情報52から、購入商品を収納することが可能な搬出装置を特定する。
ステップ309で、運用者向けEC販売部44は、購入商品を収納することが可能な搬出装置が自動販売機運用者の運用する自動販売機10に搭載されているかどうか、すなわち、購入商品が自動販売機運用者の運用する自動販売機10に搭載されている搬出装置に適合するか否かを判定する。両者が適合する場合にはステップ310に進み(YES)、そうでない場合にはステップ311に進む(NO)。
ステップ310で、運用者向けEC販売部44は、購入商品についての購入手続処理を実行する。
【0055】
ステップ311で、運用者向けEC販売部44は、購入商品を収納することが可能な搬出装置が、自動販売機運用者の運用する自動販売機10に搭載されていないことを示す通知を、運用者端末30に送信する。このとき、運用者向けEC販売部44は、購入商品を収納することが可能な搬出装置を示す情報と当該搬出装置の購入手配に関する情報とを併せて送信するようにしてもよい。また、運用者向けEC販売部44は、さらに当該搬出装置に収納可能な商品も併せて送信するようにしてもよい。
ステップ312で、運用者端末30の運用者向けEC表示部31は、サーバ40から受信した情報に基づき、警告メッセージを画面に表示する。なお、運用者向けEC表示部31は、サーバ40から購入商品を収納することが可能な搬出装置を示す情報を受信している場合には、当該搬出装置を示す情報を併せて画面に表示するようにしてもよい。
【0056】
ステップ313で、運用者向けEC表示部31は、購入を続行するか否かを選択可能な画面を表示する(画面の図示は省略している)。自動販売機運用者により、購入を続行することが選択された場合には、その旨をサーバ40に通知する。その結果、サーバ40の運用者向けEC販売部44は、ステップ310における購入手続処理を実行する(YES)。一方、自動販売機運用者により、購入を続行しないことが選択された場合には、処理を終了する(NO)。
【0057】
当該運用者向けEC販売処理によれば、自動販売機運用者は、自身が運用する自動販売機10で販売する商品を、ECサイトにおいて容易に購入することができる。また、自動販売機運用者が商品を購入する際に、当該商品を収納することが可能な搬出装置が当該自動販売機運用者の運用する自動販売機10に搭載されているかが判定され、搭載されていないときには運用者端末30に警告が表示される。このため、自動販売機運用者が自身の運用する自動販売機10で販売できない商品を誤って購入することを防ぐことができる。また、このとき、購入を希望した商品を収納することが可能な搬出装置を示す情報が表示されるとともに、当該搬出装置の購入手配に関する情報も表示されることにより、自動販売機運用者が当該商品を購入した上で、搬出装置を同時に購入手配することも可能となる。自動販売機10の仕様として搬出装置が自在に載せ替えられる構造になっていることにより、自動販売機運用者は、このように購入手配した搬出装置を自動販売機10に新たに設置することができ、所望の購入商品を販売することが可能となる。また、当該搬出装置の購入手配に関する情報とともに、当該搬出装置に収納可能な商品も表示されることにより、自動販売機運用者は、例えば、当初所望していた購入商品に加え、別の商品も当該搬出装置に収納できることを知ることができる。このため、自動販売機運用者が自動販売機によって新たな商品を販売する契機となり得る。また、これによって自動販売機運用者による搬出装置の購入動機も高められ、搬出装置自体の販売促進も実現することが可能となる。
【0058】
なお、当該運用者向けEC販売処理の変形例として、ステップ303においてサーバ40の運用者向けEC販売部44が販売商品の情報を取得する際に、自動販売機運用者が運用する自動販売機10に搭載されている搬出装置の情報を取得してもよい。そして、それぞれの販売商品が自動販売機運用者の運用する自動販売機10に搭載されている搬出装置に適合するか否かを判定しておき、その適合可否情報をステップ304で併せて運用者端末30に送信するようにしてもよい。そして、運用者端末30の運用者向けEC表示部31でECサイトに販売商品の一覧を表示する際に、自動販売機運用者が運用する自動販売機10に搭載されている搬出装置に適合する商品のみを表示するようにしてもよい。また、このとき、販売商品が自動販売機運用者の運用する自動販売機10に搭載されている搬出装置に適合していなくても、商品の表示自体は行い、商品とともに警告マーク等を表示させるようにしてもよい。
【0059】
図9は、運用者端末30の出品受付部32及びサーバ40の出品処理部45によって実現される商品出品処理を示している。当該処理は、自動販売機運用者が、自身が生産した商品等を運用者向けECサイトに出品する機能を実現する処理である。
