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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075751
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】車両の前部構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/52 20060101AFI20230524BHJP
   B60R 19/50 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
B60R19/52 K
B60R19/50 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188846
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】和田 恭志
(57)【要約】
【課題】車両の前部の意匠の自由度を高めつつ、意匠性を向上させることができる車両の前部構造を提供する。
【解決手段】車両の前部構造は、車両の前面の外周部を構成するとともに、前面の中央部に開口するグリル開口部20を有するバンパカバー12と、上下方向Z及び車幅方向Wに延在するとともにグリル開口部20に収容されるグリル部材40とを備えている。グリル部材40の前面である意匠面50は、互いに意匠基調の異なる第1意匠領域51及び第2意匠領域52を有している。グリル部材40における第1意匠領域51及び第2意匠領域52を有する部分が一体形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前後方向を前後方向とするとともに、前記車両が水平面上に位置するときの前記車両の上下方向を上下方向とするとき、
前記車両の前面の外周部を構成するとともに、前記前面の中央部に開口するグリル開口部を有するバンパカバーと、
上下方向及び車幅方向に延在するとともに前記グリル開口部に収容されるグリル部材と、を備え、
前記グリル部材の前面である意匠面は、互いに意匠基調の異なる複数の意匠領域を有しており、
前記グリル部材における前記複数の意匠領域を有する部分が一体形成されている、
車両の前部構造。
【請求項2】
車幅方向の両側には、一対のヘッドランプが設けられており、
前記グリル開口部は、前記ヘッドランプよりも車幅方向の外側まで延在するものであるとともに、車幅方向の両側において上下方向に延在する一対の側縁部を有しており、
前記複数の意匠領域は、
車幅方向の中央部に位置する第1意匠領域と、
車幅方向において前記第1意匠領域と前記一対の側縁部との間にそれぞれ位置する一対の第2意匠領域と、を有している、
請求項1に記載の車両の前部構造。
【請求項3】
前記一対のヘッドランプは、前記グリル開口部の内部において、前記グリル部材の前記第2意匠領域と上下方向または車幅方向に隣り合って配置されており、
前記グリル開口部の内部における車幅方向の両側には、光を前方に向けて出射する一対のライト部材が設けられ、
前記ライト部材は、前記第2意匠領域の後側に隣り合って配置されている、
請求項2に記載の車両の前部構造。
【請求項4】
前記第2意匠領域における前記ライト部材と対向する部分には、前記グリル部材を前後方向に貫通するとともに前記ライト部材からの光を通過させることで発光する複数の発光部が設けられており、
前記第2意匠領域には、前記発光部と同一の正面視形状を有する複数の凹部が設けられており、
前記複数の発光部及び前記複数の凹部は、互いに隣り合って格子状に配置されている、
請求項3に記載の車両の前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フロントバンパフェース(以下、バンパカバー)と、バンパカバーの前面部の車幅方向中央上部に配置されるフロントグリル(以下、グリル部材)とを有する車両の前部構造が記載されている。グリル部材には、車両の上下方向に延びる複数の縦リブと車幅方向に延びる複数の横リブとを有する格子状の意匠面が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-83108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のグリル部材を含む従来のグリル部材においては、意匠面全体にわたって単一の意匠基調を有している。このため、グリル部材の意匠の自由度、ひいては車両の前部における意匠の自由度が制限されるものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための車両の前部構造は、車両の前後方向を前後方向とするとともに、前記車両が水平面上に位置するときの前記車両の上下方向を上下方向とするとき、前記車両の前面の外周部を構成するとともに、前記前面の中央部に開口するグリル開口部を有するバンパカバーと、上下方向及び車幅方向に延在するとともに前記グリル開口部に収容されるグリル部材と、を備え、前記グリル部材の前面である意匠面は、互いに意匠基調の異なる複数の意匠領域を有しており、前記グリル部材における前記複数の意匠領域を有する部分が一体形成されている。
【0006】
同構成によれば、グリル部材における複数の意匠領域を有する部分が一体形成されているため、互いに異なる意匠領域を有する部分を各別に形成した後に互いに異なる意匠領域を有する部分同士を互いに接合してグリル部材を構成する場合のように接合部分にずれが生じることがない。したがって、車両の前部の意匠の自由度を高めつつ、意匠性を向上させることができる。