【0060】
ステップ401で、運用者端末30の出品受付部32は、商品出品画面321を表示する。
図18は、このような商品出品画面321の一例を示している。当該商品出品画面321には、商品出品情報の一例として、出品商品(商品名)、出品価格、出品商品の属性及び商品写真を入力することが可能な出品情報入力欄321Aが表示されている。また、商品の出品要求を行うための出品実行ボタン321Bが表示されている。
ステップ402で、出品受付部32は、商品出品画面321を介し、自動販売機運用者による、出品商品、出品価格、出品商品の属性及び商品写真の入力並びに出品要求を受け付ける。なお、当該出品要求において、出品商品を運用者向けECサイトにおいて販売する際の販売条件をさらに入力して付加できるようにしてもよい。例えば、出品商品の販売を希望する又は希望しないエリア(例えば、地方や都道府県、主な政令指定都市等)等を指定できるようにしてもよい。
ステップ403で、出品受付部32は、入力された情報と自動販売機運用者を示す情報とを対応付けた商品出品情報を、サーバ40に送信する。
【0061】
ステップ404で、サーバ40の出品処理部45は、運用者端末30から受信した商品出品情報に基づき、出品商品を販売商品とし、当該販売商品、販売価格及び出品者である自動販売機運用者を含むデータを、運用者向けEC関連情報56に新規登録する。また、出品商品が商品情報52に存在しない場合には、出品商品、属性及び商品写真を含むデータを、商品情報52のデータとして新規登録する。このとき、商品の属性等に基づいて当該商品を収納することが可能な搬出装置を特定して当該データに含めることが望ましい。
【0062】
当該商品出品処理によれば、自動販売機運用者が、自身が生産した商品等を自らが運用する自動販売機10で販売するのみならず、運用者向けECサイトに出品することができる。すなわち、自動販売機運用者は、自動販売機10で販売する商品を仕入れる立場であるとともに、自らが生産者として他の自動販売機運用者に商品を提供することも可能となる。そして、前述した運用者向けEC販売処理により、このように出品された商品を、他の自動販売機運用者が購入し、自身が運用する自動販売機10で販売することが可能となる。これにより、前述したように、自動販売機運用者が生産した商品の販路を拡大することができるとともに、自動販売機運用者同士が相互に協力し合う関係を築くことが可能となる。また、自動販売機10を運用していない生産者が出品する場合も、自動販売機運用者が、自身が生産した商品を出品するのと同様に、生産者端末を利用して出品することができる。
【0063】
なお、上記の運用者向けEC販売処理及び商品出品処理の機能を実現するためには、
図2に示す構成を全て含むのではなく、少なくとも運用者端末30及びサーバ40を含む商品販売システムとしてもよい。この場合、少なくとも、運用者端末30が運用者向けEC表示部31及び出品受付部32を備える一方、サーバ40は、運用者向けEC販売部44及び出品処理部45、並びに、自動販売機設置情報51、商品情報52及び運用者向けEC関連情報56を備え、必要に応じて他の構成を備えるようにすればよい。
【0064】
図10は、運用者端末30のマッチング表示部33及びサーバ40のマッチング処理部46によって実現されるマッチング処理を示している。当該処理は、自動販売機運用者が、自身の運用する自動販売機10で販売する商品と一緒に販売するのに適した他の商品を探すことができる機能を実現するものである。
【0065】
ステップ501で、運用者端末30のマッチング表示部33は、自動販売機運用者用のメニュー画面等を介して、マッチング処理の要求を受け付ける。
ステップ502で、マッチング表示部33は、運用者端末30を使用する自動販売機運用者を示す情報を含んだマッチング要求を、サーバ40に送信する。
【0066】
ステップ503で、サーバ40のマッチング処理部46は、運用者端末30から受信したマッチング要求に含まれる自動販売機運用者を示す情報に基づいて、自動販売機設置情報51から当該自動販売機運用者が運用する自動販売機10を特定するとともに、自動販売機在庫情報53から、当該自動販売機10で販売されている商品を特定する。そして、マッチング処理部46は、商品情報52を参照し、当該商品の属性を特定した上で、さらに属性情報57を参照し、当該商品の属性に適合する属性を特定する。さらに、マッチング処理部46は、商品情報52を参照し、当該適合する属性に該当するマッチング商品を検索する。
【0067】
ステップ504で、マッチング処理部46は、ステップ503においてマッチング商品が商品情報52に存在するか否かを判定する。存在する場合にはステップ505に進み(YES)、そうでない場合にはステップ506に進む(NO)。