【0007】
上記車両の前部構造において、車幅方向の両側には、一対のヘッドランプが設けられており、前記グリル開口部は、前記ヘッドランプよりも車幅方向の外側まで延在するものであるとともに、車幅方向の両側において上下方向に延在する一対の側縁部を有しており、前記複数の意匠領域は、車幅方向の中央部に位置する第1意匠領域と、車幅方向において前記第1意匠領域と前記一対の側縁部との間にそれぞれ位置する一対の第2意匠領域と、を有していることが好ましい。
【0008】
同構成によれば、グリル開口部がヘッドランプよりも車幅方向の外側まで延在している。そして、複数の意匠領域が、車幅方向の中央部に位置する第1意匠領域と、車幅方向において第1意匠領域と一対の側縁部との間にそれぞれ位置する一対の第2意匠領域とを有している。このため、例えばグリル部材のうち第1意匠領域を従来のグリル部材と同様な意匠基調としつつ、第1意匠領域よりも車幅方向の外側の部分、すなわち従来、バンパカバーによって構成される部分を第2意匠領域によって構成することができる。したがって、車両の前部における意匠の自由度を向上させることができる。
【0009】
上記車両の前部構造において、前記一対のヘッドランプは、前記グリル開口部の内部において、前記グリル部材の前記第2意匠領域と上下方向または車幅方向に隣り合って配置されており、前記グリル開口部の内部における車幅方向の両側には、光を前方に向けて出射する一対のライト部材が設けられ、前記ライト部材は、前記第2意匠領域の後側に隣り合って配置されていることが好ましい。
【0010】
同構成によれば、グリル開口部がヘッドランプよりも車幅方向の外側まで延在しているため、ライト部材をグリル開口部の内部に容易に配置することができる。また、グリル部材の第2意匠領域の一部を発光させることができる。
【0011】
上記車両の前部構造において、前記第2意匠領域における前記ライト部材と対向する部分には、前記グリル部材を前後方向に貫通するとともに前記ライト部材からの光を通過させることで発光する複数の発光部が設けられており、前記第2意匠領域には、前記発光部と同一の正面視形状を有する複数の凹部が設けられており、前記複数の発光部及び前記複数の凹部は、互いに隣り合って格子状に配置されていることが好ましい。
【0012】
同構成によれば、複数の発光部と複数の凹部とが連続した広がりのある同一基調の意匠面を構成するようになる。このため、発光部が発光していないときには、発光部と凹部とが一体感を有する意匠面を構成するとともに、発光部が発光しているときには、複数の発光部及び複数の凹部のうち発光部のみを発光させることができる。したがって、車両の前部の意匠性を向上することができる。
【0013】
また、上記構成によれば、第2意匠領域が複数の発光部のみでなく、複数の凹部、すなわちグリル部材を前後方向に貫通しない部分によって構成されている。このため、第2意匠領域が上記凹部を有していない場合に比べて、車両の空気抵抗を低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両の前部の意匠の自由度を高めつつ、意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、車両の前部構造の一実施形態を示す正面図である。
図2図2は、同実施形態のバンパカバー及びグリル部材の分解斜視図である。
図3図3は、同実施形態におけるグリル部材及び枠部材の分解斜視図である。
図4図4は、同実施形態におけるバンパカバー及び枠部材の分解斜視図である。
図5図5は、同実施形態におけるグリル部材及び補助ランプの分解斜視図である。
図6図6は、図1の6-6線に沿った断面図である。
図7図7は、図6の一部を拡大して示す部分拡大図である。
図8図8は、図1の8-8線に沿った断面図である。
図9図9は、図6の9-9線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1図9を参照して、車両の前部構造の一実施形態について説明する。
なお、以降において、車両の前後方向を前後方向Lとし、車幅方向を車幅方向Wとし、車両が水平面上に位置しているときの車両の上下方向を上下方向Zとして説明する。
【0017】
また、前後方向Lにおける前側及び後側を、それぞれ単に「前側」及び「後側」とし、車幅方向Wにおいて車両の中央から離れる側及び同中央に近づく側を、それぞれ単に「外側」及び「内側」として説明する。また、上下方向Zにおける上側及び下側を、それぞれ単に「上側」及び「下側」として説明する。
【0018】
本実施形態の車両の前部構造は、車幅方向Wにおいて対称な構造を有している。このため、以降においては、車幅方向Wの一側(図1の左側)の構造について説明し、他側(図1の右側)の構造についての説明を省略することがある。
【0019】
図1に示すように、車両の前部には、ボンネットフード10、上側ヘッドランプ11、バンパカバー12、枠部材30、グリル部材40、下側ヘッドランプ70、及び補助ランプ80が設けられている。
【0020】
ボンネットフード10の前端における車幅方向Wにおける中央部10aは、両側よりも下方に突出している。中央部10aの車幅方向Wにおける両側には、一対の上側ヘッドランプ11が配置されている。
【0021】
次に、各構成について説明する。
<バンパカバー12>