ステップ505で、マッチング処理部46は、マッチング商品を示す情報を、運用者端末30に送信する。
ステップ506で、マッチング処理部46は、マッチング商品が存在しないことを示す情報を、運用者端末30に送信する。
【0068】
ステップ507で、運用者端末30のマッチング表示部33は、サーバ40から受信したマッチング商品をマッチング結果表示画面331に表示する。
図19は、このようなマッチング結果表示画面331の一例を示している。当該画面には、マッチング結果331Aとして、例えば、「あなたの商品」として当該運用者端末30のユーザである自動販売機運用者の運用する自動販売機10で販売している商品を表示する一方で、「相性の良い商品」として、サーバ40から受信したマッチング商品を、当該商品に対応付けて表示させる。
【0069】
当該マッチング処理によれば、自動販売機運用者がECサイトにおいて自動販売機10で販売する商品を仕入れるときに、自身の自動販売機10において販売している商品と相性の良い属性を有するマッチング商品を容易に見つけることが可能となる。このとき、当該マッチング商品が運用者向けEC関連情報56に存在する場合には、当該マッチング商品を購入することが可能な運用者向けECサイトを表示させるようにしてもよい。これにより、自動販売機運用者は、マッチング商品を容易に購入することが可能となる。
【0070】
また、このようなマッチング処理結果は、属性情報57の設定次第でさらに精度を向上させることが可能である。例えば、属性情報57のデータはシステム運用者等によって予め設定しておくことが可能であるが、自動更新していくことも可能である。例えば、自動販売機販売情報54のデータに基づき、同じ自動販売機10においてどのような商品同士が一緒に(例えば、所定時間内に連続して)売れたかを示す情報を所定期間ごとに収集し、一緒によく売れている商品(例えば、所定期間内に所定閾値以上の数が一緒に売れた等)の属性同士を結び付けて、属性情報57の属性と適合属性の組合せとして新たに登録するようにすることもできる。このようにすることで、システム運用者も想定していなかったような属性の組合せが発見される場合も生じ得る。さらには、ある属性の商品と他の属性の商品との組合せの売れ行きのパターンを学習してニューラルネットワークを構築し、その学習結果に基づいて属性情報57のデータを生成して蓄積していくようにしてもよい。
【0071】
なお、マッチング商品は、例えば、通常の生産者が提供する商品であっても、他の自動販売機運用者が出品した商品であってもよいが、他の自動販売機運用者が出品した商品の場合には、前述した自動販売機運用者同士の協力関係をさらに推進することができる。
また、当該マッチング処理は、運用者端末30からの要求の有無に関わらずサーバ40において実行し、運用者端末30に対してマッチング結果を提案するような運用としてもよい。
【0072】
なお、上記のマッチング処理の機能を実現するためには、
図2に示す構成を全て含むのではなく、少なくとも運用者端末30及びサーバ40を含む商品販売システムとしてもよい。この場合、サーバ40は、少なくとも、運用者端末30が運用者向けEC表示部31及びマッチング表示部33を備える一方、サーバ40が、運用者向けEC販売部44及びマッチング処理部46、並びに、自動販売機設置情報51、商品情報52、自動販売機在庫情報53、運用者向けEC関連情報56及び属性情報57を備え、必要に応じて他の構成を備えるようにすればよい。
【0073】
図11は、運用者端末30の販売分析表示部34及びサーバ40の販売分析部47によって実現される販売分析処理を示している。当該処理は、自動販売機運用者が、自身の運用する自動販売機10における販売実績に基づいた分析結果を参照することができる機能を実現するものである。
【0074】
ステップ601で、運用者端末30の販売分析表示部34は、自動販売機運用者用のメニュー画面等を介して、自動販売機運用者からの販売分析要求を受け付ける。
ステップ602で、販売分析表示部34は、運用者端末30を使用する自動販売機運用者を示す情報を含んだ販売分析要求を、サーバ40に送信する。
【0075】
ステップ603で、サーバ40の販売分析部47は、運用者端末30から受信した販売分析要求に含まれる自動販売機運用者を示す情報に基づいて、自動販売機設置情報51から当該自動販売機運用者が運用する自動販売機10を特定する。さらに、販売分析部47は、自動販売機販売情報54から、当該自動販売機10における販売情報を取得する。販売情報には、販売済み商品及びその価格が含まれる。
【0076】
ステップ604で、販売分析部47は、取得した販売情報に基づいて販売分析情報を生成する。このような販売分析は多様な方法で行うことが可能である。例えば、それぞれの自動販売機10における過去1週間の販売金額(売上金額)を曜日別に算出することが可能である。さらには、販売金額を時間帯別に算出することも可能である。また、販売金額に代えて商品の販売個数を算出することも可能である。さらに、このような分析を販売商品ごとに細分化して行うことも可能である。また、商品情報52の商品の属性を参照することにより、商品の属性ごとに販売実績を分析することも可能である。さらに、このような分析結果を自動販売機10の位置情報と組み合わせることによって、どの地域でどのような商品が売れているか等の地域特性を踏まえた分析を行うことも可能である。
ステップ605で、販売分析部47は、販売分析情報を運用者端末30に送信する。
【0077】
ステップ606で、運用者端末30の販売分析表示部34は、サーバ40から受信した販売分析情報を販売分析表示画面341に表示する。
図20は、このような販売分析表示画面341の一例を示している。この例では、販売分析結果341Aとして、自動販売機10における過去1週間の販売金額(売上金額)を曜日別に示している。しかし、前述したように、販売分析は多様な方法で実現可能であり、当該表示内容に限定されるものではない。
【0078】
当該販売分析処理によれば、サーバ40において蓄積された自動販売機販売情報54のデータに基づいて販売分析が行われ、分析結果が運用者端末30において表示される。このため、自動販売機運用者は、自身の運用する自動販売機10における販売実績に基づいた分析結果を容易に参照することが可能となる。そして、例えば、当該分析結果に基づいて自動販売機10の運用内容を検証し、例えば売れ行きが伸びない販売商品を変更するなど、必要に応じて運用を改善したりすることができるようになる。特に、自動販売機運用者が多数の自動販売機10を運用しているようなケースにおいては、このような販売分析結果が提供されることで、運用管理業務の負荷が大幅に軽減される。
なお、当該販売分析処理は、運用者端末30からの要求の有無に関わらず、例えば所定期間ごと(毎週末や月末など)にサーバ40において実行し、運用者端末30に対して販売分析結果を送信するようにしてもよい。さらに、上記の販売分析処理では、自動販売機運用者が自ら管理(所有)する自動販売機10に関する販売分析を行い、当該情報を運用者端末30に送信したが、例えば、仲介業者が、サーバ40や仲介業者端末において、自動販売機運用者や生産者に対してのコンサルティングや消費者端末20への商品広告配信等を行うための情報として当該販売分析情報を使用してもよい。
【0079】
また、前述したような販売分析処理の一態様として、販売分析部47は、自動販売機販売情報54のデータに基づいて今後の販売予測を行うことも可能である。例えば、それぞれの自動販売機10における過去の販売金額を曜日別に算出することにより、当該算出結果に基づいて、次の各曜日における販売予測を行うことも可能である。
図21は、このような販売予測結果を運用者端末30において表示した販売予測表示画面342の一例を示している。この例では、販売予測結果342Aとして、自動販売機10における過去1週間の販売金額(売上金額)の日曜日から木曜日までの販売金額を曜日別に示すとともに、さらに過去における金曜日から土曜日までの販売金額の情報に基づいて、金曜日から土曜日までの販売予測が表示されている。このような販売予測においては、例えば過去の販売実績の変動値等に基づいて、予測精度を算出して表示することも可能である。なお、販売分析と同様に、販売予測も多様な方法で実現可能であり、当該表示内容に限定されるものではない。
【0080】
なお、上記の販売分析処理の機能を実現するためには、
図2に示す構成を全て含むのではなく、少なくとも自動販売機10、運用者端末30及びサーバ40を含む商品販売システムとしてもよい。この場合、少なくとも、運用者端末30が販売分析表示部34を備える一方、サーバ40が、販売分析部47、並びに、自動販売機設置情報51、商品情報52及び自動販売機販売情報54を備え、必要に応じて他の構成を備えるようにすればよい。
【0081】
図12は、運用者端末30の配送計画表示部35及びサーバ40の配送計画生成部48によって実現される配送計画生成処理を示している。当該処理は、自動販売機運用者が、自身の運用する自動販売機10に対してどのような順序で商品を補充すればよいかを示す配送計画を参照することができる機能を実現するものである。なお、当該処理においては、原則として自動販売機運用者の運用する自動販売機10が複数存在することを想定している。
【0082】
ステップ701で、運用者端末30の配送計画表示部35は、自動販売機運用者用のメニュー画面等を介して、自動販売機運用者からの配送計画生成要求を受け付ける。