図1に示すように、バンパカバー12は、車体フレーム(図示しない)に固定されるとともに車両の前面の外周部を構成している。バンパカバー12は、車幅方向Wに延在するカバー上部13と、カバー上部13の車幅方向Wの両端から下方に延在する一対のカバー側部14とを有している。
【0022】
カバー上部13は、ボンネットフード10の中央部10a及び一対の上側ヘッドランプ11に対して下側に隣り合って配置されている。
バンパカバー12の前面の車幅方向Wにおける中央部には、グリル開口部20が開口している。グリル開口部20は、カバー上部13及びカバー側部14によって区画されている。
【0023】
グリル開口部20は、前後方向Lにおいて車両の一対の前輪90と重なる位置まで上下方向Z及び車幅方向Wに延在している。
グリル開口部20の縁部21は、車幅方向Wに延在する上縁部22と、上縁部22の車幅方向Wの両端から下方に延在する一対の側縁部23とを有している。
【0024】
側縁部23は、上側から順に、第1ストレート部23a、第1傾斜部23b、第2ストレート部23c、第2傾斜部23d、及び第3ストレート部23eを有している。
第1ストレート部23aは、上縁部22の車幅方向Wの端に連なるとともに上下方向Zに延在している。第1傾斜部23bは、第1ストレート部23aの下端に連なるとともに下側ほど車幅方向Wの内側に位置するように傾斜して延在している。第2ストレート部23cは、第1傾斜部23bの下端に連なるとともに上下方向Zに延在している。第2ストレート部23cは、第1ストレート部23a及び第1傾斜部23bよりも車幅方向Wの内側に位置している。第2傾斜部23dは、第2ストレート部23cの下端に連なるとともに下側ほど車幅方向Wの外側に位置するように傾斜して延在している。第3ストレート部23eは、第2傾斜部23dの下端に連なるとともに上下方向Zに延在している。
【0025】
図2に示すように、バンパカバー12は、横連結部15及び一対の縦連結部16を有している。横連結部15は、車幅方向Wに延在するとともにカバー側部14同士を連結している。縦連結部16は、上下方向Zに延在するとともに横連結部15とカバー上部13とを連結している。縦連結部16は、車幅方向Wにおいてカバー側部14と間隔をあけて設けられている。また、縦連結部16同士は、車幅方向Wにおいて互いに間隔をあけて設けられている。
【0026】
バンパカバー12は、硬質樹脂材料によって一体成形されている。
<グリル部材40>
図1及び図2に示すように、グリル部材40は、上下方向Z及び車幅方向Wに延在するとともにグリル開口部20に収容されている。
【0027】
グリル部材40は、グリル本体40A、第1連結部材40B、及び第2連結部材40Cを備えている。
(グリル本体40A)
図1及び図2に示すように、グリル本体40Aは、意匠面本体部44を有している。
【0028】
図3に示すように、グリル本体40Aは、上下方向Zにおいて複数に分割して構成されている。
グリル本体40Aは、上側から順に、第1分割体41、第2分割体42、及び第3分割体43を有している。グリル本体40Aは、バンパカバー12に対して前方から組み付けられている。
【0029】
なお、図3において、分割体41,42,43同士の締結箇所または嵌合箇所を破線または二点鎖線にて示している。
(第1連結部材40B)
図2に示すように、第1連結部材40Bは、バンパカバー12のカバー上部13の裏面及びグリル本体40Aの上部の裏面に組み付けられている。
【0030】
第1連結部材40Bは、意匠面部45、上側連結部46、及び下側連結部47を有している。
図1及び図2に示すように、意匠面部45は、グリル部材40の意匠面50の上端部における車幅方向Wの中央部を構成している。
【0031】
上側連結部46は、意匠面部45の上側に連なって設けられている。上側連結部46は、バンパカバー12のカバー上部13の裏面に連結される。
下側連結部47は、意匠面部45の下側に連なって設けられている。下側連結部47は、グリル本体40Aの上部の裏面に連結される。
【0032】
なお、図2において、バンパカバー12、グリル本体40A、及び第1連結部材40B同士の締結箇所または嵌合箇所を破線または二点鎖線にて示している。
(第2連結部材40C)
図4に示すように、第2連結部材40Cは、意匠面部48及び連結部49を有している。
【0033】
図1及び図2に示すように、意匠面部48は、グリル部材40の意匠面50の上端部における車幅方向Wの端部を構成している。
図4に示すように、連結部49は、意匠面部48の裏面に設けられている。連結部49は、バンパカバー12の縦連結部16の上端部に連結される。
【0034】
グリル本体40A、及び連結部材40B,40Cは、硬質樹脂製である。
(意匠面50)
図1に示すように、意匠面本体部44、及び意匠面部45,48によって、グリル部材40の前面である意匠面50が構成されている。
【0035】
意匠面50は、互いに意匠基調の異なる複数の意匠領域を有している。
意匠面50は、車幅方向Wの中央部に位置する第1意匠領域51と、車幅方向Wにおいて第1意匠領域51とグリル開口部20の一対の側縁部23との間にそれぞれ位置する一対の第2意匠領域52とを有している。
【0036】
グリル本体40Aを構成する各分割体41~43は、第1意匠領域51及び第2意匠領域52の双方を有している。
(第1意匠領域51)
図1に示すように、第1意匠領域51は、車幅方向Wに直線状に延在する複数の部位と、上下方向Zに直線状に延在する複数の部位とが互いに交差するように組み合わされた格子状の意匠基調を有している。
【0037】
グリル本体40Aの第1意匠領域51には、複数の横リブ53が設けられている。
複数の横リブ53は、車幅方向Wに延在するとともに、上下方向Zに互いに間隔をあけて設けられている。本実施形態では、5つの横リブ53が設けられている。
【0038】
グリル本体40Aのうち上から1番目の横リブ53と2番目の横リブ53との間の部分には、グリル本体40Aを前後方向Lに貫通する貫通孔54が設けられている。また、グリル本体40Aのうち上から2番目の横リブ53と3番目の横リブ53との間の部分には、グリル本体40Aを前後方向Lに貫通する貫通孔54が設けられている。
【0039】
各貫通孔54には、車幅方向Wに延在する横筋56と、上下方向Zに延在するとともに車幅方向Wに互いに間隔をあけて配置される複数の縦格子57とが設けられている。
一方、グリル本体40Aのうち上から3番目の横リブ53と4番目の横リブ53との間の部分は、前後方向Lに貫通していない。また、グリル本体40Aのうち上から4番目の横リブ53と5番目の横リブ53との間の部分は、前後方向Lに貫通していない。
【0040】
上から3番目の横リブ53と5番目の横リブ53との間には、ナンバープレートを取り付けるための取り付け面59が設けられている。
グリル本体40Aのうち一番下の横リブ53の下方には、グリル本体40Aを前後方向Lに貫通する貫通孔58が設けられている。
【0041】
貫通孔58は、車幅方向Wにおいて貫通孔54と同一の大きさを有している。
貫通孔58には、貫通孔54と同様にして、横筋56と複数の縦格子57とが設けられている。
【0042】
第1連結部材40Bには、第1連結部材40Bを前後方向Lに貫通する貫通孔60が設けられている。
貫通孔60には、貫通孔54と同様にして、横筋56と複数の縦格子57とが設けられている。
【0043】
(第2意匠領域52)
図1に示すように、第2意匠領域52には、車幅方向Wに対して傾斜して延在する複数の部位が互いに交差するように組み合わされた格子状の意匠基調を有している。
【0044】
第2意匠領域52には、複数の波状リブ61,62が設けられている。
波状リブ61,62は、車幅方向Wに波状に延在するとともに、上下方向Zにおいて互いに連結されている。
【0045】
波状リブ61の最も下側に位置する部位と、波状リブ62の最も上側に位置する部位とが連結されている。
波状リブ61の最も上側に位置する部位と、波状リブ62の最も下側に位置する部位とが連結されている。
【0046】
波状リブ61,62によって囲まれた部分によって、前方に向かって開口する凹部63及び貫通孔64が形成されている。凹部63及び貫通孔64の正面視形状及び大きさは互いに同一である。
【0047】
本実施形態では、複数の凹部63が、第2意匠領域52の上部に互いに隣り合って設けられている。また、複数の貫通孔64が、第2意匠領域52の下部に互いに隣り合って設けられている。
【0048】
<上側ヘッドランプ11及び下側ヘッドランプ70>
図1に示すように、一対の下側ヘッドランプ70は、グリル部材40に対して上側に隣り合って配置されている。下側ヘッドランプ70は、上側ヘッドランプ11とバンパカバー12のカバー上部13を挟んで上下に並んで配置されている。下側ヘッドランプ70の下側には、グリル部材40の第2意匠領域52が隣り合っている。
【0049】
図6に示すように、本実施形態の上側ヘッドランプ11及び下側ヘッドランプ70は、共通のランプハウジング71を有している。ランプハウジング71は、図示しない車体フレームに固定されている。ランプハウジング71は、前方に向かって開口する開口部71aを有している。
【0050】
ランプハウジング71には、開口部71aを覆うランプアウタレンズ72が組み付けられている。
ランプアウタレンズ72は、開口部71aの周縁部に取り付けられる取付部72aを有している。ランプアウタレンズ72は、上側開口部72b及び下側開口部72cを有している。ランプアウタレンズ72は、黒色の硬質樹脂製である。
【0051】
上側開口部72bには、上側開口部72bを覆う上側ランプレンズ73が一体に設けられている。
下側開口部72cには、下側開口部72cを覆う下側ランプレンズ74が一体に設けられている。
【0052】
上側ランプレンズ73及び下側ランプレンズ74は、透明樹脂製であり、二色成形によってランプアウタレンズ72と一体形成されている。
図6及び図7に示すように、下側ランプレンズ74の下端部には、前側に突出する段部74aが設けられている。
【0053】
段部74aは、グリル本体40Aの上端縁によって前側から覆われている。段部74aは、可視光の透過を阻止する遮光部75を有している。遮光部75は、黒色樹脂製であり、下側ランプレンズ74の後面に設けられている。本実施形態の遮光部75は、ランプアウタレンズ72の一部として構成されている。
【0054】
ランプハウジング71の内部において上側ランプレンズ73の後側には、上側ヘッドランプ11の光源(図示略)が配置されている。
ランプハウジング71の内部において下側ランプレンズ74の後側には、下側ヘッドランプ70の光源(図示略)が配置されている。
【0055】
なお、下側ヘッドランプ70が、本発明に係るヘッドランプに相当する。
<補助ランプ80>
図1に示すように、一対の補助ランプ80は、グリル部材40の後側に隣り合って配置されている。補助ランプ80は、イルミネーションランプである。補助ランプ80は、下側ヘッドランプ70と上下に並んで配置されている。補助ランプ80は、グリル部材40の第2意匠領域52の下部、すなわち複数の貫通孔64が設けられている対向部65の後側に隣り合って配置されている。