ステップ702で、配送計画表示部35は、運用者端末30を使用する自動販売機運用者を示す情報を含んだ配送計画生成要求を、サーバ40に送信する。
【0083】
ステップ703で、サーバ40の配送計画生成部48は、運用者端末30から受信した配送計画生成要求に含まれる自動販売機運用者を示す情報に基づいて、自動販売機設置情報51から当該自動販売機運用者が運用する自動販売機10及びその位置情報を特定する。さらに、配送計画生成部48は、自動販売機在庫情報53から、当該自動販売機10における在庫情報を取得する。在庫情報は、在庫商品とその数量であり、数量は自動販売機在庫情報53に含まれる当該商品のデータ件数から特定することができる。
【0084】
ステップ704で、配送計画生成部48は、それぞれの自動販売機10の位置情報と、在庫商品とその数量に基づいて、適切な配送順序を示す配送計画を生成する。当該配送計画生成方法の一例として、次のような方法が考え得る。まず、複数の自動販売機10のうち、商品の在庫が不足している(在庫商品の数量が所定閾値を下回っている)自動販売機10を抽出し、その在庫が不足している商品の内訳を特定する。そして、同時に配送することが可能な商品をグループ化し、それぞれの自動販売機10における在庫商品の数量及び販売予測に基づいて商品の補充量を算出及び設定した上で、それぞれのグループに属する商品が不足している自動販売機10のそれぞれの位置関係に基づいて、当該自動販売機10全体に配送するのに最も移動距離が短くなるようなルートを算出する。また、配送計画生成方法は、在庫の不足数が多い自動販売機10を優先させて配送順序を先にしたり、さらに交通事情を考慮したりするなど、様々な方法で算出することが可能である。
ステップ705で、配送計画生成部48は、配送計画情報を運用者端末30に送信する。
【0085】
ステップ706で、運用者端末30の配送計画表示部35は、サーバ40から受信した配送計画情報を配送計画表示画面351に表示する。
図22は、このような配送計画表示画面351の一例を示している。当該配送計画表示画面351の例では、配送計画351Aとして、配送ルートを自動販売機10の位置及び配送順とともに地図上で視覚的に把握しやすいように表示させている。この例に示すように、配送ルートが複数ある場合は、複数のルートを同時に表示してもよい。また、配送ルートごとに配送者が特定できる場合には、配送者情報も併せて表示するようにしてもよい。なお、配送計画の表示方法はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、配送対象の自動販売機10を配送順にリスト表示したりしてもよい。
【0086】
当該配送計画生成処理によれば、自動販売機運用者が運用する自動販売機10の在庫状況を考慮した配送計画が自動作成されて運用者端末30に表示される。そして、自動販売機運用者がこのような配送計画を容易に参照することができるようになる。このため、自動販売機運用者は、自動販売機10の在庫補充業務を効率的に行うことが可能となり、運用業務の負担が軽減される。
【0087】
また、当該配送計画生成処理では、配送完了時刻を指定して配送計画を生成してもよい。販売予測から得られた販売チャンス時刻前に配送を完了することで販売を促進できるとともに、配送者の労働管理として配送完了時刻を指定し、過剰な労働リスクを回避することができ、運用業務の負担が軽減される。さらに、上記の配送計画生成処理では、自動販売機運用者が自ら管理(所有)する自動販売機10に商品を補充するための配送計画を生成して、当該情報を運用者端末30に送信したが、例えば、仲介業者が、複数の生産者から商品を収集し、複数の自動販売機業者に配送(納品)したり、複数の自動販売機業者が管理(所有)する複数の自動販売機10にそれぞれ直接補充(納品)したりするための配送計画を生成し(仲介業者端末に表示し)てもよく、これにより生産者から自動販売機までの集配、在庫補充業務を効率的に行うことができ、運用業務の負担が軽減される。
【0088】
なお、上記の配送計画生成処理の機能を実現するためには、
図2に示す構成を全て含むのではなく、少なくとも自動販売機10、運用者端末30及びサーバ40を含む商品販売システムとしてもよい。この場合、少なくとも、運用者端末30が配送計画表示部35を備える一方、サーバ40が、配送計画生成部48、並びに、自動販売機設置情報51、商品情報52及び自動販売機販売情報54を備え、必要に応じて他の構成を備えるようにすればよい。