【0056】
対向部65は、前後方向Lにおいて補助ランプ80と対向している。
図5及び図6に示すように、補助ランプ80は、ランプハウジング81を有している。
ランプハウジング81は、開口部81a及び取付部81bを有している。開口部81aは、前方に向かって開口している。取付部81bは、グリル本体40Aの裏面に取り付けられている。
【0057】
図6に示すように、ランプハウジング81の内部には、拡散部材84が配置されている。ランプハウジング81には、開口部81aを覆うランプレンズ82が設けられている。ランプレンズ82は、開口部81aの周縁部に取り付けられる取付部82aを有している。拡散部材84は、透明樹脂製の基材と周知の拡散材とを有している。
【0058】
図9に示すように、ランプハウジング81の内部には、光源83及び基板85が設けられている。基板85は、ランプハウジング81の車幅方向Wの外側の側壁と隣り合って設けられている。基板85には、光源83が取り付けられている。拡散部材84は、上下方向Zに延在するとともに、車幅方向Wの外側ほど後側に位置するように延在している。光源83は、拡散部材84の車幅方向Wの外側の端面と対向している。
【0059】
拡散部材84は、平面状の発光面84aを有している。発光面84aは、ランプレンズ82と前後方向Lで対向しているとともに、上下方向Z及び車幅方向Wに延在している。拡散部材84の前面が、平面状の発光面84aを形成している。
【0060】
なお、図5において、ランプハウジング81の取付部81b及びグリル本体40A同士の締結箇所を破線にて示している。
図1及び図8に示すように、複数の貫通孔64が、1つの発光面84aと前後方向Lにおいて対向している。
【0061】
補助ランプ80においては、光源83から出射される可視光が拡散部材84に入射されると、拡散部材84によって拡散されることで、発光面84a全体が発光する。複数の貫通孔64は、発光面84aからの光を通過させる。
【0062】
補助ランプ80が、本発明に係るライト部材に相当する。
<枠部材30>
図1に示すように、枠部材30は、グリル開口部20の縁部21に沿って配置されている。
【0063】
枠部材30は、縦枠部31、上側横枠部32、及び下側横枠部33を有している。
縦枠部31は、車幅方向Wにおいてグリル開口部20の側縁部23と下側ランプレンズ74との間に位置している。縦枠部31は、上下方向Zにおいて側縁部23の全体にわたって設けられている。
【0064】
上側横枠部32は、グリル開口部20の上縁部22の下側に隣接して設けられている。上側横枠部32は、上下方向Zにおいて上縁部22と下側ランプレンズ74との間に位置している。
【0065】
図6に示すように、上側横枠部32の前端縁32aは、下側ランプレンズ74よりも前側に位置している。
下側横枠部33は、グリル本体40Aの下縁部に隣接して設けられている。下側横枠部33は、車幅方向Wにおいてグリル本体40Aの下縁部の全体にわたって設けられている。
【0066】
図1図3に示すように、本実施形態の枠部材30は、一対の第1枠部材30A、一対の第2枠部材30B、及び第3枠部材30Cによって5つに分割して構成されている。
第1枠部材30Aは、上側横枠部32、及び縦枠部31のうち車幅方向Wにおいて下側ヘッドランプ70と隣り合う部分を有している。
【0067】
第2枠部材30Bは、縦枠部31のうち車幅方向Wにおいてグリル本体40Aと隣り合う部分、及び下側横枠部33のうち上側横枠部32と上下方向Zにおいて重なり合う部分を有している。
【0068】
第3枠部材30Cは、下側横枠部33のうち一対の第2枠部材30B以外の部分を有している。
図4に示すように、第1枠部材30Aは、バンパカバー12に組み付けられている。
【0069】
図3に示すように、第2枠部材30B及び第3枠部材30Cは、グリル本体40Aに組み付けられている。
枠部材30は、硬質樹脂製である。枠部材30の意匠面は、金属めっきにより金属光沢を有している。
【0070】
なお、図3において、第2枠部材30B、第3枠部材30C、及びグリル本体40A同士の締結箇所または嵌合箇所を二点鎖線または破線にて示している。
また、図4において、バンパカバー12及び第1枠部材30A同士の締結箇所または嵌合箇所を二点鎖線または破線にて示している。
【0071】
また、図2において、第2枠部材30B及びバンパカバー12同士の締結箇所または嵌合箇所を二点鎖線または破線にて示している。
なお、本実施形態では、貫通孔64が、本発明に係る発光部に相当する。
【0072】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1図3に示すように、グリル部材40における第1意匠領域51及び第2意匠領域52を有する部分が一体形成されている。このため、意匠領域51,52を有する部分を各別に形成した後に意匠領域51,52を有する部分同士を互いに接合してグリル部材40を構成する場合のように接合部分にずれが生じることがない。
【0073】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)グリル部材40の前面である意匠面50は、互いに意匠基調の異なる第1意匠領域51及び第2意匠領域52を有している。グリル部材40における第1意匠領域51及び第2意匠領域52を有する部分が一体形成されている。
【0074】
こうした構成によれば、上記作用を奏することから、車両の前部の意匠の自由度を高めつつ、意匠性を向上させることができる。
また、グリル部材40の部品点数が少なくなることから、グリル部材40の組み付けに要する手間を減らすことができる。
【0075】
(2)グリル開口部20は、下側ヘッドランプ70よりも車幅方向Wの外側まで延在している。複数の意匠領域は、車幅方向Wの中央部に位置する第1意匠領域51と、車幅方向Wにおいて第1意匠領域51と一対の側縁部23との間にそれぞれ位置する一対の第2意匠領域52とを有している。
【0076】
こうした構成によれば、グリル開口部20が下側ヘッドランプ70よりも車幅方向Wの外側まで延在している。そして、複数の意匠領域が、車幅方向Wの中央部に位置する第1意匠領域51と、車幅方向Wにおいて第1意匠領域51と一対の側縁部23との間にそれぞれ位置する一対の第2意匠領域52とを有している。このため、例えばグリル部材40のうち第1意匠領域51を従来のグリル部材と同様な意匠基調としつつ、第1意匠領域51よりも車幅方向Wの外側の部分、すなわち従来、バンパカバーによって構成される部分を第2意匠領域52によって構成することができる。したがって、車両の前部における意匠の自由度を向上させることができる。
【0077】
(3)一対の下側ヘッドランプ70は、グリル開口部20の内部において、グリル部材40の第2意匠領域52と上下方向Zに隣り合って配置されている。グリル開口部20の内部における車幅方向Wの両側には、光を前方に向けて出射する一対の補助ランプ80が設けられ、補助ランプ80は、第2意匠領域52の後側に隣り合って配置されている。
【0078】
こうした構成によれば、グリル開口部20が下側ヘッドランプ70よりも車幅方向Wの外側まで延在しているため、補助ランプ80をグリル開口部20の内部に容易に配置することができる。また、グリル部材40の第2意匠領域52の一部を発光させることができる。
【0079】
(4)グリル部材40の意匠面50には、貫通孔64と同一の正面視形状を有する複数の凹部63が設けられている。複数の貫通孔64及び複数の凹部63は、互いに隣り合って格子状に配置されている。
【0080】
こうした構成によれば、複数の貫通孔64と複数の凹部63とが連続した広がりのある同一基調の意匠面を構成するようになる。このため、貫通孔64が発光していないときには、貫通孔64と凹部63とが一体感を有する意匠面を構成するとともに、貫通孔64が発光しているときには、複数の貫通孔64及び複数の凹部63のうち貫通孔64のみを発光させることができる。したがって、グリル部材40の意匠性を向上することができる。
【0081】
また、上記構成によれば、第2意匠領域52が複数の貫通孔64のみでなく、複数の凹部63、すなわちグリル部材40を前後方向Lに貫通しない部分によって構成されている。このため、第2意匠領域52が上記凹部63を有していない場合に比べて、車両の空気抵抗を低減することができる。
【0082】
(5)グリル開口部20の内部における車幅方向Wの両側には、ライト部材が配置されている。ライト部材は、グリル部材40と上下方向Zに隣り合って配置される下側ヘッドランプ70及びグリル部材40の後側に隣り合って配置される補助ランプ80を含んでいる。
【0083】
こうした構成によれば、グリル開口部20の内部において下側ヘッドランプ70の形状や配置を変更したり、グリル部材40の外縁の形状を変更したりすることで、車両の前面の意匠を変更することができる。
【0084】
また、グリル開口部20の内部において補助ランプ80の形状や配置を変更したり、グリル部材40のうち補助ランプ80からの光を通過させる貫通孔64の形状や配置を変更したりすることで、車両の前面の意匠を変更することができる。
【0085】
したがって、バンパカバー12の設計の手間を減らすことができるとともに、車両の前面の意匠の自由度を高めることができる。
(6)グリル開口部20は、車幅方向Wの両側において上下方向Zに延在する一対の側縁部23を有している。側縁部23は、下側ヘッドランプ70と車幅方向Wに並ぶ第1ストレート部23a及び第1傾斜部23bを有している。また、側縁部23は、第1傾斜部23bの下側に位置するとともに、グリル部材40と車幅方向Wに並ぶ第2ストレート部23cを有している。第2ストレート部23cは、第1ストレート部23a及び第1傾斜部23bよりも車幅方向Wの内側に位置している。
【0086】
グリル開口部20の内部における車幅方向Wの両側に下側ヘッドランプ70が配置される場合、グリル開口部20の幅、すなわち車幅方向Wの長さが大きくされることでバンパカバー12の剛性が低下するおそれがある。
【0087】
この点、上記構成によれば、側縁部23の第1部分同士の幅が、第2部分同士の幅よりも大きくされている。このため、側縁部23のうち下側ヘッドランプ70と車幅方向Wに並んでいない部分については、グリル開口部20の幅が小さくされる。したがって、バンパカバー12の剛性低下を抑制できる。
【0088】
(7)枠部材30は、車幅方向Wにおいて側縁部23と下側ヘッドランプ70の下側ランプレンズ74との間に位置する縦枠部31と、上下方向Zにおいて上縁部22と下側ランプレンズ74との間に位置する上側横枠部32とを有している。上側横枠部32の前端縁32aは、下側ヘッドランプ70の下側ランプレンズ74よりも前側に位置している。
【0089】
こうした構成によれば、バンパカバー12とは別体の枠部材30を設けることによって、車両の前面の外観を容易に向上させることができる。