【0089】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図23は、本実施形態における商品販売システム1の構成要素である自動販売機10に搭載された汎用の情報処理装置、消費者端末20、運用者端末30及びサーバ40を構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す。本情報処理装置は、プロセッサ910、メモリ920、ストレージ930、可搬記憶媒体駆動装置940、入出力装置950及び通信インタフェース960を備える。
【0090】
プロセッサ910は、制御ユニット、演算ユニット及び命令デコーダ等を含み、実行ユニットが、命令デコーダで解読されたプログラムの命令に従い、制御ユニットより出力される制御信号に応じ、演算ユニットを用いて算術・論理演算を実行する。かかるプロセッサ910は、制御に用いる各種情報が格納される制御レジスタ、既にアクセスしたメモリ920等の内容を一時的に格納可能なキャッシュ等を備える。なお、プロセッサ910は、CPU(Central Processing Unit)コアが複数設けられている構成でもよい。
【0091】
メモリ920は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶装置であり、プロセッサ910で実行されるプログラムがロードされるとともに、プロセッサ910の処理に用いるデータが格納されるメインメモリである。また、ストレージ930は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムや各種データが格納される。可搬記憶媒体駆動装置940は、可搬記憶媒体970に記憶されたデータやプログラムを読み出す装置である。可搬記憶媒体970は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又はフラッシュメモリ等である。なお、プロセッサ910は、メモリ920やストレージ930と協働しつつ、ストレージ930や可搬記憶媒体970に格納されたプログラムを実行する。なお、プロセッサ910が実行するプログラムや、アクセス対象となるデータは、当該情報処理装置と通信可能な他の装置に格納されていてもよい。
【0092】
入出力装置950は例えばタッチパネル、キーボード等やディスプレイ等の入力手段及び出力手段であり、ユーザ操作等による動作命令を受け付ける一方、情報処理装置による処理結果を出力する。通信インタフェース960は、例えば、通信モジュール、LANカード等の他、無線周波受信機および送信機、ならびに光受信機および送信機を含み、外部とのデータ通信を可能にする。前述した情報処理装置の各構成要素は、バス980で接続されている。
【0093】
[その他]
本明細書で説明した商品販売システムの機能的構成及び物理的構成は、上述の態様に限るものではなく、例えば、各機能や物理資源を統合して実装したり、逆に、さらに分散して実装したりすることも可能である。
【0094】
例えば、本実施形態においては、1台のサーバ40において販売情報記録部41、自動販売機検索部42、消費者向けEC販売部43、運用者向けEC販売部44、出品処理部45、マッチング処理部46、販売分析部47及び配送計画生成部48が設けられているが、サーバを複数設けて機能分散する分散構成にしてもよい。
【0095】
また、本実施形態においては、各種データが格納される記憶装置がサーバ40内に設けられている態様を図示しているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、サーバ40とは別の情報処理装置を用いた1つ又は複数のデータサーバを別途設け、当該データサーバの記憶装置にこれらの情報を格納し、ネットワークを介してこれらのデータにアクセスするようにしてもよい。
【0096】
さらに、自動販売機10、消費者端末20及び運用者端末30と、サーバ40との間の機能割り当ても、本実施形態のような態様に限定されるものではない。例えば、サーバ40側を単にデータサーバとして機能させ、販売情報記録部41の機能を自動販売機10側で実現することも可能である。同様にして、自動販売機検索部42及び消費者向けEC販売部43の機能を消費者端末20側で実現することも可能である。さらに、同様にして、運用者向けEC販売部44、出品処理部45、マッチング処理部46、販売分析部47及び配送計画生成部48の機能を運用者端末30で実現することも可能である。
【符号の説明】
【0097】
10…自動販売機、20…消費者端末、30…運用者端末、40…サーバ、41…販売情報記録部、42…自動販売機検索部、43…消費者向けEC販売部、44…運用者向けEC販売部、45…出品処理部、46…マッチング処理部、47…販売分析部、48…配送計画生成部、51…自動販売機設置情報、52…商品情報、53…自動販売機在庫情報、54…自動販売機販売情報、55…消費者向けEC関連情報、56…運用者向けEC関連情報