また、上側横枠部32の前端縁32aが、下側ヘッドランプ70の下側ランプレンズ74よりも前側に位置している。このため、車両走行中などにおいて下側ランプレンズ74に向けて飛来する異物が枠部材30に衝突することで下側ランプレンズ74に衝突しにくくなる。したがって、下側ランプレンズ74を異物から保護することができる。
【0090】
(8)段部74aには、グリル部材40の上端縁によって前側から覆われるとともに可視光の透過を阻止する遮光部75が設けられている。
下側ヘッドランプ70の下側ランプレンズ74がグリル部材40の上端縁によって前側から覆われる構成においては、下側ランプレンズ74とグリル部材40の上端縁との隙間からグリル部材40の後側が見えること、すなわち奥見えが生じる。その結果、外観が損なわれるおそれがある。
【0091】
この点、上記構成によれば、段部74aに設けられた遮光部75によって奥見えの発生が抑制されるようになる。したがって、外観を向上させることができる。
(9)下側ランプレンズ74は、透明樹脂製である。遮光部75は、黒色樹脂製であり、下側ランプレンズ74の後面に設けられている。
【0092】
こうした構成によれば、二色成形などによって遮光部75を有する下側ランプレンズ74を容易に具現化することができる。
(10)グリル部材40のうち補助ランプ80と前後方向Lにおいて対向する対向部65には、補助ランプ80からの光を通過させる貫通孔64が設けられている。
【0093】
こうした構成によれば、補助ランプ80からの光がグリル部材40の貫通孔64を通過することで貫通孔64が発光するようになる。このため、貫通孔64の形状や配置を変更することによって、車両の前面の意匠を変更することができる。
【0094】
(11)発光面84aは、グリル部材40の意匠面50とは反対側の面に対向している。グリル部材40における発光面84aと対向する部分である対向部65には、発光面84aからの光を通過させることで発光する複数の貫通孔64が設けられている。
【0095】
こうした構成によれば、光源83から発生される光が、拡散部材84によって拡散されることで、拡散部材84の発光面84aが発光する。発光面84aから発生される光が、グリル部材40に設けられた複数の貫通孔64を通過することで、複数の貫通孔64が発光するようになる。これにより、1つの光源83によって複数の貫通孔64を発光させることができる。また、貫通孔64の形状や配置を変更することによって、光源83及び発光面84aの形状や配置を変更することなく、グリル部材40を異なる態様にて発光させることができる。したがって、部品点数の増加を抑制しつつ、複数の貫通孔64を好適に発光させることができる。
【0096】
(12)発光部は、グリル部材40を貫通する貫通孔64である。
こうした構成によれば、発光面84aからの光が貫通孔64を通過するようになる。このため、グリル部材40の構成を簡単にすることができるとともに、複数の貫通孔64をより鮮明に発光させることができる。
【0097】
(13)本体部は、車両の前面を構成するグリル部材40である。
こうした構成によれば、部品点数の増加を抑制しつつ、グリル部材40の複数の貫通孔64を好適に発光させることができる。
【0098】
(14)グリル開口部20の内部における車幅方向Wの両側には、一対の下側ヘッドランプ70と、一対の補助ランプ80とが配置されている。
こうした構成によれば、グリル開口部20が下側ヘッドランプ70よりも車幅方向Wの外側まで延在している。このため、従来、バンパカバーにおいてヘッドランプを露出させる開口部の一部または全部を、グリル部材40によって構成することができる。これにより、グリル開口部20の内部において下側ヘッドランプ70及び補助ランプ80の配置及び形状を変更したり、グリル部材40の形状を変更したりすることで、車両の前面の意匠を変更することができる。したがって、バンパカバー12の設計の手間を減らすことができるとともに、車両の前面の意匠の自由度を高めることができる。
【0099】
(15)下側ヘッドランプ70は、グリル部材40に対して上側に隣り合って配置されている。
こうした構成によれば、グリル開口部20の上縁部22とグリル部材40との間に形成される空間を通じて下側ヘッドランプ70を露出させることができる。したがって、下側ヘッドランプ70の視認性を高めることができる。
【0100】
(16)一対の補助ランプ80が、下側ヘッドランプ70よりも下方であり、且つグリル部材40の後側において、下側ヘッドランプ70と上下方向Zに並んで配置されている。
【0101】
こうした構成によれば、一対の補助ランプ80をイルミネーションランプとして具体化することができる。
(17)補助ランプ80は、グリル部材40の後側の部分に取り付けられている。
【0102】
こうした構成によれば、グリル部材40に補助ランプ80が取り付けられていることによって、グリル部材40と補助ランプ80とを一体に扱うことができる。このため、グリル部材40をバンパカバー12などの取付対象に取り付けることによって、補助ランプ80の取り付けを同時に行うことができる。したがって、補助ランプ80の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0103】
(18)補助ランプ80は、イルミネーションランプである。
こうした構成によれば、グリル部材40の貫通孔64の形状や配置を変更することによって、グリル部材40の意匠を変更することができるとともに、グリル部材40を異なる態様にて発光させることができる。
【0104】
(19)グリル開口部20は、前後方向Lにおいて車両の前輪90と重なる位置まで上下方向Z及び車幅方向Wに延在している。
こうした構成によれば、グリル開口部20が、前後方向Lにおいて車両の前輪90と重なる位置まで上下方向Z及び車幅方向Wに延在している。このため、例えば前後方向Lにおいて前輪90の前方に位置する部分に、グリル部材40の貫通孔を設けることにより、前輪90のブレーキ部品に対して車両の走行風を取り込むことができる。また、前後方向Lにおいて前輪90の前方に位置する部分に、グリル開口部20の縁部21とグリル部材40の縁部との間に隙間を設けることにより、前輪90のブレーキ部品に対して車両の走行風を取り込むことができる。したがって、バンパカバー12の設計の手間を減らすことができるとともに、車両の走行風を取り込むことが可能となる。
【0105】
(20)一対の下側ヘッドランプ70の上側には、バンパカバー12を挟んで一対の上側ヘッドランプ11がそれぞれ配置されている。
こうした構成によれば、バンパカバー12を挟んで下側ヘッドランプ70及び上側ヘッドランプ11が配置される。このため、下側ヘッドランプ70と上側ヘッドランプ11との間に、バンパカバー12とは別体の外装部品を設ける構成に比べて、部品点数を減らすことができる。
【0106】
<変形例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0107】
・グリル部材40の対向部65に設けられている貫通孔64を、透明樹脂製のカバーによって後方から塞ぐようにしてもよい。この場合であっても、補助ランプ80からの光を前方に透過させることができる。
【0108】
・対向部65の貫通孔64を凹部63と同様な凹部にすることもできる。この場合、補助ランプ80を省略すればよい。
・凹部63及び貫通孔64の正面視形状は、上記実施形態において例示した形状に限定されない。例えば、凹部63及び貫通孔64を円形状にすることもできる。
【0109】
・凹部63及び貫通孔64の正面視形状及び大きさを互いに異ならせることもできる。
・下側ヘッドランプ70は、グリル部材40の上側に隣り合って配置されるものに限定されない。下側ヘッドランプ70は、グリル部材40の車幅方向Wの外側に隣り合って配置されるものであってもよい。
【0110】
・下側ヘッドランプ70及び補助ランプ80のいずれか一方を省略するようにしてもよい。
・本実施形態では、ライト部材をイルミネーションランプとして具体化した。これに代えて、ライト部材をフォグランプとして具体化することもできる。
【0111】
・本実施形態では、ヘッドランプである下側ヘッドランプ70とライト部材である補助ランプ80とを上下方向Zに並んで配置するようにしたが、これに限らない。グリル開口部の内部であれば、ヘッドランプ及びライト部材の配置を適宜変更してもよい。なお、この場合であっても、ヘッドランプは、グリル部材と上下方向Zまたは車幅方向Wに隣り合って配置されるものであればよい。また、ライト部材は、グリル部材40の後側に隣り合って配置されるものであればよい。
【0112】
・グリル開口部20の側縁部23は、上下方向Z全体にわたって直線状に延在するものであってもよい。
・グリル開口部20の形状は、適宜変更することができる。例えば、グリル開口部20は、前後方向Lにおいて前輪90と重なる位置まで車幅方向Wに延在していなくてもよい。
【0113】
・第1意匠領域51と第2意匠領域52との配置は適宜変更することができる。例えば、上下方向Zにおいて、第1意匠領域51と上縁部22との間、及び第1意匠領域51と下側横枠部33との間に一対の第2意匠領域52を設けるようにしてもよい。
【0114】
・本実施形態では、意匠領域が第1意匠領域51及び第2意匠領域52を有するようにしたが、3つ以上の互いに異なる意匠領域を有するようにしてもよい。この場合、グリル部材は、互いに異なる3つ以上の意匠領域を有する部分が一体形成されていればよい。
【符号の説明】
【0115】
10…ボンネットフード
10a…中央部
11…上側ヘッドランプ
12…バンパカバー
13…カバー上部
14…カバー側部
15…横連結部
16…縦連結部
20…グリル開口部
21…縁部
22…上縁部
23…側縁部
23a…第1ストレート部(第1部分)
23b…第1傾斜部(第1部分)
23c…第2ストレート部(第2部分)
23d…第2傾斜部
23e…第3ストレート部
30…枠部材
30A…第1枠部材
30B…第2枠部材
30C…第3枠部材
31…縦枠部
32…上側横枠部
32a…前端縁
33…下側横枠部
40…グリル部材
40A…グリル本体
40B…第1連結部材
40C…第2連結部材
41…第1分割体
42…第2分割体
43…第3分割体
44…意匠面本体部
45…意匠面部
46…上側連結部
47…下側連結部
48…意匠面部
49…連結部
50…意匠面
51…第1意匠領域
52…第2意匠領域
53…横リブ
54…貫通孔
56…横筋
57…縦格子
58…貫通孔
59…取り付け面
60…貫通孔
61,62…波状リブ
63…凹部
64…貫通孔(発光部)
65…対向部
70…下側ヘッドランプ(ヘッドランプ)
71…ランプハウジング
71a…開口部
72…ランプアウタレンズ
72a…取付部
72b…上側開口部
72c…下側開口部
73…上側ランプレンズ
74…下側ランプレンズ
74a…段部
75…遮光部
80…補助ランプ(ライト部材)
81…ランプハウジング
81a…開口部
81b…取付部
82…ランプレンズ
82a…取付部
83…光源
84…拡散部材
84a…発光面
85…基板
90…前輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9